JP6474953B2 - 水素分離体及び水素分離体を用いた水素製造装置 - Google Patents

水素分離体及び水素分離体を用いた水素製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、水素含有ガス等の被分離ガス(原料ガス)から水素ガスを選択して分離することにより純度の高い水素ガスを得ることができる水素分離体及び水素分離体を用いた水素製造装置に関する。
従来、例えば燃料電池に供給する水素を製造するために、天然ガスを水蒸気改質した改質ガス等の水素を含むガスから水素のみを選択的に取り出す水素分離体が開発されている。この水素分離体は、例えば有底円筒状のセラミック多孔質体の表面などに、パラジウム(Pd)やPd合金等の水素のみを透過させる水素透過性金属(以下水素分離金属と記す)からなる水素透過膜(以下水素分離層と記す)を形成したものである。
また、この種の水素分離体を製造する方法としては、セラミック多孔質体の細孔内に水素分離金属を充填することによって、水素分離層を形成する技術が開示されている(特許文献1〜3参照)。
特開2006−95521号公報 特開2007−301514号公報 特開2005−13853号公報
しかしながら、上述した従来技術では、水素分離体において、高い水素透過性能と(水素分離層の)耐剥離性とを両立するための設計指針が開示されておらず、どのようにすれば、高い水素透過性能と耐剥離性とを両立できるかが不明であった。
なお、水素分離層は、水素分離金属が充填される割合が高い場合には、水素分離層の厚み方向の両側において、セラミック多孔質部分との界面にて剥離が生ずる恐れがある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、高い水素透過性能と耐剥離性とを両立できる水素分離体及び水素分離体を用いた水素製造装置を提供することにある。
(1)本発明は、第1態様(水素分離体)として、多孔質体と、該多孔質体の細孔内に水素を含む気体のうち水素のみを選択して透過させる水素分離金属が充填された水素分離層と、を有する水素分離体において、前記多孔質体を構成する材料は、イットリア安定化ジルコニア、安定化ジルコニア、アルミナ、マグネシア、セリア、ドープドセリアのうち、少なくとも1種のセラミックスであり、前記水素分離金属は、Pd、PdCu合金、PdAg合金、PdAu合金のうち、少なくとも1種であり、前記水素分離層における前記水素分離金属の充填の割合を示す指標である充填率εと、「前記水素分離層の厚み方向において前記水素分離金属中を水素が透過する経路の長さである水素の経路長/前記水素分離層の厚み」で示す指標である屈曲度τとの比(ε/τ)が、0.26〜0.60の範囲であり、前記経路長とは、前記水素分離層の厚み方向に沿って破断した断面において、下記の[経路長の測定方法]によって規定されるものであることを特徴とする。
[経路長の測定方法]
(1)第1に、前記水素分離層に対して、前記厚み方向に垂直な平面方向にて平行な一対の辺に挟まれるとともに幅を規定した短冊状の測定領域を設定する。
(2)第2に、前記一対の辺の一方の辺から他方の辺に向かって垂線を引くとともに、以下の手順で経路線を引く。但し、この経路線を引く際には、該経路線を引く開始時であるスタート時の空孔は経路から外し、前記水素分離金属又は前記多孔質体を構成するセラミックス部分からのスタートとする。なお、途中の空孔はセラミックス部分とみなす。
<前記水素分離金属からスタートした場合>
(A)まず、前記水素分離金属の存在する領域内を前記垂線に沿って前記経路線を引く。
(B)次に、前記(A)にて引いた経路線が前記セラミックス部分に到達した場合、
前記セラミックス部分と前記水素分離金属との境界線と、前記経路線とが点Pにて交わるときには、前記点Pでの前記境界線の傾きを示す線を求め、前記他方の辺側に延びる方向における前記傾きを示す線と前記垂線との成す角度θを求め、下記(B−1)、(B−2)の方法にて、前記経路線を引く。
(B−1)角度θが50°より大きい場合
前記点Pから前記経路線を前記垂線に沿って進め、前記セラミックス部分と前記水素分離金属との前記境界線と、前記経路線とが点Qにて交わる場合には、前記点Pと前記点Qの長さを直径とした仮想円を描き、この点Pと点Qとをつなぐ仮想円の半円を前記経路線とする。この点Qからは前記(A)の手順に戻って前記経路線を引く。
(B−2)角度θが50°以下の場合
前記点Pから前記境界線の傾きを示す線に沿って前記経路線を進め、その際に前記垂線との成す角度が0°の方向に前記水素分離金属が出現する点Rまで経路線を進める。そして、前記点Rで再びθ=0°方向(即ち前記他方の辺の方向)に進み、この点Rからは前記(A)の手順に戻って前記経路線を引く。
