以下、図1等を参照して、本発明の一実施形態に係る自動精算システムについて説明する。本実施形態に係る自動精算システム100は、複数の自動精算装置α,β,γ…と、駐車場管理装置700と、複数の電子マネー管理会社の管理サーバーA,B,C…と、例えばインターネット回線等の回線INとで構成され、回線INを通じて、複数種類の電子マネーカードを介した電子マネー取引が可能なものとなっている。ここでは、自動精算装置αが、駐車場管理装置700の駐車料金精算のための自動精算装置500として機能するものとする。
以下、図1及び図2等を参照して、自動精算システム100に組み込まれた自動精算装置500について詳細に説明する。ここでは、一例として、自動精算装置500(図1では、自動精算装置α)は、上記のように駐車料金精算のための自動精算装置であるものとする。具体的には、自動精算装置500は、有料駐車場の出口に設置され、駐車料金についての精算を行うための装置であり、該当する駐車場を統括管理する駐車場管理装置700と接続されて、駐車場管理装置700の管理下において、駐車場管理の一環として自動精算の制御を担うものである。このため、図2及び図3(A)に示すように、自動精算装置500は、現金投入口10と、現金受付部10aと、リーダライタ部20と、電子マネー受付部20aと、駐車券挿入口30と、駐車券受付部30aと、プリンター40と、プリンター制御部40aと、通信部50と、タッチパネル部TOと、スピーカーSPと、これらを統括制御する制御部90とを備える。
現金投入口10は、図3(A)に示すように、貨幣用の投入口である貨幣投入口11や紙幣用の投入口である紙幣投入口12のほか、例えば貨幣受け口13等を有し、駐車料金支払いのための現金投入や、お釣りの支払い、払戻し等、現金の授受を行うための窓口である。図2に示す現金受付部10aは、現金投入口10と制御部90との間に配置され、制御部90からの指示に基づいて現金投入口10から投入された現金による精算を受け付けるために必要となる各種処理を行う。つまり、現金受付部10aは、現金による精算を受け付けて決済すなわち取引の実行を行うための装置である。
リーダライタ部20は、図3(A)に示すように、自動精算装置500の正面部に取り付けられ電子マネーカードをタッチすることで、当該電子マネーカードの情報を読み書きするための端末であり、ここでは、複数社・複数枚数の電子マネーカードの取り扱いが可能となっているものとする。図2に示す電子マネー受付部20aは、リーダライタ部20と制御部90との間に配置され、制御部90からの指示に基づいてリーダライタ部20を利用した電子マネーによる精算を受け付けるために必要となる各種処理を行う。つまり、電子マネー受付部20aは、電子マネーによる精算を受け付けて決済すなわち取引の実行を行うための装置である。
駐車券挿入口30は、駐車場への入場時に各車両に配布された駐車券を挿入させる、すなわち駐車券の窓口である。駐車券受付部30aは、駐車券挿入口30に駐車券が挿入された旨の信号を制御部90に対して送信する。すなわち、制御部90は、駐車券受付部30aからの信号に基づき、精算のための各種処理を開始する。
プリンター40は、制御部90に接続されたプリンター制御部40aの制御下で動作する印刷部であり、精算完了(最終決済時)に際して領収書の印刷を行う。
通信部50は、駐車場管理装置700から駐車券に関する情報や駐車時間と駐車料金との関係等、駐車料金を算出するために必要な種々の情報を受送信するとともに、インターネット等の回線IN(図1参照)を通じて、各電子マネー管理会社との通信を行う。
タッチパネル部TOは、例えば液晶パネル上に透明のセンサ部を設けて構成される装置であり、料金精算における各種情報伝達や各種指示等を表示動作により利用者に対して案内するモニター部(表示部)であるとともに、利用者のタッチ操作により入力指示を受け付ける入力装置として機能する。なお、タッチパネル部TOは、液晶パネル(LCDパネル)等のほかにも、種々の態様から構成される。また、スピーカーSPは、タッチパネル部TOでの表示案内に対応する音声案内を行う。すなわち、タッチパネル部TOとスピーカーSPとは、利用者に対して精算のための各種情報を報知する精算手段報知部として機能する。これにより、例えばシステムの操作に不慣れな利用者に対して特に利便性を向上させることができる。また、詳しくは後述するが、本実施形態では、特に、現金による決済と電子マネーによる決済とについて、いずれか一方での決済では料金不足となる場合に、他方での決済によって補完する補完決済が可能であり、このような決済が可能であることを利用者に案内するものとなっている。
