JP7224813B2 - 有機化合物、有機発光素子、表示装置、撮像装置、電子機器、照明装置及び移動体 - Google Patents

有機化合物、有機発光素子、表示装置、撮像装置、電子機器、照明装置及び移動体 Download PDF

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Description

本発明は、有機化合物、並びにこれを有する有機化合物、有機発光素子、表示装置、撮像装置、電子機器、照明装置及び移動体に関する。
有機発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、あるいは有機EL素子と呼ぶ)は、一対の電極とこれら電極間に配置される有機化合物層とを有する電子素子である。これら一対の電極から電子及び正孔を注入することにより、有機化合物層中の発光性有機化合物の励起子を生成し、該励起子が基底状態に戻る際に、有機発光素子は光を放出する。
有機発光素子の最近の進歩は著しく、低駆動電圧、多様な発光波長、高速応答性、発光デバイスの薄型化・軽量化が可能であることが挙げられる。
ところで、現在までに発光特性の優れた化合物の創出が盛んに行なわれている。特許文献1には発光特性に優れる化合物として下記構造式で表される化合物1-Aが記載されており、また、特許文献2には、下記化合物1-Bが記載されている。
Figure 0007224813000001
Figure 0007224813000002
この化合物1-Aは、発光は本発明者らが調べたところ後述するように、黄色発光である。また、化合物1-Bは、発光は本発明者らが調べたところ後述するように、赤色発光であるが、やや短波長である。
特開2009-302470号公報 特開2013-139426号公報
特許文献1または2に記載の化合物が有する基本骨格では、上記のように、長波長領域の発光特性を有していないため、これを用いた有機発光素子は色再現範囲が狭い。具体的には、sRGBの色再現範囲における赤の色度座標(0.640,0.330)を再現することが困難な場合がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされるものであり、その目的は、基本骨格の発光が、より長波長の赤色である有機化合物を提供することである。
本発明の有機化合物は、下記一般式[1]で表されることを特徴とする。
Figure 0007224813000003
式[1]において、R乃至R22は、水素原子または置換基からそれぞれ独立に選ばれる。前記置換基は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基及び、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基及びシアノ基のいずれかである。前記アルキル基、前記アルコキシ基、前記アミノ基、前記アリール基、前記複素環基、及び前記アリールオキシ基が有する置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基、複素環基、置換アミノ基、またはハロゲン原子からそれぞれ独立して選択される。
12 及び 13 は、互いに結合してベンゼン環を形成する。
本発明によれば、基本骨格自体で長波長領域における色純度の高い赤色発光が可能な有機化合物を提供できる。
本実施形態に係る有機発光素子と、この有機発光素子に電気接続されたトランジスタと、を有する表示装置の例を示す断面模式図である。 本実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。 (a)本実施形態に係る撮像装置の一例を表す模式図である。(b)本実施形態に係る携帯機器の一例を表す模式図である。 (a)本実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。(b)折り曲げ可能な表示装置の一例を表す模式図である。 (a)本実施形態に係る照明装置の一例を示す模式図である。(b)本実施形態に係る移動体の一例である自動車を示す模式図である。
本実施形態に係る有機化合物について説明する。本実施形態に係る新規有機化合物は、下記一般式[1]で表される有機化合物である。本明細書において、基本骨格とは、例えば、式[1]で表される構造の内、水素原子であってよい箇所のすべてが水素原子である有機化合物の構造を基本骨格と呼ぶ。
Figure 0007224813000004
本実施形態において、式[1]において、R乃至R22は、水素原子、ハロゲン原子または置換基からそれぞれ独立に選ばれる。前記置換基は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基及び、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基及びシアノ基のいずれかである。
12乃至R14の少なくとも2つは、互いに結合して環構造を形成する。R12乃至R14のうち、前記環構造を形成しないものは、水素原子または前記置換基から選ばれる。
形成される環構造は、芳香族環であることが特に好ましい。
より具体的には、以下のいずれかの環構造が好ましい。R12とR13が、互いに結合して形成される環状構造、R13とR14が、互いに結合して形成される環状構造、または、R12とR13とR14が、互いに結合して形成される環状構造であることが好ましい。
本実施形態に係るハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。特にフッ素原子であることが好ましい。
本実施形態に係るアルキル基は、炭素原子数1乃至10のアルキル基であってよい。より具体的には、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、セカンダリーブチル基、ターシャリブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態に係るアルコキシ基は、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基であってよい。また炭素原子数1乃至6のアルコキシ基であってよい。より具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、2-エチル-オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態に係るアミノ基は、アルキル基、アリール基、アラルキル基を置換として有するアミノ基であってよい。より具体的には、N-メチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、N-ベンジルアミノ基、N-メチル-N-ベンジルアミノ基、N,N-ジベンジルアミノ基、アニリノ基、N,N-ジフェニルアミノ基、N,N-ジナフチルアミノ基、N,N-ジフルオレニルアミノ基、N-フェニル-N-トリルアミノ基、N,N-ジトリルアミノ基、N-メチル-N-フェニルアミノ基、N,N-ジアニソリルアミノ基、N-メシチル-N-フェニルアミノ基、N,N-ジメシチルアミノ基、N-フェニル-N-(4-ターシャリブチルフェニル)アミノ基、N-フェニル-N-(4-トリフルオロメチルフェニル)アミノ基、N-ピペリジル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、置換基を有さないアミノ基であってもよい。
本実施形態に係るアリール基は、炭素原子数6乃至18のアリール基であってよい。より具体的には、フェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態に係る複素環基は、炭素原子数3乃至15の複素環基であってよい。当該複素環基が有する複素原子は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子であってよい。より具体的には、ピリジル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナントロリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態に係るアリールオキシ基として、フェノキシ基、チエニルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本実施形態に係るシリル基として、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基、複素環基、アリールオキシ基がさらに有してもよい置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基、複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子であってよい。それぞれの具体例は、前述のとおりである。中でもアルキル基、アリール基、ハロゲン原子であってよい。ハロゲン原子である場合は、フッ素原子であることが好ましい。
本実施形態において、一般式[1]中のR乃至R22が、置換基である場合は、置換あるいは無置換のアリール基であることが好ましい。
一般式[1]において、R12乃至R14が形成する環構造は、芳香族環であることが好ましく、ベンゼン環または5員環を形成することがさらに好ましい。ベンゼン環または5員環は複数であってよい。ベンゼン環または5員環を複数形成する場合は、形成された環構造が、ナフタレン環、インデン環であってよい。これらの環は基本骨格に縮合したように形成される。
一般式[1]において、R及びR18の組、R10及びR17の組の少なくともいずれかの組は、アリール基であることが好ましい。
本実施形態に係る一般式[1]で表される有機化合物は、具体的には、下記の一般式[2]または一般式[3]で表される有機化合物であってよい。
Figure 0007224813000005
式[2]において、R乃至R24は、水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基及び、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基及びシアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。
Figure 0007224813000006
式[3]において、R乃至R24は、水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基及び、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基及びシアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。
一般式[2]及び一般式[3]における置換基の具体例は、式[1]の置換基の具体例と同じである。
一般式[2]及び[3]において、R及びR20の組、または、R10及びR19の組の少なくともいずれか一方の組が、アリール基であることが好ましい。
次に、本実施形態に係る有機化合物の一例の合成方法を説明する。一般式[2]で表される有機化合物は、例えば、下記に示す反応スキームに従って合成される。
Figure 0007224813000007
一方、一般式[3]で表される有機化合物は、例えば、下記に示す反応スキームに従って合成される。
Figure 0007224813000008
上記合成スキームにて示されるように、本実施形態に係る有機化合物は、下記(a)乃至(d)に示される化合物を原料として合成されるものである。
