JP6472246B2 - 有機発光素子 - Google Patents

有機発光素子 Download PDF

Info

Publication number
JP6472246B2
JP6472246B2 JP2015001212A JP2015001212A JP6472246B2 JP 6472246 B2 JP6472246 B2 JP 6472246B2 JP 2015001212 A JP2015001212 A JP 2015001212A JP 2015001212 A JP2015001212 A JP 2015001212A JP 6472246 B2 JP6472246 B2 JP 6472246B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
light emitting
compound
layer
organic light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015001212A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015195348A (ja
JP2015195348A5 (ja
Inventor
洋祐 西出
洋祐 西出
鎌谷 淳
淳 鎌谷
博揮 大類
博揮 大類
松田 陽次郎
陽次郎 松田
方規 村椿
方規 村椿
塩原 悟
悟 塩原
哲生 高橋
哲生 高橋
春奈 飯田
春奈 飯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2015001212A priority Critical patent/JP6472246B2/ja
Priority to US14/663,983 priority patent/US9705089B2/en
Publication of JP2015195348A publication Critical patent/JP2015195348A/ja
Publication of JP2015195348A5 publication Critical patent/JP2015195348A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6472246B2 publication Critical patent/JP6472246B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/04Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for exposing, i.e. imagewise exposure by optically projecting the original image on a photoconductive recording material
    • G03G15/04036Details of illuminating systems, e.g. lamps, reflectors
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/04Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for exposing, i.e. imagewise exposure by optically projecting the original image on a photoconductive recording material
    • G03G15/04036Details of illuminating systems, e.g. lamps, reflectors
    • G03G15/04045Details of illuminating systems, e.g. lamps, reflectors for exposing image information provided otherwise than by directly projecting the original image onto the photoconductive recording material, e.g. digital copiers
    • G03G15/04054Details of illuminating systems, e.g. lamps, reflectors for exposing image information provided otherwise than by directly projecting the original image onto the photoconductive recording material, e.g. digital copiers by LED arrays
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B45/00Circuit arrangements for operating light-emitting diodes [LED]
    • H05B45/60Circuit arrangements for operating LEDs comprising organic material, e.g. for operating organic light-emitting diodes [OLED] or polymer light-emitting diodes [PLED]
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/60Organic compounds having low molecular weight
    • H10K85/615Polycyclic condensed aromatic hydrocarbons, e.g. anthracene
    • H10K85/624Polycyclic condensed aromatic hydrocarbons, e.g. anthracene containing six or more rings
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/60Organic compounds having low molecular weight
    • H10K85/649Aromatic compounds comprising a hetero atom
    • H10K85/654Aromatic compounds comprising a hetero atom comprising only nitrogen as heteroatom
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/10OLEDs or polymer light-emitting diodes [PLED]
    • H10K50/17Carrier injection layers
    • H10K50/171Electron injection layers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B20/00Energy efficient lighting technologies, e.g. halogen lamps or gas discharge lamps
    • Y02B20/30Semiconductor lamps, e.g. solid state lamps [SSL] light emitting diodes [LED] or organic LED [OLED]

