JP2023115897A - 有機化合物及び有機発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】色純度に優れる有機発光素子を提供する。【解決手段】一般式(1)で表されることを特徴とする有機化合物。TIFF2023115897000049.tif6860(一般式(1)において、X1とX2はカルコゲン原子、イミノ基、メチレン基、シリレン基から構成される群からそれぞれ独立して選択される。)【選択図】なし

Description

本発明は、有機化合物及びこれを用いた有機発光素子に関する。
有機発光素子(以下、「有機エレクトロルミネッセンス素子」あるいは「有機EL素子」と呼ぶことがある)は、一対の電極とこれら電極間に配置される有機化合物層とを有する電子素子である。これら一対の電極から電子及び正孔を注入することにより、有機化合物層中の発光性有機化合物の励起子を生成し、該励起子が基底状態に戻る際に、有機発光素子は光を放出する。
有機発光素子の最近の進歩は著しく、その特長としては、低駆動電圧、多様な発光波長、高速応答性、発光デバイスの薄型化・軽量化が可能であることが挙げられる。
また、ディスプレイに用いられる色再現範囲として、sRGBやAdobeRGBの規格が用いられ、それを再現する材料が求められてきたが最近ではさらに色再現範囲を広げる規格としてBT-2020が挙げられている。
ところで、現在までに発光性の有機化合物の創出が盛んに行われている。高性能の有機発光素子を提供するにあたり、発光特性の優れた化合物の創出が重要であるからである。
これまでに創出された化合物として、特許文献1には下記化合物1―aが記載されている。
Figure 2023115897000001
米国特許出願公開第2017/0256717号明細書 中国特許出願公開第107043382号明細書
特許文献1には、発光材料として化合物1―aが記載されているが、化合物1―aは色純度に課題があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされるものであり、色純度に優れる有機化合物を提供することである。
本発明に係る有機化合物は、一般式(1)で示されることを特徴とする。
Figure 2023115897000002
一般式(1)において、R乃至R20は水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のシリル基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換のヘテロアリール基、シアノ基から構成される群からそれぞれ独立して選択される。
乃至R20は互いに結合し、環を形成してもよい。当該結合は、カルコゲン原子を介していてもよい。RとR10、R19とR20の組み合わせのうち少なくとも1つは互いに結合している。
およびXはカルコゲン原子、置換または無置換のイミノ基、置換または無置換のメチレン基、置換または無置換のシリレン基から構成される群からそれぞれ独立して選択される。
本発明に係る有機化合物は、縮環構造を有することで、色純度に優れた青色発光を得ることができる。
(a)本発明の一実施形態に係る表示装置の画素の一例を表す概略断面図である。(b)本発明の一実施形態に係る有機発光素子を用いた表示装置の一例の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。 (a)本発明の一実施形態に係る撮像装置の一例を表す模式図である。(b)本発明の一実施形態に係る電子機器の一例を表す模式図である。 (a)本発明の一実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。(b)折り曲げ可能な表示装置の一例を表す模式図である。 (a)本発明の一実施形態に係る照明装置の一例を示す模式図である。(b)本発明の一実施形態に係る車両用灯具を有する自動車の一例を示す模式図である。 (a)本発明の一実施形態に係るウェアラブルデバイスの一例を示す模式図である。(b)本発明の一実施形態に係るウェアラブルデバイスの一例で、撮像装置を有する形態を示す模式図である。 (a)本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例を表す模式図である。(b)本発明の一実施形態に係る画像形成装置の露光光源の一例を表す模式図である。(c)本発明の一実施形態に係る画像形成装置の露光光源の一例を表す模式図である。
本明細書において、ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチン、テネシン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
カルコゲン原子としては、例えば、酸素、硫黄、セレン、テルル、ポロニウム、リバモリウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルキル基としては、炭素原子数1以上20以下のアルキル基であってよい。例えば、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、セカンダリーブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、ターシャリペンチル基、3-メチルペンタン-3-イル基、1-アダマンチル基、2-アダマンチル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルコキシ基としては、炭素原子数1以上10以下のアルコキシ基であってよい。例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロオキシ基、ターシャリブトキシ基、2-エチル-オクチルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アリール基としては、炭素原子数6以上20以下のアリール基であってよい。例えば、フェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、アントラニル基、ペリレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ヘテロアリール基としては、炭素原子数3以上20以下のヘテロアリール基であってよい。例えば、ピリジル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナントロリル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アミノ基としては、例えば、N-メチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、N-ベンジルアミノ基、N-メチル-N-ベンジルアミノ基、N,N-ジベンジルアミノ基、アニリノ基、N,N-ジフェニルアミノ基、N,N-ジナフチルアミノ基、N,N-ジフルオレニルアミノ基、N-フェニル-N-トリルアミノ基、N,N-ジトリルアミノ基、N-メチル-N-フェニルアミノ基、N,N-ジアニソリルアミノ基、N-メシチル-N-フェニルアミノ基、N,N-ジメシチルアミノ基、N-フェニル-N-(4-ターシャリブチルフェニル)アミノ基、N-フェニル-N-(4-トリフルオロメチルフェニル)アミノ基、N-ピペリジル基、カルバゾリル基、アクリジル基、トリメチルアミノ基、トリフェニルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、アリール基、複素環基、アリールオキシ基、シリル基がさらに有してもよい置換基として、例えば、重水素、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基等のアルキル基、ベンジル基等のアラルキル基、フェニル基、ビフェニル基等のアリール基、ピリジル基、ピロリル基等の複素環基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基等のアミノ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、シアノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(1)有機化合物
まず、本発明に係る有機化合物について説明する。
本発明に係る有機化合物は、一般式(1)で示される化合物である。なお、本明細書において、主骨格とは、3つのベンゼン環とカルコゲン原子を含んだ2つの6員環が縮環した構造を有する骨格を指す。また、基本骨格とは、主骨格中の2つの窒素原子にそれぞれ置換する置換基のうち、少なくとも1つが主骨格に縮環した構造を有する骨格を指す。
Figure 2023115897000003
一般式(1)において、R乃至R20は水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のシリル基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換のヘテロアリール基、シアノ基から構成される群からそれぞれ独立して選択される。
乃至R20は互いに結合し、環を形成してもよい。当該結合は、カルコゲン原子を介していてもよい。なお、当該結合を介するカルコゲン原子は、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子であることが好ましく、酸素原子、硫黄原子であることが特に好ましい。RとR10、R19とR20の組み合わせのうち少なくとも1つは互いに結合している。
およびXはカルコゲン原子、置換あるいは無置換のイミノ基、置換あるいは無置換のメチレン基、置換あるいは無置換のシリレン基から構成される群からそれぞれ独立して選択される。なお、XおよびXにおいて、カルコゲン原子は、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子であることが好ましく、酸素原子、硫黄原子であることが特に好ましい。
また、本発明に係る有機化合物のうち、一般式(2)または(3)で示される構造であることが好ましい。
Figure 2023115897000004
一般式(2)および(3)において、R21乃至R36は水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のシリル基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換のヘテロアリール基、シアノ基から構成される群からそれぞれ独立して選択される。
21乃至R36は互いに結合し、環を形成してもよい。当該結合は、カルコゲン原子を介していてもよい。なお、当該結合を介するカルコゲン原子は、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子であることが好ましく、酸素原子、硫黄原子であることが更に好ましく、酸素原子であることが特に好ましい。
乃至Xはカルコゲン原子、置換あるいは無置換のイミノ基、置換あるいは無置換のメチレン基、置換あるいは無置換のシリレン基から構成される群からそれぞれ独立して選択される。なお、X乃至Xは、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、テルル原子であることが好ましく、酸素原子、硫黄原子であることが更に好ましく、酸素原子であることが特に好ましい。
本発明に係る有機化合物は、一般式(3)で表される構造を有することが特に好ましい。
また、本発明に係る一実施形態では、一般式(4)に示す構造を有していなくてもよい。
Figure 2023115897000005
一般式(4)において、XおよびXは酸素原子、硫黄原子、ジメチルメチレン基、スルホニル基、一般式(5)から選択される。*はR26およびR34、*’はR27およびR35への結合位置を表す。
一般式(5)において、R41はフェニル基である。*は結合位置を表す。
