JP2017039654A - 有機化合物及びそれを用いた有機発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子供与性を有し大気中で安定した化合物を提供する。
【解決手段】下記一般式[1]で示されることを特徴とする、有機化合物。
Figure 2017039654

(式[1]において、nは、0以上3以下の整数を表す。R1及びR4は、それぞれアルキル基又はフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナンスレニル基、フルオレニル基及びフルオランテニル基から選択されるアリール基を表す。尚、R1又はR4がアリール基である場合、当該アリール基はアルキル基をさらに有していてもよい。R2及びR3は、それぞれアルキル基又はフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナンスリル基、フルオレニル基及びフルオランテニル基から選択されるアリール基を表す。尚、R2又はR3はアリール基である場合、当該アリール基はアルキル基、フェニル基又はナフチル基をさらに有していてもよい。ただし、R1及びR4がアルキル基である場合、R2及びR3がアリール基であり、R2及びR3がアルキル基である場合、R1及びR4がアリール基である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、有機化合物及びそれを用いた有機発光素子に関する。
有機発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、有機EL素子)は、一対の電極(陽極、陰極)と、これら電極の間に配置される有機化合物層と、を有する電子素子である。これら一対の電極から電子及び正孔が注入され、有機化合物層内にて電子と正孔とが再結合することで発光性有機化合物の励起子が生成し、この励起子が基底状態に戻る際に、有機発光素子は光を放出する。
有機発光素子には、電極の間に少なくとも一層の有機化合物層が配置されているが、この有機化合物層を構成する層の一つとして、陰極から注入された電子を発光層へ注入・輸送する役割を果たす電子注入層がある。この電子注入層の構成材料として、例えば、アルカリ金属又はアルカリ土類金属誘導体が広く知られている。電子注入層の構成材料として、アルカリ金属又はアルカリ土類金属誘導体を用いるのは、いずれも仕事関数の小さい材料であり、かつ良好な電子注入性を示すからである。しかし、アルカリ金属及びアルカリ土類金属誘導体は、いずれも水と容易に反応する材料であることが知られており、アルカリ金属及びアルカリ土類金属誘導体を電子注入層の構成材料として有する有機発光素子は、大気中の水分に影響を受けことになる。従って、現状では、有機発光素子を厳重に封止して有機発光素子が大気中の水分に晒されないようにすることが必要である。一方、大気中の水分への影響を克服するために、封止以外の手段で有機発光素子を大気中でも安定に駆動させる方法に関して様々な研究開発がなされている。
大気中の水分に対する有機発光素子の安定性を向上させる方法の一つとして、特許文献1には、電子注入層に、下記に示される電子供与性の化合物a−1と、電子受容性の化合物a−2と、を導入する方法が記載されている。
Figure 2017039654
特許文献1の有機発光素子は、電子注入層において、電子供与性の化合物(D分子)が電子受容性の化合物(A分子)に電子を供与することで電荷(電子)が発生する。また、D分子とA分子との間で強い相互作用が起こり分極したDA錯体が生成される。これにより、特許文献1の有機発光素子は、電子の注入を行うことができる。
一方、非特許文献1には、電子供与性が高い化合物として、下記に示されるビオロゲン化合物b−1が開示されている。このビオロゲン化合物b−1は、電子供与性の高さから有機合成用の還元剤として使用される化合物である。
Figure 2017039654
米国特許出願公開第2005/0110005号明細書
Organic Letters,10(6),p1227−1230(2008)
しかし、特許文献1にて開示される化合物a−1(電子供与性化合物)は、電子供与性が低くそのHOMOが深いため、特許文献1の有機発光素子において形成されるDA錯体のエネルギー準位が深くなる。従って、有機発光素子を構成する電子注入層の構成材料として、化合物a−1及びa−2を用いると、電極(陰極)から電子を受け取ることができるものの、発光層への電子注入障壁が大きく良好な発光が得られないという問題があった。一方、非特許文献1に開示されているビオロゲン化合物b−1は、電子供与性が相当高いものの大気中では不安定でありグローブボックス中で取り扱う必要がある化合物である。そのため、ビオロゲン化合物b−1を本来の使用目的と違って有機発光素子の構成材料として使用した場合、有機発光素子を構成するビオロゲン化合物b−1を含む層は、ビオロゲン化合物b−1が極微量の酸素により酸化することで電子供与性がなくなる。その結果、電子の注入が良好にできなくなる。さらには、このビオロゲン化合物b−1が経時的に劣化してしまうため有機発光素子を安定して作製できないという問題もあった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされるものであり、その目的は、電子供与性を有し大気中で安定した化合物を提供することにある。また本発明の他の目的は、大気中で安定な性能を備える有機発光素子を提供することにある。
本発明の有機化合物は、下記一般式[1]で示されることを特徴とする。
Figure 2017039654
(式[1]において、nは、0以上3以下の整数を表す。R1及びR4は、それぞれアルキル基又はフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナンスレニル基、フルオレニル基及びフルオランテニル基から選択されるアリール基を表す。尚、R1又はR4がアリール基である場合、当該アリール基はアルキル基をさらに有していてもよい。R2及びR3は、それぞれアルキル基又はフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナンスリル基、フルオレニル基及びフルオランテニル基から選択されるアリール基を表す。尚、R2又はR3はアリール基である場合、当該アリール基はアルキル基、フェニル基又はナフチル基をさらに有していてもよい。ただし、R1及びR4がアルキル基である場合、R2及びR3がアリール基であり、R2及びR3がアルキル基である場合、R1及びR4がアリール基である。)
本発明によれば、電子供与性を有し大気中で安定した化合物を提供することができる。また本発明によれば、大気中で安定した性能を備える有機発光素子を提供することができる。
本発明の有機発光素子と、この有機発光素子に接続されている能動素子とを有する表示装置の一例を示す断面模式図である。 本発明に係る有機発光素子を有する画像形成装置の例を示す模式図である。 (a)及び(b)は、図2の画像形成装置を構成する露光光源の具体例を示す平面概略図であり、(c)は、図2の画像形成装置を構成する感光体の具体例を示す概略図である。 本発明に係る有機発光素子を有する照明装置の例を示す模式図である。 本発明の有機光電変換素子における実施形態の例を示す模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[有機化合物]
