JP6477226B2 - 共役ジエン系ゴム組成物の製造方法 - Google Patents

共役ジエン系ゴム組成物の製造方法 Download PDF

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本発明は、共役ジエン系ゴム組成物の製造方法に関する。特に、重合体溶液から共役ジエン系ゴムを回収する際に、操業性良く共役ジエン系ゴムを得るための製造方法に関する。
近年、省資源や環境対策が重視されるにつれて、低燃費性に優れる自動車タイヤに対する要求水準は、ますます高まっている。低燃費性に優れるタイヤを製造するためには、一般に、低発熱性に優れ、走行時に発熱し難い架橋ゴムを形成することができるゴム材料の使用が有効である。
低発熱性を改善するタイヤを形成するための架橋ゴム組成物としては、例えば、特許文献1には、ゴム成分として、特定のポリオルガノシロキサンと反応させることにより、共役ジエン系重合体鎖がポリオルガノシロキサンを介して結合された構造を有している分岐状共役ジエン系ゴムと、分子内に特定の官能基を有する化合物を反応せしめた共役ジエン系ゴムとを特定量含む共役ジエン系ゴム組成物に、補強剤としてシリカを配合させ、架橋剤を加えたゴム組成物が開示されている。しかしながら、特許文献1で得られる共役ジエン系ゴムは、共役ジエン系ゴムの製造時において、共役ジエン系重合体溶液から共役ジエン系ゴムをスチームストリッピング法で凝固することで回収する際、共役ジエン系ゴム凝固クラムが互着、肥大化して、凝固槽の壁面や攪拌翼に付着することがあり、また、凝固クラム移送配管を詰まらせて、凝固時の操業が不安定になるという問題があった。
一方、特許文献2には、タイヤに用いた際に、ヒステリシスロスを減少させた、特定の官能化剤を逐次的に重合体に反応させた官能化重合体を製造する方法が開示されている。しかしながら、特許文献2で開示されている官能化重合体の製造方法を利用しても、ゴム凝固時の操業が不安定になるという問題を解消するためには不充分であった。
国際公開第2005/021637号 特表2007−500281号公報
本発明の目的は、低燃費性に優れたタイヤの材料となる、シリカ配合ゴム組成物を得るのに好適な、重合時のカップリング率の経時安定性、および共役ジエン系ゴム組成物の凝固操業性を向上させた製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、不活性溶媒中で、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液中に、四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンを特定量添加し、錫および/またはケイ素カップリング重合体を生成させる工程と、次いで、特定のポリオルガノシロキサンを特定量添加し、シロキサン変性重合体を生成させた後、更に、テトラメトキシシランを特定量添加し、ケイ素カップリングシロキサン変性重合体を生成させる工程と、を含んでなる、共役ジエン系ゴム組成物の製造方法により、共役ジエン系ゴム組成物全量に対する、共役ジエン系重合体鎖の3分岐以上のカップリング率が特定範囲になることを見出し、その結果、上記目的を達成することを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、完成するに至ったものである。
かくして本発明によれば、不活性溶媒中で、重合開始剤により重合して得られた、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液中に、(A)四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンを、前記共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基量として、重合反応に用いた前記重合開始剤1モルに対し、0.01〜0.26モルに相当する量を添加し、錫および/またはケイ素カップリング重合体を生成させる工程と、(B)次いで、一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンを、重合反応に用いた前記重合開始剤1モル量に対し、0.001モルを超え0.1モル未満量添加し、シロキサン変性重合体を生成させる工程と、(C)更に、テトラメトキシシランを、重合反応に用いた前記重合開始剤1モルに対し、0.60〜0.95モル量添加し、ケイ素カップリングシロキサン変性重合体を生成させる工程と、を含んでなる、共役ジエン系ゴム組成物の製造方法が提供される。
Figure 0006477226

(式中、R〜Rは、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違していてもよい。XおよびXは、(i)エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基、または、(ii)炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数6〜12のアリール基であり、XおよびXは互いに同一であっても相違していてもよい。Xは、エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基である。Xは、2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基であり、Xの一部は2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基から導かれる基であってもよい。mは3〜200の整数、nは0〜200の整数、kは0〜200の整数である。)
少なくとも(C)工程の前に、極性化合物を、重合反応に用いた前記重合開始剤1モル量に対し、0.2〜30モル量添加していることが好ましい。
本発明によれば、低燃費性に優れたタイヤの材料となる、シリカ配合ゴム組成物を得るのに好適な、重合時のカップリング率の経時安定性、および凝固操業性が向上した共役ジエン系ゴム組成物が得られる。
本発明の共役ジエン系ゴム組成物の製造方法は、不活性溶媒中で、重合開始剤により重合して得られた、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液中に、(A)四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンを、前記重合体鎖の活性末端と反応する官能基量として、重合反応に用いた前記重合開始剤1モルに対し、0.01〜0.26モルに相当する量を添加し、錫および/またはケイ素カップリング重合体を生成させる工程と、(B)次いで、一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンを、重合反応に用いた前記重合開始剤1モル量に対し、0.001モルを超え、0.1モル未満量添加し、シロキサン変性重合体を生成させる工程と、(C)更に、テトラメトキシシランを、重合反応に用いた前記重合開始剤1モル量に対し、0.60〜0.95モル量添加し、ケイ素カップリングシロキサン変性重合体を生成させる工程と、を含んでなることを特徴とする。
本発明の共役ジエン系ゴム組成物の製造方法は、第一工程として、不活性溶媒中で、重合開始剤により重合して得られた、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液を得る。
共役ジエン系重合体
本発明において、共役ジエン系重合体鎖には、共役ジエン単量体の単独重合体鎖、複数の共役ジエン単量体の共重合体鎖、および共役ジエン単量体と、共役ジエン単量体と共重合可能な単量体の共重合体鎖とが含まれる。前記の共役ジエン単量体と共重合可能な単量体としては、芳香族ビニル単量体が好ましい。
