JP2008144756A - 制御システムおよびそれを備えた車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】快適かつ操作性の高い車両の走行を可能にする制御システムおよびそれを備えた車両を提供する。
【解決手段】自動二輪車は、変速機5、CPU、エンジン、荷重センサSE6および報知ランプを含む。荷重センサSE6は、運転者のシフト操作を検出する。運転者によりシフト操作が行われた場合、エンジンと変速機5との間において伝達される回転力(駆動力)が小さくなるようにCPUによりエンジンの出力が調整される。なお、CPUは、運転者によりシフトアップ操作が行われた場合に、変速機5からエンジンへ回転力が伝達されている場合には、上記の出力調整を行わない。また、運転者によりシフトアップ操作が行われた場合に、変速機5からエンジンへ所定値以上の回転力が伝達されている場合には、CPUにより報知ランプが点灯される。
【選択図】図2

Description

本発明は、運転者のシフト操作を補助する制御システムおよびそれを備えた車両に関する。
マニュアルトランスミッションを備えた車両においてギアシフトを行う場合、通常、運転者は、まずクラッチを切断する。これにより、エンジンのクランクシャフトからトランスミッションのメイン軸への動力の伝達が停止され、ギアの切り離しが容易になる。この状態で、運転者はシフト操作を行い、ギアポジションを変更する。最後に、運転者は、クラッチを接続し、クランクシャフトからメインシャフトへ動力を伝達させる。これにより、ギアシフトが完了する。
ところで、レース等においては、迅速なギアシフトが求められる。そのため、運転者は、クラッチ操作を行わずにギアシフト(以下、クラッチレスシフトと称する)を行う場合がある。この場合、クランクシャフトからメインシャフトへ動力が伝達されている状態でギアシフトが行われるので、ギアの切り離しが困難である。そのため、運転者は、ギアの切り離しを容易に行うことができるように、エンジンの出力を調整しなければならない。
このようなエンジンの出力の調整は、熟練度の低い運転者にとっては困難な作業である。したがって、熟練度の低い運転者がクラッチレスシフトを行った場合、円滑にギアシフトを行えない場合がある。
そこで、従来より、クラッチレスシフトにおいてエンジンの出力を制御する装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1記載の車両用変速装置においては、運転者によりシフトアップ操作が行われかつエンジンから駆動輪へトルクが伝達されている場合に、エンジンの出力トルクが一時的に低下される。それにより、変速機構の伝達トルクが低下され、クラッチ操作を行うことなくシフトアップを行うことが可能となる。
また、運転者によりシフトダウン操作が行われかつ駆動輪からエンジンへトルクが伝達されている場合には、エンジンの出力トルクが一時的に増加される。それにより、変速機構の伝達トルクが低下され、クラッチ操作を行うことなくシフトダウンを行うことが可能となる。
特許第2813009号公報
上記特許文献1の車両用変速装置においては、運転者がシフトペダルを操作したときのトルクの伝達状態に基づいて、エンジンの出力トルクが調整される。
しかしながら、シフトペダルを操作したときのトルクの伝達状態を運転者が正確に把握することは困難である。この場合、運転者の予想とは異なるエンジンの出力調整が行われ、円滑なクラッチレスシフトを行えない場合がある。それにより、運転者に不快感を与えてしまう。
本発明の目的は、快適かつ操作性の高い車両の走行を可能にする制御システムおよびそれを備えた車両を提供することである。
(1)第1の発明に係る制御システムは、アクセル操作量に応じてエンジンにより発生される回転力を駆動輪に伝達する変速機を備える車両においてエンジンの出力を調整する制御システムであって、運転者による変速機のシフト操作を検出する検出部と、検出部により変速機のシフト操作が検出された場合に回転力がエンジンから変速機へ伝達されている駆動状態または回転力が変速機からエンジンへ伝達されている被駆動状態における回転力が小さくなるようにエンジンの出力を調整し、被駆動状態において検出部により変速機のシフトアップ操作が検出された場合には上記の出力調整を行わないエンジン出力調整部と、エンジン出力調整部により上記の出力調整が行われずかつ被駆動状態における回転力が第1の値以上の場合に、上記の出力調整が行われないことを運転者に認識させるための報知を行う報知手段とを備えるものである。
その制御システムによれば、検出部により変速機のシフト操作が検出される。そして、検出部によりシフト操作が検出された場合に、エンジン出力調整部により、エンジンと変速機との間において伝達される回転力が小さくなるようにエンジンの出力が調整される。
ここで、回転力が変速機からエンジンへ伝達されている被駆動状態においてシフトアップ操作が行われた場合は、エンジン出力調整部によるエンジンの出力調整は行われない。
被駆動状態における回転力が小さい場合には、変速機の入力軸側のギアと出力軸側のギアとの係合力は小さい。この場合、エンジンの出力を調整しなくても、それらのギアを容易に離間させることが可能である。したがって、エンジンの出力を調整しなくても、運転者はクラッチレスシフトを容易に行うことができる。つまり、この制御システムによれば、被駆動状態における回転力が小さい場合には、クラッチレスシフト時に、エンジンの出力変化によるショックが車両に発生しない。それにより、運転者が不快感を感じることを防止することができるとともに、車両の操作性が向上する。
一方、被駆動状態における回転力が大きい場合すなわち車両に大きなエンジンブレーキがかかっている場合には、変速機の入力側のギアと出力側のギアとの係合力は大きい。この場合、エンジンの出力を調整しなければ、それらのギアを離間させることは困難であり、変速機のギアシフトが困難な状態になる。したがって、この制御システムによれば、車両に大きなエンジンブレーキがかかっている場合には、変速機のシフトアップが防止される。それにより、減速時に車両の速度が急激に上昇することを防止することができるので、車両の操作性が十分に向上する。
また、エンジン出力調整部により上記の出力調整が行われずかつ被駆動状態における回転力が第1の値以上の場合には、報知手段により、上記の出力調整が行われないことを運転者に認識させるための報知が行われる。その報知により、運転者は、変速機のギアシフトが困難な状態であることを容易に認識することができる。それにより、運転者はシフト操作を迅速に中断することができる。その結果、車両の操作性がさらに向上する。
以上の結果、快適な車両の走行が可能となる。
(2)エンジン出力調整部は、検出部により変速機のシフト操作が検出された場合に、エンジンの回転速度が第2の値よりも低い場合には、エンジンと変速機との間の回転力の伝達状態にかかわらず上記の出力調整を行わず、報知手段は、検出部により変速機のシフト操作が検出された場合に、エンジンの回転速度が第2の値よりも低い場合には、被駆動状態における回転力の値にかかわらず上記の報知を行ってもよい。
この場合、車両の低速走行時には、変速機のギアシフトが困難な状態になる。それにより、低速走行時に車両の速度が急激に変化することが防止される。その結果、駆動輪のスリップを防止することができ、車両の操作性が向上する。
また、運転者は、報知手段の報知により、変速機のギアシフトが困難な状態であることを容易に認識することができる。それにより、運転者はシフト操作を迅速に中断することができる。
(3)エンジン出力調整部は、検出部により変速機のシフト操作が検出された場合に、車両の速度が第3の値よりも低い場合には、エンジンと変速機との間の回転力の伝達状態にかかわらず上記の出力調整を行わず、報知手段は、検出部により変速機のシフト操作が検出された場合に、車両の速度が第3の値よりも低い場合には、被駆動状態における回転力の値にかかわらず上記の報知を行ってもよい。
この場合、車両の低速走行時には、変速機のギアシフトが困難な状態になる。それにより、低速走行時に車両の速度が急激に変化することが防止される。その結果、駆動輪のスリップを防止することができ、車両の操作性が向上する。
また、運転者は、報知手段の報知により、変速機のギアシフトが困難な状態であることを容易に認識することができる。それにより、運転者はシフト操作を迅速に中断することができる。
(4)エンジン出力調整部は、検出部により変速機のシフト操作が検出された場合に、駆動状態における回転力が第4の値以上である場合にはエンジンの出力を低下させ、駆動状態における回転力が第4の値よりも小さい場合には上記の出力低下を行わなくてもよい。
この制御システムによれば、駆動状態において運転者がシフト操作を行った場合にエンジンの出力が低下されるので、変速機の入力軸と出力軸との間で伝達される回転力が低下する。それにより、変速機の入力軸側のギアと出力軸側のギアとの係合力が低下し、それらのギアを容易に離間させることが可能となる。その結果、運転者は、クラッチレスシフトを容易に行うことができる。