まず本発明の有機化合物について説明する。本発明の有機化合物は、下記一般式[1]で示される化合物である。
Figure 2017039654
式[1]において、nは、0以上3以下の整数を表す。nは、好ましくは、1である。
式[1]において、R1及びR4は、それぞれアルキル基又はフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナンスレニル基、フルオレニル基及びフルオランテニル基から選択されるアリール基を表す。
1又はR4で表されるアルキル基として、具体例には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
尚、R1又はR4がアリール基である場合、当該アリール基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等のアルキル基をさらに有していてもよい。
式[1]において、R2及びR3は、それぞれアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナンスリル基、フルオレニル基及びフルオランテニル基から選択されるアリール基を表す。
2又はR3で表されるアルキル基の具体例は、R1又はR4で表されるアルキル基の具体例と同様である。
尚、R2又はR3はアリール基である場合、当該アリール基は、アルキル基、フェニル基又はナフチル基をさらに有していてもよい。ここで、R2又はR3で表されるアリール基が有してもよいアルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
ただし、本発明においては、R1及びR4がアルキル基である場合、R2及びR3がアリール基である。また本発明においては、R2及びR3がアルキル基である場合、R1及びR4がアリール基である。一方、本発明において、好ましくは、R1とR4とが同一の置換基であり、R2とR3とが同一の置換基である。
本発明において、より好ましくは、式[1]中の置換基R2及びR3が、下記一般式[2]に示されるフェニル基である。
Figure 2017039654
式[2]において、R5乃至R9は、それぞれ水素原子、アルキル基、フェニル基又はナフチル基を表す。
5乃至R9で表されるアルキル基として、具体例には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基が挙げられる。
尚、R5乃至R9のいずれかがフェニル基又はナフチル基である場合、当該フェニル基及び当該ナフチル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基及びtert−ブチル基から選択されるアルキル基をさらに有していてもよい。
本発明において、より好ましくは、式[1]の置換基、即ち、R1、R2、R3及びR4がいずれも式[2]で示されるフェニル基である。
以下、本発明の有機化合物について、さらに詳細に説明する。
一般的に、有機発光素子を構成する電子注入層には、以下に列挙される3つの性能が求められる。
(1)陰極から電子を受け取る性能
(2)電子を輸送する性能
(3)隣接有機層へ電子を注入する性能
上記(1)乃至(3)の性能を全て備えていないと、陰極から注入された電子を発光層に注入することができないので、発光層からの良好な発光が得られない。アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属又はこれらの誘導体を構成材料として用いて形成された電子注入層は、上記(1)乃至(3)の性能を全て備えている。しかし、これらの材料は、大気中の成分、特に、水と容易に反応し、結果として電子注入層が変質するため好ましくない。
特許文献1で開示されている有機発光素子は、電子注入層に、電子供与性化合物と電子受容性化合物が含まれているが、良好な発光が得られない。その理由は以下の通りである。
一般的に、陰極と有機化合物層(例えば、電子輸送層、正孔ブロック層及び発光層)との間には大きいエネルギー障壁がある。特許文献1に開示されている電子供与性化合物(化合物a−1)のHOMO、及び電子受容性化合物(化合物a−2)のLUMOは、いずれも−4.5eVであり、一般的な陰極として用いられているアルミニウムの仕事関数(−4.3eV)とほぼ同等である。従って、例えば、有機発光素子において発光材料として標準的に用いられているAlq3のLUMO(−3.3eV)とのエネルギー障壁が大きくなる。従って、特許文献1に記載のDA錯体を、有機発光素子を構成する電子注入輸送層に導入したとしても、有機発光素子の駆動電圧が高くなり結果として発光層からの良好な発光が得られない。
これに対して、本発明の有機化合物は、電子供与性が高く、第一酸化電位が低く、HOMOが浅い(真空準位に近付く方向)という特長を有する。
ここで、サイクリックボルタンメトリー(CV)で測定された第一酸化電位の値と、分子軌道計算により得られたHOMOの計算値との間に相関関係があると仮定して、HOMO(計算値)という観点から考察する。
尚、分子軌道計算法は、現在広く用いられているGaussian 09(Gaussian 09,Revision C.01,M.J.Frisch,G.W.Trucks,H.B.Schlegel,G.E.Scuseria,M.A.Robb,J.R.Cheeseman,G.Scalmani,V.Barone,B.Mennucci,G.A.Petersson,H.Nakatsuji,M.Caricato,X.Li,H.P.Hratchian,A.F.Izmaylov,J.Bloino,G.Zheng,J.L.Sonnenberg,M.Hada,M.Ehara,K.Toyota,R.Fukuda,J.Hasegawa,M.Ishida,T.Nakajima,Y.Honda,O.Kitao,H.Nakai,T.Vreven,J.A.Montgomery,Jr.,J.E.Peralta,F.Ogliaro,M.Bearpark,J.J.Heyd,E.Brothers,K.N.Kudin,V.N.Staroverov,T.Keith,R.Kobayashi,J.Normand,K.Raghavachari,A.Rendell,J.C.Burant,S.S.Iyengar,J.Tomasi,M.Cossi,N.Rega,J.M.Millam,M.Klene,J.E.Knox,J.B.Cross,V.Bakken,C.Adamo,J.Jaramillo,R.Gomperts,R.E.Stratmann,O.Yazyev,A.J.Austin,R.Cammi,C.Pomelli,J.W.Ochterski,R.L.Martin,K.Morokuma,V.G.Zakrzewski,G.A.Voth,P.Salvador,J.J.dannenberg,S.Dapprich,A.D.Daniels,O.Farkas,J.B.Foresman,J.V.Ortiz,J.Cioslowski,and D.J.Fox,Gaussian,Inc.,Wallingford CT,2010.)により実施した。計算手法としては現在広く用いられている密度汎関数法(density function theory,DFT)を用いた。汎関数にはB3LYPを、基底関数には6−31G*を用いた。
下記表1は、電子供与性化合物a−1及びb−1に対して、以下の(i)及び(ii)に説明する数値を示したものである。
(i)密度汎関数法(density functional theory,DFT)を用いた、B3LYP/6−31G*レベルでの量子化学計算により得られたHOMO(計算値)