共役ジエン単量体としては、特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどを用いることができる。これらの中でも、1,3−ブタジエン、イソプレンを用いることが好ましく、1,3−ブタジエンを用いることがより好ましい。これらの共役ジエン単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族ビニル単量体としては、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ジメチルアミノメチルスチレン、ジメチルアミノエチルスチレンなどを用いることができる。これらの中でも、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレンを用いることが好ましく、スチレンを用いることがより好ましい。これらの芳香族ビニル単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体との比率(共役ジエン単量体/芳香族ビニル単量体)は、(50〜100重量%)/(50〜0重量%)の範囲にあることが好ましく、(65〜100重量%)/(35〜0重量%)の範囲にあることがより好ましく、(75〜100重量%)/(25〜0重量%)の範囲にあることが特に好ましい。共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体との比率が前記範囲にあると、本発明の製造方法により得られる共役ジエン系ゴム組成物は、強度特性に優れる。一方、芳香族ビニル単量体の比率が前記範囲を超えると、共役ジエン系ゴム組成物の製造が困難になる。
共役ジエン系重合体鎖は、本発明の効果を損なわない範囲において、所望により、共役ジエン単量体および芳香族ビニル単量体以外の他の単量体単位を含有することができる。他の単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル;アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸または酸無水物;メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどの不飽和カルボン酸エステル;1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンなどの非共役ジエン;などを挙げることができる。これらの単量体の使用量は、全単量体中、10重量%以下とするのが好ましく、5重量%以下とするのがより好ましい。
上記単量体を重合する方法としては、溶液重合が好ましい。溶液重合に用いられる不活性溶媒としては、溶液重合において通常使用され、重合反応が進行するものであれば、特に制限なく使用できる。例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、2−ブテンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロへキサン、シクロヘキセンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;などが挙げられる。不活性溶媒の使用量は、単量体濃度が、通常、1〜50重量%となるような量であり、好ましくは10〜40重量%となるような量である。
上記重合に際しては、重合開始剤を用いることが好ましい。重合開始剤としては、上記単量体を重合させて、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を与えることができるものであれば、特に制限なく使用できる。例えば、有機アルカリ金属化合物、有機アルカリ土類金属化合物、および主触媒としてランタノイドを用いる重合開始剤が好ましく使用されるが、有機アルカリ金属化合物がより好ましい。有機アルカリ金属化合物の具体例としては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウムなどの有機モノリチウム化合物が好ましく、n−ブチルリチウムがより好ましい。なお、有機アルカリ金属化合物は、予め、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジベンジルアミン、ピロリジン、ヘキサメチレンイミン、ヘプタメチレンイミンなどの第2級アミンと反応させて、有機アルカリ金属アミド化合物として使用してもよい。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合開始剤の使用量は、単量体の全量1000g当り、通常、1〜50ミリモル、好ましくは2〜20ミリモル、より好ましくは4〜15ミリモルの範囲である。
重合温度は、通常、−80〜150℃、好ましくは0〜100℃、より好ましくは30〜90℃の範囲である。
重合様式としては、回分式、連続式などいずれの様式をも採用できるが、共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との結合のランダム性を制御し易い点で、回分式が好ましい。
活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖が、共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位とを有する場合、共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との結合様式は、例えば、ブロック状、テーパー状、ランダム状など種々の結合様式とすることができる。また、共役ジエン単量体単位と芳香族ビニル単量体単位との結合様式をランダム状にする場合、重合系内において、共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体との合計量に対する芳香族ビニル単量体の比率が高くなりすぎないように、共役ジエン単量体または共役ジエン単量体と芳香族ビニル単量体とを、連続的または断続的に重合系内に供給して重合することが好ましい。
活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖において、その共役ジエン単量体単位におけるビニル結合含有量は、5〜80重量%であることが好ましく、10〜70重量%であることがより好ましく、20〜60重量%であることが特に好ましい。ビニル結合含有量が前記範囲にあると、本発明の製造方法により得られる共役ジエン系ゴム組成物は、低発熱性に優れる。
活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖において、そのピークトップ分子量は、100,000〜1,000,000であることが好ましく、150,000〜800,000であることがより好ましく、200,000〜600,000であることが特に好ましい。なお、ピークトップ分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレン換算)により測定するものとし、測定対象のピークが複数ある場合は、重量分率で最も多い成分のピークのピークトップ分子量を、そのもののピークトップ分子量であるものとする。活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖のピークトップ分子量が前記範囲内にあると、本発明の製造方法により得られる共役ジエン系ゴム組成物は、低発熱性に優れる。ここで、活性末端とは、不活性溶媒中で共役ジエン系単量体を重合した際に生じる金属末端のことをいう。
錫および/またはケイ素カップリング重合体
