JP2018204514A - 内燃機関制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の駆動力制御により、車両の加速状態と減速状態とが切り替わる際のドッグ式変速機における機械的な衝撃を低減することができる内燃機関制御装置を提供する。【解決手段】内燃機関制御装置1は、車両の駆動輪にドッグ式変速機を介して駆動力を伝達する内燃機関を制御するエンジン制御部7を備える。制御部7は、ドッグ式変速機が駆動状態と被駆動状態との間の遷移状態となった際に、エンジンの駆動力の変化速度を遷移状態になる直近の駆動状態又は被駆動状態のときよりも緩める。【選択図】図1

Description

本発明は、ドッグ式変速機を介して車両の駆動輪へ駆動力を伝達する内燃機関を制御する内燃機関制御装置に関する。
自動二輪車等の車両の中には、ドッグ式変速機を備えるものがある。かかるドッグ式変速機は、エンジン及び駆動輪間の駆動関係に応じて、エンジン側のドッグが駆動輪側のドッグを押圧して駆動している駆動状態(ポジティブ側の状態)、駆動輪側のドッグがエンジン側のドッグを押圧して駆動している被駆動状態(ネガティブ側の状態)、並びにエンジン側のドッグと駆動輪側のドッグとが離間している遷移状態(駆動状態及び被駆動状態の間の状態であるフリー状態)のいずれかのドッグ位置を呈するものである。
ここで、エンジン及びドッグ式変速機を搭載するマニュアル式の車両において、車両を加速状態から減速状態に遷移させる際には、その車両の運転者は、一般にスロットルをオープン状態からクローズ状態に急激に遷移させる操作を行う。この操作に伴って、エンジン側のドッグと駆動輪側のドッグとの相対位置が急激に変化し、ドッグ式変速機が遷移状態から駆動状態に遷移してエンジン側のドッグが駆動輪側のドッグに当接する際に、ドッグ式変速機において機械的なショックが発生する傾向にある。
また、車両を減速状態から加速状態に遷移させる際には、その車両の運転者は、一般にスロットルをクローズ状態からオープン状態に急激に遷移させる操作を行う。この操作に伴って、エンジン側のドッグと駆動輪側のドッグとの相対位置が急激に変化し、ドッグ式変速機が遷移状態から被駆動状態に遷移してエンジン側のドッグが駆動輪側のドッグに当接する際に、ドッグ式変速機において機械的なショックが発生する傾向にある。
かかる状況下で、特許文献1は、自動二輪車の加速ショック低減制御装置に関し、駆動系に遊びを有する車両において、エンジンの回転数と車速との乖離を監視して、この乖離が予め定めた閾値を超えた際に、点火カット時期の制御を行う構成を開示している。特許文献1の装置によれば、このような構成を採用したことにより、車両を加速させる際に、遊びを有する部分が詰まることによる駆動系に生じる衝撃を低減することができる。
特開2008−190332号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1には、車両を加速させる際の衝撃を低減する制御として点火カット時期の制御を行うことを開示しているが、点火カット時期の制御以外の内燃機関の駆動力制御については改良の余地がある。また、車両を減速状態から加速状態に切り替える際の機械的な衝撃を低減することに加えて、車両を加速状態から減速状態に切り替える際の機械的な衝撃を低減することにより、車両の乗り心地を更に向上させることができる。
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、内燃機関の駆動力制御により、車両の加速状態と減速状態とが切り替わる際のドッグ式変速機における機械的な衝撃を低減することができる内燃機関制御装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するべく、本発明は、第1の局面において、車両の駆動輪にドッグ式変速機を介して駆動力を伝達する内燃機関を制御する制御部を備える内燃機関制御装置において、前記制御部は、前記ドッグ式変速機が駆動状態と被駆動状態との間の遷移状態となった際に、前記内燃機関の駆動力の変化速度を前記遷移状態になる直近の前記駆動状態又は前記被駆動状態のときよりも緩める内燃機関制御装置である。
本発明は、第1の局面に加えて、前記制御部は、前記内燃機関の回転数から導出される第1の導出値と、前記駆動輪の回転数から導出される第2の導出値と、に基づいて前記遷移状態を検出することを第2の局面とする。
本発明は、第2の局面に加えて、前記第1の導出値は、前記内燃機関の回転数であり、前記第2の導出値は、前記駆動輪の回転数と前記ドッグ式変速機の変速比とに応じた前記内燃機関の仮想の回転数であることを第3の局面とする。
本発明は、第2の局面に加えて、前記第1の導出値は、前記内燃機関の回転数と前記ドッグ式変速機の変速比とに応じた前記駆動輪の仮想の回転数であり、前記第2の導出値は、前記駆動輪の回転数であることを第4の局面とする。
本発明は、第1から第4のいずれかの局面に加えて、前記制御部は、実スロットル開度と前記ドッグ式変速機のノーロードラインに対応するノーロードライン開度との比較、及び、前記車両のアクセル開度に対応した要求開度と前記ノーロードライン開度との比較に基づいて、前記遷移状態を検出することを第5の局面とする。
本発明は、第1から第5のいずれかの局面に加えて、前記制御部は、実スロットル開度を制御することにより前記変化速度を緩めることを第6の局面とする。
本発明は、第6の局面に加えて、前記制御部は、前記遷移状態になった際に、実スロットル開度を追従させる目標スロットル開度を所定開度に維持することにより、前記変化速度を緩めることを第7の局面とする。
本発明は、第7の局面に加えて、前記所定開度は、前記ドッグ式変速機のノーロードラインに対応するノーロードライン開度を含むノーロードバンドの範囲内であることを第8の局面とする。
本発明は、第6から第8のいずれかの局面に加えて、前記制御部は、前記遷移状態から前記駆動状態又は前記被駆動状態になった際に、実スロットル開度を前記車両のアクセル開度に対応した要求開度に徐々に近づける制御を行うことを第9の局面とする。
本発明は、第1から第9のいずれかの局面に加えて、前記遷移状態は、前記被駆動状態から前記駆動状態に遷移する際に生じることを第10の局面とする。
本発明は、第1から第10のいずれかの局面に加えて、前記遷移状態は、前記駆動状態から前記被駆動状態に遷移する際に生じることを第11の局面とする。
