JP2017069225A - 白色有機el素子、それを用いた照明装置及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久特性の改善された白色有機EL素子を提供する。【解決手段】発光層を第1の発光層5,第2の発光層4の積層構成とし、第1の発光層5のホストと青色発光のドーパントのLUMOエネルギーの差が、HOMOエネルギーの差よりも大きくなるように設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、一対の電極間に挟まれた、発光層を含む有機EL(エレクトロルミネセンス)層に通電することにより光を放出する有機EL素子に関し、特に白色発光の白色有機EL素子に関する。また、白色有機EL素子を用いた照明装置及び表示装置に関する。
近年、フラットパネル対応の自発光型デバイスが注目されている。自発光型デバイスとしては、プラズマ発光表示素子、フィールドエミッション素子、EL素子等がある。この中で、特に、有機EL素子に関しては、研究開発が精力的に進められており、緑単色や、青、赤等の色を加えたエリアカラータイプのアレイが製品化され、現在はフルカラー化への開発が活発化している。
フルカラー発光アレイを作製する場合、発光層を画素(素子)ごとに塗り分ける方式と、発光層は白色発光で、カラーフィルターを画素ごとに塗り分ける白色有機EL素子を用いた方式がある。白色有機EL素子に関しては、二種類以上の発光材料を用いることが多い。
特許文献1には、複数の発光層を積層し、最もカソード側に近い青色発光層のドーパントが−5.2eV未満のHOMO(最高被占有軌道準位)エネルギーを有することで耐久特性と動作電圧、電力効率の向上を図った白色有機EL素子が開示されている。
特表2011−529614号公報
Science,283,1900(1999)
しかしながら、特許文献1の有機EL素子についても、耐久特性については、初期輝度4000cd/m2での半減時間が1100時間(h)であり、さらなる改善が望まれる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、耐久特性の改善された白色有機EL素子を提供するものである。
上記課題を解決するための手段として、本発明の第1は、少なくとも、陽極及び陰極と、前記陽極及び陰極に挟まれた積層された複数の発光層とを有し、前記複数の発光層はそれぞれ発光色が異なるドーパントを含み、前記複数の発光層のうち、最も陰極側の発光層は第1のホストと青色発光のドーパントとを含み、他の層は緑色発光のドーパントと赤色発光のドーパントを含む白色有機EL素子において、
前記ホストの最低空軌道準位のエネルギーをLh1、最高被占有軌道準位のエネルギーをHh1、前記青色発光のドーパントの最低空軌道準位のエネルギーをLg1、最高被占有軌道準位のエネルギーをHg1とすると、
Lh1−Lg1>Hg1−Hh1
を満たすことを特徴とする。
更に本発明の第1は、以下のいずれかを特徴とする。
(1)前記複数の発光層が二つの層からなり、前記他の発光層が第2のホストと緑色発光のドーパントと赤色発光のドーパントとを含み、
前記第2のホストの最低空軌道準位のエネルギーをLh2、最高被占有軌道準位のエネルギーをHh2、前記緑色発光のドーパントの最低空軌道準位のエネルギーをLg2、最高被占有軌道準位のエネルギーをHg2とすると、
Lh2−Lg2>Hg2−Hh2
を満たし、
前記第1のホストと前記第2のホストとが同じ材料である。
(2)前記青色発光のドーパントが、後述するA1乃至A18のいずれかの構造式で示される化合物であり、前記緑色発光のドーパントが、後述するB1乃至B36のいずれかの構造式で示される化合物であり、前記赤色発光のドーパントが、後述するC1乃至C12のいずれかの構造式で示される化合物である。
本発明によれば、耐久特性の改善された白色有機EL素子を提供することができる。
本発明の第2は、上記本発明の白色有機EL素子と、前記白色有機EL素子に接続されたコンバーター回路と、を有することを特徴とする照明装置である。
本発明の第3は、上記本発明の白色有機EL素子と、前記白色有機EL素子に接続されたスイッチング素子と、を有することを特徴とする表示装置である。
本発明の一実施形態を表す概略断面図である。 本発明の有機EL素子を用いた表示装置の一例の概略断面図である。
本発明の白色有機EL素子は、積層された複数の発光層を備えている。そして、陰極側の第1の発光層が第1のホストと青色発光のドーパントとを含み、他の層が緑色発光のドーパントと赤色発光のドーパントとを含んでいる。そして、第1の発光層において、ホスト及びドーパントの最低空軌道準位(LUMO)のエネルギー差が最高被占有軌道準位(HOMO)のエネルギー差よりも大きいことに特徴を有する。
以下、図1を用いて、本発明をより詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す概略断面図であり、発光層が二層の場合を示す。本実施形態では、基板1上に陽極2及び陰極7を備え、該陽極2と陰極7に挟まれた第1の発光層5及び第2の発光層4を有する。前記第1の発光層5と第2の発光層4は、異なる発光色のドーパントをそれぞれ有する。また、陽極2と第2の発光層4との間には、正孔輸送層3を、陰極7と第1の発光層5との間には電子輸送層6を備えるが、本発明は係る構成に限定されず、正孔輸送層3、電子輸送層6は必要に応じて適宜用いられる。また、陽極2と陰極7に挟まれた有機化合物層を、有機EL層と呼ぶ。
