JP2017014177A - 有機化合物、有機発光素子、表示装置、表示装置、画像情報処理装置、照明装置、画像形成装置、露光装置、撮像素子 - Google Patents

有機化合物、有機発光素子、表示装置、表示装置、画像情報処理装置、照明装置、画像形成装置、露光装置、撮像素子 Download PDF

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Abstract

【課題】大気中で安定性の高い有機化合物の提供。【解決手段】下記式で示されるジアゼピン化合物の提供。(Ar1〜Ar4は各々独立に置換/無置換のフェニル、置換/無置換のビフェニル、置換/無置換のナフチル、置換/無置換のフェナンスレン基、置換/無置換のフルオレニル、置換/無置換のトリフェニレン、置換/無置換のジベンゾフラン又は置換/無置換のジベンゾチオフェン;R1〜R16は各々独立にH又はC1〜4のアルキル又は置換/無置換のフェニル)【選択図】図1

Description

本発明は、有機化合物、有機発光素子、表示装置、表示装置、画像情報処理装置、照明装置、画像形成装置、露光装置、撮像素子に関する。
有機発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、あるいは有機EL素子と呼ぶ)は、一対の電極とこれら電極間に配置される有機化合物層とを有する電子素子である。これら一対の電極から電子及び正孔を注入することにより、有機化合物層である、発光層内で再結合することで励起子を生成し、該励起子が基底状態に戻る際に光を放出する。
有機発光素子の最近の進歩は著しく、低駆動電圧、多様な発光波長、高速応答性、発光デバイスの薄型化・軽量化を目指している。
これまでに、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類等を有する電子注入材料が数多く創出されている。
また、非特許文献1には、下記化合物が記載されている。
Jounal of Amrican Chemical Society,1964,86(12),pp2518-2519 Journal of Electroanalytical Chemistry 192,69−74,(1995)
非特許文献1に記載の有機化合物は、大気中において酸化に対して安定であるが、有機発光素子に用いられることが記載されていなかった。また、非特許文献1とは異なる構造であり、大気中での安定性に優れる有機化合物は知られていなかった。
本発明は、大気中において安定な有機化合物を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、下記一般式[1]で表わされるジアゼピン化合物を提供する。

[1]
式[1]において、Ar乃至Arは置換または無置換のフェニル基、置換または無置換のビフェニル基、置換または無置換のナフチル基、置換または無置換のフェナンスレン基、置換または無置換のフルオレニル基、置換または無置換のトリフェニレン基、置換または無置換のジベンゾフラン基、置換または無置換のジベンゾチオフェン基からそれぞれ独立に選ばれる。
さらに、式[1]において、R乃至R16は、水素原子または置換基からそれぞれ独立に選ばれる。前記置換基は、アルキル基、または置換または無置換のフェニル基のいずれかである。
本発明によれば、大気中で安定かつ電子注入性に優れた有機化合物を提供できる。
本発明の有機発光素子と、この有機発光素子に接続されている能動素子とを有する表示装置の一例を示す断面模式図である。 本発明に係る有機発光素子を有する画像形成装置の例を示す模式図である。 (a)及び(b)は、図2の画像形成装置を構成する露光光源の具体例を示す平面概略図であり、(c)は、図2の画像形成装置を構成する感光体の具体例を示す概略図である。 本発明に係る有機発光素子を有する照明装置の例を示す模式図である。 本発明に係る有機光電変換素子の一例を示す模式図である。
本発明に係る有機化合物は、下記一般式[1]で表わされる。本発明に係る有機化合物は、2,2’−ビ(1,3−ジアゼピン−2−イリデン)化合物、ジアゼピン化合物、ジアゼピン−2−イリデン化合物、一般式[1]で表わされる有機化合物と称されることがある。

[1]
式[1]において、Ar乃至Arは、置換または無置換のフェニル基、置換または無置換のビフェニル基、置換または無置換のナフチル基、置換または無置換のフェナンスレン基、置換または無置換のフルオレニル基、置換または無置換のトリフェニレン基、置換または無置換のジベンゾフラン基、置換または無置換のジベンゾチオフェン基からそれぞれ独立に選ばれる置換基である。
上記のフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナンスレニル基、フルオレニル基、トリフェニレニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェン基は置換基を有してもよい。
上記の置換基が有してよい置換基は、アルキル基、炭化水素芳香環基、複素芳香環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子である。
本実施形態に係るアルキル基は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等があげられる。
本実施形態に係る炭化水素芳香環基は、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、フルオレニル基等があげられる。
本実施形態に係る複素芳香環基は、チエニル基、ジベンゾフラン基、ジベンゾチオフェン基、ピロリル基、ピリジル基等があげられる。
本実施形態に係るアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基等があげられる。
