JP6475545B2 - 雨水排水システム - Google Patents

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Description

本発明は、雨水排水システムに関する。
従来、住宅などでは、屋根から流れ落ちる雨水を受ける軒樋と、集水器や呼び樋を介して軒樋に接続され、軒樋に集められた雨水を排水管に導くための竪樋とを備えた雨樋構造が多く用いられている。また、竪樋は、熱膨縮などによる変位・変形を吸収するために、その下端部側を排水管に取り付けた筒状の排水管カバーに摺動可能に接続して設けられている。
一方、この種の雨樋構造では、集中豪雨などの増加に伴い、軒樋からの排水量が増加することが懸念されており、単位時間当たりの排水量を増加させて、大雨時でも好適に雨水を排水管に排出できることが求められている。
これに対し、例えば特許文献1には、集水器を含む軒樋の底部を二重構造にし、この軒樋の底部にサイホン管路を全長にわたって設け、さらに軒樋の内部からサイホン管路に通じる吸水口を設け、竪樋の上端を軒樋のサイホン管路に接続した構成とされ、雨水の排水効率を向上させた高排水の雨水排水システムについて開示されている。
このような高排水の雨水排水システムにおいては、大雨時に、軒樋底部のサイホン管路と縦サイホン管路が雨水で満たされると、縦サイホン管路内に負圧が生じ、サイホン作用によって軒樋内の雨水が吸水口から吸い込まれ、自然落下よりも高速でサイホン管路から縦サイホン管路に引っ張られて流れ落ちる。これにより、単位時間当たりの排水を増加させ、大雨時に多量の雨水を効率よく排水することが可能になっている。
特開2004−251075号公報
しかしながら、上記特許文献1に示されるようなサイホン作用を利用した高排水の雨水排水システムでは、竪樋の設置本数を減らす構成となるため、1本の竪樋から地中に埋設されている横引き管内に流れ込む水量が増大することになる。そのため、竪樋が満水となって排水管カバーにおいて吹き出し(オーバーフロー)が発生するという問題があった。
具体的に竪樋と横引き管との接続箇所に使用される曲管として、90°エルボ(いわゆるDL型、以下、DL型曲管という)と、90°の大曲がりエルボ(いわゆるLL型、以下、LL型曲管という)とがある。
LL型曲管が使用される場合は、湾曲半径がDL型曲管よりも大きく、緩いカーブ形状となるので、曲管内での乱流が発生し難いが、横引き管の埋設深さがDL型曲管に比べて深くなることから、曲管が建物の基礎に干渉するおそれがあった。
一方、DL型曲管が使用される場合は、図13に示すように、湾曲半径がLL型曲管よりも小さく、曲りが急であるので、この曲管100内で乱流が発生し、横引き管101内に空気溜まり102ができて流れ難くなり、横引き管101が満流の状態になって排水管カバー103においてオーバーフローが発生し易くなるという問題があった。
さらに、雨水排水システムを使用する住宅が狭小地である場合には、曲管から枡までの地中に配設される横引き管の長さが短くなるため、横引き管内が満流の状態にとなり易く、結果的に排水管カバーでオーバーフローが発生し易くなることから、その点で改良の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、集中豪雨時において曲管の形状にかかわらず排水管カバーにおけるオーバーフローを抑制することができる雨水排水システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る雨水排水システムは、屋根の軒先に取り付けられた軒樋と、該軒樋の一部に設けられる竪樋と、該竪樋に曲管部を介して地中に埋設されるとともに室内排水管が合流する横引き管と、前記横引き管に設けられる雨水枡および室内排水管に接続される合流枡からなる枡と、を備え、前記軒樋に流れた雨水を前記竪樋を介して前記横引き管に流出させるように構成された雨水排水システムであって、前記軒樋および前記竪樋の少なくとも一方にサイホン発生部が設けられ、前記竪樋と前記横引き管との間の前記曲管部を有する流路内には整流部が設けられていることを特徴としている。
