JP6497177B2 - 制御システム及び画像形成システム - Google Patents

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Description

本発明は、制御システム及び画像形成システムに関する。
従来、インクジェット型の画像形成システムが知られている。例えば、インク液滴を吐出するインクジェットヘッドを搭載するキャリッジを主走査方向に搬送する過程において、インクジェットヘッドの下方において副走査方向に移動するシートに画像を形成する画像形成システムが知られている。
このタイプの画像形成システムには、例えば、キャリッジ搬送路の終端(ホームポジション)に、インクジェットヘッドのノズル面をキャップで覆うためのキャッピング装置が配置される。キャッピング装置は、例えば、キャリッジが上記終端に進入するとき、キャリッジからの力の作用を受けて、キャップをノズル面に向けて上昇させ、キャリッジが上記終端から離れるときに、キャップをキャリッジの移動に合わせてノズル面から離す構成にされる。
キャリッジを目標停止位置に配置する場合には、目標停止位置付近でキャリッジを微小移動させる画像形成システムもまた知られている。例えば、この微小移動は、キャリッジを駆動するモータへ入力する駆動電流を徐々に変化させ、キャリッジが移動する度に駆動電流を初期値に戻す動作により実現される(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−189876号公報
ところで、キャリッジがキャッピング装置からの力の作用を受ける状態で、キャリッジを目標停止位置に配置して保持するためには、モータに対して駆動電流を過不足なく入力し続ける必要がある。例えば、フラッシング動作をインクジェットヘッドに実行させる場合には、キャップがインクジェットヘッドから僅かに離れた位置に、キャリッジを配置することがある。この位置は、キャリッジ搬送路の終端ではないことから、駆動電流に過不足があると、キャリッジは移動してしまう。
しかしながら、従来技術によれば、この駆動電流が適切ではないために、振動等の事象が発生することによってキャリッジが目標停止位置から移動してしまうケースがあった。振動が生じると、キャリッジに作用する静止摩擦力等の力が変動し、キャリッジが移動してしまうのである。この画像形成システムによらず、駆動対象にモータに依らない力が作用する場合には、駆動対象が目標停止位置に保持されるようにモータを制御することは難しい。
従って、本発明の一側面によれば、駆動電流の制御により、駆動対象を目標停止位置に適切に保持可能なシステムを提供できることが望ましい。
本発明の一側面に係る制御システムは、モータと、駆動装置と、検出装置と、コントローラとを備える。駆動装置は、駆動対象を含み、モータからの力を駆動対象に伝達するこ
とで駆動対象を第一の方向及び第一の方向とは逆の第二の方向に変位させる。検出装置は、駆動対象の位置を検出する。コントローラは、モータを制御する。
コントローラは、変位制御処理と、決定処理と、保持制御処理とを実行するように構成される。コントローラは、上記変位制御処理において、モータへの入力電流を制御し、駆動対象を第一の方向及び第二の方向に変位させる。コントローラは、上記決定処理において、駆動対象を目標停止位置に保持するための保持電流値を決定する。コントローラは、上記保持制御処理において、上記決定処理により決定された保持電流値に基づいてモータへの入力電流を制御することにより、上記変位制御処理によって目標停止位置に配置された駆動対象を目標停止位置に保持する。
コントローラは、駆動対象を第一の方向に変位させる場合には、入力電流を第一の初期値から、駆動対象に作用する力が第一の方向に増加する方向に徐々に変化させる処理を、検出装置により検出される駆動対象の位置が第一の方向に変化する度に実行する構成にされ得る。
コントローラは、駆動対象を第二の方向に変位させる場合には、入力電流を第二の初期値から、駆動対象に作用する力が第二の方向に増加する方向に徐々に変化させる処理を、検出装置により検出される駆動対象の位置が第二の方向に変化する度に実行する構成にされ得る。
コントローラは、第一電流値と第二電流値とに基づき、保持電流値を決定する構成にされ得る。第一電流値は、駆動対象が目標停止位置を含む目標領域を第一の方向に通過するときの変位制御処理において制御される入力電流であって駆動対象の位置が第一の方向に変化するときの入力電流の値であり得る。第二電流値は、駆動対象が目標領域を第二の方向に通過するときの変位制御処理において制御される入力電流であって駆動対象の位置が第二の方向に変化するときの入力電流の値であり得る。
上記第一電流値は、目標停止位置周辺で駆動対象が第一の方向に変位するのに必要な電流値に対応し、上記第二電流値は、目標停止位置周辺で駆動対象が第二の方向に変位するのに必要な電流値に対応する。従って、上記第一電流値と第二電流値とに基づけば、振動等の外部要因による影響を抑えて駆動対象を安定的に保持可能な電流値を概略特定することができる。
従って、本発明の一側面によれば、駆動対象を目標停止位置に適切に保持可能な制御システムを構築し得る。具体的に、保持電流値は、上記第一電流値と上記第二電流値との間の値に決定され得る。例えば、保持電流値は、第一電流値と第二電流値との平均値に決定され得る。保持電流値を第一電流値と第二電流値との平均値に決定することによれば、駆動対象を一層安定的に目標停止位置に保持することが可能である。
本発明の一側面において、保持電流値は、事前に決定され得る。但し、駆動対象を目標停止位置に保持する時期に対し、保持電流値を決定する時期が早すぎると、事前に決定した保持電流値に基づく駆動対象の目標停止位置での保持性能が劣化する可能性がある。
従って、コントローラが駆動対象を目標停止位置に配置するために実行する変位制御処理は、駆動対象が目標領域を第一の方向に通過するように、入力電流を制御する第一ステップと、当該第一ステップにより駆動対象が目標領域を通過した後、駆動対象を目標停止位置に配置するように、入力電流を制御する第二ステップと、を含む処理であってもよい。コントローラは、上記第一電流値として上記第一ステップで得られた電流値を用いて、保持電流値を決定する構成にされ得る。駆動対象を目標停止位置に配置する過程で、第一
電流値を取得し、この第一電流値を用いて保持電流値を決定すれば、変化する環境に適合した適切な保持電流値を決定し得る。
付言すると、上記第二ステップは、駆動対象が目標領域を第二の方向に通過するように、入力電流を制御する後退制御ステップと、後退制御ステップにより駆動対象が目標領域を通過した後、駆動対象を第一の方向に変位させて目標停止位置に配置するように、入力電流を制御する配置ステップと、を含んでもよい。この場合、コントローラは、上記第二電流値として上記後退制御ステップで得られた電流値を用いて、保持電流値を決定し得る。
上記目標領域は、目標停止位置より第一の方向に第一の所定量離れた位置と、目標停止位置より第二の方向に第二の所定量離れた位置との間の領域に定められ得る。この場合、コントローラは、上記第一ステップにおいて、駆動対象を、第一の方向に、初期位置から目標停止位置より第一の方向に上記第一の所定量離れた位置まで変位させるように、入力電流を制御し得る。
コントローラは、上記後退制御ステップにおいて、駆動対象を、目標停止位置より第一の方向に上記第一の所定量離れた位置から目標停止位置より第二の方向に第二の所定量離れた位置まで変位させるように、入力電流を制御し得る。上記配置ステップにおいて、コントローラは、後退制御ステップにより目標停止位置から第二の方向に第二の所定量離れた位置まで変位した駆動対象を、上記第二の所定量だけ第一の方向に変位させるように、入力電流を制御することにより、駆動対象を目標停止位置に配置し得る。上記第一の所定量及び第二の所定量は、同一量であり得る。
駆動対象を目標停止位置に配置する過程で、駆動対象を第一の方向及び第二の方向に変位させて、第一電流値及び第二電流値を取得すれば、一層適切に保持電流値を決定し得る。但し、駆動対象を目標停止位置に配置する度に、第一電流値及び第二電流値を取得して、保持電流値を決定する場合には、駆動対象を目標停止位置に配置するのに必要な作業及び時間が長くなる。
そこで、コントローラは、制御システムに電源が投入された後、駆動対象を目標停止位置に配置する初回の過程に限って、上記第一ステップ及び第二ステップを実行するように構成されてもよい。こうした構成によれば、駆動対象を目標停止位置に適切に保持でき、更には、駆動対象を目標停止位置に配置するのに必要な時間を抑えることができる。
この他、駆動対象が変位する範囲に、駆動対象に作用する負荷の大きさが変化する負荷変化区間が含まれる場合、コントローラは、上記決定処理を次のように実行し得る。即ち、コントローラは、目標停止位置が負荷変化区間に位置する場合に上記決定処理を実行して、駆動対象を負荷変化区間内の目標停止位置に保持するための保持電流値を決定する構成にされ得る。上記負荷変化区間は、駆動対象が第一の方向に変位するほど、駆動対象に作用する負荷が減少し、駆動対象が第二の方向に変位するほど、駆動対象に作用する負荷が増加する区間であり得る。
負荷が変化する区間では、その区間内の目標停止位置の夫々に、負荷に応じた適切な保持電流値がある。換言すると、負荷変化区間では、負荷に依らない一律の保持電流値で駆動対象を目標停止位置に保持しようとしても安定的に駆動対象を保持することが難しい。一方、負荷が変化しない区間においては、一律の保持電流値で駆動対象を目標停止位置に保持し得る。従って、目標停止位置が負荷変化区間に位置する場合に限って上記決定処理を実行すれば、目標停止位置に応じた適切な手順で目標停止位置に駆動対象を保持することができる。
また、上述した第一電流値は、検出装置により検出される駆動対象の位置が目標停止位置から第一の方向に一単位だけ変化するときの入力電流の値であり得る。第二電流値は、検出装置により検出される駆動対象の位置が目標停止位置から第二の方向に一単位だけ変化するときの入力電流の値であり得る。こうした第一電流値及び第二電流値に基づく保持電流値の決定は、駆動対象の目標停止位置での安定的な保持をもたらす。
コントローラは、上記保持制御処理において、モータへの入力電流を保持電流値に維持することにより、駆動対象を目標停止位置に保持する構成にされ得る。別例として、コントローラは、目標停止位置と検出装置により検出される駆動対象の位置との偏差に基づいたPI(比例積分)制御であって、保持電流値を初期値としたPI制御により、モータへの入力電流を制御して、駆動対象を目標停止位置に保持する構成にされ得る。
