JP6479019B2 - 切り屑処理配置構成を含む仕上げ深さ旋削インサート - Google Patents
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Description
[001]本出願の主題は、機械加工作業のためのインサート、特に、仕上げ深さ機械加工作業のための切り屑処理配置構成を含む旋削インサートに関する。
[002]旋削インサートおよびその切り屑処理配置構成に関する多くの文献の中で、米国特許第4,941,780号は、仕上げ、中および荒深さ機械加工作業のために構成されたインサートを提供するために設計された幾つかの注目に値する切り屑処理配置構成を説明している。
[006]本出願の主題による切り屑処理配置構成は、特にステンレス鋼機械加工のために、仕上げ深さ範囲および隣接する中深さ範囲で比較的長い工具寿命ならびに良好なバリ性能を提供するよう開発されている。
A.インサートは相対する第1および第2面を含み得る。第1および第2面は互いに平行であり得る。インサートは、第1および第2面へ接続される周方向に延在する周面を含み得る。
B.インサートの第1および第2面は、それらの間に位置しかつそれらと平行に延在する基準平面PRを画定し得る。基準平面は、基準平面から第1面に向かって垂直に向けられる上向きの方向、上向きの方向に対向する下向きの方向、および基準平面に垂直でありかつコーナを二分する二等分平面を画定し得る。基準平面は第1面と第2面との間の中間に位置し得る。
C.インサートは、第1面でコーナ半径を画定するコーナを含み得る。
D.切れ刃は第1面と周面との間に形成され得る。
E.切れ刃は、コーナならびに、コーナの異なる側へ接続されかつそこから延在する第1および第2エッジ部分に沿って延在し得る。
F.第1および第2エッジ部分の各々は、凹形の逃げを有して形成され得る。凹形の逃げは、切り屑を仕上げおよび/または中突出部に向かって誘導するように構成され得る。言い換えると、凹形の逃げは、切り屑を工作物から離れるように方向づけるように構成され得る。
G.二等分平面は、インサート内へ向けられかつ基準平面と平行の内側への方向を画定し得る。切り屑処理配置構成は二等分平面に関して対称であり得る。
H.インサートは切り屑処理配置構成を含み得る。切り屑処理配置構成はインサートの第1面に形成され得る。インサートの各コーナの第1面に、またはインサートの全てのコーナのその第1および第2面の両方に形成された、本出願の主題による別の切り屑処理配置構成があり得る。
I.切り屑処理配置構成は、中突出部と、中突出部とコーナとの間に位置する仕上げ突出部とを含み得る。
J.中突出部は仕上げ突出部に向かって先細になり得る。中上面の平面視において、中突出部は仕上げ突出部に向かって先細になり得る。加えて、このような図において、中突出部は、直線状またはくぼんだエッジを含み得る。このような形状は中突出部と切れ刃との間により多くの切り屑スペースを提供する点で有益であり得る。
K.中突出部は、それぞれ第1および第2エッジ部分に面する第1および第2中デフレクタ面を含み得る。
L.中突出部は、第1および第2中デフレクタ面へ接続され、切れ刃よりも基準平面から遠くに位置する中上面を含み得る。インサートが両刃である実施形態において、中上面は座面の一部を構成し得る。座面は第1面の大部分にわたって延在し得る。座面は、各負のエッジに隣接する膨隆部分を含み得る。
M.中突出部は前部中デフレクタ面を含み得る。前部中デフレクタ面は中上面に上向きかつ内側への方向に延在し得る。
N.中突出部は中突出部チップを含み得る。
O.仕上げ突出部は前部仕上げデフレクタ面を含み得る。
P.仕上げ突出部は第1および第2逃げ面を含み得る。第1および第2逃げ面は前部仕上げデフレクタ面から後部面へ延在し得る。第1および第2逃げ面はそれぞれ第1および第2エッジ部分に向き得る。各逃げ面は関連するエッジ部分に垂直な断面において平面または凸形であり得る。関連するエッジ部分に垂直な断面において、各逃げ面は凹状ランドと仕上げピークとの間に接続され得る。
Q.仕上げ突出部は仕上げピークから中突出部へ延在する後部面を含み得る。
R.仕上げ突出部は仕上げピークを含み得る。仕上げピークは、前部仕上げデフレクタ面、後部面ならびに仕上げ突出部の第1および第2逃げ面へ接続され得る。言い換えると、仕上げ突出部はピラミッド形状を有し得る。仕上げピークは切れ刃よりも基準平面の近く位置し得る。
