以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、以下で説明する実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
以下の説明においては、ワールド座標系であるXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内の一方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向(鉛直方向、上下方向)をZ軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸のそれぞれを中心とする回転方向(傾斜方向)をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。XY平面は、水平面である。XZ平面及びYZ平面のそれぞれは、XY平面と垂直に交わる。
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る電子部品実装装置10の概略構成を示す模式図である。図2は、本実施形態に係る電子部品実装装置10が有する実装ヘッド15の一例を示す図である。図3は、本実施形態に係る電子部品実装装置10が有する実装ヘッド15の一例を示す図である。
電子部品実装装置10は、基板8に電子部品80を実装する。電子部品実装装置10は、マウンタ10、とも呼ばれる。本実施形態において、電子部品80は、所謂、リード型電子部品を含む。リード型電子部品は、挿入型電子部品、とも呼ばれる。リード型電子部品は、リード84を有する。リード型電子部品は、基板8の開口にリード84が挿入されることによって基板8に実装される。
電子部品実装装置10は、リード型電子部品を基板8に実装する。なお、電子部品実装装置10が、リード型電子部品及びチップ型電子部品の両方を基板8に実装可能でもよい。チップ型電子部品は、搭載型電子部品、とも呼ばれ、リードを有しない。チップ型電子部品は、基板8に搭載されることによって基板8に実装される。
図1、図2、及び図3において、電子部品実装装置10は、基板8を搬送する基板搬送部12と、電子部品80を供給する部品供給ユニット14と、ノズル32を有する実装ヘッド15と、ヘッド移動機構16及びノズル駆動部34を含み、ノズル32を移動可能な駆動装置26と、電子部品80の画像を取得可能なカメラを含むVCSユニット17と、実装ヘッド15に対して交換されるノズル32を保持する交換ノズル保持機構18と、電子部品80を貯留可能な部品貯留部19と、電子部品実装装置10の少なくとも一部が収容される筐体11とを備える。
また、電子部品実装装置10は、操作部40と、表示部42と、記憶部44と、電子部品実装装置10を制御する制御装置20とを備える。
基板搬送部12は、基板8を搬送する。基板搬送部12は、基板8を支持して移動可能な搬送機構12Hと、搬送機構12Hを案内するガイド部材12Gとを含む。搬送機構12Hは、基板8を解放可能に保持する保持部材と、その保持部材を移動可能なアクチュエータとを含む。搬送機構12Hは、基板8の表面8AとXY平面とが平行となるように基板8を支持する。本実施形態において、ガイド部材12Gは、X軸方向に長い。搬送機構12Hは、ガイド部材12Gに案内されて、X軸方向に移動可能である。基板搬送部12は、基板8を少なくともX軸方向に移動する。なお、基板搬送部12が、基板8をX軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能でもよい。基板8の表面8Aの少なくとも一部に電子部品80が実装される。
基板搬送部12は、基板8の表面8Aと実装ヘッド15の少なくとも一部とが対向するように基板8を移動可能である。基板8は、基板供給装置から電子部品実装装置10に供給される。搬送機構12Hは、基板供給装置から供給された基板8を、ガイド部材12Gの所定位置まで搬送する。実装ヘッド15は、その所定位置に配置された基板8の表面8Aに電子部品80を実装する。基板8に電子部品80が搭載された後、その基板8は、基板搬送部12によって次工程の装置に搬送される。
部品供給ユニット14は、電子部品80を実装ヘッド15に供給する。部品供給ユニット14は、電子部品80を複数保持する。それら電子部品80の少なくとも一つが実装ヘッド15に供給される。部品供給ユニット14は、基板搬送部12よりもフロント側に配置されるフロント側部品供給ユニット14fと、基板搬送部12よりもリア側に配置されるリア側部品供給ユニット14rとを含む。フロント側部品供給ユニット14fは、電子部品実装装置10のフロント側に配置される。リア側部品供給ユニット14rは、電子部品実装装置10のリア側に配置される。実装ヘッド15は、部品供給ユニット14から供給された電子部品80を基板8に実装する。なお、部品供給ユニット14から供給される電子部品80は、同種の電子部品でもよいし、異種の電子部品でもよい。部品供給ユニット14は、電子部品保持テープを有する。電子部品80は、電子部品保持テープに保持される。部品供給ユニット14は、電子部品保持テープを引き出して移動することによって、電子部品保持テープに保持された電子部品80を移動する。
実装ヘッド15は、電子部品80を基板8に実装する。実装ヘッド15は、部品供給ユニット14から供給された電子部品80をノズル32で保持する。ノズル32は、基板搬送部12に支持された基板8に電子部品80を実装する。
駆動装置26は、ノズル32を移動する。駆動装置26は、基板8と対向する位置、及び部品供給ユニット14と対向する位置のそれぞれにノズル32を移動可能である。駆動装置26は、部品供給ユニット14から基板8まで電子部品80が移送されるように、ノズル32をXY平面において移動可能である。駆動装置26は、実装ヘッド15のベースフレーム31を移動可能なヘッド移動機構16と、ベースフレーム31に支持され、ノズル32を移動可能なノズル駆動部34とを含む。ヘッド移動機構16は、アクチュエータを含み、XY平面内において実装ヘッド15を移動可能である。ノズル駆動部34は、アクチュエータを含み、Z軸方向及びθZ方向にノズル32を移動可能である。
ヘッド移動機構16は、X軸駆動部22及びY軸駆動部24を有する。X軸駆動部22及びY軸駆動部24のそれぞれは、アクチュエータを含む。X軸駆動部22は、実装ヘッド15のベースフレーム31と連結される。X軸駆動部22の作動により、ベースフレーム31がX軸方向に移動する。Y軸駆動部24は、X軸駆動部22を介してベースフレーム31と連結される。Y軸駆動部24の作動によりX軸駆動部22がY軸方向に移動されることによって、ベースフレーム31がY軸方向に移動する。
ベースフレーム31は、ノズル駆動部34を支持する。ノズル32は、ノズル駆動部34を介して、ベースフレーム31に支持される。ヘッド移動機構16の作動により、ベースフレーム31がX軸方向及びY軸方向に移動される。ベースフレーム31がXY平面内において移動されることにより、そのベースフレーム31に支持されているノズル駆動部34及びノズル32も、ベースフレーム31と一緒にX軸方向及びY軸方向に移動する。ノズル駆動部34は、ノズル32をZ軸方向及びθZ方向に移動する。すなわち、本実施形態において、駆動装置26は、ノズル32を、X軸、Y軸、Z軸、及びθZの4つの方向に移動可能である。なお、駆動装置26が、ノズル32を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能でもよい。
駆動装置26の作動によりノズル32が移動されることによって、そのノズル32に保持されている電子部品80も移動する。駆動装置26は、ノズル32と基板8との相対位置を調整可能である。ノズル32が移動されることによって、そのノズル32に保持されている電子部品80と基板8との相対位置が調整される。ノズル32は、保持した電子部品80を、基板8の表面8Aの任意の位置に移動可能である。ノズル32は、保持した電子部品80を、基板8の表面8Aの任意の位置に実装可能である。
VCSユニット17は、ノズル32に保持された電子部品80の形状、及びノズル32による電子部品80の保持状態を検出する。VCSユニット17は、画像認識装置を含み、電子部品80の画像を取得可能なカメラを含む。VCSユニット17は、ノズル32に保持された電子部品80を下側(−Z側)から撮影し、撮影された画像を解析することによって、ノズル32に保持された電子部品80の形状、及びノズル32による電子部品80の保持状態を検出する。VCSユニット17により取得された情報は、制御装置20に出力される。VCSユニット17により取得された情報は、電子部品80の形状に関する情報、及びノズル32による電子部品80の保持状態に関する情報を含む。
交換ノズル保持機構18は、複数種類のノズル32を保持する。交換ノズル保持機構18は、実装ヘッド15に対して交換されるノズル32を複数保持する。本実施形態において、ノズル32は、電子部品80を吸引して保持する吸引ノズル321と、電子部品80を挟んで保持する把持ノズル322とを含む。交換ノズル保持機構18は、吸引ノズル321及び把持ノズル322を保持する。交換ノズル保持機構18により、実装ヘッド15に装着されるノズル32が変更(交換)される。実装ヘッド15は、その装着されたノズル32で電子部品80を保持する。
部品貯留部19は、基板8に実装されない電子部品80を貯留する。部品貯留部19は、基板8に実装されない電子部品80が廃棄される廃棄ボックスを含む。ノズル32に保持されている電子部品80が基板8に実装されない場合、そのノズル32に保持されている電子部品80は、部品貯留部19に投入される。部品貯留部19に投入された電子部品80は、廃棄される。
制御装置20は、電子部品実装装置10を制御する。制御装置20は、CPUのようなプロセッサと、ROM及びRAMのようなメモリとを含み、演算処理機能と記憶機能とを有する。
操作部40は、制御装置20に接続される。操作部40は、作業者に操作される。操作部40は、キーボード、マウス、及びタッチパネルのような入力デバイスを含む。操作部40は、操作されることにより操作信号を生成する。操作部40により生成された操作信号は、制御装置20に出力される。
表示部42は、制御装置20に接続される。表示部42は、実装に関する各種の情報を表示するモニタ又はタッチパネルを含む。表示部42は、制御装置20から出力される画像信号に基づいて画像を表示する。
