JP6485330B2 - モータ制御装置 - Google Patents

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Description

ここに開示される技術は、ステータコイルに印加する基本波電圧に高調波電圧を重畳してモータ騒音を抑制するモータ制御装置に関する。
従来技術として、例えば、下記特許文献1に開示された制御装置がある。この制御装置は、高調波電流を基本波電流に重畳してステータコイルに流し、ロータに作用する電磁気力変動を抑制することで、モータが発生する騒音を低減するようになっている。
特開2015−128368号公報
しかしながら、上記従来技術の制御装置では、モータ騒音を充分に低減できない場合があるという問題がある。本発明者らは、この問題点に関して鋭意検討を行ない、ロータの回転に伴いロータの固有振動特性が変化することが原因であることを見出した。ロータは回転すると遠心力により歪み、ロータの剛性が変化する場合がある。このロータの剛性変化は、ロータの固有振動特性を変える。本発明者らは、ロータの回転時の固有振動特性が静止時の固有振動特性とは異なるにも係らず、静止時の固有振動特性に基づいて高調波を基本波に重畳するために、モータ騒音を充分に低減できない場合があることを見出した。
ここに開示される技術は、上記点に鑑みてなされたものであり、モータ騒音を確実に低減することが可能なモータ制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、開示されるモータ制御装置では、
目標回転数に応じて基本波電圧の指令値である基本波指令値を生成する基本波生成部(51)と、
ロータ(14)の回転状態における固有振動特性を回転時振動特性として予め記憶する特性記憶部(54)と、
ロータの回転位置及びロータ回転数を検出する回転状態検出部(52、53)と、
回転状態検出部が検出するロータの回転位置及びロータ回転数と、特性記憶部が記憶する回転時振動特性とに基づいて、基本波生成部が生成する基本波指令値に重畳する高調波電圧の指令値である重畳波指令値を生成する重畳波生成部(55)と、を備える。
これによると、基本波生成部が生成する基本波指令値に重畳する高調波電圧の指令値である重畳波指令値を重畳波生成部が生成する際に、特性記憶部が記憶するロータの回転状態における固有振動特性である回転時振動特性を用いる。したがって、重畳波生成部が生成する重畳波指令値は、ロータ静止時の固有振動特性ではなく、ロータ回転時の固有振動特性を反映したものとなる。これにより、ロータ回転時にロータの振動により発生するモータ騒音を確実に低減することができる。
なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、開示技術の範囲を限定するものではない。
第1実施形態に係るモータ制御システムの全体構成図である。 第1実施形態に係るモータの断面図である。 第1実施形態に係るロータのアクセレランスの周波数特性を示すグラフである。 第1実施形態に係るロータのアクセレランスの回転数特性を示すグラフである。 第1実施形態に係るロータのアクセレランスの回転数特性をdB値に変換したグラフである。 第1実施形態に係る重畳高調波電圧の振幅補正係数の回転数特性を示すグラフである。 第1実施形態に係るモータ制御装置の騒音低減効果を説明するグラフである。 比較例のモータ制御装置の騒音低減効果を説明するグラフである。 他の実施形態に係るモータの断面図である。 他の実施形態に係るロータのアクセレランスの周波数特性を示すグラフである。 他の実施形態に係る重畳高調波電圧の振幅補正係数の回転数特性を示すグラフである。 重畳高調波電圧の振幅補正係数の回転数特性の一例を示すグラフである。 重畳高調波電圧の振幅補正係数の回転数特性の他の一例を示すグラフである。 他の実施形態に係るモータ制御装置の騒音低減効果を説明するグラフである。 他の実施形態に係るモータの断面図である。 他の実施形態に係るモータの他の断面図である。
以下に、図面を参照しながら開示技術を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
開示技術を適用した第1実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のモータ制御装置は、車両用空調装置のブロワ用のモータ10を駆動制御するためのものである。モータ10は、負荷としてのファン19を回転駆動する。ファン19は、車両の室内に搭載された送風ダクト内に設けられた遠心式ファンである。ファン19は、回転することにより、送風ダクト内に車室内へ吹き出す空調風の流れを形成する。ファン19には、スクロールケーシング内に配設されたシロッコファンを採用することができる。ファン19は、ターボファンであってもかまわない。