<前記セラミックス部分からスタートした場合>
前記(B−1)の方法から始め、前記角度θに応じて前記経路線を引く。
そして、前記(A)、(B)に示す方法に従った操作を前記水素分離層の前記測定範囲における厚みの範囲内で繰り返して前記経路線を引き、この経路線の全長である前記経路長を計算する。
本第1態様では、後述する実験例からも明らかなように、水素分離層における水素分離金属の充填の割合を示す指標である充填率εと、水素分離層の厚み方向における水素の透過経路の長さの程度を示す指標であって、前記のようにして規定される屈曲度τとの比(ε/τ)が、0.26〜0.60の範囲であるので、高い水素透過性能と高い耐剥離性とを両立できる。
詳しくは、本第1態様では、充填率εと屈曲度τとの比(ε/τ)が、0.2以上であるので、高い水素透過性能を実現できるとともに、充填率εと屈曲度τとの比(ε/τ)が、0.6以下であるので、高い耐剥離性を実現できる。
ここで、充填率εとは、後に詳述するように、水素分離層の厚み方向に沿った断面において、「水素分離金属の占める面積/断面の全面積」で示される値である。
また、屈曲度(Tortuosity)τとは、後に詳述するように、「(水素分離層の厚み方向において水素分離金属中を水素が透過する経路の長さである)水素の経路長/水素分離層の厚み」で示される値である。
(2)本発明は、第2態様として、前記水素分離金属が充填された水素分離層の厚みが、0.1〜10μmの範囲であることを特徴とする。
本第2態様では、水素分離層の厚みが0.1μm以上であるので、(原料ガス等から)分離される水素の純度が高い。また、水素分離層の厚みが10μm以下であるので、水素透過性能が高いという効果がある。
つまり、水素透過性能は水素分離層の厚み(層厚)に反比例するので、水素分離層の層厚は可能な限り薄い方が良い。他方、薄層化していくと水素分離金属が未充填な部分、即ち空孔部分が多くなり、空孔が連結してのリークが発生し易くなる。このため、水素透過性能と封止性を両立可能な層厚の範囲としては、0.1〜10μmの範囲が好適である。
(3)本発明は、第3態様(水素製造装置)として、前記請求項1又は2に記載の水素分離体を備えたことを特徴とする。
本第3態様の水素製造装置は、上述した水素分離体を備えているので、高い水素製造能力と高い耐久性を有している。
経路長を求めるための手順を説明するための説明図である。 経路が折れ曲がる際の角度を求めるための説明図である。 実施例の水素分離体を軸方向に沿って破断して示す断面図である。 実施例の水素分離体を軸方向に沿って破断し、その一部(図3のA部)を拡大して模式的に示す説明図である。 実施例の水素分離体を軸方向に沿って破断し、その一部を更に拡大して模式的に示す説明図である。 実施例における水素分離装置を軸方向に沿って破断して示す断面図である。 実施例の水素分離体の製造方法のうち、有底円筒形状成形体の形成手順等を示す説明図である。 実施例の水素分離体の製造方法のうち、水素分離層の形成手順等を示す説明図である。 実施例の水素分離体の製造方法のうち、内部給電方式の電解めっきを示す説明図である。 実験結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
・多孔質体としては、多孔質支持体と、多孔質支持体の表面に形成された内側多孔質層と、内側多孔質層の表面に形成された外側多孔質層(保護層)とからなる構成が挙げられる。
なお、水素分離層は、例えば内側多孔質層の一部とそれに隣接した保護層の一部等に形成される。
この多孔質体の材料としては、例えばセラミックスが用いられる。このセラミックスとしては、イットリア安定化ジルコニア、安定化ジルコニア、アルミナ、マグネシア、セリア、ドープドセリアのうち、少なくとも1種が挙げられる。
・水素分離層を構成する材料としては、多孔質体と(多孔質体の細孔内に充填された)水素分離金属が挙げられる。なお、細孔が完全に充填されていない場所は空孔となっている場合がある。
このうち、水素分離金属としては、Pd、PdCu合金、PdAg合金、PdAu合金が挙げられる。詳しくは、Pd、Cu、Ag、Au、PdCu合金、PdAg合金、PdAu合金が挙げられる。なお、Cu、Ag、Auは、単独で用いられるものではなく、水素透過性を有するPdと合金化して用いられる合金用金属である。
・充填率εとは、水素分離層の厚み方向に沿った断面において、「水素分離金属の占める面積/断面の面積」で示される値である。
具体的には、下記の方法によって、充填率εを求めることができる。
