JP2019015260A - 駆動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】変速時に適切なエンジンの駆動力を発生させることにより、運転者の変速フィーリングを向上させることが可能な駆動力制御装置を提供する。【解決手段】駆動力制御装置1では、メインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介して複数の気筒を有するエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する鞍乗型車両において、クラッチ状態検出部2がメインクラッチの接続を検出している状態において変速操作検出部3が変速操作を検出した場合に、制御部5が、エンジンの気筒毎に、点火の停止の時間の長さ又は燃料噴射の停止の時間の長さを異ならせる。【選択図】図1

Description

本発明は、駆動力制御装置に関し、特に、メインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介してエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する鞍乗型車両に搭載される駆動力制御装置に関する。
自動二輪車の中には、ドッグ式トランスミッションを備えるものがある。かかるドッグ式トランスミッションでは、運転者が、メインクラッチを操作することなく、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士(ドッグ歯同士)が当接してエンジンと駆動輪との一方が他方を駆動している状態で、変速を行うことができる。かかる構成によれば、運転者が、メインクラッチの操作を省略して、迅速に変速を行うことが可能となる。
ところが、エンジンと駆動輪との一方が他方を駆動している状態では、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の接触面に大きな押圧力が作用している。このため、運転者が変速のためにドッグ同士を引き離そうとしても、接触面に押圧力に比例した大きな静止摩擦力が作用しているために、運転者の操作によりドッグ同士を引き離すことが困難となる傾向がある。
かかる状況下で、特許文献1には、駆動力制御装置に関し、メインクラッチの接続を検出している状態において変速操作を検出した場合には、点火の停止及び/又は燃料の噴射の停止を実行するように点火栓駆動部及び/又は燃料噴射弁駆動部を制御すると共に、点火及び/又は燃料の噴射を再開する際に、スロットル開度が鞍乗型車両のアクセル操作によって要求される要求スロットル開度から小さい開度値側に偏位した所定開度になるようにモータ駆動部を制御する構成が開示されている。かかる特許文献1の構成によれば、変速完了後にエンジンへの点火及び/又は燃料の噴射を再開した際にエンジンの駆動力が急増することが抑制され得て、トルクショックが発生することを抑制することができる。
特開2016−98727号公報
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1の構成は、変速完了後にエンジンへの点火及び/又は燃料の噴射を再開した際にエンジンの駆動力が急増することを抑制してトルクショックが発生することを抑制することを企図したものではあるが、点火の停止の時間の長さ及び/又は燃料の噴射の停止の時間の長さをエンジンが有する全気筒で同じ長さに設定している。このため、特許文献1の構成によれば、点火の停止及び/又は燃料の噴射の停止後のエンジン(燃焼室)に燃料が全くない状態が発生して、点火及び/又は燃料の噴射を再開しても空燃比が大きい(混合気が薄い)状態が続く状況が発生する場合が考えられる。この結果、狙い通りのトルクコントロールを行うことができなくなり、運転者の変速フィーリングが悪化することが考えられて、改良の余地がある。
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、変速時に適切なエンジンの駆動力を発生させることにより、運転者の変速フィーリングを向上させることが可能な駆動力制御装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するべく、本発明は、メインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介して複数の気筒を有するエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する鞍乗型車両に搭載され