本発明の第1の局面にかかる内燃機関制御装置においては、制御部が、ドッグ式変速機が駆動状態と被駆動状態との間の遷移状態となった際に、内燃機関の駆動力の変化速度を遷移状態になる直近の駆動状態又は被駆動状態のときよりも緩めるものであるため、車両の加速状態と減速状態とが切り替わる際のドッグ式変速機における機械的な衝撃を低減することができる。
また、本発明の第2の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、制御部が、内燃機関の回転数から導出される第1の導出値と、駆動輪の回転数から導出される第2の導出値と、に基づいて遷移状態を検出するものであるため、簡易な構成により遷移状態を検出することができる。
また、本発明の第3の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、第1の導出値が、内燃機関の回転数であり、第2の導出値が、駆動輪の回転数とドッグ式変速機の変速比とに応じた内燃機関の仮想の回転数であるため、内燃機関の回転数と仮想の回転数を用いて遷移状態を検出することができる。
また、本発明の第4の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、第1の導出値が、内燃機関の回転数とドッグ式変速機の変速比とに応じた駆動輪の仮想の回転数であり、第2の導出値が、駆動輪の回転数であるため、駆動輪の仮想の回転数と回転数とを用いて遷移状態を検出することができる。
また、本発明の第5の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、制御部が、実スロットル開度とドッグ式変速機のノーロードラインに対応するノーロードライン開度との比較、及び、車両のアクセル開度に対応した要求開度とノーロードライン開度との比較に基づいて、遷移状態を検出するものであるため、実スロットル開度、ノーロードライン開度及び要求開度を用いて遷移状態を検出することができる。
また、本発明の第6の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、制御部が、実スロットル開度を制御することにより変化速度を緩めるものであるため、実スロットル開度を制御することにより車両の加速状態と減速状態とが切り替わる際のドッグ式変速機における機械的な衝撃を低減することができる。
また、本発明の第7の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、制御部が、遷移状態になった際に、実スロットル開度を追従させる目標スロットル開度を所定開度に維持することにより、変化速度を緩めるものであるため、目標スロットル開度を制御することにより車両の加速状態と減速状態とが切り替わる際のドッグ式変速機における機械的な衝撃を低減することができる。
また、本発明の第8の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、所定開度が、ドッグ式変速機のノーロードラインに対応するノーロードライン開度を含むノーロードバンドの範囲内であるため、目標スロットル開度をノーロードラインの付近に維持することができる。
また、本発明の第9の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、制御部が、遷移状態から駆動状態又は被駆動状態になった際に、実スロットル開度を車両のアクセル開度に対応した要求開度に徐々に近づける制御を行うものであるため、車両の加速状態と減速状態とが切り替わる際のドッグ式変速機における機械的な衝撃を低減した後に、実スロットル開度を安定的に要求開度に追従させることができる。
また、本発明の第10の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、遷移状態が、被駆動状態から駆動状態に遷移する際に生じるものであるため、被駆動状態から遷移状態を経て駆動状態に遷移する際の車両の加速状態と減速状態とが切り替わる際のドッグ式変速機における機械的な衝撃を低減することができる。
また、本発明の第11の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、遷移状態が、駆動状態から被駆動状態に遷移する際に生じるものであるため、駆動状態から遷移状態を経て被駆動状態に遷移する際の車両の加速状態と減速状態とが切り替わる際のドッグ式変速機における機械的な衝撃を低減することができる。
図1は、本発明の実施形態における内燃機関制御装置の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施形態におけるドッグ式変速機衝撃低減処理の流れを示すフロー図である。 図3は、本発明の実施形態におけるドッグ式変速機衝撃低減処理の減速状態から加速状態に遷移する際のタイムチャートである。 図4は、本発明の実施形態におけるドッグ式変速機衝撃低減処理の加速状態から減速状態に遷移する際のタイムチャートである。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における内燃機関制御装置につき、詳細に説明する。
<内燃機関制御装置の構成>
まず、図1を参照して、本実施形態における内燃機関制御装置の構成につき、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態における内燃機関制御装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態における内燃機関制御装置1は、ECU(Electronic Control Unit)等の電子制御装置によって構成され、いずれも図示を省略する内燃機関としてのエンジン、駆動輪、メインクラッチ及びドッグ式変速機を備える典型的には自動二輪車等の鞍乗型車両に搭載されている。