本発明の共役ジエン系ゴム組成物の製造方法は、第二工程として、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液中に、四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンを、前記共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基量として、重合反応に用いた前記重合開始剤1モルに対し、0.01〜0.26モルに相当する量を添加し、錫および/またはケイ素を介してカップリングされた重合体(以下、「カップリング重合体」とよぶ。)を生成させることを特徴とする。
本発明において、カップリング重合体とは、特定の原子を介して複数の共役ジエン系重合体鎖が結合したものを言う。また、カップリング剤とは、共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する反応点を複数有し、分子中の原子を介して複数の共役ジエン系重合体鎖を結合できるものを言う。
活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖とカップリング重合体を形成するカップリング剤としては、重合体鎖の活性末端と反応する反応点として、4〜6の塩素原子を有している化合物が好ましく、具体的な化合物として、四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンがより好ましい。
四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンを、不活性溶媒中で、重合開始剤により重合して得られた、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液中に添加することにより、四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサン中の塩素原子と、共役ジエン系重合体鎖の活性末端とが反応し、2〜4の共役ジエン系重合体鎖が1つの錫原子を介して結合した錫カップリング重合体、および/または、2〜6の共役ジエン系重合体鎖が両末端にSiを有するCのアルキンを介して結合したケイ素カップリング重合体が形成される。これらの中でも、3〜4の共役ジエン系重合体鎖が1つの錫原子を介して結合した錫カップリング重合体、および/または、3〜6の共役ジエン系重合体鎖が両末端にSiを有するCのアルキンを介して結合したケイ素カップリング重合体が形成されることが好ましい。このような3〜6の共役ジエン系重合体鎖がカップリング剤を介して結合されたカップリング重合体が形成されることにより、凝固操業性が向上した共役ジエン系ゴム組成物が得られる。
活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖と反応させる、四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンの使用量は、重合に使用した重合開始剤1モルに対し、共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンの官能基のモル数(具体的には塩素のモル数)が、通常、0.01〜0.26モル、好ましくは0.04〜0.22モル、より好ましくは0.12〜0.20モルに相当する量である。四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンの官能基量が前記範囲にあると、凝固操業性が向上した共役ジエン系ゴム組成物が得られる。一方、四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンの官能基量が、前記下限未満である場合、得られる共役ジエン系ゴム組成物中の錫および/またはケイ素カップリング重合体の割合が少なくなり、その結果、凝固操業性が著しく悪化するおそれがある。また、四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンの官能基量が、前記上限を超えている場合、得られる共役ジエン系ゴム組成物は、低発熱性に劣るおそれがある。
活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液に、四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンを添加する際には、カップリング反応を良好に制御する観点から、四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンを不活性有機溶媒に溶解して得られる溶液を、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含む溶液に添加することが好ましい。この四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンを溶解した溶液の濃度は、1〜50重量%であることが好ましく、また、これに用いる不活性有機溶媒としては、重合に用いられるものと同様のものを用いることができる。
活性末端を有する共役ジエン重合体鎖と、四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンとを反応させる条件は、特に限定されないが、反応温度は、通常、10〜150℃、好ましくは40〜130℃、より好ましくは50〜120℃の範囲である。反応温度が低すぎると、反応が完了しない場合がある。一方、反応温度が高すぎると、反応の制御性に劣る。反応時間は、通常、5〜60分、好ましくは10〜50分、より好ましくは10〜30分の範囲である。反応時間が短すぎると、四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンの共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液への拡散時間が足りず、反応が完了しない場合がある。一方、反応時間が長すぎると、重合生産性に劣る。
活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液に、四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンを添加する時期は、特に限定されないが、重合反応が完結しておらず活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液が単量体をも含有している状態、より具体的には、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液が、100ppm以上(より好ましくは300〜50,000ppm)の単量体を含有している状態で、該溶液に四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンを添加することが好ましい。四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンの添加をこのように行なうことにより、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖と、重合系中に含まれる不純物等との副反応を抑制して、反応を良好に制御することが可能となる。
シロキサン変性重合体
本発明の共役ジエン系ゴム組成物の製造方法は、第三工程として、四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンを添加した後の活性末端を有する共役ジエン重合体鎖を含有する溶液中に、一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンを、重合反応に用いた前記重合開始剤1モル量に対し、0.001モルを超え、0.1モル未満量添加し、シロキサン変性重合体を生成させることを特徴とする。
本発明のポリオルガノシロキサンは、一般式(I)で表される。
Figure 0006477226