Description

本発明は、有機発光素子に関する。
有機発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、有機EL素子)は、一対の電極と、これら電極の間に配置される有機化合物層と、を有する電子素子である。これら一対の電極から電子及び正孔が注入され、有機化合物層内にて電子と正孔とが再結合することで発光性有機化合物の励起子が生成し、この励起子が基底状態に戻る際に、有機発光素子は光を放出する。
有機発光素子には、電極の間に少なくとも一層の有機化合物層が配置されているが、この有機化合物層を構成する層の一つとして、陰極から注入された電子を発光層へ注入・輸送する役割を果たす電子注入層がある。この電子注入層の構成材料として、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属誘導体が広く知られている。電子注入層の構成材料として、アルカリ金属又はアルカリ土類金属誘導体を用いるのは、いずれも仕事関数の小さい材料であり、かつ良好な電子注入性を示すからである。しかし、アルカリ金属及びアルカリ土類金属誘導体は、いずれも水と容易に反応する材料であることが知られており、アルカリ金属及びアルカリ土類金属誘導体を電子注入層の構成材料として有する有機発光素子は、大気中の水分に影響を受けことになる。従って、現状では、有機発光素子を厳重に封止して有機発光素子が大気中の水分に晒されないようにすることが必要である。一方、大気中の水分への影響を克服するために、封止以外の手段で有機発光素子を大気中でも安定に駆動させる方法に関して様々な研究開発がなされている。
大気中の水分に対する有機発光素子の安定性を向上させる方法の一つとして、例えば、特許文献1のように、電子注入層に、下記に示される電子ドナー性の化合物a−1と、電子アクセプター性の化合物a−2と、を導入する方法がある。
Figure 0006472246
特許文献1の有機発光素子は、電子注入層において、電子ドナー性の化合物(D分子)が電子アクセプター性の化合物(A分子)に電子を供与することで電荷(電子)が発生する。また、D分子とA分子との間で強い相互作用が起こり分極したDA錯体が生成される。これにより、特許文献1の有機発光素子は、電子の注入を行うことができる。
非特許文献1には、電子ドナー性が高い化合物として、下記に示されるビオロゲン化合物b−1が開示されている。
Figure 0006472246
米国特許出願公開第2005/0110005号明細書
J.Org.Chem.2008,73,445−450
しかし、化合物a−1(電子ドナー性化合物)のHOMOが深いため、特許文献1の有機発光素子において形成されるDA錯体のエネルギー準位が深い。従って、有機発光素子を構成する電子注入層の構成材料として、化合物a−1及びa−2を用いると、電極(陰極)から電子を受け取ることができるものの、発光層への電子注入障壁が大きく良好な発光が得られないという問題があった。一方、非特許文献1にて開示されているビオロゲン化合物b−1は、電子ドナー性が高いものの有機発光素子の構成材料への利用可能性は示唆されておらず、またビオロゲン化合物b−1自体は分子量が大きいため昇華精製が困難なものであった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされるものであり、その目的は、大気中で安定な性能を備える有機発光素子を提供することにある。
本発明の有機発光素子の第一の態様は、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置されている発光層を有する有機発光素子であって、
前記陰極と前記発光層との間に配置されている第一の有機化合物層と、前記発光層と前記第一の有機化合物層との間に配置され、かつ前記第一の有機化合物層に接している第二の有機化合物層と、を有し、
前記第一の有機化合物層が、第一の有機化合物を有し、
前記第二の有機化合物層が、第二の有機化合物を有し、
前記第一の有機化合物が、下記一般式[1]で表わされるビオロゲン化合物であり、前記第二の有機化合物が、前記ビオロゲン化合物とは別種の有機化合物であることを特徴とする。
Figure 0006472246
(式[1]において、R1乃至R6は、それぞれ水素原子又はフッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から選択される置換基を表す。尚、R1乃至R6のいずれかがアルキル基又はアルコキシ基である場合、当該アルキル基及び当該アルコキシ基は、フッ素原子をさらに有してもよい。またR1乃至R6のいずれかがアリール基又はヘテロアリール基である場合、当該アリール基及び当該ヘテロアリール基は、フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基又はアミノ基をさらに有してもよい。)
本発明の有機発光素子の第二の態様は、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置されている発光層と、を有する有機発光素子であって、
前記陰極と前記発光層との間に配置されている有機化合物層を有し、
前記有機化合物層が、第一の有機化合物と、第二の有機化合物とを有し、
前記第一の有機化合物が、下記一般式[1]で表わされるビオロゲン化合物であり、前記第二の有機化合物が、前記ビオロゲン化合物とは別種の有機化合物であることを特徴とする。
Figure 0006472246
(式[1]において、R1乃至R6は、それぞれ水素原子又はフッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から選択される置換基を表す。尚、R1乃至R6のいずれかがアルキル基又はアルコキシ基である場合、当該アルキル基及び当該アルコキシ基は、フッ素原子をさらに有してもよい。またR1乃至R6のいずれかがアリール基又はヘテロアリール基である場合、当該アリール基及び当該ヘテロアリール基は、フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基又はアミノ基をさらに有してもよい。)
本発明によれば、大気中で安定した性能を備える有機発光素子を提供することができる。
本発明の有機発光素子と、この有機発光素子に接続されている能動素子とを有する表示装置の一例を示す断面模式図である。 本発明に係る有機発光素子を有する画像形成装置の例を示す模式図である。 (a)及び(b)は、図2の画像形成装置を構成する露光光源の具体例を示す平面概略図であり、(c)は、図2の画像形成装置を構成する感光体の具体例を示す概略図である。 本発明に係る有機発光素子を有する照明装置の例を示す模式図である。
本発明は、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置されている発光層と、を有する有機発光素子に関する。本発明の有機発光素子は、下記(A)に示される第一の有機化合物層及び第二の有機化合物層、又は下記(B)に示される有機化合物層を有している。
(A)陰極と発光層との間に配置される第一の有機化合物層、及び発光層と第一の有機化合物層との間に配置され、かつ第一の有機化合物層に接している第二の有機化合物層
(B)陰極と発光層との間に配置される有機化合物層
本発明の有機発光素子が上記(A)に示される二つの層(第一の有機化合物層、第二の有機化合物層)を有する場合、第一の有機化合物層は、第一の有機化合物を有し、第二の有機化合物層は、第二の有機化合物を有する。本発明において、第一の有機化合物とは、下記一般式[1]で表わされるビオロゲン化合物である。一方、本発明において、第二の有機化合物は、下記一般式[1]のビオロゲン化合物とは別種の有機化合物である。
Figure 0006472246
尚、一般式[1]のビオロゲン化合物及び第二の有機化合物の詳細については、後述する。また本発明の有機発光素子が上記(A)に示される二つの層(第一の有機化合物層、第二の有機化合物層)を有する場合、第一の有機化合物層は、陰極に接する層であることが好ましい。
また本発明の有機発光素子が上記(B)に示される有機化合物層を有する場合、この有機化合物層には、第一の有機化合物と、第二の有機化合物とを有する。本発明において、第一の有機化合物は、一般式[1]に示されるビオロゲン化合物である。一方、第二の有機化合物は、一般式[1]に示されるビオロゲン化合物とは別種の有機化合物である。このように本発明の有機発光素子が上記(B)に示される有機化合物層を有する場合、この有機化合物層は、陰極に接する層であることが好ましい。
[有機発光素子]
以下、本発明の有機発光素子の具体的な構成について説明する。
本発明の有機発光素子は、一対の電極である陽極と陰極との間に少なくとも発光層が配置されている。本発明においては、陽極と陰極との間に、発光層と、陰極に最も近い層である電子注入層と、を有するのが好ましい。ただし、本発明において、陽極と陰極との間に配置される層としては、発光層及び電子注入層に限定されるものではない。発光層及び電子注入層の他に、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電子輸送層、エキシトンブロック層等の層を、適宜導入してもよい。
また本発明においては、例えば、電極と電極間に設けられる層(発光層等)との界面に絶縁性層、接着層あるいは干渉層を設けてもよい。さらに、電極間に設けられる層として電荷輸送層(電子輸送層もしくは正孔輸送層)が含まれる場合において、この電荷輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる複数の層から構成されていてもよい。このように、本発明の有機発光素子は、多様な層構成をとることができる。
本発明において、有機発光素子の光取り出し構成は、基板側の電極から光を取り出すトップエミッション方式でもよいし、基板と逆側から光を取り出すボトムエミッション方式でもよい。また両面から光を取り出す構成であってもよい。
[ビオロゲン化合物(第一の有機化合物、電子ドナー性化合物X)]
次に、本発明の有機発光素子の構成材料の一つである、下記一般式[1]に示されるビオロゲン化合物(第一の有機化合物)について説明する。尚、一般式[1]のビオロゲン化合物は、電子ドナー性を有する化合物であり、好ましくは、陰極と発光層との間にある層の構成材料として用いられる。より好ましくは、陰極に接する層の構成材料として用いられ、特に好ましくは、電子注入層の構成材料として用いられる。また以下の説明において、一般式[1]のビオロゲン化合物を電子ドナー性化合物Xということがある。
Figure 0006472246
一般式[1]において、R1乃至R6は、それぞれ水素原子又はフッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から選択される置換基を表す。
1乃至R6で表されるアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。
1乃至R6で表されるアルキル基として、好ましくは、炭素数1乃至12のアルキル基である。これは、アルキル基の炭素数が多くなるとその分だけ化合物全体の分子量が大きくなり昇華精製が困難となるためである。ただし、アルキル基は良質なアモルファス膜を形成するという効果がある。またアルキル基は、電子供与効果を有する置換基であるため、一般式[1]の電子ドナー性化合物Xに導入することで、化合物自体の酸化電位をより低くすることができる。
1乃至R6で表されるアルコキシ基として、メトキシ基等が挙げられる。
1乃至R6で表されるアルコキシ基として、好ましくは、炭素数1乃至12のアルコキシ基である。これは、アルキル基と同様の理由による。またアルコキシ基は、アルキル基よりも電子供与効果が大きい置換基であるため、一般式[1]の電子ドナー性化合物に導入することで、化合物自体の酸化電位をより低くすることができる。
尚、R1乃至R6のいずれかがアルキル基又はアルコキシ基である場合、当該アルキル基及び当該アルコキシ基は、フッ素原子をさらに有してもよい。即ち、当該アルキル基及び当該アルコキシ基に含まれる水素原子の少なくとも一部がフッ素原子に置換されていてもよい。このように置換基に含まれる水素原子の少なくとも一部がフッ素に置換されたアルキル基やアルコキシ基は、フッ素原子が有する疎水性効果や疎油性効果により、化合物自体が大気中の水分や酸素とより反応しにくくなり、また昇華性が向上するという効果をもたらす。
1乃至R6で表されるアリール基として、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナンスリル基、フルオレニル基等が挙げられる。