(ii)電子供与性化合物(a−1、b−1)のサイクリックボルタンメトリー(CV)で得られた実測値
尚、CVで得られた実測値は、化合物b−1では非特許文献1に記載された値を採用し、化合物a−1では本発明の有機化合物の酸化電位を測定したのと同一の測定条件で得た値であるため、非特許文献1に記載の方法と参照電極が異なる。
Figure 2017039654
表1に示すように、化合物a−1の酸化電位(第一酸化電位、CV実測値)は+0.3Vであり、HOMO(計算値)は−4.89eVである。このような値では電子供与化合物として電子を供与する能力が低いということになる。一方、化合物b−1の酸化電位(第一酸化電位)は−1.24Vであり、HOMO(計算値)は−2.75eVであるため、化合物b−1は、電子を供与する能力が相当高いということになる。しかし、電子供与する能力が高ければ高いほど、大気中の酸素と反応し易くなる。従って、化合物b−1は、大気中で安定に取り扱えず、非特許文献1に記載されているようにグローブボックス内で取り扱う必要があるため、有機発光素子の構成材料として用いることは困難である。
化合物b−1に代表される複素環上の窒素原子のパラ位上にアミノ基を有する2,2’−ビオロゲン化合物は、0価の状態から2電子を放出することで2価のジカチオンの状態になり、0価の状態と2価の状態と間において電気的に可逆であることが知られている。ここで2価のジカチオンの状態を安定に維持するためには、互いに近い位置にある二つの窒素原子上にあるプラスの電荷を安定化させる必要がある。そこで複素環上の窒素原子に対してパラ位の位置に電子供与性のアルキルアミノ基を導入することで、共鳴効果による窒素原子上のプラスの電荷の安定化を図るものと考えられる。しかし、このアルキルアミノ基は2価のジカチオンを安定化させる効果がある一方で、0価の状態では、より窒素原子上の電荷密度を高める方向に働く。そのため、表1の計算結果及び文献値の酸化電位のように電子供与性が強くなり、酸素とも反応してしまう要因の一つになっていると考えられる。
そこで本発明では、2価のジカチオンを安定化させる効果があると同時に、0価の状態においても十分な電子供与性を保持しつつ、酸素とは反応しない構造を検討した。その結果、2,2’−ビオロゲン骨格の6位,6’位に、より電子供与性を抑えた置換基を導入することで、0価の適切な電子供与性の維持と2価のジカチオンの安定化の両立を図れることを見出すに至った。
本発明の有機化合物は、式[1]中のR1乃至R4を適宜設定することで、化合物自体の物性を微調整することができる。ここでいう物性として、酸化電位、熱安定性、大気安定性、膜性及び昇華性等が挙げられる。特に、アルキル基の炭素数、アリール基の炭素数、アリール基が有する置換基の種類やその置換基の数を変えることで、高い電子供与性を維持したまま酸素に対して安定な化合物を提供することができる。
本発明の化合物は、2、2’−ビオロゲン骨格の6位、6’位に導入した置換基から、以下の効果を奏する。即ち、2、2’−ビオロゲン骨格の窒素原子へ向かって緩やかに電子が供与されるため、2価の状態での窒素原子上のプラス電荷を安定化させると同時に、0価の状態においてもビオロゲン骨格上の電子密度を高めすぎない効果がある。従って、上記化合物b−1のようにピリジン環上の窒素原子に対して、パラ位の位置に電子供与性の強いアルキルアミノ基を導入し共鳴安定化を実現している化合物とは異なるものである。
以上のような設計により、高い電子供与性を維持しつつ、酸素に対する反応性を極力抑えることにより、大気中での取り扱いが可能になった。
本発明の有機化合物は、以上の考察の下に分子設計がなされたものである。
以下、本発明の化合物の具体的な構造式を下記に示すが、もちろん本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2017039654
Figure 2017039654
Figure 2017039654
Figure 2017039654
Figure 2017039654
Figure 2017039654
A群に含まれる有機化合物は、R2及びR3に、アルキルアミノ基より電子供与性が弱いが2価の状態で窒素原子上のプラス電荷を安定化させ、0価の状態においてもビオロゲン骨格上の電子密度を必要最低限高める効果がある置換基が導入されている。具体的には、アルキル基又は置換あるいは無置換のアリール基が導入されている。ここでA群に含まれる有機化合物は、電子供与性を落とさずに大気中で安定に取り扱えることができる化合物である。
B群に含まれる有機化合物は、R2及びR3に、置換あるいは無置換のフェニル基が導入されている。この置換あるいは無置換のフェニル基の導入により、B群に含まれる化合物はA群に含まれる有機化合物よりも電子供与性が強く、かつ大気中で安定に取り扱える化合物群である。またフェニル基は、アリール基の中でも一番分子量が小さく、スタック性が低く、アルキル基より熱的安定性が高い置換基であるため、A群に含まれる有機化合物よりも分子全体の熱的安定性がより向上している。
C群に含まれる有機化合物は、R1乃至R4が、いずれも置換あるいは無置換のフェニル基である。C群に含まれる有機化合物は、A群に含まれる有機化合物より電子供与性が強く、かつ大気中で安定に取り扱える化合物群である。またC群に含まれる有機化合物は、0価の時の安定性が一番高い化合物群である。さらに、C群に含まれる有機化合物は、R1乃至R4に、いずれもアリール基の中でも一番分子量が小さく、スタック性が低く、かつアルキル基より熱的安定性が高いフェニル基が導入されている。このため、C群に含まれる有機化合物は、B群よりもさらに分子全体の熱的安定性が向上している。
[本発明の有機化合物の合成ルート]
式[1]の有機化合物は、例えば、以下に示す合成ルート1乃至4のいずれかに従い合成することができる。ただし、下記合成ルート1乃至4は、あくまでも合成ルートの一例であり、本発明の有機化合物の合成ルートはこれらに限定されるものではない。
Figure 2017039654
尚、上記合成ルート1乃至4に従って合成を行う場合であって、中間体として用いられる2位及び4位に置換基(アルキル基、アリール基)を有するピリジンが1種類である場合、式[1]中のR1及びR4がそれぞれ同一の置換基になる。また係る場合、式[1]中のR2及びR3がそれぞれ同一の置換基になる。
一般式[1]中のR1乃至R4がいずれも同一のアリール基(Y1)である有機化合物を合成する場合は、合成ルート1を利用すればよい。一般式[1]中のR1及びR4に該当するアリール基(Y2)が、R2及びR3に該当するアリール基(Y3)とは異なる有機化合物を合成する場合は、合成ルート2を利用すればよい。一般式[1]中のR1及びR4に該当する置換基(Y4)がアルキル基である有機化合物を合成する場合は、合成ルート3を利用すればよい。一般式[1]中のR2及びR3に該当する置換基(Y6)がアルキル基である有機化合物を合成する場合は、合成ルート4を利用すればよい。
合成ルート1に従い合成を行うと、例えば、表2に示される化合物、即ち、例示化合物C−1、C−3、C−6、C−4、C−5、C−8、C−10、A−5及びA−11を合成することができる。
Figure 2017039654
合成ルート2に従い合成を行うと、例えば、表3に示される化合物、即ち、例示化合物A−1、A−3、A−4、A−12、A−9、B−26、B−27、B−38、B−37及びB−30を合成することができる。
Figure 2017039654