、前記メインクラッチの接続又は遮断を検出するクラッチ状態検出部と、前記ドッグ式トランスミッションの変速操作を検出する変速操作検出部と、前記エンジンの点火栓に点火を行わせる点火栓駆動部と、前記エンジンに燃料噴射を行う燃料噴射弁を駆動する燃料噴射弁駆動部と、前記クラッチ状態検出部が前記メインクラッチの前記接続を検出している状態において前記変速操作検出部が前記変速操作を検出した場合には、前記ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合を解除し又は弱めた状態で前記ドッグ式トランスミッションの変速を可能とするために、前記点火の停止及び/又は前記燃料噴射の停止を実行するように前記点火栓駆動部及び/又は前記燃料噴射弁駆動部を制御する制御部と、を備える駆動力制御装置であって、前記制御部は、前記気筒毎に、前記点火の停止の時間の長さ又は前記燃料噴射の停止の時間の長さを異ならせることを第1の局面とする。
また、本発明は、第1の局面に加えて、前記制御部は、前記燃料噴射が再開された後に前記点火を再開させることを第2の局面とする。
また、本発明は、第1又は第2の局面に加えて、前記制御部は、同一の気筒において、前記点火の停止の時間の長さよりも前記燃料噴射の停止の時間の長さを短くすることを第3の局面とする。
また、本発明は、第1から第3の局面のうちのいずれかに加えて、前記制御部は、前記エンジンの負荷領域に応じて、前記点火の停止の時間又は前記燃料噴射の停止の時間を異ならせることを第4の局面とする。
以上の本発明の第1の局面にかかる駆動力制御装置によれば、メインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介して複数の気筒を有するエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する鞍乗型車両において、クラッチ状態検出部がメインクラッチの接続を検出している状態において変速操作検出部が変速操作を検出した場合に、制御部が、気筒毎に、点火の停止の時間の長さ又は燃料噴射の停止の時間の長さを異ならせるものであるため、点火の停止及び/又は燃料噴射の停止後のエンジンに燃料が全くない状態が発生することを回避することができる。これにより、変速時に適切なエンジンの駆動力を発生させることができて、運転者の変速フィーリングを向上させることができる。
また、本発明の第2の局面にかかる駆動力制御装置によれば、制御部が、燃料噴射が再開された後に点火を再開させるものであるため、点火を再開する前から燃料の供給を再開して、空燃比を適切に調整することができ、点火の停止及び/又は燃料噴射の停止後のエンジンに燃料が全くない状態が発生することを確実に回避することができる。
また、本発明の第3の局面にかかる駆動力制御装置によれば、制御部が、同一の気筒において、点火の停止の時間の長さよりも燃料噴射の停止の時間の長さを短くするものであるため、同一の気筒において、点火を再開する前から燃料供給を再開して、適切な空燃比をより確実に得ることができ、点火の停止及び/又は燃料噴射の停止後のエンジンに燃料が全くない状態が発生することをより確実に回避することができる。
また、本発明の第4の局面にかかる駆動力制御装置によれば、制御部が、エンジンの負荷領域に応じて、点火の停止の時間又は燃料噴射の停止の時間を異ならせるものであるため、適切な空燃比をより確実に得ることができ、点火の停止及び/又は燃料噴射の停止後のエンジンに燃料が全くない状態が発生することをより確実に回避することができる。
図1は、本発明の実施形態における駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。 図2(a)は、本実施形態における駆動力制御装置による変速制御用点火噴射カット処理の流れの一例を示すフローチャートであり、図2(b)は、本実施形態における駆動力制御装置による変速制御用点火噴射カット処理に適用されるエンジン回転数及びスロットル開度に応じた気筒別の点火カット時間及び噴射カット時間を規定したテーブルデータの一例を示す図である。 図3は、本実施形態における駆動力制御装置による変速制御用点火噴射カット処理を説明するための一例としてのタイミングチャートである。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における駆動力制御装置につき、詳細に説明する。
〔駆動力制御装置の構成〕