記憶部44は、制御装置20に接続される。記憶部44は、実装に関する各種の情報を記憶する。記憶部44は、電子部品実装装置10の実装条件に関する情報(レシピ)を記憶する。実装条件は、電子部品実装装置10によって製品を生産するときのシーケンス、電子部品実装装置10に対する指令、設定、及びパラメータを含む。
以下の説明において、実装条件に関する情報を適宜、生産プログラム、と称する。生産プログラムは、実装対象の基板Pに関する情報(基板データ)、及びその基板Pに実装される電子部品Cに関する情報(部品データ)を含む。
次に、実装ヘッド15について説明する。実装ヘッド15は、ベースフレーム31と、ベースフレーム31に支持され、電子部品80の少なくとも一部を解放可能に保持するノズル32と、ノズル駆動部34と、実装ヘッド15と対向する物体の画像を取得する撮影装置36と、実装ヘッド15と対向する物体の高さ(Z軸方向に関する位置)を検出する高さセンサ37と、電子部品80の状態を検出するレーザ認識装置38とを有する。
実装ヘッド15は、複数のノズル32を有する。複数のノズル32が一列に配置される。本実施形態においては、6本のノズル32が、X軸方向に配置される。
ベースフレーム31は、ノズル32、ノズル駆動部34、撮影装置36、高さセンサ37、及びレーザ認識装置38を支持する。上述のように、ベースフレーム31は、ヘッド移動機構16の作動により、X軸方向及びY軸方向に移動可能である。ヘッド移動機構16の作動によりベースフレーム31が移動されることによって、そのベースフレーム31に支持されているノズル32、ノズル駆動部34、撮影装置36、高さセンサ37、及びレーザ認識装置38のそれぞれが、ベースフレーム31と一緒に移動する。
ノズル32は、電子部品80を解放可能に保持する。図2及び図3に示す例では、ノズル32は、電子部品80を吸着して保持する吸引ノズル321である。吸引ノズル321は、電子部品80を吸着して保持する吸着機構を含む。吸引ノズル321の先端に開口33が設けられる。開口33から空気が吸引されることによって、吸引ノズル321の先端に電子部品80が吸着され、保持される。吸引ノズル321は、シャフト32aを含む。シャフト32aの先端に開口33が設けられる。シャフト32aの内部に、開口33と吸引装置とを接続する流路が設けられる。吸引装置は、真空システムを含む。開口33を含む吸引ノズル321の先端部と電子部品80とが接触した状態で、開口33からの吸引動作が行われることにより、吸引ノズル321に電子部品80が保持される。開口33からの吸引動作が解除されることによって、電子部品80は吸引ノズル321から解放される。
撮像装置36は、実装ヘッド15と対向する物体の画像を取得可能なカメラを含む。撮影装置36は、基板8の画像を取得可能である。撮影装置36は、基板8の表面8Aに形成された基準マークFMの画像を取得可能である。撮影装置36は、基板8に搭載された電子部品80の画像を取得可能である。撮影装置36は、部品供給ユニット14に存在する電子部品80の画像を取得可能である。撮影装置36は、基板8及び電子部品80のみならず、実装ヘッド15が対向する領域に配置される物体の画像を取得可能である。
高さセンサ37は、実装ヘッド15と対向する物体との距離を検出して、その物体の高さを検出する。高さセンサ37は、基板8との距離、及び基板8に搭載された電子部品80との距離を検出可能である。高さセンサ37は、レーザ光(検出光)を射出する発光素子と、実装ヘッド15と対向する位置に配置されている物体に照射され、その物体で反射したレーザ光の少なくとも一部を受光可能な受光素子とを含む。
レーザ認識装置38は、ノズル32に保持されている電子部品80の状態を検出する。電子部品80の状態は、電子部品80の寸法、電子部品80の形状、及びノズル32で保持されている電子部品80の姿勢の少なくとも一つを含む。レーザ認識装置38は、ベースフレーム31の下部に接続されたブラケット50に内蔵されている。レーザ認識装置38は、レーザ光(検出光)を射出する射出装置38aと、射出装置38aから射出されたレーザ光の少なくとも一部を受光可能な受光装置38bとを含む。受光装置38bは、射出装置38aと対向する位置に配置されている。射出装置38aは、レーザ光を射出可能な発光素子を含む。受光装置38bは、レーザ光を受光可能な受光素子を含む。Z軸方向に関して、射出装置38aと受光装置38bとは同じ位置(高さ)に配置されている。レーザ認識装置38は、ノズル32に保持された電子部品80に対してレーザ光を照射して、電子部品80の状態を検出する。
次に、ノズル駆動部34について説明する。図4は、ノズル駆動部34の一例を示す図である。ノズル駆動部34は、ノズル32をZ軸方向に移動可能なアクチュエータ(Z軸モータ)341と、ノズル32をθZ方向に移動可能なアクチュエータ(θZモータ)342とを含む。
図4に示すように、実装ヘッド15は、ベースフレーム31と、ベースフレーム31に設けられたガイド部101と、ガイド部101にガイドされてZ軸方向に移動可能な可動部材102と、ベースフレーム31に固定され、可動部材102をZ軸方向に移動するZ軸モータ341とを備えている。Z軸モータ341には、カップリング110を介してボールねじ111が接続される。
また、実装ヘッド15は、θZモータ342と、θZモータ342に接続されたプーリ108と、スプライン軸受107と、プーリ108及びスプライン軸受107に支持されるタイミングベルト109と、プーリ108、タイミングベルト109、及びスプライン軸受107を介してθZモータ342と接続される垂直回転駆動部軸受105とを備えている。スプライン軸受107は、垂直回転駆動部軸受105の内部に配置される。垂直回転駆動部軸受105は、シャフト32aと接続される。垂直回転駆動部軸受105の外周部に、回転ベアリング106が配置される。回転ベアリング106の外周部は、ベースフレーム31に固定される。可動部材102には、シャフト32aを回転可能に支持する下側回転ベアリング141及び上側回転ベアリング142が設けられる。垂直回転駆動部軸受105により、シャフト32aは、Z軸方向へ移動可能であり、θZ方向へ移動(回転)可能である。
可動部材102の一部に、ボールねじ111に噛み合うナット部118が固定されている。Z軸モータ341の作動によりボールねじ111が回転すると、ナット部118がZ軸方向に移動する。ナット部118がZ軸方向に移動することにより、そのナット部118が固定されている可動部材102もZ軸方向に移動する。これにより、シャフト32aを含むノズル32がZ軸方向に移動される。
可動部材102は、シャフト32aとナット部118との間に、変形部112を有する。変形部112は、可動部材102に設けられた円形の孔を含む。変形部112に、ひずみゲージ113が配置される。なお、ひずみゲージ113に代えて、ロードセルが変形部112に配置されてもよい。
例えば、ノズル32に保持された電子部品80を基板8に実装する場合において、電子部品80の少なくとも一部(例えばリード84)が基板8に接触し、ノズル32の移動(下降)が妨げられると、アクチュエータ341の発生トルクが増加するとともに、ひずみゲージ113の検出値が増大する。このように、本実施形態において、実装ヘッド15は、ノズル32に保持された電子部品80の少なくとも一部が基板8に接触したか否かを検出可能である。
Z軸モータ341及びθZモータ342を含むノズル駆動部34の作動により、ノズル32は、Z軸方向及びθZ方向に移動される。ノズル32は、ノズル駆動部34を介して、ベースフレーム31に支持されている。ベースフレーム31は、ヘッド移動機構16の作動により、X軸方向及びY軸方向に移動される。ヘッド移動機構16の作動により、ベースフレーム31に支持されているノズル32は、X軸方向及びY軸方向に移動可能である。すなわち、本実施形態において、ノズル32は、ヘッド移動機構16の作動により、X軸方向及びY軸方向に移動可能であり、ノズル駆動部34の作動により、Z軸方向及びθZ方向に移動可能である。本実施形態において、駆動装置26は、ノズル32を、少なくともX軸、Y軸、Z軸、及びθZの4つの方向に移動可能である。なお、駆動装置26が、ノズル32を、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能でもよい。
次に、把持ノズル322について説明する。上述のように、本実施形態において、ノズル32は、吸引ノズル321及び把持ノズル322を含む。なお、把持ノズル322を、グリッパノズル322と称してもよい。例えば、吸引ノズル321が電子部品80を保持することが困難である場合、把持ノズル322が用いられる。
図5は、把持ノズル322の一例を示す説明図である。図6は、把持ノズル322の保持動作を説明するための説明図である。把持ノズル322は、固定アーム692と、可動アーム694と、可動アーム694を移動可能な駆動部696とを有する。可動アーム694は、把持ノズル322の本体に支持される。可動アーム694は、支点695を中心に回転可能である。支点695は、例えば可動アーム694と把持ノズル322の本体とを回転可能に接続するヒンジ機構を含む。可動アーム694は、支点695を軸(回転軸)として、固定アーム692と対向する部分が固定アーム692に近づく方向及び遠ざかる方向の一方から他方へ移動するように、回転可能である。駆動部696は、可動アーム694のうち固定アーム692と対向する部分が固定アーム692に近づく方向及び遠ざかる方向の一方から他方へ移動するように、可動アーム694を移動可能である。駆動部696は、吸引ノズル321を駆動する駆動源(空気圧)により作動する。把持ノズル322の駆動部696に対して空気の吸引又は吸引の解除が行われることによって、固定アーム692に対して可動アーム694が移動する。可動アーム694は、駆動部696が移動することで、固定アーム692と対向する部分が固定アーム692に近づく方向から遠ざかる方向に移動する。
把持ノズル322は、電子部品80を解放可能に保持する。図6に示すように、把持ノズル322は、固定アーム692と可動アーム694との間に電子部品80の少なくとも一部が存在する状態で、固定アーム692と可動アーム694との距離を縮めることによって、電子部品80を保持(把持)することができる。把持ノズル322は、電子部品80を上方から保持する。
