JP6279794B1 - サイフォン雨樋システム - Google Patents

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Abstract

【課題】雨水を円滑に流下させると共に、サイフォン雨樋システム全体の収まりを良好にするエルボを提供する。【解決手段】本発明に係るエルボ14は、サイフォン発生部の下流側に設置されるエルボであって、曲管部32と、曲管部32の両端に設けられた受け口30A,30Bを備え、曲管部32における内周側32Nの内壁面P32の曲率半径が0mmよりも大きく、かつ、64mmよりも小さい。【選択図】図4

Description

本発明は、エルボ、組み合わせエルボ及びサイフォン雨樋システムに関する。
一般に、建築物には、屋根から流れ落ちる雨水を受け止め、地上へと流し込むための雨樋が設けられている。雨樋は、軒樋、集水器、竪樋、直管、エルボ等の部材が複数組みあわされて構成されている。近年、雨樋の排水能力を高めるために、竪樋の内部を満水状態にすることで、水の吸引作用(所謂、サイフォン現象)を発生させ、排水量を飛躍的に増大させるサイフォン雨樋システムが提案されている。
例えば、特許文献1には、軒先に取り付けられた軒樋の底部に、家屋の外壁材に沿って縦方向に配設した3〜13cmの開口面積を有するサイフォン管の上端が接続されたサイフォン式雨水排水装置が開示されている。
特許第4130616号公報
サイフォン雨樋システムにおいて雨水を縦引きから横引きにする部分(又は、その逆に雨水を横引きから縦引きにする部分)には、直管同士を接続するための継手としてエルボが用いられる。従来規格化されているエルボとしては、例えば90°曲がりエルボ(所謂、DL)、90°大曲がりエルボ(所謂、LL)がある。
しかしながら、90°曲がりエルボの内周側の内壁部の曲率半径は0mmであって、内周側の内壁部は直角に形成されているため、サイフォン雨樋システムに90°曲がりエルボを使用すると、直角に形成された内周側の内壁部で雨水の流速が低下する。これにより、サイフォン雨樋システムの排水能力が低下し、集水箇所で雨水が溢れ出しかねないという問題があった。一方、90°大曲がりエルボの内周側の内壁部の曲率半径は64.6mmであって、90°曲がりエルボのように内部を流れる雨水の流速が低下するという問題は解消されるが、一方で、軒先におけるサイフォン雨樋システムの収まりが悪くなるという問題があった。特に、工場のように軒先の小さい非住宅では、収まりの悪さが露見し易い。
本発明は、上述の事情を鑑みてなされたものであり、雨水を円滑に流下させると共に、サイフォン雨樋システム全体の収まりを良好にするエルボ、組み合わせエルボ、及び該エルボや該組み合わせエルボを備えたサイフォン雨樋システムを提供する。
本発明に係るサイフォン雨樋システムは、軒樋と、前記軒樋の底面に形成された集水口を貫通する筒状部を備えたサイフォン現象を発生させるためのサイフォン発生部と、前記サイフォン発生部の筒状部と接続された組合せエルボと、を備えたサイフォン雨樋システムであって、前記組合せエルボは、少なくとも2つのエルボと短管とより構成され、前記エルボは、曲管部と、前記曲管部の両端に設けられた受け口と、を備え、前記組合せエルボは、一のエルボの受け口と他のエルボの受け口との間に前記短管が嵌合されるようにして接続され、かつ、前記曲管部の管軸を含む平面における断面で見たときに、内周側の内壁面の曲率半径が0mmよりも大きく、かつ、64mmよりも小さく、かつ、両端の前記受け口を通る軸線同士が45°以下で交差するように構成され、前記組合せエルボの一端は、前記サイフォン発生部の下流側に直接接続され、前記組合せエルボの他端は、雨樋下流部に接続されていることを特徴とする。
