JP2013236706A - 遊技機用可変入賞装置及びそれを備えた遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】入賞口を開閉する開閉部材が前後にスライド動作可能に構成された遊技機用可変入賞装置及びこれを備えた遊技機において、開閉部材の不正開放をより確実に防止することが可能な構成を提供する。
【解決手段】遊技機用可変入賞装置10は、開閉部材20が閉鎖位置にある状態で当該開閉部材20を開放位置に変位させようとする外力が加えられた場合に、その外力に伴って開閉部材20が伝達機構50を動かそうとする際にロック受け部20eがロック部51hの回動軌跡上に位置し続ける。これにより第1伝達部材51の回動が規制されて開閉部材20が後方に退避できなくなり、開閉部材20が開放位置に変位することが阻止される。
【選択図】図10

Description

本発明は、遊技機用可変入賞装置及びそれを備えた遊技機に関するものである。
アタッカーとも称される大入賞装置には、入賞口を開閉する開閉部材が、閉鎖状態では遊技盤の前方に突出し、開放状態では遊技盤の前方から後退するスライド式のものがある。この種の装置では、開閉部材は、直接又は他部材を介して間接的に駆動源の駆動力を受けてスライド動作するようになっている。
例えば、特許文献1に開示される入賞装置は、入賞口の上方に配置され台板(2)と交差する方向に直線的に移動可能なスライド板(40)と、台板(2)から後方に離間した位置に配置され駆動力を生じさせるソレノイド(30)と、ソレノイド(30)の駆動力をスライド板(40)に伝導するスライド板連動機構(70A)と、を備えている。また、スライド板(40)の後方には、左右方向に突出するガイドピン(41d)が形成されている。更に、スライド板連動機構(70A)は、上部から斜め前方へ延出形成された左右一対のガイドアーム(21f,21f)を備え、ガイドアーム(21f,21f)にはそれぞれスライド孔(21g,21g)が形成されており、回動軸(21e)を中心として回動するように構成されている。そして、ソレノイド(30)のプランジャ(37)の直線変位をガイドアーム(21f,21f)の回転変位に変換し、更にそのガイドアーム(21f,21f)の回転変位の際にスライド孔(21g,21g)でガイドピン(41d,41d)をガイドして、スライド板(40)の盤面前後方向への直線変位に変換している。
特開2008−132048号公報
ところで、特許文献1の構成では、不正開放動作(ソレノイド(30)によらない外力による強制的な開放動作)を防止するための阻止手段が設けられており、一対の回動翼片(10,10)を閉鎖位置から開放位置側に強制的に回動させるための外力(F)が加えられ、回動翼片(10,10)がソレノイド(30)のプランジャ(37)を変位させて開放位置に回動した場合であっても、スライド板(40)が没入位置に達しないようになっている。この構成では、回動翼片(10,10)とスライド板(40)とが連動し得るような上述の構成において、回動片が不正操作されたときにスライド板(40)の強制開放を防ぐ効果は得られるが、スライド板(40)が直接的に不正操作されたときに開放を確実に防ぐことができない懸念がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、入賞口を開閉する開閉部材が前後にスライド動作可能に構成された遊技機用可変入賞装置及びこれを備えた遊技機において、開閉部材の不正開放をより確実に防止することが可能な構成を提供することを目的とする。
本発明の遊技機用可変入賞装置は、
遊技機の遊技盤に直接又は他部材を介して間接的に固定され、前記遊技盤の前面と直交する前後方向において少なくとも前記遊技盤の前方側で、前記遊技盤の前面に沿って流下する遊技球を下方側に進入させつつ取り込む入賞口が形成されてなる筐体と、
前記前後方向に沿ってスライドするように前記筐体に直接又は他部材を介して間接的に支持され、少なくとも自身の一部を前記遊技盤の盤面の前方側に配置して前記入賞口を閉鎖する閉鎖位置と、その閉鎖位置のときよりも後方側に退避して前記入賞口を開放する開放位置との間でスライド動作するように配置された開閉部材と、
駆動力を生じさせる駆動源と、
前記前後方向と交差する回動軸線回りに回動可能に保持された伝達部材を備え、前記駆動源の駆動力を受けて前記伝達部材が回動するように構成されると共に、当該伝達部材の回動動作に連係させて前記開閉部材をスライド動作させる伝達機構と、
を備え、
前記開閉部材には、当該開閉部材が前記閉鎖位置と前記開放位置とで変位する際に前後方向に変位するロック受け部が形成される一方、
前記伝達部材には、当該伝達部材が回動変位する際に前記ロック受け部の変位軌跡と交差する回動軌跡に沿って回動変位するロック部が形成され、
前記開閉部材が前記閉鎖位置にある状態で前記駆動源の駆動力により前記伝達部材が回動する場合には、前記伝達部材の動作開始に伴う前記ロック部の後方移動により当該ロック部の回動軌跡上から前記ロック受け部が外れた状態で前記伝達部材が回動し、その回動動作と連係して前記開閉部材が前記開放位置に変位するようになっており、
前記開閉部材が前記閉鎖位置にある状態で前記開閉部材を前記開放位置に変位させようとする外力が加えられた場合には、その外力に伴って前記開閉部材が前記伝達機構を動かそうとする際に前記ロック受け部が前記ロック部の回動軌跡上に入り込んで当該ロック部の移動を受け止めることで前記伝達部材の回動が規制され、前記開閉部材が前記開放位置に変位することが阻止されることを特徴とする。
本発明の遊技機は、上記遊技機用可変入賞装置が遊技盤に配置されていることを特徴とする。