本実施形態に係るアリールオキシ基は、フェノキシ基、ナフトキシ基等があげられる。
本実施形態に係るハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等があげられる。置換基としてハロゲン原子を有する場合は、フッ素原子が好ましい。
式[1]において、R乃至R16は、水素原子または置換基からそれぞれ独立に選ばれる。この置換基は、アルキル基、または置換または無置換のフェニル基のいずれかである。
乃至R16で表わされるアルキル基は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等があげられる。
乃至R16で表わされるフェニル基が有してよい置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、炭化水素芳香環基、複素芳香環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シアノ基である。ハロゲン原子を有する場合は、フッ素原子が好ましい。
[本発明に係るジアゼピン化合物の性質について]
本発明に係る有機化合物の酸化電位を分子軌道計算により見積もった。見積もられた最高被占軌道(HOMO)は有機化合物の第一酸化電位と相関を有し、HOMOの値の絶対値が大きい化合物は、第一酸化電位が小さい。
本発明に係る化合物の酸化電位を測定したところ、表1に示す本発明に係る例示化合物A1は、−0.44Vと酸化電位は低い値であった。第一酸化電位が低い例示化合物A1は、ドナー性の高い材料である。
一方で、HOMOが浅いと、大気中において不安定になりやすい。
分子軌道法計算の計算手法は、現在広く用いられている密度汎関数法(Density Functional Theory,DFT)を用いた。汎関数はB3LYP、既定関数は6−31Gを用いた。尚、分子軌道法計算は、現在広く用いられている、Gaussian09(Gaussian09,RevisionC.01,M.J.Frisch,G.W.Trucks,H.B.Schlegel,G.E.Scuseria,M.A.Robb,J.R.Cheeseman,G.Scalmani,V.Barone,B.Mennucci,G.A.Petersson,H.Nakatsuji,M.Caricato,X.Li,H.P.Hratchian,A.F.Izmaylov,J.Bloino,G.Zheng,J.L.Sonnenberg,M.Hada,M.Ehara,K.Toyota,R.Fukuda,J.Hasegawa,M.Ishida,T.Nakajima,Y.Honda,O.Kitao,H.Nakai,T.Vreven,J.A.Montgomery,Jr.,J.E.Peralta,F.Ogliaro,M.Bearpark,J.J.Heyd,E.Brothers,K.N.Kudin,V.N.Staroverov,T.Keith,R.Kobayashi,J.Normand,K.Raghavachari,A.Rendell,J.C.Burant,S.S.Iyengar,J.Tomasi,M.Cossi,N.Rega,J.M.Millam,M.Klene,J.E.Knox,J.B.Cross,V.Bakken,C.Adamo,J.Jaramillo,R.Gomperts,R.E.Stratmann,O.Yazyev,A.J.Austin,R.Cammi,C.Pomelli,J.W.Ochterski,R.L.Martin,K.Morokuma,V.G.Zakrzewski,G.A.Voth,P.Salvador,J.J.Dannenberg,S.Dapprich,A.D.Daniels,O.Farkas,J.B.Foresman,J.V.Ortiz,J.Cioslowski,and D.J.Fox,Gaussian,Inc.,Wallingford CT,2010.)を用いた。
一般式[1]で表わされる有機化合物は、Ar乃至Arが水素原子であった場合でも、HOMOが浅い骨格である。さらに一般式[1]で表わされる有機化合物のようにAr乃至Arに電子供与性の置換基を有することで、電子密度がさらに高くなり、基本骨格よりもHOMOを浅くすることが可能である。ここで、HOMOが浅いとは、HOMOの値の絶対値が小さいことであり、真空準位により近いことを表わす。また、HOMOが浅いことは、第一酸化電位が低いこととほぼ同義である。
有機化合物の第一酸化電位が酸素の還元電位よりも高い場合、すなわち、実数としてプラス側にある場合、有機化合物は酸素に対して安定である。すなわち、大気中において安定である。
したがって、第一酸化電位は酸素の還元電位よりも高いことが好ましい。なお、酸素の還元電位(O/O )はDMF溶媒中で−1.22V(vs.Fc/Fc)である(非特許文献2参照)。
一般式[1]で表わされる有機化合物は、Ar乃至Arで表わされる芳香環基、複素芳香環基といった嵩高い置換基および窒素原子を有する環構造との立体障害により窒素原子周辺を保護している。これにより、電荷密度の高い窒素原子の周辺を水等の他の分子から守ることができる。
一方、非特許文献1に記載の化合物は、窒素原子をフェニル基により保護している。
その結果、HOMOが浅い場合でも、大気中において安定である。
一般式[1]におけるAr乃至Arがアルキル基のような排除体積効果の小さい置換基である場合、有機化合物は大気中において不安定になり、電子注入材料の安定性が低い。
また、非特許文献1に記載されている化合物は、表に構造を示す通り、窒素原子を含む五員環に対し、本発明に係る有機化合物は七員環である。そのため、環を形成する炭素−炭素の単結合に自由度が高く、分子内の電子密度の高い窒素周辺をさらに保護できる。これは、電荷密度の高い窒素原子の周辺を水等の他の分子から守るために好ましい。表1に示す通り、本発明に係る有機化合物は、酸化電位が−1.22Vより大きいので、大気中において安定な有機化合物である。表1においては、例示化合物A1およびA5を記載したが、他の本発明に係る有機化合物も同様の効果を有する。
