JP6466658B2 - 容器詰め飲料 - Google Patents

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Description

本発明は、アルギニンと、非還元糖を含有し、還元糖を含有しないことを特徴とする、容器詰め飲料に関する。なお本発明の飲料は、特定保健用食品、保健機能食品、食品、医薬品および医薬部外品の分野の飲料を含み得る。
容器詰め飲料は、そのpHにより、殺菌方法が異なり、pHが低いほど殺菌温度が低くなることが知られている(非特許文献1)
アルギニンは、アミノ酸の1種であり、滋養強壮成分として飲料に配合することが知られている(特許文献1)。さらに、pHが5.3〜7.5の中性や弱酸性飲料にアルギニンを配合することが知られている(特許文献2)。
「清涼飲料水」厚生労働省、食品、事業者向け情報、インターネット<http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/jigyousya/shokuhin_kikaku/dl/01.pdfl>
特開2001−187736公報 特開2013−51974号公報
しかしながら、アルギニンは併用成分、加熱、pHなどの影響により分解することが知られていた。そこで本発明は、pH4未満の糖質による甘みを有する容器詰め飲料において、アルギニンを安定に配合することを課題とする。
本発明者らは、かかる課題について鋭意検討した結果、甘味料として非還元糖を含有し、還元糖を含有しないことを特徴とするpH4未満の容器詰め飲料において、アルギニンを安定に配合し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明はアルギニンと、非還元糖を含有し、還元糖を含有しないことを特徴とする、pHが4未満の容器詰め飲料に関する。また、非還元糖として、還元澱粉糖化物を用いることが好ましい。
本発明は、糖類を含有するpH4未満の容器詰め飲料に、アルギニンを安定に配合し得るという効果を有する。
以下本発明を実施するための形態を説明する。
本発明で用いる、アルギニンは、D体、L体、DL体のいずれを用いてもよいが、L体を用いることが好ましい。飲料にアルギニンを配合する場合、アルギニンの配合量は、0.1〜3w/v%が適切である。
本発明の飲料に配合する非還元糖としては、還元澱粉糖化物や、エリトリトール、D−トレイトール、L−トレイトール、アラビニトール、キシリトール、アドニトール、D−イジトール、ダルシトール、ソルビトール、マンニトール等の糖アルコールが例示される。本発明においては、還元澱粉糖化物、ソルビトールから選択される1種又は2種を用いることが好ましい。非還元糖の配合量としては特に限定されないが、1〜15w/v%が適切である。
本発明の飲料は、還元糖を含有しない。還元糖は、塩基性溶液中でアルデヒド基またはケトン基を形成する糖のことである。還元糖は適当な酸化剤によって酸化されてアルドン酸、アルダル酸を与える。還元糖には例えばグルコース、フルクトース、グリセルアルデヒドなどの全ての単糖、ラクトース、アラビノース、マルトースなどのマルトース型二糖・オリゴ糖が含まれる。ケトン基を含む糖はケトース、アルデヒド基を含む糖はアルドースとして知られる。
本発明の飲料はpHを4未満に調整して用いる。pH調整剤としてはフィチン酸、クエン酸、グルコン酸、コハク酸、酢酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸などの有機酸、塩酸、リン酸などの無機酸、レモン果汁、リンゴ果汁などの酸性を呈する果汁と併用して調整してもよい。本発明においては、pH調製剤としてフィチン酸、乳酸、クエン酸を用いることが好ましく、これらを併用して用いることが、呈味、経時安定性の点から最も好ましい。
本発明の飲料には、ビタミン類を配合することができる。かかるビタミン類としては、飲料に配合し得るビタミンであれば特に限定されない。例えばアスコルビン酸若しくはその誘導体並びにそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上のビタミンC類、チアミン若しくはその誘導体並びにそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上のビタミンB1類、リボフラビン若しくはその誘導体並びにそれらの塩類から選ばれる1種又は2種以上のビタミンB2類、ナイアシン、パントテン酸、ピリドキシン若しくはその誘導体並びにそれらの塩から選ばれる1種または2種以上のビタミンB6類などが例示される。