本発明に係る雨水排水システムでは、竪樋と横引き管との間の曲管部を有する流路内に整流部が設けられているので、前記曲り部分の流路内における乱流の発生を抑えることができる。そのため、サイホン作用を利用した高排水で竪樋の設置本数を減少させた排水システムにおいて、1本の竪樋から横引き管に流れ込む水量を増大させることが可能となり、竪樋が満水になるのを抑えることができる。例えば竪樋に排水管カバーが設けられる場合において、集中豪雨時でも前記排水管カバーによるオーバーフローの発生を抑制することができる。
このように、本発明では、曲管部の形状にかかわらず、曲管部を有する流路内に整流部を設ける構成であるので、曲率半径が小さく曲りが急となる曲管の場合でも、曲管内での乱流の発生が抑えられ、横引き管内で空気溜まりが生じにくくなる。つまり、効果的に曲率半径の小さな曲管を用いることが可能となるので、曲率半径が大きな曲管のように建物の基礎に干渉することなく配置することができる。
さらに、横引き管が満流状態になりにくいことから、横引き管の長さを短くすることが可能であり、狭小地に配設されるような長さの短い横引き管の場合でも、上述したような集中豪雨時における排水管カバーからのオーバーフローを防止することができる。
また、本発明に係る雨水排水システムは、前記枡には、前記横引き管の満水時に管内圧力を開放する圧力開放蓋が設けられていることが好ましい。
この場合には、枡の圧力開放蓋を開いて圧力開放することで、横引き管に生じる空気溜まりを逃がして圧力を低下させることができ、横引き管が満流状態になるのを防ぐことができる。
また、本発明に係る雨水排水システムは、前記枡は、トラップ枡であり、該トラップ枡と前記横引き管とがT字継手によって接続されていることが好ましい。
このようなトラップ枡を設けることにより、例えば横引き管内を流れる雨水が乱流を起こし、滞留したり一部逆流する場合において、その雨水が流路内の一部の空間を閉塞して横引き管内に密封領域を作り、この密封領域が雨水に引っ張られて負圧状態が生じることを防ぐことができる。そのため、トラップ枡内に合流した室内排水管からの排水が竪樋側の横引き管へ向けて逆流することを防止できる。
また、本発明に係る雨水排水システムは、前記サイホン発生部は、前記軒樋および前記竪樋の可能排水量で2.2L/sec以上の排水機能を有することが好ましい。
本発明では、竪樋と横引き管との間の曲り部分の流路内に整流部を設けることで、可能排水量が2.2L/sec以上の高排水量に対応することが可能となり、集中豪雨時であっても前記排水管カバーによるオーバーフローの発生を抑制することができる。
また、本発明に係る雨水排水システムは、前記整流部は、前記雨水の鉛直下方への流下を規制し流れを方向付けする整流面が、前記竪樋の中心軸回りに螺旋状に形成される螺旋羽根であることが好ましい。
この場合には、より優れた整流機能を発揮することができる利点がある。
本発明の雨水排水システムによれば、集中豪雨時において曲管の形状にかかわらず排水管カバーにおけるオーバーフローを抑制することができる。
本発明の実施の形態による雨水排水システムの全体構成を示す側面図である。 図1に示す雨水排水システムを簡略化した斜視図である。 雨水排水システムに用いられるサイホン発生機構の概要を示す斜視図である。 図3に示すサイホン発生機構の側面図である。 排水管カバーの構成を示す斜視図である。 (a)は排水管カバーの上側から見た平面図、(b)は竪樋を上から見た図である。 排水管カバー内に竪樋が嵌合された状態を上側から見た平面図である。 立上げ管と横引き管とを接続する曲管の斜視図である。 図8に示す曲管を上側から見た平面図である。 第1変形例による整流リブを示す図であって、(a)は曲管を上側から見た平面図、(b)は(a)に示す曲管の縦断面図である。 第2変形例による曲管の斜視図であって、図8に対応する図である。 図8に示す曲管を上側から見た平面図であって、図9に対応する図である。 従来の雨樋構造の一部を示す側断面図である。
以下、本発明の実施の形態による雨水排水システムについて、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施の形態による雨水排水システム1は、軒樋2に流れた雨水を竪樋3を介して横引き管6に流出させるように構成されている。
雨水排水システム1は、屋根の軒先に取り付けられた軒樋2と、軒樋2の一部に設けられる竪樋3と、竪樋3にエルボ4(曲管部)を介して地中に埋設されるとともに室内排水管5が合流する横引き管6と、横引き管6に設けられる枡7と、排水管カバー8と、を備えている。軒樋2および竪樋3にサイホン発生部10(図3及び図4参照)が設けられている。