かかるドッグ式変速機のドッグ同士の相対的位置関係を示すドッグ位置は、駆動状態、被駆動状態、及び遷移状態の3つの状態を取り得る。ここで、駆動状態とは、エンジン側のドッグが駆動輪側のドッグを駆動する状態(ポジティブ側の状態)を意味する。被駆動状態とは、駆動輪側のドッグがエンジン側のドッグを駆動する状態(ネガティブ側の状態)を意味する。また、遷移状態とは、駆動状態及び被駆動状態の間にある状態であって、エンジン側のドッグと駆動輪側のドッグとが離間している状態(フリー状態)を意味する。遷移状態は、ドッグ間のバックラッシュ(遊び幅)に対応する。但し、遷移状態には、エンジン側のドッグと駆動輪側のドッグとが単に当接しているのみで、エンジン側のドッグが駆動輪側のドッグを駆動せず、かつ駆動輪側のドッグがエンジン側のドッグを駆動しない状態を含んでいてもよい。
内燃機関制御装置1は、エンジン回転数算出部2、アクセル開度算出部3、実スロットル開度算出部4、ギアポジション算出部5、車両速度算出部6、エンジン制御部7、スロットルモータ駆動回路8、点火栓駆動回路9、及び燃料噴射弁駆動回路10を備えている。エンジン回転数算出部2、アクセル開度算出部3、実スロットル開度算出部4、ギアポジション算出部5、車両速度算出部6は、典型的には、内燃機関制御装置1のCPU(Central Processing Unit)における制御プログラム実行時の機能ブロックとして構成されるが、これらは、必要に応じて、電気回路として構成されてもよい。
エンジン回転数算出部2は、クランク角センサ21が出力するエンジンのクランク角(図示を省略するクランク軸の回転角度)に応じた電気信号に基づいて、実際のエンジン回転数(実エンジン回転数)であるエンジン回転数NE(第1の導出値)を算出する。エンジン回転数算出部2がこのように算出したエンジン回転数NEは、エンジン制御部7で用いられる。
アクセル開度算出部3は、アクセラレータポジション(AP)センサ22が出力する図示を省略するアクセル操作部材の操作量に応じた電気信号に基づいて、アクセル開度ACCを算出する。アクセル開度算出部3がこのように算出したアクセル開度ACCは、エンジン制御部7で用いられる。なお、アクセル操作部材は、鞍乗型車両では、典型的にはアクセルグリップである。
実スロットル開度算出部4は、スロットルポジション(TH)センサ23が出力する図示しない電子制御スロットル装置のスロットルバルブの開度である実スロットル開度THを示す電気信号に基づいて、実スロットル開度THを算出する。実スロットル開度算出部4がこのように算出した実スロットル開度THは、エンジン制御部7で用いられる。
ギアポジション算出部5は、ギアポジション(GP)センサ24が出力するドッグ式変速機の図示を省略するシフトドラムの回転位置に応じた電気信号に基づいて、ドッグ式変速機で選択されている変速段(ギアポジション)GPを算出する。ギアポジション算出部5がこのように算出したギアポジションGPは、エンジン制御部7で用いられる。
車両速度算出部6は、車両速度(VSP)センサ25からの出力信号に基づいて、車両の速度を示す車両速度VSPを算出する。かかる車両速度VSPは、車両の駆動輪の回転数を表している。車両速度算出部6がこのように算出した車両速度VSPは、エンジン制御部7で用いられる。
エンジン制御部7は、CPU等の演算処理装置によって構成され、図示しないROM内に記憶されている制御プログラムを実行することによってドッグ式変速機衝撃低減処理を含む各種処理を実行する。
エンジン制御部7は、アクセル開度算出部3で算出されたアクセル開度に基づいて、要求開度であるライダー要求開度を算出する。
エンジン制御部7は、後述するドッグ式変速機衝撃低減処理を実行することにより、ギアポジション算出部5で算出されたギアポジションGP及び車両速度算出部6で算出された車両速度VSPに基づいて、エンジンの仮想の回転数である仮想エンジン回転数HNE(第2の導出値)を算出する。例えば、仮想エンジン回転数HNEは、エンジン制御部7が、車両速度VSPと仮想エンジン回転数HNEとの関係を予め規定して図示しないROMに記憶されたテーブルデータを読み出して、そのデータに車両速度VSPを当てはめることにより算出することができる。
エンジン制御部7は、エンジン回転数算出部2で算出されたエンジン回転数NE、及び上記の仮想エンジン回転数HNEに基づいて、ドッグ式変速機のドッグ位置が、駆動状態、被駆動状態、及び遷移状態のうちのいずれの状態にあるかを判別する。エンジン制御部7は、ドッグ式変速機のドッグ位置が駆動状態、遷移状態及び被駆動状態のいずれにあるかを示す上記の判別結果に基づいて、エンジンの駆動力を制御する。具体的には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機が遷移状態から駆動状態に遷移する場合には、エンジン側のドッグが駆動輪側のドッグに当接した際に機械的なショックが発生しないように目標スロットル開度を設定し、実スロットル開度算出部4で算出された実スロットル開度が設定した目標スロットル開度に近づくように制御する制御信号をスロットルモータ駆動回路8に出力する。また、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機が遷移状態から被駆動状態に遷移する場合には、駆動輪側のドッグがエンジン側のドッグに当接した際に機械的なショックが発生しないように目標スロットル開度を設定し、実スロットル開度算出部4で算出された実スロットル開度が設定した目標スロットル開度に近づくように制御する制御信号をスロットルモータ駆動回路8に出力する。
エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理の実行前又は実行後において、算出したライダー要求開度に基づいて目標スロットル開度を算出し、実スロットル開度算出部4で算出された実スロットル開度が目標スロットル開度に追従するようにスロットルモータ駆動回路8を制御するための制御信号をスロットルモータ駆動回路8に出力する。
エンジン制御部7は、実スロットル開度算出部4で算出された実スロットル開度及びエンジン回転数算出部2で算出されたエンジン回転数に基づいて、点火栓駆動回路9及び燃料噴射弁駆動回路10を制御するための制御信号を出力する。
スロットルモータ駆動回路8は、エンジン制御部7からの制御信号に従ってスロットルモータ26を制御してスロットル開度を制御することにより、エンジンの吸入空気量を調整して駆動輪に対する駆動力を制御する。
点火栓駆動回路9は、エンジン制御部7からの制御信号に従って点火栓27によるエンジンへの点火動作を制御する。
燃料噴射弁駆動回路10は、エンジン制御部7からの制御信号に従ってエンジンに燃料を噴射する燃料噴射弁28の動作を制御する。
