JP6473889B2 - プラズマ処理装置及び方法、電子デバイスの製造方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及び方法、電子デバイスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱プラズマを基材に照射して基材を処理する熱プラズマ処理や、反応ガスによるプラズマまたはプラズマと反応ガス流を同時に基材へ照射して基材を処理する低温プラズマ処理などの、プラズマ処理装置及び方法、電子デバイスの製造方法に関するものである。
従来、多結晶シリコン(poly−Si)等の半導体薄膜は薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)や太陽電池に広く利用されている。これを安価に形成する方法として、非晶質シリコン膜にレーザー光を照射して結晶化するものがある。レーザープロセスは、イオン注入やプラズマドーピングによって半導体基板に導入した不純物原子の活性化などにも適用しうる。しかしながら、このレーザーアニール技術には、被加熱物の光吸収の大小によって到達温度がばらついたり、継ぎ目が発生するなどの課題があり、また非常に高価な設備を要する。
そこで、長尺の熱プラズマを発生させ、一方向にのみ走査することで、被加熱物の光吸収に依存しない加熱が可能で、また、継ぎ目なく、安価に熱処理を行う技術が検討されている(例えば、特許文献1〜3、及び、非特許文献1を参照)。
特開2013−120633号公報 特開2013−120684号公報 特開2013−120685号公報
T.Okumura and H.Kawaura,Jpn.J.Appl.Phys.52(2013)05EE01
しかしながら、半導体の結晶化など、ごく短時間だけ基材の表面近傍を高温処理する用途に対して、従来例に示した特許文献1〜3に記載の熱プラズマを長尺状に発生させる技術では、プラズマの照射強度を上げるために高周波電力を増大しすぎると、プラズマ源が熱により損傷してしまうので、高周波電力を抑制せざるを得ず、結果として処理速度(単位時間当たりに処理できる基板数)が小さくなる問題点があった。
本発明はこのような課題に鑑みなされたもので、基材の表面近傍をごく短時間だけ均一に高温熱処理するに際して、或いは、反応ガスによるプラズマまたはプラズマと反応ガス流を同時に基材へ照射して基材を低温プラズマ処理するに際して、高速な処理が可能で、かつ、プラズマを安定的に利用することができるプラズマ処理装置及び方法、電子デバイスの製造方法を提供することを目的としている。
本願の第1発明のプラズマ処理装置は、開口部を除き誘電体部材に囲まれた前記開口部に連通する長尺でかつ環状のチャンバを囲む前記誘電体部材のうち、基材を載置する基材載置台に相対する面を構成する部位が、前記チャンバの長尺方向と平行に配置された円筒からなることを特徴とする。
このような構成により、高パワーでも誘電体部材が損傷しにくいため、高速な処理が可能で、かつ、プラズマを安定的に利用することができる。
本願の第1発明のプラズマ処理装置において、好適には、前記円筒を、前記円筒の軸を中心に回転させる回転機構を備えることが望ましい。
このような構成により、より高いパワーでも誘電体部材が損傷しにくくなる。
また、好適には、前記円筒は、内部に空洞をもつ管であり、前記円筒内部の空洞に冷媒を流す機構を備えることが望ましい。
このような構成により、より高いパワーでも誘電体部材が損傷しにくくなる。
また、好適には、前記円筒が、前記チャンバの長尺方向の長さよりも長いことが望ましい。
このような構成により、効果的に誘電体部材の損傷を抑制できる。
また、好適には、前記円筒が、複数の円筒部品を前記チャンバの長尺方向に繋ぎ合わせた構造であることが望ましい。
このような構成により、安価にプラズマ処理装置を構成することができる。
また、前記基材載置台がなす面に概ね垂直な面に沿って前記チャンバが配置されていてもよいし、前記基材載置台がなす面に概ね平行な面に沿って前記チャンバが配置されていてもよい。
本願の第2発明のプラズマ処理方法は、誘電体部材で囲まれた長尺でかつ環状のチャンバを囲む前記誘電体部材のうち、基材を載置する基材載置台に相対する面を構成する部位が、前記チャンバの長尺方向と平行に配置された円筒からなることを特徴とする。
このような構成により、高パワーでも誘電体部材が損傷しにくいため、高速な処理が可能で、かつ、プラズマを安定的に利用することができる。
本願の第3発明の電子デバイスの製造方法は、本願の第2発明のプラズマ処理方法を用いることを特徴とする。
このような構成により、高パワーでも誘電体部材が損傷しにくいため、高速な処理が可能で、かつ、プラズマを安定的に利用することができる。