S.二等分平面に沿って、切り屑処理配置構成は切れ刃へ接続されかつそこから谷部へ延在するランドを画定し得る。本明細書および特許請求の範囲の目的のための谷部は、最も低いポイントを意味する。ランドは、二等分平面に沿った形状と同様の形状を備えて切れ刃の長さに沿って延在し得る。二等分平面に沿って、ランドは下向きかつ内側への方向で切れ刃から谷部へ延在し得る。理論により拘束されるものではないが、ランドの即座の下向きかつ内側への傾斜(すなわち、最初に基準平面と平行に延在し続いて下向きかつ内側への方向へ下降する中間的なランドがない)はバリ性能の向上において有益であり得ると思われる。切れ刃全体に沿って、ランドは下向きかつ内側への方向に切れ刃から谷部へ延在し得る。
T.前部仕上げデフレクタ面は、二等分平面と切れ刃とのコーナ交差点からコーナ半径の2倍未満の距離内の谷部へ接続され得る。好ましくは、前部仕上げデフレクタ面は、交差点からの単一のコーナ半径の距離内の谷部へ接続され得る。最良の実験結果は、前部仕上げデフレクタ面の谷部への接続の全体が交差点からの単一のコーナ半径の距離以内にある場合に達成されている。
U.二等分平面に沿って、前部仕上げデフレクタ面は、谷部から仕上げピークへ内側への方向のみ、または内側への方向および上向きの方向の両方にのいずれかで延在し得る。理論により拘束されるものではないが、内側かつ上向きの方向に延在する前部仕上げデフレクタ面は、内側への方向のみよりより良い性能を提供し得ると思われる。
V.前部仕上げデフレクタ面は平面であり得る。
W.第1および第2逃げ面は、前部仕上げデフレクタ面よりも切れ刃から遠くに位置し得る。
X.第1および第2逃げ面の各々とそれに隣接する切れ刃との間の距離(例えば、第1逃げ面と切れ刃の第1エッジ部分との距離)は、前部仕上げデフレクタ面と第1および第2逃げ面の前記各々との間の距離の増加に伴い、増加し得る。
Y.第1および第2逃げ面は長尺形状を有し得る。
Z.第1面の平面視(例えば図2または4A)において、第1および第2逃げ面は、両方とも二等分平面とそれぞれの逃げ平面との間に位置し得る。各逃げ平面は、基準平面に垂直でありかつ二等分平面と切れ刃とのコーナ交差点を通過し得る。各逃げ平面は、二等分平面と関連するエッジ部分に垂直に延在するエッジ平面との間に形成されるエッジ角度よりも小さい逃げ角を二等分平面と形成し得る。第1面の平面視において、第1および第2逃げ面は、両方とも二等分平面とそれぞれの逃げ平面との間に位置し得る。各逃げ平面は、基準平面に垂直でありかつ二等分平面と切れ刃とのコーナ交差点を通過する。各逃げ平面は、二等分平面と関連するエッジ部分に垂直に延在するエッジ平面との間に形成されるエッジ角度より小さい逃げ角を二等分平面と形成し得る。15°〜45°の逃げ角が実現可能と考えられ、20°〜30°の逃げ角は最良の結果をもたらすと考えられる。
AA.二等分平面に沿って、すくい角(すなわち、ランドと基準平面PRとの間で計測されるもの)は5°〜25°であり得る。切れ刃全体に沿ったすくい角は5°〜25°であり得る。好ましくは、二等分平面でのおよび/または切れ刃全体に沿ったすくい角は12°〜20°であり得る。実験結果に鑑み、二等分平面でのおよび/または切れ刃全体に沿った最も好ましいすくい角の範囲は12°〜20°であると思われる。後者の範囲が最良のバリ性能結果を提供し得る一方、荒深さ機械加工作業で使用される場合は許容できない性能をもたらすであろうことが理解される。正のすくい角の増大は比較的浅い深さ機械加工にとって有益であり得るが、比較的深い深さにとっては有害であり得る。例えば、5°のすくい角は仕上げおよび中深さ作業にとって許容可能な結果を提供し得るが、荒深さ作業にとって不十分な結果を提供することがあり、12°のすくい角が仕上げ〜中深さ作業にとってさらに良好な結果を提供することが見出されているが、荒深さ作業で使用されると許容できない性能をもたらすことが予想され得る。上記のすくい角は切れ刃全体に沿って存在することができる。
BB.インサートは、別のコーナに隣接しかつ追加的な切れ刃を有して形成される追加的なコーナを含み得る。インサートは、第1面および周面に沿って、コーナの切れ刃の間に形成される負のすくい角のエッジをさらに含み得る。言い換えると、インサートの2つのエッジ部分を接続する負のすくい角のエッジがあり得る。そのような負のすくい角のエッジは切り屑の打ち出しの低減に有益であり得る一方、そのような特徴は、インサートが、荒深さ作業において使用されると、許容できない性能を有することをもたらし得ることが理解される。