ここで、図1は、横引き管6に対して2系統の竪樋3、3がそれぞれエルボ4を介して接続され、横引き管6に雨水枡72、トラップ枡73、及び合流枡71(図2参照)が設けられている。合流枡71は、図2に示すように、下流側で接続管61を介して下水本管Pに接続されている。なお、図2は、図1を簡略化した図であり、以下では図2を中心に説明する。
軒樋2は、図3及び図4に示すように、屋根の軒先から流れ落ちる雨水を受けるものであり、落し口21を形成する集水器22が取り付けられている。
竪樋3は、硬質塩化ビニル樹脂等により形成された円筒状の管部材であり、軒樋2の落し口21に上端を接続し、住宅などの外壁から所定の間隔をあけて外壁に沿って上下方向Yに延在して配置され、軒樋2に流れた雨水を地中に埋設された横引き管6に向けて流下させるものである。
本実施の形態における竪樋3は、図5、図6(b)、及び図7に示すように、雨水を流下させる筒状体31と、筒状体31の外周面から径方向外側に突出するとともに筒状体31の上下方向Yに延在する略T字状の断面形状をなす取付リブ32と、を備えている。取付リブ32は、竪樋3の略全長にわたって設けられている。竪樋3は、取付リブ32が外壁に固定される竪樋支持具(図示省略)に嵌合されることにより支持される。なお、取付リブ32は竪樋3の全長にわたって設けられていなくてもよく、竪樋3の外壁に固定される箇所にのみ設けられていても良い。
なお、図2において、竪樋3の上下方向Yの中間にはオーバーフローソケット9が設けられている。このオーバーフローソケット9は、枡7や排水管カバー8が冠水して竪樋3内の雨水を排水できない場合に、竪樋3から雨水を逃がし、バルコニー等への浸水を防止する機能を有している。そのため、オーバーフローソケット9は竪樋3の予想冠水水位よりも高い位置に設置される。
図3及び図4に示すように、本実施の形態におけるサイホン発生部10は、軒樋2内の底部に、軒樋2の延在方向Xに沿って配設された吸水管11と、上端(一端)を吸水管11に接続し、落し口21を通じて竪樋3内に、且つ竪樋3の延在方向である上下方向Yに沿って配設された負圧誘発管12と、吸水管11と負圧誘発管12を接続する継手13と、を備えている。これら吸水管11、負圧誘発管12、及び継手13は、例えばポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィンなどの熱可塑性合成樹脂を用い、押出成形や射出成形によって形成されている。さらに、吸水管11と負圧誘発管12は、例えば外径を35〜60mm程度にして形成されている。
吸水管11は、押出成形あるいは射出成形により形成され、両端が開口した筒状体であり、集水器22側に開口する開口部と反対側の開口部11a側の端部に複数の吸水孔11bを有している。これら吸水孔11bは、吸水管11の径方向からも雨水を取り込めるように設けられた貫通孔である。
負圧誘発管12は、例えば外径が60〜100mm程度の竪樋3内に挿入し、その外面と竪樋3の内面との間に隙間をあけて配設されている。また、本実施の形態の負圧誘発管12は、軒樋2内の雨水を引っ張って自然落下よりも高速で排水させるための負圧を誘発する負圧誘発部12aを備えた管とこの負圧誘発部12aを備えていない管とを接続して竪樋3と略同等の長さで形成され、その下端(他端)を排水管カバー8内に配して設けられている。
負圧誘発部12a(図3参照)は、吸水管11の内部から取り入れた雨水が流れる管内流路の一部の流路面積が負圧誘発管12の他の部分よりも小となるようにして形成されている。例えば、負圧誘発部12aは、内径及び外径が他の部分よりも小さくなるように負圧誘発管12を絞って形成したり、負圧誘発管12の内面から内側に突出する突部を設けるなどして形成されている。
