以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。まず、図1を参照して実施形態に係る遊技島台1について説明する。図1(A)は、遊技島台1の概略を示す正面図であり、図1(B)は、遊技島台1の内部構造の概略を示す正面図である。なお、本実施形態における遊技島台1に設置される遊技機としてパチンコ機8が設置された場合で説明するが、パチンコ玉を使用して遊技を行う遊技機であれば、どのような遊技機が設置されるものであってもよい。
図1(A)において、遊技島台1は、周知のようにそのほぼ中央側面に複数のパチンコ機8と玉貸機50とを交互に列設するように直方体状に枠組み形成され、パチンコ機8の列設位置の下方に外側に突出するカウンター台を挟んで腰板51が設けられている。また、各パチンコ機8の上部には、呼出ランプ装置53が取り付けられる装飾板52が設けられ、更にその上部に開閉自在な幕板54が設けられている。
また、遊技島台1の内部は、図1(B)に示すように、その下方部に各パチンコ機8から排出されるパチンコ玉を受け入れ且つ当該遊技島台1で営業中に必要とされ得る玉量を貯留する貯留タンク55が設けられ、そのほぼ中央に貯留タンク55に貯留された玉を導きいれて上部に揚送する玉揚送装置56が設けられている。本実施形態における玉揚送装置56は、モータによって回転する革ベルトの旋回運動によって玉を揚送するものであり、その揚送中に革ベルトに対面して設けられる研磨布と玉とが接触して玉を研磨しながら上部に揚送する。玉揚送装置56に揚送された玉は、一旦上部タンクに貯留され、その上部タンクの上方側部から遊技島台1の端部に向かって傾斜状に配置される補給樋2に供給される。
補給樋2には、分岐装置3が設けられ、その分岐装置3によって分岐された玉が分岐装置3に接続されるスプリングホース7と賞球補給装置20とを介して各パチンコ機8の背面上部に設けられる賞球タンク11に供給される。また、各パチンコ機8で使用されたパチンコ玉は、遊技島台1の裏面下部に取り付けられるアウト玉タンク57に放出された後、回収樋58によって回収され、更に前記貯留タンク55に貯留され、その後、上記したように玉揚送装置56によって上部に研磨揚送される。つまり、パチンコ玉は、遊技島台1の内部を循環して使用されている。
次に、本実施形態の要部を構成する賞球補給装置20について、図2乃至図10を参照して説明する。図2は、補給樋2と賞球補給装置20との関係を示す背面図である。図3は、パチンコ機8の背面斜視図である。図4は、賞球補給装置20の作用を示す側面図である。図5は、賞球補給装置20の作用を示す側面図である。図6は、賞球補給装置20の正面から見た斜視図である。図7は、賞球補給装置20の背面から見た斜視図である。図8は、回動補給部材30の背面から見た斜視図である。図9は、賞球補給装置20の一部を切断した正面図である。図10は、補給筒形成部材を示す斜視図である。
図2において、補給樋2を流下する賞球は、分岐装置3によって分岐される。この分岐装置3は、賞球を一列に整列させながら取込むものであり、その通路の途中に玉ならし4が垂下され、更に、故障を修理するとき等に賞球の流下を停止させることが可能なストッパー5が設けられている。分岐装置3の下方には、支持台によって補給用計数器6が着脱自在に取付けられる。この補給用計数器6は、周知のように、ボックス状に形成されると共に、その先端側に賞球が通過する玉通路が形成され、その玉通路に臨んで計数歯車が回転自在に軸支されている。そして、玉通路を流下する賞球と計数歯車の歯とが係合して計数歯車を回転させ、計数歯車が一回転する毎にパルス信号を発するようになっている。つまり、計数歯車の歯数に対応する賞球が通過する毎に1パルスが発せられるので、実際に補給された賞球は、「歯数(例えば、10個)×パルス数」によって算出される。
ところで、補給用計数器6を支持する支持台には、その前端上部に分岐装置3から流下してきた賞球が誘導される出口が形成され、その前端下部にスプリングホース7の上端が固定されている。また、スプリングホース7の下端は、本実施形態の要部を構成する賞球補給装置20に接続されている。これにより、賞球が分岐装置3から補給用計数器6に流入し、補給用計数器6で計数された賞球がスプリングホース7に排出されて賞球補給装置20に供給される。