実装ヘッド15に対して、吸引ノズル321及び把持ノズル322の一方から他方に交換可能である。電子部品実装装置10は、保持する電子部品80の種類に応じて、その電子部品80を保持するノズル32の種類を選択することで、電子部品80を適切に保持することができる。具体的には、保持する電子部品80に応じて、吸引ノズル321を用いるか把持ノズル322を用いるかを選択し、さらにそれぞれの種類のノズル中でもどのノズルを用いるかを切り換えることで、1台の電子部品実装装置10でより多くの種類の電子部品80を実装することができる。
次に、本実施形態に係る電子部品80について説明する。図7は、本実施形態に係る電子部品80の一例を示す正面図である。図8は、本実施形態に係る電子部品80の一例を示す側面図である。図9は、本実施形態に係る電子部品80を下側から見た平面図である。本実施形態において、電子部品80は、挿入型電子部品(リード型電子部品、ラジアルリード型電子部品)である。電子部品80は、本体部82と、本体部82に接続されるリード84とを有する。リード84を、ピン84と称してもよい。
本体部82は、上面82Aと、上面82Aの反対方向を向く下面82Bと、上面82Aと下面82Bとを結ぶ側面82Cとを有する。リード84は、本体部82の下面82Bから突出する。リード84は、本体部82の下面82Bと結ばれる基端部84Aと、基端部84Aとは反対側の端部である先端部84Bとを有する。
以下の説明において、本体部82の下面82Bを基準とするローカル座標系であるXaYaZa直交座標系を設定し、このXaYaZa直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。下面82Bと平行な所定面内の一方向をXa軸方向、所定面内においてXa軸方向と直交する方向をYa軸方向、Xa軸方向及びYa軸方向のそれぞれと直交する方向をZa軸方向とする。また、Xa軸、Ya軸、及びZa軸のそれぞれを中心とする回転方向(傾斜方向)をそれぞれ、θXa、θYa、及びθZa方向とする。XaYa平面は、本体部82の下面82Bと平行であり、Xa軸及びYa軸を含む。Za軸は、下面82B(XaYa平面)と直交する。Xa軸方向は、Xa軸と平行な方向である。Ya軸方向は、Ya軸と平行な方向である。Za軸方向は、Za軸と平行な方向である。
下面82Bは、XaYa平面と平行である。リード84は、Za軸と平行に配置される。リード84は、下面82Bから−Za方向に突出するように配置される。
電子部品80は、リード84を複数有する。リード84は、Xa軸方向及びYa軸方向のそれぞれに複数配置される。本実施形態において、電子部品80は、8本のリード84を有する。本体部82の下面82Bにおいて、リード84は、Xa軸方向に4本配置され、Ya軸方向に2本配置される。複数(8本)のリードのそれぞれが、基端部84A及び先端部84Bを有する。
吸引ノズル321は、電子部品80の本体部82を保持(吸着)する。吸引ノズル321は、本体部82の上面82Aを吸着して保持する。把持ノズル322は、電子部品80の本体部82を保持(把持)する。把持ノズル322は、本体部82の側面82Cを挟んで保持する。
本実施形態において、電子部品80の寸法は、Za軸方向に関するリード84の寸法Lp、Za軸方向に関する本体部82の寸法Lb、Za軸方向に関する電子部品80の寸法Lt、Xa軸方向に関するリード84の寸法Wpx、Xa軸方向に関する本体部82の寸法Wbx、Ya軸方向に関するリード84の寸法Wpy、及びYa軸方向に関する本体部82の寸法Wbyを含む。
図7に示すように、Za軸方向に関する電子部品80の寸法Ltは、リード84の寸法Lpと本体部82の寸法Lbとの和である。
図9に示すように、本実施形態において、Xa軸方向に関するリード84の寸法Wpxは、Xa軸方向に配置された複数(4本)のリード84のうち、最も+Xa側のリード84の+Xa側の端部と、最も−Xa側のリード84の−Xa側の端部との距離である。本実施形態において、Ya軸方向に関するリード84の寸法Wpyは、Ya軸方向に配置された複数(2本)のリード84のうち、最も+Ya側のリード84の+Ya側の端部と、最も−Ya側のリード84の−Ya側の端部との距離である。
次に、本実施形態に係る基板8について説明する。図10は、本実施形態に係る基板8の一部を示す平面図である。基板8は、電子部品80が実装される部材である。基板8は、板状の部材である。基板8は、表面8Aと、表面8Aの反対方向を向く裏面とを有する。表面8Aと裏面とは実質的に平行である。
基板8は、電子部品80のリード84が挿入される孔81を有する。表面8A側の孔81の端部(開口端)は、表面8Aと結ばれる。以下の説明において、表面8A側の孔81の開口端を適宜、開口83と称する。開口83は、基板8の表面8Aに設けられる。開口83の周囲に基板8の表面8Aが配置される。
電子部品80は、基板8の孔81にリード84が挿入されることによって基板8に実装される。リード84は、開口83を介して孔81に挿入される。リード84が孔81に挿入され、電子部品80が基板8に実装された状態において、本体部82の下面82Bと基板8の表面8Aとが対向する。図10に示すように、本実施形態において、基板8は、複数(8本)のリード84のそれぞれが挿入されるように、複数(8つ)の開口83(孔81)を有する。
基板8の表面8Aに配線パターンが設けられる。配線パターンの表面に、リフローによってはんだが設けられる。はんだは、配線パターンと電子部品80とを接合する接合部材として機能する。なお、基板8は、電子部品80が実装可能な部材であればよく、その構成は特に限定されない。
次に、図11から図19を参照して、レーザ認識装置38による電子部品80の状態の検出動作について説明する。図11は、本実施形態に係るレーザ認識装置38及び制御装置20を含む制御システムの機能ブロック図である。図12は、電子部品80の状態の検出動作を説明するための説明図である。図13は、電子部品80の状態の検出動作を説明するための説明図である。図14は、電子部品80の状態の検出動作を説明するための説明図である。図15は、電子部品80の状態の検出動作を説明するための説明図である。図16は、電子部品80の状態の検出動作を説明するための説明図である。図17は、電子部品80の状態の検出動作を説明するための説明図である。図18は、電子部品80の状態の検出動作の検出結果の一例を示す模式図である。図19は、電子部品80の状態の検出動作の検出結果の一例を示す模式図である。
電子部品80の状態の検出は、電子部品80の寸法の検出、電子部品80の形状の検出、及びノズル32で保持されている電子部品80の姿勢の検出の少なくとも一つを含む。電子部品実装装置10は、レーザ認識装置38を用いて、電子部品80の寸法、電子部品80の形状(外形)、及び電子部品80の姿勢の少なくとも一つを検出する。
電子部品80の寸法は、Za軸方向に関するリード84の寸法Lp、Za軸方向に関する本体部82の寸法Lb、Za軸方向に関する電子部品80の寸法Lt、Xa軸方向に関するリード84の寸法Wpx、Xa軸方向に関する本体部82の寸法Wbx、Ya軸方向に関するリード84の寸法Wpy、及びYa軸方向に関する本体部82の寸法Wbyを含む。
図11に示すように、レーザ認識装置38の受光装置38bの受光結果が制御装置20に出力される。制御装置20は、受光装置38bの受光結果に基づいて、Za軸方向に関するリード84の寸法Lp、Za軸方向に関する本体部82の寸法Lb、Za軸方向に関する電子部品80の寸法Lt、Xa軸方向に関するリード84の寸法Wpx、Xa軸方向に関する本体部82の寸法Wbx、Ya軸方向に関するリード84の寸法Wpy、及びYa軸方向に関する本体部82の寸法Wbyを導出する寸法導出部20Aと、寸法導出部20Aが導出した寸法に基づいて、実装ヘッド15を制御する制御部20Cとを有する。制御装置20に記憶部44が接続される。
図12及び図13に示すように、レーザ認識装置38は、射出装置38aと受光装置38bとの間に電子部品80の少なくとも一部が配置されている状態で、射出装置38aからレーザ光を射出して、受光装置38bに到達したレーザ光を受光装置38bで検出して、射出装置38aと受光装置38bとの間に配置されている電子部品80の状態を検出する。
本実施形態において、射出装置38aは、Y軸方向(+Y方向)に進行するようにレーザ光を射出する。すなわち、射出装置38aから射出されたレーザ光の進行方向は、Y軸方向(+Y方向)である。
本実施形態において、レーザ認識装置38は、電子部品80の少なくとも一部がレーザ光の照射領域MAに配置された状態で、射出装置38aからレーザ光を射出して、その射出装置38aから射出されたレーザ光の少なくとも一部を受光装置38bで受光する。受光装置38bの受光結果は、制御装置20の寸法導出部20Aに出力される。寸法導出部20Aは、受光装置38bの受光結果に基づいて、電子部品80の寸法を導出する。
レーザ光の照射領域MAは、レーザ認識装置38が電子部品80の状態を検出可能な検出領域を含む。以下の説明において、射出装置38aから射出されたレーザの照射領域MAを適宜、レーザ認識装置38の検出領域MA、と称する。
図14に示すように、本実施形態において、検出領域(照射領域)MAは、X軸方向に長い。検出領域MAは、X軸とほぼ平行である。
本実施形態においては、検出領域MAに配置された電子部品80の少なくとも一部の状態がレーザ認識装置38によって検出される。本実施形態において、射出装置38aは、複数のレーザ光を射出する。それら複数のレーザ光は、X軸方向に配置される。それら複数のレーザ光によって、X軸方向に長い検出領域MAが形成される。
レーザ認識装置38は、ノズル32に保持された電子部品80の状態を検出する。レーザ認識装置38を用いる電子部品80の状態の検出において、制御装置20は、電子部品80の本体部82の下面82B(XaYa平面)と水平面(XY平面)とが平行となるように、ノズル32で電子部品80を保持する。
制御装置20は、電子部品80の検出対象部位がレーザ認識装置38の検出領域MAに配置されるように、駆動装置26を制御して、本体部82を保持するノズル32の位置を調整する。検出対象部位は、レーザ認識装置38によって電子部品80の状態が検出される部位である。検出対象部位は、電子部品80においてZ軸方向(Za軸方向)に複数定められる。図14は、検出対象部位として本体部82の一部が検出領域MAに配置されている例を示す。
