JP4984643B2 - 同期モータ及びその制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、同期モータ及びその制御装置に関し、詳細には、同期モータの駆動電流に高次成分を重畳させることにより、同期モータから生じる振動及び騒音を抑制する技術に関する。
同期モータでは、回転駆動源となる電磁力の形成に起因して、ステータ上に時系的変化を伴う力(「節点力」と呼ばれる。)が生じる。この節点力は、同期モータのステータ又はハウジングに半径方向の変位を生じさせるとともに、周囲に伝達されることから、同期モータから生じる騒音の原因となる。このため、同期モータからの騒音を抑制するには、この節点力を低減することが有効と考えられる。節点力を低減させるための方法として、交流を構成する各相の基本電流に同期モータの相数n等に応じた係数を乗算することで、駆動電流に高次成分を重畳させる方法が知られている。すなわち、K=1+Σi=12incos{2in(ωt+χ2in)}として表される係数を各相の基本電流に乗算し、これにより高次成分を重畳させた駆動電流を形成して、同期モータに印加するのである(特許文献1)。
特開2001−352791号公報(段落番号0009,0010)
しかしながら、この補正係数Kを乗算することによる方法には、高次成分の波形に起因した次のような問題がある。
すなわち、この方法によれば、高次成分を重畳させた駆動電流において、基本電流の山又は谷に相当する部分で高次成分が顕著に発現することとなる(前掲特許文献1の図5)。このため、この山又は谷の部分において、基本電流が増大する高負荷時に磁束密度が飽和に近付き、高次成分の重畳による磁束の変化が得難くなることから、節点力を充分に低減することができず、騒音抑制の効果が減殺されることである。
本発明は、同期モータにおいて、高次成分の重畳により節点力を低減するとともに、負荷によらず、広い作動条件下でこの効果が得られるようにして、同期モータから生じる騒音を効果的に抑制することを目的とする。
本発明は、同期モータ及びその制御装置を提供するものである。
本発明に係る同期モータの制御装置は、n相交流の駆動電流により同期モータを制御する装置であって、このn相交流の各相の基本電流がB×cosθ+C×sinθとして表される場合に、この基本電流に対し、p=6m−1又はp=6m+1(mを自然数とする。)として、e×cos(pθ)+f×sin(pθ)として表される高次電流を加算して、同期モータに印加する駆動電流に高次成分を重畳させるものである。
また、本発明に係る同期モータは、n相交流の駆動電流により運転する同期モータであって、このn相交流の各相の基本電流がB×cosθ+C×sinθとして表される場合に、p=6m−1又はp=6m+1(mを自然数とする。)として、次式により表される駆動電流idにより運転するものである。
id=B×cosθ+C×sinθ+e×cos(pθ)+f×sin(pθ)
本発明によれば、高次成分を重畳させた駆動電流において、基本電流の山又は谷に相当する部分に限らず、基本電流の中心値を与える電気角付近についても高次成分を実効的に発現させることができる。このため、高次成分の重畳により単に節点力を低減するばかりでなく、高負荷時を含む広い作動条件下でこの効果を得ることができ、同期モータからの騒音を効果的に抑制することができる。
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1,2は、本発明の一実施形態に係る同期モータ1の構成を示している。図1は、同期モータ1の回転中心軸AXを含む平面による断面を、図2は、この回転中心軸AXに対して垂直な平面による断面を示している。
本実施形態において、同期モータ1は、高出力及び静粛性の双方の特性を備える4極対48ティース型の三相同期モータである。同期モータ1は、図1に示すように、円筒状のハウジング(以下「モータケース」という。)11に固定子13及び回転子15を収納して構成される。