本発明によれば、基材の表面近傍をごく短時間だけ均一に高温熱処理するに際して、或いは、反応ガスによるプラズマまたはプラズマと反応ガス流を同時に基材へ照射して基材をプラズマ処理するに際して、高速な処理が可能で、かつ、プラズマを安定的に利用することができる。
本発明の実施の形態1におけるプラズマ処理装置の構成を示す断面図 本発明の実施の形態1におけるプラズマ処理装置の構成を示す平面図 本発明の実施の形態1におけるプラズマの発生領域を示す斜視図 本発明の実施の形態2におけるプラズマ処理装置の構成を示す断面図 本発明の実施の形態3におけるプラズマ処理装置の構成を示す断面図 本発明の実施の形態3におけるプラズマ処理装置の構成を示す斜視図 本発明の実施の形態4におけるプラズマ処理装置の構成を示す断面図 本発明の実施の形態5におけるプラズマ処理装置の構成を示す断面図
以下、本発明の実施の形態におけるプラズマ処理装置について図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図1〜図3を参照して説明する。
図1(a)は、本発明の実施の形態1におけるプラズマ処理装置の構成を示すもので、長尺の誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に垂直で、かつ、図1(b)〜(f)の点線A−A‘を通る面で切った断面図である。
図1(b)〜(f)は、長尺の誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に平行で、かつ、図1(a)の点線を通る面で切った断面図である。図1(b)は図1(a)の点線B−B’で切った断面図、図1(c)は図1(a)の点線C−C’で切った断面図、図1(d)は図1(a)の点線D−D’で切った断面図、図1(e)は図1(a)の点線E−E’で切った断面図、図1(f)は図1(a)の点線F−F’で切った断面図である。
図2は、図1に示した誘導結合型プラズマトーチユニットを図1の下方から上方を見た平面図である。図3は、プラズマの発生領域を示す斜視図であり、図1(a)の右手前から斜め下方向を見た図である。
図1において、基材載置台12としてのトレー上に基材1が配置され、基材1の上に薄膜2が配置されている。誘導結合型プラズマトーチユニットTにおいて、導体製のコイル3が第一セラミックブロック4及び第二セラミックブロック5の近傍に配置される。長尺のチャンバ7は、第一セラミックブロック4、第二セラミックブロック5及び基材載置台12(あるいは、その上の基材1)によって囲まれた空間により画定される。
基材1は、基材載置台としてのトレー12上に配置される。基材載置台12がなす面に概ね垂直な面に沿ってコイル3及びチャンバ7が配置されている。また、チャンバ7のコイル3に近い側の内壁面は、コイル3と概ね平行な面である。このような構成では、コイル3の任意の部位において、コイル3からチャンバ7までの距離が等しくなるので、小さい高周波電力で誘導結合性プラズマの発生が可能となり、効率の良いプラズマ生成が実現できる。
誘導結合型プラズマトーチユニットTは、全体が接地された導体製のシールド部材(図示しない)で囲われ、高周波の漏洩(ノイズ)が効果的に防止できるとともに、好ましくない異常放電などを効果的に防止できる。
チャンバ7は、第一セラミックブロック4及び第二セラミックブロック5に設けた溝が一続きとなった環状の溝に囲まれている。つまり、チャンバ7全体が誘電体で囲まれている構成である。また、チャンバ7は環状である。
ここでいう環状とは、一続きの閉じたヒモ状をなす形状を意味している。本実施の形態において、チャンバ7は、第一セラミックブロック4に設けた長辺をなす直線部、第一セラミックブロック4に設けた、前記直線部の両端に配された2つの短辺をなす直線部、及び第二セラミックブロック5の最下部に設けた長辺をなす直線部が連結されてなる、一続きの閉じたヒモ状の形状である。
チャンバ7に発生したプラズマPは、チャンバ7の最下部をなすプラズマ噴出口(第二セラミックブロック5の最下部に設けた長辺をなす直線状の開口部)より基材1に向けて噴出する。また、チャンバ7の長手方向とプラズマ噴出口の長手方向とは平行に配置されている。
第一セラミックブロック4に設けた長方形の溝はガスマニホールド9であり、その内部には多孔質セラミックス材がはめ込まれている。ガス供給配管10よりガスマニホールド9に供給されたガスは、第一セラミックブロック4に設けられたガス導入部としてのガス供給穴11(貫通穴)を介して、チャンバ7に導入される。このような構成により、長手方向に均一なガス流れを簡単に実現できる。ガス供給配管10へ導入するガスの流量は、その上流にマスフローコントローラなどの流量制御装置を備えることにより制御される。
また、ガスマニホールド9内を多孔質セラミックス材で構成することで、ガス流れの均一化が実現できるとともに、ガスマニホールド9近傍での異常放電を防止することができる。