また、図1の構成にさらに、陽極2と正孔輸送層3との間に正孔注入層を、正孔輸送層3と第2の発光層4との間に電子ブロック層を備えていてもよい。さらに、第1の発光層5と電子輸送層6との間に正孔ブロック層と、電子輸送層6と陰極7との間に電子注入層を備えていてもよい。これら正孔注入層、電子ブロック層、正孔ブロック層、電子注入層は本発明において必要に応じて適宜用いられる。
前記第1、第2の発光層5,4のうち、陰極7側に位置する第1の発光層5は、第1のホスト(第1ホスト)と、青色発光のドーパント(Bドーパント)と、を少なくとも含むものである。一方、陽極2側の第2の発光層4は、第2のホスト(第2ホスト)と、緑色発光のドーパント(Gドーパント)及び赤色発光のドーパント(Rドーパント)とを少なくとも含んでいる。
ここで、本発明は、陰極7側の第1の発光層5における第1ホスト、及び青色発光のドーパントのHOMO,LUMOのエネルギーの関係が、下記の式(1)を満たすものである。
Lh1−Lg1>Hg1−Hh1 (1)
但し、Lh1は第1ホストのLUMOエネルギー、Lg1はBドーパントのLUMOエネルギー、Hh1は第1ホストのHOMOエネルギー、Hg1はBドーパントのHOMOエネルギーである。尚、HOMOエネルギー及びLUMOエネルギーは真空準位を基準とし、通常の分子の場合、負の値を取る。本発明においては、HOMOエネルギーとしては大気下光電子分光法(理研計器製 AC−2)を用いて測定した値を用いる。また、LUMOエネルギーは、HOMOエネルギーと、可視光−紫外吸収スペクトルにおける吸収端から求めたバンドギャップから求めた。つまりLUMOエネルギーはHOMOエネルギーとバンドギャップの和である。
更に、本明細書においては、HOMOエネルギー、LUMOエネルギーを各々比較する際に、値の小さいもの(つまり、負の値であれば絶対値の大きいもの)を「深い」と称し、値の大きなもの(つまり、負の値であれば絶対値の小さなもの)を「浅い」と称する。
このようなエネルギーの関係にすることで、耐久特性を改善することができるが、その理由は以下のように考えられる。
非特許文献1には、発光層のホストであるトリス(8−キノリラト)アルミニウム(AlQ3)の劣化の一因が、ホール通電によって生成したラジカルカチオン(陽イオン)の不安定性であることが示唆されている。このような発光層におけるラジカルカチオン起因の劣化を抑えるためには、発光層におけるホール密度を下げることで、ラジカルカチオンになる確率自体を下げることが好ましい。そして、そのためには、ホールトラップ性を下げ、電子トラップ性を強くし、発光層における電子密度を高くするとよい。電子密度を高めることで、再結合確率を増やし、結果的にホール密度を低下させることができる。そのためには、発光層におけるドーパントの、電子トラップ深さをホールトラップ深さよりも大きくすることが好ましい。尚、本明細書においては、電子トラップ深さがホールトラップ深さよりも大きい発光層を電子トラップ性発光層と称する。
尚、本明細書においては、電子トラップ深さとは、ホストのLUMOエネルギーからドーパントのLUMOエネルギーを引いたものを指し、この値が大きいほど電子トラップが深い、もしくはトラップ深さが大きいと称する。また、ホールトラップ深さとは、ドーパントのHOMOエネルギーから、ホストのHOMOエネルギーを引いたものを指し、この値が大きいほどホールトラップが深い、もしくはホールトラップ深さが大きいと称する。
このように、耐久特性改善効果のある電子トラップ性発光層であるが、本発明者が検討したところ、複数の発光層を備える白色有機EL素子において、該電子トラップ性発光層を導入することは容易ではなかった。表1にBドーパントを含む電子トラップ性の青色発光層と、Rドーパント及びGドーパントを含む発光層とを積層した白色有機EL素子の発光強度比を示す。積層順は陽極側に電子トラップ性青色発光層を配置し、陰極側にRドーパントとGドーパントを含む発光層を配置している場合と、逆に配置している場合について示す。
Figure 2017069225
表1から分かるように、陽極側に電子トラップ性青色発光層を持ってきた場合(表1上段)、青色の発光強度が極端に弱く、白色有機EL素子として用いることが難しい。この原因については、以下のように推測される。
ホストとドーパントのHOMOのエネルギー差よりも、ホストとドーパントのLUMOのエネルギー差の大きい電子トラップ性発光層の場合、電子のトラップが深いために電子の移動度が遅い。また、ホールのトラップが深くないために、ホストとして移動度が早いものを用いれば、ホールの移動度は遅くない。そのため、発光領域は発光層の中でも陰極側に寄っているものと考えられる。この場合、発光層の陰極側に、さらにバンドギャップの狭い長波長のR,Gドーパントを含むと、Bドーパントの励起子とR,Gドーパントとの距離が近いために、前記長波長ドーパントへのエネルギー移動が起こり、青色の発光が弱まっていると考えられる。発光強度バランスが崩れた白色有機EL素子は、好ましい白色を表示できない。照明として用いる場合、演色範囲が狭くなってしまい、RGB三色のカラーフィルターと組み合わせたフルカラー表示パネルにおいては、発光強度が低い色を表示するために多くの電流を流さざるをえないため、必要な消費電力が高くなってしまう。
