JP6466241B2 - 車両用電子制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用電子制御装置に関し、特に、メインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介してエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する鞍乗型車両の車速に関する車速フィードバック制御を実行する車速制御機能を有する車両用電子制御装置に関する。
自動二輪車等の車両の中には、ドッグ式トランスミッションを備えるものがある。かかるドッグ式トランスミッションでは、運転者が、メインクラッチを操作することなく、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士(ドッグ歯同士)が当接して内燃機関であるエンジンと駆動輪との一方が他方を駆動している状態で、変速を行うことができる。つまり、かかる構成によれば、運転者が、メインクラッチの操作を省略して、迅速に変速を行うことが可能となる。
ところが、エンジンと駆動輪との一方が他方を駆動している状態では、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の接触面に大きな押圧力が作用している。このため、運転者が変速のために変速操作をしてドッグ同士を引き離そうとしても、かかる接触面に押圧力に比例した大きな静止摩擦力が作用しているために、運転者の変速操作によりドッグ同士を引き離すことが困難となる傾向がある。
かかる状況下で、特許文献1は、自動二輪車の変速制御装置に関し、エンジンと駆動輪との一方が他方を駆動している状態において運転者の変速操作が検出された場合に、電子制御によってスロットル開度を変化させてエンジンの駆動力を変化させることにより、ドッグ同士の接触を一時的に解除する構成が開示されている。
特許第4392794号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1の構成は、エンジンと駆動輪との一方が他方を駆動している状態において変速操作が検出された場合に、電子制御によってスロットル開度を変化させてエンジンの駆動力を変化させることにより、ドッグ同士の接触を一時的に解除するものではあるが、所望の目標車速となるように車速をフィードバック制御するオートクルーズ制御機能を有する車両に適用するための具体的構成を何等開示や示唆しているものではない。
かかるオートクルーズ制御機能は、車両の速度(実車速)又は加速度(実加速度)をフィードバック制御に用いるもので、追い越し機能等の各種の機能を実現している。ここで、追い越し機能とは、オートクルーズフィードバック制御を実行している際に、自車両の前方を走行している車両を追い抜くためにライダーが加速操作を行うことに応じて、オートクルーズフィードバック制御を一時中断して、エンジンEの運転状態を制御することによりライダーの加速操作に追従するように実車速を制御し、かかる加速操作が完了することに応じて、オートクルーズフィードバック制御を再開する機能である。かかる追い越し機能では、典型的には、オートクルーズフィードバック制御再開時点におけるスロットル弁の目標開度(目標スロットル開度)として、加速操作開始時点におけるスロットル弁の実開度(実スロットル開度)が適用される。
ここで、本発明者の更なる検討によれば、追い越し機能において、加速操作が完了したタイミングでオートクルーズフィードバック制御を再開するときには、車両は典型的には減速状態にあるため、オートクルーズフィードバック制御再開時点における目標スロットル開度として加速操作開始時点における実スロットル開度を適用した場合には、実車速が目標車速を下回るオーバーシュート(アンダーオーバーシュート)が発生してしまい、車両の運転者に違和感を与える可能性が考えられる。
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、内燃機関及びドッグ式トランスミッションを備えた車両に適切に搭載可能であると共に、簡便な構成で、車速フィードバック制御における目標車速に対して実車速のオーバーシュートが発生することを抑制可能な車両用電子制御装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するべく、本発明は、内燃機関及びドッグ式トランスミッションを備えた車両に搭載されると共に、前記車両の車速に関する車速フィードバック制御を実行する車速制御機能を伴って、前記内燃機関の運転状態に関する内燃機関フィードバック制御を実行自在な内燃機関制御機能を有する制御部を備えた車両用電子制御装置において、前記制御部は、前記車速フィードバック制御を停止した状態での前記内燃機関フィードバック制御において、前記車両の実車速の変化に起因して、前記ドッグ式トランスミッションの係合関係が係合関係変化状態にあるときに、前記車両の実スロットル開度が前記ドッグ式トランスミッションのノーロードラインに対応するノーロードライン開度より小さい開度である場合には、前記実スロットル開度を前記ノーロードライン開度に向けて所定の度合いで増大することに引き続き前記ノーロードライン開度に保持する保持処理を実行することを第1の局面とする。
本発明は、第1の局面に加えて、前記制御部は、前記車速フィードバック制御を停止した前記状態での前記内燃機関フィードバック制御において、前記実車速の時系列変化特性に基づいて、前記ドッグ式トランスミッションの前記係合関係を、それが前記係合関係変化状態にあるものとして取り扱うことを第2の局面とする。
