JP2019060330A - 駆動力制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】変速時に適切なエンジンの駆動力を発生させることにより、運転者の変速フィーリングを向上させることが可能な駆動力制御装置を提供する。【解決手段】メインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介してエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する鞍乗型車両に搭載される駆動力制御装置1は、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合を解除し又は弱めて、ドッグ式トランスミッションの変速が可能となるように、点火の停止及び/又は燃料の噴射の停止を実行するように点火栓駆動回路7及び/又は燃料噴射弁駆動回路8を制御すると共に、スロットル開度に一時的な変化を生じさせるようにモータ駆動回路6を制御することにより、駆動力を一時的に変化させると共に、スロットル開度の一時的な変化からの復帰に伴い、燃料噴射弁からの燃料噴射量を増量するように燃料噴射弁駆動回路8を制御する。【選択図】図1
Description
本発明は、メインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介してエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する鞍乗型車両に搭載される駆動力制御装置に関する。
自動二輪車の中には、ドッグ式トランスミッションを備えるものがある。かかるドッグ式トランスミッションでは、運転者が、メインクラッチを操作することなく、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士(ドッグ歯同士)が当接してエンジンと駆動輪との一方が他方を駆動している状態で、変速を行うことができる。かかる構成によれば、運転者が、メインクラッチの操作を省略して、迅速に変速を行うことが可能となる。
ところが、エンジンと駆動輪との一方が他方を駆動している状態では、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の接触面に大きな押圧力が作用している。このため、運転者が変速のためにドッグ同士を引き離そうとしても、接触面に押圧力に比例した大きな静止摩擦力が作用しているために、運転者の操作によりドッグ同士を引き離すことが困難となる傾向がある。
かかる状況下で、特許文献1には、駆動力制御装置に関し、メインクラッチの接続を検出している状態において変速操作を検出した場合には、モータ駆動回路6を介してエンジンのスロットル開度を一時的に変化させると共に、点火栓駆動回路7及び/又は燃料噴射弁駆動回路8を制御することによって点火の停止及び/又は燃料噴射の停止を実行することによりエンジンの駆動力を低下させ、変速完了後にスロットル開度の一時的な変化から復帰するようにモータ駆動回路6を制御すると共に、エンジンの点火栓による点火及び燃料の噴射を再開するように点火栓駆動回路7及び/又は燃料噴射弁駆動回路8を制御する構成が開示されている。これにより、シフト操作を迅速かつ円滑に行うことができる。
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1の構成では、燃料の噴射の停止後のエンジン(燃焼室)に燃料が全くない状態が発生して、燃料の噴射を再開しても空燃比が大きい(混合気が薄い)状態が続く状況が発生する場合が考えられる。この結果、狙い通りのトルクコントロールを行うことができなくなり、運転者の変速フィーリングが悪化することが考えられて、改良の余地がある。
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、変速時に適切なエンジンの駆動力を発生させることにより、運転者の変速フィーリングを向上させることが可能な駆動力制御装置を提供することを目的とする。