一方、表1の下段に示したように、R,Gドーパントを含む発光層を陽極側に、Bドーパントを含む電子トラップ性発光層を陰極側に配置した場合のRGBピーク波長の強度比はR,G,Bの発光バランスが改善されており、白色有機EL素子として用いやすい。
上述したように、白色有機EL素子として用いる場合には、単色の発光層とは異なり、他の発光層との間の関係についても考慮しないと、良好な白色を実現することはできない。また、このような電子トラップ性青色発光層を用いることで、R,G,Bの中で最もバンドギャップが広く、そのため最も耐久特性の悪い傾向が強い青色発光層の耐久特性がよくなるため、白色有機EL素子としての耐久特性の高いものを得ることができる。
さらに、陽極2側に位置する第2の発光層4において、第2ホストとGドーパントについても、電子トラップ性の関係、即ち、下記の式(2)の関係を満たすことが好ましい。
Lh2−Lg2>Hg2−Hh2
但し、Lh2は第2ホストのLUMOエネルギー、Lg2はGドーパントのLUMOエネルギー、Hh2は第2ホストのHOMOエネルギー、Hg2はGドーパントのHOMOエネルギーである。式(2)の関係を満たすことで、白色有機EL素子の耐久特性を改善することができる。
第1の発光層5に加え、さらに、第2の発光層4も電子トラップ性とすることで、第2の発光層4がホールトラップ性であるよりも、駆動電圧を下げることが可能である。これは、陰極7側の第1の発光層5が電子トラップ性であるために、電子の移動度は前記第1の発光層5で律速され、小さい。それに加えて、第2の発光層4がホールトラップ性であると、ホールの移動度が第2の発光層4で律速されるために、小さくなってしまい、駆動電圧は上昇する。これに対して、第2の発光層4が電子トラップ性であれば、ホールの移動度は速いため、第2の発光層4にかかる電圧を下げることができ、駆動電圧を低減できる。
本実施形態においては、第2の発光層4に、Rドーパントを加えることで、全体として発光波長の異なる三色のドーパントを含むことになり、色再現範囲の広い白色有機EL素子を得ることができる。
但し、第2の発光層4においてバンドギャップの異なるRドーパントとGドーパントとが混在するため、よりバンドギャップの狭いRドーパントへのエネルギー移動が起こりやすい。そのため、Rドーパントのドープ濃度は、Gドーパントのドープ濃度に比べて小さくすることが好ましい。好ましくはRドーパントの濃度は、質量比でGドーパント濃度の1/5以下、より好ましくは1/10以下にすることが望ましい。これにより、R,Gのドーパントの発光強度バランスを整えることができる。
一方、Rドーパントについては、電子トラップ及びホールトラップ共に用いることができる。Rドーパントについてはドープ濃度も小さいので移動度への影響は小さく、駆動電圧への影響も小さい。
本発明の第2の実施形態として、第2の発光層4にGドーパントを含み、第2の発光層4の陽極2側に、Rドーパントを含む第3の発光層(不図示)を備えてもよい。第3の発光層は、第3のホストと、Gのドーパントよりも長波長のRドーパントを含む。三層の発光層を有する場合、異なる発光色を有するドーパントが同一層内に混在しないため、エネルギー移動を抑えることができる。特に、青色と緑色の発光層が電子トラップ性であることと、発光層の積層順序が陰極7側から、青色発光の第1の発光層5、緑色発光の第2の発光層4、赤色発光の第3の発光層(不図示)の順に積層されていることでこの効果が大きい。第1の発光層5と緑色発光の第2の発光層4は電子トラップ性であるため、その発光領域は各発光層の陰極7側に偏っていると考えられる。一方、積層順の関係で、第1の発光層5及び緑色発光の第2の発光層4が隣接するバンドギャップの狭い発光層は陽極2側にある。このため、励起子をバンドギャップの狭い材料から距離を離すことができるため、バンドギャップの狭い発光層への過剰なエネルギー移動を抑制しやすい。そのため、第3のドーパントの濃度を二層の発光層の場合に比べて高くすることができ、製造プロセス上制御が容易になるため、好ましい。
一方、図1のように発光層が二層構成の場合に、第1の発光層5にBドーパントを、第2の発光層4にGドーパント及びRドーパントを加える場合、発光層の総数が少ない分、発光層の膜厚を薄くすることができる。一般的に発光層はその他の層に比べて移動度が低いため、発光層を薄くすることで、駆動電圧を下げることができるため、好ましい。
尚、本明細書においては、Bドーパントとは、発光スペクトルのピーク波長が430nm乃至480nmの発光材料をさす。また、Gドーパントとは、発光スペクトルのピーク波長が500nm乃至570nmの発光材料を、Rドーパントとは、発光スペクトルのピーク波長が580nm乃至680nmのものをそれぞれさす。
本発明に用いられる発光層の材料としては、特に制限されない。
第1乃至第3の発光層のホスト材料、電子注入層の材料、電子輸送層の材料、正孔輸送層の材料、正孔注入層の材料としては、例えば下記化1乃至化4に示される構造の化合物を挙げることができる。
Figure 2017069225
Figure 2017069225
Figure 2017069225
Figure 2017069225