一般式(1)乃至(3)で示される有機化合物は、以下の特徴を有する。
(1―1)主骨格中の2つの窒素原子にそれぞれ置換する置換基のうち、少なくとも1つが主骨格に縮環する構造を、基本骨格が有することで、色純度に優れる青色発光を発する。
(1-2)基本骨格は複数の縮環構造からなるため、熱安定性が高い。
以下、これらの特徴について、本発明に係る有機化合物に類似する構造を有する比較例化合物を比較対照して挙げながら、本発明に係る有機化合物の基本骨格の性質を説明する。具体的には、比較例化合物1-aと、本実施形態の例示化合物をそれぞれ挙げる。
(1―1)主骨格中の2つの窒素原子にそれぞれ置換する置換基のうち、少なくとも1つが主骨格に縮環する構造を、基本骨格が有することで、色純度に優れる青色発光を発する。
本発明者らは、一般式(1)に示される有機化合物を発明するにあたり、基本骨格それ自体に注目した。
まず、色純度が良い青色発光を発するためには、基本骨格自体が色純度の高い青色領域にある必要がある。本実施形態において、所望の色純度に優れた青色発光とは、希薄トルエン溶液中での発光スペクトルの最大発光波長が440~475nmにあり、半値幅が50nm以下であることである。さらに、半値幅が40nm以下であることが、より色純度に優れた青色発光を得るために好ましい。なお、本明細書において発光スペクトルの半値幅とは、最大強度を1.0とした時の0.5の強度のスペクトル幅を指す。
本発明に係る例示化合物は、主骨格中の2つの窒素原子にそれぞれ置換する置換基のうち、少なくとも1つが主骨格に縮環する構造を有する。これにより、置換基が主骨格へ縮環していない構造と比較して、分子の振動と、励起状態と基底状態の構造変化が抑制されるため、発光スペクトルの半値幅が狭小化することを見出した。
一方、比較化合物1-aは、回転軸をもつC-N結合を2か所に有しており、主骨格中の2つの窒素原子にそれぞれ置換する置換基は、いずれも主骨格へ縮環していない。従って、C-N結合による振動と、励起状態と基底状態の構造変化が影響するため、発光スペクトルの半値幅が広大化する。
表1に、本発明に係る例示化合物と、比較化合物とを用いて、希薄トルエン溶液中での発光スペクトルの比較を行った。具体的には、発光スペクトルを測定後、得られた発光スペクトルの半値幅と発光色を比較した。発光波長の測定は、日立製F-4500を用い、室温下、励起波長350nmにおける希薄トルエン溶液のフォトルミネッセンス測定により行った。なお、表1の発光スペクトルの半値幅に関して、40nm以下の場合は「A」、50nm以下の場合は「B」、50nmより大きい場合は「C」と示す。AAはAよりもさらに色純度に優れていることを示す。
Figure 2023115897000006
表1より、比較例化合物1-aに対して本発明に係る化合物は、主骨格中の2つの窒素原子にそれぞれ置換する置換基のうち、少なくとも1つが主骨格に縮環する構造を有する。そのため、色純度に優れた青色発光に必要な50nm以下の半値幅を有することが分かる。このように、主鎖中の2つの窒素原子にそれぞれ置換する置換基のうち、少なくとも1つが主鎖に縮環する構造を有する特有の効果として、色純度に優れた青色発光を発する。特に、主骨格中の2つの窒素原子にそれぞれ置換する置換基がどちらも縮環することが好ましい。
(1-2)基本骨格は複数の縮環構造からなるため、熱安定性が高い。
有機発光素子の有機層、特に発光層内の化合物は、有機発光素子の発光の過程において、特に発光層内では、繰り返し基底状態と励起状態との間を繰り返し遷移する。この中で、分子の伸縮、回転等の運動が起こる。その際に、結合が解離しやすい部位が存在すると、結合が開裂して化合物中の一部が遊離してしまうことがある。化合物中の一部が遊離すると構造が変化してしまうため、遊離が生じやすい化合物は耐久性が低くなる。また、このような化合物を有機発光素子に用いた場合には、遊離した部分がクエンチャーとなって、素子耐久特性を低下させる。したがって、結合が解離しにくく、遊離が生じにくい構造を有している分子ほど、素子耐久特性が良くなる。
表2に、本発明に係る例示化合物A2と、比較化合物1-aの構造の違いを示す。本発明に係る例示化合物A2は、基本骨格を有するため、結合エネルギーが低いC-N結合に加えて、結合エネルギーが高いC-C結合を有する。一方、比較化合物1-aは、結合エネルギーが低いC-N結合のみを有する。したがって、本発明に係る有機化合物の方が、比較化合物1-aよりも結合安定性が高いため、素子耐久特性が向上する。
Figure 2023115897000007
更に、本発明に係る有機化合物は以下の特徴を有することが好ましい。
(1-3)一般式(2)および(3)において、R21、R22、R23、R26、R27、R29、R30、R31、R34、またはR35のうち少なくとも1つが水素原子以外、すなわち置換基であることで、耐久性が向上する。
(1-4)一般式(2)および(3)において、R21またはR29のうち、少なくとも1つが置換基であることで、濃度消光を抑制することができる。
以下、これらの特徴について説明する。
(1-3)一般式(2)および(3)において、R21、R22、R23、R26、R27、R29、R30、R31、R34、またはR35のうち少なくとも1つが水素原子以外、すなわち置換基であることで、耐久性が向上する。
表3に、一般式(3)において、各置換位置にそれぞれフェニル基を導入した場合の、基本骨格捻じれ角およびS1(最低励起一重項エネルギー)の計算結果を示した。基本骨格捻じれ角とは基本骨格の平面性を表す指標であり、基本骨格捻じれ角が小さいほど、平面性が高いといえる。表3によると、置換位置R21、R22、R23、R26、またはR27のうち少なくとも1つが置換基であることで、基本骨格捻じれ角が小さい値を示すため好ましく、R22、R23、R26、またはR27のうち少なくとも1つが置換基であることが更に好ましく、R22、R23、またはR27のうち少なくとも1つが置換基であることが特に好ましい。特に、置換位置R22、R23、またはR27のうち少なくとも1つが置換基であることで、S1は大きい値を示す。基本骨格捻じれ角が小さい値を示すことで、発光スペクトルの半値幅が狭くなり、優れた耐久性を示す。また、S1が大きい値を示すことで、色純度が高い青色発光を示す。したがって、一般式(2)および(3)において、R21、R22、R23、R26、R27、R29、R30、R31、R34、またはR35のうち少なくとも1つが置換基であることが好ましく、R22、R23、R27、R30、またはR35のうち少なくとも1つが置換基であることが更に好ましく、R22、R27、R30、R31、またはR35のうち少なくとも1つが置換基であることが更に好ましく、R27またはR35のうち少なくとも1つが置換基を有することが更に好ましく、R27およびR35が置換基であることが特に好ましい。置換基としては、炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数6乃至12のアリール基、炭素数3乃至12のヘテロアリール基が好ましく、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数6乃至12のアリール基が更に好ましく、tert―ブチル基、イソプロピル基、フェニル基が特に好ましい。
Figure 2023115897000008
Figure 2023115897000009
尚、上記のS1エネルギーおよび基本骨格捻じれ角は、分子軌道計算を用いて算出した。分子軌道計算法の計算手法は、現在広く用いられている密度汎関数法(Density Functional Theory,DFT)を用いた。汎関数はB3LYP、基底関数は6-31Gを用いた。尚、分子軌道計算法は、現在広く用いられているGaussian09(Gaussian09,RevisionC.01,M.J.Frisch,G.W.Trucks,H.B.Schlegel,G.E.Scuseria,M.A.Robb,J.R.Cheeseman,G.Scalmani,V.Barone,B.Mennucci,G.A.Petersson,H.Nakatsuji,M.Caricato,X.Li,H.P.Hratchian,A.F.Izmaylov,J.Bloino,G.Zheng,J.L.Sonnenberg,M.Hada,M.Ehara,K.Toyota,R.Fukuda,J.Hasegawa,M.Ishida,T.Nakajima,Y.Honda,O.Kitao,H.Nakai,T.Vreven,J.A.Montgomery,Jr.,J.E.Peralta,F.Ogliaro,M.Bearpark,J.J.Heyd,E.Brothers,K.N.Kudin,V.N.Staroverov,T.Keith,R.Kobayashi,J.Normand,K.Raghavachari,A.Rendell,J.C.Burant,S.S.Iyengar,J.Tomasi,M.Cossi,N.Rega,J.M.Millam,M.Klene,J.E.Knox,J.B.Cross,V.Bakken,C.Adamo,J.Jaramillo,R.Gomperts,R.E.Stratmann,O.Yazyev,A.J.Austin,R.Cammi,C.Pomelli,J.W.Ochterski,R.L.Martin,K.Morokuma,V.G.Zakrzewski,G.A.Voth,P.Salvador,J.J.Dannenberg,S.Dapprich,A.D.Daniels,O.Farkas,J.B.Foresman,J.V.Ortiz,J.Cioslowski,and D.J.Fox,Gaussian,Inc.,Wallingford CT,2010.)により実施した。以降、本明細書における分子軌道計算は同じ手法を用いる。
(1-4)一般式(2)および(3)において、R21またはR29のうち、少なくとも1つが置換基であることで、濃度消光を抑制することができる。
基本骨格は高い平面性を有するため、薄膜状態では分子間スタッキングによって、発光の濃度消光が生じやすい。一般式(2)および(3)において、R21またはR29のうち、少なくとも1つが置換基であることで、立体障害によって基本骨格と置換基が捻じれる。そのため、薄膜状態での分子間スタッキングを抑制し、発光の濃度消光を抑制することが出来る。したがって、R21またはR29のうち、少なくとも1つが置換基であることが好ましく、R21及びR29が置換基であることが更に好ましい。置換基としては、炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数6乃至12のアリール基、フッ素基が好ましく、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数6乃至12のアリール基が更に好ましく、tert―ブチル基、イソプロピル基、オルト置換フェニル基が特に好ましい。
また、一般式(2)で表される有機化合物は、以下の特徴を更に有する。
(1-5)一般式(2)で表される有機化合物は、基本骨格が6員環から構成されるため、高いT1(最低励起三重項エネルギー)を示す。
本発明に係る有機化合物のうち、一般式(2)で表される有機化合物は、XおよびXが直接結合でないため、一般式(3)で表される有機化合物に比べて、共役長が伸長しにくい。そのため、一般式(2)で表される有機化合物は、本発明に係る有機化合物の中でも、特に高いT1を示す。上記の特徴を有することから、一般式(2)で表される有機化合物は、有機発光素子において、ホスト材料またはアシスト材料として用いられることが好ましい。一般式(2)で表される有機化合物は、有機発光素子において、青色発光層または緑色発光層のホスト材料として用いられることが好ましい。
本発明に係る有機化合物の具体例を以下に示す。しかし、本発明はこれらに限られるものではない。
Figure 2023115897000010
Figure 2023115897000011
Figure 2023115897000012
Figure 2023115897000013
Figure 2023115897000014