そして、パチンコ機8に対応して上記賞球補給装置20が配置されるが、このパチンコ機8の構成について図3を参照して説明する。図において、パチンコ機8は、遊技島台1の横枠59に支持固定される方形状の機枠9を有し、その機枠9の前方一側に前面枠15が開閉自在に設けられている。そして、この前面枠15にパチンコ機8を構成する主要部品の大部分が装着されている。パチンコ機8を構成する主要部品として遊技盤(図示しない)があり、その遊技盤の裏面を機構板10が覆っている。機構板10の上部には、賞球補給装置20から供給される賞球を貯留する賞球タンク11と、該賞球タンク11に貯留された賞球を整列しながら誘導する賞球誘導通路12と、該賞球誘導通路12から供給された玉を入賞球毎に所定個数ずつ区切って排出する賞球排出装置(図示しない)から排出された賞球を誘導する賞球排出樋13と、が設けられている。そして、上記のように構成される機構板10は、前面枠15の開閉動作に伴って一緒に機枠9に対して開閉動作するものであるため、機構板10に設けられる各部品も開閉動作することになる。なお、前面枠15の下部一側には、パチンコ玉を発射駆動するための発射装置14が取り付けられている。
賞球補給装置20は、図4乃至図9に示すように、賞球を流下させる流下通路26が固着された支持台21と、該支持台21に第1の状態と第2の状態とに回動可能に軸支され、且つ前記流下通路26と連通すると共にその先端が前記賞球タンク11内に臨む補給筒32と作動腕33とが二又状に形成された回動補給部材30と、該回動補給部材30の回動に従動して前記流下通路26から前記補給筒32への賞球の流下を制御する玉止め部材40とから構成される。
まず、支持台21は、図6、図7、及び図9に示すように、前記遊技島台1の横枠59に賞球補給装置20を固定するための固定板22と、該固定板22に対してスライド可能に取着されるスライド板23とから構成されている。固定板22は、遊技島台1の横枠59にビス止めして取り付けられる。固定板22の側面には、縦スライド穴24が形成されている。この縦スライド穴24に、スライド板23から突設されたネジを貫通させるとともにスライド板23を固定板22に対して所定の位置に保持した状態で、その貫通したネジを蝶ナット25で螺着することにより、スライド板23の固定板22に対する位置を自由に設定することができるようになっている。このように構成することにより、後述する回動補給部材30の補給筒32の先端と賞球タンク11の底面11bとの間隔を調節して賞球タンク11に貯留される賞球の量を調節できるようにしている。なお、縦スライド穴24は、一側だけに形成され、他側には、図6に示すように固定板22に形成される係止溝22aにスライド板23の端縁部に形成されるスライド片23aが係合案内されるようになっている。また、固定板22及びスライド板23には、図7に示すように、後述する回動補給部材30が回動したときに補給筒32が侵入し得る切欠部22b,23bがそれぞれ形成されている。
一方、スライド板23には、その一側に前記スプリングホース7の末端と接続するホース接続具27が形成され、そのホース接続具27に連続して流下通路26が設けられている。この流下通路26の上部には、打止めソレノイド29が配置され、この打止めソレノイド29のプランジャに流下通路26に出没するストッパー部29aが連結されている。このため、所定個数(例えば、3000個)の賞球が遊技者に払出されたときに図示しない管理コンピュータから導出される打止め信号に基づいて打止めソレノイド29が励磁されると、ストッパー部29aが流下通路26内に侵入して賞球の流下を停止させ、それ以上の賞球が賞球補給装置20から賞球タンク11に払出されないようになっている。なお、打止めソレノイド29の励磁状態に伴うノイズが発生しても、そのノイズにより誤動作する可能性のある補給用計数器6が前記したように離れた位置に設けられるので、このような誤動作を発生させないようにすることができる。更に、補給用計数器6と打止めソレノイド29とが離れて設置されていることにより、遊技島台1内部の配線の集中を緩和することができるという利点もあるし、賞球補給装置20の設置個所が遊技島台1の内部の最も配線の集中する個所に近いため、その配線から発生するノイズによる補給用計数器6の誤動作も防止することができる。
