JP2021088544A - 有機化合物及び有機発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】濃度消光低減により発光効率が高く、且つ大きい還元電位により電子受容性に優れ、色純度が良い青色発光材料用化合物の提供。【解決手段】例えば下記の化合物(反応生成物C14)。【選択図】なし

Description

本発明は、有機化合物およびそれを用いた有機発光素子に関する。
有機発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、あるいは有機EL素子と呼ぶ)は、一対の電極とこれら電極間に配置される有機化合物層とを有する電子素子である。これら一対の電極から電子及び正孔を注入することにより、有機化合物層中の発光性有機化合物の励起子を生成し、該励起子が基底状態に戻る際に、有機発光素子は光を放出する。
有機発光素子の最近の進歩は著しく、低駆動電圧、多様な発光波長、高速応答性、発光デバイスの薄型化・軽量化が可能であることが挙げられる。
また、デイスプレイに用いられる色再現範囲として、sRGBやAdobeRGBの規格が用いられ、それを再現する材料が求められてきたが最近ではさらに色再現範囲を広げる規格としてBT−2020が挙げられている。
ところで、現在までに発光性の有機化合物の創出が盛んに行われている。高性能の有機発光素子を提供するにあたり、発光特性の優れた化合物の創出が重要であるからである。特許文献1には下記化合物1−a、1−A及び1−Bが記載されている。
Figure 2021088544
Figure 2021088544
特開2010−143879号公報
特許文献1に記載の化合物1−aは青色発光材料であるが、薄膜状態において発光効率の更なる向上が望まれる。また、電子受容性の更なる向上が望まれる。これらの化合物を用いた有機発光素子は発光効率或いは耐久特性の更なる向上が望まれる。
また、特許文献1に記載の化合物1−A及び1−Bは青色発光材料であるが、電子受容性の更なる向上が望まれる。また、sRGBやAdobeRGBさらにはBT2020の規格に対応する青の色再現範囲を考慮すると青色発光の色純度の更なる向上が望まれる。これらの化合物を用いた有機発光素子は色純度或いは耐久特性の更なる向上が望まれる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされるものであり、その目的は、濃度消光低減により発光効率が高く、且つ大きい還元電位により電子受容性に優れ、色純度が良い青色発光材料を提供することである。
本発明の他の目的は、還元電位が大きく電子受容性に優れ、且つ色純度が良い青色発光材料を提供することである。また本発明のその他の目的は、色純度及び駆動耐久特性に優れる有機発光素子を提供することである。また本発明の他の目的は、発光効率と駆動耐久特性に優れる有機発光素子を提供することである。
本発明の一実施形態は、下記一般式[1]に示されることを特徴とする有機化合物を提供する。
Figure 2021088544
一般式[1]において、R1からR18は、水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基及び下記一般式[2]乃至[3]、[102]乃至[104]のいずれかに示される基からそれぞれ独立に選ばれる。但し、少なくとも一つは下記一般式[2]乃至[3]、[102]乃至[104]のいずれかに示される基である。
下記一般式[2]乃至[3]のいずれかに示される基は、R19からR32のいずれかの位置で結合する基である。
Figure 2021088544
一般式[2]乃至[3]において、R19からR32は、水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、及びシリル基からそれぞれ独立に選ばれる。R19からR32は、隣の基と環を形成しても良い。
Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子からそれぞれ独立に選ばれる。
Figure 2021088544
(一般式[102]において、X1乃至X3は、環を構成する、水素原子或いは置換基Yを有する炭素原子、または窒素原子を示し、少なくとも一つは窒素原子である。
前記置換基Yは、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基から選ばれる基である。前記置換基Yを有する炭素原子が複数存在する場合、前記置換基Y同士は同じであっても異なっていても良い。
105乃至R106は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる基である。)
Figure 2021088544
(一般式[103]において、X4乃至X7は、環を構成する、水素原子或いは置換基Yを有する炭素原子、または窒素原子を示し、少なくとも一つは窒素原子である。
前記置換基Yは、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基から選ばれる基である。前記置換基Yを有する炭素原子が複数存在する場合、前記置換基Y同士は同じであっても異なっていても良い。
107乃至R109は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる基である。)
Figure 2021088544
(一般式[104]において、X8乃至X12は、環を構成する、水素原子或いは置換基Yを有する炭素原子、または窒素原子を示し、少なくとも一つは窒素原子である。
前記置換基Yは、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基から選ばれる基である。前記置換基Yを有する炭素原子が複数存在する場合、前記置換基Y同士は同じであっても異なっていても良い。
110乃至R111は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる基である。)
また、本発明の一実施形態は、下記一般式[101]に示されることを特徴とする有機化合物を提供する。
Figure 2021088544
(一般式[101]において、*1乃至*6で示す位置のうち少なくとも一つの位置に、下記一般式[102]乃至[104]で表されるアジン骨格を有する基が、*で示す位置で結合している。前記一般式[102]乃至[104]で表されるアジン骨格を有する基が複数結合している場合、前記一般式[102]乃至[104]で表されるアジン骨格を有する基同士は同一であっても異なっていても良い。
101乃至R104は、水素原子、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基からそれぞれ独立に選ばれる基である。)
Figure 2021088544
(一般式[102]において、X1乃至X3は、環を構成する、水素原子或いは置換基Yを有する炭素原子、または窒素原子を示し、少なくとも一つは窒素原子である。
前記置換基Yは、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基から選ばれる基である。前記置換基Yを有する炭素原子が複数存在する場合、前記置換基Y同士は同じであっても異なっていても良い。
105乃至R106は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる基である。)
Figure 2021088544
(一般式[103]において、X4乃至X7は、環を構成する、水素原子或いは置換基Yを有する炭素原子、または窒素原子を示し、少なくとも一つは窒素原子である。
前記置換基Yは、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基から選ばれる基である。前記置換基Yを有する炭素原子が複数存在する場合、前記置換基Y同士は同じであっても異なっていても良い。
107乃至R109は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる基である。)
Figure 2021088544
(一般式[104]において、X8乃至X12は、環を構成する、水素原子或いは置換基Yを有する炭素原子、または窒素原子を示し、少なくとも一つは窒素原子である。
前記置換基Yは、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基から選ばれる基である。前記置換基Yを有する炭素原子が複数存在する場合、前記置換基Y同士は同じであっても異なっていても良い。
110乃至R111は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる基である。)
本発明に係る一般式[1]に示される有機化合物は、濃度消光低減により発光効率が高く、且つ大きい還元電位により電子受容性に優れ、色純度が良い青色発光が可能である。
本発明に係る一般式[101]に示される有機化合物は、還元電位が大きく電子受容性に優れ、且つ色純度が良い青色発光材料である。
本発明の一実施形態に係る有機発光素子を用いた表示装置の一例の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。 (a)本発明の一実施形態に係る撮像装置の一例を表す模式図である。(b)本発明の一実施形態に係る電子機器の一例を表す模式図である。 (a)本発明の一実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。(b)折り曲げ可能な表示装置の一例を表す模式図である。 (a)本発明の一実施形態に係る照明装置の一例を示す模式図である。(b)本発明の一実施形態に係る車両用灯具を有する自動車の一例を示す模式図である。 ジアセナフト[1、2−b:1’、2’−k]クリセン骨格のHOMO及びLUMOの電子軌道分布を可視化した図である。
≪一般式[1]に示される有機化合物≫
まず本実施形態に係る有機化合物について説明する。本実施形態に係る新規有機化合物は、下記一般式[1]に示される有機化合物である。
Figure 2021088544
一般式[1]において、R1からR18は、水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基及び下記一般式[2]乃至[3]、[102]乃至[104]のいずれかに示される基からそれぞれ独立に選ばれる。但し、少なくとも一つは下記一般式[2]乃至[3]、[102]乃至[104]のいずれかに示される基である。
下記一般式[2]乃至[3]のいずれかに示される基は、R19からR32のいずれかの位置で結合する基である。
Figure 2021088544
一般式[2]乃至[3]において、R19からR32は、水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、及びシリル基からそれぞれ独立に選ばれる。R19からR32は、隣の基と環を形成しても良い。
Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子からそれぞれ独立に選ばれる。
Figure 2021088544
一般式[102]において、X1乃至X3は、環を構成する、水素原子或いは置換基Yを有する炭素原子、または窒素原子を示し、少なくとも一つは窒素原子である。
前記置換基Yは、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基から選ばれる基である。前記置換基Yを有する炭素原子が複数存在する場合、前記置換基Y同士は同じであっても異なっていても良い。
105乃至R106は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる基である。
Figure 2021088544
一般式[103]において、X4乃至X7は、環を構成する、水素原子或いは置換基Yを有する炭素原子、または窒素原子を示し、少なくとも一つは窒素原子である。
前記置換基Yは、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基から選ばれる基である。前記置換基Yを有する炭素原子が複数存在する場合、前記置換基Y同士は同じであっても異なっていても良い。
107乃至R109は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる基である。
Figure 2021088544
一般式[104]において、X8乃至X12は、環を構成する、水素原子或いは置換基Yを有する炭素原子、または窒素原子を示し、少なくとも一つは窒素原子である。
前記置換基Yは、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基から選ばれる基である。前記置換基Yを有する炭素原子が複数存在する場合、前記置換基Y同士は同じであっても異なっていても良い。
110乃至R111は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる基である。
一般式[2]乃至[3]、[102]乃至[104]のいずれかに示される基は、一般式[2]乃至[3]のいずれかに示される基であることが好ましい。一般式[2]乃至[3]、[102]乃至[104]のいずれかに示される基の数は、特に限定されないが、1以上4以下であることが好ましく、1以上2以下であることがより好ましい。また、R3、R4、R7、R8、R9、R12、R13、R16、R17、R18のうち少なくとも一つ、より好ましくはR7、R8、R9、R16、R17、R18のうち少なくとも一つは、一般式[2]乃至[3]、[102]乃至[104]のいずれかに示される基であることが好ましい。また、一般式[2]乃至[3]のいずれかに示される基は、R22、R23、R29のいずれかの位置で結合する基であることが好ましい。また、一般式[2]乃至[3]のいずれかに示される基は、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基のいずれかであることが好ましい。
また、R1からR18は、水素原子及び一般式[2]乃至[3]、[102]乃至[104]のいずれかに示される基からそれぞれ独立に選ばれることが好ましい。また、R1、R6、R10、R15は、水素原子であること、R3、R4、R12、R13は、水素原子であること、R7、R9、R16及びR18は、水素原子であることが好ましい。
本実施形態において、R1からR32で表されるハロゲン原子として、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1からR32で表されるアルキル基として、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、セカンダリーブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでも、炭素原子数1から10のアルキル基が好ましい。
1からR32で表されるアルコキシ基として、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、2−エチル−オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでも、炭素原子数1から6のアルコキシ基が好ましい。
1からR32で表されるアミノ基として、例えば、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−メチル−N−ベンジルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基、アニリノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジナフチルアミノ基、N,N−ジフルオレニルアミノ基、N−フェニル−N−トリルアミノ基、N,N−ジトリルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジアニソリルアミノ基、N−メシチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジメシチルアミノ基、N−フェニル−N−(4−ターシャリブチルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミノ基、N−ピペリジル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1からR32で表されるアリール基として、例えば、フェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでも、炭素原子数6から18のアリール基が好ましい。