本発明に係る有機化合物は、大気中において安定であり、この有機化合物を有機発光素子や有機電界素子に用いることで、素子寿命が長い素子を得ることができる。したがって、本発明に係る有機発光素子は、酸化電位が低いジアゼピン化合物を電子注入層に有することで、素子寿命が長い、安定した有機発光素子を提供することができる。
[本発明に係るジアゼピン化合物の例示]
以下に本発明に係るジアゼピン化合物の具体的な構造式を例示する。
本発明はこれらの例示化合物に限られるものではない。
例示化合物のうち置換基A群に示す化合物は、置換基に炭化水素芳香族基もしくはアルキル基を有している。これはジアゼピン骨格の酸化電位の低い状態を維持しながら、結晶性、昇華性を制御している。これによって安定な材料を得ることができる。
例示化合物のうちB群に示す化合物は、置換基としてヘテロ原子を含む芳香族置換基もしくはヘテロ原子を有する置換基を有している。これは、ジアゼピン骨格の酸化電位を調整するために設けられる置換基である。これによって素子に適した準位を持つ材料を得ることができる。
[本発明に係るジアゼピン化合物を用いた有機発光素子の性質について]
本実施形態に係る有機化合物は主として有機発光素子の電子注入層、電子輸送層、の少なくともいずれか1層に用いられる。
ホールブロッキング層とはホールをブロックする層の意味として用いられるが、本発明では、発光層の陰極側に隣接する層のことをホールブロッキング層と呼ぶ。
このとき発光層は複数種の成分から構成されていてよく、それらを主成分と副成分とに分類することができる。主成分とは発光層を構成する全化合物の中で重量比が最も大きい化合物であり、ホスト材料と呼ぶことができる。
副成分とは主成分以外の化合物である。副成分はゲスト(ドーパント)材料、発光アシスト材料、電荷注入材料と呼ぶことができる。発光アシスト材料と電荷注入材料は同一の構造の有機化合物であっても異なる構造の有機化合物であっても良い。
これらは副成分であるものの、ゲスト材料と区別する意味でホスト材料2と呼ぶこともできる。
ここでゲスト材料とは、発光層内で主たる発光を担う化合物である。これに対してホスト材料とは、発光層内でゲスト材料の周囲にマトリックスとして存在する化合物であって、主にキャリアの輸送、及びゲスト材料への励起エネルギー供与を担う化合物である。
ゲスト材料の濃度は、発光層の構成材料の全体量を基準として、0.01wt%以上50wt%以下であり、好ましくは0.1wt%以上20wt%以下である。さらに好ましくは、濃度消光を防ぐためにゲスト材料の濃度は10wt%以下であることが望ましい。
またゲスト材料はホスト材料からなる層全体に均一に含まれてもよいし、濃度勾配を有して含まれてもよいし、特定の領域に部分的に含ませてゲスト材料を含まないホスト材料層の領域を設けてもよい。
本実施形態に係る有機化合物は、電子注入層に用いる場合、本発明に係る有機化合物とは別種の化合物と混合させて用いることもできる。別種の化合物の重量比は、本発明に係る有機化合物と別種の化合物との合計を100重量%とした場合、0重量%より大きく80重量%以下であることが好ましく、50重量%であることがより好ましい。
別種の化合物はアクセプタ性が高い化合物であることが好ましく。具体的には、本発明に係る有機化合物よりも酸化電位が高い化合物である。
[本実施形態に係る有機電界素子、有機発光素子について]
次に、本実施形態の有機発光素子について説明する。
本実施形態に係る有機電界素子は、一対の電極と前記一対の電極の間に配置されている有機化合物層とを有する。有機化合物層の機能により、有機TFTなどを得ることができる。
本実施形態に係る有機発光素子は、陽極と、陰極と、それらの間に配置されている発光層と、を有する発光素子である。本実施形態に係る有機発光素子は、陰極と発光層との間に配置されている有機化合物層をさらに有する。この有機化合物層が、一般式[1]で示される有機化合物を有する。有機化合物層は陰極に接していることがさらに好ましい。陰極と発光層との間に配置されている有機化合物層は電子注入層とも呼ばれ、特に陰極に接している有機化合物層は電子注入層とも呼ばれる。
本実施形態に係る有機発光素子の素子構成としては、基板上に以下に示す有機化合物層を有する素子構成が挙げられる。なお、前記有機化合物層のうち発光材料を有する層が発光層である。有機化合物層は単層であっても複数層であってもよい。
一対の電極の間に配置されている、発光層を含む有機化合物層が複数層からなる積層体である場合、有機化合物層は、発光層の他に、ホール注入層、ホール輸送層、電子阻止層、正孔阻止層、励起子阻止層、電子輸送層、電子注入層等を有してもよい。また発光層は、単層であってもよいし、複数の層からなる積層体であってもよい。
有機発光素子の構成は、例えば以下の構成があげられる。
(1)陽極/発光層/陰極
(2)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(3)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(5)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(6)陽極/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
ただしこれらの素子構成例はあくまでごく基本的な素子構成であり、本発明に係る化合物を用いた有機発光素子の構成はこれらに限定されるものではない。