(式中、R〜Rは、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違していてもよい。XおよびXは、(i)エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基、または、(ii)炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数6〜12のアリール基であり、XおよびXは互いに同一であっても相違していてもよい。Xは、エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基である。Xは、2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基であり、Xの一部は2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基から導かれる基であってもよい。mは3〜200の整数、nは0〜200の整数、kは0〜200の整数である。)
上記一般式(I)のポリオルガノシロキサンにおいて、R〜R、XおよびXを構成する炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。炭素数6〜12のアリール基としては、例えば、フェニル基、メチルフェニル基などが挙げられる。これらのアルキル基およびアリール基の中では、メチル基が特に好ましい。
上記一般式(I)のポリオルガノシロキサンにおいて、X、XおよびXを構成する、共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基は、エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基である。
エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基は、一般式(II)で表される。
一般式(II):Z−Y−E
(上記式(II)中、Zは炭素数1〜10のアルキレン基または炭素数7〜10のアルキルアリーレン基であり、Yはメチレン基、硫黄原子または酸素原子であり、Eはエポキシ基を有する炭素数2〜10の炭化水素基である。これらの中でも、Yが酸素原子であるものが好ましく、Yが酸素原子、かつ、Eがグリシジル基であるものがより好ましく、Zが炭素数3のアルキレン基、Yが酸素原子、かつ、Eがグリシジル基であるものが特に好ましい。)
上記一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンを、不活性溶媒中で、重合開始剤により重合して得られた、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液中に添加することにより、四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンと反応しなかった残余の共役ジエン系重合体鎖の活性末端と、一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサン中のX、XおよびXに存在するエポキシ基を含有する炭素数4〜12の基が反応し、エポキシ環を構成する炭素−酸素結合が開裂して、その炭素原子に共役ジエン系重合体鎖が結合したシロキサン変性重合体が形成される。
一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、X、すなわち2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基としては、下記一般式(III)で表される基が好ましい。
Figure 0006477226
(上記式(III)中、tは2〜20の整数であり、Pは炭素数2〜10のアルキレン基またはアルキルアリーレン基であり、Rは水素原子またはメチル基であり、Qは炭素数1〜10のアルコキシル基またはアリーロキシ基である。これらの中でも、tが2〜8の整数であり、Pが炭素数3のアルキレン基であり、Rが水素原子であり、かつ、Qがメトキシ基であるものが好ましい。)
一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、mは3〜200、好ましくは20〜150、より好ましくは30〜120の整数である。この数が多いと、ポリオルガノシロキサン自体の製造が困難になる。
一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンにおいて、nは0〜200の整数、好ましくは0〜150の整数、より好ましくは0〜120の整数である。kは0〜200の整数、好ましくは0〜150の整数、より好ましくは0〜120の整数である。m、n、およびkの合計数は、400以下であることが好ましく、300以下であることがより好ましく、250以下であることが特に好ましい。この数が多いと、ポリオルガノシロキサン自体の製造が困難になる。
一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンの使用量は、四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンと反応しなかった残余の共役ジエン系重合体鎖の活性末端の量から、適宜調整される。一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンの使用量は、重合反応に用いた重合開始剤1モル量に対し、通常、0.001モル量を超え、0.1モル量未満、好ましくは0.005モル量を超え、0.09モル量未満、より好ましくは0.01モル量を超え、0.08モル量未満である。一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンの使用量が前記範囲にあると、シリカと親和性が高い、分子末端が適度に変性されたシロキサン変性重合体が得られ、その結果、本発明の製造方法により得られる共役ジエン系ゴム組成物は、低発熱性に優れる。一方、一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンの使用量が前記範囲外にあると、得られる共役ジエン系ゴム組成物は、低発熱性に劣るおそれがある。
活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液に、一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンを添加する際には、共役ジエン系重合体鎖の変性反応を良好に制御する観点から、ポリオルガノシロキサンを不活性有機溶媒に溶解して得られる溶液を、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含む溶液に添加することが好ましい。このポリオルガノシロキサンを溶解した溶液の濃度は、1〜50重量%であることが好ましく、また、これに用いる不活性有機溶媒としては、重合に用いられるものと同様のものを用いることができる。
活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖と、一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンとを反応させる条件は、特に限定されないが、反応温度は、通常、10〜150℃、好ましくは40〜130℃、より好ましくは50〜120℃の範囲である。反応温度が低すぎると、反応が完了しない場合がある。一方、反応温度が高すぎると、反応の制御性に劣る。反応時間は、通常、5〜60分、好ましくは10〜50分、より好ましくは10〜30分の範囲である。反応時間が短すぎると、ポリオルガノシロキサンの共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液への拡散時間が足りず、反応が完了しない場合がある。一方、反応時間が長すぎると、重合生産性に劣る。
ケイ素カップリングシロキサン変性重合体
