JP6484096B2 - 車両用導光体、車両用灯具 - Google Patents

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Description

この発明は、車両用導光体に関するものである。また、この発明は、車両用導光体を備える車両用灯具に関するものである。
車両用導光体、車両用導光体を備える車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1、特許文献2)。以下、特許文献1、2の従来の車両用灯具について説明する。
特許文献1の従来の車両用灯具は、LEDと、光学材料と、を備える。光学材料は、膨出部と、プレートと、を備える。膨出部とプレートとは、一体であり、湾曲している。LEDは、膨出部の一端部に位置する。LEDからの光は、膨出部中に入射して、膨出部とプレートとから出射する。これにより、プレートの面発光が得られる。
特許文献2の従来の車両用灯具は、光源と、導光体と、を備える。導光体は、棒状部材と、カーテン部材と、を備える。棒状部材とカーテン部材とは、一体であり、湾曲している。光源は、棒状部材の一端面に配置されている。光源からの光は、棒状部材の一端面から棒状部材中に入射してカーテン部材中に入射する。その入射光は、カーテン部材の前面から出射する。これにより、カーテン部材の面発光が得られる。
特表2013−513912号公報 特開2014−41787号公報
前記特許文献1の従来の車両用灯具においては、プレートの均一な面発光を向上させることが重要である。また、前記特許文献2の従来の車両用灯具においては、カーテン部材の均一な面発光を向上させることが重要である。
この発明が解決しようとする課題は、板形状をなす導光体の出射面の均一発光を向上させることができる、という点にある。
この発明(請求項1にかかる発明)は、棒形状をなす第1導光体と、板形状をなす第2導光体と、を備え、第1導光体と第2導光体とが、第1導光体の長手方向および第2導光体の長手方向に沿って、一体に接続されていて、第1導光体が、端面に設けられていて光を外部から第1導光体中に入射させる入射面と、側面に設けられていて第1導光体中に入射した光を第1導光体中から外部に出射させる出射面と、出射面に対して反対側の側面に長手方向に多数個設けられていて第1導光体中に入射した光を第1導光体中に反射させる反射面と、を備え、第2導光体が、第1導光体の出射面側の面に設けられていて第2導光体中に入射した光を第2導光体中から外部に出射させる出射面と、出射面に対して反対側の面に多数個の第1導光体の反射面にそれぞれ対応して長手方向に多数個設けられていて第2導光体中に入射した光を第2導光体中に反射させる反射面と、を備え、第1導光体および第2導光体には、第1導光体の長手方向と第2導光体の長手方向とが曲率半径の方向において内外の相対位置関係を保つように湾曲されている湾曲部が、設けられていて、第1導光体の湾曲部における反射面が、第1導光体の湾曲部における長手方向に対して直交もしくはほぼ直交していて、第2導光体の湾曲部における反射面が、対応する第1導光体の湾曲部における反射面の延長面に対して、第2導光体の反射面の第1導光体側の端部を基準として第2導光体の反射面の第1導光体側の端部とは反対側の端部が第1導光体の入射面とは反対側に位置するように、傾斜している、ことを特徴とする。
この発明(請求項2にかかる発明)は、第1導光体の湾曲部における長手方向の中間もしくはほぼ中間の反射面と、第2導光体の湾曲部における長手方向の中間もしくはほぼ中間の反射面とが、一直線もしくはほぼ一直線をなす、ことを特徴とする。
この発明(請求項3にかかる発明)は、第2導光体の反射面が、湾曲部において、曲率半径方向の内側から外側に行くに従って広くなる、ことを特徴とする。
この発明(請求項4にかかる発明)は、第1導光体の反射面および第2導光体の反射面が、第1導光体および第2導光体中に凹んだ底面であって第1導光体の長手方向および第2導光体の長手方向と平行もしくはほぼ平行に設けられている第1反射面と、第1導光体中および第2導光体中に第1反射面から第1導光体の長手方向および第2導光体の長手方向に対して傾斜して設けられている第2反射面と、を有し、第1反射面と第2反射面とが繋面を介して第1導光体の長手方向および第2導光体の長手方向に連続して多数個設けられている、ことを特徴とする。
この発明(請求項5にかかる発明)は、第1導光体の湾曲部および第2導光体の湾曲部が、第1導光体の入射面の近傍に設けられている、ことを特徴とする。
この発明(請求項6にかかる発明)は、灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、灯室内に配置されている光源および光源からの光を入射させる前記の請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用導光体と、を備えている、ことを特徴とする。
この発明の車両用導光体、車両用灯具は、前記の課題を解決するための手段により、第1導光体中の光が第2導光体中に進む(入射する)際に、その光の進む方向(入射方向)が第2導光体の反射面に対して面直(垂直)とならずに傾斜している(図2中の実線矢印L20と実線926とを参照)。一方、第2導光体の湾曲部における反射面が、対応する第1導光体の湾曲部における反射面の延長面上に位置する場合(以下、「本発明を実施しない場合」と称する)においては、光の進む方向(入射方向)が第2導光体の反射面に対して傾斜せずにほぼ面直(垂直)となっている(図2中の実線矢印L20と破線927とを参照)。この結果、この発明の車両用導光体、車両用灯具は、第2導光体の反射面のうち第1導光体側寄りの部分で反射する光の量(光束)を、本発明を実施しない場合と比較して、少なくすることができる。これにより、この発明の車両用導光体、車両用灯具は、第2導光体のうち第1導光体側寄りの部分における高輝度感(点光)を抑制することができる。
また、この発明の車両用導光体、車両用灯具は、前記の課題を解決するための手段により、第2導光体中の光が第1導光体側に進む際に、その光の進む方向が第2導光体の反射面のうちほぼ中間の部分に対してほぼ面直(垂直)となる(図3中の実線矢印L20と実線926とを参照)。一方、本発明を実施しない場合においては、光の進む方向が第2導光体の反射面のうちほぼ中間の部分に対して傾斜している(図3中の実線矢印L20と破線927とを参照)。この結果、この発明の車両用導光体、車両用灯具は、第2導光体の反射面のうちほぼ中間の部分で反射する光の量(光束)を、本発明を実施しない場合と比較して、多くすることができる。これにより、この発明の車両用導光体、車両用灯具は、第2導光体のうちほぼ中間の部分における光抜けを抑制することができる。