制御装置20は、レーザ認識装置38を用いる電子部品80の状態の検出において、駆動装置26を制御してノズル32に保持された電子部品80をZ軸方向に移動する。これにより、Z軸方向に複数定められている電子部品80の複数の検出対象部位のそれぞれが検出領域MAに順次配置される。制御装置20は、Z軸方向に複数定められている電子部品80の複数の検出対象部位のうち、任意の検出対象部位が検出領域MAに配置されている状態で、射出装置38aからレーザ光を射出する。これにより、その検出対象部位の状態がレーザ認識装置38によって検出される。制御装置20は、検出領域MAに対して電子部品80をZ軸方向に移動する動作と、射出装置38aからレーザ光を射出して、電子部品80を介したレーザ光を受光装置38bで受光する動作とを繰り返すことにより、Z軸方向に複数定められている電子部品80の複数の検出対象部位それぞれについての状態を検出することができる。
また、本実施形態において、制御装置20は、ノズル32に保持された電子部品80の検出対象部位の一方向に関する状態をレーザ認識装置38で検出後、図15に示すように、θZ方向に関してレーザ認識装置38と電子部品80とを相対移動(回転)する。本実施形態においては、制御装置20は、駆動装置26によりノズル32をθZ方向に回転させて、電子部品80をθZ方向に回転する。制御装置20は、電子部品80をθZ方向に回転後、電子部品80の検出対象部位の一方向に関する状態をレーザ認識装置38で検出する。電子部品80をθZ方向に回転させることによって、電子部品80に対してレーザ光が照射される方向及び電子部品80に対する受光装置38bの角度が変化する。
図16は、本実施形態に係る電子部品80の状態の検出動作の一例を模式的に示す図である。制御装置20は、電子部品80の少なくとも一部がレーザ光の照射領域MAに配置された状態で、駆動装置26を制御して、レーザ光に対して電子部品80をZ軸方向及びθZ方向の少なくとも一方に移動させる。その電子部品80の移動において、受光装置38bは、射出装置38aから射出されたレーザ光の少なくとも一部を受光する。
制御装置20は、Z軸方向に関する電子部品80の位置(高さ)を調整し、電子部品80の複数の検出対象部位のうち、所定の検出対象部位が射出装置38aと受光装置38bとの間に配置された状態で、射出装置38aからレーザ光を射出する(ステップS11)。射出装置38aから射出されたレーザ光の少なくとも一部は、受光装置38bに受光される。これにより、電子部品80の検出対象部位の状態が、レーザ認識装置38によって検出される。
電子部品80で遮られたレーザ光は、受光装置38bに到達しない又は強度が低下する。これにより、レーザ認識装置38は、受光装置38bで受光したレーザ光の強度分布に基づいて、XZ平面と平行な断面における電子部品80の寸法及び形状(外形)を検出することができる。本実施形態において、レーザ認識装置38は、受光装置38bで受光したレーザ光の受光領域と非受光領域との境界を検出することによって、XZ平面と平行な断面における電子部品80の寸法及び形状を検出する。XZ平面と平行な断面における電子部品80の寸法及び形状が検出された後、制御装置20は、電子部品80をθZ方向に関する回転する(ステップS12)。
θZ方向に関して電子部品80が回転され、θZ方向に関する電子部品80の位置が調整された後、制御装置20は、XZ平面と平行な断面における電子部品80の寸法及び形状をレーザ認識装置38で検出する(ステップS13)。レーザ認識装置38は、射出装置38aと受光装置38bとの間に電子部品80が配置された状態で、射出装置38aからレーザ光を射出して、その射出装置38aから射出されたレーザ光の少なくとも一部を受光装置38bで受光する。
制御装置20は、電子部品80をθZ方向に回転させつつ、射出装置38aからレーザ光を射出して、XZ平面と平行な断面における電子部品80の寸法及び形状の検出を繰り返す(ステップS14)。
これにより、θZ方向に関して複数の位置のそれぞれに配置されたときの複数の断面(XZ断面)のそれぞれにおける電子部品80の寸法及び形状が検出される。
このように、レーザ認識装置38は、θZ方向に関して複数の位置のそれぞれに配置されたときの電子部品80の複数の断面(XZ断面)を検出し、図17に示すように、複数の断面の検出結果を重ね合わせることで、電子部品80の三次元形状(最外部分の形状)を正確に検出することができる。
例えば、検出対象部位が本体部82の少なくとも一部である場合、レーザ認識装置38の検出領域MAに本体部82の検出対象部位が配置された状態で、射出装置38aからレーザ光を射出して、その射出装置38aからのレーザ光の少なくとも一部を受光装置38bで検出することによって、図18に示すように、レーザ認識装置38は、本体部82の寸法及び形状を検出することができる。
検出対象部位がリード84の少なくとも一部である場合、レーザ認識装置38の検出領域MAにリード84の検出対象部位が配置された状態で、射出装置38aからレーザ光を射出して、その射出装置38aからのレーザ光の少なくとも一部を受光装置38bで検出することによって、図19に示すように、レーザ認識装置38は、リード84の形状及び寸法を検出することができる。また、リード84の形状が検出されることにより、本体部82の寸法も検出される。なお、本実施形態において、レーザ認識装置38は、電子部品80の検出対象部位の最外形を検出する。そのため、リード84の形状として、複数のリード84のうち、最も外側のリード84をつなげた形状が検出される。
なお、本実施形態においては、射出装置38a及び受光装置38bの位置が固定されており、射出装置38aと受光装置38bとの間のレーザ光の光路において、駆動装置26により、ノズル32に保持された電子部品80がZ軸方向及びθZ方向に移動することとした。電子部品80の位置が固定され、電子部品80に対してZ軸方向及びθZ方向にレーザ光が移動するように、射出装置38a及び受光装置38bを含むレーザ識別装置38が移動されてもよい。電子部品80の少なくとも一部がレーザ光の照射領域MAに配置された状態で、Z軸方向及びθZ方向のそれぞれに関して電子部品80とレーザ光とが相対移動するように、電子部品80(ノズル32)と射出装置38a及び受光装置38bを含むレーザ識別装置38との両方が移動してもよい。
次に、図20、図21、及び図22を参照して、電子部品80の寸法を導出する方法の一例について説明する。本実施形態においては、レーザ認識装置38を使って、リード84の寸法(Lp、Wpx、Wpy)及び本体部82の寸法(Lb、Wbx、Wby)を含む電子部品80の寸法の検出が行われる。図20は、本実施形態に係る電子部品80の寸法を導出する方法の一例を示すフローチャートである。図21は、電子部品80とレーザ認識装置38の検出領域MAとの関係を説明するための説明図である。図22は、電子部品80の寸法を検出するときのレーザ認識装置38の射出装置38aと受光装置38bと電子部品80との関係を示す模式図である。
本実施形態においては、オペレータにより操作部40が操作されることによって、図20に示す電子部品80の寸法を導出するための一連の処理が自動的に実施される。
制御装置20は、電子部品80のリード84の先端部84Bを検出対象部位に決定する(ステップSA1)。検出対象部位は、レーザ認識装置38によって寸法が検出される部位である。電子部品80の寸法を検出する処理において、制御装置20は、リード84の先端部84Bを検出対象部位に決定する。
制御装置20は、ノズル32で電子部品80の本体部82を保持する。ノズル32は、本体部82の下面82B(XaYa平面)と水平面(XY平面)とが実質的に平行となるように、電子部品80を保持する。
制御装置20は、XaYa平面内における先端部84Bの寸法を取得する動作を開始する。XaYa平面内における先端部84Bの寸法は、先端部84Bにおける寸法Wpx及び寸法Wpyを含む。
制御装置20は、電子部品80を保持しているノズル32のZ軸方向の位置(高さ)を調整して、レーザ認識装置38の検出領域MAにリード84の先端部84Bを配置する(ステップSA2)。
リード84の先端部84Bが検出領域MAに配置されているときのZ軸方向に関する電子部品80の位置(初期位置)は、例えば、駆動装置26の駆動量に基づいて求められる。なお、駆動装置26の駆動量を検出するエンコーダのような検出器が設けられ、その検出器の検出結果に基づいて、Z軸方向に関する電子部品80の初期位置が求められてもよい。なお、電子部品80に照射され、その電子部品80で反射した検出光の検出結果に基づいて、Z軸方向に関する電子部品80の初期位置が光学的に求められてもよい。
先端部84Bにおけるリード84の寸法Wpx及び寸法Wpyを取得する場合、制御装置20は、レーザ認識装置38の検出領域MAに先端部84Bが配置された状態で、射出装置38aからレーザ光を射出する。射出装置38aからのレーザ光の少なくとも一部は、受光装置38bに受光される。また、制御装置20は、先端部84Bが検出領域MAに配置された状態で、駆動装置26を制御してノズル32を作動して、電子部品80をθZ方向に回転する。θZ方向に関する電子部品80の回転においても、射出装置38aからレーザ光が射出され、受光装置38bは、レーザ光の少なくとも一部を受光する。
受光装置38bの受光結果は、制御装置20の寸法導出部20Aに出力される。寸法導出部20Aは、受光装置38bの受光結果に基づいて、先端部84Bにおけるリード84の寸法Wpx及び寸法Wpyを導出する。これにより、先端部84Bにおけるリード84の寸法Wpx及び寸法Wpyが取得される(ステップSA3)。
本実施形態において、制御装置20は、検出領域MAにリード84が配置された状態で、電子部品80をθZ方向に回転して、XZ平面内におけるリード84の複数の外形をレーザ認識装置38で検出する。検出されたリード84の複数の外形のうち、XZ平面内において最も大きい外形の寸法が、寸法Wpxであり、最も小さい外形の寸法が、寸法Wpyである。
先端部84Bにおけるリード84の寸法Wpx及び寸法Wpyが取得された後、制御装置20は、取得した寸法Wpx及び寸法Wpyが予め定められている第1閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップSA4)。
ステップSA4において、寸法Wpx及び寸法Wpyが第1閾値以下であると判定された場合(Noの場合)、制御装置20は、先端部84Bとは別のリード84の検出対象部位が検出領域MAに配置されるように、駆動装置26を制御して、Z軸方向に関する電子部品80の位置を調整する。制御装置20は、先端部84Bと基端部24Aとの間のリード84の一部の部位が検出領域MAに配置されるように、電子部品80を−Z方向に移動する(ステップSA2)。