1乃至R6で表されるアリール基として、好ましくは、炭素数6乃至18のアリール基である。これは、分子量が大きくなると昇華精製が困難になるからである。炭素数6乃至18のアリール基として、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナンスリル基及びフルオレニル基が挙げられる。
1乃至R6で表されるヘテロアリール基として、例えば、ピリジル基、ビフェニルピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、トリアゾリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、キノリル基、下記に示される置換基等が挙げられる。
Figure 0006472246
またR1乃至R6のいずれかがアリール基又はヘテロアリール基である場合、当該アリール基及び当該ヘテロアリール基は、フッ素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基等のアルキル基、メトキシ基等のアルコキシ基又はアミノ基をさらに有していてもよい。
ところで、一般式[1]のビオロゲン化合物は、R1乃至R6のいずれかで表される置換基を適宜換えることで、化合物自体の物性、具体的には、酸化電位、膜性、熱安定性及び昇華性のいずれかを微調整することができる。ここで、電子供与性の置換基を導入すると酸化電位は低くなる一方で、電子吸引性の置換基を導入すると酸化電位は高くなる。尚、式[1]中の置換基(R1乃至R6)のうち、酸化電位の変化に大きく寄与するのはR1及びR2である。
本発明において、一般式[1]のビオロゲン化合物(電子ドナー性化合物X)は、単体でも有機発光素子の電子注入層の構成材料として用いることができる。これは、電極(金属電極、陰極)の上に極薄く積層させることにより電極の仕事関数が小さくなるためである。ただ、本発明においては、電子注入層に、電子ドナー性化合物Xの他に、電子ドナー性化合物Xとは別種の化合物と、を導入してもよい。また本発明においては、電子ドナー性化合物Xとは別種の化合物を含む層を、電子注入層に接するように設けてもよい。ここでいう電子ドナー性化合物Xとは別種の化合物として、好ましくは、以下に説明する電子アクセプター性化合物Yである。
[電子アクセプター性化合物Y(第二の有機化合物)]
次に、本発明の有機発光素子の構成材料の一つである第二の有機化合物について説明する。本発明において、第二の有機化合物は、好ましくは、電子注入層の構成材料である電子アクセプター性化合物Yである。本発明において、電子アクセプター性化合物Yとは、電子ドナー性化合物Xから電子を受け取り、かつこの受け取った電子を発光等の他の有機化合物層へ向けて放出する機能を有する化合物である。本発明において、電子アクセプター性化合物Yとして、好ましくは、下記一般式[2−1]乃至[2−21]、[3−1]及び[3−2]のいずれかに示される化合物である。
Figure 0006472246
式[2−1]乃至[2−21]、[3−1]及び[3−2]において、R21乃至R99及びR103乃至R159は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基及びフッ素原子から選択される置換基を表す。
21乃至R99及びR103乃至R159で表されるアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。R21乃至R99及びR103乃至R159で表されるアルキル基として、好ましくは、炭素数1乃至12のアルキル基である。
21乃至R99及びR103乃至R159で表されるアルコキシ基として、メトキシ基等が挙げられる。
21乃至R99及びR103乃至R159で表されるアリール基として、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、ベンゾフェナントリル基、クリセニル基、フルオランテニル基及びベンゾフルオランテニル基が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
21乃至R99及びR103乃至R159で表されるヘテロアリール基として、例えば、ピリジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
尚、R21乃至R99及びR103乃至R159のいずれかが、アリール基又はヘテロアリール基である場合、当該アリール基及び当該ヘテロアリール基は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基等のアルキル基、メトキシ基等のアルコキシ基、フェニル基等のアリール基、ピリジル基等のヘテロアリール基又はフッ素原子をさらに有していてもよい。
式[3−1]において、ユニットQは、式[2−1]乃至[2−21]のいずれかに示される基本構造又は炭素数6乃至30の芳香環を含む部分構造を表す。ユニットQに該当する炭素数6乃至30の芳香環を含む部分構造とは、例えば、下記(A)乃至(C)のいずれかで定義される部分構造である。ただし本発明においてはこれらに限定されるものではない。
(A)式[2−1]乃至[2−21]のいずれかに示される基本構造とアリール基とが組み合わさってなる複合置換基
(B)複数のアリール基が組み合わさってなる複合置換基
(C)sp2混成軌道の炭素原子が6個以上存在する縮合多環置換基(複数の部分構造からなる複合置換基も含む)
ユニットQに該当する部分構造の具体例として、以下の部分構造が挙げられるが、本発明においてはこれらに限定されるものではない。尚、式中、*は、後述するユニットPとの結合手を表す。
Figure 0006472246
式[3−1]において、は、0乃至6の整数を表す。
式[3−1]において、ユニットPは、下記に示される置換基のうちのいずれかである。
Figure 0006472246
(式中、R100及びR101は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基及びフッ素原子から選択される置換基を表す。尚、R100及びR101のいずれかが、アリール基又はヘテロアリール基である場合、当該アリール基及び当該ヘテロアリール基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基又はフッ素原子をさらに有していてもよい。*は、ユニットQとの結合手を表す。尚、R100及びR101の具体例は、R21乃至R99及びR103乃至R159と同様である。)
式[3−2]において、ユニットTは、炭素数6乃至30の芳香環を含む部分構造又は炭素原子と酸素原子とからなる5員環又は6員環の複素環構造を含む部分構造を表す。
ユニットTに該当する炭素数6乃至30の芳香環を含む部分構造とは、例えば、下記(A)又は(B)で定義される部分構造である。ただし本発明においてはこれらに限定されるものではない。
(A)複数のアリール基が組み合わさってなる複合置換基
(B)sp2混成軌道の炭素原子が6個以上存在する縮合多環置換基(複数の部分構造からなる複合置換基も含む)
ユニットTに該当する部分構造の具体例として、以下の部分構造が挙げられるが、本発明においてはこれらに限定されるものではない。尚、式中、★は、後述するユニットTとの結合手を表す。
Figure 0006472246
式[3−2]において、nは、0乃至6の整数を表す。
式[3−2]において、ユニットZは、下記に示される置換基のうちのいずれかである。
Figure 0006472246
(式中、R102は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基及びフッ素原子から選択される置換基を表す。尚、R102が、アリール基又はヘテロアリール基である場合、当該アリール基及び当該ヘテロアリール基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基又はフッ素原子をさらに有していてもよい。★は、ユニットTとの結合手を表す。尚、R102の具体例は、R21乃至R99及びR103乃至R159と同様である。)
一般式[2−1]乃至[2−21]のいずれかで示される化合物は、いずれも電子不足系縮合環化合物である。電子不足系縮合環化合物は、基本骨格となる縮合環のπ電子がベンゼン環に対して不足しているため、電子アクセプターとして好ましく機能する。電子不足系縮合環化合物として、例えば、ピリジン化合物(式[2−1])、ピリミジン化合物(式[2−2])、トリアジン化合物(式[2−3])、キノリン化合物(式[2−4])、ナフチリジン化合物(式[2−6])、フェナントロリン化合物(式[2−7])、フルオランテン化合物(式[2−8])、オキサゾール化合物(式[2−10]、[2−17])、チアゾール化合物(式[2−11]、[2−18])、イミダゾール化合物(式[2−12]、[2−19])、オキサジアゾール化合物(式[2−13])、チアジアゾール化合物(式[2−14])及びトリアゾール化合物(式[2−15])が挙げられる。ただし、これら化合物に限定されず、これら化合物にベンゼン環等が縮環されることで形成される化合物(式[2−5]、式[2−9]、[2−16]、[2−20]、[2−21])も電子不足系縮合環化合物として用いることができる。もちろん、これらに限定されるものではなく、電子輸送層に用いられる化合物でもよい。
一般式[3−1]及び[3−2]の化合物は、いずれも電子吸引性置換基を有する化合物である。ここで電子吸引性置換基は、置換基自体が有する電子吸引力により分子内で分極を起こすので分子全体の双極子モーメントが大きくなる。このため、電子アクセプターとして好ましく機能する。電子吸引性置換基としては、例えば、ユニットPに該当する置換基(ニトロ基、シアノ基、フッ素原子、フッ化ホウ素基、ホスホニル基、1価のフッ化アルキル基)やユニットZに該当する置換基(カルボニル基、スルホニル基、アンハイドライド基、イミド基、フッ化ホウ素基、2価以上のフッ化アルキル基等)が挙げられる。ただし、これらに限定されるものではない。
本発明において、陰極と発光層との間に、ビオロゲン化合物(電子ドナー性化合物)と、第二の有機化合物(電子アクセプター性化合物)とが含まれる有機化合物層が設けられる場合、有機化合物層内の両化合物の混合比を適宜調整するのが好ましい。具体的には、有機化合物層に含まれる第二の有機化合物(電子アクセプター性化合物)は、ビオロゲン化合物(電子ドナー性化合物)と第二の有機化合物の合計に対して、0重量%よりも大きく80重量%以下含まれるのが好ましい。
[電子ドナー性化合物と電子アクセプター性化合物との関係]
本発明においては、有機発光素子を構成する電子注入層に、上述した電子ドナー性化合物と電子アクセプター性化合物とを含ませることにより、本発明の効果を奏するものである。尚、上記電子注入層は、電子ドナー性化合物Xと電子アクセプター性化合物Yとの積層構造であっても良いし、電子ドナー性化合物Xと電子アクセプター性化合物Yとの混合層であっても良い。また本発明においては、電子ドナー性化合物Xと、電子アクセプター性化合物Yとの間で、式[4]が満たされるのが好ましい。
|Vred−Vox|≦1.0V [4]
式[4]において、Vredは、電子アクセプター性化合物Yの第一還元電位値を表し、Voxは、電子ドナー性化合物Xの第一酸化電位値を表す。尚、Vred及びVoxは、測定条件を同一にしたサイクリックボルタメトリー(CV)にて得られた酸化還元電位である。ここで、測定条件を同一にするとは、溶媒、電解質、作用電極、参照電極、カウンター電極、温度及び濃度を同一にするということである。また酸化還元電位を測定・評価する際には、一般的に用いられている酸化還元波の半波電位値(E1/2)を用いる。
さらに本発明においては、電子ドナー性化合物Xと、電子アクセプター性化合物Yとの間で、式[5]が満たされるのが好ましい。
|Vred−Vox|≦0.5V [5]
本発明の有機発光素子は、素子を構成する電子注入層に、電子ドナー性化合物X(ビオロゲン化合物)と、電子アクセプター性化合物Yとが含まれているため、大気中でも安定に駆動するという有効な効果が得られる。
ところで有機発光素子を構成する電子注入層には、以下に列挙される3つの性能の内、少なくとも(i)及び(iii)の性能が求められる。
(i)陰極から電子を受け取る能力(もしくは陰極に正孔を与える能力)
(ii)(層内において)電荷(電子)を輸送する能力
(iii)陰極とは反対側に位置する有機化合物層(例えば、電子輸送層、正孔ブロック層及び発光層)へ電子を注入する能力