合成ルート3に従い合成を行うと、例えば、表4に示される化合物、即ち、例示化合物B−1、B−2、B−3、B−4、B−6、B−13、B−16、B−18、B−22及びB−25を合成することができる。
Figure 2017039654
合成ルート4に従い合成を行うと、例えば、表5に示される化合物、即ち、例示化合物A−13、A−15、A−17、A−21、A−22及びA−24を合成することができる。
Figure 2017039654
[有機発光素子]
次に、本発明の有機発光素子について説明する。
本発明の有機発光素子は、一対の電極である陽極と陰極と、それら電極の間に配置される有機化合物層とを有する。本発明において、有機化合物層は、少なくとも発光層を有する一層又は複数の層からなる積層体である。ここで有機化合物層が複数の層からなる積層体である場合、この有機化合物層は、発光層の他に、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロッキング層、ホールブロック層(正孔阻止層、正孔・エキシトンブロッキング層)、電子輸送層及び電子注入層のいずれかを有することができる。
本発明の有機化合物は、有機化合物層に含まれる。有機化合物層が複数の層からなる積層体である場合、本発明の有機化合物を有する層としては、特に限定されないが、好ましくは、陰極に接する層である。より好ましくは、電子注入層である。
本発明の有機化合物を有する有機発光素子の構成例としては、下記(i)乃至(v)が挙げられる。
(i)(基板/)陽極/発光層/電子注入層/陰極
(ii)(基板/)陽極/正孔輸送層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(iii)(基板/)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(iv)(基板/)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(v)(基板/)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔・エキシトンブロッキング層/電子輸送層/電子注入層/陰極
ただし上記(i)乃至(v)に示される態様は、あくまでごく基本的な素子の構成例を示したものであり、本発明の有機発光素子の構成はこれらの態様に限定されるものではない。
本発明において、有機発光素子の光取り出し構成は、基板側の電極から光を取り出すトップエミッション方式でもよいし、基板とは反対側から光を取り出すボトムエミッション方式でもよい。また基板側及び基板とは反対側から光を取り出す、いわゆる両面取り出しの構成でもよい。
本発明の有機発光素子には、本発明の有機化合物を有しているが、本発明の有機化合物以外の材料、具体的には、正孔注入輸送性材料、発光材料、ホスト材料、発光アシスト材料、電子注入輸送性材料等を本発明の有機発光素子に含ませてもよい。以下にこれら材料の具体例を挙げる。
正孔注入輸送性材料としては、陽極からの正孔の注入を容易にして、かつ注入された正孔を発光層へ輸送できるように正孔移動度が高い材料が好ましい。また有機発光素子中において結晶化等の膜質の劣化を防ぐために、ガラス転移点温度が高い材料が好ましい。正孔注入輸送性能を有する低分子及び高分子系材料としては、トリアリールアミン誘導体、アリールカルバゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられる。さらに上記の正孔注入輸送性材料は、電子阻止層(電子ブロッキング層)にも好適に使用される。
以下に、正孔注入輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2017039654
主に発光機能に関わる発光材料としては、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、テトラセン誘導体、アントラセン誘導体、ルブレン等)、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、イリジウム錯体、白金錯体、レニウム錯体、銅錯体、ユーロピウム錯体、ルテニウム錯体、及びポリ(フェニレンビニレン)誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体等の高分子誘導体が挙げられる。
以下に、発光材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2017039654
発光層に含まれるホスト材料、発光アシスト材料としては、芳香族炭化水素化合物もしくはその誘導体の他、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機ベリリウム錯体等が挙げられる。尚、ホスト材料に対する発光材料(ゲスト材料)の濃度は0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
以下に、発光層ホスト材料あるいは発光層アシスト材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2017039654
電子輸送性材料としては、陰極から注入された電子を発光層へ輸送することができるものから任意に選ぶことができ、正孔輸送性材料の正孔移動度とのバランス等を考慮して選択される。電子輸送性能を有する材料としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、クリセン誘導体、アントラセン誘導体等)が挙げられる。さらに上記の電子輸送性材料は、正孔阻止層(ホールブロック層、正孔・エキシトンブロッキング層)にも好適に使用される。
以下に、電子輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2017039654
電子注入性材料としては、陰極からの電子の注入が容易にできる化合物から任意に選ぶことができ、正孔注入性とのバランス等を考慮して選択される。電子注入性材料としては、本発明の有機化合物(ビオロゲン化合物)が挙げられる。尚、電子注入層には、本発明の有機化合物の他に、n型ドーパント及び還元性ドーパントのいずれかが含まれていてもよい。
陽極の構成材料としては仕事関数がなるべく大きなものがよい。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン等の金属単体あるいはこれらを組み合わせた合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。またポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーも使用できる。
これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また、陽極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
一方、陰極の構成材料としては仕事関数の小さなものがよい。例えばリチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム等の金属単体が挙げられる。あるいはこれら金属単体を組み合わせた合金も使用することができる。例えばマグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム、アルミニウム−マグネシウム等が使用できる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また陰極は一層構成でもよく、多層構成でもよい。