また、駆動状態における回転力が第4の値より小さい場合には、上記の出力低下は行われない。ここで、駆動状態における回転力が第4の値より小さい場合には、変速機の入力軸と出力軸との間で伝達される回転力は小さい。この場合、変速機の入力軸側のギアと出力軸側のギアとに大きな係合力は発生しない。したがって、エンジンの出力低下が行われなくても、運転者はクラッチレスシフトを容易に行うことができる。この場合、エンジンの出力低下によるショックが車両に発生しないので、運転者が不快感を感じることを防止することができるとともに、車両の操作性が向上する。
(5)エンジン出力調整部は、検出部により変速機のシフトダウン操作が検出された場合に、被駆動状態における回転力が第1の値以上の場合にはエンジンの出力を増加させ、被駆動状態における回転力が第1の値よりも小さい場合には上記の出力増加を行わなくてもよい。
この制御システムによれば、検出部によりシフトダウン操作が検出された場合に、被駆動状態における回転力が第1の値以上である場合には、エンジン出力調整部によりエンジンの出力が増加される。また、検出部によりシフトダウン操作が検出された場合に、被駆動状態における回転力が第1の値より小さい場合には、上記の出力増加は行われない。
この場合、被駆動状態において運転者がシフトダウン操作を行った場合にエンジンの出力が増加されるので、変速機の入力軸と出力軸との間で伝達される回転力が低下する。それにより、変速機の入力軸側のギアと出力軸側のギアとの係合力が低下し、それらのギアを容易に離間させることが可能となる。その結果、運転者は、クラッチレスシフトを容易に行うことができる。
また、被駆動状態における回転力が第1の値より小さい場合には、上記の出力増加は行われない。ここで、被駆動状態における回転力が第1の値より小さい場合には、変速機の入力軸と出力軸との間で伝達される回転力は小さい。この場合、変速機の入力軸側のギアと出力軸側のギアとに大きな係合力は発生しない。したがって、エンジンの出力増加が行われなくても、運転者はクラッチレスシフトを容易に行うことができる。この場合、エンジンの出力増加によるショックが車両に発生しないので、運転者が不快感を感じることを防止することができるとともに、車両の操作性が向上する。
以上の結果、快適な車両の走行が可能となる。
(6)制御システムは、エンジンに吸入される空気量を調整するスロットルバルブをさらに備え、エンジン出力調整部は、エンジンの回転速度およびスロットルバルブの開度に基づいて回転力が第1の値以上であるか否かを判別してもよい。
この場合、エンジンと変速機との間で伝達される回転力を検出するための装置が不要なので、制御システムを簡便に構成することができる。それにより、車両の低コスト化が可能となる。
(7)第1の値は、エンジンの回転速度およびスロットルバルブの開度に基づいて予め設定されてもよい。
この場合、エンジンの回転速度およびスロットルバルブの開度に応じた適切な第1の値を設定することができる。それにより、運転者は、クラッチレスシフトを容易かつ確実に行うことができる。
(8)制御システムは、エンジンに吸入される空気量を調整するスロットルバルブをさらに備え、エンジン出力調整部は、エンジンの回転速度およびスロットルバルブの開度に基づいて回転力が第4の値以上であるか否かを判別してもよい。
この場合、エンジンと変速機との間で伝達される回転力を検出するための装置が不要なので、制御システムを簡便に構成することができる。それにより、車両の低コスト化が可能となる。
(9)第4の値は、エンジンの回転速度およびスロットルバルブの開度に基づいて予め設定されてもよい。
この場合、エンジンの回転速度およびスロットルバルブの開度に応じた適切な第1の値を設定することができる。それにより、運転者は、クラッチレスシフトを容易かつ確実に行うことができる。
(10)第2の発明に係る車両は、駆動輪と、アクセル操作量に応じて駆動輪を回転させるための回転力を発生するエンジンと、エンジンにより発生される回転力を駆動輪に伝達する変速機と、第1の発明に係る制御システムとを備えたものである。
その車両によれば、エンジンにより発生された回転力は変速機を介して駆動輪へ伝達される。それにより、駆動輪が駆動される。また、第1の発明に係る制御システムにより、エンジンの出力が調整される。
第1の発明に係る制御システムによれば、検出部により変速機のシフト操作が検出される。そして、検出部によりシフト操作が検出された場合に、エンジン出力調整部により、エンジンと変速機との間において伝達される回転力が小さくなるようにエンジンの出力が調整される。
ここで、回転力が変速機からエンジンへ伝達されている被駆動状態においてシフトアップ操作が行われた場合は、エンジン出力調整部によるエンジンの出力調整は行われない。
被駆動状態における回転力が小さい場合には、変速機の入力軸側のギアと出力軸側のギアとの係合力は小さい。この場合、エンジンの出力を調整しなくても、それらのギアを容易に離間させることが可能である。したがって、エンジンの出力を調整しなくても、運転者はクラッチレスシフトを容易に行うことができる。つまり、この車両においては、被駆動状態における回転力が小さい場合には、クラッチレスシフト時に、エンジンの出力変化によるショックが車両に発生しない。それにより、運転者が不快感を感じることを防止することができるとともに、車両の操作性が向上する。
一方、被駆動状態における回転力が大きい場合すなわち車両に大きなエンジンブレーキがかかっている場合には、変速機の入力側のギアと出力側のギアとの係合力は大きい。この場合、エンジンの出力を調整しなければ、それらのギアを離間させることは困難であり、変速機のギアシフトが困難な状態になる。したがって、この車両においては、車両に大きなエンジンブレーキがかかっている場合には、変速機のシフトアップが防止される。それにより、減速時に車両の速度が急激に上昇することを防止することができるので、車両の操作性が十分に向上する。
また、エンジン出力調整部により上記の出力調整が行われずかつ被駆動状態における回転力が第1の値以上の場合には、報知手段により、上記の出力調整が行われないことを運転者に認識させるための報知が行われる。その報知により、運転者は、変速機のギアシフトが困難な状態であることを容易に認識することができる。それにより、運転者はシフト操作を迅速に中断することができる。その結果、車両の操作性がさらに向上する。
以上の結果、快適な車両の走行が可能となる。
本発明によれば、被駆動状態における回転力が小さい場合には、クラッチレスシフト時に、エンジンの出力変化によるショックが車両に発生しない。それにより、運転者が不快感を感じることを防止することができるとともに、車両の操作性が向上する。
また、車両に大きなエンジンブレーキがかかっている場合には、変速機のシフトアップが防止される。それにより、減速時に車両の速度が急激に上昇することを防止することができるので、車両の操作性が十分に向上する。
また、エンジン出力調整部により上記の出力調整が行われずかつ被駆動状態における回転力が第1の値以上の場合には、報知手段により、上記の出力調整が行われないことを運転者に認識させるための報知が行われる。その報知により、運転者は、変速機のギアシフトが困難な状態であることを容易に認識することができる。それにより、運転者はシフト操作を迅速に中断することができる。その結果、車両の操作性がさらに向上する。
以上の結果、快適な車両の走行が可能となる。
以下、本発明の実施の形態に係る制御システムおよびそれを備える車両について図面を用いて説明する。なお、以下の説明においては、車両の一例として自動二輪車について説明する。
(1)自動二輪車の概略構成
図1は、本実施の形態に係る自動二輪車を示す概略側面図である。
図1の自動二輪車100においては、本体フレーム101の前端にヘッドパイプ102が設けられる。ヘッドパイプ102にフロントフォーク103が左右方向に揺動可能に設けられる。フロントフォーク103の下端に前輪104が回転可能に支持される。ヘッドパイプ102の上端にはハンドル105が設けられる。
ハンドル105には、アクセルグリップ106、アクセル開度センサSE1および報知ランプ60が設けられる。アクセル開度センサSE1は、運転者によるアクセルグリップ106の操作量(以下、アクセル開度と称する)を検出する。報知ランプ60については後述する。
本体フレーム101の中央部には、エンジン107が設けられる。エンジン107には、吸気管79および排気管118が取り付けられる。エンジン107の下部には、クランクケース109が取り付けられる。クランクケース109内には、クランク角センサSE2が設けられる。クランク角センサSE2は、エンジン107の後述するクランク2(図2および図5参照)の回転角度を検出する。