以上の目的を達成するべく、本発明は、第1の局面において、メインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介してエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する鞍乗型車両に搭載される駆動力制御装置であって、前記メインクラッチの接続又は遮断を検出するクラッチ状態検出部と、前記ドッグ式トランスミッションの変速操作を検出する変速操作検出部と、前記エンジンの点火栓に点火を行わせる点火栓駆動部と、前記エンジンに燃料を噴射する燃料噴射弁を駆動する燃料噴射弁駆動部と、前記エンジンのスロットル開度を変化させるモータを駆動するモータ駆動部と、前記クラッチ状態検出部により前記メインクラッチの前記接続を検出している状態において前記変速操作検出部により前記変速操作を検出した場合に、前記ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合を解除し又は弱めて、前記ドッグ式トランスミッションの変速が可能となるように、前記点火の停止及び/又は前記燃料の噴射の停止を実行するように前記点火栓駆動部及び/又は前記燃料噴射弁駆動部を制御すると共に、前記スロットル開度に一時的な変化を生じさせるように前記モータ駆動部を制御することにより、前記駆動力を一時的に変化させる制御部と、を有し、前記制御部は、前記スロットル開度の前記一時的な変化からの復帰に伴い、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を増量するように前記燃料噴射弁駆動部を制御する駆動力制御装置である。
本発明の第1の局面にかかる駆動力制御装置においては、メインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介してエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する鞍乗型車両に搭載される駆動力制御装置であって、メインクラッチの接続又は遮断を検出するクラッチ状態検出部と、ドッグ式トランスミッションの変速操作を検出する変速操作検出部と、エンジンの点火栓に点火を行わせる点火栓駆動部と、エンジンに燃料を噴射する燃料噴射弁を駆動する燃料噴射弁駆動部と、エンジンのスロットル開度を変化させるモータを駆動するモータ駆動部と、クラッチ状態検出部によりメインクラッチの接続を検出している状態において変速操作検出部により変速操作を検出した場合に、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合を解除し又は弱めて、ドッグ式トランスミッションの変速が可能となるように、点火の停止及び/又は燃料の噴射の停止を実行するように点火栓駆動部及び/又は燃料噴射弁駆動部を制御すると共に、スロットル開度に一時的な変化を生じさせるようにモータ駆動部を制御することにより、駆動力を一時的に変化させる制御部と、を有し、制御部は、スロットル開度の一時的な変化からの復帰に伴い、燃料噴射弁からの燃料噴射量を増量するように燃料噴射弁駆動部を制御するものであるため、変速時に適切なエンジンの駆動力を発生させることにより、運転者の変速フィーリングを向上させることができる。
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における駆動力制御装置につき、詳細に説明する。
<駆動力制御装置の構成>
まず、図1を参照して、本実施形態における駆動力制御装置の構成について説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態における駆動力制御装置の構成について説明する。
図1は、本実施形態における駆動力制御装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態における駆動力制御装置1は、ECU(Electronic Control Unit)等の電子制御装置によって構成され、いずれも図示を省略するメインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介して内燃機関である複数の気筒を備えた又は単気筒のエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する典型的には自動二輪車等の鞍乗型車両に搭載されている。
駆動力制御装置1は、クラッチ状態検出部2、変速操作検出部3、変速段検出部4、制御部5、モータ駆動回路6、点火栓駆動回路7、燃料噴射弁駆動回路8及びカウンタ9を備えている。なお、これらのクラッチ状態検出部2、変速操作検出部3、変速段検出部4、及び制御部5は各々機能ブロックとして示している。また、駆動力制御装置1は、図示しないメモリを備えており、このメモリ内には、駆動力制御装置1に必要な制御プログラム及び制御データ等が格納されている。
具体的には、クラッチ状態検出部2は、運転者がメインクラッチを接続又は遮断する際のその操作に関する情報を坦持するクラッチスイッチ11からの入力信号に基づいて、メインクラッチの接続又は遮断を検出する。クラッチ状態検出部2は、このように検出したメインクラッチの断続操作に応じた電気信号を制御部5に入力する。
変速操作検出部3は、運転者がドッグ式トランスミッションの変速操作を行う際のその変速操作に関する情報を坦持する変速操作スイッチ12からの入力信号に基づいて、ドッグ式トランスミッションの変速操作を検出する。変速操作検出部3は、このように検出したドッグ式トランスミッションの変速操作の有無に応じた電気信号を制御部5に入力する。