Figure 2023115897000015
Figure 2023115897000016
Figure 2023115897000017
Figure 2023115897000018
Figure 2023115897000019
Figure 2023115897000020
A群に属する例示化合物は、一般式(3)において、R22、R23、R27、R30、R31、またはR35のうち少なくとも置換基を有し、X及びXが酸素である化合物群である。本発明に係る有機化合物の中でもA群の化合物群は、基本骨格の平面性が他の群よりも高いため、発光波長が最も短波長であり、色純度が高いという効果を奏する。
B群に属する例示化合物のうちB37乃至B40を除く有機化合物は、一般式(3)において、R22、R23、R27、R30、R31、またはR35のうち少なくとも1つが置換基を有する。更に、XおよびXが酸素原子、硫黄原子、セレン原子、またはテルル原子である化合物群である。本発明に係る有機化合物の中でもB群の化合物群は、HOMOおよびLUMOが低い(真空準位から遠い)特徴を有しており、酸化に対して安定という効果を奏する。
B群に属する例示化合物のうちB37乃至B40で表される有機化合物は、一般式(1)において、XまたはXがメチレン基である化合物群である。XまたはXがメチレン基であることで、分子会合を低減することができる。そのため、濃度消光しにくい化合物となる。
C群に属する例示化合物のうちC12およびC20を除く有機化合物は、一般式(3)において、R21またはR29のうち少なくとも1つが置換基を有する有機化合物である。本発明に係る有機化合物の中でもC群の化合物群は、立体障害により基本骨格と置換基が捻じれることで、薄膜状態において分子間スタッキングを抑制し、発光の濃度消光を抑制できるという効果を奏する。
C群に属する例示化合物のうち、C12およびC20は、一般式(1)において、RとR10、もしくはR19とR20のうちいずれか1組が結合し、縮環構造を形成している化合物である。C12およびC20は、短波長の発光を有するという効果を奏する。
D群に属する例示化合物は、一般式(3)において、R26およびR34に置換基を有する化合物群である。本発明に係る有機化合物の中でもD群の化合物群は、R26およびR34に置換基を有するため、耐久性に優れる化合物群である。また、置換基がアリール基であるため、平面性が高くなり、色純度にも優れる化合物群である。
E群に属する例示化合物は、置換基として、ハロゲン基、重水素置換基、シリル基、アルコキシ基、シアノ基、ヘテロアリール基を有する化合物群である。本発明に係る有機化合物の中でもE群の化合物群は、HOMOおよびLUMOを調整することができるという効果を奏する。
F群に属する例示化合物は、一般式(2)で表される化合物群である。F群に属する例示化合物は、基本骨格が6員環から構成されるため、特に高いT1を示す。
(2)有機発光素子の詳細
次に、本実施形態に係る有機発光素子について説明する。本実施形態に係る有機発光素子は、第一電極と第二電極と、これら電極間に配置される有機化合物層と、を少なくとも有する。第一電極及び第二電極は、一方が陽極で他方が陰極である。本実施形態に係る有機発光素子において、有機化合物層は発光層を有していれば単層であってもよいし複数層からなる積層体であってもよい。ここで有機化合物層が複数層からなる積層体である場合、有機化合物層は、発光層の他に、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、電子注入層等を有してもよい。また発光層は、単層であってもよいし、複数の層からなる積層体であってもよい。
本実施形態に係る有機発光素子において、上記有機化合物層の少なくとも一層が本発明に係る有機化合物を含有する。具体的には、本発明に係る有機化合物は、上述した発光層、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、電子注入層等のいずれかに含まれている。本発明に係る有機化合物は、ホール輸送層、電子ブロッキング層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、または発光層に含まれることが好ましく、発光層に含まれることが特に好ましい。
本実施形態に係る有機発光素子において、本発明に係る有機化合物が発光層に含まれる場合、発光層は第一の化合物(以下、「ホスト材料」と呼ぶことがある)を更に含んでもよい。第一の化合物は、本発明に係る有機化合物のS1より高いS1を有している。発光層は第二の化合物(以下、「アシスト材料」と呼ぶことがある)を更に含んでもよい。第二の化合物は、本発明に係る有機化合物のS1より高く、第一の化合物のS1より低いことが好ましい。
本実施形態に係る有機発光素子において、本発明に係る有機化合物が発光層に含まれる場合、発光層は、本発明に係る有機化合物のみからなる層であってもよいし、本発明に係る有機化合物と他の化合物とからなる層であってもよい。ここで、発光層が本発明に係る有機化合物と他の化合物とからなる層である場合、本発明に係る有機化合物は、発光層のホスト材料として使用してもよいし、アシスト材料として使用してもよいし、ゲスト材料として使用してもよい。本発明に係る有機化合物がホストとして用いられる場合、第三の化合物(以下、「ゲスト材料」もしくは「ドーパント材料」と呼ぶことがある)を含んでもよい。第三の化合物は、本発明に係る有機化合物のS1より低いT1を有することが好ましく、本発明に係る有機化合物のS1より低いS1を有することが更に好ましい。本発明に係る有機化合物がアシスト材料として用いられる場合、第一の化合物と第三の化合物を含んでもよい。ここでホストとは、発光層を構成する化合物の中で質量比が最も大きい化合物である。またアシスト材料とは、発光層を構成する化合物の中で質量比がホストよりも小さく、ゲストの発光を補助する化合物である。尚、アシスト材料は、第2のホストとも呼ばれている。またゲストとは、発光層を構成する化合物の中で質量比がホストよりも小さい化合物であって、主たる発光を担う化合物である。
本発明に係る有機化合物を発光層のゲストとして用いる場合、ゲストの濃度は、発光層全体に対して0.01質量%以上30質量%以下であることが好ましく、2質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
本発明者らは種々の検討を行い、本発明に係る有機化合物を、発光層のホスト又はゲストとして、特に、発光層のゲストとして用いると、高効率で高輝度な光出力を呈し、かつ極めて耐久性が高い素子が得られることを見出した。この発光層は単層でも複層でもよいし、他の発光色を有する発光材料を含むことで本実施形態の発光色である赤の発光と混色させることも可能である。複層とは発光層と別の発光層とが積層している状態を意味する。この場合、有機発光素子の発光色は赤に限られない。より具体的には白色でもよいし、中間色でもよい。白色の場合、別の発光層が赤以外の色、すなわち青色や緑色を発光する。また、製膜方法も蒸着もしくは塗布製膜で製膜を行う。この詳細については、後述する実施例で詳しく説明する。
本発明に係る有機化合物は、本実施形態に係る有機発光素子を構成する発光層以外の有機化合物層の構成材料として使用することができる。具体的には、電子輸送層、電子注入層、ホール輸送層、ホール注入層、ホールブロッキング層等の構成材料として用いてもよい。この場合、有機発光素子の発光色は赤に限られない。より具体的には白色発光でもよいし、中間色でもよい。
ここで、本発明に係る有機化合物以外にも、必要に応じて従来公知の低分子系及び高分子系のホール注入性化合物あるいはホール輸送性化合物、ホストとなる化合物、発光性化合物、電子注入性化合物あるいは電子輸送性化合物等を一緒に使用することができる。以下にこれらの化合物例を挙げる。
ホール注入輸送性材料としては、陽極からのホールの注入を容易にして、かつ注入されたホールを発光層へ輸送できるようにホール移動度が高い材料が好ましい。また有機発光素子中において結晶化等の膜質の劣化を抑制するために、ガラス転移点温度が高い材料が好ましい。ホール注入輸送性能を有する低分子及び高分子系材料としては、トリアリールアミン誘導体、アリールカルバゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられる。さらに上記のホール注入輸送性材料は、電子ブロッキング層にも好適に使用される。以下に、ホール注入輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2023115897000021
正孔輸送材料としてあげた中でも、HT16乃至HT18は、陽極に接する層に用いることで駆動電圧を低減することができる。HT16は広く有機発光素子に用いられている。HT16に隣接する有機化合物層に、HT2、HT3、HT4、HT5、HT6、HT10、HT12を用いてよい。また、一つの有機化合物層に複数の材料を用いてもよい。
主に発光機能に関わる発光材料としては、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、テトラセン誘導体、アントラセン誘導体、ルブレン等)、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体、トリス(8-キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、イリジウム錯体、白金錯体、レニウム錯体、銅錯体、ユーロピウム錯体、ルテニウム錯体、及びポリ(フェニレンビニレン)誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体等の高分子誘導体が挙げられる。
以下に、発光材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2023115897000022
Figure 2023115897000023
発光材料が炭化水素化合物である場合、エキサイプレックス形成による発光効率低下やエキサイプレックス形成による発光材料の発光スペクトルの変化による色純度低下を低減できるので、好ましい。
炭化水素化合物とは炭素と水素のみで構成される化合物であり、上記の例示化合物の中ではBD7、BD8、GD5乃至GD9、RD1である。
発光材料は5員環を含む縮合多環である場合、イオン化ポテンシャルが高いため、酸化しにくく、高耐久な寿命の素子となるため好ましい。上記の例示化合物の中ではBD7、BD8、GD5乃至GD9、RD1である。
発光層に含まれる発光層ホストあるいは発光アシスト材料としては、芳香族炭化水素化合物もしくはその誘導体の他、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、トリス(8-キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機ベリリウム錯体等が挙げられる。
以下に、発光層に含まれる発光層ホストあるいは発光アシスト材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2023115897000024
ホスト材料は炭化水素化合物である場合、本発明の化合物が電子や正孔をトラップしやすくなるため高効率化の効果が大きくなる。炭化水素化合物とは炭素と水素のみで構成される化合物であり、上記の例示化合物の中ではEM1乃至EM12、EM16乃至27である。ホスト材料は、炭素数6乃至18のアリール基を有することが好ましく、炭化水素化合物であることが更に好ましい。また、本発明に係る有機化合物がアシスト材料として用いられる場合、ホスト材料はピレン骨格、トリフェニレン骨格、クリセン骨格のうち少なくとも1つ有することが好ましい。上記の例示化合物の中ではEM1乃至4、EM9乃至12、EM26及びEM27である。