以上のような構成を有する内燃機関制御装置1は、以下に示すドッグ式変速機衝撃低減処理を実行することによって、簡便な構成により、ドッグ式変速機における機械的な衝撃を低減する。以下、更に図2から図4をも参照して、ドッグ式変速機衝撃低減処理について、詳細に説明する。
<ドッグ式変速機衝撃低減処理>
上記構成を有する内燃機関制御装置1では、ドッグ式変速機の機械的な衝撃を低減するドッグ式変速機低減処理を実行する。以下、図2から図4を参照して、本実施形態におけるドッグ式変速機衝撃低減処理の具体的な流れについて詳しく説明する。
図2は、本発明の実施形態におけるドッグ式変速機衝撃低減処理の流れを示すフロー図である。図3は、本発明の実施形態におけるドッグ式変速機衝撃低減処理の減速状態から加速状態に遷移する際のタイムチャートである。図4は、本発明の実施形態におけるドッグ式変速機衝撃低減処理の加速状態から減速状態に遷移する際のタイムチャートである。
図2に示すフロー図は、鞍乗型車両等の車両が起動されて内燃機関制御装置1が稼働したタイミングで開始となり、ドッグ式変速機衝撃低減処理はステップS1の処理に進む。かかるドッグ式変速機衝撃低減処理は、車両が起動されて内燃機関制御装置1が稼働している間、繰り返し実行される。
ステップS1の処理では、エンジン制御部7が、ギアポジション算出部5で算出したギアポジションGPにより定まるドッグ式変速機の変速比、及び車両速度算出部6で算出した車両速度VSPに基づいて、仮想エンジン回転数HNE(第2の導出値)を算出し、エンジン回転数NE(第1の導出値)から仮想エンジン回転数HNEを減算して回転数差DNE(DNE=NE−HNE)を求める。そして、エンジン制御部7は、求めた回転数差DNEが閾値NEGAP1(閾値NEGAP1≧0)以上であるか否かを判定する。判定の結果、回転数差DNEが閾値NEGAP1以上である場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS2の処理に進める。一方、回転数差DNEが閾値NEGAP1未満である場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS10の処理に進める。
ステップS2の処理では、エンジン制御部7が、エンジン回転数算出部2で算出したエンジン回転数NE及びアクセル開度算出部3で算出したアクセル開度ACCに基づいてライダー要求開度THrを算出し、ライダー要求開度THrがノーロードラインに対応するノーロードライン開度NLL以上であるか否かを判定する。判定の結果、ライダー要求開度THrがノーロードライン開度NLL以上である場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS3の処理に進める。一方、ライダー要求開度THrがノーロードライン開度NLL未満である場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS1の処理に戻す。
ここで、ノーロードラインは、ドッグ式変速機の駆動状態と被駆動状態との境界、すなわち、ドッグ式変速機の駆動状態と被駆動状態とが切り換わる境界を示しており、エンジン側のドッグと駆動輪側のドッグとの当接が解除される状態(エンジン側のドッグと駆動輪側のドッグとの間で伝達される回転力が0Nm)のエンジンの運転状態を示している。また、ノーロードライン開度NLLは、ノーロードラインを与える実スロットル開度である。ただし、ノーロードラインには、エンジン側のドッグと駆動輪側のドッグとが単に当接しているのみで、エンジン側のドッグが駆動輪側のドッグを駆動せず、かつ駆動輪側のドッグがエンジン側のドッグを駆動しない状態のエンジンの運転状態を示す場合を含んでいてもよい。
ステップS3の処理では、エンジン制御部7が、目標スロットル開度THtを所定開度(NLL+α)に保持してRAS(Reduction of Acceleration Shock)処理を開始すると共に、図示しないタイマーを起動させてRAS処理を開始してからの時間の計測を開始する。ここで、所定開度(NLL+α)は、ノーロードライン開度NLLを含むノーロードバンドNLBの範囲内に設定される。目標スロットル開度THtを所定開度(NLL+α)に保持することにより、エンジンの駆動力の変化速度を遷移状態になる直近の被駆動状態のときよりも緩めることができる。これにより、ステップS3の処理は完了し、ドッグ式変速機衝撃低減処理はステップS4の処理に進む。
ステップS3の処理までの具体例としては、図3に示す時刻t=t1において、ドッグ式変速機が被駆動状態であると共に、車両の運転者が車両を減速状態から加速状態に遷移させる。これに伴って、時刻t=t1以降において、ライダー要求開度THrが開方向に向けて増大し、目標スロットル開度THtがライダー要求開度THrと共に増大し、実スロットル開度THが目標スロットル開度THtに追従して増大する。
図3に示す時刻t=t2において、ドッグ式変速機が被駆動状態から遷移状態に遷移することにより、エンジン回転数NEが仮想エンジン回転数HNEに対して乖離し始める。また、図3に示す時刻t=t2以降において、ライダー要求開度THrがノーロードライン開度NLL以上になる。そして、図3に示す時刻t=t3において、回転数差DNEが閾値NEGAP1以上となる。この際、エンジン制御部7は、時刻t=t3において、ステップS1で回転数差DNEが閾値NEGAP1以上であると判定すると共に、ステップS2でライダー要求開度THrがノーロードライン開度NLL以上であると判定し、目標スロットル開度THtを所定開度(NLL+α)に保持する。かかる所定開度は、ノーロードライン開度NLLを含むノーロードバンドNLBの範囲内に設定される。これにより、時刻t=t3以降は、ライダー要求開度THrが開方向に増大しているにも関わらず、目標スロットル開度THtが一定であるため、実スロットル開度THはライダー要求開度THrに比べて緩やかに増大し、エンジンの駆動力の変化速度を遷移状態になる直近の被駆動状態(図3において時刻t=t1から時刻t=t2までの状態)のときよりも緩めることができる。