変速段検出部4は、ギアポジションセンサ13が出力するドッグ式トランスミッションのシフトドラムの回転位置に対応してドッグ式トランスミッションで選択されている変速段(ギアポジション)に応じた信号に基づいて、ドッグ式トランスミッションで選択されている変速段を検出する。変速段検出部4は、このように検出した変速段を示す電気信号を制御部5に入力する。
制御部5は、変速制御時、つまりクラッチ状態検出部2がメインクラッチの接続を検出している状態において変速操作検出部3がドッグ式トランスミッションの変速操作を検出した場合には、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合を解除し又は弱めた状態でドッグ式トランスミッションの変速を可能とするために、点火の停止及び/又は燃料の噴射の停止を実行するように点火栓駆動回路7及び/又は燃料噴射弁駆動回路8を制御すると共に、エンジンのスロットルバルブの開度(スロットル開度)、つまり実際のスロットル開度である実スロットル開度に一時的な変化を生じさせるように変速制御時の目標スロットル開度である変速制御用目標スロットル開度を制御し、実スロットル開度が変速制御用目標スロットル開度に一致するようにモータ駆動回路6を制御することにより、エンジンの駆動力を一時的に変化させる。
制御部5は、変速制御時に燃料の噴射の停止を実行した場合において燃料の噴射を再開する際に、実スロットル開度の一時的な変化からの復帰に伴って、変速制御時以外の通常制御時よりも燃料噴射量を増量するための後述の燃料増量処理を実行する。
一方で、制御部5は、通常制御時においては、実スロットル開度が運転者の要求スロットル開度に相当する通常制御用目標スロットル開度に一致するようにモータ駆動回路6を制御する。制御部5は、このような、点火の停止、燃料の噴射の停止及びスロットル開度の調整のための各々の制御信号を、点火栓駆動回路7、燃料噴射弁駆動回路8及びモータ駆動回路6に入力する。
また、制御部5は、大気圧センサ14、スロットルポジションセンサ15、アクセル開度センサ16、及びクランク角センサ17からの入力信号をも更に用いて、エンジンの駆動力を制御する。大気圧センサ14は、鞍乗型車両の周囲の大気圧に応じた電気信号を入力する。スロットルポジションセンサ15は、エンジンのスロットル開度に応じた電気信号を入力する。アクセル開度センサ16は、鞍乗型車両のアクセルグリップ等のアクセル操作部材の操作量(アクセル開度)に応じた電気信号を入力する。また、クランク角センサ17は、エンジンのクランク角(クランク軸の回転角度)に応じた電気信号を入力する。
また、制御部5は、表示装置18が備えるインジケータ駆動回路18aを介して表示装置18のインジケータ18bを制御することにより、ドッグ式トランスミッションの変速段に関する種々の情報等を表示する。
モータ駆動回路6は、制御部5からの制御信号に従って、スロットルモータ19を駆動することによってスロットル開度を制御する。
点火栓駆動回路7は、制御部5からの制御信号に従って、エンジンの点火栓20によるエンジンへの点火動作、つまり点火の開始、停止及び再開といった一連の点火動作を制御する。
燃料噴射弁駆動回路8は、制御部5からの制御信号に従って、エンジンに燃料を噴射する燃料噴射弁21の、つまり燃料噴射の開始、停止及び再開といった一連の燃料噴射動作を制御する。
以上のような構成を有する駆動力制御装置1は、以下に示す燃料増量処理を実行することによって、ドッグ式トランスミッションの変速操作時に適切なエンジンの駆動力を発生させることにより、運転者の変速フィーリングを向上させる。以下、更に図2をも参照して、燃料増量処理を実行する際の駆動力制御装置1の動作について、詳細に説明する。
<燃料増量処理>
次に、図2(a)を参照して、本実施形態における駆動力制御装置1が実行する燃料増量処理の具体的な流れについて詳しく説明する。
次に、図2(a)を参照して、本実施形態における駆動力制御装置1が実行する燃料増量処理の具体的な流れについて詳しく説明する。
図2(a)は、本発明の実施形態における駆動力制御装置による燃料増量処理の流れを示すフロー図である。
ここで、図2(a)に示す燃料増量処理は、駆動力制御装置1が複数の気筒を備えたエンジンの駆動力を制御する場合には気筒毎に実行される。また、制御部5は、燃料カットを実施する場合に噴射カットフラグに「1」をセットし、燃料カットを実施しない場合に噴射カットフラグに「0」をセットする。
図2(a)に示す燃料増量処理は、鞍乗型車両のイグニッションスイッチがオンされて駆動力制御装置1が起動されたタイミングで開始となり、燃料増量処理はステップS1の処理に進む。かかる燃料増量処理は、所定のサイクル毎に繰り返し実行される。なお、かかる燃料増量処理は、加速操作/シフトアップ操作時(エンジンが駆動輪を駆動している時)に有意性を発揮するものである。
