JP2017019730A - ピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物及びこれを有する有機素子及び有機発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機発光素子用の新規なピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物の提供。【解決手段】式[1]で示されるピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物。(R1はアルキル基、アルコキシ基、アリール基又はヘテロアリール基、R2〜R4は各々独立にH、F、アルキル、アルコキシ、アリール等;Ar1はアリール基又ヘテロアリール基;R5〜R10は、各々独立にH、F又はアルキル;nは0〜2の整数)【選択図】なし

Description

本発明は、ピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物及びこれを有する有機素子及び有機発光素子に関する。
有機素子の開発が盛んに行われている。有機素子は有機発光素子に代表されるように、有機化合物を有した電子素子である。有機化合物に求められるのは、電気的性能であると同時に、化学的な安定性である。有機発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子、有機EL素子、OLED素子等呼ばれている。有機発光素子も使用する有機化合物の化学的な安定性が求められている。
非特許文献1には、電子ドナー性が高い化合物として、下記に示される化合物b−1が開示されている。この化合物a−1は、電子ドナー性が高く、化学反応における還元剤として用いられている。
Beilstein J.Org.Chem.2012,8,994−1002
非特許文献1において、化合物b−1は電子ドナー性が高いことが示されているものの、大気下で不安定であり化合物の単離はされていない。また有機発光素子への利用可能性について何ら記載も示唆もされていない。
本発明は、有機素子、とりわけ有機発光素子に適用可能な、大気中で安定なピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物を提供する。
よって本発明は、下記一般式[1]で示されることを特徴とするピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物を提供する。
一般式[1]において、Rは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から選択される置換基を表す。R乃至Rは、それぞれ水素原子又はフッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から選択される置換基を表す。Arは、アリール基及びヘテロアリール基から選択される置換基を表す。なお、前記アリール基又は前記ヘテロアリール基はそれぞれ独立に、フッ素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリブチル基、メトキシ基の少なくともいずれかをさらに有していてもよい。
乃至R10は、それぞれ水素原子又はフッ素原子及びアルキル基から選択される置換基を表す。
nは、0乃至2の整数から選ばれる。
本発明によれば、大気中で安定なピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物を提供することができる。さらに、ピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物を有する有機発光素子をはじめとする有機素子を提供することができる。
本発明の有機発光素子と、この有機発光素子に接続されている能動素子とを有する表示装置の一例を示す断面模式図である。 本発明に係る有機発光素子を有する画像形成装置の例を示す模式図である。 (a)及び(b)は、図2の画像形成装置を構成する露光光源の具体例を示す平面概略図であり、(c)は、図2の画像形成装置を構成する感光体の具体例を示す概略図である。 本発明に係る有機発光素子を有する照明装置の例を示す模式図である。
本発明のピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物は下記式[1]で示される。
一般式[1]において、Rは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から選択される置換基を表す。R乃至Rは、それぞれ水素原子又はフッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から選択される置換基を表す。Arは、アリール基及びヘテロアリール基から選択される置換基を表す。なお、前記アリール基又は前記ヘテロアリール基はそれぞれ独立に、フッ素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリブチル基、メトキシ基の少なくともいずれかをさらに有していてもよい。
乃至R10は、それぞれ水素原子又はフッ素原子及びアルキル基から選択される置換基を表す。
nは、0乃至2の整数から選ばれる。
アルキル基としては、炭素原子数1以上4以下のアルキル基を上げることができる。より好ましくはメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、セカンダリブチル基及びターシャリブチル基である。
アルコキシ基としては、炭素数1乃至4のアルコキシ基であり、より好ましくはメトキシ基である。
アルキル基又はアルコキシ基はフッ素原子をさらに有してもよい。即ち、アルキル基及びアルコキシ基に含まれる水素原子の少なくとも一部がフッ素原子に置換されていてもよい。
アリール基としては、炭素原子数6以上18以下のアリール基であり、より好ましくはフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、ナフチル基、フェナンスリル基、フルオレニル基及びフルオランテニル基である。
ヘテロアリール基としては、例えばピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、フェニルピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、トリアジニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基及びキサンテニル基を挙げることができる。