本発明は、第2の局面に加えて、前記制御部は、前記車速フィードバック制御を停止した前記状態での前記内燃機関フィードバック制御において、前記実車速が前記時系列変化特性で前記車速フィードバック制御における目標車速よりも所定の程度で高い場合に、前記ドッグ式トランスミッションの前記係合関係を、それが前記係合関係変化状態にあるものとして取り扱うことを第3の局面とする。
本発明は、第3の局面に加えて、前記制御部は、前記車速制御機能として、前記実車速が前記目標車速となるようにオートクルーズフィードバック制御するオートクルーズ制御機能を有すると共に、前記車両の走行状態が、前記オートクルーズフィードバック制御の実行中の走行状態から、前記車両のアクセル操作部材の操作に応じて前記オートクルーズフィードバック制御を停止した状態での前記内燃機関フィードバック制御中の走行状態に移行することに伴って、前記実車速が前記目標車速よりも高い所定の車速域を越えた後に、前記実車速が前記所定の車速域上又は前記所定の車速域内になったときに、前記車両の実スロットル開度が前記ノーロードライン開度より小さい開度である場合には、前記保持処理を実行することを第4の局面とする。
本発明は、第4の局面に加えて、前記制御部は、前記実車速が前記所定の車速域を下回るまで、又は前記実スロットル開度を前記ノーロードライン開度に向けて増大して前記ノーロードライン開度に復帰して保持する復帰保持時間が所定時間を経過するまでは、前記保持処理を実行することを第5の局面とする。
本発明は、第4又は第5の局面に加えて、前記制御部は、前記実スロットル開度を前記ノーロードライン開度に向けて徐開することを第6の局面とする。
以上の本発明の第1の局面にかかる車両用電子制御装置によれば、制御部が、車速フィードバック制御を停止した状態での内燃機関フィードバック制御において、車両の実車速の変化に起因して、前記ドッグ式トランスミッションの係合関係が係合関係変化状態にあるときに、車両の実スロットル開度がドッグ式トランスミッションのノーロードラインに対応するノーロードライン開度より小さい開度である場合には、実スロットル開度をノーロードライン開度に向けて所定の度合いで増大することに引き続きノーロードライン開度に保持する保持処理を実行するものであるため、簡便な構成で、車速フィードバック制御における目標車速に対して実車速のオーバーシュートが発生することを抑制することができる。
また、本発明の第2の局面にかかる車両用電子制御装置によれば、制御部が、車速フィードバック制御を停止した状態での内燃機関フィードバック制御において、実車速の時系列変化特性に基づいて、ドッグ式トランスミッションの係合関係を、それが係合関係変化状態にあるものとして取り扱うものであるため、既存の車速センサを利用して、車速フィードバック制御における目標車速に対して実車速のオーバーシュートが発生することを抑制することができる。
また、本発明の第3の局面にかかる車両用電子制御装置によれば、制御部が、車速フィードバック制御を停止した状態での内燃機関フィードバック制御において、実車速が時系列変化特性で車速フィードバック制御における目標車速よりも所定の程度で高い場合に、ドッグ式トランスミッションの係合関係を、それが係合関係変化状態にあるものとして取り扱うものであるため、既存の車速センサを利用して、車速フィードバック制御における目標車速に対して実車速のオーバーシュートが発生することを確実に抑制することができる。
また、本発明の第4の局面にかかる車両用電子制御装置によれば、制御部が、車速制御機能として、実車速が目標車速となるようにオートクルーズフィードバック制御するオートクルーズ制御機能を有すると共に、車両の走行状態が、オートクルーズフィードバック制御の実行中の走行状態から、車両のアクセル操作部材の操作に応じてオートクルーズフィードバック制御を停止した状態での内燃機関フィードバック制御中の走行状態に移行することに伴って、実車速が目標車速よりも高い所定の車速域を越えた後に、実車速が所定の車速域上又は所定の車速域内になったときに、車両の実スロットル開度がノーロードライン開度より小さい開度である場合には、保持処理を実行するものであるため、オートクルーズフィードバック制御状態から追い越し加速状態に移行し、追い越し加速状態の完了後の減速状態からのオートクルーズフィードバック制御状態への復帰時に、目標車速に対して実車速のオーバーシュートが発生することを確実に抑制することができる。
また、本発明の第5の局面にかかる車両用電子制御装置によれば、制御部が、実車速が所定の車速域を下回るまで、又は実スロットル開度をノーロードライン開度に向けて増大してノーロードライン開度に復帰して保持する復帰保持時間が所定時間を経過するまでは、保持処理を実行するものであるため、オートクルーズフィードバック制御状態から追い越し加速状態に移行し、追い越し加速状態の完了後の減速状態からのオートクルーズフィードバック制御状態への復帰時に、目標車速に対して実車速のオーバーシュートが発生することをより確実に抑制することができる。
また、本発明の第6の局面にかかる車両用電子制御装置によれば、制御部が、実スロットル開度をノーロードライン開度に向けて徐開するものであるため、オートクルーズフィードバック制御状態から追い越し加速状態に移行し、追い越し加速状態の完了後の減速状態からのオートクルーズフィードバック制御状態への復帰時に、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士が不要に押圧して、車両に不要な加速力が発生することを確実に抑制することができる。