上記(i)乃至(iii)の特性の内、少なくとも(i)及び(iii)の性能を有していないと、陰極から注入された電子を発光層へ注入することができないので、発光層からの良好な発光が得られない。尚、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属又はこれらの誘導体を構成材料として用いた電子注入層は上記(i)乃至(iii)の特性を全て備えているが、大気に含まれる成分、特に水と容易に反応し、結果として電子注入層が変質するため好ましくない。
特許文献1にて開示されている有機発光素子も、電子注入層に電子ドナー性化合物と電子アクセプター性化合物とが含まれているが、良好な発光が得られていない。その理由を以下に説明する。
一般的に、陰極と有機化合物層(例えば、電子輸送層、正孔ブロック層及び発光層)との間には大きいエネルギー障壁がある。特許文献1にて開示されている電子ドナー性化合物(化合物a−1)のHOMO及び電子アクセプター性化合物(化合物a−2)のLUMOは、いずれも−4.5eVであり、一般的に陰極として用いられているアルミニウムの仕事関数(4.3eV)とほぼ同等である。従って、例えば、有機発光素子において発光材料として標準的に用いられているAlq3のLUMO(−3.3eV)とのエネルギー障壁が大きくなる。これにより、特許文献1に記載のDA錯体を有機発光素子を構成する電子注入輸送性を有する層(電子輸送層、電子注入層)に導入したとしても、素子を駆動させるために要する電圧が高くなり、結果として発光層からの良好な発光は得られない。
これに対して、本発明の有機発光素子において電子注入層の構成材料として用いられる電子ドナー性化合物(ビオロゲン化合物)は、電子ドナー性が高く、第一酸化電位が低く、HOMOが浅い(真空準位に近づく方向)という特長を有する。
ここで、第一酸化電位及びHOMO、第一還元電位及びLUMOの間に、それぞれ相関関係があると仮定して、酸化還元電位という観点から下記に示される化合物について考察する。
Figure 0006472246
同一の条件で上記化合物についてCV測定を行ったところ、化合物a−1の第一酸化電位は0.3Vであり、化合物B1は−1.2Vであった。これにより、化合物B1の第一酸化電位が化合物a−1のよりも1.5V小さいため、化合物B1の方が電子ドナー性が高いことがわかる。従って、電子ドナー性化合物として、一般式[1]のビオロゲン化合物を採用し、電子注入層内にてDA錯体を形成する状態にすることで、有機化合物層(例えば、電子輸送層、正孔ブロック層、発光層)への電子注入能力が高くなる。その結果、発光層からの良好な発光が得られる。
本発明の有機発光素子において、電子注入層には、電子ドナー性化合物X(ビオロゲン化合物)と電子アクセプター性化合物Yとの混合膜、及び電子ドナー性化合物X(ビオロゲン化合物)と電子アクセプター性化合物Yとが積層されてなる積層膜が含まれる。これにより、いずれにしても電子ドナー性化合物Xから電子アクセプター性化合物Yへの電荷移動、もしくは両化合物の強い相互作用のために分極したDA錯体の生成が起こる。ここでこれら相互作用は、電子ドナー性化合物XのHOMOと電子アクセプター性化合物YのLUMOとの間で起こる。また電子注入層が積層構造の場合、電子アクセプター化合物と電子ドナー性化合物との間で電荷が発生するため電極(陰極)から電子を受け取りやすい。一方、混合層の場合、DA錯体がキャリアを有するので層自体の電荷移動度が高くなる。従って、本発明の有機発光素子を構成する電子注入層は、電子注入能力に加えて電子輸送能力に優れている。
またDA錯体の関係性について、一般的に、電子ドナー性化合物Xの酸化電位と電子アクセプター性化合物Yの還元電位とが近ければ近いほど、D−A間でより強く相互作用することが知られている。
従って、具体的には、一般式[4]に示されるように、CV測定による電位差(|Vred−Vox|)が1.0V以内であることが好ましい。この電位差は、一般式[5]に示されるように、0.5V以内であることがより好ましい。この電位差をより小さくすることによりD−A間における相互作用がさらに強いなるためである。
非特許文献1に開示されている下記に示される化合物b−1は、電子ドナー性が高いビオロゲン化合物である。
Figure 0006472246
しかし、この化合物b−1は分子量が大きく、昇華精製が困難である。その理由からか、この化合物b−1は有機発光素子等の電子デバイスへの応用例が示されていない。一般に、有機発光素子の構成材料として用いられる化合物は、素子の耐久性を向上させるために、高純度のものを用いる必要がある。従って、対象となる化合物が化合物自体の純度を向上させるための手段(の1つ)である昇華精製が可能かどうかは重要である。
この点、一般式[1]の電子ドナー性化合物X(ビオロゲン化合物)は、化合物b−1と比較して分子量が小さいため、昇華精製も可能である。
ところで、一般的に、電子ドナー性が高く、第一酸化電位が小さい有機化合物は、大気中では酸化されやすいという傾向にある。しかしながら、電子ドナー性化合物Xとして用いられるビオロゲン化合物は、大気中でも速やかに酸化されずに安定に存在する化合物である。従って、本発明の有機発光素子は、電子ドナー性が高い化合物が含まれているにも関わらず、大気中に含まれる酸素等の有機発光素子の劣化に関係する因子に対しても安定である。
以上より、本発明の有機発光素子を構成する電子注入層は、陰極からの電子注入、電子輸送、有機化合物層(例えば、電子輸送層、正孔ブロック層及び発光層)への電子注入を良好に行うことができる。また電子注入層に、一般式[1]の電子ドナー性化合物X(ビオロゲン化合物)と、電子アクセプター性化合物Yとを導入し、かつ化合物Xと化合物Yとの間で式[4]を満たすことで、大気中で安定な有機発光素子を提供することができる。
[電子ドナー性化合物Xの具体例]
本発明の有機発光素子の構成材料として用いられる電子ドナー性化合物X(ビオロゲン化合物)の具体例を以下に示す。ただし本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
Figure 0006472246
Figure 0006472246
Figure 0006472246
Figure 0006472246
Figure 0006472246
Figure 0006472246
[例示化合物(電子ドナー性化合物X)の性質]
以下、電子ドナー性化合物Xの具体例として列挙されている化合物について説明する。
ところで、電子ドナー性化合物Xは、基本骨格であるビオロゲン骨格に導入する置換基の種類や数によって、化合物自体の物性、具体的には、酸化電位、膜性、熱安定性及び昇華性のいずれかを微調整することができる。これら物性は、使用用途により適宜選択することができる。
上記例示化合物は、すべてビオロゲン基本骨格を有するため、いずれも高い電子ドナー性を有する化合物である。そのため、大気安定性が高くなる化合物が好ましい。本発明において、特に、大気安定性が高くなる化合物群としては、下記に示される2種類の化合物が挙げられる。尚、下記一般式[6]の化合物は、列挙されている例示化合物のうち、C群又はD群の化合物を含んでおり、下記一般式[7]の化合物は、列挙されている例示化合物のうち、B群の化合物を含んでいる。
Figure 0006472246
一般式[6]において、Ar1及びAr2は、それぞれアリール基を表す。
Ar1及びAr2で表されるアリール基として、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、ベンゾフェナントリル基、クリセニル基及びフルオランテニル基等が挙げられる。
また、当該アリール基は、フッ素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基等のアルキル基、メトキシ基等のアルコキシ基又はアミノ基をさらに有していてもよい。
一般式[6]の化合物は、ビオロゲン主骨格の平面性を高くし、さらに置換基としてスタック効果の高いアリール基が置換されていることで、分子間スタック性を高めることにより、大気の侵入を抑制することができるため、好ましい。
一般式[7]において、R201乃至R206は、それぞれ、フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基及びアリール基から選択される置換基を表す。
201乃至R206で表されるアルキル基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基及びtert−ブチル基等が挙げられる。
201乃至R206で表されるアルコキシ基として、メトキシ基等が挙げられる。
201乃至R206で表されるアリール基として、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、ベンゾフェナントリル基、クリセニル基及びフルオランテニル基等が挙げられる。
また、当該アリール基は、フッ素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基等のアルキル基、メトキシ基等のアルコキシ基又はアミノ基をさらに有していてもよい。
一般式[7]の化合物は、ビオロゲン骨格の窒素原子に結合する炭素原子上に、疎水性の高い置換基であるフッ素基、アルキル基、アルコキシ基及びアリール基のいずれかが置換されている。これにより、酸化されやすい置換位置をキャップし、化合物の酸化を抑制することができるため、好ましい。これは、3級アミンの窒素は高い電子供与性があり、その効果をより受けたsp2炭素原子の反応性が高くなるためである。
また一般式[7]の化合物のうち、下記一般式[8]で示される化合物が好ましい。
Figure 0006472246
一般式[8]において、R203乃至R206は、すべてアリール基であり、R211乃至R220は、それぞれ水素原子又はフッ素原子、アルキル基、アルコキシ基及びアリール基から選択される置換基を表す。
尚、当該アリール基は、フッ素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリーブチル基等のアルキル基、メトキシ基等のアルコキシ基又はアミノ基をさらに有していてもよい。
一般式[8]に示されるように、R203乃至R206が、すべてアリール基の場合、一般式[7]中のR201及びR202はフェニル基であることが好ましい。これは、昇華精製及び立体的なかさ高さの観点から、R203乃至R206がすべてアリール基の場合、化合物の分子量が大きくなり、立体的にもかさ高くなるため、一般式[7]中のR201及びR202は、アリール基の中でも最も小さいフェニル基が好ましいためである。
[電子アクセプター性化合物の具体例]
本発明の有機発光素子の構成材料として用いられる電子アクセプター性化合物の具体例を以下に示す。ただし本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
Figure 0006472246
Figure 0006472246
Figure 0006472246
[有機発光素子のその他の構成材料]
本発明の有機発光素子において、素子に含まれる構成材料として、上述した電子ドナー性化合物X及び電子アクセプター性化合物Yの他に、公知の化合物を使用することができる。以下にこれらの化合物例を挙げる。
正孔注入輸送性材料としては、陽極からの正孔の注入を容易にして、かつ注入された正孔を発光層へ輸送できるように正孔移動度が高い材料が好ましい。また有機発光素子中において結晶化等の膜質の劣化を防ぐために、ガラス転移点温度が高い材料が好ましい。正孔注入輸送性能を有する低分子系材料及び高分子系材料としては、トリアリールアミン誘導体、アリールカルバゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられる。さらに上記の正孔注入輸送性材料は、電子阻止層にも好適に使用される。
以下に、正孔注入輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない
Figure 0006472246
発光層の構成材料のうち、主に発光機能に関わる発光材料としては、縮環化合物(例えば、フルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、テトラセン誘導体、アントラセン誘導体、ルブレン等)、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、イリジウム錯体、白金錯体、レニウム錯体、銅錯体、ユーロピウム錯体、ルテニウム錯体、及びポリ(フェニレンビニレン)誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体等の高分子誘導体が挙げられる。