また、吸気管79内には、スロットルセンサSE3が設けられる。スロットルセンサSE3は、後述する電子制御式スロットルバルブ(ETV)82(図5参照)の開度を検出する。
本体フレーム101の下部には、クランクケース109に連結されるミッションケース110が設けられる。ミッションケース110内には、シフトカム回転角センサSE4、ドライブ軸回転速度センサSE5、後述する変速機5(図2参照)および後述するシフト機構7(図2参照)が設けられる。
シフトカム回転角センサSE4は、後述するシフトカム7b(図2参照)の回転角度を検出する。ドライブ軸回転速度センサSE5は、後述するドライブ軸5b(図2参照)の回転速度を検出する。変速機5およびシフト機構7の詳細は後述する。
ミッションケース110の側部には、変速操作機構111が設けられる。変速操作機構111は、シフトペダル11、第1の連結アーム12、荷重センサSE6、第2の連結アーム13、回動アーム14および回動軸15を備える。回動軸15の一端は回動アーム14に固定され、他端は後述するシフト機構7(図2参照)に連結されている。
例えば、変速機5をシフトアップさせる場合には、運転者は、シフトペダル11を踏み込んでシフトペダル11を時計回り(図1に矢印で示す方向)に回動させる。これにより、第1および第2の連結アーム12,13が自動二輪車100の後方側に向かって移動し、回動アーム14および回動軸15が時計回りに回動する。その結果、シフト機構7が操作され、変速機5のシフトアップが行われる。なお、変速機5をシフトダウンさせる場合には、シフトペダル11を反時計回りに回動させる。それにより、回動軸15が上記の場合と逆の方向(反時計回り)に回動する。その結果、シフト機構7が操作され、変速機5のシフトダウンが行われる。
荷重センサSE6は、例えば弾性式(歪ゲージ式、静電容量式等)または磁歪式等のロードセルからなり、荷重センサSE6に働く引張荷重および圧縮荷重を検出する。運転者が、シフトペダル11を時計回りに回動させた場合(シフトアップ操作)には、荷重センサSE6に引張荷重が働く。また、運転者が、シフトペダル11を反時計回りに回動させた場合(シフトダウン操作)には、荷重センサSE6に圧縮荷重が働く。
エンジン107の上部には燃料タンク112が設けられ、燃料タンク112の後方にはシート113が設けられる。シート113の下部には、ECU50(Electronic Control Unit;電子制御ユニット)が設けられる。
ECU50は、I/F(インターフェース)501、CPU(中央演算処理装置)502、ROM(リードオンリメモリ)503およびRAM(ランダムアクセスメモリ)504を含む。上記のセンサSE1〜SE6の検出値は、I/F501を介してCPU502に与えられる。CPU502は、後述するように、各センサSE1〜SE6の検出値に基づいてエンジン107の動作を制御する。ROM503は、CPU502の制御プログラム等を記憶する。RAM504は、後述する第1〜第6のしきい値等を記憶するとともに、CPU502の作業領域として機能する。
エンジン107の後方に延びるように、本体フレーム101にリアアーム114が接続される。リアアーム114は、後輪115および後輪ドリブンスプロケット116を回転可能に保持する。後輪ドリブンスプロケット116には、チェーン117が取り付けられる。
エンジン107の排気ポートには、排気管118の一端側が取り付けられる。排気管118の他端側には、マフラー119が取り付けられる。
(2)変速機構
図2は、図1のミッションケース110内に設けられる変速機およびシフト機構の構成を説明するための図である。
図2に示すように、変速機5は、メイン軸5aおよびドライブ軸5bを備える。メイン軸5aには複数の変速ギア5cが装着されており、ドライブ軸5bには複数の変速ギア5dおよび後輪ドライブスプロケット5eが装着されている。後輪ドライブスプロケット5eには、図1のチェーン117が取り付けられる。
図1のエンジン107により発生される回転力(駆動力)は図2のクランク2を介してクラッチ3に伝達される。クラッチ3に伝達された回転力は、変速機5のメイン軸5aに伝達される。メイン軸5aに伝達された回転力は、変速ギア5c,5dを介してドライブ軸5bに伝達される。ドライブ軸5bに伝達された回転力は、後輪ドライブスプロケット5e、チェーン117(図1)および後輪ドリブンスプロケット116(図1)を介して後輪115(図1)に伝達される。それにより、後輪115が回転する。
図3は、メイン軸5aに伝達された回転力がドライブ軸5bに伝達される構成を示す概略模式図である。
なお、図3(a),(b)においては、複数の変速ギア5cのうちの変速ギア5c1および変速ギア5c2が示され、複数の変速ギア5dのうちの変速ギア5d1および変速ギア5d2が示されている。
変速ギア5c1は、セレーション構造によりメイン軸5aに装着されている。すなわち、変速ギア5c1は、メイン軸5aの軸方向においては移動自在であるが、メイン軸5aの回転方向においてはメイン軸5aに固定されている。そのため、変速ギア5c1は、メイン軸5aが回転することにより回転する。変速ギア5c2は、メイン軸5aの軸方向における移動が禁止された状態でメイン軸5aに回転自在に装着されている。
変速ギア5d1は、ドライブ軸5bの軸方向における移動が禁止された状態でドライブ軸5bに回転自在に装着されている。図3(a)に示すように、変速ギア5c1と変速ギア5d1とが噛み合っている場合には、メイン軸5aが回転することにより変速ギア5d1が回転する。
変速ギア5d2は、セレーション構造によりドライブ軸5bに装着されている。すなわち、変速ギア5d2は、ドライブ軸5bの軸方向においては移動自在であるが、ドライブ軸5bの回転方向においてはドライブ軸5bに固定されている。そのため、ドライブ軸5bは、変速ギア5d2が回転することにより回転する。
図3(a)に示すように、変速ギア5d2が変速ギア5d1から離間している場合には、変速ギア5d1は、ドライブ軸5bの回転方向においてドライブ軸5bに固定されていない。この場合、メイン軸5aが回転することにより、変速ギア5d1が回転するが、ドライブ軸5bは回転しない。このように、メイン軸5aからドライブ軸5bに回転力(駆動力)が伝達されない状態をギアがニュートラルポジションにあると呼ぶ。
図3(b)に示すように、変速ギア5d2が変速ギア5d1に近接するように軸方向に移動することにより、変速ギア5d2の側面に設けられた凸状のドッグ5fが、変速ギア5d1の側面に設けられた凹状のドッグ穴(図示せず)に係合する。それにより、変速ギア5d1と変速ギア5d2とが固定される。この場合、メイン軸5aが回転することにより、変速ギア5d1とともに変速ギア5d2が回転する。それにより、ドライブ軸5bが回転する。
なお、図3(a)の状態から、変速ギア5c1を変速ギア5c2に近接させ、変速ギア5c1と変速ギア5c2とを固定した場合には、変速ギア5c2は変速ギア5c1とともに回転する。この場合、変速ギア5d2は、変速ギア5c2の回転に基づいて回転する。それにより、ドライブ軸5bが回転する。以下、変速ギア5c1,5d2のように、メイン軸5aまたはドライブ軸5b上を軸方向に移動する変速ギアをスライドギアと称する。また、変速ギア5c2,5d1のように、メイン軸5aまたはドライブ軸5bの軸方向における移動が禁止された変速ギアをフィックスギアと称する。
このように、変速機5においては、スライドギアを移動させ、スライドギアとフィックスギアとの組み合わせを変更することにより、メイン軸5aからドライブ軸5bへの回転力(駆動力)の伝達経路を変更することができる。それにより、ドライブ軸5bの回転速度を変更することができる。なお、スライドギアは、後述のシフトアーム7aにより移動される。
図2に示すように、シフト機構7は、シフトアーム7a、シフトカム7bおよび複数のシフトフォーク7cを備える。シフトアーム7aの一端側は、回動軸15に固定され、他端側はシフトカム7bの一端に連結されている。シフトカム7bには、複数のカム溝7dが形成されている。この複数のカム溝7dに複数のシフトフォーク7cがそれぞれ装着されている。シフトカム7bの他端には、シフトカム回転角センサSE4が設けられている。
上述したように、回動軸15は、運転者がシフトペダル11を回動させることにより回動する。回動軸15が回動することにより、シフトアーム7aが一端側を中心として回動する。それにより、シフトカム7bが回動する。
シフトカム7bが回動することにより、各シフトフォーク7cがカム溝7dに沿って移動する。それにより、スライドギアが移動され、メイン軸5aからドライブ軸5bへの回転力(駆動力)の伝達経路が変更される。すなわち、変速機5の変速比が変更される。
(3)エンジン出力と変速ギアとの関係
一般に、変速機5のギアを切り替える場合(以下、ギアシフトと称する)には、運転者は、図示しないクラッチレバーを操作して、クラッチ3(図2)を切断する。これにより、クランク2(図2)とメイン軸5aとの間における回転力の伝達が停止される。運転者は、この状態でシフトペダル11を操作する(以下、シフト操作と称する)。それにより、円滑なギアシフトを行うことが可能となる。以下、その理由を図面を用いて説明する。
