JP2016082009A - 有機発光素子及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定性の高い発光素子を提供する。
【解決手段】有機化合物層が下記一般式[1]で示される金属錯体化合物を有する有機発光素子。
Figure 2016082009

[1]〔Mはアルカリ金属、Xは酸素原子または硫黄原子、R乃至R14は、水素原子、ハロゲン原子、またはシアノ基、で置換されたアルキル基、フッ素置換または無置換のアルコキシ基、置換または無置換アリール基から選ばれる。〕
【選択図】なし

Description

本発明は金属錯体化合物及びこれを有する有機発光素子及び表示装置に関する。
有機発光素子は陽極と陰極と、それら両電極間に配置される有機化合物層とを有する素子である。有機発光素子は、前記各電極から注入させる正孔(ホール)及び電子が有機化合物層である発光層内で再結合することで励起子が生成し、励起子が基底状態に戻る際に光が放出される。有機発光素子の最近の進歩は著しく、駆動電圧が低く、多様な発光波長、高速応答性、薄型、軽量の発光デバイス化が可能である。
有機発光素子において、電子注入性の向上、即ち陰極から電子の注入されやすくなることは素子の低電圧化に重要である。一般的にフッ化リチウムのような無機材料が知られているが、吸湿性があり、素子の寿命に対して改善の余地がある。また、有機金属化合物であるリチウムキノリノールのような金属錯体化合物も知られているが、錯体の吸湿性があり、錯体自体も水に易溶である。
また、非特許文献1には2−(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンチオールを配位子に用いたリチウム錯体化合物とその合成例がある。また非特許文献2には2−(ジフェニルホスフィノ)フェノールを配位子に用いたナトリウム錯体化合物とその合成例はある。しかしながらいずれにも有機発光素子に用いられることは説明されていない。
Journal of the American Chemical Society(2005),127,(29),10436−10447 Inorganic Chemistry(2006),45,(2),511−513
電子注入材料として知られているフッ化リチウムのような金属塩は水溶性である。これを有機発光素子の層に用いることは発光素子に対し安定性を低下させる因子となる。
そこで、本発明者らは非水溶性の材料の開発を行っている。その目的は、水分に対して安定な有機化合物層を有する、安定性の高い有機発光素子を提供することにある。
よって本発明は、
陽極と陰極と、前記陽極と前記陰極の間に配置される有機化合物層とを有する有機発光素子において、前記有機化合物層が下記一般式[1]で示される金属錯体化合物を有することを特徴とする有機発光素子を提供する。
Figure 2016082009

[1]
〔式[1]において、
Mはアルカリ金属、
Xは酸素原子または硫黄原子、
乃至R14は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、フッ素置換されているか無置換のアルキル基、フッ素置換されているか無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアリール基からそれぞれ独立に選ばれる。〕
本発明によれば、水分への溶解性の低い配位子である2−(ジフェニルホスフィノ)フェノール又は2−(ジフェニルホスフィノ)ベンゼンチオールを骨格とする配位子を有するアルカリ金属錯体化合物を有機化合物層が有する有機発光素子を提供できる。そしてそれにより安定な有機発光素子を提供することができる。
本実施形態に係る有機発光素子と、この有機発光素子に接続するスイッチング素子とを示す断面模式図である。 本実施形態に係る有機発光素子を有する画像形成装置の模式図である。 本実施形態に係る有機発光素子を有する露光器の模式図である。 本実施形態に係る有機発光素子を有する照明装置の模式図である。
本発明に係る発光素子は、
陽極と陰極と、前記陽極と前記陰極の間に配置される有機化合物層とを有する有機発光素子において、前記有機化合物層が下記一般式[1]で示される金属錯体化合物を有することを特徴とする有機発光素子である。
Figure 2016082009

[1]
〔式[1]において、
Mはアルカリ金属、
Xは酸素原子または硫黄原子、
乃至R14は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、フッ素置換されているか無置換のアルキル基、フッ素置換されているか無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアリール基からそれぞれ独立に選ばれる。〕
(本発明に係る有機発光素子の層構成の説明)
本発明に係る有機発光素子の層構成を説明する。
本発明に係る有機発光素子は、互いに対向し合う一対の電極である陽極と陰極と、それらの間に配置される有機化合物層とを少なくとも有する発光素子である。そして本発明に係る有機発光素子は、下記一般式[1]で示される金属錯体化合物を有機化合物層が有する有機発光素子を提供することができる。有機化合物層は例えば陰極と接する層、具体的には電子注入層として用いることができる。
本発明に係る有機発光素子の素子構成としては、基板上に以下に示す有機化合物層を順次積層した多層型の素子構成を例示する。有機化合物層は以下の(1)乃至(6)においては、正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、正孔輸送層、正孔注入層である。なお、発光材料を有する層が発光層である。
(1)陽極/発光層/陰極