(a)アセナフテンキノン誘導体(D1)
(b)ジベンジルケトン誘導体(D2)
(c)フルオランテン誘導体(D3)
(d)ピレン誘導体またはフルオランテン誘導体(D4)
また、D4の化合物における、ピレン部分、フルオランテン部分をフェナンスレンにすることで、他の有機化合物、具体的には、E群の例示化合物を得ることができる。
ここで上記(a)乃至(d)に示される化合物に適宜置換基を導入することにより、一般式[1]乃至[3]中のR乃至R24のいずれかが水素原子から所定の置換基に置換されることになる。
次に、本実施形態に係る有機化合物は、以下のような特徴を有するため、色純度の高い赤発光を呈する安定な化合物となり、さらにこの有機化合物を用いることで、発光効率が高く素子耐久に優れる有機発光素子を提供することもできる。
(1)基本骨格自体の発光波長が深い赤色領域である
(2)酸化電位が低く、化合物自体の化学安定性が高い
(3)非対称構造であるため結晶性が低い
ここで基本骨格とは、一般式[2]または[3]において、R乃至R24がすべて水素原子である構造を指す。一般式[1]で表される有機化合物の基本骨格は、R12乃至R14が環構造を形成した構造の無置換体、置換基がすべて水素原子である構造である。
以下、これらの特徴について説明する。
(1)基本骨格自体の発光波長が深い赤色領域である
本発明者らは、式[1]に示される有機化合物を創出するにあたり、基本骨格それ自体に注目した。具体的には、基本骨格のみの分子が有する発光波長が所望の波長領域に収まるものを提供することを試みた。
本実施形態において、所望の波長領域は赤色領域のことであり、具体的には希薄溶液中では最大発光波長が590nm以上620nm以下の帯域内にあることである。
本実施形態に係る有機化合物に類似する構造を有する比較化合物を比較しながら、本実施形態に係る有機化合物の発光波長領域について説明する。本実施形態に係る例示化合物A1、C2、D1比較化合物1及び比較化合物2を比較する。この比較化合物1は、特許文献1に記載の化合物1-Aと同じ基本骨格を有する化合物、比較化合物2は、特許文献2に記載の化合物である。
表1に示す通り、各有機化合物の発光波長の比較を行った。尚、発光波長の測定は、日立製F-4500を用い、室温下、励起波長350nmにおける希釈クロロホルム溶液のフォトルミネッセンス測定により行った。
Figure 0007224813000009
表1より、比較化合物1の発光色は黄色であり赤色ではない。また、比較化合物2の発光色は赤色ではあるが、所望の帯域内ではない。一方で、例示化合物A1、C2、E1は、所望の帯域内に最大発光波長を有するため、ディスプレイの規格の赤色に適した発光色を示す。E1はやや短波なピーク波長となっているが、色度はディスプレイの赤色に適した発光色を示す。よって、本実施形態に係る有機化合物の基本骨格は深い赤色を発光することができる。赤の色度座標については実施例にて詳細に説明する。
(2)酸化電位が低く、化合物自体の化学安定性が高い
所望の発光波長領域を有する材料を創出する際に、分子のHOMOエネルギーに着目した。発光波長領域が長波長であることは、すなわちバンドギャップが狭いことを意味する。このため、HOMOエネルギーを高くすることや、LUMOエネルギーを低くする必要がある。ここで、HOMOエネルギーが高いとは真空準位に近いことを意味し、低いとは真空準位から遠いことを意味する。HOMOエネルギーは最高被占有分子軌道のエネルギー、LUMOエネルギーは最低非占有分子軌道のエネルギーである。HOMOエネルギーが低い有機化合物は、酸化電位が低い有機化合物である。
例えば、下記表2に示す比較化合物3のように、縮環構造を有する基本骨格(ベンゾインデノペリレン骨格)にジフェニルアミンを結合させた化合物は、発光波長領域を長波長領域(最大発光波長599nm)に有する。しかし、この有機化合物は、HOMOエネルギーが高いため、酸化に対して不安定である。
一方、本実施形態に係る有機化合物は、HOMO及びLUMOエネルギーレベルが低くなるように、分子設計がなされており、酸化に対して安定である。具体的には、電子求引性である5員環を基本骨格内に3つまたは4つ有するように、共役長が拡大させる分子設計を行った。このため、HOMO及びLUMOエネルギーレベルが低い、すなわち、有機化合物の酸化電位が低い。したがって、本実施形態に係る有機化合物は酸化に対して安定である。
ここで、CV(サイクリックボルタンメトリー)測定により、例示化合物A2、例示化合物C2、比較化合物3の酸化還元電位を比較した。その結果を表2に示す。尚、CV測定は、以下の条件で行った。
溶液:0.1Mテトラブチルアンモニウム過塩素酸塩のDMF溶液(還元電位測定)、
ジクロロメタン溶液(酸化電位測定)
参照電極:Ag/Ag
対極:Pt
作用電極:グラッシーカーボン
電圧の挿引速度:1.0V/s
測定装置:ALS社製モデル660C、電気化学アナライザー
Figure 0007224813000010
表2より、比較化合物3の酸化電位は0.46Vと小さいのに対して、本実施形態に係る例示化合物A1、C2の酸化電位はそれぞれ、0.68V、0.69Vと大きい。すなわちHOMOエネルギーが低いことを意味するため、酸化されにくい化合物であることが分かる。
また本実施形態に係る有機化合物は、基本骨格が炭素のみで構成されており、窒素原子等のヘテロ原子を有していない。このことも化合物自体の酸化電位が低いことに寄与するものであり、本実施形態に係る有機化合物が酸化に対して安定であることを示す理由の一つである。このため、この化合物を用いた有機発光素子は安定性が高く、優れた素子耐久を示す。
(3)非対称構造であるため結晶性が低い
本実施形態に係る有機化合物は、基本骨格自体の発光波長領域が赤色になるように、共役長を拡大している。一般に共役長が長い分子は、分子平面性が高いため、分子パッキングが強くなってしまう。分子パッキングは、結晶性を増大させ、昇華性の低下や濃度消光を招くため、好ましくない。分子パッキングは、比較的強い分子間相互作用を指す。本実施形態においては、分子間相互作用と言い換えることがある。
分子間相互作用を抑制するために、分子構造の対称性に着目した。対称性の低い分子は、対称性の高い分子と比較して、固化にした際に分子配列が乱れやすいため、分子同士が規則的に重なり合う分子パッキングが抑制される。
本実施形態においては、本実施形態に係る例示化合物A2と比較化合物4及び比較化合物5とを群論を用いて、基本骨格の分子構造の対称性を比較した。尚、比較化合物4は、対称性の高い赤色発光を示す有機化合物の例として比較に用いた。また、比較化合物5は、特許文献2に記載の化合物である。
比較化合物4の基本骨格は、分子平面に対して垂直方向に2回回転軸(C2)を有し、この2回回転軸に直交する2回回転軸(C2)及び対称面(σ)を有するので、点群はD2hに分類される。
比較化合物5の基本骨格は、分子平面の長軸方向に2回回転軸(C2)を有し、この2回回転軸を含む対称面(σ)を有するので、点群はC2vに分類される。
一方、本実施形態に係る例示化合物A2の基本骨格は、回転軸を持たず、分子平面を含む対称面(σ)を有するので、点群はCsに分類される。
よって、分子の対称性は、比較化合物4、比較化合物5、例示化合物A2の順に低い。
対称性の低い分子は、分子パッキングが抑制され、結晶性を低下するので、昇華性が高い。昇華性とは、有機化合物の昇華のしやすさを表しており、ここでは、熱分解温度と、昇華温度との差と定義する。すなわち、昇華性が高いとは、熱分解温度よりも昇華温度が十分に低いので、昇華精製等を行っても、有機化合物が分解されないという効果を奏する。
例示化合物A2は比較化合物4及び比較化合物5と比較して、例示化合物A2は分子量が増加し、分子平面性が増大しているため、昇華性が低い有機化合物と考えられるが、昇華後も分解は確認されていない。一方、比較化合物(4)は、分子量それ自体は小さいが、対称性が高いため、分子間相互作用が促進され、昇華温度が化合物の熱分解温度付近まで高温化した。このため、昇華後の分解が確認されたと考えられる。尚、ここでいう昇華前後の分解の有無は、昇華後の純度低下の有無により判定している。純度測定は、日本分光社製の高速液体クロマトグラフィーを用いて行った。
以上より、本発明に係わる有機化合物は、対称性の低い分子であるため、長波長域に発光領域を有する共役長を基本骨格としながらも、分子パッキングを抑制し、昇華性を維持することができる化合物である。
Figure 0007224813000011
さらに、以下のような条件(4)乃至(6)を満たす有機化合物となる場合、有機発光素子に用いる化合物として好ましい。なぜなら、条件(4)乃至(6)を満たす場合は、分子間相互作用を抑制する効果が高まり、昇華性の向上や濃度消光を抑制することができるからである。昇華性の向上は、昇華精製による材料の高純度化や、蒸着による有機発光素子の作製を可能にする。これにより、有機発光素子中に含まれる不純物を減少することができ、不純物による発光効率の低下、駆動耐久の低下を招くことを防ぐことができる。また、濃度消光の抑制は、有機発光素子の発光効率の向上の点から好ましい。
(4)R、R10、R19、R20のいずれかに嵩高い置換基を有する
(5)分子平面を覆うような置換基を有する
(6)SP2混成軌道からなる化合物である
以下、これらについて説明する。
(4)R、R10、R19、R20のいずれかに嵩高い置換基を有する
本実施形態に係る有機化合物は、基本骨格に置換基をさらに設けることで分子自体の結晶性をある程度抑えることが可能である。結晶性を抑えるということは、分子間の濃度消光の抑制や昇華性の向上につながる。
そして、置換基を設ける場合には、分子間の相互作用を抑制する効果が高い置換位置に置換基を設けることが好ましい。
具体的には、アルキル基の場合にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基などが好ましいが、特に立体的に大きいイソプロピル基やターシャリブチル基が好ましい。アリール基の場合も、メチル基、キシリル基、メシチル基、イソプロピル基、ターシャリブチルフェニル基といった置換基を有するフェニル基のようなアリール基が好ましい。また、フッ素もこの点で好ましい。また、液体に含ませて所定位置に配置(塗布)し、溶媒をその後除去する方法に用いる際には膜性の向上にもつながるので置換基を設けることが好ましい。
本実施形態に係る有機化合物は、平面性が高く、無置換であると分子パッキングによるエキシマー生成し易い。そのため、エキシマー生成の抑制が必要であり、効果的に抑制できる置換基の位置について説明する。