制御部90は、CPU等を有して、上記各部の動作を制御して、自動精算装置500による駐車料金の自動精算処理全体を統括する。また、制御部90は、補完決済処理部91と、計算部92と、データ記憶部93とを備える。
補完決済処理部91は、各種演算処理等の実行が可能な回路装置であり、制御部90においてなされる各種処理のうち、特に、現金による決済と電子マネーによる決済とにおいて、一方を他方で補完する補完決済を行うために必要となる各種処理を行う。補完決済処理部91は、現金受付部10a及び電子マネー受付部20aを介して各種受付処理等を制御することで、上記補完決済を受け付け可能とする補完決済受付部として機能する。
計算部92は、精算のために必要となる各種計算を行うものであり、例えば通信部50を介して駐車場管理装置700から取得した情報に基づいて駐車料金を計算する駐車料金計算部92aと、現金受付部10aを介して現金投入口10に投入された投入金額や電子マネー受付部20aを介してリーダライタ部20で読み取られた電子マネーカードの残額から支払いが不足している場合の不足金額を計算する不足料金計算部92bとを有する。
データ記憶部93は、画像表示や音声による案内、その他各種処理に必要となるプログラム等の予め定まった情報を格納するための各種情報記憶部であるとともに、投入金額や電子マネーカードのカード残額等の精算の際に必要となる情報を格納するための情報記憶部である。特に、ここでは、補完決済により現金と電子マネーとの双方で精算を行った場合の内訳を記憶する支払内訳データ保持部93aが設けられているものとする。
以下、図3等を参照して、本実施形態に係る自動精算装置500の各動作の一例について説明する。
図3(A)は、自動精算装置500の正面部の一構成例を示す図であり、この正面側には、既述の駐車券挿入口30や現金投入口10、リーダライタ部20等の自動精算装置500において駐車料金の精算を行うために利用者が必要とする全ての構成要素が配置され、料金精算のための受付窓口として機能している。図3(A)は、精算開始前の初期画面の表示を示すものである。この状態において、駐車券挿入口30から駐車券の受付が可能となっている。なお、図示の例では、タッチパネル部TOの画像表示面DSにおいて、駐車券の挿入箇所を示す表記がなされている。
駐車券挿入口30から駐車券が挿入されると、自動精算装置500は、料金の計算を行い、図3(B)に示すように、タッチパネル部TOの画像表示面DSに利用料金を表示する(すなわち駐車料金を利用者に知らせる料金報知部として機能させる)とともに、現金又は電子マネーによる支払い指示を画像表示する。なお、図示の例では、現金投入口10の位置や、リーダライタ部20の位置(すなわち電子マネーカードのタッチ位置)を知らせる矢印の表示もさせている。つまり、利用者は、現金を現金投入口10から投入するか、電子マネーカードをリーダライタ部20にタッチするかにより利用料金の精算を行うことになる。
図3(B)に示す画像表示面DSに表示された指示に従って、利用者が例えば現金を現金投入口10から投入すると、図4(A)に示す自動精算装置500は、投入された金額をカウントして、料金不足の有無、すなわち利用料金以上の金額が投入されたか否かを判断する。ここで、投入金額が利用料金未満(利用料金>投入金額)である場合には、図4(A)のうち画像表示面DSの部分を拡大した図4(B)に示すように、投入金額が不足している旨の表示を行う。さらに、この際、図示のように、支払いの方法が複数あることを報知するための表示を行うととともに、支払いの方法を選択するための3つの選択肢S1〜S3の表示を行う。具体的には、図示のように、「不足分(=利用料金−投入金額)を電子マネーで支払う」という選択肢S1と、「全額電子マネーで支払う(投入した現金は払い戻す)」という選択肢S2とが表示される。この他、「取消」という選択肢S3(すなわち最初からやり直すという選択肢)も表示される。特に、本実施形態では、支払い方法、すなわち決済の方法として、上記選択肢S1のように、現金のみの支払いでは料金が不足していて支払いを完了する(決済する)ことができない場合に、電子マネーの支払いにより残りの残額分(不足分)を支払うことで支払いを完了する補完決済を可能としている。また、本実施形態では、図4(B)に示す表示内容について、表示タイミングと同期してスピーカーSPによる音声案内がなされるものとすることができる。表示のみならず、音声によって決済方法に関する注意喚起を促すことで、特に精算のための操作に不慣れな利用者に対して操作方法の誘導を円滑に行うことができる。なお、他の表示タイミングにおいても同様に、同期してスピーカーSPによる音声案内を行える。
