JP2013131485A - プラズマ発生源の冷却機構及び冷却方法 - Google Patents

プラズマ発生源の冷却機構及び冷却方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バッキングプレートを厚くしたり、冷却液のシール機構を大がかりにしたりすることなく、プラズマ発生源を均一且つ効率的に冷却する。
【解決手段】本発明のプラズマ発生源2の冷却機構1は、内部が真空排気された真空チャンバ4内に設けられると共にこの真空チャンバ4内でプラズマPを発生させるプラズマ発生源2を冷却するために用いられるものであって、プラズマ発生源2のプラズマ発生電極8の背面側に設けられた減圧空間13と、プラズマ発生電極の背面に対して液体の冷却媒体を供給する冷却媒体供給手段12と、供給された冷却媒体が蒸発する際の気化熱でプラズマ発生電極8を冷却する時の蒸発を促進すべく、減圧空間13を減圧する排気手段14と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、基材にCVDやスパッタを行う際に用いるプラズマ発生源を冷却する冷却機構及び冷却方法に関するものである。
スパッタ、プラズマCVDなどを用いて基材に成膜を行うに際しては、真空成膜装置が用いられる。この真空成膜装置は、真空チャンバと真空チャンバ内にプラズマを発生させるプラズマ発生源を備えるものとなっている。
ところで、この真空成膜装置を用いて成膜処理を行う場合は、プラズマ発生源に投入された電気エネルギの一部分乃至は大部分が熱エネルギに変化するため、プラズマ発生源には大きな熱負荷が加わる。そこで、プラズマ発生源には、プラズマと接する電極の温度上昇を抑制するために冷却機構が設けられる。
例えば、特許文献1には、マグネトロン・スパッタリング装置を冷却する装置であって、ターゲットを支持するバッキングプレート(電極板)の背後に設けられた冷却水路に冷却水を供給して、バッキングプレートを冷却する冷却機構が開示されている。
特開平5−148643号公報
ところで、特許文献1の冷却機構では、バッキングプレートの背後に設けられた冷却経路に沿って冷却水を循環させることで、プラズマ発生源(この場合はスパッタ蒸発源)自体の冷却が可能になる。
ところが、冷却経路に沿って冷却水を流通させる冷却方式(水冷)の場合は、冷却水が流通し下流側へ行くに従って冷却水の温度が徐々に上昇し、冷却経路の終点近くでは、バッキングプレートの冷却が十分でなく、当該箇所の温度が上昇する問題が生じていた。また、水冷方式の場合は、真空成膜装置の規模が大きくなれば、プラズマ発生源(スパッタ蒸発源)も大型化し、冷却経路も一般的に長く、複雑なものとなる傾向がある。
さらに、水冷の場合は、冷却経路内が温度が異なる層に分かれてこの層間に境膜が発生することがある(層流境界層などの発生)。冷却経路内に境膜が発生すると伝熱効率が極めて悪くなる。それゆえ、冷却経路には乱流が発生しやすいような構造物を設けたり、あえて乱流が起きやすいような流速を採用する必要があり、一般的に冷却水を流通させる際の圧損が非常に大きくなる。
加えて、特許文献1のようなプラズマ発生源に放出される熱は非常に大きく、このような大きな熱を除去してバッキングプレートを十分に冷却しようとすれば冷却経路に沿って大量の冷却水を流通させる必要がある。必要な冷却水量を確保するために供給圧力も上がり、バッキングプレートの背面側には通常200〜700kPaと大きな圧力(水圧)が加わる。その一方で、バッキングプレートの正面側は通常0.1kPa(100Pa)以下に減圧されているので、水圧に真空の圧力が加算されてバッキングプレートの正面側と背面側との間には大きな圧力差が発生する。この圧力差は例えば300kPa以上と大きくなり、このような大きな圧力差が加わっても破壊、変形、漏れが起きないような堅牢な作りがバッキングプレートや冷却水のシール機構には要求される。
つまり、特許文献1のように水冷方式の冷却機構では、プラズマ発生源を均一に冷却することが難しく、均一冷却を意図すると冷却経路が複雑なものとなったりする。水冷方式でプラズマ発生源の外部に放熱しようとすれば、大量の冷却水をプラズマ発生電極の背面側に流通させる必要があり、大がかりなポンプなどのシステムが必要となる。加えて、バッキングプレートの正面側と背面側との間の圧力差に耐える構造とするためにバッキングプレートが厚くなったり、冷却水のシール機構が大がかりになったりして、その分、製造コストが高騰する可能性が大である。
大きな圧力差に耐えられるようにバッキングプレートを厚くすると、磁場発生機構を電極内に備えたマグネトロンスパッタ蒸発源の場合には、別の問題が発生する。つまり、バッキングプレートの厚みを増やした分だけプラズマ発生源の内側(バッキングプレート背面側)に設けられる磁場発生機構と、プラズマ発生源の外側(バッキングプレート表面側)に設けられるターゲットとの距離が大きくなる。このように磁場発生機構からターゲット表面までの距離が大きくなると、磁場発生機構により発生する磁場がターゲットに達したときには弱くなるので、ターゲット表面で十分な磁場強度を得るには、強力な(したがって大型の)磁場発生機構が必要になるといった問題が生じる。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、バッキングプレートを厚くしたり、冷却液のシール機構を大がかりにしたりすることなく、プラズマ発生源を均一且つ効果的に冷却することのできるプラズマ発生源の冷却機構及び冷却方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のプラズマ発生源の冷却機構は以下の技術的手段を講じている。
即ち、本発明のプラズマ発生源の冷却機構は、内部が真空排気された真空チャンバ内に設けられると共にこの真空チャンバ内でプラズマを発生させるプラズマ発生源の冷却機構であって、前記プラズマ発生源のプラズマ発生電極の背面側に設けられた減圧空間と、前記プラズマ発生電極の背面に対して液体の冷却媒体を供給する冷却媒体供給手段と、供給された冷却媒体が蒸発する際の気化熱で前記プラズマ発生電極を冷却する時の蒸発を促進すべく、前記減圧空間を減圧する排気手段と、を備えていることを特徴とする。
好ましくは、前記プラズマ発生源は、内部が前記減圧空間とされた平板状の筐体を有しており、前記筐体を構成する外壁面の一つが前記プラズマ発生電極とされているとよい。
好ましくは、前記プラズマ発生源は、内部が前記減圧空間とされた円筒状の筐体を有しており、前記筐体の外周面が前記プラズマ発生電極とされているとよい。
好ましくは、前記冷却媒体供給手段は、前記液体の冷却媒体をプラズマ発生電極の背面に対して噴霧して、当該冷却媒体を背面の全面に均一に供給可能とするノズルを備えているとよい。
好ましくは、前記排気手段は、前記冷却媒体の蒸気を前記減圧空間から真空チャンバの外部に案内する排気管と、前記排気管に沿って冷却媒体の蒸気を吸い出す排気ポンプと、を有しており、前記排気管と真空チャンバとの間に、前記真空チャンバに対してプラズマ発生源を電気的に絶縁する電気的絶縁手段が設けられているとよい。
