JP2015079882A - 有機発光素子及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動電圧が低く、安定性に優れる有機発光素子を提供する。
【解決手段】陽極と陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置されている発光層とを有する有機発光素子であって、前記発光層とは異なる有機化合物層をさらに有し、前記有機化合物層は、前記陰極に接しかつ前記発光層と前記陰極との間に配置され、前記有機化合物層は、下記一般式(1)で示される金属錯体化合物を有することを特徴とする。

(1)
【選択図】なし

Description

本発明は、有機発光素子及び表示装置に関する。
有機発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、あるいは有機EL素子と呼ぶ)は、一対の電極である陽極と陰極と、これら電極間に配置されている有機化合物層とを有する電子素子である。これら一対の電極から電子及び正孔を注入することにより、有機化合物層中の発光性有機化合物の励起子を生成し、該励起子が基底状態に戻る際に、有機発光素子は光を放出する。
有機発光素子では、発光デバイスの薄型化・軽量化や駆動電圧の低下などを目指し、研究が行われている。駆動電圧を低減させる方法の一つとして、陰極と有機化合物層の間に、仕事関数の小さいアルカリ金属を電子注入層に用いることが知られている。
しかし、電子注入層に用いられる、仕事関数が小さいアルカリ金属は、単体では不安定であり、大気中の水分などの影響を受けやすい。また、アルカリ金属の単体を電子注入層に用いた場合、アルカリ金属イオンの拡散による、陰極界面の剥離や輝度特性の低下が発生しやすい。
また特許文献1には、下記構造式1−Aで示される化合物が記載されている。特許文献2には、下記1−Bで示されるクラウンエーテルにセシウムを包接させた化合物を正孔輸送層または電子輸送層に用いることが記載されている。
特開2010−153647号公報 特開2006−173307号公報
特許文献1には、1−Aで示される化合物が記載されている。1−Aは化合物が一価のイオンであるため、化合物としての安定性が低い。そのため、それを有する有機発光素子の安定性が低い。
特許文献2には、1−Cで示される化合物にセシウムを包接させた化合物を有機発光素子に用いることが記載されている。しかし、この化合物は、一価のイオンであるため、化合物としての安定性が低い。そのため、それを有する有機発光素子は安定性が低い。
本発明は、アルカリ金属を包接したクラウンエーテルを有し、安定性が高い化合物を電子注入層に有することで、駆動電圧が低く、素子の安定性が高い有機発光素子を提供することを目的とする。
よって本発明は、陽極と陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置されている発光層とを有する有機発光素子であって、
前記発光層と前記陰極との間に、前記陰極に接し、前記発光層とは異なる有機化合物層を有し、
前記有機化合物層は下記一般式(1)で示される金属錯体化合物を有することを特徴とする有機発光素子を提供する。

(1)
式(1)において、R乃至Rは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1以上6以下のフッ化アルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基である。
は、アルカリ金属を表わす。nは1乃至3の整数を表わす。
本発明によれば、アルカリ金属を包接するクラウンエーテルを有する安定性が高い化合物を陰極に接する有機化合物層に有するため、駆動電圧が低く、安定性が高い有機発光素子を提供することができる。
本発明の有機発光素子と、この有機発光素子に電気接続されたトランジスタと、を有する表示装置の例を示す断面模式図である。
本発明に係る有機発光素子は、一対の電極である陽極と陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置されている発光層とを有する有機発光素子であって、前記発光層と前記陰極との間に、前記陰極に接し、前記発光層とは異なる有機化合物層を有する。この有機化合物層が下記一般式(1)で示される金属錯体化合物を有することを特徴とする。

(1)
式(1)において、R乃至Rは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1以上6以下のフッ化アルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基からそれぞれ独立に選ばれる。
炭素原子数1以上6以下のフッ化アルキル基は、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、オクタフルオロプロピル基等が挙げられる。特にトリフルオロメチル基が好ましい。
炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。これらのアルコキシ基の中でも、メトキシ基もしくはエトキシ基であることが好ましい。
炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。これらのアルキル基の中でも、メチル基もしくはtert−ブチル基であることがより好ましい。
は、アルカリ金属を表わす。アルカリ金属は特に限定されないが、Liであることが好ましい。nは1乃至3の整数を表わす。
さらに、前記式(1)で示される金属錯体化合物は、下記一般式(2)で示される金属錯体化合物であることが好ましい。一般式(2)は、一般式(1)において、R1およびR3を水素原子とし、R2をR4と記載したものである。

(2)
式(2)において、Rは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上6以下のフッ化アルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基である。
炭素原子数1以上6以下のフッ化アルキル基は、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、オクタフルオロプロピル基等が挙げられる。特にトリフルオロメチル基が好ましい。
炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。これらのアルキル基の中でも、メチル基もしくはtert−ブチル基であることがより好ましい。
は、アルカリ金属を表わす。nは1乃至3の整数を表わす。
本発明に係る金属錯体化合物は、一価のアルカリ金属カチオンと一価のフェノラートアニオンが結合した中性錯体である。アルカリ金属カチオンの周囲に炭素原子と電子供与性である酸素原子とで構成される環状エーテル骨格(クラウンエーテル骨格)とを有することで金属カチオンの安定性が高い。その結果、化合物の安定性が高い。
次に、クラウンエーテル骨格の環サイズについて説明する。なお、一般式(1)における環状エーテルの部分をクラウンエーテル骨格、またはクラウンエーテル部位と呼び、一般式(1)におけるクラウンエーテル部位以外の部位をフェノール部位と呼ぶ。
環サイズとは、クラウンエーテル骨格の環の大きさを意味する。クラウンエーテルの大きさは、一般式(1)における整数nの値に比例する。
本発明に係る金属錯体化合物はクラウンエーテルの環の大きさによって化合物の安定性が異なる。それはクラウンエーテルの環の大きさによってフェノール部位とクラウンエーテル部位の平面性が異なるためである。
フェノール部位とクラウンエーテル部位が同一平面上にある場合、フェノラートアニオンとクラウンエーテル部位の酸素原子が協同して金属カチオンと錯形成することができ、金属錯体の安定性を向上させるために好ましい。
そこで、下記化合物1−Fに対して、密度汎関数法(Density Functional Theory)を用いて、B3LYP/6−31Gレベルでの分子軌道計算を行い、クラウンエーテル骨格の環サイズと分子構造の平面性について比較した。化合物1−Fは、一般式(1)においてR乃至Rが水素原子である金属錯体化合物の前駆体である。
化合物1−Fが有する水酸基をアルカリ金属に置き換えたものが本発明に係る金属錯体化合物である。化合物1−Fの分子構造の平面性を評価すれば、本発明に係る金属錯体化合物の平面性を評価することができる。化合物1−Fと本発明に係る金属錯体化合物との差異である、水素原子とアルカリ金属原子は、分子構造の平面性に与える影響が小さいためである。
分子構造の平面性の評価方法として、下記に示すようにフェノール部位のC−O結合と、対面に位置するクラウンエーテル部位の炭素原子または酸素原子とがなす角θを算出した。なす角θが0°に近いほど平面性が高く、90°に近づくほど平面性が低い。結果を表1に示す。
本実施形態において、分子軌道計算は、Gaussian03を用いた。(Gaussian 03,Revision D.01,M.J.Frisch,G.W.Trucks,H.B.Schlegel,G.E.Scuseria,M.A.Robb,J.R.Cheeseman,J.A.Montgomery,Jr.,T.Vreven,K.N.Kudin,J.C.Burant,J.M.Millam,S.S.Iyengar,J.Tomasi,V.Barone,B.Mennucci,M.Cossi,G.Scalmani,N.Rega,G.A.Petersson,H.Nakatsuji,M.Hada,M.Ehara,K.Toyota,R.Fukuda,J.Hasegawa,M.Ishida,T.Nakajima,Y.Honda,O.Kitao,H.Nakai,M.Klene,X.Li,J.E.Knox,H.P.Hratchian,J.B.Cross,V.Bakken,C.Adamo,J.Jaramillo,R.Gomperts,R.E.Stratmann,O.Yazyev,A.J.Austin,R.Cammi,C.Pomelli,J.W.Ochterski,P.Y.Ayala,K.Morokuma,G.A.Voth,P.Salvador,J.J.Dannenberg,V.G.Zakrzewski,S.Dapprich,A.D.Daniels,M.C.Strain,O.Farkas,D.K.Malick,A.D.Rabuck,K.Raghavachari,J.B.Foresman,J.V.Ortiz,Q.Cui,A.G.Baboul,S.Clifford,J.Cioslowski,B.B.Stefanov,G.Liu,A.Liashenko,P.Piskorz,I.Komaromi,R.L.Martin,D.J.Fox,T.Keith,M.A.Al−Laham,C.Y.Peng,A.Nanayakkara,M.Challacombe,P.M.W.Gill,B.Johnson,W.Chen,M.W.Wong,C.Gonzalez,and J.A.Pople,Gaussian,Inc.,Wallingford CT,2004)