水素分離層を含む多孔質体を水素分離層の厚み方向(水素分離層の広がる平面と垂直)に破断した断面を、電子顕微鏡にて観察する(SEM写真を撮影する)。電子顕微鏡の視野の全範囲において、水素分離層(断面)が観察視野全範囲の20%以上を占めるように調整する。さらに、水素分離層の断面及びその厚み方向の両側において水素分離層に隣接する層の断面が視野に入るように調整して観察する(SEM写真を撮影する)。
なお、SEM写真撮影の際は、例えば図1に例示するように、画像上辺(若しくは下辺)と水素分離層の厚み方向における両端面(水素分離層が広がる平面)とが平行になるように調整して撮影する。詳しくは、画像上辺(若しくは下辺)と水素分離層の保護層側(図1上方)の界面(外側界面)と内側多孔質層側(図1下方)の界面(内側界面)とが平行になるように調整して撮影する。
そして、水素分離層に対して平行に、所定幅(例えば0.1μm)の短冊状の領域(測定範囲)を設定し、その測定範囲内において、水素分離金属とその他のもの(セラミック又は空孔)との割合を求める。そして、その割合が50%となった測定範囲、例えば測定範囲の厚み方向の一方の端面(例えば図1の上端又は下端)を、水素分離層の外側界面又は内側界面とする。従って、外側界面と内側界面との距離から水素分離層の厚みを求めることができる。
水素分離層の幅方向(例えば図1の左右方向)における両端の界面(例えば図1の左端および右端)と、外側界面および内側界面とで形成される領域(測定領域;SR)の面積を、全面積とする。画像解析により、セラミック部分と水素分離金属と空孔との面積を算出する。そして、水素分離金属の占める面積を画像解析を行った(水素分離層の)全面積で除した値を充填率εとする。なお、図1のSAは、水素分離層の厚み(層厚)を示している。
・屈曲度τとは、「(水素分離層の厚み方向において水素分離金属中を水素が透過する経路の長さである)水素の経路長/水素分離層の厚み」で示される値である。
具体的には、下記の方法によって、屈曲度τを求めることができる。
経路長は、経路線の長さによって決められる。また、下記の方法によって、経路線の長さを求めることができる。
第1に、上述した短冊状の領域(測定範囲)に対して、水素分離層の厚み方向(図1の上下方向)に垂線を引く。例えば、同図の左右方向に広がる水素分離層に対して垂直(同図上下方向)に垂線を引く。
第2に、外側界面から内側界面に向かって、経路線を下記に従って、図1の白線で示すように引く。スタート時の空孔(K)は経路から外し、水素分離金属(M)又はセラミック(S)からのスタートとする。なお、途中の空孔はセラミック扱いとする。
<水素分離金属からスタートした場合>
(A)水素分離金属の存在する領域内を垂線に沿って経路線を引く。
(B)(A)にて引いた経路線がセラミック部分に到達した場合
セラミック部分と水素分離金属との境界線と、経路線とが点Pにて交わる。点Pでの境界線の傾線を求める。内側界面に延びる方向における傾線と垂線との成す角度θ(図2参照)を求める。
(B−1)角度θが50°より大きい場合
点P(P1)から経路線を垂線に沿って進めると、セラミック部分と水素分離金属との境界線と、経路線とが点Qにて交わる。点Pと点Qの長さを直径とした仮想円を描く。点Pと点Qとをつなぐ仮想円の半円が経路線となる。経路線の長さは仮想円の円周の長さの半分である。点Qからは(A)のルールに戻る。
(B−2)角度θが50°以下の場合
点P(P2)から境界線を近似した直線に沿って経路線を進める。そして、その直線と垂線との成す角度が0°の方向に水素分離金属が出現する点Rまで経路線を進める。点Rで再びθ=0°方向(図1の下方向)に進むこととする。点Rからは(A)のルールに戻る。
点P(P3)から境界線を近似した直線に沿って経路線を進める際に、境界線を近似した直線と垂線とのなす角度が50°より大きくなった場合は、(B−1)のルールに進む。
<セラミックからスタートした場合>
(B−1)のルールから始める。
そして、これらのルールに従った操作を水素分離層の厚みの範囲内で繰り返す。これにより、実際の水素が水素分離金属中を進む距離(経路長)が計算される。
従って、この経路長を、水素分離層の厚みで除することにより屈曲度τが算出される。なお、実際にはバラツキも存在するため、同一画面中で5箇所以上同操作により屈曲度τを算出し、これらを平均化したものを実際に計算に用いるτとする。
・ここで、充填率εと屈曲度τとの比(ε/τ)を0.2〜0.6の範囲に調節する場合には、水素分離金属が充填される多孔質体の状態を制御すればよい。
具体的には、多孔質の原料粉末の粒径や形成時の焼成温度等を調節することにより、多孔質体における空孔(細孔)の状態を調節でき、それによって、この細孔内に充填される水素分離金属の充填状態(従って水素分離体の組織の状態)を制御できる。
