JP6504732B2 - 物体のメンテナンスを行うための装置、システムおよび方法 - Google Patents

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Description

本発明は、物体のメンテナンスを行うための装置、システムおよび方法に関する。
大型風力発電機は、約100mの高さを有する。大型風力発電機のブレードの翼端周速は約100〜120m/sであり、ブレードの風を切る方の縁であるリーディングエッジ(前縁)は、毎年約20μm摩耗する。また、大型風力発電機のブレードは雷による被害を受けやすい。そのため、ブレードには、耐雷対策として雷撃電流を地面に流すための受雷部が設けられているが、受雷部が導通不良であると、ブレードは、落雷により故障してしまう。従って、大型風力発電機のブレードには、定期的なメンテナンスが必要である。
既設の大型風力発電機のブレードのメンテナンスを行う方法として、代表的な3つの方法がある。第1の方法は、大型クレーンを用いてブレードを取り外し、地上に下ろしてからメンテナンスを行う方法である。第2の方法は、大型クレーンの先端にゴンドラを吊り下げ、ゴンドラに乗った作業員がメンテナンスを行う方法である。第3の方法は、作業員がブレード上に張られたロープを伝ってブレード上を移動してメンテナンスを行う方法である。
第1の方法および第2の方法は、大型クレーンを用いるため、多くの費用および労力を要する。特に、第1の方法は、ブレードの取り外し工程および取り付け工程のために、莫大な費用および長期の工期が必要である。第2の方法および第3の方法は、作業員が高所で作業を行う必要があり、危険を伴う。
特許文献1は、大型クレーンを用いることなく大型風力発電機のブレードのメンテナンスを行う方法を開示している。特許文献1のメンテナンス方法では、依然として作業員が高所で作業を行う必要がある。
特開2012−7525号公報
本発明は、安価かつ安全に物体のメンテナンスを行うための装置、システムおよび方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、物体の形状の変化に対応して物体のメンテナンスを行うことを可能にすることも目的とする。
さらに、本発明は、張力によって操作者から離れた位置のロボットを操作する方法を提供することも目的とする。
本発明の物体のメンテナンスを行うための装置は、前記装置が物体の一部に取り付くことを可能にする取付手段であって、前記取付手段は、前記物体の一部の形状に従って変形するように構成されている、取付手段と、前記装置が前記物体上を移動することを可能にする移動手段と、前記物体のメンテナンスを行うメンテナンス手段とを備える。
一実施形態において、前記取付手段は、前記移動に伴って前記物体の一部の形状が変化した場合にも、前記装置が前記取付手段の前記変形によって前記物体の一部に取り付いた状態を維持するように構成されている。
一実施形態において、前記取付手段は、少なくとも第1のフレームおよび第2のフレームを備え、前記第1のフレームおよび前記第2のフレームは、枢動可能に相互に結合されており、前記第1のフレームおよび前記第2のフレームが前記物体の一部の形状に従って変形する。
一実施形態において、前記移動手段および前記メンテナンス手段は、前記装置が前記物体上を移動している間に前記物体のメンテナンスを行うように協働する。
一実施形態において、前記メンテナンス手段は、前記物体の表面を撮像する手段を備える。
一実施形態において、前記メンテナンス手段は、前記物体の受雷部の導通を検査する手段、前記物体の表面を洗浄する手段、前記物体の表面を研磨する手段、前記物体の表面に材料を塗布する手段のうちの少なくとも1つを備える。
一実施形態において、前記メンテナンス手段は、前記物体の表面を研磨する手段を備え、前記物体の表面を研磨する手段は、前記装置の本体に搭載されている。
一実施形態において、前記物体の表面を研磨する手段は、研磨部と、前記研磨部の位置を調節する調節部とを備える。
一実施形態において、前記装置は、マニピュレータをさらに備え、前記メンテナンス手段は、前記物体の表面を研磨する手段を備え、前記物体の表面を研磨する手段は、前記マニピュレータの先端に搭載されている。
一実施形態において、前記移動手段は、前記装置が前記物体上に張られたロープに沿って前記物体上を移動することを可能にする。
前記移動手段は、前記装置の両側に取り付けられた2つのウインチである。
前記2つのウインチは、各々が独立に制御される第1のモードと、各々が同期して制御される第2のモードとを有する。
一実施形態において、前記物体は、構造体の一部であり、前記構造体は、前記物体とは異なる第2の物体を備え、前記装置は、前記装置が前記第2の物体上を移動することを可能にする第2の移動手段をさらに備える。
一実施形態において、前記物体は、翼体であり、前記物体の一部は、翼体のリーディングエッジである。
一実施形態において、前記翼体は、風車のブレードである。
本発明の物体のメンテナンスを行うためのシステムは、本体と、前記本体が物体の一部に取り付くことを可能にする取付手段であって、前記取付手段は、前記物体の一部の形状に従って変形するように構成されている、取付手段と、前記本体が前記物体上を移動することを可能にする移動手段と、前記物体のメンテナンスを行うメンテナンス手段とを備える。
本発明の物体のメンテナンスを行う方法は、物体上に少なくとも1本のロープを張ることと、物体のメンテナンスを行うための装置を前記物体上に取り付けることであって、前記少なくとも1本のロープを前記装置に接続することを含む、ことと、前記物体上で前記少なくとも1本のロープが張られた方向に前記装置を移動させることと、前記装置が前記少なくとも1本のロープが張られた方向に移動している間に、前記装置に前記物体のメンテナンスを行わせることとを含む。
一実施形態において、前記装置を移動させることは、前記物体の傾斜面に沿って前記装置を移動させることを含む。
一実施形態において、前記装置を移動させることは、前記物体上で前記少なくとも1本のロープが張られた方向のうちの第1の方向に前記装置を移動させることと、前記物体上で前記少なくとも1本のロープが張られた方向のうちの前記第1の方向とは異なる第2の方向に前記装置を移動させることとを含み、前記メンテナンスを行わせることは、前記装置が前記第1の方向に移動している間に、前記装置に第1のメンテナンスを行わせることと、前記装置が前記第2の方向に移動している間に、前記装置に前記第1のメンテナンスとは異なる第2のメンテナンスを行わせることとを含む。
一実施形態において、前記装置に少なくとも2本のロープが接続されており、前記取り付けることは、前記少なくとも2本のロープを用いて前記装置の姿勢を制御しながら、前記装置を前記物体上に取り付けることを含む。
一実施形態において、前記少なくとも2本のロープを用いて前記装置の姿勢を制御することは、作業員によって行われる。
一実施形態において、前記少なくとも2本のロープを用いて前記装置の姿勢を制御することは、移動可能なロボットによって行われる。
一実施形態において、前記方法の各ステップは、ロボットによって行われる。
一実施形態において、前記物体上に張られる少なくとも1本のロープは、2本のロープであり、前記装置は、前記装置の両側に、前記2本のロープが接続される2つのウインチを備える。
一実施形態において、前記2つのウインチは、各々が独立に制御される第1のモードと、各々が同期して制御される第2のモードとを有し、前記ロープを前記装置に接続することは、前記第1のモードで前記2つのウインチを動作させることを含み、前記装置を移動させることは、前記第2のモードで前記2つのウインチを動作させることを含む。
一実施形態において、前記物体は、翼体であり、前記物体の一部は、翼体のリーディングエッジである。
一実施形態において、前記翼体は、風車のブレードである。
本発明は、ロボットを操作する方法を提供し、前記ロボットに少なくとも2本のロープが接続されており、前記方法は、前記少なくとも2本のロープを用いて前記ロボットを操作することを含む。
本発明によれば、安価かつ安全に物体のメンテナンスを行うための装置、システムおよび方法を提供することができる。
また、本発明によれば、物体の形状の変化に対応して物体のメンテナンスを行うことを可能にすることができる。
さらに、本発明によれば、張力によって操作者から離れた位置のロボットを操作する方法を提供することができる。
装置100を風車10のブレード11に取り付ける前の準備段階の様子を示す図である。 装置100を風車10のブレード11に取り付ける前の準備段階の様子を示す図である。 風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100を風車10のブレード11に取り付ける段階の様子を示す図である。 風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100を風車10のブレード11に取り付ける段階の様子を示す図である。 風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100がロープ20を伝ってブレード11のリーディングエッジ上を移動している様子を示す図である。 風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100がロープ20を伝ってブレード11のリーディングエッジ上を移動している様子を示す図である。 風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100の構成の一例を示す図である。 装置100の本体に取り付けられた研磨手段170の一例を示す図である。 装置100の本体に取り付けられた研磨手段170の一例を示す図である。 装置100の本体に取り付けられた研磨手段170の別の例を示す図である。 装置100の本体に取り付けられた研磨手段170の別の例を示す図である。 風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100が厚いブレードに取り付いている様子を示す図である。 風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100が薄いブレードに取り付いている様子を示す図である。 風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100の一実施形態がブレード11に取り付いている様子を示す図である。 風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100を用いて、風車のブレードのメンテナンスを行う方法の手順の一例を示すフローチャートである。 ステップS803が第1の方向に装置100を移動させることと第2の方向に装置100移動させることとを含む場合に、ステップS804において行われる動作の手順の一例を示すフローチャートである。 装置1000の平面側斜視図である。 装置1000の底面側斜視図である。 装置1000の正面図である。 装置1000を風車10のブレード11に取り付ける前の準備段階の様子を示す図である。 装置1000を風車10のブレード11に取り付ける前の準備段階の様子を示す図である。 置1000を風車10のブレード11に取り付ける段階の様子を示す図である。 装置1000を風車10のブレード11に取り付ける段階の様子を示す図である。 装置1000がロープ20を伝ってブレード11のリーディングエッジ上を移動している様子を示す図である。 装置1000がロープ20を伝ってブレード11のリーディングエッジ上を移動している様子を示す図である。 2本のマニピュレータ114の折り畳み前後の様子を示す図である。 風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100の代替実施形態である装置2000の外観の一例を示す図である。 風車のタワー上を上下に移動する装置2000を示す図である。 風車10のナセル14を後方から見た斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