(2)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(3)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(5)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(6)陽極/正孔輸送層/電子阻止層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
ただしこれらの素子構成例はあくまでごく基本的な素子構成であり、本発明に係る金属錯体化合物を用いた有機発光素子の構成はこれらに限定されるものではない。
例えば、電極と有機化合物層界面に、電子や正孔といったキャリアが注入できるほどの絶縁性層を設けることができる。他にも接着層あるいは干渉層を設ける、電子輸送層もしくは正孔輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる二層から構成されるといった層構成をとることができる。更に他にも発光層が発光材料の異なる二層から構成されるなど多様な層構成をとることができる。
その場合、基板側の電極から基板を介して光を取り出すいわゆるボトムエミッション方式でも、基板と逆側から基板を介さず光を取り出すいわゆるトップエミッション方式でも良い。あるいは両方から光を取り出す両面取り出しの構成でもよい。
また上記素子構成の中では、電子阻止層及び正孔阻止層を共に有している構成(6)が好ましく用いられる。構成(6)では正孔と電子の両キャリアを発光層内に閉じ込めることができるので、キャリア漏れがなく発光効率が高い発光素子を得ることができる。
(本発明に係る金属錯体化合物の説明)
本発明に係る金属錯体化合物は下記一般式[1]で示される。
Figure 2016082009

[1]
〔式[1]において、
Mはアルカリ金属、
Xは酸素原子または硫黄原子、
乃至R14は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、フッ素置換されているか無置換のアルキル基、フッ素置換されているか無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアリール基からそれぞれ独立に選ばれる。〕
Mで表されるアルカリ金属の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビシウム、セシウムである。より好ましくはリチウムやナトリウムである。
乃至R14で表されるハロゲン原子の具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素である。
乃至R14で表されるアルキル基は、好ましくは炭素原子数1以上6以下のアルキル基であり、炭素原子数1以上6以下のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基が挙げられる。これらのアルキル基の中でも、メチル基もしくはtert−ブチル基であることがより好ましい。これら具体例は上述するように無置換体であってもあるいは置換基を有してもよい。
乃至R14で表されるアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。これらのアルコキシ基の中でも、メトキシ基もしくはエトキシ基であることが好ましい。これら具体例は上述するように無置換体であってもあるいは置換基を有してもよい。
乃至R14で表される無置換のアリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオレニル基、ビフェニレニル基、アセナフチレニル基、クリセニル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、ピセニル基、フルオランテニル基、ペリレニル基、ナフタセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。これらの芳香族炭化水素基の中でも、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基もしくはビフェニル基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。これら具体例は上述するように無置換体であってもあるいは置換基を有してもよい。この置換基に制限はないが、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、置換アミノ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、アリール基から選ばれる基であることが好ましい。
更にこの置換基がアルキル基である場合、それはR乃至R23で述べたアルキル基の具体例と同様であり、炭素原子数1以上6以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基、tert−ブチル基であることがより好ましい。
あるいはこの置換基がハロゲン原子である場合、ハロゲン原子の具体例は、R乃至R16で表されるハロゲン原子の具体例と同様である。
あるいはこの置換基がアルコキシ基である場合、アルコキシ基の具体例は、R乃至R16で表されるアルコキシ基の具体例と同様である。
あるいはこの置換基が置換アミノ基である場合、置換アミノ基の具体例は、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−メチル−N−エチルアミノ基、N−ベンジルアミノ基、N−メチル−N−ベンジルアミノ基、N,N−ジベンジルアミノ基、アニリノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジナフチルアミノ基、N,N−ジフルオレニルアミノ基,N−フェニル−N−トリルアミノ基、N,N−ジトリルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジアニソリルアミノ基、N−メシチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジメシチルアミノ基、N−フェニル−N−(4−tert−ブチルフェニル)アミノ基、N−フェニル−N−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミノ基等が挙げられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