一方、流下通路26の他端には、回動補給部材30が回動自在に設けられている。回動補給部材30は、内部が空洞状に形成された「T」状の補給筒形成部材31と該補給筒形成部材31に対して直角よりも鋭角的に連結された作動腕33が二又状に形成された構成となっている。補給筒形成部材31は、「T」字状の上部横辺が回動軸となっており、前記流下通路26を形成する部材端部の軸受部28aとスライド板23に固着される軸受部28bとによって挟持されて回動自在となっており、「T」字状の上部横辺の一側から垂直辺にかけて空洞となって補給筒32を構成している。
そして、この補給筒32は、その入口が前記流下通路26と連通する接続口37となっており、その出口が下部先端に形成された放出口38となっている。また、補給筒形成部材31の上部には、凸部が形成され、該凸部に取付ピン34を介して作動腕33が取り付けられている。なお、この取付ピン34には、補給筒形成部材31と作動腕33とを相互に引きつけ合うように作用するスプリング35bが軸支されているが、これは、回動補給部材30の回動直後に作動腕33と補給筒32との位置を常に一定に保持するためのものである。また、回動補給部材30は、補給筒32が垂直状態となる第1の状態と、補給筒32が水平状態となる第2の状態との二位置の間で回動可能となっているが、その二位置の状態を保持するため、補給筒形成部材31の回動軸にスプリング35aが係止されている。
更に、回動補給部材30の回動動作を案内するために、図8に示すように、軸受部28aの側面には、円弧状のガイド突片36aが突設され、補給筒32の側面には、ガイド突片36aを挟持するガイド溝突起36bが形成されている。また、補給筒32を形成する補給筒形成部材31は、複数の部材の組み付けによって構成されており、その詳細について後述する。
一方、補給筒形成部材31の上端一側外周には、半楕円形状の係合カム39が突設され、この係合カム39と対応するように玉止め部材40が軸受部28aに遊嵌される支軸42を中心に揺動自在に軸支されている。玉止め部材40は、その後端上部を支軸42によって支持されると共に、該支軸42を軸受部28aの外側に突出させ、その突出部分に玉止め部材40を反時計方向(ストッパーピン41を突入させる方向)に付勢するスプリング43が設けられている。
また、玉止め部材40の上辺先端に補給筒32の接続口37に侵入する玉流下止め部材としてのストッパーピン41が下向きに装着されている。このストッパーピン41は、補給筒形成部材31に穿設された溝状の突入穴46から接続口37内に侵入するようになっている。また、玉止め部材40の下面上端部には、1つの当接凸部40aが形成され、その当接凸部40aから後方が前記係合カム39の形状に対応する凹部40bとなっている。
なお、前記ストッパーピン41は、その上端をバネ性の係止片44によって押されており、ストッパーピン41が侵入したときに内部を流下する賞球と当接した場合、その反力を緩衝しながら賞球の間にスムーズに侵入させるようになっているが、時としてストッパーピン41が賞球の上面に当接したままの状態となることもある。
また、補給筒32の放出口38には、玉放出止め部材としてのスライド部材47が進退自在に設けられている(図4,図5,図8,図10参照)。該スライド部材47は、先端部を放出口38の形状に略合致する円弧状に形成され、補給筒32の外面に形成されるガイド溝48に沿ってスライド移動可能に設けられ、図示しない球止スプリングにより常にスライド部材47の先端が放出口38に進入するように付勢されている。