また、本発明の一側面に係る制御システムは、画像形成システムに設けられ得る。例えば、画像形成システムは、上記制御システムとして、シートに画像を形成する記録ヘッドを、モータからの力の作用によりシート上で搬送する搬送装置を上記駆動装置として備え、コントローラが、モータを制御することにより、記録ヘッドの位置を制御するように構成された制御システムを備え得る。画像形成システムは、変位制御処理によって記録ヘッドが変位する記録ヘッドの搬送経路の端部領域に、記録ヘッドの位置に応じて画像形成システムの動作状態を切り替える切替装置を備え得る。こうした構成によれば、目的の動作状態に応じた適切な位置に記録ヘッドを配置可能な画像形成システムを構成し得る。
上記記録ヘッドは、インクジェットヘッドであり得る。切替装置は、インクジェットヘッドが第一及び第二の方向の内の一方に変位すると、インクジェットヘッドのインク吐出面に向けて、インク吐出面を覆うためのキャップを移動させ、インクジェットヘッドが第一及び第二の方向の内の一方とは逆方向に変位すると、キャップをインク吐出面から離間する方向に移動させるキャッピング装置を含み得る。
この画像形成システムに、上述の制御システムを適用すれば、例えばフラッシング動作等のために、キャップを少し記録ヘッドから離す必要があるときなどに、インクジェットヘッドを適切な位置に配置及び保持することができ、優れた画像形成システムを構成し得る。
画像形成システムの構成を表すブロック図である。 キャリッジ搬送装置の機械的構成を表す上面図である。 キャッピング装置の機械的構成を表す図である。 負荷変動を示すグラフである。 キャリッジを停止保持可能な力の範囲を説明した図である。 上段に操作量の変化を示し、下段に位置の変化を示すグラフ群である。 印刷コントローラが実行する定期処理を表すフローチャートである。 印刷コントローラが実行する微小駆動処理を表すフローチャートである。 微小駆動処理に基づく操作量の変化を上段に示し、位置の変化を下段に示すグラフ群である。 印刷コントローラが実行する保持値算出処理を表すフローチャートである。 印刷コントローラが実行する第一検出処理を表すフローチャートである。 印刷コントローラが実行する第二検出処理を表すフローチャートである。 印刷コントローラが実行する保持制御処理を表すフローチャートである。 第二実施例における定期処理を表すフローチャートである。 第三実施例の印刷コントローラが実行する微小逆駆動処理を表すフローチャートである。 微小逆駆動処理に基づく位置の変化を上段に示し、操作量の変化を下段に示すグラフ群である。 第三実施例における保持値算出処理を表すフローチャートである。 第三実施例の定期処理による位置の変化を上段に示し、操作量の変化を下段に示すグラフ群である。
以下に本発明の実施例を、図面を用いて説明する。
[第一実施例]
図1に示す本実施例の画像形成システム1は、インクジェットプリンタとして構成される。この画像形成システム1は、メインコントローラ10と、通信インターフェース20と、印刷コントローラ40と、搬送コントローラ50と、を備える。
メインコントローラ10は、CPU11と、ROM13と、RAM15と、を備える。ROM13は、各種プログラムを記憶する。CPU11は、これらプログラムに従う処理を実行する。RAM15は、CPU11による処理実行時に、作業領域として使用される。CPU11は、ROM13が記憶するプログラムに従う処理を実行することにより、装置内各部を統括制御し、各種機能を実現する。通信インターフェース20は、外部装置とデータ通信可能に構成される。
印刷コントローラ40は、メインコントローラ10からの指令に従って、記録ヘッド60を搭載するキャリッジ71(図2参照)の搬送を制御し、記録ヘッド60によるインク液滴の吐出動作を制御することにより、用紙Qに対する画像形成動作を実現する構成にされる。画像形成システム1は、画像形成動作に関わる構成要素として、記録ヘッド60と、ヘッド駆動回路65と、キャリッジ搬送装置70と、CRモータ81と、モータ駆動回路85と、エンコーダ91と、信号処理回路95とを備える。
記録ヘッド60は、用紙Qに向けてインク液滴を吐出するインクジェットヘッドである。ヘッド駆動回路65は、印刷コントローラ40からの入力信号に従って、記録ヘッド60を駆動する。キャリッジ搬送装置70は、CRモータ81からの動力をキャリッジ71に伝達することにより、キャリッジ71を主走査方向に往復動させる。
CRモータ81は、直流モータにより構成される。モータ駆動回路85は、PWM制御によりCRモータ81を駆動する。具体的に、モータ駆動回路85は、印刷コントローラ40から入力された操作量Uに対応する駆動電流をCRモータ81に入力し、これによって、操作量Uに対応する力(トルク)がCRモータ81から発生するようにCRモータ81を駆動する。直流モータにおいて、駆動電流と、それにより発生する力(トルク)との間には比例関係がある。印刷コントローラ40からモータ駆動回路85に対して入力される操作量Uは、CRモータ81へ入力すべき駆動電流を表す電流指令値に対応する。
エンコーダ91は、主走査方向におけるキャリッジ71の変位に応じたエンコーダ信号を出力するリニアエンコーダである。信号処理回路95は、このエンコーダ91から入力されるエンコーダ信号に基づき、主走査方向におけるキャリッジ71の位置Pを検出する。信号処理回路95により検出されたキャリッジ71の位置Pは、印刷コントローラ40に入力される。印刷コントローラ40は、信号処理回路95により検出されたキャリッジ71の位置Pに基づき、CRモータ81を制御する。
搬送コントローラ50は、メインコントローラ10からの指令に従って、搬送モータ111を制御することにより、用紙Qの搬送を制御し、更には、メンテナンス装置160が
有するポンプ170の駆動を制御する。画像形成システム1は、用紙Qの搬送に関わる構成要素として、用紙搬送装置100と、搬送モータ111と、モータ駆動回路115と、エンコーダ121と、信号処理回路125とを備える。
用紙搬送装置100は、搬送モータ111からの動力を受けて搬送ローラ101を回転させることにより、用紙Qを主走査方向とは直交する副走査方向に搬送する。これにより、用紙Qを記録ヘッド60によるインク液滴の吐出位置に供給する。搬送モータ111は、直流モータにより構成される。モータ駆動回路115は、搬送コントローラ50から入力される操作量に応じて搬送モータ111を駆動する。
エンコーダ121は、搬送モータ111又は搬送ローラ101の回転軸の周辺に配置されて、搬送モータ111又は搬送ローラ101の回転に応じたエンコーダ信号を出力するロータリエンコーダである。信号処理回路125は、このエンコーダ121から入力されるエンコーダ信号に基づき、搬送ローラ101の回転位置及び回転速度を検出する。
信号処理回路125により検出された回転位置及び回転速度は、搬送コントローラ50に入力される。搬送コントローラ50は、信号処理回路125により検出された回転位置及び回転速度に基づき、搬送モータ111に対する操作量を決定して、搬送モータ111を制御する。これにより、搬送ローラ101の回転及び用紙Qの搬送を制御する。
搬送ローラ101の端部には、伝達機構130と噛合うギヤ105が搬送ローラ101と一体に固定される(図2参照)。画像形成システム1が備える伝達機構130は、搬送モータ111から発生する動力を、搬送ローラ101及びギヤ105を介して受けて下流に伝達する。画像形成システム1は、動力伝達経路の下流に、第一給紙装置140と、第二給紙装置150と、メンテナンス装置160とを備える。
伝達機構130は、キャリッジ71の移動によって操作されるレバーSWと、当該レバーSWの移動に伴って移動し且つ常時ギヤ105と噛合う移動ギヤと、その他の複数のギヤと、を備える。伝達機構130は、レバーSWの移動で移動された移動ギヤの位置及び搬送モータ111の回転方向に応じて、第一給紙装置140、第二給紙装置150及びメンテナンス装置160のいずれか一つに搬送ローラ101からの動力が伝達する状態と、第一給紙装置140、第二給紙装置150及びメンテナンス装置160のいずれにも搬送ローラ101からの動力が伝達しない状態と、を形成する。
第一給紙装置140及び第二給紙装置150は、夫々、個別の給紙トレイを備え、搬送ローラ101、ギヤ105及び伝達機構130を介して伝達されてくる搬送モータ111からの動力を受けて、対応する給紙トレイに収容される用紙Qを、搬送ローラ101側に供給する。
メンテナンス装置160は、記録ヘッド60をメンテナンスするための装置である。メンテナンス装置160は、ポンプ170及びキャッピング装置180を備える。ポンプ170は、搬送モータ111からの動力を、伝達機構130を介して受けて動作し、記録ヘッド60により吐出されたインク液滴を吸引する。
続いて、キャリッジ搬送装置70の詳細構成を説明する。図2に示すようにキャリッジ搬送装置70は、キャリッジ71と、ベルト機構75と、ガイドレール77,78と、を備える。
ベルト機構75は、主走査方向に配列された駆動プーリ751及び従動プーリ753と、駆動プーリ751と従動プーリ753との間に巻回されたベルト755とを備える。ベ
ルト755には、キャリッジ71が固定される。ベルト機構75では、駆動プーリ751がCRモータ81からの動力を受けて回転し、ベルト755及び従動プーリ753が、駆動プーリ751の回転に伴って、従動回転する。
ガイドレール77,78は、主走査方向に沿って延設され、互いに副走査方向に離れた位置に配置される。ガイドレール78には、孔HLが形成されている。レバーSWは、この孔HLを通じて、ガイドレール78の下方から上方(キャリッジ71の搬送路上)に突出している。レバーSWは、キャリッジ71に押されて、キャリッジ搬送路(ガイドレール78)の終端側に移動する。このレバーSWは、その移動範囲内において、キャリッジ搬送路の中央側に戻る方向の付勢力をバネから受けた状態にされる。
ベルト機構75は、ガイドレール77に配置される。ガイドレール77,78には、例えば主走査方向に沿って延びる凸状の壁(図示せず)がキャリッジ71の移動方向を主走査方向に規制するために形成されている。キャリッジ71は、例えば、下面の溝に壁が配置されるようにガイドレール77,78上に載置される。この状態で、キャリッジ71は、ベルト755の回転に連動して、ガイドレール77,78上を主走査方向に往復動する。記録ヘッド60は、このキャリッジ71に搭載され、キャリッジ71の移動に伴って、主走査方向に移動する。
レバーSWを、当該レバーSWの移動範囲終端に配置した際のキャリッジ71の位置は、キャリッジ71のホームポジションに対応する。このホームポジションは、キャリッジ71がそれ以上ガイドレール78の終端側に移動しないキャリッジ搬送路の終端に対応する。以下では、キャリッジ搬送路の終端(つまりホームポジション)から中央側にキャリッジ71が移動する方向を第一方向と表現し、キャリッジ搬送路の終端側に移動する方向を第二方向と表現する。以下において、信号処理回路95により検出されるキャリッジ71の位置Pは、このキャリッジ搬送路の終端(つまりホームポジション)を原点P=0とし、第一方向を正方向する一次元位置座標系で表される。