ステップS1の処理では、制御部5が、燃料の噴射を停止する燃料カットを実施中であるか否かを判定する。判定の結果、噴射カットフラグに「1」がセットされていて燃料カットを実施中の場合には、制御部5は、燃料増量処理をステップS2の処理に進める。一方、噴射カットフラグに「0」がセットされていて燃料カットを実施していない場合には、制御部5は、燃料増量処理をステップS5の処理に進める。
ステップS2の処理では、制御部5が、燃料増量実施フラグに「1」をセットする。これにより、ステップS2の処理は完了し、燃料増量処理をステップS3に進める。
ステップS3の処理では、制御部5が、カウンタ9に対して所定の実行回数の値をセットする。これにより、ステップS3の処理は完了し、燃料増量処理をステップS4に進める。
ステップS4の処理では、制御部5が、燃料増量補正係数をセットする。ここで、燃料増量補正係数は、通常制御時の燃料噴射量に対する増量分を制御するための1.0以上の値を有するパラメータである。これにより、ステップS4の処理は完了し、燃料増量処理を終了する。
ステップS5の処理では、制御部5が、燃料増量補正係数は1.0であるか否かを判定する。判定の結果、燃料増量補正係数が1.0である場合には、制御部5は、燃料増量処理をステップS9の処理に進める。一方、燃料増量補正係数が1.0ではない場合には、制御部5は、燃料増量処理をステップS6に進める。
ステップS6の処理では、制御部5が、カウンタ9でカウントしているカウント値が「0」になったか否かを判定する。判定の結果、カウント値が「0」になっていない場合には、制御部5は、カウンタ9でのカウントを開始するため又はカウンタ9でのカウントを継続するために、燃料増量処理をステップS7の処理に進める。一方、カウント値が「0」になった場合には、制御部5は、燃料増量処理をステップS8の処理に進める。
ステップS7の処理では、制御部5が、カウンタ9でカウントしているカウント値をデクリメントする。これにより、ステップS7の処理は完了し、燃料増量処理を終了する。そして、制御部5は、ステップS4でセットした燃料増量補正係数を、通常制御時の燃料噴射量に乗算して変速制御時の燃料噴射量を求める。
ステップS8の処理では、制御部5が、燃料増量補正係数を減算する。これにより、ステップS8の処理は完了し、燃料増量処理を終了する。そして、制御部5は、ステップS8で求めた減算後の燃料増量補正係数を、通常制御時の燃料噴射量に乗算して変速制御時の燃料噴射量を求める。
ステップS9の処理では、制御部5が、カウンタ9のカウント値に「0」をセットする。これにより、ステップS9の処理は完了し、燃料増量処理をステップS11に進める。
ステップS10の処理では、制御部5が、燃料増量実施フラグに「0」をセットする。これにより、ステップS10の処理は完了し、燃料増量処理をステップS11に進める。
ステップS11の処理では、制御部5が、燃料増量補正係数を1.0にセットして、通常制御時の燃料噴射量にする。これにより、ステップS11の処理は完了し、燃料増量処理を終了する。そして、制御部5は、セットした燃料増量補正係数1.0を、通常制御時の燃料噴射量に乗算して変速制御時の燃料噴射量を求める。この際の変速制御時の燃料噴射量は、通常制御時の燃料噴射量と同一である。
制御部5は、上記のステップS7、ステップS8又はステップS11の処理の後に求めた燃料噴射量の燃料を燃料噴射弁21が噴射するように燃料噴射弁駆動回路8を制御する。
続いて、図2(b)を参照して、本実施形態における駆動力制御装置1が実行する燃料増量処理について、具体例を用いて説明する。
図2(b)は、本発明の実施形態における駆動力制御装置による燃料増量処理のタイミングチャートである。
駆動力制御装置1は、変速制御時に実スロットル開度に一時的な変化を生じさせる際において、図2(b)に示すように実スロットル開度を閉方向に大きく変化させる場合に、燃料カットを併用してトルクコントロールの遅れを解消する。図2(a)に示す燃料増量処理は、図2(b)に示す1サイクル毎に実行される。
時刻t=t1からt2までにおいて、制御部5は、図2(a)に示すステップS1からステップS4までの処理を繰り返すことにより、燃料カットを実施し、燃料増量実施フラグに「1」をセットし、カウンタ9にカウント値n(nは正の整数)をセットすると共に、燃料増量補正係数k(k>1.0)をセットする。
時刻t=t1からt2までにおいては、燃料カットを実施するため、制御部5は、燃料噴射弁21から燃料の噴射を停止するように燃料噴射弁駆動回路8を制御する。この際、制御部5は、図2(b)に示すように、変速制御用目標スロットル開度を閉方向に偏位した一定開度とする。