また、本発明に係るサイフォン雨樋システムは、軒樋と、前記軒樋の底面に形成された集水口を貫通する筒状部を備えたサイフォン現象を発生させるためのサイフォン発生部と、前記サイフォン発生部の筒状部と接続されたエルボと、を備えたサイフォン雨樋システムであって、前記エルボは、曲管部と、前記曲管部の両端に設けられた受け口と、を備え、前記曲管部は、前記曲管部の管軸を含む断面で見たときの前記曲管部における内周側の内壁面の曲率半径が0mmよりも大きく、かつ、64mmよりも小さくなるように構成され、前記エルボの一端は、前記サイフォン発生部の下流側に直接接続され、前記エルボの他端は、雨樋下流部に接続されていることを特徴とする。
上述の構成によれば、サイフォン発生部で発生したサイフォン現象によって雨水が満水状態で雨樋上流部に接続されるエルボの一端から曲管部に流入した際に、雨水が内壁面の内周面側で滞ることなく、雨樋下流部に接続される他端に向かって円滑に流れる。また、エルボの曲管部の曲率が適度に設定されていることで、サイフォン雨樋システムの収まりが良くなる。
本発明に係るサイフォン雨樋システムでは、前記サイフォン発生部は上面視で軒樋の底面に形成された集水口の開口を覆うように前記軒樋の底面の上方に配置された蓋部材であり、前記集水口に前記エルボが接続されていてもよい。
上述の構成によれば、軒樋によって集水口に集められた雨水が軒樋の底面と蓋部材の上面との間に導かれ、集水口及びエルボに満水状態で流入するので、サイフォン現象が良好に発生する。
本発明のエルボ、組み合わせエルボ、及びサイフォン雨樋システムによれば、雨水を円滑に流下させると共に、サイフォン雨樋システム全体の収まりを良好にすることができる。
本発明の第1実施形態のサイフォン雨樋システムの側面図である。 本発明の第1実施形態のサイフォン雨樋システムの集水口に設置可能なサイフォンドレン部材の一例を示す断面図である。 本発明の第1実施形態のサイフォン雨樋システムの集水口に設置可能なサイフォンドレン部材の一例を示す別の断面図である。 図1に示すサイフォン雨樋システムに用いられるエルボの側断面図である。 図1に示すサイフォン雨樋システムに用いられるエルボの斜視断面図である。 本発明の第2実施形態のサイフォン雨樋システムに用いらいるエルボの側断面図である。
以下、本発明に係るサイフォン雨樋システム用のエルボ、組み合わせエルボ及びサイフォン雨樋システムの実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面は模式的なものであり、長さ、幅、及び厚みの比率等は実際のものと同一とは限らず、適宜変更することができる。
(第一実施形態)
本発明を適用した第一実施形態のサイフォン雨樋システム(雨樋)1は、略水平になるよう軒先に固定された軒樋10と、軒樋10の底面と接続されたエルボ14と、エルボ14の下流側の端部と接続された直管16(呼び樋ともいう)、直管16の下流側の端部と接続されたエルボ18と、エルボ18の下流側の端部と接続された直管20(竪樋ともいう)と、を備えている。図示していないが、直管20は地面に対して略垂直になるよう建築物の壁面に固定されており、90°曲がりエルボ18が接続された直管20の上端部の反対側となる直管20の下端部は、公知の排水枡や排水管等の排水構造に適宜接続されている。ここで、エルボ14、直管16、及びエルボ18を一体のエルボ構造と解釈すれば、軒樋10が本発明の雨樋上流部に相当し、直管20が本発明の雨樋下流部に相当する。
軒樋10は、不図示の建築物の軒下に設けられている。軒樋10は、図1に示すD1方向に直交する断面視において底面10bと底面10bの両側から上方に立ち上がる側面10sとを有すると共に、上方に向けて開口し、D1方向に延在している。本発明における軒樋10は、工場や駅舎などの大きな屋根面積を有する非住宅建築物に用いられることが想定されている。このような構成では、大面積の屋根から流れ込む雨水を排水するのに十分な流量を確保するため、軒樋10の底面10bの幅(底面10bの長尺方向と直交する方向の長さ)は少なくとも100mm以上が好ましく、120mm以上がより好ましく、150mm以上が最も好ましい。底面10bの上限幅は、特に限定されないが、300mm以下が好ましい。