ステップS4の処理では、エンジン制御部7が、ドッグ式変速機が駆動状態(ポジティブ側の状態)であるか否かを判定する。この際のドッグ式変速機が駆動状態であるか否かは、実スロットル開度THがノーロードライン開度NLLに到達したか否か、実スロットル開度THが目標スロットル開度THrに到達したか否か、又は、回転数差DNEが閾値NEGAP1未満であるか否かにより判定される。判定の結果、ドッグ式変速機が駆動状態ではない場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS5の処理に進める。一方、ドッグ式変速機が駆動状態である場合には、エンジン制御部7は、RAS処理を終了してドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS6の処理に進める。
ステップS3からステップS4までの処理の具体例としては、図3に示す時刻t=t4において、ドッグ式変速機が遷移状態から駆動状態に遷移すると共に、実スロットル開度THがノーロードライン開度NLLに到達することにより、エンジン回転数NEが仮想エンジン回転数HNEに対して乖離する前の状態に戻る。この際、エンジン制御部7は、時刻t=t4において、ステップS4でドッグ式変速機が駆動状態であると判定する。
ステップS5の処理では、エンジン制御部7が、タイマーの計測値を参照することにより、RAS処理を開始してから所定時間T1が経過したか否かを判定する。判定の結果、RAS処理を開始してから所定時間T1が経過した場合には、エンジン制御部7は、RAS処理を終了してドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS6の処理に進める。一方、RAS処理を開始してから所定時間T1が経過していない場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS3の処理に戻してRAS処理を継続する。
ステップS6の処理では、エンジン制御部7が、目標スロットル開度THtをライダー要求開度THrに徐々に近づける復帰処理を開始すると共に、図示しないタイマーを起動させて復帰処理を開始してからの時間の計測を開始する。これにより、ステップS6の処理は完了し、ドッグ式変速機衝撃低減処理はステップS7の処理に進む。
ステップS5からステップS6までの処理の具体例としては、図3に示す時刻t=t4においてエンジン制御部7は復帰処理を開始し、図3に示す時刻t=t4以降においてエンジン制御部7は復帰処理を実行することにより目標スロットル開度THtをライダー要求開度THrに徐々に近づける。
ステップS7の処理では、エンジン制御部7が、目標スロットル開度THtがライダー要求開度THrに到達したか否かを判定する。判定の結果、目標スロットル開度THtがライダー要求開度THrに到達していない場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS8の処理に進める。一方、目標スロットル開度THtがライダー要求開度THrに到達した場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS9の処理に進める。
ステップS8の処理では、エンジン制御部7が、タイマーの計測値を参照することにより、復帰処理を開始してから所定時間T3が経過したか否かを判定する。判定の結果、復帰処理を開始してから所定時間T3が経過した場合には、エンジン制御部7は、復帰処理を終了してドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS9の処理に進める。一方、復帰処理を開始してから所定時間T3が経過していない場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS6の処理に戻して復帰処理を継続する。
ステップS9の処理では、エンジン制御部7が、目標スロットル開度THtをライダー要求開度THrに一致させる通常制御に移行する。これにより、ステップS9の処理は完了し、ドッグ式変速機衝撃低減処理は終了する。
ステップS7からステップS9までの処理の具体例としては、図3に示す時刻t=t5において、目標スロットル開度THtがライダー要求開度THrに到達する。この際、エンジン制御部7は、時刻t=t5において、通常制御に移行する。
ステップS10の処理では、エンジン制御部7が、回転数差DNEが閾値NEGAP2(閾値NEGAP2<0)以下であるか否かを判定する。判定の結果、回転数差DNEが閾値NEGAP2以下である場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS11の処理に進める。一方、回転数差DNEが閾値NEGAP2より大きい場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS1の処理に戻す。
ステップS11の処理では、エンジン制御部7が、ライダー要求開度THrがノーロードラインに対応するノーロードライン開度NLL以下であるか否かを判定する。判定の結果、ライダー要求開度THrがノーロードライン開度NLL以下である場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS12の処理に進める。一方、ライダー要求開度THrがノーロードライン開度NLLより大きい場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS1の処理に戻す。
ステップS12の処理では、エンジン制御部7が、目標スロットル開度THtを所定開度(NLL−β)に保持してRAS処理を開始すると共に、図示しないタイマーを起動させてRAS処理を開始してからの時間の計測を開始する。ここで、所定開度(NLL−β)は、ノーロードライン開度NLLを含むノーロードバンドNLBの範囲内に設定される。目標スロットル開度THtを所定開度(NLL−β)に保持することにより、エンジンの駆動力の変化速度を遷移状態になる直近の駆動状態のときよりも緩めることができる。これにより、ステップS12の処理は完了し、ドッグ式変速機衝撃低減処理はステップS13の処理に進む。
ステップS11からステップS12の処理までの具体例としては、図4に示す時刻t=t11において、ドッグ式変速機が駆動状態であると共に、車両の運転者が車両を加速状態から減速状態に遷移させる。これに伴って、時刻t=t11以降において、ライダー要求開度THrが閉方向に向けて減少し、目標スロットル開度THtがライダー要求開度THrと共に減少し、実スロットル開度THが目標スロットル開度THtに追従して減少する。