本実施形態では、モータ10として、永久磁石同期モータを用いている。モータ10は、車両用空調装置の送風ダクトに取り付けられている。モータ10は、永久磁石を有するロータと、ステータコイルを有するステータとを備える。モータ10は、例えば、永久磁石を有するロータを回転駆動する3相のステータコイルを有する同期モータである。モータ10のステータとしては、ステータコイルを集中巻きしたものを用いてもよいし、ステータコイルを分布巻きしたものを用いてもよい。
図2に示すように、本実施形態では、モータ10として、アウタロータ型のモータを採用する。図2は、モータ10の軸方向と直交する面でモータ10を切断した横断面図を示している。図2は、モータ10のロータ14回転軸線と直交する断面を示す断面図である。図2において、断面を表示するハッチングは省略している。
モータ10は、1つのステータ12と、ステータ12に対して回転可能に配置されたロータ14とを備えている。ロータ14は中空形状に形成され、円環状をなしている。ロータ14は、ロータ14及びステータ12の径方向において、ステータ12の外側にステータ12に対してギャップを有して配置されている。ステータ12は、ロータ14の径方向における内方であるロータ14の内側に配置されている。
ロータ14は、複数の永久磁石14aと、これら永久磁石14aを連結する軟磁性体からなるバックヨーク14bとを備えている。本例では、ロータ14が10個の永久磁石14aを備えている。永久磁石14aのそれぞれは、互いに同一形状をなしており、1つの磁極を構成している。永久磁石14aは、ロータ14の径方向に着磁されている。ロータ14の周方向において隣り合う永久磁石14aの極性は、互いに異なる。すなわち、ロータ14は、周方向においてS極とN極とが交互に配置されている。図2において、永久磁石14aに記載されている矢印の矢先の部分はN極を示している。
ステータ12は、例えば12個のティース12aを備えている。これにより、ステータ12には、12個のスロット12bが形成されている。12個のティース12aは、スロット12bを介してステータ12の周方向に等ピッチで配列されている。以上述べたように、本例では、極対数が「5」で、スロット数が「12」のモータ10を採用している。
図1に示す直流電源30は、例えばバッテリからなる直流電圧の供給源である。直流電源30からインバータ回路20へは、一対の母線40を介して電力供給が行なわれる。インバータ回路20は、モータ10のステータコイルに対応したU相、V相、W相の3相分のアームからなり、母線40を介して入力された直流電圧をパルス幅変調により交流に変換して出力するものである。以下、パルス幅変調を単にPWMと呼ぶことがある。
U相アームは、スイッチング素子と還流用のダイオードとを逆並列接続した図示上方の上アームと、同じくスイッチング素子とダイオードとを逆並列接続した図示下方の下アームとを直列接続して構成されている。U相アームは、上アームと下アームとの接続部から延出した出力線25がステータコイルに接続されている。V相アーム及びW相アームも、スイッチング素子とダイオードとにより同様に構成され、上アームと下アームとの接続部から延出した出力線25がステータコイルに接続されている。
インバータ回路20からの出力線25のそれぞれは、例えば、各相のステータコイルの一端に接続されている。各相のステータコイルの他端は、これらが中性点で接続されることにより、3相のステータコイルはスター結線されている。
スイッチング素子には、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の素子を用いることができる。また、スイッチング素子とダイオードとからなるアームを、例えば、IGBTと逆導通用ダイオードとを1チップに集積したパワー半導体であるRCIGBT(Reverse Conducting
Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング素子としてもかまわない。
モータ10は、ロータ14の位置を検出する位置センサ18を備えている。位置センサ18は、ステータ12に対するロータ14の回転位置を検出する。位置センサ18には、ホール素子を用いることができる。位置センサとしてエンコーダやレゾルバを用いてもかまわない。
モータ制御装置50は、インバータ回路20の各スイッチング素子のスイッチング動作制御を行ってモータ10の駆動を制御する。モータ制御装置50は、位置センサ18が検出するロータ位置信号等を入力し、これに基づいて、スイッチング信号を生成して、インバータ回路20へ出力する。インバータ回路20から出力線25を介して電圧が入力されるステータコイルと、永久磁石14aとの相互作用によって、ロータ14がステータ12に対して回転駆動する。
モータ制御装置50は、ハードウェアとしては、例えばCPU、ROMおよびRAM等を含むマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。モータ制御装置50は、制御処理機能部として、基本波指令生成部51、ロータ位置検出部52、ロータ回転数算出部53、振動特性記憶部54、重畳波指令生成部55及び信号出力部56を有している。