分子パッキング、すなわち、分子間のπ-π相互作用はπ平面が拡大することで増大する。π-π相互作用を生み出す、π電子、特にその電子密度に着目した。ここで、基本骨格の電子密度について、分子軌道計算を用いて見積もった。尚、分子軌道計算法の計算手法は、現在広く用いられている密度汎関数法(Density Functional Theory,DFT)を用いた。汎関数はB3LYP、基底関数は6-31Gを用いた。尚、分子軌道計算法は、現在広く用いられているGaussian09(Gaussian09,RevisionC.01,M.J.Frisch,G.W.Trucks,H.B.Schlegel,G.E.Scuseria,M.A.Robb,J.R.Cheeseman,G.Scalmani,V.Barone,B.Mennucci,G.A.Petersson,H.Nakatsuji,M.Caricato,X.Li,H.P.Hratchian,A.F.Izmaylov,J.Bloino,G.Zheng,J.L.Sonnenberg,M.Hada,M.Ehara,K.Toyota,R.Fukuda,J.Hasegawa,M.Ishida,T.Nakajima,Y.Honda,O.Kitao,H.Nakai,T.Vreven,J.A.Montgomery,Jr.,J.E.Peralta,F.Ogliaro,M.Bearpark,J.J.Heyd,E.Brothers,K.N.Kudin,V.N.Staroverov,T.Keith,R.Kobayashi,J.Normand,K.Raghavachari,A.Rendell,J.C.Burant,S.S.Iyengar,J.Tomasi,M.Cossi,N.Rega,J.M.Millam,M.Klene,J.E.Knox,J.B.Cross,V.Bakken,C.Adamo,J.Jaramillo,R.Gomperts,R.E.Stratmann,O.Yazyev,A.J.Austin,R.Cammi,C.Pomelli,J.W.Ochterski,R.L.Martin,K.Morokuma,V.G.Zakrzewski,G.A.Voth,P.Salvador,J.J.Dannenberg,S.Dapprich,A.D.Daniels,O.Farkas,J.B.Foresman,J.V.Ortiz,J.Cioslowski,and D.J.Fox,Gaussian,Inc.,Wallingford CT,2010.)により実施した。
下記は、一般式[2]で表される有機化合物の基本骨格のおける炭素原子の部分電荷を表す。電子密度の高い箇所は、一般式[2]のR、R10、R19、R20に位置する炭素原子である。すなわち、この炭素原子には分子間で相互作用するπ電子の密度が高い。以上より、分子内の相互作用を抑制するために、基本骨格に対して直交し、電子密度の高いR、R10、R19、R20の少なくともいずれかにアリール基もしくはアルキル基のような置換基を設けることが好ましい。
Figure 0007224813000012
下記は、一般式[3]で表される有機化合物の基本骨格のおける炭素原子の部分電荷を表す。一般式[2]で表される有機化合物に相当する部分の部分電荷が高いことがわかる。したがって、一般式[3]においても、R、R10、R19、R20の少なくともいずれかにアリール基もしくはアルキル基のような置換基を設けることが好ましい。
Figure 0007224813000013
そして、一般式[1]においても、同様の部分電荷となるので、一般式[1]においても、R、R10、R 17 、R 18 の少なくともいずれかにアリール基もしくはアルキル基のような置換基を設けることが好ましい。
以下は置換基を設ける位置に係る昇華性の比較結果である。例示化合物A17は例示化合物A2よりも分子量は小さい有機化合物である。分子量が小さい有機化合物は昇華性が高いことが見積もられるが、例示化合物A17は昇華精製後に純度低下が確認されるので、昇華性は例示化合物A2の方が優れることがわかる。これは上述したように、分子間相互作用を効果的に抑制する置換位置に嵩高い置換基を有しているためである。一方、例示化合物A17は基本骨格の中央の共役面が露出しているため、分子同士が重なりやすくなるため、有機薄膜トランジスタなどの高移動度材料として、好適に用いることができる。
例示化合物C18、C3についても、同じ比較を行い、同じ効果を確認した。
Figure 0007224813000014
(5)分子平面を覆うような置換基を有する
本実施形態に係る有機化合物は、基本骨格に設ける置換基の種類を適切に選択することで、分子間相互作用を抑えることが可能である。具体的には、基本骨格の中央の共役面が覆うような置換基を導入することで、分子間相互作用を抑制することができる。本実施形態に係る有機化合物において、分子間相互作用は、基本骨格のπ共役平面同士が重なり合うことで配列が促進されると考えられる。そこで、π共役平面を遮蔽するような置換基を設けることを試みた。具体的には、例示化合物A2のように、置換基であるフェニル基のオルト位にメチル基を設けることで、π共役平面を覆い、分子間相互作用を抑制することを試みた。
ここで、例示化合物A1、A2、A10を用いて、置換基の効果を比較する。分子量は例示化合物A2の方が大きいが、熱分解温度と昇華温度の温度差は例示化合物A2の方が大きい。A10はさらに分子量が大きいが、分子間相互作用を適切に抑制しているため、熱分解温度と昇華温度との差がさらに大きい。
熱分解温度と昇華温度の温度差が大きいほど、昇華精製における温度マージンが大きいため、昇華性に優れる。尚、昇華温度は、1×10-1Paの真空度において、Arフローさせながら、ゆっくり昇温し、昇華精製を開始させ、十分な昇華速度に達したときの温度とした。分解温度は、TG/DTA測定を行い、重量減少が5%に達した時の温度とした。例示化合物C2、C3、C10についても、同様の比較を行い、同じ結果を得た。
表5には、各例示化合物の構造式、分子量、分子を垂直方向から観察した模式図、分子を平面方向から観察した模式図を記した。
以上より、本実施形態に係る有機化合物は、条件(5)を満たす場合に、昇華温度と熱分解温度の差が広く、昇華性に優れる化合物である。
Figure 0007224813000015
(6)SP2混成軌道からなる化合物である
本実施形態に係る有機化合物は、共役長が大きい基本骨格を有している。このため、分子パッキングが強く、昇華温度が高温に達する。このため、高温下においても安定な化合物であることが好ましい。すなわち、熱安定性が高いことが好ましい。
基本骨格がSP2混成軌道の炭素原子のみで構成されていることに加え、置換基もSP2混成炭素から構成されることで、化合物の安定性が向上する。
したがって、分子全体が、SP2混成炭素から構成されていることが好ましい。
以上より、本実施形態に係る有機化合物は、上記(1)乃至(3)の性質を有する化合物であるため、比較化合物1及び2と比較して、基本骨格自体の発光波長が赤色であり、かつ昇華性を維持した有機化合物となる。さらに、(4)乃至(6)の性質を有する化合物となることで、分子パッキングを抑制し、昇華性に優れる化合物となる。そして、これを用いることで、高効率で素子耐久性の高い、深い赤色発光を示す有機発光素子を得ることができる。
本実施形態に係る有機化合物の具体例を以下に示す。しかし、本発明はこれらに限られるものではない。
Figure 0007224813000016
Figure 0007224813000017
Figure 0007224813000018
Figure 0007224813000019
Figure 0007224813000020
Figure 0007224813000021
Figure 0007224813000022
Figure 0007224813000023
Figure 0007224813000024
上記例示化合物のうち、A群は、一般式[2]で表される有機化合物の内、分子全体が炭化水素のみで構成されている有機化合物である。ここで炭化水素のみで構成される化合物は、一般的にHOMOエネルギーレベルが低い、すなわち酸化電位が高い。したがって、酸化に対して安定である有機化合物である。
上記の性質から、A群の有機化合物は、発光層ホストや輸送層、注入層に使用することもできる。
上記例示化合物のうち、B群は、一般式[2]で表される有機化合物の内、置換基がヘテロ原子を含んでいる有機化合物である。この場合、分子自体の酸化電位が大きく変化する。あるいは分子間相互作用が変化する。B群の有機化合物は、電子輸送性やホール輸送性、ホールトラップ型発光材料として有用である。特にフッ素置換されているものは分子間相互作用が抑制されるために、昇華性が向上している。
上記例示化合物のうち、C群は、一般式[3]で表される有機化合物の内、分子全体が炭化水素のみで構成されている有機化合物である。ここで炭化水素のみで構成される化合物は、一般的にHOMOエネルギーレベルが低い、すなわち酸化電位が高い。したがって、酸化に対して安定である有機化合物である。
上記の性質から、A群の有機化合物は、発光層ホストや輸送層、注入層に使用することもできる。
上記例示化合物のうち、D群は、一般式[3]で表される有機化合物の内、置換基がヘテロ原子を含んでいる有機化合物である。この場合、分子自体の酸化電位が大きく変化する。あるいは分子間相互作用が変化する。B群の有機化合物は、電子輸送性やホール輸送性、ホールトラップ型発光材料として有用である。特にフッ素置換されているものは分子間相互作用が抑制されるために、昇華性が向上している。
上記例示化合物のうち、E群は、一般式[1]で表される有機化合物の内、R12とR13がベンゼン環を形成した化合物である。この場合、基本骨格自体の分子量が小さく、かつ、基本骨格の対称性が低いため、昇華性に優れる化合物である。
次に、本実施形態の有機発光素子について説明する。
本実施形態の有機発光素子は、一対の電極である陽極と陰極と、これら電極間に配置されている有機化合物層と、を少なくとも有する。本実施形態の有機発光素子において、有機化合物層は発光層を有していれば単層であってもよいし複数層からなる積層体であってもよい。
ここで有機化合物層が複数層からなる積層体である場合、有機化合物層は、発光層の他に、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、電荷発生層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、電子注入層等を有してもよい。また発光層は、単層であってもよいし、複数の層からなる積層体であってもよい。
本実施形態の有機発光素子において、上記有機化合物層の少なくとも一層に本実施形態に係る有機化合物が含まれている。具体的には、本実施形態に係る有機化合物は、上述した発光層、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、発光層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、電子注入層等のいずれかに含まれている。本実施形態の係る有機化合物は、好ましくは、発光層に含まれる。
本実施形態の有機発光素子において、本実施形態に係る有機化合物が発光層に含まれる場合、発光層は、本実施形態に係る有機化合物のみからなる層であってもよいし、本実施形態に係る有機化合物と他の化合物とからなる層であってもよい。ここで、発光層が本実施形態に係る有機化合物と他の化合物とからなる層である場合、本実施形態に係る有機化合物は、発光層のホストとして使用してもよいし、ゲストとして使用してもよい。また発光層に含まれ得るアシスト材料として使用してもよい。
ここでホストとは、発光層を構成する化合物の中で重量比が最も大きい化合物である。またゲストとは、発光層を構成する化合物の中で重量比がホストよりも小さい化合物であって、主たる発光を担う化合物である。またアシスト材料とは、発光層を構成する化合物の中で重量比がホストよりも小さく、ゲストの発光を補助する化合物である。尚、アシスト材料は、第2のホストとも呼ばれている。有機発光素子の発光層の組成を一様とみなす場合、発光層の一部を分析することで、発光層全体の組成とみなすことができる。
ここで、本実施形態に係る有機化合物を発光層のゲストとして用いる場合、ゲストの濃度は、発光層全体に対して0.01重量%以上20重量%以下であることが好ましく、0.1重量%以上5.0重量%以下であることがより好ましい。
また本実施形態に係る有機化合物を発光層のゲストとして用いる際には、本実施形態に係る有機化合物よりもLUMOが高い材料(LUMOが真空準位により近い材料)をホストとして用いることが好ましい。というのも本実施形態に係る有機化合物はLUMOが低いため、本実施形態に係る有機化合物よりもLUMOが高い材料をホストにすることで、発光層のホストに供給される電子を本実施形態に係る有機化合物がより受領することができるからである。