また、前述したガイド突片36aとガイド溝突起36bとにより、スライド部材47のスライド移動の規制機構が構成されている。具体的に、ガイド突片36aは、補給筒32が下向きに回動するに従い補給筒32の回動軸心に漸次近づくように、補給筒32の外周と所定間隔をもって円弧状に形成され、ガイド突片36aの内方に位置するガイド溝突起36bが球止スプリングの付勢によって該ガイド突片36aの内周面に当接し、該ガイド突片36aに沿って接触移動することにより、スライド部材47が補給筒32の下向き回動動作に従い放出口38から後退するように移動する。また、スライド部材47は、球止スプリングの付勢に抗して後退し得るように設けられている。そして、スライド部材47は、補給筒32の上向き回動時(図4に示す状態)に放出口38に突入することで放出口38からのパチンコ玉の放出を阻止する一方、補給筒32の下向き回動時(図5に示す状態)に放出口38から後退することで放出口38からのパチンコ玉の放出を許容するようになっている。
なお、図4−図9に示す補給筒32ではスライド部材47とガイド溝48とを放出口38の形成される一側面にだけ設けるものを示したが、本発明に係る補給筒32では図10に示すように後述する玉受入筒部材60の両側面にスライド部材47が設けられると共に後述する玉放出筒部材61の放出口38の上方にガイド溝48が設けられている。そして、玉受入筒部材60に対して玉放出筒部材61を装着するときにはスライド部材47がガイド溝48に進入し、玉放出筒部材61の放出口38が右方向に向いた状態(図10(A)に示す状態)では図10(C)に示す玉受入筒部材60の右側面に設けられるスライド部材47により上記したパチンコ玉の放出の阻止及び許容がなされ、玉受入筒部材60に対して玉放出筒部材61の装着方向を180°回転させて玉放出筒部材61の放出口38が左方向に向いた状態(図10(B)に示す状態)では図10(D)に示す玉受入筒部材60の右側面に設けられるスライド部材47により上記したパチンコ玉の放出の阻止及び許容がなされる。
ところで、前記補給筒形成部材31に形成される補給筒32は、前記接続口37部分での寸法がパチンコ玉の直径よりも大きく形成されていてもよいが、少なくとも「T」字状の垂直辺に対応する部分の外形巾寸法が図4に示すようにパチンコ玉の直径よりも僅かに大きい程度の寸法Wとされていると共に、その垂直辺部の下方部分は、流下するパチンコ玉が落下しない程度に前後方向に貫通しており、また、「T」字状の屈曲部には、誘導片45が突設され、賞球を下方に向けてスムーズに流下するようになっている。
上記の構成からなる回動補給部材30の作用について図4及び図5を参照して説明する。まず、図4に示すようにパチンコ機8の前面枠15を開放した状態では、回動補給部材30は、補給筒32が水平状態となった第2の状態となっていると共に、賞球タンク11が前方に移動している。この第2の状態では、スプリング43の付勢力により玉止め部材40の上部先端が支軸42を中心にして下方向に回動した状態となり、これがためストッパーピン41が補給筒32内に侵入して内部を流下する賞球の流下を停止させる。これにより、補給筒32の放出口38から賞球が流出しないので、賞球タンク11が前方に移動していても賞球が遊技島台1内に落下することがない。また、この状態では、補給筒32の上向き回動に伴ってスライド部材47が放出口38に突入することで、補給筒32内の賞球が放出口38から零れ落ちることを阻止している。
図4の状態からパチンコ機8の前面枠15を閉じるように移動させると、賞球タンク11の側壁11aと作動腕33とが当接して回動補給部材30を強制的に回動させる。このとき、係合カム39も回動して凹部40bに沿って移動し、遂には、当接凸部40aと係合カム39の先端頭部とが当接した状態となる。この状態になると、玉止め部材40の上部上端が上昇した位置となるため、ストッパーピン41が補給筒32から退避した状態となり賞球の流下状態を許容する。この許容した時点では、既に補給筒32の放出口38が賞球タンク11の内部に位置しているので、流出した賞球が賞球タンク11の底面11bに放出され、遊技島台1内部にこぼれることがない。また、この状態では、補給筒32の下向き回動に伴ってスライド部材47が放出口38から後退することで、放出口38からの賞球の流出が許容されている。