ガス供給穴11は、長手方向に丸い穴状のものを複数設けたものであるが、長手方向に長尺のスリット状の穴を設けたものであってもよい。
第一セラミックブロック4と第二セラミックブロック5の間に、円筒状のセラミック管13が設けられ、チャンバ7の最下部の上面がセラミック管13により構成される配置となっている。つまり、チャンバ7を囲む誘電体部材のうち、基材載置台12に相対する面を構成する部位が、チャンバ7の長尺方向と平行に配置された円筒からなっている。
また、セラミック管13を、その軸を中心に回転させる回転機構が備えられている。さらに、セラミック管13は、内部に空洞をもつ管であり、その内部の空洞に冷媒を流す機構が備えられている。また、図1(e)に示すように、セラミック管13はチャンバ7の長尺方向の長さよりも長く、チャンバ7から十分離れた位置に回転機構(図示しない)を配置している。回転機構としては、セラミック管13の回転によってチャンバ7の形状が変化しないよう、高精度の回転ガイドを設けることが望ましく、ベルトドライブなどの機構によってモータなどの回転動力が伝達される。
また、内部に冷媒を流しつつ回転できるよう、回転継手(ロータリージョイント)を用いることができる。
コイル3は、断面が円形の銅管を、第一セラミックブロック4と第三セラミックブロック14、及び、第二セラミックブロック5と第四セラミックブロック15に囲まれた冷媒流路16の内部に配置したものである。コイル3を中空の管とし、冷媒流路16とは別系統で冷媒を給排してもよい。
このように、冷媒流路16に水などの冷媒を流すことで、コイル3及び各セラミック部品の冷却が可能である。第一セラミックブロック4及び第二セラミックブロック5には優れた耐熱性が求められるので、窒化シリコンを主成分とするセラミックス、または、シリコン、アルミニウム、酸素、窒素を主成分とするセラミックスが適している。第三セラミックブロック14及び第四セラミックブロック15にはさほどの耐熱性は必要ないので、酸化アルミニウム(アルミナ)などの比較的安価なセラミックスを用いることができる。
コイル3への給電は、第三セラミックブロック14及び第四セラミックブロック15に設けた貫通穴を介して、給電棒としての銅棒17により行う。銅棒17は、継ぎ手18によって第三セラミックブロック14及び第四セラミックブロック15に固定され、冷媒が漏れないように構成されている。第一セラミックブロック4と第三セラミックブロック14、及び、第二セラミックブロック5と第四セラミックブロック15の間には、外側オーリング19及び内側オーリング20が配置され、冷媒が漏れないように構成されている。
図1(b)及び(f)に示されているように、2つのコイル3は、全体が長方形をなす平面状である。冷媒流路16は、仕切り21により内部で仕切られており、一続きの流路をなす。コイル3に流れる高周波電流の向きと冷媒流路16に流れる冷媒の流れの向きが平行している構成である。
また、図2及び図3からわかるように、発生するプラズマPは長尺方向の長さが等しい2つの長方形がL字状に接合された立体の外縁と同じような形状となる。このように、従来例と比べてプラズマPが若干いびつな形状となっているのは、チャンバ7をセラミック管13と干渉しないように配置する必要があるためである。
チャンバ7内にプラズマガスを供給しつつ、開口部から基材1に向けてガスを噴出させながら、高周波電源(図示しない)よりコイル3に高周波電力を供給することにより、チャンバ7にプラズマPを発生させ、開口部からプラズマPを基材1に照射することにより、基材1上の薄膜2をプラズマ処理することができる。開口部の長手方向に対して垂直な向きに、チャンバ7と基材載置台12とを相対的に移動させることで、基材1を処理する。つまり、図1の左右方向へ誘導結合型プラズマトーチユニットTまたは基材載置台12を動かす。
基材1を効率的に処理するために誘導結合型プラズマトーチユニットTと基材1との距離を小さくしていったとき、最も大きな熱量を受けるのは、基板載置台12近傍のチャンバ7の、基板載置台12とは反対側の部分(基材載置台12に相対する部分)の内壁面である。したがって、損傷を抑制するためには、この部分をより効果的に冷却する必要がある。そこで、本実施の形態においては、冷媒流路16を内部に備えたセラミック管13を用いる構成とした。セラミック管13を円筒状とすることで高い強度が確保でき、内部の水圧を高められるので、より多くの冷却水を流すことが可能となる。
また、セラミック管13を回転させることで、プラズマPから熱を受ける面が常に入れ替わる構成としている。つまり、プラズマPから熱を受けて高温になった部分は、回転によって速やかにプラズマPから熱を受けない位置に移動し、急速に冷却される。したがって、従来例と比べて飛躍的に高い高周波電力を印加できるようになり、高速のプラズマ処理が可能となる。