1.風車のブレードのメンテナンス
図1〜図3を用いて、風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100が風車10のブレード11のメンテナンスを行う様子を説明する。図1A、図2A、図3Aでは、風車10の正面が示され、図1B、図2B、図3Bでは、風車10の右側面が示されている。図1B、図2B、図3Bでは、メンテナンス対象のブレード11のみを示し、他の2枚のブレード12、13は省略している。図1A、図2A、図3Aに示される風車は、図面上時計回りに回転する風車であり、各ブレードの直線状の縁がリーディングエッジ(前縁)となる。
本明細書において「風車」とは、風を受けて動力を得る装置のことをいう。風車の一例として、風力発電機が挙げられる。
本明細書において「メンテナンス」とは、物体の点検または保守のことをいう。メンテナンスの一例として、物体の表面を撮像すること、物体の受雷部の導通を検査すること、物体の表面を洗浄すること、物体の表面を研磨すること、物体の表面に塗料を塗布すること、物体の表面にパテ、接着剤、シーラント等の材料を塗布すること等が挙げられる。
図1Aおよび図1Bは、装置100を風車10のブレード11に取り付ける前の準備段階の様子を示す。
ブレード11のメンテナンスは、ブレード11が鉛直方向下向きに延びるようにブレード11を位置付けた状態で行われる。これは、作業員がブレード上に張られたロープを伝ってブレード上を移動してメンテナンスを行う従来の方法におけるブレードの状態と同じ状態であるため、既存の作業現場にも受け入れられやすい。ブレード11は、鉛直方向下向きに延びるように位置付けられると、図1Bに示されるように、リーディングエッジが垂直に対して約5度傾斜する。
装置100を風車10のブレード11に取り付ける前の準備段階において、ロープ20が、風車10のナセル14に固定される。ナセル14は、発電機やギアボックス等を収納する筐体である。ロープ20は、例えば、ナセル14のハッチ(図16を参照)に固定される。ロープ20は、風車10のナセル14からハブ15の周囲を回ってブレード11の付根のリーディングエッジまで延び、ブレード11の付根のリーディングエッジからブレード11のリーディングエッジ上を地面まで延びる。ハブ15は、ブレード11、12、13とナセル14とを回転可能に結合する部材である。
図2Aおよび図2Bは、風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100を風車10のブレード11に取り付ける段階の様子を示す。
装置100は、ウインチ(図1〜図3には図示せず)を備えている。装置100のウインチは、ロープ20と接続する。ロープ20の一端は、錘等によって地面に固定される。装置100は、ウインチを用いてロープ20を巻き取ることによって、ロープ20を伝って上ることができる。
装置100の姿勢制御のために、装置100の重心近傍に、2本のロープ21が接続される。2本のロープ21は、地面まで延び、地上の作業員によって保持される。作業員は、例えばスポーツ凧を操縦するかの如く、2本のロープ21の張力を適切に調節することによって、装置100の回転を制御することができる。例えば、図2Aに示されるように装置100がロープ20を伝って上っている際に右に傾いた場合は、左側のロープ21を引っ張ることによって、装置100の姿勢を正すことができる。例えば、図2Aに示されるように装置100がロープ20を伝って上っている際に左に傾いた場合は、右側のロープ21を引っ張ることによって、装置100の姿勢を正すことができる。
装置100がブレード11の先端のリーディングエッジまで上ると、装置100は、ブレード11の先端のリーディングエッジに取り付く。装置100は、後述する取付手段130を用いて、ブレード11の先端のリーディングエッジに取り付く。
図3Aおよび図3Bは、風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100がロープ20を伝ってブレード11のリーディングエッジ上を移動している様子を示す。
装置100がリーディングエッジに沿って移動するとき、装置100は、後述する取付手段130によって取り付いた状態を維持する。これにより、装置100は、浮き上がることなく、ブレード11のリーディングエッジ上を移動することができる。また、上述したように、ブレード11のリーディングエッジが垂直に対して約5度傾斜しているため、装置100に働く重力は、装置100をブレード11のリーディングエッジに押し付けるように作用し、装置100の浮き上がりを阻止する。さらに、移動中、取付手段130によって装置100の姿勢は維持されるので、2本のロープ21を用いて姿勢を制御しなくてもよい。
装置100は、ブレード11のリーディングエッジ上を移動しながら、メンテナンスを行う。例えば、装置100は、ブレード11のリーディングエッジ上を移動しながら、カメラを用いてリーディングエッジの表面を撮像する。例えば、装置100は、ブレード11のリーディングエッジ上を移動しながら、プローブを用いて受雷部の導通を検査する。例えば、装置100は、ブレード11のリーディングエッジ上を移動しながら、洗浄装置を用いてリーディングエッジの表面を洗浄する。例えば、装置100は、ブレード11のリーディングエッジ上を移動しながら、サンダーを用いてリーディングエッジの表面を研磨する。例えば、装置100は、ブレード11のリーディングエッジ上を移動しながら、塗料塗布装置を用いてリーディングエッジの表面に塗料を塗布する。例えば、装置100は、ブレード11のリーディングエッジ上を移動しながら、電動ガンを用いてリーディングエッジの表面にパテ、接着剤、シーラント等の材料を塗布する。塗布された材料によってブレード11にあいた穴を埋めることができる。穴を埋めることは、穴をふさいでブレード11内に水が入らないようにすることを目的とし、美観や完成度を要求しなくてもよい。
装置100は、ウインチによる巻き取りおよび繰り出しを制御することにより、ブレード11のリーディングエッジ上をロープが延びる2つの方向に移動することができる。これにより、装置100は、ブレード11のリーディングエッジ上を往復移動しながら、メンテナンスを行うことができる。また、万が一装置100がブレード11から外れてしまっても、装置100のウインチが接続しているロープ20が命綱となり、装置100の転落を防止することができる。
2.風車のブレードのメンテナンスを行うための装置の構成
図4Aは、風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100の構成の一例を示す。
装置100は、メンテナンス手段110と、送受信手段111と、メモリ112と、プロセッサ113と、移動手段120と、取付手段130とを備える。
メンテナンス手段110は、風車のブレードのメンテナンスを行う手段である。メンテナンス手段は、例えば、撮像手段140と、導通検査手段150と、洗浄手段160と、研磨手段170と、塗布手段180とを備える。メンテナンス手段110は、例えば、撮像手段140と、導通検査手段150と、洗浄手段160と、研磨手段170と、塗布手段180とのうちの少なくとも1つを備えるようにしてもよい。例えば、メンテナンス手段110は、点検のために、撮像手段140を備えるようにしてもよい。例えば、メンテナンス手段110は、点検および保守のために、撮像手段140と、導通検査手段150、洗浄手段160、研磨手段170、塗布手段180のうちの少なくとも1つとを備えるようにしてもよい。
撮像手段140は、物体の静止画または動画を撮像することが可能な任意のカメラであり得る。
導通検査手段150は、電導部に電流が流れるか検査することが可能な任意の手段であり得る。例えば、導通検査手段150は、風車のブレードに設けられている受雷部に電流が流れるかを検査することが可能なプローブを備える。
洗浄手段160は、物体を洗浄することが可能な任意の手段であり得る。例えば、洗浄手段160は、洗浄液およびウエスを用いて汚れを払拭する機構であってもよい。このような機構を用いて、図1〜図3に示されるように風車10のブレード11上を移動しながら風車10のブレード11を洗浄する場合、ウエスをブレードに押し付けた状態で装置100がブレード上を移動することによって、洗浄が行われる。
研磨手段170は、物体を研磨することが可能な任意の手段であり得る。例えば、研磨手段170は、サンドペーパー、グラインダ、ディスクグラインダ等を用いて研磨する機構であってもよい。サンドペーパーを用いて、図1〜図3に示されるように風車10のブレード11上を移動しながら風車10のブレード11を研磨する場合、サンドペーパーをブレードに押し付けた状態で装置100がブレード上を移動することによって、研磨が行われる。グラインダ、ディスクグラインダ等を用いて、図1〜図3に示されるように風車10のブレード11上を移動しながら風車10のブレード11を研磨する場合、回転するグラインダをブレード11に押し付けることによって、研磨が行われる。研磨手段170が、グラインダ、ディスクグラインダ等の電動工具である場合、研磨手段170は、装置100の本体に取り付けられることが好ましい。装置100の本体に取り付けられることにより、研磨手段170をブレード11に押し付けたときに生じる反動を、質量の大きな本体が吸収することができるからである。研磨手段170を装置100の本体に取り付けるために、図4B〜図4Eに示される機構を用いてもよい。
図4B〜図4Cは、装置100の本体に取り付けられた研磨手段170の一例を示し、図4D〜図4Eは、装置100の本体に取り付けられた研磨手段170の別の例を示す。図4B(a)、図4C(a)、図4D(a)、図4E(a)は、装置100の底面を概略的に示す図であり、図4B(b)、図4C(b)、図4D(b)、図4E(b)は、それぞれ図4B(a)、図4C(a)、図4D(a)、図4E(a)のX−X線断面図である。
図4B、図4Cに示されるように、装置100は、研磨手段170(例えば、ディスクグラインダ)を位置調節可能なように本体に取り付けるために、調節部(円形部分172およびリング部分173)を備える。研磨手段170は、円形部分172およびリング部分173の両方に取り付けられている。円形部分172およびリング部分173はそれぞれ、図4B(a)の矢印方向に回転可能である。円形部分172およびリング部分173は、独立して回転可能であってもよいし、同時に回転可能であってもよい。円形部分172はさらに、図4B(b)の矢印方向に拡張可能である。
例えば、ディスクグラインダは、回転するディスクで研磨を行うため、研磨を行うためにディスクの縁を押し付ける必要がある。しかしながら、例えばブレード上に存在する凹部の表面を研磨する際には、ディスクの縁が凹部の表面に届かない場合がある。このとき、図4C(b)に示されるように、円形部分172が拡張することにより、ディスクグラインダの拡張方向位置を調節することができ、これにより、ディスクグラインダに角度をつけることができ、凹部の表面も研磨することが可能になる。また、図4Cに示されるように、円形部分172およびリング部分173が回転することにより、ディスクグラインダの回転方向位置を調節することができる。ディスクグラインダは、円形部分172の拡張ならびに円形部分172およびリング部分173の回転により、きめ細かく位置調節されることができる。
図4D、図4Eに示されるように、装置100は、研磨手段170(例えば、グラインダ)を位置調節可能なように本体に取り付けるために、調節部(円形部分172)を備える。研磨手段170は、円形部分172に取り付けられている。円形部分172は、図4D(a)の矢印方向に回転可能である。円形部分172はさらに、図4D(b)の矢印方向に拡張可能である。