以下に、発光材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 0006472246
発光層に含まれるホストあるいはアシスト材料(発光アシスト材料)としては、芳香族炭化水素化合物もしくはその誘導体の他、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機ベリリウム錯体等が挙げられる。
以下に、発光層に含まれるホスト(発光層ホスト)あるいは発光アシスト材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 0006472246
電子輸送性材料としては、陰極から注入された電子を発光層へ輸送することができるものから任意に選ぶことができ、正孔輸送性材料の正孔移動度とのバランス等を考慮して適宜選択される。電子輸送性能を有する材料としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、クリセン誘導体、アントラセン誘導体等)が挙げられる。さらに上記の電子輸送性材料は、正孔阻止層にも好適に使用される。
以下に、電子輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 0006472246
電子注入性材料としては、陰極からの電子注入が容易に可能なものから任意に選ぶことができ、正孔注入性とのバランス等を考慮して選択される。電子注入性材料としては、既に説明した電子ドナー性化合物(ビオロゲン化合物)や、n型ドーパント及び還元性ドーパントも含まれる。このような電子注入性能を有する材料としては、上記ビオロゲン化合物以外にも、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属土類錯体、希土類金属の酸化物、希土類金属のハロゲン化物、希土類金属錯体等が挙げられる。
陽極の構成材料としては仕事関数がなるべく大きなものがよい。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン等の金属単体あるいはこれらを組み合わせた合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。またポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーも使用できる。
これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また、陽極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
一方、陰極の構成材料としては仕事関数の小さなものがよいが、これらに限定されるものではない。例えば、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム、金等の金属単体が挙げられる。あるいはこれら金属単体を組み合わせた合金も使用することができる。例えば、マグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム、アルミニウム−マグネシウム等が使用できる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また陰極は一層構成でもよく、多層構成でもよい。
本発明の有機発光素子において、光取り出し構成としては、ボトムエミッション構成(基板側から光を取り出す構成)であってもよいし、トップエミッション構成(基板の反対側から光を取り出す構成)であってもよい。ボトムエミッション構成の場合、基板側に設けられる第1電極は光透過性電極又は半透過性電極となる一方で基板とは反対側に設けられる第2電極は光反射性電極となる。また、トップエミッション構成の場合、第1電極は光反射性電極となる一方で第2電極は光透過性電極又は半透過性電極となる。光反射性電極としては、厚膜(80nm以上600nm以下)にした金属導電層を用いることができる。また、半透過性電極としては、薄膜(15nm〜35nm)化した金属導電層を用いることができる。
本発明の有機発光素子は、酸素や水分等の接触を抑制する目的で封止を行うことが好ましい。本発明の有機発光素子を封止する手段として、例えば、有機発光素子の上に封止層を設ける方法が挙げられる。有機発光素子を封止するための封止層の構成材料としては、SiO2、SiN、SiON等の無機酸化物、無機窒化物、無機窒化酸化物、フッ素樹脂、ポリパラキシレン、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂等の高分子化合物、光硬化性樹脂等の材料が挙げられる。また、第2電極の上に、ALD(原子層堆積法)で形成された部材を封止層とすることができる。
また、第2電極上に、光学干渉層等の有機膜層を形成することもできる。
本発明の有機発光素子を構成する有機化合物層(正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等)は、以下に示す方法により形成される。
本発明の有機発光素子を構成する有機化合物層は、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマ等のドライプロセスを用いることができる。またドライプロセスに代えて、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により層を形成するウェットプロセスを用いることもできる。
ここで真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成すると、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
[有機発光素子の用途]
本発明の有機発光素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも、電子写真方式の画像形成装置の露光光源や液晶表示装置のバックライト、白色光源にカラーフィルターを有する発光装置等の用途がある。カラーフィルターは、例えば、赤、緑、青の3つの色が透過するフィルターが挙げられる。
本発明の表示装置は、本発明の有機発光素子を表示部に有する。尚、この表示部は複数の画素を有する。
そしてこの画素は、本発明の有機発光素子と、発光輝度を制御するための能動素子(スイッチング素子)又は増幅素子の一例であるトランジスタとを有し、この有機発光素子の陽極又は陰極とトランジスタのドレイン電極又はソース電極とが電気接続されている。ここで表示装置は、PC等の画像表示装置として用いることができる。上記トランジスタとして、例えば、TFT素子が挙げられ、このTFT素子は、例えば、基板の絶縁性表面に設けられている。
表示装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの画像情報を入力する画像入力部を有し、入力された画像を表示部に表示する画像情報処理装置でもよい。
また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部は、タッチパネル機能を有していてもよい。このタッチパネル機能の駆動方式は特に限定されない。
また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられていてもよい。
照明装置は、例えば、室内を照明する装置である。照明装置は白色(色温度が4200K)、昼白色(色温度が5000K)、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってもよい。
本発明の照明装置は、本発明の有機発光素子と、この有機発光素子と接続し、有機発光素子に駆動電圧を供給するためのAC/DCコンバーター回路(交流電圧を直流電圧に変換する回路)とを有している。尚、この照明装置は、カラーフィルターをさらに有してもよい。
本発明の画像形成装置は、感光体とこの感光体の表面を帯電させる帯電手段と、感光体を露光して静電潜像を形成するための露光手段と、感光体の表面に形成された静電潜像を現像するための現像器とを有する画像形成装置である。ここで画像形成装置に備える露光手段は、本発明の有機発光素子を含んでいる。
また本発明の有機発光素子は、感光体を露光するための露光装置の構成部材として使用することができる。本発明の有機発光素子を有する露光装置は、例えば、本発明の有機発光素子を所定の方向に沿って列を形成して配置されている露光装置がある。
次に、図面を参照しながら本発明の表示装置について説明する。図1は、有機発光素子とこの有機発光素子に接続されるTFT素子とを有する表示装置の例を示す断面模式図である。尚、図1の表示装置1を構成する有機発光素子として、本発明の有機発光素子が用いられている。
図1の表示装置1は、ガラス等の基板11とその上部にTFT素子又は有機化合物層を保護するための防湿膜12が設けられている。また符号13は金属のゲート電極13である。符号14はゲート絶縁膜14であり、15は半導体層である。
TFT素子18は、半導体層15とドレイン電極16とソース電極17とを有している。TFT素子18の上部には絶縁膜19が設けられている。コンタクトホール20を介して有機発光素子を構成する陽極21とソース電極17とが接続されている。
尚、有機発光素子に含まれる電極(陽極、陰極)とTFTに含まれる電極(ソース電極、ドレイン電極)との電気接続の方式は、図1に示される態様に限られるものではない。つまり陽極又は陰極のうちいずれか一方とTFT素子ソース電極またはドレイン電極のいずれか一方とが電気接続されていればよい。
図1の表示装置1では多層の有機化合物層を1つの層の如く図示をしているが、有機化合物層22は、複数層であってよい。陰極23の上には有機発光素子の劣化を抑制するための第一の保護層24や第二の保護層25が設けられている。
図1の表示装置1が白色を発する表示装置の場合、図1中の有機化合物層22に含まれる発光層は、赤色発光材料、緑色発光材料及び青色発光材料を混合してなる層としてもよい。また赤色発光材料からなる層、緑色発光材料からなる層、青色発光材料からなる層をそれぞれ積層させてなる積層型の発光層としてもよい。さらに別法として、赤色発光材料からなる層、緑色発光材料からなる層、青色発光材料からなる層を横並びにするなりして一の発光層の中にドメインを形成した態様であってもよい。
図1の表示装置1ではスイッチング素子としてトランジスタを使用しているが、これに代えてMIM素子をスイッチング素子として用いてもよい。
また図1の表示装置1に使用されるトランジスタは、単結晶シリコンウエハを用いたトランジスタに限らず、基板の絶縁性表面上に活性層を有する薄膜トランジスタでもよい。また活性層として単結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタ、活性層としてアモルファスシリコンや微結晶シリコン等の非単結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタ、活性層としてインジウム亜鉛酸化物やインジウムガリウム亜鉛酸化物等の非単結晶酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタ、活性層として有機材料からなる膜を用いた有機トランジスタ等も使用可能である。尚、薄膜トランジスタはTFT素子とも呼ばれる。
本実施形態に係るスイッチング素子(能動素子)は、そのチャネル部に酸化物半導体を有していてもよい。このスイッチング素子において、チャネル部に含まれる酸化物半導体は、アモルファス状態であってもよいし結晶状態であってもよく、あるいは両者(アモルファス、結晶)が混在した状態であってもよい。ここでチャネル部に含まれる酸化物半導体が結晶状態である場合、この結晶の具体的な態様としては、単結晶、微結晶、C軸等の特定軸が配向している結晶等がある。ただしこの結晶の具体的な態様としては上述した態様のうちの1種類に限定されるものではなく、少なくとも上述した態様のうちの複数(例えば、2種類)が組み合わさったものも当然に含まれる。このようなスイッチング素子を有する有機発光素子は、それぞれの有機発光素子が画素として設けられる画像表示装置に用いられてもよく、あるいは照明装置、レーザービームプリンタ、複写機等の電子写真方式の画像形成装置の感光体を露光する露光部として用いられてもよい。