本発明者らは種々の検討を行い、本実施形態に係る有機化合物を、発光層のホスト又はゲストとして、特に、発光層のゲストとして用いると、高効率で高輝度な光出力を呈し、かつ極めて耐久性が高い素子が得られることを見出した。この発光層は単層でも複層でも良いし、他の発光色を有する発光材料を含むことで本実施形態の発光色である赤の発光と混色させることも可能である。複層とは発光層と別の発光層とが積層している状態を意味する。この場合、有機発光素子の発光色は赤に限られない。より具体的には白色でもよいし、中間色でもよい。白色の場合、別の発光層が赤以外の色、すなわち青色や緑色を発光する。また、製膜方法も蒸着もしくは塗布製膜で製膜を行う。この詳細については、後述する実施例で詳しく説明する。
本実施形態に係る有機化合物は、本実施形態の有機発光素子を構成する発光層以外の有機化合物層の構成材料として使用することができる。具体的には、電子輸送層、電子注入層、ホール輸送層、ホール注入層、ホールブロッキング層等の構成材料として用いてもよい。この場合、有機発光素子の発光色は赤に限られない。より具体的には白色でもよいし、中間色でもよい。
ここで、本実施形態に係る有機化合物以外にも、必要に応じて従来公知の低分子系及び高分子系のホール注入性化合物あるいはホール輸送性化合物、ホストとなる化合物、発光性化合物、電子注入性化合物あるいは電子輸送性化合物等を一緒に使用することができる。
以下にこれらの化合物例を挙げる。ホール注入輸送性材料としては、陽極からのホールの注入を容易にして、かつ注入されたホールを発光層へ輸送できるようにホール移動度が高い材料が好ましい。また有機発光素子中において結晶化等の膜質の劣化を抑制するために、ガラス転移点温度が高い材料が好ましい。ホール注入輸送性能を有する低分子及び高分子系材料としては、トリアリールアミン誘導体、アリールカルバゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられる。さらに上記のホール注入輸送性材料は、電子ブロッキング層にも好適に使用される。
以下に、ホール注入輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 0007224813000025
主に発光機能に関わる発光材料としては、一般式[1]で表される有機化合物の他に、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、テトラセン誘導体、アントラセン誘導体、ルブレン等)、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体、トリス(8-キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、イリジウム錯体、白金錯体、レニウム錯体、銅錯体、ユーロピウム錯体、ルテニウム錯体、及びポリ(フェニレンビニレン)誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体等の高分子誘導体が挙げられる。
本実施形態に係る有機化合物は、バンドギャップが狭く、HOMOエネルギーおよびLUMOエネルギーが低い化合物である。そのため、他の発光材料との混合層を形成する場合や、発光層を積層する場合には、他の発光材料も、同様にHOMOエネルギーおよびLUMOエネルギーが低いことが好ましい。なぜなら、HOMO/LUMOエネルギーが高い場合、本発明の有機化合物とエキサイプレックスを形成するなどの、クエンチ成分やトラップ準位を形成する恐れがあるからである。
以下に、発光材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 0007224813000026
発光層に含まれる発光層ホストあるいは発光アシスト材料としては、芳香族炭化水素化合物もしくはその誘導体の他、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、トリス(8-キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機ベリリウム錯体等が挙げられる。
本実施形態に係る有機化合物は、バンドギャップが狭く、HOMO/LUMOエネルギーが低い化合物であるため、ホスト材料も炭化水素から形成され、にHOMO/LUMOエネルギーが低いことが好ましい。なぜなら、ホスト材料が窒素原子などのヘテロ原子を含む場合、HOMO/LUMOエネルギーが高くなり、本実施形態に係る有機化合物とエキサイプレックスを形成するなどの、クエンチ成分やトラップ準位を形成する恐れがあるからである。
特に好ましくは、ホスト材料は分子骨格に、アントラセン、テトラセン、ペリレン、ピレン骨格を有していることが好ましい。なぜなら、上記のように炭化水素で構成されることに加え、本発明の有機化合物に十分なエネルギー移動を起こすことができるS1エネルギーを有しているからである。
以下に、発光層に含まれる発光層ホストあるいは発光アシスト材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 0007224813000027
電子輸送性材料としては、陰極から注入された電子を発光層へ輸送することができるものから任意に選ぶことができ、ホール輸送性材料のホール移動度とのバランス等を考慮して選択される。電子輸送性能を有する材料としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、クリセン誘導体、アントラセン誘導体等)が挙げられる。さらに上記の電子輸送性材料は、ホールブロッキング層にも好適に使用される。
以下に、電子輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 0007224813000028
[有機発光素子の構成]
有機発光素子は、基板の上に、陽極、有機化合物層、陰極を形成して設けられる。陰極の上には、保護層、カラーフィルタ等を設けてよい。カラーフィルタを設ける場合は、平坦化層を設けておくと好ましい。
基板は、石英、ガラス、シリコンウエハ、樹脂、金属等が挙げられる。また、基板上には、トランジスタなどのスイッチング素子や配線を備え、その上に絶縁層を備えてもよい。絶縁層としては、陽極2と配線の導通を確保するために、コンタクトホールを形成可能で、尚かつ未接続の配線との絶縁を確保できれば、材料は問わない。例えば、ポリイミド等の樹脂、酸化シリコン、窒化シリコンなどを用いることができる。
陽極の構成材料としては仕事関数がなるべく大きいものが良い。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン、等の金属単体やこれらを含む混合物、あるいはこれらを組み合わせた合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。またポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーも使用できる。
これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また、陽極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
反射電極として用いる場合には、例えばクロム、アルミニウム、銀、チタン、タングステン、モリブデン、又はこれらの合金、積層したものなどを用いることができる。また、透明電極として用いる場合には、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛などの酸化物透明導電層などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。極の形成には、フォトリソグラフィ技術を用いることができる。
一方、陰極の構成材料としては仕事関数の小さなものがよい。例えばリチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム等の金属単体またはこれらを含む混合物が挙げられる。あるいはこれら金属単体を組み合わせた合金も使用することができる。例えばマグネシウム-銀、アルミニウム-リチウム、アルミニウム-マグネシウム、銀-銅、亜鉛-銀等が使用できる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また陰極は一層構成でもよく、多層構成でもよい。
陰極は、ITOなどの酸化物導電層を使用してトップエミッション素子としてもよいし、アルミニウム(Al)などの反射電極を使用してボトムエミッション素子としてもよいし、特に限定されない。陰極の形成方法としては、特に限定されないが、直流及び交流スパッタリング法などを用いると、膜のカバレッジがよく、抵抗を下げやすいためより好ましい。
陰極の形成後に、不図示の封止部材を設けてもよい。例えば、陰極上に吸湿剤を設けたガラスを接着することで、有機EL層に対する水等の浸入を抑え、表示不良の発生を抑えることができる。また、別の実施形態としては、陰極上に窒化ケイ素等のパッシベーション膜を設け、有機EL層に対する水等の浸入を抑えてもよい。例えば、陰極7形成後に真空を破らずに別のチャンバーに搬送し、CVD法で厚さ2μmの窒化ケイ素膜を形成することで、保護層としてもよい。
また、各画素にカラーフィルタを設けてもよい。例えば、画素のサイズに合わせたカラーフィルタを別の基板上に設け、それを有機EL素子を設けた基板と貼り合わせてもよいし、酸化ケイ素等の封止膜上にフォトリソグラフィ技術を用いて、カラーフィルタをパターニングしてもよい。
本実施形態に係る有機発光素子を構成する有機化合物層(正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロッキング層、発光層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層等)は、以下に示す方法により形成される。
本実施形態に係る有機発光素子を構成する有機化合物層は、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマ等のドライプロセスを用いることができる。またドライプロセスに代えて、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により層を形成するウェットプロセスを用いることもできる。
ここで真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成すると、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
(本実施形態に係る有機発光素子の用途)
本実施形態に係る有機発光素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも、電子写真方式の画像形成装置の露光光源や液晶表示装置のバックライト、白色光源にカラーフィルタを有する発光装置等の用途がある。
表示装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの画像情報を入力する画像入力部を有し、入力された情報を処理する情報処理部を有し、入力された画像を表示部に表示する画像情報処理装置でもよい。