好ましくは、前記排気手段は、前記冷却媒体の蒸気を前記減圧空間から真空チャンバの外部に案内する排気管と、前記排気管に沿って冷却媒体の蒸気を吸い出す排気ポンプと、前記冷却媒体の蒸気及び液体の冷却媒体の双方を減圧空間から排気管に導出するドレンと、を有するとよい。
好ましくは、前記排気手段は、前記冷却媒体の蒸気を前記減圧空間から真空チャンバの外部に案内する排気管と、前記排気管に沿って冷却媒体の蒸気を吸い出すと共に吸い出した冷却媒体を液化させる凝縮機構と、を有しているとよい。
好ましくは、前記凝縮機構は、冷却媒体を液化させる凝縮器と、前記凝縮器内の圧力を減圧させる補助減圧手段と、を有するとよい。
好ましくは、前記凝縮機構には、凝縮器で液化した冷却媒体を前記減圧空間へ返送するための返送配管が配設されているとよい。
好ましくは、前記排気管と真空チャンバとの間に、前記真空チャンバに対してプラズマ発生源を電気的に絶縁する電気的絶縁手段が設けられているとよい。
好ましくは、前記排気手段は、冷却媒体の蒸気及び液体の冷却媒体の双方を減圧空間から排気管に導出するドレンを有するとよい。
好ましくは、前記プラズマ発生源のプラズマ発生電極の背面は、前記液体の冷却媒体を重力の作用で背面の全面に亘って均等に広げることができるように、水平に対して傾斜して形成されているとよい。
好ましくは、前記プラズマ発生源のプラズマ発生電極の背面には、前記液体の冷却媒体を毛細管現象の作用で背面の全面に亘って均等に広げることができるように、前記冷却媒体を案内する溝やメッシュ状構造が形成されているとよい。
好ましくは、前記円筒状のプラズマ発生源の筐体は、軸心回りに回転自在に配備されており、筐体の回転に伴ってプラズマ発生電極の内周面全面に液体の冷却媒体を塗り広げ可能に構成されていると良い。
好ましくは、前記円筒状のプラズマ発生源の筐体は、軸心回りに回転自在に配備されており、回転軸方向に分散配置した冷却媒体噴霧機構と筐体の回転の協働により円筒状プラズマ発生電極の内周面に塗り広げ可能に構成されているとよい。
好ましくは、前記円筒状のプラズマ発生電極は、水平な軸心回りに回転自在に配備されており、前記筐体の下側に凝縮して溜まった液体の冷却媒体を、電極の回転に伴って筐体の内周面に均等に塗り広げ可能に構成されているとよい。
好ましくは、前記円筒状のプラズマ発生電極は、水平乃至は斜めを向く軸心回りに回転自在に配備されており、前記排気手段は、前記排気管及び排気ポンプに加えて、前記減圧空間で凝縮して溜まった液体の冷却媒体を前記排気管に導出するドレン管を備えており、前記円筒状の筐体の下側に凝縮して溜まった液体の冷却媒体を、前記筐体の回転を利用して筐体の上側に汲みあげてから前記ドレン管に排出する汲みあげ手段を備えているとよい。
一方、本発明のプラズマ発生源の冷却方法は、内部が真空排気された真空チャンバ内に設けられると共にこの真空チャンバ内でプラズマを発生させるプラズマ発生源を冷却する冷却方法であって、前記プラズマ発生源のプラズマ発生電極の背面側を減圧空間としておき、前記プラズマ発生源のプラズマ発生電極の背面に対して液体の冷却媒体を供給すると共に、前記減圧空間を排気して供給された冷却媒体の蒸発を促進し、冷却媒体が蒸発する際の気化熱で前記プラズマ発生源を冷却することを特徴とする。
本発明のプラズマ発生源の冷却機構及び冷却方法を用いることで、バッキングプレートを厚くしたり、冷却液のシール機構を大がかりにしたりすることなく、プラズマ発生源を均一且つ効果的に冷却することができる。
第1実施形態のプラズマ発生源の冷却機構を示す図である。 第1実施形態のプラズマ発生源の冷却機構の変形例を示す図である。 第1実施形態のプラズマ発生源の冷却機構の変形例を示す図である。 第1実施形態のプラズマ発生源の冷却機構の変形例を示す図である。 第2実施形態のプラズマ発生源の冷却機構を示す図である。 図5のA−A線断面図である。 第2実施形態のプラズマ発生源の冷却機構の変形例を示す図である。 図7のB−B線断面図である。 第2実施形態のプラズマ発生源の冷却機構の変形例を示す図である。 第3実施形態のプラズマ発生源の冷却機構を示す図である。 凝縮機構の構造を示した図である。
[第1実施形態]
以下、本発明に係るプラズマ発生源2の冷却機構1を、図面に基づき詳しく説明する。
図1は、第1実施形態の冷却機構1が設けられたプラズマ発生源2を備える真空成膜装置3の全体構成を示している。
真空成膜装置3は、内部が真空排気可能とされた箱状の真空チャンバ4を有している。この真空チャンバ4には図示しない真空ポンプが接続されていて、真空ポンプを用いて排気することにより真空チャンバ4の内部は真空または極低圧状態とされる。真空チャンバ4内には、成膜対象であるウエハ、ガラス、フィルムなどの基板(処理対象物)Wが配備されると共に、この基板Wに対向してプラズマ発生源2とが設けられている。プラズマ発生源2にはプラズマ電源(図示略)からプラズマ発生用の電力(DC(直流),PulseDC(間欠的直流),MF−AC(中間周波数領域の交流)あるいはRF(高周波)など)の電力が供給可能である。
真空ポンプを作動させて真空チャンバ4内を真空状態とした上で、Arなどの放電ガスを真空チャンバ4内に導入し、プラズマ電源により、プラズマ発生源2のプラズマ発生電極5に電位をかけることでプラズマPを発生させる。
なお、以降の説明では、主に、真空成膜装置3としてスパッタ装置を念頭に置きながら説明(本発明の冷却機構1の説明)を進める。しかしながら、本発明の冷却機構1は、スパッタ装置以外の真空成膜装置3のプラズマ発生源2の冷却、具体的には、プラズマCVD、エッチングなどを行う真空成膜装置3のプラズマ発生源2を冷却する場合にも用いることができる。
図1に示す如く、プラズマ発生源2は、スパッタ装置の場合にはスパッタ蒸発源であり、内部が空洞とされた平板状の筐体5を有している。この筐体5は、基板W側に開口を向けるようにして配備された角状乃至は円板状で有底の筐体本体6と、この筐体本体6の開口を閉鎖する板状のプラズマ発生電極8とを有している。このプラズマ発生電極8を用いて筐体本体6の開口を閉鎖することで、筐体5の内部を外部の真空チャンバ4内から気密的に隔離できるようになっている。そして、スパッタ装置の場合には、プラズマ発生電極8は、皮膜原料であるスパッタターゲットであり、多くの場合は、バッキングプレート7の上に皮膜原料であるターゲット9を取り付けた構造である。
バッキングプレート7は通常金属で板状に形成され、熱伝導性と電気伝導性との双方に優れた銅が多く使われるが、SUS、アルミなども使用できる。ターゲット9は、皮膜の原材料であり、あらゆる金属材料やC、Siなどの無機物、ITOなどの透明導電膜材料、SiO2、SiNなどの化合物、有機物など板状に形成可能なあらゆる材料が使用可能である。また、例えば、CuやTiなどをターゲット材にする場合には、バッキングプレート7を省略してターゲット9をそのままプラズマ発生電極として利用可能である。