図4(B)に示す画像表示面DSに表示された指示に従って、利用者が例えば選択肢S1をタッチする(選択する)と、自動精算装置500は、図4(C)に示すように、画像表示面DSに電子マネーカードのタッチを促す表示をする。この際、図示のように、併せて料金に関する表示をするものとなっている。一方、図4(B)に示す状態において、利用者が例えば選択肢S2をタッチすると、自動精算装置500は、投入金額分の現金を払い戻すとともに、図4(D)に示すように、画像表示面DSに電子マネーカードのタッチを促す表示をする。なお、この場合、現金は払い戻されるため、併せて表示される料金に関する事項のうち「現金投入額」の項目は0(ゼロ)円となる。
なお、図4(B)に示す画像表示面DSに表示された指示に従って、利用者が選択肢S3すなわち最初からやり直すことを選択した場合、駐車券挿入口30から駐車券が排出されるとともに、投入された金額分の現金が払い戻され、画像表示面DSに初期画面(図3(A)参照)が表示される。
一方、図3(B)に示す画像表示面DSに表示された指示に従って、利用者が例えば電子マネーカードをリーダライタ部20にタッチすると、自動精算装置500は、当該電子マネーカード(以下、現電子マネーカードとする。)のカード残額を読み取って、料金不足の有無、すなわち利用料金以上のカード残額が投入あるか否かを判断する。ここで、カード残額が利用料金未満(利用料金>カード残額)である場合には、図5(A)に示すように、カード残額が不足している旨の表示を行うとともに、複数の支払いの方法を報知する。この場合、図示のように、5つの選択肢S11〜S15が表示される。具体的には、「不足分(=利用料金−現電子マネーカードのカード残額)を現電子マネーカードとは別の新しい電子マネーカードで支払う」という選択肢S11と、「全額別の新しい電子マネーカードで支払う(現電子マネーカードでの取引は中止する)」という選択肢S12と、「不足分(=利用料金−現電子マネーカードのカード残額)を現金で支払う」という選択肢S13と、「全額現金で支払う(現電子マネーカードでの取引は中止する)」という選択肢S14と、最初からやり直しとなる「取消」という選択肢S15とが表示される。
上記の各選択肢S11〜S15のうち、利用者が選択肢S11をタッチすると、図5(B)に示すように、画像表示面DSに新しい電子マネーカードのタッチを促す表示がなされ、併せて料金に関する表示がなされる。なお、図示の例では、現電子マネーカードから差し引かれることになる額を「カード1残額」と表示するものとしている。また、利用者が選択肢S12をタッチすると、現電子マネーカードでの取引中止の処理がなされるととともに、図5(C)に示すように、画像表示面DSに新しい電子マネーカードのタッチを促す表示がなされ、併せて料金に関する表示がなされる。この場合、現電子マネーカードでの取引は中止されるので、ここでは、「カード1取引中止」と表示し、この項目は0(ゼロ)円と表示するものとしている。
一方、利用者が選択肢S13をタッチすると、図5(D)に示すように、画像表示面DSに現金を投入することを促す表示がなされ、併せて料金に関する表示がなされる。この場合、「カード1残額」が項目の1つとして表示されることになる。また、利用者が選択肢S14をタッチすると、現電子マネーカードでの取引中止の処理がなされるととともに、図5(E)に示すように、画像表示面DSに現金を投入することを促す表示がなされ、併せて料金に関する表示がなされる。この場合、「カード1取引中止」が項目の1つとして表示されることになる。
なお、利用者が選択肢S15をタッチすると、図4(B)の選択肢S3をタッチした場合と同様に、全ての取引が中止され、画像表示面DSに初期画面(図3(A)参照)に戻る。