レーザ認識装置38の検出領域MAにリード84の検出対象部位が配置された状態で、制御装置20は、射出装置38aからレーザ光を射出する。その射出装置38aからのレーザ光の少なくとも一部は、受光装置38bに受光される。また、制御装置20は、先端部84Bが検出領域MAに配置された状態で、駆動装置26を制御してノズル32を作動して、電子部品80をθZ方向に回転する。θZ方向に関する電子部品80の回転においても、射出装置38aからレーザ光が射出され、受光装置38bは、レーザ光の少なくとも一部を受光する。
受光装置38bの受光結果は、制御装置20の寸法導出部20Aに出力される。寸法導出部20Aは、受光装置38bの受光結果に基づいて、その検出対象部位におけるリード84の寸法Wpx及び寸法Wpyを導出する。これにより、その検出対象部位におけるリード84の寸法Wpx及び寸法Wpyが取得される(ステップSA3)。
検出対象部位におけるリード84の寸法Wpx及び寸法Wpyが取得された後、制御装置20は、取得した寸法Wpx及び寸法Wpyが予め定めらえている第1閾値よりも大きいか否かを判定する(ステップSA4)。
制御装置20は、取得した寸法Wpx及び寸法Wpyが第1閾値よりも大きいと判定されるまで、上述の処理を繰り返す。すなわち、制御装置20は、電子部品80を−Z方向に所定量ずつ(例えば0.5mmずつ)移動して、レーザ認識装置38の検出領域MAにリード84の複数の検出対象部位を順次配置するとともに、電子部品80をθZ方向に回転して、それら複数の検出対象部位それぞれの寸法Wpx及び寸法Wpyを、レーザ認識装置38を用いて取得する。
−Z方向に関する電子部品80の移動により、やがて、リード80の基端部84Aが検出領域MAに配置される。基端部84Aが検出領域MAに配置された状態で、射出装置38aからレーザ光が射出されることにより、基端部84Aにおけるリード84の寸法Wpx及び寸法Wpyが取得される。
基端部84Aにおけるリード84の寸法Wpx及び寸法Wpyの取得後、−Z方向に電子部品80が移動され、上述の同様の処理により、XaYa平面内における電子部品80の寸法が取得される。基端部84Aにおけるリード84の寸法Wpx及び寸法Wpyの取得後に取得される寸法は、下面82B近傍におけるXaYa平面内における本体部82の寸法である。XaYa平面内における本体部82の寸法(Wbx、Wby)は、リード84の寸法(Wpx、Wpy)よりも大きい。第1閾値は、XaYa平面内におけるリード84の寸法及び本体部82の寸法を含む電子部品80の設計値情報に基づいて決定されている。
ステップSA4において、制御装置20は、レーザ認識装置38の受光装置38bの受光結果に基づいて取得されたXaYa平面内における電子部品80の寸法が、第1閾値よりも大きいと判定した場合(Yesの場合)、検出領域MAに本体部82が配置されたと判定する。換言すれば、制御装置20は、レーザ認識装置38の受光装置38bの受光結果に基づいて取得されたXaYa平面内における電子部品80の寸法が第1閾値よりも大きいと判定した場合、検出領域MAに本体部82とリード84との境界が配置されたと判定する。
上述のように、リード84の基端部84Bが検出領域MAに配置されているときのZ軸方向に関する電子部品80の位置(初期位置)は、例えば駆動装置26の駆動量に基づいて求めることができる。本体部82とリード84との境界が検出領域MAに配置されているときのZ軸方向に関する電子部品80の位置(境界位置)も、例えば駆動装置26の駆動量に基づいて求めることができる。
制御装置20は、リード84の先端部84Bが検出領域MAに配置されているときのZ軸方向に関する電子部品80の位置(初期位置)と、本体部82とリード84との境界が検出領域MAに配置されているときのZ軸方向に関する電子部品80の位置(境界位置)とに基づいて、リード84の寸法Lpを導出する(ステップSA5)。
寸法Lpは、Z軸方向に関する先端部84Bと基端部84Aとの距離である。したがって、制御装置20の寸法導出部20Aは、リード84の先端部84Bが検出領域MAに配置されているときのZ軸方向に関する電子部品80の初期位置と、本体部82とリード84との境界が検出領域MAに配置されているときのZ軸方向に関する電子部品80の境界位置との差を求めることにより、リード84の寸法Lpを導出することができる。
下面82B近傍における本体部82の寸法Wbx及び寸法Wbyが取得された後、−Z方向に電子部品80が移動され、上述の同様の処理により、XaYa平面内における本体部82の寸法(Wbx、Wby)が取得される。
すなわち、制御装置20は、電子部品80を−Z方向に所定量ずつ(例えば0.5mmずつ)移動して、レーザ認識装置38の検出領域MAに本体部82の複数の検出対象部位を順次配置するとともに、電子部品80をθZ方向に回転して、それら複数の検出対象部位それぞれの寸法Wbx及び寸法Wbyを、レーザ認識装置38を用いて取得する(ステップSA6、ステップSA7)。
本実施形態において、制御装置20は、検出領域MAに本体部82が配置された状態で、電子部品80をθZ方向に回転して、XZ平面内における本体部82の複数の外形をレーザ認識装置38で検出する。検出された本体部82の複数の外形のうち、XZ平面内において最も大きい外形の寸法が、寸法Wbxであり、最も小さい外形の寸法が、寸法Wbyである。
なお、図23に示すように、本体部82が、側面82Cから突出する凸部82Tを有する場合がある。すなわち、XY平面内における本体部82の寸法が、Z軸方向に関して一様でない場合がある。その場合、凸部82Tを含む検出対象部位における寸法Wbxは、凸部82Tを含まない検出対象部位における寸法Wbxよりも大きい。本実施形態において、寸法Wbx(又は寸法Wby)は、本体部82の複数の検出対象部位のそれぞれにおいて取得された寸法Wbx(又は寸法Wby)の最大値である。
Z軸方向に関して複数の検出対象部位のそれぞれにおける寸法Wbx及び寸法Wbyが取得される場合、その寸法Wbxの最大値(最大寸法Wbx)、及び寸法Wbyの最大値(最大寸法Wby)が記憶部44に記憶される(ステップSA8)。また、その最大寸法Wbx(Wby)が取得されたときのZ軸方向に関する電子部品80の位置(最大寸法位置)が記憶部44に記憶される(ステップSA9)。
検出対象部位における本体部82の寸法Wbx及び寸法Wbyが取得された後、制御装置20は、取得した寸法Wbx及び寸法Wbyが予め定めらえている第2閾値よりも小さいか否かを判定する(ステップSA10)。
制御装置20は、取得した寸法Wbx及び寸法Wbyが第2閾値よりも小さいと判定されるまで、上述の処理を繰り返す(ステップSA10、No)。すなわち、制御装置20は、電子部品80を−Z方向に所定量ずつ(例えば0.5mmずつ)移動して、レーザ認識装置38の検出領域MAに本体部82の複数の検出対象部位を順次配置するとともに、電子部品80をθZ方向に回転して、それら複数の検出対象部位それぞれの寸法Wbx及び寸法Wbyを、レーザ認識装置38を用いて検出する。
−Z方向に関する電子部品80の移動により、やがて、上面82A近傍の本体部82の一部の部位が検出領域MAに配置される。制御装置20は、上面82A近傍の本体部82の検出対象部位が検出領域MAに配置された状態で、射出装置38aからレーザ光を射出することによって、上面82A近傍における本体部82の寸法Wbx及び寸法Wbyを取得する。
上面82A近傍における本体部82の寸法Wbx及び寸法Wbyの取得後、−Z方向に電子部品80が移動され、上述の同様の処理により、寸法を取得する動作が行われる。上面82A近傍の本体部82の一部の部位が検出領域MAに配置された後、−Z方向に電子部品80が移動されると、検出領域MAに電子部品80が配置されなくなる。
したがって、制御装置20は、レーザ認識装置38の受光装置38bの受光結果に基づいて取得された寸法が、第2閾値よりも小さいと判定した場合、検出領域MAに電子部品80が配置されていないと判定する。換言すれば、制御装置20は、レーザ認識装置38の受光装置38bの受光結果に基づいて取得された寸法が、第2閾値よりも小さいと判定した場合、検出領域MAから電子部品80が退避したと判定する(ステップSA10、Yes)。
上述のように、リード84の基端部84Aが検出領域MAに配置されているときのZ軸方向に関する電子部品80の位置(初期位置)は、例えば駆動装置26の駆動量に基づいて求めることができる。また、本体部82とリード84との境界が検出領域MAに配置されているときのZ軸方向に関する電子部品80の位置(境界位置)は、例えば駆動装置26の駆動量に基づいて求めることができる。また、検出領域MAから電子部品80が退避したときのZ軸方向に関する電子部品80の位置(終期位置)も、例えば駆動装置26の駆動量に基づいて求めることができる。
制御装置20は、本体部82とリード84との境界が検出領域MAに配置されているときのZ軸方向に関する電子部品80の境界位置と、検出領域MAから電子部品80が退避したときのZ軸方向に関する電子部品80の終期位置とに基づいて、本体部82の寸法Lbを導出する。
また、制御装置20は、リード84の先端部84Bが検出領域MAに配置されているときのZ軸方向に関する電子部品80の初期位置と、検出領域MAから電子部品80が退避したときのZ軸方向に関する電子部品80の終期位置とに基づいて、電子部品80の寸法Ltを導出する(ステップSA11)。
寸法Ltは、Z軸方向に関するリード84の先端部84Bと本体部82の上面82Aとの距離である。したがって、制御装置20は、リード84の先端部84Bが検出領域MAに配置されているときのZ軸方向に関する電子部品80の初期位置と、検出領域MAから電子部品80が退いたときのZ軸方向に関する電子部品80の終期位置との差を求めることにより、電子部品80の寸法Ltを導出することができる。
また、制御装置20は、ステップSA8で記憶したXaYa平面内における本体部82の最大寸法を、XaYa平面内における本体部82の寸法に決定する(ステップSA12)。
制御装置20は、取得した電子部品80についての各寸法(Lp、Lt、Wpx、Wpy、Wbx、Wby)を、記憶部44に記憶する。また、制御装置20は、取得した電子部品80の寸法を表示部42に表示する。これにより、オペレータは、実装される電子部品80についての各寸法を把握することができる。