また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部は、タッチパネル機能を有していてもよい。このタッチパネル機能の駆動方式は、赤外線方式でも、静電容量方式でも、抵抗膜方式であっても、電磁誘導方式であってもよく、特に限定されない。また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
次に、図面を参照しながら本実施形態に係る表示装置について説明する。図1は、有機発光素子とこの有機発光素子に接続されるTFT素子とを有する表示装置の例を示す断面模式図である。TFT素子は、能動素子の一例である。
図1の表示装置10は、ガラス等の基板11とその上部にTFT素子又は有機化合物層を保護するための防湿膜12が設けられている。また符号13は金属のゲート電極13である。符号14はゲート絶縁膜14であり、15は半導体層である。
TFT素子18は、半導体層15とドレイン電極16とソース電極17とを有している。TFT素子18の上部には絶縁膜19が設けられている。コンタクトホール20を介して有機発光素子を構成する陽極21とソース電極17とが接続されている。
尚、有機発光素子に含まれる電極(陽極、陰極)とTFTに含まれる電極(ソース電極、ドレイン電極)との電気接続の方式は、図2に示される態様に限られるものではない。つまり陽極又は陰極のうちいずれか一方とTFT素子ソース電極またはドレイン電極のいずれか一方とが電気接続されていればよい。
図1の表示装置10では有機化合物層を1つの層の如く図示をしているが、有機化合物層22は、複数層であってもよい。陰極23の上には有機発光素子の劣化を抑制するための第一の保護層24や第二の保護層25が設けられている。
図1の表示装置10ではスイッチング素子としてトランジスタを使用しているが、これに代えてMIM素子をスイッチング素子として用いてもよい。
また図1の表示装置10に使用されるトランジスタは、単結晶シリコンウエハを用いたトランジスタに限らず、基板の絶縁性表面上に活性層を有する薄膜トランジスタでもよい。活性層として、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、微結晶シリコンなどの非単結晶シリコン、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物等の非単結晶酸化物半導体が挙げられる。尚、薄膜トランジスタはTFT素子とも呼ばれる。
図1の表示装置10に含まれるトランジスタは、Si基板等の基板内に形成されていてもよい。ここで基板内に形成されるとは、Si基板等の基板自体を加工してトランジスタを作製することを意味する。つまり、基板内にトランジスタを有することは、基板とトランジスタとが一体に形成されていると見ることもできる。
基板内にトランジスタを設けるかどうかについては、精細度によって選択される。例えば1インチでQV緑A程度の精細度の場合はSi基板内にトランジスタを設けることが好ましい。
図2は、本実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。表示装置1000は、上部カバー1001と、下部カバー1009と、の間に、タッチパネル1003、表示パネル1005、フレーム1006、回路基板1007、バッテリー1008、を有してよい。タッチパネル1003及び表示パネル1005は、フレキシブルプリント回路FPC1002、1004が接続されている。回路基板1007には、トランジスタがプリントされている。バッテリー1008は、表示装置が携帯機器でなければ、設けなくてよいし、携帯機器であっても、この位置に設ける必要はない。
本実施形態に係る表示装置は、複数のレンズを有する光学部と、当該光学部を通過した光を受光する撮像素子とを有する撮像装置の表示部に用いられてよい。撮像装置は、撮像素子が取得した情報を表示する表示部を有してよい。また、表示部は、撮像装置の外部に露出した表示部であっても、ファインダ内に配置された表示部であってもよい。撮像装置は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラであってよい。
図3(a)は、本実施形態に係る撮像装置の一例を表す模式図である。撮像装置1100は、ビューファインダ1101、背面ディスプレイ1102、操作部1103、筐体1104を有してよい。ビューファインダ1101は、本実施形態に係る表示装置を有してよい。その場合、表示装置は、撮像する画像のみならず、環境情報、撮像指示等を表示してよい。環境情報には、外光の強度、外光の向き、被写体の動く速度、被写体が遮蔽物に遮蔽される可能性等であってよい。
撮像に好適なタイミングはわずかな時間なので、少しでも早く情報を表示した方がよい。したがって、本発明の有機発光素子を用いた表示装置を用いるのが好ましい。有機発光素子は応答速度が速いからである。有機発光素子を用いた表示装置は、表示速度が求められる、これらの装置、液晶表示装置よりも好適に用いることができる。
撮像装置1100は、不図示の光学部を有する。光学部は複数のレンズを有し、筐体1104内に収容されている撮像素子に結像する。複数のレンズは、その相対位置を調整することで、焦点を調整することができる。この操作を自動で行うこともできる。
本実施形態に係る表示装置は、赤色、緑色、青色を有するカラーフィルタを有してよい。カラーフィルタは、当該赤色、緑色、青色がデルタ配列で配置されてよい。
本実施形態に係る表示装置は、携帯端末の表示部に用いられてもよい。その際には、表示機能と操作機能との双方を有してもよい。携帯端末としては、スマートフォン等の携帯電話、タブレット、ヘッドマウントディスプレイ等が挙げられる。
図3(b)は、本実施形態に係る電子機器の一例を表す模式図である。電子機器1200は、表示部1201と、操作部1202と、筐体1203を有する。筐体1203には、回路、当該回路を有するプリント基板、バッテリー、通信部、を有してよい。操作部1202は、ボタンであってもよいし、タッチパネル方式の反応部であってもよい。操作部は、指紋を認識してロックの解除等を行う、生体認識部であってもよい。通信部を有する電子機器は通信機器ということもできる。
図4は、本実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。図10(a)は、テレビモニタやPCモニタ等の表示装置である。表示装置1300は、額縁1301を有し表示部1302を有する。表示部1302には、本実施形態に係る発光装置が用いられてよい。
額縁1301と、表示部1302を支える土台1303を有している。土台1303は、図4(a)の形態に限られない。額縁1301の下辺が土台を兼ねてもよい。
また、額縁1301及び表示部1302は、曲がっていてもよい。その曲率半径は、5000mm以上6000mm以下であってよい。
図4(b)は本実施形態に係る表示装置の他の例を表す模式図である。図4(b)の表示装置1310は、折り曲げ可能に構成されており、いわゆるフォルダブルな表示装置である。表示装置1310は、第一表示部1311、第二表示部1312、筐体1313、屈曲点1314を有する。第一表示部1311と第二表示部1312とは、本実施形態に係る発光装置を有してよい。第一表示部1311と第二表示部1312とは、つなぎ目のない1枚の表示装置であってよい。第一表示部1311と第二表示部1312とは、屈曲点で分けることができる。第一表示部1311、第二表示部1312は、それぞれ異なる画像を表示してもよいし、第一及び第二表示部とで一つの画像を表示してもよい。
図5(a)は、本実施形態に係る照明装置の一例を表す模式図である。照明装置1400は、筐体1401と、光源1402と、回路基板1403と、光学フィルム1404と、光拡散部1405と、を有してよい。光源は、本実施形態に係る有機発光素子を有してよい。光学フィルタは光源の演色性を向上させるフィルタであってよい。光拡散部は、ライトアップ等、光源の光を効果的に拡散し、広い範囲に光を届けることができる。光学フィルタ、光拡散部は、照明の光出射側に設けられてよい。必要に応じて、最外部にカバーを設けてもよい。
照明装置は例えば室内を照明する装置である。照明装置は白色、昼白色、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってよい。それらを調光する調光回路を有してよい。照明装置は本発明の有機発光素子とそれに接続される電源回路を有してよい。電源回路は、交流電圧を直流電圧に変換する回路である。また、白とは色温度が4200Kで昼白色とは色温度が5000Kである。照明装置はカラーフィルタを有してもよい。
また、本実施形態に係る照明装置は、放熱部を有していてもよい。放熱部は装置内の熱を装置外へ放出するものであり、比熱の高い金属、液体シリコン等が挙げられる。
図5(b)は、本実施形態に係る移動体の一例である自動車の模式図である。当該自動車は灯具の一例であるテールランプを有する。自動車1500は、テールランプ1501を有し、ブレーキ操作等を行った際に、テールランプを点灯する形態であってよい。
テールランプ1501は、本実施形態に係る有機発光素子を有してよい。テールランプは、有機EL素子を保護する保護部材を有してよい。保護部材はある程度高い強度を有し、透明であれば材料は問わないが、ポリカーボネート等で構成されることが好ましい。ポリカーボネートにフランジカルボン酸誘導体、アクリロニトリル誘導体等を混ぜてよい。
自動車1500は、車体1503、それに取り付けられている窓1502を有してよい。窓は、自動車の前後を確認するための窓でなければ、透明なディスプレイであってもよい。当該透明なディスプレイは、本実施形態に係る有機発光素子を有してよい。この場合、有機発光素子が有する電極等の構成材料は透明な部材で構成される。
本実施形態に係る移動体は、船舶、航空機、ドローン等であってよい。移動体は、機体と当該機体に設けられた灯具を有してよい。灯具は、機体の位置を知らせるための発光をしてよい。灯具は本実施形態に係る有機発光素子を有する。
本実施形態に係る有機発光素子はスイッチング素子の一例であるTFTにより発光輝度が制御され、有機発光素子を複数面内に設けることでそれぞれの発光輝度により画像を表示することができる。尚、本実施形態に係るスイッチング素子は、TFTに限られず、低温ポリシリコンで形成されているトランジスタ、Si基板等の基板上に形成されたアクティブマトリクスドライバーであってもよい。基板上とは、その基板内ということもできる。これは精細度によって選択され、例えば1インチでQVGA程度の精細度の場合はSi基板上に有機発光素子を設けることが好ましい。本実施形態に係る有機発光素子を用いた表示装置を駆動することにより、良好な画質で、長時間表示にも安定な表示が可能になる。
以下、実施例により本発明を説明する。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]例示化合物A2の合成
Figure 0007224813000029
(1)化合物F3の合成
200mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物E1:4.35g(10mmol)
化合物E2:3.28g(10mmol)
Pd(PPh:0.2g
トルエン:50ml
エタノール:20ml
2M-炭酸ナトリウム水溶液:50ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で80℃に加熱しこの温度(80℃)で6時間攪拌を行った。反応終了後、水を加えて分液を行った後、クロロホルムに溶解した後、これをカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)にて精製後、クロロホルム/メタノールで再結晶を行うことにより、濃緑色の化合物E3を4.17g(収率:75%)得た。