図1は、本発明の実施形態における車両用電子制御装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本実施形態における車両用電子制御装置が実行する追い越し復帰処理の流れを説明するためのタイミングチャートであり、図2(a)は、ノーロードライン保持時間が第1の車速閾値への到達時刻から計時した所定時間で規定された例を示し、図2(b)は、ノーロードライン保持時間が第1の車速閾値への到達時刻から第2の車速閾値への到達時刻に至る時間で規定された例を示す。 図3は、本実施形態における車両用電子制御装置が実行する追い越し復帰処理の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における車両用電子制御装置につき、詳細に説明する。
〔車両用電子制御装置の構成〕
まず、図1を参照して、本実施形態における車両用電子制御装置の構成につき、詳細に説明する。
図1は、本実施形態における車両用電子制御装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態における車両用電子制御装置1は、典型的には、内燃機関であるエンジンE、並びにいずれも図示を省略するメインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを備えた自動二輪車等の鞍乗型車両に搭載されている。
ドッグ式トランスミッションは、運転者、つまり自動二輪車等の鞍乗型車両の場合にはライダーが、メインクラッチを操作することなく、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士(ドッグ歯同士)が当接してエンジンEと駆動輪との一方が他方を駆動している状態で、ライダーが変速操作により変速を行うことを可能とする変速機である。
かかるドッグ式トランスミッションの係合関係は、駆動状態、被駆動状態、及び遷移状態の3つの状態を取り得る。ここで、駆動状態とは、エンジンE側のドッグが駆動輪側のドッグを駆動する状態を意味する。被駆動状態とは、駆動輪側のドッグがエンジンE側のドッグを駆動する状態を意味する。また、遷移状態とは、駆動状態及び被駆動状態の間にある状態であって、エンジンE側のドッグと駆動輪側のドッグとが離間している状態、及びエンジンE側のドッグと駆動輪側のドッグとが単に当接しているのみで、エンジンE側のドッグが駆動輪側のドッグを駆動せず、かつ駆動輪側のドッグがエンジンE側のドッグを駆動しない状態を意味する。ドッグ式トランスミッションの係合関係が、このような駆動状態、被駆動状態、及び遷移状態の3つの状態において、ある状態からそれとは別の状態に変化することを、ドッグ式トランスミッションの係合関係変化状態とする。特に、車両の走行状態が定速状態又は加速状態から減速状態になった場合には、ドッグ式トランスミッションの係合関係は、駆動状態から遷移状態又は被駆動状態に変化する係合関係変化状態にあることになる。
ここで、エンジンEの運転状態が、エンジンEの駆動力がエンジンEにおける抵抗力(エンジンEにおける機械的な摩擦力や潤滑油の粘弾性力等)と釣り合った状態にあるときには、ドッグ式トランスミッションの係合関係は、典型的には、エンジンE側のドッグが駆動輪側のドッグに単に又は緩やかに当接しているのみで、エンジンE側のドッグが駆動輪側のドッグを駆動していない状態にあり、その結果として車両がエンジンEの駆動力で加速されることはなく、この際のエンジンEの運転状態が、ノーロードラインに対応する。かかるノーロードラインは、エンジンEにおける抵抗力と釣り合ったエンジンEの駆動力を発生させるための実スロットル(TH)開度に応じたエンジン回転数の特性線として規定されるものであり、かかるノーロードラインを与える実TH開度を、ノーロードライン開度と呼ぶこととする。また、詳しくは、エンジンEに対する抵抗力は環境変化や経時変化等で変動するものであるため、エンジンEの運転状態がノーロードラインにある場合であっても、エンジンEに対する抵抗力が小さくなるように変動した場合には、ドッグ同士が切り離し可能なレベルでエンジンE側のドッグが駆動輪側のドッグを緩やかに押圧する状態となり、エンジンEに対する抵抗力が大きくなるように変動した場合には、ドッグ同士が近接したレベルでエンジンE側のドッグが駆動輪側のドッグから離間する状態となるが、特に前者の場合であっても、エンジンE側のドッグは駆動輪側のドッグを緩やかに押圧しているのみでそれを駆動することはなく、車両がエンジンEの駆動力で加速されることはないものである。
つまり、ノーロードライン開度に一致するように実TH開度を調整してエンジンEの運転状態を一旦ノーロードラインに設定することにより、その後にTH開度が増加される際には、ドッグ式トランスミッションの係合関係は、エンジンE側のドッグが駆動輪側のドッグを駆動する駆動状態に直ちに入ることが可能となる。また、かかるノーロードライン開度は、ノーロードラインに対応させたデータとして、車両用電子制御装置1の図示を省略するメモリ中に記憶されている。
車両用電子制御装置1は、いずれも図示を省略するCPU(Central Processing Unit)やメモリ等を有するマイクロコンピュータ等の演算処理装置であり、典型的にはECU(Electronic Control Unit)である。車両用電子制御装置1は、メモリから必要な制御プログラム及び制御データを読み出して、車両の実車速に関するフィードバック制御、つまり車速フィードバック制御であるオートクルーズフィードバック制御を実行するオートクルーズ制御(以下、オートクルーズコントロールと記す)を伴うエンジンEの運転状態の制御用等の制御プログラムを実行する。