例えば、グラインダは、回転する球体で研磨を行うため、研磨を行うために球体を押し付ける必要がある。しかしながら、例えばブレード上に存在する凹部の表面を研磨する際には、球体が凹部の表面に届かない場合がある。このとき、図4E(b)に示されるように、円形部分172が拡張することにより、グラインダの拡張方向位置を調節することができ、これにより、凹部の表面も研磨することが可能になる。また、図4Eに示されるように、円形部分172が回転することにより、グラインダの回転方向位置を調節することができる。グラインダは、円形部分172の拡張およびに円形部分172の回転により、きめ細かく位置調節されることができる。なお、回転する球体で研磨を行うグラインダは、ディスクグラインダのようにディスクの縁といった限られた部分で研磨するわけではなく、より広範な部分で研磨をすることが可能であるため、ディスクグラインダのように角度付けられる必要はない。
上述した例では、図4B、図4Cに示される調節部(円形部分172およびリング部分173)にディスクグラインダを取り付けることを説明したが、図4B、図4Cに示される調節部(円形部分172)にグラインダを取り付けるようにしてもよい。
図4Aを再び参照して、塗布手段180は、物体に材料を塗布することが可能な任意の手段であり得る。塗布手段180が塗布する材料は、例えば、塗料、パテ、接着剤、シーラントを含む。例えば、塗布手段180は、塗料を噴射可能な噴射装置であってもよい。このような噴射装置を用いて、図1〜図3に示されるように風車10のブレード11上を移動しながら風車10のブレード11に塗料を塗布する場合、噴射装置から塗料を噴射させた状態で装置100がブレード上を移動することによって、塗料の塗布が行われる。例えば、塗布手段180は、パテ、接着剤、シーラント等を押出可能なコーキングガンであってもよい。このようなコーキングガンを用いて、図1〜図3に示されるように風車10のブレード11上を移動しながら風車10のブレード11にパテ、接着剤、シーラント等の材料を塗布する場合、材料を塗布すべき部分を撮像手段140等を用いてあらかじめ識別し、装置100がブレード11上を移動して材料を塗布すべき部分に到達したときに材料を押出することによって、材料の塗布が行われる。
なお、メンテナンス手段110は、撮像手段140、導通検査手段150、洗浄手段160、研磨手段170、および塗布手段180に限定されない。装置100は、上述した手段に代えて、または上述した手段に加えて、物体のメンテナンスを行うための他の手段をメンテナンス手段110として備えるようにしてもよい。
送受信手段111は、装置100の外部から信号を受信し、装置100の外部に信号を送信する手段である。送受信手段111は、装置100の外部からの信号を無線で受信してもよいし、有線で受信してもよい。送受信手段111は、装置100の外部に信号を無線で送信してもよいし、有線で送信してもよい。送受信手段111は、例えば、装置100の各動作を制御するための信号を装置100の外部(例えば、操作者が使用する操作用端末)から受信する。送受信手段111は、例えば、撮像手段によって得られた画像データを装置100の外部に(例えば、操作者が使用する操作用端末)送信する。例えば、送受信手段111は、LANインターフェースを用いて装置100の外部と通信してもよい。これにより、LANインターフェースを介して複数の種類の信号を流すことが可能となるため、装置100の遠隔操作が容易になる。
メモリ112には、装置100の処理の実行に必要とされるプログラムやそのプログラムの実行に必要とされるデータ等が格納されている。メモリ112は、任意の記憶手段によって実装され得る。
プロセッサ113は、装置100全体の動作を制御する。プロセッサ113は、例えば、送受信手段111によって受信された制御信号に従って、移動手段120、または、メンテナンス手段110の動作を制御する。これにより、物体のメンテナンスを行うための各動作が実行される。プロセッサ113は、メモリ112に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行し、装置100を所望のステップを実行する装置として機能させることも可能である。
なお、装置100の外部からの信号に従って、物体のメンテナンスを行うための各動作が実行されることを説明したが、本発明は、これに限定されない。例えば、物体のメンテナンスを行うための一連の動作を実現するためのプログラムがメモリ112に格納されてもよく、プロセッサ113は、そのプログラムを読み出し、実行することにより、装置100を、物体のメンテナンスを自動的に行う装置として機能させることができる。
移動手段120は、装置100がブレード上を移動することを可能にする手段である。移動手段120は、例えば、ウインチ121と、リーディングエッジ走行用車輪122と、ブレード側面走行用車輪123とを備える。装置100は、例えば、ウインチ121と、リーディングエッジ走行用車輪122と、ブレード側面走行用車輪123とによって、図4Aの左右方向に延びるロープ20に沿って、図4Aの左右方向にブレード上を移動可能である。
ウインチ121は、少なくとも1本のロープ20に接続可能な機構であり得る。例えば、ロープ20は、ウインチ121の第1の端1211からウインチ121に進入し、ウインチ121に接続し、ウインチ121の第2の端1212から出る。ウインチ121がロープ20を第1の端1211に進入するように巻き取る(第2の端1212からロープ20を繰り出す)ことにより、装置100は第1の端1211の方向(図4Aの左方向)へ移動する。ウインチ121がロープ20を第2の端1212に進入するように巻き取る(第1の端1211からロープ20を繰り出す)ことにより、装置100は、第2の端1212の方向(図4Aの右方向)へ移動する。ウインチ121は、プロセッサ113によって、その巻き取り動作を制御される。ウインチ121は、プロセッサ113からの制御信号に従って、ロープ20の巻き取りを行う。
なお、上述した例では、ロープ20がウインチ121を通過する例を説明したが、本発明は、これに限定されない。ロープ20がウインチ121を通過しない場合、すなわち、ロープ20がウインチ121の一端から進入し他端から出ない場合も本発明の範囲内である。この場合、装置100と地面との間にロープ20が延びなくてもよい。例えば、ウインチ121が風車のナセル14と装置100との間に延びるロープを巻き取ることにより、装置100は、風車のナセル14に向かう方向へ移動する。例えば、ウインチ121が風車のナセル14と装置100との間に延びるロープを繰り出すことにより、風車のナセル14から離れる方向へ移動する。
リーディングエッジ走行用車輪122およびブレード側面走行用車輪123は、ウインチ121がロープ20を巻き取ることによって装置100が移動するときに、滑らかに移動できるように補助する車輪である。リーディングエッジ走行用車輪122およびブレード側面走行用車輪123は、非駆動車輪であり得る。リーディングエッジ走行用車輪122および/またはブレード側面走行用車輪123は、その回転数から、ブレード上を移動した距離を算出できるように構成されてもよい。
なお、移動手段120は、ウインチ121、リーディングエッジ走行用車輪122、およびブレード側面走行用車輪123に限定されない。装置100は、上述した手段に代えて、または上述した手段に加えて、装置100が物体上を移動することを可能にする他の手段を移動手段120として備えるようにしてもよい。
取付手段130は、装置100がブレードのリーディングエッジに取り付くことを可能にする手段である。装置100は、取付手段130によって、ブレードのリーディングエッジに取り付くことが可能である。取付手段130は、例えば、一対のフレームアセンブリであり、各フレームアセンブリは、第1のフレーム131と、第2のフレーム132と、第3のフレーム133と、第1のヒンジ134と、第2のヒンジ135と、第3のヒンジ136とを備える。第1のフレーム131は、第1のヒンジ134を軸として枢動可能であり、第1のフレーム131と第2のフレーム132とは、第2のヒンジ135を軸として枢動可能であり、第2のフレーム132と第3のフレーム133とは、第3のヒンジ136を軸として枢動可能である。各ヒンジは、独立しており、各フレームは独立して枢動可能である。
取付手段130は、一対のフレームアセンブリが間に物体を挟持することができるように、付勢されている。ここで、取付手段130をどのように付勢するかは問わない。例えば、バネによって取付手段130を付勢してもよいし、油圧によって取付手段130を付勢してもよいし、磁力によって取付手段130を付勢してもよい。
取付手段130は、一対のフレームアセンブリが各フレームを枢動可能に結合され、かつ、間に物体を挟持するように付勢されているため、取り付く対象毎に形状が異なる場合であっても、また、移動手段120による移動に伴って物体の形状が変化した場合であっても、物体の形状に対応して変形し、物体にしっかりと取り付くことが可能である。
図4Aに示される例では、2つのリーディングエッジ走行用車輪122が本体に取り付けられているが、リーディングエッジ走行用車輪122の数および取付位置は問わない。任意の数のリーディングエッジ走行用車輪122が任意の場所に取り付けられることができる。例えば、1つのリーディングエッジ走行用車輪122が第1のフレーム131に取り付けられ、4つのリーディングエッジ走行用車輪122が本体に取り付けられてもよい。
図4Aに示される例では、ブレード側面走行用車輪123が第2のフレーム132および第3のフレーム133に1つずつ取り付けられているが、ブレード側面走行用車輪123の数および取付位置は問わない。任意の数のブレード側面走行用車輪123が任意の場所に取り付けられることができる。例えば、第1のフレーム131、第2のフレーム132、第3のフレーム133のそれぞれに複数のブレード側面走行用車輪123が取り付けられてもよい。
図4Aに示される例では、装置100が2つの取付手段130を備えるが、取付手段130の数は問わない。装置100は、任意の数の取付手段130を備えることができる。装置100は、1つの取付手段130を備えてもよいし、3つ以上の取付手段130を備えてもよい。装置100は、その全長に合わせて適切な数の取付手段130を備え得る。
図4Aに示される例では、2つの取付手段130は相互に接続されておらず、それぞれ独立して変形する。これにより、取り付く対象の形状が装置100の進行方向(図5の左右方向)で変化する場合であっても、各々の取付手段130が形状の変化に従って変形するため、装置100は、物体に取り付いた状態を維持することが可能である。なお、各フレームの剛性を高めるために、隣接する取付手段130のフレーム同士がロッド等の部材によって相互に接続されるようにしてもよい。
図4Aに示される例では、装置100が、メンテナンス手段110と、送受信手段111と、メモリ112と、プロセッサ113と、移動手段120と、取付手段130とを備える例を説明したが、本発明は、これに限定されない。装置100の構成要素のうちの少なくとも1つが装置100の本体の外部に位置するシステムもまた本発明の範囲内である。例えば、装置100がウインチ121を備える代わりに、風車のナセル14がウインチ121を備えてもよい。この場合、風車のナセル14のウインチ121から延びるロープが装置100に固定され、風車のナセル14のウインチ121がロープを巻き取るまたは繰り出すことにより、装置100がブレード11上を移動するようにしてもよい。例えば、装置100がウインチ121を備える代わりに、装置100をブレードまで運ぶための運搬装置(例えば、後述するドローン等の飛行可能な装置)がウインチ121を備えてもよい。この場合、運搬装置のウインチ121から延びるロープが装置100に固定され、運搬装置のウインチ121がロープを巻き取るまたは繰り出すことにより、装置100がブレード上を移動するようにしてもよい。
