JP6475545B2 - 雨水排水システム - Google Patents
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Description
これに対し、例えば特許文献1には、集水器を含む軒樋の底部を二重構造にし、この軒樋の底部にサイホン管路を全長にわたって設け、さらに軒樋の内部からサイホン管路に通じる吸水口を設け、竪樋の上端を軒樋のサイホン管路に接続した構成とされ、雨水の排水効率を向上させた高排水の雨水排水システムについて開示されている。
LL型曲管が使用される場合は、湾曲半径がDL型曲管よりも大きく、緩いカーブ形状となるので、曲管内での乱流が発生し難いが、横引き管の埋設深さがDL型曲管に比べて深くなることから、曲管が建物の基礎に干渉するおそれがあった。
一方、DL型曲管が使用される場合は、図13に示すように、湾曲半径がLL型曲管よりも小さく、曲りが急であるので、この曲管100内で乱流が発生し、横引き管101内に空気溜まり102ができて流れ難くなり、横引き管101が満流の状態になって排水管カバー103においてオーバーフローが発生し易くなるという問題があった。
さらに、横引き管が満流状態になりにくいことから、横引き管の長さを短くすることが可能であり、狭小地に配設されるような長さの短い横引き管の場合でも、上述したような集中豪雨時における排水管カバーからのオーバーフローを防止することができる。
ここで、図1は、横引き管6に対して2系統の竪樋3、3がそれぞれエルボ4を介して接続され、横引き管6に雨水枡72、トラップ枡73、及び合流枡71(図2参照)が設けられている。合流枡71は、図2に示すように、下流側で接続管61を介して下水本管Pに接続されている。なお、図2は、図1を簡略化した図であり、以下では図2を中心に説明する。
なお、図2において、竪樋3の上下方向Yの中間にはオーバーフローソケット9が設けられている。このオーバーフローソケット9は、枡7や排水管カバー8が冠水して竪樋3内の雨水を排水できない場合に、竪樋3から雨水を逃がし、バルコニー等への浸水を防止する機能を有している。そのため、オーバーフローソケット9は竪樋3の予想冠水水位よりも高い位置に設置される。
本実施の形態の雨水排水システム1は、サイホン発生部10を設けることで、大雨時に軒樋2内に流入した雨水の排水能力を向上させることができる。
上筒81は、竪樋3の取付リブ32を収容可能な嵌合凹部83を有する円筒部材からなり、竪樋3よりも大径に形成され、竪樋3の下端部3aを内側に嵌合させている。嵌合凹部83に竪樋3の取付リブ32を嵌合させた状態で、図7に示すような嵌合凹部83の内側には隙間(通気部83a)が形成されている。
この通気部83aは、立上げ管43や横引き管6の内部で発生し、排水を阻害する空気溜まりを排出する機能を有している。
これにより、上流側の横引き管6内が密閉されて負圧状態を発生させることを防止することができる。そして、負圧が発生することによってトラップ74内の封水量を減少させて、封水を追加する必要が生ずる事態を回避することができるという効果が得られる。
本実施の形態では、図2に示すように、竪樋3と横引き管6との間のエルボ4を有する流路内に整流リブ41(図8参照)が設けられているので、エルボ4を含む前記曲り部分の流路内における乱流の発生を抑えることができる。
そのため、図3及び図4に示すサイホン発生部10によりサイホン作用を利用した高排水で竪樋3の設置本数を減少させた排水システムにおいて、1本の竪樋3から横引き管6に流れ込む水量を増大させることが可能となり、竪樋3が満水になるのを抑えることができる。そして、本実施の形態のように竪樋3に排水管カバー8が設けられる場合において、集中豪雨時であっても排水管カバー8によるオーバーフローの発生を抑制することができる。
さらに、横引き管6が満流状態になりにくいことから、横引き管6の長さを短くすることが可能であり、狭小地に配設されるような長さの短い横引き管6の場合でも、上述したような集中豪雨時における排水管カバー8からのオーバーフローを防止することができる。
さらに、横引き管6が満流状態になりにくい構成となるので、横引き管6の長さを短くすることが可能であり、狭小地に配設されるような長さの短い横引き管の場合でも、上述したような集中豪雨時における排水管カバー8からのオーバーフローを防止することができる。
本実施例では、上述した実施の形態の雨水排水システムにおける排水性能を確認するために、表1に示す仕様の各部の構成を使用して評価を行った。