本発明の有機発光素子を構成する有機化合物層(正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等)は、以下に示す方法により形成される。
発明の有機発光素子を構成する有機化合物層は、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマ等のドライプロセスを用いることができる。またドライプロセスに代えて、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により層を形成するウェットプロセスを用いることもできる。
ここで真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成すると、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
[有機発光素子の用途]
本発明の有機発光素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも、電子写真方式の画像形成装置の露光光源や液晶表示装置のバックライト、白色光源にカラーフィルターを有する発光装置等の用途がある。カラーフィルターは、例えば、赤、緑、青の3つの色が透過するフィルターが挙げられる。
本発明の表示装置は、本発明の有機発光素子を表示部に有する。尚、この表示部は複数の画素を有する。
そしてこの画素は、本発明の有機発光素子と、発光輝度を制御するための能動素子(スイッチング素子)又は増幅素子の一例であるトランジスタとを有し、この有機発光素子の陽極又は陰極とトランジスタのドレイン電極又はソース電極とが電気接続されている。ここで表示装置は、PC等の画像表示装置として用いることができる。上記トランジスタとして、例えば、TFT素子が挙げられ、このTFT素子は、例えば、基板の絶縁性表面に設けられている。尚、このTFT素子は、透明酸化物半導体を有する電極を有するのが好ましい。
表示装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの画像情報を入力する入力部を有し、入力された画像を表示部に表示する画像情報処理装置でもよい。
また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部は、タッチパネル機能を有していてもよい。このタッチパネル機能の駆動方式は特に限定されない。
また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
照明装置は、例えば、室内を照明する装置である。照明装置は白色(色温度が4200K)、昼白色(色温度が5000K)、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってもよい。
本発明の照明装置は、本発明の有機発光素子と、この有機発光素子と接続するAC/DCコンバーター回路(交流電圧を直流電圧に変換する回路)とを有している。尚、AC/DCコンバーター回路は、有機発光素子に駆動電圧を供給する回路である。またこの照明装置は、カラーフィルターをさらに有してもよい。
本発明の画像形成装置は、感光体とこの感光体の表面を帯電させる帯電部と、感光体を露光して静電潜像を形成するための露光部と、感光体の表面に形成された静電潜像を現像するための現像部とを有する画像形成装置である。ここで画像形成装置に備える露光部は、本発明の有機発光素子を含んでいる。また画像形成装置が有する現像部は、感光体に現像剤を付与する部材である。
また本発明の有機発光素子は、感光体を露光するための露光装置の構成部材、具体的には、発光部材として使用することができる。本発明の有機発光素子を有する露光装置は、例えば、本発明の有機発光素子を有する発光点を複数有するものであって、この発光点が所定の方向、例えば、感光体の長軸方向に沿って列を形成して配置されている露光装置がある。
次に、図面を参照しながら本発明の表示装置について説明する。図1は、有機発光素子とこの有機発光素子に接続されるTFT素子とを有する表示装置の例を示す断面模式図である。尚、図1の表示装置1を構成する有機発光素子として、本発明の有機発光素子が用いられている。
図1の表示装置1は、ガラス等の基板11とその上部にTFT素子又は有機化合物層を保護するための防湿膜12が設けられている。また符号13は金属のゲート電極13である。符号14はゲート絶縁膜14であり、符号15は半導体層である。
TFT素子18は、半導体層15とドレイン電極16とソース電極17とを有している。TFT素子18の上部には絶縁膜19が設けられている。コンタクトホール20を介して有機発光素子を構成する陽極21とソース電極17とが接続されている。
尚、有機発光素子に含まれる電極(陽極、陰極)とTFTに含まれる電極(ソース電極、ドレイン電極)との電気接続の方式は、図1に示される態様に限られるものではない。つまり陽極又は陰極のうちいずれか一方とTFT素子が有するソース電極又はドレイン電極のいずれか一方とが電気接続されていればよい。
図1の表示装置1では多層の有機化合物層を1つの層の如く図示をしているが、有機化合物層22は、複数の層を有する層であってもよい。陰極23の上には有機発光素子の劣化を抑制するための第一の保護層24や第二の保護層25が設けられている。
図1の表示装置1が白色を発する表示装置の場合、図1中の有機化合物層22に含まれる発光層は、赤色発光材料、緑色発光材料及び青色発光材料を混合してなる層としてもよい。また赤色発光材料からなる層、緑色発光材料からなる層、青色発光材料からなる層をそれぞれ積層させてなる積層型の発光層としてもよい。さらに別法として、赤色発光材料からなる層、緑色発光材料からなる層、青色発光材料からなる層を横並びにするなりして一の発光層の中にドメインを形成した態様であってもよい。
図1の表示装置1ではスイッチング素子としてトランジスタを使用しているが、これに代えてMIM素子をスイッチング素子として用いてもよい。
また図1の表示装置1に使用されるトランジスタは、単結晶シリコンウエハを用いたトランジスタに限らず、絶縁性の基板の表面上に活性層を有する薄膜トランジスタでもよい。活性層として単結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタ、活性層としてアモルファスシリコンや微結晶シリコン等の非単結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタ、活性層としてインジウム亜鉛酸化物やインジウムガリウム亜鉛酸化物等の非単結晶酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタであってもよい。尚、薄膜トランジスタはTFT素子とも呼ばれる。
図1の表示装置1に含まれるトランジスタは、Si基板等の基板内に形成されていてもよい。ここで基板内に形成されるとは、Si基板等の基板自体を加工してトランジスタを作製することを意味する。つまり、基板内にトランジスタを有することは、基板とトランジスタとが一体に形成されていると見ることができる。
基板内にトランジスタを設けるかどうかについては、精細度によって選択される。例えば1インチでQVGA程度の精細度の場合はSi基板内に有機発光素子を設けることが好ましい。