1からR32で表されるアリールオキシ基として、例えば、フェノキシ基、チエニルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでも、炭素原子数6から18のアリールオキシ基が好ましい。
1からR32で表されるシリル基として、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基、アリールオキシ基がさらに有してもよい置換基として、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基等のアルキル基、ベンジル基等のアラルキル基、フェニル基、ビフェニル基等のアリール基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基等のアミノ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、チエニル基、チオール基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
一般式[102]で表される基としては、例えば、下記一般式[105]乃至[109]で表される基等が挙げられる。
Figure 2021088544
一般式[105]乃至[109]において、R112乃至R127は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる。
一般式[103]または[104]で表される基としては、例えば、下記一般式[110]乃至[118]で表される基等が挙げられる。
Figure 2021088544
一般式[110]乃至[118]において、R128乃至R181は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる。
また、一般式[103]または[104]で表される基としては、例えば、下記一般式[119]乃至[124]で表される基等が挙げられる。
Figure 2021088544
一般式[119]乃至[124]において、R182乃至R211は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる。
また、一般式[103]または[104]で表される基としては、例えば、X6乃至X7が炭素原子である基、またはX12が炭素原子である基等が挙げられる。
Y、R105乃至R211で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、セカンダリーブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでも、炭素原子数1から10のアルキル基が好ましい。
Y、R105乃至R211で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでも、炭素原子数6から18のアリール基が好ましい。
Y、R105乃至R211で表される複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナントロリル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでも、炭素原子数3から15の複素環基が好ましい。
Yで表されるアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、チエニルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Yで表されるシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記アルキル基、アリール基、複素環基、アリールオキシ基がさらに有してもよい置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基等のアルキル基、ベンジル基等のアラルキル基、フェニル基、ビフェニル基等のアリール基、ピリジル基、ピロリル基等の複素環基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、本実施形態に係る有機化合物の合成方法を説明する。本実施形態に係る有機化合物は、例えば、下記に示す反応スキームに従って合成される。
Figure 2021088544
ここで、上記G1からG4を適宜変更することにより、一般式[1]で表される化合物を得ることができる。なお、合成法の詳細については実施例にて説明する。
次に、本実施形態に係る有機化合物は、以下のような特徴を有するため、色純度の高い高効率青色発光を呈し、還元電位が大きく(LUMOで表現すると真空準位から遠ざかる方向)化学的に安定な化合物となる。さらに、本実施形態に係る有機化合物を用いることで、色純度、発光効率及び素子耐久に優れる有機発光素子を提供することもできる。
(1)基本骨格に電子吸引性の置換基として、一般式[2]乃至[3]のいずれかに示されるベンゾカルコゲノフェン誘導体基(以下、単に「ベンゾカルコゲノフェン誘導体基」と称する場合がある)を有することで電子受容性が高く、かつ、色純度の高い青色発光を有する
(2)基本骨格に濃度消光低減の置換基として、ベンゾカルコゲノフェン誘導体基を有することで薄膜状態での発光効率が向上する
本実施形態における基本骨格とは、一般式[1]に示す化合物のR1乃至R18がすべて水素原子に置換されている骨格である。
以下、これらの特徴について、本実施形態の有機化合物に類似する構造を有する比較化合物を比較対照して挙げながら、本実施形態に係る有機化合物の基本骨格の性質を説明する。具体的には、比較化合物として、特許文献1に記載の比較化合物1−aと、本実施形態の有機化合物に類似する比較化合物1−bをそれぞれ挙げる。
Figure 2021088544
ここで、本実施形態に係る有機化合物の1つは、式[1]において、R1からR7、R9からR16、R18が水素原子、R8とR17がジベンゾフラニル基である例示化合物A1である。
(1)基本骨格に電子吸引性の置換基として、ベンゾカルコゲノフェン誘導体基を有することで電子受容性が高く、かつ、色純度の高い青色発光を有する
本発明者らは、一般式[1]に示される有機化合物を発明するにあたり、基本骨格それ自体に注目した。
まず、色純度が良い青色発光を呈するためには、基本骨格自体が色純度の高い青色領域にある必要がある。本実施形態において、所望の発光波長領域とは色純度の高い青色領域のことであり、具体的には希薄溶液中で最大発光波長が430nm以上450nm以下の帯域内にあることである。本実施形態の基本骨格は所望の青発光をすることに適した骨格である。
一方、本実施形態の基本骨格は色純度の良い青発光を示す反面、化合物のバンドギャップが大きく、電子受容性が低い。有機発光材料は電荷に対する安定性を高める必要があり、そのためには電子受容性を高くすることが求められる。有機発光素子では、電極間に挟まれた有機化合物が分子間で酸化と還元を繰り返すことでキャリア再結合により有機化合物の励起状態と基底状態が繰り返され、発光が行われる。そのため、電荷の授受に対して不安定な化合物では、酸化還元過程や励起状態において化学変化を起こし、異なる化合物へと変化してしまう。その結果、本来の素子特性が損なわれ、有機発光素子の輝度低下を生じ、連続駆動における素子耐久の劣化を引き起こすことになる。このような劣化を低減するためには電荷に対する安定性が求められ、高い電子受容性が必要である。
そこで本発明者らは高い電子受容性を有する材料の設計指針の一つとして還元電位を大きくすることに着目し、一般式[1]の化合物を見出した。具体的には基本骨格に対して電子吸引性の置換基としてベンゾカルコゲノフェン誘導体基を置換することによって、電子受容性が向上し更に電荷に対する安定性を高めることができる。
表1に、本実施形態に係る例示化合物A1と、比較化合物1−a及び1−bとを用いて、CV測定による還元電位と、希薄トルエン溶液中での最大発光波長とを比較した。なお、比較化合物1−bは、本実施形態の特徴であるカルコゲン原子の効果を示すために、例示化合物A1と類似でありカルコゲン原子を有さない比較化合物として挙げた。
発光波長の測定は、日立製F−4500を用い、室温下、励起波長350nmにおける希釈トルエン溶液のフォトルミネッセンス測定により行った。また、還元電位は、CV(サイクリックボルタンメトリー)測定により行った。なお、CV測定は、0.1Mテトラブチルアンモニウム過塩素酸塩のDMF溶液(還元電位測定)を用い、参照電極はAg/Ag+、対極はPt、作用電極はグラッシーカーボンを用いて測定した。また、電圧の挿引速度は、1.0V/sで行った。測定装置はALS社製のモデル660C、電気化学アナライザーを用いた。
Figure 2021088544
表1より、比較化合物1−a及び1−bに対して本実施形態の化合物は、電子吸引性の置換基としてベンゾカルコゲノフェン誘導体基を有することで還元電位が大きくなることがわかる。つまり、本実施形態の化合物は電子受容性が向上していることがわかる。また、比較化合物1−aの発光波長は448nmに対して、本実施形態の例示化合物A1はより色純度の高い青色発光を示している。このように、ベンゾカルコゲノフェン誘導体基の特有の効果として、高い色純度の青色発光を示し、かつ、還元電位が大きくできることを見出した。
(2)基本骨格に濃度消光低減の置換基として、ベンゾカルコゲノフェン誘導体基を有することで薄膜状態での発光効率が向上する
本実施形態の基本骨格は色純度の良い青色発光を示す反面、平面性が高いため、薄膜状態では濃度消光により発光効率が低下する。薄膜状態で効率が低下すると、有機発光素子に用いた場合においても、発光効率が低下する。そこで、置換基を導入することで、濃度消光を低減する必要があるが、置換基の種類によってもその効果は異なる。そこで、本実施形態は濃度消光を低減する設計指針の一つとして、置換基の中でも、嵩高い縮環構造による分子間相互作用の低減効果に着目し、一般式[1]の化合物を見出した。
具体的には基本骨格に対して嵩高い縮環構造の置換基としてベンゾカルコゲノフェン誘導体基を置換することによって、薄膜状態での発光効率を向上させることができる。表2に、本実施形態に係る例示化合物A1と、比較化合物1−aとを用いて、希薄トルエン溶液中及び蒸着膜(単膜)での発光量子収率を比較した。なお、比較化合物1−aの発光量子収率を1.0とした場合の比率で示した。
蒸着膜は、真空チャンバー内における抵抗加熱による真空蒸着を行って、ガラス基板上に、蒸着することで成膜した。発光量子収率の測定は、浜松ホトニクス製C9920−02の積分球内に蒸着したガラス基板を設置し、室温下、励起波長350nmにおけるフォトルミネッセンス測定により行った。
表2より、比較化合物1−aに対して本実施形態の化合物A1は、嵩高い縮環構造の置換基により、発光量子収率が向上することがわかる。つまり、本実施形態の化合物は濃度消光を低減する効果が向上していることがわかる。
Figure 2021088544
さらに、一般式[1]に示される有機化合物においてR7、R8、R9、R16、R17、R18に少なくとも1つがカルコゲノフェン誘導体基を有することが好ましい。
本実施形態の基本骨格平面は、長軸と短軸の比が大きい。そのため、重心付近に置換基が置換されていないと、薄膜状態において、基本骨格平面間の距離が近くなり、分子間相互作用が大きくなる。これは、濃度消光や昇華性の低下を引き起こす要因となる。したがって、分子の中心付近に置換基が置換されていることが好ましい。特に、カルコゲノフェン誘導体基はその効果が高いことは上記で説明した。
また、本実施形態の有機化合物は、ガラス転移温度を有し、120℃以上と高い。これは、縮環構造であるベンゾカルコゲノフェン誘導体基を有するためである。有機発光素子に用いた場合に、高い結晶性や120℃より低いガラス転移温度であると、素子作成中のプロセスや素子駆動中において結晶化を誘発させ、効率の低下や耐久寿命の低下に繋がる。したがって、低い結晶性や高いガラス転移温度を有することは、優れた有機発光素子の実現には必要な性能である。
一般式[1]において、一般式[2]乃至[3]のいずれかに示される基は、R22、R23、R29のいずれかの位置で結合する基であることが好ましい。これは、一般式[2]乃至[3]のいずれかに示される基が、R22、R23、R29のいずれかの位置で結合した有機化合物は、本実施形態に係る有機化合物の中でもより色純度の高い青色発光を示すことと、より大きい還元電位を示すからである。
表3に、本実施形態に係る例示化合物A1、B1、B9の希薄トルエン溶液中での最大発光波長とCV測定による還元電位を示した。一般式[2]乃至[3]のいずれかに示される基が、R22、R23、R29のいずれかの位置で結合した例示化合物A1が、最も短波長であり、かつ、還元電位が大きいことがわかる。
Figure 2021088544
以上より、本実施形態に係る有機化合物は、上記(1)及び(2)の性質を有する化合物であるため、比較化合物と比較して、色純度の高い高効率青色発光を呈し、還元電位が大きく化学的に安定な化合物となる。したがって、本実施形態に係る有機化合物を用いることで、色純度、発光効率及び素子耐久に優れる有機発光素子を得ることができる。
本実施形態に係る有機化合物の具体例を以下に示す。しかし、本実施形態はこれらに限られるものではない。
Figure 2021088544
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Figure 2021088544
Figure 2021088544
上記例示化合物のうち、A群に属する化合物は、式[1]において、基本骨格に置換するベンゾカルコゲノフェン誘導体基が、R22、R23、R29のいずれかの位置で結合する化合物である。A群に属する化合物は、本実施形態に係る化合物の中でも、より短波長の青色発光を示し、かつ、より大きい還元電位を示す。すなわち、A群は、より色純度の高い青色発光を示し、かつ、より電子受容性が高い化合物群である。また、A群に属する化合物は、端的には、発光層ホスト材料や輸送層、注入層に使用することもできるが、発光層に用いた場合、発光効率は低濃度でのゲストに用いた際に比べて低下する。
上記例示化合物のうち、B群に属する化合物は、式[1]において、基本骨格に置換するベンゾカルコゲノフェン誘導体基が、R22、R23、R29以外のいずれかの位置で結合する化合物である。B群は、本実施形態に係る化合物の中でも、青色発光及び還元電位を微調整することが可能である化合物群である。
上記例示化合物のうち、C群に属する化合物は、式[1]において、基本骨格に置換する置換基が3つ以上の化合物、またはベンゾカルコゲノフェン誘導体基にさらに置換基を有する化合物である。置換基の数が増えることや、置換基が嵩高くなることにより、分子間相互作用が低減される。したがって、C群は、本実施形態に係る化合物の中でも、発光層のゲストとして用いた場合、薄膜状態での濃度消光をより低減することができる化合物群である。
上記例示化合物のうち、D群に属するものは、式[105]乃至[109]で表される基が導入されている化合物である。高い電子受容性と色純度の高い青色発光を兼ね備えることができる。
一方、上記例示化合物のうち、E群に属するものは、式[110]乃至[118]で表される基が導入されている化合物である。導入された基あたりの窒素原子がD群よりも低下にしているため電子受容性が緩和されつつも、分子量の増加に伴いTgが向上し、高い耐熱性と、色純度が良い青色発光を兼ね備えることができる。
また、上記例示化合物のうち、F群に属するものは、式[119]乃至[124]で表される基が導入されている化合物である。高い耐熱性と高い電子受容性を兼ね備えることができる。
本実施形態に係る有機化合物は、高効率で青色発光に適した発光を呈し、化学的安定性が高い化合物である。このため本実施形態に係る有機化合物を有機発光素子の構成材料として用いることで、良好な発光特性と優れた耐久特性を有する有機発光素子を得ることができる。
≪一般式[101]に示される有機化合物≫
まず本実施形態に係る有機化合物について説明する。本実施形態に係る有機化合物は、下記一般式[101]に示される有機化合物である。
Figure 2021088544
一般式[101]において、*1乃至*6で示す位置のうち少なくとも一つの位置、好ましくは2つの位置に、下記一般式[102]乃至[104]で表されるアジン骨格を有する基(以下、単に「アジン骨格を有する基」と称する場合がある)が結合している。アジン骨格を有する基は、*で示す位置で結合している。アジン骨格を有する基が複数結合している場合、アジン骨格を有する基同士は同一であっても異なっていても良い。
101乃至R104は、水素原子、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基からそれぞれ独立に選ばれる基である。R101乃至R104は、水素原子であることが好ましい。また、R101乃至R104は、分子間スタックを低減するために、孤立電子対を有さないアリール基等の孤立電子対を有さない基であることが好ましい。
Figure 2021088544