固定子13は、積層鋼板をベース材として構成されたものであり、中央部が軸方向に貫通した円筒状に形成されている。図2に示すように、固定子13の内周部には、48個のティースT1〜T48がその全周に亘り等間隔に設けられている。隣り合うティースの間に形成されるスロットには、固定子13に回転磁界を発生させるためのコイル19が巻き付けられている。このコイル19は、U相、V相及びW相に分けられ、各相のコイル19は、後述するモータコントローラに接続されている。固定子13は、モータケース11に対して圧入又はネジ止め等により固定されている。
回転子15は、積層鋼板をベース材として構成されたものであり、図2に示すように、モータケース11内において、固定子13の内側に配置されている。回転子15の外周部には、8個の永久磁石151〜158が等間隔に、かつベース材を軸方向に貫通して埋設されている。これらの永久磁石151〜158は、厚み方向に磁化されており、隣り合うもの同士の磁極N,Sを交互に入れ換えて配置されている。回転子15は、回転軸部材17に対して圧入等により固定されており、この回転軸部材17は、回転中心軸AXと同軸に配置され、モータケース11に設けられた2つの軸受け31,32により回転自在に支持されている(図1)。後述するモータコントローラにより各相のコイル19に駆動電流が印加されることで、固定子13のコイル19と、回転子15の永久磁石151〜158との間に磁路が形成され、回転子15が駆動電流の周波数に応じた速度で回転する。
図3は、本実施形態に係る同期モータ1の制御装置(以下「モータコントローラ」という。)の構成を示している。
本実施形態において、モータコントローラは、電流制御部101、三相二相変換部103、PI制御部105、二相三相変換部107及び信号形成部109を含んで構成され、信号形成部109により出力された制御信号に基づいてインバータ201が作動して、同期モータ1に三相交流の駆動電流が印加される。U相、V相及びW相の各相の駆動電流に高次成分を重畳させるため、本実施形態では、電流制御部101により三相二相変換部103による変換前に高次成分を重畳させる。電流制御部101は、同期モータ1に対するトルク指令値Cmと、同期モータ1の実際の回転速度(以下「モータ回転数」という。)Nmとに基づいて三相交流の各相の基本電流i1u〜i1wを演算する。このため、本実施形態では、モータ回転数Nmを検出するための回転数センサ(図示せず。)を設置している。電流制御部101は、算出した基本電流i1u〜i1wのそれぞれに所定の次数pの高次電流ipu〜ipwを加算して、高次成分を重畳させた駆動電流idu〜idwを形成する。PI制御部105は、三相二相変換部103により二相に変換された駆動電流idを入力するとともに、同期モータ1に実際に印加されている駆動電流idactをフィードバックし、これらの差分(=id−idact)に基づいて同期モータ1に対する指令としての駆動電流idcntを形成する。信号形成部109は、二相三相変換部107を介してフィードバック制御後の駆動電流idcntを入力し、これをPWMパルスに変換して、インバータ201に対する制御信号を形成する。以下、電流制御部101の動作について説明する。
電流制御部101は、トルク指令値Cm及びモータ回転数Nmに基づいて各相の一次周波数電流(「基本電流」に相当する。)i1u〜i1wを算出するとともに、これに次数pの高次周波数電流(「高次電流」に相当する。)ipu〜ipwを加算して、高次成分を重畳させた駆動電流idu〜idwを形成する。位相差をφa=120°、φb=240°とした場合に、各相の一次周波数電流i1u〜i1wは、下式により表すことができる。なお、電流制御部101は、トルク指令値Cm及びモータ回転数Nmに基づいて一次周波数電流の大きさB,C及び周波数ωを設定する。
i1u=B×cos(ωt)+C×sin(ωt) ・・・(1)
i1v=B×cos(ωt−φa)+C×sin(ωt−φa) ・・・(2)
i1w=B×cos(ωt−φb)+C×sin(ωt−φb) ・・・(3)