本発明の共役ジエン系ゴム組成物の製造方法は、第四工程として、一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンを添加した後の溶液中に、更に、テトラメトキシシランを、重合反応に用いた前記重合開始剤1モル量に対し、0.60〜0.95モル量添加し、ケイ素を介してカップリングしたシロキサン変性重合体(以下、「ケイ素カップリングシロキサン変性重合体」とよぶ)を生成させることを特徴とする。
一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンを添加した後の溶液中に、テトラメトキシシランを、更に添加することにより、テトラメトキシシランのメトキシ基と、シロキサン変性重合体のシロキサン反応部とが反応し、2〜4のシロキサン変性重合体が1つのケイ素原子を介して結合したケイ素カップリングシロキサン変性重合体が形成される。
テトラメトキシシランの使用量は、四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンと反応しなかった残余の共役ジエン系重合体鎖の活性末端の量から、適宜調整される。テトラメトキシシランの使用量は、重合反応に用いた重合開始剤1モル量に対し、通常、0.60〜0.95モル量、好ましくは0.65〜0.90モル量、より好ましくは0.70〜0.85モル量である。テトラメトキシシランの使用量が、前記範囲にあると、重合時のカップリング率の経時安定性、および凝固操業性が向上した共役ジエン系ゴム組成物が得られる。一方、テトラメトキシシランの使用量が、重合反応に用いた重合開始剤1モル量に対し、0.60モル量未満であると、共役ジエン系重合体鎖の3分岐以上のカップリング率上昇値が一定に落ち着くまでの反応時間が長くなり、重合時のカップリング率の経時安定性に劣る。一方、重合反応に用いた重合開始剤1モル量に対し、0.95モル量を超えると、共役ジエン系重合体鎖の3分岐以上のカップリング率上昇値を期待するほど得られず、また、得られる共役ジエン系ゴム組成物は、凝固操業性の改善が認められないおそれがある。
一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンを添加した後の溶液中に、テトラメトキシシランを添加する際には、テトラメトキシシランと、シロキサン変性重合体とのカップリング反応を良好に制御する観点から、テトラメトキシシランを不活性有機溶媒に溶解して得られる溶液を、一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンを添加した後の重合体溶液に添加することが好ましい。このテトラメトキシシランを溶解した溶液の濃度は、1〜50重量%であることが好ましく、また、これに用いる不活性有機溶媒としては、重合に用いられるものと同様のものを用いることができる。
テトラメトキシシランと、シロキサン変性重合体とを反応させる条件は、特に限定されないが、反応温度は、通常、10〜150℃、好ましくは40〜130℃、より好ましくは50〜120℃の範囲である。反応温度が低すぎると、反応が完了しない場合がある。一方、反応温度が高すぎると、反応の制御性に劣る。反応時間は、通常5〜60分間、好ましくは10〜50分間、より好ましくは10〜30分間である。反応時間が短すぎると、テトラメトキシシランの共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液への拡散時間が足りず、反応が完了しない場合がある。一方、反応時間が長すぎると、重合生産性に劣る。
本発明の共役ジエン系ゴム組成物の製造方法においては、共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量調節の観点から、重合開始時に、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液中に、極性化合物を、重合反応に用いる前記重合開始剤1モル量に対し、0.01〜30モル量添加することが好ましい。また、重合開始時の他に、重合時のカップリング率を制御するために、重合途中で、追加の極性化合物を添加してもよく、少なくとも(C)工程の前に、極性化合物を、重合反応に用いた前記重合開始剤1モル量に対し、0.2〜30モル量添加していることが好ましい。
重合途中で、追加の極性化合物を添加する場合は、重合開始時に添加する極性化合物と、重合途中で追加する極性化合物の合計が、重合反応に用いた重合開始剤1モル量に対し、好ましくは0.5〜10モル量、より好ましくは0.6〜5モル量、特に好ましくは0.7〜3モル量である。極性化合物の添加量が前記範囲にあると、重合時のカップリング率を良好に制御できる。一方、極性化合物の添加量が足りないと、共役ジエン系重合体鎖の3分岐以上のカップリング率上昇値が一定に落ち着くまでの反応時間が長くなり、重合時のカップリング率の経時安定性に劣る。極性化合物の使用量が多すぎると、重合時のカップリング率の経時安定性にそれ以上の効果がない。
特に、追加の極性化合物を添加する工程は、好ましくは重合転化率が80%以上で、かつ、(C)工程の前であり、より好ましくは重合転化率が90%以上で、かつ、(C)工程の前である。特に好ましくは重合転化率が95%以上で、かつ、(B)工程の前である。追加の極性化合物を添加する工程を上記の条件で行うと、重合時のカップリング率の経時安定性に優れる。一方、重合添加率が80%未満で追加の極性化合物を添加すると、共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量の調節が難しくなる。また、(C)工程の後に追加の極性化合物を添加すると、カップリング率を制御できないおそれがある。
極性化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2,2−ジ(テトラヒドロフリル)プロパンなどのエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミンなどの第3級アミン;ホスフィン化合物;などが挙げられる。これらの中でも、重合開始剤の金属とキレート構造を形成しうるものが好ましく、エーテル化合物および第3級アミンがより好ましく、2,2−ジ(テトラヒドロフリル)プロパン、およびテトラメチルエチレンジアミンが特に好ましい。
このようにして本発明の製造方法により得られる共役ジエン系ゴム組成物は、
共役ジエン系ゴム組成物全量に対する、共役ジエン系重合体鎖の3分岐以上のカップリング率が、好ましくは15%〜30%、より好ましくは18%〜26%、特に好ましくは20%〜24%である。共役ジエン系ゴム組成物全量に対する、共役ジエン系重合体鎖の3分岐以上のカップリング率が前記範囲内にあると、凝固操業性が向上した共役ジエン系ゴム組成物が得られる。一方、カップリング率が足りないと、得られる共役ジエン系ゴム組成物は、凝固操業性の改善が認められないおそれがある。また、カップリング率が高すぎると、得られる共役ジエン系ゴム組成物は、低発熱性に劣るおそれがある。なお、共役ジエン系ゴム組成物全量に対する、共役ジエン系重合体鎖の3分岐以上のカップリング率は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(ポリスチレン換算)により測定するものとし、全溶出面積に対する、分子量の最も小さいピークの3倍以上の分子量を有する部分の面積比として表す。
本発明の共役ジエン系ゴム組成物の製造方法は、(A)、(B)、(C)の工程の後、所望により、例えば、メタノール、イソプロパノールなどのアルコールや水を添加して反応を停止すれば、共役ジエン系重合体組成物を含有する溶液を得ることができる。次いで、所望により、老化防止剤、クラム化剤、スケール防止剤などを重合溶液に添加した後、直接乾燥やスチームストリッピングにより溶媒を分離して、目的とする共役ジエン系重合体組成物を回収することができる。また、溶媒を分離する前に、溶液に伸展油を混合し、共役ジエン系ゴム組成物を油展ゴムとして回収してもよい。