このように、この発明の車両用導光体、車両用灯具は、第2導光体の反射面のうち第1導光体側寄りの部分からほぼ中間の部分にかけてほぼ均一な面発光が得られる。すなわち、この発明の車両用導光体、車両用灯具は、板形状をなす第2導光体の出射面の均一発光を向上させることができる。
図1は、この発明にかかる車両用導光体、車両用灯具の実施形態を示す正面図である。 図2は、第1導光体中の光が第2導光体中に進む状態を示す説明図である。 図3は、第2導光体中の光が第1導光体側に進む状態を示す説明図である。 図4は、第1導光体および第2導光体の湾曲部における反射面の状態を示す説明図である。 図5は、車両用導光体の一部を示す正面図(表面図)である。 図6は、車両用導光体の一部を示す背面図(裏面図)である。 図7は、図6におけるVII−VII線断面図における第2導光体の輝度分布を示す説明図である。 図8は、図6におけるVIII−VIII線断面図における第2導光体の輝度分布を示す説明図である。 図9は、第2導光体の出射面から出射される出射光の状態を示す説明図である。 図10は、車両用導光体を示す背面図(裏面図)である。 図11は、車両用導光体を示す正面図(表面図)である。 図12は、車両用導光体を示す平面図(図11におけるXII矢視図)である。 図13は、車両用導光体を示す側面図(図11におけるXIII矢視図)である。 図14は、車両用導光体の2本の第1導光部および1枚の第2導光部からの出射光を示す断面説明図(図11におけるXIV−XIV線断面説明図)である。 図15は、車両用導光体の第1導光部からの出射光および第1導光部における光路を示す断面説明図(図11におけるXV−XV線断面説明図)である。
以下、この発明にかかる車両用導光体、車両用灯具の実施形態の1例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。この明細書において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用灯具を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右である。
図1、図10〜図13において、符号「O」は、車両の外側を示す。符号「I」は、車両の内側を示す。符号「U」は、ドライバー側から前側Fを見た車両の上側を示す。符号「D」は、ドライバー側から前側Fを見た車両の下側を示す。符号「F」は、車両の前側(車両の前進方向側)を示す。符号「B」は、車両の後側を示す。
図2〜図4においては、車両用導光体の概略図を示すので、第1導光体としての1本の前側第1導光部91Fと第2導光体としての1枚の第2導光部92とを図示し、第1導光体としての1本の後側第1導光部91Bの図示を省略する。図7〜図10、図14、図15において、導光体9のハッチングを省略する。図4、図5において、縦軸は、第2導光部92の出射面922の輝度を示し、横軸は、第2導光部9の出射面922の位置を示す。
(実施形態の構成の説明)
以下、この実施形態にかかる車両用導光体、車両用灯具の構成について説明する。図1中、符号1は、この実施形態にかかる車両用灯具である。前記車両用灯具1は、たとえば、車両用前照灯やヘッドランプなどのフロントコンビネーションランプのクリアランスランプである。
(車両用灯具1の説明)
前記車両用灯具1は、車両(図示せず)の前部の左右両側に搭載されている。車両の前部の意匠面は、車両の前後方向に沿って(車両の後側Bから前側Fに向かって)、上下方向(車両の上側Uから下側D)および左右方向(車両の外側Oから内側I)に向かって傾斜している。この結果、車両の前部の左右両側の意匠面は、3次元の曲面から構成されている。
車両の右側に搭載される右側の車両用灯具1において、車両の外側Oは右側であり、車両の内側Iは左側である。一方、車両の左側に搭載される左側の車両用灯具において、車両の外側Oは左側であり、車両の内側Iは右側である。
以下、車両の右側に搭載される右側の車両用灯具1について説明する。なお、車両の左側に搭載される左側の車両用灯具は、右側の車両用灯具1と左右逆でその他がほぼ同様の構成をなすので、説明を省略する。
前記車両用灯具1は、図1に示すように、ランプハウジング2と、ランプレンズ(たとえば、素通しのアウターカバー、アウターレンズなど)3と、インナーレンズ4と、インナーパネル(インナーハウジング)5と、ヘッドランプユニット6と、ターンシグナルランプユニット7と、光源80、81と、この実施形態にかかる車両用導光体としての導光体9と、を備えるものである。前記光源80、81と前記導光体9とは、クリアランスランプユニットを構成する。
(ランプハウジング2およびランプレンズ3の説明)
前記ランプハウジング2は、光不透過性の部材から構成されている。前記ランプハウジング2は、車両の外側Oおよび前側Fおよび上側Uが開口し、一方、車両の内側Iおよび後側Bおよび下側Dが閉塞した形状をなす。
前記ランプレンズ3は、光透過性の部材から構成されている。前記ランプレンズ3は、車両の内側Iおよび後側Bおよび下側Dが開口し、一方、車両の外側Oおよび前側Fおよび上側Uが閉塞した形状をなす。前記ランプレンズ3の閉塞部分の意匠面は、車両の前部の意匠面に沿って、車両の後側Bから前側Fに向かって、車両の上側Uから下側Dおよび車両の外側Oから内側Iに向かって傾斜している。この結果、前記ランプレンズ3の意匠面は、車両の前部の左右両側の意匠面と同様に、3次元の曲面から構成されている。
前記ランプハウジング2の開口縁と前記ランプレンズ3の開口縁とは、固定されている。これにより、灯室10が区画されている。前記灯室10内には、前記インナーレンズ4および前記インナーパネル5および前記ヘッドランプユニット6および前記ターンシグナルランプユニット7および前記光源80、81および前記導光体9が、それぞれ配置されている。
(インナーレンズ4およびインナーパネル5の説明)
前記インナーレンズ4は、光透過性の部材から構成されている。前記インナーレンズ4は、図示されていないが、前記ランプレンズ3と前記導光体9との間に配置されている。前記インナーレンズ4は、前記導光体9から光軸方向Zもしくはほぼ光軸方向Zに沿って出射された出射光L11、L21、L31を前記ランプレンズ3側に拡散透過させるものである。前記インナーレンズ4は、前記ランプハウジング2に直接あるいは他の部材を介して取り付けられている。前記光軸方向Zは、車両の前後方向の軸、すなわち、前後方向の番線と平行もしくはほぼ平行である。
前記インナーパネル5は、光不透過性の部材から構成されている。前記インナーパネル5は、図示されていないが、前記ランプレンズ3と前記光源80、81および前記導光体9の端部との間に配置されている。この結果、前記光源80、81および前記導光体9の端部は、前記インナーパネル5により、前記ランプレンズ3から見て覆い隠されている。また、前記ヘッドランプユニット6の一部および前記ターンシグナルランプユニット7の一部も、前記インナーパネル5により、前記ランプレンズ3から見て覆い隠されている。前記インナーパネル5は、前記ランプハウジング2に直接あるいは他の部材を介して取り付けられている。