上述したように、複数の変速ギア5c,5dのスライドギアには凸状のドッグが形成され、複数の変速ギア5c,5dのフィックスギアにはドッグが係合される凹状のドッグ穴が形成される。
図4は、スライドギアのドッグとフィックスギアのドッグ穴との関係を示す図である。なお、図4においては、スライドギアおよびフィックスギアのドッグおよびドッグ穴が形成されている部分の断面図が模式的に示されている。また、スライドギアおよびフィックスギアの図4に示す部分は、矢印で示す方向に移動(回転)しているものとする。
図4(a)は、クランク2(図2)からメイン軸5a(図2)に回転力が与えられている場合を示し、図4(b)は、メイン軸5aからクランク2に回転力が与えられている場合を示す。以下、クランク2からメイン軸5aに回転力が与えられている場合(図4(a)の状態)をエンジン107の駆動状態と称し、その逆の場合(図4(b)の状態)をエンジン107の被駆動状態と称する。例えば、自動二輪車100が加速している場合にエンジン107が駆動状態となり、自動二輪車100が減速している場合にエンジン107が被駆動状態となる。すなわち、エンジン107の被駆動状態は、エンジンブレーキがかかっている状態である。
図4に示すように、フィックスギア51には、底面に向かって幅広となる断面台形のドッグ穴52が形成されている。また、スライドギア53には、先端部に向かって幅広となる断面逆台形のドッグ54が形成されている。
エンジン107の駆動状態においては、図4(a)に示すように、ドッグ54の移動方向における前方側の側面がドッグ穴52の移動方向における前方側の側面に当接する。これにより、スライドギア53の回転力がドッグ54を介してフィックスギア51に伝達される。この場合、ドッグ穴52とドッグ54との接触面において大きな圧力(係合力)が発生する。したがって、スライドギア53をフィックスギア51から離間する方向に移動させることは困難である。
ここで、運転者がクラッチ3(図2)を切断した場合、クランク2(図2)からメイン軸5a(図2)への回転力の伝達が停止される。この場合、メイン軸5aは惰性で回転する。それにより、図4(c)に示すように、ドッグ穴52とドッグ54との係合が解除される。その結果、スライドギア53をフィックスギア51から離間する方向に移動させることが可能となり、ギアシフトを円滑に行うことができる。
また、エンジン107の被駆動状態においては、図4(b)に示すように、ドッグ54の移動方向における後方側の側面がドッグ穴52の移動方向における後方側の側面に当接する。これにより、フィックスギア51の回転力がドッグ54を介してスライドギア53に伝達される。上述したように、エンジン107の被駆動状態においてはエンジンブレーキがかかっているので、フィックスギア51の回転は、スライドギア53によって規制される。この場合、ドッグ穴52とドッグ54との接触面において大きな圧力(係合力)が発生する。したがって、スライドギア53をフィックスギア51から離間する方向に移動させることは困難である。
ここで、運転者がクラッチ3(図2)を切断した場合、クランク2(図2)とメイン軸5a(図2)との間の回転力の伝達が停止される。この場合、エンジンブレーキが解除され、メイン軸5aは惰性で回転する。それにより、図4(c)に示すように、ドッグ穴52とドッグ54との係合が解除される。その結果、スライドギア53をフィックスギア51から離間する方向に移動させることが可能となり、ギアシフトを円滑に行うことができる。
(4)エンジンの出力制御
本実施の形態においては、ECU50(図5)のCPU502は、上記のセンサSE1〜SE6の検出値に基づいてエンジン107の出力を調整する。それにより、クラッチ3(図2)を切断することなく、フィックスギア51およびスライドギア53を図4(c)に示す状態にすることができる。その結果、運転者は、クラッチ3を切断することなく円滑にギアシフトを行うことができる。すなわち、クラッチレスシフトを円滑に行うことができる。以下、詳細に説明する。
(4−1)エンジンと各部との関係
図5は、エンジン107およびエンジン107の出力制御に関連する各部の概略構成を示す図である。
図5に示すように、エンジン107はシリンダ71を有し、シリンダ71内には、ピストン72が上下動可能に設けられる。また、シリンダ71内の上部には燃焼室73が形成される。燃焼室73は吸気ポート74および排気ポート75を介してエンジン107の外部に連通する。
吸気ポート74の下流側の開口端74aに吸気弁76が開閉自在に設けられ、排気ポート75の上流側の開口端75aに排気弁77が開閉自在に設けられる。吸気弁76および排気弁77は、通常のカム機構により駆動される。燃焼室73の上部には、燃焼室73内で火花点火を行うための点火プラグ78が設けられる。
エンジン107には、吸気ポート74と連通するように吸気管79が取り付けられ、排気ポート75と連通するように排気管118が取り付けられる。吸気管79には、シリンダ71内に燃料を供給するためのインジェクタ108が設けられる。また、吸気管79内には、電子制御式スロットルバルブ(ETV)82が設けられる。
エンジン107の作動時には、空気が吸気管79を通して吸気ポート74から燃焼室73内に吸入されるとともに、インジェクタ108により燃焼室73内に燃料が供給される。それにより、燃焼室73内で混合気が生成され、点火プラグ78により混合気に火花点火が行われる。燃焼室73内において混合気の燃焼により生じた既燃ガスは、排気ポート75から排気管118を通して排出される。
ECU50には、アクセル開度センサSE1、クランク角センサSE2、スロットルセンサSE3、シフトカム回転角センサSE4、ドライブ軸回転速度センサSE5および荷重センサSE6の検出値が与えられる。
(4−2)CPUの制御動作
(a)概略
本実施の形態においては、ECU50(図5)のCPU502は、通常時には、アクセル開度センサSE1の検出値に基づいてETV82のスロットル開度を調整する。それにより、エンジン107の出力がアクセル開度に応じた値に調整される。なお、アクセル開度とスロットル開度(エンジン出力)との関係は、図5のROM503またはRAM504に記憶されている。
また、CPU502は、荷重センサSE6の検出値に基づいて運転者のシフト操作を検知する。そして、CPU502は、運転者のシフト操作を検知したときに、クランク角センサSE2およびスロットルセンサSE3の検出値に基づいて、エンジン107が駆動状態、被駆動状態および後述する境界状態(駆動状態と被駆動状態との間の状態)のうちどの状態であるかを判別する。この判別結果に基づいて、CPU502は、エンジン107の出力を調整する。さらに、CPU502は、シフトカム回転角センサSE4の検出値に基づいてギアシフトが完了したか否かを判別し、ギアシフトが完了した場合には、エンジン107の出力調整を終了する。
例えば、エンジン107が駆動状態である場合に運転者によりシフトアップ操作またはシフトダウン操作が行われたときには、CPU502によりエンジン107の出力が一時的に低下される。詳細には、CPU502は、エンジン107の出力を、そのときのアクセル開度に基づいて決定されるエンジン107の出力よりも一時的に低下させる。
また、エンジン107が被駆動状態である場合に運転者によりシフトダウン操作が行われた場合には、CPU502によりエンジン107の出力が一時的に増加される。詳細には、CPU502は、エンジン107の出力を、そのときのアクセル開度に基づいて決定されるエンジン107の出力よりも一時的に増加させる。なお、境界状態である場合には、CPU502によるエンジン107の出力調整は行われない。
なお、CPU502は、例えば、点火プラグ78(図5)による混合気への火花点火を停止すること、点火時期を遅角させること、またはETV82(図5)のスロットル開度を小さくすることにより、エンジン107の出力を低下させる。また、CPU502は、例えば、ETV82のスロットル開度を大きくすることによりエンジン107の出力を増加させる。
以下、図面を用いてCPU502の制御動作を詳細に説明する。
(b)駆動状態、境界状態および被駆動状態の判別方法
まず、エンジン107の状態(駆動状態、境界状態および被駆動状態)の判別方法について説明する。本実施の形態においては、CPU502は、無負荷時のエンジン107(図5)の回転速度とETV82(図5)のスロットル開度との関係を示すデータ(以下、駆動状態判別データと称する)に基づいて、エンジン107が駆動状態、境界状態および被駆動状態のうちどの状態であるかを判別する。
図6は、ECU50のRAM504(ROM503)に記憶される駆動状態判別データの一例を示す図である。図6において、縦軸はエンジン107の回転速度を示し、横軸はETV82のスロットル開度を示す。