また、高次成分を重畳させるため、電流制御部101は、算出した一次周波数電流i1u〜i1wに対し、下式により表される高次周波数電流ipu〜ipwを加算する。ipu〜ipwの加算に際し、電流制御部101は、高次周波数電流の大きさe,fを算出するとともに、モータ回転数Nmに基づいて次数pを設定する。この次数pは、mを自然数として、p=6m±1として表される。騒音の原因となる節点力を構成する成分のうち、低減対象とするものの次数pを予め特定し、モータ回転数Nmに対応させてモータコントローラに記憶させておく。モータ回転数Nmと次数pとの関係は、実験又は計算により把握することができる。次数pの設定方法については、後により詳細に説明する。
ipu=e×cos(pωt)+f×sin(pωt) ・・・(4)
ipv=e×cos(p(ωt−φa))+f×sin(p(ωt−φa)) ・・・(5)
ipw=e×cos(p(ωt−φb))+f×sin(p(ωt−φb)) ・・・(6)
以上から、同期モータ1に印加される各相の駆動電流idu〜idwは、下式の通りとなる。
idu=B×cos(ωt)+C×sin(ωt)+e×cos(pωt)+f×sin(pωt) ・・・(7)
idv=B×cos(ωt−φa)+C×sin(ωt−φa)+e×cos(p(ωt−φa))+f×sin(p(ωt−φa)) ・・・(8)
idw=B×cos(ωt−φb)+C×sin(ωt−φb)+e×cos(p(ωt−φb))+f×sin(p(ωt−φb)) ・・・(9)
図4は、高次成分を重畳させた駆動電流idu〜idwを、たとえば、U相について示したものである。
駆動電流iduにおいて、高次周波数電流ipuを加算したことによる高次成分は、対応するU相の基本電流i1uの山又は谷に対応する部分(すなわち、電気角Aで0°,180°又は360°の部分)に限らず、この基本電流i1uの中心値を与える電気角付近(すなわち、90°〜120°又は270°〜300°)においても発現している。この中心値を与える電気角付近では、山等に対応する部分と比較して磁束が飽和に達するまでに余裕があることから、低負荷時に限らず、高負荷時においても高次成分の重畳により磁束を実質的に制御して、節点力を低減することが可能である。
以下、高次周波数電流ipu〜ipwの次数pの設定方法について説明する。
図5は、同期モータ1を一次周波数電流i1u〜i1wにより高負荷域(たとえば、3118A)で運転した場合に特定のティースに対して半径方向に働く節点力(以下、特に「半径方向節点力」という。)を、次数毎に示したものである。この半径方向節点力の解析結果は、計算コード名JMAG(株式会社日本総合研究所製)によるものである。計算に採用される同期モータの2次元、1/4モデルを図6に示す。なお、図5は、この計算モデルのティースTb1に働く半径方向節点力を示したものである。同図から、高次成分を重畳させず、一次周波数電流i1u〜i1wにより同期モータ1を運転する場合は、ティースTb1に対して偶数次数の半径方向節点力が大きく作用することが分かる。特に図示しないが、他のティースTb2,Tb3についても、同様に偶数次数のものが大きく作用することが判明している。
図7は、ティースTb1,Tb2,Tb3のそれぞれに作用する半径方向節点力Fを電気角Aとの関係で示したものである。同図から、各ティースTb1〜Tb3に作用する半径方向節点力Fは、同様な波形を示す一方、位相が等間隔でずれていることが分かる。
図8は、ティースTb1〜Tb3のそれぞれについて、半径方向節点力Fの(a)2次成分、(b)4次成分及び(c)6次成分を電気角Aとの関係で示したものである。同図から、2次及び4次成分については、ティースTb1〜Tb3の間で位相が等間隔でずれており、これらの合計が各電気角Aで略0となることが分かる。他方、6次成分については、ティースTb1〜Tb3の間で位相にずれがなく、互いに打ち消すことのないことが分かる。半径方向節点力Fの成分毎の波形には規則性があり、6m次成分(mを自然数とする。)については、ティースTb1〜Tb3の間で位相にずれがなく、互いに略等しい波形を示すことが判明している。また、他のティースTa1〜Ta3についても同様であり、これらに作用する半径方向節点力は、6m次成分で互いに略等しい波形を示すこととなる。このように、図6に示す計算モデルのうちティースTb1〜Tb3(又はTa1〜Ta3)の領域において、6m次以外の成分については、各ティースの間でこれらが互いに打ち消し合うことから、騒音抑制のためには、高次成分の重畳によりこの6m次成分を低減するのが効果的であるといえる。