(ヘッドランプユニット6およびターンシグナルランプユニット7の説明)
前記ヘッドランプユニット6は、ロービーム配光パターン(図示せず)とハイビーム配光パターン(図示せず)とを、切り替えて、前記ランプレンズ3から車両の前方に照射するものである。前記ヘッドランプユニット6は、前記ランプハウジング2に光軸調整機構(図示せず)を介して取り付けられている。
前記ターンシグナルランプユニット7は、ターンシグナルランプの所定の配光パターン(図示せず)を前記ランプレンズ3から車両の前方に照射するものである。前記ターンシグナルランプユニット7は、前記ランプハウジング2に直接あるいは他の部材を介して取り付けられている。
(光源80、81の説明)
前記光源80、81は、図1〜図3、図4、図5に示すように、この例では、たとえば、LED、OELまたはOLEDなどの自発光半導体型光源である。前記光源80、81は、発光部と、基板と、から構成されている。前記光源80、81は、前記発光部が前記導光体9の2本の第1導光部91F、91Bの両端の入射面910、911にそれぞれ対向するように、3個配置されている。なお、前記光源80、81は、前記導光体9の2本の前記第1導光部91F、91Bの前記入射面910、911に、4個配置しても良い。
すなわち、3個の前記光源80、81のうち、一方の2個の前記光源(以下、「第1光源」と称する)80は、前記灯室10内の車両の外側Oでかつ後側Bでかつ上側Uの箇所に配置されている。なお、図1においては、前記第1光源80は、1個のみ図示されている。3個の前記光源80、81のうち、他方の1個の前記光源(以下、「第2光源」と称する)81は、前記灯室10内の車両の内側Iでかつ前側Fでかつ下側Dの箇所に配置されている。前記光源80、81は、前記ランプハウジング2に直接あるいは他の部材を介して取り付けられている。
(導光体9の説明)
前記導光体9は、前記光源80、81からの光を、内部での全反射(内面反射)を利用して、前記入射面910、911から出射面912、922に導く部材である。前記導光体9は、この例では、アクリル樹脂やPC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル、メタクリル樹脂)などの透明樹脂材から構成されている。前記導光体9は、前記ランプハウジング2に直接あるいは他の部材を介して取り付けられている。
前記導光体9は、図1、図5、図6、図10〜図13に示すように、3次元の曲面から構成されている前記ランプレンズ3の意匠面に沿った3次元に複雑に長い形状をなす。すなわち、図1、図11の正面視において、前記導光体9の中間部分は、車両の外側Oから内側Iに向かって、車両の上側Uから下側Dに向かって傾斜している。同じく、前記導光体9の車両の外側Oの一方の端部分は、車両の下側Dに向かって湾曲し、かつ、車両の前後方向にねじれている。同じく、前記導光体9の車両の内側Iの他方の端部分は、車両の外側Oに向かって湾曲し、かつ、車両の下側Dに向かって湾曲し、かつ、車両の前後方向にねじれている。
図12の平面視において、前記導光体9の中間部分は、車両の外側Oから内側Iに向かって、車両の後側Bから前側Fに向かって傾斜している。同じく、前記導光体9の車両の外側Oの一方の端部分は、車両の外側Oに向かって湾曲し、かつ、車両の前後方向にねじれている。同じく、前記導光体9の車両の内側Iの他方の端部分は、前記導光体9の中間部分とほぼ平行になるように湾曲し、かつ、車両の前後方向にねじれている。
図13の側面視において、前記導光体9の中間部分は、車両の後側Bから前側Fに向かって、車両の上側Uから下側Dに向かって傾斜している。同じく、前記導光体9の車両の後側Bの一方の端部分は、車両の下側Dに向かって湾曲し、かつ、車両の前後方向にねじれている。同じく、前記導光体9の車両の前側Fの他方の端部分は、車両の後側Bに向かって湾曲し、かつ、車両の下側Dに向かって湾曲し、かつ、車両の前後方向にねじれている。
前記導光体9は、2本の棒形状をなす導光体としての第1導光部91F、91Bと、1枚の板形状をなす付加導光体としての第2導光部92と、を備えるものである。2本の前記第1導光部91F、91Bは、それぞれ、一端から他端にかけて同等もしくはほぼ同等の断面円形もしくはほぼ円形の円柱形状すなわち丸棒形状をなす。2本の前記第1導光部91F、91Bの直径(口径)は、それぞれ、この例では、約6〜10mmである。また、2本の前記第1導光部91F、91Bの長さ、すなわち、前記第1導光部91F、91Bの一端面であって一方の前記入射面(以下、「第1入射面」と称する)910から前記第1導光部91F、91Bの他端面であって他方の前記入射面(以下、「第2入射面」と称する)911までの距離は、それぞれ、この例では、約500〜1000mmである。このように、前記第1導光部91F、91Bの長さは、前記第1導光部91F、91Bの前記直径に基づいている。1枚の前記第2導光部92は、一端から他端にかけて同等もしくはほぼ同等の断面長方形もしくはほぼ長方形の板形状をなす。
前記第1導光部91F、91Bと前記第2導光部92とは、前記第1導光部91F、91Bの一端から他端かけての長手方向O1(前記第1導光部91F、91Bの中心線方向であって、図2、図3の一点鎖線を参照)および前記第2導光部92の一端から他端にかけての長手方向O2(前記第2導光部92の中心線方向であって、図2、図3の一点鎖線を参照)に沿って、相互に一体に接続されている。すなわち、前記第2導光部92の前記長手方向O2の両側面に前記第1導光部91F、91Bの前記長手方向O1の一方の側面がそれぞれ一体に接続されている。なお、図2、図3においては、前記導光体9の概略図を示すので、前記前側第1導光部91Fと前記第2導光部92とを図示し、前記後側第1導光部91Bの図示を省略する。
図1〜図6、図10〜図13に示すように、前記導光体9のうち少なくとも両端部分には、湾曲部が設けられている。すなわち、前記第1導光部91F、91Bおよび前記第2導光部92のうち少なくとも両端部分には、前記第1導光部91F、91Bの前記長手方向O1と前記第2導光部92の前記長手方向O2とが曲率半径の方向において内外の相対位置関係を保つように湾曲されている前記湾曲部が、設けられている。前記湾曲部は、図2、図3に示すように、前記導光体9のうち、前記第2入射面911の近傍に設けられている。
(第1導光部91F、91Bの説明)