本発明の遊技機用可変入賞装置及び遊技機によれば、開閉部材を閉鎖位置から開放位置に変位させようとする外力が加えられ、不正開放操作が行われようとした場合に、その外力に伴って開閉部材が伝達機構を動かそうとする過程で、ロック受け部がロック部の回動軌跡上に入り込んでロック部を受け止める(ロック部の移動を規制する)ことで、開閉部材を押しても伝達部材が連動せずに回動が規制される。従って、開閉部材は所定位置から後方に移動できなくなり、開放位置に変位することが阻止されるため、入賞装置の不正開放を確実に防ぐことができる。特に、開閉部材に直接的に形成されるロック受け部と伝達部材に直接的に形成されるロック部とを主体として開閉部材の開放を阻止するロック機構を構成することができるため、不正開放操作時に開閉部材の移動を迅速に規制し得る構成を、よりコンパクトに実現することができる。
一方、入賞装置の通常の開放動作時には、支障なく開閉部材をスライド動作させることができる。即ち、不正開放操作によらず、駆動源の駆動力により伝達部材が回動する場合には、伝達部材の動作開始に伴うロック部の後方移動により当該ロック部の回動軌跡上からロック受け部が外れた状態で伝達部材が回動するため、その回動動作と連動して開閉部材を開放位置に変位させることができる。
また、本発明において、前記開閉部材には、前記伝達機構から作用を受ける被作用部が形成され、
前記被作用部は、前記開閉部材が前記閉鎖位置と前記開放位置とで変位する際に前後方向に変位するように構成されており、
前記伝達部材における前記開閉部材と連係する先端部分には、少なくとも一部が前記開閉部材の前記被作用部よりも前方側に位置すると共に、当該先端部分が後方側へ移動することに伴い前記被作用部を後方側に押圧する第1押圧部と、少なくとも一部が前記被作用部よりも後方側に位置すると共に、当該先端部分が前方側へ移動することに伴い前記被作用部を前方側に押圧する第2押圧部とが形成され、
前記開閉部材において前記ロック受け部が前記被作用部よりも前方側に配置され、
前記ロック部は、前記第1押圧部の先端部によって形成されており、
前記開閉部材が前記閉鎖位置にある状態で前記駆動源の駆動力により前記伝達部材が回動する場合には、その回動に応じた前記第1押圧部の後方移動に伴い当該第1押圧部の先端に位置する前記ロック部が前記被作用部と前記ロック受け部の間に入り込むように移動しつつ後方側に移動するようになっており、
前記開閉部材が前記閉鎖位置にある状態で前記開閉部材を前記開放位置に変位させようとする外力が加えられた場合には、その外力に伴って前記開閉部材が前記第2押圧部を押圧して前記伝達機構を動かそうとする際に、当該開閉部材に設けられた前記ロック受け部が前記第1押圧部の先端に設けられた前記ロック部の前方側で当該ロック部に当接することで、前記第1押圧部の後方への移動が規制され、前記開閉部材がその当接位置よりも後方に変位することが阻止されるように構成されていてもよい。
この構成によれば、伝達部材に第1押圧部と第2押圧部とを形成し、第1押圧部の先端部をロック部として機能させるという簡易な構成で、伝達部材の回動動作を開閉部材の前後方向の変位動作に円滑に変換可能としつつロック機構を実現することができる。
また、本発明において、少なくとも自身の一部を前記遊技盤の盤面の前方側に配置した状態で前記遊技盤の盤面と交差する回動軸線を中心として回動可能に支持され、前記入賞口に遊技球が進入し難い状態となる第1回動位置と、前記第1回動位置のときよりも遊技球が進入し易い状態となる第2回動位置とに変位可能な回動片を備え、
前記伝達機構には、前記駆動源の駆動力を前記回動片の回動動作に変換すると共に前記駆動源の駆動に応じて前記伝達部材を直接又は他部材を介して連係動作させる変換部材が設けられ、
前記回動片と連動する構成で前記変換部材から作用を受ける回動片側被作用部が形成されており、
前記回動片側被作用部は、前記回動片が前記第1回動位置と前記第2回動位置とで変位する際に所定の回動軌跡に沿って回動変位するように構成され、
前記変換部材には、前記回動片側被作用部に作用する変換部材側作用部と、前記回動片側被作用部の回動軌跡と交差する変位軌跡に沿って変位する変換部材側ロック部とが形成され、
前記回動片が前記第1回動位置にある状態で前記駆動源の駆動力により前記変換部材が変位する際には、前記回動片側被作用部の回動軌跡上から前記変換部材側ロック部が外れるように移動した上で前記変換部材側作用部が前記回動片側被作用部に作用し、その作用に応じて前記回動片が前記第2回動位置に変位するようになっており、
前記回動片が前記第1回動位置にある状態で前記回動片を前記第2回動位置に変位させようとする外力が加えられた場合には、その外力に応じて前記回動片と連動しようとする前記回動片側被作用部の回動軌跡上に前記変換部材側ロック部が位置し続けることで当該回動片側被作用部及び前記回動片の回動が規制され、前記回動片が前記第2回動位置に変位することが阻止されるようになっていてもよい。
この構成によれば、単一種の駆動源によって2種類の部材(開閉部材と回動片)を動作可能としつつ、開閉部材及び回動片のそれぞれの動作系が独立して不正開放防止機能を発揮できるようになり、意図しない入賞口の開放をより強固に防ぐことができる。
また、本発明において、前記遊技球の流下方向を上下方向とし、当該上下方向及び前記前後方向と直交する方向を左右方向としたとき、少なくとも一対の前記回動片が左右に離れて配置されており、且つそれら一対の前記回動片は、前記閉鎖位置にある前記開閉部材の左右両端部の下方にそれぞれ位置していてもよい。