なお、Z軸方向に関する検出対象部位の間隔(ピッチ)は、目標とされる検出精度(形状検出精度)に基づいて定められてもよい。換言すれば、Z軸方向に電子部品80を移動して、検出領域MAに複数の検出対象部位を順次配置することによって電子部品80の寸法を検出する場合、検出領域MAに対する電子部品80の移動量(シフト量)が、目標とされる検出精度(形状検出精度)に基づいて定められてもよい。例えば、凸部82Tの近傍における本体部82の形状を高精度に求めたい場合、制御装置20は、Z軸方向に関する検出対象部位のピッチを小さくして、レーザ認識装置38による検出を実行する。なお、制御装置20は、例えば検出時間の短縮などを目的として、ピッチを大きくして、レーザ認識装置38による検出を実行してもよい。制御装置20は、電子部品80を保持しているノズル32のZ軸方向の位置(高さ)を調整して、レーザ認識装置38の検出領域MAに配置される検出対象部位を変化させることによって、レーザ認識装置38を用いて、電子部品80の様々な位置(部位)の形状を検出することができる。
次に、上述の電子部品実装装置10を用いて基板8に電子部品80を実装する方法の一例について説明する。図24は、本実施形態に係る電子部品実装装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
制御装置20に生産プログラムが読み込まれる(ステップSB1)。上述のように、生産プログラムは、実装条件に関する情報(レシピ)を含む。また、生産プログラムは、実装対象の基板Pに関する情報(基板データ)、及びその基板Pに実装される電子部品Cに関する情報(部品データ)を含む。
基板8に関する情報は、孔81(開口83)の寸法に関する情報を含む。
電子部品80に関する情報は、電子部品80の寸法及び形状に関する情報を含む。電子部品80の寸法及び形状に関する情報は、リード84の寸法及び形状に関する情報と、本体部82の寸法及び形状に関する情報とを含む。
本実施形態において、生産プログラムに含まれる電子部品80の寸法に関する情報は、電子部品80の設計値情報を含む。設計値情報は、事前に取得可能な事前データである。電子部品80の寸法に関する情報(事前データ)が、生産プログラムとして制御装置20に読み込まれる。
また、生産プログラムは、ノズル32が電子部品80を保持する位置(Z軸方向に関する位置)に関する情報(吸着データ)、基板8において電子部品80が実装される位置に関する情報(搭載データ)、及びレーザ認識装置38で検出される電子部品80の検出対象部位に関する情報を含む。
生産プログラムが読み込まれた後、制御装置20は、装置の状態を検出する(ステップSB2)。装置の状態は、部品供給ユニット14(14f、14r)の構成、及び部品供給ユニット14の電子部品80の種類などを含む。
電子部品実装装置10に、基板8が搬入される(ステップSB3)。基板8が搬入され、電子部品80を実装する位置に基板8が配置された後、制御装置20は、電子部品80を搬入する(ステップSB4)。
制御装置20は、レーザ認識装置38を使った電子部品80の寸法の検出を、電子部品80ごとに行うか否かを判断する(ステップSB5)。
ステップSB5において、電子部品80ごとに寸法の検出を行うと判断された場合(Yesの場合)、制御装置20は、搬入された電子部品80の寸法を、レーザ認識装置38を使って取得する(ステップSB6)。制御装置20は、図20を参照して説明した手順に従って、レーザ認識装置38を使って、電子部品80の寸法(Lp、Lt、Wpx、Wpy、Wbx、Wby)を取得する。
制御装置20は、ステップSB6においてレーザ認識装置38を使って取得した電子部品80の寸法に関する情報と、事前データとして事前に取得されていた電子部品80の寸法に関する情報とを比較する(ステップSB7)。
制御装置20は、ステップSB7において比較した結果に基づいて、ステップSB4において搬入された電子部品80が適正か否かを判断する(ステップSB8)。すなわち、制御装置20は、搬入された電子部品80が不良品であるか否かを判断する。制御装置20は、ステップSB7での検出結果とステップSB1で取得した事前データとを比較することによって、ノズル32に保持されている電子部品80が事前データに一致する寸法及び形状であるかどうか、事前データに対して許容範囲内の寸法及び形状であるかどうか、実装可能な寸法及び形状であるかどうか、リード84が孔81に挿入可能であるかどうかなどを判断する。
電子部品80が適正であるかどうかの判断は、検出した電子部品80の寸法及び形状が許容範囲か否かの判断を含む。検出した電子部品80の寸法及び形状が許容範囲か否かの判断は、複数のリード84の最外形状の寸法Wpx(複数のリード84のうち最も−X側に配置されるリード84と最も+X側に配置されるリード84との間隔)が許容範囲に含まれるかを判断すること、及び複数のリード84の最外形状の寸法Wpy(複数のリード84のうち最も−Y側に配置されるリード84と最も+Y側に配置されるリード84との間隔)が許容範囲に含まれるかを判断することを含む。また、検出したリード84の最外形状と、リード84を挿入する基板8の孔81とを比較し、リード84の最外形状の間隔が孔81の間隔の許容範囲内であるかを判断してもよい。
また、電子部品80が適正であるかどうかの判断は、検出した電子部品80が、実装する電子部品80と一致するか否かの判断を含む。例えば、本体部82及びリード84の少なくとも一方の寸法及び形状の特徴点に基づいて、ノズル32が保持している電子部品80が、実装対象の電子部品80であるかを判断してもよい。本体部82の寸法及び形状の特徴点は、凸部82Tの位置、寸法、及び数の少なくとも一つを含む。リード84の寸法及び形状の特徴点は、例えばリード84の数、リード84間の間隔、長さ、径、及び形状の少なくとも一つを含む。
また、制御装置20は、検出結果と事前データとを比較した結果、電子部品80が実装可能な状態でノズル32に保持されているかどうかを判断してもよい。
なお、ステップSB5において、電子部品80ごとに寸法及び形状の検出を行わないと判断された場合(Noの場合)、制御装置20は、ステップSB1で事前に取得した電子部品80の寸法及び形状に関する情報に基づいて、ステップSB8以降の処理を行う。
ステップSB8において、電子部品80が適正でない(不良品である)と判断された場合(Noの場合)、制御装置20は、そのノズル32に保持されている電子部品80を廃棄する(ステップSB9)。
制御装置20は、部品貯留部19と対向する位置にノズル32を移動し、そのノズル32に保持されている電子部品80を部品貯留部19に投入する。電子部品80が廃棄された後、新たな電子部品80が搬入される(ステップSB4)。
新たな電子部品80は、廃棄された電子部品80と同一種類の電子部品80であり、基板8の同一搭載位置(実装位置)に実装する処理を再び実行する。
ステップSB8において、電子部品80が適正であると判定された場合(Yesの場合)、制御装置20は、そのノズル32に保持されている電子部品80の実装を行う(ステップSB10)。
制御装置20の制御部20Cは、ステップSB6において寸法導出部20Aが導出した電子部品80の寸法に基づいて、実装ヘッド15を制御する。
制御部20Cは、適正であると判定された電子部品80のリード84の寸法Lpに基づいて、そのリード84を開口83に挿入する実装ヘッド15の動作を制御する。
また、制御部20Cは、適正であると判定された電子部品80の本体部82の寸法Wbx及び寸法Wbyに基づいて、複数のノズル32のうち、同時に電子部品80を保持するノズル32を選択し決定する。例えば、電子部品80の本体部82の寸法Wbx及び寸法Wbyが小さい場合、制御部20Cは、全部のノズル32が電子部品80を同時に保持するように、電子部品80を保持するノズル32を決定する。制御部20Cは、それらノズル32で保持された複数の電子部品80を基板8に同時に実装する。
一方、電子部品80の本体部82の寸法Wbx及び寸法Wbyが大きい場合、制御部20Cは、電子部品80を保持するノズル32と、電子部品80を保持しないノズル32とが交互に配置されるように、電子部品32を保持するノズル32を決定する。制御部20Cは、それらノズル32で保持された複数の電子部品80を基板8に同時に実装する。
電子部品80の実装が完了した後、制御装置20は、基板8を搬出する(ステップSB11)。基板8が搬出された後、制御装置20は、生産終了かを判定する(ステップSB12)。
ステップSB12において、生産終了ではないと判定された場合(Noの場合)、電子部品実装装置10は、ステップSB3に進み、ステップSB3からステップSB11までの処理を実行する。つまり、制御装置20は、生産プログラムに基づいて、基板8に電子部品80を実装する処理を実行する。
ステップSB12において、生産終了であると判断された場合(Yesの場合)、本処理が終了する。
以上のようにして、制御装置20は、生産プログラムを読み込み、各種設定を行った後、基板8に電子部品80を実装することで、電子部品80が実装された基板8を製造する。
以上説明したように、本実施形態によれば、電子部品80の寸法として、本体部82の下面82Bと直交するZa軸方向に関するリード82の寸法Lp、Za軸方向に関する電子部品80の寸法Lt、XaYa平面内のXa軸方向に関するリード82の寸法Wpx、Xa軸方向に関する本体部82の寸法Wbx、XaYa平面内のYa軸方向に関するリード84の寸法Wpy、及びYa軸方向に関する本体部82の寸法Wbyを導出するようにしたので、電子部品80の大きさ及び形状が変化しても、それら大きさ及び形状が異なる電子部品80を基板8に円滑に実装することができる。
例えば、制御装置20が生産ブログラム(電子部品80の設計値情報)に従って実装ヘッド15を制御する場合、生産プログラムに含まれるリード84のZa軸方向の寸法(設計値情報)が、実際の寸法Lpよりも大きいと、基板8の孔81にリード84が過剰に押し込まれる可能性がある。リード84が過剰に押し込まれると、電子部品80が基板8から跳ね返される現象(所謂、部品跳ね現象)が発生する可能性が高くなる。その結果、電子部品80が基板8に円滑に実装されない可能性がある。