このように構成されるサイホン発生部10では、図3に示すように、軒樋2内に流入した雨水が竪樋3内を流れるとともに、開口部11aおよび吸水孔11bから吸水管11の内部に流入し、吸水管11から負圧誘発管12の内部を流れて排水される。そして、大雨時に多量の雨水が吸水管11から負圧誘発管12に流れると、流路面積を小にしてなる負圧誘発部12aの抵抗で乱流が生じ、負圧誘発部12aよりも上方に雨水の滞留が発生し、吸水管11と負圧誘発管12が雨水で満たされる。このように吸水管11と負圧誘発管12が雨水で満たされ、負圧誘発部12aの抵抗力を上回る水圧が負圧誘発部12aに作用すると、滞留した雨水が急激に流下して負圧が発生する。これにより、軒樋2内の雨水が負圧によって引っ張られて開口部11aおよび吸水孔11bから急激に吸い込まれ、自然落下よりも高速で軒樋2内の雨水を排水することが可能になる。
本実施の形態の雨水排水システム1は、サイホン発生部10を設けることで、大雨時に軒樋2内に流入した雨水の排水能力を向上させることができる。
なお、本実施の形態の雨水排水システム1では、サイホン発生部10は、軒樋2および竪樋3の可能排水量で2.2L/sec以上の排水機能を有し、好ましくは2.8L/sec以上の機能とする。これは、2.8L/sec以上の場合には、降雨強度で160mm/hrで換算すると、1屋根面積で64mまでとなる高排水が対象となる。
図4に示すように、排水管カバー8は、竪樋3とエルボ4上に接続された立上げ管43との間に介在されている。具体的に排水管カバー8は、図5および図6(a)に示すように、竪樋3の下端部に連結される円筒状の上筒81と、立上げ管43(図2及び図4参照)に接続される円筒状の下筒82と、を備えている。
上筒81は、竪樋3の取付リブ32を収容可能な嵌合凹部83を有する円筒部材からなり、竪樋3よりも大径に形成され、竪樋3の下端部3aを内側に嵌合させている。嵌合凹部83に竪樋3の取付リブ32を嵌合させた状態で、図7に示すような嵌合凹部83の内側には隙間(通気部83a)が形成されている。
この通気部83aは、立上げ管43や横引き管6の内部で発生し、排水を阻害する空気溜まりを排出する機能を有している。
下筒82は、図5に示すように、上筒81に対して連結自在に分離、又は一体的に形成された部材であり、一方向に貫通した筒状の胴部82Aと、胴部82Aの軸線方向中間部で胴部82Aの径方向外側に張り出したカバー部82Bと、を有している。胴部82Aは、上筒81に下方から挿入させる上側差し口(図示省略)と、立上げ管43の上端を挿入させる下側差し口82aと、を具備している。
カバー部82Bは、胴部82Aの軸線方向の中間部、本実施形態では下側差し口82aの上端部から胴部82Aの径方向外側に張り出した後、下側差し口82a側に折れ曲がって下側差し口82aの外周面に平行に張り出している。この構成によりカバー部82Bは、下側差し口82aの上端側の一部を、その外周面から間隔を空けて覆っている。
本実施の形態におけるエルボ4は、図1および図2に示すように、略90度の角度をなして配置され、立上げ管43と横引き管6とを接続する管継手である。図8及び図9に示すように、エルボ4において、竪樋3から流下する雨水の流動方向に略対向して排水を受ける壁部は、湾曲し雨水の流路を変更させる湾曲部4aとされている。エルボ4は、湾曲部4aの上流側の上流側拡径部4b、および下流側の下流側拡径部4cが湾曲部4aよりも拡径されている。上流側拡径部4bには立上げ管43の下端が内嵌接続され、下流側拡径部4cには横引き管6が内嵌接続されている。
湾曲部4aの内側には、竪樋3及び横引き管6の流路が雨水で塞がれることによって、その塞がれた部分よりも上流側の空間に負圧がかかるのを防止するための上面視形状で略ハ字型を形成する一対の整流リブ41(整流部)が備えられている。整流リブ41は、それぞれ平面視で湾曲部4a径方向の内側に向かって延びるとともに、側面視で湾曲部4aの前記壁部に沿う形状をしている。
横引き管6は、図2に示すように、地中に埋め込まれ、一部上下の流路を有するものの全体にわたって所定の排水勾配を有して略水平方向に延びて合流枡71を介して下水本管P(図1参照)に接続されている。横引き管6の途中には、室内排水管5が合流する合流枡71が設けられ、合流枡71の上流側でエルボ4との間には圧力開放蓋70を備えた雨水枡72及びトラップ枡73が設けられている。
室内排水管5は、建物内の床上に設置されている便器等の宅内排水設備50から基礎51との間の床下空間に設置され、さらに地中に向けて延ばされて横引き管6に設けられる合流枡71に接続されている。