図1の表示装置1に含まれるトランジスタは、Si基板等の基板内に形成されていてもよい。ここで基板内に形成されるとは、Si基板等の基板自体を加工してトランジスタを作製することを意味する。つまり、基板内にトランジスタを有することは、基板とトランジスタとが一体に形成されていると見ることもできる。
基板内にトランジスタを設けるかどうかについては、精細度によって選択される。例えば、1インチでQVGA程度の精細度の場合はSi基板内に有機発光素子を設けることが好ましい。
以上の説明の通り、本発明の有機発光素子を用いた表示装置を駆動することにより、良好な画質で、長時間安定な表示が可能になる。
次に、本発明の有機発光素子の他の用途について説明する。図2は、本発明に係る有機発光素子を有する画像形成装置の例を示す模式図である。図2の画像形成装置26は、感光体27と、露光光源28と、現像器30と、帯電部31と、転写器32と、搬送ローラー33と、定着器33と、を有している。
図2の画像形成装置26は、露光光源28から感光体27へ向けて光29が照射され、感光体27の表面に静電潜像が形成される。図2の画像形成装置26において、露光光源28は、本発明に係る有機発光素子を有している。また図2の画像形成装置26において、現像部である現像器30は、トナー等の現像剤を有しており、感光体27へ現像剤を付与する。図2の画像形成装置26において、帯電部31は、感光体27を帯電させるために設けられている。図2の画像形成装置26において、転写器32は、現像された画像を紙等の記録媒体34に転写するために設けられている。尚、記録媒体34は、搬送ローラー33によって転借32へ搬送される。図2の画像形成装置26において、定着器35は、記録媒体34に形成された画像を定着させるために設けられている。
図3(a)及び図3(b)は、図2の画像形成装置26を構成する露光光源の具体例を示す平面概略図であり、図3(c)は、図2の画像形成装置26を構成する感光体の具体例を示す概略図である。尚、図3(a)及び図3(b)は、露光光源28に有機発光素子を含む発光部36(発光点)が長尺状の基板28aに複数配置されている点で共通している。また符合37の矢印は、発光部36が配列されている列方向を表わす。この列方向は、感光体27が回転する軸の方向と同じである。
ところで図3(a)において露光光源28が複数有する発光部36は、感光体27の長軸方向に沿って配置した形態である。一方、図3(b)では、第一の列αと第二の列βとのそれぞれにおいて発光部36が列方向に交互に配置されている形態である。図3(b)において、第一の列α及び第二の列βは、それぞれ行方向に異なる位置に配置されている。
また図3(b)において、第一の列αは、複数の発光部36αが一定の間隔を空けて配置される一方で、第二の列βは、第一の列αに含まれる発光部36α同士の間隔に対応する位置に発光部36βを有する。即ち、図3(b)の露光光源は、行方向にも、複数の発光部が一定の間隔を空けつつ配置されている。
尚、図3(b)の露光光源は、露光光源を構成する発光部(36α、36β)を、例えば、格子状、千鳥格子、あるいは市松模様に配置されている状態と言い換えることもできる。
図4は、本発明に係る有機発光素子を有する照明装置の例を示す模式図である。図4の照明装置は、基板(不図示)の上に設けられる有機発光素子38と、AC/DCコンバーター回路39と、を有している。また図4の照明装置は、装置内の熱を外部へ放出する放熱部に相当する放熱板(不図示)を、例えば、有機発光素子38が載置されている側とは反対側の基板面に有していてもよい。
以下、実施例により本発明を説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではない。
[電子ドナー性化合物X(ビオロゲン化合物)]
本発明の有機発光素子を作製する際に使用した電子ドナー性化合物Xであるビオロゲン化合物は、既存の方法で合成した。具体的には、下記反応式に示されるように、ビオロゲン化合物の前駆体であるハロゲン塩を還元することにより得た。
Figure 0006472246
上記ハロゲン塩の還元方法としては、例えば、(i)亜鉛を用いた還元法、(ii)次亜硫酸イオンを用いた還元法等がある。ここで例示化合物C1の合成を具体例として、上記(i)及び(ii)について説明する。尚、例示化合物C1の合成スキームは、下記に示される通りである。
Figure 0006472246
<亜鉛を用いた還元法(方法(i))>
反応容器内に、化合物C1−preと、亜鉛粉末と、エタノールとを投入した後、反応溶液を8時間加熱環流することにより、例示化合物C1が得られた。
<次亜硫酸イオンを用いた還元法(方法(ii))>
反応容器内に、化合物C1−preと、10%アンモニア水と、次亜硫酸ナトリウムと、エタノールとを投入した後、反応溶液を室温で1時間撹拌することにより、例示化合物C1が得られた。
[CV測定]
電子ドナー性化合物Xの前駆体であるハロゲン塩及び電子アクセプター化合物を対象として、CV測定を行った。具体的な測定条件を以下に列挙する。
・測定環境(ガス雰囲気):窒素雰囲気
・電解液:0.1Mテトラブチルアンモニウム過塩素酸塩のDMF溶液
・参照電極:Ag/Ag+
・対極:Pt
・作用電極:グラッシーカーボン
・測定装置:電気化学アナライザー(ALS社製、モデル660C)
・挿引速度:1.0V/s
上述した測定条件下で得られた電子アクセプター性化合物Yの第一還元電位(Vred)及び電子ドナー性化合物Xの第一酸化電位値(Vox)を、表2に示す。尚、Vred及びVoxにおいては、測定誤差を考慮して、測定値の小数点第二位が0、1、2、8及び9の場合は小数点第二位を0と、3、4、5、6及び7の場合は小数点第二位を5とした。
[実施例1]
本実施例(実施例1)では、基板の上に、陽極、正孔輸送層、電子ブロッキング層、発光層、電子輸送層、電子注入層及び陰極がこの順で形成されているボトムエミッション構成の有機発光素子を、以下に説明する方法により作製した。
スパッタ法により、ガラス基板の上に、酸化錫インジウム(ITO)を成膜して陽極を形成した。このとき陽極の膜厚を120nmとした。次に、陽極が形成されている基板を、アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、次いでIPAで煮沸洗浄後乾燥した。さらに、UV/オゾン洗浄した。以上の方法で処理した基板を、透明導電性支持基板(ITO基板)として、次の工程で使用した。
次に、このITO基板の上に、下記表1に示される層及び電極層を、10-5Paの真空チャンバー内で抵抗加熱による真空蒸着によって連続的に成膜した。このとき対向する電極面積は3mm2になるように作製した。
Figure 0006472246
得られた有機発光素子について、輝度が100cd/m2となるように駆動させたところ、発光効率が1.3cd/Aであり、赤色発光が観測された。
[実施例2乃至実施例7]
実施例1において、電子注入層の構成材料を、下記表2に示される様に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた有機発光素子について、実施例1と同様の方法で素子特性を評価した。結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例1において、電子ドナー性化合物として、例示化合物C1の代わりに、下記に示される化合物a−1を用いたことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた有機発光素子について、実施例1と同様の方法で素子特性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006472246
Figure 0006472246
[実施例8乃至11]
実施例1において、発光層の構成材料を、下記表3に示されるように変更したことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた有機発光素子について、実施例1と同様の方法で素子特性を評価した。結果を表3に示す。
Figure 0006472246
[実施例12乃至15]
実施例1において、電子注入層の構成材料を、下記表4に示される様に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた有機発光素子について、実施例1と同様の方法で素子特性を評価した。結果を表4に示す。
Figure 0006472246
[実施例16]
基板の上に、陽極、正孔輸送層、電子ブロッキング層、発光層、正孔ブロッキング層、電子注入輸送層及び陰極がこの順で形成されている以下のようなボトムエミッション構成の有機発光素子を作製した。尚、本実施例の有機発光素子を構成する電子注入輸送層は、電子注入層及び電子輸送層の機能を兼ね備えた層である。
実施例1で作製したITO基板の上に、下記表5に示される層及び電極層を、10-5Paの真空チャンバー内で抵抗加熱による真空蒸着によって連続的に成膜した。このとき対向する電極面積は3mm2になるように作製した。
Figure 0006472246
得られた有機発光素子について、輝度が100cd/m2となるように駆動させたところ、発光効率が3.6cd/Aであり、赤色発光が観測された。
[実施例17乃至19、及び比較例2]
実施例16において、電子注入輸送層の構成材料を、下記表6に示される様に変更したことを除いては、実施例16と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた有機発光素子について、実施例16と同様の方法で素子特性を評価した。結果を表6に示す。
Figure 0006472246
[実施例20]
本実施例では、実施例16において、金属電極層(陰極)の構成材料を、銀に変更したことを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。
得られた有機発光素子について、輝度が100cd/m2となるように駆動させたところ、発光効率が4.2cd/Aであり、赤色発光が観測された。
[実施例21乃至23]
実施例20において、電子注入輸送層の構成材料を、下記表7に示される様に変更したことを除いては、実施例20と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた有機発光素子について、実施例20と同様の方法で素子特性を評価した。結果を表7に示す。
Figure 0006472246
[実施例24]
本実施例では、基板上に、第1電極(陽極)と、正孔輸送層、電子ブロック層、発光層、正孔ブロック層、電子注入輸送層と、第2電極(陰極)とがこの順で形成されているトップエミッション構成の有機発光素子を、以下に説明する方法により作製した。
ガラス基板(基板)上に、スパッタ法によりアルミニウム金属と酸化錫インジウム(ITO)をこの順番で積層成膜して陽極である第1電極を形成した。このとき第1電極を構成するアルミニウム膜の膜厚を100nmとし、第1電極を構成するITO膜の膜厚を30nmとした。次に、第1電極が形成されている基板を、アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)で順次超音波洗浄し、次いでIPAで煮沸洗浄後乾燥した。さらに、UV/オゾン洗浄することで、ITO基板を得た。
次に、このITO基板上に、下記表8に示される層及び陰極である第2電極を、10-5Paの真空チャンバー内で抵抗加熱による真空蒸着によって連続的に成膜した。このとき対向する第1電極と第2電極とが重なりあう発光面積が4mm2になるように作製した。
Figure 0006472246
尚、本実施例で作製した有機発光素子において、第2電極は光半透過性電極であり、反射率や吸収、導電率を考慮して、アルミニウム(5nm)と銀(25nm)とからなる積層電極とした、また、光学干渉を利用して光取り出し効率を向上させるキャビティ構成であり、干渉条件が合うように各層の膜厚を決めた。
得られた有機発光素子について、輝度が100cd/m2となるように駆動させたところ、発光効率が3.7cd/Aであり、赤色発光が観測された。
[結果と考察]
実施例に示されるように、電子注入層が、電子ドナー性の化合物である一般式[1]のビオロゲン化合物Xと電子アクセプター性化合物Yとを有する混合膜とすることで、電極(陰極)からの電子注入が可能となり、発光層からの発光を得ることができる。
以上のように、本発明の有機発光素子には、電子注入層に、電子ドナー性ビオロゲン化合物X(一般式[1]のビオロゲン化合物)と、電子アクセプター性化合物Yと、を有する。このため、本発明の有機発光素子は大気に対して安定な素子である。
18:TFT素子、21:陽極、22:有機化合物層、23:陰極