まず、図1を参照して、本実施形態における駆動力制御装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態における駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態における駆動力制御装置1は、ECU(Electronic Control Unit)等の電子制御装置によって構成され、いずれも図示を省略するメインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介して内燃機関であるエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する典型的には自動二輪車等の鞍乗型車両に搭載されている。
駆動力制御装置1は、クラッチ状態検出部2、変速操作検出部3、変速段検出部4、制御部5、モータ駆動回路6、点火栓駆動回路7、及び燃料噴射弁駆動回路8を備えている。なお、これらのクラッチ状態検出部2、変速操作検出部3、変速段検出部4、及び制御部5は各々機能ブロックとして示している。また、駆動力制御装置1は、メモリ9を備えており、メモリ9内には、駆動力制御装置1に必要な制御プログラム及び制御データ(テーブルデータ等)等が格納されている。
具体的には、クラッチ状態検出部2は、運転者がメインクラッチを接続又は遮断する際のその操作に関する情報を坦持するクラッチスイッチ11からの入力信号に基づいて、メインクラッチの接続又は遮断を検出する。クラッチ状態検出部2は、このように検出したメインクラッチの断続操作に応じた電気信号を制御部5に入力する。
変速操作検出部3は、運転者がドッグ式トランスミッションの変速操作を行う際のその変速操作に関する情報を坦持する変速操作スイッチ12からの入力信号に基づいて、ドッグ式トランスミッションの変速操作を検出する。変速操作検出部3は、このように検出したドッグ式トランスミッションの変速操作の有無に応じた電気信号を制御部5に入力する。
変速段検出部4は、ギヤポジションセンサ13が出力するドッグ式トランスミッションのシフトドラムの回転位置に対応してドッグ式トランスミッションで選択されている変速段(ギヤポジション)に応じた信号に基づいて、ドッグ式トランスミッションで選択されている変速段を検出する。変速段検出部4は、このように検出した変速段を示す電気信号を制御部5に入力する。
制御部5は、変速制御時、つまりクラッチ状態検出部2がメインクラッチの接続を検出している状態において変速操作検出部3がドッグ式トランスミッションの変速操作を検出した場合には、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合を解除し又は弱めた状態でドッグ式トランスミッションの変速を可能とするために、点火の停止及び/又は燃料の噴射の停止を実行するように点火栓駆動回路7及び/又は燃料噴射弁駆動回路8を制御すると共に、エンジンのスロットルバルブの開度(スロットル開度)、つまり実際のスロットル開度である実スロットル開度が変速制御用目標スロットル開度に一致するようにモータ駆動回路6を制御する。一方で、制御部5は、変速制御時以外の通常制御時においては、実スロットル開度が運転者の要求スロットル開度に相当する通常制御用目標スロットル開度に一致するようにモータ駆動回路6を制御する。制御部5は、このような、点火の停止、燃料の噴射の停止及びスロットル開度の調整のための各々の制御信号を、点火栓駆動回路7、燃料噴射弁駆動回路8及びモータ駆動回路6に入力する。
また、制御部5は、大気圧センサ14、スロットルポジションセンサ15、アクセル開度センサ16、及びクランク角センサ17からの入力信号をも更に用いて、エンジンの駆動力を制御する。大気圧センサ14は、鞍乗型車両の周囲の大気圧に応じた電気信号を入力する。スロットルポジションセンサ15は、エンジンのスロットル開度に応じた電気信号を入力する。アクセル開度センサ16は、鞍乗型車両のアクセルグリップ等のアクセル操作部材の操作量(アクセル開度)に応じた電気信号を入力する。また、クランク角センサ17は、エンジンのクランク角(クランク軸の回転角度)に応じた電気信号を入力する。
また、制御部5は、表示装置18が備えるインジケータ駆動回路18aを介して表示装置18のインジケータ18bを制御することにより、ドッグ式トランスミッションの変速段に関する種々の情報等を表示する。
モータ駆動回路6は、制御部5からの制御信号に従って、スロットルモータ19を駆動することによってスロットル開度を制御する。
点火栓駆動回路7は、制御部5からの制御信号に従って、エンジンの点火栓20によるエンジンへの点火動作、つまり点火の開始、停止及び再開といった一連の点火動作を制御する。