軒樋10の底面10bには、集水口12が形成されている。軒樋10の底面10bの内側は、D1方向において集水口12が最低部となるように傾斜している。なお、軒樋10の底面10bの外側は略水平に形成され、かつ底面10bの内側のみが前述のように傾斜していてもよく、軒樋10自体が集水口12を最低部として傾斜するように設置されていてもよい。
集水口12には、サイフォン雨樋システム1にサイフォン現象を発生させるためのサイフォン発生部50が設けられている。サイフォン発生部50は、集水口12の開口を覆うように軒樋10の底面10bの上方に配置された蓋部材であることが好ましい。集水口12には、エルボ14の受け口30Aが接続されている。
上述の蓋部材としては、例えば、図2に示すサイフォンドレン部材51や図3に示すサイフォンドレン部材52が挙げられる。図2に示すように、サイフォンドレン部材51は、板状に形成された網61と、落し口70を有してエルボ14の受け口30Aに嵌合される装着筒62と、網61と装着筒62とを接続し、上面視で落し口70に重ならない位置で周方向に間隔をあけて配置された複数の縦リブ63と、網61と装着筒62との接続部分から径方向外側に拡径するフランジ64と、を備えている。網61は、集水口12にゴミ等が流入しないようにするためのゴミ除けである。装着筒62の外径は、集水口12に嵌入可能な径に設定されている。装着筒62の外周面には、雄ねじが形成されている。
サイフォンドレン部材51に組み合わさる例では、エルボ14の受け口30Aには、受け口30Aの上端から径方向外側に拡径するフランジ44と、受け口30Aの上端から受け口30Aの軸線J2に沿って所定の高さ下降した(即ち、所定の距離で図2に図示略の曲管部側に進んだ)位置で内壁面から径方向内側に突出するリブ46が設けられている。リブ46が設けられているのは、受け口30Aの内径が縮小されることで、ベンチュリ効果と類似した効果が発揮され、満流状態が発生し易くなり、サイフォン現象が発生するからである。軸線J2に沿う方向において、受け口30Aの上端からリブ46までの受け口30Aの内壁面には、サイフォンドレン部材51の装着筒62に対して螺合可能となるように雌ねじが形成されている。
サイフォンドレン部材51は、装着筒62の雄ねじを受け口30Aの雌ねじに螺合させつつ、フランジ64,44同士の間に集水口12周囲の軒樋10の底面10bを挟み込むようにして、軒樋10に装着されると共に、エルボ14の受け口30Aに接続されている。
図3に示すように、サイフォンドレン部材52は、板状に形成された蓋71と、落し口80を構成し、上面視で落し口80に重ならない位置で蓋71の外周に沿って間隔をあけて配置され、かつ蓋71の底面から下方に延びて蓋71を支持する複数の縦リブ73と、蓋71の底面から垂下すると共に径方向に沿って上面視で放射状に形成されたガイド部78と、蓋71の外周に沿って間隔をあけて配置され、かつ蓋71の上面から上方に突出するように設けられた位置決めリブ77と、を備えている。ガイド部78の下端は、側面視で蓋71の径方向中心から外側に進むに従って漸次、蓋71に近づくように形成され、テーパー状又はベルマウス形状をなしている。このような蓋71によって、エルボ14ひいては直管20(即ち、竪樋)への空気の巻き込みが少なくなるため、満流状態が発生し易くなり、サイフォン現象が発生する。
サイフォンドレン部材52は、連結部材90を介してエルボ14の受け口30Aに接続されている。連結部材90は、受け口30Aに内嵌可能な筒状部92と、筒状部92の上端から拡径するフランジ94と、を備えている。連結部材90は、筒状部92が集水口12に挿通すると共に、フランジ94の底面が集水口12周囲の軒樋10の底面10bに載った状態で、軒樋10の底面10bに係止されている。サイフォンドレン部材52の複数の縦リブ73の底面は、連結部材90のフランジ94の上面に合った形状に加工されている。複数の縦リブ73とフランジ94、及び筒状部92と受け口30Aは、それぞれ、接着剤等によって接着されていてもよく、融着されていてもよい。また、サイフォンドレン部材51を用いた上述の構成例と同様に、筒状部92の外周面に雄ねじが形成され、受け口30Aの内周面に雌ねじが形成され、筒状部92と受け口30Aが螺合されていてもよい。