図5Aは、風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100が厚いブレードに取り付いている様子を示し、図5Bは、風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100が薄いブレードに取り付いている様子を示す。図5Aおよび図5Bでは、装置100の進行方向に垂直な平面に沿った、ブレード11のリーディングエッジ近傍の断面が示されている。
装置100は、取付手段130としての一対のフレームアセンブリと、メンテナンス手段110としての洗浄手段160または研磨手段170とを備える。
各フレームアセンブリは、第1のフレーム131と、第2のフレーム132と、第3のフレーム133と、第1のヒンジ134と、第2のヒンジ135と、第3のヒンジ136とを備える。一対のフレームアセンブリは、各フレームを枢動可能に結合され、かつ、間に物体を挟持するように付勢されている。
図5Aに示されるように厚いブレード11に取り付く場合、各フレームがブレード11に合わせて大きく広がるように変形する一方、各フレームがブレード11の方向に内向きに付勢されているので、両側のブレード側面走行用車輪123がブレード11に押し付けられる。これにより、装置100は、各フレームがブレードの形状に従って変形した状態でブレード11に取り付く。
図5Bに示されるように薄いブレード11に取り付く場合、各フレームがブレード11に合わせて小さく広がるように変形する一方、各フレームがブレード11の方向に内向きに付勢されているので、両側のブレード側面走行用車輪123がブレード11に押し付けられる。これにより、装置100は、各フレームがブレードの形状に従って変形した状態でブレード11に取り付く。
メンテナンス手段110としての洗浄手段160は、例えば、スポンジ161と、スポンジ161の表面に貼り付けられたウエス162と、スポンジ161を挟持する挟持部材163と、洗浄液をスポンジ161に供給可能な供給装置(図示せず)とを備える機構であってもよい。スポンジ161と、ウエス162と、挟持部材163とは、ブレード11の断面形状に従って変形可能に構成されている。このような機構を用いて、装置100が風車のブレード11上を移動しながら風車のブレード11を洗浄する場合、挟持部材163は、スポンジ161と、ウエス162と、ブレード11とを共に挟持する。装置100が取付手段130によってブレード11に取り付いていることにより、スポンジ161に貼り付けられたウエス162は、ブレード11に押し付けられる。装置100をブレード11に押し付けるように作用する重力によっても、スポンジ161に貼り付けられたウエス162は、ブレード11に押し付けられる。供給装置から供給された洗浄液は、スポンジ161を介してウエス162に浸透する。洗浄液が浸透したウエス162をブレード11に押し付けた状態で装置100がブレード11上を移動することによって、洗浄が行われる。
メンテナンス手段110としての研磨手段170は、例えば、スポンジ171と、スポンジ171の表面に貼り付けられたサンドペーパー172と、スポンジ171を挟持する挟持部材173と、挟持部材173を揺動可能なモーター(図示せず)とを備える機構であってもよい。スポンジ171と、サンドペーパー172と、挟持部材173とは、ブレード11の断面形状に従って変形可能に構成されている。このような機構を用いて、装置100が風車10のブレード11上を移動しながら風車10のブレード11を研磨する場合、挟持部材173は、スポンジ171と、サンドペーパー172と、ブレード11とを共に挟持する。装置100が取付手段130によってブレード11に取り付いていることにより、スポンジ171に貼り付けられたサンドペーパー172は、ブレード11に押し付けられる。装置100をブレード11に押し付けるように作用する重力によっても、スポンジ171に貼り付けられたサンドペーパー172は、ブレード11に押し付けられる。モーターは、挟持部材173とスポンジ171とサンドペーパー172とを共に揺動させる。揺動するサンドペーパー172をブレード11に押し付けた状態で装置100がブレード11上を移動することによって、研磨が行われる。
図5Aおよび図5Bに示される例では、3つのフレームおよび3つのヒンジを備えるフレームアセンブリを説明したが、フレームおよびヒンジの数は、問わない。フレームアセンブリは、任意の数のフレームおよびヒンジを備えることができる。例えば、フレームアセンブリは、2つのフレームおよび2つのヒンジを備えてもよいし、4つ以上のフレームおよび4つ以上のヒンジを備えてもよい。また、図5Aおよび図5Bに示される例では、フレームを細長い部材として描写し、ヒンジを円形部材として描写したが、フレームおよびヒンジは、描写された形状に限定されない。フレームおよびヒンジは、その機能を果たすことができる形状である限り、任意の形状であり得る。
図6は、風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100の一実施形態がブレード11に取り付いている様子を示す。
図6において、図4Aに示される構成要素と同一の構成要素には、同一の参照番号を付し、ここでは、その説明を省略する。
装置100は、ウインチ121と、リーディングエッジ走行用車輪122と、ブレード側面走行用車輪123と、第1のフレーム131と、第2のフレーム132と、第3のフレーム133と、第1のヒンジ134と、第2のヒンジ135と、第3のヒンジ136と、洗浄手段160と、研磨手段170とを備える。
装置100は、ウインチ121と、リーディングエッジ走行用車輪122と、ブレード側面走行用車輪123とによって図6の上下方向に移動可能である。
リーディングエッジ走行用車輪122は、装置100がブレード11に取り付いたときにリーディングエッジLEに接触する位置に取り付けられている。ブレード側面走行用車輪123は、装置100がブレード11に取り付いたときにブレード側面に接触するように、第3のフレーム133に取り付けられている。
各フレーム131、132、133が付勢されかつヒンジ134、135、136によって結合されている構成により、第3のフレーム133は、取り付けられているブレード側面走行用車輪123を常にブレード11に押し付けることができる。ブレード11上の移動に伴いブレード11の断面形状が変化する場合であっても、フレーム131、132、133が枢動してブレードの断面形状に従って変形することにより、ブレード側面走行用車輪123を常にブレードに押し付けることができる。また、風車の機種によってブレードの断面形状が変化する場合であっても、フレーム131、132、133が枢動してブレードの断面形状に従って変形することにより、ブレード側面走行用車輪123を常にブレードに押し付けることができる。両側のブレード側面走行用車輪123が常にブレード11に押し付けられているので、装置100は、左右にずれることなく、ブレード11のリーディングエッジLEに取り付くことが可能である。
3.風車のブレードのメンテナンスを行う方法
図7は、風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100を用いて、風車のブレードのメンテナンスを行う方法の手順の一例を示す。
ステップS801は、風車のブレード上に少なくとも1本のロープを張るステップである。例えば、図1Aおよび図1Bに示されるように、ブレード11が鉛直方向下向きに延びるようにブレード11を位置付けた状態で、1本のロープ20は、風車10のナセル14に固定され、風車10のナセル14からハブ15の周囲を回ってブレード11の付根のリーディングエッジまで延び、ブレード11の付根のリーディングエッジから地面まで延びる。
ステップS801は、作業員によって手動で行われてもよいし、ロボットによって自動で行われてもよい。ロボットによって自動で行われる場合は、例えば、ドローン等の飛行可能な装置によって風車のブレード上に少なくとも1本のロープを張るようにしてもよい。
ステップS802は、装置100をブレードに取り付けるステップである。例えば、図2Aおよび図2Bに示されるように、装置100に、ステップS801で張られた1本のロープ20を伝ってブレード11の先端まで上らせ、取付手段130を介して装置100をブレード11の先端のリーディングエッジに取り付ける。このとき、図2Aおよび図2Bに示されるように、装置100に2本のロープ21を接続し、2本のロープを用いて装置100の姿勢を制御してもよい。2本のロープ21は、例えば、装置100の介錯のために用いられ得る。装置100は、2本のロープ21を用いて、スポーツ凧のように姿勢を制御されることができる。
ステップS802は、作業員によって手動で行われてもよいし、ロボットによって自動で行われてもよい。ステップS802が作業員によって手動で行われる場合は、少なくとも2人の作業員によって行われる。1人の作業員が、例えば、操作用端末によって装置100に制御信号を送信し、装置100にロープ20の巻き取りまたは繰り出しを行わせ、装置100にブレード11の先端まで上らせる。少なくとも1人の別の作業員が、例えば、2本のロープ21を用いて装置100の姿勢を制御する。このとき、操作用端末には、後述するように、装置100の周囲のアラウンドビュー画像がリアルタイムで表示されるようにしてもよいし、風車のブレード11の3D映像が表示されるようにしてもよい。また、2本のロープ21を用いて装置100の姿勢を制御する作業員は、スマートグラス、ヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブルデバイスを装着して装置100の姿勢を制御するようにしてもよい。スマートグラス、ヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブルデバイスには、後述する装置100の周囲のアラウンドビュー画像、風車のブレード11の3D映像等がリアルタイムで表示され得る。
ステップS802がロボットによって自動で行われる場合は、例えば、少なくとも2台のロボットによって行われる。1台のロボットが、例えば、装置100に制御信号を送信し、装置100にロープ20の巻き取りまたは繰り出しを行わせ、装置100にブレード11の先端まで上らせる。少なくとも1台の移動可能ロボットが、例えば、2本のロープ21を用いて装置100の姿勢を制御する。移動可能ロボットは、装置100に接続されたロープ21の他端側で、ロープ21の巻き取りまたは繰り出しの量および角度、ならびに、ロープ21の張力を調節することにより、スポーツ凧を操縦するかの如く、装置100の姿勢を制御することができる。移動可能ロボットは、例えば、エンコーダを備えることができ、これにより、ロープ21の巻き取りまたは繰り出しの量および角度を検出することができる。移動可能ロボットは、例えば、電流センサを備えることができ、これにより、ロープ21の張力を検出することができる。移動可能ロボットは、例えば、車輪、無限軌道等の移動手段を備えることができ、これにより、地上を移動しながら装置100の姿勢を制御することができる。このとき、移動可能ロボットは、任意の位置検出メカニズムを用いて、自身の位置を把握するようにしてもよい。例えば、GPS等の位置情報計測システムを用いて自身の位置を把握するようにしてもよいし、車輪の回転数に基づいて起点からの移動距離を算出することにより自身の位置を把握するようにしてもよいし、風車のタワーとの相対位置に基づいて自身の位置を把握するようにしてもよいし、これらの組み合わせを用いて自身の位置を把握するようにしてもよい。