ロータ位置検出部52は、位置センサ18からロータ位置信号を入力して、ロータ14の回転角を位置情報として検出する。ロータ回転数算出部53は、ロータ位置検出部52が検出したロータ14の位置情報に基づいて、ロータ14の実回転数Nを算出する。ロータ位置検出部52及びロータ回転数算出部53は、本実施形態において、ロータ回転位置及びロータ回転数を検出する回転状態検出部に相当する。
基本波指令生成部51は、上位制御装置である空調制御装置60からの回転数指令を入力し、回転数指令値をモータ10の目標回転数とする。基本波指令生成部51は、この目標回転数と、ロータ位置検出部52が検出したロータ14の位置情報及びロータ回転数算出部53が算出したロータ回転数とに基づいて、モータ10のステータコイルの各相へ印加する基本波電圧の指令値を生成する。基本波指令生成部51は、ロータ14の回転状態を例えばPI制御でフィードバック制御する基本波電圧指令値を生成する。基本波指令生成部51は、モータ10の目標回転数に対応した交流電圧を基本波電圧とする指令値を生成する。
基本波指令生成部51は、目標回転数でモータ10を回転するためにステータコイルに印加すべき印加交流電圧波形情報を生成し、信号出力部56へ出力する。基本波指令生成部51は、例えば、各相への印加交流電圧の周波数、振幅及び位相を印加電圧波形情報として生成し、信号出力部56へ出力する。基本波指令生成部51は、基本波電圧の指令値である基本波指令を生成する基本波生成部に相当する。
振動特性記憶部54は、ロータ14の回転状態における固有振動特性を回転時振動特性として予め記憶している。ロータ14の回転時振動特性は、例えば有限要素法等の構造解析法により提供される。ロータ14の回転時振動特性は、例えば、CAE(Computer Aided Engineering)解析により得ることができる。CAEでの固有値解析により、ロータ14が回転してロータ14に応力がかかっている状態における固有振動数が提供される。CAEでの固有値解析では、例えば共振を誘引し易い円環2次モードの固有振動数を求める。ここで、円環2次モードとは、原形状に対して、互いにπだけ離間した2箇所が径方向に伸縮する振動変形モードである。
ロータ14の回転時振動特性は、例えば、図3に実線で示す、ロータ14のアクセレランスの周波数特性としてROMに格納されている。アクセレランスは、ロータ14を加振した際の加速度/加振力である。図3に示すように、実線で示した回転時振動特性は、破線で示したロータ静止状態の振動特性である静止時振動特性とは異なる。ロータ14は、回転すると遠心力により僅かではあるが歪む。この歪に起因して、回転状態におけるロータ14の剛性は、静止状態におけるロータ14の剛性とは異なるものとなる。このロータ14の剛性変化は、ロータの固有振動特性を変える。
本発明者らは、ロータ14の回転時振動特性及び静止時振動特性を解析し、回転時振動特性が静止時振動特性とは異なることを見出した。本発明者らは、図2に示すように、ロータ14の永久磁石14aが回転軸線を挟んで互いに対称に配置される場合には、図3に示すように、回転時振動特性は、静止時振動特性に対して、極大値を高周波数側にシフトするように変化することを明らかにした。
振動特性記憶部54は、図3に実線で例示するような回転時振動特性を予め記憶している。本例では、振動特性記憶部54は、回転時振動特性を、破線で例示した静止時振動特性と、静止時振動特性を回転時振動特性に補正する補正関数式として記憶している。補正関数式に、回転状態による補正項に加えて、温度による特性変動や負荷状態による特性変動の項等を設けることにより、予め記憶する静止時振動特性の数を抑制することができる。例えば、振動特性記憶部54が記憶する静止時振動特性の数は、1つとすることも可能である。
振動特性記憶部54が記憶するロータ14の回転時振動特性の態様は、静止時振動特性と、静止時振動特性を回転時振動特性に補正する補正関数式とを含むものに限定されない。振動特性記憶部54は、ロータ14の回転時振動特性を、補正関数式を用いずに全てマップデータとして記憶することも可能である。振動特性記憶部54は、記憶する回転時振動特性を共振特性算出部55Bへ出力する。振動特性記憶部54は、本実施形態における特性記憶部に相当する。
重畳波指令生成部55は、高調波指令生成部55A、共振特性算出部55B及び高調波振幅調整部55Cを備える。重畳波指令生成部55は、振動特性記憶部54、ロータ位置検出部52及びロータ回転数算出部53からの入力信号に基づいて、基本波指令値に重畳する高調波電圧の指令値である重畳波指令値を生成する。重畳波指令生成部55は、振動特性記憶部54から、ロータ14の回転時振動特性を入力する。重畳波指令生成部55は、ロータ位置検出部52からロータ14の現在位置を入力するとともに、ロータ回転数算出部53から、ロータ14の実回転数を入力する。
高調波指令生成部55Aは、ロータ位置検出部52及びロータ回転数算出部53から入力したロータ位置信号及びロータ回転数信号に基づいて、基本波指令値に重畳する高調波電圧の指令値である重畳波指令値のうち、高調波電圧の周波数及び位相を設定する。