上述したように、エルボ14は、サイフォン発生部50の下流側に設置されるエルボであって、サイフォン発生部50が設けられた軒樋10の下流側(即ち、雨水が集まる側)の集水口12には、エルボ14の受け口(一端)30Aが接続されている(図1参照)。
図4及び図5に示すように、エルボ14は、曲管部32と、曲管部32の両端に設けられた受け口30A,30Bを備えている。曲管部32は、側面視で略90°に屈曲するように形成されている。
図4に示すように、曲管部32の管軸Aを含む平面(即ち、図4の紙面)における断面で見たときの曲管部32の内周側32Nの内壁面P32の曲率半径は、少なくとも0mmよりも大きく、かつ、64mmよりも小さい。管軸Aは、名前の通りエルボ14の曲管部32及び受け口30A,30Bの径方向中心を通る軸であり、受け口30Aの中心C1と受け口30Bの中心C2の両方を通る。受け口30Aから流入した雨水を円滑に流動させる点から、内壁面P32の曲率半径は、13mmよりも大きいことが好ましく、20mmよりも大きいことがより好ましい。また、曲管部32の全体の寸法を小さくする点から、内壁面P32の曲率半径は、60mmよりも小さいことが好ましく、45mmよりも小さいことがより好ましい。曲管部32における外周側32Uの内壁面の曲率半径は、内壁面P32の曲率半径等に合わせて適宜設定されている。
図4に示すように、受け口30A,30Bの各々を通る軸線J2,J3同士が側面視において所定の角度θで交差し、角度θは91.1°とされている。
なお、角度θを、例えば100°または120°または135°に設定してもよい。角度θを大きくすることで排水の流れをスムーズにすることができる。
図4に示すように、受け口30Aの中心C1と受け口30Bの中心C2との直線距離を距離Lとし、受け口30A,30Bの内径を直径Dとする。排水に最低限必要な流量を稼ぐための内径と、上述した内壁面P32の曲率半径を稼ぐための継手の寸法と、継手全体の寸法を小さくしてサイフォン雨樋システム1の収まりを小さくすること、を同時に達成することができる数値範囲として、直径Dは60mm以上167mm以下とされ、好ましくは75mm以上115mm以下とされている。また、距離Lは99mm以上263mm以下とされ、好ましくは130mm以上190mm以下とされている。従って、(L/D)は1.45以上2.20以下であることが好ましく、1.50以上2.00以下であることがより好ましい。
上述の構成を備えることにより、十分な排水量とスムーズな排水流れが実現されると同時に、継手全体の寸法が小さくなったため、軒樋10の底面10bと直管16の中心軸との距離を小さくすることができる。また、サイフォン現象発生時の振動や強風などによって直管16に外力がかかった場合でも、軒樋10とエルボ14との接合部や、エルボ14自体等にかかる応力を小さくすることができ、軒樋10やエルボ14の損傷を防ぐことができる。具体的には、軒樋10の底面10bと直管16の中心軸との距離(最短距離)は、140mm未満であることが好ましく、130mm未満であることがより好ましい。
図1に示すように、エルボ14の受け口30Bには、直管16の一端(即ち、上流側の端部)が接続されている。直管16の他端(即ち、下流側の端部)には、エルボ18の受け口30Aが接続されている。エルボ18は、エルボ14と同一の構成を備えている。エルボ18の受け口30Bには、直管20の一端(即ち、上流側の端部)が接続されている。
エルボ14,18をはじめとするサイフォン雨樋システム1の各構成要素の素材としては、例えば塩化ビニルが挙げられ、特に硬質塩化ビニルが好ましい。