このターゲット9上、すなわちプラズマ発生電極8上でプラズマを発生させると、プラズマ中のArなどのイオンがプラズマ発生電極の負の電位に引かれて、高エネルギーでターゲット9に衝突し、ターゲット9の原子をスパッタリング現象によりはじき出して、基板W上に皮膜として堆積し、成膜処理を行なうものである。一方で、ターゲット9に衝突したArのエネルギーは、ターゲット9を加熱し、この熱はバッキングプレート7に伝わり、プラズマ発生電極8を加熱し、結果としてプラズマ発生源2全体を加熱する。
なお、真空成膜装置3がプラズマCVD装置やエッチング装置である場合は、ターゲット材はなく、プラズマ発生電極8があるだけである。また、装置構成によっては、プラズマ発生電極8に基板Wが取り付けられる場合もある。また、スパッタ装置のようにプラズマ発生電極(ターゲット)が蒸発する訳ではないが、プラズマ発生電極8近傍にプラズマが発生し、プラズマ発生電極にプラズマ中の高エネルギを有するイオンあるいは電子が衝突し、このエネルギがプラズマ発生電極8を加熱するのはスパッタ装置と同様である。
プラズマ発生源2の筐体5の外側には、基板Wの表面以外の場所にプラズマPが発生することを抑制するプラズマ発生防止シールド10が配備されている。このプラズマ発生防止シールド10は、プラズマ発生電極8の表側の表面を除く他の表面(前後左右の側面及び上面)を、筐体5から一定の距離を保ちつつ外側から包囲しており、筐体5の外表面を物理的に覆うことによりプラズマ発生電極8以外の筐体5表面にプラズマPが発生することを防止している。
一方、プラズマ発生源2の筐体5の内側には、仮想線で示す位置に磁場発生機構11が設けられる場合もある。
磁場発生機構11は、プラズマ発生電極8の表面近傍に磁場を発生させるものであり、発生した磁場の作用でプラズマPの生成を容易にし、プラズマPを収束させる役割を有している。この磁場発生機構11には、例えばレーストラック式のマグネトロン磁場発生機構などを用いることができる。
上述したようにプラズマ発生電極8の背面側(筐体5の内部)は、筐体5の外部からも真空チャンバ4の内部からも気密状に隔離された空洞とされている。この気密状に隔離された筐体5の内部には冷却媒体供給手段12から冷却媒体が、プラズマ発生電極8(バッキングプレート7)を背面側に供給できるようになっている。
ところが、冷却媒体をプラズマ発生電極8の背面側に流通させてバッキングプレート7を冷却する方式では、バッキングプレート7は十分に冷却されず、バッキングプレート7全体の冷却効率はそれほど良いものではない(従来技術で説明した事項を参照)。
そこで、本発明のプラズマ発生源2の冷却機構1では、排気手段14を設けて、筐体5の内部(減圧空間13)を排気して減圧状態として、プラズマ発生電極8の背面に供給した液体の冷却媒体の蒸発を促進し、冷却媒体が蒸発する際の気化熱でプラズマ発生電極8を冷却する。
このようにプラズマ発生電極8の背面側、すなわち筐体5の内部を減圧空間13とすれば、冷却媒体の気化が促進されてプラズマ発生電極8から効率的に熱を取り除くことができる。また、筐体5の内部を減圧すれば、プラズマ発生電極(バッキングプレート7)の表面側と背面側とが双方とも減圧状態となり、両者の間に作用する圧力差が緩和される。それゆえ、冷却媒体のシール機構を大がかりにする必要がなく、また、圧力差が小さいためにプラズマ発生源2各部の耐圧強度を小さく構成することが可能となるのである。
次に、第1実施形態の冷却機構1を構成する減圧空間13、排気手段14、冷却媒体供給手段12について詳しく説明する。
図1に示すように、第1実施形態の冷却機構1は、水平方向に沿って配備された平板状のプラズマ発生源2に設けられたものである。
プラズマ発生源2のプラズマ発生電極8の背面側は、上述したように筐体本体6とプラズマ発生電極8(バッキングプレート7)とで囲まれた減圧空間13となっており、真空チャンバ4の内部や筐体5の外部から気密状に隔離されている。そして、筐体5の上側には筐体内部(減圧空間13)を排気する排気手段14の排気管15が接続されており、この排気手段14により減圧空間13内部は、冷却媒体が水の場合は、20kPa(0.2気圧)以下、好ましくは4.2kPa(約0.04気圧)以下の圧力の減圧空間13とされている。一方で20kPaは60℃の水の蒸気圧、4.2kPaは約30℃の水の蒸気圧に相当し、プラズマ発生源2の温度は減圧空間の圧力に応じて制御される。一方、減圧空間13の圧力が約0.6kPaを下回ると供給された水が氷点下に冷却され氷結する恐れが生じるのでこれ以上の圧力に維持するのが好ましい。
冷却媒体が水以外の場合には、媒体の蒸気圧と目標とする冷却温度の関係で圧力は決まるが、プラズマ発生源2の強度面のメリットを享受するには、50kPaを超えないようにするのが望ましい。
この減圧空間13の内部には上述した冷却媒体供給手段12により液体の冷却媒体が供給されており、供給された液体の冷却媒体がプラズマ発生源2のプラズマ発生電極8で加熱されて気化し、冷却媒体の蒸気が生成している。
排気手段14は、上述した減圧空間13から冷却媒体の蒸気を真空チャンバ4の外部に案内する排気管15と、この排気管15を通じ冷却媒体の蒸気を吸い出す排気ポンプ16と、を有している。
排気管15は、蒸気や液体の冷却媒体が流通可能な管材で形成されている。この排気管15の一端は、筐体5の上側の内壁面に開口しており、筐体5の内部から冷却媒体の蒸気を真空チャンバ4の外部に排気できるようになっている。なお、この排気ポンプ16には、蒸気の冷却媒体だけでなく、液体の冷却媒体をも排出できるようなエジェクターポンプを用いるのが好ましい。例えば、冷却媒体が水の場合は、水エジェクターポンプや蒸気エジェクターポンプのような水と蒸気とを混合状態で排出できるポンプを用いることができる。
一方、プラズマ発生電極8の背面に対して冷却媒体を供給する冷却媒体供給手段12は、液体の冷却媒体をプラズマ発生源2の背面に対して噴霧して、この冷却媒体を背面の全面に均一に供給可能とするノズル17(冷却媒体噴霧機構)を備えている。このノズル17は、平板状の筐体5の上面内壁に複数配備されている。
また、冷却媒体供給手段12は、それぞれのノズル17に液体の冷却媒体を分配して送る冷却媒体の供給配管18と、この供給配管18に沿って液体の冷却媒体を圧送する冷媒供給ポンプ19とを備えている。
冷却媒体供給手段12では、液体の冷却媒体が、バッキングプレート7の背面側全面に亘って噴霧状に供給され、冷却媒体をプラズマ発生電極8の背面の全面に均一に広がるので、プラズマ発生源2をムラなく且つ効率的に冷却することができる。
なお、上述した排気手段14の排気管15は、プラズマ発生源2に電気的に接続されていることになるので、互いに異なる電位にある真空チャンバ4との間には電気的絶縁手段20を配備する方が良い。
