JP2681960B2 - カラー記録紙 - Google Patents

カラー記録紙

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JP2681960B2
JP2681960B2 JP63017827A JP1782788A JP2681960B2 JP 2681960 B2 JP2681960 B2 JP 2681960B2 JP 63017827 A JP63017827 A JP 63017827A JP 1782788 A JP1782788 A JP 1782788A JP 2681960 B2 JP2681960 B2 JP 2681960B2
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  • Heat Sensitive Colour Forming Recording (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、誘電特性の差異を利用した新規なカラー記
録紙に関するものである。 〔従来の技術〕 従来、電気信号として出力される画像情報,印字情報
等を文書として保存可能な状態に記録するいわゆるハー
ドコピーの方式としては、種々の方式が知られており、
例えば所定の色彩のインクを細いノズルから吹き付ける
インクジェット方式や電子写真方式、感熱記録紙を熱に
より発色させる感熱記録方式等が代表的なものである。 これら各方式の中で、インクジェット方式や電子写真
方式は、カラー化が可能であるものの、プリンタの装置
構造が複雑なものとなる傾向にあり、装置自体のメンテ
ナンスに特殊な技術を要すること、装置が効果であるこ
と等の理由から、ファクシミリやワードプロセッサ,パ
ーソナルコンピュータ等の民生用の電子機器のプリンタ
としては感熱記録方式のものが広く用いられるようにな
っている。 しかしながら、この感熱記録方式の記録紙は、単色の
ものが主流で、多色化したものは一般的ではない。すな
わち、感熱記録方式において多色化を実現するために
は、例えば感応温度が異なり色の異なる発色材料を混合
して用いることが考えられるが、印字(または印画)の
際に加熱温度のみで発色状態を正確にしかも均一に制御
することは難しく、階調コントロールも難しい等の理由
から実用レベルに達していないのが現状である。 また、この感熱記録方式のプリンタに使用される感熱
記録紙では、例えばロイコ色素を顕色剤とともに微結晶
状態でバインダ中に分散し、熱溶融によりこれら色素と
顕色剤とを分子レベルで接触させ発色させるようにして
いるので、製造プロセス中にこれらが若干反応してしま
うことは避けられず、どうしてもいわゆる地汚れ(印字
前の若干の発色)が発生してしまっている。 さらに、単に熱のみで発色させる感熱記録紙では、不
要な熱による発色を抑えることができず、例えば感熱ヘ
ッドの性能によっては蓄熱による裾引きが生じ解像度が
不足したり、保存中あるいは印字後であっても熱を加え
るとさらに発色し印字情報が判読不可能になる等、著し
い印字品位の低下を招いている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このように、単に熱のみで発消色状態を制御する従来
の感熱記録紙では、各色を選択的に発色させることは困
難で多色化が難しいこと,階調表示が難しいこと,保存
安定性に欠けること,地汚れや不要な熱による発色が避
けられないこと等の問題を有しており、これらを解消す
る新たな記録紙の実現が待たれている。 そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案され
たものであって、感熱記録方式と同様簡便な装置構成で
フルカラー表示が可能で、しかも前述の地汚れや不用意
な発色のないカラー記録紙を提供することを目的とす
る。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者等は、前述の目的を達成せんものと長期に亘
り鋭意研究を重ねた結果、色素,電解質,高分子媒体等
よりなる感電熱組成物の誘電特性に周波数依存性を与え
ておけば、選択的に高周波誘電加熱及び溶融通電し発消
色状態を個別に制御し得るとの知見を得るに至った。 本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであ
って、酸化還元反応により発消色する色素と加熱により
該色素の酸化還元反応を起こさせるに充分な電気伝導度
となる電解質媒体とからなる微粒子を発消色材料とし、
互いに異なる色に発色するとともに異なる誘電特性を有
する複数の微粒子が基体上に保持されたことを特徴とす
るもので、画像信号に応じて異なる周波数の交流電位を
印加し前記粒子を選択的に加熱することで直流電波によ
り各粒子の発消色状態を個別に制御可能としたものであ
る。 ここで、各微粒子に使用する色素は、電気的な酸化・
還元反応により発色,消色あるいは変色するものであれ
ばいずれも使用でき、またこれら発色,消色あるいは変
色は可逆的,不可逆的であるかを問わない。前記発消色
が可逆的であれば繰り返し使用が可能となり、不可逆的
であれば追記型(いわゆるライトワンスタイプ)のカラ
ー記録紙として使用することができる。 かかる色素としては、トリフェニルメタンフタリド類
やフルオラン類、チオフルオラン類、インドリルフタリ
ド類、ローダミンラクタム類、アザフタリド類等のラク
トン環を有するロイコ色素が挙げられ、以下の化合物が
例示される。 先ず、トリフェニルメタンフタリド類としては、クリ
スタルバイオレットラクトン,マラカイトグリーンラク
トン等が挙げられ、フルオラン類としては3−ジエチル
アミノ−6−メチル−7−クロルフルオラン,3−ジエチ
ルアミノ−7−メトキシフルオラン,3−ジエチルアミノ
−6−ベンジルオキシフルオラン,1,2−ベンズ−6−ジ
エチルアミノフルオラン,3,6−ジ−p−トルイジノ−4,
5−ジメチルフルオラン−フェニルヒドラジド−γ−ラ
クタム,3−アミノ−5−メチルフルオラン,2−メチル−
3−アミノ−6−メチル−7−メチルフルオラン,2,3−
ブチレン−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン,3−ジ
エチルアミノ−7−アニリノフルオラン,3−ジエチルア
ミノ−7−(パラトルイジノ)−フルオラン,7−アセト
アミノ−3−ジエチルアミノフルオラン,2−ブロム−6
−シクロヘキシルアミノフルオラン,2,7−ジクロロ−3
−メチル−6−n−ブチルアミノフルオラン等が挙げら
れる。 また、チオフルオラン類としては3−ジエチルアミノ
−6−メチル−7−ジメチルアミノ−チオフルオラン,3
−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノ−チオフルオ
ラン等が挙げられ、インドリルフタリド類としては8−
(4−ジエチルアミノフェニル)−8−(1−エチル−
2−メチルインドール−8−イル)フタリド,3,3−ビス
(1−エチル−2−メチル−8−イル)フタリド,3,3−
ビス(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド,3
−(4−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−3−(2−
フェニルインドール−3−イル)フタリド,8−〔4−
(ジメチルアミノ)フェニル〕−3−〔N,N−ビス−
(4−オクチルフェニル)アミノ〕フタリド等が挙げら
れる。 さらに、アザフタリド類としては3,3−ビス(1−エ
チル−2−メチルインドール−3−イル)−7−アザフ
タリド等が挙げられる。 その他、ロイコベーシックシアニン、ロイコマラカイ
トグリーン、ロイコクリスタルバイオレット、p,p′−
テトラジメチルジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケト
ン)、オキサジン系ロイコ感熱色素(保土ヶ谷化学社
製,商品名CSB−12等)、スピロピラン系ロイコ感熱色
素(保土ヶ谷化学社製,商品名CSR−13等)、キノリン
系ロイコ感熱色素(保土ヶ谷化学社製,商品名CSY−13
等)、さらには酸化還元指示薬、pH指示薬、ビオロゲ
ン、テトラチオフルバレン等の電子供与体、テトラシア
ノキノジメタン(TCNQ)等の電子受容体、電解合成法に
よるプルシアンブルー,IrO2等、ポリピロール,ポリチ
オフェン,ポリアニリンあるいはこれらの誘導体等、希
土類フタロシアニン、三酸化タングステン等も使用可能
である。 上述の各色素の微粒子中への添加濃度は、必要とする
発色濃度に応じて適宜設定すればよい。発消色時のコン