Claims (22)

  1. 陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置されている発光層を有する有機発光素子であって、
    前記陰極と前記発光層との間に配置されている第一の有機化合物層と、前記発光層と前記第一の有機化合物層との間に配置され、かつ前記第一の有機化合物層に接している第二の有機化合物層と、を有し、
    前記第一の有機化合物層が、第一の有機化合物を有し、
    前記第二の有機化合物層が、第二の有機化合物を有し、
    前記第一の有機化合物が、下記一般式[1]で表わされるビオロゲン化合物であり、前記第二の有機化合物が、前記ビオロゲン化合物とは別種の有機化合物であることを特徴とする、有機発光素子。
    Figure 0006472246
    (式[1]において、R1乃至R6は、それぞれ水素原子又はフッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から選択される置換基を表す。尚、R1乃至R6のいずれかがアルキル基又はアルコキシ基である場合、当該アルキル基及び当該アルコキシ基は、フッ素原子をさらに有してもよい。またR1乃至R6のいずれかがアリール基又はヘテロアリール基である場合、当該アリール基及び当該ヘテロアリール基は、フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基又はアミノ基をさらに有してもよい。)
  2. 前記第一の有機化合物層が、前記陰極に接する層であることを特徴とする、請求項1に記載の有機発光素子。
  3. 陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置されている発光層と、を有する有機発光素子であって、
    前記陰極と前記発光層との間に配置されている有機化合物層を有し、
    前記有機化合物層が、第一の有機化合物と、第二の有機化合物とを有し、
    前記第一の有機化合物が、下記一般式[1]で表わされるビオロゲン化合物であり、前記第二の有機化合物が、前記ビオロゲン化合物とは別種の有機化合物であることを特徴とする、有機発光素子。
    Figure 0006472246
    (式[1]において、R1乃至R6は、それぞれ水素原子又はフッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から選択される置換基を表す。尚、R1乃至R6のいずれかがアルキル基又はアルコキシ基である場合、当該アルキル基及び当該アルコキシ基は、フッ素原子をさらに有してもよい。またR1乃至R6のいずれかがアリール基又はヘテロアリール基である場合、当該アリール基及び当該ヘテロアリール基は、フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基又はアミノ基をさらに有してもよい。)
  4. 前記有機化合物層が、前記陰極に接する層であることを特徴とする、請求項3に記載の有機発光素子。
  5. 前記第二の有機化合物が、前記ビオロゲン化合物と前記第二の有機化合物との合計に対して、0重量%より大きく80重量%以下含まれることを特徴とする、請求項3又は4に記載の有機発光素子。
  6. 前記ビオロゲン化合物と、前記第二の有機化合物とにおいて、
    下記式[4]を満たすことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の有機発光素子。
    |Vred−Vox|≦1.0V [4]
    (式[4]において、Voxは、前記ビオロゲン化合物の第一酸化電位値を表し、Vredは、前記第二の有機化合物の第一還元電位値を表す。)
  7. 下記式[5]を満たすことを特徴とする、請求項6に記載の有機発光素子。
    |Vred−Vox|≦0.5V [5]
  8. 前記第二の有機化合物が、下記一般式[2−1]乃至[2−21]、[3−1]及び[3−2]のいずれかに示される化合物であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の有機発光素子。
    Figure 0006472246
    (式[2−1]乃至[2−21]、[3−1]及び[3−2]において、R21乃至R99及びR103乃至R159は、それぞれ水素原子又はアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基及びフッ素原子から選択される置換基を表す。尚、R21乃至R99及びR103乃至R159のいずれかが、アリール基又はヘテロアリール基である場合、当該アリール基及び当該ヘテロアリール基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基又はフッ素原子をさらに有していてもよい。
    式[3−1]において、ユニットQは、式[2−1]乃至[2−21]のいずれかに示される基本構造又は炭素数6乃至30の芳香環を含む部分構造を表す。は、0乃至6の整数を表す。ユニットPは、下記に示される置換基のうちのいずれかである。
    Figure 0006472246
    (式中、R100及びR101は、それぞれ水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基及びフッ素原子から選択される置換基を表す。尚、R100及びR101のいずれかが、アリール基又はヘテロアリール基である場合、当該アリール基及び当該ヘテロアリール基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基又はフッ素原子をさらに有していてもよい。*は、ユニットQとの結合手を表す。)
    式[3−2]において、ユニットTは、炭素数6乃至30の芳香環を含む部分構造又は炭素原子と酸素原子とからなる5員環又は6員環の複素環構造を含む部分構造を表す。nは、0乃至6の整数を表す。ユニットZは、下記に示される置換基のうちのいずれかである。
    Figure 0006472246
    (式中、R102は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基及びフッ素原子から選択される置換基を表す。尚、R102が、アリール基又はヘテロアリール基である場合、当該アリール基及び当該ヘテロアリール基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基又はフッ素原子をさらに有していてもよい。★は、ユニットTとの結合手を表す。))
  9. 前記ビオロゲン化合物が、下記一般式[6]に示される化合物であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の有機発光素子。
    Figure 0006472246
    (一般式[6]において、Ar1及びAr2は、それぞれフッ素原子、アルキル基、アルコキシ基又はアミノ基を有していてもよいアリール基を表す。)
  10. 前記ビオロゲン化合物が、下記一般式[8]に示される化合物であることを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の有機発光素子。
    Figure 0006472246
    (一般式[8]において、R203乃至R206は、すべてアリール基であり、R211乃至R220は、それぞれ水素原子又はフッ素原子、アルキル基、アルコキシ基及びアリール基から選択される置換基を表す。尚、当該アリール基は、フッ素原子、アルキル基、アルコキシ基又はアミノ基をさらに有してもよい。)
  11. 前記R 1 乃至R 6 で表されるアリール基が、炭素数6乃至18のアリール基であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  12. 前記R 1 乃至R 6 で表されるアルキル基が、炭素数1乃至12のアルキル基であり、前記R 1 乃至R 6 で表されるアルコキシ基が、炭素数1乃至12のアルコキシ基であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  13. 前記R 1 乃至R 6 で表されるヘテロアリール基が、ピリジル基、ビフェニルピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、トリアゾリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、キノリル基、下記置換基のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の有機発光素子。
    Figure 0006472246
  14. 複数の画素を有し、
    前記複数の画素のうち少なくとも1つが、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に接続されている能動素子と、を有することを特徴とする、表示装置。
  15. 前記能動素子がトランジスタであり、前記トランジスタは、活性層に酸化物半導体を有することを特徴とする、請求項14に記載の表示装置。
  16. 画像情報を入力する入力部と、画像を表示する表示部とを有し、
    前記表示部が、請求項14又は15に記載の表示装置であることを特徴とする、画像情報処理装置。
  17. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に駆動電圧を供給するためのAC/DCコンバーターと、を有することを特徴とする、照明装置。
  18. 前記有機発光素子が、トランジスタと接続されており、
    前記トランジスタは、活性層に酸化物半導体を有することを特徴とする、請求項17に記載の照明装置。
  19. 感光体と前記感光体を帯電させる帯電部と、前記感光体を露光する露光部と、前記感光体に現像剤を付与する現像部と、を有し、
    前記露光部が、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする、画像形成装置。
  20. 前記有機発光素子が、トランジスタと接続されており、
    前記トランジスタは、活性層に酸化物半導体を有することを特徴とする、請求項19に記載の画像形成装置。
  21. 感光体を露光するための露光装置であって、
    前記露光装置は、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する発光点を複数有し、
    前記発光点は、前記感光体の長軸方向に沿って列を形成して配置されていることを特徴とする、露光装置。
  22. 前記有機発光素子が、トランジスタと接続されており、
    前記トランジスタは、活性層に酸化物半導体を有することを特徴とする、請求項21に記載の露光装置。
JP2015001212A 2014-03-24 2015-01-07 有機発光素子 Active JP6472246B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015001212A JP6472246B2 (ja) 2014-03-24 2015-01-07 有機発光素子
US14/663,983 US9705089B2 (en) 2014-03-24 2015-03-20 Organic light emitting element