本発明の飲料には、アルギニン以外のアミノ酸、ペプチド、タンパク質を配合することができる。かかるアミノ酸、ペプチド、タンパク質としては保健機能食品、食品、医薬品および医薬部外品の分野に利用し得るものであれば特に限定されない。例えばアミノ酸としては、バリン、ロイシン、イソロイシン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、システイン、リジン、スレオニン、アスパラギン、フェニルアラニン、セリン、メチオニン、グリシン、チロシン、ヒスチジン、トリプトファン、シスチン、テアニンなどが例示される。ペプチド、タンパク質としては、例えばコラーゲン及びその加水分解物、エラスチン及びその加水分解物、大豆タンパク質及びその加水分解物などが例示される。
本発明の飲料には、甘味料を配合することができる。かかる甘味料としては保健機能食品、食品、医薬品および医薬部外品の分野に利用し得る甘味料で、還元性を有さないものであれば特に限定されない。たとえば、甘草抽出物、ステビア抽出物及び/又はその精製物、羅漢果抽出物、ソーマチン、モネリン、ミラクリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン及び/又はその塩、ズルチン、ネオテームなどが挙げられる。これらの甘味料は、1種を単独で若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の飲料には、通常保健機能食品、食品、医薬品および医薬部外品の分野の飲料に用いることが可能な成分、例えば、上記以外のビタミン類、有機酸類、無機酸類、生薬、着色料、香料、保存剤、増粘剤、オリゴ糖類、多糖類、などの他、キトサン化合物、栄養強化成分、滋養強壮成分などを適時選択して配合することができ、飲料製造の常法により製造することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これにより本発明の範囲が限定されるものではない。
表1に示す処方によって本発明の実施例若しくは比較例にかかる飲料を調製した。飲料はクエン酸によりpHを3.9に、総量を100mLとなるように精製水で、それぞれ調整した。
[アルギニン経時安定性の確認方法]
本発明の実施例、比較例にかかる飲料について、40℃120日保管後のアルギニン量を定量し、配合量を100とした相対値で評価し、結果を表1に示した。
Figure 0006466658
非還元糖である還元澱粉糖化物を配合した実施例1、ソルビトールを配合した実施例2においては、アルギニンの量に変化が認められなかったが、還元糖である果糖ブドウ糖液糖を配合した比較例においては、アルギニンの分解が認められた。
[実施例4]
(1)還元澱粉糖化物 5000(mg)
(2)カフェイン 100
(3)菊花エキス 100
(4)乳酸 pHを3.8とする量
(5)フィチン酸 500
(6)クエン酸 30
(8)アルギニン 500
(9)アセスルファムカリウム 2
(10)ニコチン酸アミド 4
(11)ビタミンB2 0.5
(12)ビタミンB6 0.5
(13)ビタミンB1 0.5
(14)水 全量を100mLとする量
[実施例5]
(1)還元澱粉糖化物 5000(mg)
(2)カフェイン 100
(3)菊花エキス 100
(4)ナルコユリエキス 100
(5)ガラナエキス 50
(6)抹茶エキス 90
(7)乳酸 pHを3.8とする量
(8)フィチン酸 500
(9)クエン酸 40
(10)アルギニン 500
(11)ニコチン酸アミド 4
(12)ビタミンB2 0.5
(13)ビタミンB6 0.5
(14)ビタミンB1 0.5
(15) 水 全量を100mLとする量
[実施例6]
(1)還元澱粉糖化物 5000(mg)
(2)エリスリトール 1000
(3)コーヒーエキス 200
(4)高麗ニンジンエキス 50
(5)菊花エキス 100
(6)乳酸 pHを3.8とする量
(7)フィチン酸 500
(8)コーヒーフレーバー 100
(9)アルギニン 500
(10)スクラロース 2
(11)アセスルファムカリウム 2
(12)ニコチン酸アミド 4
(13)ビタミンB2 0.5
(14)ビタミンB6 0.5
(15)ビタミンB1 0.5
(16)水 全量を100mLとする量
[実施例7]
(1)還元澱粉糖化物 5000(mg)
(2)キシリトール 2000
(3)コーヒーエキス 200
(4)高麗ニンジンエキス 50
(5)菊花エキス 100
(6)ナルコユリエキス 100
(7)ガラナエキス 50
(8)乳酸 pHを3.8とする量
(9)フィチン酸 500
(10)コーヒーフレーバー 100
(11)アルギニン 500
(12)スクラロース 2
(13)アセスルファムカリウム 2
(14)ニコチン酸アミド 4
(15)ビタミンB2 0.5
(16)ビタミンB6 0.5
(17)ビタミンB1 0.5
(18) 水 全量を100mLとする量

Claims (1)

  1. アルギニンと、還元澱粉糖化物、ソルビトールから選択される1種又は2種を含有し、還元糖を含有しないことを特徴とする、アルギニンを安定に配合したpHが4未満の容器詰め飲料。
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