図6は、上記した現金と電子マネーとを併用した場合であっても、なお、料金不足が解消されていない場合における画像表示面DSでの表示の一例を示すものである。この場合、図示のように、例えば7つの選択肢S21〜S27が表示される。具体的には、「現金の投入金額及び先にタッチした電子マネーカード(ここでは、カード1とする。)の残額の合計に対する不足分(=利用料金−投入金額−カード1残額)をカード1とは別の新しい電子マネーカード(ここでは、カード2とする。)で支払う」という選択肢S21と、「現金の投入金額に対する不足分(=利用料金−投入金額)をカード2で支払う(カード1での取引は中止する)」という選択肢S22と、「投入した現金を払い戻し、不足分(=利用料金−カード1残額)をカード2で支払う」という選択肢S23と、「全額カード2で支払う(投入した現金を払い戻し、かつ、カード1での取引は中止する)」という選択肢S24と、「不足分(=利用料金−投入金額−カード1残額)を現金で支払う(すなわち現金を追加する)」という選択肢S25と、「全額現金で支払う(カード1での取引は中止し、現金を追加する)」という選択肢S26と、最初からやり直しとなる「取消」という選択肢S27とが表示される。なお、選択肢S21〜S26をそれぞれタッチした場合においても、画像表示面DSにおいて、図4(C)等に示した場合と同様の表示がそれぞれなされるものとすることができる。また、利用者が選択肢S27をタッチした場合、図4(B)の選択肢S3をタッチした場合と同様に、全ての取引が中止され、画像表示面DSに初期画面(図3(A)参照)に戻る。
以上のような料金支払いにおいて、料金不足が解消し、釣り銭の支払い等を含めた精算処理が完了するすなわち決済がなされると、図7(A)に例示するように、自動精算装置500は、画像表示面DSにおいてその旨を示す表示をするとともに、必要に応じて印刷部であるプリンター40によって領収書REを発行する。具体的には、図2の制御部90は、データ記憶部93の支払内訳データ保持部93aに一時格納されたデータを読み出して、当該データに基づいてプリンター制御部40aを介してプリンター40に領収書REの印刷を行わせる。なお、図7(A)に示すものの場合、自動精算装置500は、画像表示面DSにおいて、領収書REが発行されたことと発行された場所を知らせる矢印とを併せて表示している。
図7(B)は、プリンター40により発行された領収書REの一例を示す図である。図示のように、ここでは、支払内訳データ保持部93a(図2参照)に一時格納されたデータに基づいて、受取金額等の記載に加え、支払い内訳について印字がなされている。図示の例は、補完決済がなされた場合についてのもので、現金による支払い分の情報と電子マネーによる支払い分の情報とが印刷されている。より具体的には、図7(B)の例では、図6に示す選択肢S21がタッチされて支払がなされた場合のように、現金と2つの電子マネーカード(カード1,2)とによって支払いがされていることになる。この場合、利用者は、領収書に補完決済の内容を記録として残すことができる。
以下、図8のフローチャートを参照して、本実施形態に係る自動精算システム100において、自動精算装置500による決済のための一連の動作全体(精算の開始から完了まで)について説明する。ただし、以下では、精算の動作を取り消す事項(すなわち図4(B)等に示す「取消」についての選択肢S3,S15,S27に関する動作事項)については、初期の状態に戻るだけであるため、説明を省略する。
まず、自動精算装置500の制御部90は、駐車券受付部30aから送信された駐車券挿入口30への駐車券挿入の信号を受け取ると、支払受付を可能とするための各種処理を開始する(ステップS101)。すなわち、制御部90は、当該駐車券の情報と通信部50を介して駐車場管理装置700から取得した情報とを照合して駐車料金計算部92aにおいて駐車料金を計算して、利用料金として利用者に対して表示する(図3(B)参照)とともに、現金受付部10aと電子マネー受付部20aとに対して、現金の受付及び電子マネーカード読取を開始させるための信号を送信する。現金受付部10a及び電子マネー受付部20aは、当該信号に従って、現金投入口10及びリーダライタ部20をそれぞれ起動させ、現金及び電子マネーの受付を可能な状態とする。
ステップS101において、支払受付が開始されると、制御部90は、現金受付部10aを介した現金の投入の有無の確認の動作(ステップS102)と、電子マネー受付部20aを介した電子マネーの読取の有無の確認の動作(ステップS103)とについて、どちらかがなされるまで動作を続ける。