あるいはこの置換基がアリール基である場合、アリール基の具体例は、R乃至R16で表されるアリール基の具体例と同様であり、フェニル基、ナフチル基、フルオレニル基もしくはビフェニル基であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
一般式[1]の説明において、R乃至R14はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、フッ素置換されていても良いアルキル基、フッ素置換されていても良いアルコキシ基、置換あるいは無置換のアリール基からそれぞれ独立に選ばれることを挙げた。
このうち前記ハロゲン原子はフッ素原子、前記無置換のアルキル基は炭素数1から4のアルキル基、前記無置換のアリール基はフェニル基であることが好ましい。
(本発明に係る金属錯体化合物の性質について)
本発明に係る金属錯体化合物は、アルカリ金属塩やアルカリ金属錯体化合物より、安定性が向上している。一般的にアルカリ金属塩やアルカリ金属錯体化合物は安定性が低く、水に対して吸湿して水和したり、イオン化してしまう。これはアルカリ金属イオンがHSAB則(Hard and Soft Acids and Bases則)より硬い酸であり、硬い塩基である水イオンと反応しやすいことに原因がある。
そこで本発明の金属錯体化合物は、以下の設計を行った。
・配位子の水に対する溶解性を低くする
このような設計を行うことで水に対してほとんど溶解しない金属錯体化合物を見出すことに成功し、この錯体を有機発光素子に用いることで安定な発光素子を作り出すことができた。
これらについてさらに詳細に説明をする。
配位子において水との親和性を下げるために芳香族基を多く有する配位子を用いることが挙げられる。Li錯体部分に対して体積比で芳香族性基を多くすることで、水に対する親和性を下げて水分に対して安定な錯体にすることができる。
これらの条件を満たす材料を鋭意検討した結果、本発明で記載されている金属錯体化合物を発光素子に用いるに至った。
本発明の発光素子にはアルカリ金属を有する金属錯体化合物を用いる。その金属を含む環構造、即ち一般式[1]に示されているリン原子とフェニル環とXとMで構成される環構造は5員環で形成され、アルカリ金属は酸素または硫黄原子と共有結合している。また、3価のリン原子を含むトリフェニルホスフィンを骨格内に有すために、電子輸送性配位子であるとともに、水に対して不溶な金属錯体化合物を得ることができる。
また、このトリフェニルホスフィンとアルカリ金属が配位状態となっていることで1価のアルカリ金属が安定化され、昇華可能な錯体となる。
この化合物の水に対する安定性を調べるためにガラス基板上に蒸着膜を100nmの厚さで作製して水を滴下後、10分後に膜の状態を膜厚段差計(Alpha−Step)を用いて調べた。比較として電子注入材料として用いられているフッ化リチウム、フッ化セシウムを使用した結果が表1である。
Figure 2016082009
この結果より、フッ化リチウム、フッ化セシウムといったアルカリ金属塩は水に浸すとすぐに溶解した。一方、本発明の金属錯体化合物はどちらも水に対して溶解性を示さず、疎水性の化合物であることが分かる。このような化合物を有機電界素子の電極と接する層に用いることで、安定した有機電界素子を作り出すことができる。
(本実施形態に係る金属錯体化合物を用いた有機発光素子の性質について)
本発明に係る金属錯体化合物は、陽極と陰極の間に配置される有機化合物層に含まれているが、本実施形態に係る金属錯体化合物は陰極と接する有機化合物層に含まれる。そして有機発光素子は別の有機化合物層、例えば陰極と接する有機化合物層と有機化合物を有する発光層の間の有機化合物層に設けられてもよい。その他、陰極と接する有機化合物層に含まれるあるいは含まれていない上で発光層より陽極側のホール輸送層、ホール注入層の少なくともいずれか1層が別の有機化合物層として本実施形態に係る金属錯体化合物を有してもよい。
正孔阻止層とはホール(正孔)をブロックする層の意味として用いられるが、本発明では、発光層に隣接する層のことを正孔阻止層や電子輸送層と呼ぶ。
発光層は複数種の成分から構成されていてよく、それらを主成分と副成分とに分類することができる。主成分とは発光層を構成する全化合物の中で重量比が最大の化合物であり、ホスト材料と呼ぶことができる。
副成分とは主成分以外の化合物である。副成分はゲスト(ドーパント)材料、発光アシスト材料、電荷注入材料と呼ぶことができる。発光アシスト材料と電荷注入材料は同一の構造の有機化合物であっても異なる構造の有機化合物であっても良い。これらは副成分であるものの、ゲスト材料と区別する意味でホスト材料2と呼ぶこともできる。
ここでゲスト材料とは、発光層内で主たる発光を担う化合物である。これに対してホスト材料とは、発光層内でゲスト材料の周囲にマトリックスとして存在する化合物であって、主にキャリアの輸送、及びゲスト材料への励起エネルギー供与を担う化合物である。
ゲスト材料の濃度は、発光層の構成材料の全体量を基準として、0.01wt%以上50wt%以下であり、好ましくは0.1wt%以上20wt%以下である。さらに好ましくは、濃度消光を防ぐためにゲスト材料の濃度は10wt%以下であることが望ましい。またゲスト材料はホスト材料からなる層全体に均一に含まれてもよいし、濃度勾配を有して含まれてもよいし、特定の領域に部分的に含ませてゲスト材料を含まないホスト材料層の領域を設けてもよい。