(2)化合物F5の合成
100mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物E3:3.90g(7mmol)
化合物E4:2.25g(9mmol)
亜硝酸イソアミル:1.05g(9mmol)
トルエン:40ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で110℃に加熱しこの温度(80℃)で3時間攪拌を行った。反応終了後、水40mlで2回洗浄した。この有機層を飽和食塩水で洗浄し,硫酸マグネシウムで乾燥した後、この溶液を濾過後、ろ液を濃縮して茶褐色液体を得た。これをカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/ヘプタン=1:4)にて精製後、クロロホルム/メタノールで再結晶を行い、黄色結晶のE5を4.27g(収率:85%)得た。
Figure 0007224813000030
(3)化合物F6の合成
500ml反応容器内に、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物E5:3.59g(5mmol)
トリフルオロ酢酸:30ml
塩化メチレン:300ml
次に、水浴下において、下記試薬を反応容器内に入れた。
BF・OEt:9ml
次に、反応溶液を10分ほど撹拌した後、DDQ2.5g(2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン、11mmol)を入れた。次に、反応溶液を10分攪拌した後に、20度の水浴下でフェロセン2.1g(11mmol)を入れた。5分ほど撹拌したのち、メタノール300mlを加えた。このときに生じた赤色沈殿をろ過することで、赤色の固体を得た。次に、この固体をクロロベンゼンに溶解させ、ヘプタンで再結晶を行うことにより、赤色結晶のF6を3.2g(収率:90%)得た。
(4)化合物F8の合成
200mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物E6:2.15g(3mmol)
化合物E7:0.57g(3.3mmol)
Pd(PPh:0.6g
トルエン:100ml
エタノール:10ml
2M-炭酸ナトリウム水溶液:30ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で80℃に加熱しこの温度(80℃)で8時間攪拌を行った。反応終了後、エタノールを加えて結晶を析出させた後に結晶をろ別し、水、エタノール、ヘプタンで順次分散洗浄を行った。次に、得られた結晶をクロロベンゼンに加熱溶解した後、熱時ろ過をした後に再結晶を行うことにより、赤色の化合物F8を1.76g(収率:77%)得た。
Figure 0007224813000031
(5)例示化合物A2の合成
20mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物F8:763mg(1mmol)
Pd(dba):238mg
P(Cy)(トリシクロヘキシルフォスフィン):280mg
DBU(ジアザビシクロウンデセン):0.15ml
DMF:5ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で145℃に加熱しこの温度(145℃)で6時間攪拌を行った。反応終了後、エタノールを加えて結晶を析出させた後に結晶をろ別し、水、エタノール、ヘプタンで順次分散洗浄を行った。次に、得られた紫色結晶をトルエンに加熱溶解した後、熱時ろ過、トルエン/メタノールで再結晶を行うことにより、濃赤色の例示化合物A2を0.57g(収率:78%)得た。
この化合物の純度はHPLCを用いて純度99%以上であることを確認した。
尚、例示化合物A2は、MALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=828.85 計算値:C5830=828.99
[実施例2]例示化合物A7の合成
実施例1において、化合物F1に代えて下記に示す化合物F9を、化合物F2に代えて下記に示す化合物F10を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物A7を得た。
Figure 0007224813000032
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=1081.43 計算値:C8473=1081.47
[実施例3]例示化合物A8の合成
実施例1において、化合物F1に代えて下記に示す化合物F11を、化合物F2に代えて下記に示す化合物F12を、化合物F7に代えて下記に示す化合物F13を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物A8を得た。
Figure 0007224813000033
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=1194.02 計算値:C9288=1193.68
[実施例4]例示化合物A10の合成
実施例1において、化合物F1に代えて下記に示す化合物F14を、化合物F2に代えて下記に示す化合物F15を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物A10を得た。
Figure 0007224813000034
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度97%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=877.32 計算値:C7036=877.03
[実施例5]例示化合物A31の合成
実施例1において、化合物F1に代えて下記に示す化合物F16を、化合物F2に代えて下記に示す化合物F17を、化合物F7に代えて下記に示す化合物F18を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物A31を得た。
Figure 0007224813000035
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=953.52 計算値:C7640=953.13
[実施例6]例示化合物A38の合成
実施例1において、化合物F1に代えて下記に示す化合物F16を、化合物F2に代えて下記に示す化合物F17を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物A38を得た。
Figure 0007224813000036
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=1029.39 計算値:C8244=1029.23
[実施例7]例示化合物A45の合成
実施例1において、化合物F2に代えて下記に示す化合物F18を、化合物F7に代えて下記に示す化合物F19を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物A45を得た。
Figure 0007224813000037
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=1209.05 計算値:C9656=1209.47
[実施例8]例示化合物B2の合成
実施例1において、化合物F1に代えて下記に示す化合物F20を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物B2を得た。
Figure 0007224813000038
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度97%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=836.08 計算値:C6430=836.92
[実施例9]例示化合物B7の合成
実施例1において、化合物F1に代えて下記に示す化合物F21を、化合物F7に代えて下記に示す化合物F22を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物B7を得た。
Figure 0007224813000039
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=968.34 計算値:C7641N=968.15
[実施例10]例示化合物A52の合成
実施例1において、化合物F3に代えて下記に示す化合物F23を、化合物F7に代えて下記に示す化合物F24を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物B7を得た。
Figure 0007224813000040
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=877.34 計算値:C7036=877.03
[実施例11]例示化合物C2の合成
Figure 0007224813000041
(1)化合物G3の合成
200mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物G1:4.35g(10mmol)
化合物G2:3.28g(10mmol)
Pd(PPh:0.2g
トルエン:50ml
エタノール:20ml
2M-炭酸ナトリウム水溶液:50ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で80℃に加熱しこの温度(80℃)で6時間攪拌を行った。反応終了後、水を加えて分液を行った後、クロロホルムに溶解した後、これをカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)にて精製後、クロロホルム/メタノールで再結晶を行うことにより、濃緑色の化合物G3を4.17g(収率:75%)得た。
(2)化合物G5の合成
100mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物G3:3.90g(7mmol)
化合物G4:2.25g(9mmol)
亜硝酸イソアミル:1.05g(9mmol)
トルエン:40ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で110℃に加熱しこの温度(80℃)で3時間攪拌を行った。反応終了後、水40mlで2回洗浄した。この有機層を飽和食塩水で洗浄し,硫酸マグネシウムで乾燥した後、この溶液を濾過後、ろ液を濃縮して茶褐色液体を得た。これをカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/ヘプタン=1:4)にて精製後、クロロホルム/メタノールで再結晶を行い、黄色結晶のG5を4.27g(収率:85%)得た。
Figure 0007224813000042
(3)化合物G6の合成
500ml反応容器内に、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物G5:3.59g(5mmol)
トリフルオロ酢酸:30ml
塩化メチレン:300ml
次に、水浴下において、下記試薬を反応容器内に入れた。
BF・OEt:9ml