燃料噴射弁駆動回路8は、制御部5からの制御信号に従って、エンジンに燃料を噴射する燃料噴射弁21の、つまり燃料噴射の開始、停止及び再開といった一連の燃料噴射動作を制御する。
以上のような構成を有する駆動力制御装置1は、以下に示す変速制御用点火噴射カット処理を実行することによって、ドッグ式トランスミッションの変速操作時に適切なエンジンの駆動力を発生させることにより、運転者の変速フィーリングを向上させる。以下、更に図2及び図3をも参照して、変速制御用点火噴射カット処理を実行する際の駆動力制御装置1の動作について、詳細に説明する。
〔変速制御用点火噴射カット処理〕
図2(a)は、本実施形態における駆動力制御装置1による変速制御用点火噴射カット処理の流れの一例を示すフローチャートであり、図2(b)は、本実施形態における駆動力制御装置1による変速制御用点火噴射カット処理に適用されるエンジン回転数及びスロットル開度に応じた気筒別の点火カット時間及び噴射カット時間を規定したテーブルデータの一例を示す図である。また、図3は、本実施形態における駆動力制御装置1による変速制御用点火噴射カット処理を説明するための一例としてのタイミングチャートである。
ここで、図3に示すタイミングチャートは、加速操作/シフトアップ操作時(エンジンが駆動輪を駆動している時)における変速制御用点火噴射カット処理の一例を示しており、本例ではエンジンは3つの気筒(CYL1、CYL2及びCYL3)を有している。また、図3において、破線THCBASEは変速制御時以外の通常制御時の通常制御用目標スロットル開度、実線THは実スロットル開度、破線THCTRGEGSは変速制御用目標スロットル開度、及び破線NLLはノーロードラインに対応するスロットル開度を示している。
また、かかるノーロードラインは、エンジンの駆動力がエンジンのその抵抗力(機械的な摩擦力や潤滑油の粘弾性力等)と釣り合った状態のエンジンの運転状態を示し、典型的には、エンジン回転数及びスロットル開度をパラメータとし、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合が解除可能なエンジンの運転状態を示す特性データから成って、予め設定されてメモリ9内に記憶されている。詳しくは、ノーロードラインは、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合状態が減速時(駆動輪がエンジンを駆動している時)の係合状態と加速時(エンジンが駆動輪を駆動している時)の係合状態との間で切り換わるエンジンの運転状態の境界を規定するもので、ドッグ同士が互いに離間又は押圧せずに単に当接している状態、及びドッグ同士が切り離し可能な状態で互いを緩やかに押圧している状態におけるエンジン回転数及びスロットル開度間の関係を規定するものである。つまり、ノーロードラインは、エンジン回転数及びスロットル開度を各々の座標軸とする直交座標系において、単なる線のみならず、それを含んである程度の上下幅を有して延びる領域となる。つまり、かかるノーロードラインに対応するスロットル開度NLLは、ドッグ同士が互いに離間又は押圧せずに単に当接している状態を実現するもののみならず、ドッグ同士が切り離し可能な状態で互いを緩やかに押圧している状態を実現するものをも含んでもよく、また、かかるノーロードラインに対応するスロットル開度NLLは、厳密にスロットル開度に合致するもののみならず、それから数度程度上下に偏位したものを含み得る。
図2(a)に示す変速制御用点火噴射カット処理は、鞍乗型車両のイグニッションスイッチがオンされて駆動力制御装置1が起動されたタイミングで開始となり、駆動力制御処理はステップS1の処理に進む。駆動力制御処理は、鞍乗型車両が起動されて駆動力制御装置1が起動されている間、所定の制御周期毎に繰り返し実行される。なお、かかる変速制御用点火噴射カット処理は、加速操作/シフトアップ操作時(エンジンが駆動輪を駆動している時)に有意性を発揮するものである。
ステップS1の処理では、制御部5が、クラッチ状態検出部2及び変速操作検出部3から入力された電気信号に基づいて、クラッチ状態検出部2がメインクラッチの接続を検出している状態において変速操作検出部3がドッグ式トランスミッションの変速操作を検出したか否かを判別することにより、変速要求の有無を判別する。判別の結果、クラッチ状態検出部2がメインクラッチの接続を検出している状態において変速操作検出部3がドッグ式トランスミッションの変速操作を検出されていない場合には(ステップS1:No)、制御部5は、変速要求はないと判断し、今回の一連の変速制御用点火噴射カット処理を終了する。一方、クラッチ状態検出部2がメインクラッチの接続を検出している状態において変速操作検出部3がドッグ式トランスミッションの変速操作を検出した場合には(ステップS1:Yes)、制御部5は、変速要求があると判断し、変速制御用点火噴射カット処理をステップS2の処理に進める。