共振特性算出部55Bは、振動特性記憶部54から入力した回転時振動特性と、ロータ回転数算出部53が算出したロータ14の回転数に所定回転次数を乗じた値とに基づいて、ロータ14の所定回転次数における振動特性を算出する。共振特性算出部55Bは、例えば、実回転数に所定回転次数を乗じた乗算値を振動周波数とするロータ14の振動振幅特性値を共振特性値として算出する。ここで、ロータ14の振動振幅特性値とは、例えば、ロータ14のアクセレランス値である。共振特性算出部55Bは、ロータ14の所定回転次数における共振特性値を、高調波振幅調整部55Cへ出力する。
高調波振幅調整部55Cは、共振特性算出部55B、ロータ位置検出部52及びロータ回転数算出部53からの入力信号に基づいて、基本波指令値に重畳する高調波電圧の指令値である重畳波指令値のうち、高調波電圧の振幅を設定する。高調波振幅調整部55Cは、共振特性算出部55Bから入力したロータ14の所定回転次数における共振特性値に応じて、所定回転次数におけるロータ振動振幅を所定レベルまで低減可能な高調波電圧の振幅を設定する。
本例では、モータ騒音の音圧の測定結果等に基づいて、騒音レベルを抑制すべき所定回転次数を50次としている。この50次は、機械角における回転次数である。本例のモータ10は、ロータ14の極対数が「5」である。したがって、騒音レベルを抑制すべき所定回転次数は電気角において10次である。
本発明者らは、3相の同期モータにおいて、電気角における6n±2次の振動を抑制するためには、電気角における6n±1次の高調波を基本波に重畳することが有効であることを確認している。ここで、nは自然数であり、本例ではn=2である。したがって、本例では、電気角において、11次の高調波を基本波に重畳することで、10次の振動を抑制することができる。したがって、機械角において、55次の高調波を基本波に重畳することで、50次の振動を抑制することができる。
したがって、高調波指令生成部55Aでは、高調波電圧の周波数として、機械的な回転数の55次の周波数を設定する。また、共振特性算出部55Bは、機械的な回転数に所定回転次数である「50」を乗算した乗算値を用いて、ロータ14の回転50次の振動特性を算出する。
振動特性記憶部54は、例えば、図3に示す振動周波数に対するアクセレランスをロータ14の回転時振動特性として記憶している。共振特性算出部55Bは、図3に例示した回転時振動特性を、所定回転次数を用いて、図4に例示するロータ回転数基準の回転時振動特性に変換する。ここで、アクセレランスの値が極大となる回転数が共振回転数である。すなわち、ロータ14の振動振幅の値が極大値となる回転数がロータ14の所定回転次数における共振回転数である。共振特性算出部55Bは、図4に例示する回転時振動特性とロータ回転数算出部53が算出する回転数とから、ロータ14の現時点の実回転数に対応するアクセレランスを取得し、所定回転次数における共振特性値として高調波振幅調整部55Cへ出力する。高調波振幅調整部55Cは、共振特性算出部55Bから入力したロータ14の所定回転次数における共振特性値から、ロータ14の振動振幅の低減量を決定し、これに対応する高調波電圧の振幅を設定する。
高調波振幅調整部55Cは、図4に例示したロータ回転数基準の回転時振動特性を、例えば図5に示すように、縦軸の単位を1(m/s)/Nを基準とするdBとする変換を行なう。そして、共振回転数におけるアクセランスの低減目標dB値から高調波電圧の重畳回転数区間を決定する。
また、高調波振幅調整部55Cは、共振特性算出部55Bから入力したロータ14の所定回転次数における共振特性に応じて、基本波指令値に重畳する高調波電圧の指令値である重畳波指令値のうち、高調波電圧の振幅を設定する。高調波振幅調整部55Cは、図5に例示したロータ14の共振回転数におけるアクセランスの目標低減dB量から、基本とする高調波電圧の最大振幅を設定する。
そして、図5に例示したロータ14のアクセランスの変化に応じて、図6に例示するように、基本とする高調波電圧の最大振幅に乗じる重畳電圧振幅係数として振幅補償係数Kを設定する。高調波振幅調整部55Cは、ロータ14の回転数が共振回転数に一致するときに、振幅補償係数Kを「1」とする。高調波振幅調整部55Cは、ロータ14の回転数が共振回転数から乖離するにつれて、振幅補償係数Kを漸次減少させる。
高調波振幅調整部55Cは、重畳回転数区間内において、ロータ14の回転数が共振回転数から乖離するにつれて、高調波非重畳時のロータ回転数の変動に応じたロータ14の振動振幅の値の変化に対応するように、高調波電圧の振幅を減少する。高調波振幅調整部55Cは、重畳回転数区間内において、ロータ14の回転数が共振回転数から乖離するにつれて、高調波非重畳時のロータ回転数の変動に応じたロータ14のアクセレランス値の変化に対応するように、高調波電圧の振幅を減少する。
図3〜図6を参照して行なった上述の説明は一例であり、これに限定されるものではない。振動特性記憶部54が記憶する回転時振動特性は、図3に示すものでなくてもよい。例えば、振動特性記憶部54は、図4に示す、ロータ回転数に対応する回転時振動特性を記憶するものであってもよい。また、高調波振幅調整部55Cは、ロータ14の回転時振動特性の値をdB変換していたが、dB変換を行なわないものであってもよい。また、図5に例示した回転時振動特性は、共振特性算出部55Bが有し、ロータ回転数に対応する値のみを高調波振幅調整部55Cへ出力するものであってもよい。