ステップS102において、現金投入があったことが確認されると(ステップS102:Yes)、制御部90は、不足料金計算部92bを利用して、利用料金と投入金額とから支払いが不足しているか否かの判断を、料金不足の場合の不足金額の計算とともに行う(ステップS201)。この際、制御部90は、併せて電子マネー受付部20aを介して電子マネーカードの受付を中止させ、新たに電子マネーの情報が入り込むことを防止する。ステップS201において、料金不足がない(投入金額≧利用料金)と判断された場合(ステップS201:No)、例えば図7を参照して説明した精算完了の動作すなわち支払完了の動作を行い(ステップS109)、一連の動作を終了する。一方、ステップS201において、料金不足である(利用料金>投入金額)と判断された場合(ステップS201:Yes)、制御部90は、図4(B)に例示するように、タッチパネル部TOの画像表示面DSに料金不足とその対処方法の選択肢に関する表示(表示パターン1)を行わせ(ステップS202)、ステップS202における表示パターン1に基づく選択を受け付ける(ステップS203)。
ステップS203において、選択肢S1(図4(B)参照)が選択されると、制御部90は、補完決済処理部91において、必要な処理を開始する。すなわち、補完決済処理部91は、現金による決済を電子マネーによる決済で補完する補完決済を可能とするために、まず、現金受付部10aを介して投入された現金を保持させつつ当該現金の金額に関する情報をデータ記憶部93の支払内訳データ保持部93aに一時格納する(ステップS204a)。これとともに、補完決済処理部91は、電子マネー受付部20aを介して電子マネーカードの読取を再開させる(ステップS204b)。このため、併せて図4(C)に例示するような表示動作をタッチパネル部TOに行わせる。
一方、ステップS203において、選択肢S2(図4(B)参照)が選択されると、制御部90の補完決済処理部91は、現金受付部10aを介して投入された現金を払戻し(ステップS205a)、これとともに、電子マネー受付部20aを介して電子マネーカードの読取を再開させる(ステップS205b)。このため、併せて図4(D)に例示するような表示動作をタッチパネル部TOに行わせる。つまり、補完決済処理部91は、補完決済受付部として、現金での決済の取止めと電子マネーでの決済とを受け付けるものとなっている。なお、この時点で料金不足が解消してこのままの状態で取引実行となれば、補完決済はなされないことになる。
以上のステップS204b又はステップS205bにおいて、電子マネーカードの読取がなされると、制御部90は、不足料金計算部92bを利用して再度料金不足の有無を確認する(ステップS208)。なお、ステップS208での料金再計算の開始とともに、新たな現金や電子マネーの受付が生じないよう現金受付部10a及び電子マネー受付部20aを介して現金投入口10での現金の受付及びリーダライタ部20での電子マネーカードの受付が中止される。ステップS208において、料金不足がない(合計金額≧利用料金)と判断された場合(ステップS208:No)、支払完了の動作を行い(ステップS109)、一連の動作を終了する。一方、ステップS208においても、なお料金不足である(利用料金>合計金額)と判断された場合(ステップS208:Yes)、制御部90は、別の表示パターンとして、図6に例示する表示(表示パターン3)をタッチパネル部TOの画像表示面DSに行わせる(ステップS302)。なお、ステップS302以後の動作については後述する。
一方、ステップS102において、現金投入があったことが確認されず(ステップS102:No)、ステップS103において、電子マネーカードの読取が確認されると(ステップS103:Yes)、制御部90は、不足料金計算部92bを利用して、利用料金と電子マネーカードの残額とから支払いが不足しているか否かの判断を、料金不足の場合の不足金額の計算とともに行う(ステップS301)。この際、制御部90は、併せて現金受付部10aを介して現金投入口10の受付を中止させ、また、新たな電子マネーカードの受付が発生しないように、電子マネー受付部20aを介して電子マネーカードの受付を中止させる。ステップS301において、料金不足がない(投入金額≧利用料金)と判断された場合(ステップS301:No)、支払完了の動作を行い(ステップS109)、一連の動作を終了する。一方、ステップS301において、料金不足である(利用料金>電子マネーカードの残額)と判断された場合(ステップS301:Yes)、制御部90は、図5(A)に例示するように、タッチパネル部TOの画像表示面DSに料金不足とその対処方法の選択肢に関する表示(表示パターン2)を行わせ(ステップS302)、ステップS302における表示パターン2に基づく選択を受け付ける(ステップS303)。