この構成によれば、入賞口の開放時(即ち、開閉部材が開放位置にあり、回動片が第2回動位置にあるとき)に当該入賞口をより広く開放することができ、遊技球をより入賞させやすい入賞装置を実現しつつ、開閉部材及び回動片のいずれに対する不正開放操作をも防ぐことができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る遊技機用可変入賞装置を備えた遊技機を例示する正面図である。 図2(A)は、本発明の第1実施形態に係る遊技機用可変入賞装置に関し、開閉部材が閉鎖位置にあるときの前側の斜め上方から見た斜視図であり、図2(B)は、その正面図である。 図3(A)は、図2の遊技機用可変入賞装置を後方側且つ斜め上方側から見た斜視図であり、図3(B)は、その遊技機用可変入賞装置を後方側且つ斜め下方側から見た斜視図である。 図4(A)は、図2の遊技機用可変入賞装置の背面図であり、図4(B)は、図2(B)のA−A断面を概略的に示す断面図である。 図5は、図2の遊技機用可変入賞装置を構成する前側の一部について、前方側且つ斜め上方側から見た分解斜視図である。 図6は、図5に繋がる図であり、図2の遊技機用可変入賞装置を構成する後側の一部について前方側且つ斜め上方側から見た分解斜視図である。 図7は、図2の遊技機用可変入賞装置を構成する前側の一部について、後方側且つ斜め下方側から見た分解斜視図である。 図8は、図7に繋がる図であり、図2の遊技機用可変入賞装置を構成する後側の一部について後方側且つ斜め下方側から見た分解斜視図である。 図9は、図2の遊技機用可変入賞装置における、駆動源、変換部材、伝達機構及び開閉部材の連係状態を示す図であり、図9(A)は、前方側且つ斜め下方側から見た斜視図であり、図9(B)は、後方側且つ斜め上方側から見た斜視図である。 図10は、図2(B)のA−A断面を概略的に示す断面図において、駆動源、変換部材、伝達機構及び開閉部材の連係状態を示す図であり、図10(A)は、開閉部材が閉鎖位置にあるときの様子を示す図であり、図10(B)は、開閉部材が開放位置にあるときの様子を示す図であり、図10(C)は、開閉部材がロックされたときの様子を示す図である。 図11は、図2の遊技機用可変入賞装置において、開閉部材が閉鎖位置にあり且つ回動片が第1回動位置にあるときの、駆動源、変換部材、伝達機構、回動体及び開閉部材の連係状態を示す図であり、図11(A)は、前方側且つ斜め下方側から見た斜視図であり、図11(B)は、後方側且つ斜め上方側から見た斜視図である。 図12は、図2の遊技機用可変入賞装置において、開閉部材が開放位置にあり且つ回動片が第2回動位置にあるときの、駆動源、変換部材、伝達機構、回動体及び開閉部材の連係状態を示す図であり、図12(A)は、前方側且つ斜め下方側から見た斜視図であり、図12(B)は、その連係状態を、後方側且つ斜め上方側から見た斜視図である。 図13は、図2の遊技機用可変入賞装置における、駆動源、変換部材、伝達機構、回動体及び開閉部材の連係状態を側方から見た説明図であり、図13(A)は、開閉部材が閉鎖位置にあり且つ回動片が第1回動位置にあるときの様子を示す図であり、図13(B)は、開閉部材が開放位置にあり且つ回動片が第2回動位置にあるときの様子を示す図である。 図14は、図2の遊技機用可変入賞装置における、駆動源、変換部材及び回動体の連係状態を後方から見た説明図であり、図14(A)は、回動片が第1回動位置にあるときの様子を示す図であり、図14(B)は、ソレノイドの駆動動作に伴って変換部材が図14(A)の位置からある程度退避したときの様子を示す図であり、図14(C)は、回動片が第2回動位置にあるときの様子を示す図である。 図15は、本発明の第2実施形態に係る遊技機用可変入賞装置に関し、駆動源、変換部材、伝達機構及び開閉部材の連係状態を示す図であり、図15(A)は、開閉部材が閉鎖位置にある状態を前方側且つ斜め上方側から見た斜視図であり、図15(B)は、その状態を前方側且つ斜め下方側から見た斜視図であり、図15(C)は、その状態を下方側から見た斜視図である
[第1実施形態]
以下、本発明に係る遊技機用可変入賞装置10及びそれを備えた遊技機1を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1を参照して遊技機1の構成を概説する。
(遊技機の全体構成)
図1に示す遊技機1は、いわゆるパチンコ機として構成されるものであり、木板(ベニヤ板)、アクリル板等によって構成される遊技盤2の盤面(前面2a)に沿って遊技球の発射を誘導するガイドレール5が設けられ、このガイドレール5等によって区画された形態で遊技領域が形成されている。また、遊技盤2の中央付近には、各種表示を行い得る液晶表示部3が配置され、この液晶表示部3の下方には、本発明に係る遊技機用可変入賞装置10が配置されている。なお、遊技機1には、遊技盤2の前方において当該遊技盤2の盤面(前面2a)とほぼ平行に透明板(ガラス板等)が配置され、ガイドレール5等によって区画された遊技領域内において透明板と遊技盤2との間を遊技球が流下するように構成されている。
次に、第1実施形態に係る遊技機用可変入賞装置10について説明する。
図1に示すように、遊技機用可変入賞装置10(以下、入賞装置10ともいう)は、遊技機1の遊技盤2に固定されて用いられるものであり、その一部が遊技盤2の前方側から視認可能となるように露出した状態で配置されるようになっている。なお、第1実施形態に係る構成としては、図9、図10に示す第1の例(回動体30,31等を有さない構成)と、図2〜図8、図11〜図14に示す第2の例(回動体30,31等を有する構成)とが挙げられる。まずは、図9、図10に示す第1の例(代表例)について説明する。
(第1実施形態の代表例)
以下、図9、図10に示す第1の例(代表例)について説明する。なお、代表例の構成は、回動体30,31等が省略され、例えば図2(A)に示す回動片32,33の位置に立壁(側壁)が設けられた構成となっている点が後述の変更例(図2〜図8等)と異なり、それ以外は変更例と同様である。よって、以下の説明では、図2〜図8等の構成が上記のように変更されたものとして適宜図2〜図8等を参照して説明する。