トラップ枡73は、トラップ74を介して雨水枡72及び竪樋3側(上流側)の横引き管6にT字継手75によって連結されている。トラップ74は、谷状に湾曲する谷状ターン部74aを有し、横引き管6の管内空間を汚水が流れる室内排水管5の管内空間から遮断する封水を溜める機能を有している。
これにより、上流側の横引き管6内が密閉されて負圧状態を発生させることを防止することができる。そして、負圧が発生することによってトラップ74内の封水量を減少させて、封水を追加する必要が生ずる事態を回避することができるという効果が得られる。
雨水枡72及びトラップ枡73に設けられる圧力開放蓋70は、枡の上流側(竪樋3側、又は室内排水管5側)、若しくは下流側(下水本管P側)において所定の内圧が生じたときに蓋の一部が開いてその圧力を開放し、蓋70自体が圧力によって枡から外れてしまうのを防ぐためのものであり、横引き管6に生じる空気溜まり(図13に示す符号102)を排出して水流の抵抗を解消する機能も有している。
次に、上述した雨水排水システムの作用について図面を用いて詳細に説明する。
本実施の形態では、図2に示すように、竪樋3と横引き管6との間のエルボ4を有する流路内に整流リブ41(図8参照)が設けられているので、エルボ4を含む前記曲り部分の流路内における乱流の発生を抑えることができる。
そのため、図3及び図4に示すサイホン発生部10によりサイホン作用を利用した高排水で竪樋3の設置本数を減少させた排水システムにおいて、1本の竪樋3から横引き管6に流れ込む水量を増大させることが可能となり、竪樋3が満水になるのを抑えることができる。そして、本実施の形態のように竪樋3に排水管カバー8が設けられる場合において、集中豪雨時であっても排水管カバー8によるオーバーフローの発生を抑制することができる。
このように、本実施の形態では、エルボ4の形状にかかわらず、エルボ4を有する流路内に整流リブ41を設ける構成であるので、曲率半径が小さく曲りが急となる曲管(DL型曲管)の場合でも、曲管内での乱流の発生が抑えられ、横引き管6内で空気溜まりが生じにくくなる。つまり、効果的に曲率半径の小さな曲げ管を用いることが可能となるので、曲率半径が大きな曲管(大曲がりエルボ、LL型曲管)のように建物の基礎に干渉することなく配置することができる。
さらに、横引き管6が満流状態になりにくいことから、横引き管6の長さを短くすることが可能であり、狭小地に配設されるような長さの短い横引き管6の場合でも、上述したような集中豪雨時における排水管カバー8からのオーバーフローを防止することができる。
このように、本実施の形態では、エルボ4の形状にかかわらず、エルボ4の流路内に整流リブ41を設ける構成であるので、曲率半径の小さな曲管の場合でも、曲管内で乱流が発生しにくくなり、横引き管6内で空気溜まりが生じない構成となる。つまり、効果的に曲率半径の小さな曲管を用いることが可能となるので、曲率半径が大きな曲管のように建物の基礎に干渉することなく配置することができる。
さらに、横引き管6が満流状態になりにくい構成となるので、横引き管6の長さを短くすることが可能であり、狭小地に配設されるような長さの短い横引き管の場合でも、上述したような集中豪雨時における排水管カバー8からのオーバーフローを防止することができる。
また、本実施の形態では、枡7の圧力開放蓋70を開いて圧力開放することで、横引き管6に生じる空気溜まりを逃がし圧力を低下させることができ、横引き管6が満流状態になるのを防ぐことができる。圧力開放蓋70として、例えば、特許文献(特開2013−256760号公報)の蓋を採用することができる。
また、本実施の形態では、枡7がトラップ枡73であり、トラップ枡73と横引き管6とがT字継手75によって接続されているので、例えば横引き管6内を流れる雨水が乱流を起こし、滞留したり一部逆流する場合において、その雨水が流路内の一部の空間を閉塞して横引き管6内に密封領域を作り、この密封領域が雨水に引っ張られて負圧状態が生じることをを防ぐことができる。そのため、トラップ枡73内に合流した室内排水管5からの排水が竪樋3側の横引き管6へ向けて逆流することを防止できる。
また、本実施の形態では、竪樋3と横引き管6との間のエルボ4の流路内に整流リブ41を設けることで、可能排水量が2.2L/sec以上の高排水に対応することが可能となり、集中豪雨時であっても排水管カバー8によるオーバーフローの発生を抑制することができる。