図6において、点線aは、変速ギア5c,5d(図2)がニュートラルポジションである場合のエンジン107の回転速度とスロットル開度との関係を示している。図6に示すように、変速ギア5c,5dがニュートラルポジションである場合、エンジン107の回転速度とスロットル開度との関係はヒステリシスループを形成する。なお、点線aに示す関係は、例えば、実験またはコンピュータを用いたシミュレーション等により導出することができる。
本実施の形態においては、点線aに外接する2本の平行な直線の内側の帯状の領域(一点鎖線bと一点鎖線cとの間の領域)を境界領域Aと定義するとともに、一点鎖線bより下の領域を駆動領域Bと定義し、一点鎖線cより上の領域を被駆動領域Cと定義する。
エンジン107の状態(駆動状態、境界状態および被駆動状態)を判別する際には、CPU502は、クランク角センサSE2の検出値に基づいてエンジン107の回転速度を算出する。そして、算出した回転速度とスロットルセンサSE3の検出値とに基づいて、エンジン107とスロットル開度との関係が上記3つの領域のうちのどの領域に含まれているかを判別する。それにより、エンジン107が駆動状態、境界状態および被駆動状態状態のうちのどの状態であるか判別する。
例えば、エンジン107の回転速度が6000rpmでスロットル開度が12degである状態は駆動領域Bに含まれる。この場合、CPU502は、エンジン107が駆動状態であると判別する。
また、例えば、エンジン107の回転速度が6000rpmでスロットル開度が2degである状態は被駆動領域Cに含まれる。この場合、CPU502は、エンジン107が被駆動状態であると判別する。
また、例えば、エンジン107の回転速度が6000rpmでスロットル開度が6degである状態は境界領域Aに含まれる。この場合、CPU502は、エンジン107が境界状態であると判別する。
なお、境界状態とは、クランク2(図2)からメイン軸5a(図2)に伝達される回転力が所定値以下である場合、またはメイン軸5aからクランクに伝達される回転力が所定値以下である場合のエンジン107の状態を示す。すなわち、エンジン107が境界状態である場合には、クランク2とメイン軸5aとの間で回転力がほとんど伝達されていない。この場合、ドッグ穴52(図4)とドッグ54(図4)との接触面において大きな圧力(係合力)は発生しない。そのため、エンジン107の出力調整が行われなくても、運転者はシフトペダル11を操作することにより、クラッチ3(図2)を切断することなくスライドギア53をフィックスギア51から離間する方向に容易に移動させることができる。
(c)エンジンの出力調整時期
次に、CPU502によるエンジン107の出力調整時期について図面を用いて説明する。
図7は、エンジン107が駆動状態である場合に運転者がシフトアップ操作を行ったときのCPU502によるエンジン107の出力調整時期を説明するための図である。また、図8は、エンジン107が被駆動状態である場合に運転者がシフトダウン操作を行ったときのCPU502によるエンジン107の出力調整時期を説明するための図である。
なお、図7(a)および図8(a)は、荷重センサSE6の出力波形(検出値)を示し、図7(b)および図8(b)は、シフトカム回転角センサSE4の出力波形(検出値)を示している。図7(a),(b)および図8(a),(b)において、縦軸は電圧を示し、横軸は時間を示す。また、図7(c)および図8(c)は、エンジン107の回転速度を示している。図7(c)および図8(c)において、縦軸は回転速度を示し、横軸は時間を示す。
まず、図7について説明する。エンジン107が駆動状態である場合には、図7(c)に示すように、エンジン107の回転速度は時間の経過とともに増加する。図7の例においては、エンジン107の回転速度が増加している期間の時点t1において運転者がシフトアップ操作を開始する。
荷重センサSE6の検出値(電圧値)は、図7(a)に示すように、運転者のシフトペダル11(図2)の操作量の増加に従って増加する。そして、荷重センサSE6の検出値は、フィックスギア51(図4)とスライドギア53(図4)との係合が解除される直前の時点t3において最大値aとなる。
フィックスギア51とスライドギア53との係合が解除されることにより、運転者はシフトペダル11から足を放す。それにより、荷重センサSE6の検出値は、図7(a)に示すように、最大値aから0へと低下する。
また、シフトカム回転角センサSE4の検出値(電圧値)は、図7(b)に示すように、運転者のシフトペダル11の操作量の増加に従って徐々に低下し、フィックスギア51とスライドギア53との係合が解除されることにより急激に低下する。
なお、変速操作機構111(図2)およびシフト機構7(図2)の各構成要素には、たわみおよび遊び等が存在する。そのため、荷重センサSE6およびシフトカム回転角センサSE4の検出値が時点t1と時点t3との間において不安定に変化している。
ここで、本実施の形態においては、荷重センサSE6の検出値(電圧値)が値bに達した時点t2においてエンジン107の出力調整が開始され、エンジン107の出力が低下される。それにより、図7(c)に示すように、エンジン107の回転速度が低下し、フィックスギア51(図4)のドッグ穴52(図4)とスライドギア53(図4)のドッグ54(図4)との接触面における圧力(係合力)が低下する。その結果、フィックスギア51とスライドギア53とが、図4(a)で示した係合状態から図4(c)で説明した解除状態に変化する。それにより、スライドギア53をフィックスギア51から離間する方向に容易に移動させることが可能となり、運転者はクラッチ3(図2)を切断することなくギアシフトを行うことができる。
なお、図7(a)の例においては、荷重センサSE6の検出値が値bに達するときに変速操作機構111およびシフト機構7の各構成要素の遊びがほぼ無くなる。すなわち、荷重センサSE6の検出値が値bに達したときにドッグ穴52およびドッグ54の解除動作が開始される。したがって、本実施の形態においては、ドッグ穴52およびドッグ54の解除動作が開始されるときにエンジン107の出力調整が開始される。
また、フィックスギア51とスライドギア53との係合が解除され、シフトカム回転角センサSE4の検出値(図7(b))が値dとなる時点t4においてエンジン107の出力調整が終了され、エンジン107の出力が再び増加する。それにより、図7(c)に示すように、エンジン107の回転速度が再び増加する。その結果、フィックスギア51とスライドギア53とが係合し(図4(a)の係合状態)、ギアシフトが完了する。
なお、時点t4においては、フィックスギア51とスライドギア53との係合が解除されているので、荷重センサSE6の検出値は、図7(a)に示すように、最大値aよりわずかに低下した値a1となっている。
次に、図8について説明する。エンジン107が被駆動状態である場合には、図8(c)に示すように、エンジン107の回転速度は時間の経過とともに低下する。図8の例においては、エンジン107の回転速度が低下している期間の時点t5において運転者がシフトダウン操作を開始する。
荷重センサSE6の検出値は、図8(a)に示すように、運転者のシフトペダル11(図2)の操作量の増加に従って低下する。そして、荷重センサSE6の検出値は、フィックスギア51(図4)とスライドギア53(図4)との係合が解除される直前の時点t7において最小値−aとなる。
フィックスギア51とスライドギア53との係合が解除されることにより、運転者はシフトペダル11から足を放す。それにより、荷重センサSE6の検出値は、図8(a)に示すように、最小値−aから0へと増加する。
また、シフトカム回転角センサSE4の検出値(電圧値)は、図8(b)に示すように、運転者のシフトペダル11の操作量の増加に従って徐々に増加し、フィックスギア51とスライドギア53との係合が解除されることにより急激に増加する。
ここで、本実施の形態においては、荷重センサSE6の検出値(電圧値)が値−bに達した時点t6においてエンジン107の出力調整が開始され、エンジン107の出力が増加される。それにより、図8(c)に示すように、エンジン107の回転速度が増加し、フィックスギア51(図4)のドッグ穴52(図4)とスライドギア53(図4)のドッグ54(図4)との接触面における圧力(係合力)が低下する。その結果、フィックスギア51とスライドギア53とが、図4(b)で示した係合状態から図4(c)で説明した解除状態に変化する。その結果、スライドギア53をフィックスギア51から離間する方向に容易に移動させることが可能となり、運転者はクラッチ3(図2)を切断することなくギアシフトを行うことができる。
なお、図8(a)の例においては、荷重センサSE6の検出値が値−bに達するときに変速操作機構111およびシフト機構7の各構成要素の遊びがほぼ無くなる。すなわち、荷重センサSE6の検出値が値−bに達したときにドッグ穴52およびドッグ54の解除動作が開始される。したがって、本実施の形態においては、ドッグ穴52およびドッグ54の解除動作が開始されるときにエンジン107の出力調整が開始される。