代表例に係る入賞装置10は、図2に示すように遊技盤2の前面2a(盤面:図4(B)等参照)の前方側において上方側に開放した開口形態で配される入賞口12と、この入賞口12を開閉する開閉部材20を備えている。そして、開閉部材20が図9、図10(A)等に示す閉鎖位置にあるときには、この開閉部材20によって入賞口12(主に上方側)が閉鎖されて遊技領域から入賞領域(入賞装置10における内部領域)内への遊技球の進入が遮断されるようになっており、開閉部材20が開放位置(図10(B)等)にあるときには、入賞口12が開放されて遊技領域から入賞領域への遊技球の進入が許容されるようになっている。
本明細書において、「前後方向」とは、遊技盤2の前面2aと直交する方向を意味し、前面2aに対し遊技者が位置するべき側を前方側、それとは反対側(即ち、遊技機1奥側)を後方側とする。また、「上下方向」とは、前後方向と直交する方向であって遊技球が流下する方向を意味する。また、「左右方向」とは、上記「前後方向」及び「上下方向」と直交する横方向を意味する。なお、図4では、遊技盤2の前面2a(盤面)及び後面2bの位置を二点鎖線にて仮想的に示している。
入賞装置10は、例えば遊技機1の遊技盤2に直接的に固定されて用いられるものであり、図5〜図8に示すように、遊技盤2の前面2aに沿って流下する遊技球を下方側に進入させつつ取り込む入賞口12(図2等参照)が形成されてなる筐体80と、前後方向に沿ってスライドし得るように筐体80に支持されてなる開閉部材20と(図2等参照)、駆動力を生じさせるソレノイド60(駆動源)と、ソレノイド60の駆動力を受けて開閉部材20をスライド動作させる伝達機構50とを備えている。以下、入賞装置10を構成するこれら部品等について詳述する。
まず、入賞装置10の外郭をなす筐体80について説明する。
図5〜図8に示すように、筐体80は、遊技盤2に直接又は他部材を介して間接的に固定され、遊技盤2の前面2aと直交する前後方向において少なくとも遊技盤2の前方側に、遊技盤2の前面2aに沿って流下する遊技球を下方側に進入させつつ取り込む入賞口12が形成されてなるものである。この筐体80は、入賞装置10の最前面に配置されて前面側の意匠を形成すると共に入賞口12から入賞した遊技球を受け止めるように構成される前板部81と、遊技盤2に当接して固定される台板部82と、後述する開閉部材20、伝達機構50、ソレノイド60等を支持し収容する機能を有する前側ベース部83及び後側ベース部85によって構成されており、図2、図4(B)等に示すように遊技領域から遊技球を入り込ませる入賞口12を構成すると共に、その入賞口12に入り込んだ遊技球を導く遊技球誘導路14を構成するように機能している。
前板部81は、図5、図7に示すように、板状に構成されると共に遊技盤2の前面2aと略平行に配される前板81aを備えており、この前板81aの下方側には後方側に突出する壁部(81b,81c等)が形成されている。この壁部の横方向中央部を構成する底壁部81bは、中央部から左右方向に向かってなだらかに低くなるように傾斜して形成されており、底壁部81c,81cはそれぞれ横方向中央部に向かって低くなるように傾斜して形成されている。また、この底壁部81c,81cの左右両端にそれぞれ連結すると共に左右一対で配され、下方側に凸状に形成される段差部81dが設けられている。この段差部81dは、入賞口12から入賞装置内(入賞領域内)に入り込んだ遊技球を後方に誘導する樋として機能している。また、上述の底壁部81b、81cは、この底壁部上に落下してきた遊技球を段差部81d(樋)に誘導するための傾斜構造となっている。更に、それぞれの段差部81dと連結する形態で湾曲壁部81e,81eが設けられている。この湾曲壁81e,81eは、後述する変更例で用いられる回動片32,33を収容する部分の壁であり、回動片32,33をガイド及び支持するように機能する。また、前板81aの上方側には後方側に突出して構成されると共に開閉部材20の幅方向(左右方向)中央部分をガイド及び支持するガイド部81fが形成され、このガイド部81fの下方側には同様に後方側にボス81gが突出する形態をなしている。
台板部82は、図5、図7に示すように、遊技盤2の前面2a(盤面:図4参照)に固定される構成でこの前面2aに沿って配される板状の台板82aと、この台板82aから後方側に延びる板状のカバー部82bとを備えている。上述の前板部81は、ボス81gが台板82aの前面側に当接し、この状態でねじ等の締結部材によって台板82aに固定されるようになっている。このように、前板81aの幅方向中央部且つ上端部付近と台板82aの幅方位中央部且つ上端部付近とが締結されるため、安定して開閉部材20をガイド及び支持できるようになっている。なお、図6〜図9等では図示を省略しているが、他の部分もねじ等によって締結されている。例えば、前板部81に形成されたねじ孔81h,81hに対して台板部82に形成されたねじ孔82h,82hがそれぞれ合わせられ、それぞれの部分が図示しないねじによって挿し通されて固定されるようになっている。
前側ベース部83及び後側ベース部85は、後述するソレノイド60や伝達機構50を収容して保持するように機能する部分であり、ねじ等の締結部材によって互いに固定されると共に、ねじ等の締結部材によって台板82aの後面側に固定されるようになっている。このように構成される前板部81、台板部82、前側ベース部83及び後側ベース部85が一体的に結合して筐体80を構成しており、各種部品を保持すると共に内部に遊技球の流路を構成するようになっている。
このように構成される筐体80において、前板部81の前板81aと台板部82の台板82aとによって上方側に開放した形態で開口状の入賞口12が形成されている。この入賞口12は、遊技球を進入させて誘導する誘導口として構成される部分であり、上方側から当該入賞口12に向かって落下してきた遊技球を装置内(入賞領域)に入り込ませて入賞させるように機能している。そして、底壁部81b、82cは、入賞口12から進入してきた遊技球をその上部で受けたときに、それぞれの傾斜の向きに従って遊技球を段差部81d,82に流すように機能している。