かかるオートクルーズコントロールに関連して、車両用電子制御装置1は、追い越し機能、目標車速調整機能、及び再開機能を発揮する。追い越し機能とは、オートクルーズコントロールを実行している際に、自車両の前方を走行している車両を追い抜くためにライダーが加速操作を行うことに応じて、オートクルーズコントロールを一時中断して、エンジンEの運転状態を制御することによりライダーの加速操作に追従するように実車速を制御し、かかる加速操作が完了することに応じて、オートクルーズコントロールを再開する機能である。目標車速調整機能とは、オートクルーズコントロールを実行している際に、オートクルーズコントロール用スイッチにおける加速スイッチや減速スイッチの操作に応じて、実車速の調整を開始し、かかるスイッチの操作が終了することに応じて、実車速の調整を終了する機能である。また、再開機能とは、オートクルーズコントロールを実行している際に、オートクルーズコントロール用スイッチにおけるキャンセルスイッチの操作に応じて、オートクルーズコントロールを一時中断して、エンジンEの運転状態を制御することによりライダーによるアクセル操作部材の操作に追従するように実車速を制御し、その後のオートクルーズコントロール用スイッチにおける復帰スイッチの操作に応じて、オートクルーズコントロールを再開する機能である。
具体的には、車両用電子制御装置1は、アクセル開度算出部2、吸気圧算出部3、エンジン温度算出部4、車速算出部5、オートクルーズコントロールスイッチ読込部6、エンジン回転数算出部7、TH開度算出部8、燃料点火制御部9、ライダー要求TH開度算出部10、加速度算出部11、オートクルーズ算出部12、目標TH開度設定部13、偏差算出部14、及びスロットル制御部15を備えている。これらは、典型的には、車両用電子制御装置1内において、CPUの機能ブロックとして実現されるが、電気回路として実現されてもよい。
アクセル開度算出部2は、車両におけるライダーのアクセル操作、具体的にはいずれも図示を省略するアクセルグリップ等のアクセル操作部材の操作量を検出するアクセル開度センサからの出力信号に基づいて、アクセル開度を算出する。このようにアクセル開度算出部2が算出したアクセル開度は、燃料点火制御部9、ライダー要求TH開度算出部10、及びオートクルーズ算出部12で利用される。
吸気圧算出部3は、図示を省略する吸気圧センサからの出力信号に基づいて、吸入空気の圧力(吸気圧)を算出する。このように吸気圧算出部3が算出した吸気圧は、燃料点火制御部9及びライダー要求TH開度算出部10で利用される。
エンジン温度算出部4は、図示を省略するエンジン温度センサからの出力信号に基づいて、エンジンEの温度を算出する。このようにエンジン温度算出部4が算出したエンジンEの温度は、燃料点火制御部9及びライダー要求TH開度算出部10で利用される。
車速算出部5は、図示を省略する車速センサからの出力信号に基づいて、車両の実車速を算出する。このように車速算出部5が算出した実車速は、燃料点火制御部9、ライダー要求TH開度算出部10、加速度算出部11、及びオートクルーズ算出部12で利用される。なお、実車速は、厳密にはベクトル量である速度であるが、車両が前進することを前提としてスカラー量で表現している。
オートクルーズコントロールスイッチ読込部6は、オートクルーズコントロールのメインスイッチ(MAIN−SW)21a、設定/減速スイッチ(SET/DEC−SW)21b、再開/加速スイッチ(RES/ACC−SW)21c、及びキャンセルスイッチ(キャンセル−SW)21dの操作状態を検出する。このようにオートクルーズコントロールスイッチ読込部6が検出したスイッチの操作状態は、オートクルーズ算出部12で利用される。
エンジン回転数算出部7は、クランクセンサ22からの出力信号に基づいて、エンジンEの回転数を算出する。このようにエンジン回転数算出部7が算出したエンジンEの回転数は、燃料点火制御部9、ライダー要求TH開度算出部10、及びオートクルーズ算出部12で利用される。
TH開度算出部8は、TH開度センサ23a、23bからの出力信号に基づいて、エンジンEの吸気系に設けられたスロットル弁Tの開度(実TH開度)を算出する。このようにTH開度算出部8が算出した実TH開度は、燃料点火制御部9、ライダー要求TH開度算出部10、及びオートクルーズ算出部12で利用される。なお、TH開度センサ23a、23bは、共に同一のスロットル弁Tに適用され、実TH開度に応じた信号を各々出力するものであり、その一方がスロットル弁Tの開度のフィードバック制御に用いられ、他方がそのフィードバック量の妥当性確認の参照用に用いられる。
燃料点火制御部9は、アクセル開度算出部2、吸気圧算出部3、エンジン温度算出部4、車速算出部5、エンジン回転数算出部7、及びTH開度算出部8の各々の算出値に基づいて、燃料噴射システムFI及び点火システムIGを制御することによりエンジンEへの燃料供給動作及びエンジンEの点火動作を制御する。
ライダー要求TH開度算出部10は、アクセル開度算出部2、吸気圧算出部3、エンジン温度算出部4、車速算出部5、エンジン回転数算出部7、及びTH開度算出部8の各々の算出値に基づいて、車両のライダーが要求しているスロットル弁Tの目標開度(ライダー要求TH開度)を算出する。このようにライダー要求TH開度算出部10が算出したライダー要求TH開度は、目標TH開度設定部13で利用される。
加速度算出部11は、車速算出部5が算出した実車速に基づいて、車両の実加速度を算出する。このように加速度算出部11が算出した実加速度は、オートクルーズ算出部12で利用される。