付言すると、上述のエンコーダ91(図1参照)は、エンコーダスケール91Aと、光学センサ91Bと、を備える。エンコーダスケール91Aは、主走査方向に沿ってガイドレール77に配置される。光学センサ91Bは、キャリッジ71に搭載される。エンコーダ91は、エンコーダスケール91Aと光学センサ91Bとの間の相対位置の変化に応じたエンコーダ信号を信号処理回路95に出力する。エンコーダ信号は、エンコーダスケール91Aに対して光学センサ91Bが所定量移動する度に信号エッジが発生するパルス信号である。信号処理回路95は、エンコーダ91から入力されるパルス信号(エンコーダ信号)のエッジをカウントしてキャリッジ71の位置Pを検出する。キャリッジ71の位置Pは、パルス信号(エンコーダ信号)のエッジ発生間隔に対応する距離を単位とする値(信号エッジのカウント数)で表される。
図2に示されるように、搬送ローラ101は、この記録ヘッド60の副走査方向上流に配置される。搬送ローラ101は、給紙装置140,150のいずれかから搬送されてくる用紙Qを、記録ヘッド60によるインク液滴吐出位置に送出するように回転する。上述のキャッピング装置180は、キャリッジ搬送路の端部領域に対応するメンテナンスエリアMAに設けられる。キャッピング装置180は、メンテナンスエリアMA内でのキャリッジ71の移動に応じて、図3に示すキャップ181を昇降する。
キャッピング装置180は、インク液滴の吐出口が配列された記録ヘッド60のノズル面を被覆するためのキャップ181と、昇降機183とを備える。キャップ181は、バネ185を介して昇降機183に接続される。図3上段は、キャリッジ71がホームポジション(つまりキャリッジ搬送路の終端)に位置し、記録ヘッド60にキャップ181が
装着された状態におけるキャップ181及び昇降機183の配置を概略的に表す。図3中段は、キャリッジ71がホームポジションからキャリッジ搬送路の中央側へと少し離れることで、記録ヘッド60から僅かにキャップ181が外された状態におけるキャップ181及び昇降機183の配置を概略的に表す。図3下段は、キャリッジ71がキャッピング装置180から完全に離れることで、キャップ181が下限まで下ろされた状態におけるキャップ181及び昇降機183の配置を概略的に表す。
昇降機183は、キャリッジ71と当接する壁183Aを有し、移動するキャリッジ71からの力の作用を受けて動作する。具体的に、昇降機183は、キャリッジ71がキャリッジ搬送路中央側からメンテナンスエリアMAに進入し、キャリッジ搬送路の終端(つまりホームポジション)に移動するとき、壁183Aを介してキャリッジ71からの力の作用を受けてキャップ181を徐々に上昇させるように動作し、記録ヘッド60のノズル面にキャップ181を装着する。キャップ181の装着は、キャリッジ71がキャリッジ搬送路の終端まで移動すると完了する。
昇降機183は、キャリッジ71がキャリッジ搬送路の終端(つまりホームポジション)から離れるとき、キャリッジ71からの力の作用による拘束から開放され、自重及び、昇降機183が備えるバネ183Bの付勢力によりキャップ181を降ろすように動作する。キャップ181の下降により、キャップ181は、記録ヘッド60から取り外される。図3から理解できるように、昇降機183は、バネ183Bから、第一方向且つ下方を向くベクトル方向への付勢力を受けている。
キャッピング装置180が、上述のように構成されることから、キャリッジ71は、図3に示すように、キャッピング装置180と接触している状態において、キャッピング装置180から第一方向を向く力Feの作用を受ける。即ち、キャリッジ71は、キャッピング装置180と接触している状態では、キャッピング装置180から負荷を受けた状態にされる。
この負荷は、図4に示すようにキャリッジ71がホームポジション(P=0、つまりキャリッジ搬送路の終端)に位置しているときに高く、ホームポジションから第一方向に変位するに従って、減少する傾向を示す。換言すれば、この負荷は、キャリッジ71がメンテナンスエリアMAに進入して第二方向にホームポジションまで移動するときには、キャリッジ71が第二方向に変位するほど増加する傾向を示す。図4に示すキャリッジの位置Pucは、キャップ181が下限まで下がり、キャリッジ71がキャッピング装置180と非接触となる位置Pucに対応する。また、図4に示すキャリッジの位置Pmaは、メンテナンスエリアMAの始点に対応する。
メンテナンスエリアMAにおいては、上述したように、キャリッジ71の位置に応じてキャッピング装置180の状態が変化し、更には、レバーSWの位置が変化して、伝達機構130の状態が変化する。このため、メンテナンスエリアMAにおいて、キャリッジ71は、微小駆動されて、画像形成システム1が目的の動作状態となる位置まで少しずつ搬送され、正確に目的の位置(目標停止位置)に配置される。
ところで、キャリッジ71を目標停止位置に配置した後、その位置に対応した画像形成システム1の動作状態を保つためには、キャリッジ71を目標停止位置に保持する必要が生じる。上述のように、メンテナンスエリアMAにおいては、キャリッジ71に負荷が作用している。このような環境下で、キャリッジ71を目標停止位置に保持するためには、CRモータ81に対して過不足のない駆動電流を入力する必要がある。以下では、キャリッジ71を目標停止位置に保持するためにCRモータ81に対して入力する駆動電流のことを保持電流と表現する。
しかしながら、メンテナンスエリアMAにおいては、キャリッジ71の位置に応じて負荷が変化するため、目標停止位置に依らず一定の保持電流をCRモータ81に入力すると、保持電流の過不足が生じる。
キャリッジ71が静止した状態での静止摩擦力が値Fsfであり、キャリッジ71に作用する負荷が値Feであるとの前提を置くと、キャリッジ71を静止した状態に保持するためには、CRモータ81からキャリッジ71に対し、−(Fsf+Fe)から−(−Fsf+Fe)までの範囲の力を加える必要がある。ここでは、位置Pと同様、第一方向を正方向と定義して力の大きさを表す。
即ち、キャリッジ71を目標停止位置で保持するためには、上限F1(例えば−(−Fsf+Fe)に対応する力)及び下限F2(例えば−(Fsf+Fe)に対応する力)を有する所定範囲の力をCRモータ81からキャリッジ71に作用させる必要がある。しかしながら、この上限F1及び下限F2は、負荷に応じて図5に示すように変化する。従って、保持電流値がメンテナンスエリアMA内で一律である場合には、CRモータ81からキャリッジ71に作用する力が、上限F1から下限F2までの範囲の中心から乖離する場合がある。図5における一点鎖線は、保持電流値が一律である場合におけるCRモータ81からキャリッジ71への力の大きさを表し、この力の大きさを上限F1及び下限F2との相対的な関係で概略的に表したものである。
そして、保持電流によりCRモータ81からキャリッジ71に作用する力が上記範囲における中央よりも端側を示す場合には、振動等が画像形成システム1に生じることでキャリッジ71に作用する静止摩擦力や外力が変化すると、力の均衡が崩れて、キャリッジ71が目標停止位置から移動する可能性が高くなる。即ち、保持電流値が、力の上限F1及び下限F2に対応する適切な範囲の中心から外れる(つまり、キャリッジ71に作用する力が上記範囲における中央よりも端側を示す場合)ほど、キャリッジ71を目標停止位置に保持する能力は劣化する。
そこで、本実施例では、保持電流に対応する力が上限F1及び下限F2に対応する範囲の中心を示すように、目標停止位置に応じて保持電流値を変更するようにした。図5における太線は、目標停止位置に応じて保持電流値を変更する場合における保持電流値に対応する力の大きさを表す。以下では、このような保持電流値の変更に関する画像形成システム1の詳細構成を説明する。
図6上段には、メンテナンスエリアMAにおいてキャリッジ71を第一方向に目標停止位置Psまで移動させる場合に、CRモータ81に入力する駆動電流に対応する操作量Uの変化を、時刻nを横軸とするグラフで概略的に表す。図6下段には、図6上段における操作量Uの変化に対応させて、キャリッジ71の位置Pの変化を、時刻nを横軸とするグラフで概略的に表す。時刻nは、印刷コントローラ40における制御周期(サンプリング周期)を単位とする時刻である。ここでは、CRモータ81からキャリッジ71に第一方向への力が作用するときの操作量U及びCRモータ81の駆動電流を、正値で表す。本実施例においては、第一方向に負荷Feが作用していることから、この負荷Feを打ち消すために、キャリッジ71を第一方向に搬送するときにも操作量Uとして負値がモータ駆動回路85に入力され得る。
図6から理解できるように、本実施例によれば、初期位置から第一方向にキャリッジ71を目標停止位置Psまで搬送するために、印刷コントローラ40は、キャリッジ71の位置Pが値1変化する度に操作量Uを初期値Uf,Ubに戻して、そこから操作量Uを徐々に変更するように、操作量Uをモータ駆動回路85に入力する。これにより、印刷コン
トローラ40は、CRモータ81への入力電流を制御し、キャリッジ71の位置Pを目標停止位置Psに対して少しずつ変化させる。
特徴的なことに、この印刷コントローラ40は、キャリッジ71が一旦目標停止位置Psを第一方向及び第二方向に通過するように、CRモータ81へ入力する駆動電流を制御してから、キャリッジ71を目標停止位置Psに配置する。
具体的に、印刷コントローラ40は、キャリッジ71の位置Pが値+1変化するまで、つまり、キャリッジ71が目標停止位置Psから一単位だけ第一方向に進んだ位置(Ps+1)まで移動するように、CRモータ81へ入力する駆動電流を制御する。その後、印刷コントローラ40は、キャリッジ71の位置Pが値−1変化するまで、つまり、キャリッジ71が位置(Ps+1)から位置(Ps−1)まで移動するように、CRモータ81へ入力する駆動電流を制御する。最後に、印刷コントローラ40は、キャリッジ71が位置Psまで移動するように、CRモータ81へ入力する駆動電流を制御する。
この印刷コントローラ40は、キャリッジ71が目標停止位置Psを第一方向に通過して操作量Uが初期値Ufに戻る直前の操作量U1と、キャリッジ71が目標停止位置Psを第二方向に通過して操作量Uが初期値Ufに戻る直前の操作量U2と、に基づき、保持電流値に対応する保持操作量Umを決定する。印刷コントローラ40は、保持電流値に対応する保持操作量Umを、操作量U1と操作量U2との平均値(U1+U2)/2に決定する。操作量U1は、キャリッジ71が目標停止位置Psから一単位だけ第一方向に進んだ時点の操作量Uに対応する。操作量U2は、キャリッジ71が目標停止位置Psから一単位だけ第二方向に進んだ時点の操作量Uに対応する。これにより、印刷コントローラ40は、保持電流値を、キャリッジ71を目標停止位置Psに保持可能な電流範囲の中心付近に設定し、保持能力を高める。