発光層は単層でも複層でも良いし、2種類以上の発光色を有する発光材料を含むことで混色させることも可能である。複層とは発光層と別の発光層とが積層している状態を意味する。この場合、有機発光素子の発光色は青から緑、赤であるが、特に制限はない。
より具体的には白色でもよいし、中間色でもよい。白色の場合、発光層によって赤色、青色や緑色を発光する。また、製膜方法も蒸着もしくは塗布製膜で製膜を行う。
本実施形態に係る有機発光素子は、有機化合物層が発光部を有し、この発光部が複数の発光材料を有することもできる。これら複数の発光材料のうちのいずれか2つは互いに異なる光を発する発光材料であり、これらを有する素子が白色を発する素子であってよい。
本発明に係る金属錯体化合物は、有機発光素子の電極に接する有機化合物層(例えば電子注入層)に含まれる。この有機化合物層はこの金属錯体化合物単独で構成されていてもよいが、他の材料と混合させて用いることが好ましい。本実施形態に係る金属錯体化合物(ホストあるいはゲスト)と第2の化合物(ゲストあるいはホスト)との混合比は、100:0乃至20:80であることが好ましく、50:50であることがより好ましい。存在比(重量比)も同様に100:0乃至20:80であることが好ましく、50:50であることがより好ましい。
即ち本実施形態に係る金属錯体化合物は、電子注入層のホストとして使用してもよいし、ゲストとして使用してもよい。また電子注入層に含まれ得るアシスト材料として使用してもよい。
ここでホストとは、電子注入層を構成する化合物の中で重量比が最も大きい化合物である。またゲストとは、電子注入層を構成する化合物の中で重量比がホストよりも小さい化合物である。またアシスト材料とは、電子注入層を構成する化合物の中で重量比がホストよりも小さい化合物である。尚、アシスト材料は、第2のホストとも呼ばれている。
(本発明に係る金属錯体化合物の例示)
以下に本発明に係る金属錯体化合物の具体的な構造式を例示する。
Figure 2016082009
Figure 2016082009
Figure 2016082009
例示化合物のうちA群に示す化合物は、リチウム錯体化合物である。リチウムは分子量が小さく、イオン化エネルギーも小さいために安定した錯体を形成することができる。そのため、耐水性に優れ、昇華性も良い材料を作ることができる。
例示化合物のうちB群に示す化合物は、ナトリウム錯体化合物である。ナトリウムは分子量が小さく、イオン化エネルギーもやや小さいために安定した錯体を形成することができる。そのため、耐水性に優れ、昇華性も良い材料を作ることができる。
例示化合物のうちC群に示す化合物は、カリウム錯体化合物である。カリウムは分子量がやや小さく、イオン化エネルギーもやや小さいために安定した錯体を形成することができる。そのため、耐水性、注入性に優れ、昇華性も良い材料を作ることができる。
例示化合物のうちD群に示す化合物は、ルビシウム錯体化合物である。ルビシウムは分子量がやや大きく、イオン化エネルギーもやや大きいため昇華性は劣るが、注入性に優れている。そのため、耐水性、注入性に優れた良い材料を作ることができる。
例示化合物のうちE群に示す化合物は、セシウム錯体化合物である。セシウムは分子量が大きく、イオン化エネルギーも大きいため昇華性は劣るが、注入性に非常に優れている。そのため、注入性に優れた良い材料を作ることができる。
(本発明に係る金属錯体化合物の合成方法)
次に、本実施形態に係る金属錯体化合物の合成方法を説明する。本実施形態に係る金属錯体化合物は、例えば、下記に示す反応スキームに従って合成される。
Figure 2016082009
M1、M2に用いられている水素原子にアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、フッ素原子、メトキシ基、シアノ基といった置換基を導入することができる。さらにM2は水酸基をチオール基に変更することができる。M4の水酸化リチウムは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビシウム、水酸化セシウムに置き換えることができる。これらより種々の金属錯体化合物を作ることができることを見出した。また、M3の試薬が販売されている場合はM3から合成することも可能である。こうした反応スキームから合成した化合物の一例を実施例に挙げた。
上記合成スキームにて示されるように、本実施形態に係る金属錯体化合物は合成される。
(本発明に係る有機発光素子が有してよい他の材料について)
本発明に係る有機発光素子はその他種々の材料を有してもよい。本実施形態に係る金属錯体化合物以外にも、必要に応じて低分子系及び高分子系の発光材料、ホール注入性化合物あるいはホール輸送性化合物、ホストとなる化合物、発光性化合物、電子注入性化合物あるいは電子輸送性化合物等を一緒に有することができる。
以下にこれらの化合物例を挙げる。
正孔注入輸送性材料としては、陽極からの正孔の注入を容易にして、かつ注入された正孔を発光層へ輸送できるように正孔移動度が高い材料が好ましい。また有機発光素子中において結晶化等の膜質の劣化を防ぐために、ガラス転移点温度が高い材料が好ましい。正孔注入輸送性能を有する低分子及び高分子系材料としては、トリアリールアミン誘導体、アリールカルバゾール誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられる。さらに上記の正孔注入輸送性材料は、電子阻止層にも好適に使用される。
以下に、正孔注入輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2016082009