このような電気的絶縁手段20としては、排気手段14の排気管15と真空チャンバ4との間に配備されて、セラミックスやガラスなどの無機材料または導電性のない合成樹脂などで形成された部材を用いることができる。なお、図例では、排気管15と真空チャンバ4との間にのみでなく、排気管15とプラズマ発生防止シールド10との間や、排気管15とこの排気管15の支持側との間にも電気的絶縁手段20が設けられている。このようにすればプラズマ発生防止シールド10の周囲にプラズマPが発生することや、排気管15あるいは排気管15に接続された排気ポンプ16などに接触して感電する危険性を回避することが可能となる。
また、排気管15の一部を電気的絶縁管とすることで、排気ポンプ16に電流が流れることを防ぐことができるようになる。
同様に冷却媒体の供給配管18や後述するドレイン21に関しても適宜絶縁手段を設けるのが好ましい。
次に、上述した冷却機構1を用いてプラズマ発生源2を冷却する方法、言い換えれば本発明の冷却方法を説明する。
例えば、上述した平板状のプラズマ発生源2(スパッタ蒸発源)と基板Wとをそれぞれに水平方向に沿って且つ互いに平行となるように配備し、真空チャンバ4の内部を真空に排気した後に、プラズマ発生用のガス(例えばAr)を供給しプラズマ発生源2(スパッタ蒸発源)にプラズマ電源を用いて電位を与え、プラズマ発生源2のプラズマ発生電極8の近傍にプラズマPを発生させてスパッタ成膜処理を行う場合を考える。このようなプラズマPの発生に際しては、プラズマ発生電極8の表面(すなわちターゲット9)に多量の熱が発生する。
減圧空間13を排気しながら、液体の冷却媒体を冷却媒体供給手段12を用いて供給する。この冷却媒体供給手段12による冷却媒体の供給は液体の冷却媒体をノズル17を用いて噴霧状にしてプラズマ発生電極8の背面全面に均一に広げるものである。このようにして冷却媒体供給手段12により背面全面に広がった液体の冷却媒体は、プラズマ発生電極8(バッキングプレート7)背面に伝達された熱を気化熱として吸収して蒸発し、この気化熱が奪われることでプラズマ発生電極8を含むプラズマ発生源2が冷却される。
このようにして背面から蒸発した冷却媒体の蒸気は、排気手段14の排気管15を通じて真空チャンバ4の外部の排気ポンプ16に送られ、排気ポンプ16を介して減圧空間13から排気される。
このようにプラズマ発生源2のプラズマ発生電極8の背面側を真空排気された減圧空間13とすれば、この背面に対して供給された冷却媒体の気化を促進して、冷却媒体の気化熱を利用してプラズマ発生電極8を効率的に冷却(気化冷却)することが可能となる。特に、このような気化冷却を利用した場合は、冷却媒体を循環させる方式で起きていたような境膜に伴う伝熱の損失は発生しない。また、筐体5の内部を減圧空間13とすれば、プラズマ発生電極8の表面側と背面側との間に作用する圧力差が大幅に緩和することができる。それゆえ、バッキングプレート7の厚みを余裕を持って厚くすることや冷却液のシール機構に大がかりなものを用いる必要はなく、簡単な設備でプラズマ発生電極を含むプラズマ発生源2をムラなく均一に冷却することが可能となるし、必要な強度が低減し機構が簡単になるのでプラズマ発生電極源2の設計の自由度も増す。
なお、図2に示すように、第1実施形態の冷却機構1については、冷却媒体の蒸気及び液体の冷却媒体の双方を減圧空間13から排気管15に導出するドレン21(ドレン管)を設けても良い。
ドレン21の一端は筐体5の内部に開口すると共に、ドレン21の他端は排気管15の内部に開口している。このドレン21の他端は一端より下方側に位置するように設置されている。
このようなドレン21を設けることで、減圧空間13の内部で気化しきれず余剰になった冷却媒体を排出し、気化冷却の妨げにならないようにできる。
また、図3に示すように、プラズマ発生源2のプラズマ発生電極8の背面は、液体の冷却媒体を重力の作用で背面全面に亘って均等に広げられるように、水平に対して傾斜状に形成されたものであっても良い。このようにすれば冷却媒体供給手段12により背面に供給された液体の冷却媒体が傾斜した背面を伝うようにして流れ落ち、重力の作用で液体の冷却媒体を背面全面に均等に広げることができ、プラズマ発生源2を効率的に冷却することが可能となる。
なお、このように液体の冷却媒体を重力の作用で背面の全面に亘って均等に広げる場合には、冷却媒体供給手段12として上述したノズル17に代えて冷却媒体を壁面に沿って滴下させて背面に供給するだけでも良い。すなわち、傾斜したプラズマ発生電極8の背面のうち、高い側と接する筐体5の側壁面に冷却媒体を滴下する滴下部材22を配備しておき、筐体5の側壁面に沿って冷却媒体を滴下する。このようにして滴下部材22から滴下された冷却媒体は、筐体5の側壁面を伝わって落下し、次に傾斜した背面に沿って流れ下り、液体の冷却媒体が背面全面に均等に広がり冷却媒体の気化が促進される。
さらに、上述した図1〜図3の例はプラズマ発生源2が水平に沿って配備された装置の冷却機構1の例であったが、本発明の冷却機構1は鉛直方向に沿って配備されたプラズマ発生源2を冷却するものである。
すなわち、図4に示すように、プラズマ発生源2を鉛直方向に沿うように起立状に配備すれば、プラズマ発生電極8の背面の勾配が図3よりさらに急角度になり、液体の冷却媒体を重力の作用で背面の全面に亘って均等に広げる効果をさらに高めることが可能となる。
なお、図3の場合であっても、図4の場合であっても、背面の低い側に余剰な冷却媒体が溜まる場合は、上述したようなドレン21(筐体5の内部と排気管15とを連通させるドレン管)を用いて液体の冷却媒体を排出すればよい。
図3や図4のように重力の作用を利用して冷却媒体を背面全面に広げる冷却媒体供給手段12を用いれば、液体の冷却媒体が背面全面に均等に分配されるようになり、冷却媒体の気化を全面に亘ってムラなく行うことができるので、より効率的に電極を冷却することができる。
なお、図3や図4の場合においては、冷却媒体を背面全面に広げる手段として毛細管現象を利用することも可能である。例えば、図示は省略するが、プラズマ発生電極8の背面に対しては、液体の冷却媒体を毛細管現象の作用で背面の全面に亘って均等に広げることができるように、冷却媒体を案内する溝が形成されていても良い。このような毛細管現象の作用で液体の冷却媒体を案内する溝を、上述した背面に形成しておくことにより、液体の冷却媒体が背面全面に均等に広げて、プラズマ発生源2をより効率的に冷却することが可能となる。冷却媒体を案内する溝を、図1、図2のプラズマ発生源2の背面に形成しても良い。あるいは、溝の形成に替えて、メッシュ状の物体をプラズマ発生電極8の背面に設けて、この毛細管現象の作用で液体の冷却媒体を広げても良い。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のプラズマ発生源2の冷却機構1を説明する。
図5及び図6に示すように、第2実施形態の冷却機構1は、内部が減圧空間13とされた円筒状のプラズマ発生源2を冷却するものであり、この円筒状のプラズマ発生源2の外周面がプラズマ発生電極8とされたものである。プラズマ発生源2は水平を向く軸心回りに回転自在に配備された円筒となっている。