表1には構造1−Fにおけるmが0乃至4の各構造式と、この化合物の分子平面に対して垂直な方向から見た分子構造と、この化合物の分子平面に対して平行方向から見た分子構造を記載している。表1に記載のなす角は、フェノール部位のC−O結合と、このC−O結合の対面に位置するクラウンエーテル部位の炭素原子または酸素原子とがなす角θを算出し、分子構造の平面性を評価した。
環サイズが小さい、すなわちm=0、の場合および環サイズが大きい、すなわちm=4、の場合、なす角θが80°以上であり分子構造の平面性が低い。これに対して、mが1乃至3においてはそれぞれ62.1°、32.6°、41.8°であり、より平面性が高い。
化合物1−Fはmが1乃至3において分子構造の平面性が高く、化合物の安定性が高いので、本発明に係る金属錯体化合物も同様にnが1乃至3において分子構造の平面性が高く、化合物の安定性が高い。すなわち、本発明に係る金属錯体化合物は、nが1乃至3の場合に化合物の安定性が高く、n=2の場合に最も安定性が高い。すなわち、n=2の場合に安定性が高いので好ましい。そして、分子構造の平面性が高い場合に、アルカリ金属イオンとより安定な錯形成することができる。
本発明に係る金属錯体化合物の精製には、昇華精製を用いることが好ましい。なぜなら昇華精製は精製効果が大きく、有機化合物を高純度化できるためである。有機発光素子に不純物が含まれる場合、素子特性に悪影響を及ぼす可能性があるので好ましくない。
このような昇華精製においては、有機化合物の安定性の他にも、適切な分子量が求められる。有機化合物を昇華する場合は、有機化合物の分子量が大きいほど高温が必要とされる。一方、有機化合物は高温になった場合、高温による熱分解などを起こしやすい。
従って、有機発光素子に用いられる有機化合物は、熱分解しない程度の温度で昇華精製を行うことができるように、分子量が小さいことが好ましい。具体的には分子量が1000以下であることが好ましい。
本発明に係る金属錯体化合物は、適切な環サイズのクラウンエーテル骨格を有する安定なアルカリ金属の中性錯体であり、かつ分子量が1000以下である。このため、昇華精製を安定に行うことができる。
次に、化合物1−Bの対アニオンとして塩化物イオンを有する下記化合物1−Gと、比較のための化合物1−Hと、本実施形態に係る例示化合物B1とを比較する。1−Hは、特許文献2に記載のクラウンエーテルと、CsFを用いて有機化合物層を形成した場合に、形成されていると考えられる化合物である。
化合物1−G、1−Hは、Chemistry of Materials 13(8),2516−2522(2001年)や、特開2006−173307号公報を参考に合成した。具体的には、18−クラウン6−エーテル、ベンゾ−18−クラウン6−エーテルと所望のアルカリ金属塩を汎用溶媒中で反応させ、反応終了後、溶媒を留去することで化合物1−F、1−Gを合成した。包接の確認は質量分析により行った。それぞれ対アニオンとしては塩化物イオンを選択した。
それぞれの文献には対アニオンに関する記述はないが、これら化合物の昇華性を比較する場合に、塩化物イオンの存在が昇華性に与える影響は小さいので、比較結果に影響はない。
また、例示化合物B1は、Journal of Organic Chemistry 53,5484−5491(1988年)の記載の通り、下記化合物D1を合成し、Journal of the America Chemical Society 107,2703−2712(1985年)の記載の通り、D1のフェノール部分の水素原子をアルカリ金属に置換することで合成した。
次に、得られた化合物1−G、1−H、および例示化合物B1をそれぞれアルバック機構社製の昇華精製装置にて真空度7.0×10−1Pa、アルゴンガス10ml/min、昇華温度150〜300℃にて昇華精製を行った。結果を表2に示す。
表2より、例示化合物B1は220℃で昇華し、昇華精製物を得ることができた。一方、化合物1−Gおよび化合物1−Hはそれぞれ100℃、150℃で熱分解し、クラウンエーテル部位(化合物1−Gにおいては18−クラウン6−エーテル、化合物1−Hにおいてはベンゾ−18−クラウン6−エーテル)のみが昇華し、アルカリ金属は残渣となり、昇華精製物を得ることはできなかった。
本発明に係る金属錯体化合物は、比較化合物である1−G、1−Hよりも安定性が高い化合物である。
以上より、本発明に係る金属錯体化合物は、アルカリ金属との中性錯体であり、かつクラウンエーテル骨格でアルカリ金属カチオンを覆うことで安定化させているため、昇華性に優れ、昇華精製による化合物の高純度化が可能である。昇華精製を用いた場合、本発明に係る金属錯体化合物を用いて、不純物の少ない電子注入層を形成することができる。