但し、本発明はこれらに限定されるものではない。化1乃至化4で示されている化合物のその誘導体である化合物もホストとして使用することができる。また、それ以外にも、縮環化合物が挙げられる。例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、キノキサリン誘導体、キノリン誘導体等、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機亜鉛錯体である。また、トリフェニルアミン誘導体なども挙げられる。
第1乃至第3ホストについては、同じものを用いてもよいし、異なるものを用いてもよい。同じ材料を用いる場合は、発光層間の注入障壁がなくなるために、駆動電圧低減を図ることができる。
本発明に用いられるBドーパントは、例えば以下のものを挙げることができる。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2017069225
本発明に用いられるGドーパントは、例えば以下のものを用いることができる。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2017069225
Figure 2017069225
本発明に用いられるRドーパントは、例えば以下のものを用いることができる。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2017069225
B,Gドーパントのドープ濃度としては、それぞれ0.1乃至10質量%、より好ましくは0.3乃至5質量%が望ましい。濃度が薄すぎると電子トラップ確率が低下して、再結合確率が低下し、青色の発光強度の低下を招き、逆に濃度が濃すぎると濃度消光を起こすため望ましくない。
上記した例示化合物B19乃至B36の合成方法について説明する。これらの化合物は、例えば下記に示す反応式に従って合成される。
Figure 2017069225
Figure 2017069225
上記反応式にて示されるように、例示化合物B20、B21は、下記(a)乃至(d)に示される化合物を原料として合成されるものである。
(a)ベンゾ[k]フルオランテン誘導体(D1)
(b)ベンゾ[k]フルオランテン誘導体(D2)
(c)フルオランテノ[8,9−k]フルオランテン誘導体(D4)
(d)ナフタレン誘導体(D5)
また上記反応式において、D1乃至D4をそれぞれ変えることで種々の化合物を合成することができる。
例示化合物C4の合成ルートの一例を説明する。以下に反応式を記す。このうち下記反応式において置換基を導入する場合には、導入する位置の水素原子を他の置換基に置き換えて合成することができる。置き換える置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、フェニル基などが挙げられる。
Figure 2017069225
上記反応式にて示されるように、例示化合物C4は、下記(e)乃至(g)に示される化合物を原料として合成されるものである。
(e)ケトン誘導体(D7)
(f)フルオランテン誘導体(D8)
(g)フルオランテン誘導体(D9)
また、例示化合物C9,10の合成方法を説明する。これらの化合物は、例えば、下記に示す反応式で合成される。
Figure 2017069225
上記反応式にて示されるように、上記化合物は、下記(h)乃至(k)に示される化合物を原料として合成されるものである。
(h)ジケトン誘導体(F1)
(i)ジベンジルケトン誘導体(F2)
(j)ナフタレン誘導体(F3)
(k)ビナフチル誘導体(F4)
上記反応式において、F1乃至F4をそれぞれ変えることで例示化合物C9,10を合成することができる。
以下、その他の構成部材について説明する。
基板1としては、石英、ガラス、シリコンウェハー、樹脂、金属など何を用いてもよい。また、基板1上には、不図示のトランジスタなどのスイッチング素子や配線を備え、その上に不図示の絶縁層を備えてもよい。絶縁層としては、陽極2と不図示の配線の導通を確保するために、コンタクトホールを形成可能で、尚かつ未接続の配線との絶縁を確保できれば、何を用いてもよい。例えば、ポリイミド等の樹脂、酸化シリコン、窒化シリコンなどを用いることができる。
陽極2としては、反射電極として用いる場合には、例えばクロム、アルミニウム、銀、チタン、タングステン、モリブデン、又はこれらの合金、積層したものなどを用いることができる。また、透明電極として用いる場合には、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛などの酸化物透明導電層などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。電極の形成には、公知のフォトリソグラフィ技術を用いることができる。
正孔輸送層3としては、公知の材料を好適に用いることができる。例えば、トリフェニルジアミン誘導体、オキソジアゾール誘導体、ポリフィリル誘導体、スチルベン誘導体等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、正孔注入層8と正孔輸送層3との積層体、即ち複数の層で正孔輸送層3の機能を担ってもよい。正孔注入層8としては、酸化モリブデン、酸化タングステン等の酸化物、2,3,5,6−テトラフロロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4TCNQ)などの有機物、また、これらの材料と正孔輸送層3との混合層を用いてもよい。特にF4TCNQなどの材料を正孔輸送層3と混合させると、低抵抗の正孔注入・輸送層となり、駆動電圧の低減を図ることができる。前記正孔輸送層3の厚さは、各画素共通でもよいし、干渉を合わせる上で、色に応じて膜厚を変えてもよい。