以下、第2実施形態のプラズマ発生源2、及びこの電極に設けられた冷却機構1について詳細に説明する。以下の説明は、プラズマ発生源2が、スパッタ蒸発源であり、円筒回転ターゲットを具備した、いわゆるロータリマグネトロンスパッタ蒸発源である場合を例としている。
第2実施形態の場合、真空チャンバ4の側壁には、円形状の開口部23が形成されており、プラズマ発生源2(ロータリマグネトロンスパッタ蒸発源)は、この開口部23から真空チャンバ4の内部に向かって挿し込まれた状態で真空チャンバ4の内部に収容されている。
具体的には、プラズマ発生源2は円筒状の筐体5を有しており、この円筒状の筐体5が、真空チャンバ4の開口部23から真空チャンバ4の内部に向かって挿し込まるようになっている。
この円筒状の筐体5の外周面と、上述した真空チャンバ4の開口部23の開口縁との間には、真空チャンバ4に対して円筒状の筐体5を水平軸回りに回転自在に支持するベアリング部24、及びこの真空チャンバ4に対する筐体5の回転を邪魔することなく真空チャンバ4の内部の気密性を保持するシール部25が設けられている。なお、第一の実施形態と同様に、回転する円筒状の筺体5には、プラズマ発生用の電位を与えることが必要で、図示は省略するが、ベアリング部24のチャンバー側か筺体側何れかに絶縁をとるための機構が取り付けられる。
上述した円筒状の筐体5の円筒面の主要部は、プラズマの生成のためのプラズマ発生電極8とされており、第1実施形態同様に、プラズマ発生電極8は、バッキングチューブ18上にターゲット9を取り付けたものである。ロータリマグネトロンスパッタリングの場合には、プラズマ発生電極の内部に磁場発生機構11が固定状態で取り付けらており、磁場発生機構11の生成するレーストラック状のマグネトロン磁場がターゲット表面に形成される場所に選択的にレーストラック状の磁場が生成される。図6の例では、磁場発生機構は下向きに取り付けられ、プラズマはプラズマ発生電極8の下方のみに生成され、その場所でスパッタ蒸発が発生する。一方で、プラズマ発生電極8、すなわち、円筒状ターゲット9は回転するので、プラズマによりスパッタされる箇所は、円筒ターゲット9の回転により順次変わるので、結果として円筒全周にわたりターゲットはスパッタ蒸発する。
一方、プラズマ発生源2の筐体5の内部空間は、後述する排気手段14の働きにより減圧空間13となっている。減圧空間13の圧力は、使用する冷却媒体により異なるが、冷却媒体が水の場合は第一の実施形態で詳述したように0.6〜20kPaの間が好ましい。
上述したプラズマ発生源2の筐体5の内部には、液体の冷却媒体を上述したプラズマ発生電極8の内周面に供給する冷却媒体供給手段12と、冷却媒体供給手段12により供給された冷却媒体の蒸気を筐体5の内部から排気する排気手段14とが設けられている。
具体的には、筐体5の内部には円筒状の筐体5の軸心に沿って後述する排気手段14の排気管15が配備されており、また排気管15の管壁内を通るように冷却媒体供給手段12の供給配管18が配備されている。当然ながら、この排気管15はプラズマ発生源2の筐体5より径小とされている。なお、排気管15は円筒内部の空間をある程度均一に減圧するために配置するが、必ずしも取付けなくても良い。
この冷却媒体供給手段12の供給配管18には、真空チャンバ4の外部に配備されたポンプから液体の冷却媒体が供給されており、供給された液体の冷却媒体を噴霧するノズル17が円筒状のプラズマ発生電極8の軸芯方向に沿って等間隔をあけて複数設けられている。この液体の冷却媒体を噴霧するノズル17(冷却媒体噴霧機構)は、供給配管18から突出するように取り付けられており、液体の冷却媒体を円筒内面に向かって噴霧可能となっている。一方で、円筒状のプラズマ発生電極8(ターゲット)は回転しているので、円筒軸芯方向にはノズル17の均等配置(分散配備)によって、円筒の円周方向には回転動作によって、プラズマ発生電極8の内面に冷却媒体は均一に供給される。
噴霧用のノズル17の方向は特に問わないが、回転軸が水平に設置されている場合には、冷却媒体が円筒内面を流れ下る作用も考慮すると上方であるのが望ましい。
また、特に、円筒の回転軸が水平に設置される場合には、冷却媒体の供給は特に配置等にこだわらず、単に円筒内空間に供給するだけで良い。円筒の回転軸が水平であれば、供給した冷却媒体は筺体の下側に、軸芯方向にはほぼ均一に液溜まりを形成する。液体の冷却媒体が内周面に付着したまま筐体5が回転し、回転する筐体5に連れられて冷却媒体が持ち上げられるため、筐体5の下側に溜まった液体の冷却媒体を冷却媒体の膜として均等に内周面に塗り広げるようになる。
一方、第2実施形態の排気手段14も、第1実施形態と同様に、筐体5の内部の減圧空間13から冷却媒体の蒸気を真空チャンバ4の外部に案内する排気管15と、この排気管15を通じて冷却媒体の蒸気を吸い出す排気ポンプ16と、を有している。
第2実施形態の排気手段14が第1実施形態と異なっている点は、回転しないように固定された排気管15に対して、その外側に配備された筐体5が回転する構造とされていることである。
具体的には、排気管15は、円筒状の筐体5の内部に当該筐体5と同軸状に配備され、その端部のうち開口部23の反対側の端部(図中の左側の端部)は閉鎖されており、この閉鎖された端部には排気管15に対して筐体5が自在に回転可能とするベアリング部24が設けられている。
また、排気管15の端部のうち開口部23側の端部(図中の右側の端部)は水平に真空チャンバ4の外側まで伸びており、筐体5の外側に設けられた排気ポンプ16に接続されている。そして、排気管15の外周面と円筒状の筐体5の内周面との間には、ベアリング部24とシール部25とが配備されており、筐体5の内部の気密性を保持しつつ、排気管15に対して円筒状の筐体5が自在に回転するようになっている。このような観点からすると、前述の円筒状筺体内部に配置される磁場発生ユニット11は、排気管15から支持すると良い。
図5、図6に示すように、この排気管15は、水平に向かって伸びた部分に、吸気口26を複数有している。排気管15内部でも排気ポンプからの距離に応じて圧力勾配が生じる場合があるので、吸気口26は、例えば排気ポンプから遠ざかる位置に向かうにつれて開口を大きくすることは好ましい。
上述した第2実施形態のように円筒状のプラズマ発生源2を用いた場合にも、円筒状プラズマ発生電極8の内面側を真空排気された減圧空間13とした上で、この内面に対して液体の冷却媒体を供給すれば、液体の冷却媒体の気化熱を利用してプラズマ発生源2を効果的に冷却することが可能となる。
また、第2実施形態の冷却機構1でも、プラズマ発生源2の内部は減圧空間13とされており、プラズマ発生電極8側とこのプラズマ発生電極8の背面側との間に作用する圧力差を大幅に緩和することができる。つまり、筐体5の厚みを厚くする必要はなく、また冷却媒体のシール機構に大がかりなものを用いる必要もない。それゆえ、簡単な設備でプラズマ発生源2をムラなく効果的に冷却することが可能となる。