本発明に係る金属錯体化合物は、安定性が高いので、蒸着プロセスによる製膜ができる。蒸着によって有機化合物層を製造することで、不純物が少なく、層厚を制御しやすいので好ましい。特に電子注入層の層厚は、駆動電圧に大きな影響を与えるので、層厚を制御しやすい蒸着法で行うことが好ましい。
また、本発明に係る金属錯体化合物はフェノール部位にニトロ基を有する場合、化合物の安定性が低いので好ましくない。フェノール部位は、ニトロ基以外の置換基を有することが好ましい。
本発明に係る有機発光素子は、アルカリ金属を包接するクラウンエーテルを有する安定性が高い化合物を電子注入層に有するため、駆動電圧が低く、安定性が高い。
(本発明に係る金属錯体化合物の例示)
本発明に係る金属錯体化合物の具体例を以下に示す。もちろん、本発明はこれらに限られるものではない。
ここで、クラウンエーテル誘導体は、空隙に陽イオンを包接させる機能を有する化合物であるが、陽イオンのイオン半径に応じてより好ましいクラウンエーテルの環サイズが存在する。
上記例示化合物のうち、A群に属するものは一般式(1)においてnが1の場合である。nが1の場合のクラウンの環サイズはLiイオン,Naイオンに適している。すなわち、nが1の場合は、アルカリ金属は、Li、Naが好ましい。
B群に属するものは一般式(1)においてnが2の場合である。nが2の場合のクラウンの環サイズはNaイオン、Kイオンに適している。すなわち、nが2の場合は、アルカリ金属は、Na、Kが好ましい。
C群に属するものは一般式(1)においてnが3の場合である。nが3の場合のクラウンの環サイズはRbイオン,Csイオンに適している。すなわち、nが3の場合は、アルカリ金属はRb、Csが好ましい。
以上のように、包接するアルカリ金属イオンに対して適切な環サイズを有する化合物を選択することがより好ましい。
(本発明に係る有機発光素子の説明)
本発明に係る有機発光素子は、一対の電極である陽極と陰極と、これら電極間に配置される有機化合物層を有する有機発光素子である。有機発光層は発光層と、前記発光層と前記陰極との間に配置されている電子注入層とを少なくとも有する。
本実施形態において、電子注入層とは、陰極に接する有機化合物層であり、発光層とは異なる有機化合物層である。
ここで有機化合物層は、発光層と電子注入層の他に、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層等を有してもよい。また発光層は、単層であってもよいし、複数の層からなる積層体であってもよい。
本発明に係る有機発光素子において、上記有機化合物層の電子注入層に本発明に係る金属錯体化合物が含まれている。
本発明に係る有機発光素子において、本発明に係る金属錯体化合物が電子注入層に含まれる場合、電子注入層は、本発明に係る金属錯体化合物のみからなる層であってもよいし、本発明に係る金属錯体化合物と他の化合物とからなる層であってもよい。
ここで、電子注入層が本発明に係る金属錯体化合物と他の化合物とからなる層である場合、本発明に係る金属錯体化合物は、電子注入層のホストであっても、ゲストであってもよい。
電子注入層が本発明に係る金属錯体化合物と他の化合物とを有する場合は、電子注入層の全体を100重量%とした場合、本発明に係る金属錯体化合物の重量は、50重量%以上100重量%以下であることが好ましい。
電子注入層が本発明に係る金属錯体化合物と他の化合物とを有する場合、電子注入層の全体を100重量%とした場合、本発明に係る金属錯体化合物の重量は、0.1重量%以上50重量%以下であってもよい。
本発明に係る有機発光素子の発光層は、複数の材料からなる層であってもよい。複数の材料はホスト、ゲスト、アシストが挙げられる。
ここでホストとは、有機化合物層を構成する化合物の中で重量比が最も大きい化合物である。またゲストとは、有機化合物層を構成する化合物の中で重量比がホストよりも小さい化合物である。発光層においては、ゲストは主な発光を担う化合物である。また発光層におけるアシストとは、発光層を構成する化合物の中で重量比がホストよりも小さく、ゲストの発光を助けるものである。
本発明者らは種々の検討を行い、本発明に係る金属錯体化合物を、電子注入層として用いると、高効率で高輝度な光出力を呈し、かつ極めて耐久性が高い素子が得られることを見出した。
本発明に係る有機発光素子の発光色は限定されない。より具体的には、青、緑、赤等の原色でもよいし、白色でもよいし、中間色でもよい。また、製膜方法も蒸着もしくは塗布製膜で製膜を行う。
白色とは、CIE色度座標により定義される白色である。
本発明に係る有機発光素子が白色を発光する場合、一の発光層に複数種の発光材料を有する形態であってもよい。例えば、一の発光層に青、緑、赤の発光材料を有する、または一の発光層にシアン、黄色の発光材料を有する形態が挙げられる。
また、複数の発光層を有し、それぞれの発光層が異なる発光材料を有する形態であってもよい。複数の発光層を有する場合、その発光層の配置の形態は、陽極から陰極の方向に積層されて配置されていても、横並びに配置されていてもよい。ここで、横並びに配置されているとは、発光層のそれぞれが陽極側の隣接層および陰極側の隣接層のいずれにも接している形態を示す。
これら白色を発する有機発光素子は、それぞれの発光材料の発光が混色することにより白色を発する素子である。
これら発光材料は、本発明に係る金属錯体化合物ではなく、下記のような有機化合物があげられる。