上述のように本実施の形態による雨水排水システムでは、集中豪雨時においてエルボ4の形状にかかわらず排水管カバー8からのオーバーフローを抑制することができる。
次に、上述した実施の形態による雨水排水システムの効果を裏付けるために行った実施例について以下説明する。
(実施例1)
本実施例では、上述した実施の形態の雨水排水システムにおける排水性能を確認するために、表1に示す仕様の各部の構成を使用して評価を行った。
表1に示す実施例は、竪樋と横引き管との間に上面視でハ字状の整流リブ(ハ字状リブ)を備えたエルボを使用し、横引き管に接続される圧抜き管に圧力開放蓋(通気蓋)を設けないケースと設けるケースのそれぞれにおいて、エルボと竪樋との接続部分に配置される排水管カバーにおける水の漏れ量(流量)L/minを測定し、従来のエルボ(比較例1、2)と比較して評価を行った。
Figure 0006475545
実施例は、軒樋の可能排水量を2.8L/secの高排水とし、硬質塩化ビニル管(VU)の横引き管の長さが1000mm、管径が50mm、エルボ径が50mm、トラップ枡径が75mm、立下げチーズの形状が75×50であり、エルボ内の整流リブは上述した実施の形態と同様にハ字状リブを使用し、排水管カバーは内部に段差が無い形状のものを使用した。
表2に示すように、比較例1は硬質塩化ビニル管で90°の大曲がりエルボ(VULL)を使用し、比較例2は硬質塩化ビニル管で90°エルボ(VUDL)を使用し、比較例1、2共に整流リブを備えていないエルボを使用している。比較例1、2において、エルボ以外の条件は、実施例と同様である。比較例1、2においても、それぞれ圧抜き管に圧力開放蓋(通気蓋)を設けないケースと設けるケースのエルボの漏れ量(流量)L/minを測定した。
Figure 0006475545
表1および表2に示すように、実施例の漏れ量を測定した結果、通気蓋が無い場合に実施例で0.15L/minとなり、比較例1、2よりも小さくなった。また、通気蓋が有る場合も実施例で0.05L/minとなり、比較例1と同じで、比較例2よりも小さくなった。
このように、実施例では、エルボに整流リブ(ハ字状リブ)を設けることで、比較例1、2の漏れ量に対して同等以下となり、排水性能が向上されたことを確認できた。
以上、本発明による雨水排水システムの実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述の本実施の形態では、エルボ4に設けられる整流部として、上面視形状でハ字状に形成される一対の整流リブ41を設けた構成としているが、他の形状の整流部を採用することも勿論可能である。
例えば、図10(a)、(b)に示す第1変形例による整流リブ44は、エルボ4の湾曲部4aの内面において、上面視形状でエルボ4の中心軸に沿って延びる形状をなしている。
なお、上述した整流リブ41、44はエルボ4と一体に成形されていてもよく、別部材として成形された整流リブ41、44をエルボ4内に接着して設けてもよい。
また、図11及び図12に示す第2変形例では、雨水の鉛直下方への流下を規制し流れを方向付けする整流面が、竪樋3の中心軸周りに螺旋状に形成される螺旋羽根42(整流部)を設けるようにしてもよい。この場合、螺旋羽根42は、エルボ4の上端に接続される上筒管40に設けられている。螺旋羽根42は、平面視で上筒管40の内周面40aに略沿って湾曲した形状の上面42aと、下面42bと、上筒管40の内周面40aに当接されるように形成された外周面42cとを有する板状の部材である。螺旋羽根42の上面42aは、竪樋3中を流下する雨水の一部を受けてその鉛直下方への流下を規制するとともに所定の方向に導く整流面となるよう形成され、より優れた整流機能を発揮することができる。
また、螺旋羽根42の数量は、上述した変形例のように1枚であることに限定される2枚など複数枚あってもよい。
さらに、立上げ管43とエルボ4の上流側拡径部4bとの接続部分に受口と差口の中心軸が偏芯した偏芯ソケットを設けることで立上げ管43の中心軸と、エルボ4の上流側拡径部4bの中心軸とを一致させずに偏芯させて旋回流を発生させることで、整流機能を付与してもよい。また、エルボ4の上流側拡径部4bの中心軸と下流側拡径部4cの中心軸が同一平面上にならない様にすることでも旋回流を発生させることができる。