また、図4(B)に示すように、入賞口12の下方側には、底壁部81b,81cに続く球通路として、遊技球を誘導する遊技球誘導路14が構成されている。遊技球誘導路14は、前板部81の前板81aと台板部82の台板82aによって前方側の誘導路が構成され、この誘導路の一部(段差部81d,81d)にそれぞれ続く構成で、前側ベース部83における角筒状の筒状部83d,83dが誘導路として構成され、さらにこれら筒状部83d,83dにそれぞれ続く構成で、後側ベース部85における角筒状の筒状部85d,85dが誘導路として構成されている。このように段差部81d、筒状部83d、筒状部85dが前後に連続するように接続されることで、前後方向に延びる流路を形成している。これらの誘導路の底壁はそれぞれ、後方側になるにつれて低くなるように傾斜した構成となっており、入賞口12から入り込んだ遊技球が底壁を転がることで、入賞装置10の後方に導かれるようになっている。
また、前板部81の段差部81dの上部には、検出センサ70の貫通孔70a側が配置されており、遊技球誘導路14に流入してきた遊技球が貫通孔70a内を通るようになっている。なお、検出センサ70は公知の球検出センサとして構成されており、遊技球が貫通孔70a内を通過したときに検出信号を発するようになっている。
次に、開閉部材20、伝達機構50、ソレノイド60について説明する。
開閉部材20は、前後方向に沿ってスライドするように筐体80に直接又は他部材を介して間接的に支持され、少なくとも自身の一部を遊技盤2の遊技盤2の前面2a(盤面)の前方側に配置して入賞口12を閉鎖する閉鎖位置(図2〜図4、図9、図10(A)等)と、その閉鎖位置のときよりも後方側に退避して入賞口12を開放する開放位置(図10(B)等)との間でスライド動作するように配置されている。
この開閉部材20は、図6等に示すように、湾曲板状に構成された閉鎖部20aを備えており、閉鎖部20aの一方の面(上方側の面)が上面部として構成されている。また、湾曲板状に構成された閉鎖部20aの後端縁を連結する形態で壁部20fが形成されている。壁部20fは、上部が湾曲した蒲鉾状に構成されており、この壁部20fの円弧状の上端部から前方に突出する形態で閉鎖部20aが設けられている。そして、閉鎖部20aの上面部には、上方に突出した形態で且つ前後方向に延びる突起形状のガイド突起20bが形成されている。また、図6、図9等に示すように、閉鎖部20aの後方側の端部から後方に向かって延出する左右一対の延出部20c,20cが設けられている。更に、左右一対の延出部20c,20cを橋渡すように左右方向に軸状に延びるロック受け部20e及び被作用部20dが設けられている。そして、開閉部材20は、この被作用部20dが後述する第1伝達部材51からの作用を受けて前後動するようになっており、この被作用部20dの前後動作と連動して閉鎖部20aが前後動するようになっている。
本実施形態では、図8等に示すように、開閉部材20に形成された一対の延出部20c,20cが、後側ベース部85のガイド部85bに嵌り込んで支持されるようになっており、開閉部材20に形成された閉鎖部20aは、台板部82に形成された開口部82dに挿入される構成でこの開口部82d内を通って前後に移動するように支持されている。また、板状の支持部材24が延出部20c,20cの上方側において固定構造で設けられており、この板状の支持部材24によって延出部20c,20cの上側が規制されるようになっている。そして、開閉部材20の動作時には、ガイド部85bによって延出部20c,20cの左右方向の移動が規制されると共に支持部材24によって延出部20c,20cの上方側への移動が規制され、開口部82dによって閉鎖部20aの左右方向及び上下方向の移動が規制されるため、開閉部材20は前後への移動(スライド動作)のみが許容される。このとき、開閉部材20の上面に形成されるガイド突起20b(図6)は、台板部82に形成されたカバー部82b(図7)のガイド溝82c(図7)に沿ってガイド溝82c内を前後に移動するようになっている。また、図9等に示すように延出部20c,20cは支持部材24に沿って前後に移動するようになっている。
各ソレノイド60は、図6、図8等に示すように、励磁状態と非励磁状態とに切り替え可能なコイル部61と、このコイル部61によって駆動される磁性体のプランジャ62とを備えており、各プランジャ62は、コイル部61が非励磁状態のときに所定量突出した突出位置(図9、図10(A))となり、コイル部61が励磁状態のときに突出状態のときよりも突出量が小さい没入位置(図10(B))となるように進退可能とされている。また、各プランジャ62は、図6、図8のように一端側の端部にフランジ部63が形成されており、他端側がコイル部61内に挿入されている。そして、プランジャ62の周囲且つフランジ部63とコイル部61の間にはフランジ部63をコイル部61から離間する方向に付勢するコイルばねが配置されている(図示略)。
このように構成される各ソレノイド60は、コイル部61か非励磁状態のときには、図示しないコイルばねの付勢によりプランジャ62がある程度コイル部61の外側に押し出された位置となり(図9、図10(A))、コイル部61が励磁状態のときには、図示しないコイルばねの付勢に抗してプランジャ62がコイル部61内に引き込まれるようになっている(図10(B))。なお、本実施形態では、図6、図8等に示すように、ソレノイド60を2個設けており、これらを同時期に励磁状態又は非励磁状態とすることで左右一対のプランジャ62,62によって安定的に変換部材40を上下動させているが、1個のソレノイド60によって変換部材40を上下動させる構成としてもよい。
次に、伝達機構50について説明する。