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014060339 2014-03-24
JP2014060339 2014-03-24
JP2015001212A JP6472246B2 (ja) 2014-03-24 2015-01-07 有機発光素子

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015195348A JP2015195348A (ja) 2015-11-05
JP2015195348A5 JP2015195348A5 (ja) 2018-02-08
JP6472246B2 true JP6472246B2 (ja) 2019-02-20

Family

ID=54142932

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015001212A Active JP6472246B2 (ja) 2014-03-24 2015-01-07 有機発光素子

Country Status (2)

Country Link
US (1) US9705089B2 (ja)
JP (1) JP6472246B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6444046B2 (ja) 2013-04-03 2018-12-26 キヤノン株式会社 有機化合物及び有機発光素子
JP6448369B2 (ja) 2014-02-03 2019-01-09 キヤノン株式会社 有機発光素子
JP6552201B2 (ja) 2015-01-19 2019-07-31 キヤノン株式会社 有機発光素子
WO2019194298A1 (ja) 2018-04-05 2019-10-10 出光興産株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
CN110369391A (zh) * 2019-07-13 2019-10-25 深圳市大柏光电子科技有限公司 一种清洗led封装载体有害元素的工艺
JP7379097B2 (ja) * 2019-11-07 2023-11-14 キヤノン株式会社 有機化合物及び有機発光素子

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2681960B2 (ja) * 1988-01-28 1997-11-26 ソニー株式会社 カラー記録紙
JP3237282B2 (ja) * 1993-03-18 2001-12-10 住友化学工業株式会社 有機エレクトロルミネッセンス素子
US6828439B1 (en) * 1999-02-26 2004-12-07 Advanced Research And Technology Institute, Inc. Compounds, composition, and methods for photodynamic therapy
WO2003022908A1 (fr) 2001-09-04 2003-03-20 Canon Kabushiki Kaisha Composes de poids moleculaire eleve et dispositifs luminescents organiques
JP4298517B2 (ja) 2002-03-08 2009-07-22 キヤノン株式会社 有機発光素子
JP2005078828A (ja) * 2003-08-28 2005-03-24 Konica Minolta Holdings Inc 照明装置および照明装置の駆動方法
US7061011B2 (en) 2003-11-26 2006-06-13 The Trustees Of Princeton University Bipolar organic devices
JP2008127446A (ja) 2006-11-20 2008-06-05 Canon Inc 1,5−ナフチリジン化合物及び有機発光素子
JP5043404B2 (ja) 2006-11-20 2012-10-10 キヤノン株式会社 ヘテロ環化合物及び有機発光素子
JP2008137978A (ja) 2006-12-05 2008-06-19 Canon Inc カルバゾール誘導体及びこれを用いた有機発光素子
JP5058588B2 (ja) 2006-12-26 2012-10-24 キヤノン株式会社 アザフルオレン誘導体及びこれを用いた有機発光素子
JP4939207B2 (ja) 2006-12-27 2012-05-23 キヤノン株式会社 カルバゾール化合物及びそれを用いた有機発光素子
JP5053713B2 (ja) 2007-05-30 2012-10-17 キヤノン株式会社 リン光発光材料、それを用いた有機電界発光素子及び画像表示装置
JP2009040728A (ja) 2007-08-09 2009-02-26 Canon Inc 有機金属錯体及びこれを用いた有機発光素子
JP2010093048A (ja) * 2008-10-08 2010-04-22 Seiko Epson Corp 発光装置及び画像形成装置
JP5669539B2 (ja) 2010-12-01 2015-02-12 キヤノン株式会社 キノリノ[3,2,1−kl]フェノキサジン化合物及びこれを用いた有機発光素子
JP5669550B2 (ja) 2010-12-10 2015-02-12 キヤノン株式会社 インドロフェノキサジン化合物及びこれを用いた有機発光素子
JP5649716B2 (ja) * 2011-03-10 2015-01-07 パナソニック株式会社 光電気素子
JP2013142804A (ja) * 2012-01-11 2013-07-22 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 表示装置及び表示装置の駆動方法。
EP2752908A4 (en) * 2012-05-31 2015-07-08 Lg Chemical Ltd ORGANIC LIGHT-EMITTING DIODE
JP6016482B2 (ja) * 2012-07-03 2016-10-26 キヤノン株式会社 ジベンゾキサンテン化合物、有機発光素子、表示装置、画像情報処理装置及び画像形成装置
JP2014051448A (ja) * 2012-09-06 2014-03-20 Canon Inc ナフト[1,2−b]トリフェニレン化合物およびそれを有する有機発光素子

Also Published As

Publication number Publication date
US9705089B2 (en) 2017-07-11
JP2015195348A (ja) 2015-11-05
US20150270493A1 (en) 2015-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6472246B2 (ja) 有機発光素子
KR101580357B1 (ko) 함질소 헤테로환 화합물 및 이를 포함한 유기 전자소자
JP6207632B2 (ja) 新規な化合物およびこれを用いた有機電子素子
JP6226728B2 (ja) 有機発光素子及び表示装置
WO2012086366A1 (en) Fused polycyclic compound and organic light emitting device using the same
JP6444046B2 (ja) 有機化合物及び有機発光素子
JP6448369B2 (ja) 有機発光素子
US9842997B2 (en) Organic light emitting element and display device
JP2014086463A (ja) 新規縮合多環化合物
JP6552201B2 (ja) 有機発光素子
JP2016015388A (ja) インデノベンゾアントラセン誘導体を用いた有機発光素子
US9991451B2 (en) Organic light-emitting device, display apparatus, image display apparatus, lighting apparatus, image formation apparatus, and exposure apparatus
JP6271853B2 (ja) 有機発光素子、表示装置、画像情報処理装置及び画像形成装置
JP6552257B2 (ja) 1位、1’位、3位、3’位に複素単環基を有する、2,2’−ビベンゾ[d]イミダゾリデン化合物、それを有する有機発光素子、表示装置
JP2017019730A (ja) ピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物及びこれを有する有機素子及び有機発光素子
JP2017039653A (ja) 有機化合物及びそれを有する有機発光素子
JP2017039654A (ja) 有機化合物及びそれを用いた有機発光素子
JP2015153993A (ja) 有機発光素子
JP2015227299A (ja) 有機化合物、有機発光素子及び表示装置
JP6525551B2 (ja) 金属錯体化合物、それを有する有機発光素子及び表示装置
JP2015214526A (ja) 新規有機化合物及びそれを有する有機発光素子
JP2015153984A (ja) 有機発光素子
JP2016082009A (ja) 有機発光素子及び表示装置
JP2015115450A (ja) 有機発光素子
JP2017008011A (ja) アルキル鎖の架橋構造を有するビス(ベンゾイミダゾール‐2‐イリデン)化合物、それを有する有機発光素子、表示装置、画像情報処理装置、照明装置、画像形成装置、露光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171220

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190122

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6472246

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151