以上説明した第一実施形態のエルボ14,18及びサイフォン雨樋システム1によれば、内壁面P32の曲率半径が0mmよりも大きく、かつ、64mmよりも小さいので、軒樋10の集水口12からエルボ14,18の受け口30Aに導かれて流入した雨水Wを内壁面P32で滞らせずに、受け口30Bに向かって円滑に流すことができる(図4及び図5参照)。また、内壁面P32の曲率半径が64mmよりも小さいので、曲管部32の曲率及びエルボ14,18全体の大きさが適度になり、サイフォン雨樋システム1の収まりを良くすることができる。
また、第一実施形態のサイフォン雨樋システム1によれば、サイフォン発生部50がサイフォンドレン部材51,52に例示される部材であり、集水口12にエルボ14の受け口30Aが接続されているので、軒樋10によって集水口12に集められた雨水を軒樋10の底面10bと網61や蓋71との間、かつ複数の縦リブ63,73の間から落し口70,80に導き、集水口12及びエルボ14に満水状態で流入させ、サイフォン現象を良好に発生させることができる。
なお、第一実施形態においては、サイフォン雨樋システム1は、軒樋10と直管20との間に二つのエルボ14,18を備え、エルボ14、18間に一つの直管16を備えている。しかしながら、サイフォン雨樋システム1はこのような構成を備えている雨樋システムに限られず、少なくとも二つのエルボと、当該二つ以上のエルボ間に少なくとも一つ以上の直管16と、を備えていればよく、軒樋10と直管20との間に三つ以上のエルボと、当該三つ以上のエルボ間に2つ以上の直管16と、を備えていてもよい。
(第二実施形態)
本発明を適用した第二実施形態のサイフォン雨樋システム(雨樋)は、図示していないが、第一実施形態のサイフォン雨樋システムにおけるエルボ14,18の少なくとも一方を、図6に示すエルボ100A,100Bを備えた組み合わせエルボ110に置き換えたものである。例えば、組み合わせエルボ110においては、軒樋10(雨樋上流部)の下流側にエルボ100Aの受け口(一端)30Aが接続され、エルボ100Bの受け口(他端)30Bが直管(雨樋下流部)20に接続されている(図1参照)。なお、エルボ100A,100Bに共通する点についてはエルボ100としてまとめて記載する。また、図6に示すエルボ100の構成要素において、エルボ14の構成要素と同一のものについては、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図6に示すように、エルボ100は、両端の受け口30A,30Bと、受け口30A,30B同士の間を連結する曲管部32と、を有する。曲管部32は、側面視で45°以下に屈曲するように形成されている。即ち、受け口30A,30Bの各々を通る軸線J2,J3同士が側面視において45°以下で交差する曲管部32を有している。本実施形態においては、曲管部32は、受け口30A,30Bの各々を通る軸線J2,J3同士が側面視において45°で交差するよう形成されている。曲管部32における内周側32Nの内壁面P32の曲率半径は、0mmよりも大きく、かつ、64mmよりも小さい。このような構成を備えた二つのエルボ100A,100Bの組み合わせによって、エルボ100Aの受け口30Aを通る軸線J2とエルボ100Bの受け口30Bを通る軸線J3とが側面視において90°で交差し、全体として90°曲がりの組み合わせエルボ110が構成されている。そのため、エルボ110は曲管部32を二カ所有している。
また、エルボ100A、100Bの各々の受け口30A,30Bの各々を通る軸線J2,J3同士が側面視においてなす角度は45°以下であれば特に限定されるものではなく、また、エルボ100Aと100Bのそれぞれが異なる角度であっても良く、エルボ100Aと100Bを組み合わせた時に90°以下となれば特に限定されない。