また、フィックスギア51とスライドギア53との係合が解除され、シフトカム回転角センサSE4の検出値(図8(b))が値eとなる時点t8においてエンジン107の出力調整が終了され、エンジン107の出力が再び減少する。それにより、図8(c)に示すように、エンジン107の回転速度が再び低下する。その結果、フィックスギア51とスライドギア53とが再び係合し(図4(b)の係合状態)、ギアシフトが完了する。
なお、時点t8においては、フィックスギア51とスライドギア53との係合が解除されているので、荷重センサSE6の検出値は、図8(a)に示すように、最小値−aよりわずかに増加した値−a1となっている。
以上のように、本実施の形態においては、荷重センサSE6の検出値(電圧値)の絶対値が値b以上になった場合にエンジン107の出力調整が開始される。また、シフトアップ操作時には、シフトカム回転角センサSE4の検出値が値d以下になった場合にエンジン107の出力調整が終了される。シフトダウン操作時には、シフトカム回転角センサSE4の検出値が値e以上になった場合にエンジン107の出力調整が終了される。また、CPU502は、荷重センサSE6の検出値の絶対値が値bより小さい値c以下になった場合にギアシフトが完了したと判別する。
(d)制御フロー
次に、CPU502の制御動作をフローチャートを用いて詳細に説明する。
なお、以下の説明においては、エンジン107の出力調整が開始されるときの荷重センサSE6の検出値の絶対値を第1のしきい値と称する。また、シフトアップ操作時にエンジン107の出力調整が終了されるときのシフトカム回転角センサSE4の検出値を第2のしきい値と称する。また、シフトダウン操作時にエンジン107の出力調整が終了されるときのシフトカム回転角センサSE4の検出値を第3のしきい値と称する。さらに、ギアシフトが完了したと判別される荷重センサSE6の検出値の絶対値を第4のしきい値と称する。図7および図8の例では、値bが第1のしきい値に相当し、値dが第2のしきい値に相当し、値eが第3のしきい値に相当し、値cが第4のしきい値に相当する。
なお、シフトカム回転角センサSE4の検出値はギアポジションによって異なる。図9は、ギアポジションを1速と6速との間で変化させたときのシフトカム回転角センサSE4の検出値(電圧値)の一例を示す図である。なお、図9において、縦軸は電圧を示し、横軸は時間を示す。
図9に示すように、シフトカム回転角センサSE4の検出値は、ギアポジションが低速位置にある場合には高くなり、高速位置になるほど低くなる。したがって、第2および第3のしきい値は、ギアポジションによって異なる値となる。
なお、第1〜第4のしきい値ならびに後述する第5および第6のしきい値はECU50(図5)のRAM504に記憶されている。
図10〜図12は、CPU502の制御動作の一例を示すフローチャートである。
図10に示すように、CPU502は、まず、荷重センサSE6の検出値の絶対値が第1のしきい値(図7(a)および図8(a)の値bに相当)以上であるか否かを判別する(ステップS1)。なお、荷重センサSE6の検出値はノイズを含む場合があるので、ステップS1においては、荷重センサSE6の検出値の絶対値が第1のしきい値を所定時間以上超えているか否かを判別してもよい。
荷重センサSE6の検出値の絶対値が第1のしきい値以上である場合、CPU502は、エンジン107の回転速度が第5のしきい値(例えば、1500rpm)以上でかつ車体速度が第6のしきい値(例えば、15km/h)以上であるか否かを判別する(ステップS2)。なお、自動二輪車100の車体速度は、ドライブ軸回転速度センサSE5の検出値に基づいてCPU502により算出される。ステップS2の処理を設ける効果については後述する。
エンジン107の回転速度が第5のしきい値以上でかつ車体速度が第6のしきい値以上である場合、CPU502は、運転者によりシフトアップ操作が行われたか否かを判別する(ステップS3)。なお、CPU502は、荷重センサSE6の検出値が正の値である場合にはシフトアップ操作が行われたと判別し、荷重センサSE6の検出値が負の値である場合にはシフトダウン操作が行われたと判別する。
運転者によりシフトアップ操作が行われた場合、図11に示すように、CPU502は、エンジン107が駆動状態であるか否かを判別する(ステップS4)。エンジン107が駆動状態である場合には、CPU502は、点火プラグ78による混合気の点火を停止することにより、エンジン107の出力を低下させる(ステップS5)。上述したように、このステップS5の処理においてエンジン107の出力が低下されることにより、スライドギア53をフィックスギア51から離間する方向に容易に移動させることが可能となる。
次に、CPU502は、シフトカム回転角センサSE4の検出値が第2のしきい値(図7(b)の値dに相当)以下であるか否かを判別する(ステップS6)。なお、シフトカム回転角センサSE4の検出値はノイズを含む場合があるので、ステップS6においては、シフトカム回転角センサSE4の検出値が第2のしきい値より所定時間以上小さいか否かを判別してもよい。
シフトカム回転角センサSE4の検出値が第2のしきい値以下である場合には、CPU502は、フィックスギア51(図4)とスライドギア53(図4)との係合が解除されたと判断し、ステップS5において開始したエンジン107の出力調整を終了する(ステップS7)。
次に、CPU502は、荷重センサSE6の検出値の絶対値が第4のしきい値以下であるか否かを判別する(ステップS8)。なお、荷重センサSE6の検出値はノイズを含む場合があるので、ステップS8においては、荷重センサSE6の検出値の絶対値が第4のしきい値より所定時間以上小さいか否かを判別してもよい。
荷重センサSE6の検出値の絶対値が第4のしきい値以下である場合、図10に示すように、CPU502は、ギアシフトが完了したと判断して、通常の制御を行う(ステップS9)。ステップS9の通常の制御においては、CPU502は、アクセル開度センサSE1の検出値に基づいてETV82のスロットル開度を調整する。したがって、通常の制御においては、運転者のアクセルグリップ106の操作量に応じてエンジン107の出力が調整される。
図11のステップS4においてエンジン107が駆動状態でない場合、CPU502は、エンジン107が境界状態であるか否かを判別する(ステップS10)。
エンジン107が境界状態である場合、CPU502は、エンジン107の出力調整を行うことなくステップS8へ進む。なお、上述したように、境界状態においては、スライドギア53(図4)とフィックスギア51(図4)との係合力はそれ程大きくない。したがって、エンジン107の出力調整を行わなくても、運転者はスライドギア53をフィックスギア51から離間する方向に容易に移動させることができる。
ステップS10において、エンジン107が境界状態ではない場合、すなわちエンジン107が被駆動状態である場合、CPU502は、エンジン107の出力調整を行うことなく報知ランプ60(図1)を点灯させる(ステップS11)。
なお、この場合、エンジン107の出力が調整されないので、フィックスギア51(図4)とスライドギア53(図4)とは図4(a)に示す係合状態を維持する。したがって、フィックスギア51とスライドギア53との係合の解除は困難である。このように、ステップS10においてエンジン107が被駆動状態である場合には、CPU502の制御によりギアシフトが困難な状態にされる。それにより、減速時に変速機5がシフトアップされることが防止される。その結果、減速時に自動二輪車100の速度が急激に上昇することが防止され、自動二輪車100の操作性が向上する。
また、報知ランプ60が点灯されるので、運転者は、CPU502の制御によりギアシフトが困難な状態にされていることを容易に認識することができる。それにより、運転者はシフト操作を迅速に中断することができる。その結果、自動二輪車100の操作性がさらに向上する。
ステップS11において報知ランプ60を点灯した後、CPU502は、ステップS8に進む。
ステップS6において、シフトカム回転角センサSE4の検出値が第2のしきい値より大きい場合、CPU502は、シフトカム回転角センサSE4の検出値が第2のしきい値以下になるまで待機する。すなわち、フィックスギア51とスライドギア53との係合が解除されるまで、CPU502はエンジン107の出力調整を継続する。
ステップS8において、荷重センサSE6の検出値の絶対値が第4のしきい値より大きい場合、CPU502は、荷重センサSE6の検出値の絶対値が第4のしきい値以下になるまで待機する。