また上記素子構成の中では、電子阻止層及び正孔阻止層を共に有している構成(6)が好ましく用いられる。構成(6)では正孔と電子の両キャリアを発光層内に閉じ込めることができるので、キャリア漏れがなく発光効率が高い有機発光素子を得ることができる。なお、電子阻止層、正孔阻止層、励起子阻止層は、それぞれ電子ブロッキング層、ホールブロッキング層、エキシトンブロッキング層とも呼ばれる。また、電極と有機化合物層界面に絶縁性層を設ける、接着層あるいは干渉層を設ける、電子輸送層もしくは正孔輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる二層から構成される、発光層が発光材料の異なる二層から構成されるなど多様な層構成をとることができる。
有機発光素子からの光の取り出しの方式は、基板側の電極から光を取り出すいわゆるボトムエミッション方式でも、基板と逆側から光を取り出すいわゆるトップエミッション方式でも良く、両面取り出しの構成でも使用することができる。
本実施形態に係る有機発光素子は、陰極と発光層との間に配置されている有機化合物層に一般式[1]で示される有機化合物を有するが、一般式[1]で示される有機化合物は他の有機化合物層に用いられてもよい。
具体的には、本発明に係る有機化合物は、上述した、ホール注入層、ホール輸送層、電子阻止層、正孔阻止層、励起子阻止層、電子輸送層、電子注入層等のいずれかに含まれてよい。本実施形態の係る有機化合物は、好ましくは、電子注入層に含まれる。
本実施形態に係る有機発光素子が有する発光層は単層でも複層でも良い。2種類以上の発光材料を含んでいてもよい。複層とは一の発光層と別の発光層とが積層している状態を意味する。この場合、有機発光素子の発光色は青から緑、赤であるが、特に制限はない。
より具体的には白色でもよいし、中間色でもよい。白色の場合、発光層によって赤色、青色や緑色を発光する。また、製膜方法も蒸着もしくは塗布製膜で製膜を行う。
本実施形態に係る有機発光素子は、発光部が複数種の発光材料を有することもできる。これら複数種の発光材料のうちのいずれか2つは互いに異なる光を発する発光材料であり、これらを有する素子が白色を発する素子であってよい。
また、本実施形態に係る有機発光素子は、複数の発光層を有し、複数の発光層のうち少なくともいずれかは、他の発光層と異なる波長の光を発光する発光層であり、これら発光層の光を混色することで、白色を発光する有機発光素子であってよい。複数の発光層を有する場合は、複数の発光層は積層されていても、横並びに配置されていてもよい。横並びとは、発光層のそれぞれが、隣接するホール輸送層や電子輸送層あるいは電極と接していることを指す。
複数の発光層が積層されている場合、発光層が互いに接していても、発光層と発光層との間に別の化合物層を有していてもよい。別の化合物層は電荷発生層などであってよい。
本発明に係る有機発光素子は、必要に応じて従来公知の低分子系及び高分子系の発光材料、正孔注入性化合物あるいは正孔ル輸送性化合物、ホストとなる化合物、発光性化合物、電子注入性化合物あるいは電子輸送性化合物等を一緒に使用することができる。
以下にこれらの化合物例を挙げる。
正孔注入輸送性材料としては、陽極からの正孔の注入を容易にして、かつ注入された正孔を発光層へ輸送できるように正孔移動度が高い材料が好ましい。また有機発光素子中において結晶化等の膜質の劣化を防ぐために、ガラス転移点温度が高い材料が好ましい。
正孔注入輸送性能を有する低分子及び高分子系材料としては、トリアリールアミン誘導体、アリールカルバゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられる。さらに上記の正孔注入輸送性材料は、電子阻止層にも好適に使用される。
以下に、正孔注入輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
主に発光機能に関わる発光材料としては、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、テトラセン誘導体、アントラセン誘導体、ルブレン等)、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、イリジウム錯体、白金錯体、レニウム錯体、銅錯体、ユーロピウム錯体、ルテニウム錯体、及びポリ(フェニレンビニレン)誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体等の高分子誘導体が挙げられる。
以下に、発光材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
発光層に含まれる発光層ホストあるいは発光アシスト材料としては、芳香族炭化水素化合物もしくはその誘導体の他、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機ベリリウム錯体等が挙げられる。
以下に、発光層に含まれる発光層ホストあるいは発光アシスト材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
電子輸送性材料としては、陰極から注入された電子を発光層へ輸送することができるものから任意に選ぶことができ、正孔輸送性材料の正孔移動度とのバランス等を考慮して選択される。電子輸送性能を有する材料としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、クリセン誘導体、アントラセン誘導体等)が挙げられる。さらに上記の電子輸送性材料は、正孔阻止層にも好適に使用される。
以下に、電子輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