青色を発光する発光材料は、フルオランテン誘導体やアントラセン誘導体が好ましい。緑色を発光する発光材料は、フルオランテン誘導体やイリジウム錯体が好ましい。赤色を発光する発光材料は、フルオランテン誘導体やイリジウム錯体が好ましい。
フルオランテン誘導体とは、フルオランテンに縮環構造や置換基を設けた構造である。イリジウム錯体は、イリジウムに配位子が配位した構造であり、その配位子はフェニルイソキノリン、フェニルキノリン、フェニルピリジン、アセチルアセトナート等が好ましい。
ところで、本発明に係る有機発光素子には、本発明に係る金属錯体化合物以外にも、必要に応じて従来公知の低分子系及び高分子系の材料を使用することができる。より具体的には正孔注入輸送材料、アシスト、あるいは電子注入輸送性材料等を一緒に使用することができる。
以下にこれらの材料例を挙げる。
正孔注入材料または正孔輸送材料としては、陽極からの正孔の注入を容易にして、かつ注入された正孔を発光層へ輸送できるように正孔移動度が高い材料が好ましい。また有機発光素子中において結晶化等の膜質の劣化を防ぐために、ガラス転移点温度が高い材料が好ましい。
正孔注入性能または正孔輸送性能を有する低分子材料及び高分子材料としては、トリアリールアミン誘導体、アリールカルバゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられる。さらに上記の正孔注入材料または正孔輸送材料は、電子阻止層にも好適に使用される。
以下に、正孔注入材料または正孔輸送材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
主に発光機能に関わる発光材料としては、縮環化合物(例えばフルオランテン誘導体、フルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、テトラセン誘導体、アントラセン誘導体、ルブレン等)、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、イリジウム錯体、白金錯体、レニウム錯体、銅錯体、ユーロピウム錯体、ルテニウム錯体、及びポリ(フェニレンビニレン)誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体等の高分子誘導体が挙げられる。
以下に、発光材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
発光層に含まれる発光層のホストあるいはアシストとしては、芳香族炭化水素化合物もしくはその誘導体の他、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、イリジウム錯体、有機ベリリウム錯体等が挙げられる。
以下に、発光層に含まれる発光層のホストあるいはアシストとして用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
電子輸送材料としては、陰極から注入された電子を発光層へ輸送することができるものから任意に選ぶことができ、正孔輸送材料の正孔移動度とのバランス等を考慮して選択される。
電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、クリセン誘導体、アントラセン誘導体等)が挙げられる。さらに上記の電子輸送材料は、正孔阻止層にも好適に使用される。
以下に、電子輸送材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
電子注入性材料としては、陰極からの電子注入が容易に可能なものから任意に選ぶことができ、正孔注入性とのバランス等を考慮して選択される。
そのような電子注入性能を有する材料としては、本発明に係る金属錯体化合物以外にも、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ金属錯体、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属土類錯体、希土類金属の酸化物、希土類金属のハロゲン化物、希土類金属錯体等が挙げられる。
陽極の構成材料としては仕事関数がなるべく大きなものがよい。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン等の金属単体あるいはこれらを組み合わせた合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。またポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーも使用できる。
これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また、陽極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