主に発光機能に関わる発光材料としては、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、テトラセン誘導体、アントラセン誘導体、ルブレン等)、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、イリジウム錯体、白金錯体、レニウム錯体、銅錯体、ユーロピウム錯体、ルテニウム錯体、及びポリ(フェニレンビニレン)誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体等の高分子誘導体が挙げられる。
以下に、発光材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2016082009
発光層に含まれる発光層ホストあるいは発光アシスト材料としては、芳香族炭化水素化合物もしくはその誘導体の他、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機ベリリウム錯体等が挙げられる。
以下に、発光層に含まれる発光層ホストあるいは発光アシスト材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2016082009
電子輸送性材料としては、陰極から注入された電子を発光層へ輸送することができるものから任意に選ぶことができ、正孔輸送性材料の正孔移動度とのバランス等を考慮して選択される。電子輸送性能を有する材料としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、クリセン誘導体、アントラセン誘導体等)が挙げられる。さらに上記の電子輸送性材料は、正孔阻止層にも好適に使用される。
以下に、電子輸送性材料として用いられる化合物の具体例を示すが、もちろんこれらに限定されるものではない。
Figure 2016082009
陽極の構成材料としては仕事関数がなるべく大きなものがよい。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン等の金属単体あるいはこれらを組み合わせた合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。またポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーも使用できる。
これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また、陽極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
一方、陰極の構成材料としては仕事関数の小さなものがよい。例えばリチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム等の金属単体が挙げられる。あるいはこれら金属単体を組み合わせた合金も使用することができる。例えばマグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム、アルミニウム−マグネシウム等が使用できる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また陰極は一層構成でもよく、多層構成でもよい。
本発明の有機発光素子を構成する有機化合物層(正孔注入層、正孔輸送層、電子阻止層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等)は、以下に示す方法により形成される。
発明の有機発光素子を構成する有機化合物層は、真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマ等のドライプロセスを用いることができる。またドライプロセスに代えて、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により層を形成するウェットプロセスを用いることもできる。
ここで真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成すると、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
(本実施形態に係る有機発光素子の用途)
本発明の有機発光素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも電子写真方式の画像形成装置の露光光源、液晶表示装置のバックライト、カラーフィルターレスの白色光源、カラーフィルターと白色光源等とを有する発光装置などの用途がある。
カラーフィルターは例えば赤、緑、青の3つの色の少なくともいずれかが透過するフィルターである。白色の色度を調整するためのフィルターと白色光源とを組み合わせた発光装置でもよい。
表示装置は、本実施形態の有機発光素子を表示部に有する。この表示部は複数の画素を有する。そしてこの画素は本実施形態の有機発光素子と、有機発光素子に接続されている能動素子とを有する。
能動素子の一例として発光輝度を制御するためのスイッチング素子或いは増幅素子が挙げられ、より具体的には、トランジスタが挙げられる。
この有機発光素子の陽極又は陰極とトランジスタのドレイン電極又はソース電極とが電気接続されている。ここで表示装置はPC等の画像表示装置として用いることができる。
表示装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの画像情報を入力する入力部を有し、入力された画像を表示部に表示する画像情報処理装置でもよい。
また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部として、外部から入力された画像情報を表示する画像出力機能と操作パネルとして画像への加工情報を入力する入力機能との両方を有していてもよい。また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