さらに、上述したように回転する筐体5に対して液体の冷却媒体を供給する構成を採用すれば、回転軸に沿って均一に冷却媒体の噴霧機構を配置(分散配備)すると、筺体5の回転との相互作用によりプラズマ発生電極8の内面に冷媒を供給することが可能である。また、回転軸が水平に配置されている場合には、筐体5の回転に伴って筐体5の下側に溜まった液体の冷却媒体を均等に内周面に塗り広げることが可能になり、プラズマ発生源2をさらにムラなく均一に冷却することも可能となる。
なお、上述した第2実施形態の冷却機構1を用いても、プラズマ発生源2の筐体5の内部に液体の冷却媒体が多量に溜まって冷却が困難になるような場合には、次のような手段を用いて筐体5の内部に溜まった液体の冷却媒体を筐体5の外部に排出することもできる。
すなわち、図7及び図8に示す冷却機構1の排気手段14には、上述した排気管15及び排気ポンプ16に加えて、減圧空間13で凝縮して溜まった液体の冷却媒体を排気管15に導出するドレン21と、このドレン21に液体の冷却媒体を汲みあげる汲みあげ手段27がさらに設けられている。
ドレン21は、排気管15の内部に配備されると共に、液体の冷却媒体を流すことができる樋状の部材である。ドレン21は、水平方向に対してやや傾斜するように勾配をつけて配備されており、勾配に沿って液体の冷却媒体を流せるようになっている。また、ドレン21は、上方から液体の冷却媒体を流し込めるように、上方に向かって開口する溝状に形成されている。
このドレン21の上方に位置する排気管15には、汲みあげ手段27を用いて汲みあげられた液体の冷却媒体を流し込む流入口28が形成されている。
図8に示すように、汲みあげ手段27は、円筒状の筐体5の内周面に凹状に形成されて液体の冷却媒体を汲み取ることができる汲取部29と、この汲取部29に汲み取られた液体の冷却媒体が汲取部29からこぼれ落ちることを防止する仕切部30とを有している。この汲みあげ手段27では、筐体5の下側に溜まった液体の冷却媒体は最も低い位置にある汲取部29に流れ込み、汲取部29に汲み取られる。
この汲取部29は、排気管15側を向く側の一部だけが開口するように仕切部30で仕切られており、一旦汲み取られた冷却媒体をこぼすことなく収容できるようになっている。そして、汲取部29は、筐体5の回転に合わせて(回転駆動力を動力源として)排気管15の回りを円軌道を描くように回転し、円軌道の最上部に汲取部29が位置したときに仕切部30の開口した部分が下方を向いて液体の冷却媒体を下方に落下させることができるようになっている。
図7及び図8に示す冷却機構1を用いれば、筐体5の内部に液体の冷却媒体が多量に溜まるような場合にも、余剰な液体の冷却媒体を筐体5の外部に排出して、プラズマ発生源2をムラなく効率的に冷却することができる。
上述した第2実施形態の冷却機構1では、円筒状のプラズマ発生源2はその軸心を水平方向に向けるようにして配備されていたが、軸芯を斜め方向や垂直方向に向けて配備することも可能である。図9に示した例ではプラズマ発生源2は斜めを向く軸心回りに回転自在に配備されている。
このように、プラズマ発生源2、すなわち円筒状の筐体5を予め傾斜状に配備する場合には、筐体5の内部に供給された液体の冷却媒体が筐体5の内周面を伝って下方に流れる。そして、筐体5の内部に液体の冷却媒体が余剰に溜まることになる。つまり、筐体5内部の最も低い位置に溜められた余剰な冷却媒体を排気管15に排出できるようなドレン21を設けておけば、図7及び図8に示すような複雑な汲みあげ手段27を設けなくても、余剰な液体の冷却媒体を筐体5の外部に排出して、プラズマ発生源2をムラなく効率的に冷却することができる。図示はしないが、軸芯を垂直方向に向けて配置しても同様となる。
ところで、第2実施形態の筐体5の内部にも、第1実施形態と同様に磁場発生機構11を設けることができる。この場合、磁場発生機構11は、図6に仮想線で示すように、筐体5の内部であって排気管15の下方または側方のいずれか、プラズマPを発生させたい位置に対応して設ければよい。
以上、第2の実施形態は、円筒状のプラズマ発生源2がロータリーマグネトロンスパッタ蒸発源である場合を例にとり説明を実施したが、プラズマCVD装置やエッチング装置にも適用可能である。例えば、プラズマCVD装置であって、特開2008−196001号公報に開示されるような、回転円筒電極をプラズマ発生源として使用すると共に、フィルム状の基板をその表面に巻き付けて、円筒電極の回転と共にフィルムを真空中で搬送しながら、フィルム上に皮膜形成を行うような装置の、回転円筒状プラズマ発生源(成膜ロール)の冷却機構として使用することが出来る。この場合は、ロータリーマグネトロンスパッタ蒸発源の場合とは、プラズマ発生電極がターゲット材ではなく蒸発しないこと、基板がフィルム状でありプラズマ発生電極に密着して巻き付けられており、スパッタ法ではなくプラズマで原料ガスを分解しフィルムに蒸着するプラズマCVD法を用いている等の相違点はある。しかしながら、前記の回転円筒を有するプラズマ発生源2は真空チャンバーの中に設置されており、発生したプラズマのエネルギがフィルム基板を介して回転する円筒状プラズマ発生電極58に伝達されて冷却の必要性があり、内部に回転しない磁場発生機構も設けられており、ロータリーマグネトロンスパッタ蒸発源と基本構造は同一であり、本発明の冷却機構の適用が有効である。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のプラズマ発生源2の冷却機構1について説明する。
図10及び図11に示すように、第3実施形態の冷却機構1は、第1実施形態の排気ポンプ16に代えて、凝縮機構31を備えている点が大きく異なる。他の構成は第1実施形態と略同様である。それ故、以下、凝縮機構31の構成について詳しく説明を行う。
図10に示す如く、第1実施形態と略同様に、プラズマ発生源2は、内部が空洞(減圧空間13)とされた平板状の筐体5を有しており、この筐体5の上側には筐体内部(減圧空間13)を排気する排気管15が接続されている。この排気管15は、外部(真空チャンバ4の外側)に設けられた凝縮機構31に接続されている。
排気管15の一端は、筐体5の上側の内壁面に開口しており、筐体5の内部から冷却媒体の蒸気を真空チャンバ4の外部に排気できるようになっていて、排出された冷却媒体の蒸気は、凝縮器31へ導入されるようになっている。
詳しくは、図11に示す如く、凝縮機構31は、凝縮器32と補助減圧手段34とで構成されている。
凝縮器32は、凝縮チャンバ35を有しており、この凝縮チャンバ35に排気管15が連通するようになっている。この凝縮チャンバ35内には熱交換機構36(冷却コイル)が配設されており、この熱交換機構36には、凝縮チャンバ35の外側に設けられた冷却系統33で熱交換されて低温とされた冷媒が流通するものとなっている。冷却系統33としては、クーリングタワーやチラーなどが採用される。なお、熱交換機構36は、図示したような冷却コイル型のものに替えて、シェル&チューブ方式、プレート方式等であっても良い。あるいは、凝縮チャンバ35の壁面を冷却することで凝縮チャンバ35自身を熱交換機構としてもよい。あるいは、プラズマ発生機構に供給する冷却媒体と、冷却系統33から供給される冷媒が同一の場合には、冷却系統から供給される媒体を凝縮チャンバ35内に直接シャワーまたは噴霧して、排気管15から流入する冷媒蒸気と熱交換させて、凝縮させてもよい。