さらに、正孔輸送層3と第2の発光層4或いは第3の発光層(不図示)との間に、電子ブロック層(不図示)を設けてもよい。LUMOエネルギーが発光層ホストよりも浅い電子ブロック層を設けることで、励起子を効果的に発光層に閉じこめ、効率を上げることができる。
電子輸送層6としては、公知の材料を好適に用いることができる。例えば、アルミキノリノール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェニルキノキサリン誘導体、シロール誘導体、フェナントロリン誘導体等、が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、電子注入層(不図示)と電子輸送層6との積層体、即ち複数の層で電子輸送層6の機能を担ってもよい。
電子注入層としては、電子供与性のドーパントと電子輸送性の材料の混合物を用いてもよい。電子供与性のドーパントとしては、アルカリ金属やアルカリ土類金属、希土類金属、及びこれらの化合物を用いることができる。電子注入層は、電子輸送性材料に、アルカリ金属化合物を0.1乃至数十質量%含有させることにより形成される。より好ましくは、前記アルカリ金属化合物はセシウム化合物である。さらに、より好ましくは、前記セシウム化合物が炭酸セシウム及び炭酸セシウム由来の物質である。本発明において電子注入層を形成する好適な手法は、炭酸セシウムと電子輸送性材料を共蒸着することである。良好な電子注入性を確保するためには、電子注入層の膜厚が10nm乃至100nmであることが好ましい。尚、共蒸着時に炭酸セシウムが分解するなどして、電子注入層内に炭酸セシウム由来の(Cs113)Cs10や(Cs113)Cs、Cs113などのサブオキサイドが形成される場合がある。またセシウムと有機化合物との間で配位化合物が形成される場合がある。
また、電子輸送層6と第1の発光層5との間に、さらに正孔ブロック層(不図示)を設けてもよい。発光層ホストよりもHOMOの深い正孔ブロック層を設けることで、励起子を効果的に発光層に閉じ込めることができ、効率の向上につながる。
陰極7は、ITOなどの酸化物導電層を使用してトップエミッション素子としてもよいし、アルミニウム(Al)などの反射電極を使用してボトムエミッション素子としてもよいし、特に限定されない。陰極7の形成方法としては、特に限定されないが、直流及び交流スパッタリング法などを用いると、膜のカバレッジがよく、抵抗を下げやすいためより好ましい。
陰極7形成後に、不図示の封止部材を設けてもよい。例えば、陰極7上に吸湿剤を設けたガラスを接着することで、有機EL層に対する水等の浸入を抑え、表示不良の発生を抑えることができる。また、別の実施形態としては、陰極7上に窒化ケイ素等のパッシベーション膜を設け、有機EL層に対する水等の浸入を抑えてもよい。例えば、陰極7形成後に真空を破らずに別のチャンバーに搬送し、CVD法で厚さ1乃至10μmの窒化ケイ素膜を形成することで、封止膜としてもよい。
また、各画素にカラーフィルターを設けてもよい。例えば、画素のサイズに合わせたカラーフィルターを別の基板上に設け、それを有機EL素子を設けた基板と貼り合わせてもよいし、酸化ケイ素等の封止膜上にフォトリソグラフィ技術を用いて、カラーフィルターをパターニングしてもよい。
本発明の有機EL素子において、有機化合物を含有する層及びその他の有機化合物からなる層は、以下に示す方法により形成される。一般には真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマ或いは、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により薄膜を形成する。ここで真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成すると、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。しかしながら、これらに限定されるものではない。また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
本発明の有機EL素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも電子写真方式の画像形成装置の露光光源や液晶表示装置のバックライト、カラーフィルターを用いた白色光源等の用途がある。カラーフィルターは例えば赤、緑、青の3つの色が透過するフィルターが挙げられる。
表示装置は、本発明の有機EL素子を表示部に有する。この表示部は複数の画素を有する。そしてこの画素は本発明の有機EL素子と、発光輝度を制御するためのスイッチング素子の一例であるTFTとを有し、この有機EL素子の陽極又は陰極とTFTのドレイン電極又はソース電極とが接続されている。ここで表示装置は、PC等の画像表示装置として用いることができる。
表示装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの画像情報を入力する入力部を有し、入力された画像を表示部に出力する画像入力装置でもよい。