図6に示すように、組み合わせエルボ110は、二つのエルボ100A,100Bと、短管105と、を備えている。短管105は、エルボ100Aの受け口30Bとエルボ100Bの受け口30Aとに隙間なく内嵌されると共に、エルボ100A,100B同士を隙間なく連結している。短管105の内壁面P105は、二つのエルボ100A,100Bの内壁面と間に排水流の妨げになるような段差を形成することなく接続するように形成されている。このような構成により、エルボ100Aの受け口30Aに流入し、エルボ100Bの受け口30Bに向けて排水される排水流が短管105とエルボ100Aの曲管部32とエルボ100Bの曲管部32との連結部分で乱されることなく円滑に流れる。なお、二つのエルボ100A,100Bの内壁面P32と短管105の内壁面P105が段差なく滑らかに接続されれば、短管105の長さは、エルボ100Aの受け口30Bの長さとエルボ100Bの受け口30Aの長さの合計より大きくてもよい。
第二実施形態のエルボ100、組み合わせエルボ110及びサイフォン雨樋システムによれば、内壁面P32が傾斜面になっているので、第一実施形態のエルボ14,18及びサイフォン雨樋システム1と同様に、受け口30Aに導かれて流入した雨水を内壁面P32で滞らせずに満水状態で、受け口30Bに向かって円滑に流すことができる。また、サイフォン雨樋システム1の収まりを良くすることができる。
なお、第二実施形態のサイフォン雨樋システム1は、軒樋10と直管20との間に、両端にエルボ110を接続した直管16を備え、上流側のエルボ110が軒樋10の底面10bと接続され、下流側のエルボ110と直管20とが接続されているが、これに限るものではなく、少なくとも二つのエルボ110と、当該二つ以上のエルボ110間に少なくとも一つ以上の直管16とを備えていればよく、軒樋10と直管20との間に三つ以上のエルボ110と、当該三つ以上のエルボ110同士の間に二つ以上の直管16と、を備えていてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、本発明に係るエルボの曲管部における内周側の内壁面は、内壁面の曲率半径が0mmよりも大きく、かつ、64mmよりも小さくなる曲面と、傾斜面との組み合わせで構成されていてもよい。
また、本発明における雨樋上流部は、軒樋に限定されず、集水口が形成可能、かつサイフォン発生部を設けることができるものであればよく、あらゆる樋部材や集水器を含む。例えば、雨樋上流部は、コンクリート製の建築物の屋根スラブに形成された排水溝と、建築物の屋根スラブを貫通するように埋設されたエルボ14、直管16、エルボ18および直管20と、を備え、サイフォン発生部を当該排水溝の底面且つエルボ14の上部に設けたサイフォン排水システムであってもよい。
また、サイフォン発生部50の構成は、上述のサイフォンドレン部材51,52に限定されず、雨水を集水口12に満水状態で流入させることができる構成であればよく、例えば、特開2012−132192に記載されたような水を貯留させる水溜め容器によってサイフォンを発生させる部材などが挙げられ、この部材の下流側に本発明に係るエルボを設置してもよい。任意の部材を設けなくとも雨水が集水口12に満水状態で流入可能であれば、集水口12自体がサイフォン発生部として機能し得る。
続いて、本発明に係るエルボの実施例について説明する。なお、本発明に係るエルボの構成及び作用効果は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例)
図1に示すサイフォン雨樋システム1の軒樋10、サイフォン発生部50、及びエルボ14を備え、集水口12にエルボ14の受け口30Aを接続したモデルを用意した。実施例1のエルボ14では、曲管部32の管軸Aを含む平面における断面で見たときの曲管部32の曲管部32の内周側32Nの内壁面P32の曲率半径を33mmとした。サイフォン発生部50には、サイフォンドレン部材51,52の二種類を用意した。サイフォン雨樋システム1の軒樋10、サイフォン発生部50、及びエルボ14の素材は、硬質塩化ビニルとした。軒樋10への排水量を3.0L/secと6.0L/secとし、サイフォン発生時及び未発生時における軒樋10の排水の水位を測定し、排水の様子を観察した。
(比較例)