詳しくは、原料粉末の平均粒径を小さくすれば、粒子が焼結し易い為、粒子間の焼結が進み多孔質層内の空隙(即ち被充填部の空間)が減少するので、または、焼成温度を高くすれば、同様に粒子間の焼結が進み多孔質層内の空隙が減少するので、充填率εと屈曲度τとの比(ε/τ)を小さくできる。逆に、原料粉末の平均粒径を大きくすれば、または、焼成温度を低くすれば、充填率εと屈曲度τとの比(ε/τ)を大きくできる。
また、どの程度の充填率εと屈曲度τとの比(ε/τ)に設定するかは、上述した傾向に基づいて、予め実験によって求めることができる。
・なお、水素透過性能と充填率εと屈曲度τとの比(ε/τ)との間には、下記の関係があると考えられる。
水素分離層が緻密な水素分離金属からなる膜の場合には、下記式(1)によって水素透過性能(ここでは水素透過流速)が決まると考えられる。
J=q×(S/d)・{(P1)1/2−(P2)1/2} ・・・(1)
J:水素透過流速[mol/m/sec]
q:水素透過係数[mol/sec/Pa0.5]
S:水素分離層面積[m
d:水素分離層厚[m]
P1:供給側圧力[Pa]
P2:透過側圧力[Pa]
また、細孔内に水素分離金属が充填される場合には、下記式(2)及び(3)の関係があると考えられる。
なお、下記式(2)において、水素分離層面積とは、水素分離層のみかけの面積(水素分離体における水素分離層部分の表面積)であり、相当水素分離層面積とは、みかけの面積に水素分離金属の充填率を乗じた値であり、水素分離層面積中において実際に水素分離金属が占有している面積を表している。
また、下記式(3)において、実測水素分離層厚とは、測定された水素分離層の厚みであり、相当水素分離層厚とは、実測水素分離層厚に屈曲度を乗じた値であり、水素が供給側から透過側へ水素透過層中通過する際に実際に通過する距離を表している。
S=S'×ε ・・・(2)
d=d'×τ ・・・(3)
S :相当水素分離層面積[m]
S':水素分離層面積[m]
d :相当水素分離層厚[m]
d':実測水素分離層厚[m]
ε :充填率
τ :屈曲度
従って、上記式(2)及び(3)を上記(1)に代入することにより、下記式(4)が得られる。
J=q×(S'/d')・(ε/τ)・{(P1)1/2−(P2)1/2}・・・(4)
よって、この式(4)から、水素透過性能とε/τとには、対応関係があることが分かる。
以下、本発明の実施例について説明する。
ここでは、原料ガスから水素を選択的に分離する水素分離体及びその水素分離体を備えた水素製造装置の実施例について説明する。
a)まず、本実施例の水素分離体の構成について説明する。
図3に示すように、本実施例の水素分離体1は、原料ガス(例えば天然ガスと水蒸気を触媒に接触させ生成した改質ガス)から、水素を選択的に分離する試験管形状の部材であり、先端側(同図上方)が閉塞されるとともに基端側(同図下方)が開放され、その軸中心に中心孔3を有している。
この水素分離体1は、基本的な構成として、その先端側に試験管形状の多孔質支持体5を備えるとともに、その基端側に筒状の緻密質支持体7を備えており、多孔質支持体5と緻密質支持体7とは同軸に配置されて一体のセラミック支持体9を構成している。
なお、水素分離体1の寸法は、例えば長さ300mm×内径6mm×外径10mmである。
このうち、多孔質支持体5は、例えばイットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなり、原料ガスを透過可能な通気性を有する多孔質セラミックス製の支持体である。
一方、緻密質支持体7は、YSZからなる緻密質セラミックス製の支持体、即ち、通気性が無い支持体である。
そして、後述するように、セラミック支持体9の外表面には、その大部分を(基端側を除いて)を覆うように、層状の表面構造11が形成されている。
この表面構造11としては、図4に要部(図3のA部)を拡大して示すように、多孔質支持体5の表面を覆う内側多孔質層13と、内側多孔質層13の表面を覆う外側多孔質層(以下保護層と称する)15と、内側多孔質層13及び保護層15に渡って(その一部分に)形成された水素分離層17とを備えている。なお、内側多孔質層13と保護層15とから多孔質層19が構成され、多孔質支持体5と多孔質層19とから多孔質体20が構成されている。以下、各構成について説明する。
前記内側多孔質層13は、多孔質支持体5の外周面全体と、緻密質支持体7の(多孔質支持体5)端部側の外周面を覆うように構成されている。
この内側多孔質層13は、YSZからなり、原料ガスを透過可能な通気性を有する多孔質セラミックス製の被覆層である。
前記保護層15は、内側多孔質層13の外側の全表面を覆うように形成されている。また、保護層15の基端側は、緻密質支持体7の先端側の外周面に密着して接合するように形成されている。