ここで、図3に示す時刻t=t1において、変速操作検出部3は、クラッチ状態検出部2がメインクラッチの接続を検出している状態において、ドッグ式トランスミッションの変速操作を検出して、変速要求が有りと判別している。
ステップS2の処理では、制御部5が、メモリ9内に格納されているテーブルデータから気筒別及びエンジンの負荷領域別の燃料噴射の停止時間(噴射カット時間)を読み出す。具体的には、メモリ9には図2(b)に示すようなエンジン回転数及びスロットル開度に応じた気筒別の点火カット時間及び噴射カット時間を規定したテーブルデータが格納されており、ここでは、一例として、気筒別の点火カット時間及び噴射カット時間が9個の領域に区分けされたテーブルデータを示している。制御部5は、クランク角センサ17及びスロットルポジションセンサ15から入力された電気信号に基づいて、現在のエンジン回転数及びスロットル開度に対応する各気筒の噴射カット時間をテーブルデータから読み出す。そして、制御部5は、読み出された各気筒の噴射カット時間を各気筒の変速制御用噴射カットタイマ(減算プログラムタイマとして例示する)にセットする。これにより、ステップS2の処理は完了し、変速制御用点火噴射カット処理はステップS3の処理に進む。
また、図2(b)に示すテーブルデータでは、点火の停止の時間の長さ(点火の停止処理の実行時間の長さ)又は燃料噴射の停止の時間の長さ(燃料噴射の停止処理の実行時間の長さ)が気筒毎に異なるように設定されている。これにより、点火の停止及び/又は燃料の噴射の停止後のエンジンに燃料が全くない状態が発生することがなくなるので、変速時に適切なエンジンの駆動力を発生させることにより、運転者の変速フィーリングを向上させることができる。また、同一の気筒において、燃料噴射の停止の時間の長さは点火の停止の時間の長さよりも短く設定されていることが望ましい。これにより、同一の気筒において、点火を再開する前から燃料供給を再開して、エンジンの空燃比が過剰に大きくなることを抑制することができる。
ここで、図3に示す例では、時刻t=t1において、気筒CYL1の変速制御用噴射カットタイマには噴射カット時間tf(t3−t1)がセットされ、気筒CYL2の変速制御用噴射カットタイマには噴射カット時間tf(t2−t1)がセットされ、気筒CYL3の変速制御用噴射カットタイマには噴射カット時間tf(0)がセットされている。
ステップS3の処理では、制御部5が、各気筒の噴射カットフラグの値を1に設定する。そして、制御部5は、各気筒の変速制御用噴射カットタイマの減算動作を開始すると共に各気筒への燃料噴射を停止する(燃料噴射を行わない停止処理を実行する)。これにより、ステップS3の処理は完了し、変速制御用点火噴射カット処理はステップS4の処理に進む。
ここで、図3に示す例では、時刻t=t1から時刻t=t3の期間において、気筒CYL1への燃料噴射が停止され、時刻t=t1から時刻t=t2の期間において、気筒CYL2への燃料噴射が停止され、気筒CYL3では燃料噴射の停止は行われない。
ステップS4の処理では、制御部5が、メモリ9内に格納されているテーブルデータから気筒別及びエンジンの負荷領域別の点火の停止時間(点火カット時間)を読み出す。具体的には、制御部5は、クランク角センサ17及びスロットルポジションセンサ15から入力された電気信号に基づいて、現在のエンジン回転数及びスロットル開度に対応する各気筒の点火カット時間を図2(b)に示すテーブルデータから読み出す。そして、制御部5は、読み出された各気筒の点火カット時間を各気筒の変速制御用点火カットタイマ(減算プログラムタイマとして例示する)にセットする。これにより、ステップS4の処理は完了し、変速制御用点火噴射カット処理はステップS5の処理に進む。
ここで、図3に示す例では、時刻t=t1において、気筒CYL1の変速制御用点火カットタイマには点火カット時間ti(t4−t1)がセットされ、気筒CYL2の変速制御用点火カットタイマには点火カット時間ti(t3−t1)がセットされ、気筒CYL3の変速制御用点火カットタイマには点火カット時間ti(0)がセットされている。
ステップS5の処理では、制御部5が、各気筒の点火カットフラグの値を1に設定する。そして、制御部5は、各気筒の変速制御用点火カットタイマの減算動作を開始すると共に各気筒の点火を停止する(点火を行わない停止処理を実行する)。これにより、ステップS5の処理は完了し、変速制御用点火噴射カット処理はステップS6の処理に進む。