チャンバ7内に供給するプラズマガスとして種々のものが使用可能だが、プラズマの安定性、着火性、プラズマに暴露される部材の寿命などを考えると、不活性ガス、とくに希ガス主体であることが望ましい。なかでも、Arガスが典型的に用いられる。Arのみでプラズマを生成させた場合、プラズマは相当高温となる(10,000K以上)。
このようなプラズマ処理装置において、チャンバ7内にプラズマガスとしてArまたはAr+H2ガスを供給しつつ、開口部から基材1に向けてガスを噴出させながら、高周波電源より13.56MHzの高周波電力を、コイル3に供給することにより、チャンバ7に高周波電磁界を発生させることでプラズマPを発生させ、開口部からプラズマPを基材1に照射するとともに走査することで、半導体膜の結晶化などの熱処理を行うことができる。
プラズマ発生の条件としては、開口部と基材1間の距離=0.1〜5mm、走査速度=20〜3000mm/s、プラズマガス総流量=1〜100SLM、Ar+H2ガス中のH2濃度=0〜10%、高周波電力=0.5〜30kW程度の値が適切である。ただし、これらの諸量のうち、ガス流量及び電力は、開口部の長さ100mm当たりの値である。ガス流量や電力などのパラメータは、開口部の長さに比例した量を投入することが適切と考えられるためである。
このように、本実施の形態によれば、高い高周波電力を投入することができる。つまり、基材の表面近傍をごく短時間だけ均一に高温熱処理するに際して、或いは、反応ガスによるプラズマまたはプラズマと反応ガス流を同時に基材へ照射して基材を低温プラズマ処理するに際して、高速な処理が可能で、かつ、プラズマを安定的に利用することができる。つまり、大きな電力で運転できるため、プラズマの照射強度が上げられ、結果として処理速度(単位時間当たりに処理できる基板数)が大きくなる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について、図4を参照して説明する。
図4(a)は、本発明の実施の形態2におけるプラズマ処理装置の構成を示す断面図で、セラミック管13をその長尺方向に垂直な面で切った断面を示す。
図4(a)において、セラミック管13は、凸部13a及び凹部13bを備えた複数の管からなる。凸部13a及び凹部13bにはタップが形成されており、シールテープを巻き付けるなどしてシール材を挟みこんだ状態で凸部13aを凹部13bにねじ込む構成としている。誘導結合型プラズマトーチユニットTをシンプルに、また、コンパクトに構成するには、セラミック管13は細い方がよい。
しかし、セラミック材料は、その製造工程で割れ、歪などが生じやすいため、管長が長いものを細く高精度に仕上げるのは困難である。そこで、本実施の形態においては、比較的短い部品を細く高精度に仕上げたものを、チャンバ7の長尺方向に繋ぎ合わせる構造とした。
このような構成により、安価にプラズマ処理装置を構成することができる。
図4(b)は、セラミック管13に関して、さらに別の構成を例示したものである。
図4(b)において、セラミック管13の中空部の内部に、棒状の流路調整部材31が挿入されている。これにより、冷媒流路16の断面積が狭くなり、同じ流量を供給した場合には流速が上がるので、温度が上昇するセラミック管13の内壁面から、より効率よく熱を奪うことができる。つまり、このような構成により、冷却効率をさらに高めることが可能となる。なお、流路調整部材31は、セラミック管13と同軸配置されることが望ましく、3方向または4方向からセットビスを用いるなどして、適宜位置決めすればよい。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3について、図5及び図6を参照して説明する。
図5(a)は、本発明の実施の形態3におけるプラズマ処理装置の構成を示すもので、長尺の誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に垂直で、かつ、図5(b)〜(e)の点線A−A‘を通る面で切った断面図である。図5(b)〜(e)は、長尺の誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に平行で、かつ、図5(a)の点線を通る面で切った断面図である。図5(b)は図5(a)の点線B−B’で切った断面図、図5(c)は図5(a)の点線C−C’で切った断面図、図5(d)は図5(a)の点線D−D’で切った断面図、図5(e)は図5(a)の点線E−E’で切った断面図である。図6は、コイルの形状を示す斜視図であり、図5(a)の右手前から斜め下方向を見た図である。
図5において、基材載置台12(図示しない)上に載置された基材1上に薄膜2が配置されている。誘導結合型プラズマトーチユニットTにおいて、導体製のコイル3が第一セラミックブロック22及び第二セラミックブロック23の近傍に配置される。長尺のチャンバ7は、第一セラミックブロック22及び基材1によって囲まれた空間により画定される。