図2Aおよび図2Bに示される例では、2本のロープ21が地上に延び、地上から装置100の姿勢を制御することを説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、2本のロープ21は、地上より高い位置に延び、地上より高い位置から装置100の姿勢を制御するようにしてもよい。地上より高い位置は、例えば、風車のナセルであり、2本のロープ21がナセルまで延び、ナセル上から2本のロープ21を用いて装置100の姿勢を制御するようにしてもよい。これは、例えば、洋上の風車のメンテナンスを行う場合に好ましい。地上より高い位置は、例えば、空中に浮かぶドローン等の飛行可能な装置であり、2本のロープ21が飛行可能な装置まで延び、飛行可能な装置が、空中から2本のロープ21を用いて装置100の姿勢を制御するようにしてもよい。例えば、2本のロープ21は、水上または水中に延び、水上または水中から装置100の姿勢を制御するようにしてもよい。例えば、2本のロープ21が、風車の近くを移動する船の上に延び、作業員またはロボットが船上から2本のロープ21を用いて装置100の姿勢を制御するようにしてもよいし、例えば、2本のロープ21が、水上または水中を移動可能なロボットに延び、水上または水中を移動可能なロボットが、水上または水中から2本のロープ21を用いて装置100の姿勢を制御するようにしてもよい。これは、例えば、洋上の風車のメンテナンスを行う場合または沿岸の風車のメンテナンスを行う場合に好ましい。
なお、上述した例では、装置100に張られたロープを伝って上らせて装置100を取り付けたが、装置100の取り付け方はこれに限定されない。例えば、装置100をあらかじめ風車のナセルまで持ち上げ、風車のナセルからロープを伝わせてブレードの付根まで下ろし、装置100をブレードの付根のリーディングエッジに取り付けてもよい。例えば、ドローン等の飛行可能な装置を利用して装置100をブレードまで運び、装置100をブレードに取り付けてもよい。この場合、まず、装置100と飛行可能な装置とをロープによって接続する。次に、飛行可能な装置をブレードまで(例えば、ブレードの付根)まで飛行させ、飛行可能な装置をブレードに取り付ける。飛行可能な装置のブレードへの取り付け方は問わない。例えば、装置100と同様の取付手段を用いてブレードに取り付けてもよいし、伸縮可能なアームをブレードに巻き付けることによって取り付けてもよい。飛行可能な装置をブレードに取り付けた後、または、飛行可能な装置をブレードに取り付けることと同時に装置100をブレードに取り付ける。
ステップS803は、装置100がブレードに取り付けられた後、ブレード上で少なくとも1本のロープが張られた方向に装置100を移動させるステップである。例えば、図3Aおよび図3Bに示されるように、ステップS801で張られた1本のロープ20が張られた方向にブレード11のリーディングエッジ上で装置100を移動させる。このとき、装置100は、取付手段130を介してブレード11にしっかりと取り付いている。これにより、装置100は、浮き上がることなく、ブレード11のリーディングエッジ上を移動することができる。また、ブレード11のリーディングエッジが垂直に対して約5度傾斜しているため、装置100に働く重力は、装置100をブレード11のリーディングエッジに押し付けるように作用し、装置100の浮き上がりを阻止する。ステップS803は、例えば、作業員が操作用端末によって装置100に制御信号を送信することに応じて行われてもよいし、ロボットが装置100に制御信号を送信することに応じて行われてもよい。
ステップS803で装置100を移動させるステップは、ブレード上で少なくとも1本のロープが張られた方向のうちの第1の方向に装置100を移動させることと、ブレード上で少なくとも1本のロープが張られた方向のうちの第2の方向に装置100を移動させることとを含んでもよい。例えば、第1の方向は、ブレードの先端からブレードの根元に向かう方向であり、第2の方向は、ブレードの根元からブレードの先端に向かう方向である。装置100は、ウインチ121による巻き取りまたは繰り出しを制御することにより、第1の方向または第2の方向に移動することができる。
ステップS804は、装置100が少なくとも1本のロープが張られた方向に移動している間に、装置100にブレードのメンテナンスを行わせるステップである。例えば、図3Aおよび図3Bに示されるように、装置100がブレード11のリーディングエッジ上を移動している間に、装置100にブレード11のメンテナンスを行わせる。このとき、装置100は、取付手段130を介してブレード11にしっかりと取り付いている。これにより、装置100は、浮き上がることなく、洗浄手段160、研磨手段170等のメンテナンス手段をブレード11のリーディングエッジに押し付けることができる。また、ブレード11のリーディングエッジが垂直に対して約5度傾斜しているため、装置100に働く重力は、装置100をブレード11のリーディングエッジに押し付けるように作用し、装置100の浮き上がりを阻止する。ステップS804は、例えば、作業員が操作用端末によって装置100に制御信号を送信することに応じて行われてもよいし、ロボットが装置100に制御信号を送信することに応じて行われてもよい。
上述したように、風車のブレードのメンテナンスを行う方法は、各ステップが作業員主導で行われてもよいし、各ステップがロボットによって自動的に行われるようにしてもよい。各ステップをロボットが行うようにすることで、作業員が現場に出る必要がなく、安全に物体のメンテナンスを行うことが可能になる。
なお、本明細書において「移動している間」とは、ある位置から別の位置に向かって移動している期間のことをいい、必ずしも動き続けている必要はない。例えば、装置100がブレードの先端からブレードの付根に向かって移動している期間であって、装置100が前進と停止とを繰り返して移動している期間も、「移動している間」に含まれる。
図8は、ステップS803が第1の方向に装置100を移動させることと第2の方向に装置100移動させることとを含む場合に、ステップS804において行われる動作の手順の一例を示す。
ステップS901では、装置100が少なくとも1本のロープが張られた方向のうちの第1の方向に移動している間に、装置100に第1のメンテナンスを行わせる。例えば、装置100がブレードの先端からブレードの付根に向かう方向に移動している間に、装置100に撮像手段111を用いてブレードの表面を撮像させる。
ステップS902では、装置100がブレード上を第1の方向とは異なる第2の方向に移動している間に、装置100に第1のメンテナンスとは異なる第2のメンテナンスを行わせる。例えば、ステップS901で装置100が第1のメンテナンスを行いながらブレードの付根に到達した後、装置100がブレードの付根からブレードの先端に向かう方向に移動している間に、装置100に洗浄手段113を用いてブレードの表面を洗浄させる。
ステップS901とステップS902とが切り替わるタイミングは問わない。例えば、ステップS901で装置100が第1の方向の終端(上述した例では、ブレードの付根)に到達した後に、ステップS902に切り替わって装置100を第2の方向に移動させて、第2のメンテナンスを行わせてもよいし、ステップS901で装置100が第1の方向の終端に到達する前に、ステップS902に切り替わって装置100を第2の方向に移動させて、第2のメンテナンスを行わせてもよい。
ステップS902の後に、複数の追加のステップが続いてもよい。例えば、ステップS903において、装置100がブレード上を第1の方向に移動している間に、装置100に第1のメンテナンスおよび第2のメンテナンスとは異なる第3のメンテナンスを行わせてもよい。例えば、ステップS903の後に、ステップS904において、装置100がブレード上を第2の方向に移動している間に、装置100に第1のメンテナンス〜第3のメンテナンスとは異なる第4のメンテナンスを行わせてもよい。このような手順により、装置100は、ブレード上の移動毎にメンテナンスの作業内容を変えることができる。
4.風車のブレードのメンテナンスを行うための装置の代替実施形態
図9A、図9B、および図9Cは、風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100の代替実施形態である装置1000の外観の一例を示す。図9Aは、装置1000の平面側斜視図であり、図9Bは、装置1000の底面側斜視図であり、図9Cは、装置1000の正面図である。以下の説明のために、図9Aにおいて、装置1000の長手方向をx軸とし、装置1000の横断方向をy軸とし、x軸およびy軸に垂直な方向をz軸とする。
図9A、図9B、および図9Cにおいて、図4Aに示される構成要素と同一の構成要素には、同一の参照番号を付し、ここでは、その説明を省略する。なお、装置1000は、装置100と構成が異なるが、図7および図8を参照して上述した方法と同様の方法で風車のブレードのメンテナンスを行うことができる。
装置1000は、装置1000の両側に2つのウインチ121を備えることができる。図9Aおよび図9Bに示される例では、2つのウインチ121は、一方のウインチがハウジングに収容され、他方のウインチがハウジングに収容されていない状態で示されている。本発明では、ウインチのハウジングの有無は問わないが、ハウジングを有することが好ましい。ウインチに巻かれたロープ周りに空間が存在するとロープに遊びができることがあり、これがロープの絡まり等の不具合の原因となるところ、ハウジングによってロープの周りの空間を埋めることにより、ロープの遊びの発生を抑制することができるからである。ハウジングは、ウインチ周りの空間を埋める形状であることが好ましく、ウインチにロープを押し付ける形状であることがさらに好ましい。
2つのウインチ121は、風車のブレード上に張られる2本のロープ20にそれぞれ接続され、装置1000をその両側から支持することができる。これにより、装置1000の姿勢がより安定する。
2つのウインチ121は、各々が独立に制御される第1のモードと、各々が同期して制御される第2のモードとを有する。2つのウインチ121を2本のロープ20にそれぞれ接続するとき、2つのウインチ121は、各々が独立に制御される第1のモードにおいて動作させられる。例えば、2つのウインチ121を2本のロープ20にそれぞれ接続するとき、2つのウインチ121間でロープの巻き具合にズレが生じて姿勢が傾く場合がある。このとき、片方のウインチ121のみを独立して制御することにより、ロープの巻き具合のズレを解消させ、安定した姿勢を維持することができる。2つのウインチ121を2本のロープ20にそれぞれ接続した後、2つのウインチ121は、各々が同期して制御される第2のモードにおいて制御される。これにより、2つのウインチ121でロープを均等に巻き取りまたは繰り出しすることができ、安定した姿勢を維持することができる。例えば、ブレード上で装置1000を移動させるときに第2のモードにおいて動作させられることにより、装置1000は、安定した姿勢を維持しながらブレード上を移動することができる。
図10〜図12は、2つのウインチ121を備える装置1000が風車10のブレード11のメンテナンスを行う様子を示す図である。図10Aおよび図10Bは、装置1000を風車10のブレード11に取り付ける前の準備段階の様子を示し、図11Aおよび図11Bは、装置1000を風車10のブレード11に取り付ける段階の様子を示し、図12Aおよび図12Bは、装置1000がロープ20を伝ってブレード11のリーディングエッジ上を移動している様子を示す。図10〜図12は、装置1000が2つのウインチ121を備える点を除いて、図1〜図3と同様の例を説明している。
図10〜図12に示されるように、2つのウインチ121によって使用される2本のロープ20は、図1〜3に示されるような1本のロープ20を使用する場合と異なり、風車10のナセル14からハブ15の周囲を回ってブレード11の付根のリーディングエッジまで延びる必要はない。2つのウインチ121によって使用される2本のロープ20は、ハブ15の周囲を回ることなく、風車10のナセル14から直接地面まで延びることが可能である。2本のロープ20をブレードのリーディングエッジ上に張る必要がないからである。このようなロープ配置は、作業員がブレード上に張られたロープを伝ってブレード上を移動してメンテナンスを行う従来の方法におけるロープ配置と同じ配置であるため、装置1000を用いるために特殊なロープ配置を必要とすることなく、既存の作業現場のロープをそのまま利用できるという利点がある。さらに、このようなロープ配置は、風車のハブ15と干渉しないため、作業員がブレード上に張られたロープを伝ってブレード上を移動してメンテナンスを行う従来の方法と同様に、ロープ20をナセル14に取り付けたまま、風車10のブレード11を回転させることができる。これにより、風車の複数のブレードをメンテナンスする場合に、ブレードごとにロープを張りなおす必要がなく、効率的にメンテナンスを行うことができる。