この保護層15は、YSZからなり、水素ガスを透過可能な通気性を有する多孔質セラミックス製の被覆層である。
この保護層15は、水素分離層17の外側(図4上方)にも広がっているので、外部から水素分離層17を損なうような汚染物質(例えばFe)が、水素分離層17に付着することを防止している。
前記水素分離層17は、内側多孔質層13においてその保護層15側の内側層17aと、保護層15においてその内側多孔質層13側の外側層17bとから構成されている。この水素分離層17は、多孔質層19内において、水素分離体1の厚み方向(内側から外側)におけるガスの流路を全て覆うように、多孔質層19が広がる全平面にわたって形成されている。なお、水素分離層17の厚み(図4の上下方向の寸法)は、0.1〜10μmの範囲(例えば4.0μm)である。
詳しくは、この水素分離層17は、図5に(図4を更に)拡大して模式的に示す様に、YSZからなる内側多孔質層13や保護層15の細孔21、23内に、水素透過性金属(本実施例ではPdAg合金)である水素分離金属が充填されたものである。この水素分離金属は、原料ガスから水素のみを選択して透過させることによって、原料ガスから水素を分離する金属である。
つまり、水素分離層17は、セラミックからなる内側多孔質層13及び保護層15(即ち多孔質層19)のうち、水素分離金属が充填されたセラミック部分(図3の左右方向の幅の範囲)と、その細孔21、23内に充填された水素分離金属とから構成されている。
なお、以下では、水素分離層17の細孔21、23内に充填された水素分離金属からなる部分を水素分離金属部27と称する。
特に、本実施例では、多孔質層19(詳しくは水素分離層17)における水素分離金属の充填の割合を示す指標である充填率εと、水素分離層17の厚み方向における水素の透過経路の長さの程度を示す指標である屈曲度τとの比(ε/τ)が、0.2〜0.6の範囲である。
b)次に、前記水素分離体1を備えた水素分離装置である水素製造装置について、簡単に説明する。
この水素製造装置としては、例えば特開2012−7727号公報に記載の装置を採用できる。
具体的には、図6に示す様に、水素製造装置31は、水素分離体1と、水素分離体1の開放端側が挿入された筒状の取付金具33と、水素分離体1の外周面と取付金具33の内周面との間に配置された円筒形の(ガスシールを行う)シール層35と、水素分離体1に外嵌されてシール層35の先端側を押圧する円筒形の押圧金具37と、押圧金具37に外嵌されて取付金具33に螺合する筒状の固定金具39とを備えている。なお、図6では、表面構造11は省略してある。
前記取付金具33は、先端側筒状部41と鍔部43等を備えており、軸中心には、ガスの流路となる貫通孔(中空部)45が形成され、中空部45には、水素分離体1の基端側の端部が収容されている。前記固定金具39は、押圧板47と筒状部49とを備えている。前記押圧金具37は、取付金具33と水素分離体1との間の空間50内にて、(膨張黒鉛からなる)シール層35と隣接して配置されている。
ここでは、取付金具33、押圧金具37、固定金具39によって、金属継手51が構成されており、水素分離体1(従って水素製造装置31)は、この金属継手51によって、ステンレス製の金属容器53に固定されて収容されている。なお、金属容器53に収容された水素製造装置31によって、水素分離モジュール55が構成されている。
そして、上述した水素分離モジュール55では、例えば水素分離体1の外側(従って金属容器53内)に原料ガスが供給されると、水素分離体1にて原料ガスから水素に分離され、その水素は、水素分離体1の中心孔3を介して外部に取り出される。
なお、原料ガスとしては、メタンなどの炭化水素ガスと水蒸気との混合ガスや、少なくとも水素ガスを含む混合ガスが挙げられる。
c)次に、本実施例の水素分離体1の製造方法について説明する。
<第1粉末充填工程>
本実施例では、図7(a)に示す様な型枠61を用いてプレス成形を行う。この型枠61の筒状のゴム型63の軸中心には、水素分離体1の外形に対応した円柱形の内部孔65が形成されており、この内部孔65の軸中心には、水素分離体1の中心孔3の形状に対応した円柱状(試験管形状)の中心ピン67が立設されている。これにより、略円筒形状の型枠孔69が形成されている。
そして、このゴム型63の型枠孔69内に、緻密質支持体7を形成する材料として、YSZ造粒粉を充填し、円筒状の緻密質形成部71を作製した。
<第2粉末充填工程>
次に、図7(b)に示す様に、同様に、ゴム型63の型枠孔69内において、緻密質形成部71の上に、多孔質支持体5を形成する材料として、造孔材として有機ビーズを48体積%添加したYSZ造粒粉を充填した。
<加圧工程>
次に、図7(c)に示す様に、ゴム型63の上部に、上部金型73を固定した。