伝達機構50は、前後方向と交差する方向(例えば、左右方向)の回動軸線G1回りに回動可能に保持され且つ開閉部材20に連係して該開閉部材20を閉鎖位置と開放位置との間で変位させるようにスライド動作させる第1伝達部材51と、回動軸線G1に平行(例えば左右方向)して配置された回動軸線G3回りに回動可能に保持され且つ第1伝達部材51と連係される第2伝達部材52と、一対のプランジャ62,62に装着され且つソレノイド60の駆動力を第2伝達部材52の回動動作に変換するための変換部材40とを備えている。これにより、伝達機構50は、ソレノイド60の駆動力が変換部材40及び第2伝達部材52を介して第1伝達部材51に伝達され、第1伝達部材51が回動するように構成されており、当該第1伝達部材51の回動動作に連係させて開閉部材20をスライド動作させ、開閉部材20を閉鎖位置と開放位置とで変位させるように構成されている。
第1伝達部材51は、図4(B)、図8、図9、図10等に示すように、長手状の形態をなし、長手方向の中心付近に形成される回動軸51aで連結される第1延出部51bと第2延出部51cとを備えている。図6に示すように、後側ベース部85には、この第1伝達部材51の回動軸51aを回動中心として支持するように第1切欠部85e,85eが形成されており、第1伝達部材51はこれら第1切欠部85e,85eに回動軸51aが支持された構成で回動軸線G1を中心として回動するようになっている。そして、図9、図10のように、第1延出部51bは回動軸51aを中心とする半径方向に延出しており、第2延出部51cは回動軸51aを中心とする半径方向であって第1延出部51bとは異なる方向に延出している。第1延出部51bの延出方向の延出方向端部(先端部)には、回動軸線G1側に凹むU字状の作用部51dが形成されており、第2延出部51cの延出方向端部(先端部)には、回動軸線G2と平行に延び、2つの第2延出部51c,51cの先端部を連結する軸状の被作用部51gが形成されている。
図10に示すように、第1伝達部材51における開閉部材20側の先端部分には、少なくとも一部が開閉部材20の被作用部20dよりも前方側に位置する第1押圧部51eと、少なくとも一部が被作用部20dよりも後方側に位置する第2押圧部51fとが形成されている。そして、第1押圧部51eは、第1伝達部材51の回動に応じて先端側が後方へ移動することに伴い被作用部20dを後方側に押圧するように作用する。また、第2押圧部51fは、当該第1伝達部材51の先端側が前方へ移動することに伴い被作用部20dを前方側に押圧するように作用する。このような第1押圧部51eと第2押圧部52fとによって作用部51dが構成されている。
また、本実施形態では、図10に示すように開閉部材20においてロック受け部20eが被作用部20dよりも前方側に配置されており、第1押圧部51eの先端部がロック部51hとして構成されている。このロック部51hは、外面が平坦面(より詳しくは回転軸線G1を中心とする半径方向と略直交する平坦面)として構成されており、図10(A)のように開閉部材20が閉鎖位置にあるときには、第1伝達部材51の作用部51d側が回動軸線G1を通り且つ前後方向と直交する仮想平面Cよりも前側に倒れ、ロック部51hの上面がロック受け部20eの後方位置且つ仮想平面Cの前側において上方側且つやや前側を向くように配されるようになっている。逆に、図10(B)のように開閉部材20が開放位置にあるときには、第1伝達部材51の作用部51d側が回動軸線G1を通り且つ前後方向と直交する仮想平面Cよりも後ろ側に倒れ、ロック部51hの上面が仮想平面Cの後ろ側において上方側且つやや後ろ側を向くように配されるようになっている。また、ロック部51hは、回動軸線G1を中心として回動するようになっており、回動時には図10(A)等に示す回動軌跡Dを通って変位するようになっている。この回動軌跡Dは、開閉部材20が閉鎖位置にあるとき(図10(A))又は開放位置にあるとき(図10(B))には、ロック受け部20eの下端部付近の位置であり、ロック部51hが回動軸線G1の真上に位置するときにはロック受け部20eの上端部付近又は上端部よりも高い位置になるように設定されている。すなわち、ロック部51hの回動軌跡と、ロック受け部20eの前後方向の変位軌跡とが交差するように形成されている。これにより、相互の変動のタイミングによって、図10(C)のようにロック部51hの上側にロック受け部20eを位置させることで、ロック受け部20eがロック部51hを受け止めて、ロック部51hの回動(上移動)を規制し、ひいては第1伝達部材51の回動を規制して開閉部材20のロック機構を構成する。
このように構成される第1伝達部材51は、開閉部材20と連動可能に構成され、第2伝達部材52から作用を受けて開閉部材20を閉鎖位置と開放位置とで変位させるように機能している。具体的には、図8、図9(A)等に示すように、第1伝達部材51の被作用部51gが、第2伝達部材52の作用部52dと嵌合状態(遊嵌状態)で連結しており、第2伝達部材52の回動動作に伴う作用部の回動変位と連動して被作用部51gが回動変位することで第1伝達部材51全体が回動動作するようになっている。このような回動軸線G1を中心とする回動動作により、図4(B)、図9、図10(A)に示すような回動位置(図10(B)等に示す位置に対し右側方から見て反時計回りに回転した第1回動位置)と、図10(B)等に示すような回動位置(図10(A)等に示す位置に対し右側方から見て時計回りに回転した第2回動位置)とに切り替わるようになっている。