基材載置台12がなす面に概ね平行な面に沿ってコイル3及びチャンバ7が配置されている。このような構成では、コイル3の任意の部位において、コイル3からチャンバ7までの距離が概ね等しくなるので、小さい高周波電力で誘導結合性プラズマの発生が可能となり、効率の良いプラズマ生成が実現できる。
誘導結合型プラズマトーチユニットTは、全体が接地された導体製のシールド部材(図示しない)で囲われ、高周波の漏洩(ノイズ)が効果的に防止できるとともに、好ましくない異常放電などを効果的に防止できる。
チャンバ7は、第一セラミックブロック22に設けた溝が一続きとなった環状の溝に囲まれている。つまり、チャンバ7全体が誘電体で囲まれている構成である。また、チャンバ7は環状である。ここでいう環状とは、一続きの閉じたヒモ状をなす形状を意味し、図5(e)に示すような長方形に限定されるものではない。本実施の形態においては、レーストラック形(2つの長辺をなす直線部と、その両端に2つの短辺をなす直線が連結されてなる、一続きの閉じたヒモ状の形状)のチャンバ7を例示している。チャンバ7に発生したプラズマPは、チャンバ7における開口部としてのプラズマ噴出口より基材1に向けて噴出する。
また、チャンバ7の長手方向とプラズマ噴出口としての開口部の長手方向とは平行に配置されている。
第二セラミックブロック23に設けた環状の溝はガスマニホールド9であり、その内部には多孔質セラミックス材がはめ込まれている。ガス供給配管10よりガスマニホールド9に供給されたガスは、第一セラミックブロック22に設けられたガス導入部としてのガス供給穴11(貫通穴)を介して、チャンバ7に導入される。このような構成により、長手方向に均一なガス流れを簡単に実現できる。ガス供給配管10へ導入するガスの流量は、その上流にマスフローコントローラなどの流量制御装置を備えることにより制御される。
また、ガスマニホールド9内を多孔質セラミックス材で構成することで、ガス流れの均一化が実現できるとともに、ガスマニホールド9近傍での異常放電を防止することができる。
ガス供給穴11は、長手方向に丸い穴状のものを複数設けたものであるが、長手方向に長尺のスリット状の穴を設けたものであってもよい。
第一セラミックブロック22に設けた溝に、円筒状のセラミック管13が設けられ、チャンバ7の長辺部の上面がセラミック管13により構成される配置となっている。つまり、チャンバ7の長辺部を囲む誘電体部材のうち、基材載置台12に相対する面を構成する部位が、チャンバ7の長尺方向と平行に配置された円筒からなっている。
また、セラミック管13を、その軸を中心に回転させる回転機構が備えられている。さらに、セラミック管13は、内部に空洞をもつ管であり、その内部の空洞に冷媒を流す機構が備えられている。また、図5(c)及び(d)に示すように、セラミック管13はチャンバ7の長尺方向の長さよりも長く、チャンバ7から十分離れた位置に回転機構(図示しない)を配置している。回転機構としては、セラミック管13の回転によってチャンバ7の形状が変化しないよう、高精度の回転ガイドを設けることが望ましく、ベルトドライブなどの機構によってモータなどの回転動力が伝達される。また、内部に冷媒を流しつつ回転できるよう、回転継手(ロータリージョイント)を用いることができる。
コイル3は、断面が円形の銅管を、第一セラミックブロック22と第二セラミックブロック23に囲まれた冷媒流路16の内部に配置したものである。コイル3を中空の管とし、冷媒流路16とは別系統で冷媒を給排してもよい。このように、冷媒流路16に水などの冷媒を流すことで、コイル3及び各セラミック部品の冷却が可能である。第一セラミックブロック22には優れた耐熱性が求められるので、窒化シリコンを主成分とするセラミックス、または、シリコン、アルミニウム、酸素、窒素を主成分とするセラミックスが適している。第二セラミックブロック23にはさほどの耐熱性は必要ないので、酸化アルミニウム(アルミナ)などの比較的安価なセラミックスを用いることができる。
コイル3への給電は、第二セラミックブロック23に設けた貫通穴を介して、給電棒としての銅棒17により行う。銅棒17は、継ぎ手18によって第二セラミックブロック23に固定され、冷媒が漏れないように構成されている。第一セラミックブロック22と第二セラミックブロック23の間には、外側オーリング19及び内側オーリング20が配置され、冷媒が漏れないように構成されている。
図5(b)、(c)及び図6に示されているように、コイル3は、2つの長辺、長辺よりも基材1から遠い位置に配置された2つの短辺、及び、長辺と短辺を繋ぐ短い垂直方向の線分とを繋ぎ合わせた形状となっている。このように、従来例と比べてコイル3が若干いびつな形状となっているのは、コイル3をセラミック管13と干渉しないように配置する必要があるためである。