そして、この状態でゴム型63の外周側より、100MPaにて加圧してプレス成形することにより、図7(d)に示す様な、水素分離体1の形状に対応した有底円筒形状成形体79を作製した。
<焼成工程>
次に、ゴム型63より取り出した有底円筒形状成形体79を脱脂し、その後、大気中で1500℃にて1時間焼成することにより、図8(a)に示す様に、φ10mm×長さ300mmのセラミック焼成体85を得た。なお、このセラミック焼成体85は、緻密質支持体7と多孔質支持体5とからなる
<内側多孔質層形成工程>
次に、YSZ粉末を有機溶媒中に分散させたスラリーを作製し、ディップコーティング法によって、セラミック焼成体85の表面(即ち多孔質支持体5の表面)にスラリーを付着させた。
そして、このスラリーを付着させたセラミック焼成体85を、大気中にて1150℃で2時間焼き付けて、図8(b)に(図8(a)のB部を拡大して)示す様に、セラミック焼成体85の表面(即ち多孔質支持体5の表面)を覆う内側多孔質層13を形成した。
<Pd金属核形成工程>
次に、内側多孔質層13を備えた多孔質支持体5(その外側)を、Snイオン溶液に浸漬し、Snイオンを内側多孔質層13の表面側(図8(b)の右側)に吸着させ、水洗後、Pdイオン溶液に浸漬させて、SnイオンとPdイオンの交換反応によりPdイオンを吸着させた。
その後、ヒドラジン溶液に浸漬させることにより、Pdイオンを還元しPd金属核(メッキ核)とした。つまり、内側多孔質層13の細孔21の内周面に、Pd金属核を付着させた。
<保護層形成工程>
次に、Pd金属核を付着させた内側多孔質層13に対して、再度上述したYSZスラリーをディップコーティングした後に、大気中で1500℃にて2時間焼き付けることにより、図8(c)に示す様に、保護層15を形成した。
これによって、多孔質支持体5の表面に内側多孔質層13及び保護層15が形成された水素分離中間体87が得られた。
<無電解メッキ工程>
次に、図8(d)に示す様に、無電解メッキ法(化学メッキ法)により、内側多孔質層13の細孔21内に付着させたPd金属核を成長させ、細孔21の一部を埋めるようにして、内側多孔質層13の表面側(保護層15側:図8(d)の右側)に、3.0μmの厚みでPdからなる無電解メッキ層91を形成した。
この無電解メッキ法では、多孔質支持体5の内側多孔質層13や保護層15で覆われた部分を、浴温60℃の無電解Pdメッキ液(パラジウム化合物:濃度2g/L)中にセットし、20分にわたり無電解メッキを行って、無電解メッキ層91を形成した。
<電解メッキ工程>
次に、電解メッキによって、無電解メッキ層91の表面側(保護層15側)に、図8(e)に示す様に、電解メッキによって電解メッキ層93を形成した。
詳しくは、図9に示す様に、水素分離中間体87の中心孔3に、濃度6.0mol/LのNaCl水溶液(NaCl飽和水溶液)を電解液として導入した。
また、NaCl電解液中に給電電極95を挿し込んだ後、水素分離中間体87を、予め対極97の配置された浴温30℃の電解Agメッキ液(硝酸銀溶液:濃度37g/L)中にセットした。なお、電解Agメッキ液は、保護層15の外側(図9の右図の右側)に供給される。
そして、電流値(電流密度)0.3A/dmにて定電流電解メッキを2.0分間実施し、無電解メッキ層91上にAgメッキ膜である厚さ1.0μmの電解メッキ層93を形成し、(後に水素分離金属部27となる)金属部形成体101を作製した。
なお、電解メッキ層93は、保護層15の内側の一部にも形成されるが、製品としては、メッキ金属が充填されていない外側の多孔質部分が実質的に保護層15として機能する。
また、この電解メッキでは、多孔質支持体5の内側の中心孔3(従って多孔質支持体5の細孔103)に供給された電解液を介して、無電解メッキ層91に電子が供給され、保護層15の外側(従って保護層15の細孔23)に供給された電解Agメッキ液を介して、無電解メッキ層91の外側にメッキ金属(ここではAg)が供給される。
<合金化工程>
洗浄後に、金属部形成体101に対して、窒素中750℃で熱処理を行い、PdとAgとを合金化し、厚み4μmのPdAg合金からなる水素分離金属部27とした。これにより、厚み4μmの水素分離層17が形成された。
これらの工程によって、水素分離体1が完成した。また、この水素分離体1に金属継手51を取り付けて、水素分離装置31を完成した。
e)次に、本実施例の効果について説明する。
本実施例では、後述する実験例からも明らかなように、多孔質体20における水素分離金属の充填の割合を示す指標である充填率εと、水素分離層17の厚み方向における水素の透過経路の長さの程度を示す指標である屈曲度τとの比(ε/τ)が、0.2〜0.6の範囲であるので、高い水素透過性能と高い耐剥離性とを両立できる。