表1に示す実施例は、竪樋と横引き管との間に上面視でハ字状の整流リブ(ハ字状リブ)を備えたエルボを使用し、横引き管に接続される圧抜き管に圧力開放蓋(通気蓋)を設けないケースと設けるケースのそれぞれにおいて、エルボと竪樋との接続部分に配置される排水管カバーにおける水の漏れ量(流量)L/minを測定し、従来のエルボ(比較例1、2)と比較して評価を行った。
このように、実施例では、エルボに整流リブ(ハ字状リブ)を設けることで、比較例1、2の漏れ量に対して同等以下となり、排水性能が向上されたことを確認できた。
例えば、上述の本実施の形態では、エルボ4に設けられる整流部として、上面視形状でハ字状に形成される一対の整流リブ41を設けた構成としているが、他の形状の整流部を採用することも勿論可能である。
例えば、図10(a)、(b)に示す第1変形例による整流リブ44は、エルボ4の湾曲部4aの内面において、上面視形状でエルボ4の中心軸に沿って延びる形状をなしている。
なお、上述した整流リブ41、44はエルボ4と一体に成形されていてもよく、別部材として成形された整流リブ41、44をエルボ4内に接着して設けてもよい。
また、螺旋羽根42の数量は、上述した変形例のように1枚であることに限定される2枚など複数枚あってもよい。
サイホン作用を発生させるサイホン発生部10の他の形態としては、内部に流路面積を減少させる縮径部を設けたソケットを竪樋3の途中や下端に設置し、当該ソケット上部でサイホン作用を発生させてもよく、オーバーフローソケット9の内部や竪樋3とオーバーフローソケット9との接続部にこのような縮径部を設けてサイホン作用を発生させるようにしたサイホン発生部10でもよい。
また、竪樋3の途中から内径の小さい竪樋を接続し、この内径の小さい竪樋の上端でサイホン作用を発生させるようにしてもよく、軒樋2の底部と竪樋3とを接続する落とし口21又は集水器22の内部に竪樋3よりも流路面積を小さくする縮径部を設け、軒樋2の底部又は集水器22内でサイホン作用を発生させるようにしてもよい。 さらに、上述したサイホン発生部10を複数組み合わせてもよい。
また、横引き管6とトラップ枡73とを接続するトラップ74やT字継手75を省略しても良い。例えば、トラップ枡73を使用して室内排水管5と横引き管6とを合流させているが、これに限るものではなく、室内排水管5と合流することなく、横引き管6は直接下水本管Pと接続していても良い。この場合、横引き管6と下水本管Pとはトラップ枡ではなく通常の雨水枡を介して接続される。
2 軒樋
3 竪樋
4 エルボ(曲管部)
5 室内排水管
6 横引き管
7 枡
8 排水管カバー
10 サイホン発生部
11 吸水管
12 負圧誘発管
40 上筒管
41、44 整流リブ(整流部)
42 螺旋羽根(整流部)
43 立上げ管
70 圧力開放蓋
71 合流枡
72 雨水枡
73 トラップ枡
74 トラップ
75 T字継手
Claims (5)
- 屋根の軒先に取り付けられた軒樋と、該軒樋の一部に設けられる竪樋と、該竪樋に曲管部を介して地中に埋設されるとともに室内排水管が合流する横引き管と、前記横引き管に設けられる雨水枡および室内排水管に接続される合流枡からなる枡と、を備え、前記軒樋に流れた雨水を前記竪樋を介して前記横引き管に流出させるように構成された雨水排水システムであって、
前記軒樋および前記竪樋の少なくとも一方にサイホン発生部が設けられ、
前記竪樋と前記横引き管との間の前記曲管部を有する流路内には整流部が設けられていることを特徴とする雨水排水システム。 - 前記枡には、前記横引き管の満水時に管内圧力を開放する圧力開放蓋が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の雨水排水システム。
- 前記枡は、トラップ枡であり、
該トラップ枡と前記横引き管とがT字継手によって接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の雨水排水システム。 - 前記サイホン発生部は、前記軒樋および前記竪樋の可能排水量で2.2L/sec以上の排水機能を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の雨水排水システム。
- 前記整流部は、前記雨水の鉛直下方への流下を規制し流れを方向付けする整流面が、前記竪樋の中心軸回りに螺旋状に形成される螺旋羽根であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の雨水排水システム。
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