また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部は、外部から入力された画像情報を表示する画像出力機能と操作パネルとして画像への加工情報を入力する入力機能との両方を有していてもよい。また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
照明装置は例えば室内を照明する装置である。照明装置は白色、昼白色、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってよい。照明装置は本発明の有機EL素子とそれに接続されるコンバーター回路を有している。係るコンバーター回路は、交流電圧を直流電圧に変換する回路である。また、白とは色温度が4200Kで昼白色とは色温度が5000Kである。照明装置はカラーフィルターを有してもよい。
次に、本発明の有機EL素子を使用した表示装置について図2を用いて説明する。図2は、本発明の有機EL素子とそれに接続されたTFT(薄膜トランジスタ)とを有する表示装置の断面模式図である。
この表示装置は、ガラス等の基板10とその上部にTFT又は有機EL層を保護するための防湿膜11が設けられている。また12は金属のゲート電極12である。13はゲート絶縁膜13であり、14は半導体層である。TFT17は半導体層14とドレイン電極15とソース電極16とを有している。TFT17の上部には絶縁膜18が設けられている。コンタクトホール19を介して有機発光素子の陽極20とソース電極16とが接続されている。
本実施形態に係る表示装置はこの構成に限られず、陽極又は陰極のうちいずれか一方とTFT17のソース電極又はドレイン電極のいずれか一方とが接続されていればよい。また、陰極22の上には有機EL素子の劣化を抑制するための第1の保護層23や第2の保護層24が設けられている。
本実施形態に係る表示装置が白色を発する表示装置の場合は、図2中の有機EL層21中の発光層を図1で示される積層型の発光層とすることで白色を発する表示装置となる。
本実施形態に係る有機EL素子はスイッチング素子の一例であるTFTにより発光輝度が制御され、有機EL素子を複数面内に設けることでそれぞれの発光輝度により画像を表示することができる。尚、本実施形態に係るスイッチング素子は、TFTに限られず、トランジスタやMIM素子、Si基板等の基板上に形成されたアクティブマトリクスドライバーであってもよい。基板上とは、その基板内ということもできる。これは精細度によって選択され、例えば1インチでQVGA程度の精細度の場合はSi基板上に有機EL素子を設けることが好ましい。本実施形態に係る有機EL素子を用いた表示装置を駆動することにより、良好な画質で、長時間表示にも安定な表示が可能になる。
本発明の有機EL素子は、各種ディスプレイにも好適に用いることができる。ディスプレイとはテレビやパソコンの表示部や電子機器に搭載される表示部といった画像表示装置のことである。電子機器に搭載される表示部として好ましくは車内の表示部であったり、デジタルカメラの画像表示部であったり、或いは複写機やレーザービームプリンタといった事務機器の操作パネルを挙げることができる。また、照明としても好適に用いることができる。
(実施例1)
例示化合物B20の合成:下記反応式に従い、例示化合物B20を合成した。
Figure 2017069225
(1)化合物E3の合成
100mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物E1:3.56g(10mmol)
化合物E2:3.25g(13mmol)
亜硝酸イソアミル:1.52g(13mmol)
トルエン:50ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で110℃に加熱し、この温度(80℃)で3時間攪拌を行った。反応終了後、水50mlで2回洗浄した。この有機層を飽和食塩水で洗浄し,硫酸マグネシウムで乾燥した後、この溶液を濾過後、ろ液を濃縮して茶褐色液体を得た。これをカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/ヘプタン=1:4)にて精製後、クロロホルム/メタノールで再結晶を行い、黄色結晶のE3を4.3g(収率:83%)得た。
(2)化合物E5の合成
200mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物E4:2.59g(5mmol)
化合物E5:2.65g(5mmol)
Pd(PPh34:0.1g
トルエン:50ml
エタノール:20ml
2M−炭酸ナトリウム水溶液:50ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で80℃に加熱し、この温度(80℃)で8時間攪拌を行った。反応終了後、エタノールを加えて結晶を析出させた後に結晶をろ別し、水、エタノール、ヘプタンで順次分散洗浄を行った。次に、得られた結晶をトルエンに加熱溶解した後、これをカラムクロマトグラフィー(トルエン/ヘプタン=1:3)にて精製後、クロロホルム/メタノールで再結晶を行うことにより、黄色の化合物E5を3.28g(収率:78%)得た。
(3)例示化合物B20の合成
20mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物E5:841mg(1mmol)