照明装置は例えば室内を照明する装置である。照明装置は白色、昼白色、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってよい。
本実施形態において白色とは色温度が4200Kで昼白色とは色温度が5000Kである。照明装置は更にカラーフィルターを有してもよい。
本実施形態に係る照明装置は、本実施形態に係る有機発光素子とそれに接続され、交流電圧を直流電圧に変換し駆動電圧を供給するためのAC/DCコンバーターを有している。AC/DCコンバーターはフォトプロセスで作成されたAC/DCコンバーター回路でもよい。
本実施形態に係るAC/DCコンバーターは、交流電圧を直流電圧に変換する回路でもよい。
本実施形態に係る画像形成装置は、感光体と、この感光体を帯電、例えば感光体表面を帯電させるための帯電部と、感光体を露光するための露光部と、感光体の表面に形成された静電潜像を現像するための現像器とを有する画像形成装置である。そして露光手段は、本実施形態の有機発光素子を有する。
露光部としては、例えば本実施形態に係る有機発光素子を有する露光機が挙げられる。露光機が有する有機発光素子は、列を形成して並んでいてもよいし、露光機の露光面全体が発光する形態でもよい。
また、本実施形態に係る金属錯体は有機発光素子以外の用途として、有機太陽電池、有機TFT、生体などの蛍光認識材料、フィルム、フィルターなどに用いることができる。
また、本実施形態に係る照明装置は、発光部や回路からの熱を装置の外部へ放熱する放熱板を有していてもよい。放熱板は、熱伝導率が高い金属で構成されていることが好ましく、例えばアルミニウムを有する金属があげられる。
本実施形態に係る画像形成装置は、感光体とこの感光体の表面を帯電させる帯電部と、感光体を露光する露光部と、感光体の表面に形成された静電潜像を現像する現像器とを有する画像形成装置であって、露光手段は、本実施形態の有機発光素子を有する。
露光部としては、例えば本実施形態に係る有機発光素子を有する露光機が挙げられる。露光機が有する有機発光素子は、列を形成して並んでいてもよいし、露光機の露光面全体が発光する形態でもよい。
また、本実施形態に係る金属錯体は有機発光素子以外の用途として、有機太陽電池、有機TFT、生体などの蛍光認識材料、フィルム、フィルターなどに用いることができる。
また、本実施形態に係る金属錯体は有機発光素子以外の用途として、有機太陽電池、有機TFT、生体などの蛍光認識材料、フィルム、フィルターなどに用いることができる。
次に、本実施形態の有機発光素子を使用した表示装置について図1を用いて説明する。
図1の表示装置1は、ガラス等の基板11とその上部にTFT素子又は有機化合物層を保護するための防湿膜12が設けられている。TFT18は金属のゲート電極13、ゲート絶縁膜14、半導体層15、ドレイン電極16、ソース電極17、を有している。TFT素子18の上部には絶縁膜19が設けられている。コンタクトホール20を介して有機発光素子を構成する陽極21とソース電極17とが接続されている。
尚、有機発光素子に含まれる電極(陽極、陰極)とTFTに含まれる電極(ソース電極、ドレイン電極)との電気接続の方式は、図1に示される態様に限られるものではない。つまり陽極又は陰極のうちいずれか一方とTFT素子ソース電極またはドレイン電極のいずれか一方とが電気接続されていればよい。
図1の表示装置1では有機化合物層を1つの層の如く図示をしているが、有機化合物層22は、複数層であってもよい。陰極23の上には有機発光素子の劣化を抑制するための第一の保護層24や第二の保護層25が設けられている。
図1の表示装置1ではスイッチング素子としてトランジスタを使用しているが、これに代えてMIM素子をスイッチング素子として用いてもよい。
また図1の表示装置1に使用されるトランジスタは、単結晶シリコンウエハを用いたトランジスタに限らず、基板の絶縁性表面上に活性層を有する薄膜トランジスタでもよい。活性層として、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、微結晶シリコンなどの非単結晶シリコン、インジウム亜鉛酸化物、インジウムガリウム亜鉛酸化物等の非単結晶酸化物半導体、透明酸化物半導体が挙げられる。尚、薄膜トランジスタはTFT素子とも呼ばれる。
図1の表示装置1に含まれるトランジスタは、Si基板等の基板内に形成されていてもよい。ここで基板内に形成されるとは、Si基板等の基板自体を加工してトランジスタを作製することを意味する。つまり、基板内にトランジスタを有することは、基板とトランジスタとが一体に形成されていると見ることもできる。
基板内にトランジスタを設けるかどうかについては、精細度によって選択される。例えば1インチでQVGA程度の精細度の場合はSi基板内に有機発光素子を設けることが好ましい。
本発明に係る有機発光装置は、有機発光素子の発光の制御のためのスイッチング素子を有してもよい。有機発光素子に接続されるスイッチング素子は、その活性領域に酸化物半導体を有してもよい。酸化物半導体は、アモルファスでも結晶でもあるいは両者の混在でもよい。
結晶は単結晶、微結晶、あるいはC軸等の特定軸が配向している結晶のいずれかあるいは少なくともいずれか2種の混合でもよい。
このようなスイッチング素子を有する有機発光装置は、それぞれの有機発光素子が画素として設けられる画像表示装置として用いられてもよく、あるいは照明装置として用いられてもよい。またレーザービームプリンタ、複写機等の電子写真方式の画像形成装置の感光体を露光するための露光光源として用いられてもよい。
図2は、本発明に係る画像形成装置26の模式図である。画像形成装置は感光体、露光光源、現像部、帯電部、転写器、搬送ローラー、定着器を有する。