以上の知見をもとに、半径方向節点力Fの6m次成分を低減するために加算すべき高次周波数電流ipの次数pについて述べる。
半径方向節点力をF(ωt)とすると、一次周波数電流i1を印加することによりこのF(ωt)が発生するのであるから、F(ωt)は、下式により表すことができる。
F(ωt)=G(ωt)×{B×cos(ωt)+C×sin(ωt)} ・・・(10)
半径方向節点力F(ωt)の主要な成分が既述の通り偶数次数に存在することから、G(ωt)は、奇数次数の周期関数として表されることになり、F(ωt)は、更に下式により表すことができる。
F(ωt)={acos(ωt)+bsin(ωt)+acos(3ωt)+bsin(ωt)+・・・}×{B×cos(ωt)+C×sin(ωt)} ・・・(11)
モータ全般に関し、一次周波数電流i1の印加により大きな平均トルクが得られるように設計がなされるのが一般的であることから、G(ωt)について、低次のものほどその係数が大きな値に設定される。従って、(11)式において、係数a,bに着目して高次周波数電流ipの次数pを設定する。そこで、mを自然数として、高次周波数電流ipとしてip1=e×cos((6m−1)ωt)+f×sin((6m−1)ωt)、又はip2=e×cos((6m+1)ωt)+f×sin((6m+1)ωt)を採用する。前者の高次周波数電流ip1が発生させる節点力を求めると、下式のようであり、係数e,fを適切に設定することで、駆動電流idにおいて、一次周波数電流i1の6m次成分を低減させる高次成分を発現させることが可能である。後者の高次周波数電流ip2についても同様である。
G(ωt)×{e×cos((6m−1)ωt)+f×sin((6m−1)ωt)}
={acos(ωt)+bsin(ωt)+acos(3ωt)+bsin(ωt)+・・・}×{e×cos((6m−1)ωt)+f×sin((6m−1)ωt)}
≒0.5×{(ae−bf)×cos(6m×ωt)+(be+af)×sin(6m×ωt)} ・・・(12)
図9は、U相及びW相の基本電流i1u,i1wをB×cos(ωt+75°)+C×sin(ωt+75°)、i1w=B×cos(ωt+195°)+C×sin(ωt+195°)とし、高次周波数電流idの次数pを11(すなわち、m=2)とした場合のU相及びW相の駆動電流idu,idw(=idwa)を示したものである。各相の駆動電流idu〜idwは、下式により表される。
idu=B×cos(ωt+75°)+C×sin(ωt+75°)+e×cos(p(ωt+75°)+f×sin(p(ωt+75°) ・・・(13)
idv=B×cos(ωt−45°)+C×sin(ωt−45°)+e×cos(p(ωt−45°))+f×sin(p(ωt−45°)) ・・・(14)
idw=idwa=B×cos(ωt+195°)+C×sin(ωt+195°)+e×cos(p(ωt+195°))+f×sin(p(ωt+195°)) ・・・(15a)
図9から、各相の駆動電流idu〜idwの波形が維持されるとともに、位相のみがずれていることが分かる。同図において、符合idwbは、W相の一次周波数電流i1wに対し、下式により表される高次成分(p=11)を重畳させた場合の駆動電流を比較例として示したものである。これによる場合は、U相の駆動電流iduと同じ波形が維持されておらず、半径方向節点力Fの規則性(図7)により、半径方向節点力Fを効果的に低減することができない。
idw=idwb=B×cos(ωt+195°)+C×sin(ωt+195°)+e×cos(pωt+195°)+f×sin(pωt+195°) ・・・(15b)
図10は、高次周波数電流idの次数pを11(すなわち、m=2)とした場合にティースTb1(図6)に作用する半径方向節点力Fを示したものであり、高次成分を重畳させた場合のものを実線Aで、高次成分を重畳させず、一次周波数電流i1により運転した場合のものを一点鎖線Bで示している。同図から、絶対値の大きい半径方向節点力Fを与える電気角Aについては、一次周波数電流i1による場合の原波形に対する変化はそれほどなく、他方、絶対値の小さな半径方向節点力Fを与える電気角Aについては、この原波形に対する変化が相対的に大きく、半径方向節点力Fが実効的に発現していることが分かる。