次に、本発明の有機発光素子の他の用途について説明する。図2は、本発明に係る有機発光素子を有する画像形成装置の例を示す模式図である。図2の画像形成装置26は、感光体27と、露光光源28と、現像器30と、帯電部31と、転写器32と、搬送ローラー33と、定着器33と、を有している。
図2の画像形成装置26は、露光光源28から感光体27へ向けて光29が照射され、感光体27の表面に静電潜像が形成される。図2の画像形成装置26において、露光光源28は、本発明に係る有機発光素子を有している。また図2の画像形成装置26において、現像器30は、トナー等を有している。図2の画像形成装置26において、帯電部31は、感光体27を帯電させるために設けられている。図2の画像形成装置26において、転写器32は、現像された画像を紙等の記録媒体34に転写するために設けられている。尚、記録媒体34は、搬送ローラー33によって転借32へ搬送される。図2の画像形成装置26において、定着器35は、記録媒体34に形成された画像を定着させるために設けられている。
図3(a)及び図3(b)は、図2の画像形成装置26を構成する露光光源の具体例を示す平面概略図であり、図3(c)は、図2の画像形成装置26を構成する感光体の具体例を示す概略図である。尚、図3(a)及び図3(b)は、露光光源28に有機発光素子を含む発光部36が長尺状の基板28aに複数配置されている点で共通している。また符合37の矢印は、発光部36が配列されている列方向を表わす。この列方向は、感光体27が回転する軸の方向と同じである。
ところで図3(a)では、発光部36は、感光体27の軸方向に沿って配置した形態である。一方、図3(b)では、第一の列αと第二の列βとのそれぞれにおいて発光部36が列方向に交互に配置されている形態である。図3(b)において、第一の列α及び第二の列βは、それぞれ行方向に異なる位置に配置されている。
また図3(b)において、第一の列αは、複数の発光部36αが一定の間隔を空けて配置される一方で、第二の列βは、第一の列αに含まれる発光部36α同士の間隔に対応する位置に発光部36βを有する。即ち、図3(b)の露光光源は、行方向にも、複数の発光部が一定の間隔を空けつつ配置されている。
尚、図3(b)の露光光源は、露光光源を構成する発光部(36α、36β)を、例えば、格子状、千鳥格子、あるいは市松模様に配置されている状態と言い換えることもできる。
図4は、本発明に係る有機発光素子を有する照明装置の例を示す模式図である。図4の照明装置は、基板(不図示)の上に設けられる有機発光素子38と、AC/DCコンバーター回路39と、を有している。また図4の照明装置は、装置内の熱を外部へ放出する放熱部に相当する放熱板(不図示)を、例えば、有機発光素子38が載置されている側とは反対側の基板面に有していてもよい。
図5は、本発明の有機光電変換素子における実施形態の例を示す模式図である。
図5の有機光電変換素子4は、アノード44と、カソード43と、アノード44とカソード43との間に配置されている有機光電変換層40と、を有する。カソード43と有機光電変換層40との間には、第一の有機化合物層41を有し、第一の有機化合物層41は本発明の有機化合物を有している。尚、本発明の有機光電変換素子は、図5に示されるように、アノード44と有機光電変換層40との間に第二の有機化合物層42を有していてもよい。図5の有機光電変換素子4において、アノード44は読み出し回路45と接続されている。ただし、読み出し回路45は、カソード43と接続されていてもよい。読み出し回路45は、有機光電変換層40において発生した電荷に基づく情報を読み出し、例えば、後段に配された信号処理回路(不図示)に当該情報を伝える役割を果たす。読み出し回路45は、例えば、有機光電変換素子において生じた電荷に基づく信号を出力するトランジスタが含まれている。
カソード43の上には無機保護層46が配置されている。無機保護層46は、アノード44と、第二の有機化合物層42、有機光電変換層40と、第一の有機化合物層41と、カソード43と、がこの順で積層されてなる部材を保護するための層である。無機保護層46の構成材料としては、酸化珪素、窒化珪素等があげられ、公知の成膜方法により形成することができる。
無機保護層46の上には、カラーフィルター47が配置されている。カラーフィルター47は、隣接する有機光電変換素子とで、ベイヤー配列を形成してよい。
カラーフィルター47の上には、マイクロレンズ48が配置されている。マイクロレンズは、入射した光を有機光電変換層40に集光する役割を果たす。
本発明の有機光電変換素子は、例えば、撮像素子の構成部材として用いてもよい。撮像素子は、複数の画素と、これら複数の画素に接続されている信号処理回路とを有する。尚、上記画素のうち少なくとも一つは、本発明の有機光電変換素子とこれに接続されている読み出し回路とを有している。また複数の画素は、複数の行及び複数の列を含むマトリックス状に配置されている。このような構成において、各画素からの信号を1つの画素信号として出力することで、画像信号を得ることができる。
撮像素子を構成する画素は、光の入射側にカラーフィルターを有していてもよい。カラーフィルターは特定の光、例えば、赤を透過するカラーフィルターが挙げられる。このとき一つのカラーフィルターに一つの画素を設けていてもよい。
また撮像素子を構成する画素は、光の入射側にマイクロレンズを有してもよい。ここでマイクロレンズとは、光を光電変換層に集光するレンズである。
尚、上記画素には、本発明の有機光電変換素子とは別種の有機光電変換素子、例えば、本発明の有機光電変換素子とは異なる色の光を光電変換する有機光電変換素子をさらに有していてもよい。ここでいう別種の有機光電変換素子は、本発明の有機光電変換素子に積層させる態様で設けてもよい。また別種の有機光電変換素子として、異なる波長域の光を光電変換する素子を使用し、本発明の有機光電変換素子と組み合わせることでカラーフィルターを設けなくてもよい撮像素子とすることもできる。
本発明の有機光電変換素子を撮像素子に用いる場合、撮像素子の光入射側に光フィルターを設けてもよい。光フィルターとしては、ローパスフィルタ、紫外線以下の波長の光をカットするUVカットフィルター、赤外線をカットするIRカットフィルター等があげられる。これら光フィルターを用いることで、ノイズが低減されるため、高い画質の画像を撮像することができる。
本発明の有機光電変換素子は、撮像装置の構成部材として用いることができる。撮像装置は、撮像光学系と、撮像光学系を通過した光を受光する撮像素子とを有する。
撮像装置は、外部からの信号を受信する受信部又は外部に取得した画像を送信する送信部をさらに有してもよい。受信部が受信する信号は、撮像装置の撮像範囲、撮像の開始、撮像の終了の少なくともいずれかを制御する信号であってよい。
撮像装置が外部と通信する手段は、有線方式でも無線方式であってもよい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]例示化合物C−1の合成
下記に示される合成ルートにより、中間体化合物C1−1の合成を経て例示化合物C−1を合成した。
Figure 2017039654
(1)中間体化合物C1−1の合成
200ml三口フラスコ内に、下記に示される試薬、溶媒を入れた。
フェニルボロン酸:4.0g
2,4−ジブロモピリジン:4.8g
Pd(PPh34:700mg
トルエン:90ml
エタノール:30ml
Na2CO3aq(2M):30ml