重畳波指令生成部55は、高調波指令生成部55A及び高調波振幅調整部55Cで設定した周波数、位相及び振幅を有する高調波電圧の指令値を、重畳波指令値として信号出力部56へ出力する。重畳波指令生成部55は、本実施形態における重畳波生成部に相当する。また、高調波指令生成部55A及び高調波振幅調整部55Cは、本実施形態における高調波設定部に相当する。高調波振幅調整部55Cは、本実施形態における振幅設定部に相当する。
信号出力部56は、基本波指令生成部51から入力した基本波電圧の指令値に重畳波指令生成部55から入力した高調波電圧の指令値を重畳し、ステータコイル各相への印加電圧指令である変調波を生成する。そして、生成した変調波と搬送波との比較結果に基づいて生成したスイッチング信号を、インバータ回路20へ出力する。
本実施形態のモータ制御装置50によれば、以下に述べる効果を得ることができる。
モータ制御装置50は、基本波指令生成部51と、振動特性記憶部54と、ロータ位置検出部52と、ロータ回転数算出部53と、重畳波指令生成部55とを備えている。基本波指令生成部51は、目標回転数に応じて基本波電圧の指令値である基本波指令値を生成する。振動特性記憶部54は、ロータ14の回転状態における固有振動特性を回転時振動特性として予め記憶する。回転状態検出部であるロータ位置検出部52及びロータ回転数算出部53は、ロータ14の回転位置及びロータ回転数を検出する。重畳波指令生成部55は、回転状態検出部が検出するロータ14の回転位置及び回転数と、振動特性記憶部54が記憶する回転時振動特性とに基づいて、基本波指令生成部51が生成する基本波指令値に重畳する高調波電圧の指令値である重畳波指令値を生成する。
これによると、基本波指令値に重畳する高調波電圧の指令値である重畳波指令値を重畳波指令生成部55が生成する際に、振動特性記憶部54が記憶するロータ14の回転状態における固有振動特性である回転時振動特性を用いる。したがって、重畳波指令生成部55が生成する重畳波指令値は、ロータ静止時の固有振動特性ではなく、ロータ回転時の固有振動特性を反映したものとなる。これにより、ロータ回転時にロータ14の振動により発生するモータ騒音を確実に低減することができる。
本実施形態のモータ10は、ロータ14が中空形状に形成されている。ロータ14が中空形状である場合には、ロータ14が回転した際には遠心力によりロータ14が歪み易い。したがって、ロータ回転時の固有振動特性に基づいて重畳波指令生成部55が重畳波指令値を生成することで、中空形状のロータ14の振動により発生するモータ騒音を確実に低減することができる。
また、モータ10は、ロータ14が円環状に形成され、ステータ12がロータ14の内側に配置されている。ロータ14が円環状で内側にステータ12が配置されるアウタロータ型のモータ10の場合には、ロータ14が回転した際には遠心力によりロータ14が極めて歪み易く、共振現象発生時にはロータ14の振動振幅が大きくなり易い。したがって、ロータ回転時の固有振動特性に基づいて重畳波指令生成部55が重畳波指令値を生成することで、アウタロータ型モータの円環状のロータ14の振動により発生するモータ騒音を確実に低減することができる。
また、振動特性記憶部54は、ロータ14の静止状態における固有振動特性である静止時振動特性と、静止時振動特性を回転時振動特性に補正する補正関数式とを含む回転時振動特性を記憶している。
これによると、回転時振動特性を静止時振動特性と補正関数式とを用いて得ることができる。したがって、回転時振動特性にロータ回転数以外の変動要因を加味することが容易である。ロータ回転数以外の変動要因としては、例えば、温度変動や負荷変動等がある。これによれば、ロータ回転数以外の要因が変動した場合であっても、ロータ14の振動により発生するモータ騒音を確実に低減することができる。また、振動特性記憶部54が予め回転時振動特性を記憶するための記憶容量を抑制することが可能である。
重畳波指令生成部55は、共振特性算出部55Bと、高調波設定部である高調波指令生成部55A及び高調波振幅調整部55Cとを備える。共振特性算出部55Bは、振動特性記憶部54が記憶する回転時振動特性と、ロータ回転数算出部53が算出するロータ回転数に所定回転次数を乗算した乗算値とに基づいて、所定回転次数におけるロータ14の振動振幅特性値を共振特性値として算出する。高調波指令生成部55A及び高調波振幅調整部55Cは、共振特性算出部55Bが算出するロータ14の共振特性値と、回転状態検出部が検出するロータ14の回転位置及びロータ回転数とに基づいて、高調波電圧の周波数、位相及び振幅を設定する。
これによると、重畳波指令生成部55は、確実な低減が求められる所定回転次数の騒音が大きくなり易いロータ14の共振特性値を共振特性算出部55Bで算出することができる。そして、高調波設定部である高調波指令生成部55A及び高調波振幅調整部55Cは、共振特性算出部55Bで算出された共振特性値と、回転状態検出部が検出するロータ回転位置及びロータ回転数とに基づいて、重畳波指令値を生成することができる。したがって、低減が求められる所定回転次数のモータ騒音を確実に低減することができる。