電子輸送性材料としては、陰極から注入された電子を発光層へ輸送することができるものから任意に選ぶことができ、ホール輸送性材料のホール移動度とのバランス等を考慮して選択される。電子輸送性能を有する材料としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、クリセン誘導体、アントラセン誘導体等)が挙げられる。さらに上記の電子輸送性材料は、ホールブロッキング層にも好適に使用される。
以下に、電子輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2023115897000025
電子注入性材料としては、陰極からの電子注入が容易に可能なものから任意に選ぶことができ、正孔注入性とのバランス等を考慮して選択される。有機化合物としてn型ドーパント及び還元性ドーパントも含まれる。例えば、フッ化リチウム等のアルカリ金属を含む化合物、リチウムキノリノール等のリチウム錯体、ベンゾイミダゾリデン誘導体、イミダゾリデン誘導体、フルバレン誘導体、アクリジン誘導体があげられる。
また上記の電子輸送材料と合わせて用いることもできる。
[有機発光素子の構成]
有機発光素子は、基板の上に、絶縁層、第一電極、有機化合物層、第二電極を形成して設けられる。陰極の上には、保護層、カラーフィルタ、マイクロレンズ等を設けてよい。カラーフィルタを設ける場合は、保護層との間に平坦化層を設けてよい。平坦化層はアクリル樹脂等で構成することができる。カラーフィルタとマイクロレンズとの間において、平坦化層を設ける場合も同様である。
[基板]
基板は、石英、ガラス、シリコンウエハ、樹脂、金属等が挙げられる。また、基板上には、トランジスタなどのスイッチング素子や配線を備え、その上に絶縁層を備えてもよい。絶縁層としては、第一電極との間に配線が形成可能なように、コンタクトホールを形成可能で、かつ接続しない配線との絶縁を確保できれば、材料は問わない。例えば、ポリイミド等の樹脂、酸化シリコン、窒化シリコンなどを用いることができる。
[電極]
電極は、一対の電極を用いることができる。一対の電極は、陽極と陰極であってよい。有機発光素子が発光する方向に電界を印加する場合に、電位が高い電極が陽極であり、他方が陰極である。また、発光層にホールを供給する電極が陽極であり、電子を供給する電極が陰極であるということもできる。
陽極の構成材料としては仕事関数がなるべく大きいものが良い。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン、等の金属単体やこれらを含む混合物、あるいはこれらを組み合わせた合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。またポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーも使用できる。
これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また、陽極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
反射電極として用いる場合には、例えばクロム、アルミニウム、銀、チタン、タングステン、モリブデン、又はこれらの合金、積層したものなどを用いることができる。上記の材料にて、電極としての役割を有さない、反射膜として機能することも可能である。また、透明電極として用いる場合には、酸化インジウム錫(ITO)、酸化インジウム亜鉛などの酸化物透明導電層などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。電極の形成には、フォトリソグラフィ技術を用いることができる。
一方、陰極の構成材料としては仕事関数の小さなものがよい。例えばリチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム等の金属単体またはこれらを含む混合物が挙げられる。あるいはこれら金属単体を組み合わせた合金も使用することができる。例えばマグネシウム-銀、アルミニウム-リチウム、アルミニウム-マグネシウム、銀-銅、亜鉛-銀等が使用できる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また陰極は一層構成でもよく、多層構成でもよい。中でも銀を用いることが好ましく、銀の凝集を低減するため、銀合金とすることがさらに好ましい。銀の凝集が低減できれば、合金の比率は問わない。例えば、銀:他の金属が、1:1、3:1等であってよい。
陰極は、ITOなどの酸化物導電層を使用してトップエミッション素子としてもよいし、アルミニウム(Al)などの反射電極を使用してボトムエミッション素子としてもよいし、特に限定されない。陰極の形成方法としては、特に限定されないが、直流及び交流スパッタリング法などを用いると、膜のカバレッジがよく、抵抗を下げやすいためより好ましい。
[有機化合物層]
有機化合物層は、単層で形成されても、複数層で形成されてもよい。複数層を有する場合には、その機能によって、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、発光層、ホールブロッキング層、電子輸送層、電子注入層、と呼ばれてよい。有機化合物層は、主に有機化合物で構成されるが、無機原子、無機化合物を含んでいてもよい。例えば、銅、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、イリジウム、白金、モリブデン、亜鉛等を有してよい。有機化合物層は、第一電極と第二電極との間に配置されてよく、第一電極及び第二電極に接して配されてよい。
[保護層]
陰極の上に、保護層を設けてもよい。例えば、陰極上に吸湿剤を設けたガラスを接着することで、有機化合物層に対する水等の浸入を低減し、表示不良の発生を低減することができる。また、別の実施形態としては、陰極上に窒化ケイ素等のパッシベーション膜を設け、有機化合物層に対する水等の浸入を低減してもよい。例えば、陰極を形成後に真空を破らずに別のチャンバーに搬送し、CVD法で厚さ2μmの窒化ケイ素膜を形成することで、保護層としてもよい。CVD法の成膜の後で原子堆積法(ALD法)を用いた保護層を設けてもよい。ALD法による膜の材料は限定されないが、窒化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等であってよい。ALD法で形成した膜の上に、さらにCVD法で窒化ケイ素を形成してよい。ALD法による膜は、CVD法で形成した膜よりも小さい膜厚であってよい。具体的には、50%以下、さらには、10%以下であってよい。
[カラーフィルタ]
保護層の上にカラーフィルタを設けてもよい。例えば、有機発光素子のサイズを考慮したカラーフィルタを別の基板上に設け、それと有機発光素子を設けた基板と貼り合わせてもよいし、上記で示した保護層上にフォトリソグラフィ技術を用いて、カラーフィルタをパターニングしてもよい。カラーフィルタは、高分子で構成されてよい。
[平坦化層]
カラーフィルタと保護層との間に平坦化層を有してもよい。平坦化層は、下の層の凹凸を低減する目的で設けられる。目的を制限せずに、材質樹脂層と呼ばれる場合もある。平坦化層は有機化合物で構成されてよく、低分子であっても、高分子であってもよいが、高分子であることが好ましい。
平坦化層は、カラーフィルタの上下に設けられてもよく、その構成材料は同じであっても異なってもよい。具体的には、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等があげられる。
[マイクロレンズ]
有機発光装置は、その光出射側にマイクロレンズ等の光学部材を有してよい。マイクロレンズは、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等で構成されうる。マイクロレンズは、有機発光装置から取り出す光量の増加、取り出す光の方向の制御を目的としてよい。マイクロレンズは、半球の形状を有してよい。半球の形状を有する場合、当該半球に接する接線のうち、絶縁層と平行になる接線があり、その接線と半球との接点がマイクロレンズの頂点である。マイクロレンズの頂点は、任意の断面図においても同様に決定することができる。つまり、断面図におけるマイクロレンズの半円に接する接線のうち、絶縁層と平行になる接線があり、その接線と半円との接点がマイクロレンズの頂点である。
また、マイクロレンズの中点を定義することもできる。マイクロレンズの断面において、円弧の形状が終了する点から別の円弧の形状が終了する点までの線分を仮想し、当該線分の中点がマイクロレンズの中点と呼ぶことができる。頂点、中点を判別する断面は、絶縁層に垂直な断面であってよい。
[対向基板]
平坦化層の上には、対向基板を有してよい。対向基板は、前述の基板と対応する位置に設けられるため、対向基板と呼ばれる。対向基板の構成材料は、前述の基板と同じであってよい。対向基板は、前述の基板を第一基板とした場合、第二基板であってよい。
[有機層]
本実施形態に係る有機発光素子を構成する有機化合物層(正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等)は、以下に示す方法により形成される。
本実施形態に係る有機発光素子を構成する有機化合物層は、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマ等のドライプロセスを用いることができる。またドライプロセスに代えて、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により層を形成するウェットプロセスを用いることもできる。
ここで真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成すると、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
[画素回路]
発光装置は、発光素子に接続されている画素回路を有してよい。画素回路は、第一の発光素子、第二の発光素子をそれぞれ独立に発光制御するアクティブマトリックス型であってよい。アクティブマトリックス型の回路は電圧プログラミングであっても、電流プログラミングであってもよい。駆動回路は、画素毎に画素回路を有する。画素回路は、発光素子、発光素子の発光輝度を制御するトランジスタ、発光タイミングを制御するトランジスタ、発光輝度を制御するトランジスタのゲート電圧を保持する容量、発光素子を介さずにGNDに接続するためのトランジスタを有してよい。
発光装置は、表示領域と、表示領域の周囲に配されている周辺領域とを有する。表示領域には画素回路を有し、周辺領域には表示制御回路を有する。画素回路を構成するトランジスタの移動度は、表示制御回路を構成するトランジスタの移動度よりも小さくてよい。
画素回路を構成するトランジスタの電流電圧特性の傾きは、表示制御回路を構成するトランジスタの電流電圧特性の傾きよりも小さくてよい。電流電圧特性の傾きは、いわゆるVg-Ig特性により測定できる。
画素回路を構成するトランジスタは、第一の発光素子など、発光素子に接続されているトランジスタである。
[画素]
有機発光装置は、複数の画素を有する。画素は互いに他と異なる色を発光する副画素を有する。副画素は、例えば、それぞれRGBの発光色を有してよい。
画素は、画素開口とも呼ばれる領域が、発光する。この領域は第一領域と同じである。画素開口は15μm以下であってよく、5μm以上であってよい。より具体的には、11μm、9.5μm、7.4μm、6.4μm等であってよい。
副画素間は、10μm以下であってよく、具体的には、8μm、7.4μm、6.4μmであってよい。
画素は、平面図において、公知の配置形態をとりうる。例えは、ストライプ配置、デルタ配置、ペンタイル配置、ベイヤー配置であってよい。副画素の平面図における形状は、公知のいずれの形状をとってもよい。例えば、長方形、ひし形等の四角形、六角形、等である。もちろん、正確な図形ではなく、長方形に近い形をしていれば、長方形に含まれる。副画素の形状と、画素配列と、を組み合わせて用いることができる。
[本実施形態に係る有機発光素子の用途]