2本の前記第1導光部91F、91Bは、それぞれ、前記入射面910、911と、前記出射面912と、全反射面としての第1反射面914と、プリズム反射面としての第2反射面913と、繋面915と、を備えるものである。2本の前記第1導光部91F、91Bは、それぞれ、前記ランプレンズ3の外形に沿った湾曲形状をなしている。2本の前記第1導光部91F、91Bのうち前側第1導光部91Fは、前記ランプレンズ3側に配置されている。一方、2本の前記第1導光部91F、91Bのうち後側第1導光部91Bは、前記ランプハウジング2側に配置されている。前記ランプレンズ3側に近い前記前側第1導光部91Fの曲率半径は、前記ランプレンズ3に対して遠い前記後側第1導光部91Bの曲率半径よりも大きい。
前記入射面910、911は、前記第1導光部91F、91Bの両端面に設けられている。前記入射面910、911は、前記光源80、81の前記発光部に対向する。前記入射面910、911の中心と前記発光部の中心とは、一致もしくはほぼ一致する。前記入射面910、911は、平面もしくは曲面もしくは平面および曲面の組み合わせからなる。前記入射面910、911は、前記発光部から放射される光を前記第1導光部91F、91B中に入射させるものである。前記前側第1導光部91Fの前記第2入射面911には、1個の前記第2光源81が配置されている。一方、前記後側第1導光部91Bの前記第2入射面911には、光源が配置されていない。
2個の前記第1入射面910は、2個の前記第1光源80が配置されている箇所、すなわち、前記灯室10内の車両の外側Oでかつ後側Bでかつ上側Uの箇所に配置されている。2個の前記第2入射面911は、1個の前記第2光源81が配置されている箇所、すなわち、前記灯室10内の車両の内側Iでかつ前側Fでかつ下側Dの箇所に配置されている。
前記出射面912は、前記第1導光部91F、91Bの側面のうち、前記ランプレンズ3および前記インナーレンズ4に対向する側面に設けられている。前記出射面912は、図14に示すように、断面形状がほぼ円弧の円弧面からなる。前記出射面912は、前記入射面910、911から前記第1導光部91F、91B中に入射した入射光L10、L20であって前記第2反射面913からの反射光L12、L22を前記出射光L11、L21として前記第1導光部91F、91B中から外部に前記光軸方向Zもしくはほぼ前記光軸方向Zに沿って出射させるものである。
前記第1反射面914、前記第2反射面913および前記繋面915は、前記第1導光部91F、91Bの側面のうち、前記出射面912に対して反対側の側面に設けられている。前記第1反射面914、前記第2反射面913および前記繋面915は、前記第1導光部91F、91Bの一端部から他端部にかけて、すなわち、前記第2導光部92の前記長手方向O2のほぼ全体に亘って、多数個交互に連続して設けられている。前記第1反射面914、前記第2反射面913および前記繋面915の幅は、この例では、約2mmである。
前記第1反射面914、前記第2反射面913および前記繋面915は、前記第1導光部91F、91Bの両端部であって、前記入射面910、911から所定距離までの部分には、設けられていない。前記入射面910、911から前記所定距離までの部分は、前記出射面912から前記出射光L11、L21が出射されない無発光部分である。前記入射面910、911から前記所定距離までの部分は、前記インナーパネル5により覆い隠されている。
2本の前記第1導光部91F、91Bの前記出射面912と前記第1反射面914、前記第2反射面913および前記繋面915以外の側面には、前記第2導光部92の前記長手方向O2の両側面がそれぞれ一体に接続されている。
(第1反射面914、第2反射面913、繋面915の説明)
前記第1反射面914は、前記側面から前記第1導光部91F、91B中に凹んだ底面であって前記第1導光部91F、91Bの前記長手方向O1と平行もしくはほぼ平行に設けられている。
前記第1反射面914は、前記第1光源80から前記第1入射面910を経て前記第1導光部91F、91B中に入射した一方の前記入射光(以下、「第1入射光」と称する)L10と、前記第2光源81から前記第2入射面911を経て前記第1導光部91F、91B中に入射した他方の前記入射光(以下、「第2入射光」と称する)L20とを、それぞれ前記第1導光部91F、91B中および前記第2導光部92中に全反射させるものである。
前記第2反射面913は、前記第1反射面914から前記第1導光部91F、91B中に前記第1導光部91F、91Bの前記長手方向O1に対して傾斜して設けられている。前記第1反射面914と前記第2反射面913とは、前記繋面915を介して前記第1導光部91F、91Bの前記長手方向O1に連続して多数個設けられている。すなわち、前記第2反射面913と前記繋面915とは、前記第1反射面914の両端から前記第1導光部91F、91B中に前記第1導光部91F、91Bの前記長手方向O1に対して傾斜して設けられている。前記第2反射面913と前記繋面915とは、V字もしくはほぼV字のプリズムの2面から構成されている。前記第2反射面913と前記繋面915とは、稜線(交差線)916を有する。
図15(A)に示すように、前記第2反射面913は、前記第2入射面911を基準とする前記第2入射光L20を反射光L22として前記出射面912側に反射させるものである。一方、図15(B)に示すように、前記繋面915は、前記第1入射面910を基準とする前記第1入射光L10を反射光L12として前記出射面912側に反射させるものである。このように、前記第1入射光L10の場合は、前記繋面915が第2反射面となり、前記第1反射面913が繋面となる。このために、以下、前記第2反射面913は、前記第1入射光L10の場合の前記繋面915も含まれる場合がある。一方、前記繋面915は、前記第1入射光L10の場合の前記第2反射面913も含まれる場合がある。
前記第2反射面913および前記繋面915は、図2、図3中の前記稜線916に示すように、前記第1導光部91F、91Bの前記長手方向O1に対して直交もしくはほぼ直交している。なお、前記第2反射面913および前記繋面915は、前記第1導光部91F、91Bのうち少なくとも前記湾曲部において前記長手方向O1に対して直交もしくはほぼ直交している。このために、前記第2反射面913および前記繋面915は、前記第1導光部91F、91Bの直線部においても前記長手方向O1に対して直交もしくはほぼ直交している場合がある。
(第2導光部92の説明)
前記第2導光部92は、前記第1導光部91F、91Bとほぼ同様に、前記出射面922と、全反射面としての第1反射面924と、プリズム反射面としての第2反射面923と、繋面925と、を備えるものである。前記第2導光部92は、前記第1導光部91F、91Bとほぼ同様に、前記ランプレンズ3の外形に沿った湾曲形状をなしている。