Pd(dba)2:238mg
P(Cy)3(トリシクロヘキシルフォスフィン):280mg
DBU(ジアザビシクロウンデセン):0.15ml
DMF:5ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で145℃に加熱しこの温度(145℃)で6時間攪拌を行った。反応終了後、エタノールを加えて結晶を析出させた後に結晶をろ別し、水、エタノール、ヘプタンで順次分散洗浄を行った。次に、得られた紫色結晶をトルエンに加熱溶解した後、熱時ろ過、トルエン/メタノールで再結晶を行うことにより、橙色の例示化合物B20を0.60g(収率:75%)得た。
この化合物の純度はHPLCを用いて純度99%以上であることを確認した。例示化合物B20の1×10-5mol/Lにおけるトルエン溶液の発光スペクトルは、日立製F−4500を用いて、350nmの励起波長においてフォトルミネッセンスの測定を行った結果、512nmに最大強度を有するスペクトルを得た。尚、例示化合物B20は、MALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=804.11 計算値:C6436=804.28
(実施例2)
例示化合物B30の合成:実施例1(1)において、化合物E1に代えて下記に示す化合物E12を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物B30を得た。
Figure 2017069225
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度99%以上であることを確認した。また実施例1と同様の方法により、例示化合物B30のトルエン溶液(濃度:1×10-5mol/L)における発光スペクトルの測定を行った結果、515nmに最大強度を有するスペクトルを得た。さらにMALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=1028.66 計算値:C8068=1028.53
(実施例3)
例示化合物B32の合成:実施例1(1)において、化合物E1に代えて下記に示す化合物E13、化合物E4に代えて下記に示す化合物E14を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物B32を得た。
Figure 2017069225
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度99%以上であることを確認した。また実施例1と同様の方法により、例示化合物B32のトルエン溶液(濃度:1×10-5mol/L)における発光スペクトルの測定を行った結果、517nmに最大強度を有するスペクトルを得た。さらにMALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=1252.12 計算値:C96100=1252.78
(実施例4)
例示化合物B33の合成:実施例1(1)において、化合物E1に代えて下記に示す化合物E15、化合物E4に代えて下記に示す化合物E16を使用する以外は、実施例1と同様の方法により例示化合物B33を得た。
Figure 2017069225
HPLCを用いて得られた化合物の純度を評価したところ、純度98%以上であることを確認した。また実施例1と同様の方法により、例示化合物B33のトルエン溶液(濃度:1×10-5mol/L)における発光スペクトルの測定を行った結果、516nmに最大強度を有するスペクトルを得た。さらにMALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=972.18 計算値:C7660=972.47
(実施例5)
以下に、図1に示すトップエミッション型構造の有機EL素子を作製する手順を示す。
ガラス基板1上に、スパッタリング法でTiを40nm成膜し、公知のフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングし、陽極2を形成した。尚、この時、対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mm2となるようにした。
続いて、真空蒸着装置(アルバック社製)に洗浄済みの電極までを形成した基板と材料を取り付け、1.33×10-4Pa(1×10-6Torr)まで排気した後、UV/オゾン洗浄を施した。その後、以下の層構成で各層の製膜を行った。
Figure 2017069225
そして、第2電子輸送層を形成した後、スパッタリング法でITOを500nm成膜した。その後、基板をグローブボックスに移し、窒素雰囲気中で乾燥剤を入れたガラスキャップにより封止し、白色有機EL素子を得た。
一方、各発光層のホストとドーパントの薄膜を各々真空蒸着により作製し、大気下光電子分光装置(装置名「AC−2」)でHOMOエネルギーを測定した。また、紫外−可視光吸収スペクトルの測定(装置名「U−3010」)から、バンドギャップとLUMOエネルギーを算出した。第1、第2ホストであるH1、GドーパントであるB3,BドーパントであるA2、赤色ドーパントであるC1のHOMOエネルギーはそれぞれ、Hh1=Hh2=−5.8eV)、Hg2=−5.7eV、Hg1=−5.9eV、−5.4eVであった。同様に第1、第2ホストであるH1、GドーパントであるB3、BドーパントであるA2、RドーパントであるC1のLUMOエネルギーはそれぞれ、Lh1=Lh2=−2.9eV、Lg2=−3.4eV、Lg1=−3.2eV、−3.5eVであった。ここから、どちらのドーパントについても、ホールのトラップ深さよりも電子のトラップ深さの方が深い、電子トラップ性であることがわかった。