次に、反応溶液を10分ほど撹拌した後、DDQ2.5g(2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン、11mmol)を入れた。次に、反応溶液を10分攪拌した後に、20度の水浴下でフェロセン2.1g(11mmol)を入れた。5分ほど撹拌したのち、メタノール300mlを加えた。このときに生じた赤色沈殿をろ過することで、赤色の固体を得た。次に、この固体をクロロベンゼンに溶解させ、ヘプタンで再結晶を行うことにより、赤色結晶のG6を3.2g(収率:90%)得た。
(4)化合物G8の合成
200mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物G6:2.15g(3mmol)
化合物G7:1.08g(3.3mmol)
Pd(PPh:0.6g
トルエン:100ml
エタノール:10ml
2M-炭酸ナトリウム水溶液:30ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で80℃に加熱しこの温度(80℃)で8時間攪拌を行った。反応終了後、エタノールを加えて結晶を析出させた後に結晶をろ別し、水、エタノール、ヘプタンで順次分散洗浄を行った。次に、得られた結晶をクロロベンゼンに加熱溶解した後、熱時ろ過をした後に再結晶を行うことにより、赤色の化合物G8を1.88g(収率:75%)得た。
Figure 0007224813000043
(5)例示化合物C2の合成
20mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物G8:837mg(1mmol)
Pd(dba):238mg
P(Cy)(トリシクロヘキシルフォスフィン):280mg
DBU(ジアザビシクロウンデセン):0.15ml
DMF:5ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で145℃に加熱しこの温度(145℃)で6時間攪拌を行った。反応終了後、エタノールを加えて結晶を析出させた後に結晶をろ別し、水、エタノール、ヘプタンで順次分散洗浄を行った。次に、得られた紫色結晶をトルエンに加熱溶解した後、熱時ろ過、トルエン/メタノールで再結晶を行うことにより、濃赤色の例示化合物A2を0.61g(収率:76%)得た。
この化合物の純度はHPLCを用いて純度99%以上であることを確認した。
尚、例示化合物C2は、MALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=800 計算値:C5830=801
[実施例12]例示化合物C3の合成
実施例11において、化合物G1に代えて下記に示す化合物G9を使用する以外は、実施例11と同様の方法により例示化合物C3を得た。
Figure 0007224813000044
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=828 計算値:C7870=829
[実施例13]例示化合物C4の合成
実施例11において、化合物G1に代えて下記に示す化合物G10を使用する以外は、実施例11と同様の方法により例示化合物C4を得た。
Figure 0007224813000045
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=828 計算値:C7870=829
[実施例14]例示化合物C6の合成
実施例11において、化合物G1に代えて下記に示す化合物G9を、化合物G2に代えて下記に示す化合物G10を使用する以外は、実施例11と同様の方法により例示化合物C6を得た。
Figure 0007224813000046
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=1081 計算値:C7870=1081
[実施例15]例示化合物C7の合成
実施例11において、化合物G2に代えて下記に示す化合物G13を使用する以外は、実施例11と同様の方法により例示化合物C7を得た。
Figure 0007224813000047
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度97%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=876 計算値:C6442=877
[実施例16]例示化合物C8の合成
実施例11において、化合物G2に代えて下記に示す化合物F14を、化合物G7に代えて下記に示す化合物F14を、使用する以外は、実施例11と同様の方法により例示化合物C8を得た。
Figure 0007224813000048
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度97%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=952 計算値:C6442=953
[実施例17]例示化合物C9の合成
実施例11において、化合物G2に代えて下記に示す化合物G15を使用する以外は、実施例11と同様の方法により例示化合物C9を得た。
Figure 0007224813000049
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度97%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=952 計算値:C6442=953
[実施例18]例示化合物C10の合成
実施例11において、化合物G1に代えて下記に示す化合物G16を使用する以外は、実施例11と同様の方法により例示化合物A10を得た。
Figure 0007224813000050
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度97%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=876 計算値:C6442=877
[実施例19]例示化合物C11の合成
実施例11において、化合物F1に代えて下記に示す化合物F17を、化合物F2に代えて下記に示す化合物F18を使用する以外は、実施例11と同様の方法により例示化合物C11を得た。
Figure 0007224813000051
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度97%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=952 計算値:C6442=953
[実施例20]例示化合物C13の合成
実施例11において、化合物G1に代えて下記に示す化合物G19を、化合物G2に代えて下記に示す化合物G20を使用する以外は、実施例11と同様の方法により例示化合物C13を得た。
Figure 0007224813000052
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度97%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=932 計算値:C6442=933
[実施例21]例示化合物C26の合成
実施例11において、化合物G1に代えて下記に示す化合物G21を、化合物G2に代えて下記に示す化合物G22を使用する以外は、実施例11と同様の方法により例示化合物C26を得た。
Figure 0007224813000053
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=988 計算値:C7250=989
[実施例22]例示化合物C31の合成
実施例11において、化合物G2に代えて下記に示す化合物G23を、化合物G7に代えて下記に示す化合物G24を使用する以外は、実施例11と同様の方法により例示化合物C31を得た。
Figure 0007224813000054
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=1181 計算値:C8850=1181
[実施例23]例示化合物D2の合成
実施例11において、化合物G1に代えて下記に示す化合物G25を使用する以外は、実施例11と同様の方法により例示化合物D2を得た。
Figure 0007224813000055
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度97%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=836 計算値:C5826=837
[実施例24]例示化合物D7の合成
実施例11において、化合物G1に代えて下記に示す化合物G26を、化合物G7に代えて下記に示す化合物G27を使用する以外は、実施例11と同様の方法により例示化合物D7を得た。
Figure 0007224813000056
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=995 計算値:C7243N=996
[実施例25]例示化合物G1の合成
実施例11において、化合物G7に代えて下記に示す化合物G28を使用する以外は、実施例11と同様の方法により例示化合物G1を得た。
Figure 0007224813000057
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。
さらにMALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=995 計算値:C7243N=996
[実施例26]
本実施例では、表6に示す構成の有機発光素子を作製した。基板上に、陽極、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、電子ブロッキング層(EBL)、発光層(EML)、正孔ブロッキング層(HBL)、電子輸送層(ETL)、電子注入層(EIL)、陰極が順次形成されたボトムエミッション型構造の有機発光素子を作製した。
発光層には、ホストとゲストが含まれている。それぞれの重量比は、
ホスト:ゲスト=99.5:0.5
である。
ガラス基板上にITOを成膜し、所望のパターニング加工を施すことによりITO電極(陽極)を形成した。この時、ITO電極の膜厚を100nmとした。このようにITO電極が形成された基板をITO基板として、以下の工程で使用した。次に、1.33×10-4Paの真空チャンバー内における抵抗加熱による真空蒸着を行って、上記ITO基板上に、下記表6に示す有機発光層及び電極層を連続成膜した。尚、この時、対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mmとなるようにした。
Figure 0007224813000058
得られた素子について、素子の特性を測定・評価した。発光素子の最大発光波長は615nmであり、色度は(X,Y)=(0.66、0.33)の赤色発光を得られた。測定装置は、具体的には電流電圧特性をヒューレッドパッカード社製・微小電流計4140Bで測定し、発光輝度は、トプコン社製BM7で測定した。さらに、電流密度100mA/cmでの連続駆動試験を行い、輝度劣化率が5%に達した時の時間を測定したところ、500時間を越えた。測定の結果は、他の実施例の結果と合わせて表7に示す。
[実施例27乃至39、比較例1]
実施例26における有機化合物を、表7に示される化合物に適宜変更する以外は、実施例11と同様の方法により有機発光素子を作製した。ただし、実施例34乃至39は、正孔注入層の膜厚を5nm、正孔輸送層の膜厚を25nmに変更した。得られた素子について実施例11と同様に素子の特性を測定・評価した。測定の結果を表7に示す。
Figure 0007224813000059