一般式[102]において、X1乃至X3は、環を構成する、水素原子或いは置換基Yを有する炭素原子、または窒素原子を示し、少なくとも一つは窒素原子である。
前記置換基Yは、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基から選ばれる基である。前記置換基Yを有する炭素原子が複数存在する場合、前記置換基Y同士は同じであっても異なっていても良い。
105乃至R106は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる基である。
Figure 2021088544
一般式[103]において、X4乃至X7は、環を構成する、水素原子或いは置換基Yを有する炭素原子、または窒素原子を示し、少なくとも一つは窒素原子である。
前記置換基Yは、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基から選ばれる基である。前記置換基Yを有する炭素原子が複数存在する場合、前記置換基Y同士は同じであっても異なっていても良い。
107乃至R109は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる基である。
Figure 2021088544
一般式[104]において、X8乃至X12は、環を構成する、水素原子或いは置換基Yを有する炭素原子、または窒素原子を示し、少なくとも一つは窒素原子である。
前記置換基Yは、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基から選ばれる基である。前記置換基Yを有する炭素原子が複数存在する場合、前記置換基Y同士は同じであっても異なっていても良い。
110乃至R111は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる基である。
*1乃至*6で示す位置に結合する基は、一般式[102]で表されるアジン骨格を有する基であってもいいし、前記一般式[103]または[104]で表されるアジン骨格を有する基であってもいい。
一般式[102]で表されるアジン骨格を有する基としては、例えば、下記一般式[105]乃至[109]で表される基等が挙げられる。
Figure 2021088544
一般式[105]乃至[109]において、R112乃至R127は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる。
一般式[103]または[104]で表されるアジン骨格を有する基としては、例えば、下記一般式[110]乃至[118]で表される基等が挙げられる。
Figure 2021088544
一般式[110]乃至[118]において、R128乃至R181は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる。
また、一般式[103]または[104]で表されるアジン骨格を有する基としては、例えば、下記一般式[119]乃至[124]で表される基等が挙げられる。
Figure 2021088544
一般式[119]乃至[124]において、R182乃至R211は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる。
また、一般式[103]または[104]で表されるアジン骨格を有する基としては、例えば、X6乃至X7が炭素原子である基、またはX12が炭素原子である基等が挙げられる。
Y、R105乃至R211で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、セカンダリーブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでも、炭素原子数1から10のアルキル基が好ましい。
Y、R101乃至R211で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでも、炭素原子数6から18のアリール基が好ましい。
Y、R105乃至R211で表される複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナントロリル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちでも、炭素原子数3から15の複素環基が好ましい。
Y、R101乃至R104で表されるアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、チエニルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Yで表されるシリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記アルキル基、アリール基、複素環基、アリールオキシ基がさらに有してもよい置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基等のアルキル基、ベンジル基等のアラルキル基、フェニル基、ビフェニル基等のアリール基、ピリジル基、ピロリル基等の複素環基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
次に、本実施形態に係る有機化合物の合成方法を説明する。本実施形態に係る有機化合物は、例えば、下記に示す反応スキームに従って合成される。下記スキーム中、Ar’が、一般式[102]乃至[104]で表されるアジン骨格を有する基である。
Figure 2021088544
Figure 2021088544
Figure 2021088544
Figure 2021088544
ここで、上記置換基Ar、Ar’を適宜変更することにより、一般式[101]で表される化合物を得ることができる。なお、合成法の詳細については実施例にて説明する。
次に、本実施形態に係る有機化合物は、以下のような特徴を有するため、色純度の高い青発光を呈し、還元電位が大きく化学的に安定な化合物となり、さらにこの有機化合物を用いることで、色純度及び素子耐久に優れる有機発光素子を提供することもできる。
(3)電子吸引性の置換基であるアジン骨格を有する基は、基本骨格のLUMOの電子軌道分布が、相対的にHOMOの電子軌道分布より少ない位置に結合する
(4)アジン骨格を有する基中の窒素原子が、基本骨格に対して水素結合を形成しない方向に配置されている
以下、特徴について説明する。ここで、本実施形態における基本骨格とは、一般式[101]において、*1乃至*6で示す位置にアジン骨格を有する基ではなく水素原子が結合し、R1乃至R4がすべて水素原子である骨格である。
(3)電子吸引性の置換基であるアジン骨格を有する基は、基本骨格のLUMOの電子軌道分布が、相対的にHOMOの電子軌道分布より少ない位置に結合する
本発明者らは、一般式[101]に示される有機化合物を発明するにあたり、基本骨格それ自体に注目した。
まず、色純度が良い青色発光を呈するためには、基本骨格自体が色純度の高い青色領域にある必要がある。本実施形態において、所望の発光波長領域とは色純度の高い青色領域のことであり、具体的には希薄溶液中で最大発光波長が430nm以上450nm以下の帯域内にあることである。本実施形態の基本骨格は所望の青発光をすることに適した骨格である。
一方、本実施形態の基本骨格は色純度の良い青発光を示す反面、化合物のバンドギャップが大きく、電子受容性が低い。有機発光材料は電荷に対する安定性を高める必要があり、そのためには電子受容性を高くすることが求められる。有機発光素子では、電極間に挟まれた有機化合物が分子間で酸化と還元を繰り返すことでキャリア再結合により有機化合物の励起状態と基底状態を繰り返され、発光が行われる。そのため、電荷の授受に対して不安定な化合物では、酸化還元過程や励起状態において化学変化を起こし、異なる化合物へと変化してしまう。その結果、本来の素子特性が損なわれ、有機発光素子の輝度低下を生じ、連続駆動における素子耐久の劣化を引き起こすことになる。このような劣化を低減するためには電荷に対する安定性が求められ、高い電子受容性が必要である。
そこで本実施形態は高い電子受容性を有する材料の設計指針の一つとして還元電位を大きくすることに着目し、一般式[101]の化合物を見出した。具体的には基本骨格に対して電子吸引性の基としてアジン骨格を有する基を導入することによって、電子受容性が向上し更に電荷に対する安定性を高めることができる。
電子吸引基としてはフッ素原子のようなハロゲン基も挙がられるが、フッ素原子は酸化力を有するため、素子寿命を悪化させる。また、カルボキシル基も挙げられるが、昇華精製が困難なため、蒸着材料としては適さない。本実施形態では素子の特性、特に素子耐久寿命を悪化させない、蒸着性が優れる電子吸引性の置換基としてアジン骨格を有する基を見出した。より好ましくは一般式[102]乃至[104]で表されたアジン骨格を有する基である。
表4は、本実施形態の例示化合物と比較化合物について、これらの発光波長及び還元電位を比較した表である。例示化合物の一例として、基本骨格の所望の位置である一般式[101]の*3、*4にアジン骨格を有する電子吸引性の置換基が導入された化合物を示している。一方、アジン骨格を有する基を有さない化合物を比較化合物として示している。
発光波長の測定は、日立製F−4500を用い、室温下、励起波長350nmにおける希釈トルエン溶液のフォトルミネッセンス測定により行った。また、還元電位は、CV(サイクリックボルタンメトリー)測定により行った。なお、CV測定は、0.1Mテトラブチルアンモニウム過塩素酸塩のDMF溶液(還元電位測定)を行い、参照電極はAg/Ag+、対極はPt、作用電極はグラシッーカーボンを用いて測定した。また、電圧の挿引速度は、1.0V/sで行った。測定装置はALS社製のモデル660C、電気化学アナライザーを用いた。
Figure 2021088544
表4より、比較化合物に対して本実施形態の化合物は、電子吸引性の置換基であるアジン骨格を有する基が所望の位置に結合することで、長波長化することなく還元電位が0.1V以上深くなることがわかる。つまり、本実施形態の化合物は色純度の高い青発光を呈し、電子受容性が向上していることがわかる。以下に、表4の結果の詳細とそれに関する考察を記載する。
比較化合物1−Aは、電子吸引性の置換基を有さないフェニル基が、基本骨格であるジアセナフト[1、2−b:1’、2’−k]クリセン骨格の9位、19位に結合した化合物であり、基本骨格自体に近い特性を有する化合物例として挙げている。ここで、例示化合物D1は基本骨格の9位、19位にアジン骨格を有する電子吸引基が置換した構造であり、還元電位が−1.98Vになり、比較化合物1−Aよりも大きくなる。同時に、例示化合物D1の最大発光波長は444nmになり、比較化合物1−Aよりも短波長化し、色純度が良い方向へシフトしていることが分かる。
また、比較化合物1−Cは、比較化合物1−Aに対して、更に基本骨格の3位、13位にフェニル基が置換した構造である。基本骨格の長軸方向に共役長が伸びたことによりバンドギャップが狭くなる。その結果、比較化合物1−Aよりも還元電位が大きくなっているが、最大発光波長が長波長化し色純度が悪化する方向へシフトしている。これに対して、本実施形態の化合物である例示化合物D11は比較化合物1−Cの9位、19位がフェニル基の代わりにアジン骨格を有する基が置換した構造である。還元電位が−1.87Vになり、比較化合物1−Cよりも大きくなりつつ、比較化合物1−Cよりも短波長化していることが分かる。
この結果については、次のように考察することができる。基本骨格であるジアセナフト[1、2−b:1’、2’−k]クリセン骨格のHOMO及びLUMOの電子軌道分布は基本骨格の位置により異なる。そのため、電子吸引性の置換基が導入される場所によっては、HOMO及びLUMOへの影響度合いが異なると考えられる。即ち、例示化合物D1及びD11では、基本骨格の9位、19位に電子吸引性の置換基であるアジン骨格を有する基が導入されており、この位置は基本骨格のLUMOの電子軌道分布が比較的少なく、HOMOの電子軌道分布の方が多い。そのため相対的にHOMOへの電子吸引性の効果が大きくなり、光学的バンドギャップは広くなったことで各比較化合物よりも短波長化し、同時にLUMOへの電子吸引効果の影響により還元電位が大きくなったものと考えられる。表4では基本骨格の9位、19位、すなわち一般式[101]の*3、*4の位置に電子吸引性のアジン骨格を有する電子吸引基を導入した結果を示したが、*1、*2、*5、*6の位置に導入しても同様な効果が得られる。
上述の効果を支持するため、基本骨格であるジアセナフト[1、2−b:1’、2’−k]クリセン骨格のHOMO及びLUMOの電子軌道分布について分子軌道計算を用いて可視化した。その結果を図6に示す。図6(a)はHOMOの電子軌道分布を可視化した図であり、図6(b)は、LUMOの電子軌道分布を可視化した図である。
なお、分子軌道計算法の計算手法は、現在広く用いられている密度汎関数法(Density Functional Theory,DFT)を用いた。汎関数はB3LYP、基底関数は6−31G*を用いた。尚、分子軌道計算法は、現在広く用いられているGaussian09(Gaussian09,RevisionC.01,M.J.Frisch,G.W.Trucks,H.B.Schlegel,G.E.Scuseria,M.A.Robb,J.R.Cheeseman,G.Scalmani,V.Barone,B.Mennucci,G.A.Petersson,H.Nakatsuji,M.Caricato,X.Li,H.P.Hratchian,A.F.Izmaylov,J.Bloino,G.Zheng,J.L.Sonnenberg,M.Hada,M.Ehara,K.Toyota,R.Fukuda,J.Hasegawa,M.Ishida,T.Nakajima,Y.Honda,O.Kitao,H.Nakai,T.Vreven,J.A.Montgomery,Jr.,J.E.Peralta,F.Ogliaro,M.Bearpark,J.J.Heyd,E.Brothers,K.N.Kudin,V.N.Staroverov,T.Keith,R.Kobayashi,J.Normand,K.Raghavachari,A.Rendell,J.C.Burant,S.S.Iyengar,J.Tomasi,M.Cossi,N.Rega,J.M.Millam,M.Klene,J.E.Knox,J.B.Cross,V.Bakken,C.Adamo,J.Jaramillo,R.Gomperts,R.E.Stratmann,O.Yazyev,A.J.Austin,R.Cammi,C.Pomelli,J.W.Ochterski,R.L.Martin,K.Morokuma,V.G.Zakrzewski,G.A.Voth,P.Salvador,J.J.Dannenberg,S.Dapprich,A.D.Daniels,O.Farkas,J.B.Foresman,J.V.Ortiz,J.Cioslowski,and D.J.Fox,Gaussian,Inc.,Wallingford CT,2010.)により実施した。
図6より、一般式[101]の*1乃至*6で示した位置(矢印の位置)はHOMOの電子軌道分布(図6(a))が、相対的に同じ位置のLUMOの電子軌道分布(図6(b))より多いことがわかる。これは矢印に付随した数値は、各位置の軌道係数であり、*1乃至*6で示した位置のHOMOの軌道係数はそれぞれLUMOの軌道係数より値が大きいからである。したがって、これらの位置に、アジン骨格を有する電子吸引基を導入した場合、LUMOへの電子吸引効果により還元電位が大きくなりつつも、HOMOへの電子吸引性の効果が更に大きいため、その結果、光学的バンドギャップは広くなり発光波長が短波化する。
(4)アジン骨格を有する基中の窒素原子が、基本骨格に対して水素結合を形成しない方向に配置されている
本実施形態の化合物は、一般式[101]の*1乃至*6で示した位置に、電子吸引性の置換基であるアジン骨格を有する基を有するが、更にアジン骨格を有する基は一般式[102]乃至[104]で表される基である。すなわち、アジン骨格を有する基中の窒素原子が基本骨格に対して水素結合を形成しない方向に配置されている。表5は、窒素原子の位置が異なる本実施形態の例示化合物と比較化合物について、これらの発光波長及び還元電位を比較した表である。
Figure 2021088544
表5より、本実施形態の例示化合物D13は比較化合物1−Aに対して、短波長化すると同時に還元電位が大きくなっていることが分かる。この効果については上述した通りである。一方、アジン骨格を有する基を有する比較化合物1−Bでは、最大発光波長が長波長化しているにも関わらず還元電位が大きくなっていないことが分かる。これらの違いについては以下のように説明できる。