電子注入性材料としては、陰極からの電子注入が容易に可能なものから任意に選ぶことができ、正孔注入性とのバランス等を考慮して選択される。本実施形態に係る有機化合物と電子輸送材料とを混合して用いることも可能である。すなわち、本実施形態に係る有機化合物の他に別種の化合物を有してもよい。別種の化合物は、アントラキノン誘導体、フルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、インデン誘導体、ターフェニル誘導体、アセナフトフルオランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、フェナントロリン誘導体があげられる。誘導体はそれぞれ置換基を有してよく、シアノ基等の電子供与性の置換基を有することが好ましい。
より具体的には、下記構造式で示される化合物があげられる。
本発明に係る有機発光素子が有する陽極の構成材料は仕事関数がなるべく大きなものがよい。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン等の金属単体あるいはこれらを組み合わせた合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。またポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーも使用できる。
これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また、陽極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
一方、陰極の構成材料としては仕事関数の小さなものがよい。例えばリチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム等の金属単体が挙げられる。あるいはこれら金属単体を組み合わせた合金も使用することができる。
例えばマグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム、アルミニウム−マグネシウム等が使用できる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また陰極は一層構成でもよく、多層構成でもよい。
本発明の有機発光素子を構成する有機化合物層(正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等)は、以下に示す方法により形成される。
本発明の有機発光素子を構成する有機化合物層は、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマ等のドライプロセスを用いることができる。またドライプロセスに代えて、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により層を形成するウェットプロセスを用いることもできる。
ここで真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成すると、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
(本実施形態に係る有機発光素子の用途)
本発明の有機発光素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも電子写真方式の画像形成装置の露光光源、液晶表示装置のバックライト、カラーフィルターレスの白色光源、カラーフィルターと白色光源等とを有する発光装置などの用途がある。
カラーフィルターは例えば赤、緑、青の3つの色の少なくともいずれかが透過するフィルターである。白色の色度を調整するためのフィルターと白色光源とを組み合わせた発光装置でもよい。
表示装置は、本実施形態の有機発光素子を表示部に有する。この表示部は複数の画素を有する。そしてこの画素は本発明の有機発光素子と、有機発光素子に接続されている能動素子とを有する。
能動素子の一例として発光輝度を制御するためのスイッチング素子或いは増幅素子が挙げられ、より具体的には、トランジスタが挙げられる。
この有機発光素子の陽極又は陰極とトランジスタのドレイン電極又はソース電極とが電気接続されている。ここで表示装置はPC等の画像表示装置として用いることができる。
表示装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの画像情報を入力する入力部と、画像を表示する表示部と、情報を処理する情報処理部と、を有する画像情報処理装置でもよい。
また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部として、外部から入力された画像情報を表示する画像出力機能と操作パネルとして画像への加工情報を入力する入力機能との両方を有していてもよい。また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
表示部に用いられる場合は、タッチパネル機能を有していてもよい。タッチパネル機能の方式は、静電容量方式でも、抵抗膜方式でも、赤外線方式であってもよい。
照明装置は例えば室内を照明する装置である。照明装置は白色、昼白色、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってよい。
本実施形態において白色とは色温度が4200Kであり、昼白色とは色温度が5000Kである。照明装置は更にカラーフィルターを有してもよい。
本実施形態に係る照明装置は、本実施形態に係る有機発光素子とそれに接続され、駆動電圧を供給するためのAC/DCコンバーターを有している。
本実施形態に係るAC/DCコンバーターは、交流電圧を直流電圧に変換する回路である。
また、本実施形態に係る照明装置は、照明装置内の発光部や回路から発生した熱を装置の外部へ放熱する放熱板を有していてもよい。放熱板は、熱伝導率が高い金属で構成されていることが好ましく、例えばアルミニウムを有する金属があげられる。