図10のステップS3において、運転者によりシフトアップ操作が行われていない場合、すなわち運転者によりシフトダウン操作が行われた場合、図12に示すように、CPU502は、エンジン107が駆動状態であるか否かを判別する(ステップS12)。エンジン107が駆動状態である場合には、CPU502は、点火プラグ78による混合気の点火を停止することにより、エンジン107の出力を低下させる(ステップS13)。上述したように、このステップS13の処理においてエンジン107の出力が低下されることにより、スライドギア53をフィックスギア51から離間する方向に容易に移動させることが可能となる。
次に、CPU502は、シフトカム回転角センサSE4の検出値が第3のしきい値(図8(b)の値eに相当)以上であるか否かを判別する(ステップS14)。なお、シフトカム回転角センサSE4の検出値はノイズを含む場合があるので、ステップS14においては、シフトカム回転角センサSE4の検出値が第3のしきい値を所定時間以上超えているか否かを判別してもよい。
シフトカム回転角センサSE4の検出値が第3のしきい値以上である場合には、CPU502は、フィックスギア51(図4)とスライドギア53(図4)との係合が解除されたと判断し、ステップS13または後述するステップS17において開始したエンジン107の出力調整を終了する(ステップS15)。その後、CPU502は、図11のステップS8に進む。
図12のステップS12においてエンジン107が駆動状態でない場合、CPU502は、エンジン107が境界状態であるか否かを判別する(ステップS16)。
エンジン107が境界状態である場合、CPU502は、エンジン107の出力調整を行うことなく図11のステップS8へ進む。なお、上述したように、境界状態においては、エンジン107の出力調整を行わなくても、運転者はスライドギア53(図4)をフィックスギア51(図4)から離間する方向に容易に移動させることができる。
図12のステップS16において、エンジン107が境界状態ではない場合、すなわちエンジン107が被駆動状態である場合、CPU502は、ETV82のスロットル開度を大きくし、エンジン107の出力を増加させる(ステップS17)。上述したように、このステップS17の処理においてエンジン107の出力が増加されることにより、スライドギア53をフィックスギア51から離間する方向に容易に移動させることが可能となる。その後、CPU502は、ステップS14に進む。
ステップS14において、シフトカム回転角センサSE4の検出値が第3のしきい値より小さい場合、CPU502は、シフトカム回転角センサSE4の検出値が第3のしきい値以上になるまで待機する。すなわち、フィックスギア51とスライドギア53との係合が解除されるまで、CPU502はエンジン107の出力調整を継続する。
図10のステップS1において荷重センサSE6の検出値の絶対値が第1のしきい値より小さい場合、CPU502は、運転者によるシフト操作が開始されていないと判断し、ステップS9に進み、通常の制御を行う。
また、ステップS2において、エンジン107の回転速度が第5のしきい値より小さいか、あるいは車体速度が第6のしきい値より小さい場合には、CPU502は、図11のステップS11に進み、エンジン107の出力制御を行うことなく報知ランプ60(図1)を点灯させる。
なお、この場合、エンジン107の出力が調整されないので、低速走行時にエンジン107の出力が急激に変化することが防止される。それにより、後輪115(図1)のスリップが防止され、自動二輪車100の操作性が向上する。
また、この場合、フィックスギア51(図4)とスライドギア53(図4)とは図4(a)に示す係合状態を維持する。したがって、フィックスギア51とスライドギア53との係合の解除は困難であるので、ギアシフトが防止される。それにより、低速走行時に自動二輪車100の速度が急激に変化することが防止され、自動二輪車100の操作性が向上する。
また、報知ランプ60が点灯されるので、運転者は、CPU502の制御によりギアシフトが困難な状態にされていることを容易に認識することができる。それにより、運転者はシフト操作を迅速に中断することができる。その結果、自動二輪車100の操作性がさらに向上する。
(5)効果
(a)以上のように、本実施の形態においては、運転者がシフトアップ操作またはシフトダウン操作を行った際に、エンジン107が駆動状態である場合には、CPU502によりエンジン107の出力が低下される。また、運転者がシフトダウン操作を行った際にエンジン107が被駆動状態である場合には、CPU502によりエンジン107の出力が増加される。これらにより、フィックスギア51とスライドギア53との接触面に発生する圧力(係合力)が低減されるので、運転者は円滑にクラッチレスシフトを行うことができる。
また、運転者によりシフトアップ操作が行われた際に、エンジン107が被駆動状態である場合には、CPU502の制御によりギアシフトが困難な状態にされる。それにより、自動二輪車100の減速時に変速機5がシフトアップされることを防止することができる。その結果、減速時に自動二輪車100の速度が急激に上昇することが防止され、自動二輪車100の操作性が向上する。
また、上記ギアシフトが困難な状態にされる場合には、CPU502により報知ランプ60が点灯される。この場合、運転者は、CPU502によりギアシフトが困難な状態にされていることを容易に認識することができる。それにより、運転者はシフト操作を迅速に中断することができる。その結果、自動二輪車100の操作性がさらに向上する。また、クラッチレスシフトを行うことができない場合でも、報知ランプ60の状態を確認することにより、自動二輪車100に故障が発生しているか否かを容易に判断することができる。
以上の結果、快適な自動二輪車100の走行が可能となる。
(b)また、自動二輪車100の低速走行時には、CPU502の制御によりギアシフトが困難な状態にされる。それにより、低速走行時に自動二輪車100の速度が急激に変化することが防止される。その結果、後輪115のスリップを防止することができ、自動二輪車100の操作性が向上する。また、この場合も、上記と同様に、報知ランプ60の状態を確認することにより、運転者はシフト操作を迅速に中断することができるとともに、自動二輪車100に故障が発生しているか否かを容易に判断することができる。
(c)また、運転者がシフトアップ操作またはシフトダウン操作を行った際に、エンジン107が境界状態である場合には、CPU502により通常の制御が行われる。すなわち、エンジン107(クランク2)と変速機5(メイン軸5a)との間で所定値以上の回転力が伝達されていない場合には、エンジン107の出力が調整されない。
ここで、上述したように、エンジン107と変速機5との間で伝達される回転力が小さい場合には、フィックスギア51とスライドギア53との接触面において大きな圧力(係合力)は発生しない。したがって、エンジン107の出力が調整されなくても、運転者はクラッチレスシフトを容易に行うことができる。この場合、エンジン107の出力調整によるショックの発生を防止することができるので、自動二輪車100の操作性が向上する。それにより、運転者は快適な自動二輪車100の走行を楽しむことができる。
(d)また、境界状態が設けられることにより、被駆動状態において行われるべきエンジン107の出力調整が駆動状態において行われること、および駆動状態において行われるべきエンジン107の出力調整が被駆動状態において行われることを防止することができる。それにより、駆動状態と被駆動状態との境界近傍で、エンジン107が駆動状態であるか被駆動状態であるかを適切に判別することができない場合にも、エンジン107の出力調整が不適切に行われることを防止することができる。その結果、クラッチレスシフトを円滑に行うことが可能になるとともに、自動二輪車100の操作性が向上する。
(e)なお、エンジン107の回転速度またはシフト操作後の経過時間等を基準にエンジン107の出力調整を終了させた場合には、適切な出力調整時間を確保することができない場合がある。それにより、クラッチレスシフトを円滑に行えない場合がある。
これに対して、本実施の形態においては、シフトカム回転角センサSE4の検出値に基づいて、エンジン107の出力調整の終了が決定される。それにより、運転者によるシフトペダル11の操作量および操作速度にかかわらず、最適な時期にエンジン107の出力調整を終了させることができる。それにより、より迅速なクラッチレスシフトが可能となるとともに、エンジン107の出力を容易に安定させることができる。
(f)また、本実施の形態においては、点火プラグ78による混合気の点火を停止することにより、エンジン107の出力が低下される。この場合、エンジン107の出力を迅速に低下させることができる。それにより、クラッチレスシフトを迅速に行うことが可能となる。
(g)また、本実施の形態においては、RAM504(ROM503)に記憶される駆動状態判別データに基づいてエンジン107の状態(駆動状態、境界状態および被駆動状態)が判別される。この場合、回転力の伝達状態を検出するためのセンサを設ける必要が無いので、自動二輪車100の製品コストを低減することができる。