一方、陰極の構成材料としては仕事関数の小さなものがよい。例えばリチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム等の金属単体が挙げられる。あるいはこれら金属単体を組み合わせた合金も使用することができる。例えばマグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム、アルミニウム−マグネシウム等が使用できる。酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また陰極は一層構成でもよく、多層構成でもよい。
本発明に係る有機発光素子を構成する有機化合物層(正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等)は、以下に示す方法により形成される。
本発明の有機発光素子を構成する有機化合物層は、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマ等のドライプロセスを用いることができる。真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成した場合、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。
またドライプロセスに代えて、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により層を形成するウェットプロセスを用いることもできる。
また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
(本発明に係る有機発光素子の用途)
本発明に係る有機発光素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも、電子写真方式の画像形成装置の露光光源や液晶表示装置のバックライト、白色光源にカラーフィルターを有する発光装置等の用途がある。カラーフィルターは例えば赤、緑、青の3つの色のいずれかが透過するフィルターが挙げられる。
本実施形態に係る表示装置は、複数の発光点を有し、これら発光点のうちの少なくとも一つは本発明の有機発光素子を有する。そしてこの発光点は、本発明に係る有機発光素子と、能動素子(スイッチング素子)又は増幅素子の一例であるトランジスタとを有し、この有機発光素子の陽極又は陰極とトランジスタのドレイン電極又はソース電極とが電気接続されている。発光点は、画素ということもできる。
ここで表示装置は、PC等の画像表示装置として用いることができる。上記トランジスタとして、例えば、TFT素子が挙げられ、このTFT素子は、例えば、基板の絶縁性表面に設けられている。
表示装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの画像情報を入力する画像入力部を有し、入力された画像を表示部に表示する画像情報処理装置でもよい。
また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部は、タッチパネル機能を有していてもよい。このタッチパネル機能の駆動方式は、赤外線方式でも、静電容量方式でも、抵抗膜方式であっても、電磁誘導方式であってもよく、特に限定されない。
また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
照明装置は例えば室内を照明する装置である。照明装置は白色(色温度が4200K)、昼白色(色温度が5000K)、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってもよい。
本実施形態に係る照明装置は、本発明に係る有機発光素子と、この有機発光素子と接続するAC/DCコンバーター回路(交流電圧を直流電圧に変換する回路)とを有している。このコンバーター回路は有機発光素子に駆動電圧を供給するための回路である。尚、この照明装置は、カラーフィルターをさらに有してもよい。
本発明の画像形成装置は、感光体とこの感光体の表面を帯電させる帯電部と、感光体を露光して靜電潜像を形成するための露光部と、感光体の表面に形成された静電潜像を現像するための現像部とを有する画像形成装置である。ここで画像形成装置に備える露光手段は、本発明の有機発光素子を有している。
また本発明に係る有機発光素子は、電子写真方式の画像形成装置に収容されている感光体を露光するための露光装置の構成部材として使用することができる。本発明の露光装置は、複数の発光点を有し、この発光点が本発明の有機発光素子有する。そしてこの発光点が所定の方向に沿って列を形成して配置されている。
次に、図面を参照しながら本実施形態に係る表示装置につい説明する。図1は、有機発光素子とこの有機発光素子に接続されるTFT素子とを有する表示装置の例を示す断面模式図である。TFT素子は、能動素子の一例である。
図1の表示装置1は、ガラス等の基板11とその上部にTFT素子又は有機化合物層を保護するための防湿膜12が設けられている。また符号13は金属のゲート電極13である。符号14はゲート絶縁膜14であり、15は半導体層である。
TFT素子18は、半導体層15とドレイン電極16とソース電極17とを有している。TFT素子18の上部には絶縁膜19が設けられている。コンタクトホール20を介して有機発光素子を構成する陽極21とソース電極17とが接続されている。