ここで、図3に示す例では、時刻t=t1から時刻t=t4の期間において、気筒CYL1の点火が停止され、時刻t=t1から時刻t=t3の期間において、気筒CYL2の点火が停止され、気筒CYL3では点火の停止は行われない。
ステップS6の処理では、制御部5が、各気筒の変速制御用噴射カットタイマのカウント値に基づいて、各気筒の噴射カット時間がゼロになったか否かを判別する。判別の結果、噴射カット時間がゼロになっていない場合(ステップS6:No)、制御部5は、変速制御用点火噴射カット処理をステップS8の処理に進める。一方、噴射カット時間がゼロになった場合には(ステップS6:Yes)、制御部5は、変速制御用点火噴射カット処理をステップS7の処理に進める。
ここで、図3に示す例では、時刻t=t3において、気筒CYL1の噴射カット時間がゼロになり、時刻t=t2において、気筒CYL2の噴射カット時間がゼロになっている。
ステップS7の処理では、制御部5は、噴射カット時間がゼロになった気筒への燃料噴射の停止を完了し、対応する噴射カットフラグの値を0に設定する。そして、制御部5は、噴射カット時間がゼロになった気筒への燃料噴射を再開する。これにより、ステップS7の処理は完了し、変速制御用点火噴射カット処理はステップS8の処理に進む。
ここで、図3に示す例では、時刻t=t3において、気筒CYL1への燃料噴射の停止を完了し、時刻t=t2において、気筒CYL2への燃料噴射の停止処理を完了している。
ステップS8の処理では、制御部5が、各気筒の変速制御用点火カットタイマのカウント値に基づいて、各気筒の点火カット時間がゼロになったか否かを判別する。判別の結果、点火カット時間がゼロになっていない場合(ステップS8:No)、制御部5は、今回の一連の変速制御用点火噴射カット処理を終了する。一方、点火カット時間がゼロになった場合には(ステップS8:Yes)、制御部5は、変速制御用点火噴射カット処理をステップS9の処理に進める。
ここで、図3に示す例では、時刻t=t4において、気筒CYL1の点火カット時間がゼロになり、時刻t=t3において、気筒CYL2の点火カット時間がゼロになっている。
ステップS9の処理では、制御部5は、点火カット時間がゼロになった気筒の点火の停止処理を完了し、対応する点火カットフラグの値を0に設定する。そして、制御部5は、点火カット時間がゼロになった気筒の点火を再開する。これにより、ステップS9の処理は完了し、今回の一連の変速制御用点火噴射カット処理は終了する。
ここで、図3に示す例では、時刻t=t4において、気筒CYL1の点火の停止処理を完了し、時刻t=t3において、気筒CYL2の点火の停止処理を完了している。結果、時刻t=t4において、全気筒の通常の点火処理及び燃料噴射処理が再開している。
ここで、図2及び図3に示す例は、加速操作/シフトアップ操作時におけるものであるため、時刻t=t1から時刻t=t5の期間では、変速制御用目標スロットル開度THCTRGEGSがノーロードラインに対応するスロットル開度NLLよりも小さな値に設定され、時刻t=t5から時刻t=t6の期間では、変速制御用目標スロットル開度THCTRGEGSがノーロードラインに対応するスロットル開度NLLよりも小さいがそれに近づけられた値に設定され、時刻t=t6から時刻t=t7の期間では、変速制御用目標スロットル開度THCTRGEGSが通常制御用目標スロットル開度THCBASEに復帰するように直線的に増加されている。これに伴って、時刻t=t1から時刻t=t7の期間では、実スロットル開度THは、変速制御用目標スロットル開度THCTRGEGS一致するようにモータ駆動回路6を介してフィードバック制御されている。なお、時刻t=t1から時刻t=t6の期間では、変速制御用目標スロットル開度THCTRGEGSがノーロードラインに対応するスロットル開度NLLよりも小さな一定値に簡素化されて設定されていてもよい。また、時刻t=t6から時刻t=t7の期間では、変速制御用目標スロットル開度THCTRGEGSが通常制御用目標スロットル開度THCBASEに復帰するように曲線的に増加されていてもよい。
以上の説明から明らかなように、本実施形態における駆動力制御装置1では、メインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介して複数の気筒を有するエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する鞍乗型車両において、クラッチ状態検出部2がメインクラッチの接続を検出している状態において変速操作検出部3が変速操作を検出した場合に、制御部5が、気筒毎に、点火の停止の時間の長さ又は燃料噴射の停止の時間の長さを異ならせるので、点火の停止及び/又は燃料噴射の停止後のエンジンに燃料が全くない状態が発生することを回避することができる。これにより、変速時に適切なエンジンの駆動力を発生させることができて、運転者の変速フィーリングを向上させることができる。