本実施形態に係る有機発光素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも、電子写真方式の画像形成装置の露光光源や液晶表示装置のバックライト、白色光源にカラーフィルタを有する発光装置等の用途がある。
表示装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの画像情報を入力する画像入力部を有し、入力された情報を処理する情報処理部を有し、入力された画像を表示部に表示する画像情報処理装置でもよい。
また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部は、タッチパネル機能を有していてもよい。このタッチパネル機能の駆動方式は、赤外線方式でも、静電容量方式でも、抵抗膜方式であっても、電磁誘導方式であってもよく、特に限定されない。また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
次に、図面を参照しながら本実施形態に係る表示装置について説明する。
図1は、有機発光素子とこの有機発光素子に接続されるトランジスタとを有する表示装置の例を示す断面模式図である。トランジスタは、能動素子の一例である。トランジスタは薄膜トランジスタ(TFT)であってもよい。
図1(a)は、本実施形態に係る表示装置の構成要素である画素の一例である。画素は、副画素10を有している。副画素はその発光により、10R、10G、10Bに分けられている。発光色は、発光層から発光される波長で区別されても、副画素から出社する光がカラーフィルタ等により、選択的透過または色変換が行われてもよい。それぞれの副画素は、層間絶縁層1の上に第一電極である反射電極2、反射電極2の端を覆う絶縁層3、第一電極と絶縁層とを覆う有機化合物層4、透明電極5、保護層6、カラーフィルタ7を有している。
層間絶縁層1は、その下層または内部にトランジスタ、容量素子を配されていてよい。トランジスタと第一電極は不図示のコンタクトホール等を介して電気的に接続されていてよい。
絶縁層3は、バンク、画素分離膜とも呼ばれる。第一電極の端を覆っており、第一電極を囲って配されている。絶縁層の配されていない部分が、有機化合物層4と接し、発光領域となる。
有機化合物層4は、正孔注入層41、正孔輸送層42、第一発光層43、第二発光層44、電子輸送層45を有する。
第二電極5は、透明電極であっても、反射電極であっても、半透過電極であってもよい。
保護層6は、有機化合物層に水分が浸透することを低減する。保護層は、一層のように図示されているが、複数層であってよい。層ごとに無機化合物層、有機化合物層があってよい。
カラーフィルタ7は、その色により7R、7G、7Bに分けられる。カラーフィルタは、不図示の平坦化膜上に形成されてよい。また、カラーフィルタ上に不図示の樹脂保護層を有してよい。また、カラーフィルタは、保護層6上に形成されてよい。またはガラス基板等の対向基板上に設けられた後に、貼り合わせられよい。
図1(b)の表示装置100は、有機発光素子26とトランジスタの一例としてTFT18が記載されている。ガラス、シリコン等の基板11とその上部に絶縁層12が設けられている。絶縁層の上には、TFT等の能動素子18が配されており、能動素子のゲート電極13、ゲート絶縁膜14、半導体層15が配置されている。TFT18は、他にも半導体層15とドレイン電極16とソース電極17とで構成されている。TFT18の上部には絶縁膜19が設けられている。絶縁膜に設けられたコンタクトホール20を介して有機発光素子26を構成する陽極21とソース電極17とが接続されている。
なお、有機発光素子26に含まれる電極(陽極、陰極)とTFTに含まれる電極(ソース電極、ドレイン電極)との電気接続の方式は、図1(b)に示される態様に限られるものではない。つまり陽極又は陰極のうちいずれか一方とTFTソース電極またはドレイン電極のいずれか一方とが電気接続されていればよい。TFTは、薄膜トランジスタを指す。
図1(b)の表示装置100では有機化合物層を1つの層の如く図示をしているが、有機化合物層22は、複数層であってもよい。陰極23の上には有機発光素子の劣化を低減するための第一の保護層24や第二の保護層25が設けられている。
図1(b)の表示装置100ではスイッチング素子としてトランジスタを使用しているが、これに代えて他のスイッチング素子として用いてもよい。
また図1(b)の表示装置100に使用されるトランジスタは、単結晶シリコンウエハを用いたトランジスタに限らず、基板の絶縁性表面上に活性層を有する薄膜トランジスタでもよい。活性層として、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、微結晶シリコンなどの非単結晶シリコン、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物等の非単結晶酸化物半導体が挙げられる。なお、薄膜トランジスタはTFT素子とも呼ばれる。
図1(b)の表示装置100に含まれるトランジスタは、Si基板等の基板内に形成されていてもよい。ここで基板内に形成されるとは、Si基板等の基板自体を加工してトランジスタを作製することを意味する。つまり、基板内にトランジスタを有することは、基板とトランジスタとが一体に形成されていると見ることもできる。
本実施形態に係る有機発光素子はスイッチング素子の一例であるTFTにより発光輝度が制御され、有機発光素子を複数面内に設けることでそれぞれの発光輝度により画像を表示することができる。なお、本実施形態に係るスイッチング素子は、TFTに限られず、低温ポリシリコンで形成されているトランジスタ、Si基板等の基板上に形成されたアクティブマトリクスドライバーであってもよい。基板上とは、その基板内ということもできる。基板内にトランジスタを設けるか、TFTを用いるかは、表示部の大きさによって選択され、例えば0.5インチ程度の大きさであれば、Si基板上に有機発光素子を設けることが好ましい。
図2は、本実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。表示装置1000は、上部カバー1001と、下部カバー1009と、の間に、タッチパネル1003、表示パネル1005、フレーム1006、回路基板1007、バッテリー1008を有してよい。表示パネル1005は、本実施形態に係る有機発光素子を有していてもよい。タッチパネル1003および表示パネル1005は、フレキシブルプリント回路FPC1002、1004がそれぞれ接続されている。回路基板1007には、トランジスタがプリントされている。バッテリー1008は、表示装置が携帯機器でなければ、設けなくてもよいし、携帯機器であっても、別の位置に設けてもよい。
本実施形態に係る表示装置は、赤色、緑色、青色を有するカラーフィルタを有してよい。カラーフィルタは、当該赤色、緑色、青色がデルタ配列で配置されてよい。
本実施形態に係る表示装置は、携帯端末の表示部に用いられてもよい。その際には、表示機能と操作機能との双方を有してもよい。携帯端末としては、スマートフォン等の携帯電話、タブレット、ヘッドマウントディスプレイ等が挙げられる。
本実施形態に係る表示装置は、光を受光する撮像素子を有する撮像装置の表示部に用いられてよい。撮像装置は、撮像素子が取得した情報を表示する表示部を有してよい。また、表示部は、撮像装置の外部に露出した表示部であっても、ファインダ内に配置された表示部であってもよい。撮像装置は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラであってよい。
図3(a)は、本実施形態に係る撮像装置の一例を表す模式図である。撮像装置1100は、ビューファインダ1101、背面ディスプレイ1102、操作部1103、筐体1104を有してよい。ビューファインダ1101、背面ディスプレイ1102は、本実施形態に係る有機発光素子を有してよい。その場合、ビューファインダ1101や背面ディスプレイ1102は、撮像する画像のみならず、環境情報、撮像指示等を表示してよい。環境情報には、外光の強度、外光の向き、被写体の動く速度、被写体が遮蔽物に遮蔽される可能性等であってよい。
撮像に好適なタイミングはわずかな時間なので、少しでも早く情報を表示した方がよい。したがって、本実施形態に係る有機発光素子を用いた表示装置を用いるのが好ましい。有機発光素子は応答速度が速いからである。有機発光素子を用いた表示装置は、表示速度が求められる、これらの装置、液晶表示装置よりも好適に用いることができる。
撮像装置1100は、不図示の光学部を更に有してよい。光学部が有するレンズは、単数であっても、複数であってもよく、筐体1104内に収容されている撮像素子に結像する。複数のレンズは、その相対位置を調整することで、焦点を調整することができる。この操作を自動で行うこともできる。撮像装置は光電変換装置と呼ばれてもよい。光電変換装置は逐次撮像するのではなく、前画像からの差分を検出する方法、常に記録されている画像から切り出す方法等を撮像の方法として含むことができる。
図3(b)は、本実施形態に係る電子機器の一例を表す模式図である。電子機器1200は、表示部1201と、操作部1202と、筐体1203を有する。筐体1203には、回路、当該回路を有するプリント基板、バッテリー、通信部、を有してよい。操作部1202は、ボタンであってもよいし、タッチパネル方式の反応部であってもよい。操作部は、指紋を認識してロックの解除等を行う、生体認識部であってもよい。通信部を有する電子機器は通信機器ということもできる。電子機器は、レンズと、撮像素子とを備えることでカメラ機能をさらに有してよい。カメラ機能により撮像された画像が表示部に映される。電子機器としては、スマートフォン、ノートパソコン等があげられる。
図4は、本実施形態に係る表示装置の一例を表す模式図である。図4(a)は、テレビモニタやPCモニタ等の表示装置である。表示装置1300は、筐体1301と、表示部1302とを有する。表示部1302には、本実施形態に係る有機発光素子が用いられてよい。
表示装置1300は、筐体1301と、表示部1302を支える土台1303とを有している。土台1303は、図4(a)の形態に限られない。筐体1301の下辺が土台を兼ねてもよい。
また、筐体1301および表示部1302は、曲がっていてもよい。その曲率半径は、5000mm以上6000mm以下であってよい。
図4(b)は本実施形態に係る表示装置の他の例を表す模式図である。図4(b)の表示装置1310は、折り曲げ可能に構成されており、いわゆるフォルダブルな表示装置である。表示装置1310は、第一表示部1311、第二表示部1312、筐体1313、屈曲点1314を有する。第一表示部1311と第二表示部1312とは、本実施形態に係る有機発光素子を有してよい。第一表示部1311と第二表示部1312とは、つなぎ目のない1枚の表示装置であってよい。第一表示部1311と第二表示部1312とは、屈曲点で分けることができる。第一表示部1311、第二表示部1312は、それぞれ異なる画像を表示してもよいし、第一及び第二表示部とで一つの画像を表示してもよい。
図5(a)は、本実施形態に係る照明装置の一例を表す模式図である。照明装置1400は、筐体1401と、光源1402と、回路基板1403とを有してよい。光源1402は、本実施形態に係る有機発光素子を有していてよい。照明装置1400は、光源の演色性を向上させるために、光学フィルム1404を有してよい。また、照明装置1400は、光源の光を効果的に拡散するために、光拡散部1405を有してよい。照明装置1400が光拡散部1405を有することで、広い範囲に光を届けることができる。光学フィルム1404および光拡散部1405は、照明の光出射側に設けられてよい。必要に応じて、最外部にカバーを設けてもよい。
照明装置は、例えば、室内を照明する装置である。照明装置は白色、昼白色、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってよい。それらを調光する調光回路を有してよい。照明装置は、電源回路を有してよい。電源回路は、交流電圧から直流電圧に変換する回路であってよい。また、白とは、色温度が4200Kで、昼白色とは、色温度が5000Kである。照明装置はカラーフィルタを有してもよい。