また、冷媒流路16もコイル3に沿っており、同様の形状である。冷媒流路16は、図5(c)に示すように、仕切り21により内部で仕切られており、一続きの流路をなす。コイル3に流れる高周波電流の向きと冷媒流路16に流れる冷媒の流れの向きが平行している構成である。
チャンバ7内にプラズマガスを供給しつつ、開口部から基材1に向けてガスを噴出させながら、高周波電源(図示しない)よりコイル3に高周波電力を供給することにより、チャンバ7にプラズマPを発生させ、開口部からプラズマPを基材1に照射することにより、基材1上の薄膜2をプラズマ処理することができる。開口部の長手方向に対して垂直な向きに、チャンバ7と基材載置台12とを相対的に移動させることで、基材1を処理する。つまり、図5の左右方向へ誘導結合型プラズマトーチユニットTまたは基材載置台12を動かす。
基材1を効率的に処理するために誘導結合型プラズマトーチユニットTと基材1との距離を小さくしていったとき、最も大きな熱量を受けるのは、基板載置台12近傍のチャンバ7の、基板載置台12とは反対側の部分(基材載置台12に相対する部分)の内壁面である。したがって、損傷を抑制するためには、この部分をより効果的に冷却する必要がある。そこで、本実施の形態においては、冷媒流路16を内部に備えたセラミック管13を用いる構成とした。セラミック管13を円筒状とすることで高い強度が確保でき、内部の水圧を高められるので、より多くの冷却水を流すことが可能となる。
また、セラミック管13を回転させることで、プラズマPから熱を受ける面が常に入れ替わる構成としている。つまり、プラズマPから熱を受けて高温になった部分は、回転によって速やかにプラズマPから熱を受けない位置に移動し、急速に冷却される。したがって、従来例と比べて飛躍的に高い高周波電力を印加できるようになり、高速のプラズマ処理が可能となる。
チャンバ7内に供給するプラズマガスとして種々のものが使用可能だが、プラズマの安定性、着火性、プラズマに暴露される部材の寿命などを考えると、不活性ガス、とくに希ガス主体であることが望ましい。なかでも、Arガスが典型的に用いられる。Arのみでプラズマを生成させた場合、プラズマは相当高温となる(10,000K以上)。
なお、本構成においては、開口部の長手方向の長さが、基材1の幅以上となっている。したがって、一度の走査(誘導結合型プラズマトーチユニットTと基材1(或いは基材1を載置する基材載置台)とを相対的に移動すること)で基材1の表面近傍の薄膜2の全体を処理することができる。また、このような構成により、全体として長方形をなす開口部の短辺側のプラズマが基板に照射されることがないので、均一な処理が可能となる。
このようなプラズマ処理装置において、チャンバ7内にプラズマガスとしてArまたはAr+H2ガスを供給しつつ、開口部から基材1に向けてガスを噴出させながら、図示していない高周波電源より13.56MHzの高周波電力を、コイル3に供給することにより、チャンバ7に高周波電磁界を発生させることでプラズマPを発生させ、開口部からプラズマを基材1に照射するとともに走査することで、半導体膜の結晶化などの熱処理を行うことができる。
プラズマ発生の条件としては、開口部と基材1間の距離=0.1〜5mm、走査速度=20〜3000mm/s、プラズマガス総流量=1〜100SLM、Ar+H2ガス中のH2濃度=0〜10%、高周波電力=0.5〜30kW程度の値が適切である。ただし、これらの諸量のうち、ガス流量及び電力は、開口部の長さ100mm当たりの値である。ガス流量や電力などのパラメータは、開口部の長さに比例した量を投入することが適切と考えられるためである。
このように、本実施の形態によれば、基材1が長尺の熱プラズマに近く、また、長尺のチャンバ7を構成する2つの長い直線部の両側を用いて基材1に直接プラズマを照射する構成であるため、ガス及び高周波電力の利用効率に優れる。つまり、基材の表面近傍をごく短時間だけ均一に高温熱処理するに際して、或いは、反応ガスによるプラズマまたはプラズマと反応ガス流を同時に基材へ照射して基材を低温プラズマ処理するに際して、高速な処理が可能で、かつ、プラズマを安定的に利用することができる。
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4について、図7を参照して説明する。
図7(a)は、本発明の実施の形態4におけるプラズマ処理装置の構成を示すもので、長尺の誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に垂直で、かつ、図7(b)〜(e)の点線A−A‘を通る面で切った断面図である。