まず、比較化合物1−Bではアジン骨格を有する基中の窒素原子が基本骨格側に配置されるため、窒素原子上の孤立電子対が基本骨格上の10位、20位と水素結合を形成することにより平面性が増す。その結果、分子全体のπ共役系が増すことによりバンドギャップが狭くなり、最大発光波長が長波長化するものと考えられる。通常、バンドギャップが狭くなるとHOMOは高くなり、LUMOは低くなる方向へシフトする。しかし、比較化合物1−Bでは窒素原子上の孤立電子対が基本骨格上の水素原子と水素結合を形成する方向に配置されているため、HOMO及びLUMOを共に高くなる方向に働くことが考えらえる。なお、HOMO/LUMOが高いとは、それぞれの軌道がより真空準位に近いことを意味し、HOMO/LUMOがと低いとは、それぞれの軌道がより真空準位から遠いことを意味している。
これは、窒素原子上の孤立電子対と基本骨格上の水素原子との水素結合により、水素結合を介して窒素原子上の孤立電子対から基本骨格上の水素原子の方向へ電子が供与される方向へ働くからである。したがって、本来の電子吸引基の性質とは逆に基本骨格へ電子が供与されるためHOMO及びLUMOが共に高い方向にシフトする。すなわち、バンドギャップが狭くなることに伴いLUMOが低くなる傾向は、水素結合を介する電子供与的な影響により打ち消される。その結果、最大発光波長は長波長化し、還元電位も大きくならず、本実施形態の目的とは逆の方向にシフトすることが分かる。
以上より、本実施形態に係る有機化合物は、上記(3)乃至(4)の性質を有する化合物であるため、色純度の高い青色発光を呈し、電子受容性が大きく化学的に安定な有機化合物となる。そして、これを用いることで、高効率で素子耐久性の高い、色純度の高い青色発光を示す有機発光素子を得ることができる。
本実施形態に係る有機化合物の具体例を以下に示す。しかし、本実施形態はこれらに限られるものではない。
Figure 2021088544
Figure 2021088544
Figure 2021088544
Figure 2021088544
Figure 2021088544
上記例示化合物のうち、D群に属するものは、式[105]乃至[109]で表されるアジン骨格を有する基が導入されている化合物である。高い電子受容性と色純度の高い青色発光を兼ね備えることができる。
一方、上記例示化合物のうち、E群に属するものは、式[110]乃至[118]で表されるアジン骨格を有する基が導入されている化合物である。導入されたアジン骨格を有する基あたりの窒素原子がD群よりも低下にしているため電子受容性が緩和されつつも、分子量の増加に伴いTgが向上し、高い耐熱性と、色純度が良い青色発光を兼ね備えることができる。
また、上記例示化合物のうち、E群に属するものは、式[119]乃至[124]で表されるアジン骨格を有する基が導入されている化合物である。高い耐熱性と高い電子受容性を兼ね備えることができる。
≪有機発光素子≫
次に、本実施形態の有機発光素子について説明する。本実施形態の有機発光素子は、一対の電極である陽極と陰極と、これら電極間に配置される有機化合物層と、を少なくとも有する。本実施形態の有機発光素子において、有機化合物層は発光層を有していれば単層であってもよいし複数層からなる積層体であってもよい。ここで有機化合物層が複数層からなる積層体である場合、有機化合物層は、発光層の他に、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、電子注入層等を有してもよい。また発光層は、単層であってもよいし、複数の層からなる積層体であってもよい。
本実施形態の有機発光素子において、有機化合物層の少なくとも一層が本実施形態に係る有機化合物を含有する。具体的には、本実施形態に係る有機化合物は、上述した発光層、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、電子注入層等のいずれかに含まれている。本実施形態に係る有機化合物は、好ましくは、発光層に含まれる。
本実施形態の有機発光素子において、本実施形態に係る有機化合物が発光層に含まれる場合、発光層は、本実施形態に係る有機化合物のみからなる層であってもよいし、本実施形態に係る有機化合物と他の化合物とからなる層であってもよい。ここで、発光層が本実施形態に係る有機化合物と他の化合物とからなる層である場合、本実施形態に係る有機化合物は、発光層のホストとして使用してもよいし、ゲストとして使用してもよい。また発光層に含まれ得るアシスト材料として使用してもよい。ここでホストとは、発光層を構成する化合物の中で質量比が最も大きい化合物である。またゲストとは、発光層を構成する化合物の中で質量比がホストよりも小さい化合物であって、主たる発光を担う化合物である。またアシスト材料とは、発光層を構成する化合物の中で質量比がホストよりも小さく、ゲストの発光を補助する化合物である。尚、アシスト材料は、第2のホストとも呼ばれている。
本実施形態に係る有機化合物を発光層のゲストとして用いる場合、ゲストの濃度は、発光層全体に対して0.01質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
また本実施形態に係る有機化合物を発光層のゲストとして用いる際には、本実施形態に係る有機化合物よりもLUMOが高い材料(LUMOが真空準位により近い材料)をホストとして用いることが好ましい。本実施形態に係る有機化合物よりもLUMOが高い材料をホストにすることで、発光層のホストに供給される電子を本実施形態に係る有機化合物がより受容できるからである。特に、一般式[101]に示される有機化合物は電子受容性が高い、すなわちLUMOが低いため、一般式[101]に示される有機化合物よりもLUMOが高い材料をホストにすることで、発光層のホストに供給される電子を本実施形態に係る有機化合物がより受容できるからである。
本発明者らは種々の検討を行い、本実施形態に係る有機化合物を、発光層のホスト又はゲストとして、特に、発光層のゲストとして用いると、高効率で高輝度な光出力を呈し、かつ極めて耐久性が高い素子が得られることを見出した。この発光層は単層でも複層でも良いし、他の発光色を有する発光材料を含むことで本実施形態の発光色である青の発光と混色させることも可能である。複層とは発光層と別の発光層とが積層している状態を意味する。この場合、有機発光素子の発光色は青に限られない。より具体的には白色でもよいし、中間色でもよい。白色の場合、別の発光層が青以外の色、すなわち赤色や緑色を発光する。また、製膜方法も蒸着もしくは塗布製膜で製膜を行う。この詳細については、後述する実施例で詳しく説明する。
本実施形態に係る有機化合物は、本実施形態の有機発光素子を構成する発光層以外の有機化合物層の構成材料として使用することができる。具体的には、電子輸送層、電子注入層、ホール輸送層、ホール注入層、ホールブロッキング層等の構成材料として用いてもよい。この場合、有機発光素子の発光色は青に限られない。より具体的には白色でもよいし、中間色でもよい。
ここで、本実施形態に係る有機化合物以外にも、必要に応じて従来公知の低分子系及び高分子系のホール注入性化合物あるいはホール輸送性化合物、ホストとなる化合物、発光性化合物、電子注入性化合物あるいは電子輸送性化合物等を一緒に使用することができる。以下にこれらの化合物例を挙げる。
ホール注入輸送性材料としては、陽極からのホールの注入を容易にして、かつ注入されたホールを発光層へ輸送できるようにホール移動度が高い材料が好ましい。また有機発光素子中において結晶化等の膜質の劣化を低減するために、ガラス転移点温度が高い材料が好ましい。ホール注入輸送性能を有する低分子及び高分子系材料としては、トリアリールアミン誘導体、アリールカルバゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられる。さらに上記のホール注入輸送性材料は、電子ブロッキング層にも好適に使用される。以下に、ホール注入輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2021088544
主に発光機能に関わる発光材料としては、一般式[1]で表わされる有機化合物の他に、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、テトラセン誘導体、アントラセン誘導体、ルブレン等)、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、イリジウム錯体、白金錯体、レニウム錯体、銅錯体、ユーロピウム錯体、ルテニウム錯体、及びポリ(フェニレンビニレン)誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体等の高分子誘導体が挙げられる。以下に、発光材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2021088544
発光層に含まれる発光層ホストあるいは発光アシスト材料としては、芳香族炭化水素化合物もしくはその誘導体の他、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機ベリリウム錯体等が挙げられる。以下に、発光層に含まれる発光層ホストあるいは発光アシスト材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2021088544
電子輸送性材料としては、陰極から注入された電子を発光層へ輸送することができるものから任意に選ぶことができ、ホール輸送性材料のホール移動度とのバランス等を考慮して選択される。電子輸送性能を有する材料としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、クリセン誘導体、アントラセン誘導体等)が挙げられる。さらに上記の電子輸送性材料は、ホールブロッキング層にも好適に使用される。以下に、電子輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2021088544
<有機発光素子の構成>
有機発光素子は、基板の上に、陽極、有機化合物層、陰極を形成して設けられる。陰極の上には、保護層、カラーフィルタ等を設けてよい。カラーフィルタを設ける場合は、保護層との間に平坦化層を設けてよい。平坦化層はアクリル樹脂等で構成することができる。
[基板]
基板は、石英、ガラス、シリコンウエハ、樹脂、金属等が挙げられる。また、基板上には、トランジスタなどのスイッチング素子や配線を備え、その上に絶縁層を備えてもよい。絶縁層としては、陽極と配線の導通を確保するために、コンタクトホールを形成可能で、かつ接続しない配線との絶縁を確保できれば、材料は問わない。例えば、ポリイミド等の樹脂、酸化シリコン、窒化シリコンなどを用いることができる。
[電極]
電極は、一対の電極を用いることができる。一対の電極は、陽極と陰極であってよい。有機発光素子が発光する方向に電界を印加する場合に、電位が高い電極が陽極であり、他方が陰極である。また、発光層にホールを供給する電極が陽極であり、電子を供給する電極が陰極であるということもできる。
陽極の構成材料としては仕事関数がなるべく大きいものが良い。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン、等の金属単体やこれらを含む混合物、あるいはこれらを組み合わせた合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。またポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーも使用できる。
これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また、陽極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
反射電極として用いる場合には、例えばクロム、アルミニウム、銀、チタン、タングステン、モリブデン、又はこれらの合金、積層したものなどを用いることができる。また、透明電極として用いる場合には、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛などの酸化物透明導電層などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。電極の形成には、フォトリソグラフィ技術を用いることができる。
一方、陰極の構成材料としては仕事関数の小さなものがよい。例えばリチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム等の金属単体またはこれらを含む混合物が挙げられる。あるいはこれら金属単体を組み合わせた合金も使用することができる。例えばマグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム、アルミニウム−マグネシウム、銀−銅、亜鉛−銀等が使用できる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また陰極は一層構成でもよく、多層構成でもよい。中でも銀を用いることが好ましく、銀の凝集を低減するため、銀合金とすることがさらに好ましい。銀の凝集が低減できれば、合金の比率は問わない。例えば、1:1であってよい。
陰極は、ITOなどの酸化物導電層を使用してトップエミッション素子としてもよいし、アルミニウム(Al)などの反射電極を使用してボトムエミッション素子としてもよいし、特に限定されない。陰極の形成方法としては、特に限定されないが、直流及び交流スパッタリング法などを用いると、膜のカバレッジがよく、抵抗を下げやすいためより好ましい。
[保護層]
陰極の上に、保護層を設けてもよい。例えば、陰極上に吸湿剤を設けたガラスを接着することで、有機化合物層に対する水等の浸入を抑え、表示不良の発生を抑えることができる。また、別の実施形態としては、陰極上に窒化ケイ素等のパッシベーション膜を設け、有機化合物層に対する水等の浸入を抑えてもよい。例えば、陰極形成後に真空を破らずに別のチャンバーに搬送し、CVD法で厚さ2μmの窒化ケイ素膜を形成することで、保護層としてもよい。CVD法の成膜の後で原子堆積法(ALD法)を用いた保護層を設けてもよい。
[カラーフィルタ]
保護層の上にカラーフィルタを設けてもよい。例えば、有機発光素子のサイズを考慮したカラーフィルタを別の基板上に設け、それと有機発光素子を設けた基板と貼り合わせてもよいし、上記で示した保護層上にフォトリソグラフィ技術を用いて、カラーフィルタをパターニングしてもよい。カラーフィルタは、高分子で構成されてよい。
[平坦化層]
カラーフィルタと保護層との間に平坦化層を有してもよい。平坦化層は有機化合物で構成されてよく、低分子であっても、高分子であってもよいが、高分子であることが好ましい。
平坦化層は、カラーフィルタの上下に設けられてもよく、その構成材料は同じであっても異なってもよい。具体的には、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等があげられる。
[対向基板]
平坦化層の上には、対向基板を有してよい。対向基板は、前述の基板と対応する位置に設けられるため、対向基板と呼ばれる。対向基板の構成材料は、前述の基板と同じであってよい。
[有機層]
本発明の一実施形態に係る有機発光素子を構成する有機化合物層(正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等)は、以下に示す方法により形成される。
本発明の一実施形態に係る有機発光素子を構成する有機化合物層は、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマ等のドライプロセスを用いることができる。またドライプロセスに代えて、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により層を形成するウェットプロセスを用いることもできる。
ここで真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成すると、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
<本発明の一実施形態に係る有機発光素子の用途>
本発明の一実施形態に係る有機発光素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも、電子写真方式の画像形成装置の露光光源や液晶表示装置のバックライト、白色光源にカラーフィルタを有する発光装置等の用途がある。
表示装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの画像情報を入力する画像入力部を有し、入力された情報を処理する情報処理部を有し、入力された画像を表示部に表示する画像情報処理装置でもよい。表示装置は、複数の画素を有し、複数の画素の少なくとも一つが、本実施形態の有機発光素子と、有機発光素子に接続されたトランジスタと、を有してよい。