次に、オイルバスを用いて、反応溶液を90℃で加熱しながら4時間撹拌した。反応が終了しているのをTLCでチェックした後、水/トルエンで分液抽出することで得られた有機層を減圧濃縮することで粗生成物を得た。次に、この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、中間体C1−1を4.35g得た。
(2)例示化合物C−1の合成
30ml二口ナスフラスコ内に、下記に示される試薬、溶媒を入れた。
中間化合物C1−1:1.0g
ジブロモプロパン:436mg
アセトニトリル(4.3ml)
次に、フラスコ内を窒素置換した後、オイルバスを用いて、反応溶液を100℃に加熱しながら48時間撹拌した。反応が終了していることをTLCにより確認した後、析出した粗結晶をろ過した。次に、得られた粗結晶を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:アセトン/メタノール=10/1)により精製することにより、臭素塩を白色結晶として430mg得た。
次に、50ml二口ナスフラスコに、上記臭素塩200mgと、DMF30mlとを入れた後、フラスコ内を窒素置換した。その後、60%NaH(120mg)を慎重に投入した後、反応溶液を室温で3時間撹拌した。その後、水を反応系中に投入し結晶を析出させた後、析出した結晶をろ過した。これにより例示化合物C−1を、黄土色固体として140mg得た。次に、この黄土色固体についてMALDI−MSによる分子量測定を行った結果、例示化合物C−1の分子量であるm/z:502.2(計算値:502.6)が観測された。
次に、この黄土色固体を昇華精製法にて精製を行うことで黄褐色結晶が得られた。尚、精製の際、昇華温度を200℃に設定した。また、この黄褐色結晶を取り出して大気中で取り扱っても、特に変化がないことが確認できた。
[実施例2]例示化合物C−3の合成
下記に示される合成ルートにより、中間体化合物C3−1の合成を経て例示化合物C−1を合成した。
Figure 2017039654
(1)中間体化合物C3−1の合成
実施例1(1)において、フェニルボロン酸の代わりに下記に示される化合物であるC3−0を用いた以外は、実施例1(1)と同様の方法により、中間体化合物C3−1を得た。
Figure 2017039654
(2)例示化合物C−3の合成
実施例1(2)において、中間体化合物C1−1の代わりに中間体化合物C3−1を用いたこと以外は、実施例1(2)と同様の方法により合成を行うことで例示化合物C−3を黄土色固体として得た。
得られた例示化合物C−3を、MALDI−MSによる分子量測定を行った結果、例示化合物C−3の分子量であるm/z:614.4(計算値:614.9)が観測された。 次に、この黄土色固体を昇華精製法にて精製を行うことで黄褐色結晶が得られた。尚、精製の際、昇華温度を200℃に設定した。また、この黄褐色結晶を取り出して大気中で取り扱っても、特に変化がないことも確認できた。
[実施例3]例示化合物B−4の合成
下記に示される合成ルートにより、中間体化合物B4−1の合成を経て例示化合物B−4を合成した。
Figure 2017039654
(1)中間体化合物B4−0の合成
Synthesis 45(22),p3099−3102(2013)に記載の方法に従い、原料である4−ターシャリーブチルピリジンから中間体化合物B4−0を合成した。
(2)中間体化合物B4−1の合成
実施例1(1)において、2,4−ジブロモピリジンの代わりに中間体化合物B4−0を用いる以外は、実施例1(1)と同様の方法により中間体化合物B4−1を合成した。
(3)例示化合物B−4の合成
実施例1(2)において、中間体化合物C1−1の代わりに中間体化合物B4−1を用いる以外は、実施例1(2)と同様の方法により例示化合物B−4を黄土色固体として得た。
得られた例示化合物B−4を、MALDI−MSによる分子量測定を行った結果、例示化合物B−4の分子量であるm/z:462.3(計算値:462.7)が観測された。 次に、この黄土色固体を昇華精製法にて精製を行うことで黄褐色結晶が得られた。尚、精製の際、昇華温度を210℃に設定した。また、この黄褐色結晶を取り出して大気中で取り扱っても、特に変化がないことも確認できた。
[比較例1]比較化合物CC1の合成
下記に示される合成ルートにより、比較化合物CC1を合成した。
Figure 2017039654
実施例1(1)において、2,4−ジブロモピリジンの換わりに4−ブロモピリジンを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により比較化合物CC1を得た。
得られた化合物について質量分析法により測定を行ったところ、比較化合物CC1の酸化体である化合物の分子量366を確認した。この結果より、大気中の酸素に対して反応性が高く、酸化されてしまうことが分かった。
[CV測定]
実施例1乃至3にて合成した有機化合物と、比較例1で合成した比較化合物を対象として、CV測定を行った以下に。具体的な測定条件を列挙する。
・測定環境(ガス雰囲気):窒素雰囲気
・電解液:0.1Mテトラブチルアンモニウム過塩素酸塩のDMF溶液
・参照電極:Ag/Ag+
・対極:Pt
・作用電極:グラッシーカーボン
・測定装置:電気化学アナライザー(ALS社製、モデル660C)
・挿引速度:0.1V/s
上述した測定条件下で得られた各化合物の第一酸化電位値(V)と分子軌道計算により得られたHOMO値を表2に示す。尚、分子軌道計算はGaussian09により実施し、計算手法として合物密度汎関数法(Density Functional Theory,DFT)を用いて、汎関数にはB3LYPを、基底関数には6−31G*を用いた。
Figure 2017039654
尚、比較化合物CC1については、測定の結果、第一酸化電位が得られなかったが、これは、比較化合物CC1の酸化分解が激しかったためである。一方、例示化合物C−1、C−3、B−4についてそれぞれ得られたHOMOと第一酸化電位が、表1に記載された化合物a−1とb−1との間の値をとることがわかった。従って、本発明の有機化合物は電子供与性に関して十分に機能することがわかった。
[実施例4]
基板の上に、陽極、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層及び陰極が順次形成された有機発光素子を以下に説明する方法で作製した。
まずガラス基板の上に、ITOを成膜し、所望のパターニング加工を施すことによりITO電極(陽極)を形成した。このときITO電極の膜厚を100nmとした。このようにITO電極が形成された基板をITO基板として、以下の工程で使用した。
上記ITO基板の上に、下記表7に示される有機化合物層及び電極層を連続成膜した。尚、このときITO電極と対向する電極(電極層、陰極)の電極面積が3mm2となるようにした。
Figure 2017039654
上記電極層の形成後、吸湿剤による封止を行うことにより、有機発光素子を得た。
得られた素子について、素子の特性を測定・評価した。ITO電極を正極、電極層(Al電極)を負極にして電圧を印加したところ、100cd/m2の時の発光効率が3.6cd/Aで、良好な赤色発光を観測した。さらに、長時間駆動後も変わらず赤色発光を維持していることも確認した。
[実施例5]
実施例4において、電子注入層を形成する際に、例示化合物C−1に代えて例示化合物C−3を用いた以外は、実施例4と同様の方法により、有機発光素子を得た。得られた有機発光素子について、素子の特性を測定・評価した。ITO電極を正極、電極層(Al電極)を負極にして電圧を印加したところ、100cd/m2の時の発光効率が3.7cd/Aで、良好な赤色発光を観測した。さらに、長時間駆動後も変わらず赤色発光を維持していることも確認した。