なお、この場合、貯留される賞球の量は、賞球タンク11の底面11bから放出口38の高さまでである。これは、放出口38の高さまで賞球が貯留されると、放出口38から流出しようとする賞球がその貯留された賞球によって押圧されて流出できなくなるからである。また、本実施形態においては、図2に示すように補給筒32の放出口38が賞球タンク11と賞球誘導通路12との連絡口(図示しない)に向かって放出されるようになっているので、賞球補給装置20から賞球タンク11を通って賞球誘導通路12に至る賞球の流れがスムーズに行われると共に、賞球タンク11に貯留される賞球数を放出口38の下流側だけに適宜の量貯留できる。従って、特別に圧抜き器等の部品を装着することなく、貯留される賞球の量を抑えることができるので、パチンコ機8の入れ替があった場合にも何等の手数を掛ける必要もないし、また、必要に応じて前記縦スライド穴24を調節してスライド板23を上下することにより、賞球タンク11に貯留される賞球の量を変化させることができる。
以上説明した動作と逆にパチンコ機8の前面枠15を開放する場合には、図5から図4に移行することになるが、これを簡単に説明すると、パチンコ機8の前面枠15を開放すべく移動させると、賞球タンク11の内側の側壁11aと補給筒32とが当接して、そのまま補給筒32を時計方向に回動させる。このとき、係合カム39も回動して玉止め部材40の凹部40bに沿って移動するだけで玉止め部材40からの影響を受けることなく回動される。そして、仮にストッパーピン41が賞球と当接したままの状態で玉止め部材40が図5に示す状態のままであっても、回動補給部材30は、図4に示す補給筒32を水平とする状態となるので、賞球タンク11が外れても回動補給部材30が図5に示す状態に戻ることはない。従って、前面枠15を開放したときに賞球がパチンコ機8の外部に落ちることはない。
なお、ストッパーピン41が賞球と当接したままの状態のときには、その当接している賞球が後続の賞球の玉圧によって押され、それによって前方に移動するので、その移動直後にストッパーピン41がスプリング43の付勢力に押されて流下通路26内に侵入しその流下を停止するようになっている。また、このような前面枠15の開放に伴って補給筒32が垂直状態となる第1の状態から水平状態となる第2の状態に移行する際、これに伴ってスライド部材47が放出口38に突入することで、補給筒32内の賞球が放出口38から零れ落ちる不具合を回避するようになっている。
次に、補給筒32を形成する補給筒形成部材31について、図10を参照して説明する。なお、図4〜図9に示す賞球補給装置20の補給筒形成部材31は、図10に示す補給筒形成部材31とは異なり、玉受入筒部材60と玉放出筒部材61とが一体的に成形されたものであるが、その奏する作用等については、図10に示す補給筒形成部材31と同じである。従って、図10の説明にあたって、図4〜図9に示す補給筒形成部材31と同じ構成については同一の符号を付してある。しかして、補給筒形成部材31は、図10(A)に示すように、前述した流下通路26から送り込まれたパチンコ玉を受け入れる第1の玉通路62が形成された玉受入筒部材60と、該玉受入筒部材60に対して着脱自在に設けられると共に第1の玉通路62と連通する第2の玉通路63が形成された玉放出筒部材61と、の組付体から構成されている。
玉受入筒部材60の対向する2つの側面の下端部には、凹状の係止凹部64が複数(図示の場合には、一側面につき2個)形成され、玉放出筒部材61の上端には、係止凹部64と対応するように係止突部65が形成されている。また、玉放出筒部材61の第2の玉通路63の下流端には、第2の玉通路63におけるパチンコ玉の流下方向に対して直交する一の方向にパチンコ玉を放出する放出口38が設けられている。
しかして、玉放出筒部材61の上部に形成される4つの係止突部65によって玉受入筒部材60の下端部を挟み込むように下方から玉放出筒部材61を挿入した後、玉放出筒部材61の係止突部65と対応するように玉受入筒部材60の4つの側面のうち対向する一対の側面のそれぞれに形成される係止凹部64に係止突部65を係合させることによって玉放出筒部材61が玉受入筒部材60に係止される。このように、本例の玉受入筒部材60と玉放出筒部材61は着脱可能に形成され、係止凹部64と係止突部65とを係止することで玉受入筒部材60に対して玉放出筒部材61が装着され、一方、係止凹部64と係止突部65との係止状態を解除することで玉受入筒部材60から玉放出筒部材61が取り外し可能となっている。そして、放出口38が180°逆の方向となるように玉受入筒部材60に対して玉放出筒部材61が装着できるように係止凹部64と係止突部65とが形成されている。