(6)他の実施の形態
上記実施の形態においては、図11のステップS5および図12のステップS13において、点火プラグ78による混合気の点火を停止することによりエンジン107の出力を低下させているが、点火時期を遅角させることによりエンジン107の出力を低下させてもよい。また、ETV82を制御することによりエンジン107の出力を低下させてもよい。
また、上記実施の形態においては、フィックスギア51とスライドギア53との係合が解除された直後(図7においては時点t4、図8においては時点t8)にエンジン107の出力調整が終了されているが、他の時点でエンジン107の出力調整を終了してもよい。例えば、スライドギア53が移動し、他のフィックスギア51と係合する時点付近でエンジン107の出力調整を終了してもよい。この場合、第2のしきい値(図7(b)の値d)は低下し、第3のしきい値(図8(b)の値e)は増加する。
また、上記実施の形態においては、駆動状態判別データに基づいてエンジン107の状態(駆動状態、境界状態および被駆動状態)を判別しているが、他の方法でエンジン107の状態(駆動状態、境界状態および被駆動状態)を判別してもよい。
例えば、ECU50のRAM504(ROM503)にエンジン107の回転速度、ETV82のスロットル開度およびエンジン107により発生される回転力(駆動力)の関係が示される3次元マップを記憶させてもよい。この場合、エンジン107の回転速度およびETV82のスロットル開度に基づいて3次元マップからエンジン107により発生される回転力を導出することができる。そして、導出された回転力が所定値以上の正の値である場合はエンジン107が駆動状態であると判別し、導出された回転力の絶対値が所定値より小さい場合はエンジン107が境界状態であると判別し、導出された回転力の絶対値が所定値以上となる負の値である場合はエンジン107が被駆動状態であると判別してもよい。
また、上記実施の形態においては、運転者への報知手段として報知ランプ60が用いられているが、他の手段を用いてもよい。例えば、報知ランプ60の代わりに音または振動等を発生する装置を用いてもよい。
上記実施の形態においては、車両の一例として自動二輪車100について説明したが、自動三輪車および自動四輪車等の他の車両であってもよい。
(7)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態では、荷重センサSE6が検出部の例であり、CPU502がエンジン出力調整部の例であり、第5のしきい値が第2の値の例であり、第6のしきい値が第3の値の例であり、後輪115が駆動輪の例であり、報知ランプ60が報知手段の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
本発明は種々の車両の制御システムとして有効に利用することができる。
自動二輪車を示す概略側面図である。 図1のミッションケース内に設けられる変速機およびシフト機構の構成を説明するための図である。 メイン軸に伝達された回転力がドライブ軸に伝達される構成を示す概略模式図である。 スライドギアのドッグとフィックスギアのドッグ穴との関係を示す図である。 エンジンおよびエンジンの出力制御に関連する各部の概略構成を示す図である。 ECUのRAMに記憶される駆動状態判別データの一例を示す図である。 エンジンが駆動状態である場合に運転者がシフトアップ操作を行ったときのCPUによるエンジンの出力調整時期を説明するための図である。 エンジンが被駆動状態である場合に運転者がシフトダウン操作を行ったときのCPUによるエンジンの出力調整時期を説明するための図である。 ギアポジションを1速と6速との間で変化させたときのシフトカム回転角センサの検出値の一例を示す図である。 CPUの制御動作の一例を示すフローチャートである。 CPUの制御動作の一例を示すフローチャートである。 CPUの制御動作の一例を示すフローチャートである。
符号の説明
5 変速機
7 シフト機構
50 ECU
60 報知ランプ
82 ETV
100 自動二輪車
104 前輪
106 アクセルグリップ
107 エンジン
111 変速操作機構
115 後輪
501 I/F
502 CPU
503 ROM
504 RAM
SE1 アクセル開度センサ
SE2 クランク角センサ
SE3 スロットルセンサ
SE4 シフトカム回転角センサ
SE5 ドライブ軸回転速度センサ
SE6 荷重センサ

Claims (10)

  1. アクセル操作量に応じてエンジンにより発生される回転力を駆動輪に伝達する変速機を備える車両において前記エンジンの出力を調整する制御システムであって、
    運転者による前記変速機のシフト操作を検出する検出部と、
    前記検出部により前記変速機のシフト操作が検出された場合に回転力が前記エンジンから前記変速機へ伝達されている駆動状態または回転力が前記変速機から前記エンジンへ伝達されている被駆動状態における回転力が小さくなるように前記エンジンの出力を調整し、前記被駆動状態において前記検出部により前記変速機のシフトアップ操作が検出された場合には前記出力調整を行わないエンジン出力調整部と、
    前記エンジン出力調整部により前記出力調整が行われずかつ前記被駆動状態における回転力が第1の値以上の場合に、前記出力調整が行われないことを運転者に認識させるための報知を行う報知手段とを備えることを特徴とする制御システム。
  2. 前記エンジン出力調整部は、前記検出部により前記変速機のシフト操作が検出された場合に、前記エンジンの回転速度が第2の値よりも低い場合には、前記エンジンと前記変速機との間の回転力の伝達状態にかかわらず前記出力調整を行わず、
    前記報知手段は、前記検出部により前記変速機のシフト操作が検出された場合に、前記エンジンの回転速度が第2の値よりも低い場合には、前記被駆動状態における回転力の値にかかわらず前記報知を行うことを特徴とする請求項1記載の制御システム。
  3. 前記エンジン出力調整部は、前記検出部により前記変速機のシフト操作が検出された場合に、前記車両の速度が第3の値よりも低い場合には、前記エンジンと前記変速機との間の回転力の伝達状態にかかわらず前記出力調整を行わず、
    前記報知手段は、前記検出部により前記変速機のシフト操作が検出された場合に、前記車両の速度が第3の値よりも低い場合には、前記被駆動状態における回転力の値にかかわらず前記報知を行うことを特徴とする請求項1または2記載の制御システム。
  4. 前記エンジン出力調整部は、前記検出部により前記変速機のシフト操作が検出された場合に、前記駆動状態における回転力が第4の値以上である場合には前記エンジンの出力を低下させ、前記駆動状態における回転力が第4の値よりも小さい場合には前記出力低下を行わないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の制御システム。
  5. 前記エンジン出力調整部は、前記検出部により前記変速機のシフトダウン操作が検出された場合に、前記被駆動状態における回転力が第1の値以上の場合には前記エンジンの出力を増加させ、前記被駆動状態における回転力が第1の値よりも小さい場合には前記出力増加を行わないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の制御システム。
  6. 前記エンジンに吸入される空気量を調整するスロットルバルブをさらに備え、
    前記エンジン出力調整部は、前記エンジンの回転速度および前記スロットルバルブの開度に基づいて前記回転力が前記第1の値以上であるか否かを判別することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の制御システム。
  7. 前記第1の値は、前記エンジンの回転速度および前記スロットルバルブの開度に基づいて予め設定されていることを特徴とする請求項6記載の制御システム。
  8. 前記エンジンに吸入される空気量を調整するスロットルバルブをさらに備え、
    前記エンジン出力調整部は、前記エンジンの回転速度および前記スロットルバルブの開度に基づいて前記回転力が前記第4の値以上であるか否かを判別することを特徴とする請求項4記載の制御システム。
  9. 前記第4の値は、前記エンジンの回転速度および前記スロットルバルブの開度に基づいて予め設定されていることを特徴とする請求項8記載の制御システム。
  10. 駆動輪と、
    アクセル操作量に応じて前記駆動輪を回転させるための回転力を発生するエンジンと、
    前記エンジンにより発生される回転力を前記駆動輪に伝達する変速機と、
    請求項1〜9のいずれかに記載の制御システムとを備えたことを特徴とする車両。
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