時刻t=t2からt3までにおいて、制御部5は、図2(a)に示すステップS1及びステップS5からステップS7までの処理を繰り返すことにより、燃料カットの実施を停止し、燃料増量実施フラグに「1」をセットし、ステップS3でセットしたカウント値nを1サイクル毎にデクリメントすると共に、燃料増量補正係数kをセットする。図2(b)に示すように、カウント値が「0」になるまでステップS4でセットした燃料増量補正係数kが維持されるため、通常制御時の燃料噴射量に対する増量分は、時刻t=t1からカウント値が「0」になる時刻t=t3まで同一である。
時刻t=t2からt3までにおいては、制御部5は、燃料増量補正係数kを通常制御時の燃料噴射量に乗算して変速制御時における燃料噴射量を求め、求めた燃料噴射量の燃料を燃料噴射弁21が噴射するように燃料噴射弁駆動回路8を制御する。この際に、制御部5は、燃料カットの終了により、図2(b)に示すように、変速制御用目標スロットル開度を燃料カット実施中よりも開方向に偏位した一定開度とする。
時刻t=t3からt4までにおいて、制御部5は、図2(a)に示すステップS1、ステップS5、ステップS6及びステップS8の処理を繰り返すことにより、燃料カットの実施を停止し、燃料増量実施フラグに「1」をセットすると共に、燃料増量補正係数から減算量α(α≦k)を1サイクル毎に減算する。燃料増量補正係数から減算量αを1サイクル毎に減算することにより、図2(b)に示すように、通常制御時の燃料噴射量に対する増量分が1サイクル毎に徐々に減少していく。
時刻t=t3からt4までにおいて、制御部5は、1サイクル毎に減算量αを減算して求めた燃料増量補正係数を、通常制御時の燃料噴射量に乗算して変速制御時における燃料噴射量を求め、求めた燃料噴射量の燃料を燃料噴射弁21が噴射するように燃料噴射弁駆動回路8を制御する。この際に、変速制御用目標スロットル開度は、図2(b)に示すように、通常制御用目標スロットル開度に徐々に近づく。
時刻t=t4以降において、制御部5は、図2(a)に示すステップS1、ステップS5及びステップS9からステップS11までの処理を繰り返すことにより、燃料カットの実施を停止し、カウンタ9にカウント値0をセットすると共に、燃料増量補正係数1.0をセットする。
時刻t=t4以降においては、制御部5は、燃料増量補正係数1.0を通常制御時における燃料噴射量に乗算して燃料噴射量を求め、求めた燃料噴射量の燃料を燃料噴射弁21が噴射するように燃料噴射弁駆動回路8を制御する。即ち、制御部5は、通常制御時における燃料噴射量の燃料を燃料噴射弁21が噴射するように燃料噴射弁駆動回路8を制御する。この際に、変速制御用目標スロットル開度は、図2(b)に示すように、通常制御用目標スロットル開度に更に徐々に近づき、やがて通常制御用目標スロットル開度に一致する。
このように、制御部5は、時刻t=t2以降の実スロットル開度の一時的な変化からの復帰に伴って、燃料噴射弁21からの燃料噴射量を増量するように燃料噴射弁駆動回路8を制御する。
なお、燃料増量補正係数kを通常制御時の燃料噴射量に乗算することにより変速制御時の燃料噴射量を求めたが、燃料増量補正係数kを通常制御時の燃料噴射量に加算等することにより変速制御時の燃料噴射量を求めてよい。
多気筒を備えるエンジンでは、燃料の噴射の停止の時間の長さを全気筒で同じ長さに設定した場合に、燃料の噴射の停止後のエンジン(燃焼室)に燃料が全くない状態が発生して、燃料の噴射を再開しても空燃比が大きい(混合気が薄い)状態が続く状況が発生する場合が考えられる。このような場合であっても、上記の燃料増量補正を実行することにより、狙い通りのトルクコントロールを行うことができる。
以上の本実施形態における駆動力制御装置では、メインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介してエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する鞍乗型車両に搭載される駆動力制御装置1であって、メインクラッチの接続又は遮断を検出するクラッチ状態検出部2と、ドッグ式トランスミッションの変速操作を検出する変速操作検出部3と、エンジンの点火栓に点火を行わせる点火栓駆動回路7と、エンジンに燃料を噴射する燃料噴射弁を駆動する燃料噴射弁駆動回路8と、エンジンのスロットル開度を変化させるモータを駆動するモータ駆動回路6と、クラッチ状態検出部2によりメインクラッチの接続を検出している状態において変速操作検出部3により変速操作を検出した場合に、ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合を解除し又は弱めて、ドッグ式トランスミッションの変速が可能となるように、点火の停止及び/又は燃料の噴射の停止を実行するように点火栓駆動回路7及び/又は燃料噴射弁駆動回路8を制御すると共に、スロットル開度に一時的な変化を生じさせるようにモータ駆動回路6を制御することにより、駆動力を一時的に変化させる制御部5と、を有し、制御部5は、スロットル開度の一時的な変化からの復帰に伴い、燃料噴射弁からの燃料噴射量を増量するように燃料噴射弁駆動回路8を制御するものであるため、変速時に適切なエンジンの駆動力を発生させることにより、運転者の変速フィーリングを向上させることができる。