CC.インサートは、中突出部へ接続されかつそこから下向きの方向へならびにそれぞれ第1および第2エッジ部分に向かって延在する第1および第2中案内面(例えば、下向きにかつ第1エッジ部分に向かって延在する第1中案内面)を含み得る。第1および第2中案内面の各々は、それぞれの第1および第2案内突出部の一部であり得る。各案内突出部は、チップ(すなわち「案内突出部チップ」)を含み得る。各中案内面は楔形案内突出部の面であり得る。各案内突出部は、案内ピークを含み得る。各中案内面は関連する案内ピークから下向きに延在し得る。
DD.切り屑が由来する工作物に向かって切り屑が戻るよう向きを変えるのを回避するため、第1および第2中案内面は、各々それらに隣接するエッジ部分から間隔を空けて配され得る。より正確には、各案内突出部チップおよび中突出部チップは、同じエッジ部分から等しい距離だけ間隔を空けて配され得る。
EE.案内突出部チップおよび中突出部チップは、同じ隣接するエッジ部分から等しい距離だけ間隔を空けて配される。
FF.距離D1は二等分平面と切れ刃とのコーナ交差点から第1および第2中案内面の一方へ画定され、距離D2は同じコーナ交差点から前部中デフレクタ面42上の最接近ポイントへ画定される。距離D1は距離D2の3倍〜5倍である(3・D2≦D1≦5・D2)。
GG.距離D3は、二等分平面と切れ刃とのコーナ交差点から第1および第2中案内面の一方へ画定され、関連するエッジ部分に平行に計測され、平行距離D4は、隣接するそのようなコーナ交差点間のインサートエッジの全長として画定される。好ましくは、1/8・D4≦D3≦1/3・D4である。
[0012]本出願の主題のよりよい理解のため、およびそれが実際にどのように実施され得るのかを示すため、ここに添付図面が参照される。
[0013]機械加工作業のための仕上げ深さ旋削インサート10を示す図1〜3を参照する。インサート10は典型的には、バインダー内のカーバイド粉末を型押し(form-pressing)し次いで焼結することによるか粉末射出成形方法かのいずれかにより、極めて硬くかつ耐摩耗性の材料、例えば超硬合金でできている。
Claims (11)
- 仕上げ深さ旋削インサート(10)であって、
相対する第1および第2面であって、それらの間に位置しそれらと平行に延在する基準平面(PR)を画定する相対する第1および第2面(12,14)と、
前記第1および第2面(12,14)へ接続される周方向に延在する周面(16)と、
前記第1面(12)で、コーナ半径(RC)を画定する第1コーナ(18)と、
切れ刃であって、前記第1面(12)と前記周面(16)との間に形成され、前記第1コーナ(18A)ならびに前記第1コーナ(18)の異なる側部へ接続されかつそこから延在する第1および第2エッジ部分(24A,24B)に沿って延在する切れ刃(22)と、
前記第1面(12)に形成される切り屑処理配置構成(20)とを含み、
前記基準平面(PR)が、
前記基準平面(PR)から前記第1面(12)に向かって垂直に向けられる上向きの方向(DU)と、
前記上向きの方向(DU)に対向する下向きの方向(DD)と、
前記基準平面(PR)に垂直でありかつ前記第1コーナ(18)を二分する二等分平面(PB)とを画定し、
前記二等分平面(PB)が、
前記インサート(10)内へ向けられかつ前記基準平面(PR)と平行な内側への方向(DI)を画定し、
前記切り屑処理配置構成(20)が前記二等分平面(PB)に関して対称でありかつ
中突出部(34)と、
前記中突出部(34)と前記第1コーナ(18)との間に位置する仕上げ突出部(36)とを含み、
前記中突出部(34)が、
それぞれ前記第1および第2エッジ部分(24A,24B)に面する第1および第2中デフレクタ面(38A,38B)と、
前記第1および第2中デフレクタ面(38A,38B)へ接続され、前記切れ刃(22)よりも前記基準平面(PR)から遠くに位置する中上面(40)と
を含み、
前記仕上げ突出部(36)が、
前部仕上げデフレクタ面(58)と、
前記中突出部(34)へ延在する後部面(60)と、
前記前部仕上げデフレクタ面(58)から前記後部面(60)へ延在しかつそれぞれ前記第1および第2エッジ部分(24A,24B)に面する第1および第2逃げ面(62A,62B)と、
前記前部仕上げデフレクタ面(58)、前記後部面(60)ならびに前記第1および第2逃げ面(62A,62B)へ接続されかつ前記切れ刃(22)よりも前記基準平面(PR)の近くに位置する仕上げピーク(64)とを含み、