ステップS303において、選択肢S11(図5(A)参照)が選択されると、制御部90は、補完決済処理部91において、必要な処理を開始する。すなわち、補完決済処理部91は、一の電子マネーによる決済を他の電子マネーによる決済で補完する補完決済を可能とするために、まず、電子マネー受付部20aを介して読み取られた電子マネーカード(現電子マネーカード)の残額に関する情報をデータ記憶部93の支払内訳データ保持部93aに一時格納する(ステップS304a)。これとともに、補完決済処理部91は、電子マネー受付部20aを介して新たに電子マネーカードの読取を再開させる(ステップS304b)。このため、併せて図5(B)に例示するような表示動作をタッチパネル部TOに行わせる。
一方、ステップS303において、選択肢S12(図5(A)参照)が選択されると、制御部90の補完決済処理部91は、現電子マネーカードによる取引を中止し(ステップS305a)、これとともに、電子マネー受付部20aを介して新たに電子マネーカードの読取を再開させる(ステップS305b)。このため、併せて図5(C)に例示するような表示動作をタッチパネル部TOに行わせる。つまり、補完決済処理部91は、補完決済受付部として、一の電子マネーでの決済の取止めと他の電子マネーでの決済とを受け付けるものとなっている。なお、この時点で料金不足が解消してこのままの状態で取引実行となれば、補完決済はなされないことになる。
一方、ステップS303において、選択肢S13(図5(A)参照)が選択されると、制御部90は、補完決済処理部91において、必要な処理を開始する。すなわち、補完決済処理部91は、電子マネーによる決済を現金による決済で補完する補完決済を可能とするために、まず、電子マネー受付部20aを介して読み取られた電子マネーカード(現電子マネーカード)の残額に関する情報をデータ記憶部93の支払内訳データ保持部93aに一時格納する(ステップS306a)。これとともに、補完決済処理部91は、現金受付部10aを介して現金投入口10の受付を再開させ、投入される現金のカウントを行う(ステップS306b)。このため、併せて図5(D)に例示するような表示動作をタッチパネル部TOに行わせる。
一方、ステップS303において、選択肢S14(図5(A)参照)が選択されると、制御部90の補完決済処理部91は、現電子マネーカードによる取引を中止し(ステップS307a)、これとともに、現金受付部10aを介して現金投入口10の受付を再開させ、投入される現金のカウントを行う(ステップS307b)。このため、併せて図5(E)に例示するような表示動作をタッチパネル部TOに行わせる。つまり、補完決済処理部91は、補完決済受付部として、電子マネーでの決済の取止めと現金での決済とを受け付けるものとなっている。なお、この時点で料金不足が解消してこのままの状態で取引実行となれば、補完決済はなされないことになる。
以上のステップS304b〜ステップS307bにおいて、電子マネーカードの読取又は現金のカウントがなされると、制御部90は、不足料金計算部92bを利用して再度料金不足の有無を確認する(ステップS308)。なお、ステップS308での料金再計算の開始とともに、新たな現金や電子マネーの受付が生じないよう現金受付部10a及び電子マネー受付部20aを介して現金投入口10での現金の受付及びリーダライタ部20での電子マネーカードの受付が中止される。ステップS308において、料金不足がない(合計金額≧利用料金)と判断された場合(ステップS308:No)、支払完了の動作を行い(ステップS109)、一連の動作を終了する。一方、ステップS308においても、なお料金不足である(利用料金>合計金額)と判断された場合(ステップS308:Yes)、制御部90は、別の表示パターンとして、図6に例示する表示(表示パターン3)をタッチパネル部TOの画像表示面DSに行わせる(ステップS302)。
ここで、ステップS208又はステップS308を経て、ステップS302に到達した場合、制御部90は、既述のように、図6に例示する表示(表示パターン3)すなわち、7つの選択肢S21〜S27に基づく選択を受け付けることになる。ただし、ステップS308を経た場合であっても、現金投入がなく、複数の電子マネーカードによる電子マネーのみでの手続をした場合には、現金の払い戻しをすることがないので、図6に例示する表示(表示パターン3)であっても、実質的には、図5(A)に示す表示(表示パターン2)と同等の選択のみを有することになる。また、選択肢S27については、既述のように説明を省略する。