本実施形態に係る画像形成装置は、感光体とこの感光体を帯電させる帯電部と、感光体を露光する露光部と、感光体に現像剤を付与する現像部とを有する画像形成装置であって、露光部は、本実施形態の有機発光素子を有する。
露光部としては、例えば本実施形態に係る有機発光素子を有する露光装置が挙げられる。露光装置は、有機発光素子を複数有し、複数の有機発光素子が列を形成して並んでいてもよいし、露光装置の発光面全体が発光する形態でもよい。
また、本発明の有機化合物は上記以外の用途として、有機太陽電池、有機TFT、などに用いることができる。
次に、本実施形態の有機発光素子を使用した表示装置について図1を用いて説明する。
図1の表示装置1は、ガラス等の基板11とその上部にTFT素子又は有機化合物層を保護するための防湿膜12が設けられている。また符号13は金属のゲート電極13である。符号14はゲート絶縁膜14であり、15は半導体層である。
TFT素子18は、半導体層15とドレイン電極16とソース電極17とを有している。TFT素子18の上部には絶縁膜19が設けられている。コンタクトホール20を介して有機発光素子を構成する陽極21とソース電極17とが接続されている。
尚、有機発光素子に含まれる電極(陽極、陰極)とTFTに含まれる電極(ソース電極、ドレイン電極)との電気接続の方式は、図1に示される態様に限られるものではない。つまり陽極又は陰極のうちいずれか一方とTFT素子ソース電極またはドレイン電極のいずれか一方とが電気接続されていればよい。
図1の表示装置1では有機化合物層を1つの層の如く図示をしているが、有機化合物層22は、複数層であってもよい。陰極23の上には有機発光素子の劣化を抑制するための第一の保護層24や第二の保護層25が設けられている。
図1の表示装置1ではスイッチング素子としてトランジスタを使用しているが、これに代えてMIM素子をスイッチング素子として用いてもよい。
また図1の表示装置1に使用されるトランジスタは、単結晶シリコンウエハを用いたトランジスタに限らず、基板の絶縁性表面上に活性層を有する薄膜トランジスタでもよい。活性層として、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、微結晶シリコンなどの非単結晶シリコン、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物等の非単結晶酸化物半導体、酸化物半導体が挙げられる。尚、薄膜トランジスタはTFT素子とも呼ばれる。
図1の表示装置1に含まれるトランジスタは、Si基板等の基板内に形成されていてもよい。ここで基板内に形成されるとは、Si基板等の基板自体を加工してトランジスタを作製することを意味する。つまり、基板内にトランジスタを有することは、基板とトランジスタとが一体に形成されていると見ることもできる。
基板内にトランジスタを設けるかどうかについては、精細度によって選択される。例えば1インチでQVGA程度の精細度の場合はSi基板内に有機発光素子を設けることが好ましい。
以上説明の通り、本発明の有機発光素子を用いた表示装置を駆動することにより、良好な画質で、長時間安定な表示が、低い駆動電圧にて可能になる。
図5は、本実施形態に係る有機光電変換素子の一例を示す模式図である。
本実施形態に係る有機光電変換素子は、アノード44と、カソード43と、アノード44とカソード43との間に配置されている有機光電変換層40と、を有する。カソード43と有機光電変換層40との間に第二の有機化合物層41を有し、第二の有機化合物層は本発明に係る有機化合物を有する。アノード44と有機光電変換層40との間に第三の有機化合物42を有していてもよい。アノード44またはカソード43は読み出し回路45と接続されている。読み出し回路45は、有機光電変換層40において発生した電荷に基づく情報を読み出し、例えば、後段に配された信号処理回路(不図示)に伝える。読み出し回路45は、例えば、有機光電変換素子において生じた電荷に基づく信号を出力するトランジスタを含む。
カソード43の上には無機保護層46が配置されている。無機保護層46は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム等があげられ、スパッタ法、真空蒸着法、ALD法等の方法で形成することができる。
無機保護層46の上には、カラーフィルター47が配置されている。カラーフィルターは、隣接する有機光電変換素子とで、ベイヤー配列を形成してよい。
カラーフィルター47の上には、マイクロレンズ48が配置されている。マイクロレンズは、入射した光を有機光電変換層に集光する。
本実施形態に係る有機光電変換素子は、撮像素子に用いてもよい。撮像素子は、複数の画素と、前記複数の画素に接続されている信号処理部とを有する。
画素に含まれる有機光電変換素子は、異なる色の光を光電変換する別種の有機光電変換素子をさらに有していてもよい。別種の有機光電変換素子は、有機光電変換素子に積層されている。別種の有機光電変換素子は、異なる波長域の光を光電変換する素子であり、これらを組み合わせることでカラーフィルターを設けなくてもよい撮像素子とすることもできる。
本実施形態に係る有機光電変換素子は、撮像素子に用いることができる。撮像素子は、複数の画素と、信号処理部と、を含む。画素の少なくとも一つは、本実施形態に係る有機光電変換素子とそれに接続されている読み出し回路とを含む。複数の画素は、複数の行および複数の列を含む行列に配置されている。このような構成において、各画素からの信号を1つの画素信号として出力することで、画像信号を得ることができる。
画素は、光の入射側にカラーフィルターを有していてもよい。カラーフィルターは特定の光、例えば赤、を透過するカラーフィルターがあげられる。一つのカラーフィルターに一つの画素を設けていてもよい。
画素は、光の入射側にマイクロレンズを有してもよい。マイクロレンズは、光を光電変換層に集光するレンズである。