トラスト等を考慮すると、微粒子中に重量比で1/107
上含まれることが好ましい。 一方電解質媒体は、加熱により電気伝導度が増加する
材料により構成されるものであり、加熱したときに導電
性を確保し前述の色素の酸化還元反応を促進する役割を
果たす。 したがって、当該電解質媒体には、例えば熱により相
転移し室温で固体である絶縁性媒体中に支持電解質を分
散したもの等が使用される。 前述の場合、支持電解質としては、テトラフルオロほ
う酸テトラ−n−ブチルアンモニウム,過塩素酸テトラ
−n−ブチルアンモニウム,セチルトリメチルアンモニ
ウムブロマイド,ジオクタデシルジメチルアンモニウム
クロライド等の脂肪族4級アンモニウム塩や、ミリスチ
ルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のベンザ
ルコニウム塩,ベンジルジメチル
【2−[2−(p−
1,1,3,3−テトラメチルブチルフェノキシ)エト
オキシ]エチル】アンモニウムクロライド等の塩化ベン
ゼドニウム類、アルキルピリジニウム塩、イミダゾリニ
ウム塩、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム等が使
用可能である。 その他、アニオン性界面活性剤等のイオン性界面活性
剤も前記支持電解質として使用可能である。アニオン性
界面活性剤としては、脂肪酸セッケン,パルミチン酸ナ
トリウム,ステアリン酸カリウム,アルキルエーテルカ
ルボン酸等に代表されるカルボン酸塩類や、ラウリルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスル
ホン酸塩,ナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキ
ルナフタレンスルホン酸塩,ナフタレンスルホン酸ナト
リウム・ホルマリン縮合物,ジアルコキシスルホコハク
酸エステル塩等に代表されるスルホン酸塩類、アルキル
硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル硫酸塩,アルキルフェニルエーテル硫
酸塩等に代表される硫酸エステル塩類、アルキルリン酸
エステル塩,アルキルエーテルリン酸エステル塩等に代
表されるリン酸エステル塩類等が例示される。 絶縁性媒体には支持電解質を溶解すること、加熱冷却
により固液変化すること等が要求され、ポリエチレン、
ポリアクリレート,ポリメタクリレート,ポリアクリル
アミドや、これらのホモポリマーあるいはコポリマー,
塩化ビニル系共重合体,ブタジエン樹脂,ポリアミド,
エポキシ樹脂,セルロース系樹脂,フッ素樹脂,ウレタ
ン樹脂等の汎用のポリマーの他、エチレンカーボネー
ト,N−メチルアセトアミド,スルホラン等が使用可能で
ある。なかでも、長鎖のアルキルを側鎖に有する高分子
量体が好適である。長鎖のアルキルを側鎖に有する高分
子量体は、例えばラジカル重合やラジカル共重合等の手
法により、アクリル酸あるいはメタクリル酸の高級脂肪
酸エステルを単独で,あるいは他のモノマーの存在下で
直鎖状に重合して高分子量化を図ることにより、合成す
ることができる。あるいは、シアノビフェニル系ポリマ
ーや、シアノフェニルベンゾエートとメトキシビフェニ
ルベンゾエートの共重合系ポリマー、フェニルベンゾエ
ート・アゾメチン系ポリマー、アゾメチン系ポリマー
等、液晶性高分子材料も使用可能である。 絶縁性媒体中の支持電解質の濃度としては、使用する
絶縁性媒体に完全に溶解する必要があるので、その上限
は自ずと溶解限度になる。下限は、色素の酸化還元を電
極で行うに足る電気伝導度を与える最低の濃度である。 なお、前述の支持電解質自体が固液変化を示す場合に
は、この絶縁性媒体を必ずしも用いる必要はなく、支持
電解質単独で電解質媒体を構成するようにしてもよい。 あるいは、電解質媒体は必ずしも前述のように固液変
化しなくともよく、固体状態のままで加熱により電気伝
導度の増加する,いわゆる固体電解質で構成するように
してもよい。 かかる固体電解質としては、ポリビニルアルコール,
ポリメタクリロニトリル,ポリシロキサン,ポリフォス
ファゼン,ポリエチレンオキシド(以下PEOと略
す。),ポリプロピレンオキシド(以下PPOと略す。)
等のポリマーに塩化カリウム等のアルカリ金属塩を溶解
させたものや酸素酸塩系リチウムイオン伝導体、高分子