前記前部仕上げデフレクタ面(58)が平面であり、
前記二等分平面(PB)に沿って、前記切り屑処理配置構成(20)が、前記切れ刃(22)へ接続されかつそこから谷部(68)へ延在するランド(66)をさらに画定し、
前記前部仕上げデフレクタ面(58)が、前記二等分平面(PB)と前記切れ刃(22)とのコーナ交差点(56)からコーナ半径(RC)の2倍未満の距離内の前記谷部(68)へ接続され、かつ、
前記二等分平面(PB)に沿って、前記前部仕上げデフレクタ面(58)が、前記谷部(68)から、前記仕上げピーク(64)へ前記内側への方向(DI)のみまたは前記内側かつ上向きの方向(DI,DU)の両方のいずれかで延在し、
前記二等分平面(PB)に沿って、前記ランド(66)が、前記切れ刃(22)から前記下向きかつ内側への方向(DD,DI)に前記谷部(68)へ延在し、
前記二等分平面(PB)に沿って、すくい角が5°〜25°である
仕上げ深さ旋削インサート(10)。 - 前記前部仕上げデフレクタ面(58)が、前記コーナ交差点(56)からの単一のコーナ半径(RC)の距離内の前記谷部(68)へ接続される、請求項1に記載のインサート(10)。
- 前記前部仕上げデフレクタ面(58)の前記谷部(68)への接続全体が前記コーナ交差点(56)からの単一のコーナ半径(RC)の距離内にある、請求項1または2に記載のインサート(10)。
- 前記第1および第2逃げ面(62A,62B)が、前記前部仕上げデフレクタ面(58)よりも前記切れ刃(22)から遠くに位置する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のインサート(10)。
- 前記第1および第2逃げ面(62A,62B)の各々とそれに隣接する前記切れ刃(22)との間の距離が、前記前部仕上げデフレクタ面(58)と前記第1および第2逃げ面(62A,62B)の前記各々との間の距離の増加に伴い、増加する、請求項4に記載のインサート(10)。
- 前記第1および第2逃げ面(62A,62B)が長尺形状を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のインサート(10)。
- 前記第1面(12)の平面視において、前記第1および第2逃げ面(62A,62B)が両方とも前記二等分平面(PB”)とそれぞれの逃げ平面(PR”)との間に位置し、各逃げ平面(PR”)が前記基準平面(PR)に垂直でありかつ前記二等分平面(PB”)と前記切れ刃(22)とのコーナ交差点(56)及び前記前部仕上げデフレクタ面(58'')の最外ポイントを通過し、各逃げ平面(PR”)が、前記二等分平面(PB”)と関連するエッジ部分(24A”)に垂直に延在するエッジ平面(PE”)との間に形成されるエッジ角度(β”)より小さい逃げ角(α”)を前記二等分平面(PB”)と形成する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインサート(10)。
- 前記第1コーナ(18A)に隣接しかつ第2切れ刃を有して形成される第2コーナ(18B)をさらに含み、前記インサート(10)が、前記第1面(12)および前記周面(16)に沿って前記切れ刃と前記追加的な第2切れ刃との間に形成された負のすくい角のエッジ(28)をさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインサート(10)。
- 第1および第2中案内面であって、前記中突出部(34)へ接続されかつそこから前記下向きの方向(DD)にならびにそれぞれ前記第1および第2エッジ部分(24A,24B)に向かって延在する第1および第2中案内面(36A,36B)をさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のインサート(10)。
- 前記中上面(40)の平面視において、前記中突出部(34)が前記仕上げ突出部(36)に向かって先細になる、請求項1〜9のいずれか一項に記載のインサート(10)。
- 前記第1および第2エッジ部分(24A,24B)の各々が凹形の逃げを有して形成される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のインサート(10)。
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