露光光源28から光29が発せられ、感光体27の表面に静電潜像が形成される。この露光光源が本発明に係る有機発光素子を有する。現像器30はトナー等を有する。帯電部31は感光体を帯電させる。転写器32は現像された画像を記録媒体34に転写する。搬送ローラー33は記録媒体34を搬送する。記録媒体34は例えば紙である。定着器35は記録媒体に形成された画像を定着させる。
図3(a)および図3(b)には、露光光源28に発光部36が長尺状の基板に複数配置されている様子を示す模式図である。列状に配置されている複数の発光部の少なくとも1つが本実施形態に係る有機発光素子を有する。37の矢印は有機発光素子が配列されている列方向を表わす。この列方向は、感光体27が回転する軸の方向と同じである。この方向は感光体の長軸方向と呼ぶこともできる。
図3(a)は発光部を感光体の長軸方向に沿って配置した形態である。図3(b)は、(a)とは異なる形態であり、第一の列と第二の列のそれぞれにおいて発光部が列方向に交互に配置されている形態である。第一の列と第二の列は行方向に異なる位置に配置されている。
第一の列は、複数の発光部が間隔をあけて配置されている。第二の列は、第一の列の発光部同士の間隔に対応する位置に発光部を有する。すなわち、行方向にも、複数の発光部が間隔をあけて配置されている。
図4は、本発明に係る照明装置の模式図である。照明装置は基板と有機発光素子38、AC/DCコンバーター回路39を有している。また不図示の放熱板を例えば有機発光素子が載置されている側の基板面に対する裏面側に有していてもよい。
以上説明の通り、本発明の有機発光素子を用いた表示装置を駆動することにより、良好な画質で、長時間安定な表示が可能である。
[実施例1]
Figure 2016082009
例示化合物A1の合成
D1:556mg(2.0mmol/アルドリッチ社製)
D2:48mg(2.0mmol/アルドリッチ社製)
エタノール:20ml
この反応溶液に、トルエン50mlを加えて、徐々にトルエンが還流する温度まで温度を上げて、エタノールと反応で生成する水を留去しながら6時間撹拌させた。反応終了後、析出した結晶をろ過し、得られた結晶を真空乾燥し、A1を518mg(収率91%)で得た。
[DART−MS(JEOL社製Accutof+DART)]
実測値:m/z=283.55 計算値:C1814LiOP=284.09
[実施例2]
Figure 2016082009
F5の合成
F3:1.86g(10mmol/東京化成社製)
F4:2.76g(10mmol/東京化成社製)
酢酸カリウム:1.96g(20mmol/東京化成社製)
酢酸パラジウム:112mg(0.5mmol/東京化成社製)
ジメチルアセトアミド:100ml
この溶液を110℃まで加熱して10時間反応させた。反応終了後、溶媒を留去した後にクロロホルムに溶解させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム)で精製し、F5を2.10g(収率63%)得た。
例示化合物A8の合成
F5:668mg(2.0mmol/アルドリッチ社製)
F6:48mg(2.0mmol/アルドリッチ社製)
エタノール:20ml
この反応溶液に、トルエン50mlを加えて、徐々にトルエンが還流する温度まで温度を上げて、エタノールと反応で生成する水を留去しながら6時間撹拌させた。反応終了後、濃縮しながら析出した結晶をろ過し、得られた結晶を真空乾燥後、A8を537mg(収率79%)で得られた化合物の同定を行った結果を以下に示す。
[DART−MS(JEOL社製Accutof+DART)]
実測値:m/z=340.01 計算値:C2222LiOP=340.16
[実施例3]
実施例2において、化合物F4に代えて下記に示す化合物F7を使用する以外は、実施例2と同様の方法により例示化合物A14を得た。
Figure 2016082009
得られた化合物の同定を行った結果を以下に示す。
[DART−MS(JEOL社製Accutof+DART)]
実測値:m/z=301.11 計算値:C1813FLiOP=302.08
[実施例4]
実施例2において、化合物F3に代えて下記に示す化合物F9、化合物F4に代えて下記に示す化合物F8を使用する以外は、実施例2と同様の方法により例示化合物A36を得た。
Figure 2016082009
得られた化合物の同定を行った結果を以下に示す。
[DART−MS(JEOL社製Accutof+DART)]
実測値:m/z=345.69 計算値:C2017FLiPS=346.09
[実施例5、比較例1−2]
本実施例では、基板上に、陽極、ホール輸送層、電子ブロッキング層、発光層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、陰極が順次形成された有機発光素子を作製した。
まずガラス基板上に、ITOを成膜し、所望のパターニング加工を施すことによりITO電極(陽極)を形成した。このときITO電極の膜厚を100nmとした。このようにITO電極が形成された基板をITO基板として、以下の工程で使用した。
上記ITO基板上に、下記表2に示す有機化合物層及び電極層を連続成膜した。尚、このとき対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mmとなるようにした。
Figure 2016082009
ここで金属電極層を製膜する前に、素子を水中に浸漬を10分行い、その後120℃で真空乾燥を行ってから金属電極層の製膜を行った。
G1乃至G7は以下の表3に示される化合物と、本発明で用いられる金属錯体化合物、比較化合物(1)から(2)を用いて評価を行った。
Figure 2016082009
その結果、電圧4Vをかけて発光を確認した所、実施例に係る金属錯体化合物は発光を確認できたが(〇と表現)、比較化合物(1)から(2)は発光が確認できなかった。(×と表現)
これは水を浸漬した際に比較化合物が流出もしくは変質してしまい、電子注入性が失われてしまったことに起因すると思われる。