そして、このような第1伝達部材51の回動動作が開閉部材20の直進動作に変換されるようになっている。上述したように、開閉部材20は、前後方向に往復動可能となるように保持されており、この開閉部材20には、開閉部材20が閉鎖位置と開放位置とで変位する際に前後方向に変位する被作用部20dが形成されている。そして、この被作用部20dが伝達機構50に形成された作用部51dの作用を受けるようになっている。具体的には、第1延出部51bがある程度長く構成され、作用部51dが回動軸線G1からある程度遠い位置となっているため、第1伝達部材51の回動動作に伴って作用部51dが前後方向に往復動し、これと嵌合(遊嵌)する被作用部20dも第1伝達部材51の回動動作に伴って前後方向に往復動する。
第2伝達部材52は、図10等に示すように、全体としてV字状(へ字状)の形態をなし、その屈曲部分で連結される第1延出部52bと第2延出部52cとを備えている。図6に示すように、後側ベース部85には、この第2伝達部材52の回動軸52aを回動中心として支持するように第2切欠部85f,85fが形成されており、第2伝達部材52は回動軸52aがこれら第2切欠部85f,85fに支持された構成で回動軸線G3を中心として回動するようになっている。そして、図9、図10のように、第1延出部52bは回動軸52aを中心とする半径方向に延出しており、第2延出部52cは回動軸52aを中心とする半径方向であって第1延出部52bとは異なる方向に延出している。第1延出部52bの延出方向の延出方向端部(先端部)には、回動軸線G3側に凹むU字状の作用部52dが形成されており、第2延出部52cの延出方向端部(先端部)には、回動軸線G3側に凹むU字状の被作用部52eが形成されている。
このように構成される第2伝達部材52は、第1伝達部材51と連動可能に構成され、変換部材40から作用を受けて第1伝達部材51を第1回動位置と第2回動位置とで変位させるように機能している。具体的には、図9等に示すように、第2伝達部材52の被作用部52eが、変換部材40の作用部40aと嵌合状態(遊嵌状態)で連結しており、変換部材40の直線動作に伴う作用部40aの直線変位と連動して被作用部52eが回動変位することで第2伝達部材52全体が回動動作するようになっている。そして、このように第2伝達部材52は、変換部材40の変位に応じて回動軸線G3を中心として回動し、図4(B)、図9、図10(A)に示すような回動位置と、図10(B)等に示すような回動位置とに切り替わるようになっている。そして、このような第2伝達部材52の回動動作が第1伝達部材51の回動動作に変換され、この第1伝達部材51が上述のように回動する。
次に、上述した遊技機用可変入賞装置10の通常動作について説明する。
上述したように、第1伝達部材51には、当該第1伝達部材51が回動変位する際に開閉部材20のロック受け部20eの変位軌跡(即ち、前後方向の移動経路)と交差する回動軌跡Dに沿って回動変位するロック部51hが形成されている。ロック部51hは、図10(A)のような位置からやや上方且つ後方に向かいながら回動し、回動軸線G1よりも後側ではやや下方且つ後方に向かいながら回動して図10(B)の位置に至るように構成されている。なお、逆も同様の経路となる。また、このロック部51hの回動軌跡Dは、回動軸線G1の真上の位置が頂上(最も高い位置)となるように構成されている。
そして、開閉部材20が閉鎖位置にある状態でソレノイド60の駆動力により第1伝達部材51が回動する際には、図10(A)のように第1伝達部材51の動作開始に伴うロック部51hの後方移動により当該ロック部51hの移動方向(回動軌跡におけるロック部51hの移動先)からロック受け部20eが外れ、この状態で第1伝達部材51が回動する。具体的には、開閉部材20が閉鎖位置にある状態でソレノイド60の駆動力により第1伝達部材51が回動すると、その回動に応じた第1押圧部51eの後方移動に伴い、まず図10(A)のように第1押圧部51eは被作用部20dに当接する位置まで変位し、この状態で被作用部20dを後方側に押すことになる。そして、第1伝達部材51の更なる回動動作に伴い、第1押圧部51eの先端に位置するロック部51hが被作用部20dとロック受け部20eとの間に入り込むように上方側に移動しつつ後方側に移動することになり、このような第1押圧部51eの動作と連係して開閉部材20が開放位置に切り替わる(図10(B))。つまり、ロック受け部20eよりも先にロック部51hが回動軌跡Dを移動するため、ロック受け部20eがロック部51hによって阻害されず、開閉部材20は問題なく後方位置(開放位置)に移動することになる。
次に、ロック機構(ロック時の動作)について説明する。
ロック機構は、主としてロック受け部20eとロック部50hとによって実現されている。図10(A)のように開閉部材20が閉鎖位置にある状態で開閉部材20を開放位置に変位させようとする外力が加えられた場合には、その外力に伴って開閉部材20が伝達機構50を動かそうとする際に、図10(C)のようにロック受け部20eがロック部51hよりも先に回動軌跡D上に入り込み、ロック部51の移動を阻害することになる。具体的には、図10(C)のように開閉部材20に設けられたロック受け部20eが、第1押圧部51eの先端に設けられたロック部51hの前方側且つ上方側で当該ロック部51hに当接する。このとき、ロック部51は、構造上、上方側に移動しなければ後方側に回動できないが、ロック部51の上方への移動は、ロック部51の上方且つ前側に当接するロック受け部20e(前後方向のみに移動し得る部分)によって規制されるため、ロック部51の行き場がなくなることになる。このため、ロック部51は、ロック受け部20eからの押圧力を受けても図10(C)のような当接位置に位置し続けることになり、第1伝達部材51はそれ以上後方側へ回動できなくなる。従って、不正操作によって開閉部材20を後方側に強制的に移動させようとしても図10(C)のような当接位置よりも後方に変位することが阻止される。
(第1実施形態の変更例)
次に、第1実施形態の変更例について説明する。