装置1000は、姿勢制御装置を備えてもよい。姿勢制御装置は、装置1000の姿勢を制御するために、任意の軸の周りのモーメントを発生させることが可能な装置であり得る。姿勢制御装置は、作業員が地上から2本のロープ21の張力を調節して装置1000の姿勢を制御することと併用されてもよいし、作業員が地上から2本のロープ21の張力を調節して装置1000の姿勢を制御することなしに用いられてもよい。これにより、作業員が地上から2本のロープ21の張力を調節して装置1000の姿勢を制御することを補助することができる、または、作業員が地上から2本のロープ21の張力を調節して装置1000の姿勢を制御する必要性を排除することができる。
例えば、姿勢制御装置は、装置1000の両側に取り付けられるプロペラであり得る。プロペラは、例えば、装置1000の両側に延在するフレーム115に取り付けられることができる。プロペラは、回転速度を制御することにより発生する推進力を調節することができる。また、プロペラは、装置1000への取り付け角度を変更可能に構成されることにより、推進力を発生させる方向を可変にすることができる。例えば、プロペラがz軸方向に推進力を発生させるように取り付け角度が変更された場合、両側のプロペラの回転速度が異なるように制御することにより、装置1000にはx軸周りのモーメントが発生する。これにより、x軸周りの姿勢を制御することができる。例えば、プロペラがx軸方向に推進力を発生させるように取り付け角度が変更された場合、両側のプロペラの回転速度が異なるように制御することにより、装置1000にはz軸周りのモーメントが発生する。これにより、z軸周りの姿勢を制御することができる。なお、プロペラは、所望の軸の周りのモーメントを発生させるために、左右両側のみならず、上下両側または前後両側にも取り付けられ得る。
例えば、姿勢制御装置は、装置1000の両側に取り付けられるドローン等の飛行可能な装置であり得る。飛行可能な装置は、例えば、装置1000の両側に延在するフレーム115に取り付けられることができる。なお、飛行可能な装置は、所望の軸の周りのモーメントを発生させるために、左右両側のみならず、上下両側または前後両側にも取り付けられ得る。
このような姿勢制御装置と、作業員による2本のロープ21の操作とを併用することで、例えば強風により姿勢制御が困難な状況であっても、装置1000の姿勢制御を容易に行うことが可能となる。
図9Cに示されるように、装置1000において、取付手段130のフレームは、第1のヒンジ134を介して装置1000本体に取り付けられている。また、装置1000は、幅広のリーディングエッジ走行用車輪122を備え、リーディングエッジ走行用車輪122は、外側の車輪の方が内側の車輪よりも直径が大きくなるように構成されている。このとき、左右の第1のヒンジ134間の間隔を狭くし、リーディングエッジ走行用車輪122の幅を広くすることによって、取付手段130のフレームとリーディングエッジ走行用車輪122とは、正面視凸形を形成する。例えば、凸形は、図9Cにおいて、二重破線で示されている。取付手段130のフレームとリーディングエッジ走行用車輪122とが正面視凸形を形成することは、装置1000を風車のブレードに取り付ける際に、ブレードを装置1000の中央位置に適切に位置づけることに役立つ。具体的には、装置1000を風車のブレードに取り付ける際に、ブレードが装置1000の中心位置からずれた場合であっても、ブレードは、取付手段130のフレームとリーディングエッジ走行用車輪122とによってガイドされて、装置1000の中央位置に位置づけられ、安定する。取付手段130のフレームとリーディングエッジ走行用車輪122との間には、正面視で間隙が存在しないことが好ましい。取付手段130のフレームとリーディングエッジ走行用車輪122との間に正面視で間隙が存在する場合、ブレードを中心位置までガイドする際に、その間隙にブレードが嵌るおそれがあるからである。
装置1000は、2本のマニピュレータ114を備えてもよい。2本のマニピュレータ114は、折り畳み可能に構成される。2本のマニピュレータ114の先端には、メンテナンス手段のうちの少なくとも1つが設けられ得る。例えば、2本のマニピュレータ114の先端には、撮像手段140が設けられる。装置1000は、撮像手段140が取り付けられたマニピュレータ114を伸ばすことにより、装置1000から離れた場所を撮像することが可能である。装置1000は、例えば、風車のブレードのリーディングエッジに取り付いた状態で、ブレードのトレーリングエッジ(後縁)付近の表面を撮像することができる。例えば、2本のマニピュレータ114の先端には、導通検査手段150が設けられる。装置1000は、導通検査手段150が取り付けられたマニピュレータ114を伸ばすことにより、装置1000から離れた場所の受雷部を検査することが可能である。例えば、2本のマニピュレータ114の先端には、塗布手段180が設けられる。装置1000は、塗布手段180が取り付けられたマニピュレータ114を伸ばすことにより、装置1000から離れた場所に材料を塗布することが可能である。なお、マニピュレータ114の数および取付位置は問わない。任意の数のマニピュレータ114が装置1000の任意の場所に取り付けられることができる。
メンテナンス手段のうちの少なくとも1つは、マニピュレータ114の先端に取り外し可能に取り付けられてもよい。これにより、マニピュレータ114によって複数のメンテナンスを行うことが可能になる。例えば、第1の工程では、マニピュレータ114の先端に撮像手段140を取り付けて風車のブレード上を移動させることにより、風車のブレードの表面を観察する。第2の工程では、マニピュレータ114の先端の撮像手段140を研磨手段170と交換して風車のブレード上を移動させることにより、第1の工程で発見された要修復箇所を研磨する。第3の工程では、マニピュレータ114の先端の研磨手段170を塗布手段180と交換して風車のブレード上を移動させることにより、第2の工程で研磨された要修復箇所にパテを塗布する。第4の工程では、マニピュレータ114の先端の塗布手段180を研磨手段170と交換して風車のブレード上を移動させることにより、第3の工程でパテを塗布された要修復箇所を滑らかな表面になるように研磨する。第5の工程では、マニピュレータ114の先端の研磨手段170を洗浄手段160と交換して風車のブレード上を移動させることにより、第4の工程で滑らかに研磨された要修復箇所を洗浄する。第6の工程では、マニピュレータ114の先端の洗浄手段160を塗布手段180と交換して風車のブレード上を移動させることにより、第5の工程で洗浄された要修復箇所を塗装する。このような工程により、要修復箇所の修繕が行われてもよい。
マニピュレータ114は、操作者の腕、手、指等の動作を真似て動作する機構(例えば、ロボットハンド)(図示せず)を備えてもよい。これにより、装置1000は、操作者の動作に従って動作するマニピュレータ114を用いてメンテナンスを行うことができる。このとき、マニピュレータ114は、接触する物体の表面の状態を検知するセンサ(例えば、表面の弾力性を検出するセンサ、表面の凹凸を検出するセンサ等)を備えることにより、検出された物体の表面の状態を触覚フィードバックとして操作者に伝達するようにしてもよい。これにより、操作者は、実際に物体の表面に触れているかのような感覚で、マニピュレータ114を操作することができる。例えば、ブレードのリーディングエッジの表面にパテを塗布する場合、適切な量のパテを適切な厚さに塗布するためには、熟練の感覚が必要になってくる。操作者は、提供される触覚フィードバックに基づいてマニピュレータ114を操作することにより、熟練の感覚を生かして、ブレードのリーディングエッジの表面にパテを塗布することができる。例えば、マニピュレータ114は、物を挟持する動作を行うように構成されてもよい。これにより、マニピュレータ114を用いて物を挟持し、挟持した物を風車のブレード上に貼り付ける動作を行うことができる。これにより、例えば、マニピュレータ114は、ボルテックスジェネレータ等の空力特性を改変する装置を風車のブレードに貼り付けることができる。
マニピュレータ114の先端は、ブレードの表面に対して常に垂直になるように制御されることができる。これは、例えば、マニピュレータ114の先端に導通検査手段150が設けられる場合に有用である。風車のブレード上の受雷部は、風車のブレードの表面に対して垂直な壁面を有する凹部として形成されており、受雷部の導通を検査する際には、プローブを凹部にまっすぐ挿入する必要がある。プローブが傾いていると凹部に適切に挿入できないからである。そのため、マニピュレータ114の先端の導通検査用プローブを、ブレードの表面に対して常に垂直になるように制御することが好ましい。
マニピュレータ114の先端をブレードの表面に対して常に垂直になるように制御することは、例えば、相対的な姿勢を制御するための技術を用いて達成されることができる。相対的な姿勢を制御するための技術は、例えば、マニピュレータ114の先端に設けられた少なくとも2本の離間したレーザを用いる技術である。これは、少なくとも2本の離間したレーザの経路差を検出することによってプローブの傾きを算出するものである。例えば、マニピュレータ114の先端がブレードの表面に対して垂直である場合、少なくとも2本の離間したレーザの経路差はゼロとなる一方、マニピュレータ114の先端がブレードの表面に対して傾いている場合、少なくとも2本の離間したレーザの経路差は非ゼロとなる。これを利用して、少なくとも2本の離間したレーザの経路差がゼロとなるように、マニピュレータ114の先端の傾きを制御する。
図13は、2本のマニピュレータ114の折り畳み前後の様子を示す。図13において、左側のマニピュレータ114は、折り畳まれた状態で示されており、右側のマニピュレータ114は、伸ばされた状態で示されている。2本のマニピュレータ114は、状況に応じて、折り畳まれた状態と伸ばされた状態とを遷移し得る。例えば、装置1000がマニピュレータ114を用いたメンテナンスを行わないとき、マニピュレータ114は折り畳まれた状態に維持される。これにより、装置1000が風車のブレードに取り付けるときに、マニピュレータ114がブレードに衝突することを回避することができる。また、装置1000がブレード上を移動するにつれてブレードの厚みが太くなった場合であっても、マニピュレータ114がブレードに衝突することを回避することができる。
装置1000は、装置1000上の複数の位置に複数の撮像手段140を備えてもよい。装置1000は、例えば、7つの撮像手段140を備えることができる。7つの撮像手段140の位置は、例えば、(1)右側のマニピュレータ114の先端、(2)左側のマニピュレータ114の先端、(3)左右のマニピュレータ114の中間位置、(4)右側のフレーム115の最外部、(5)左側のフレーム115の最外部、(6)左右のフレーム115の中間位置、(7)装置1000の最後部であり得る。装置1000は、複数の位置の複数の撮像手段140の出力から、アラウンドビュー画像を生成することができる。アラウンドビュー画像は、装置1000の周囲の広範囲(例えば、180°、270°、360°等)を視認可能な画像である。アラウンドビュー画像は、例えば、複数の位置の複数の撮像手段140の出力に公知の画像合成技術を適用することにより生成され得る。生成されたアラウンドビュー画像を操作者の操作用端末の操作用インターフェースに表示することにより、操作者は直感的に装置1000を操作することができ、操作による装置1000の操作性が向上する。