このように組み付けられる補給筒形成部材31によって、玉受入筒部材60に対して対向する(放出方向が180°異なる)二方向のいずれにもパチンコ玉を放出可能となるように玉放出筒部材61の装着方向を変更可能にする方向変更手段を構成している。
具体的には、図10(B)に示すように玉受入筒部材60に対して玉放出筒部材61の放出口38が右方向に向いた状態で玉受入筒部材60の側面に形成される係止凹部64と玉放出筒部材61の上部に形成される4つの係止突部65とによって組み付けた場合には、図10(A)に示すように玉受入筒部材60に対してパチンコ玉が右方向に放出される一方、図10(D)に示すように玉受入筒部材60に対して玉放出筒部材61を180°回転させて放出口38が左方向に向いた状態で玉受入筒部材60の側面に形成される係止凹部64と玉放出筒部材61の上部に形成される4つの係止突部65とによって組み付けた場合には、図10(C)に示すように玉受入筒部材60に対してパチンコ玉が左方向に放出される。
即ち、本例の玉受入筒部材60及び玉放出筒部材61は、玉受入筒部材60に対して玉放出筒部材61を180°回転させることで放出口38が反対方向に向いた状態に装着方向を変更しても係止凹部64と4つの係止突部65とを係止させて組み付けることができるようになっている。
このように、本例では玉受入筒部材60に対して玉放出筒部材61の装着方向を変更することによって賞球タンク110内での放出口38から賞球タンク110へ送り込まれるパチンコ玉の放出方向を変更可能となっている。これにより、補給筒32の放出口38が賞球タンク110の側壁の間近の位置に配置されてこの間近に配置される賞球タンク110の側壁に向けてパチンコ玉を放出してしまうような場合には、玉放出筒部材61を180°回転させてパチンコ玉の放出方向が間近に対向する賞球タンク110の側壁とは反対側となるように玉放出筒部材61の装着方向を変更することで、補給筒32内のパチンコ玉が賞球タンク110の側壁で堰き止められてしまう不具合を回避することができる。従って、様々なタイプの賞球タンク110に対してパチンコ玉の補給を正常に行うことができる。
なお、上記した実施形態では、流下通路26から送り込まれたパチンコ玉を受け入れる第1の玉通路62が形成された玉受入筒部材60と、該玉受入筒部材60に対して着脱自在に設けられると共に第1の玉通路62と連通する第2の玉通路63が形成された玉放出筒部材61とで補給筒32を構成して、玉受入筒部材60に対して対向する(放出方向が180°異なる)二方向のいずれにもパチンコ玉を放出できるように玉放出筒部材61の装着方向を変更可能にすることで本発明に係る方向変更手段を構成しているが、この構成に限定するものではなく、玉受入筒部材60に対して少なくとも二方向にパチンコ玉を放出可能となるように玉放出筒部材61の装着方向を変更可能にするものであればよい。
具体的には、玉受入筒部材60の4つの側面の全ての側面に係止凹部64を形成すると共に、玉受入筒部材60に形成される係止凹部64と対応するように玉放出筒部材61の係止突部65を形成して(例えば係止突部65を結ぶ面が四角形となるように形成する)玉受入筒部材60に対してパチンコ玉の放出方向を90°毎に異ならせた四方向のいずれにもパチンコ玉を放出できるように玉放出筒部材61の装着方向を変更可能となるように構成してもよいし、係止凹部64を結ぶ面が五角形となるように玉受入筒部材60を形成する(玉受入筒部材60の形状をその側面に形成される係止凹部64を結ぶ断面形状が五角形となるように形成する、玉受入筒部材60の側面から突出して係止凹部64が形成される部材を設ける等)と共に玉受入筒部材60に形成される係止凹部64と対応するように玉放出筒部材61の係止突部65を形成して(例えば係止突部65を結ぶ線によって形成される平面形状が五角形となるように形成する)玉受入筒部材60に対してパチンコ玉の放出方向を所定の角度毎(係止凹部64を結ぶ線によって形成される平面形状が正五角形であれば72°毎)に異ならせた五方向のいずれにもパチンコ玉を放出できるように玉放出筒部材61の装着方向を変更可能となるように構成してもよい。即ち、玉受入筒部材60の係止凹部64を形成する側面の数が多い程、又は玉受入筒部材60の係止凹部64を結ぶ線によって形成される平面形状として多角形の角数が多い程にパチンコ玉の放出方向を細かく変更できるようになる。