オートクルーズ算出部12は、アクセル開度算出部2、車速算出部5、オートクルーズコントロールスイッチ読込部6、エンジン回転数算出部7、TH開度算出部8、及び加速度算出部11が算出した各々の算出値及び検出状態に基づいて、オートクルーズコントロールにおける目標車速に対応したスロットル弁Tの目標開度(オートクルーズコントロール目標開度)を算出すると共に、オートクルーズコントロールの実行の有無等を示す実施情報を設定する。併せて、オートクルーズ算出部12は、車速算出部5の算出値に基づいて、実車速と所定の車速閾値との関係を判定することにより、ドッグ式トランスミッションの係合関係が係合関係変化状態にあるか否かを判定する。ここで、オートクルーズ算出部12は、ドッグ式トランスミッションの係合関係が係合関係変化状態にあると判定した場合に、TH開度算出部8が算出した実TH開度とノーロードライン開度との関係を判定し、実TH開度がノーロードライン開度よりも小さい場合には、ノーロードライン開度をオートクルーズコントロール目標開度として設定して算出する。このようにオートクルーズコントロール12が算出したオートクルーズコントロール目標開度、及びオートクルーズコントロール12が設定したオートクルーズコントロールの実施情報は、目標TH開度設定部13で利用される。
目標TH開度設定部13は、ライダー要求TH開度算出部10、及びオートクルーズ算出部12の各々の算出値、及びオートクルーズコントロールの実施情報に基づいて、スロットル弁Tの目標開度(目標TH開度)を設定する。このように目標TH開度設定部13が選択した目標TH開度は、偏差算出部14で利用される。
偏差算出部14は、TH開度算出部8が算出した実TH開度と、目標TH開度設定部13が選択した目標TH開度と、の偏差を算出する。このように偏差算出部14が算出した偏差は、スロットル制御部15で利用される。
スロットル制御部15は、偏差算出部14が算出した偏差に基づいて、実TH開度が目標TH開度に合致するようにスロットル弁Tを駆動するモータMのデューティ比を制御する。
このような構成を有する車両用電子制御装置1は、以下に示す追い越し復帰処理を実行することにより、その追い越し機能において加速操作が完了したタイミングでの減速状態からオートクルーズコントロールを再開するとき、実車速が目標車速を下回るアンダーオーバーシュートが発生することを抑制する。以下、更に図2及び図3も参照して、本実施形態における車両用電子制御装置1が実行するオートクルーズコントロールの追い越し復帰処理の流れについて説明する。
〔オートクルーズコントロールの追い越し復帰処理〕
図2は、本実施形態における車両用電子制御装置1が実行する追い越し復帰処理の流れを説明するためのタイミングチャートであり、図2(a)は、ノーロードライン保持時間が第1の車速閾値への到達時刻から計時した所定時間で規定された例を示し、図2(b)は、ノーロードライン保持時間が第1の車速閾値への到達時刻から第2の車速閾値への到達時刻に至る時間で規定された例を示す。また、図3は、本実施形態における車両用電子制御装置1が実行する追い越し復帰処理の流れを示すフローチャートである。なお、図2(a)及び図2(b)中では、実車速及び実TH開度を各々実線で示し、目標車速及びライダー要求TH開度を各々鎖線で示している。
図3のフローチャートに示すように、本実施形態における追い越し復帰処理は、車両用電子制御装置1の追い越し機能が開始されたタイミング、つまりオートクルーズコントロールの実行中にライダーがアクセルグリップを加速方向に操作したタイミングで開始となり(図2(a)及び図2(b)に示す時刻t=0)、追い越し復帰処理はステップS1の処理に進む。かかる追い越し復帰処理は、車両用電子制御装置1が、追い越し機能を実行している間、所定の制御周期毎に繰り返し実行する。
ステップS1の処理では、オートクルーズ算出部12が、前回の追い越し復帰処理において実車速が目標車速より所定の程度大きい所定の第1の閾値(閾値1)を超過した履歴を、メモリに改めて記録する。これにより、ステップS1の処理は完了し、追い越し復帰処理はステップS2の処理に進む。なお、閾値1は、オートクルーズ算出部12がメモリ中に記憶されたデータを参照することにより用いられる。
ステップS2の処理では、オートクルーズ算出部12が、車速算出部5が算出した実車速が閾値1を超過しているか否かを判定する。判定の結果、実車速が閾値1を超過している場合には、オートクルーズ算出部12は、追い越し復帰処理をステップS3の処理に進める。一方、実車速が閾値1を超過していない場合には、オートクルーズ算出部12は、追い越し復帰処理をステップS4の処理に進める。
ステップS3の処理では、オートクルーズ算出部12が、実車速が閾値1を超過した履歴を、メモリに記録する。これにより、ステップ3の処理は完了し、追い越し復帰処理はステップS5の処理に進む。
ステップS4の処理では、オートクルーズ算出部12が、実車速が閾値1を超過した履歴を、メモリからクリアする。これにより、ステップS4の処理は完了し、追い越し復帰処理はステップS5の処理に進む。
ステップS5の処理では、オートクルーズ算出部12が、TH開度算出部8が算出した実TH開度が所定の追い越し判定閾値以上であるか否かを判定することにより、車両が前方車両を追い越し中であるか否かを判定する。判定の結果、実TH開度が追い越し判定閾値以上である場合には(図2(a)に示す時刻t=t1から時刻t=t1’までの期間、及び図2(b)に示す時刻t=t4から時刻t=t4’までの期間)、オートクルーズ算出部12は、車両が前方車両を追い越し中であると判定し、追い越し復帰処理をステップS16の処理に進める。一方、実TH開度が追い越し判定閾値未満である場合には、オートクルーズ算出部12は、車両が前方車両を追い越し中でないと判定し、追い越し復帰処理をステップS6の処理に進める。なお、所定の追い越し判定閾値は、オートクルーズ算出部12がメモリ中に記憶されたデータを参照することにより用いられる。