錯体固体電解質等が使用可能である。 酸素酸塩系リチウムイオン伝導体としては、具体的に
はLi2SO4,Li4SiO4,0.5Li3PO4−0.5Li4SiO4,0.6Li4GeO4
−0.4Li3VO4,0.4Li4SiO4−0.6Li3VO4,0.75Li4GeO4−0.2
5Zn2GeO2,0.75Li4SiO4−0.25Li2MoO4,0.4Li3PO4−0.6Li
4SiO4,0.68Li4SiO4−0.32Li4ZrO4等が例示される。 高分子錯体固体電解質としては、(PEO)4.5−LiB
F4,(PPO)9−LiCF3SO3,(PEO)4.5−NaSCN,(PPO)
12−NaCF3SO3,(PEO)19−NaI,(PEO)4.5−KSCN,(PE
O)8−CsSCN等が挙げられる。 本発明では、上述の色素,電解質媒体よりなる感電熱
組成物を造粒して発消色材料となる微粒子とするが、こ
こで多色記録を可能とするために発色の異なる色素〔例
えばフルカラー記録するためにはRGB(赤,緑,青)あ
るいはYMC(イエロー,マゼンタ,シアン)の各色に発
色する色素〕を含有する複数の微粒子を用意するととも
に、各微粒子の誘電率,誘電正接(tanδ)等の誘電特
性の周波数依存性に差異を設けておく。 各微粒子の誘電特性の周波数依存性に差異を設ける方
法としては、具体的には色素の構造を反映させる微粒子
全体の見掛け上の誘電特性を変化させる方法や、電解質
媒体中の絶縁性媒体,固体電解質に誘電特性の周波数依
存性の異なる材料を選択して使用する方法等が挙げられ
る。 例えば、加熱時間の短縮化を目的として塩化ビニル等
の双極子能率が高いポリマーをベースポリマーに選び、
これに酢酸ビニル等を共重合させることで誘電特性に差
を持たせることができる。 あるいは、絶縁性媒体として用いるポリマーの種類に
より誘電率,誘電正接等の誘電特性に差を持たせるよう
にしてもよい。 第1図は各種ポリマーの誘電正接の周波数依存性を示
すものである。なお、図中曲線Aはフェノール樹脂、曲
線Bは可塑化ポリ塩化ビニル、曲線Cは塩化ビニル−塩
化ビニリデン共重合体、曲線Dはポリ塩化ビニル、曲線
Eはポリメチルメタクリレート、曲線Fはポリクロロト
リフルオロエチレン、曲線Gはポリアミド(ナイロン6
・6)、曲線Hはポリクロロブタジエン(ネオプレ
ン)、曲線Iはエチルセルロース、曲線Jはエポキシ樹
脂、曲線Kはシリコーンゴム、曲線Lはポリウレタンフ
ォームの特性を示す。 この第1図からも明らかなように、ポリマーの種類に
よって誘電正接の周波数特性に大きな差が見られる。エ
ポキシ樹脂とポリクロロトリフルオロエチレンを例にと
れば、エポキシ樹脂の誘電正接は周波数109Hz近傍で最
大値を示すのに対して、ポリクロロトリフルオロエチレ
ンの誘電正接は周波数103Hz近傍で最大値を示し、その
値は逆転している。 したがって、例えばエポキシ樹脂とポリクロロトリフ
ルオロエチレンをそれぞれ絶縁性媒体とする微粒子を造
粒すれば、前者は109Hzの交流電位を印加したときに発
熱し、後者は103Hzの交流電位を印加したときに発熱す
ることになる。 前述の観点から選んだ色素,電解質媒体を含有し各色
に発色する感電熱組成物を別個に微粒子化するが、微粒
子化の方法としては従来より知られる手法がいずれも採
用可能で、例えばスプレードライ法(噴霧乾燥法)等に
よればよい。各微粒子の粒径は所望の解像度等に応じて
適宜設定すればよいが、通常は0.1μmから数十μm程
度の範囲内に選定される。 なお、例えば先の絶縁性媒体に色素,電解質を相溶さ
せた時に軟化点がどのような挙動をとるかを予測するこ
とは難しいので、予め実験を行い溶融に必要な熱量が略
同一になるように各微粒子の組成を調整することが好ま
しい。この場合、色素や電解質を量的に制御するだけで
あってもよいし、必要に応じて他の補助添加物を加えて
もよい。 以上により得られた微粒子は、所定の比率(例えば全
発色させたときに黒色が得られる比率)で混合され、基
体上に塗布・固定されカラー記録紙とされる。この場
合、微粒子自体の接着性により基体に定着するようにし
てもよいし、結合剤,定着剤等を用いて定着するように
してもよい。 上述の各微粒子が分散される基体としては、電気伝導
性を有することが好ましい。したがって、紙やプラスチ
ックフィルムの表面に導電膜を被着したものや、金属シ
ート等それ自体が導電性を有する材料のシートあるいは