前記出射面922は、前記第2導光部92のうち、前記ランプレンズ3および前記インナーレンズ4に対向する面に設けられている。前記出射面922には、断面三角形の拡散プリズム928が前記長手方向O2に沿って複数本設けられている。なお、前記拡散プリズム928としては、断面円弧状であって、板形状をなす前記第2導光部92に沿って形成された複数の円弧状のプリズムであっても良い。前記出射面922は、前記入射光L10、L20であって前記第2反射面923からの反射光L32を前記出射光L31として前記第2導光部92中から外部に前記光軸方向Zもしくはほぼ前記光軸方向Zに沿って出射させるものである。前記拡散プリズム928は、前記出射面922から外部に出射する前記出射光L31を拡散させるものである。
前記第1反射面924、前記第2反射面923および前記繋面925は、前記第2導光部92のうち、前記出射面922に対して反対側の面に設けられている。前記第1反射面924、前記第2反射面923および前記繋面925は、前記第2導光部92の前記長手方向O2のほぼ全体に亘って、多数個交互に連続して設けられている。多数個の前記第1反射面924、前記第2反射面923および前記繋面925は、それぞれ、多数個の前記第1導光部91F、91Bの前記第1反射面914、前記第2反射面913および前記繋面915に対応している。
(第1反射面924、第2反射面923、繋面925の説明)
前記第1反射面924は、前記第1導光部91F、91Bの前記第1反射面914とほぼ同様に、前記出射面922に対して反対側の面から前記第2導光部92中に凹んだ底面であって前記第2導光部92の前記長手方向O2と平行もしくはほぼ平行に設けられている。前記第1反射面924は、前記第1入射光L10と前記第2入射光L20とをそれぞれ前記第1導光部91F、91B中および前記第2導光部92中に全反射させるものである。
前記第2反射面923は、前記第1反射面924から前記第2導光部92中に前記第2導光部92の前記長手方向O2に対して傾斜して設けられている。前記第1反射面924と前記第2反射面923とは、前記繋面925を介して前記第2導光部92の前記長手方向O2に連続して多数個設けられている。すなわち、前記第2反射面923と前記繋面925とは、前記第1反射面924の両端から前記第2導光部92中に前記第2導光部92の前記長手方向O2に対して傾斜して設けられている。前記第2反射面923と前記繋面925とは、V字もしくはほぼV字のプリズムの2面から構成されている。前記第2反射面923と前記繋面925とは、稜線(交差線)926を有する。
前記第2反射面923は、前記第1導光部91F、91Bの前記第2反射面913とほぼ同様に、前記第2入射光L20を反射光L32として前記出射面922側に反射させるものである。一方、前記繋面925は、前記第1導光部91F、91Bの前記繋面915とほぼ同様に、前記第1入射光L10を反射光L32として前記出射面922側に反射させるものである。このように、前記第1入射光L10の場合は、前記繋面925が第2反射面となり、前記第1反射面923が繋面となる。このために、以下、前記第2反射面923は、前記第1入射光L10の場合の前記繋面925も含まれる場合がある。一方、前記繋面925は、前記第1入射光L10の場合の前記第2反射面923も含まれる場合がある。
前記第2反射面923および前記繋面925は、図2、図3中の前記稜線926に示すように、対応する前記第1導光部91F、91Bの前記第2反射面913および前記繋面915(前記稜線916)の延長面(図2、図3中の破線および符号「927」を参照)に対して傾斜している。すなわち、前記第2導光部92の前記第2反射面923および前記繋面925(前記稜線926)の前記第1導光部91F、91B側の端部を基準として、前記第2導光部92の前記第2反射面923および前記繋面925(前記稜線926)の前記第1導光部91F、91B側の端部に対して反対側の端部が、前記前側第1導光部91Fの前記第2入射面911とは反対側に位置するように、傾斜している。
図4に示すように、前記第1導光部91F、91Bの前記湾曲部(図4中の上側の三点鎖線から下側の三点鎖線までの間の部位)における前記長手方向O1の中間もしくはほぼ中間の前記第2反射面913および前記繋面915(前記稜線916)と、前記第2導光部92の前記湾曲部(図4中の上側の三点鎖線から下側の三点鎖線までの間の部位)における前記長手方向O2の中間もしくはほぼ中間の前記第2反射面923および前記繋面925(前記稜線926)とは、一直線もしくはほぼ一直線をなす。
図4に示すように、前記第2導光部92の前記第2反射面923および前記繋面925は、前記湾曲部(図4中の上側の三点鎖線から下側の三点鎖線までの間の部位)において、曲率半径方向の内側から外側に行くに従って広くなる。すなわち、前記第2導光部92の前記第2反射面923および前記繋面925は、前記稜線926に対して、曲率半径方向の内側から外側に行くに従って末広がりとなっている。
(実施形態の作用の説明)
この実施形態にかかる車両用導光体である導光体9およびこの実施形態にかかる車両用灯具1(以下、「この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1」と称する)は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
2個の第1光源80の発光部および1個の第2光源81の発光部をそれぞれ点灯する。すると、2個の第1光源80から放射された光は、2本の第1導光部91F、91Bの第1入射面910から2本の第1導光部91F、91B中にそれぞれ第1入射光L10として入射する。一方、1個の第2光源81から放射された光は、前側第1導光部91Fの第2入射面911から前側第1導光部91F中に入射光L20として入射する。その入射光L10、L20のうち第1入射光L10は、2本の第1導光部91F、91B中を、第1入射面910側から第2入射面911側に、それぞれ全反射を繰り返しながら導かれる。前記の入射光L10、L20のうち第2入射光L20は、前側第1導光部91F中を、第2入射面911側から第1入射面910側に、全反射を繰り返しながら導かれる。
第1導光部91F、91B中の入射光L10、L20の一部は、第1導光部91F、91Bの第2反射面913、繋面915で反射する。その反射光L12、L22は、第1導光部91F、91Bの出射面912から出射光L11、L21として、外部に光軸方向Zもしくはほぼ光軸方向Zに沿って出射する。
また、第1導光部91F、91B中の入射光L10、L20の一部は、第1導光部91F、91Bの第1反射面914で、第1導光部91F、91B中および第2導光部92中に全反射する。第1導光部91F、91B中に全反射した反射光(入射光L10、L20)は、第1導光部91F、91B中をさらに導かれる。
一方、第2導光部92中に全反射した反射光(入射光L10、L20)は、第2導光部92中を導かれる。第1導光部91F、91B中から第2導光部92中に導かれた光(入射光L10、L20)の一部は、第2導光部92の第2反射面923で反射する。その反射光L32は、第2導光部92の出射面922から出射光L31として、外部に光軸方向Zもしくはほぼ光軸方向Zに沿って出射する。その出射光L31の一部は、第2導光部92の出射面922の拡散プリズム928により拡散される。