尚、有機発光素子に含まれる電極(陽極、陰極)とTFTに含まれる電極(ソース電極、ドレイン電極)との電気接続の方式は、図1に示される態様に限られるものではない。つまり陽極又は陰極のうちいずれか一方とTFT素子ソース電極またはドレイン電極のいずれか一方とが電気接続されていればよい。
図1の表示装置1では有機化合物層を1つの層の如く図示をしているが、有機化合物層22は、複数層であってもよい。陰極23の上には有機発光素子の劣化を抑制するための第一の保護層24や第二の保護層25が設けられている。
図1の表示装置1ではスイッチング素子としてトランジスタを使用しているが、これに代えてMIM素子をスイッチング素子として用いてもよい。
また図1の表示装置1に使用されるトランジスタは、単結晶シリコンウエハを用いたトランジスタに限らず、基板の絶縁性表面上に活性層を有する薄膜トランジスタでもよい。活性層として、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、微結晶シリコンなどの非単結晶シリコン、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物等の非単結晶酸化物半導体が挙げられる。尚、薄膜トランジスタはTFT素子とも呼ばれる。
図1の表示装置1に含まれるトランジスタは、Si基板等の基板内に形成されていてもよい。ここで基板内に形成されるとは、Si基板等の基板自体を加工してトランジスタを作製することを意味する。つまり、基板内にトランジスタを有することは、基板とトランジスタとが一体に形成されていると見ることもできる。
基板内にトランジスタを設けるかどうかについては、精細度によって選択される。例えば1インチでQVGA程度の精細度の場合はSi基板内に有機発光素子を設けることが好ましい。
以上説明の通り、本発明の有機発光素子を用いた表示装置を駆動することにより、良好な画質で、長時間安定な表示が、低い駆動電圧にて可能になる。
以下、実施例により本発明を説明する。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]例示化合物B1の合成
本発明に係る金属錯体化合物は、Journal of Organic Chemistry 53,5484−5491(1988年)やJournal of the America Chemical Society 107,2703−2712(1985年)を参考に合成することができる。
次に、得られたB1のうち、150mgをアルバック機構社製の昇華精製装置にて真空度7.0×10−1Pa、アルゴンガス10ml/min、昇華温度220℃にて昇華精製を行い、高純度の例示化合物B1を100mg得た。
得られた化合物の同定は、MALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて、質量分析によって行った。
[MALDI−TOF−MS(マトリックス支援イオン化−飛行時間型質量分析)]
実測値:m/z=318.76 計算値:C1023LiO=318.29
[実施例2]
本実施例では、基板上に、陽極、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、ホールブロッキング層、電子輸送層、電子注入層、陰極が順次形成された有機発光素子を作製した。
まずガラス基板上に、ITOを成膜し、所望のパターニング加工を施すことによりITO電極(陽極)を形成した。このときITO電極の膜厚を100nmとした。このようにITO電極が形成された基板をITO基板として、以下の工程で使用した。
上記ITO基板上に、下記表3に示す有機化合物層及び電極層を連続成膜した。尚、このとき対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mmとなるようにした。
得られた素子について、素子の特性を測定・評価した。ITO電極を正極、Al電極を負極にして印加電圧6.2Vをかけたところ、発光効率が6.0cd/Aで、輝度2000cd/m2の青色発光が観測された。発光素子の最大発光波長は460nmであり、色度は(X,Y)=(0.16、0.24)であった。
また、得られた素子の安定性を評価するために、10000cd/m2の初期輝度で駆動させた時の輝度が50%減少する寿命を測定したところ500時間を越えた。測定装置は、具体的には電流電圧特性をヒューレッドパッカード社製・微小電流計4140Bで測定し、発光輝度は、トプコン社製BM7で測定した。
[実施例3乃至9、比較例1乃至2]
実施例2において、電子注入層を本発明の他の金属錯体化合物に変更し、発光層のホストとゲストを適宜変更する以外は、実施例2と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例2と同様に素子の特性を測定・評価したところ、輝度50%減少寿命はすべて500時間を越えた。結果の一部を表4に示す。
また比較例1乃至2として、電子注入層に化合物1−G、1−Hを用いようとしたが、熱分解のため素子作製することができなかった。
(結果と考察)
以上のように、本発明に係る金属錯体化合物を電子注入層に用いることで、長寿命で低電圧駆動可能な有機発光素子を提供できる。
本発明に係る金属錯体化合物は、優れた安定性を有するアルカリ金属錯体である。このため本発明に係る金属錯体化合物を有機発光素子の構成材料として用いることで、良好な発光特性を有する有機発光素子を得ることができる。