本実施形態に係る有機光電変換素子を撮像素子に用いる場合、撮像素子の光入射側に光フィルターを設けてもよい。光フィルターは、ローパスフィルタ、紫外線以下の波長の光をカットするUVカットフィルター、赤外線をカットするIRカットフィルター等があげられる。これら光フィルターを用いることで、ノイズが低減されるため、高い画質の画像を撮像することができる。
本実施形態に係る有機光電変換素子は、撮像装置に用いることができる。撮像装置は、撮像光学系と、撮像光学系を通過した光を受光する撮像素子とを有する。
撮像装置は、外部からの信号を受信する受信部または外部に取得した画像を送信する送信部をさらに有してもよい。受信部が受信する信号は、撮像装置の撮像範囲、撮像の開始、撮像の終了の少なくともいずれかを制御する信号であってよい。
撮像装置が外部と通信する手段は、有線方式でも無線方式であってもよい。
以下、本発明について実施例を用いて詳細に説明する。なお本発明はこれらに限定されるものではない。実施例に記載のM1やM2を適宜変更することで異なる置換基を有するジアゼピン化合物を得ることができる。
[実施例1]例示化合物A1の合成
以下に示す合成スキームにより合成した。
(1)中間体M1の合成
50mlナス型フラスコに、アニリン(12.0g,129mmol)、オルトぎ酸トリエチル(9.55g,64.4mmol)、氷酢酸(0.20g,3.22mmol)を加え、17時間加熱還流した。ろ過により、析出物を回収し、トルエン/ヘプタンを用いて、再結晶を行い、白色粉末を得た。
(2)中間体M2の合成
50mlナス型フラスコに、M1(0.5g,2.55mmol)、1,4−ジブロモブタン(1.65g,7.65mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.36g,2.80mmol)を加え、3時間加熱還流した。放冷後、得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−により精製し、黄褐色の粉末を得た。
(3)例示化合物A1の合成
50mlナス型フラスコに、M2(0.65g,1.96mmol)、トルエン(20ml)に入れ、反応系を窒素置換した。水素化ナトリウム(0.19g,7.84mmol)、ターシャリーブトキシカリウム(0.11g,0.98mmol)を加え、室温にて9時間撹拌した。窒素フローした水を加え、ろ過により黄褐色の粉末を得た。
質量分析法により、例示化合物A1のMである500を確認した。また、H−NMR測定により、例示化合物A1の構造を確認した。
H−NMR(d6−DMSO,500MHz) σ(ppm):7.68(t,4H),7.51(t,8H),7.07(d,8H),4.35(s,8H),1.91(s,8H)
[実施例2]例示化合物A5の合成
実施例1における合成スキームにおいて、アニリンを4−イソプロピルアニリンに変更した以外は実施例1と同様に有機化合物を合成し、例示化合物A5を得た。質量分析法により、例示化合物A5のMである669を確認した。また、H−NMR測定により、例示化合物A5の構造を確認した。
H−NMR(d6−DMSO,500MHz) σ(ppm):7.32(d,8H),6.92(d,8H),4.35(s,8H),1.92(s,8H),1.29(s,24H)
[実施例3−11]
本実施例では、基板上に、陽極、ホール輸送層、電子ブロッキング層、発光層、ホールブロッキング層、電子輸送層、陰極が順次形成された有機発光素子を作製した。
まずガラス基板上に、ITOを成膜し、所望のパターニング加工を施すことによりITO電極(陽極)を形成した。このときITO電極の膜厚を100nmとした。このようにITO電極が形成された基板をITO基板として、以下の工程で使用した。
上記ITO基板上に、下記表2に示す有機化合物層及び電極層を連続成膜した。尚、このとき対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mmとなるようにした。
G1乃至G7は以下の表3に示される化合物を使用した。G8には本実施形態に係るジアゼピン化合物、を用いて評価を行った。
[実施例12−14]
基板上に、陽極、ホール輸送層、電子ブロッキング層、発光層、ホールブロッキング層、電子輸送層、電子注入層、陰極が順次形成された有機発光素子を作製した。
まずガラス基板上に、ITOを成膜し、所望のパターニング加工を施すことによりITO電極(陽極)を形成した。このときITO電極の膜厚を100nmとした。このようにITO電極が形成された基板をITO基板として、以下の工程で使用した。
上記ITO基板上に、下記表4に示す有機化合物層及び電極層を成膜した。尚、このとき対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mmとなるようにした。
G1乃至G6は以下の表5に示される化合物を用いた。G8には本発明に係るジアゼピン化合物を用いて評価を行った。
以上実施例を挙げて説明したように、本発明に係るジアゼピン化合物を発光素子の電子注入層に用いることにより、安定な素子を作製することができる。このことによって安定で長寿命な素子にすることができる。
以上説明したように、本発明に係る有機発光素子は、ジアゼピン化合物を電子注入層に用いることで、空気中で安定である。これにより、発光効率が高く、且つ寿命特性も良い有機発光素子を提供することができる。

Claims (21)

  1. 下記一般式[1]で表わされるジアゼピン化合物。

    [1]
    式[1]において、Ar乃至Arは、置換または無置換のフェニル基、置換または無置換のビフェニル基、置換または無置換のナフチル基、置換または無置換のフェナンスレニル基、置換または無置換のフルオレニル基、置換または無置換のトリフェニレニル基、置換または無置換のジベンゾフラニル基、置換または無置換のジベンゾチオフェン基からなる群からそれぞれ独立に選ばれる。