また、上記した実施形態では、玉放出筒部材61の装着方向を変更することによりパチンコ玉の放出方向を異ならせるように構成したが、玉受入筒部材60に対して玉放出筒部材61の連結方向を変更するものであればこの構成に限定されるものではなく、玉受入筒部材60に対して玉放出筒部材61を回転可能とすることで方向変更手段を構成するようにしてもよい。
以上、本実施形態の構成によれば、遊技島台1の補給樋2から送り込まれるパチンコ玉を遊技島台1に設置されるパチンコ機8の裏面に設置された賞球タンク110に連続的に放出する賞球補給装置100であって、賞球補給装置100は、補給樋2から送り込まれたパチンコ玉を流下させる流下通路26と、該流下通路26と連通する玉通路と該玉通路を流下したパチンコ玉を放出する放出口38が先端部分に形成されると共に、放出口38が賞球タンク110内に配置され且つ放出口38から賞球タンク110へのパチンコ玉の放出を許容する第1の状態と放出口38が賞球タンク110外に配置され且つ放出口38から賞球タンク110へのパチンコ玉の放出を停止する第2の状態との間で移行可能に設けられ、パチンコ機8の前面枠15を開放したときに第2の状態に移行する補給筒32と、前面枠15を閉鎖したときに賞球タンク110と当接して補給筒32を第1の状態に移行させ、前面枠15を開放したときに賞球タンク110との当接を解除して補給筒32を第2の状態に移行させる作動腕33と、を備え、補給筒32は、流下通路26から送り込まれたパチンコ玉を受け入れる玉通路の上流側を構成する第1の玉通路62が形成された玉受入筒部材60と、該玉受入筒部材60と連結して第1の玉通路62と連通する玉通路の下流側を構成する第2の玉通路63と該第2の玉通路63の下流端に配置されて第2の玉通路63におけるパチンコ玉の流下方向に対して直交する一の方向にパチンコ玉を放出する放出口38とが形成された玉放出筒部材61と、から構成され、玉受入筒部材60に対して玉放出筒部材61の連結方向を変更可能にして該連結方向の変更に応じてパチンコ玉の放出方向を変更することにより少なくとも二以上の方向にパチンコ玉を放出可能にする方向変更手段を備えたことを特徴とする。これにより、玉放出筒部材61の連結方向を変更することによって賞球タンク110内での放出口38から放出されるパチンコ玉の放出方向を変更できるため、様々なタイプの賞球タンク110に対してパチンコ玉の補給を正常に行う構成を具現化することができる。
また、賞球補給装置100は、補給筒32が第1の状態から第2の状態に移行することに伴って玉通路内に侵入して玉通路内でのパチンコ玉の流下を阻止する一方、補給筒32が第2の状態から第1の状態に移行することに伴って玉通路外に退避して玉通路内でのパチンコ玉の流下を許容するストッパーピン41を備えたことを特徴とする。これにより、補給筒32が第2の状態のときに、放出口38から賞球タンク110へのパチンコ玉の送り込みを確実に停止することができる。また、補給筒32の先端部分の放出口38の向きを変更する際に玉放出筒部材61を玉受入筒部材60から取り外すような場合でも、ストッパーピン41によって玉通路内でパチンコ玉の流下を阻止しているので、放出口38の向きを変更する作業に伴って大量のパチンコ玉が流れ出てくるような不具合を回避することができる。
また、賞球補給装置100は、補給筒32が第1の状態から第2の状態に移行することに伴って放出口38からのパチンコ玉の放出を阻止するように進出して当該放出口38を狭める一方、補給筒32が第2の状態から第1の状態に移行することに伴って放出口38からのパチンコ玉の放出を許容するように退行して当該放出口38を広げるスライド部材47を備えたことを特徴とする。これにより、放出口38から賞球タンク110へのパチンコ玉の送り込みを許容する第1の状態から賞球タンク110へのパチンコ玉の送り込みを停止する第2の状態に補給筒32を移行する際に、補給筒32の玉通路内のパチンコ玉が放出口38から零れ落ちる不具合を回避することができる。