操作者の操作用端末に表示される操作用インターフェースは、例えば、アラウンドビュー画像に加えて、または、アラウンドビュー画像に代えて、装置1000のブレード上での現在位置情報および/または寸法情報(例えば、ルーラー)を表示するようにしてもよい。これにより、ブレード上のダメージの位置および/または大きさを検出し、記録することができる。例えば、装置1000のブレード上での現在位置情報は、ブレード先端からの距離として表されてもよい。これは、例えば、リーディングエッジ走行用車輪122および/またはブレード側面走行用車輪123の回転数から装置1000がブレード上を移動した距離を算出することにより達成される。例えば、寸法情報は、ブレード上の既知の大きさの物体を撮影し、その大きさと画像の倍率とに基づいて相対的な大きさを算出することによって得ることができる。
ブレード上のダメージの位置および/または大きさを検出し、記録することにより、ブレードのダメージマップを作成することができる。操作者は、作成されたダメージマップに基づいて、装置1000をダメージが存在する位置に移動させて、そのダメージに合ったメンテナンスを行うことができる。例えば、上述したステップS901において、装置1000がブレードの先端からブレードの付根に向かう方向に移動している間に撮像された画像を利用して、ダメージマップを作成することができる。続いて、ステップS902において、装置1000がブレードの付根からブレードの先端に向かう方向に移動している間に、作成されたダメージマップに基づいて、装置1000に洗浄、研磨、塗布等のメンテナンスを行わせることができる。
操作者の操作用端末に表示される操作用インターフェースは、上述した画像および/または情報に加えて、または、上述した画像および/または情報に代えて、風車のブレードの3D映像を表示してもよい。3D映像は、例えば、複数の撮像手段140の出力等に基づいて構築され得る。3D映像は、例えばヘッドマウントディスプレイ等の操作用端末に表示され得る。操作者は、風車のブレードの3D映像の視点の変更または拡大縮小等の操作により、3D映像を介して、風車のブレードを自在に観察することができる。操作者は、風車のブレードの3D映像と、操作者の動作を真似て動作する機構を備えるマニピュレータ141とによって、地上にいながら、あたかも風車のブレード上で作業をしているかの如く、装置1000を操作することが可能となる。
図14は、風車のブレードのメンテナンスを行うための装置100の代替実施形態である装置2000の外観の一例を示す。図14は、装置2000の底面側斜視図である。
図14において、図4A、図9A〜図9Cに示される構成要素と同一の構成要素には、同一の参照番号を付し、ここでは、その説明を省略する。なお、装置2000は、装置100、1000と構成が異なるが、図7および図8を参照して上述した方法と同様の方法で風車のブレードのメンテナンスを行うことができる。
装置2000は、ウインチ121からロープが繰り出されるロープを誘導するためのロープガイド124を備えることができる。これにより、ウインチ121から繰り出されたロープは、装置2000に干渉することなく延びることができる。ロープガイド124の先端部には、ベアリングを設けることが好ましい。ロープガイド124の先端部は、ロープとの摩擦抵抗が最も大きく発生する部分であり、ベアリングを設けることにより、発生する摩擦抵抗を低減することができる。
装置2000は、取付手段130とは反対側に、走行用車輪125を備えることができる。走行用車輪125は、リーディングエッジ走行用車輪122と、ブレード側面走行用車輪123とは異なる位置に設けられた、リーディングエッジ走行用車輪122と、ブレード側面走行用車輪123とは異なる車輪である。走行用車輪125は、風車のブレード以外の場所を走行するための車輪である。走行用車輪125は、例えば、装置2000を運搬する場合に、キャリーバッグのように、装置2000を傾けて移動させるために使用される。走行用車輪125は、例えば、装置2000が風車のタワー上を走行するために使用される。風車のブレードのメンテナンスを行う際に、リーディングエッジ側のみならずトレーリングエッジ側の表面を撮像することが必要な場合がある。このとき、地上からトレーリングエッジ側を撮像したのでは、トレーリングエッジから離れすぎていて鮮明な画像を取得することが困難である。装置2000は、図15に示されるように、風車のナセルから延びるロープ20を伝って、風車のタワー上を走行用車輪125によって上下に移動することにより、トレーリングエッジにより近い位置からトレーリングエッジ側を撮像することができ、より鮮明な画像を取得することができる。
図14に示される例では、走行用車輪125を取付手段130とは反対側に備えることを説明したが、走行用車輪125が風車のタワーに接して走行することができる限り、任意の位置に設けられることができる。例えば、走行用車輪125は、装置2000の側面(図14でウインチ121が存在する側)に設けられてもよい。
図10〜12に示される例のように、ロープ20は、風車10のナセル14の前側、すなわち、ハブ15の近傍から地上に延びることが好ましい。ロープ20がナセル14の後側から地上に延びる場合、ロープ20が風車10の側方に垂れてしまい、装置1000をロープ20に沿って移動させるときに装置1000がタワーに接触してしまうおそれがあるからである。例えば、ナセル14のハッチ16(図16を参照)がナセル14の後側に配置されている場合、ロープを単にハッチ16に固定したのでは、図16のロープ20’のようにロープが風車10の側方に垂れてしまう。このとき、ロープ20をナセル14の前側から地上に延びるようにするために、図16に示されるロープ位置調整デバイス500を利用することができる。
図16は、風車10のナセル14を後方から見た斜視図である。図1〜3、図10〜12に示される構成要素と同一の構成要素には、同一の参照番号を付し、ここでは、その説明を省略する。
ロープ位置調整デバイス500は、2本のスリング510と、2つのカラビナ520と、マット530とを備える。スリング510の一端は、ハッチ16に固定されており、スリングのもう一端は、カラビナ520に接続されている。2つのカラビナ520は相互に接続されている。これにより、2本のスリング510および2つのカラビナ520は、ナセル14上でループ形状をなす。マット530は、カラビナ520およびスリング510とナセル14との間に配置され、カラビナ520およびスリング510によってナセル14が傷つくことを防止する。また、マット530は、カラビナ520およびスリング510によって形成されたループ形状を保持するための台座としての役割も担う。
ハッチ16から延びるロープ20は、スリング510が延びる方向、すなわちナセル14の前方方向に延び、カラビナ520を通過することによって方向転換させられて、地上方向に延びる。ロープ位置調整デバイス500によって、ハッチ16に固定されたロープ20は、ナセル14の前側から地上まで延びることができる。
例えば、スリング510の長さを調整可能とすることで、ナセル14から地上までロープ20が延びる位置を調整することができる。
図16に示される例では、ハッチ16から延びる2本のロープ20は、スリング510が延びる方向に平行に延びているが、本発明はこれに限定されず、2本のロープ20をクロスさせるようにしてもよい。例えば、ナセルの左側のハッチ16から延びるロープ20がナセルの右側に配置されたカラビナ520まで延び、カラビナ520を通過することによって方向転換させられて、地上方向に延びる一方、ナセルの右側のハッチ16から延びるロープ20がナセルの左側に配置されたカラビナ520まで延び、カラビナ520を通過することによって方向転換させられて、地上方向に延びるようにしてもよい。2本のロープ20をクロスさせることにより、作業中に2本のロープ20のうちの1本が切れたとしても、装置100が振られる距離を減らすことができる。
風車のブレードのメンテナンスは多くても年に一回程度である。本発明が物体のメンテナンスを行うための装置を安価に提供することができるとはいえ、そのような年一回のメンテナンスのためにメンテナンスを行うための装置を購入することは、費用対効果が低い。この点、風車の所有者は、風車のメンテナンスを行うための装置100をレンタルすることができれば、費用をさらに抑えることができ、費用対効果を高めることができる。
装置100の供給業者は、例えば、宅配便で搬送可能なサイズ(例えば、全長80cm以内、重さ40kg以下)に構築された装置100を用いて、装置100のレンタル事業を展開することができる。例えば、ウインチ121を分離可能に装置100を構成し、装置100からウインチ121を分離することによって宅配便で搬送可能なサイズを達成するようにしてもよい。例えば、装置100を4つのパーツに分離可能に構成し、装置100を4つのパーツに分解することによって宅配便で搬送可能かつ/または持ち運び可能なサイズを達成するようにしてもよい。このとき、例えば、取付手段130をまとめた状態で分離可能にすると、後の組み立て作業が簡便になる。
風車の所有者は、装置100をレンタルすることにより、常に最新のモデルの装置100を用いてメンテナンスを行うことができる。また、装置100の供給業者が、洗浄手段160のウエス162、研磨手段170のサンドペーパー172、塗布手段180の塗料等の消耗品を交換して装置100を供給することにより、風車の所有者は、手を煩わせることなく風車のメンテナンスを行うことができる。風車のメンテナンスのための手間および費用が削減されると、風車のメンテナンスの頻度を増やすことができ、風車のより効率的な運転につながる。本発明の装置100を用いると作業員が高所で作業を行う必要性を排除でき、安全にメンテナンスを行うことができることも、風車のメンテナンスの頻度を増やすことができる要因の1つである。
図1〜図16を参照して説明した例では、風車のブレードのメンテナンスを行うための装置および方法を説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明の装置および方法によるメンテナンス対象は、メンテナンスを行う必要がある任意の物体であって、装置100が取り付くことが可能な任意の物体であり得る。例えば、任意の物体は、ビルの壁面であってもよく、飛行機の主翼であってもよい。例えば、ビルの壁面であれば、雨による汚れを洗浄する必要がある。例えば、飛行機の主翼であれば、翼面を滑らかに保つために点検および洗浄する必要がある。装置100は、取付手段130によって、物体に取り付くことが可能である。例えば、装置100は、取付手段130によってビルの壁面の凸部を挟持することによって、ビルの壁面に取り付く。例えば、装置100は、取付手段130によって飛行機の主翼を挟持することによって、飛行機の主翼に取り付く。
例えば、任意の物体は、任意の構造体の一部であり得る。例えば、任意の構造体は風車であってもよく、このとき、任意の物体は風車のブレードであり得、任意の構造体はビルであってもよく、このとき、任意の物体はビルの壁面であり得、任意の構造体は飛行機であってもよく、このとき、任意の物体は飛行機の主翼であり得る。例えば、装置2000は、走行用車輪125によって、風車のブレード以外の部分、例えば、タワー上を走行することが可能である。例えば、装置2000は、走行用車輪125によって、ビルの壁面以外の部分、例えば、屋上を走行することが可能である。例えば、装置2000は、走行用車輪125によって、飛行機の主翼以外の部分、例えば、胴体上を走行することが可能である。
任意の物体は、好ましくは、高所にある物体である。ここで高所とは、地上の作業員の手が届かない高さの場所のことをいう。高所は、例えば、地上から3m以上の高さの場所であってもよく、地上から5m以上の高さの場所であってもよく、地上から10m以上の高さの場所であってもよく、地上から100m以上の高さの場所であってもよい。高所は、例えば、地上から3m〜100mの高さの場所であってもよく、地上から5m〜100mの高さの場所であってもよく、地上から10m〜100mの高さの場所であってもよい。なお、地上は、屋外の場所であってもよく、屋内の場所であってもよい。