また、本実施形態における駆動力制御装置1では、制御部5が、燃料噴射が再開された後に点火を再開させるものであるため、点火を再開する前から燃料供給を再開して、空燃比を適切に調整することができ、点火の停止及び/又は燃料噴射の停止後のエンジンに燃料が全くない状態が発生することを確実に回避することができる。
また、本実施形態における駆動力制御装置1では、制御部5が、同一の気筒において、点火の停止の時間の長さよりも燃料噴射の停止の時間の長さを短くするものであるため、同一の気筒において、点火を再開する前から燃料供給を再開して、適切な空燃比をより確実に得ることができ、点火の停止及び/又は燃料噴射の停止後のエンジンに燃料が全くない状態が発生することをより確実に回避することができる。
また、本実施形態における駆動力制御装置1では、制御部5が、エンジンの負荷領域に応じて、点火の停止の時間又は燃料噴射の停止の時間を異ならせるものであるため、適切な空燃比をより確実に得ることができ、点火の停止及び/又は燃料噴射の停止後のエンジンに燃料が全くない状態が発生することをより確実に回避することができる。
なお、本発明は、部材の種類、形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
以上のように、本発明は、変速時に適切なエンジンの駆動力を発生させることにより、運転者の変速フィーリングを向上させることが可能な駆動力制御装置を提供することができるものであり、その汎用普遍的な性格から車両等の駆動力制御装置に広く適用され得るものと期待される。
1…駆動力制御装置
2…クラッチ状態検出部
3…変速操作検出部
4…変速段検出部
5…制御部
6…モータ駆動回路
7…点火栓駆動回路
8…燃料噴射弁駆動回路
9…メモリ
11…クラッチスイッチ
12…変速操作スイッチ
13…ギヤポジションセンサ
14…大気圧センサ
15…スロットルポジションセンサ
16…アクセル開度センサ
17…クランク角センサ
18…表示装置
19…スロットルモータ
20…点火栓
21…燃料噴射弁

Claims (4)

  1. メインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介して複数の気筒を有するエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する鞍乗型車両に搭載され、前記メインクラッチの接続又は遮断を検出するクラッチ状態検出部と、前記ドッグ式トランスミッションの変速操作を検出する変速操作検出部と、前記エンジンの点火栓に点火を行わせる点火栓駆動部と、前記エンジンに燃料噴射を行う燃料噴射弁を駆動する燃料噴射弁駆動部と、前記クラッチ状態検出部が前記メインクラッチの前記接続を検出している状態において前記変速操作検出部が前記変速操作を検出した場合には、前記ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合を解除し又は弱めた状態で前記ドッグ式トランスミッションの変速を可能とするために、前記点火の停止及び/又は前記燃料噴射の停止を実行するように前記点火栓駆動部及び/又は前記燃料噴射弁駆動部を制御する制御部と、を備える駆動力制御装置であって、
    前記制御部は、前記気筒毎に、前記点火の停止の時間の長さ又は前記燃料噴射の停止の時間の長さを異ならせることを特徴とする駆動力制御装置。
  2. 前記制御部は、前記燃料噴射が再開された後に前記点火を再開させることを特徴とする請求項1に記載の駆動力制御装置。
  3. 前記制御部は、同一の気筒において、前記点火の停止の時間の長さよりも前記燃料噴射の停止の時間の長さを短くすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の駆動力制御装置。
  4. 前記制御部は、前記エンジンの負荷領域に応じて、前記点火の停止の時間又は前記燃料噴射の停止の時間を異ならせることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の駆動力制御装置。
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