共役ジエン系ゴム組成物を、油展ゴムとして回収する場合に用いる伸展油としては、ゴム分野において通常使用されるものが使用でき、パラフィン系、芳香族系、ナフテン系の石油系軟化剤、ひまし油、なたね油などの植物系軟化剤、パルミチン酸などの脂肪酸などが挙げられる。石油系軟化剤を用いる場合、多環芳香族の含有量が3重量%未満であることが好ましい。この含有量は、IP346の方法(英国のTHE INSTITUTE PETROLEUMの検査方法)により測定される。これらの伸展油は1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。伸展油を使用する場合、その含有量は、共役ジエン系ゴム組成物100重量部に対し、通常、5〜100重量部、好ましくは10〜60重量部、より好ましくは20〜50重量部である。
本発明の製造方法で得られる共役ジエン系ゴム組成物の重量平均分子量は、150,000〜1,500,000であることが好ましく、200,000〜1200,000であることがより好ましく、350,000〜1,000,000であることが特に好ましい。共役ジエン系ゴム組成物の重量平均分子量が前記範囲にあると、本発明の製造方法により得られる共役ジエン系ゴム組成物は、低発熱性に優れる。
本発明の製造方法で得られる共役ジエン系ゴム組成物には、その他のゴムを配合してもよい。その他のゴムとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、スチレン−イソプレン共重合ゴム、ブタジエン−イソプレン共重合ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴムなどのうち、本発明の製造方法で得られる共役ジエン系ゴム以外のものをいう。これらのなかでも、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴムが好ましく用いられる。これらのゴムは、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の製造方法で得られる共役ジエン系ゴム組成物に、その他のゴムを配合する場合、ゴム成分全量に対する本発明の製造方法で得られる共役ジエン系ゴム組成物の割合が、10重量%以上とすることが好ましく、20〜95重量%の範囲とすることがより好ましく、30〜90重量%の範囲とすることが特に好ましい。この割合が低すぎると、本発明の製造方法により得られる共役ジエン系ゴム組成物を用いてなるタイヤなどの物性のバランスが低下する場合がある。
本発明の製造方法で得られる共役ジエン系ゴム組成物は、充填剤を含有することが好ましい。充填剤の含有量は、共役ジエン系ゴム用組成物中の全ゴム成分100重量部に対し、5〜150重量部であることが好ましく、10〜90重量部であることがより好ましく、20〜60重量部であることが特に好ましい。充填剤の含有量が前記範囲にあると、本発明の製造方法により得られる共役ジエン系ゴム組成物の低発熱性がより優れる。
充填剤としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、炭素材料、炭酸カルシウム、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、各種金属酸化物などを挙げることができる。これらのなかでも、特にシリカが好ましい。シリカを含有することにより、本発明の製造方法で得られる共役ジエン系ゴム組成物の低発熱性が特に優れる。前記充填剤は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
シリカとしては、特に限定されないが、例えば、乾式法ホワイトカーボン、湿式法ホワイトカーボン、コロイダルシリカ、沈降シリカなどが挙げられる。なかでも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法ホワイトカーボンが好ましい。また、カーボンブラック表面にシリカを担持させたカーボン−シリカデュアル・フェイズ・フィラーを用いてもよい。シリカの窒素吸着比表面積(ASTM D3037−81に準じBET法で測定される。)は、好ましくは50〜400m/g、より好ましくは80〜220m/g、特に好ましくは100〜180m/gである。
共役ジエン系ゴム組成物にシリカを含有させる場合、さらにシランカップリング剤を含有させることにより、本発明の製造方法で得られる共役ジエン系ゴム組成物の低発熱性が更に優れる。シランカップリング剤としては、特に限定されないが、例えば、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−オクタチオ−1−プロピル−トリエトキシシラン、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、ビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルジメチルチオカルバミルテトラスルフィド、γ−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドなどを挙げることができる。これらの中でも、混練時のスコーチを避ける観点より、1分子中に含有される硫黄原子が4個以下のシランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤の含有量は、シリカ100重量部に対し、好ましくは0.1〜30重量部、より好ましくは1〜15重量部である。
炭素材料としては、特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、グラファイト、グラファイト繊維、フラーレンなどが挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラックが挙げられる。これらの中でも、ファーネスブラックが好ましく、その具体例としては、SAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、GPF、SRFなどが挙げられる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、好ましくは5〜200m/g、より好ましくは20〜100m/gであり、ジブチルフタレート(DBP)吸着量は、好ましくは5〜300ml/100g、より好ましくは50〜160ml/100gである。
本発明の製造方法で得られる共役ジエン系ゴム組成物は、架橋剤を含有することが好ましい。架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、硫黄、ハロゲン化硫黄、有機過酸化物、キノンジオキシム類、有機多価アミン化合物、メチロール基を有するアルキルフェノール樹脂などが挙げられる。これらの中でも、硫黄が好ましく使用される。架橋剤の含有量は、共役ジエン系ゴム組成物中の全ゴム成分100重量部に対し、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
本発明の製造方法で得られる共役ジエン系ゴム組成物は、上記成分以外に、常法に従って、架橋促進剤、スコーチ防止剤、架橋活性化剤、老化防止剤、活性剤、プロセス油、可塑剤、滑剤、粘着付与剤などの配合剤をそれぞれ含有することができる。
本発明の製造方法で得られる共役ジエン系ゴム組成物と、上記配合剤を含有するゴム組成物を得るためには、常法に従って、各成分を混練すればよい。例えば、架橋剤および架橋促進剤を除く配合剤と、ゴム成分を混練後、その混練物に架橋剤および架橋促進剤を混合してゴム組成物を得ることができる。架橋剤および架橋促進剤を除く配合剤と、共役ジエン系ゴム組成物のゴム成分との混練温度は、好ましくは80〜200℃、より好ましくは120〜180℃であり、その混練時間は、好ましくは30秒〜30分である。混練物と、架橋剤および架橋促進剤との混合は、通常、100℃以下、好ましくは80℃以下で行われる。