また、高調波設定部は、高調波電圧の振幅を設定する振幅設定部である高調波振幅調整部55Cを有している。ここで、基本波指令値に重畳波指令値を重畳しない場合に、ロータ回転数の変動に応じたロータ14の振動振幅特性値であるアクセレランスの値が極大値となるロータ回転数を共振回転数と呼ぶ。高調波振幅調整部55Cは、ロータ回転数算出部53が算出するロータ回転数が共振回転数に一致しない場合には、ロータ回転数が共振回転数に一致する場合よりも、高調波電圧の振幅を小さくする。
これによると、所定回転次数の騒音が大きくなり易い共振回転数でロータ14が回転する際のモータ騒音を確実に低減することができる。また、ロータ14の回転数が共振周波数近傍で変動した場合に、騒音レベルの変動を抑制することができる。
また、高調波振幅調整部55Cは、ロータ回転数算出部53が算出するロータ回転数が共振回転数から乖離するにつれて、高調波電圧の振幅を減少するようになっている。これによると、ロータ14の回転数が共振周波数近傍で変動した場合に、騒音レベルの変動を確実に抑制することができる。
また、高調波振幅調整部55Cは、ロータ回転数が共振回転数から乖離するにつれて、重畳波指令値を重畳しない場合のロータ回転数の変動に応じたロータ14のアクセレランスの値の変化に対応して、高調波電圧の振幅を減少するようになっている。これによると、ロータ14の回転数が共振周波数近傍で変動した場合に、ロータ振動抑制に有効な高調波電流をステータコイルに効率よく流して、騒音レベルの変動をより確実に抑制することができる。
図7に破線で示す比較例1は、基本波指令値に高調波電圧の指令値である重畳波指令値を重畳していない場合の回転50次の騒音の音圧レベルである。比較例1では、ロータ回転数が約2930rpmであるところに音圧レベルのピークが存在する。この音圧レベルがピークとなるロータ回転数が、ロータ14の回転50次の共振回転数である。これに対して、本実施形態では、図7の下段に示すような回転数特性を有する振幅の高調波を基本波に重畳している。これにより、図7の上段に実線で示すように、ロータ14の共振回転数近傍において音圧レベルが平坦になる。すなわち、本実施形態によれば、騒音レベルを低減するとともに、ロータ回転数が変動した際の騒音レベルの変化を抑制することができる。
図8に実線で示す比較例2は、ロータ14の回転時の変形を考慮せず、静止時振動特性に基づいて決定した振幅の高調波を基本波に重畳した場合の回転50次の騒音の音圧レベルである。ロータ14が非回転である静止時のロータ14の固有振動特性によれば、ロータ回転数が約2890rpmであるときにロータ14の振動振幅がピークとなると判断される。このロータ静止時の固有振動特性に基づいて、図8の下段に示すような回転数特性を有する振幅の高調波を基本波に重畳すると、図8の上段に実線で示すように、ロータ14の実共振回転数近傍において音圧レベルが平坦となり難い。音圧レベルのピークを充分に低減できないだけでなく、ロータ回転数が変動した際の騒音レベルの変化も急峻なものとなる。本実施形態によれば、比較例2のような不具合を発生し難い。
(他の実施形態)
この明細書に開示される技術は、その開示技術を実施するための実施形態に何ら制限されることなく、種々変形して実施することが可能である。開示される技術は、実施形態において示された組み合わせに限定されることなく、種々の組み合わせによって実施可能である。実施形態は追加的な部分をもつことができる。実施形態の部分は、省略される場合がある。実施形態の部分は、他の実施形態の部分と置き換え、または組み合わせることも可能である。実施形態の構造、作用、効果は、あくまで例示である。開示技術の技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示技術のいくつかの技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上記実施形態では、ロータ14は10個の永久磁石14aを有して、永久磁石14aが回転軸線を挟んで互いに対称に配置される対称系ロータであり、回転時振動特性は、静止時振動特性に対して、極大値を高周波数側にシフトするように変化していた。しかしながら、開示された技術は、非対称系のロータを用いるモータに適用しても有効である。例えば、図9に示すように、5個の永久磁石14cを有して5極対のロータ14を構成する場合には、ロータ14は、永久磁石14cが回転軸線を挟んで互いに対称ではない位置に配置される。すなわち、図9に例示するモータは、非対称系ロータを有するモータである。
非対称系ロータを用いた場合には、ロータが回転した際に遠心力による応力が不均一に働く。そのため、例えば図10に示すように、ロータの回転時振動特性は、静止時振動特性に対して、極大値が高周波数側と低周波数側との両側に分かれるように変化する。本発明者らは、非対称系ロータを用いた場合には、上記した現象が発生することを明らかにした。