また、本実施例では、水素分離層17の厚みが0.1μm以上であるので、(原料ガス等から)分離される水素の純度が高い。また、水素分離層17の厚みが10μm以下であるので、水素透過性能が高いという効果がある。
[実験例]
次に、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明する。
実験に使用する水素分離体として、下記表1に示す実施例1〜5の試料を作製した。また、比較例として、比較例1〜6の試料を作製した。なお、製造方法(製造条件)は、下記表1に示す内容以外は、上述した実施例と同様である。
そして、これらの試料に対して、上述した方法によって、水素分離層における、充填率ε、屈曲度τ、厚みd、水素透過性能を調べた。また、水素分離層の厚み方向の界面における剥離の有無を拡大鏡によって調べた。
なお、水素透過性能は、下記の方法によって測定した。
温度550℃の条件下で、水素分離体の外側(供給側)に水素ガスを供給して内側(透過側)に水素ガスを透過させて、外側と内側との圧力差を0.1MPaとなるよう調整し、湿式ガスメーターを用いて、内側に透過してくる水素ガスの単位面積[cm]及び単位時間[min]当たりの透過量[cc]を測定した。
その結果を、下記表1及び図10に示す。なお、図10の縦軸は水素透過性能(Hydrogen permeability)を示し、横軸は充填率εと屈曲度τとの比(ε/τ)を示す。
また、下記表2〜5には、実施例1〜3、比較例1における屈曲度τの算出手順を示した。なお、表2〜5において、直線部経路長とは図1における白線の(上下方向の)垂線部分の長さ(円内は除く)であり、斜線部経路長とは傾斜した部分の長さであり、円周部経路長とは円の半円部分の長さであり、全経路長とはこれらの3種の長さを合計した長さであり、屈曲度τとは全経路長を層厚みdで割ったものである。
なお、表1中の層厚みと下記表2、3、4中の平均厚みが若干異なっているが、表1中は、上述した充填率εを求める方法を説明する箇所で示したルールに基づき切り出された測定領域の水素分離層の厚み方向の長さであり、他方、表2〜4中の各No.1〜5の水素分離層厚みは、上述した経路長の長さを求める方法を説明した箇所に記載のようにスタート時の空孔は除外している。このため、両者の層厚みに若干の差が存在する場合があるが、1%程度の差であり、屈曲度τに与える影響は非常に小さく無視できるレベルであるため、問題はない。
<実施例1>
実施例1では、画像解析による水素分離層における面積比は、空孔1.2%、YSZ47.1%、PdAg51.7%、厚み4.48μmである。
<実施例2>
実施例2では、画像解析による水素分離層における面積比は、空孔1.5%、YSZ56.2%、PdAg42.3%、厚み3.96μmである。
<実施例3>
実施例3では、画像解析による水素分離層における面積比は、空孔1.3%、YSZ64.1%、PdAg34.6%、厚み4.71μmである。
<比較例1>
比較例1では、画像解析による水素分離層における面積比は、空孔1.3%、YSZ72.5%、PdAg26.2%、厚み4.92μmである。
表1及び図10から明らかなように、充填率εと屈曲度τとの比(ε/τ)が、0.2以上の試料(実施例1〜5)では、水素透過性能が18.7[cc/min/cm]以以上と高く好適である。
なお、この水素透過性能は、15[cc/min/cm]以上が好適であり、これを下回ると、水素製造装置として使用する際に、十分な水素量(従って水素製造量)を得る為に必要な膜面積が多くなる(水素透過性能NG)。即ち、装置が大きくなる且つコストが高くなるため好ましくない。
また、充填率εと屈曲度τとの比(ε/τ)が、0.6以下の試料(実施例1〜5)では、水素分離層の界面における剥離が見られず好適である。
つまり、この実験から、充填率εと屈曲度τとの比(ε/τ)が、0.2〜0.6の範囲の場合(実施例1〜5)には、高い水素透過性能と高い耐剥離性とを両立できることが分かる。
それに対して、比較例1〜3では、充填率εと屈曲度τとの比(ε/τ)が、0.2未満であるので、水素透過性能が低く好ましくない。また、比較例4〜6では、充填率εと屈曲度τとの比(ε/τ)が、0.6を上回るので、剥離が発生しており好ましくない(剥離NG)。
尚、本発明は前記実施形態や実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
(1)例えば、水素分離金属層中の充填率は、層厚方向で片側から反対側へ傾斜していてもよく、中央部で充填率が高くなるよう傾斜していてもよく、また充填率の異なる複数の層で構成されていてもよい。