導電性材料を混入したプラスチックフィルム等が使用さ
れる。また、画像に対する影響等を考慮して、基体の色
は白色であることが好ましい。 上述の構成のカラー記録紙は、交流電位と直流電流に
よりその発消色状態が制御され、したがって例えば周波
数の異なる交流電位と発色に必要な直流電流の両者を同
時に与えることのできる電極等を用いて従来の感熱記録
方式と同様容易に画像や文字等を書き込むことができ
る。 すなわち、本発明のカラー記録紙に書き込みを行うに
は、電極(例えば走査電極ヘッド)を基体上の微粒子と
接触させ、導電性を有する基体との間に画像信号,印字
信号等に応じて所定の周波数の交流もしくは交番電位を
印加し、微粒子を選択的に発熱させ、加熱溶融せしめ
る。この間、両電極(走査電極ヘッドと基体)間に発色
に必要な直流電圧を重畳させておけば、前記加熱溶融さ
れた微粒子のみが選択的に発色される。なお、交流電位
と直流電圧は同時に印加するようにしてもよいし、交流
電位を印加して加熱溶融した後直流電圧を印加するよう
にしてもよい。 電極には、画素に対応した電極を記録紙の幅方向に走
査し紙送りに伴って順次画像を形成して行く走査電極ヘ
ッドの他、記録紙の幅と略同一の幅を有しそれぞれ微粒
子の誘電特性に応じて異なる周波数の交流電位が印加さ
れるライン電極を3本並列に配置したものや、面状アレ
イとされたもの等が使用可能である。この場合には1回
の走査あるいは1回の通電によりフルカラー画像の形成
が可能である。 また、書き込みに際しては、予め全面を無色の状態に
しておき各粒子を順次発色させるようにしてもよいし、
逆に予め全面を発色状態としておき各粒子を順次消色さ
せるようにしてもよい。 〔作用〕 交流電界に置かれた誘電体の誘電体損失Wは、一般に
次式 W≒2πfεsCoV2tanδ f:周波数 εs:誘電体の比誘電率 Co:真空中での電極間の静電容量 V:印加電圧 で表される。 したがって、高周波加熱を行った時の発熱量(≒誘電
体損失)は、印加電圧Vを一定とするとf×εs×tanδ
に応じて変化する。 本発明のカラー記録紙では、各色の微粒子毎にこれら
比誘電率,誘電正接(tanδ)等の誘電特性が異なるの
で、印加する交流電位の周波数に応じて所定の微粒子の
みが選択的に発熱し、発消色されることになる。 〔実施例〕 以下、本発明の具体的な実施例について詳細に説明す
るが、本発明がこれら実施例に限定されるものでないこ
とは言うまでもない。 実施例1 本実施例は、第1図中曲線Jで示される誘電特性を誘
電エポキシ樹脂、曲線Dで示される誘電特性を有するポ
リ塩化ビニル、曲線Fで示される誘電特性を有するポリ
クロロトリフルオロエチレンを電解質媒体の絶縁性媒体
として用い、フルカラー記録を試みたものである。 先ず、下記の組成を有する各組成物を予め各ポリマー
の融点以上に加熱し各成分を相溶させた後、溶媒中に溶
解し、40℃加熱した窒素気流中に噴霧・乾燥して球形粒
子を得た。 次いで、得られた粒子を室温で真空乾燥し、残留溶媒
を除いた後、さらに必要に応じて分級を行い、精度良く
揃った粒子を得た。 上述の手法によりイエロー色粒子Y,マゼンタ色粒子M,
シアン色粒子Cをそれぞれ造粒し、第2図に示すように
導電性を有する基体(1)上に分散させた。 各粒子の組成を以下に示す。 イエロー色粒子 エポキシ樹脂 …0.2重量部 ミリスチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド…
0.1重量部 フルオラン骨格の置換基を変えることによって得られた
イエローに発色するフルオラン化合物(保土ヶ谷化学社
製,商品名HM−1) …0.05重量部 マゼンタ色粒子 ポリ塩化ビニル …0.2重量部 ミリスチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド…
0.1重量部 フルオラン骨格の置換基を変えることによって得られた
マゼンタに発色するフルオラン化合物(保土ヶ谷化学社
製,商品名HM−1) …0.05重量部 シアン色粒子 ポリクロロトリフルオロエチレン …0.2重量部 ミリスチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド…
0.1重量部 フタリド骨格に置換基を導入してシアン色に発色するフ
タリド化合物(保土ヶ谷化学社製,商品名HC−1)…0.