一方、生産プログラムに含まれるリード84のZa軸方向の寸法(設計値情報)が、実際の寸法Lpよりも小さいと、基板8の孔81にリード84が十分に挿入されない可能性がある。リード84が十分に挿入されないと、電子部品80が基板8から離れてしまう現象(所謂、部品浮き現象)が発生する可能性が高くなる。この場合においても、電子部品80が基板8に円滑に実装されない可能性がある。
また、XaYa平面内における本体部82の寸法(Wbx、Wby)が小さい場合、隣接する複数のノズル32のそれぞれが電子部品80を同時に保持しても、電子部品80同士が干渉することが抑制される。そのため、効率良い実装処理の実施のために、本体部82の寸法Wbx及び寸法Wbyが小さい場合、隣接する複数のノズル32のそれぞれが電子部品80を同時に保持して実装することが好ましい。一方、XaYa平面内における本体部82の寸法(Wbx、Wby)が大きい場合、隣接する複数のノズル32のそれぞれが電子部品80を同時に保持すると、電子部品80同士が干渉する可能性がある。そこで、本体部82の寸法Wbx及びWbyが大きい場合、電子部品80を保持するノズル32の隣のノズル32で電子部品80を保持しないことが好ましい。換言すれば、電子部品80を保持するノズル32が間引かれることが好ましい。こうすることにより、電子部品80同士の干渉が抑制され、安定した実装処理が実施される。
生産プログラムに含まれるXaYa平面内における本体部82の寸法(設計値情報)が、実際の寸法よりも大きいと、本来ならば電子部品80を保持するノズル32を間引く必要がないにもかかわらず、電子部品80を保持するノズル32が間引かれるように実装ヘッド15が制御されてしまう。その結果、実装処理の効率が低下する可能性がある。
一方、生産プログラムに含まれるXaYa平面内における本体部82の寸法(設計値情報)が、実際の寸法よりも小さいと、本来ならば電子部品80を保持するノズル32を間引く必要があるにもかかわらず、電子部品80を保持するノズル32が間引かれないように実装ヘッド15が制御されてしまう。その結果、隣接する電子部品80同士が干渉してしまう可能性がある。
本実施形態によれば、基板8に実装される直前に、ノズル32に保持された電子部品80の寸法をレーザ認識装置38で導出し、その導出した寸法に基づいて、実装ヘッド15が制御されるようにしたので、電子部品80(本体部82、リード84)の大きさ及び形状が変化しても、それら大きさ及び形状が異なる電子部品80を基板8に円滑に実装することができる。
例えば、リード84の寸法Lpがレーザ認識装置38を使って正確に導出されるので、その導出された寸法Lpに基づいて実装ヘッド15が制御されることにより、基板8の孔81にリード84が過剰に押し込まれること、及び十分に挿入されないことが抑制される。
また、本体部82の寸法Wbx及び寸法Wbyがレーザ認識装置38を使って正確に導出されるので、その導出された寸法Wbx及び寸法Wbyに基づいて実装ヘッド15が制御されることにより、電子部品80を保持するノズル32を適切に選択して、効率良い実装処理を実施することができる。
また、本実施形態によれば、図24のステップSB7、SB8などを参照して説明したように、電子部品80の寸法(Lp、Lt、Wpx、Wpy、Wbx、Wby)と事前データとが比較され、その比較結果に基づいて、電子部品80が適正か否か(不良品か否か)が判定される。本実施形態によれば、判定に使用されるパラメータが、6つ(Lp、Lt、Wpx、Wpy、Wbx、Wby)もあるため、判定精度が向上する。したがって、適正な電子部品80を基板8に実装し、不適正な電子部品80を廃棄することができる。
また、本実施形態においては、射出装置38aからY軸方向(+Y方向)に進行するようにレーザ光が射出され、そのレーザ光によってX軸方向に長い照射領域(検出領域)MAが形成される。そのレーザ光の光路において、電子部品80をZ軸方向及びθZ方向のそれぞれに移動するようにしたので、そのレーザ光の受光結果に基づいて、電子部品80の寸法及び形状を正確に求めることができる。
なお、本実施形態において、電子部品実装装置10は、異種の電子部品80を基板8に実装可能である。図25は、本実施形態に係る電子部品80Bの一例を示す正面図である。図26は、本実施形態に係る電子部品80Bの一例を下側から見た平面図である。
図25及び図26に示すように、電子部品80Bは、本体部82と、本体部82の下面82Bから突出するリード84とを有する。ノズル32は、本体部82を保持する。リード84が基板8の表面8Aに設けられた開口83に挿入されることによって、電子部品80Bが基板8に実装される。
本体部82は、上面82Aと、上面82Aの反対方向を向く下面82Bと、上面82Aと下面82Bとを結ぶ側面82Cとを有する。下面82Bは、XaYa平面と平行である。リード84は、下面82Bと結ばれる基端部84Aと、基端部84Aとは反対側の端部である先端部84Bとを有する。リード84は、下面82Bから−Za方向に突出するように配置される。
電子部品80Bは、リード84を複数有する。本実施形態において、リード84は、Xa軸方向に2本配置され、Ya軸方向に1本配置される。複数(2本)のリードのそれぞれが、基端部84A及び先端部84Bを有する。
図25に示すように、電子部品80Bにおいて、Za軸方向に関するリード84の寸法は、Lpである。Za軸方向に関する本体部82の寸法は、Lbである。Za軸方向に関する電子部品80の寸法は、Ltである。寸法Ltは、寸法Lpと寸法Lbとの和である。
図26に示すように、電子部品80において、Xa軸方向に関するリード84の寸法は、Wpxである。Ya軸方向に関する本体部82の寸法は、Wbyである。Xa軸方向に関するリード84の寸法は、Wpxである。Ya軸方向に関する本体部82の寸法は、Wbyである。本実施形態において、Xa軸方向に関するリード84の寸法Wpxは、Xa軸方向に配置された複数(2本)のリード84のうち、最も+Xa側のリード84の+Xa側の端部と、最も−Xa側のリード84の−Xa側の端部との距離である。本実施形態において、Ya軸方向に関するリード84の寸法Wpyは、Ya軸方向に関する1本のリード84の寸法である。
図25及び図26に示す電子部品80Bにおいても、上述の実施形態に従って、電子部品80Bの寸法(Lp、Lt、Wpx、Wpy、Wbx、Wby)を導出することができる。その導出した電子部品80Bの寸法に基づいて、実装ヘッド15が制御されることにより、その電子部品80Bを基板8に円滑に実装することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
図27は、本実施形態に係る電子部品80Cの一例を示す正面図である。図28は、本実施形態に係る電子部品80Cの一例を下側から見た平面図である。
図27及び図28に示すように、電子部品80Cは、本体部82と、本体部82の下面82Bから突出するリード84とを有する。ノズル32は、本体部82を保持する。リード84が基板8の表面8Aに設けられた開口83に挿入されることによって、電子部品80Cが基板8に実装される。
本体部82は、上面82Aと、上面82Aの反対方向を向く下面82Bと、上面82Aと下面82Bとを結ぶ側面82Cとを有する。下面82Bは、XaYa平面と平行である。リード84は、下面82Bと結ばれる基端部84Aと、基端部84Aとは反対側の端部である先端部84Bとを有する。リード84は、下面82Bから−Za方向に突出するように配置される。
電子部品80Cは、リード84を複数有する。本実施形態において、リード84は、4本配置される。2本のリード84によって、リード84の第1グループ841が形成される。2本のリード84によって、リード84の第2グループ842が形成される。複数(2本)のリード84のそれぞれが、基端部84A及び先端部84Bを有する。
第1グループ841は、Xa軸方向に配置された2本のリード84を含む。第2グループ842は、Xa軸方向に配置された2本のリード84を含む。第1グループ841のリード84の間隙の寸法と、第2グループ842のリード84の間隙の寸法とは異なる。また、Ya軸方向に関して、第1グループ841のリード84の位置と、第2グループ842のリード84の位置とは異なる。
すなわち、本実施形態に係る電子部品80Cにおいて、4本のリード84を結ぶことによって得られるXaYa平面内における図形は、不等辺四角形である。不等辺四角形とは、全ての辺の長さが異なる四角形である。図27及び図28に示したように、複数のリード84を結ぶことによって得られるXaYa平面内における図形が不等辺多角形になる電子部品80Cは、異形部品(異形コネクタ)80C、と呼ばれる場合がある。
図27に示すように、電子部品80Cにおいて、Za軸方向に関するリード84の寸法は、Lpである。Z軸方向に関する本体部82の寸法は、Lbである。Z軸方向に関する電子部品80の寸法は、Ltである。寸法Ltは、寸法Lpと寸法Lbとの和である。
図28に示すように、電子部品80Cにおいて、Xa軸方向に関するリード84の寸法は、Wpxである。Xa軸方向に関する本体部82の寸法は、Wbxである。Ya軸方向に関するリード84の寸法は、Wpyである。Ya軸方向に関する本体部82の寸法は、Wbyである。本実施形態において、Xa軸方向に関するリード84の寸法Wpxは、複数(4本)のリード84のうち、最も+Xa側のリード84の+Xa側の端部と、最も−Xa側のリード84の−Xa側の端部との距離である。本実施形態において、Ya軸方向に関するリード84の寸法Wpyは、複数(4本)のリード84のうち、最も+Ya側のリード84の+Ya側の端部と、最も−Ya側のリード84の−Ya側の端部との距離である。
図28に示すように、第1グループ841のリード84とリード84とを結ぶラインLg1は、Xa軸と平行である。第1グループ841のリード84と第2グループ842のリード84とを結ぶラインLcは、Xa軸と交差する。ラインLg1とラインLcとがなす角度は、θaである。
図29は、本実施形態に係るレーザ認識装置38及び制御装置20を含む制御システムの機能ブロック図である。図29に示すように、制御装置20は、受光装置38bの受光結果に基づいて、電子部品80の寸法(Lp、Lt、Wpx、Wpy、Wbx、Wby)を導出する寸法導出部20Aと、受光装置38bの受光結果に基づいて、XY平面内の基準線に対する回転方向(θZ方向)の本体部82の角度θを導出する角度導出部20Bと、寸法導出部20Aが導出した寸法及び角度導出部20Bが導出した角度θに基づいて、実装ヘッド15を制御する制御部20Cとを有する。