    乃至R16は、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、置換または無置換のフェニル基からなる群からそれぞれ独立に選ばれる。
  2. 陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置されている発光層と、を有する有機発光素子であって、
    前記陰極と前記発光層の間に配置されている有機化合物層をさらに有し、前記有機化合物層は、請求項1に記載のジアゼピン化合物を有することを特徴とする有機発光素子。
  3. 前記有機化合物層は、前記一般式[1]で表わされるジアゼピン化合物とは異なる化合物を有することを特徴とする請求項2に記載の有機発光素子。
  4. 前記一般式[1]で表わされるジアゼピン化合物とは異なる化合物は、前記ジアゼピン化合物よりも酸化電位が高い化合物であることを特徴とする請求項3に記載の有機発光素子。
  5. 前記一般式[1]で表わされるジアゼピン化合物とは異なる化合物は、アントラキノン誘導体、フルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、インデン誘導体、ターフェニル誘導体、アセナフトフルオランテン誘導体、インデノペリレン誘導体、フェナントロリン誘導体のいずれかであることを特徴とする請求項3または4に記載の有機発光素子。
  6. 前記一般式[1]で表わされるジアゼピン化合物とは異なる化合物の重量比は、前記ジアゼピン化合物と前記一般式[1]で表わされるジアゼピン化合物とは異なる化合物の合計を100重量%とした場合、0重量%より大きく、80重量%以下であることを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  7. 複数の発光層を有し、前記複数の発光層の少なくとも一つは他の発光層とは異なる光を発光する発光層であり、
    白色を発光することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  8. カラーフィルターをさらに有することを特徴とする請求項2乃至7のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  9. 複数の画素を有し、
    前記複数の画素のうち少なくともひとつは、請求項2乃至8のいずれか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に接続されている能動素子と、を有することを特徴とする表示装置。
  10. 前記能動素子は、トランジスタであり、
    前記トランジスタの活性層が酸化物半導体からなることを特徴とする請求項9に記載の表示装置。
  11. 画像を表示する表示部と、画像情報を入力する入力部と、前記画像情報を処理する情報処理部と、を有し、
    前記表示部が、請求項9または10に記載の表示装置であることを特徴とする画像情報処理装置。
  12. 請求項2乃至8のいずれか一項に記載の有機発光素子と、
    前記有機発光素子に接続されているAC/DCコンバーターと、を有することを特徴とする照明装置。
  13. 請求項2乃至8のいずれか一項に記載の有機発光素子と、放熱板を有する照明装置であって、
    前記放熱板は、前記照明装置内の熱を装置の外部へ放出する放熱板であることを特徴とする照明装置。
  14. 感光体と、前記感光体を帯電させる帯電部と、前記感光体を露光する露光部と、前記感光体に現像剤を付与する現像部と、を有する画像形成装置であって、
    前記露光部が、請求項2乃至8のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする画像形成装置。
  15. 感光体を露光する露光装置であって、
    前記露光装置が、請求項2乃至8のいずれか一項に記載の有機発光素子を複数有し、
    前記複数の有機発光素子が、列を形成して配置されていることを特徴とする露光装置。
  16. アノードと、カソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置されている有機光電変換層を有する有機光電変換素子であって、
    前記カソードと前記有機光電変換層との間に有機化合物層をさらに有し、
    前記第有機化合物層は、請求項1に記載のジアゼピン化合物を有することを特徴とする有機光電変換素子。
  17. 複数の画素と、前記複数の画素に接続されている信号処理回路と、を有し、前記画素の少なくとも一つは、請求項16に記載の有機光電変換素子と前記有機光電変換素子に接続されている読み出し回路とを有することを特徴とする撮像素子。
  18. 前記画素は、別種の有機光電変換素子をさら有し、前記別種の有機光電変換素子は、前記有機光電変換素子とは異なる色の光を光電変換する有機光電変換素子であり、
    前記有機光電変換素子と前記別種の有機光電変換素子とが積層されていることを特徴とする請求項17に記載の撮像素子。
  19. 撮像光学系と、前記撮像光学系を通過した光を受光する撮像素子とを有し、前記撮像素子は請求項17または18に記載の撮像素子であることを特徴とする撮像装置。
  20. 前記撮像装置は、外部からの信号を受信する受信部をさらに有し、前記信号は、前記撮
    像装置の撮像範囲、撮像の開始、撮像の終了の少なくともいずれかを制御する信号である
    ことを特徴とする請求項19に記載の撮像装置。
  21. 前記撮像装置は、取得した画像を外部へ送信する送信部をさらに有することを特徴とする請求項19または20に記載の撮像装置。
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