尚、アリール基又はヘテロアリール基は、フッ素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリブチル基等のアルキル基、メトキシ基等のアルコキシ基をさらに有していてもよい。
本発明のピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物は、以下の性質のいずれも有する化合物である。
(1)低い酸化電位(もしくは浅いHOMO準位)
(2)大気安定性(大気下での取り扱い可能)
これらを、本発明に係る例示化合物A1と非特許文献1に記載のa−1を比較することで説明する。
例示化合物A1は以下の構造式で示される。
酸化電位が低いもしくは浅いHOMO準位を有する、ということは、電子ドナー性が高いことを示す。電子ドナー性が高いと、例えば、有機発光素子の電子注入層に用いた場合、電子輸送層のLUMOへと電子移動が起こることにより電荷を発生させることができる。また、電極と接している場合、電極と相互作用して真空準位シフトを起こし電極の仕事関数を低下させることができる。これらにより、効率良く電子注入させることができ、低電圧での素子駆動が可能となる。
一般的に、電子ドナー性が高く、酸化電位が小さい有機化合物は、大気中では酸化されやすいという傾向にある。そのため、比較対象のa−1も電子ドナー性が高いことが示されているものの、大気下で不安定であり化合物の単離はされていない。
一方、A1に示されるような本発明のピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物は、低い酸化電位を有し、かつ、大気中でも取り扱うことができる化合物である。
本発明者らは酸化安定性を高くする方法は以下の2つを挙げることが出来ると考える。
1つ目は、酸素との反応性が低下する準位までHOMO深(酸化電位が高くなることと同定義)にする、ということである。
実施例に記載のCV測定により、DMFと電解質の溶液下で脱気を行わずに測定するとで、酸素の還元電位が−1.20V(vsフェロセン)であることがわかった。したがって、電子ドナーの酸化電位は酸素の還元電位である−1.20Vよりも高くなることが好ましい。本発明の実施例に示すように、例示化合物A1の酸化電位は−1.03V(vsフェロセン)であった。
一方、非特許文献1に記載の化合物a−1の酸化電位は−1.54V(vsフェロセン)と記載されている。酸化電位が低くなっている要因は、R2の置換位置に置換している強い電子供与性のジメチルアミノ基である。R2の置換位置にジメチルアミノ基が置換していると、酸素の還元電位より酸化電位を高くすることや酸化安定性を高くすることが困難である。したがって、ジメチルアミノ基を有さない例示化合物A1の方が、高い酸化安定性を有する。
2つ目は、酸素と容易に反応する置換位置に置換基を導入することにより、酸素との反応速度を低下させる、ということである。ピリジニリデンベンゾイミダゾール基本骨格は、電子供与性の高い窒素原子の影響により、エチレン(オレフィン)部位の電子密度が高くなっている。一般的に、電子密度が高いエチレン(オレフィン)部位は、反応性が高く、酸素との付加反応が起こりやすい。そのため、A1は、置換位置R1及びR2の位置に置換基を導入することにより、酸素との反応性を低下させることができる。
一方、比較対象のa−1は、R1の置換位置が水素原子であり、容易に酸素との反応が起こり、酸化安定性が低いと考えられる。したがって、反応性の高い置換位置に置換基を導入している例示化合物A1の方が、高い酸化安定性を有する。また、比較例1に示す化合物c−1のように、R1及びR2が水素原子の化合物は、大気下で取り扱うことができなかったことからも、R1及びR2に導入された置換基の効果が示唆される。さらに、置換位置R3及びR4もエチレン(オレフィン)部位であり、置換基を有していた方がより好ましい。
これらCV測定による酸化電位、有機発光素子に用いた場合の電子注入性及び大気安定性をまとめると、以下表1のようになる。
※酸化電位に関しては、比較できるようにフェロセン基準として換算している。
測定条件や換算方法は実施例1に記載している。
以上より、例示化合物A1は、比較化合物のb−1より大気安定性が高く大気下でも取り扱いが可能でき、かつ、高い電子ドナー性を有する化合物である。
以上の性質を有するピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物は、電子の授受が行われる有機発光素子に好ましく用いることができる。それは、酸化電位が低いもしくはHOMOが浅く、電子ドナー性が高いためである。電子ドナー性が高いと、電子ドナー性化合物のHOMOから周辺の有機化合物のLUMOまたは電極に対して電子移動が起こり、素子内に電荷を発生させることができるためである。
また、有機発光素子以外の有機素子にも応用することができる。例えば、有機受光素子や有機光電変換素子や有機蓄電素子や有機トランジスタ等の有機半導体素子等が挙げられる。
ピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物を有機発光素子に用いた場合、特に電子注入層を構成する材料であることが好ましい。これは、本発明の化合物は電子ドナー性が高く、電極から電子輸送層もしくは発光層へ効率良く電子を流すことができ、素子の駆動電圧を低電圧化させることができるためである。この時、本発明の化合物を含む電子注入層は電極と接していることが好ましく、電子注入層は本発明のピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物のみから構成されていても良いし、他の化合物と混合されていても良い。また、本発明の化合物を有機発光素子の電荷発生層を構成する材料として用いることもできる。
[有機化合物の例示]
ピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物の具体例を以下に示す。ただし本発明はこれら具体例に限定されるものではない。
[例示化合物の性質]
本発明に係るピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物の例示化合物をA群乃至D群として示した。
上記の例示化合物は、ピリジニリデンベンゾイミダゾールを基本骨格として、一般式[1]におけるR乃至Rに置換基が導入されているため、すべて高い電子ドナー性を有し、かつ、大気安定性が高い化合物である。
例示化合物群は、置換基の位置と種類によってグループ分けされている。