また、第1導光部91F、91B中から第2導光部92中に導かれた光(入射光L10、L20)の一部は、第1導光部91F、91B中および第2導光部92中を、第1入射面910側から第2入射面911側に、また、第2入射面911側から第1入射面910側に、導かれる。
第1導光部91F、91Bの出射面912から外部に出射した出射光L11、L21、および、第2導光部92の出射面922から外部に出射した出射光L31は、インナーレンズ4を透過しながら拡散される。その拡散された出射光L11、L21、L31は、所定の配光パターンでランプレンズ3から車両の前方に照射される。
すなわち、2本の第1導光部91F、91Bの出射面912から出射した出射光L11、L21により、クリアランスランプの配光パターンを形成する。第2導光部92の出射面922から出射した出射光L31により、2本の第1導光部91F、91Bの出射面912の間に所定の配光パターンを形成する。
(実施形態の効果の説明)
この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、第1導光部91F、91B中の入射光L10、L20が第2導光部92中に進む(入射する)際に、その入射光L10、L20の進む方向(入射方向)が第2導光部92の第2反射面923および繋面925(稜線926)に対して面直(垂直)とならずに傾斜している(図2中の実線矢印の第2入射光L20と実線の稜線926とを参照)。一方、第2導光部(92)の湾曲部における第2反射面(923)および繋面(925)が、対応する第1導光部(91F、91B)の湾曲部における第2反射面(913)および繋面(915)の延長面上に位置する場合(図2中の破線の稜線927を参照。以下、「本発明を実施しない場合」と称する)。本発明を実施しない場合においては、入射光L10、L20の進む方向(入射方向)が第2導光部(92)の第2反射面(923)および繋面(925)(稜線927)に対して傾斜せずにほぼ面直(垂直)となっている(図2中の実線矢印の第2入射光L20と破線の稜線927とを参照)。この結果、この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、第2導光部92の第2反射面923および繋面925のうち第1導光部91F、91B側寄りの部分で反射する光の量(光束)を、本発明を実施しない場合と比較して、少なくすることができる。これにより、この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、第2導光部92の第2反射面923および繋面925のうち第1導光部91F、91B側寄りの部分における高輝度感(点光)を抑制することができる。すなわち、この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、第2導光部92の湾曲部における第2反射面923および繋面925(図2中の実線の稜線926を参照)が、対応する第1導光部91F、91Bの湾曲部における第2反射面913および繋面915の延長面(図2中の破線の稜線927を参照)に対して、第2導光部92の第2反射面923および繋面925の第1導光部91F、91B側の端部を基準として第2導光部92の第2反射面923および繋面925の第1導光部91F、91B側の端部とは反対側の端部が第1導光部91F、91Bの第2反射面913および繋面915とは反対側に位置するように、傾斜している。このために、第2導光部92中に入射した入射光L10、L20が第2導光部92の第2反射面923および繋面925(稜線926)に対して面直(垂直)とならずに傾斜している(図2中の実線矢印の第2入射光L20と実線の稜線926とを参照)。これにより、第2導光部92中に入射した入射光L10、L20が第2導光部92の第2反射面923および繋面925のうち第1導光部91F、91B側寄りの部分で反射する量は、少なくなる。この結果、第2導光部92の第2反射面923および繋面925のうち第1導光部91F、91B側寄りの部分における高輝度感(点光)を抑制することができる。
また、この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、第2導光部92中の入射光L10、L20が第1導光部91F、91B側に進む際に、その入射光L10、L20の進む方向が第2導光部92の第2反射面923および繋面925のうちほぼ中間の部分に対してほぼ面直(垂直)となる(図3中の実線矢印の第2入射光L20と実線の稜線926とを参照)。一方、本発明を実施しない場合においては、入射光L10、L20の進む方向が第2導光部(92)の第2反射面(923)および繋面(925)のうちほぼ中間の部分に対して傾斜している(図3中の実線矢印の第2入射光L20と破線の稜線927とを参照)。この結果、この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、第2導光部92の第2反射面923および繋面925のうちほぼ中間の部分で反射する光の量(光束)を、本発明を実施しない場合と比較して、多くすることができる。これにより、この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、第2導光部92のうちほぼ中間の部分における光抜けを抑制することができる。
このように、この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、第2導光部92の第2反射面923および繋面925のうち第1導光部91F、91B側寄りの部分からほぼ中間の部分にかけてほぼ均一な面発光が得られる。すなわち、この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、板形状をなす第2導光部92の出射面922の均一発光を向上させることができる。
以下、この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1の板形状をなす第2導光部92(以下、「この実施形態の第2導光部92」と称する)の出射面922の均一発光と、本発明を実施しない場合の導光体900の板形状をなす第2導光部92(以下、「前記の導光体900の第2導光部92」と称する)の出射面922の均一発光とを、図7、図8、図9(A)、図9(B)を参照して説明する。なお、ただ単に「第2導光部92」と称する場合は、この実施形態の第2導光部92と前記の導光体900の第2導光部92とを言う。