図4に示す時刻t=t12において、ドッグ式変速機が駆動状態から遷移状態に遷移することにより、エンジン回転数NEが仮想エンジン回転数HNEに対して乖離し始める。また、図4に示す時刻t=t12以降において、ライダー要求開度THrがノーロードライン開度NLL以下になる。そして、図3に示す時刻t=t13において、回転数差DNEが閾値NEGAP2以下となる。この際、エンジン制御部7は、時刻t=t13において、ステップS10で回転数差DNEが閾値NEGAP2以下であると判定すると共に、ステップS11でライダー要求開度THrがノーロードライン開度NLL以下であると判定し、目標スロットル開度THtを所定開度(NLL−β)に保持する。かかる所定開度は、ノーロードバンドNLBの範囲内に設定される。これにより、時刻t=t13以降は、ライダー要求開度THrが閉方向に減少しているにも関わらず、目標スロットル開度THtが一定であるため、実スロットル開度THはライダー要求開度THrに比べて緩やかに減少し、エンジンの駆動力の変化速度を遷移状態になる直近の駆動状態(図4におい時刻t=t11から時刻t=t12までの状態)のときよりも緩めることができる。
ステップS13の処理では、エンジン制御部7が、ドッグ式変速機が被駆動状態(ネガティブ側の状態)であるか否かを判定する。この際のドッグ式変速機が被駆動状態であるか否かは、実スロットル開度THがノーロードライン開度NLLに到達したか否か、実スロットル開度THが目標スロットル開度THrに到達したか否か、又は、回転数差DNEが閾値NEGAP2より大きいか否かにより判定される。判定の結果、ドッグ式変速機が被駆動状態ではない場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS14の処理に進める。一方、ドッグ式変速機が被駆動状態である場合には、エンジン制御部7は、RAS処理を終了してドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS15の処理に進める。
ステップS12からステップS13までの処理の具体例としては、図4に示す時刻t=t14において、ドッグ式変速機が遷移状態から被駆動状態に遷移すると共に、実スロットル開度THがノーロードライン開度NLLに到達することにより、エンジン回転数NEが仮想エンジン回転数HNEに対して乖離する前の状態に戻る。この際、エンジン制御部7は、時刻t=t14において、ステップS13でドッグ式変速機が被駆動状態であると判定する。
ステップS14の処理では、エンジン制御部7が、タイマーの計測値を参照することにより、RAS処理を開始してから所定時間T2が経過したか否かを判定する。判定の結果、RAS処理を開始してから所定時間T2が経過した場合には、エンジン制御部7は、RAS処理を終了してドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS15の処理に進める。一方、RAS処理を開始してから所定時間T2が経過していない場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS12の処理に戻してRAS処理を継続する。
ステップS15の処理では、エンジン制御部7が、目標スロットル開度THtをライダー要求開度THrに徐々に近づける復帰処理を開始すると共に、図示しないタイマーを起動させて復帰処理を開始してからの時間の計測を開始する。これにより、ステップS15の処理は完了し、ドッグ式変速機衝撃低減処理はステップS16の処理に進む。
ステップS14からステップS15までの処理の具体例としては、図4に示す時刻t=t14においてエンジン制御部7は復帰処理を開始し、図4に示す時刻t=t14以降においてエンジン制御部7は復帰処理を実行することにより目標スロットル開度THtをライダー要求開度THrに徐々に近づける。
ステップS16の処理では、エンジン制御部7が、目標スロットル開度THtがライダー要求開度THrに到達したか否かを判定する。判定の結果、目標スロットル開度THtがライダー要求開度THrに到達していない場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS17の処理に進める。一方、目標スロットル開度THtがライダー要求開度THrに到達した場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS9の処理に進める。
ステップS17の処理では、エンジン制御部7が、タイマーの計測値を参照することにより、復帰処理を開始してから所定時間T4が経過したか否かを判定する。判定の結果、復帰処理を開始してから所定時間T4が経過した場合には、エンジン制御部7は、復帰処理を終了してドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS9の処理に進める。一方、復帰処理を開始してから所定時間T4が経過していない場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS15の処理に戻して復帰処理を継続する。
ステップS16からステップS17までの処理及びステップS9の処理の具体例としては、図4に示す時刻t=t15において、目標スロットル開度THtがライダー要求開度THrに到達する。この際、エンジン制御部7は、時刻t=t15において、通常制御に移行する。
図3に示す具体例における遷移状態は、被駆動状態から駆動状態に遷移する際に生じる。また、図4に示す具体例における遷移状態は、駆動状態から被駆動状態に遷移する際に生じる。
なお、ステップS1の処理としては、上記処理に代えて、エンジン制御部7が、ドッグ式変速機が被駆動状態(ネガティブ側の状態)であるか否かを判定してもよい。具体的には、エンジン制御部7は、実スロットル開度算出部4で算出した実スロットル開度THがノーロードラインに対応するノーロードライン開度NLL未満であるか否かを判定する。判定の結果、実スロットル開度THがノーロードライン開度NLL未満である場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS2の処理に進める。一方、実スロットル開度THがノーロードライン開度NLLより大きい場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS10の処理に進める。これにより、回転数差DNEの絶対値が小さいために閾値NEGAP1以上にならない場合、又は回転数差DNEが閾値NEGAP1以上になるのが瞬時である場合であっても、遷移状態を確実に検出することができる。