05重量部 作製されたカラー記録紙に対し、第3図に示すよう
に、周波数を切り換えることができる交流電源(2)及
び直流電源(3)に接続される走査電極ヘッド(4)を
接触させ、交流電位の周波数を切り換えながら直流電圧
を印加してイエロー色粒子Y,マゼンタ色粒子M,シアン色
粒子Cを選択的に発色させた。 先ず、109Hzの交流電位を印加すると、第1図に示す
ようにこの周波数で誘電正接が最も大きな値となるエポ
キシ樹脂を含んだイエロー色粒子Yのみが発熱し、重畳
される直流電圧によってイエロー色に発色した。 次に8×104Hzの交流電位を印加すると、ポリ塩化ビ
ニルを含んだマゼンタ色粒子Mのみが発熱し、マゼンタ
色に発色した。 同様に、103Hzの交流電位を印加すると、ポリクロロ
トリフルオロエチレンを含んだシアン色粒子Cが選択的
に発熱し、シアン色に発色した。 また、各微粒子の発色濃度は、直流電圧の印加時間を
調整することによりコントロールすることができた。 そこで、画像信号に応じて109Hz,8×104Hz,103Hzの交
流電位を印加し、走査電極ヘッドを記録紙の幅方向に走
査しながら記録紙を順次紙送りすると、フルカラー画像
が形成された。 実施例2 本例ではポリマーの種類を変え、先の実施例1と同様
にフルカラー画像形成を試みた。 本例で電解質媒体の絶縁性媒体として用いたポリマー
は、第1図中曲線Hで示される誘電特性を有するポリク
ロロブタジエン(ネオプレン)、曲線Gで示される誘電
特性を有するポリアミド(ナイロン6・6)、曲線Fで
示される誘電特性を有するポリクロロトリフルオロエチ
レンである。 これらポリマーを順にイエロー色粒子Y,マゼンタ色粒
子M,シアン色粒子Cの絶縁性媒体として、実施例1と同
様の手法によりカラー記録紙を作製した。 その結果、本実施例においてもイエロー色粒子,マゼ
ンタ色粒子,シアン色粒子の発色状態を個別に制御する
ことができ、フルカラー表示が可能であることが確認さ
れた。 すなわち、107Hzの交流電位を印加することでイエロ
ー色粒子Yが、8×104Hzの交流電位を印加することで
マゼンタ色粒子Mが、103Hzの交流電位を印加すること
でシアン色粒子Cがそれぞれ発熱し、直流電圧の印加で
発色した。 〔発明の効果〕 以上の説明からも明らかなように、本発明のカラー記
録紙においては、発色及び誘電特性の異なる複数の微粒
子を発消色材料としているので、これら各微粒子の発消
色状態を印加する交流電位の周波数によって個別に制御
することができる。 したがって、フルカラー表示や階調表示が可能で、品
質の高い画像,印字を形成することが可能である。 また、本発明のカラー記録紙では、単に交流電位,直
流電位のいずれかを印加するだけでは発色することはな
く、地汚れや不用意な発色が起こる可能性は非常に小さ
いことから、保存性,安定性に優れた記録紙とすること
ができる。 さらに本発明のカラー記録紙は、例えば交流電源と直
流電源の両者に接続される電極ヘッドを用いて容易に画
像,印字を形成することができ、記録装置の構成も簡便
なもので済むという利点も有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は各種ポリマーの誘電正接の周波数依存性を示す
特性図である。 第2図は本発明を適用したカラー記録紙の構成例を模式
的に示す要部拡大断面図であり、第3図はカラー記録紙
への記録方法の一例を模式的に示す要部拡大断面図であ
る。 1……基体 4……走査電極ヘッド Y,M,C……微粒子

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化還元反応により発消色する色素と加熱
    により該色素の酸化還元反応を起こさせるに充分な電気
    伝導度となる電解質媒体とからなる微粒子を発消色材料
    とし、互いに異なる色に発色するとともに異なる誘電特
    性を有する複数の微粒子が基体上に保持されたことを特
    徴とするカラー記録紙。
JP63017827A 1988-01-28 1988-01-28 カラー記録紙 Expired - Fee Related JP2681960B2 (ja)

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