任意の物体は、好ましくは、非一様な断面を有する物体である。装置100の取付手段130が変形することによって物体の形状の変化に対応することが可能であるので、装置100が非一様な断面を有する物体上を移動する際に移動に伴って物体の形状が変化した場合であっても、装置100は、取り付いた状態を維持することができる。非一様な断面を有する物体は、好ましくは、翼体であり、さらに好ましくは、風車のブレードである。
また、装置100が任意の物体に取り付く面の角度は任意であるが、装置100が任意の物体に取り付く面は、垂直に対して傾斜していることが好ましい。装置100が傾斜面に取り付くことにより、取付手段130による挟持力に加えて、装置100に働く重力が装置100を物体に押し付けるように作用し、装置100が物体上でより安定するからである。
また、図2A、図2B、および図7を参照して説明した例では、装置100に接続された2本のロープ21を用いて、装置100の姿勢を制御することを説明したが、本発明はこれに限定されない。少なくとも2本のロープによって装置100を操作することが本発明の範囲内である。例えば、操作者は、少なくとも2本のロープを操作することにより、ロープの張力を介して、装置100に特定の命令を伝達することができる。例えば、第1のロープおよび第2のロープを同時に引くことが、停止の命令としてもよい。例えば、第1のロープを2回引いた後に第2のロープを1回引くことが、前進の命令としてもよい。このとき、装置100が、ロープにかけられた張力を所定の電気信号に変換する変換器を備えることにより、張力によって表現された命令を読み取るようにしてもよい。このように、少なくとも2本のロープによって装置100を操作することにより、コントローラ等の電子機器に依存することなく、張力によって装置100を操作することが可能である。
また、図1〜図16を参照して説明した例では、物体のメンテナンスを行うための装置を説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明の装置は、メンテナンスを行うことを含む任意の目的を達成するための機能を有するロボットであってもよい。例えば、任意の目的は、高所への物資の運搬目的であってもよい。物資を搭載させた装置を高所の物体(例えば、マンションのベランダの外壁等)に取り付けることにより、高所への物資の運搬を容易にすることが可能である。例えば、任意の目的は、物体の装飾目的であってもよい。装飾を施した装置を高所の物体に取り付けることにより、高所の物体を容易に装飾することが可能である。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
本発明は、安価かつ安全に物体のメンテナンスを行うための装置、システムおよび方法を提供するものとして有用である。
また、本発明は、物体の形状の変化に対応して物体のメンテナンスを行うことを可能にするものとしても有用である。
さらに、本発明は、張力によって操作者から離れた位置のロボットを操作する方法を提供するものとしても有用である。
10 風車
11、12、13 ブレード
14 ナセル
15 ハブ
20、21 ロープ
100 装置
110 メンテナンス手段
121 ウインチ
122 リーディングエッジ走行用車輪
123 ブレード側面走行用車輪
130 取付手段

Claims (29)

  1. 物体のメンテナンスを行う方法であって、前記方法は、
    物体上に少なくとも1本のロープを張ることと、
    物体のメンテナンスを行うための装置を前記物体上に取り付けることであって、前記少なくとも1本のロープを前記装置に接続することと、前記少なくとも1本のロープとは異なる少なくとも2本のロープを前記装置に固定することと、前記少なくとも2本のロープを用いて前記装置の姿勢を制御しながら、前記装置を前記物体上に取り付けることとを含む、ことと、
    前記物体上で前記少なくとも1本のロープが張られた方向に前記装置を移動させることと、
    前記装置が前記少なくとも1本のロープが張られた方向に移動している間に、前記装置に前記物体のメンテナンスを行わせることと
    を含む、方法。
  2. 前記装置を移動させることは、前記物体の傾斜面に沿って前記装置を移動させることを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記装置を移動させることは、前記物体上で前記少なくとも1本のロープが張られた方向のうちの第1の方向に前記装置を移動させることと、前記物体上で前記少なくとも1本のロープが張られた方向のうちの前記第1の方向とは異なる第2の方向に前記装置を移動させることとを含み、
    前記メンテナンスを行わせることは、前記装置が前記第1の方向に移動している間に、前記装置に第1のメンテナンスを行わせることと、前記装置が前記第2の方向に移動している間に、前記装置に前記第1のメンテナンスとは異なる第2のメンテナンスを行わせることとを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
  4. 前記少なくとも2本のロープを用いて前記装置の姿勢を制御することは、作業員によって行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記少なくとも2本のロープを用いて前記装置の姿勢を制御することは、移動可能なロボットによって行われる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記少なくとも2本のロープを用いて前記装置の姿勢を制御することは、前記少なくとも2本のロープを保持する記移動可能なロボットが地上を移動することによって行われる、求項5に記載の方法。
  7. 前記方法の各ステップは、ロボットによって行われる、請求項1〜6に記載の方法。
  8. 前記物体上に張られる少なくとも1本のロープは、2本のロープであり、
    前記装置は、前記装置の両側に、前記2本のロープを巻き取る2つのウインチを備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記2つのウインチは、各々が独立に制御される第1のモードと、各々が同期して制御される第2のモードとを有し、
    前記少なくとも1本のロープを前記装置に接続することは、前記第1のモードで前記2つのウインチを動作させることを含み、
    前記装置を移動させることは、前記第2のモードで前記2つのウインチを動作させることを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記物体は、翼体であり、前記物体の一部は、翼体のリーディングエッジである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記翼体は、風車のブレードである、請求項10に記載の方法。
  12. ロボットを操作する方法であって、前記ロボットに少なくとも1本の第1のロープが接続され、前記第1のロープとは異なる少なくとも2本の第2のロープとが固定されており、前記少なくとも2本の第2のロープは、前記少なくとも1本の第1のロープとは異なる方向に延び、前記方法は、
    前記少なくとも1本の第1のロープが延びる方向に前記ロボットを移動させることと、
    前記少なくとも2本の第2のロープを用いて前記ロボットの姿勢を制御することと
    を含む、方法。
  13. 物体のメンテナンスを行うための装置であって、前記装置は、
    前記装置が物体の一部に取り付くことを可能にする取付手段であって、前記取付手段は、前記物体の一部の形状に従って変形するように構成されており、前記取付手段は、少なくとも一対のフレームアセンブリを備え、各フレームアセンブリは、少なくとも第1のフレームおよび第2のフレームを備え、前記第1のフレームおよび前記第2のフレームは、枢動可能に相互に結合されている、取付手段と、
    前記装置が前記物体上を移動することを可能にする移動手段であって、前記移動手段は、前記装置が前記物体上に張られたロープに沿って前記物体上を移動することを可能にする、移動手段と、
    前記物体のメンテナンスを行うメンテナンス手段と
    を備える、装置。
  14. 前記少なくとも一対のフレームアセンブリは、前記少なくとも一対のフレームアセンブリが前記物体を挟持することができるように付勢されている、請求項13に記載の装置。
  15. 前記少なくとも一対のフレームアセンブリは、複数対のフレームアセンブリである、請求項13または請求項14に記載の装置。
  16. 前記取付手段は、前記移動に伴って前記物体の一部の形状が変化した場合にも、前記装置が前記取付手段の前記変形によって前記物体の一部に取り付いた状態を維持するように構成されている、請求項13〜15のいずれか一項に記載の装置。
  17. 前記移動手段および前記メンテナンス手段は、前記装置が前記物体上を移動している間に前記物体のメンテナンスを行うように協働する、請求項13〜16のいずれか一項に記載の装置。
  18. 前記メンテナンス手段は、前記物体の表面を撮像する手段を備える、請求項13〜17のいずれか一項に記載の装置。
  19. 前記メンテナンス手段は、
    前記物体の受雷部の導通を検査する手段、
    前記物体の表面を洗浄する手段、
    前記物体の表面を研磨する手段、
    前記物体の表面に材料を塗布する手段
    のうちの少なくとも1つを備える、請求項13〜18のいずれか一項に記載の装置。
  20. 前記メンテナンス手段は、前記物体の表面を研磨する手段を備え、
    前記物体の表面を研磨する手段は、前記装置の本体に搭載されている、請求項1319のいずれか一項に記載の装置。
  21. 前記物体の表面を研磨する手段は、
    研磨部と、
    前記研磨部の位置を調節する調節部と
    を備える、請求項20に記載の装置。
  22. 前記装置は、マニピュレータをさらに備え、
    前記メンテナンス手段は、前記物体の表面を研磨する手段を備え、
    前記物体の表面を研磨する手段は、前記マニピュレータの先端に搭載されている、請求項13〜19のいずれか一項に記載の装置。
  23. 前記移動手段は、前記装置の両側に取り付けられた2つのウインチである、請求項13〜22のいずれか一項に記載の装置。
  24. 前記2つのウインチは、各々が独立に制御される第1のモードと、各々が同期して制御される第2のモードとを有する、請求項23に記載の装置。
  25. 前記移動手段は、前記物体上を走行するための一連の車輪を備え、前記一連の車輪は、両外側の車輪と、前記両外側の車輪の直径よりも小さい直径を有する内側の車輪とを備える、請求項13〜24のいずれか一項に記載の装置。
  26. 前記物体は、構造体の一部であり、前記構造体は、前記物体とは異なる第2の物体を備え、前記装置は、前記装置が前記第2の物体上を移動することを可能にする第2の移動手段をさらに備える、請求項13〜25のいずれか一項に記載の装置。
  27. 前記物体は、翼体であり、前記物体の一部は、翼体のリーディングエッジである、請求項13〜26のいずれか一項に記載の装置。
  28. 前記翼体は、風車のブレードである、請求項27に記載の装置。
  29. 物体のメンテナンスを行うためのシステムであって、前記システムは、
    本体と、
    前記本体が物体の一部に取り付くことを可能にする取付手段であって、前記取付手段は、前記物体の一部の形状に従って変形するように構成されており、前記取付手段は、少なくとも一対のフレームアセンブリを備え、各フレームアセンブリは、少なくとも第1のフレームおよび第2のフレームを備え、前記第1のフレームおよび前記第2のフレームは、枢動可能に相互に結合されている、取付手段と、
    前記本体が前記物体上を移動することを可能にする移動手段であって、前記移動手段は、前記本体が前記物体上に張られたロープに沿って前記物体上を移動することを可能にする、移動手段と、
    前記物体のメンテナンスを行うメンテナンス手段と
    を備える、システム。
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