ステップS6の処理では、オートクルーズ算出部12が、車速算出部5が算出した実車速が、目標車速より大きく且つ閾値1より小さい所定の第2の閾値(閾値2)以下であるか否かを判定する。判定の結果、実車速が閾値2以下である場合には(図2(b)に示す時刻t=t6以降の期間)、オートクルーズ算出部12は、追い越し復帰処理をステップS26の処理に進める。一方、実車速が閾値2より大きい場合には、オートクルーズ算出部12は、追い越し復帰処理をステップS7の処理に進める。なお、閾値2は、オートクルーズ算出部12がメモリ中に記憶されたデータを参照することにより用いられる。
ステップS7の処理では、オートクルーズ算出部12が、車速算出部5が算出した実車速が閾値1以下であるか否かを判定する。判定の結果、実車速が閾値1以下である場合には(図2(a)に示す時刻t=t2以降の期間、及び図2(b)に示す時刻t=t5以降の期間)、オートクルーズ算出部12は、ドッグ式トランスミッションの係合関係が係合関係変化状態になっていると判定し、追い越し復帰処理をステップS8の処理に進める。一方、実車速が閾値1より大きい場合には、オートクルーズ算出部12は、ドッグ式トランスミッションの係合関係が係合関係変化状態になっていないと判定し、追い越し復帰処理をステップS16の処理に進める。
ステップS8の処理では、オートクルーズ算出部12が、メモリ中のデータを参照して、前回の追い越し復帰処理において目標TH開度としてノーロードライン開度を適用した履歴が記録されているか否かを判定する。判定の結果、目標TH開度としてノーロードライン開度を適用した履歴が記録されている場合には、オートクルーズ算出部12は、追い越し復帰処理をステップS22の処理に進める。一方、目標TH開度としてノーロードライン開度を適用した履歴が記録されていない場合には、オートクルーズ算出部12は、追い越し復帰処理をステップS9の処理に進める。
ステップS9の処理では、オートクルーズ算出部12が、メモリ中のデータを参照して、前回の処理における実車速が閾値1を超過した履歴が記録されているか否かを判定する。判定の結果、かかる実車速が閾値1を超過した履歴が記録されている場合には、オートクルーズ算出部12は、追い越し復帰処理をステップS10の処理に進める。一方、かかる実車速が閾値1を超過した履歴が記録されていない場合には、オートクルーズ算出部12は、追い越し復帰処理をステップS20の処理に進める。
ステップS10の処理では、オートクルーズ算出部12が、実TH開度がノーロードライン開度以下になっているか否かを判定する。判定の結果、実TH開度がノーロードライン開度以下になっている場合には、オートクルーズ算出部12は、追い越し復帰処理をステップS11の処理に進める。一方、実TH開度がノーロードライン開度より大きい場合には、オートクルーズ算出部12は、追い越し復帰処理をステップS20の処理に進める。なお、ノーロードライン開度は、オートクルーズ算出部12がメモリ中に記憶されたデータを参照することにより用いられる。
ステップS11の処理では、目標TH開度設定部13が、オートクルーズ算出部12がオートクルーズコントロール目標開度として算出したノーロードライン開度を目標TH開度として選択して設定する。これにより、ステップS11の処理は完了し、追い越し復帰処理はステップS12の処理に進む。
ステップS12の処理では、目標TH開度設定部13が、目標TH開度としてノーロードライン開度を適用した履歴をメモリに記録する。これにより、ステップS12の処理は完了し、追い越し復帰処理はステップS13の処理に進む。
ステップS13の処理では、目標TH開度設定部13が、目標TH開度としてノーロードライン開度を適用する所定の適用時間ΔT1を設定する。これにより、ステップS13の処理は完了し、追い越し復帰処理はステップS14の処理に進む。なお、所定の適用時間ΔT1は、目標TH開度設定部13がメモリ中に記憶されたデータを参照することにより用いられる。
ステップS14の処理では、目標TH開度設定部13が、目標TH開度としてノーロードライン開度を適用した時間の計時(カウント)処理を開始する。これにより、ステップS14の処理は完了し、追い越し復帰処理はステップS15の処理に進む。
ステップS15の処理では、偏差算出部14が、TH開度算出部8が算出した実TH開度と、目標TH開度設定部13が設定したノーロードライン開度である目標TH開度と、の偏差を算出し、スロットル制御部15が、偏差算出部14が算出した偏差に基づいて、実TH開度がノーロードライン開度に合致するようにフィードバック制御を開始し、実TH開度をノーロードライン開度に向けて所定の度合いで増大し始める(図2(a)に示す時刻t=t2、及び図2(b)に示す時刻t=t5)。これにより、ステップS15の処理は完了し、今回の一連の追い越し復帰処理は終了する。なお、図2中では、スロットル制御部15が、実TH開度をノーロードライン開度に向けて急開している例を示すが、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の不要な押圧を抑制する観点からは、実TH開度をノーロードライン開度に向けて徐開することが好ましい。