また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部は、タッチパネル機能を有していてもよい。このタッチパネル機能の駆動方式は、赤外線方式でも、静電容量方式でも、抵抗膜方式であっても、電磁誘導方式であってもよく、特に限定されない。また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
次に、図面を参照しながら本実施形態に係る表示装置につい説明する。図1は、有機発光素子とこの有機発光素子に接続されるTFT素子とを有する表示装置の例を示す断面模式図である。TFT素子は、能動素子の一例である。
図1の表示装置10は、ガラス等の基板11とその上部にTFT素子又は有機化合物層を保護するための防湿膜12が設けられている。また符号13は金属のゲート電極である。符号14はゲート絶縁膜であり、15は半導体層である。
TFT素子18は、半導体層15とドレイン電極16とソース電極17とを有している。TFT素子18の上部には絶縁膜19が設けられている。コンタクトホール20を介して有機発光素子26を構成する陽極21とソース電極17とが接続されている。
尚、有機発光素子26に含まれる電極(陽極21、陰極23)とTFT素子18に含まれる電極(ソース電極17、ドレイン電極16)との電気接続の方式は、図1に示される態様に限られるものではない。つまり陽極21又は陰極23のうちいずれか一方とTFT素子18のソース電極17またはドレイン電極16のいずれか一方とが電気接続されていればよい。
図1の表示装置10では有機化合物層22を1つの層の如く図示をしているが、有機化合物層22は、複数層であってもよい。陰極23の上には有機発光素子26の劣化を低減するための第一の保護層24や第二の保護層25が設けられている。
図1の表示装置10ではスイッチング素子としてトランジスタを使用しているが、これに代えてMIM素子をスイッチング素子として用いてもよい。
また図1の表示装置10に使用されるトランジスタは、単結晶シリコンウエハを用いたトランジスタに限らず、基板の絶縁性表面上に活性層を有する薄膜トランジスタでもよい。活性層として、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、微結晶シリコンなどの非単結晶シリコン、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物等の非単結晶酸化物半導体が挙げられる。尚、薄膜トランジスタはTFT素子とも呼ばれる。
図1の表示装置10に含まれるトランジスタは、Si基板等の基板内に形成されていてもよい。ここで基板内に形成されるとは、Si基板等の基板自体を加工してトランジスタを作製することを意味する。つまり、基板内にトランジスタを有することは、基板とトランジスタとが一体に形成されていると見ることもできる。
本実施形態に係る有機発光素子はスイッチング素子の一例であるTFTにより発光輝度が制御され、有機発光素子を複数面内に設けることでそれぞれの発光輝度により画像を表示することができる。尚、本実施形態に係るスイッチング素子は、TFTに限られず、低温ポリシリコンで形成されているトランジスタ、Si基板等の基板上に形成されたアクティブマトリクスドライバーであってもよい。基板上とは、その基板内ということもできる。基板内にトランジスタを設けるか、TFTを用いるかは、表示部の大きさによって選択され、例えば0.5インチ程度の大きさであれば、Si基板上に有機発光素子を設けることが好ましい。
図2は、本実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。表示装置1000は、上部カバー1001と、下部カバー1009と、の間に、タッチパネル1003、表示パネル1005、フレーム1006、回路基板1007、バッテリー1008、を有してよい。タッチパネル1003および表示パネル1005は、フレキシブルプリント回路FPC1002、1004が接続されている。回路基板1007には、トランジスタがプリントされている。バッテリー1008は、表示装置が携帯機器でなければ、設けなくてもよいし、携帯機器であっても、別の位置に設けてもよい。
本実施形態に係る表示装置は、複数のレンズを有する光学部と、当該光学部を通過した光を受光する撮像素子とを有する撮像装置等の光電変換装置の表示部に用いられてよい。撮像装置は、撮像素子が取得した情報を表示する表示部を有してよい。また、表示部は、撮像装置の外部に露出した表示部であっても、ファインダ内に配置された表示部であってもよい。撮像装置は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラであってよい。
図3(a)は、本実施形態に係る撮像装置の一例を表す模式図である。撮像装置1100は、ビューファインダ1101、背面ディスプレイ1102、操作部1103、筐体1104を有してよい。ビューファインダ1101は、本実施形態に係る表示装置を有してよい。その場合、表示装置は、撮像する画像のみならず、環境情報、撮像指示等を表示してよい。環境情報には、外光の強度、外光の向き、被写体の動く速度、被写体が遮蔽物に遮蔽される可能性等であってよい。
撮像に好適なタイミングはわずかな時間なので、少しでも早く情報を表示した方がよい。したがって、本実施形態の有機発光素子を用いた表示装置を用いるのが好ましい。有機発光素子は応答速度が速いからである。有機発光素子を用いた表示装置は、表示速度が求められる、これらの装置、液晶表示装置よりも好適に用いることができる。
撮像装置1100は、不図示の光学部を有する。光学部は複数のレンズを有し、筐体1104内に収容されている撮像素子に結像する。複数のレンズは、その相対位置を調整することで、焦点を調整することができる。この操作を自動で行うこともできる。
本実施形態に係る表示装置は、赤色、緑色、青色を有するカラーフィルタを有してよい。カラーフィルタは、当該赤色、緑色、青色がデルタ配列で配置されてよい。
本実施形態に係る表示装置は、携帯端末等の電子機器の表示部に用いられてもよい。その際には、表示機能と操作機能との双方を有してもよい。携帯端末としては、スマートフォン等の携帯電話、タブレット、ヘッドマウントディスプレイ等が挙げられる。
図3(b)は、本実施形態に係る電子機器の一例を表す模式図である。電子機器1200は、表示部1201と、操作部1202と、筐体1203を有する。筐体1203には、回路、当該回路を有するプリント基板、バッテリー、通信部、を有してよい。操作部1202は、ボタンであってもよいし、タッチパネル方式の反応部であってもよい。操作部は、指紋を認識してロックの解除等を行う、生体認識部であってもよい。通信部を有する電子機器は通信機器ということもできる。
図4は、本実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。図4(a)は、テレビモニタやPCモニタ等の表示装置である。表示装置1300は、額縁1301を有し表示部1302を有する。表示部1302には、本実施形態に係る発光装置が用いられてよい。額縁1301と、表示部1302を支える土台1303を有している。土台1303は、図4(a)の形態に限られない。額縁1301の下辺が土台を兼ねてもよい。また、額縁1301および表示部1302は、曲がっていてもよい。その曲率半径は、5000mm以上6000mm以下であってよい。
図4(b)は本実施形態に係る表示装置の他の例を表す模式図である。図4(b)の表示装置1310は、折り曲げ可能に構成されており、いわゆるフォルダブルな表示装置である。表示装置1310は、第一表示部1311、第二表示部1312、筐体1313、屈曲点1314を有する。第一表示部1311と第二表示部1312とは、本実施形態に係る発光装置を有してよい。第一表示部1311と第二表示部1312とは、つなぎ目のない1枚の表示装置であってよい。第一表示部1311と第二表示部1312とは、屈曲点で分けることができる。第一表示部1311、第二表示部1312は、それぞれ異なる画像を表示してもよいし、第一および第二表示部とで一つの画像を表示してもよい。
図5(a)は、本実施形態に係る照明装置の一例を表す模式図である。照明装置1400は、筐体1401と、光源1402と、回路基板1403と、光源1402が発する光を透過する光学フィルタ1404と光拡散部1405と、を有してよい。光源1402は、本実施形態に係る有機発光素子を有してよい。光学フィルタ1404は光源の演色性を向上させるフィルタであってよい。光拡散部1405は、ライトアップ等、光源の光を効果的に拡散し、広い範囲に光を届けることができる。光学フィルタ1404、光拡散部1405は、照明の光出射側に設けられてよい。必要に応じて、最外部にカバーを設けてもよい。
照明装置は例えば室内を照明する装置である。照明装置は白色、昼白色、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってよい。それらを調光する調光回路を有してよい。照明装置は本実施形態の有機発光素子とそれに接続される電源回路を有してよい。電源回路は、交流電圧を直流電圧に変換する回路である。また、白とは色温度が4200Kで昼白色とは色温度が5000Kである。照明装置はカラーフィルタを有してもよい。
また、本実施形態に係る照明装置は、放熱部を有していてもよい。放熱部は装置内の熱を装置外へ放出するものであり、比熱の高い金属、液体シリコン等が挙げられる。
図5(b)は、本実施形態に係る移動体の一例である自動車の模式図である。当該自動車は灯具の一例であるテールランプを有する。自動車1500は、テールランプ1501を有し、ブレーキ操作等を行った際に、テールランプを点灯する形態であってよい。
テールランプ1501は、本実施形態に係る有機発光素子を有してよい。テールランプ1501は、有機発光素子を保護する保護部材を有してよい。保護部材はある程度高い強度を有し、透明であれば材料は問わないが、ポリカーボネート等で構成されることが好ましい。ポリカーボネートにフランジカルボン酸誘導体、アクリロニトリル誘導体等を混ぜてよい。
自動車1500は、車体1503、それに取り付けられている窓1502を有してよい。窓1502は、自動車の前後を確認するための窓でなければ、透明なディスプレイであってもよい。当該透明なディスプレイは、本実施形態に係る有機発光素子を有してよい。この場合、有機発光素子が有する電極等の構成材料は透明な部材で構成される。
本実施形態に係る移動体は、船舶、航空機、ドローン等であってよい。移動体は、機体と当該機体に設けられた灯具を有してよい。灯具は、機体の位置を知らせるための発光をしてよい。灯具は本実施形態に係る有機発光素子を有する。
以上説明した通り、本実施形態に係る有機発光素子を用いた装置を用いることにより、良好な画質で、長時間表示にも安定な表示が可能になる。
以下、実施例により本発明を説明する。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1(例示化合物A1の合成)]
Figure 2021088544
(1)化合物H3の合成
500mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H1:7.23g(25.1mmol)
化合物H2:5.00g(22.8mmol)
Pd(PPh34:790mg(1.14mmol)
炭酸ナトリウム:9.66g(91.2mmol)
トルエン:200ml
エタノール:100ml
水:100ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で90℃に加熱し、この温度(90℃)で5時間攪拌を行った。反応終了後、トルエンと水で抽出を行った後、濃縮し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:トルエン=1:1)にて精製後、メタノールで分散洗浄を行うことにより、白色の化合物H3を5.5g(収率:80%)得た。
(2)化合物H4の合成
200mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド:12.8g(41.5mmol)
テトラヒドロフラン:50ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で、以下に示す試薬を室温でゆっくり滴下投入した。
t−ブトキシカリウム[1.0Mテトラヒドロフラン溶液]
次に、反応溶液をこの温度(室温)で1時間攪拌後、以下の混合溶液を室温でゆっくり滴下した。
化合物H3:5.0g(16.6mmol)
テトラヒドロフラン:50ml
反応終了後、トルエンと水で抽出を行った後、濃縮し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:トルエン=1:1)にて精製後、メタノールで分散洗浄を行うことにより、白色の化合物H4を4.48g(収率:82%)得た。
(3)化合物H5の合成
200mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H4:4.00g(12.1mmol)
ジクロロメタン:100ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で0℃に冷却し、以下に示す試薬を滴下投入した。
メタンスルホン酸:1.75g(18.2mmol)
次に、反応溶液を室温で3時間攪拌を行った。反応終了後、メタノール50mlを投入し0℃で30分撹拌した。その後、ろ過し、水とメタノールで洗浄することにより、白色の化合物H5を3.09g(収率:86%)得た。
(4)化合物H6の合成
500mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H5:3.00g(10.1mmol)
ビスピナコールボラン:10.3g(40.4mmol)
Pd(dba)2:580mg(1.01mmol)
P(Cy)3:850mg(3.03mmol)
酢酸カリウム:3.96mg(40.4mmol)
オルトキシレン:300ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で150℃に加熱し、この温度(150℃)で7時間攪拌を行った。反応終了後、セライトろ過を行い、濃縮し、ヘプタンで分散洗浄を行うことにより、白色の化合物H6を3.93g(収率:81%)得た。
(5)化合物H7の合成
500mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H6:3.8g(7.91mmol)
NCS:5.28g(39.6mmol)
メタンスルホン酸:227mg(2.37mmol)
DMF:380ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で65℃に加熱し、この温度(65℃)で7時間攪拌を行った。反応終了後、ろ過した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)にて精製後、ヘプタンで分散洗浄を行うことにより、白色の化合物H7を2.17g(収率:50%)得た。
(6)化合物H9の合成
200mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H7:2.00g(3.64mmol)
化合物H8:4.17g(14.6mmol)
PdCl2(PPh32:128mg(0.18mmol)
炭酸ナトリウム:1.54g(14.6mmol)
DMSO:100ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で90℃に加熱し、この温度(90℃)で5時間攪拌を行った。反応終了後、メタノール100mlを投入し室温で30分撹拌した。その後、ろ過した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:クロロベンゼン=3:1)にて精製後、メタノールで分散洗浄を行うことにより、白色の化合物H9を1.24g(収率:48%)得た。
(7)化合物H10の合成
100mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H9:1.00g(1.41mmol)
Pd(dba)2:81mg(0.14mmol)
P(Cy)3:119mg(0.42mmol)
酢酸カリウム:415mg(4.23mmol)
DMAc:50ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で170℃に加熱し、この温度(170℃)で2時間攪拌を行った。反応終了後、ろ過した。これをヘプタン/トルエンで分散洗浄を行うことにより、濃緑色の化合物H10を523mg(収率:68%)得た。
(8)例示化合物A1の合成
200mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H10:100mg(0.18mmol)