前記ゴム組成物の架橋および成形方法は、特に限定されず、架橋物の形状、大きさなどに応じて選択すればよい。架橋剤を含有するゴム組成物を金型中に充填し加熱することにより成形と同時に架橋してもよく、架橋剤を含有するゴム組成物を予め成形した後、それを加熱して架橋してもよい。成形時の温度は、好ましくは20〜140℃、より好ましくは40〜130℃である。架橋温度は、好ましくは120〜200℃、より好ましくは140〜180℃であり、架橋時間は、通常、1〜120分である。
本発明の製造方法により得られる共役ジエン系ゴム組成物を用いたゴム架橋物は、タイヤ、ホース、窓枠、ベルト、靴底、防振ゴム、自動車部品、免震ゴムなどのゴム製品;耐衝撃性ポリスチレン、ABS樹脂等の樹脂強化用ゴム;などとして利用できる。これらの中でも、この共役ジエン系ゴム組成物は、低発熱性に優れるので、タイヤ用途に好適に用いられる。この共役ジエン系ゴム組成物は、例えば、オールシーズンタイヤ、高性能タイヤ、スタッドレスタイヤなどの各種タイヤにおいて、トレッド、カーカス、サイドウォール、ビード部などのタイヤ各部位への利用が可能であるが、特に低発熱性に優れるので、低燃費タイヤのトレッド用として、特に好適に用いられる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、実施例および比較例における部および%は、特に断りのない限り、重量基準である。
各種の物性の測定は、下記の方法に従って行った。
[スチレン単位含有量、およびブタジエン単位中のビニル結合含有量]
H−NMRにより測定した。
[重合体平均分子量、および共役ジエン系重合体鎖の3分岐以上のカップリング率]
四塩化錫を重合溶液中に添加する前の共役ジエン系重合体について、以下の条件で、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算分子量として求めた。また、テトラメトキシシランを重合溶液中に添加した後、反応時間15分後、30分後、および60分後(比較例1はポリオルガノシロキサンA添加15分経過後から、更に、15分後、30分後、および60分後)のそれぞれの共役ジエン系重合体についても同様の条件で、ポリスチレン換算分子量を求めた。
測定器 :HLC−8020(東ソー社製)
カラム :GMH−HR−H(東ソー社製)二本を直列に連結した。
検出器 :示差屈折計RI−8020(東ソー社製)
溶離液 :テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
得られた分析チャートから、テトラメトキシシランを重合溶液中に添加した後、反応時間15分後、30分後、および60分後(比較例1はポリオルガノシロキサンA添加15分経過後から、更に、15分後、30分後、および60分後)の全溶出面積に対する、分子量の最も小さいピークの3倍以上の分子量を有する部分の面積比を、共役ジエン系重合体鎖の3分岐以上のカップリング率として示す。
[ホットフロー性(凝固クラムの互着性)]
最終的に得られた乾燥させた共役ジエン系ゴム組成物を、厚さ2mmのシートに成形し、引張3号形ダンベル状で試験片を採取した。108℃の恒温槽中で、試験片を5.5gの荷重を掛けて吊り下げ、試験片が伸長し破断するまでの時間を計4回測定し、平均値を得た。この特性を、比較例1を100とする指数で表示した。この指数が大きいほどホットフロー性に優れ、凝固クラムが互着し難く、凝固時の操業性が安定することを意味する。
[低発熱性]
レオメトリックス社製ARESを用い、2.5%ねじれ、20Hzの条件で60℃におけるtanδを測定した。この特性を、比較例1を100とする指数で表示した。この指数が小さいほど低発熱性に優れることを意味する。
[実施例1]
攪拌機付きオートクレーブに、シクロヘキサン4000g、スチレン160g、1,3−ブタジエン440g、およびテトラメチルエチレンジアミン5.0ミリモルを仕込んだ後、n−ブチルリチウムを重合に関与しない不純物の中和分と、重合反応分6.67ミリモルとを加え、50℃で重合を開始した。重合を開始してから10分経過後、スチレン40gと、1,3−ブタジエン330gの混合物を60分間かけて連続的に添加した。重合反応中の最高温度は65℃であった。連続添加終了後、さらに、10分間重合反応を継続し、1,3−ブタジエン10gを添加し、重合転化率が95%を超えたことを確認してから、少量の重合溶液をサンプリングした。サンプリングした少量の重合溶液は、過剰のメタノールを添加して、反応停止した後、乾燥して、重合体を取得し、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ分析の試料とした。少量の重合溶液をサンプリングした直後に、重合溶液中に、15%シクロヘキサン溶液とした四塩化錫0.3ミリモルを加え、15分間反応させ、次いで、重合反応に用いたn−ブチルリチウムの0.015倍モルに相当する量の下記一般式(IV)で表されるポリオルガノシロキサンAを10%キシレン溶液の状態で添加し、15分間反応させた。次いで、重合反応に用いたn−ブチルリチウムの0.75倍モルに相当する量のテトラメトキシシランを15%シクロヘキサン溶液として、重合溶液中に添加した後、反応時間15分後、30分後、および60分後に少量の重合溶液をサンプリングした。サンプリングした少量の重合溶液は、過剰のメタノールを添加して、反応停止した後、乾燥して、重合体を取得し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析の試料とした。テトラメトキシシラン添加時の重合溶液の温度は63℃であった。少量の重合溶液をサンプリングした後に、重合停止剤として、使用したn−ブチルリチウムの2倍モルに相当する量のメタノールを添加して、共役ジエン系ゴム組成物を含有する重合溶液を得た。この重合溶液に、共役ジエン系ゴム組成物のゴム成分100部に対し、老化防止剤として、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール(商品名「イルガノックス1520L」、チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.1部を添加した後、スチームストリッピングにより、重合溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、固形状の共役ジエン系ゴム組成物Iを得た。得られた共役ジエン系ゴム組成物Iのホットフロー性を測定した。この測定結果を表1に示す。
Figure 0006477226
Figure 0006477226
[実施例2]
攪拌機付きオートクレーブに、シクロヘキサン4000g、スチレン120g、1,3−ブタジエン480g、およびテトラメチルエチレンジアミン2.4ミリモルを仕込んだ後、n−ブチルリチウムを重合に関与しない不純物の中和分と、重合反応分7.69ミリモルとを加え、50℃で重合を開始した。重合を開始してから10分経過後、スチレン30gと、1,3−ブタジエン360gの混合物を60分間かけて連続的に添加した。重合反応中の最高温度は75℃であった。連続添加終了後、更に、10分間重合反応を継続し、1,3−ブタジエン10gを添加し、重合転化率が95%を超えたことを確認してから、少量の重合溶液をサンプリングした。サンプリングした少量の重合溶液は、過剰のメタノールを添加して、反応停止した後、乾燥して、重合体を取得し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー分析の試料とした。少量の重合溶液をサンプリングした直後に、重合溶液中に、15%シクロヘキサン溶液とした四塩化錫0.39ミリモルを加え、15分間反応させ、次いで、追加のテトラメチルエチレンジアミン5.3ミリモルを加え、次いで、重合反応に用いたn−ブチルリチウムの0.014倍モルに相当する量の上記一般式(IV)で表されるポリオルガノシロキサンAを10%キシレン溶液の状態で添加し、15分間反応させた。次いで、重合反応に用いたn−ブチルリチウムの0.70倍モルに相当する量のテトラメトキシシランを15%シクロヘキサン溶液として、重合溶液中に添加した。テトラメトキシシラン添加時の重合溶液の温度は72℃であった。その他は実施例1と同様に実施し、共役ジエン系ゴム組成物IIを得た。得られた共役ジエン系ゴム組成物IIのホットフロー性を測定した。この測定結果を表1に示す。