図30は、本実施形態に係る電子部品80の寸法の導出動作の一例を示すフローチャートである。なお、本実施形態においても、図20を参照して説明したステップSA1からステップSA12の処理が実施される。図30には、ステップSA12の後に実施される処理について説明する。
上述の実施形態に従って、ステップSA1からステップSA12の処理が実施される。ステップSA1からステップSA12の処理により、電子部品80Cの寸法(Lp、Lt、Wpx、Wpy、Wbx、Wby)が取得される(ステップSC0)。
制御装置20は、駆動装置26を制御して、XaYa平面内(XY平面内)における最大寸法が取得されたときのZ軸方向に関する位置(最大寸法位置)に、ノズル32に保持されている電子部品80Cを移動する(ステップSC1)。すなわち、検出領域MAが最大寸法を有する本体部82の部位に配置されるように、Z軸方向に関する電子部品80Cの位置が調整される。
制御装置20は、電子部品80Cが最大寸法位置に配置されている状態で、射出装置38aからレーザ光を射出する。射出装置38aから射出されたレーザ光の少なくとも一部は、受光装置38bに受光される。受光装置38bの受光結果は、制御装置20の角度導出部20Bに出力される。
図31は、最大寸法位置に配置されている電子部品80Cを下側から見た図である。図32は、最大寸法位置に配置されている電子部品80Cの一例を示す側面図である。射出装置38aから射出されたレーザ光は、+Y方向に進行し、受光装置38bに受光される。図32に示すように、レーザ光の照射領域(検出領域)MAは、X軸方向に長い。なお、図31及び図32において、レーザ認識装置38の射出装置38a及び受光装置38bの図示は省略する。
図31に示すように、レーザ認識装置38において基準線Lrが定められる。基準線Lrは、XY平面内に規定される。本実施形態において、基準線Lrは、レーザ光の進行方向と平行である。すなわち、基準線Lrは、Y軸と平行である。
図31に示すように、回転方向(θZ方向)に関して、基準線Lrと本体部82とのなす角度はθである。角度θは、XY平面内において、+Ya方向を向く本体部82の側面82Cと基準線Lrとがなす角度である。以下の説明において、図31に示した、θZ方向に関する本体部82の位置を適宜、回転方向初期位置、と称する。
制御装置20は、電子部品80Cが最大寸法位置に配置されている状態で、射出装置38aからレーザ光を射出しながら、駆動装置26を制御して、ノズル32に保持されている電子部品80をθZ方向に回転させる。制御装置20は、+Ya方向を向く本体部82の側面82Cと基準線Lrとが平行となるように(一致するように)、電子部品80をθZ方向に回転する。射出装置38aから射出されたレーザ光の少なくとも一部は、受光装置38bに受光される。受光装置38bの受光結果は、制御装置20の角度導出部20Bに出力される。
+Ya方向を向く本体部82の側面82Cと基準線Lrとが平行となった場合、角度θは、零度である。以下の説明において、角度θが零度となる本体部82の位置を適宜、回転方向補正位置、と称する。
すなわち、本実施形態においては、本体部82(電子部品80)が回転方向初期位置に配置された状態で、射出装置38aからレーザ光が射出され、そのレーザ光の少なくとも一部が受光装置38bに受光される。また、本体部82(電子部品80)が回転方向補正位置に配置された状態で、射出装置38aからレーザ光が射出され、そのレーザ光の少なくとも一部が受光装置38bに受光される。
回転方向初期位置における受光装置38bの受光結果、及び回転方向補正位置における受光装置38bの受光結果は、制御装置20の角度導出部20Bに出力される。また、回転方向初期位置から回転方向補正位置に本体部82を回転させたときのノズル32の回転量に関する情報も、角度導出部20Bに出力される。ノズル32の回転量に関する情報は、θZ方向に関する駆動装置26の駆動量に基づく情報でもよいし、ノズル32の回転量を検出可能なエンコーダのような検出器の検出結果に基づく情報でもよい。
角度導出部20Bは、受光装置38bの受光結果に基づいて、本体部82が回転方向補正位置に配置されたか否かを判定することができる。本体部82が回転方向補正位置に配置された場合(角度θが零度になった場合)、XZ平面内における本体部82の外形の寸法は最小となる。XZ平面内における本体部82の外形と、受光装置38bに受光されるレーザ光の受光領域又は非受光領域とは対応する。したがって、角度導出部20Bは、受光装置38bの受光結果に基づいて、本体部82が回転方向補正位置に配置されたか否かを判定することができる。
角度検出部20Bは、回転方向初期位置における受光装置38bの受光結果と、回転方向補正位置における受光装置38bの受光結果と、回転方向初期位置から回転方向補正位置に本体部82を回転させたときのノズル32の回転量に関する情報とに基づいて、XY平面内の基準線Lrに対する本体部82の角度θを導出する(ステップSC2)。
次に、制御装置20は、駆動装置26を制御して、電子部品80を+Z方向に移動し、リード84を検出領域MAに配置する(ステップSC3)。
図33は、リード84が検出領域MAに配置されている電子部品80Cを下側から見た図である。図34は、リード84が検出領域MAに配置されている電子部品80Cの一例を示す側面図である。
上述のように、本体部82が回転方向補正位置に配置されるように、θZ方向に関する電子部品80の位置が調整されている。そのため、θZ方向に関する位置が固定された状態で、電子部品80CがZ軸方向に移動されることにより、図33に示すように、XY平面内において+Ya方向を向く側面82Cと基準線Lrとが一致した状態で、検出領域MAにリード84が配置される。
また、本体部82が回転方向補正位置に配置されることにより、ラインLg1は、Y軸(基準線Lr)と平行になる。これにより、ラインLg1とラインLcとがなす角度θaは、ラインLrとラインLcとがなす角度と一致する。
制御装置20は、射出装置38aからレーザ光を射出する。射出装置38aから射出されたレーザ光の少なくとも一部は、リード84に照射される。射出装置38aから射出されたレーザ光の少なくとも一部は、受光装置38bに受光される。
本体部82が回転方向補正位置に配置された状態で、リード84にレーザ光を照射することにより、寸法導出部20Aは、リード84の寸法Wpyをより正確に導出することができる。
角度導出部20Bは、導出した角度θを記憶部44に記憶する(ステップSC4)。また、導出した角度θは、生産プログラム(搭載データ)に反映される。
制御部20Cは、寸法導出部20Aが導出した電子部品80Cの寸法(Lp、Lt、Wpx、Wpy、Wbx、Wby)、及び角度導出部20Bが導出した角度θに基づいて、実装ヘッド15を制御する。本実施形態においては、θZ方向に関する電子部品80の角度ずれ量に相当する角度θが求められるため、その角度θに基づいて実装ヘッド15を制御することにより、θZ方向に関して電子部品80をより正しい位置に配置した状態で、その電子部品80を基板8に実装することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、異形コネクタと呼ばれる電子部品80Cを実装する場合において、XY平面内の基準線Lrに対するθZ方向の本体部82の角度θを導出するようにしたので、その角度θに基づいて、θZ方向に関して適切な位置に配置されるように、θZ方向に関する電子部品80の位置を調整することによって、その電子部品80Cをより円滑に基板8に実装することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態について説明する。本実施形態においては、図35及び図36を参照して、上述した電子部品実装装置10を用いた電子部品実装システム(実装システム)の一例について説明する。図35は、電子部品実装システムの概略構成を示す模式図である。図35に示す電子部品実装システム(以下「実装システム」ともいう。)1は、パターン形成装置2と、リフロー処理装置4と、搬送装置6及び搬送装置7と、電子部品実装装置10と、を有する。実装システム1は、パターン形成装置2、搬送装置6、電子部品実装装置10、搬送装置7、リフロー処理装置4となる順序で基板8が搬送されるように各部が配置されている。
パターン形成装置2は、基板8の表面8Aに半田ペーストのパターンを形成し、基板8の孔81に半田ペーストを充填する装置である。リフロー装置4は、基板8を所定温度に加熱し、基板8の半田ペーストを一時的に溶かすことで、半田ペーストに接している基板8と電子部品80とを接着させる。つまり、リフロー装置4は、基板8の表面8Aに形成された半田ペーストのパターン上に実装された搭載型電子部品と基板8とをパターンの半田ペーストで接着させ、孔81に挿入されたリード型電子部品のリード84を孔81に充填された半田ペーストで接着させる。
搬送装置6及び搬送装置7は、基板8を搬送する装置である。搬送装置6は、パターン形成装置2で処理され搬出された基板8を電子部品実装装置10に搬入する。搬送装置7は、電子部品実装装置10で処理され搬出された基板8をリフロー処理装置4に搬入する。
電子部品実装装置10は、基板8に電子部品80を実装する。電子部品実装装置10は、電子部品80として、リード型電子部品を実装する。電子部品実装装置10は、電子部品80として、リード型電子部品及び搭載型電子部品の両方を実装可能である。
図36は、電子部品実装システムの動作の一例を示すフローチャートである。実装システム1は、ステップS960として基板8に半田ペーストを印刷する。つまり、実装システム1は、ステップS960としてパターン形成装置2で、基板8の表面8Aに半田ペーストのパターンを形成し、孔81に半田ペーストを充填させる。実装システム1は、ステップS960で基板に半田ペーストを印刷した後、搬送装置6で基板8を電子部品実装装置10に搬入し、ステップS962として、電子部品実装装置10で基板8にリード型電子部品及び搭載型電子部品を実装する。実装システム1は、ステップS962で基板8に電子部品80を実装した後、搬送装置7で電子部品80が実装された基板8をリフロー処理装置4に搬入し、ステップS964として、リフロー処理を実行し、本処理を終了する。
このように、実装システム1は、電子部品実装装置10でリード型電子部品及び搭載型電子部品を実装することで、リード型電子部品及び搭載型電子部品の両方を1回のフロー処理で基板8に固定することができる。これにより、実装システム1は、製造ラインの構成を簡単にすることができる。