化合物H11:229mg(1.08mmol)
Pd(OAc)2:4mg(0.02mmol)
s−phos:18mg(0.05mmol)
炭酸カリウム:149g(1.08mmol)
DMSO:10ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で100℃に加熱し、この温度(100℃)で6時間攪拌を行った。反応終了後、メタノール100mlを投入し室温で30分撹拌した。その後、ろ過した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロベンゼン)にて精製後、ヘプタン/トルエンで分散洗浄を行うことにより、黄色の例示化合物A1を76mg(収率:52%)得た。
例示化合物A1の1×10-5mol/Lにおけるトルエン溶液の発光スペクトルは、日立製F−4500を用いて、350nmの励起波長においてフォトルミネッセンスの測定を行った。その結果、444nmに最大強度を有するスペクトルを得た。
尚、例示化合物A1について、MALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=809 計算値:C62322=809
[実施例2(例示化合物A2の合成)]
原料H1を上記スキームの原料H12に、原料H2を下記スキームの原料H13に変えた他は実施例1を参考にして例示化合物A2を合成した。また、実施例1と同様にして測定した質量分析結果の実測値はm/z=809を示した。
Figure 2021088544
[実施例3(例示化合物A3の合成)]
Figure 2021088544
(1)化合物H18の合成
原料H1、H2をそれぞれ上記H16、H17に変えた他は実施例1と同様にして中間体H18を合成した。
(2)化合物H20の合成
500mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H18:3.6g(10.0mmol)
ナトリウムエタンチオラートH19:3.36g(40.0mmol)
DMF:280ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で60℃に加熱し、この温度で7時間攪拌を行った。反応終了後、塩化アンモニア水溶液を加え、ろ過した。これを水100mlで分散洗浄を行うことにより、白色の化合物H20を2.46g(収率:75%)得た。
(3)化合物H21の合成
500mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H20:2.4g(7.29mmol)
ピリジン:3.5ml
塩化メチレン:240ml
次に、反応溶液を、氷冷下でトリフルオロメタンスルホン酸無水物:4.78ml(29.1mmol)を滴下し、室温下、2時間攪拌を行った。反応終了後、氷水200mlを追加し、有機層の抽出を行った。有機層を濃縮し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン、ヘプタン混合)にて精製することにより、白色の化合物H21を3.54g(収率:82%)得た。
(4)化合物H22の合成
500mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H21:3.5g(6.37mmol)
ビスピナコールボラン:9.71g(38.2mmol)
Pd(dppf)2Cl2:453mg(0.637mmol)
酢酸カリウム:2.50g(25.5mmol)
ジオキサン:200ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で100℃に加熱し、この温度で7時間攪拌を行った。反応終了後、セライトろ過を行い、濃縮し、ヘプタンで分散洗浄を行うことにより、灰色の化合物H22を3.18g(収率:91%)得た。
(5)化合物H23の合成
200mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H22:2.00g(2.83mmol)
化合物H8:2.43g(8.48mmol)
Pd(PPh32Cl2:199mg(0.28mmol)
炭酸ナトリウム:1.80g(17.0mmol)
DMSO:100ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で90℃に加熱し、この温度で5時間攪拌を行った。反応終了後、水100mlを投入し室温で30分撹拌した。その後、ろ過した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:クロロベンゼン混合)にて精製後、メタノールで分散洗浄を行うことにより、黄色の化合物H23を0.76g(収率:38%)得た。
(6)化合物H24の合成
100mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H23:0.75g(1.06mmol)
Pd(PPh32Cl2:77mg(0.11mmol)
DBU:5.0ml
DMAc:50ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で170℃に加熱し、この温度(170℃)で2時間攪拌を行った。反応終了後、ろ過した。これをヘプタン/トルエンで分散洗浄を行うことにより、濃緑色の化合物H24を417mg(収率:72%)得た。
(7)例示化合物A3の合成
300mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H24:300mg(0.55mmol)
化合物H11:466mg(2.20mmol)
Pd(OAc)2:4mg(0.02mmol)
s−phos:18mg(0.05mmol)
リン酸カリウム:0.458g(2.16mmol)
キシレン:150ml
水:15ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で120℃に加熱し、この温度で7時間攪拌を行った。反応終了後、ろ過した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)にて精製後、ヘプタンで分散洗浄を行うことにより、黄色の例示化合物A3を227mg(収率:51%)得た。
例示化合物A3の1×10-5mol/Lにおけるトルエン溶液の発光スペクトルは、日立製F−4500を用いて、350nmの励起波長においてフォトルミネッセンスの測定を行った結果、445nmに最大強度を有するスペクトルを得た。
また、MALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=809 計算値:C62322=809
[実施例4至及21(例示化合物の合成)]
表6乃至8に示す様に、実施例4乃至21に示す例示化合物について、実施例1から実施例3の原料H1、H12、H16を原料1に、原料H2、H13、H17を原料2に、原料H8を原料3に、原料H11を原料4に変えた他は実施例1から実施例3と同様にして例示化合物を合成した。また、実施例1から実施例3と同様にして測定した質量分析結果の実測値:m/zを示す。
Figure 2021088544
Figure 2021088544
Figure 2021088544
[実施例22(例示化合物C14の合成)]
Figure 2021088544
(1)化合物H26の合成
300mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H24:300mg(0.55mmol)
化合物H25:211mg(0.55mmol)
Pd(OAc)2:4mg(0.02mmol)
s−phos:18mg(0.05mmol)
リン酸カリウム:0.229g(1.08mmol)
キシレン:150ml
水:15ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で120℃に加熱し、この温度で3時間攪拌を行った。反応終了後、ろ過した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)にて精製後、ヘプタンで分散洗浄を行うことにより、化合物H26を148mg(収率:35%)得た。
(2)例示化合物C14の合成
100mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H26:140mg(0.18mmol)
化合物H27:129mg(0.36mmol)
Pd(OAc)2:2mg(0.01mmol)
s−phos:9mg(0.25mmol)
リン酸カリウム:0.114g(0.54mmol)
キシレン:70ml
水:7ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で120℃に加熱し、この温度で5時間攪拌を行った。反応終了後、ろ過した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)にて精製後、ヘプタンで分散洗浄を行うことにより、黄色の例示化合物C14を74mg(収率:43%)得た。
例示化合物C14をMALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=962 計算値:C58342Se=962
[実施例23(例示化合物D1の合成)]
Figure 2021088544
(1)化合物M3の合成
500mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物M1:7.23g(25.1mmol)
化合物M2:5.00g(22.8mmol)
Pd(PPh3)4:790mg(1.14mmol)
炭酸ナトリウム:9.66g(91.2mmol)
トルエン:200ml
エタノール:100ml
水:100ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で90℃に加熱し、この温度(90℃)で5時間攪拌を行った。反応終了後、トルエンと水で抽出を行った後、濃縮し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:トルエン=1:1)にて精製後、メタノールで分散洗浄を行うことにより、白色の化合物M3を5.5g(収率:80%)得た。
(2)化合物M4の合成
200mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウムクロリド:12.8g(41.5mmol)
テトラヒドロフラン:50ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で、以下に示す試薬を室温でゆっくり滴下投入した。
t−ブトキシカリウム[1.0Mテトラヒドロフラン溶液]
次に、反応溶液をこの温度(室温)で1時間攪拌後、以下の混合溶液を室温でゆっくり滴下した。
化合物M3:5.0g(16.6mmol)
テトラヒドロフラン:50ml
反応終了後、トルエンと水で抽出を行った後、濃縮し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:トルエン=1:1)にて精製後、メタノールで分散洗浄を行うことにより、白色の化合物M4を4.48g(収率:82%)得た。
(3)化合物M5の合成
200mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物M4:4.00g(12.1mmol)
ジクロロメタン:100ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で0℃に冷却し、以下に示す試薬を滴下投入した。
メタンスルホン酸:1.75g(18.2mmol)
次に、反応溶液を室温で3時間攪拌を行った。反応終了後、メタノール50mlを投入し0℃で30分撹拌した。その後、ろ過し、水とメタノールで洗浄することにより、白色の化合物M5を3.09g(収率:86%)得た。
(4)化合物M6の合成
500mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物M5:3.00g(10.1mmol)
ビスピナコールボラン:10.3g(40.4mmol)
Pd(dba)2:580mg(1.01mmol)
P(Cy)3:850mg(3.03mmol)
酢酸カリウム:3.96mg(40.4mmol)
オルトキシレン:300ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で150℃に加熱し、この温度(150℃)で7時間攪拌を行った。反応終了後、セライトろ過を行い、濃縮し、ヘプタンで分散洗浄を行うことにより、白色の化合物M6を3.93g(収率:81%)得た。
(5)化合物M7の合成
500mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物M6:3.8g(7.91mmol)
NCS:5.28g(39.6mmol)
メタンスルホン酸:227mg(2.37mmol)
DMF:380ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で65℃に加熱し、この温度(65℃)で7時間攪拌を行った。反応終了後、ろ過した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)にて精製後、ヘプタンで分散洗浄を行うことにより、白色の化合物M7を2.17g(収率:50%)得た。
(6)化合物M9の合成
200mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物M7:2.00g(3.64mmol)
化合物M8:4.17g(14.6mmol)
PdCl2(PPh32:128mg(0.18mmol)
炭酸ナトリウム:1.54g(14.6mmol)
DMSO:100ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で90℃に加熱し、この温度(90℃)で5時間攪拌を行った。反応終了後、メタノール100mlを投入し室温で30分撹拌した。その後、ろ過した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:クロロベンゼン=3:1)にて精製後、メタノールで分散洗浄を行うことにより、白色の化合物M9を1.24g(収率:48%)得た。
(7)化合物M10の合成
100mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物M9:1.00g(1.41mmol)
Pd(dba)2:81mg(0.14mmol)
P(Cy)3:119mg(0.42mmol)
酢酸カリウム:415mg(4.23mmol)
DMAc:50ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で170℃に加熱し、この温度(170℃)で2時間攪拌を行った。反応終了後、ろ過した。これをヘプタン/トルエンで分散洗浄を行うことにより、濃緑色の化合物M11を523mg(収率:68%)得た。
(8)例示化合物D1の合成
200mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物M10:200mg(0.36mmol)
化合物M11:221mg(1.80mmol)
Pd(OAc)2:8mg(0.04mmol)
s−phos:36mg(0.10mmol)
炭酸カリウム:298g(2.16mmol)
DMSO:20ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で100℃に加熱し、この温度(100℃)で6時間攪拌を行った。反応終了後、メタノール100mlを投入し室温で30分撹拌した。その後、ろ過した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロベンゼン)にて精製後、ヘプタン/トルエンで分散洗浄を行うことにより、黄色の例示化合物D1を146mg(収率:65%)得た。
例示化合物D1の1×10-5mol/Lにおけるトルエン溶液の発光スペクトルは、日立製F−4500を用いて、350nmの励起波長においてフォトルミネッセンスの測定を行った。その結果、444nmに最大強度を有するスペクトルを得た。
尚、例示化合物D1について、MALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=630 計算値:C48262=630
[実施例24(例示化合物D2の合成)]
原料M1を上記スキームの原料M12に、原料M2を下記スキームの原料M13に変えた他は実施例23と同様にして例示化合物D2を合成した。また、実施例23と同様にして測定した質量分析結果の実測値はm/z=630を示した。
Figure 2021088544