続いて、上記動作を実現するために、印刷コントローラ40が実行する処理の詳細を説明する。印刷コントローラ40は、キャリッジ71のホームポジションから第一方向への搬送指令がメインコントローラ10から入力されると、搬送指令に基づきキャリッジ71を指定された目標停止位置Psまでホームポジションから第一方向に搬送するために、図7に示す定期処理を所定制御周期で繰返し実行する。即ち、印刷コントローラ40は、制御周期に対応する各時刻n=0,1,2,3,…毎に、定期処理を実行する。
定期処理を開始すると、印刷コントローラ40は、入出力処理を実行する(S110)。入出力処理は、前回算出した操作量Uをモータ駆動回路85に入力するステップと、信号処理回路95が検出したキャリッジ71の位置Pを、キャリッジ71の現在位置P[n]として取り込むステップと、を含む。前回算出した操作量Uがない場合には、所定の初期値をモータ駆動回路85に入力することができる。入出力処理では、操作量Uをモータ駆動回路85に入力するステップを先に実行し、その後、信号処理回路95が検出したキャリッジ71の位置Pをキャリッジ71の現在位置P[n]として取り込むことができる。
入出力処理の実行後、印刷コントローラ40は、フラグFL2が値1にセットされているか否かを判断する(S120)。後述するフラグは、全て初期値ゼロである。印刷コントローラ40は、フラグFL2が値1にセットされていると判断すると(S120でYes)、S180に移行し、フラグFL2が値1にセットされていないと判断すると(S120でNo)、S130に移行する。
S130において、印刷コントローラ40は、フラグFL1が値1にセットされているか否かを判断する。印刷コントローラ40は、フラグFL1が値1にセットされていると
判断すると(S130でYes)、S170に移行し、フラグFL1が値1にセットされていないと判断すると(S130でNo)、S140に移行する。
S140において、印刷コントローラ40は、図8に示す微小駆動処理を実行する。この微小駆動処理において、印刷コントローラ40は、フラグFLstが値1にセットされているか否かを判断する(S210)。印刷コントローラ40は、フラグFLstが値1にセットされていると判断すると(S210でYes)、S240に移行し、フラグFLstが値1にセットされていないと判断すると(S210でNo)、S220に移行する。
S220において、印刷コントローラ40は、微小駆動処理に関する各種パラメータの初期設定を行う。具体的に、印刷コントローラ40は、目標位置Prを、メインコントローラ10から指定された目標停止位置Psに設定する。更に、印刷コントローラ40は、操作量Uを、第一方向への微小駆動用の初期値Ufに基づいて値(Uf−Ud)に設定し、更には、フラグFL0を値ゼロにリセットする。ここで、値Udは、操作量Uを徐々に変更する過程における制御周期当たりの変更量を表す。以下では、値Udのことを差分Udと表現する。図6では、微小駆動処理における操作量Uの変化をノコギリ状に簡略表現したが、この操作量Uの実際の変化は、図9に示すように階段状である。差分Udは、この階段状に変化する操作量Uの1ステップ分に対応する。S220で設定された操作量U=Uf−Udは、最終的にS280で値Udだけ補正されて、U=Ufとして次の制御周期の入出力処理(S110)でモータ駆動回路85に入力される。
S220での処理を終えると、印刷コントローラ40は、フラグFLstを値1にセットし(S230)、S240に移行する。即ち、フラグFLstは、微小駆動処理に関する各種パラメータの初期設定に係る処理を実行したか否かを判断するのに用いられるフラグである。
S240において、印刷コントローラ40は、入出力処理(S110)で信号処理回路95から取り込まれたキャリッジ71の現在位置P[n]が目標位置Prに一致するか否かを判断する。印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が目標位置Prに一致しないと判断すると(S240でNo)、S250に移行する。
S250において、印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]よりも大きいか否かを判断する。即ち、キャリッジ71が第一方向に一単位だけ変位したか否かを判断する。印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]以下であると判断すると(S250でNo)、S260に移行する。
S260において、印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]未満である否かを判断する(S260)。即ち、キャリッジ71が第二方向に一単位だけ変位したか否かを判断する。印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]未満ではなく、前回位置P[n−1]と同じであると判断すると(S260でNo)、S280に移行して、操作量Uを、差分Udだけ加算した値(U+Ud)に更新し、当該微小駆動処理を終了する。
印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]未満であると判断すると(S260でYes)、初期値Ufが適切でないとみなして、初期値Ufを、現在の初期値Ufから所定量Afだけ加算した値(Uf+Af)に更新する(S270)。初期値Ufは基本的に負値であるため、ここでは、CRモータ81の第二方向への力(トルク)を抑える方向に初期値Ufを修正する。その後、操作量Uを値(U+Ud)に更新し(S280)、当該微小駆動処理を終了する。
この他、印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]よりも大きいと判断すると(S250でYes)、操作量Uを、初期値Ufに戻して(S290)、微小駆動処理を終了する。
印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が目標位置Prに一致すると判断すると(S240でYes)、フラグFL0を値1にセットし、フラグFLstを値ゼロにリセットする(S300)。その後、当該微小駆動処理を終了する。印刷コントローラ40は、S140において実行する上記微小駆動処理を終了すると、S150(図7参照)に移行する。
S150において、印刷コントローラ40は、フラグFL0が値1にセットされているか否かを判断する。フラグFL0が値1にセットされていると判断すると(S150でYes)、印刷コントローラ40は、フラグFL1を値1にセットして(S160)、S170に移行する。一方、フラグFL0が値1にセットされていないと判断すると(S150でNo)、印刷コントローラ40は、定期処理を終了する。定期処理における上記微小駆動処理(S140)の実行により、操作量Uは、図9に示すように段階的に変化し、キャリッジ71は、位置Pの一単位毎に段階的に搬送される。
続いて、印刷コントローラ40がS170で実行する保持値算出処理を、図10を用いて説明する。保持値算出処理は、図6において、時刻T1から開始される。
保持値算出処理を開始すると、印刷コントローラ40は、フラグFLumが値1にセットされているか否かを判断する(S310)。印刷コントローラ40は、フラグFLumが値1にセットされていると判断すると(S310でYes)、S350に移行し、フラグFLumが値1にセットされていないと判断すると(S310でNo)、S320に移行する。
S320において、印刷コントローラ40は、フラグFLupが値1にセットされているか否かを判断する。印刷コントローラ40は、フラグFLupが値1にセットされていると判断すると(S320でYes)、S340に移行し、フラグFLupが値1にセットされていないと判断すると(S320でNo)、S330に移行する。
S330において、印刷コントローラ40は、図11に示す第一検出処理を実行する。第一検出処理は、図6において、時刻T1から開始される。第一検出処理を開始すると、印刷コントローラ40は、フラグFLstが値1にセットされているか否かを判断する(S410)。印刷コントローラ40は、フラグFLstが値1にセットされていると判断すると(S410でYes)、S440に移行し、フラグFLstが値1にセットされていないと判断すると(S410でNo)、S420に移行する。
S420において、印刷コントローラ40は、第一検出処理に関する各種パラメータの初期設定を行う。具体的に、印刷コントローラ40は、目標位置Prを、目標停止位置Psより1大きい値Ps+1に設定する。即ち、目標位置Prを、目標停止位置Psより第一方向に一単位進んだ位置に設定する。更に、印刷コントローラ40は、操作量Uを、上記初期値Ufに基づいて値(Uf−Ud)に設定する。S420で設定された操作量U=Uf−Udは、S480で値Udだけ補正されて、U=Ufとして次の制御周期の入出力処理(S110)でモータ駆動回路85に入力される。S420での処理を終えると、印刷コントローラ40は、フラグFLstを値1にセットし(S430)、S440に移行する。
S440において、印刷コントローラ40は、キャリッジ71の現在位置P[n]が目
標位置Prに一致するか否かを判断する。印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が目標位置Prに一致しないと判断すると(S440でNo)、S450に移行する。
S450において、印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]よりも大きいか否かを判断する。印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]以下であると判断すると(S450でNo)、S460に移行する。
S460において、印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]未満である否かを判断する。印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]未満ではなく、前回位置[n−1]と同じであると判断すると(S460でNo)、操作量Uを差分Udだけ加算した値(U+Ud)に更新し(S480)、第一検出処理を終了する。第一検出処理を終了すると、定期処理を終了する。