また、本実施形態に係る照明装置は、放熱部を有していてもよい。放熱部は装置内の熱を装置外へ放出するものであり、熱伝導率の大きな金属、セラミックからなる。
図5(b)は、本実施形態に係る移動体の一例である自動車の模式図である。当該自動車は灯具の一例であるテールランプを有する。自動車1500は、テールランプ1501を有し、ブレーキ操作等を行った際に、テールランプが点灯する携帯であってよい。自動車1500は、車体1503、それに取り付けられている窓1502を有してよい。
テールランプ1501は、本実施形態に係る有機発光素子を有してよい。テールランプは、光源を保護する保護部材を有してよい。保護部材はある程度高い強度を有し、透明であれば材料は問わないが、ポリカーボネート等で構成されることが好ましい。ポリカーボネートにフランジカルボン酸誘導体、アクリロニトリル誘導体等を混ぜてよい。
本実施形態に係る移動体は、自動車、船舶、航空機、ドローン等であってよい。移動体は、機体と当該機体に設けられた灯具を有してよい。灯具は、機体の位置を知られるために発光していてもよい。
電子機器あるいは表示装置は、例えば、スマートグラス、ヘッドマウントディスプレイ、スマートコンタクトのようなウェアラブルデバイスとして装着可能なシステムに適用できる。電子機器は、可視光を光電変換可能な撮像装置と、可視光を発光可能な表示装置とを有してもよい。
図6は、本実施形態に係る眼鏡(スマートグラス)の一例を表す模式図である。図6(a)を用いて、眼鏡1600(スマートグラス)を説明する。眼鏡1600は、レンズ1601の裏面側に、表示部を有する。当該表示部は、本発明に係る有機発光素子を有していてもよい。更に、レンズ1601の表面側に、CMOSセンサやSPADのような撮像装置1602が設けられていてもよい。
眼鏡1600は、制御装置1603をさらに備える。制御装置1603は、撮像装置1602と表示部に電力を供給する電源として機能する。また、制御装置1603は、撮像装置1602と表示部の動作を制御する。レンズ1601には、撮像装置1602や表示部の光を集光するための光学系が形成されている。
図6(b)を用いて、眼鏡1610(スマートグラス)を説明する。眼鏡1610は、制御装置1612を有しており、制御装置1612に、本発明に係る有機発光素子を有する表示装置が設けられている。制御装置1612は、撮像装置1602に相当する撮像装置をさらに有していてもよい。レンズ1611には、制御装置1612からの発光を投影するための光学系が形成されており、レンズ1611には画像が投影される。制御装置1612は、撮像装置および表示装置に電力を供給する電源として機能するとともに、撮像装置および表示装置の動作を制御する。制御装置は、装着車の視線を検知する視線検知部を有してもよい。視線の検知は、赤外線を用いてよい。赤外線発光部は、表示画像を注視しているユーザーの眼球に対して赤外線を発光する。発せられた赤外光のうち、眼球からの反射光を、受光素子を有する撮像部が検出することで眼球の撮像画像が得られる。平面視における赤外発光部から表示部への光を低減する低減手段を有することで、画像品位の低下を低減する。
赤外光の撮像により得られた眼球の撮像画像から、制御装置1612は表示画像に対するユーザーの視線を検出する。眼球の撮像画像を用いた視線検出には、任意の公知の手法が適用できる。一例として、角膜での照射光の反射によるプルキニエ像に基づき視線検出方法を用いることができる。
より具体的には、瞳孔角膜反射法に基づく視線検出処理が行われる。瞳孔角膜反射法を用いて、眼球の撮像画像に含まれる瞳孔の像とプルキニエ像とに基づいて、眼球の向き(回転角度)を表す視線ベクトルが産出されることにより、ユーザーの視線が検出される。
本発明の一実施形態に係る表示装置は、受光素子を有する撮像装置を有し、撮像装置からのユーザーの視線情報に基づいて表示装置の表示画像を制御してよい。
具体的には、表示装置は視線情報に基づいて、ユーザーが注視する第一の視界領域と、第一の視界領域以外の第二の視界領域とを決定する。第一の視界領域、第二の視界領域は、表示装置の制御装置が決定してもよいし、外部の制御装置が決定したものを受信してもよい。表示装置の表示領域において、第一の視界領域の表示解像度を、第二の視界領域の表示解像度よりも高く制御してよい。つまり、第二の視界領域の解像度を第一の視界領域よりも低くしてよい。
なお、第一の表示領域や優先度が高い表示領域の決定には、AIを用いてもよい。AIは、眼球の画像と当該画像の眼球が実際に視ていた方向とを教師データとして、眼球の画像から視線の角度、視線の先の目的物までの距離を推定するよう構成されたモデルであってよい。AIは、表示装置が有してもよいし、撮像装置が有してもよいし、外部装置有してもよい。外部装置がAIを有する場合は、外部を撮像する撮像装置を更に有するスマートグラスに好ましく適用できる。スマートグラスは、撮像した外部情報をリアルタイムで表示することができる。
図7(a)は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す模式図である。画像形成装置40は電子写真方式の画像形成装置であり、感光体27、露光光源28、帯電部30、現像部31、転写器32、搬送ローラー33、定着器35を有する。露光光源28から光29が照射され、感光体27の表面に静電潜像が形成される。この露光光源28が本実施形態に係る有機発光素子を有してよい。現像部31はトナー等を有する。帯電部30は感光体27を帯電させる。転写器32は現像された画像を記憶媒体34に転写する。搬送ローラー33は記録媒体34を搬送する。記録媒体34は例えば紙である。定着器35は記録媒体34に形成された画像を定着させる。
図7(b)および図7(c)は、露光光源28を示す図であり、発光部36が長尺状の基板に複数配置されている様子を示す模式図である。矢印37は有機発光素子が配列されている列方向を表わす。この列方向は、感光体27が回転する軸の方向と同じである。この方向は感光体27の長軸方向と呼ぶこともできる。図7(b)は発光部36を感光体27の長軸方向に沿って配置した形態である。図7(c)は、図7(b)とは異なる形態であり、第一の列と第二の列のそれぞれにおいて発光部36が列方向に交互に配置されている形態である。第一の列と第二の列は行方向に異なる位置に配置されている。第一の列は、複数の発光部36が間隔をあけて配置されている。第二の列は、第一の列の発光部36同士の間隔に対応する位置に発光部36を有する。すなわち、行方向にも、複数の発光部36が間隔をあけて配置されている。図7(c)の配置は、たとえば格子状に配置されている状態、千鳥格子に配置されている状態、あるいは市松模様と言い換えることもできる。
以上説明した通り、本実施形態に係る有機発光素子を用いた装置を用いることにより、良好な画質で、長時間表示にも安定な表示が可能になる。
以下、実施例により本発明を説明する。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1(例示化合物A1の合成)]
Figure 2023115897000026
(1)化合物H3の合成
500mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H1:500mg(1.73mmol)
化合物H2:1.33g(6.94mmol)
Pd(dba):45mg(0.09mmol)
DPPF:143mg(0.27mmol)
t-BuONa:664mg(6.92mmol)
トルエン:200ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で110℃に加熱し、この温度(110℃)で5時間攪拌を行った。反応終了後、トルエンと水で抽出を行った後、濃縮し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)にて精製後、化合物H3を546mg(収率:62%)得た。
(2)例示化合物A1の合成
100mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H1:500mg(0.98mmol)
Pd(OAc):6mg(0.03mmol)
P(t-Bu)3:20mg(0.09mmol)
DBU:596mg(3.92mmol)
o-キシレン:30ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で140℃に加熱し、この温度(140℃)で6時間攪拌を行った。反応終了後、メタノールを加え、これをろ取し、水とメタノールで洗浄した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロベンゼン)にて精製後、例示化合物A1を47mg(収率:11%)得た。
例示化合物A1を、MALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=436 計算値:C4224=436
[実施例2乃至31(例示化合物の合成)]
実施例2乃至31に示す例示化合物について、実施例1の原料H1を原料1に、原料H2を原料2に、変えた他は実施例1と同様にして例示化合物を合成した。各実施例の原料1及び原料2を表4-1乃至表4-6に示す。
また、実施例1と同様にして測定した質量分析結果の実測値:m/zを示す。
Figure 2023115897000027
Figure 2023115897000028
Figure 2023115897000029
Figure 2023115897000030
Figure 2023115897000031
Figure 2023115897000032
[実施例32]
本実施例では、基板上に、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロッキング層、発光層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層、陰極が順次形成されたボトムエミッション型構造の有機EL素子を作製した。
先ずガラス基板上にITOを成膜し、所望のパターニング加工を施すことによりITO電極(陽極)を形成した。この時、ITO電極の膜厚を100nmとした。このようにITO電極が形成された基板をITO基板として、以下の工程で使用した。次に、真空チャンバー内における抵抗加熱による真空蒸着を行って、上記ITO基板上に、表5に示す有機化合物層及び電極層を連続成膜した。尚、この時、対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mmとなるようにした。
Figure 2023115897000033
得られた素子について、素子の特性を測定・評価した。発光素子の輝度が1000cd/mの時の発光スペクトルを確認したところ、青色発光が得られた。測定装置は、具体的には電流電圧特性をヒューレッドパッカード社製・微小電流計4140Bで測定し、発光輝度は、トプコン社製BM7で測定した。さらに、電流密度20mA/cmでの連続駆動試験を行い、初期輝度からの輝度劣化率が5%に達した時の時間(LT95)を測定したところ、130時間であった。
[実施例33乃至51、比較例1]
表6に示される化合物に適宜変更する以外は、実施例32と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例32と同様に素子の特性を測定・評価した。測定の結果を表6に示す。
Figure 2023115897000034
表6より、本発明に係る有機化合物を用いた素子は、良好な耐久特性を示した。これは、本発明に係る化合物は、主骨格中の2つの窒素原子にそれぞれ置換する置換基のうち、少なくとも1つが主骨格に縮環した骨格を有することで、半値幅の狭い、色純度に優れた青色発光を得ることができる。更に、縮環構造により、結合エネルギーが高いC-C結合を有するため、分子構造として安定性が高く、優れた耐久特性を示した。一方、特許文献1に記載の比較化合物1-aを用いた比較例1の発光色は水色であり、半値幅も大きい。比較化合物1-aのLT95は75時間であり、本実施例の青色発光素子の色純度、電流効率、耐久特性と比較して好ましくない。