[実施例25(例示化合物D3の合成)]
Figure 2021088544
(1) 化合物M18の合成
M1を上記M16に、M2を上記M17に変えた他は実施例23と同様にして中間体M18を合成した。
(2)化合物M20の合成
500mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物M18:3.6g(10.0mmol)
ナトリウムエタンチオラートM19:3.36g(40.0mmol)
DMF:280ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で60℃に加熱し、この温度で7時間攪拌を行った。反応終了後、塩化アンモニア水溶液を加え、ろ過した。これを水100mlで分散洗浄を行うことにより、白色の化合物M20を2.46g(収率:75%)得た。
(3)化合物M21の合成
500mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物M20:2.4g(7.29mmol)
ピリジン:3.5ml
塩化メチレン:240ml
次に、反応溶液を、氷冷下でトリフルオロメタンスルホン酸無水物:4.78ml(29.1mmol)を滴下し、室温下、2時間攪拌を行った。反応終了後、氷水200mlを追加し、有機層の抽出を行った。有機層を濃縮し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン、ヘプタン混合)にて精製することにより、白色の化合物M21を3.54g(収率:82%)得た。
(4)化合物M22の合成
500mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物M21:3.5g(6.37mmol)
ビスピナコールボラン:9.71g(38.2mmol)
Pd(dppf)2Cl2:453mg(0.637mmol)
酢酸カリウム:2.50g(25.5mmol)
ジオキサン:200ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で100℃に加熱し、この温度で7時間攪拌を行った。反応終了後、セライトろ過を行い、濃縮し、ヘプタンで分散洗浄を行うことにより、灰色の化合物M22を3.18g(収率:91%)得た。
(5)化合物M23の合成
200mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物M22:2.00g(2.83mmol)
化合物M8:2.43g(8.48mmol)
Pd(PPh32Cl2:199mg(0.28mmol)
炭酸ナトリウム:1.80g(17.0mmol)
DMSO:100ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で90℃に加熱し、この温度で5時間攪拌を行った。反応終了後、水100mlを投入し室温で30分撹拌した。その後、ろ過した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘプタン:クロロベンゼン混合)にて精製後、メタノールで分散洗浄を行うことにより、黄色の化合物M23を0.76g(収率:38%)得た。
(6)化合物M24の合成
100mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物M23:0.75g(1.06mmol)
Pd(PPh32Cl2:77mg(0.11mmol)
DBU:5.0ml
DMAc:50ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で170℃に加熱し、この温度(170℃)で2時間攪拌を行った。反応終了後、ろ過した。これをヘプタン/トルエンで分散洗浄を行うことにより、濃緑色の化合物M24を417mg(収率:72%)得た。
(7)例示化合物D3の合成
300mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物M24:300mg(0.55mmol)
化合物M11:271mg(2.20mmol)
Pd(OAc)2:4mg(0.02mmol)
s−phos:18mg(0.05mmol)
リン酸カリウム:0.458g(2.16mmol)
キシレン:150ml
水:15ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で120℃に加熱し、この温度で7時間攪拌を行った。反応終了後、ろ過した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)にて精製後、ヘプタンで分散洗浄を行うことにより、黄色の例示化合物D3を211mg(収率:61%)得た。
例示化合物D3の1×10-5mol/Lにおけるトルエン溶液の発光スペクトルは、日立製F−4500を用いて、350nmの励起波長においてフォトルミネッセンスの測定を行った結果、444nmに最大強度を有するスペクトルを得た。
また、MALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=630 計算値:C48262=630
[実施例26至及36(例示化合物の合成)]
表9乃至10に示す様に、実施例26乃至36に示す例示化合物について、実施例23から実施例25の原料M1、M12、M16を原料1に、原料M2、M13、M17を原料2に、原料M8を原料3に、原料M11を原料4に変えた他は実施例23から実施例25と同様にして例示化合物を合成した。また、実施例23から実施例25と同様にして測定した質量分析結果の実測値:m/zを示す。
Figure 2021088544
Figure 2021088544
[実施例37(例示化合物D22の合成)]
Figure 2021088544
(1)化合物M25の合成
500mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物M24:556mg(1.01mmol)
ビスピナコールボラン:1.03g(4.04mmol)
Pd(dba)2:58mg(0.10mmol)
P(Cy)3:85mg(0.30mmol)
酢酸カリウム:392mg(4.04mmol)
オルトキシレン:300ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で150℃に加熱し、この温度(150℃)で7時間攪拌を行った。反応終了後、セライトろ過を行い、濃縮し、ヘプタンで分散洗浄を行うことにより、灰色の化合物M25を404mg(収率:55%)得た。
(2)例示化合物D22の合成
200mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物M25:200mg(0.27mmol)
化合物M26:87mg(1.80mmol)
Pd(OAc)2:8mg(0.04mmol)
s−phos:36mg(0.10mmol)
炭酸カリウム:298g(2.16mmol)
DMSO:50ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で100℃に加熱し、この温度(100℃)で6時間攪拌を行った。反応終了後、メタノール100mlを投入し室温で30分撹拌した。その後、ろ過した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロベンゼン)にて精製後、ヘプタン/トルエンで分散洗浄を行うことにより、黄色の例示化合物D22を103mg(収率:60%)得た。
例示化合物D22の1×10-5mol/Lにおけるトルエン溶液の発光スペクトルは、日立製F−4500を用いて、350nmの励起波長においてフォトルミネッセンスの測定を行った。その結果、442nmに最大強度を有するスペクトルを得た。
[実施例38(例示化合物D23の合成)]
Figure 2021088544
200mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物M25:200mg(0.27mmol)
化合物M26:43mg(0.27mmol)
Pd(OAc)2:8mg(0.04mmol)
s−phos:36mg(0.10mmol)
炭酸カリウム:298g(2.16mmol)
DMSO:50ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で100℃に加熱し、この温度(100℃)で3時間攪拌を行った。次に、室温まで冷却した後、以下に示す試薬を仕込んだ。
化合物M28:93mg(0.54mmol)
Pd(OAc)2:8mg(0.04mmol)
s−phos:36mg(0.10mmol)
炭酸カリウム:298g(2.16mmol)
次に、反応溶液を、窒素気流下で100℃に加熱し、この温度(100℃)で6時間攪拌を行った。反応終了後、メタノール100mlを投入し室温で30分撹拌した。その後、ろ過した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロベンゼン)にて精製後、ヘプタン/トルエンで分散洗浄を行うことにより、黄色の例示化合物D23を17mg(収率:10%)得た。
また、MALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=647 計算値:C4726=647
[実施例39至及48(例示化合物の合成)]
表11乃至12に示す様に、実施例39乃至48に示す例示化合物について、実施例37の原料M25を原料5に、実施例37及び実施例38の原料M26を原料6に、実施例38の原料M28を原料7に変えた他は実施例37及び実施例38と同様にして例示化合物を合成した。また、実施例23から実施例25と同様にして測定した質量分析結果の実測値:m/zを示す。
Figure 2021088544
Figure 2021088544
[実施例49]
本実施例では、基板上に、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロッキング層、発光層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層、陰極が順次形成されたボトムエミッション型構造の有機EL素子を作製した。
先ずガラス基板上にITOを成膜し、所望のパターニング加工を施すことによりITO電極(陽極)を形成した。この時、ITO電極の膜厚を100nmとした。このようにITO電極が形成された基板をITO基板として、以下の工程で使用した。次に、真空チャンバー内における抵抗加熱による真空蒸着を行って、上記ITO基板上に、表13に示す有機EL層及び電極層を連続成膜した。尚、この時、対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mm2となるようにした。
Figure 2021088544
得られた素子について、素子の特性を測定・評価した。発光素子の最大発光波長は445nmであり、最大外部量子効率(E.Q.E.)は5.9%、色度は(X,Y)=(0.15、0.06)の青色発光を得られた。測定装置は、具体的には電流電圧特性をヒューレッドパッカード社製・微小電流計4140Bで測定し、発光輝度は、トプコン社製BM7で測定した。さらに、電流密度80mA/cm2での連続駆動試験を行い、輝度劣化率が5%に達した時の時間(LT95)を測定したところ、100時間であった。測定の結果を表14に示す。
[実施例50乃至62、比較例1、比較例2]
表14に示される化合物に適宜変更する以外は、実施例49と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例49と同様に素子の特性を測定・評価した。測定の結果を表14に示す。
Figure 2021088544
表14より、特許文献1に記載の比較化合物1−aを用いた比較例1及び比較化合物1−bを用いた比較例2の5%劣化寿命(LT95)は80時間以下であり、本実施例の青色発光素子の耐久特性と比較して悪い。一方、本実施形態の有機化合物を用いた素子は、良好な耐久特性を示した。これは、本実施形態に係る化合物は、ベンゾカルコゲノフェン誘導体基を有し、電子受容性が高く、電荷に対する安定性が高いためである。
また、比較例1の外部量子効率は5%以下であり、本実施例の青色発光素子の発光効率と比較して悪い。一方、本実施形態の有機化合物を用いた素子は、高効率青色発光特性を示した。これは、本実施形態に係る化合物は、ベンゾカルコゲノフェン誘導体基を有し、薄膜状態での濃度消光を低減できるためである。
[実施例63]
本実施例では、基板上に陽極、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロッキング層、第一発光層、第二発光層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層、陰極が順次形成されたトップエミッション型構造の有機EL素子を作製した。
ガラス基板上に、スパッタリング法でAlとTiとの積層膜を40nm成膜し、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングし、陽極を形成した。尚、この時、対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mm2となるようにした。続いて、真空蒸着装置(アルバック社製)に洗浄済みの電極までを形成した基板と材料を取り付け、1.3×10-4Pa(1×10-6Torr)まで排気した後、UV/オゾン洗浄を施した。その後、表15に示される層構成で各層の製膜を行い、最後に、窒素雰囲気下において封止を行った。
Figure 2021088544
得られた素子について、素子の特性を測定・評価した。得られた素子は、良好な白色発光を示した。さらに、初期輝度1000cd/m2での連続駆動試験を行い、100時間後の輝度劣化率を測定した。結果を表16に示す。
[実施例64乃至68、比較例3]
表16に示される化合物に適宜変更する以外は、実施例63と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例63と同様に素子の特性を測定・評価した。測定の結果を表16に示す
Figure 2021088544
表16より比較化合物1−aを用いている有機発光素子では輝度劣化率が23%であった。これは比較化合物をゲストとして用いた場合、還元電位が小さく電子受容性が十分でないため化学的な安定性が劣っていることに起因する。一方、本実施形態の有機化合物を用いた素子は、良好な耐久特性を示した。これは、本実施形態に係る化合物は、ベンゾカルコゲノフェン誘導体基を有し、電子受容性が高く、電荷に対する安定性が高いためである。
以上より、本実施形態に係る有機化合物は、大きい還元電位により電子受容性に優れ、かつ、濃度消光低減により発光効率が高く、色純度が良い青色発光が可能である。したがって、本実施形態に係る有機化合物を有機発光素子に用いた場合、発光効率及び駆動耐久特性に優れる。
[実施例69]
本実施例では、基板上に、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロッキング層、発光層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層、陰極が順次形成されたボトムエミッション型構造の有機EL素子を作製した。
先ずガラス基板上にITOを成膜し、所望のパターニング加工を施すことによりITO電極(陽極)を形成した。この時、ITO電極の膜厚を100nmとした。このようにITO電極が形成された基板をITO基板として、以下の工程で使用した。次に、真空チャンバー内における抵抗加熱による真空蒸着を行って、上記ITO基板上に、表17に示す有機EL層及び電極層を連続成膜した。尚、この時、対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mm2となるようにした。
Figure 2021088544
得られた素子について、素子の特性を測定・評価した。発光素子の最大発光波長は447nmであり、最大外部量子効率(E.Q.E.)は5.9%、色度は(X,Y)=(0.15、0.08)の青色発光を得られた。測定装置は、具体的には電流電圧特性をヒューレッドパッカード社製・微小電流計4140Bで測定し、発光輝度は、トプコン社製BM7で測定した。さらに、電流密度100mA/cm2での連続駆動試験を行い、輝度劣化率が5%に達した時の時間(LT95)を測定したところ、100時間を越えた。
[実施例70乃至81、比較例4、比較例5]
表18に示される化合物に適宜変更する以外は、実施例69と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例69と同様に素子の特性を測定・評価した。測定の結果を表18に示す。
Figure 2021088544