一方、印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]未満であると判断すると(S460でYes)、初期値Ufを、現在の初期値Ufから所定量Afだけ加算した値(Uf+Af)に更新する(S470)。その後、印刷コントローラ40は、操作量Uを値(U+Ud)に更新し(S480)、第一検出処理を終了する。
この他、印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]よりも大きいと判断すると(S450でYes)、操作量Uを、初期値Ufに戻して(S490)、第一検出処理を終了する。
印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が目標位置Prに一致すると判断すると(S440でYes)、S500に移行する。S500において、印刷コントローラ40は、今回の制御周期における入出力処理でモータ駆動回路85に入力された操作量U[n−1]を、操作量U1に設定する。その後、印刷コントローラ40は、フラグFLupを値1にセットし、フラグFLstを値ゼロにリセットする(S510)。フラグFLupは、保持電流値に対応する保持操作量Umを決定するための操作量U1を設定したか否かを判別するために用いられる。その後、印刷コントローラ40は、S340(図10参照)に移行する。
S340において、印刷コントローラ40は、図12に示す第二検出処理を実行する。第二検出処理は、図6において、時刻T2から開始される。第二検出処理を開始すると、印刷コントローラ40は、フラグFLstが値1にセットされているか否かを判断する(S610)。印刷コントローラ40は、フラグFLstが値1にセットされていると判断すると(S610でYes)、S640に移行し、フラグFLstが値1にセットされていないと判断すると(S610でNo)、S620に移行する。
S620において、印刷コントローラ40は、第二検出処理に関する各種パラメータの初期設定を行う。具体的に、印刷コントローラ40は、目標位置Prを、目標停止位置Psより1小さい値Ps−1に設定する。即ち、目標位置Prを、目標停止位置Psより第二方向に一単位進んだ位置に設定する。更に、印刷コントローラ40は、操作量Uを、第二方向への微小駆動用の初期値Ubに基づいて値(Ub+Ud)に設定する。S620で設定された操作量U=Ub+Udは、S680で値Udだけ補正されて、U=Ubとして次の制御周期の入出力処理(S110)でモータ駆動回路85に入力される。S620での処理を終えると、印刷コントローラ40は、フラグFLstを値1にセットし(S630)、S640に移行する。
S640において、印刷コントローラ40は、キャリッジ71の現在位置P[n]が目標位置Prに一致するか否かを判断する。印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が
目標位置Prに一致しないと判断すると(S640でNo)、S650に移行する。
S650において、印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]未満であるか否かを判断する。印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]以上であると判断すると(S650でNo)、S660に移行する。
S660において、印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]より大きいか否かを判断する。印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]より大きくなく、前回位置[n−1]と同じであると判断すると(S660でNo)、操作量Uを、差分Udだけ減算した値(U−Ud)に更新し(S680)、第二検出処理を終了する。印刷コントローラ40は、第二検出処理を終了すると、定期処理を終了する。
一方、印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]より大きいと判断すると(S660でYes)、初期値Ubを、現在の初期値Ubから所定量Afだけ減算した値(Ub−Af)に更新する(S670)。その後、印刷コントローラ40は、操作量Uを値(U−Ud)に更新し(S680)、第二検出処理を終了する。
この他、印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]未満であると判断すると(S650でYes)、操作量Uを、初期値Ubに戻して(S690)、第二検出処理を終了する。
印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が目標位置Prに一致すると判断すると(S640でYes)、S700に移行する。S700において、印刷コントローラ40は、今回の制御周期における入出力処理でモータ駆動回路85に入力された操作量U[n−1]を、操作量U2に設定する。その後、印刷コントローラ40は、保持電流値に対応する操作量である保持操作量Umを、S500で設定した操作量U1とS700で設定した操作量U2との平均値(U1+U2)/2に設定する(S710)。
更に、印刷コントローラ40は、フラグFLumを値1にセットし、フラグFLstを値ゼロにリセットする(S720)。フラグFLumは、保持電流値に対応する保持操作量Umを設定したか否かを判別するために用いられる。その後、印刷コントローラ40は、S350(図10参照)に移行する。
S350において、印刷コントローラ40は、再移動処理を実行する。再移動処理は、図6において、時刻T3から開始される。再移動処理は、基本的に、図8に示す微小駆動処理と同内容の処理である。即ち、再移動処理において、印刷コントローラ40は、キャリッジ71を目標停止位置Psに微小駆動するための操作量Uを算出する処理を実行する。
再移動処理を終了すると、印刷コントローラ40は、フラグFL0が値1にセットされているか否かを判断する。再移動処理においては、キャリッジ71の位置P[n]が目標停止位置Psに一致すると、フラグFL0が値1にセットされる(S300)。印刷コントローラ40は、フラグFL0が値1にセットされていないと判断すると(S360でNo)、保持値算出処理を終了して、定期処理を終了する。一方、フラグFL0が値1にセットされていると判断すると(S360でYes)、印刷コントローラ40は、フラグFL2を値1にセットし(S370)、S180(図7参照)に移行する。
S180において、印刷コントローラ40は、図13に示す保持制御処理を実行する。保持制御処理は、図6において時刻T4から開始される。印刷コントローラ40は、この
保持制御処理において、PI(比例積分)制御に基づく操作量Uを算出するが、この操作量Uの初期値には、S710で設定した保持操作量Umを設定する。
保持制御処理を開始すると、印刷コントローラ40は、フラグFLstが値1にセットされているか否かを判断する(S810)。印刷コントローラ40は、フラグFLstが値1にセットされていると判断すると(S810でYes)、S840に移行し、フラグFLstが値1にセットされていないと判断すると(S810でNo)、S820に移行する。
S820において、印刷コントローラ40は、保持制御処理に関する各種パラメータの初期設定を行う。具体的に、印刷コントローラ40は、目標位置Prを、目標停止位置Psに設定し、操作量Uiの初期値として、S710で設定した保持操作量Umを設定する。操作量Uiは、CRモータ81に対する操作量UのI成分に対応する。S820での処理を終えると、印刷コントローラ40は、フラグFLstを値1にセットし(S830)、S840に移行する。
S840において、印刷コントローラ40は、操作量Upを、値Kp*(Pr−P[n])に設定する。ここで、値Kpは、予め定められた比例ゲインであり、値P[n]は、キャリッジ71の現在位置である。操作量Upは、CRモータ81に対する操作量UのP成分に対応する。
その後、印刷コントローラ40は、S850に移行し、操作量Uiを、現在値に対して値Ki*(Pr−P[n])加算した値に更新する。値Kiは、予め定められた積分ゲインである。S820を実行する制御周期においては、Pr=Ps=P[n]であることから、S850における更新後の操作量Uiは、Ui=Umであり、S840において設定される操作量Upは、Up=0である。
S850での処理を終えると、印刷コントローラ40は、操作量Uとして、S840で設定した操作量Upと、S850における更新後の操作量Uiとの加算値(Up+Ui)を設定する(S860)。その後、印刷コントローラ40は、当該保持制御処理を終了する。
以上、第一実施例の画像形成システム1について説明した。本実施例の画像形成システム1は、上述したように、キャリッジ71を第一方向に搬送して目標停止位置Psに配置する過程において、キャリッジ71が目標停止位置Psを第一方向及び第二方向に通過するように、CRモータ81に入力する駆動電流を制御する。印刷コントローラ40は、キャリッジ71が目標停止位置Psから第一方向に移動したときにモータ駆動回路85に入力された操作量U1と、キャリッジ71が目標停止位置Psから第二方向に移動したときにモータ駆動回路85に入力した操作量U2とに基づき、保持操作量Umを決定する。
従って、本実施例の画像形成システム1によれば、キャリッジ71を保持可能な範囲の中心付近の力をCRモータ81からキャリッジ71に作用させることができ、キャリッジ71を安定的に目標停止位置Psに保持することができる。即ち、この画像形成システム1によれば、振動等によっても容易には力の均衡が崩れてキャリッジ71が目標停止位置Psから移動しないように、キャリッジ71を目標停止位置Psに保持することができる。
記録ヘッド60のフラッシング動作のために、メインコントローラ10からは、目標停止位置Psとして原点P=0から第一方向に少し離れた位置に定められたフラッシング位置を指定した搬送指令が入力される場合がある。図3中段に示すように、キャリッジ71
を原点P=0から離した状態で記録ヘッド60にフラッシング動作を実行させるのは、キャップ181と記録ヘッド60のノズル面とが近すぎると、キャップ181からの跳ね返りにより記録ヘッド60のノズル面が汚れてしまうためである。伝達機構130は、このフラッシング位置にキャリッジ71が配置されたときに、ポンプ170に対して動力を伝達するように構成される。ポンプ170は、フラッシング動作により吐出されたインク液滴をキャップ181から回収するように動作する。ポンプ170は、フラッシング動作により吐出されたインク液滴が、キャップ181から漏れ出さないようにフラッシング動作中に動作される。つまり、キャリッジ71がフラッシング位置にて保持された状態で、記録ヘッド60にフラッシング動作をさせていると、ポンプ170の駆動によって発生する振動によって、キャリッジ71に作用する静止摩擦力や外力が変化する。