化合物群A群は、置換基がすべて炭化水素からなる化合物群である。したがって、化学的安定性、電気化学的安定性が特に高く、また、基本骨格の低い酸化電位を保持することができる化合物群である。したがって、A群の例示化合物群を電子ドナー材料として用いることで、よりLUMOの浅い周辺材料へ電子供与することができる。
さらに、炭化水素からなるアルキル基及びアリール基は、疎水性が高く、ピリジニリデンベンゾイミダゾール骨格の電子密度が高い部分を立体的に保護することができる。そのため、化合物群A群は、より高いドナー性を有し、かつ、大気安定性を有する化合物群である。また、アルキル基の導入により、有機溶媒への溶解性、膜性及び昇華性が向上する効果も付与することができる。
化合物群B群は、電子吸引基が付与したアリール基が置換している化合物群である。したがって、例えば、フッ素原子やシアノ基のような電子吸引基を導入することでピリジニリデンベンゾイミダゾール骨格の電子密度を低下させ、酸化電位を高くすることができる。これにより、B群の例示化合物群は、より大気安定性が高い化合物群である。したがって、B群の例示化合物群を電子ドナー材料として用いることで、より大気安定性の高い有機素子が得られる。
さらに、フッ素原子は撥水性を有するため耐水性が高くなり、また、分子間相互作用を軽減する効果があるため昇華性が高くなる効果がある。シアノ基は強い電子吸引基であるため、分子内の分極が大きくなり分子間相互作用が強くなる効果がある。
化合物群C群は、ヘテロアリール基が置換している化合物群である。したがって、ヘテロ原子の電子的効果により、酸化電位や双極子モーメント等の物性を変えることができる化合物群である。例えば、電子不足系であるピリジル基を置換すると、電子吸引基として働き、ピリジニリデンベンゾイミダゾール骨格の電子密度を低下させ、酸化電位を高くすることができる。また、ヘテロ原子の電子的効果により、分子内の分極が大きくなり分子間相互作用を強くすることができる。これらにより、化合物群C群を電子ドナー材料として用いることで、周辺有機材料や電極に対してより強く相互作用するため、分子間での電荷分離効果が高くなる。
化合物群D群は、一般式[1]に示す架橋アルキル基のnが0及び2の化合物群である。架橋アルキル基の炭素数が大きくなるにつれて、ピリジニリデンベンゾイミダゾール平面のねじれが大きくなり、酸化電位を高くする効果がある。
n=0であるエチレン架橋の化合物群は、主骨格の平面性が高いため、最も酸化電位が小さくなる。ただし、イミダゾール骨格に対してアルキルブロミドを付加させる反応時及びピリジン骨格に付加させる反応時に、臭化水素の脱離反応が競争反応として起こるために、収率が低下する。(合成ルート参照)
n=2であるブタン架橋の化合物群は、臭化水素の脱離反応が起こりにくいが、主骨格の平面性が低いため、最も酸化電位が高くなる。
したがって、酸化電位が低く、臭化水素の脱離反応も起こりにくい、n=1である化合物群A乃至C群がより好ましい。
A乃至C群の例示化合物群は、一般式[2]に示される化合物である。これは一般式[1]に示される化合物の、nが1である場合である。
一般式[2]において、Rは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から選択される置換基を表す。R乃至Rは、それぞれ水素原子又はフッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から選択される置換基を表す。Arは、アリール基及びヘテロアリール基から選択される置換基を表す。なお、前記アリール基又はヘテロアリール基は、フッ素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリブチル基等のアルキル基、メトキシ基等のアルコキシ基をさらに有していてもよい。
乃至R10は、それぞれ水素原子又はフッ素原子及びアルキル基から選択される置換基を表す。
さらに、置換基として、ターシャリブチル基等のアルキル基が置換すると、その疎水性とかさ高さから大気安定性が向上する効果が大きい。したがって、ターシャリブチル基がすくなくとも1つ置換している化合物は、大気安定性がより高くなるため好ましい。
ターシャリブチル基が置換した例示化合物群は、一般式[2]におけるR乃至R10及びArにおいて、少なくとも1つはターシャリブチル基を有している化合物である。具体的には、R乃至R及びArが、アリール基及びヘテロアリール基から選択され、前記アリール基及びヘテロアリール基は、少なくとも1つターシャリブチル基を置換している化合物である。
[合成ルートの説明]
合成ルートの一例を説明する。以下に反応式を記す。
中間体E3の合成は、例えばDMF溶媒中、KCOおよび触媒としてCuI、1,10−フェナントロリン存在下、E1とE2を加熱反応させることにより行うことができる。
中間体E6の合成は、例えばトルエン溶媒中、CsCOおよび触媒としてPd(OAc)、s−phos存在下、E3とE5を加熱反応させることにより行うことができる。
中間体E7の合成は、例えばDMF溶媒中、KCOおよび触媒としてCuI、1,10−フェナントロリン存在下、E4とE2を加熱反応させることにより行うことができる。
中間体E9の合成は、例えばCHCN溶媒中、E6とE8を加熱反応させることにより行うことができる。
中間体E10の合成は、例えばCHCN溶媒中、E7とE8を加熱反応させることにより行うことができる。
中間体E12の合成は、例えばDMF溶媒中、E9とE11を加熱反応させることにより行うことができる。
中間体E13の合成は、例えばDMF溶媒中、E10とE11を加熱反応させることにより行うことができる。
例示化合物の合成は、例えばDMF溶媒中、NaHとE12またはE13を室温で反応させることにより行うことができる。
E2、E5、E8、E11をそれぞれ変えることで種々のピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物を合成することができる。その具体例を表2に示す。表2の右に最終生成物である例示化合物の番号を示す。
[有機発光素子の説明]
有機発光素子は一対の電極である陽極と陰極とそれらの間に配置されている有機化合物層とを有し、この有機化合物層が式[1]で示される有機化合物を有する素子である。
本実施形態に係る有機発光素子が有する有機化合物層は、単層であっても複数層であっても構わない。
ここで、複数層とは、本発明に係るピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物を有する層と、それとは別の層を意味する。別の層とは正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層、エキシトンブロック層の少なくともいずれか1層である。