(2)また、上述した内部給電方式の電解めっき以外に、通常の電解めっきを採用できる。この場合は、全多孔質層内に形成したPd金属層等に対して、導通を取るようにクリップ等によって一方の電極を取り付け、通常の様に電解めっきを行うことができる。
つまり、(一方の電極が取り付けられた)金属層等と他方の電極との間にめっき液を供給し、両電極間に電圧を印加することによって電解めっきを行うことができる。
(3)更に、内部給電方式の場合には、セラミック支持体の外側に電解液を供給するとともに、内側に電解めっき液を供給し、内側(中心孔側)よりめっき金属を析出させてもよい。
(4)また、前記各実施例の水素分離体中(例えば多孔質支持体内など)に、天然ガス等の原料ガスを改質(例えば水蒸気改質)して、水素リッチの改質ガスとする(Ni等の)改質触媒を加えてもよい。
1…水素分離体
5…多孔質支持体
7…緻密質支持体
9…セラミック支持体
13…内側多孔質層
15…外側多孔質層(保護層)
17…水素分離層
19…多孔質層
20…多孔質体

Claims (3)

  1. 多孔質体と、該多孔質体の細孔内に水素を含む気体のうち水素のみを選択して透過させる水素分離金属が充填された水素分離層と、を有する水素分離体において、
    前記多孔質体を構成する材料は、イットリア安定化ジルコニア、安定化ジルコニア、アルミナ、マグネシア、セリア、ドープドセリアのうち、少なくとも1種のセラミックスであり、
    前記水素分離金属は、Pd、PdCu合金、PdAg合金、PdAu合金のうち、少なくとも1種であり、
    前記水素分離層における前記水素分離金属の充填の割合を示す指標である充填率εと、「前記水素分離層の厚み方向において前記水素分離金属中を水素が透過する経路の長さである水素の経路長/前記水素分離層の厚み」で示す指標である屈曲度τとの比(ε/τ)が、0.26〜0.60の範囲であり、
    前記経路長とは、前記水素分離層の厚み方向に沿って破断した断面において、下記の[経路長の測定方法]によって規定されるものであることを特徴とする水素分離体。
    [経路長の測定方法]
    (1)第1に、前記水素分離層に対して、前記厚み方向に垂直な平面方向にて平行な一対の辺に挟まれるとともに幅を規定した短冊状の測定領域を設定する。
    (2)第2に、前記一対の辺の一方の辺から他方の辺に向かって垂線を引くとともに、以下の手順で経路線を引く。但し、この経路線を引く際には、該経路線を引く開始時であるスタート時の空孔は経路から外し、前記水素分離金属又は前記多孔質体を構成するセラミックス部分からのスタートとする。なお、途中の空孔はセラミックス部分とみなす。
    <前記水素分離金属からスタートした場合>
    (A)まず、前記水素分離金属の存在する領域内を前記垂線に沿って前記経路線を引く。
    (B)次に、前記(A)にて引いた経路線が前記セラミックス部分に到達した場合、
    前記セラミックス部分と前記水素分離金属との境界線と、前記経路線とが点Pにて交わるときには、前記点Pでの前記境界線の傾きを示す線を求め、前記他方の辺側に延びる方向における前記傾きを示す線と前記垂線との成す角度θを求め、下記(B−1)、(B−2)の方法にて、前記経路線を引く。
    (B−1)角度θが50°より大きい場合
    前記点Pから前記経路線を前記垂線に沿って進め、前記セラミックス部分と前記水素分離金属との前記境界線と、前記経路線とが点Qにて交わる場合には、前記点Pと前記点Qの長さを直径とした仮想円を描き、この点Pと点Qとをつなぐ仮想円の半円を前記経路線とする。この点Qからは前記(A)の手順に戻って前記経路線を引く。
    (B−2)角度θが50°以下の場合
    前記点Pから前記境界線の傾きを示す線に沿って前記経路線を進め、その際に前記垂線との成す角度が0°の方向に前記水素分離金属が出現する点Rまで経路線を進める。そして、前記点Rで再びθ=0°方向(即ち前記他方の辺の方向)に進み、この点Rからは前記(A)の手順に戻って前記経路線を引く。
    <前記セラミックス部分からスタートした場合>
    前記(B−1)の方法から始め、前記角度θに応じて前記経路線を引く。
    そして、前記(A)、(B)に示す方法に従った操作を前記水素分離層の前記測定範囲における厚みの範囲内で繰り返して前記経路線を引き、この経路線の全長である前記経路長を計算する。
  2. 前記水素分離金属が充填された水素分離層の厚みが、0.1〜10μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の水素分離体。
  3. 前記請求項1又は2に記載の水素分離体を備えたことを特徴とする水素製造装置。
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