このため、フラッシング動作中に、キャリッジ71をフラッシング位置に保持することができないのは、好ましくない。本実施例の画像形成システム1によれば、このようなフラッシング位置に、キャリッジ71及び記録ヘッド60を安定的に保持して、記録ヘッド60にフラッシング動作を実行させることができ、ポンプ170にインク液滴を適切に回収させることができる。従って、本実施例によれば、高性能な画像形成システム1を消費者に提供することが可能である。
特に、本実施例によれば、キャリッジ71を目標停止位置Psに配置する過程の中で操作量U1,U2を特定して保持操作量Umを設定する。これにより、搬送指令より前に保持操作量Umを設定する場合よりも、現状に対応した適切な保持操作量Umを設定することができ、画像形成システム1におけるキャリッジ71の保持性能を高めることができる。
この他、目標停止位置Psとしては、伝達機構130から第一給紙装置140に動力が伝達されるキャリッジ71の位置である第一給紙位置、伝達機構130から第二給紙装置150に動力が伝達されるキャリッジ71の位置である第二給紙位置が、メインコントローラ10から指定されることがある。これらの位置は、フラッシング位置とは、キャリッジ71に作用する負荷が異なる位置である。本実施例によれば、このような負荷の異なる位置に対しても、定期処理により負荷に応じた適切な保持操作量Umを設定することができるため、保持電流を一律とする従来技術と比べて、格段に安定的にキャリッジ71を目標停止位置Psに保持することができる。
[第二実施例]
続いて、第二実施例の画像形成システム1を説明する。第二実施例の画像形成システム1は、印刷コントローラ40が、図7に示す定期処理に代えて、図14に示す定期処理を実行することを除けば、基本的に第一実施例の画像形成システム1と同一構成である。以下では、第二実施例の印刷コントローラ40が実行する定期処理の内容を選択的に説明する。図14に示す定期処理において、図7に示す定期処理と同一符号のステップでは、図7に示す定期処理の対応するステップと同様の処理が実行されると理解されたい。
印刷コントローラ40は、定期処理を実行すると、S130において、フラグFL1が値1にセットされているか否かを判断し、フラグFL1が値1にセットされていないと判断する(S130でNo)と、S140に移行する。印刷コントローラ40は、S130において、フラグFL1にセットされていると判断する(S130でYes)と、S900に移行する。印刷コントローラ40は、S160において、フラグFL1を値1にセットした後にも、S900に移行する。
S900において、印刷コントローラ40は、目標停止位置Psが、メンテナンスエリアMAにおける特定区間にあるか否かを判断する。特定区間は、メンテナンスエリアMA
の内、負荷変動が大きい区間に定められ、例えば、キャリッジ71がキャッピング装置180に接触又は離間する位置P=Pucから、原点P=0までの区間に定められる(図4参照)。この区間は、キャリッジ71とキャッピング装置180(より詳細には昇降機183の壁183A)とが接触していることに起因して、キャリッジ71に作用する負荷が大きく変化する区間である。
印刷コントローラ40は、目標停止位置Psが特定区間内にあると判断すると(S900でYes)、第一実施例と同様に、S170に移行して保持値算出処理を実行し、その後の処理を第一実施例と同様に実行する。
一方、印刷コントローラ40は、目標停止位置Psが特定区間外にあると判断すると(S900でNo)、フラグFL2を値1にセットし(S910)、保持操作量Umを値Ufに設定した後(S920)、S180に移行する。目標停止位置Psが特定区間外にある場合の保持操作量Umが第一実施例と異なる点を除けば、S180以降において、印刷コントローラ40が実行する処理は、第一実施例と同様である。
即ち、本実施例の画像形成システム1は、目標停止位置Psが特定区間外にある場合には、目標停止位置Psを通過するようにキャリッジ71を搬送することなく、保持操作量Umとして一律の操作量Ufを設定して、一律の保持電流値にてキャリッジ71を目標停止位置Psに保持するようにCRモータ81を制御する。一方、本実施例の画像形成システム1は、目標停止位置Psが特定区間内にある場合には、第一実施例と同様にキャリッジ71を搬送し、保持操作量Umを設定する。
特定区間の外側の負荷変動のない又は少ない区間においては、特定区間と同様に保持操作量Umを決定しなくても、一律の保持操作量Um=Ufに対応する保持電流をCRモータ81に入力することで、安定的にキャリッジ71を目標停止位置Psにて保持可能である。そして、保持値算出処理を実行しないことよっては、キャリッジ71を迅速に目標停止位置Psに配置することができる。従って、本実施例によれば、目標停止位置Psに応じて適切且つ効率的に、CRモータ81及びキャリッジ71を制御可能である。
[第三実施例]
続いて、第三実施例の画像形成システム1を説明する。第三実施例の画像形成システム1は、印刷コントローラ40が実行する処理の一部が上記実施例(第一実施例又は第二実施例)と異なることを除けば、基本的に上記実施例の画像形成システム1と同一構成である。以下では、第三実施例の印刷コントローラ40が実行する上記実施例とは異なる処理の内容を選択的に説明する。
第三実施例の画像形成システム1において、印刷コントローラ40は、キャリッジ71のホームポジションまでの搬送を指令する搬送指令がメインコントローラ10から入力されると、図15に示す微小逆駆動処理を所定制御周期で繰返し実行する。この印刷コントローラ40が、この微小逆駆動処理を繰返し実行することで、キャリッジ71が、メンテナンスエリアMA内の目標停止位置Psとしての原点P=0まで、第二方向に搬送される。
この微小逆駆動処理において、印刷コントローラ40は、フラグFLstが値1にセットされているか否かを判断する(S1010)。印刷コントローラ40は、フラグFLstが値1にセットされていると判断すると(S1010でYes)、S1040に移行し、フラグFLstが値1にセットされていないと判断すると(S1010でNo)、S1020に移行する。
S1020において、印刷コントローラ40は、微小逆駆動処理に関する各種パラメータの初期設定を行う。具体的に、印刷コントローラ40は、目標位置Prを目標停止位置Psに設定する。更に、印刷コントローラ40は、操作量Uを、第二方向への微小駆動用の初期値Ubに基づいて値(Ub+Ud)に設定し、更には、フラグFLeを値ゼロにリセットする。S1020で設定された操作量U=Ub+Udは、S1080で値Udだけ補正されて、U=Ubとして次の制御周期の入出力処理(S110)でモータ駆動回路85に入力される。S1020での処理を終えると、印刷コントローラ40は、フラグFLstを値1にセットし(S1030)、S1040に移行する。
S1040において、印刷コントローラ40は、入出力処理(S110)で信号処理回路95から取り込まれたキャリッジ71の現在位置P[n]が目標位置Prに一致するか否かを判断する。印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が目標位置Prに一致しないと判断すると(S1040でNo)、S1050に移行する。
S1050において、印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]未満であるか否かを判断する。即ち、キャリッジ71が第二方向に一単位だけ変位したか否かを判断する。印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]以上であると判断すると(S1050でNo)、S1060に移行する。
S1060において、印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]より大きいか否かを判断する(S1060)。即ち、キャリッジ71が第一方向に一単位だけ変位したか否かを判断する。印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]より大きくなく、前回位置P[n−1]と同じであると判断すると(S1060でNo)、操作量Uを、差分Udだけ減算した値(U−Ud)に更新し(S1080)、当該微小逆駆動処理を終了する。
一方、印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]より大きいと判断すると(S1060でYes)、初期値Ubを値(Ub−Af)に更新する(S1070)。その後、印刷コントローラ40は、操作量Uを値(U−Ud)に更新し(S1080)、当該微小逆駆動処理を終了する。
この他、印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が前回位置P[n−1]未満であると判断すると(S1050でYes)、操作量Uを、初期値Ubに戻す(S1091)。更に、印刷コントローラ40は、今回の制御周期における入出力処理でモータ駆動回路85に入力された操作量U[n−1]を、操作量Utmpに設定する(S1093)。印刷コントローラ40は、この操作量Utmpを、前回位置P[n−1]の情報と関連付けて記憶した後(S1095)、微小逆駆動処理を終了する。
また、印刷コントローラ40は、現在位置P[n]が目標位置Prに一致すると判断すると(S1040でYes)、フラグFLeを値1にセットし、フラグFLstを値ゼロにリセットする(S1100)。その後、印刷コントローラ40は、当該微小逆駆動処理を終了する。印刷コントローラ40は、この微小逆駆動処理を、キャリッジ71が目標位置Pr(ホームポジション)に到達するまで繰返し実行する。キャリッジ搬送路の終端であるホームポジションには、キャリッジ71を機械的に保持するための機構を配置することができる。
印刷コントローラ40は、このようにしてキャリッジ71がメンテナンスエリアMAを第二方向に通過してホームポジションに到達する過程では、将来目標停止位置Psとなり得る各位置Pに関し、この位置Pをキャリッジ71が第二方向に通過するときの操作量Utmpを記憶する。図15に示す微小逆駆動処理では、キャリッジ71が第二方向に通過
した全ての位置で操作量Utmpを記憶するが、S1095においては、当然のことながら利用可能性のないUtmpを記憶する必要はない。図16には、微小逆駆動処理によって、キャリッジ71が位置Psを第二方向に通過するときの操作量Utmpを表す。