[実施例3]
追加のテトラメチルエチレンジアミンの添加を実施しなかったこと以外は、実施例2と同様に行い、共役ジエン系ゴム組成物IIIを得た。得られた共役ジエン系ゴム組成物IIIのホットフロー性を測定した。この測定結果を表1に示す。
[比較例1]
テトラメトキシシランを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に行い、共役ジエン系ゴム組成物IVを得た。得られた共役ジエン系ゴム組成物IVのホットフロー性を測定した。この測定結果を表1に示す。
[比較例2]
テトラメトキシシランの添加量を重合反応に用いたn−ブチルリチウムの0.50倍モルに相当する量としたこと以外は、実施例1と同様に行い、共役ジエン系ゴム組成物Vを得た。得られた共役ジエン系ゴム組成物Vのホットフロー性を測定した。この測定結果を表1に示す。
[比較例3]
テトラメトキシシランの添加量を重合反応に用いたn−ブチルリチウムの0.98倍モルに相当する量としたこと以外は、実施例1と同様に行い、共役ジエン系ゴム組成物VIを得た。得られた共役ジエン系ゴム組成物VIのホットフロー性を測定した。この測定結果を表1に示す。
[比較例4]
四塩化錫を0.47ミリモルとし、テトラメトキシシランの添加量を重合反応に用いたn−ブチルリチウムの0.65倍モルに相当する量としたこと以外は、実施例1と同様に行い、共役ジエン系ゴム組成物VIIを得た。得られた共役ジエン系ゴム組成物VIIのホットフロー性を測定した。この測定結果を表1に示す。
[実施例4]
容量250mlのブラベンダータイプミキサー中で、実施例1で得た共役ジエン系ゴム組成物I、100部を30秒素練りし、次いで、シリカ(商品名「Zeosil 1165MP」、ローディア社製)40部と、シランカップリング剤(商品名「Si69」、デグッサ社製)2.4部を添加して、110℃を開始温度として1.5分間混練後、プロセスオイル(商品名「フッコール エラミック30」、新日本石油社製)10部、シリカ(商品名「Zeosil 1165MP」、ローディア社製)10部、カーボンブラック(商品名「シーストKH」、東海カーボン社製)10部、酸化亜鉛3部、ステアリン酸2部、および老化防止剤として、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(商品名「ノクラック6C」、大内新興化学工業社製)2部を添加し、更に、2分間混練し、ミキサーからゴム混練物を排出させた。混練終了時のゴム混練物の温度は150℃であった。ゴム混練物を、室温まで冷却した後、再度ブラベンダータイプミキサー中で、110℃を開始温度として2分間混練した後、ミキサーからゴム混練物を排出させた。次いで、50℃のオープンロールで、得られたゴム混練物と、硫黄1.5部、および架橋促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(商品名「ノクセラーCZ」、大内新興化学工業社製)1.5部と、ジフェニルグアニジン(商品名「ノクセラーD」、大内新興化学工業社製)0.5部との混合物)とを混練した後、シート状のゴム組成物を取り出した。このゴム組成物を、160℃で20分間プレス架橋して試験片を作製し、この試験片について、低発熱性の測定を行なった。この測定結果を表2に示す。
Figure 0006477226
[実施例5,6、および比較例5〜8]
用いる共役ジエン系ゴム組成物を、表2に示す通りに変更したこと以外は、実施例4と同様にして、試験片を作成し、この試験片について、低発熱性の測定を行なった。この測定結果を表2に示す。
表1から、以下のようなことが分かる。本発明に基づいて製造された共役ジエン系ゴム組成物(実施例1〜3)は、凝固操業性(凝固クラムの互着性)の指標であるホットフロー性が向上していた。また、テトラメトキシシランを重合溶液中に添加した後の3分岐以上のカップリング率の変化量(反応60分後−15分後)も小さいことから、重合時のカップリング率の経時安定性に優れていた。特に、極性化合物を、ある一定量以上添加した、実施例1および2は、重合時のカップリング率の経時安定性により優れていた。一方、比較例1より、テトラメトキシシランが無添加の場合は、ホットフロー性に劣っていた。また、比較例2より、テトラメトキシシランの添加量が、本発明の添加量よりも少ない場合は、重合時のカップリング率の経時安定性に劣っていた。更に、比較例3より、テトラメトキシシランの添加量が、本発明の添加量よりも多過ぎる場合は、ホットフロー性の改善効果が小さく、実質的に、凝固操業性への効果がなかった。
表2から、以下のようなことがわかる。本発明に基づいて製造された共役ジエン系ゴム組成物を含む架橋物(実施例4〜6)は、低発熱性も優れていた。一方、比較例4より、四塩化錫の添加量が本発明の添加量よりも多過ぎる場合は、シリカ配合物として低発熱性に劣っていた。

Claims (2)

  1. 不活性溶媒中で、重合開始剤により重合して得られた、活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖を含有する溶液中に、
    (A)四塩化錫および/または1,6−ビス(トリクロロシリル)ヘキサンを、前記共役ジエン系重合体鎖の活性末端と反応する官能基量として、重合反応に用いた前記重合開始剤1モルに対し、0.01〜0.26モルに相当する量を添加し、錫および/またはケイ素カップリング重合体を生成させる工程と、
    (B)次いで、一般式(I)で表されるポリオルガノシロキサンを、重合反応に用いた前記重合開始剤1モル量に対し、0.001モルを超え、0.1モル未満量添加し、シロキサン変性重合体を生成させる工程と、
    (C)更に、テトラメトキシシランを、重合反応に用いた前記重合開始剤1モル量に対し、0.60〜0.95モル量添加し、ケイ素カップリングシロキサン変性重合体を生成させる工程と、
    を含んでなる、共役ジエン系ゴム組成物の製造方法。
    Figure 0006477226

    (式中、R〜Rは、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基であり、これらは互いに同一であっても相違していてもよい。XおよびXは、(i)エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基、または、(ii)炭素数1〜6のアルキル基もしくは炭素数6〜12のアリール基であり、XおよびXは互いに同一であっても相違していてもよい。Xは、エポキシ基を含有する炭素数4〜12の基である。Xは、2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基であり、Xの一部は2〜20のアルキレングリコールの繰返し単位を含有する基から導かれる基であってもよい。mは3〜200の整数、nは0〜200の整数、kは0〜200の整数である。)
  2. 少なくとも(C)工程の前に、極性化合物を、重合反応に用いた前記重合開始剤1モル量に対し、0.2〜30モル量添加していることを特徴とする請求項1に記載の共役ジエン系ゴム組成物の製造方法。
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