一方で、凝縮チャンバ35の底部には、凝縮チャンバ35内で凝縮し液化した冷却媒体を凝縮チャンバ35外に導出させ、冷媒供給ポンプ19へと返送する返送配管37が設けられている。返送配管37を経て冷媒供給ポンプ19へ戻ってきた冷却媒体は、供給配管18を通じて、再び、プラズマ発生源2すなわち減圧空間13へと導入され、プラズマ発生源2の冷却を行うこととなる。
また、第3実施形態の場合、凝縮チャンバ35内の圧力を減圧させて、減圧空間13〜排気管15〜凝縮器32に至る空間を排気するための補助減圧手段34が設けられている。補助減圧手段34としては、真空ポンプを採用することが好ましい。この補助減圧手段34は、第1実施形態に設けられた排気ポンプ16に比べると排気能力は小さいものでよく、凝縮チャンバ35内を補助的に排気する程度の能力で十分である。
次に、以上述べた凝縮機構31の作動態様について述べる。
第1実施形態と同様に、プラズマ発生源2のプラズマ発生電極8の近傍にプラズマPを発生させてスパッタ成膜処理を行う場合を考える。このようなプラズマPの発生に際しては、プラズマ発生電極8の表面に多量の熱が発生する。
その際に、プラズマ発生源2の内部に対して、液体の冷却媒体を冷却媒体供給手段12を用いて供給する。この冷却媒体供給手段12による冷却媒体の供給は液体の冷却媒体をノズル17を用いて噴霧状にしてプラズマ発生電極8の背面全面に均一に広げるものである。このようにして冷却媒体供給手段12により背面全面に広がった液体の冷却媒体は、プラズマ発生電極8(バッキングプレート7)背面に伝達された熱を気化熱として吸収して蒸発し、この気化熱が奪われることでプラズマ発生電極8を含むプラズマ発生源2が冷却される。
プラズマ発生電極8を冷却した後の冷却媒体、すなわち気化した冷却媒体は、排気管15を通じて真空チャンバ4の外部に設けられた凝縮機構31へと導入される。
凝縮機構31には、冷却系統33で冷やされた冷媒が流通する熱交換機構36が存在するため、凝縮チャンバ35の内部空間は低温であり、そのために冷却媒体の蒸気圧は低い状態となっている。そのため、冷却媒体の蒸気は凝縮チャンバ35へと吸い込まれ、流入した冷却媒体の蒸気は液化し、凝縮チャンバ35の底部に液体状態で溜まることとなる。
なお、凝縮チャンバ35の内部の圧力は、冷却媒体の種類と、冷却系統33の冷却能(冷却温度)で決まり、例えば、冷却媒体が水であって、凝縮チャンバ35内部の温度が18℃〜30℃である場合には、当該温度の水の飽和蒸気圧に相当する2〜4.2kPa程度が、凝縮チャンバ35の内部の圧力となる。
この圧力に排気管15の圧力損失分を加えた圧力が、減圧空間13の圧力となる。排気管15の設計を適切に行なえば、排気管15の圧力損失を5kPa以下にすることが可能である。例えば、排気管15の圧力損失を5kPaとすれば、減圧空間13の圧力は7〜12.2kPaとなる。また、排気管15の圧力損失を1kPaとすれば、減圧空間13の圧力は3〜5.2kPaとなる。このとき、プラズマ発生源2は、減圧空間13の圧力が冷却媒体の飽和蒸気圧となる温度、すなわち 24℃〜50℃程度の範囲とすることができる。
別冷却系統33として、フロン冷凍機を用いることで、凝縮器32の能力を向上させることも可能である。
上記したように、凝縮器32において、気化した冷却媒体を液化させると、凝縮チャンバ35内の圧力も減圧し、真空チャンバ4内の減圧空間13の圧力よりも低い圧力となる。結果として、減圧空間13からは排気管15を通して、凝縮器32に蒸気が流れるようになるため、凝縮機構31は排気ポンプ16と同様の作用をもたらすことになる。
また、凝縮器32には、補助減圧手段34が接続されるのが好ましい。補助減圧手段34は、第1実施形態の排気ポンプ16に比べると排気能力は小さいものであり、凝縮チャンバ35内を補助的に排気する目的を有する。とはいえ、凝縮器32の減圧機能(冷却媒体の液化の伴う減圧)だけでは、減圧空間13、排気管15および凝縮チャンバ35内に混入した空気などを排気する能力はない。その場合、補助減圧手段34を作動させることで、混入空気の排気が可能となる。すなわち、この補助減圧手段34は、冷却媒体以外の気体の排気と、スタートアップ時の系統の減圧を行なう目的などに資することができる。補助減圧手段34は限られた目的のために設けられるため、その能力は比較的小さいものでよく、低コストなものを採用することができる。
以上述べた第3実施形態の凝縮機構31は、第2実施形態の排気ポンプ16に代えて用いることもできる。つまり、図1〜図9に開示された冷却機構1に設けられた排気ポンプ16に代えて、第3実施形態の凝縮機構31を採用することができる。
加えて、第3実施形態においても、排気管15と真空チャンバ4との間に、真空チャンバ4に対してプラズマ発生源2を電気的に絶縁する電気的絶縁手段20を設けるようにしてもよい。冷却媒体の蒸気及び液体の冷却媒体の双方を減圧空間13から排気管15に導出するドレン21を設けるようにしてもよい。
なお、第3実施形態の他の構成や奏する他の作用効果は、第1実施形態と略同様であるため、その説明は省略した。
ところで、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、発明の本質を変更しない範囲で各部材の形状、構造、材質、組み合わせなどを適宜変更可能である。また、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
例えば、上述した冷却機構1は、いずれも冷却媒体として水を採用することが好ましいものの、水以外の物質を用いることもできる。
また、排気ポンプ16を介して回収された冷却媒体の蒸気や液体は、再び凝縮させて冷却機構1の冷却媒体に用いることもできる。
また、真空チャンバ4内を大気圧に戻すのに合わせて、筐体5の内部をも大気圧に戻す機構を設けるのが好ましい。このようにすればプラズマ発生源2に堅牢な作りが不要となって、プラズマ発生源2の設計の自由度を高めることができる。
また、減圧空間の圧力を計測する手段を設けて、蒸気圧を測定し、冷却の状況を監視することも好ましく、計測結果に基づいて、冷却媒体の供給量を調整したり、排気手段の排気能力を適宜調整することも好ましい。
1 冷却機構
2 プラズマ発生源
3 真空成膜装置
4 真空チャンバ
5 筐体
6 筐体本体
7 バッキングプレート
8 プラズマ発生電極
9 ターゲット
10 プラズマ発生防止シールド
11 磁場発生機構
12 冷却媒体供給手段
13 減圧空間
14 排気手段
15 排気管
16 排気ポンプ
17 ノズル
18 供給配管
19 冷媒供給ポンプ
20 電気的絶縁手段
21 ドレン
22 滴下部材
23 開口部
24 ベアリング部