有機発光素子は上述の発光層、すなわち有機発光層を有している。有機発光素子は、発光層を有さなくてもよい。その場合、上記のピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物を有する層、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層、エキシトンブロック層の少なくともいずれか2層が接し、その接触部分において発光すればよい。
本実施形態に係る有機発光素子の構成はこれらに限定されるものではない。例えば、電極と有機化合物層界面に絶縁性層を設ける、接着層あるいは干渉層を設ける、電子輸送層もしくは正孔輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる二層から構成される多様な層構成をとることができる。
有機発光素子は、ピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物の他に、公知の化合物を有してよい。以下にこれらの化合物例を挙げる。
正孔注入輸送性材料としては、陽極からの正孔の注入を容易にして、かつ注入された正孔を発光層へ輸送できるように正孔移動度が高い材料が好ましい。また有機発光素子中において結晶化等の膜質の劣化を防ぐために、ガラス転移点温度が高い材料が好ましい。正孔注入輸送性能を有する低分子及び高分子系材料としては、トリアリールアミン誘導体、アリールカルバゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられる。さらに上記の正孔注入輸送性材料は、電子阻止層にも好適に使用される。
以下に、正孔注入輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
発光層の構成材料のうち、主に発光機能に関わる発光材料としては、縮環化合物(例えば、フルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、テトラセン誘導体、アントラセン誘導体、ルブレン等)、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、イリジウム錯体、白金錯体、レニウム錯体、銅錯体、ユーロピウム錯体、ルテニウム錯体、及びポリ(フェニレンビニレン)誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体等の高分子誘導体が挙げられる。
以下に、発光材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
発光層に含まれるホストあるいはアシスト材料(発光アシスト材料)としては、芳香族炭化水素化合物もしくはその誘導体の他、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機ベリリウム錯体等が挙げられる。
以下に、発光層に含まれるホスト(発光層ホスト)あるいは発光アシスト材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
電子輸送性材料としては、陰極から注入された電子を発光層へ輸送することができるものから任意に選ぶことができ、正孔輸送性材料の正孔移動度とのバランス等を考慮して適宜選択される。電子輸送性能を有する材料としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、クリセン誘導体、アントラセン誘導体等)が挙げられる。さらに上記の電子輸送性材料は、正孔阻止層にも好適に使用される。
以下に、電子輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
電子注入性材料としては、陰極からの電子注入が容易に可能なものから任意に選ぶことができ、正孔注入性とのバランス等を考慮して選択される。電子注入性材料としては、既に説明した電子ドナー性化合物(ピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物)や、n型ドーパント及び還元性ドーパントも含まれる。電子注入性能を有する材料としては、本実施形態に係るピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物以外にも挙げることができる。例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属土類錯体、希土類金属の酸化物、希土類金属のハロゲン化物、希土類金属錯体等である。
陽極の構成材料としては仕事関数がなるべく大きなものがよい。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン等の金属単体あるいはこれらを組み合わせた合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。またポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーも使用できる。
これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また、陽極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
一方、陰極の構成材料としては仕事関数の小さなものがよいが、これらに限定されるものではない。例えば、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム、金等の金属単体が挙げられる。あるいはこれら金属単体を組み合わせた合金も使用することができる。例えばマグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム、アルミニウム−マグネシウム等が使用できる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また陰極は一層構成でもよく、多層構成でもよい。
光が取り出されるための素子の構成としては、ボトムエミッション構成(素子を配置する基板側から光を取り出す構成)であってもよいし、トップエミッション構成(基板の反対側から光を取り出す構成)であってもよい。ボトムエミッション構成の場合、基板側に設けられる第1電極は光透過性電極又は半透過性電極である一方で基板とは反対側に設けられる第2電極は光反射性電極である。また、トップエミッション構成の場合、第1電極は光反射性電極である一方で第2電極は光透過性電極又は半透過性電極である。光反射性電極としては、厚膜(80nm以上600nm以下)にした金属導電層を用いることができる。また、半透過性電極としては、薄膜(15nm〜35nm)化した金属導電層を用いることができる。