実施例におけるエルボ14を従来の90°曲がりエルボ(所謂、DL)に替えて排水の様子を観察した。この90°曲がりエルボでは、受け口の中心を通る断面で見たときの曲管部における内周側の内壁面の曲率半径は0mmであった。
実施例及び比較例における排水の様子を観察した結果を表1に示す。なお、表1におけるエルボの欄の「ML」は、エルボ14を表し、サイフォン発生部の欄の「N」はサイフォンドレン部材51を表し、サイフォン発生部の欄の「S」はサイフォンドレン部材52を表す。
排水量が3.0L/secであって、エルボ14を用いた場合、サイフォン発生部の構成によらず、周期的かつ安定的に高排水が発生し、排水性が良くなった。一方、同排水量で従来のDLを用いた場合、5秒に1回程度の頻度で高排水が発生し、周期性はあまり見られず、エルボ14を用いた場合に比べて排水性はさほど向上しなかった。また、排水量が3.0L/secであるときには、本発明に係るエルボを用いた場合も従来のDLを用いた場合でも、サイフォン発生部の構成による排水の様子の大きな差は見られなかった。
排水量が6.0L/secであって、エルボ14を用いた場合、3秒に1回程度の頻度で高排水が安定的に発生し、水位が低下すると共に排水性が良くなった。一方、同排水量で従来のDLを用いた場合、エルボ14を用いた場合と同様の頻度で高排水が発生するものの、エルボ14を用いた場合に比べて排水性はさほど向上しなかった。
表1からわかるように、同じ排水量及びサイフォン発生部の構成においては、本発明に係るエルボ用いた場合の方が従来のDLを用いた場合に比べて落し口水位のサイフォン発生時と未発生時との差が小さく、排水性能が高くなることを確認した。
1…サイフォン雨樋システム
14,18,100,100A,100B…エルボ
30A,30B…受け口
32…曲管
P32…内壁面
50…サイフォン発生部

Claims (3)

  1. 軒樋と、前記軒樋の底面に形成された集水口を貫通する筒状部を備えたサイフォン現象を発生させるためのサイフォン発生部と、前記サイフォン発生部の筒状部と接続された組合せエルボと、を備えたサイフォン雨樋システムであって、
    前記組合せエルボは、少なくとも2つのエルボと短管とより構成され、
    前記エルボは、曲管部と、前記曲管部の両端に設けられた受け口と、を備え、
    前記組合せエルボは、一のエルボの受け口と他のエルボの受け口との間に前記短管が嵌合されるようにして接続され、かつ、前記曲管部の管軸を含む平面における断面で見たときに、内周側の内壁面の曲率半径が0mmよりも大きく、かつ、64mmよりも小さく、かつ、両端の前記受け口を通る軸線同士が45°以下で交差するように構成され、
    前記組合せエルボの一端は、前記サイフォン発生部の下流側に直接接続され、
    前記組合せエルボの他端は、雨樋下流部に接続されていることを特徴とするサイフォン雨樋システム。
  2. 軒樋と、前記軒樋の底面に形成された集水口を貫通する筒状部を備えたサイフォン現象を発生させるためのサイフォン発生部と、前記サイフォン発生部の筒状部と接続されたエルボと、を備えたサイフォン雨樋システムであって、
    前記エルボは、曲管部と、前記曲管部の両端に設けられた受け口と、を備え、
    前記曲管部は、前記曲管部の管軸を含む断面で見たときの前記曲管部における内周側の内壁面の曲率半径が0mmよりも大きく、かつ、64mmよりも小さくなるように構成され、
    前記エルボの一端は、前記サイフォン発生部の下流側に直接接続され、
    前記エルボの他端は、雨樋下流部に接続されていることを特徴とするサイフォン雨樋システム。
  3. 前記サイフォン発生部は軒樋の底面に形成された集水口の開口を覆うように前記軒樋の底面の上方に配置された蓋部材であり、
    前記集水口に前記エルボが接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載のサイフォン雨樋システム。
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