図7(b)〜(e)は、長尺の誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に平行で、かつ、図7(a)の点線を通る面で切った断面図である。図7(b)は図7(a)の点線B−B’で切った断面図、図7(c)は図7(a)の点線C−C’で切った断面図、図7(d)は図7(a)の点線D−D’で切った断面図、図7(e)は図7(a)の点線E−E’で切った断面図である。
実施の形態1との違いは、コイル3と冷媒流路16の形状である。第二セラミックブロック5に近接し、第四セラミックブロック15a及び15bに設けた溝の内部に配置された方のコイル3は、図7(a)に示すように、できるだけチャンバ7に近くなるよう、段違いに配置される。このような構成とするため、第四セラミックブロックは上側の15aと下側の15bの2つにより構成され、それぞれに独立した冷媒流路16、オーリング24及び25が配置される。図7(c)及び(e)に示すように、コイル3も上下、2つの直線部に分割されている。
また、冷媒流路16は、基材1に向かって斜め方向に掘り込まれた溝部16aと連通しており、開口部近傍の第一セラミックブロック4及び第二セラミックブロック5を効果的に冷却できるよう構成されている。
(実施の形態5)
以下、本発明の実施の形態5について、図8を参照して説明する。
図8は、本発明の実施の形態5におけるプラズマ処理装置の構成を示すもので、長尺の誘導結合型プラズマトーチユニットの長尺方向に垂直な面で切った断面図であり、図5(a)に相当する。
実施の形態3との違いは、冷媒流路16の形状である。冷媒流路16は、基材1に向かって斜め方向に掘り込まれた溝部16aと連通しており、開口部近傍の第一セラミックブロック22を効果的に冷却できるよう構成されている。
以上述べたプラズマ処理装置及び方法は、本発明の適用範囲のうちの典型例を例示したに過ぎない。
例えば、誘導結合型プラズマトーチユニットTを、固定された基材載置台12に対して走査してもよいが、固定された誘導結合型プラズマトーチユニットTに対して、基材載置台12を走査してもよい。
また、本発明の種々の構成によって、基材1の表面近傍を高温処理することが可能となる。それにより、従来例で述べたTFT用半導体膜の結晶化や太陽電池用半導体膜の改質に適用可能であることは勿論、シリコン半導体集積回路の酸化、活性化、シリサイド形成などのアニール、プラズマディスプレイパネルの保護層の清浄化や脱ガス低減、シリカ微粒子の集合体からなる誘電体層の表面平坦化や脱ガス低減、種々の電子デバイスのリフロー、固体不純物源を用いたプラズマドーピングなど、様々な表面処理に適用できる。
また、太陽電池の製造方法としては、シリコンインゴットを粉砕して得られる粉末を基材上に塗布し、これにプラズマを照射して溶融させ多結晶シリコン膜を得る方法にも適用可能である。
また、説明においては簡単のため「熱プラズマ」という言葉を用いているが、熱プラズマと低温プラズマの区分けは厳密には難しく、また、例えば、田中康規「熱プラズマにおける非平衡性」プラズマ核融合学会誌、Vol.82、No.8(2006)pp.479−483において解説されているように、熱的平衡性のみでプラズマの種類を区分することも困難である。
本発明は、基材を熱処理することを一つの目的としており、熱プラズマ、熱平衡プラズマ、高温プラズマなどの用語にとらわれず、高温のプラズマを照射する技術に関するものに適用可能である。前述のとおり、誘導結合型プラズマトーチにおいては、弱い放電と強い放電の2つのモードが存在しうるが、本発明は強い放電を効果的に利用するためのものであるということもできる。
また、基材の表面近傍をごく短時間だけ均一に高温熱処理する場合について詳しく例示したが、反応ガスによるプラズマまたはプラズマと反応ガス流を同時に基材へ照射して基材を低温プラズマ処理する場合においても、本発明は適用できる。プラズマガスに反応ガスを混ぜることにより、反応ガスによるプラズマを基材へ照射し、エッチングやCVDが実現できる。
或いは、プラズマガスとしては希ガスまたは希ガスに少量のH2ガスを加えたガスを用いつつ、シールドガスとして反応ガスを含むガスを供給することによって、プラズマと反応ガス流を同時に基材へ照射し、エッチング、CVD、ドーピングなどのプラズマ処理を実現することもできる。プラズマガスとしてアルゴンを主成分とするガスを用いると、実施例で詳しく例示したように、熱プラズマが発生する。
一方、プラズマガスとしてヘリウムを主成分とするガスを用いると、比較的低温のプラズマを発生させることができる。このような方法で、基材をあまり加熱することなく、エッチングや成膜などの処理が可能となる。エッチングに用いる反応ガスとしては、ハロゲン含有ガス、例えば、Cxy(x、yは自然数)、SF6などがあり、シリコンやシリコン化合物などをエッチングすることができる。反応ガスとしてO2を用いれば、有機物の除去、レジストアッシングなどが可能となる。CVDに用いる反応ガスとしては、モノシラン、ジシランなどがあり、シリコンやシリコン化合物の成膜が可能となる。