残りの6つの選択肢S21〜S26のうち、選択肢S21,S23を選択した場合、上記ステップS304a,S304bと同様の処理がなされる。すなわち、全ての電子マネーカードに関する情報を保持した上で、新たな電子マネーカードを受け付ける。ただし、選択肢S21を選択した場合には、現金の情報も保持されるのに対して、選択肢S23を選択した場合には、現金が払い戻され現金の情報は破棄される、あるいは現金は0(ゼロ)円である、と記録される。
一方、選択肢S22,S24を選択した場合、上記ステップS305a,S305bと同様の処理がなされる。すなわち、これまでの全ての電子マネーカードの取引を中止し、これまでの全ての電子マネーカードに関する情報を破棄した上で、新たな電子マネーカードを受け付ける。ただし、選択肢S22を選択した場合には、現金の情報は保持されるのに対して、選択肢S24を選択した場合には、現金が払い戻され現金の情報も破棄される、あるいは現金は0(ゼロ)円である、と記録される。
一方、選択肢S25を選択した場合、上記ステップS306a,S306bと同様の処理がなされる。すなわち、全ての電子マネーカードに関する情報を保持した上で、追加の現金を受け付ける処理がなされる。
一方、選択肢S26を選択した場合、上記ステップS307a,S307bと同様の処理がなされる。すなわち、これまでの全ての電子マネーカードの取引を中止し、これまでの全ての電子マネーカードに関する情報を破棄した上で、追加の現金を受け付ける処理がなされる。
以上の動作が、自動精算装置500において、決済がなされる、すなわち支払が完了するまで繰り返される。
以上のように、本実施形態の自動精算システム100では、自動精算装置500において、制御部90に設けた補完決済処理部91が各部と協働して、現金と電子マネーとのうちいずれか一方での決済では料金不足となる場合に、他の一方での決済を利用した補完決済を受け付ける補完決済受付部として機能することで、電子マネーと現金とのうち一方のみでは料金不足となり決済不能となる場合が生じても、迅速かつ簡易な処理を維持しつつ、より利便性を高めた自動精算処理を行うことができる。
この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
まず、上記実施形態において、複数枚の電子マネーカードを取り扱うことができるものとしているが、1枚の電子マネーカードのみを受け付ける態様とするものとしてもよい。すなわち、現金と1枚の電子マネーカードのみとにおいて補完決済ができるものとしてもよい。また、複数の電子マネーカードを取り扱うことが可能であるとした場合に、異なる電子マネーカードの発行・管理会社の電子マネーカードを組合せ可能としてもよいが、1種類の電子マネーカード(いずれか1社の電子マネーカード)の場合に限って複数枚の電子マネーカードでの決済が取扱い可能であるものとしてもよい。
また、自動精算装置500が、電子マネーカードに電子マネーをチャージするチャージ機能をさらに持つものとしてもよい。また、この場合、チャージが可能であることをさらに表示し、決済方法の選択肢として、現金を電子マネーカードにチャージすることを加えてもよい。
また、上記実施形態では、自動精算システム100において、駐車場管理装置700が1つの自動精算装置500(図1では、自動精算装置α)を管理しているものとしているが、駐車場管理装置700が複数の自動精算装置を一括して管理するものとしてもよい。また、駐車場管理装置700が直接的に回線INを通じて各電子マネー管理会社の管理サーバーA,B,C…と通信を行い、1つの又は複数の自動精算装置を管理するものとしてもよい。
さらに、上記実施形態では、自動精算システム100において、自動精算装置500の装置内で自動精算の各種処理を行うものとしているが、自動精算装置500の装置内の各種処理の一部を、例えば駐車場管理装置700等の外部のシステムに担わせるものとしてもよい。例えば、制御部90を駐車場管理装置700に設け、自動精算装置500は、駐車場管理装置700内に設けた制御部90からの各種指令信号を通信部50から受けるとともに通信部50を介して駐車券挿入や投入金額等の情報を含む信号を駐車場管理装置700へ送信することで、精算の各種動作を行うものとしてもよい。
また、上記実施形態では、自動車の駐車場に設置された自動精算装置を一例としているが、これに限らず、例えば各種自動販売機において、上記と同様の機能を有する自動精算装置を設けるものとしてもよい。