有機発光素子は、酸素や水分等の接触を抑制する目的で封止を行うことが好ましい。有機発光素子を封止する手段として、例えば、有機発光素子の上、具体的には、第2電極の上に封止層を設ける方法が挙げられる。封止層の構成材料としては、SiO、SiN、SiON等の無機酸化物、無機窒化物、無機窒化酸化物、フッ素樹脂、ポリパラキシレン、ポリエチレン、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂等の高分子化合物、光硬化性樹脂等の材料が挙げられる。また、第2電極の上に、ALD(原子層堆積法)で形成された部材を封止層とすることができる。
また、第2電極上に、光学干渉層等の有機膜層を形成することもできる。
有機発光素子を構成する各層(正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等)は、以下に示す方法により形成される。
例えば真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマ等のドライプロセスを用いる方法である。あるいは溶媒に溶解させたスピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等のウェットプロセスを用いる方法である。
ドライプロセスもウエットプロセスも、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。またウエットプロセスの場合、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
[有機発光素子の用途]
本発明の有機発光素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも、電子写真方式の画像形成装置の露光光源や液晶表示装置のバックライト、白色光源にカラーフィルターを有する発光装置等の用途がある。カラーフィルターは、例えば、赤、緑、青の3つの色が透過するフィルターが挙げられる。
本発明の表示装置は、本発明の有機発光素子を表示部に有する。尚、この表示部は複数の画素を有する。
そしてこの画素は、本発明の有機発光素子と、発光輝度を制御するための能動素子(スイッチング素子)又は増幅素子の一例であるトランジスタとを有し、この有機発光素子の陽極又は陰極とトランジスタのドレイン電極又はソース電極とが電気接続されている。ここで表示装置は、PC等の画像表示装置として用いることができる。上記トランジスタとして、例えば、TFT素子が挙げられ、このTFT素子は、例えば、基板の絶縁性表面に設けられている。またこのTFT素子は、透明酸化物半導体からなる電極を有するのが好ましい。
表示装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの画像情報を入力する画像入力部を有し、入力された画像を表示部に表示する画像情報処理装置でもよい。
また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部は、タッチパネル機能を有していてもよい。このタッチパネル機能の駆動方式は特に限定されない。
また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
照明装置は、例えば、室内を照明する装置である。照明装置は白色(色温度が4200K)、昼白色(色温度が5000K)、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってもよい。
本発明の照明装置は、本発明の有機発光素子と、この有機発光素子と接続し有機発光素子に駆動電圧を供給するAC/DCコンバーター回路(交流電圧を直流電圧に変換する回路)とを有している。尚、この照明装置は、カラーフィルターをさらに有してもよい。
本発明の画像形成装置は、感光体とこの感光体の表面を帯電させる帯電部と、感光体を露光して靜電潜像を形成するための露光部と、感光体の表面に形成された静電潜像を現像するための現像器とを有する画像形成装置である。ここで画像形成装置に備える露光手段、例えば、露光器は、本発明の有機発光素子を含んでいる。
また本発明の有機発光素子は、感光体を露光するための露光器の構成部材(発光部材)として使用することができる。本発明の有機発光素子を有する露光器は、例えば、本発明の有機発光素子を所定の方向に沿って列を形成して配置されている露光装置がある。
次に、図面を参照しながら本発明の表示装置につい説明する。図1は、有機発光素子とこの有機発光素子に接続されるスイッチング素子(TFT素子)とを有する表示装置の例を示す断面模式図である。尚、図1の表示装置1を構成する有機発光素子として、本発明の有機発光素子が用いられている。
図1の表示装置1は、ガラス等の基板11とその上部にスイッチング素子となるTFT素子18又は有機化合物層を保護するための防湿膜12が設けられている。また符号13は金属のゲート電極13である。符号14はゲート絶縁膜14であり、15は半導体層である。
TFT素子18は、半導体層15とドレイン電極16とソース電極17とを有している。TFT素子18の上部には絶縁膜19が設けられている。コンタクトホール20を介して有機発光素子を構成する陽極21とソース電極17とが接続されている。
尚、有機発光素子に含まれる電極(陽極、陰極)とTFTに含まれる電極(ソース電極、ドレイン電極)との電気接続の方式は、図1に示される態様に限られるものではない。つまり陽極又は陰極のうちいずれか一方とTFT素子ソース電極又はドレイン電極のいずれか一方とが電気接続されていればよい。
図1の表示装置1では多層の有機化合物層を1つの層の如く図示をしているが、有機化合物層22は、複数層であってよい。陰極23の上には有機発光素子の劣化を抑制するための第一の保護層24や第二の保護層25が設けられている。
図1の表示装置1が白色を発する表示装置の場合、図1中の有機化合物層22に含まれる発光層は、赤色発光材料、緑色発光材料及び青色発光材料を混合してなる層としてもよい。また赤色発光材料からなる層、緑色発光材料からなる層、青色発光材料からなる層をそれぞれ積層させてなる積層型の発光層としてもよい。さらに別法として、赤色発光材料からなる層、緑色発光材料からなる層、青色発光材料からなる層を横並びにするなりして一の発光層の中にドメインを形成した態様であってもよい。
図1の表示装置1ではスイッチング素子としてトランジスタを使用しているが、これに代えてMIM素子をスイッチング素子として用いてもよい。