なお、図10において、点線は、前掲特許文献1の補正係数の乗算による場合(次数pを11とする。)の半径方向節点力Fを比較例として示したものである。本実施形態によるものと比較して、絶対値の大きい半径方向節点力Fを与える電気角Aにおいて、原波形に対する変化が大きく、半径方向節点力Fが大きく低減されていることが分かる。従って、これによる場合は、一次周波数電流i1が大きくなる高負荷時において、半径方向節点力Fが大きく低減されるべき電気角Aで磁束が飽和に近付くことから、高次成分の重畳による磁束の変化が得難く、この低減効果が減殺されることになる。図12は、補正係数の乗算による場合に固定子上に発生する磁束を、一次周波数電流の大きさ毎に示したものである。点線により、一次周波数電流による場合のものを示している。同図から、一次周波数電流の増大と磁束の増大とは比例せず、一次周波数電流が大きいときほどその増大の幅が小さく、また、高次成分の重畳による磁束の変化も小さいことが分かる。
図11は、次数pを11とした場合に、高負荷時にティースTb1に作用する半径方向節点力Fをフーリエ変換し、次数毎にデシベルにより表示したものである。本実施形態によるもの(a)と、補正係数の乗算によるもの(b)とについて示している。同図から、本実施形態による場合は、対象とした半径方向節点力Fの12次成分に関して大きな低減効果が得られる一方、補正係数の乗算による場合は、本実施形態による場合と比較してこの低減効果が小さいことが分かる。
以上において、高次周波数電流idの大きさを定める係数e,fは、実験又は計算により最適な値のものを設定する。係数e,fを変化させた結果得られる効果を、半径方向節点力Fの低減対象とする次数pについて評価し、この効果が最も良好に得られるe,fの組み合わせを抽出するのである。
本実施形態に関し、電流制御部101が「電流制御手段」を構成し、三相二相変換部103、PI制御部105、二相三相変換部107及び信号形成部109が「駆動手段」を構成する。
以上より、本実施形態によれば、高次成分を重畳させた駆動電流idにおいて、一次周波数電流i1の山又は谷に相当する部分に限らず、一次周波数電流i1の中心値を与える電気角付近についても高次成分を発現させることができる。このため、高負荷時を含む広い作動条件下で半径方向節点力Fを低減して、同期モータ1から生じる騒音を効果的に抑制することができる。また、半径方向節点力Fが低減されることで、モータケース11に生じる変位を抑制し、同期モータ1の振動を低減することができる。
なお、以上では、半径方向節点力Fを低減し、これによる効果として同期モータ1からの騒音を抑制する場合について説明した。本発明によれば、これに限らず、同期モータ1のトルク変動を抑制することとし、これに付随する効果として同期モータ1の振動、延いては騒音の抑制を図ることもできる。
また、以上では、同期モータ1を発動機として使用する場合について説明したが、同期モータ1を発電機として使用することも可能である。この場合においても本実施形態に係る電流制御の採用により半径方向節点力を低減し、発電時に生じる騒音を抑制することができる。同期モータ1に発動機及び発電機の双方の機能を持たせ、状況に応じてこれらの機能を使い分けるとともに、騒音抑制に関して以上と同様の効果を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る同期モータの回転中心軸を含む平面による断面 同上実施形態に係る同期モータの回転中心軸に対して垂直な平面による断面 同上実施形態に係る同期モータの制御装置の構成 同上実施形態に係る基本電流としての一次周波数電流i1u、及び駆動電流idu 半径方向節点力の次数毎の分析結果 同上分析に採用される半径方向節点力の計算モデル 異なるティースに作用する半径方向節点力 同上半径方向節点力の2次、4次及び6次成分 U相及びW相の駆動電流idu,idwa 一次周波数電流i1又は駆動電流idを印加した場合に生じる半径方向節点力 高次成分の重畳による半径方向節点力の低減 一次周波数電流の増大に対する磁束の変化
符号の説明