或いは、TEOS(Tetraethoxysilane)に代表されるシリコンを含有した有機ガスとO2の混合ガスを用いれば、シリコン酸化膜を成膜することができる。その他、撥水性・親水性を改質する表面処理など、種々の低温プラズマ処理が可能である。容量結合型大気圧プラズマを用いた従来技術に比較すると、誘導結合型であるため、単位体積あたり高いパワー密度を投入してもアーク放電に移行しにくく、より高密度なプラズマが発生可能であり、その結果、速い反応速度が得られ、基材の所望の被処理領域全体を短時間で効率よく処理することが可能となる。
以上のように本発明は、TFT用半導体膜の結晶化や太陽電池用半導体膜の改質に適用可能である。勿論、プラズマディスプレイパネルの保護層の清浄化や脱ガス低減、シリカ微粒子の集合体からなる誘電体層の表面平坦化や脱ガス低減、種々の電子デバイスのリフロー、固体不純物源を用いたプラズマドーピングなど、様々な表面処理において、基材の表面近傍をごく短時間だけ均一に高温熱処理するに際して、高速な処理が可能で、かつ、プラズマを安定的に利用することができる有用な発明である。
また、種々の電子デバイスなどの製造における、エッチング・成膜・ドーピング・表面改質などの低温プラズマ処理において、基材の所望の被処理領域全体を短時間で効率よく処理する上で有用な発明である。
T 誘導結合型プラズマトーチユニット
1 基材
2 薄膜
3 コイル
4,22 第一セラミックブロック
5,23 第二セラミックブロック
7 チャンバ
9 ガスマニホールド
10 ガス供給配管
11 ガス供給穴
13 セラミック管
14 第三セラミックブロック
15,15a 第四セラミックブロック
16 冷媒流路
17 銅棒
18 継ぎ手
19 外側オーリング
20 内側オーリング
P プラズマ

Claims (8)

  1. 直線状の開口部を備え、開口部を除き誘電体部材に囲まれた前記開口部に連通する環状のチャンバと、
    前記チャンバ内にガスを導入するためのガス供給配管と、
    前記チャンバ近傍に設けられたコイルと、
    前記コイルに接続された高周波電源と、
    基材載置台とを備え、誘導結合型プラズマトーチを利用するプラズマ処理装置であって、
    前記チャンバを囲む前記誘電体部材のうち、前記基材載置台に相対する面を構成する部位が、前記直線状の開口部と平行に配置された円筒からなり、
    前記円筒に、前記円筒の軸を中心に回転させる回転機構を備えたこと、
    を特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記円筒は、内部に空洞をもつ管であり、前記円筒の内部の空洞に冷媒を流す機構を備えたこと、
    を特徴とする、請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記円筒が、前記チャンバの直線状の開口部の長さよりも長いこと、
    を特徴とする、請求項1記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記円筒が、複数の円筒部品を前記直線状の開口部の方向に繋ぎ合わせた構造であること、
    を特徴とする、請求項1記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記基材載置台がなす面に概ね垂直な面に沿って前記チャンバが配置されていること、
    を特徴とする、請求項1記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記基材載置台がなす面に概ね平行な面に沿って前記チャンバが配置されていること、
    を特徴とする、請求項1記載のプラズマ処理装置。
  7. 誘電体部材で囲まれた環状のチャンバ内にガスを供給しつつ、前記チャンバに連通する直線状の開口部から基材に向けてガスを噴出すると共に、コイルに高周波電力を供給することで、前記チャンバ内に高周波電磁界を発生させてプラズマを発生させ、前記基材の表面を処理する、誘導結合型プラズマトーチを利用するプラズマ処理方法であって、
    前記チャンバを囲む前記誘電体部材のうち、前記基材を載置する基材載置台に相対する面を構成する部位が、前記直線状の開口部と平行に配置された円筒からなり、
    前記円筒に、前記円筒の軸を中心に回転させる回転機構を備えたこと、
    を特徴とするプラズマ処理方法。
  8. 請求項のプラズマ処理方法を用いること、
    を特徴とする電子デバイスの製造方法。
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