図7は、図6におけるVII−VII線断面図における第2導光部92の輝度分布を示す説明図である。図8は、図6におけるVIII−VIII線断面図における第2導光部92の輝度分布を示す説明図である。図7、図8において、縦軸は輝度を示し、横軸は第2導光部92の出射面922の位置を示す。図7中の符号「B1」は、後側第1発光部91Bの出射面912と第2発光部92の出射面922との境界を示す。図7中の符号「F1」は、前側第1発光部91Fの出射面912と第2発光部92の出射面922との境界を示す。図8中の符号「B2」は、後側第1発光部91Bの出射面912と第2発光部92の出射面922との境界を示す。図8中の符号「F2」は、前側第1発光部91Fの出射面912と第2発光部92の出射面922との境界を示す。
図7、図8中の太い実線は、この実施形態の第2導光部92の出射面922の輝度分布を示す。図7、図8中の太い破線は、前記の導光体900の第2導光部92の出射面922の輝度分布を示す。図7、図8に示すように、この実施形態の第2導光部92の出射面922の輝度幅W1、W3は、前記の導光体900の第2導光部92の出射面922の輝度幅W2、W4と比較して、小さい。これにより、この実施形態の第2導光部92の出射面922の輝度勾配は、前記の導光体900の第2導光部92の出射面922の輝度勾配と比較して、緩やかである。すなわち、図9(A)に示すように、この実施形態の第2導光部92の出射面922から出射される出射光L31の間隔は、ほぼ均等である。これに対して、図9(B)に示すように、前記の導光体900の第2導光部92の出射面922から出射される出射光L31の間隔は、前側第1発光部91F側の間隔が密であり、後側第1発光部91B側の間隔が疎であり、不均等である。この結果、この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、板形状をなす第2導光部92の出射面922の均一発光を、前記の導光体900と比較して、向上させることができる。
この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、図4に示すように、第1導光部91F、91Bの湾曲部における長手方向O1の中間もしくはほぼ中間の第2反射面913および繋面915(稜線916)と、第2導光部92の湾曲部における長手方向O2の中間もしくはほぼ中間の第2反射面923および繋面925(稜線926)とが、一直線もしくはほぼ一直線をなす。このために、この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、第2導光部92の第2反射面923および繋面925(図2、図3中の稜線926を参照)を、対応する第1導光部91F、91Bの第2反射面913および繋面915(図2、図3中の稜線916を参照)の延長面(図2、図3中の破線の稜線927を参照)に対して傾斜させることができる。すなわち、第2導光部92の第2反射面923および繋面925(稜線926)の第1導光部91F、91B側の端部を基準として、第2導光部92の第2反射面923および繋面925(稜線926)の第1導光部91F、91B側の端部に対して反対側の端部を、前側第1導光部91Fの第2入射面911とは反対側に位置するように、傾斜させることができる。これにより、この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、板形状をなす第2導光部92の出射面922の均一発光を確実に向上させることができる。
この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、図4に示すように、第2導光部92の第2反射面923および繋面925が、湾曲部において、曲率半径方向の内側から外側に行くに従って広くなっている。この結果、この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、第2導光部92の第1反射面924の湾曲部の曲率半径方向外側における幅と曲率半径方向内側における幅とをほぼ均等にすることができる。これにより、この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、非点灯時において、第2導光部92の湾曲部における見栄えを損なうことがない。すなわち、第2導光部(92)の第2反射面(923)および繋面(925)の幅が、曲率半径方向の内側から外側にかけてほぼ同等である場合。この場合においては、第2導光部(92)の第1反射面(924)の湾曲部の曲率半径方向外側における幅が曲率半径方向内側における幅よりも広くなる。これにより、この場合においては、非点灯時において、第2導光部(92)の湾曲部における見栄えを損なうことがある。これに対して、この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、前記の通り、非点灯時において、第2導光部92の湾曲部における見栄えを損なうことがない。
この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、第1導光部91F、91Bおよび第2導光部92がそれぞれ第1反射面914、924と第2反射面913、923と繋面915、925とを有するものであるから、第1導光部91F、91B中および第2導光部92中の入射光L10、L20を第1導光部91F、91Bの長手方向O1および第2導光部92の長手方向O2に長くかつ均一に導くことができる。
この実施形態にかかる導光体9、車両用灯具1は、第1導光部91F、91Bの湾曲部および第2導光部92の湾曲部が、前側第1導光部91Fの第2入射面911の近傍に設けられている。このために、第2光源81から近く強い第2入射光L20による第2導光部92の第2反射面923および繋面925のうち第1導光部91F、91B側寄りの部分における高輝度感(点光)を抑制することができる。
(実施形態以外の例の説明)
なお、前記の実施形態においては、フロントコンビネーションランプのクリアランスランプについて説明するものである。ところが、この発明においては、フロントコンビネーションランプのクリアランスランプ以外の車両用灯具、たとえば、フロントコンビネーションランプのデイタイムランニングランプ、ターンシグナルランプ、コーナリングランプ、フォグランプ、リヤコンビネーションランプのターンシグナルランプ、テールランプ、ストップランプ、テール・ストップランプ、バックアップランプなどにも適用することができる。
また、前記の実施形態においては、導光体9の第1導光部91F、91Bの直径が約6〜10mmであり、第1反射面914、第2反射面913、繋面915の幅が約2mmである。ところが、この発明においては、導光体9の第1導光部91F、91Bの直径の寸法および第1反射面914、第2反射面913、繋面915の幅の寸法を特に限定しない。