また、印刷コントローラ40は、キャリッジ71のホームポジションから第一方向への搬送指令がメインコントローラ10から入力されると、図7に示す定期処理を繰返し実行する。そして、S170に移行すると、図17に示す第三実施例の保持値算出処理を実行する。保持値算出処理は、図18において、時刻T5から開始される。
保持値算出処理を開始すると、印刷コントローラ40は、フラグFLumが値1にセットされているか否かを判断する(S1210)。印刷コントローラ40は、フラグFLumが値1にセットされていると判断すると(S1210でYes)、S1250に移行する。印刷コントローラ40は、フラグFLumが値1にセットされていないと判断すると(S1210でNo)、S1220に移行する。
S1220において、印刷コントローラ40は、図11に示す第一検出処理を実行する。第一検出処理は、図18において、時刻T5から開始される。第一検出処理におけるS440において、現在位置P[n]が目標位置Prに一致しないと判断すると(S440でNo)、印刷コントローラ40は、第一実施例と同様にS450〜S490を実行し、第一検出処理の実行後、定期処理を終了する。
印刷コントローラ40は、S440において、現在位置P[n]が目標位置Prに一致すると判断すると(S440でYes)、第一実施例と同様にS500〜S510を実行し、その後、S1230(図17参照)に移行する。
S1230において、印刷コントローラ40は、保持操作量Umを、S500で設定された操作量U1と、S1095で事前に記憶された操作量Utmpであって、今回の目標停止位置Psに関連付けられて記憶された操作量Utmpとの平均値(U1+Utmp)/2に設定する。ここで用いられる操作量Utmpは、微小逆駆動処理の繰返し実行時において、キャリッジ71が目標停止位置Psを通過して位置(Ps−1)まで変位することで操作量Uが初期値Ubに変更される直前の操作量Uに対応する。その後、印刷コントローラ40は、フラグFLumを値1にセットし(S1240)、S1250に移行する。
S1250において、印刷コントローラ40は、再移動処理を実行する。再移動処理は、図18において、時刻T6から開始される。再移動処理は、基本的に、図15に示す微小逆駆動処理と同内容の処理である。但し、再移動処理のS1020において設定される目標位置Prは、上記搬送指令において指定された目標停止位置Psである。また、再移動処理において、S1093,S1095は実行されない。印刷コントローラ40は、この再移動処理において、キャリッジ71を指定された目標停止位置Psまで微小駆動するための操作量Uを算出する。
再移動処理においては、キャリッジ71の位置P[n]が目標停止位置Psに一致すると、フラグFLeが値1にセットされる(S1100)。印刷コントローラ40は、フラグFLeが値1にセットされていないと判断すると(S1260でNo)、保持値算出処理を終了して、定期処理を終了する。印刷コントローラ40は、フラグFLeが値1にセットされていると判断すると(S1260でYes)、フラグFL2を値1にセットし(S1270)、S180(図7参照)に移行する。S180への移行後に、印刷コントローラ40が実行する処理は、第一実施例と同様である。
このようして、第三実施例においては、第一実施例の操作量U2に代わる操作量Utmpを、予めキャリッジ71をホームポジションに搬送する過程で取得する。従って、本実施例によれば、図18に示すように、キャリッジ71を目標停止位置Psに効率的に配置することができる。但し、キャリッジ71を目標停止位置Psに保持する能力は、第一実施例の画像形成システム1のほうが優位であるかもしれない。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。上記実施例では、印刷コントローラ40が、保持制御処理においてPI制御を実行するが、印刷コントローラ40は、保持制御処理において、保持操作量Umをモータ駆動回路85に入力し続ける構成にされてもよい。即ち、印刷コントローラ40は、上記保持制御処理によって、保持操作量Umに対応する一定の駆動電流をモータ駆動回路85からCRモータ81に入力し続けるように構成されてもよい。
上記実施例では、キャリッジ71が目標停止位置Psを第一方向及び第二方向に通過するときの操作量U1,U2を用いて保持操作量Umを設定したが、操作量U1,U2は、キャリッジ71が目標停止位置Psに隣接する位置を第一方向及び第二方向に通過するときの操作量であってもよい。目標停止位置Psの前後で負荷が急峻に変わるような環境下でない限り、目標停止位置Psに隣接する位置を第一方向及び第二方向に通過するときの操作量Uに基づいて保持操作量Umを設定しても、保持操作量Umをおよそ適切な値に設定することができる。第三実施例において、キャリッジ71が目標停止位置Psより一単位手前の位置(Ps−1)を通過するときの操作量Uを操作量U1として用いれば、目標停止位置Psを通過させるようにキャリッジ71を制御することなしに、およそ適切な保持操作量Umを設定することができる。
印刷コントローラ40は、画像形成システム1に電源が投入された後、キャリッジ71を目標停止位置Psに配置する初回の過程に限って、保持値算出処理を実行するように構成されてもよい。例えば、印刷コントローラ40は、図14に示す定期処理と同様の処理を実行し、S900では、目標停止位置Psへの搬送指令が電源投入後の初回の指令であるか否かを判断することができる。この場合、印刷コントローラ40は、S920において、過去の搬送指令時に設定した保持操作量Umを今回の保持操作量Umに設定するように構成され得る。
[対応関係]
最後に用語間の対応関係を説明する。キャリッジ71は駆動対象の一例に対応し、キャリッジ搬送装置70は、駆動装置の一例に対応する。エンコーダ91及び信号処理回路95は、検出装置の一例に対応し、印刷コントローラ40は、コントローラの一例に対応する。操作量Uは、モータへの入力電流値に対応し、操作量U1は、第一電流値の一例に対応し、操作量U2,Utmpは、第二電流値の一例に対応し、保持操作量Umは、保持電流値の一例に対応する。初期値Ufは、第一の初期値の一例に対応し、初期値Ubは、第二の初期値の一例に対応する。
1…画像形成システム、10…メインコントローラ、11…CPU、13…ROM、15…RAM、20…通信インターフェース、40…印刷コントローラ、50…搬送コントローラ、60…記録ヘッド、65…ヘッド駆動回路、70…キャリッジ搬送装置、71…キャリッジ、75…ベルト機構、77,78…ガイドレール、81…CRモータ、85…モータ駆動回路、91…エンコーダ、95…信号処理回路、100…用紙搬送装置、101…搬送ローラ、105…ギヤ、111…搬送モータ、115…モータ駆動回路、121…
エンコーダ、125…信号処理回路、130…伝達機構、140…第一給紙装置、150…第二給紙装置、160…メンテナンス装置、170…ポンプ、180…キャッピング装置、181…キャップ、183…昇降機、183A…壁、183B,185…バネ、MA…メンテナンスエリア、Q…用紙、SW…レバー。

Claims (15)

  1. モータと、
    駆動対象を含み、前記モータからの力を前記駆動対象に伝達することで前記駆動対象を第一の方向及び前記第一の方向とは逆の第二の方向に変位させる駆動装置と、
    前記駆動対象の位置を検出する検出装置と、
    前記モータを制御するコントローラと、
    を備え、
    前記コントローラは、
    前記モータへの入力電流を制御して、前記駆動対象を前記第一の方向及び前記第二の方向に変位させる変位制御処理と、
    前記駆動対象を目標停止位置に保持するための保持電流値を決定する決定処理と、
    前記決定処理により決定された前記保持電流値に基づいて前記モータへの入力電流を制御することにより、前記変位制御処理によって前記目標停止位置に配置された前記駆動対象を前記目標停止位置に保持する保持制御処理と、
    を実行し、
    前記変位制御処理において、前記駆動対象を前記第一の方向に変位させる場合には、前記入力電流を第一の初期値から、前記駆動対象に作用する前記力が前記第一の方向に増加する方向に徐々に変化させる処理を、前記検出装置により検出される前記駆動対象の位置が前記第一の方向に変化する度に実行し、前記駆動対象を前記第二の方向に変位させる場合には、前記入力電流を第二の初期値から、前記駆動対象に作用する前記力が前記第二の方向に増加する方向に徐々に変化させる処理を、前記検出装置により検出される前記駆動対象の位置が前記第二の方向に変化する度に実行し、
    前記決定処理では、前記目標停止位置より前記第一の方向に第一の所定量離れた位置と前記目標停止位置より前記第二の方向に第二の所定量離れた位置との間の領域であり、前記目標停止位置を含む目標領域を、前記駆動対象が前記第一の方向に通過するときの前記変位制御処理において制御される前記入力電流であって前記駆動対象の位置が前記第一の方向に変化するときの入力電流である第一電流値と、前記駆動対象が前記目標領域を前記第二の方向に通過するときの前記変位制御処理において制御される前記入力電流であって前記駆動対象の位置が前記第二の方向に変化するときの入力電流である第二電流値と、に基づき、前記保持電流値を決定し、
    前記コントローラが前記駆動対象を前記目標停止位置に配置するために実行する前記変位制御処理は、
    前記駆動対象を、前記第一の方向に、初期位置から前記目標停止位置より前記第一の方向に前記第一の所定量離れた位置まで変位させるように、前記入力電流を制御することで、前記駆動対象が前記目標領域を前記第一の方向に通過するように、前記入力電流を制御する第一ステップと、
    前記第一ステップにより前記駆動対象が前記目標領域を通過した後、前記駆動対象を前記目標停止位置に配置するように、前記入力電流を制御する第二ステップであって、
    前記駆動対象を、前記目標停止位置より前記第一の方向に前記第一の所定量離れた位置から前記目標停止位置より前記第二の方向に前記第二の所定量離れた位置まで変位させるように、前記入力電流を制御することで、前記駆動対象が前記目標領域を前記第二の方向に通過するように、前記入力電流を制御する後退制御ステップと、
    前記後退制御ステップにより前記目標停止位置から前記第二の方向に前記第二の所定量離れた位置まで変位した前記駆動対象を、前記第二の所定量だけ前記第一の方向に変位させるように、前記入力電流を制御することにより、前記駆動対象を前記目標停止位置に配置する配置ステップと、
    を含む第二ステップと、