このような場合にも、高調波振幅調整部55Cは、ロータ回転数がそれぞれの共振回転数から乖離するにつれて、重畳波指令値を重畳しない場合のロータ回転数の変動に応じたロータ14のアクセレランスの値の変化に対応して、高調波電圧の振幅を減少させる。すなわち、図11に例示するように、高調波電圧の基本振幅に乗じる振幅補償係数Kの特性曲線が、図10に示したアクセレランスの特性曲線とほぼ相似形となるように設定する。これにより、非対称系ロータを用いて複数の共振回転数がある場合であっても、ロータ14の回転数が共振周波数近傍で変動した場合に、ロータ振動抑制に有効な高調波電流をステータコイルに効率よく流して、騒音レベルの変動をより確実に抑制することができる。
また、上記実施形態では、ロータ回転数が共振回転数から乖離するにつれて、高調波非重畳時のロータ回転数の変動に応じたロータの振動振幅の値の変化に対応して、高調波電圧の振幅を減少していた。すなわち、高調波非重畳時のアクセレランス特性曲線と相似形の重畳電圧振幅係数の特性曲線を採用していた。しかしながら、これに限定されるものではない。ロータ回転数が共振回転数から乖離するにつれて、高調波電圧の振幅を減少させるものであればよい。例えば、図12に示すようなロータ回転数の変化に応じて直線的に変化する重畳電圧振幅係数を用いてもよい。
また、ロータ回転数が共振回転数に一致しない場合には、ロータ回転数が共振回転数に一致する場合よりも、高調波電圧の振幅を小さくするのみであってもよい。例えば、図13に示すようなロータ回転数特性を有する重畳電圧振幅係数を用いてもよい。
また、上記実施形態では、ロータ回転数が共振回転数に一致しない場合には、ロータ回転数が共振回転数に一致する場合よりも、高調波電圧の振幅を小さくしていたが、これに限定されるものではない。例えば、図14の下段に示すように、重畳区間の全域において高調波の振幅を一定としてもかまわない。これによっても、図14の上段に示すように、ロータ回転時にロータの振動により発生するモータ騒音を確実に低減することができる。
また、上記実施形態では、重畳電圧振幅係数である振幅補償係数Kを1以下としていたが、これに限定されるものではない。振幅補償係数K>1となる高調波を重畳するものであってもよい。また、振幅補償係数Kの最大値を1未満としてもかまわない。また、高調波の振幅を固定して高調波の位相を変化させるものであってもよい。
また、上記実施形態では、モータ10は、アウタロータ型のモータであったが、これに限定されるものではない。例えば、図15に示すように、インナーロータ型のモータ10であってもかまわない。図15は、モータ10の軸方向と直交する面でモータ10を切断した横断面図を示している。また、図15において、断面を表示するハッチングは省略している。図15に示すように、モータ10は、ステータ15と、ステータ15に対して回転可能に配置されたロータ16を備えている。ロータ16は、ロータ16及びステータ15の径方向において、ステータ15の内側にステータ15に対してギャップを有して配置されている。
ロータ16は、複数の永久磁石16aと、永久磁石16aを連結するためのロータコア16bとを備えている。これらの永久磁石16aのそれぞれは、互いに同一形状をなしており、1つの磁極を構成している。永久磁石16aは、ロータ16の径方向に着磁され、かつ、周方向に隣り合う永久磁石16aの極性は互いに異なる。一方、ステータ15は、12個のティース15aを備えている。これにより、ステータ15には、12個のスロット15bが形成されている。12個のティース15aは、スロット15bを介してステータ15の周方向に等ピッチで配列されている。
ここで、ロータ16は、図16に示すように、慣性モーメントの低減等を目的として、座繰等によって中空形状とされている。ここで、図16は、ロータ16の回転軸を通ってかつ回転軸に平行な平面でロータ16を切断した断面図を示している。また、図16の一点鎖線は、ロータ16の回転軸を示している。以上説明したインナーロータ型モータにおいても、開示した技術を適用して有効である。
図15、図16に示すモータは、ロータ16が中空形状に形成されている。ロータ16が中空形状である場合には、ロータ16が回転した際には遠心力によりロータ16が歪み易い。したがって、ロータ回転時の固有振動特性に基づいて重畳波生成部が重畳波指令値することで、中空形状のロータ16の振動により発生するモータ騒音を確実に低減することができる。
また、上記実施形態では、モータのロータは中空形状であったが、これに限定されるものではない。ロータは中実形状であってもかまわない。
また、上記実施形態では、回転50次騒音を低減する場合について説明したが、これに限定されるものではない。騒音の低減対象となる回転次数は、50次以外であってもかまわない。また、モータ10は、5極対、12スロットの構成を有するものであったが、これに限定されるものではない。極対数やスロット数が異なるモータであっても、開示された技術を適用することができる。