表7より、比較化合物1を用いた有機発光素子の発光色は黄色であった。これはゲストが、黄色領域に発光特性を有する比較化合物1であることに起因する。一方、本発明に係わる有機化合物を用いた素子は、良好な赤色発光特性を示した。
表8には、実施例26乃至33の5%劣化寿命を記した。他の実施例についても同等の寿命を示した。なお、比較例1の5%劣化寿命は450時間であった。
Figure 0007224813000060
表9には、実施例34乃至39の色度座標を示した。なお、比較化合物2を用いた有機発光素子や、比較化合物3を用いた有機発光素子は、下記表9に示す値よりも、色純度が低い結果であった。本実施形態に係る有機化合物を赤発光層に用いた実施例の素子と比較化合物を赤発光層に用いた比較例の素子とを比較すると、実施例の素子のほうがBT-2020の色再現範囲に対してより色再現範囲を広げる方向であることがわかる。これらの差異は、本実施形態に係る有機化合物を用いることに起因する。
Figure 0007224813000061
[実施例40]
本実施例では、基板上に陽極、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、電子ブロッキング層(EBL)、第一発光層(1stEML)、第二発光層(2ndEML)、正孔ブロッキング層(HBL)、電子輸送層(ETL)、電子注入層(EIL)、陰極が順次形成されたトップエミッション型構造の有機EL素子を作製した。
第一発光層には、第一ホスト、第一ゲスト、第三ゲストが含まれている。第一ゲストは赤発光材料であり、第三ゲストは緑発光材料である。第一発光層における重量比は、
第一ホスト:第一ゲスト:第三ゲスト=96.5:0.5:3.0
である。
第二発光層には、第二ホスト、第二ゲストが含まれている。第二ゲストは青発光材料である。第二発光層における重量比は、
第二ホスト:第二ゲスト=99.4:0.6
である。
陰極には、AgとMgとが含まれている。陰極を構成する成分の重量比は、
Ag:Mg=1:1
である。
ガラス基板上に、スパッタリング法でTiを40nm成膜し、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングし、陽極を形成した。尚、この時、対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mmとなるようにした。
続いて、真空蒸着装置(アルバック社製)に洗浄済みの電極までを形成した基板と材料を取り付け、1.33×10-4Pa(1×10-6Torr)まで排気した後、UV/オゾン洗浄を施した。その後、下記表10に示される層構成で各層の製膜を行い、最後に、窒素雰囲気下において封止を行った。
Figure 0007224813000062
得られた素子について、素子の特性を測定・評価した。得られた素子は、すべて良好な白色発光を示した。さらに、初期輝度2000cd/mでの連続駆動試験を行い、100時間経過後の輝度の劣化率を測定した。また、得られた白色発光スペクトルから、RGBカラーフィルタ透過後の赤の色度座標を見積もり、sRGBにおける赤の色度座標(0.64、0.33)との比較を行った。結果は他の実施例と合わせて表11に示す。
[実施例41乃至52、比較例2及び3]
実施例40における有機化合物層を、表11に示される化合物に適宜変更する以外は、実施例40と同様の方法により有機発光素子を作製した。ただし、実施例47乃至52は、第一発光層の膜厚を10nmとした。得られた素子について実施例40と同様に素子の特性を測定・評価した。測定の結果を表11に示す。
Figure 0007224813000063
表11より、比較例2及び3の、赤の色度座標はそれぞれ(0.63、0.35)、(0.62、0.35)であるため、sRGBの赤座標よりも浅い赤色である。このためsRGBの色再現範囲を満たすことはできない。これは比較化合物2の最大発光波長が590nm未満であること、比較化合物3の最大発光波長が590nm以上であるが、半値幅が80nmと広いことに起因する。
これに対して、本実施形態に係る有機化合物を、白色発光素子に適用した場合、sRGBの赤の色度座標(0.64、0.33)よりも深い色度(0.65、0.33)~(0.69、0.31)を示しており、sRGBにおける色再現範囲を満たすことがわかる。これは、本実施形態に係る有機化合物は、発光波長のλmaxが長波長化しただけでなく、半値幅が狭い発光波形を有しているからである。
本発明に係る有機化合物は、赤色発光に適した発光を呈する化合物である。このため本発明に係る有機化合物を有機発光素子の構成材料として用いることで、良好な発光特性と優れた耐久特性を有する有機発光素子を得ることができる。
10 表示装置
11 基板
12 防湿膜
13 ゲート電極
14 ゲート絶縁膜
15 半導体層
16 ドレイン電極
17 ソース電極
18 TFT
19 絶縁膜
20 コンタクトホール
21 陽極
22 有機化合物層
23 陰極
24 第一保護層
25 第二保護層
1000 表示装置
1001 上部カバー
1002 フレキシブルプリント回路
1003 タッチパネル
1004 フレキシブルプリント回路
1005 表示パネル
1006 フレーム
1007 回路基板
1008 バッテリー
1009 下部カバー
1100 撮像装置
1101 ビューファインダ
1102 背面ディスプレイ
1103 操作部
1104 筐体
1200 電子機器
1201 表示部
1202 操作部
1203 筐体
1300 表示装置
1301 額縁
1302 表示部
1303 土台
1310 表示装置
1311 第一表示部
1312 第二表示部
1313 筐体
1314 屈曲点
1500 自動車
1501 テールランプ
1502 窓
1503 車体

Claims (20)

  1. 下記一般式[1]で表されることを特徴とする有機化合物。
    Figure 0007224813000064

    一般式[1]において、R乃至R22は、水素原子、ハロゲン原子または置換基からそれぞれ独立に選ばれる。前記置換基は、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基及び、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基及びシアノ基のいずれかである。前記アルキル基、前記アルコキシ基、前記アミノ基、前記アリール基、前記複素環基、及び前記アリールオキシ基が置換基を有する場合、当該置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基、複素環基、置換アミノ基、またはハロゲン原子からそれぞれ独立して選択される。
    12及びR13は、互いに結合してベンゼン環構造を形成する。
  2. 一般式[1]において、R、R10、R17、及びR18のうち、少なくとも1つが前記アルキル基または前記アリール基であることを特徴とする請求項1に記載の有機化合物。
  3. 一般式[1]において、R及びR18の組、R10及びR17の組の少なくともいずれかの組は、前記アリール基であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機化合物。
  4. 前記アリール基は、フェニル基であり、前記フェニル基は、そのオルト位にメチル基またはフェニル基を有することを特徴とする請求項2または3に記載の有機化合物。
  5. 前記フェニル基は、そのオルト位にフェニル基を有することを特徴とする請求項4に記載の有機化合物。
  6. 下記一般式[2]または[3]で表されることを特徴とする有機化合物。
    Figure 0007224813000065

    Figure 0007224813000066

    一般式[2]及び[3]において、R乃至R24は、水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基及びシアノ基からそれぞれ独立に選ばれる。前記アルキル基、前記アルコキシ基、前記アミノ基、前記アリール基、前記複素環基、及び前記アリールオキシ基が置換基を有する場合、当該置換基は、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基、複素環基、置換アミノ基、またはハロゲン原子から選ばれる。
  7. 一般式[2]及び[3]において、R、R10、R19、及びR20のうち少なくとも1つが前記アルキル基または前記アリール基であることを特徴とする請求項6に記載の有機化合物。
  8. 一般式[2]及び[3]において、R及びR20の組、または、R10及びR19の組の少なくともいずれか一方の組が、前記アリール基であることを特徴とする、請求項6または7に記載の有機化合物。
  9. 前記アリール基は、フェニル基であり、前記フェニル基は、そのオルト位にメチル基またはフェニル基を有することを特徴とする請求項8に記載の有機化合物。
  10. 前記フェニル基は、そのオルト位にフェニル基を有することを特徴とする請求項9に記載の有機化合物。
  11. 陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置されている有機化合物層と、を有する有機発光素子であって、
    前記有機化合物層は、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の有機化合物を有することを特徴とする有機発光素子。
  12. 前記有機化合物層は発光層であることを特徴とする請求項11に記載の有機発光素子。
  13. 前記発光層は、ホストと、ゲストとを有し、前記ゲストが、前記有機化合物層であることを特徴とする請求項12に記載の有機発光素子。
  14. 前記有機化合物層は、前記発光層と、前記発光層とは別の発光層を有し、前記別の発光層は前記発光層とは異なる色を発光することを特徴とする請求項12または13に記載の有機発光素子。
  15. 白色発光することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  16. 複数の画素を有し、前記複数の画素が、請求項11乃至15のいずれか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に接続されたトランジスタと、を有することを特徴とする表示装置。
  17. 複数のレンズを有する光学部と、前記光学部を通過した光を受光する撮像素子と、画像を表示する表示部と、を有し、
    前記表示部は、前記撮像素子が撮像した画像を表示する表示部であり、前記表示部は請求項11乃至15のいずれか1項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする撮像装置。
  18. 筐体と、外部と通信する通信部と、表示部とを有し、
    前記表示部は請求項11乃至15のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする電子機器。
  19. 光源と、光拡散部または光学フィルムと、を有する照明装置であって、
    前記光源は、請求項11乃至15のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする照明装置。
  20. 機体と、前記機体に設けられている灯具を有し、
    前記灯具は、請求項11乃至15のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする移動体。
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