また図1の表示装置1に使用されるトランジスタは、単結晶シリコンウエハを用いたトランジスタに限らず、基板の絶縁性表面上に活性層を有する薄膜トランジスタでもよい。また活性層として単結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタ、活性層としてアモルファスシリコンや微結晶シリコン等の非単結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタ、活性層としてインジウム亜鉛酸化物やインジウムガリウム亜鉛酸化物等の非単結晶酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタ、活性層として有機材料からなる膜を用いた有機トランジスタ等も使用可能である。尚、薄膜トランジスタはTFT素子とも呼ばれる。
本実施形態に係るスイッチング素子は、そのチャネル部に酸化物半導体を有していてもよい。
このスイッチング素子は酸化物半導体部がアモルファスでも結晶でもあるいは両者の混在でもよい。結晶は単結晶、微結晶、あるいはC軸等の特定軸が配向している結晶のいずれか、あるいは少なくともいずれか2種の混合でもよい。
このようなスイッチング素子を有する有機発光素子は、それぞれの有機発光素子が画素として設けられる画像表示装置に用いられてもよい。あるいは照明装置、レーザービームプリンタ、複写機等の電子写真方式の画像形成装置の感光体を露光する露光部として用いられてもよい。
図1の表示装置1に含まれるトランジスタは、Si基板等の基板内に形成されていてもよい。ここで基板内に形成されるとは、Si基板等の基板自体を加工してトランジスタを作製することを意味する。つまり、基板内にトランジスタを有することは、基板とトランジスタとが一体に形成されていると見ることもできる。
基板内にトランジスタを設けるかどうかについては、精細度によって選択される。例えば、1インチでQVGA程度の精細度の場合はSi基板内に有機発光素子を設けることが好ましい。
以上の説明の通り、本発明の有機発光素子を用いた表示装置を駆動することにより、良好な画質で、長時間安定な表示が可能になる。
次に、本発明の有機発光素子の他の用途について説明する。図2は、本発明に係る有機発光素子を有する画像形成装置の例を示す模式図である。図2の画像形成装置26は、感光体27と、露光光源28と、現像器30と、帯電部31と、転写器32と、搬送ローラー33と、定着器33と、を有している。
図2の画像形成装置26は、露光光源28から感光体27へ向けて光29が照射され、感光体27の表面に静電潜像が形成される。図2の画像形成装置26において、露光光源28は、本発明に係る有機発光素子を有している。また図2の画像形成装置26において、現像部である現像器30は、トナー等の現像剤を有しており、感光体27へ現像剤を付与する。図2の画像形成装置26において、帯電部31は、感光体27を帯電させるために設けられている。図2の画像形成装置26において、転写器32は、現像された画像を紙等の記録媒体34に転写するために設けられている。尚、記録媒体34は、搬送ローラー33によって転借32へ搬送される。図2の画像形成装置26において、定着器35は、記録媒体34に形成された画像を定着させるために設けられている。
図3(a)及び図3(b)は、図2の画像形成装置26を構成する露光光源の具体例を示す平面概略図であり、図3(c)は、図2の画像形成装置26を構成する感光体の具体例を示す概略図である。尚、図3(a)及び図3(b)は、露光光源28に有機発光素子を含む発光部36(発光点)が長尺状の基板28aに複数配置されている点で共通している。また符合37の矢印は、発光部36が配列されている列方向を表わす。この列方向は、感光体27が回転する軸の方向と同じである。
ところで図3(a)において露光光源28が複数有する発光部36は、感光体27の軸方向に沿って配置した形態である。一方、図3(b)では、第一の列αと第二の列βとのそれぞれにおいて発光部36が列方向に交互に配置されている形態である。図3(b)において、第一の列α及び第二の列βは、それぞれ行方向に異なる位置に配置されている。
また図3(b)において、第一の列αは、複数の発光部36αが一定の間隔を空けて配置される一方で、第二の列βは、第一の列αに含まれる発光部36α同士の間隔に対応する位置に発光部36βを有する。即ち、図3(b)の露光光源は、行方向にも、複数の発光部が一定の間隔を空けつつ配置されている。
尚、図3(b)の露光光源は、露光光源を構成する発光部(36α、36β)を、例えば、格子状、千鳥格子、あるいは市松模様に配置されている状態と言い換えることもできる。
図4は、本発明に係る有機発光素子を有する照明装置の例を示す模式図である。図4の照明装置は、基板(不図示)の上に設けられる有機発光素子38と、AC/DCコンバーター回路39と、を有している。また図4の照明装置は、装置内の熱を外部へ放出する放熱部に相当する放熱板(不図示)を、例えば、有機発光素子38が載置されている側とは反対側の基板面に有していてもよい。
有機素子の他の一例として光電変換素子を挙げる。光電変換素子は受光して電気を生じる素子である。光電変換素子は、対向する2つの電極の間に光電変換層と一般式[1]で示されるピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物を有する有機化合物層を有する。光電変換層は有機化合物を有している。光電変換層は2層の有機化合物層でもよい。一般式[1]で示されるピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物を有する有機化合物層はこの光電変換層に接してもよい。光電変換素子は集光のためのマイクロレンズを有してもよい。光電変換素子は行方向列方向に複数配置されて、エリア光センサーとして用いられてもよい。
エリア光センサーは、色ごとに光電変換できる構成でもよい。色ごととは例えば赤、緑、青である。その場合、エリア光センサーは光電変換素子に対応して色の異なるカラーフィルターを有してもよい。例えば赤の色の光を受光する光電変換素子、緑の色の光を受光する光電変換素子である。これら受光する色が異なる素子同士を1組として1つの受光画素とし、それが複数ニ次元に配置された画像入力装置であるエリア光センサーを本実施形態は提供することが出来る。光電変換素子はCMOSと接続してもよい。このような光センサ部を有する画像入力部と、光センサ部が受光した画像情報により画像を形成する画像形成部とを有する撮像装置を提供することが出来る。画像形成部はCPU等である。撮像装置はデジタルカメラ、ネットワークカメラ等である。