[実施例6]
実施例4において、電子注入層を形成する際に、例示化合物C−1に代えて例示化合物B−4を用いた以外は、実施例4と同様の方法により、有機発光素子を得た。得られた有機発光素子について、素子の特性を測定・評価した。ITO電極を正極、電極層(Al電極)を負極にして電圧を印加したところ、100cd/m2の時の発光効率が3.6cd/Aで、良好な赤色発光を観測した。さらに、長時間駆動後も変わらず赤色発光を維持していることも確認した。
[結果と考察]
実施例1乃至3より、本発明の有機化合物は、大気中で取扱いが可能であることが確認された。また、実施例4乃至6より、本発明の有機化合物を有する有機発光素子は、長時間駆動が可能であることも確認された。
本発明の有機化合物は、耐酸化性という観点で優れた化合物である。特に、この化合物を、有機発光素子を構成する電子注入層に含ませることで、良好な発光特性を有する有機発光素子を得ることができる。従って、本発明の有機発光素子は、表示装置、画像情報処理装置、照明装置、有機光電変換素子、画像形成装置及び露光装置に含まれる構成部材(デバイス)として利用することができる。
18:TFT素子、21:陽極、22:有機化合物層、23:陰極

Claims (19)

  1. 下記一般式[1]で示されることを特徴とする、有機化合物。
    Figure 2017039654
    (式[1]において、nは、0以上3以下の整数を表す。R1及びR4は、それぞれアルキル基又はフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナンスレニル基、フルオレニル基及びフルオランテニル基から選択されるアリール基を表す。尚、R1又はR4がアリール基である場合、当該アリール基はアルキル基をさらに有していてもよい。R2及びR3は、それぞれアルキル基又はフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナンスリル基、フルオレニル基及びフルオランテニル基から選択されるアリール基を表す。尚、R2又はR3はアリール基である場合、当該アリール基はアルキル基、フェニル基又はナフチル基をさらに有していてもよい。ただし、R1及びR4がアルキル基である場合、R2及びR3がアリール基であり、R2及びR3がアルキル基である場合、R1及びR4がアリール基である。)
  2. 前記R1と前記R4とが同一の置換基であり、
    前記R2と前記R3とが同一の置換基であることを特徴とする、請求項1に記載の有機化合物。
  3. 前記R2及び前記R3が、下記一般式[2]に示されるフェニル基であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機化合物。
    Figure 2017039654
    (式[2]において、R5乃至R9は、それぞれ水素原子、アルキル基、フェニル基又はナフチル基を表す。尚、R5乃至R9のいずれかがフェニル基又はナフチル基である場合、当該フェニル基及び当該ナフチル基はアルキル基をさらに有していてもよい。)
  4. 前記R1、前記R2、前記R3及び前記R4が、前記一般式[2]のフェニル基であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機化合物。
  5. 陽極と陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置される有機化合物層と、を有し、
    前記有機化合物層が、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機化合物を有することを特徴とする、有機発光素子。
  6. 前記有機化合物層が、前記陰極に接する層であることを特徴とする、請求項5に記載の有機発光素子。
  7. 前記陰極に接する層が、電子注入層であることを特徴とする、請求項6に記載の有機発光素子。
  8. 複数の画素を有し、前記複数の画素のうち少なくとも1つが、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に接続されている能動素子と、を有することを特徴とする、表示装置。
  9. 前記能動素子がトランジスタであり、前記トランジスタが、活性層に酸化物半導体を有することを特徴とする、請求項8に記載の表示装置。
  10. 画像情報を入力する入力部と、画像を表示する表示部とを有し、前記表示部が、請求項8又は9に記載の表示装置であることを特徴とする、画像情報処理装置。
  11. 請求項5乃至7のいずれか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に駆動電圧を供給するためのAC/DCコンバーターと、を有することを特徴とする、照明装置。
  12. 感光体と、前記感光体を帯電させる帯電部と、前記感光体を露光する露光部と、前記感光体に現像剤を付与する現像部と、を有し、
    前記露光部が、請求項5乃至7のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする、画像形成装置。
  13. 感光体を露光する露光装置であって、
    請求項5乃至7のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する発光点を複数有し、
    前記発光点が、前記感光体の長軸方向に沿って列を形成して配置されていることを特徴とする、露光装置。
  14. アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置される有機光電変換層と、を有する有機光電変換素子であって、
    前記カソードと前記有機光電変換層との間に有機化合物層をさらに有し、
    前記第有機化合物層が、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機化合物を有することを特徴とする、有機光電変換素子。
  15. 複数の画素と、前記複数の画素に接続されている信号処理回路と、を有し、
    前記画素の少なくとも一つが、請求項14に記載の有機光電変換素子と、前記有機光電変換素子に接続されている読み出し回路と、を有することを特徴とする撮像素子。
  16. 前記画素が、別種の有機光電変換素子をさら有し、前記別種の有機光電変換素子が、前記有機光電変換素子とは異なる色の光を光電変換する有機光電変換素子であり、
    前記有機光電変換素子と前記別種の有機光電変換素子とが積層されていることを特徴とする、請求項15に記載の撮像素子。
  17. 撮像光学系と、前記撮像光学系を通過した光を受光する撮像素子と、を有し、
    前記撮像素子が、請求項15又は16に記載の撮像素子であることを特徴とする、撮像装置。
  18. 前記撮像装置が、外部からの信号を受信する受信部をさらに有し、
    前記信号が、前記撮像装置の撮像範囲、撮像の開始又は撮像の終了の少なくともいずれかを制御する信号であることを特徴とする、請求項17に記載の撮像装置。
  19. 前記撮像装置が、取得した画像を外部へ送信する送信部をさらに有することを特徴とする、請求項17又は18に記載の撮像装置。
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