本発明は、部材の種類、形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
具体的には、上記実施形態において、カウンタによりカウントするカウント値を減算したが、カウンタによりカウントするカウント値を増加させてもよい。
以上のように、本発明においては、変速時に適切なエンジンの駆動力を発生させることにより、運転者の変速フィーリングを向上させることが可能な駆動力制御装置を提供することができ、その汎用普遍的な性格から自動二輪車等の車両の駆動力制御装置に広範に適用され得るものと期待される。
1…駆動力制御装置
2…クラッチ状態検出部
3…変速操作検出部
4…変速段検出部
5…制御部
6…モータ駆動回路
7…点火栓駆動回路
8…燃料噴射弁駆動回路
9…カウンタ
11…クラッチスイッチ
12…変速操作スイッチ
13…ギアポジションセンサ
14…大気圧センサ
15…スロットルポジションセンサ
16…アクセル開度センサ
17…クランク角センサ
18…表示装置
18a…インジケータ駆動回路
18b…インジケータ
19…スロットルモータ
20…点火栓
21…燃料噴射弁
2…クラッチ状態検出部
3…変速操作検出部
4…変速段検出部
5…制御部
6…モータ駆動回路
7…点火栓駆動回路
8…燃料噴射弁駆動回路
9…カウンタ
11…クラッチスイッチ
12…変速操作スイッチ
13…ギアポジションセンサ
14…大気圧センサ
15…スロットルポジションセンサ
16…アクセル開度センサ
17…クランク角センサ
18…表示装置
18a…インジケータ駆動回路
18b…インジケータ
19…スロットルモータ
20…点火栓
21…燃料噴射弁
Claims (1)
- メインクラッチ及びドッグ式トランスミッションを順に介してエンジンの駆動力を駆動輪に伝達する鞍乗型車両に搭載される駆動力制御装置であって、
前記メインクラッチの接続又は遮断を検出するクラッチ状態検出部と、
前記ドッグ式トランスミッションの変速操作を検出する変速操作検出部と、
前記エンジンの点火栓に点火を行わせる点火栓駆動部と、
前記エンジンに燃料を噴射する燃料噴射弁を駆動する燃料噴射弁駆動部と、
前記エンジンのスロットル開度を変化させるモータを駆動するモータ駆動部と、
前記クラッチ状態検出部により前記メインクラッチの前記接続を検出している状態において前記変速操作検出部により前記変速操作を検出した場合に、前記ドッグ式トランスミッションのドッグ同士の係合を解除し又は弱めて、前記ドッグ式トランスミッションの変速が可能となるように、前記点火の停止及び/又は前記燃料の噴射の停止を実行するように前記点火栓駆動部及び/又は前記燃料噴射弁駆動部を制御すると共に、前記スロットル開度に一時的な変化を生じさせるように前記モータ駆動部を制御することにより、前記駆動力を一時的に変化させる制御部と、
を有し、
前記制御部は、
前記スロットル開度の前記一時的な変化からの復帰に伴い、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を増量するように前記燃料噴射弁駆動部を制御する、
ことを特徴とする駆動力制御装置。
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---|---|---|---|
JP2017187887A JP2019060330A (ja) | 2017-09-28 | 2017-09-28 | 駆動力制御装置 |
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JP2017187887A JP2019060330A (ja) | 2017-09-28 | 2017-09-28 | 駆動力制御装置 |
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JP2017187887A Pending JP2019060330A (ja) | 2017-09-28 | 2017-09-28 | 駆動力制御装置 |
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2017
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