    を含み、前記コントローラは、前記決定処理において、前記第一電流値として前記第一ステップで得られた電流値を用いて、更には、前記第二電流値として前記後退制御ステップで得られた電流値を用いて、前記保持電流値を決定すること
    を特徴とする制御システム。
  2. モータと、
    駆動対象を含み、前記モータからの力を前記駆動対象に伝達することで前記駆動対象を第一の方向及び前記第一の方向とは逆の第二の方向に変位させる駆動装置と、
    前記駆動対象の位置を検出する検出装置と、
    前記モータを制御するコントローラと、
    を備え、
    前記コントローラは、
    前記モータへの入力電流を制御して、前記駆動対象を前記第一の方向及び前記第二の方向に変位させる変位制御処理と、
    前記駆動対象を目標停止位置に保持するための保持電流値を決定する決定処理と、
    前記決定処理により決定された前記保持電流値に基づいて前記モータへの入力電流を制御することにより、前記変位制御処理によって前記目標停止位置に配置された前記駆動対象を前記目標停止位置に保持する保持制御処理と、
    を実行し、
    前記変位制御処理において、前記駆動対象を前記第一の方向に変位させる場合には、前記入力電流を第一の初期値から、前記駆動対象に作用する前記力が前記第一の方向に増加する方向に徐々に変化させる処理を、前記検出装置により検出される前記駆動対象の位置が前記第一の方向に変化する度に実行し、前記駆動対象を前記第二の方向に変位させる場合には、前記入力電流を第二の初期値から、前記駆動対象に作用する前記力が前記第二の方向に増加する方向に徐々に変化させる処理を、前記検出装置により検出される前記駆動対象の位置が前記第二の方向に変化する度に実行し、
    前記目標停止位置は、前記駆動対象に作用する負荷が変化する負荷変化区間にあり、
    前記コントローラは、前記決定処理において、前記駆動対象が前記目標停止位置を含む目標領域を前記第一の方向に通過するときの前記変位制御処理において制御される前記入力電流であって前記駆動対象の位置が前記第一の方向に変化するときの入力電流である第一電流値と、前記駆動対象が前記目標領域を前記第二の方向に通過するときの前記変位制御処理において制御される前記入力電流であって前記駆動対象の位置が前記第二の方向に変化するときの入力電流である第二電流値と、に基づき、前記保持電流値を決定すること
    を特徴とする制御システム。
  3. モータと、
    駆動対象を含み、前記モータからの力を前記駆動対象に伝達することで前記駆動対象を第一の方向及び前記第一の方向とは逆の第二の方向に変位させる駆動装置と、
    前記駆動対象の位置を検出する検出装置と、
    前記モータを制御するコントローラと、
    を備え、
    前記コントローラは、
    前記モータへの入力電流を制御して、前記駆動対象を前記第一の方向及び前記第二の方向に変位させる変位制御処理と、
    前記駆動対象を目標停止位置に保持するための保持電流値を決定する決定処理と、
    前記決定処理により決定された前記保持電流値に基づいて前記モータへの入力電流を制御することにより、前記変位制御処理によって前記目標停止位置に配置された前記駆動対象を前記目標停止位置に保持する保持制御処理と、
    を実行し、
    前記変位制御処理において、前記駆動対象を前記第一の方向に変位させる場合には、前記入力電流を第一の初期値から、前記駆動対象に作用する前記力が前記第一の方向に増加する方向に徐々に変化させる処理を、前記検出装置により検出される前記駆動対象の位置が前記第一の方向に変化する度に実行し、前記駆動対象を前記第二の方向に変位させる場合には、前記入力電流を第二の初期値から、前記駆動対象に作用する前記力が前記第二の方向に増加する方向に徐々に変化させる処理を、前記検出装置により検出される前記駆動対象の位置が前記第二の方向に変化する度に実行し、
    前記駆動対象が変位する範囲には、前記駆動対象に作用する負荷の大きさが変化する負荷変化区間が含まれ、
    前記コントローラは、前記目標停止位置が前記負荷変化区間に位置する場合に、前記決定処理を実行し、前記決定処理では、前記駆動対象が前記目標停止位置を含む目標領域を前記第一の方向に通過するときの前記変位制御処理において制御される前記入力電流であって前記駆動対象の位置が前記第一の方向に変化するときの入力電流である第一電流値と、前記駆動対象が前記目標領域を前記第二の方向に通過するときの前記変位制御処理において制御される前記入力電流であって前記駆動対象の位置が前記第二の方向に変化するときの入力電流である第二電流値と、に基づき、前記保持電流値を決定すること
    を特徴とする制御システム。
  4. 前記負荷変化区間は、前記駆動対象が前記第一の方向に変位するほど、前記駆動対象に作用する前記負荷が減少し、前記駆動対象が前記第二の方向に変位するほど、前記駆動対象に作用する前記負荷が増加する区間であること
    を特徴とする請求項2又は請求項3記載の制御システム。
  5. 前記コントローラが、前記駆動対象を前記目標停止位置に配置するために実行する前記変位制御処理は、
    前記駆動対象が前記目標領域を前記第一の方向に通過するように、前記入力電流を制御する第一ステップと、
    前記第一ステップにより前記駆動対象が前記目標領域を通過した後、前記駆動対象を前記目標停止位置に配置するように、前記入力電流を制御する第二ステップと、
    を含み、
    前記コントローラは、前記決定処理において、前記第一電流値として前記第一ステップで得られた電流値を用いて、前記保持電流値を決定すること
    を特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか一項記載の制御システム。
  6. 前記第二ステップは、
    前記駆動対象が前記目標領域を前記第二の方向に通過するように、前記入力電流を制御する後退制御ステップと、
    前記後退制御ステップにより前記駆動対象が前記目標領域を通過した後、前記駆動対象を前記第一の方向に変位させて前記目標停止位置に配置するように、前記入力電流を制御する配置ステップと、
    を含み、
    前記コントローラは、前記決定処理において、前記第二電流値として前記後退制御ステップで得られた電流値を用いて、前記保持電流値を決定すること
    を特徴とする請求項記載の制御システム。
  7. 前記目標領域は、前記目標停止位置より前記第一の方向に第一の所定量離れた位置と、前記目標停止位置より前記第二の方向に第二の所定量離れた位置との間の領域であり、
    前記コントローラは、
    前記第一ステップにおいて、前記駆動対象を、前記第一の方向に、初期位置から前記目標停止位置より前記第一の方向に前記第一の所定量離れた位置まで変位させるように、前記入力電流を制御し、
    前記後退制御ステップにおいて、前記駆動対象を、前記目標停止位置より前記第一の方向に前記第一の所定量離れた位置から前記目標停止位置より前記第二の方向に前記第二の所定量離れた位置まで変位させるように、前記入力電流を制御し、
    前記配置ステップにおいて、前記後退制御ステップにより前記目標停止位置から前記第二の方向に前記第二の所定量離れた位置まで変位した前記駆動対象を、前記第二の所定量だけ前記第一の方向に変位させるように、前記入力電流を制御することにより、前記駆動対象を前記目標停止位置に配置すること
    を特徴とする請求項記載の制御システム。
  8. 前記第一の所定量及び前記第二の所定量は、同一量であること
    を特徴とする請求項1又は請求項記載の制御システム。
  9. 前記コントローラは、前記制御システムに電源が投入された後、前記駆動対象を前記目標停止位置に配置する初回の過程に限って、前記第一ステップ及び前記第二ステップを実行すること
    を特徴とする請求項1、請求項〜請求項のいずれか一項記載の制御システム。
  10. 前記第一電流値は、前記検出装置により検出される前記駆動対象の位置が前記目標停止位置から前記第一の方向に一単位だけ変化するときの入力電流に対応し、
    前記第二電流値は、前記検出装置により検出される前記駆動対象の位置が前記目標停止位置から前記第二の方向に一単位だけ変化するときの入力電流に対応すること
    を特徴とする請求項1〜請求項のいずれか一項記載の制御システム。
  11. 前記コントローラは、前記決定処理において、前記保持電流値を、前記第一電流値と前記第二電流値との平均値に決定すること
    を特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項記載の制御システム。
  12. 前記コントローラは、前記保持制御処理において、前記モータへの入力電流を前記保持電流値に維持することにより、前記駆動対象を前記目標停止位置に保持すること
    を特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか一項記載の制御システム。
  13. 前記コントローラは、前記保持制御処理において、前記目標停止位置と前記検出装置により検出される前記駆動対象の位置との偏差に基づいたPI(比例積分)制御であって、前記保持電流値を初期値としたPI制御により、前記モータへの入力電流を制御して、前記駆動対象を前記目標停止位置に保持すること
    を特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか一項記載の制御システム。
  14. 画像形成システムであって、
    シートに画像を形成する記録ヘッドを、前記モータからの力の作用によりシート上で搬送する搬送装置を前記駆動装置として備え、前記コントローラが、前記モータを制御することにより、前記記録ヘッドの位置を制御するように構成された請求項1〜請求項13のいずれか一項記載の制御システムを含み、
    前記変位制御処理によって前記記録ヘッドが変位する前記記録ヘッドの搬送経路の端部領域には、前記記録ヘッドの位置に応じて前記画像形成システムの動作状態を切り替える切替装置が配置されていること
    を特徴とする画像形成システム。
  15. 前記記録ヘッドは、インクジェットヘッドであり、
    前記切替装置は、前記インクジェットヘッドが前記第一及び第二の方向の内の一方に変位すると、前記インクジェットヘッドのインク吐出面に向けて、前記インク吐出面を覆うためのキャップを移動させ、前記インクジェットヘッドが前記第一及び第二の方向の内の一方とは逆方向に変位すると、前記キャップを前記インク吐出面から離間する方向に移動させるキャッピング装置を含むこと
    を特徴とする請求項14記載の画像形成システム。
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