以下、実施例により本発明を説明する。ただし、本発明派以下に説明する実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(例示化合物A1の合成)
ヨウ化銅(I) 374mg(1.97mmol)、1,10−フェナントロリン 531mg(2.96mmol)をDMF 20mlに加えた。
さらに、F1 3.00g(19.7mmol)、F2 3.70g(23.6mmol)、炭酸カリウム 5.43g(39.3mmol)を加え、温度160℃に加熱して6時間攪拌を行った。
冷却後、トルエンで抽出、硫酸ナトリウムを加え30分撹拌した後ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相;ヘプタン:酢酸エチル=1:1)で精製することで、白色固体F3 1.94g(8.48mmol,収率43%)を得た。
酢酸パラジウム 124mg(0.552mmol)、s−phos 453mg(1.10mmol)をトルエン 25mlとエタノール 10mlと水 15mlに加えた。
さらに、F3 1.26g(5.52mmol)、F4 1.01g(8.28mmol)、炭酸セシウム 5.39g(16.6mmol)を加え、温度95℃に加熱して6時間攪拌を行った。
冷却後、トルエンで抽出、硫酸ナトリウムを加え30分撹拌した後ろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相;ヘプタン:酢酸エチル=1:1)で精製することで、白色固体F5 1.28g(4.74mmol,収率86%)を得た。
F5 1.0g(3.70mmol)、F6 3.77ml(37.0mmol)をアセトニトリル 10mlに加え、温度80℃に加熱して8時間攪拌を行った。
冷却後、エーテルを加え、ろ過することで、白色個体F7 1.57g(3.33mmol,収率90%)を得た。
F7 1.0g(2.12mmol)、F8 2.45g(10.1mmol)をDMAc 5mlに加え、温度140℃に加熱して12時間攪拌を行った。
冷却後、エーテルを加え析出した析出物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相;アセトン:メタノール=20:1)で精製することで、白色固体F9 492mg(0.70mmol,収率33%)を得た。
F9 200mg(0.284mmol)をDMF 2mlに加えた。さらに、NaH 54mg(1.14mmol)を加え、室温で6時間攪拌を行った。その後、水6mlを加え10分間室温で撹拌した後、ろ過した。ろ物を室温で2時間真空乾燥することで、茶色固体A1 120mg(0.222mmol,収率78%)を得た。なお、F9からA1を合成する反応は窒素雰囲気化、脱気溶媒中で行い、ろ過時も窒素雰囲気化で行った。乾燥後は、大気下で取り扱っている。
質量分析法により、例示化合物A1のM+である542を確認した。
また、CV(サイクリックボルタメトリー)測定により、第一酸化電位を以下の条件で測定したところ、第一酸化電位が−1.10(V)の可逆な酸化波が得られた。同条件で、基準となるフェロセンを測定したところ、第一酸化電位が+0.07(V)の可逆な酸化波が得られた。したがって、フェロセンに対しての第一酸化電位は、Vox(フェロセンに対しての第一酸化電位)=−1.10+0.07=−1.03(V)と算出した。
具体的な測定条件を以下に列挙する。
・測定環境(ガス雰囲気):窒素雰囲気
・電解液:0.1Mテトラブチルアンモニウム過塩素酸塩のDMF溶液
・参照電極:Ag/Ag
・対極:Pt
・作用電極:グラッシーカーボン
・測定装置:電気化学アナライザー(ALS社製、モデル660C)
・挿引速度:1.0V/s
参考値として、上記測定条件のCV測定において、測定環境のみ大気下で測定したところ、第一還元電位が−1.27(V)に酸素の可逆な還元波が得られた。同様に、Vred(フェロセンに対しての第一還元電位)=−1.20(V)と算出した。
[実施例2]
(例示化合物A22の合成)
実施例1と同様にして、F1を以下の化合物F10に、F2を以下の化合物F11に、F8を以下の化合物F12にそれぞれ変えて、例示化合物A22を合成した。
質量分析法により、例示化合物A22のM+である600を確認した。
また、実施例1と同様にして、CV測定により第一酸化電位を測定したところ、Vox=−1.12(V)の可逆な酸化波が得られた。
[実施例3]
(例示化合物B1の合成)
実施例1と同様にして、F2を以下の化合物F13に変えて、例示化合物B1を合成した。
質量分析法により、例示化合物B1のM+である567を確認した。
また、実施例1と同様にして、CV測定により第一酸化電位を測定したところ、Vox=−0.97(V)の可逆な酸化波が得られた。
[実施例4]
(例示化合物B8の合成)
実施例1と同様にして、F2を以下の化合物F14に変えて、F8を以下の化合物F15にそれぞれ変えて、例示化合物B8を合成した。
質量分析法により、例示化合物B8のM+である639を確認した。
また、実施例1と同様にして、CV測定により第一酸化電位を測定したところ、Vox=−0.94(V)の可逆な酸化波が得られた。
[実施例5]
(例示化合物C2の合成)
実施例1と同様にして、F1を以下の化合物F10に、F2を以下の化合物F16にそれぞれ変えて、例示化合物C2を合成した。
質量分析法により、例示化合物C2のM+である571を確認した。
また、実施例1と同様にして、CV測定により第一酸化電位を測定したところ、Vox=−1.02(V)の可逆な酸化波が得られた。
[比較例1]
(比較化合物c−1の合成)
実施例1と同様にして、F2を以下の化合物F17に、F4を以下の化合物F18に、F8を以下の化合物F19にそれぞれ変えて、比較化合物c−1を合成した。
しかしながら、乾燥後、大気にさらすと速やかに変色し酸化されることがわかった。
[実施例6]
本実施例では、基板上に順次陽極/ホール輸送層/発光層/電子輸送層/陰極が設けられた構成の有機発光素子を以下に示す方法で作製した。
ガラス基板上に、陽極としてITOをスパッタ法にて膜厚120nmで製膜したものを透明導電性支持基板(ITO基板)として使用した。
このITO基板上に、以下に示す有機化合物層及び電極層を、10−5Paの真空チャンバー内で抵抗加熱による真空蒸着によって連続的に製膜した。このとき対向する電極面積は3mmになるように作製した。
正孔注入層(40nm) HT2
電子ブロッキング層(10nm) HT7
発光層(30nm) ホストEM12、ゲスト:RD1(重量比 0.5%)
電子輸送層(50nm) ET11
電子注入層(3nm) A1
金属電極層(100nm) Ag
得られた有機発光素子について、輝度が100cd/mとなるように駆動させたところ、発光効率が3.6cd/Aであり、赤色発光が観測された。