[実施例6−11]
基板上に、陽極、ホール輸送層、電子ブロッキング層、発光層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、陰極が順次形成された有機発光素子を作製した。
まずガラス基板上に、ITOを成膜し、所望のパターニング加工を施すことによりITO電極(陽極)を形成した。このときITO電極の膜厚を100nmとした。このようにITO電極が形成された基板をITO基板として、以下の工程で使用した。
上記ITO基板上に、下記表4に示す有機化合物層及び電極層を連続成膜した。尚、このとき対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mmとなるようにした。
Figure 2016082009
G1乃至G8は以下の表5に示される化合物と本発明で用いられる金属錯体化合物、を用いて評価を行った。
Figure 2016082009
また、実施例10に関して耐久寿命測定した所、1000cd/m2にて5%発光劣化するまでに1000時間以上の長寿命を示した。
[実施例12−14]
基板上に、陽極、ホール輸送層、電子ブロッキング層、発光層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、陰極が順次形成された有機発光素子を作製した。
まずガラス基板上に、ITOを成膜し、所望のパターニング加工を施すことによりITO電極(陽極)を形成した。このときITO電極の膜厚を100nmとした。このようにITO電極が形成された基板をITO基板として、以下の工程で使用した。
上記ITO基板上に、下記表6に示す有機化合物層及び電極層を連続成膜した。尚、このとき対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mmとなるようにした。
Figure 2016082009
G1乃至G8は以下の表7に示される化合物と本発明で用いられる金属錯体化合物、を用いて評価を行った。
Figure 2016082009
以上実施例を挙げて説明したように、本実施形態に係る金属錯体化合物を発光素子の電極に接する電子注入層に用いることにより、水に対して安定な素子を作製することができる。このことによって安定で長寿命な素子にすることができる。
以上説明したように、本発明に係る有機発光素子は、金属錯体化合物を陰極接する有機化合物層が一般式[1]に記載の金属錯体化合物を有することで、水や湿度に対して安定な有機発光素子となる。これにより、発光効率が高くて且つ寿命特性も良い有機発光素子を提供することができる。

Claims (11)

  1. 陽極と陰極と、前記陽極と前記陰極の間に配置される有機化合物層とを有する有機発光素子において、前記有機化合物層が下記一般式[1]で示される金属錯体化合物を有することを特徴とする有機発光素子。
    Figure 2016082009

    [1]
    〔式[1]において、
    Mはアルカリ金属、
    Xは酸素原子または硫黄原子、
    乃至R14は、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、フッ素置換されているか無置換のアルキル基、フッ素置換されているか無置換のアルコキシ基、置換あるいは無置換のアリール基からそれぞれ独立に選ばれる。〕
  2. 前記有機化合物層は、前記陰極と接していることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
  3. 前記有機化合物層の他に発光層を有し、前記有機化合物層と前記発光層の間に前記有機化合物層と前記発光層とは別の有機化合物層を有することを特徴とする請求項2に記載の有機発光素子。
  4. 前記アルカリ金属はリチウムであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  5. 前記ハロゲン原子はフッ素原子、前記無置換のアルキル基は炭素数1から4のアルキル基、前記無置換のアリール基はフェニル基であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  6. 複数の画素を有し、
    前記画素が、請求項1乃至5の何れか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に接続されている能動素子と、を有することを特徴とする、表示装置。
  7. 画像を表示するための表示部と、
    画像情報を入力するための入力部と、を有し、
    前記表示部が、請求項6に記載の表示装置であることを特徴とする、情報処理装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか一項に記載の有機発光素子と、
    前記有機発光素子に接続されているAC/DCコンバーターと、を有することを特徴とする照明装置。
  9. 前記トランジスタの活性層が透明酸化物半導体を有することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
  10. 感光体と、
    前記感光体を帯電させる帯電手段と、
    前記感光体を露光して静電潜像を形成するための露光手段と、
    前記感光体の表面に形成された静電潜像を現像するための現像手段と、を有する画像形成装置であって、
    前記露光手段が、請求項1乃至9の何れか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10に記載の画像形成装置であって、
    前記露光手段は複数の発光部を列状に有し、少なくとも1つの発光部が前記有機発光素子であることを特徴とする画像形成装置。
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