[実施例52]
表7に示される化合物に適宜変更する以外は、実施例32と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例32と同様に素子の特性を測定・評価した。
Figure 2023115897000035
得られた素子について、素子の特性を測定・評価した。測定の結果を表8に示す。その結果、発光素子から良好な緑色発光が得られた。測定装置は、具体的には電流電圧特性をヒューレッドパッカード社製・微小電流計4140Bで測定し、発光輝度は、トプコン社製BM7で測定した。さらに、電流密度10mA/cmでの連続駆動試験を行い、LT95を測定したところ、500時間を越えた。
[実施例53乃至64、比較例2]
表8に示される化合物に適宜変更する以外は、実施例54と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例54と同様に素子の特性を測定・評価した。測定の結果を表8に示す。
Figure 2023115897000036
表8より、本発明に係る有機化合物を用いた素子では、LT95は500時間を超えており、本発明に係る有機化合物を用いた素子は、耐久特性に優れている。一方、比較例2の有機発光素子のLT95は500時間以下で耐久特性が低いため、好ましくない。
[実施例65]
本実施例では、基板上に陽極、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロッキング層、第一発光層、第二発光層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、電子注入層、陰極が順次形成されたトップエミッション型構造の有機EL素子を作製した。
ガラス基板上に、スパッタリング法でAlとTiとの積層膜を40nm成膜し、フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングし、陽極を形成した。尚、この時、対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mmとなるようにした。続いて、真空蒸着装置(アルバック社製)に洗浄済みの電極までを形成した基板と材料を取り付け、1.3×10-4Pa(1×10-6Torr)まで排気した後、UV/オゾン洗浄を施した。その後、表9に示される層構成で各層の製膜を行い、最後に、窒素雰囲気下において封止を行った。
Figure 2023115897000037
得られた素子について、素子の特性を測定・評価した。得られた素子は、色純度に優れた白色発光を示した。さらに、初期輝度1000cd/mでの連続駆動試験を行い、100時間後の輝度劣化率を測定したところ、26%であった。
[実施例66乃至68、比較例3]
表10に示される化合物に適宜変更する以外は、実施例66と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例66と同様に素子の特性を測定・評価した。測定の結果を表10に示す。
Figure 2023115897000038
表10より、本発明の有機化合物を用いた素子は、耐久特性に優れている。これは、本発明に係る化合物は、主骨格中の2つの窒素原子上の置換基のうち、少なくとも1つが主骨格に縮環する構造を有することで、置換基が解離しにくく、分子構造の安定性が高いためである。一方、比較化合物1-aを用いている有機発光素子では輝度劣化率が52%であった。これは比較化合物1-aをゲストとして用いた場合、主骨格中の2つの窒素原子上の置換基が主骨格に縮環していないため、置換基が解離しやすく、分子構造の安定性が低いことに起因する。
[実施例69]
Figure 2023115897000039
(1)化合物H7の合成
300mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H5:2.00g(6.50mmol)
化合物H6:2.98g(13.0mmol)
Pd(OAc):69mg(0.05mmol)
P(t-Bu):217mg(0.09mmol)
NaOtBu:2.50g(26.0mmol)
o-キシレン:150ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で140℃に加熱し、この温度(140℃)で6時間攪拌を行った。反応終了後、水を加え、トルエンで有機層を抽出した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン、ヘプタン)にて精製後、化合物H7を943mg(収率:24%)得た。
(2)化合物H8の合成
50mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
1-デカンチオール:389mg(2.23mmol)
KOtBu:250mg(2.23mmol)
DMF:10ml
次に、室温で15分撹拌し、この反応液に以下に示す化合物を仕込んだ。
化合物H7:900mg(1.49mmol)
次に、反応溶液を、窒素気流下で110℃に加熱し、この温度(110℃)で3時間攪拌を行った。反応終了後、室温で水を加え、pHが1になるまで、1Mの塩酸を滴下した。この混合液に対して、酢酸エチルで有機層を抽出した。これを濃縮後、ヘプタンで分散洗浄を行うことにより、化合物H8を482mg(収率:59%)得た。
(3)例示化合物F1の合成
100mlのナスフラスコに、以下に示す試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物H8:450mg(0.82mmol)
CO:735mg(6.56mmol)
DMAc:20ml
次に、反応溶液を、窒素気流下で120℃に加熱し、この温度(120℃)で4時間攪拌を行った。反応終了後、室温で水を加え、ろ過し、粗体を得た。この粗体に対して、キシレン溶媒中でシリカゲルと120℃で加熱分散を行い、セライトろ過を行った。ろ液を濃縮し、トルエン:エタノール(体積比1:1)で加熱分散洗浄を行うことにより、例示化合物F1を46mg(収率:12%)得た。
例示化合物F1を、MALDI-TOF-MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI-TOF-MS]
実測値:m/z=468 計算値:C3016=468
[実施例70乃至84(例示化合物の合成)]
実施例70乃至84に示す例示化合物について、実施例69の原料H6を原料3に変えた他は実施例69と同様にして例示化合物を合成した。各実施例の原料3を表11-1乃至表11-2に示す。
また、実施例69と同様にして測定した質量分析結果の実測値:m/zを示す。
Figure 2023115897000040
Figure 2023115897000041
[実施例85乃至95]
表12に示される化合物に適宜変更する以外は、実施例32と同様の方法により有機発光素子を作製した。
得られた素子について、素子の特性を測定・評価した。測定の結果を表12に示す。測定装置は、具体的には電流電圧特性をヒューレッドパッカード社製・微小電流計4140Bで測定し、発光輝度は、トプコン社製BM7で測定した。さらに、電流密度100mA/cmでの連続駆動試験を行い、LT95を測定した。測定の結果を表12に示す。なお、表中の括弧内は、発光層に化合物の濃度を示す。
Figure 2023115897000042
表12より、本発明に係る有機化合物を、青色ゲストの第二ホスト(アシスト材料)として用いた有機発光素子のLT95は10時間を超えていた。更に、本発明に係る有機化合物を、緑色ゲストの第二ホスト(アシスト材料)として用いた有機発光素子のLT95は10時間程度であった。また、本発明に係る有機化合物を、EBLとして用いた有機発光素子は、表12に記載の有機発光素子の中でも、特に優れた耐久特性を示した。以上より、本発明に係る有機化合物を用いた有機発光素子は、耐久特性に優れていることが分かった。
以上より、本発明に係る有機化合物は、色純度に優れた青色発光が可能であり、耐久特性にも優れる。また、本発明に係る有機化合物をホスト材料、アシスト材料、または電子ブロッキング材料として用いた場合、耐久特性に優れた有機発光素子を提供することが可能である。
また、本発明は以下の構成をとることもできる。
(構成1)
一般式(1)で表されることを特徴とする有機化合物。
Figure 2023115897000043
(一般式(1)において、R乃至R20は水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のシリル基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換のヘテロアリール基、シアノ基から構成される群からそれぞれ独立して選択される。R乃至R20は互いに結合し、環を形成してもよい。当該結合は、カルコゲン原子を介していてもよい。RとR10、R19とR20の組み合わせのうち少なくとも1つは互いに結合している。XおよびXはカルコゲン原子、置換あるいは無置換のイミノ基、置換あるいは無置換のメチレン基、置換あるいは無置換のシリレン基から構成される群からそれぞれ独立して選択される。)
(構成2)
前記有機化合物が、一般式(2)または(3)で表されることを特徴とする構成1に記載の有機化合物。
Figure 2023115897000044
(一般式(2)および(3)において、R21乃至R36は水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のシリル基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換のヘテロアリール基、シアノ基から構成される群からそれぞれ独立して選択される。R21乃至R36は互いに結合し、環を形成してもよい。当該結合は、カルコゲン原子を介していてもよい。X乃至Xはカルコゲン原子、置換あるいは無置換のイミノ基、置換あるいは無置換のメチレン基、置換あるいは無置換のシリレン基から構成される群からそれぞれ独立して選択される。)
(構成3)
一般式(2)および(3)において、R21、R22、R23、R26、R27、R29、R30、R31、R34、またはR35のうち少なくとも1つが前記水素原子以外であることを特徴とする構成2に記載の有機化合物。
(構成4)
一般式(2)および(3)において、R21、R22、R23、R26、R27、R29、R30、R31、R34、またはR35のうち少なくとも1つが炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数6乃至12のアリール基、または炭素数3乃至12のヘテロアリール基であることを特徴とする構成2または3に記載の有機化合物。
(構成5)
一般式(2)および(3)において、R27およびR35で表される置換基が、炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数6乃至12のアリール基、または炭素数3乃至12のヘテロアリール基であることを特徴とする構成2乃至4のいずれか一項に記載の有機化合物。
(構成6)
一般式(2)および(3)において、X乃至Xが酸素原子または硫黄原子であることを特徴とする構成2乃至5のいずれか一項に記載の有機化合物。
(構成7)
一般式(2)および(3)において、一般式(4)の構造を有さないことを特徴とする構成2乃至6のいずれか一項に記載の有機化合物。
Figure 2023115897000045
一般式(4)において、XおよびXは酸素原子、硫黄原子、ジメチルメチレン基、スルホニル基、および一般式(5)から構成される群からそれぞれ独立して選択される。*はR26およびR34、*’はR27およびR35との結合位置を表す。
一般式(5)において、R41はフェニル基である。*は結合位置を表す。
(構成8)
第一電極と第二電極と、
前記第一電極と前記第二電極との間に配置される有機化合物層と、を有する有機発光素子において、