また、ステップS1の処理としては、上記処理に代えて、エンジン制御部7が、駆動輪の仮想の回転数と実際の駆動輪の回転数との差が閾値以上であるか否かを判定してもよい。具体的には、エンジン制御部7は、ギアポジション算出部5で算出したギアポジションGPにより定まるドッグ式変速機の変速比、及びエンジン回転数算出部2で算出したエンジン回転数NEに基づいて、駆動輪の仮想の回転数である仮想車両速度(第1の導出値)を算出し、車両速度算出部6で算出した車両速度VSP(第2の導出値)から仮想車両速度を減算して車両速度差を求める。そして、エンジン制御部7は、求めた車両速度差が閾値以上であるか否かを判定する。判定の結果、車両速度差が閾値以上である場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS2の処理に進める。一方、車両速度差が閾値未満である場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS10の処理に進める。
また、ステップS7の処理としては、上記処理に代えて、エンジン制御部7が、実スロットル開度THがライダー要求開度THrに到達したか否かを判定してもよい。判定の結果、実スロットル開度THがライダー要求開度THrに到達していない場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS8の処理に進める。一方、実スロットル開度THがライダー要求開度THrに到達した場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS9の処理に進める。
また、ステップS10の処理としては、上記処理に代えて、エンジン制御部7が、ドッグ式変速機が駆動状態(ポジティブ側の状態)であるか否かを判定してもよい。具体的には、エンジン制御部7は、実スロットル開度算出部4で算出した実スロットル開度THがノーロードラインに対応するノーロードライン開度NLLよりも大きいか否かを判定する。判定の結果、実スロットル開度THがノーロードライン開度NLLよりも大きい場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS11の処理に進める。一方、実スロットル開度THがノーロードライン開度NLL以下の場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS1の処理に戻す。これにより、回転数差DNEの絶対値が大きいために閾値NEGAP2以下にならない場合、又は回転数差DNEが閾値NEGAP1以下になるのが瞬時である場合であっても、遷移状態を確実に検出することができる。
また、ステップS10の処理としては、上記処理に代えて、エンジン制御部7が、駆動輪の仮想の回転数と実際の駆動輪の回転数との差が閾値以下であるか否かを判定してもよい。具体的には、エンジン制御部7が、ギアポジション算出部5で算出したギアポジションGPにより定まるドッグ式変速機の変速比、及びエンジン回転数算出部2で算出したエンジン回転数NE(第1の導出値)に基づいて、仮想車両速度を算出し、車両速度算出部6で算出した車両速度VSP(第2の導出値)から仮想車両速度を減算して車両速度差を求める。そして、エンジン制御部7は、求めた車両速度差が閾値以下であるか否かを判定する。判定の結果、車両速度差が閾値以下である場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS11の処理に進める。一方、車両速度差が閾値より大きい場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS1の処理に戻す。
また、ステップS16の処理としては、上記処理に代えて、エンジン制御部7が、実スロットル開度THがライダー要求開度THrに到達したか否かを判定してもよい。判定の結果、実スロットル開度THがライダー要求開度THrに到達していない場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS17の処理に進める。一方、実スロットル開度THがライダー要求開度THrに到達した場合には、エンジン制御部7は、ドッグ式変速機衝撃低減処理をステップS9の処理に進める。
以上の本実施形態における内燃機関制御装置では、エンジン制御部7が、ドッグ式変速機が駆動状態と被駆動状態との間の遷移状態となった際に、内燃機関の駆動力の変化速度を遷移状態になる直近の駆動状態又は被駆動状態のときよりも緩めるものであるため、車両の加速状態と減速状態とが切り替わる際のドッグ式変速機における機械的な衝撃を低減することができる。
また、本実施形態における内燃機関制御装置では、エンジン制御部7が、エンジンの回転数から導出される第1の導出値と、駆動輪の回転数から導出される第2の導出値と、に基づいて遷移状態を検出するものであるため、簡易な構成により遷移状態を検出することができる。
また、本実施形態における内燃機関制御装置では、第1の導出値が、エンジンの回転数であり、第2の導出値が、駆動輪の回転数とドッグ式変速機の変速比とに応じた内燃機関の仮想の回転数であるため、内燃機関の回転数と仮想の回転数を用いて遷移状態を検出することができる。
また、本実施形態における内燃機関制御装置では、第1の導出値が、エンジンの回転数とドッグ式変速機の変速比とに応じた駆動輪の仮想の回転数であり、第2の導出値が、駆動輪の回転数であるため、駆動輪の仮想の回転数と回転数とを用いて遷移状態を検出することができる。
また、本実施形態における内燃機関制御装置では、エンジン制御部7が、実スロットル開度THとドッグ式変速機のノーロードラインに対応するノーロードライン開度NLLとの比較、及び、車両のアクセル開度に対応したライダー要求開度THrとノーロードライン開度NLLとの比較に基づいて、遷移状態を検出するものであるため、実スロットル開度TH、ノーロードライン開度NLL及び要求開度THrを用いて遷移状態を検出することができる。