18 TFT素子
21 陽極
22 有機化合物層
23 陰極

Claims (16)

  1. 陽極と陰極と、前記陽極と前記陰極との間に配置されている発光層とを有する有機発光素子であって、
    前記発光層とは異なる有機化合物層をさらに有し、
    前記有機化合物層は、前記陰極に接しかつ前記発光層と前記陰極との間に配置され、
    前記有機化合物層は、下記一般式(1)で示される金属錯体化合物を有することを特徴とする有機発光素子。

    (1)
    式(1)において、R乃至Rは、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1以上6以下のフッ化アルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基からそれぞれ独立に選ばれる置換基である。Mは、アルカリ金属を表わす。nは1乃至3の整数を表わす。
  2. 前記R1およびR3は、水素原子であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  3. 請求項1または2に記載の有機発光素子であって、
    前記R2は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1以上6以下のフッ化アルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基である。Mは、アルカリ金属を表わす。nは1乃至3の整数を表わす。
  4. 前記R2は、前記フッ化アルキル基であり、
    前記フッ化アルキル基は、トリフルオロメチル基であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  5. 前記nが2であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  6. 前記アルカリ金属は、Liであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  7. 前記有機化合物層は、前記金属錯体化合物と前記金属錯体化合物と異なる化合物を有し、
    前記有機化合物層の全体を100重量%とした場合、前記金属錯体化合物の重量が、50重量%以上100重量%以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  8. 前記発光層が、複数種の発光材料を有し、
    前記複数種の発光材料のうち少なくとも一種類は、他の発光材料と異なる色の光を発光する発光材料であり、
    前記発光層は、前記複数種の発光材料の発光が混色することにより、白色を発光する発光層であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  9. 前記発光層と異なる色の光を発光する第2の発光層をさらに有し、
    前記発光層の発光と前記第2の発光層との発光が混色することによって、素子が白色を発光することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  10. カラーフィルターをさらに有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  11. 複数の発光点を有する表示装置であって、
    前記発光点の少なくとも一つが、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に接続されている能動素子と、を有することを特徴とする表示装置。
  12. 画像を表示する表示部と、
    画像情報を入力する入力部と、を有し、
    前記表示部が、請求項11に記載の表示装置であることを特徴とする画像情報処理装置。
  13. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の有機発光素子と、
    前記有機発光素子に駆動電圧を供給するAC/DCコンバーター回路と、を有することを特徴とする照明装置。
  14. カラーフィルターをさらに有することを特徴とする請求項13に記載の照明装置。
  15. 感光体と、
    前記感光体の表面を帯電させる帯電部と、
    前記感光体を露光して静電潜像を形成する露光部と、
    前記静電潜像を現像する現像部と、を有する画像形成装置であって、
    前記露光部が、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする画像形成装置。
  16. 電子写真方式の画像形成装置に収容されている感光体を露光する露光装置であって、
    前記露光装置は、複数の発光点を有し、
    前記発光点は、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の有機発光素子を有し、
    前記発光点は列を形成して配置されていることを特徴とする露光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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