また、本実施の形態のようなサイホン発生部10に制限されることはなく、他の形態でサイホン作用を発生させる機構を備えた雨水システムとすることも可能である。
サイホン作用を発生させるサイホン発生部10の他の形態としては、内部に流路面積を減少させる縮径部を設けたソケットを竪樋3の途中や下端に設置し、当該ソケット上部でサイホン作用を発生させてもよく、オーバーフローソケット9の内部や竪樋3とオーバーフローソケット9との接続部にこのような縮径部を設けてサイホン作用を発生させるようにしたサイホン発生部10でもよい。
また、竪樋3の途中から内径の小さい竪樋を接続し、この内径の小さい竪樋の上端でサイホン作用を発生させるようにしてもよく、軒樋2の底部と竪樋3とを接続する落とし口21又は集水器22の内部に竪樋3よりも流路面積を小さくする縮径部を設け、軒樋2の底部又は集水器22内でサイホン作用を発生させるようにしてもよい。 さらに、上述したサイホン発生部10を複数組み合わせてもよい。
また、本実施の形態の竪樋3は、取付リブ32を備えた形状となっているが、これに限定されることはなく、バンドを使用して外壁から支持される形態の筒状のみの竪樋であっても勿論かまわない。
さらに、本実施の形態で示した構成は、雨水排水システムの一例であって、軒樋2、竪樋3、エルボ4、室内排水管5、横引き管6、枡7(合流枡71、雨水枡72、トラップ枡73)、排水管カバー8等の取付け位置、数量、各種寸法等の構成は、建物の形状や敷地面積、可能排水量からなる排水条件などに応じて適宜変更することが可能である。
さらにまた、枡7に設けられる圧力開放蓋を省略することも可能である。
また、横引き管6とトラップ枡73とを接続するトラップ74やT字継手75を省略しても良い。例えば、トラップ枡73を使用して室内排水管5と横引き管6とを合流させているが、これに限るものではなく、室内排水管5と合流することなく、横引き管6は直接下水本管Pと接続していても良い。この場合、横引き管6と下水本管Pとはトラップ枡ではなく通常の雨水枡を介して接続される。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 雨水排水システム
2 軒樋
3 竪樋
4 エルボ(曲管部)
5 室内排水管
6 横引き管
7 枡
8 排水管カバー
10 サイホン発生部
11 吸水管
12 負圧誘発管
40 上筒管
41、44 整流リブ(整流部)
42 螺旋羽根(整流部)
43 立上げ管
70 圧力開放蓋
71 合流枡
72 雨水枡
73 トラップ枡
74 トラップ
75 T字継手

Claims (5)

  1. 屋根の軒先に取り付けられた軒樋と、該軒樋の一部に設けられる竪樋と、該竪樋に曲管部を介して地中に埋設されるとともに室内排水管が合流する横引き管と、前記横引き管に設けられる雨水枡および室内排水管に接続される合流枡からなる枡と、を備え、前記軒樋に流れた雨水を前記竪樋を介して前記横引き管に流出させるように構成された雨水排水システムであって、
    前記軒樋および前記竪樋の少なくとも一方にサイホン発生部が設けられ、
    前記竪樋と前記横引き管との間の前記曲管部を有する流路内には整流部が設けられていることを特徴とする雨水排水システム。
  2. 前記枡には、前記横引き管の満水時に管内圧力を開放する圧力開放蓋が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の雨水排水システム。
  3. 前記枡は、トラップ枡であり、
    該トラップ枡と前記横引き管とがT字継手によって接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の雨水排水システム。
  4. 前記サイホン発生部は、前記軒樋および前記竪樋の可能排水量で2.2L/sec以上の排水機能を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の雨水排水システム。
  5. 前記整流部は、前記雨水の鉛直下方への流下を規制し流れを方向付けする整流面が、前記竪樋の中心軸回りに螺旋状に形成される螺旋羽根であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の雨水排水システム。
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