得られた白色有機EL素子に不図示の電圧印加装置を接続し、その特性を評価した。電流電圧特性をヒューレッドパッカード社製・微小電流計4140Bで測定し、色度の評価はトプコン製「SR−3」を用いて行った。発光輝度は、トプコン社製BM7で測定した。1000cd/m2表示時の効率、電圧、及びCIE色度座標はそれぞれ6.4cd/A、3.2V、(0.36、0.36)であり、良好な白色有機EL素子であった。また、初期輝度4000cd/m2での連続駆動試験を行ったところ、輝度半減時間は2700hと耐久特性も良好であった。
(実施例6乃至11)
実施例5のHT1、HT2、第2ホスト、第1ホスト、ET1、ET2、ET3及びGドーパント、Rドーパント、Bドーパント、を、表3に示される化合物に適宜変更する以外は、実施例5と同様にして、実施例6乃至11の白色有機EL素子を作製した。また、第2電子輸送層(ET3)の濃度比は、実施例5と同じであった。得られた有機EL素子について、実施例5と同様にその特性を測定・評価した。結果を表3に示す。
Figure 2017069225
また、発光層に用いた各材料のHOMOエネルギー、LUMOエネルギーの値を表4に示す。
Figure 2017069225
(比較例1)
第1の発光層と第2の発光層の成膜順序を逆にした以外は、実施例5と同様にして比較例1の有機EL素子を得た。評価したところ、色度は(0.48,0.46)であり、良好な白色が出せなかった。
(実施例12)
本実施例では、基板上に、陽極、正孔輸送層、第2発光層、第1発光層、正孔ブロック層、電子輸送層、陰極が順次形成されたボトムエミッション型構造の有機EL素子を作製した。
先ずガラス基板上にITOを成膜し、所望のパターニング加工を施すことによりITO電極(陽極)を形成した。この時、ITO電極の膜厚を100nmとした。このようにITO電極が形成された基板をITO基板として、以下の工程で使用した。次に、1.33×10-4Paの真空チャンバー内における抵抗加熱による真空蒸着を行って、上記ITO基板上に、下記表5に示す有機EL層及び電極層を連続成膜した。尚、この時、対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mm2となるようにした。
Figure 2017069225
そして、第1電子輸送層を形成した後、蒸着法でLiFを1nm、スパッタリング法でAlを100nm成膜した。基板をグローブボックスに移し、窒素雰囲気中で乾燥剤を入れたガラスキャップにより封止し、白色有機EL素子を得た。
得られた有機EL素子について、素子の特性を測定・評価した。具体的には、電流電圧特性をヒューレッドパッカード社製・微小電流計4140Bで測定し、色度の評価はトプコン製「SR−3」を用いて行った。発光輝度は、トプコン社製BM7で測定した。また、初期輝度4000cd/m2での連続駆動試験を行った。測定の結果を表6に示す。また、Bドーパント及びGドーパントは、いずれも電子トラップ性であった。
(実施例13乃至15)
実施例12において、第1ホスト、第2ホスト及びGドーパントを、表6に示される化合物に適宜変更する以外は、実施例12と同様の方法により白色有機EL素子を作製した。得られた有機EL素子について実施例12と同様に素子の特性を測定・評価した。測定の結果を表6に示す。また、Bドーパント及びGドーパントは、いずれも電子トラップ性であった。
Figure 2017069225
2:陽極、4:第2の発光層、5:第1の発光層、7:陰極

Claims (1)

  1. 少なくとも、陽極及び陰極と、前記陽極及び陰極に挟まれた積層された複数の発光層とを有し、前記複数の発光層はそれぞれ発光色が異なるドーパントを含み、前記複数の発光層のうち、最も陰極側の発光層は第1のホストと青色発光のドーパントとを含み、他の発光層は緑色発光のドーパントと赤色発光のドーパントを含む白色有機EL素子において、
    前記第1のホストの最低空軌道準位のエネルギーをLh1、最高被占有軌道準位のエネルギーをHh1、前記青色発光のドーパントの最低空軌道準位のエネルギーをLg1、最高被占有軌道準位のエネルギーをHg1とすると、
    Lh1−Lg1>Hg1−Hh1
    を満たし、
    前記複数の発光層が二つの層からなり、前記他の発光層が第2のホストと緑色発光のドーパントと赤色発光のドーパントとを含み、
    前記第2のホストの最低空軌道準位のエネルギーをLh2、最高被占有軌道準位のエネルギーをHh2、前記緑色発光のドーパントの最低空軌道準位のエネルギーをLg2、最高被占有軌道準位のエネルギーをHg2とすると、
    Lh2−Lg2>Hg2−Hh2
    を満たし、
    前記第1のホストと前記第2のホストとが同じ材料であることを特徴とする白色有機EL素子。
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