[実施例7]
実施例6と同様にして、電子注入層である、A1を例示化合物A22に変えた以外は同様にして有機発光素子を作製した。
得られた有機発光素子について、輝度が100cd/mとなるように駆動させたところ、発光効率が3.7cd/Aであり、赤色発光が観測された。
[実施例8]
実施例6と同様にして、電子注入層である、A1を例示化合物B1に変えた以外は同様にして有機発光素子を作製した。
得られた有機発光素子について、輝度が100cd/mとなるように駆動させたところ、発光効率が3.3cd/Aであり、赤色発光が観測された。
[実施例9]
実施例6と同様にして、電子注入層である、A1を例示化合物B8に変えた以外は同様にして有機発光素子を作製した。
得られた有機発光素子について、輝度が100cd/mとなるように駆動させたところ、発光効率が2.5cd/Aであり、赤色発光が観測された。
[結果と考察]
強い電子ドナー性を持たせ、かつ、大気下でも取り扱うことを可能にするためには、酸化電位が酸素の還元電位よりも高くなっていることが重要である。またピリジニリデンベンゾイミダゾール骨格の中で反応性が高いと考えられるエチレン(オレフィン)部位が、置換基により置換されていることが重要である。これらから、比較例1に示すように、置換基が導入されていない化合物c−1は大気下で不安定であることがわかった。
一方、本発明のピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物は、酸化電位も低く、大気下でも取り扱うことができたことから、強い電子ドナー性を有し、かつ、大気下でも取り扱うことができる化合物であることがわかった。
以上より、大気下でも取り扱うことができる電子ドナー性化合物である本発明のピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物は、有機素子に用いると周辺有機材料や電極に電子供与することで電荷を発生もしくは注入させることができる。
18 TFT素子
21 陽極
22 有機化合物層
23 陰極

Claims (14)

  1. 下記一般式[1]で示されることを特徴とするピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物。

    一般式[1]において、Rは、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から選択される置換基を表す。R乃至Rは、それぞれ水素原子又はフッ素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基及びヘテロアリール基から選択される置換基を表す。Arは、アリール基及びヘテロアリール基から選択される置換基を表す。なお、前記アリール基又は前記ヘテロアリール基はそれぞれ独立に、フッ素原子、シアノ基、メチル基、エチル基、イソプロピル基、ターシャリブチル基、メトキシ基の少なくともいずれかをさらに有していてもよい。
    乃至R10は、それぞれ水素原子又はフッ素原子及びアルキル基から選択される置換基を表す。
    nは、0乃至2の整数から選ばれる。
  2. 前記nは1であることを特徴とする請求項1に記載のピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物。
  3. 乃至R及びArがそれぞれ独立に、アリール基及びヘテロアリール基のいずれかであり、前記アリール基及びヘテロアリール基はターシャリブチル基を有してもよい事を特徴とする請求項2に記載のピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物。
  4. 一対の電極と前記一対の電極の間に配置されている有機化合物層とを有する有機素子であって、前記有機化合物層は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物を有することを特徴とする有機素子。
  5. 一対の電極と前記一対の電極の間に配置されている有機化合物層とを有する有機発光素子であって、前記有機化合物層は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のピリジニリデンベンゾイミダゾール化合物を有することを特徴とする有機発光素子。
  6. 前記有機化合物層は、電子注入層であり、前記有機発光素子は発光層をさらに有することを特徴とする請求項5に記載の有機発光素子。
  7. 複数の画素を有し、
    前記複数の画素のうち少なくとも1つが、請求項5あるいは6のいずれか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に接続されている能動素子と、を有することを特徴とする、表示装置。
  8. 前記能動素子が、トランジスタであり、
    前記トランジスタは、活性に酸化物半導体を有することを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
  9. 画像情報を入力する入力部と、画像を表示する表示部とを有し、
    前記表示部が、請求項7又は8に記載の表示装置であることを特徴とする、画像情報処理装置。
  10. 請求項5あるいは6のいずれか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に駆動電圧を供給するAC/DCコンバーターと、を有することを特徴とする、照明装置。
  11. 感光体と前記感光体を帯電させる帯電部と、前記感光体を露光する露光部と、前記感光体に現像剤を付与する現像部と、を有し、
    前記露光部が、請求項7あるいは8のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする、画像形成装置。
  12. 感光体を露光する露光装置であって、
    請求項7あるいは8のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する発光点を複数有し、
    前記発光点は、前記感光体の長軸方向に沿って列を形成して配置されていることを特徴とする露光装置。
  13. 前記有機素子は、光電変換層をさらに有する光電変換素子であることを特徴とする請求項4に記載の有機素子。
  14. 請求項13に記載の光電変換素子を光センサ部として有し、前記光センサ部が受光した画像情報から画像を形成する画像形成部を有する撮像装置。
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