1…同期モータ、11…モータケース、13…固定子、15…回転子、151〜158…永久磁石、17…回転軸部材、19…コイル、31,32…軸受け、101…電流制御部、103…三相二相変換部、105…PI制御部、107…二相三相変換部、109…信号形成部、201…インバータ、AX…回転中心軸、T1〜T48…ティース。

Claims (7)

  1. n相交流の駆動電流により同期モータを制御する装置であって、
    前記n相交流の各相の基本電流がB×cosθ+C×sinθとして表される場合に、この基本電流に対し、p=6m−1又はp=6m+1(mを自然数とする。)として、e×cos(pθ)+f×sin(pθ)として表される高次電流を加算して、前記駆動電流を形成する電流制御手段と、
    前記電流制御手段により形成された駆動電流を同期モータに供給して、この同期モータを駆動する駆動手段と、
    を含んで構成される同期モータの制御装置。
  2. 前記n相交流の1つ相の基本電流がB×cos(ωt)+C×sin(ωt)、他の1つの相の基本電流がB×cos(ωt−φ)+C×sin(ωt−φ)として表される場合に、これらの基本電流に加算される高次電流が夫々e×cos(pωt)+f×sin(pωt)、e×cos(p(ωt−φ))+f×sin(p(ωt−φ))として表される関係にある請求項1に記載の同期モータの制御装置。
  3. 前記駆動電流が三相交流である請求項1に記載の同期モータの制御装置。
  4. φa,φbの一方を略120°、他方を略240°として、前記三相交流のうち第1の相の基本電流がB×cos(ωt)+C×sin(ωt)、第2の相の基本電流がB×cos(ωt−φa)+C×sin(ωt−φa)、第3の相の基本電流がB×cos(ωt−φb)+C×sin(ωt−φb)として表される場合に、これらの基本電流に重畳される高次電流が夫々e×cos(pωt)+f×sin(pωt)、e×cos(p(ωt−φa))+f×sin(p(ωt−φa))、e×cos(p(ωt−φb))+f×sin(p(ωt−φb))として表される関係にある請求項3に記載の同期モータの制御装置。
  5. 同期モータの回転速度を検出する回転速度検出手段を更に含んで構成され、
    前記電流制御手段は、前記回転速度検出手段により検出された回転速度に基づいて次数pを設定する請求項1〜4のいずれかに記載の同期モータの制御装置。
  6. n相交流の駆動電流により運転する同期モータであって、
    前記n相交流の各相の基本電流がB×cosθ+C×sinθとして表される場合に、p=6m−1又はp=6m+1(mを自然数とする。)として、下式により表される駆動電流idにより運転する同期モータ。
    id=B×cosθ+C×sinθ+e×cos(pθ)+f×sin(pθ)
  7. 三相交流の駆動電流により運転する同期モータであって、
    φa,φbの一方を略120°、他方を略240°として、前記三相交流のうち第1の相の基本電流がB×cos(ωt)+C×sin(ωt)、第2の相の基本電流がB×cos(ωt−φa)+C×sin(ωt−φa)、第3の相の基本電流がB×cos(ωt−φb)+C×sin(ωt−φb)として表される場合に、p=6m−1又はp=6m+1(mを自然数とする。)として、前記第1の相に対応する駆動電流id1、前記第2の相に対応する駆動電流id2、及び前記第3の相に対応する駆動電流id3が夫々下式により表される関係にある同期モータ。
    id1=B×cos(ωt)+C×sin(ωt)+e×cos(pωt)+f×sin(pωt)
    id2=B×cos(ωt−φa)+C×sin(ωt−φa)+e×cos(p(ωt−φa))+f×sin(p(ωt−φa))
    id3=B×cos(ωt−φb)+C×sin(ωt−φb)+e×cos(p(ωt−φb))+f×sin(p(ωt−φb))
JP2006139556A 2006-05-18 2006-05-18 同期モータ及びその制御装置 Active JP4984643B2 (ja)

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