また、本実施形態における内燃機関制御装置では、エンジン制御部7が、実スロットル開度THを制御することにより変化速度を緩めるものであるため、実スロットル開度THを制御することにより車両の加速状態と減速状態とが切り替わる際のドッグ式変速機における機械的な衝撃を低減することができる。
また、本実施形態における内燃機関制御装置では、エンジン制御部7は、遷移状態になった際に、実スロットル開度THを追従させる目標スロットル開度THtを所定開度に維持することにより、変化速度を緩めるものであるため、目標スロットル開度THtを制御することにより車両の加速状態と減速状態とが切り替わる際のドッグ式変速機における機械的な衝撃を低減することができる。
また、本実施形態における内燃機関制御装置では、所定開度が、ドッグ式変速機のノーロードラインに対応するノーロードライン開度NLLを含むノーロードバンドNLBの範囲内であるため、目標スロットル開度THtをノーロードラインの付近に維持することができる。
また、本実施形態における内燃機関制御装置では、エンジン制御部が、遷移状態から駆動状態又は被駆動状態になった際に、実スロットル開度THを車両のアクセル開度に対応したライダー要求開度THrに徐々に復帰させる制御を行うものであるため、車両の加速状態と減速状態とが切り替わる際のドッグ式変速機における機械的な衝撃を低減した後に、実スロットル開度THを安定的にライダー要求開度THrに追従させることができる。
また、本実施形態における内燃機関制御装置では、遷移状態が、被駆動状態から駆動状態に遷移する際に生じるものであるため、被駆動状態から遷移状態を経て駆動状態に遷移する際の車両の加速状態と減速状態とが切り替わる際のドッグ式変速機における機械的な衝撃を低減することができる。
また、本実施形態における内燃機関制御装置では、遷移状態が、駆動状態から被駆動状態に遷移する際に生じるものであるため、駆動状態から遷移状態を経て被駆動状態に遷移する際の車両の加速状態と減速状態とが切り替わる際のドッグ式変速機における機械的な衝撃を低減することができる。
本発明は、部材の種類、形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
以上のように、本発明においては、内燃機関の駆動力制御により、車両の加速状態と減速状態とが切り替わる際のドッグ式変速機における機械的な衝撃を低減することができる内燃機関制御装置を提供することができ、その汎用普遍的な性格から自動二輪車等の車両の内燃機関制御装置に広範に適用され得るものと期待される。
1…ECU
2…エンジン回転数算出部
3…アクセル開度算出部
4…実スロットル開度算出部
5…ギアポジション算出部
6…車両速度算出部
7…エンジン制御部
8…スロットルモータ駆動回路
9…点火栓駆動回路
10…燃料噴射弁駆動回路
21…クランク角センサ
22…アクセラレータポジション(AP)センサ
23…スロットルポジション(TH)センサ
24…ギアポジション(GP)センサ
25…車両速度(VSP)センサ
26…スロットルモータ
27…点火栓
28…燃料噴射弁

Claims (11)

  1. 車両の駆動輪にドッグ式変速機を介して駆動力を伝達する内燃機関を制御する制御部を備える内燃機関制御装置において、
    前記制御部は、
    前記ドッグ式変速機が駆動状態と被駆動状態との間の遷移状態となった際に、前記内燃機関の駆動力の変化速度を前記遷移状態になる直近の前記駆動状態又は前記被駆動状態のときよりも緩める、
    ことを特徴とする内燃機関制御装置。
  2. 前記制御部は、
    前記内燃機関の回転数から導出される第1の導出値と、前記駆動輪の回転数から導出される第2の導出値と、に基づいて前記遷移状態を検出する、
    ことを特徴とする請求項1記載の内燃機関制御装置。
  3. 前記第1の導出値は、前記内燃機関の回転数であり、
    前記第2の導出値は、前記駆動輪の回転数と前記ドッグ式変速機の変速比とに応じた前記内燃機関の仮想の回転数である、
    ことを特徴とする請求項2記載の内燃機関制御装置。
  4. 前記第1の導出値は、前記内燃機関の回転数と前記ドッグ式変速機の変速比とに応じた前記駆動輪の仮想の回転数であり、
    前記第2の導出値は、前記駆動輪の回転数である、
    ことを特徴とする請求項2記載の内燃機関制御装置。
  5. 前記制御部は、
    実スロットル開度と前記ドッグ式変速機のノーロードラインに対応するノーロードライン開度との比較、及び、前記車両のアクセル開度に対応した要求開度と前記ノーロードライン開度との比較に基づいて、前記遷移状態を検出する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の内燃機関制御装置。
  6. 前記制御部は、
    実スロットル開度を制御することにより前記変化速度を緩める、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の内燃機関制御装置。
  7. 前記制御部は、
    前記遷移状態になった際に、実スロットル開度を追従させる目標スロットル開度を所定開度に維持することにより、前記変化速度を緩める、
    ことを特徴とする請求項6記載の内燃機関制御装置。
  8. 前記所定開度は、
    前記ドッグ式変速機のノーロードラインに対応するノーロードライン開度を含むノーロードバンドの範囲内である、
    ことを特徴とする請求項7記載の内燃機関制御装置。
  9. 前記制御部は、
    前記遷移状態から前記駆動状態又は前記被駆動状態になった際に、実スロットル開度を前記車両のアクセル開度に対応した要求開度に徐々に近づける制御を行う、
    ことを特徴とする請求項6から請求項8のいずれかに記載の内燃機関制御装置。
  10. 前記遷移状態は、
    前記被駆動状態から前記駆動状態に遷移する際に生じる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の内燃機関制御装置。
  11. 前記遷移状態は、
    前記駆動状態から前記被駆動状態に遷移する際に生じる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれかに記載の内燃機関制御装置。
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