25 シール部
26 吸気口
27 汲みあげ手段
28 流入口
29 汲取部
30 仕切部
31 凝縮機構
32 凝縮器
33 冷却系統
34 補助減圧手段
35 凝縮チャンバ
36 熱交換機構
37 返送配管
P プラズマ
W 基板

Claims (18)

  1. 内部が真空排気された真空チャンバ内に設けられると共にこの真空チャンバ内でプラズマを発生させるプラズマ発生源を冷却するために用いられるプラズマ発生源の冷却機構であって、
    前記プラズマ発生源のプラズマ発生電極の背面側に設けられた減圧空間と、
    前記プラズマ発生電極の背面に対して液体の冷却媒体を供給する冷却媒体供給手段と、
    供給された冷却媒体が蒸発する際の気化熱で前記プラズマ発生電極を冷却する時の蒸発を促進すべく、前記減圧空間を減圧する排気手段と、
    を備えていることを特徴とするプラズマ発生源の冷却機構。
  2. 前記プラズマ発生源は、内部が前記減圧空間とされた平板状の筐体を有しており、
    前記筐体を構成する外壁面の一つが前記プラズマ発生電極とされていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生源の冷却機構。
  3. 前記プラズマ発生源は、内部が前記減圧空間とされた円筒状の筐体を有しており、
    前記筐体の外周面が前記プラズマ発生電極とされていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発生源の冷却機構。
  4. 前記冷却媒体供給手段は、前記液体の冷却媒体をプラズマ発生電極の背面に対して噴霧して、当該冷却媒体を背面の全面に均一に供給可能とするノズルを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ発生源の冷却機構。
  5. 前記排気手段は、前記冷却媒体の蒸気を前記減圧空間から真空チャンバの外部に案内する排気管と、前記排気管に沿って冷却媒体の蒸気を吸い出す排気ポンプと、を有しており、
    前記排気管と真空チャンバとの間に、前記真空チャンバに対してプラズマ発生源を電気的に絶縁する電気的絶縁手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマ発生源の冷却機構。
  6. 前記排気手段は、
    前記冷却媒体の蒸気を前記減圧空間から真空チャンバの外部に案内する排気管と、
    前記排気管に沿って冷却媒体の蒸気を吸い出す排気ポンプと、
    前記冷却媒体の蒸気及び液体の冷却媒体の双方を減圧空間から排気管に導出するドレンと、
    を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマ発生源の冷却機構。
  7. 前記排気手段は、前記冷却媒体の蒸気を前記減圧空間から真空チャンバの外部に案内する排気管と、前記排気管に沿って冷却媒体の蒸気を吸い出すと共に吸い出した冷却媒体を液化させる凝縮機構と、を有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマ発生源の冷却機構。
  8. 前記凝縮機構は、冷却媒体を液化させる凝縮器と、前記凝縮器内の圧力を減圧させる補助減圧手段と、を有することを特徴とする請求項7に記載のプラズマ発生源の冷却機構。
  9. 前記凝縮機構には、凝縮器で液化した冷却媒体を前記減圧空間へ返送するための返送配管が設けられていることを特徴とする請求項7又は8に記載のプラズマ発生源の冷却機構。
  10. 前記排気管と真空チャンバとの間に、前記真空チャンバに対してプラズマ発生源を電気的に絶縁する電気的絶縁手段が設けられていることを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載のプラズマ発生源の冷却機構。
  11. 前記排気手段は、冷却媒体の蒸気及び液体の冷却媒体の双方を減圧空間から排気管に導出するドレンを有することを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載のプラズマ発生源の冷却機構。
  12. 前記プラズマ発生源のプラズマ発生電極の背面は、前記液体の冷却媒体を重力の作用で背面の全面に亘って均等に広げることができるように、水平に対して傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のプラズマ発生源の冷却機構。
  13. 前記プラズマ発生源のプラズマ発生電極の背面には、前記液体の冷却媒体を毛細管現象の作用で背面の全面に亘って均等に広げることができるように、前記冷却媒体を案内する溝やメッシュ状構造が形成されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のプラズマ発生源の冷却機構。
  14. 前記円筒状のプラズマ発生源の筐体は、軸心回りに回転自在に配備されており、
    筐体の回転に伴ってプラズマ発生電極の内周面全面に液体の冷却媒体を塗り広げ可能に構成されている請求項3に記載のプラズマ発生源の冷却機構。
  15. 前記円筒状のプラズマ発生源の筐体は、軸心回りに回転自在に配備されており、
    回転軸方向に分散配置した冷却媒体噴霧機構と筐体の回転の協働により円筒状プラズマ発生電極の内周面に塗り広げ可能に構成されている請求項14に記載のプラズマ発生源の冷却機構。
  16. 前記円筒状のプラズマ発生源の筐体は、水平な軸心回りに回転自在に配備されており、
    前記筐体の下側に凝縮して溜まった液体の冷却媒体を、筐体の回転に伴って筐体の内周面に均等に塗り広げ可能に構成されている請求項14に記載のプラズマ発生源の冷却機構。
  17. 前記円筒状のプラズマ発生源の筐体は、水平乃至は斜めを向く軸心回りに回転自在に配備されており、
    前記排気手段は、前記排気管及び排気ポンプに加えて、前記減圧空間で凝縮して溜まった液体の冷却媒体を前記排気管に導出するドレンを備えており、
    前記円筒状の筐体の下側に凝縮して溜まった液体の冷却媒体を、前記筐体の回転を利用して筐体の上側に汲みあげてから前記ドレンに排出する汲みあげ手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載のプラズマ発生源の冷却機構。
  18. 内部が真空排気された真空チャンバ内に設けられると共にこの真空チャンバ内でプラズマを発生させるプラズマ発生源を冷却する冷却方法であって、
    前記プラズマ発生源のプラズマ発生電極の背面側を減圧空間としておき、
    前記プラズマ発生源のプラズマ発生電極の背面に対して液体の冷却媒体を供給すると共に、前記減圧空間を排気して供給された冷却媒体の蒸発を促進し、冷却媒体が蒸発する際の気化熱で前記プラズマ発生源を冷却することを特徴とするプラズマ発生源の冷却方法。
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