前記有機化合物層は、構成1乃至7のいずれか一項に記載の有機化合物を含有することを特徴とする有機発光素子。
(構成9)
前記有機化合物層は発光層を有し、
前記発光層は前記有機化合物を有することを特徴とする構成8に記載の有機発光素子。
(構成10)
前記発光層は第一の化合物を更に有し、
前記第一の化合物は、前記有機化合物よりも最低励起一重項エネルギーが高い化合物であることを特徴とする構成9に記載の有機発光素子。
(構成11)
前記第一の化合物は、炭素数6乃至18のアリール基を有することを特徴とする構成10に記載の有機発光素子。
(構成12)
前記第一の化合物は、炭化水素化合物であることを特徴とする構成10または11に記載の有機発光素子。
(構成13)
前記第一の化合物は、ピレン骨格、トリフェニレン骨格、クリセン骨格のうち少なくとも1つ有することを特徴とする構成10乃至12のいずれか一項に記載の有機化合物。
(構成14)
前記発光層は第三の化合物を更に有し、
前記第三の化合物の最低励起一重項エネルギーは、前記有機化合物の最低励起一重項エネルギーより低いことを特徴とする構成10乃至13のいずれか一項に記載の有機発光素子。
(構成15)
前記第三の化合物の最低励起三重項エネルギーは、前記有機化合物の最低励起三重項エネルギーより低いことを特徴とする構成14に記載の有機発光素子。
(構成16)
前記第一の化合物の最低励起一重項エネルギーは、前記第三の化合物の最低励起一重項エネルギーより高いことを特徴とする構成14または15に記載の有機発光素子。
(構成17)
複数の画素を有し、前記複数の画素の少なくとも一つが、構成8乃至16のいずれか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に接続されたトランジスタと、を有することを特徴とする表示装置。
(構成18)
複数のレンズを有する光学部と、前記光学部を通過した光を受光する撮像素子と、前記撮像素子が撮像した画像を表示する表示部と、を有し、
前記表示部は構成8乃至16のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする光電変換装置。
(構成19)
構成8乃至16のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する表示部と、前記表示部が設けられた筐体と、前記筐体に設けられ、外部と通信する通信部と、を有することを特徴とする電子機器。
(構成20)
構成8乃至16のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する光源と、前記光源が発する光を透過する光拡散部または光学フィルムと、を有する照明装置。
(構成21)
構成8乃至16のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する灯具と、前記灯具が設けられた機体と、を有することを特徴とする移動体。
(構成22)
感光体と、前記感光体を露光する露光光源と、を有し、
前記露光光源は、構成8乃至16のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする画像形成装置。
(構成23)
構成8乃至16のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する表示部と、前記表示部の光を集光する光学系と、前記表示部の表示を制御する制御装置と、を有することを特徴とするウェアラブルデバイス。
1 層間絶縁層
2 反射電極
3 絶縁層
4 有機化合物層
5 透明電極
6 保護層
7 カラーフィルタ
10 副画素
11 基板
12 絶縁層
13 ゲート電極
14 ゲート絶縁膜
15 半導体層
16 ドレイン電極
17 ソース電極
18 薄膜トランジスタ
19 絶縁膜
20 コンタクトホール
21 下部電極
22 有機化合物層
23 上部電極
24 第一保護層
25 第二保護層
26 有機発光素子
100 表示装置
1000 表示装置
1001 上部カバー
1002 フレキシブルプリント回路
1003 タッチパネル
1004 フレキシブルプリント回路
1005 表示パネル
1006 フレーム
1007 回路基板
1008 バッテリー
1009 下部カバー
1100 撮像装置
1101 ビューファインダ
1102 背面ディスプレイ
1103 操作部
1104 筐体
1200 電子機器
1201 表示部
1202 操作部
1203 筐体
1300 表示装置
1301 筐体
1302 表示部
1303 土台
1310 表示装置
1311 第一表示部
1312 第二表示部
1313 筐体
1314 屈曲点
1400 照明装置
1401 筐体
1402 光源
1403 回路基板
1404 光学フィルム
1405 光拡散部
1500 自動車
1501 テールランプ
1502 窓
1503 車体
1600 スマートグラス
1601 レンズ
1602 撮像装置
1603 制御装置
1610 スマートグラス
1611 レンズ
1612 制御装置

Claims (21)

  1. 一般式(1)で表されることを特徴とする有機化合物。
    Figure 2023115897000046

    (一般式(1)において、R乃至R20は水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のシリル基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換のヘテロアリール基、シアノ基から構成される群からそれぞれ独立して選択される。R乃至R20は互いに結合し、環を形成してもよい。当該結合は、カルコゲン原子を介していてもよい。RとR10、R19とR20の組み合わせのうち少なくとも1つは互いに結合している。XおよびXはカルコゲン原子、置換あるいは無置換のイミノ基、置換あるいは無置換のメチレン基、置換あるいは無置換のシリレン基から構成される群からそれぞれ独立して選択される。)
  2. 前記有機化合物が、一般式(2)または(3)で表されることを特徴とする請求項1に記載の有機化合物。
    Figure 2023115897000047

    (一般式(2)および(3)において、R21乃至R36は水素原子、重水素原子、ハロゲン原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のシリル基、置換あるいは無置換のアミノ基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換のヘテロアリール基、シアノ基から構成される群からそれぞれ独立して選択される。R21乃至R36は互いに結合し、環を形成してもよい。当該結合は、カルコゲン原子を介していてもよい。X乃至Xはカルコゲン原子、置換あるいは無置換のイミノ基、置換あるいは無置換のメチレン基、置換あるいは無置換のシリレン基から構成される群からそれぞれ独立して選択される。)
  3. 一般式(2)および(3)において、R21、R22、R23、R26、R27、R29、R30、R31、R34、またはR35のうち少なくとも1つが前記水素原子以外であることを特徴とする請求項2に記載の有機化合物。
  4. 一般式(2)および(3)において、R21、R22、R23、R26、R27、R29、R30、R31、R34、またはR35のうち少なくとも1つが炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数6乃至12のアリール基、または炭素数3乃至12のヘテロアリール基であることを特徴とする請求項2に記載の有機化合物。
  5. 一般式(2)および(3)において、R27およびR35で表される置換基が、炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数6乃至12のアリール基、または炭素数3乃至12のヘテロアリール基であることを特徴とする請求項2に記載の有機化合物。
  6. 一般式(2)および(3)において、X乃至Xが酸素原子または硫黄原子であることを特徴とする請求項2に記載の有機化合物。
  7. 一般式(2)および(3)において、一般式(4)の構造を有さないことを特徴とする請求項2に記載の有機化合物。
    Figure 2023115897000048

    一般式(4)において、XおよびXは酸素原子、硫黄原子、ジメチルメチレン基、スルホニル基、および一般式(5)から構成される群からそれぞれ独立して選択される。*はR26およびR34、*’はR27およびR35との結合位置を表す。
    一般式(5)において、R41はフェニル基である。*は結合位置を表す。
  8. 第一電極と第二電極と、
    前記第一電極と前記第二電極との間に配置される有機化合物層と、を有する有機発光素子において、
    前記有機化合物層は、請求項1に記載の有機化合物を含有することを特徴とする有機発光素子。
  9. 前記有機化合物層は発光層を有し、
    前記発光層は前記有機化合物を有することを特徴とする請求項8に記載の有機発光素子。
  10. 前記発光層は第一の化合物を更に有し、
    前記第一の化合物は、前記有機化合物よりも最低励起一重項エネルギーが高い化合物であることを特徴とする請求項9に記載の有機発光素子。
  11. 前記第一の化合物は、炭化水素化合物であることを特徴とする請求項10に記載の有機発光素子。
  12. 前記第一の化合物は、ピレン骨格、トリフェニレン骨格、クリセン骨格のうち少なくとも1つ有することを特徴とする請求項10に記載の有機化合物。
  13. 前記発光層は第三の化合物を更に有し、
    前記第三の化合物の最低励起一重項エネルギーは、前記有機化合物の最低励起一重項エネルギーより低いことを特徴とする請求項10に記載の有機発光素子。
  14. 前記第一の化合物の最低励起一重項エネルギーは、前記第三の化合物の最低励起一重項エネルギーより高いことを特徴とする請求項13に記載の有機発光素子。
  15. 複数の画素を有し、前記複数の画素の少なくとも一つが、請求項8乃至14のいずれか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に接続されたトランジスタと、を有することを特徴とする表示装置。
  16. 複数のレンズを有する光学部と、前記光学部を通過した光を受光する撮像素子と、前記撮像素子が撮像した画像を表示する表示部と、を有し、
    前記表示部は請求項8乃至14のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする光電変換装置。
  17. 請求項8乃至14のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する表示部と、前記表示部が設けられた筐体と、前記筐体に設けられ、外部と通信する通信部と、を有することを特徴とする電子機器。
  18. 請求項8乃至14のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する光源と、前記光源が発する光を透過する光拡散部または光学フィルムと、を有する照明装置。
  19. 請求項8乃至14のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する灯具と、前記灯具が設けられた機体と、を有することを特徴とする移動体。
  20. 感光体と、前記感光体を露光する露光光源と、を有し、
    前記露光光源は、請求項8乃至14のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする画像形成装置。
  21. 請求項8乃至14のいずれか一項に記載の有機発光素子を有する表示部と、前記表示部の光を集光する光学系と、前記表示部の表示を制御する制御装置と、を有することを特徴とするウェアラブルデバイス。
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