また、上記実施形態では、モータ10は3相モータであったが、これに限定されるものではない。例えば、4相以上の多相モータであってもよい。さらに、モータ10は、ロータに永久磁石を備える永久磁石界磁型同期モータであったが、これに限定されるものではない。例えば、モータは、ロータに界磁巻線を備える巻線界磁型同期モータであってもよい。
また、モータ10は位置センサ18を備え、ロータ位置検出部52は、位置センサ18からの入力信号に基づいてロータの回転位置を検出していたが、これに限定されるものではない。例えば、モータ10に位置センサを設けず、出力線25に流れる電流位相等に基づいてロータ位置を算出するものであってもよい。すなわち、モータ制御装置は位置センサレス制御を行なう制御装置であってもよい。
また、上記実施形態では、モータ10が駆動する負荷は、車両用空調装置用のファン19であったが、これに限定されるものではない。ブロワファン以外の負荷を駆動するモータの制御装置にも、開示された技術を適用することができる。
10 モータ
50 モータ制御装置
51 基本波指令生成部(基本波生成部)
52 ロータ位置検出部(回転状態検出部の一部)
53 ロータ回転数算出部(回転状態検出部の一部)
54 振動特性記憶部(特性記憶部)
55 重畳波指令生成部(重畳波生成部)
55A 高調波指令生成部(高調波設定部の一部)
55B 共振特性算出部
55C 高調波振幅調整部(高調波設定部の一部、振幅設定部)

Claims (8)

  1. ステータコイルを有するステータ(12)と磁石を有するロータ(14)とを備え、目標回転数に対応した交流電圧が基本波電圧として入力される前記ステータコイルと前記磁石との相互作用により、前記ロータが回転駆動するモータ(10)を制御するモータ制御装置であって、
    前記目標回転数に応じて前記基本波電圧の指令値である基本波指令値を生成する基本波生成部(51)と、
    前記ロータの回転状態における固有振動特性を回転時振動特性として予め記憶する特性記憶部(54)と、
    前記ロータの回転位置及びロータ回転数を検出する回転状態検出部(52、53)と、
    前記回転状態検出部が検出する前記回転位置及び前記ロータ回転数と、前記特性記憶部が記憶する前記回転時振動特性とに基づいて、前記基本波生成部が生成する前記基本波指令値に重畳する高調波電圧の指令値である重畳波指令値を生成する重畳波生成部(55)と、を備えるモータ制御装置。
  2. 前記特性記憶部は、
    前記ロータの静止状態における固有振動特性である静止時振動特性と、前記静止時振動特性を前記回転時振動特性に補正する補正関数式とを含む前記回転時振動特性を記憶する請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記重畳波生成部は、
    前記特性記憶部が記憶する前記回転時振動特性と、前記回転状態検出部が検出する前記ロータ回転数に所定回転次数を乗算した乗算値とに基づいて、前記所定回転次数における前記ロータの振動振幅特性値を共振特性値として算出する共振特性算出部(55B)と、
    前記共振特性算出部が算出する前記共振特性値と、前記回転状態検出部が検出する前記回転位置及び前記ロータ回転数とに基づいて、前記高調波電圧の周波数、位相及び振幅を設定する高調波設定部(55A、55C)と、を備える請求項1または請求項2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記高調波設定部は、前記高調波電圧の振幅を設定する振幅設定部(55C)を有し、
    前記基本波指令値に前記重畳波指令値を重畳しない場合に、前記ロータ回転数の変動に応じた前記ロータの振動振幅の値が極大値となる前記ロータ回転数を共振回転数と呼ぶときに、
    前記振幅設定部は、
    前記回転状態検出部が検出する前記ロータ回転数が前記共振回転数に一致しない場合には、前記ロータ回転数が前記共振回転数に一致する場合よりも、前記高調波電圧の振幅を小さくするように構成された請求項3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記振幅設定部は、
    前記回転状態検出部が検出する前記ロータ回転数が前記共振回転数から乖離するにつれて、前記高調波電圧の振幅を減少するように構成された請求項4に記載のモータ制御装置。
  6. 前記振幅設定部は、
    前記回転状態検出部が検出する前記ロータ回転数が前記共振回転数から乖離するにつれて、前記基本波指令値に前記重畳波指令値を重畳しない場合の前記ロータ回転数の変動に応じた前記ロータの振動振幅の値の変化に対応して、前記高調波電圧の振幅を減少するように構成された請求項5に記載のモータ制御装置。
  7. 前記モータは、前記ロータが中空形状に形成された請求項1〜6のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  8. 前記モータは、前記ロータが円環状に形成され、前記ステータが前記ロータの内側に配置されるように構成された請求項7に記載のモータ制御装置。
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