ステップS16の処理では、目標TH開度設定部13が、ライダー要求TH開度算出部10が算出したライダー要求TH開度を目標TH開度として選択して設定する。これにより、ステップS16の処理は完了し、追い越し復帰処理はステップS17の処理に進む。
ステップS17の処理では、目標TH開度設定部13が、目標TH開度としてノーロードライン開度を適用した履歴を、メモリからクリアする。これにより、ステップS17の処理は完了し、追い越し復帰処理はステップS18の処理に進む。
ステップS18の処理では、目標TH開度設定部13が、目標TH開度としてノーロードライン開度を適用した時間の記録を、メモリからクリアする。これにより、ステップS18の処理は完了し、追い越し復帰処理はステップS19の処理に進む。
ステップS19の処理では、偏差算出部14が、TH開度算出部8が算出した実TH開度と、目標TH開度設定部13が設定したライダー要求TH開度である目標TH開度と、の偏差を算出し、スロットル制御部15が、偏差算出部14が算出した偏差に基づいて、実TH開度がライダー要求TH開度に合致するようにフィードバック制御する(図2(a)に示す時刻t=t1から時刻t=t2までの期間、及び図2(b)に示す時刻t=t4から時刻t=t5までの期間)。この際には、目標TH開度設定部13は、オートクルーズ算出部12が算出したオートクルーズコントロール目標開度を目標TH開度として選択しないため、オートクルーズフィードバック制御は実行されずに停止状態にある。これにより、ステップS19の処理は完了し、今回の一連の追い越し復帰処理は終了する。
ステップS20の処理では、目標TH開度設定部13が、オートクルーズ算出部12が算出したオートクルーズコントロール目標開度を目標TH開度として選択して設定する。これにより、ステップS20の処理は完了し、追い越し復帰処理はステップS21の処理に進む。
ステップS21の処理では、偏差算出部14が、TH開度算出部8が算出した実TH開度と、目標TH開度設定部13が設定したオートクルーズコントロール目標開度である目標TH開度と、の偏差を算出し、スロットル制御部15が、偏差算出部14が算出した偏差に基づいて、実TH開度がオートクルーズコントロール目標開度に合致するようにフィードバック制御する(図2(a)に示す時刻t=t1より前の期間、及び図2(b)に示す時刻t=t4より前の期間)。これにより、ステップS21の処理は完了し、今回の一連の追い越し復帰処理は終了する。
ステップS22の処理では、目標TH開度設定部13が、目標TH開度としてノーロードライン開度を適用してからの時間がステップS13の処理において設定された所定の適用時間ΔT1を経過したか否かを判定する。判定の結果、所定の適用時間ΔT1を経過している場合には(図2(a)に示す時刻t=t3以降の期間)、目標TH開度設定部13は、追い越し復帰処理をステップS26の処理に進める。一方、所定の適用時間ΔT1を経過していない場合には、目標TH開度設定部13は、追い越し復帰処理をステップS23の処理に進める。
ステップS23の処理では、目標TH開度設定部13が、オートクルーズ算出部12がオートクルーズコントロール目標開度として算出したノーロードライン開度を目標TH開度として選択した状態を維持する。これにより、ステップS23の処理は完了し、追い越し復帰処理はステップS24の処理に進む。
ステップS24の処理では、目標TH開度設定部13が、目標TH開度としてノーロードライン開度を適用した時間の計時(カウント)処理を継続する。これにより、ステップS24の処理は完了し、追い越し復帰処理はステップS25の処理に進む。
ステップS25の処理では、偏差算出部14が、TH開度算出部8が算出した実TH開度と、目標TH開度設定部13が設定したノーロードライン開度である目標TH開度と、の偏差を算出し、スロットル制御部15が、偏差算出部14が算出した偏差に基づいて、実TH開度がノーロードライン開度に合致するようにフィードバック制御し、実TH開度をノーロードライン開度に保持する保持処理を継続する(図2(a)に示す時刻t=t2から時刻t=3までの期間、及び図2(b)に示す時刻t=t5から時刻t=6までの期間)。この結果、図2(a)に示すように、実TH開度は、所定のノーロード保持時間ΔT1の間でノーロードライン開度に保持される。また、図2(b)に示すように、所定のノーロード保持時間ΔT1が経過する以前に、実車速が閾値2以下となった場合には、実TH開度は、所定のノーロード保持時間ΔT1よりも短い保持時間ΔT2の間でノーロードライン開度に保持される。これにより、ステップS25の処理は完了し、今回の一連の追い越し復帰処理は終了する。
ステップS26の処理では、目標TH開度設定部13が、オートクルーズ算出部12が算出したオートクルーズコントロール目標開度を目標TH開度として選択して設定する。これにより、ステップS26の処理は完了し、追い越し復帰処理はステップS27の処理に進む。
ステップS27の処理では、目標TH開度設定部13が、目標TH開度としてノーロードライン開度を適用した履歴を、メモリからクリアする。これにより、ステップS27の処理は完了し、追い越し復帰処理はステップS28の処理に進む。
ステップS28の処理では、目標TH開度設定部13が、目標TH開度としてノーロードライン開度を適用した時間の記録を、メモリからクリアする。これにより、ステップS28の処理は完了し、追い越し復帰処理はステップS29の処理に進む。