さらに、前記の実施形態においては、導光体9が3次元の曲面から構成されているランプレンズ3の意匠面に沿った3次元に複雑に長い形状をなすものである。ところが、この発明においては、導光体9の形状を特に限定しない。たとえば、導光体9の形状は、3次元形状であって、ランプレンズ3の意匠面に沿っていない形状であっても良い。
さらにまた、前記の実施形態においては、ランプレンズ3が素通しのレンズから構成されているものである。ところが、この発明においては、ランプレンズ3に拡散系プリズムたとえば魚眼プリズムなどを設けても良い。
さらにまた、前記の実施形態においては、2本の第1導光部91F、91Bと1枚の第2導光部92とを有するものである。ところが、この発明においては、1本の第1導光部(前側第1導光部91F)と1枚の第2導光部92とを有するものであっても良い。この場合において、光源は、前側第1導光部91Fの第1入射面910のみ、あるいは、前側第1導光部91Fの第2入射面911のみ、あるいは、前側第1導光部91Fの第1入射面910および第2入射面911、に配置する。
さらにまた、前記の実施形態においては、光源80、81として、LED、OELまたはOLEDなどの自発光半導体型光源を使用するものである。ところが、この発明においては、光源として、バルブ光源、レーザー光を照射するレーザー装置であっても良い。
さらにまた、前記の実施形態においては、インナーレンズ4から透過する出射光L11、L21、L31をインナーレンズ4により拡散するものである。ところが、この発明においては、インナーレンズ4から透過する出射光L11、L21、L31を拡散させずにそのまま透過させるものであっても良い。
さらにまた、前記の実施形態においては、インナーレンズ4を使用するものである。ところが、この発明においては、インナーレンズ4を使用しなくても良い。
1 車両用灯具
2 ランプハウジング
3 ランプレンズ
4 インナーレンズ
5 インナーパネル
6 ヘッドランプユニット
7 ターンシグナルランプユニット
80 第1光源(光源)
81 第2光源(光源)
9、900 導光体
91F 前側第1導光部(第1導光部)
91B 後側第1導光部(第1導光部)
910 第1入射面(入射面)
911 第2入射面(入射面)
912 出射面
913 第2反射面
914 第1反射面
915 繋面
916 稜線
92 第2導光部
922 出射面
923 第2反射面
924 第1反射面
925 繋面
926、927 稜線
928 拡散プリズム
10 灯室
L10 第1入射光(入射光)
L20 第2入射光(入射光)
L11、L21、L31 出射光
L12、L22、L32 反射光
O 外側
I 内側
U 上側
D 下側
F 前側
B 後側
Z 光軸方向
O1、O2 長手方向
W1、W2、W3、W4 輝度幅

Claims (6)

  1. 棒形状をなす第1導光体と、板形状をなす第2導光体と、を備え、
    前記第1導光体と前記第2導光体とは、前記第1導光体の長手方向および前記第2導光体の長手方向に沿って、一体に接続されていて、
    前記第1導光体は、
    端面に設けられていて光を外部から前記第1導光体中に入射させる入射面と、
    側面に設けられていて前記第1導光体中に入射した光を前記第1導光体中から外部に出射させる出射面と、
    前記出射面に対して反対側の側面に前記長手方向に多数個設けられていて前記第1導光体中に入射した光を前記第1導光体中に反射させる反射面と、
    を備え、
    前記第2導光体は、
    前記第1導光体の前記出射面側の面に設けられていて前記第2導光体中に入射した光を前記第2導光体中から外部に出射させる出射面と、
    前記出射面に対して反対側の面に多数個の前記第1導光体の前記反射面にそれぞれ対応して前記長手方向に多数個設けられていて前記第2導光体中に入射した光を前記第2導光体中に反射させる反射面と、
    を備え、
    前記第1導光体および前記第2導光体には、前記第1導光体の前記長手方向と前記第2導光体の前記長手方向とが曲率半径の方向において内外の相対位置関係を保つように湾曲されている湾曲部が、設けられていて、
    前記第1導光体の前記湾曲部における前記反射面は、前記第1導光体の前記湾曲部における前記長手方向に対して直交もしくはほぼ直交していて、
    前記第2導光体の前記湾曲部における前記反射面は、対応する前記第1導光体の前記湾曲部における前記反射面の延長面に対して、前記第2導光体の前記反射面の前記第1導光体側の端部を基準として前記第2導光体の前記反射面の前記第1導光体側の端部とは反対側の端部が前記第1導光体の前記入射面とは反対側に位置するように、傾斜している、
    ことを特徴とする車両用導光体。
  2. 前記第1導光体の前記湾曲部における前記長手方向の中間もしくはほぼ中間の前記反射面と、前記第2導光体の前記湾曲部における前記長手方向の中間もしくはほぼ中間の前記反射面とは、一直線もしくはほぼ一直線をなす、
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用導光体。
  3. 前記第2導光体の前記反射面は、前記湾曲部において、曲率半径方向の内側から外側に行くに従って広くなる、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用導光体。
  4. 前記第1導光体の前記反射面および前記第2導光体の前記反射面は、
    前記第1導光体中および前記第2導光体中に凹んだ底面であって前記第1導光体の前記長手方向および前記第2導光体の前記長手方向と平行もしくはほぼ平行に設けられている第1反射面と、
    前記第1導光体中および前記第2導光体中に前記第1反射面から前記第1導光体の前記長手方向および前記第2導光体の前記長手方向に対して傾斜して設けられている第2反射面と、
    を有し、
    前記第1反射面と前記第2反射面とが繋面を介して前記第1導光体の前記長手方向および前記第2導光体の前記長手方向に連続して多数個設けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用導光体。
  5. 前記第1導光体の前記湾曲部および前記第2導光体の前記湾曲部は、前記第1導光体の前記入射面の近傍に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用導光体。
  6. 灯室を区画するランプハウジングおよびランプレンズと、
    前記灯室内に配置されている光源および前記光源からの光を入射させる前記の請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用導光体と、
    を備えている、
    ことを特徴とする車両用灯具。
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