表18より、比較例4及び比較例5の5%劣化寿命は100時間以下で耐久特性が悪いが、本実施形態に係る有機化合物を用いた素子では、5%劣化寿命は100時間を超えている。また、比較例4及び比較例5では、色度座標はそれぞれ(0.14、0.13)及び(0.14、0.15)であり、実施例のほうがsRGBの色再現範囲に対してより色再現範囲を広げる方向であることがわかる。本発明の化合物がより短波長で青発光することに起因する。本発明に係る有機化合物を用いた素子は、良好な青色発光特性と耐久特性を示している。
[実施例82]
本実施例では、基板上に陽極、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロッキング層、第一発光層、第二発光層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層、陰極が順次形成されたトップエミッション型構造の有機EL素子を作製した。
ガラス基板上に、スパッタリング法でTiを40nm成膜し、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングし、陽極を形成した。尚、この時、対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mm2となるようにした。続いて、真空蒸着装置(アルバック社製)に洗浄済みの電極までを形成した基板と材料を取り付け、1.3×10-4Pa(1×10-6Torr)まで排気した後、UV/オゾン洗浄を施した。その後、表19に示される層構成で各層の製膜を行い、最後に、窒素雰囲気下において封止を行った。
Figure 2021088544
得られた素子について、素子の特性を測定・評価した。得られた素子は、良好な白色発光を示した。さらに、初期輝度1000cd/m2での連続駆動試験を行い、100時間後の輝度劣化率を測定した。結果は14%であった。
[実施例83乃至89、比較例6]
表20に示される化合物に適宜変更する以外は、実施例82と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例82と同様に素子の特性を測定・評価した。測定の結果を表20に示す。
Figure 2021088544
表20より比較化合物1−Aを用いている比較例6では輝度劣化率が25%であった。これは比較化合物をゲストとして用いた場合、還元電位が浅く電子受容性が十分でないため化学的な安定性が劣っていることに起因する。
以上より、本発明に係る有機化合物は、青色発光に適した発光を呈し、化学的安定性が高い化合物である。このため本発明に係る有機化合物を有機発光素子の構成材料として用いることで、良好な発光特性と優れた耐久特性を有する有機発光素子を得ることができる。
10:表示装置、11:基板、12:防湿膜、13:ゲート電極、14:ゲート絶縁膜、
15:半導体層、16:ドレイン電極、17:ソース電極、18:TFT素子、19:絶
縁膜、20:コンタクトホール、21:陽極、22:有機化合物層、23:陰極、24:
第一の保護層、25:第二の保護層、26:有機発光素子

Claims (32)

  1. 下記一般式[1]に示されることを特徴とする有機化合物。
    Figure 2021088544
    一般式[1]において、R1からR18は、水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基及び下記一般式[2]乃至[3]、[102]乃至[104]のいずれかに示される基からそれぞれ独立に選ばれる。但し、少なくとも一つは下記一般式[2]乃至[3]、[102]乃至[104]のいずれかに示される基である。
    下記一般式[2]乃至[3]のいずれかに示される基は、R19からR32のいずれかの位置で結合する基である。
    Figure 2021088544
    一般式[2]乃至[3]において、R19からR32は、水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、及びシリル基からそれぞれ独立に選ばれる。R19からR32は、隣の基と環を形成しても良い。
    Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子からそれぞれ独立に選ばれる。
    Figure 2021088544
    (一般式[102]において、X1乃至X3は、環を構成する、水素原子或いは置換基Yを有する炭素原子、または窒素原子を示し、少なくとも一つは窒素原子である。
    前記置換基Yは、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基から選ばれる基である。前記置換基Yを有する炭素原子が複数存在する場合、前記置換基Y同士は同じであっても異なっていても良い。
    105乃至R106は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる基である。)
    Figure 2021088544
    (一般式[103]において、X4乃至X7は、環を構成する、水素原子或いは置換基Yを有する炭素原子、または窒素原子を示し、少なくとも一つは窒素原子である。
    前記置換基Yは、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基から選ばれる基である。前記置換基Yを有する炭素原子が複数存在する場合、前記置換基Y同士は同じであっても異なっていても良い。
    107乃至R109は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる基である。)
    Figure 2021088544
    (一般式[104]において、X8乃至X12は、環を構成する、水素原子或いは置換基Yを有する炭素原子、または窒素原子を示し、少なくとも一つは窒素原子である。
    前記置換基Yは、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基から選ばれる基である。前記置換基Yを有する炭素原子が複数存在する場合、前記置換基Y同士は同じであっても異なっていても良い。
    110乃至R111は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる基である。)
  2. 前記一般式[2]乃至[3]、[102]乃至[104]のいずれかに示される基は、前記一般式[2]乃至[3]のいずれかに示される基であることを特徴とする請求項1に記載の有機化合物。
  3. 前記一般式[2]乃至[3]、[102]乃至[104]のいずれかに示される基の数は、1以上4以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機化合物。
  4. 前記一般式[2]乃至[3]、[102]乃至[104]のいずれかに示される基の数は、1以上2以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機化合物。
  5. 前記R3、R4、R7、R8、R9、R12、R13、R16、R17、R18のうち少なくとも一つは、前記一般式[2]乃至[3]、[102]乃至[104]のいずれかに示される基であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機化合物。
  6. 前記R7、R8、R9、R16、R17、R18のうち少なくとも一つは、前記一般式[2]乃至[3]、[102]乃至[104]のいずれかに示される基であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の有機化合物。
  7. 前記一般式[2]乃至[3]のいずれかに示される基は、R22、R23、R29のいずれかの位置で結合する基であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の有機化合物。
  8. 前記一般式[2]乃至[3]のいずれかに示される基は、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の有機化合物。
  9. 前記R1からR18は、水素原子及び前記一般式[2]乃至[3]、[102]乃至[104]のいずれかに示される基からそれぞれ独立に選ばれることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の有機化合物。
  10. 前記R1、R6、R10、R15は、水素原子であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の有機化合物。
  11. 前記R3、R4、R12、R13は、水素原子であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の有機化合物。
  12. 前記R7、R9、R16及びR18は、水素原子であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の有機化合物。
  13. 下記一般式[101]に示されることを特徴とする有機化合物。
    Figure 2021088544
    (一般式[101]において、*1乃至*6で示す位置のうち少なくとも一つの位置に、下記一般式[102]乃至[104]で表されるアジン骨格を有する基が、*で示す位置で結合している。前記一般式[102]乃至[104]で表されるアジン骨格を有する基が複数結合している場合、前記一般式[102]乃至[104]で表されるアジン骨格を有する基同士は同一であっても異なっていても良い。
    101乃至R104は、水素原子、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基からそれぞれ独立に選ばれる基である。)
    Figure 2021088544
    (一般式[102]において、X1乃至X3は、環を構成する、水素原子或いは置換基Yを有する炭素原子、または窒素原子を示し、少なくとも一つは窒素原子である。
    前記置換基Yは、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基から選ばれる基である。前記置換基Yを有する炭素原子が複数存在する場合、前記置換基Y同士は同じであっても異なっていても良い。
    105乃至R106は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる基である。)
    Figure 2021088544
    (一般式[103]において、X4乃至X7は、環を構成する、水素原子或いは置換基Yを有する炭素原子、または窒素原子を示し、少なくとも一つは窒素原子である。
    前記置換基Yは、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基から選ばれる基である。前記置換基Yを有する炭素原子が複数存在する場合、前記置換基Y同士は同じであっても異なっていても良い。
    107乃至R109は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる基である。)
    Figure 2021088544
    (一般式[104]において、X8乃至X12は、環を構成する、水素原子或いは置換基Yを有する炭素原子、または窒素原子を示し、少なくとも一つは窒素原子である。
    前記置換基Yは、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、置換あるいは無置換のアリールオキシ基、シリル基から選ばれる基である。前記置換基Yを有する炭素原子が複数存在する場合、前記置換基Y同士は同じであっても異なっていても良い。
    110乃至R111は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる基である。)
  14. 前記*1乃至*6で示す位置のうちのいずれか2つの位置に、前記一般式[102]乃至[104]で表されるアジン骨格を有する基が結合していることを特徴とする請求項13に記載の有機化合物。
  15. 前記*1乃至*6で示す位置に結合する基は、前記一般式[102]で表されるアジン骨格を有する基であることを特徴とする請求項13または14に記載の有機化合物。
  16. 前記一般式[102]で表されるアジン骨格を有する基は、下記一般式[105]乃至[109]で表される基であることを特徴とする請求項15に記載の有機化合物。
    Figure 2021088544
    (一般式[105]乃至[109]において、R112乃至R127は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる。)
  17. 前記*1乃至*6で示す位置に結合する基は、前記一般式[103]または[104]で表されるアジン骨格を有する基であることを特徴とする請求項13または14に記載の有機化合物。
  18. 前記一般式[103]または[104]で表されるアジン骨格を有する基は、下記一般式[110]乃至[118]で表される基であることを特徴とする請求項17に記載の有機化合物。
    Figure 2021088544
    (一般式[110]乃至[118]において、R128乃至R181は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる。)
  19. 前記一般式[103]または[104]で表されるアジン骨格を有する基は、下記一般式[119]乃至[124]で表される基であることを特徴とする請求項17に記載の有機化合物。
    Figure 2021088544
    (一般式[119]乃至[124]において、R182乃至R211は、水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基からそれぞれ独立に選ばれる。)
  20. 前記一般式[103]または[104]で表されるアジン骨格を有する基は、前記X6乃至X7が前記炭素原子である基、または前記X12が前記炭素原子である基であることを特徴とする請求項17に記載の有機化合物。
  21. 前記R101乃至R104は、水素原子であることを特徴とする請求項13乃至20のいずれか一項に記載の有機化合物。
  22. 前記R101乃至R104は、孤立電子対を有さない基であることを特徴とする請求項13乃至20のいずれか一項に記載の有機化合物。
  23. 陽極と陰極と、
    前記陽極と前記陰極との間に配置される有機化合物層と、を有する有機発光素子において、
    前記有機化合物層の少なくとも一層は、請求項1乃至22のいずれか一項に記載の有機化合物を有することを特徴とする有機発光素子。
  24. 前記有機化合物を有する層が発光層であることを特徴とする、請求項23に記載の有機発光素子。
  25. 青色発光することを特徴とする請求項23または24に記載の有機発光素子。
  26. 前記発光層と積層して配置される別の発光層を更に有し、前記別の発光層は前記発光層が発する発光色とは異なる色を発光することを特徴とする請求項24に記載の有機発光素子。
  27. 白色発光することを特徴とする請求項26に記載の有機発光素子。
  28. 複数の画素を有し、前記複数の画素の少なくとも一つが、請求項23乃至27のいずれか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に接続されたトランジスタと、を有することを特徴とする表示装置。
  29. 複数のレンズを有する光学部と、前記光学部を通過した光を受光する撮像素子と、前記撮像素子が撮像した画像を表示する表示部と、を有し、
    前記表示部は請求項23乃至27のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする光電変換装置。
  30. 請求項23乃至27のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する表示部と、前記表示部が設けられた筐体と、前記筐体に設けられ、外部と通信する通信部と、を有することを特徴とする電子機器。
  31. 請求項23乃至27のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する光源と、前記光源が発する光を透過する光拡散部または光学フィルタと、を有することを特徴とする照明装置。
  32. 請求項23乃至27のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する灯具と、前記灯具が設けられた機体と、を有することを特徴とする移動体。
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