ステップS29の処理では、偏差算出部14が、TH開度算出部8が算出した実TH開度と、目標TH開度設定部13が設定したオートクルーズコントロール目標開度である目標TH開度と、の偏差を算出し、スロットル制御部15が、偏差算出部14が算出した偏差に基づいて、実TH開度がオートクルーズコントロール目標開度に合致するようにフィードバック制御する(図2(a)に示す時刻t=t3以降の期間、及び図2(b)に示す時刻t=t6以降の期間)。これにより、ステップS21の処理は完了し、今回の一連の追い越し復帰処理は終了する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態における車両用電子制御装置1では、車速フィードバック制御を停止した状態での内燃機関フィードバック制御において、車両の実車速の変化に起因して、前記ドッグ式トランスミッションの係合関係が係合関係変化状態にあるときに、車両の実スロットル開度がドッグ式トランスミッションのノーロードラインに対応するノーロードライン開度より小さい開度である場合には、実スロットル開度をノーロードライン開度に向けて所定の度合いで増大することに引き続きノーロードライン開度に保持する保持処理を実行するものであるため、簡便な構成で、車速フィードバック制御における目標車速に対して実車速のオーバーシュートが発生することを抑制することができる。
なお、本発明は、部材の種類、形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
以上のように、本発明は、内燃機関及びドッグ式トランスミッションを備えた車両に適切に搭載可能であると共に、簡便な構成で、車速フィードバック制御における目標車速に対して実車速のオーバーシュートが発生することを抑制可能な車両用電子制御装置を提供することができるものであり、その汎用普遍的な性格から自動二輪車等の車両用電子制御装置に広く適用され得るものと期待される。
1…車両用電子制御装置
2…アクセル開度算出部
3…吸気圧算出部
4…エンジン温度算出部
5…車速算出部
6…オートクルーズコントロールスイッチ読込部
7…エンジン回転数算出部
8…TH開度算出部
9…燃料点火制御部
10…ライダー要求TH開度算出部
11…加速度算出部
12…オートクルーズ算出部
13…目標TH開度設定部
14…偏差算出部
15…スロットル制御部
21a…メインスイッチ(MAIN−SW)
21b…設定/減速スイッチ(SET/DEC−SW)
21c…再開/加速スイッチ(RES/ACC−SW)
21d…キャンセルスイッチ(キャンセル−SW)
22…クランクセンサ
23a、23b…TH開度センサ
E…エンジン
M…モータ
T…スロットル弁

Claims (6)

  1. 内燃機関及びドッグ式トランスミッションを備えた車両に搭載されると共に、前記車両の車速に関する車速フィードバック制御を実行する車速制御機能を伴って、前記内燃機関の運転状態に関する内燃機関フィードバック制御を実行自在な内燃機関制御機能を有する制御部を備えた車両用電子制御装置において、
    前記制御部は、前記車速フィードバック制御を停止した状態での前記内燃機関フィードバック制御において、前記車両の実車速の変化に起因して、前記ドッグ式トランスミッションの係合関係が係合関係変化状態にあるときに、前記車両の実スロットル開度が前記ドッグ式トランスミッションのノーロードラインに対応するノーロードライン開度より小さい開度である場合には、前記実スロットル開度を前記ノーロードライン開度に向けて所定の度合いで増大することに引き続き前記ノーロードライン開度に保持する保持処理を実行することを特徴とする車両用電子制御装置。
  2. 前記制御部は、前記車速フィードバック制御を停止した前記状態での前記内燃機関フィードバック制御において、前記実車速の時系列変化特性に基づいて、前記ドッグ式トランスミッションの前記係合関係を、それが前記係合関係変化状態にあるものとして取り扱うことを特徴とする請求項1に記載の車両用電子制御装置。
  3. 前記制御部は、前記車速フィードバック制御を停止した前記状態での前記内燃機関フィードバック制御において、前記実車速が前記時系列変化特性で前記車速フィードバック制御における目標車速よりも所定の程度で高い場合に、前記ドッグ式トランスミッションの前記係合関係を、それが前記係合関係変化状態にあるものとして取り扱うことを特徴とする請求項2に記載の車両用電子制御装置。
  4. 前記制御部は、前記車速制御機能として、前記実車速が前記目標車速となるようにオートクルーズフィードバック制御するオートクルーズ制御機能を有すると共に、前記車両の走行状態が、前記オートクルーズフィードバック制御の実行中の走行状態から、前記車両のアクセル操作部材の操作に応じて前記オートクルーズフィードバック制御を停止した状態での前記内燃機関フィードバック制御中の走行状態に移行することに伴って、前記実車速が前記目標車速よりも高い所定の車速域を越えた後に、前記実車速が前記所定の車速域上又は前記所定の車速域内になったときに、前記車両の実スロットル開度が前記ノーロードライン開度より小さい開度である場合には、前記保持処理を実行することを特徴とする請求項3に記載の車両用電子制御装置。
  5. 前記制御部は、前記実車速が前記所定の車速域を下回るまで、又は前記実スロットル開度を前記ノーロードライン開度に向けて増大して前記ノーロードライン開度に復帰して保持する復帰保持時間が所定時間を経過するまでは、前記保持処理を実行することを特徴とする請求項4に記載の車両用電子制御装置。
  6. 前記制御部は、前記実スロットル開度を前記ノーロードライン開度に向けて徐開することを特徴とする請求項4又は5に記載の車両用電子制御装置。
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