図2〜図8、図11〜図14に示す第2の例(変更例)は、主として回動体30,31を加えた点が上記第1の例(代表例)と異なっており、それ以外は上記第1の例(代表例)と同様である。よって同様の構成については代表例と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
この変更例に係る入賞装置10も、図1のように遊技機1の遊技盤2に直接的に固定されて用いられるものであり、図5〜図8に示すように、遊技盤2の前面2aに沿って流下する遊技球を下方側に進入させつつ取り込む入賞口12(図2等参照)が形成されてなる筐体80と、前後方向に沿ってスライドし得るように筐体80に支持されてなる開閉部材20と(図2等参照)、図11等に示すように遊技盤2の前面2aと交差する回動軸線G2,G2(図11等参照)を中心として回動し得るように筐体80に支持されてなる回動体30,31と、駆動力を生じさせるソレノイド60(駆動源)と、ソレノイド60の駆動力を受けて開閉部材20をスライド動作させる伝達機構50とを備えている。なお、筐体80、開閉部材20、ソレノイド60、伝達機構50については上記代表例と同様の構成となっている。
変更例の入賞装置10で用いられる回動体30,31は、左右に離れて配置され、図11等に示すように閉鎖位置にある開閉部材20の左右両端部の下方にそれぞれ位置するようになっており、上記開閉部材20と連動しうるようになっている。そして、図2(A)、図11、図13(A)等に示す第1回動位置にあるときには、この回動体30,31によって入賞口12(主に側方側)が閉鎖されて遊技領域から装置内への遊技球の進入が遮断され、開閉部材20が第2回動位置(図12、図13(B)等)にあるときには、入賞口12が開放されて遊技領域から装置内への遊技球の進入が許容されるようになっている。
回動体30,31は、台板部82を構成する台板82aの前方側に配置され、図11〜図13のように、少なくとも自身の一部を遊技盤2の盤面の前方側に配置した状態で遊技盤2の前面2aと直交する回動軸線G2,G2を中心として回動するように筐体80に支持されている。そして、入賞口12における遊技球の受け入れ状態を所定の抑制状態(相対的に遊技球が進入し難い状態)とする第1回動位置(図11、図13(A)、図14(A))と、この抑制状態のときよりも遊技球が進入し易い状態とする第2回動位置(図12、図13(B)、図14(C))とに切り替わるようになっている。
また、図5、図7に示すように、回動体30,31は、それぞれ長手状の回動片32,33を備えており、これら回動片32,33の後方側の中心付近から後方に突出するように突起部32a,33aがそれぞれ形成されている。この突起部32a,33aは、それぞれが台板部82に形成された長孔状のガイド孔82e,82eに挿し通され、回動軸線G2,G2を中心として回動する際に、突起部32a,33aがガイド孔82e,82e内を移動するようになっている。ガイド孔82e,82eは、突起部32a,33aの移動を案内すると共にこの突起部32a,33aの移動範囲を規定しており、これにより回動体30,31がそれぞれ所定の角度範囲(第1回動位置と第2回動位置との間で変位する範囲)で回動することとなる。
また、回動体30,31は、遊技盤2の前面2aと略直交して台板部82の裏側へ突出する円形棒状の回動軸34,35を備えている。この回動軸34,35は、それぞれ前端部が回動片32,33に固定されるようになっており、それぞれ後端部がカム部材37,38に固定されるようになっている。また、カム部材37,38のそれぞれには、回動軸34,35の中心から外れた位置に「回動片側被作用部」としての操作ピン37a,38aが形成されており、操作ピン37a,38aが回動軸線G2,G2を中心としてそれぞれ回動体30,31と一体的に回動するようになっている。なお、この操作ピン37a,38aは、例えばカム部材37,38に圧入、或いは金属ピンをインサートして成形されており、操作ピン37a,38aは、回動軸線G2,G2を中心とする回動体30,31の重心が各操作ピン37a,38a側になるように重さが調整されている。そして、回動体30は、背面視したときの反時計回りに回動する方向(先端側が相手側の回動体31に近づく回動方向)に付勢され、回動体31は、背面視したときの時計回りに回動する方向(先端側が相手側の回動体30に近づく回動方向)に付勢されるようになっている。即ち、回動体30,31は、回動片32,33を起立させる方向に付勢されるようになっている。具体的には、ソレノイド60,60に設けられたばね(プランジャ62,62を突出方向に付勢するばねであり、図14では図示略)とプランジャ62,62の重みによって変換部材40が下方側に付勢されており、この下方側への付勢に応じた操作ピン37a,38aへの作用によって回動体30,31が付勢されている。そして、このように回動片32,回動軸34、カム部材37が一体化してなる回動体30と、回動片33,回動軸35、カム部材37が一体化してなる回動体31とが、それぞれ台板部82に形成された孔部82g,82g及び前側ベース部83に形成された孔部83a,83aに回動可能に支持されており(具体的には、孔部82g,82gに設けられた各軸受36及び孔部83a,83a側に設けられた各軸受36を介して筐体80に回動可能に支持されており)、それぞれが回動軸線G2,G2を中心として回動するようになっている。
また、変更例で用いられる変換部材40は、代表例で説明した上述の機能(第2伝達部材52と連係する機能等)に加え、ソレノイド60の駆動力を回動体30,31の回動動作に変換する機能も有している。この変換部材40は、図6、図8に示すように、長板状に形成され、上面部の後端側に切欠部40b,40bが形成されており、これら切欠部40b,40bに各プランジャ62,62のフランジ部63,63が嵌め込まれるようになっている。このように連結されているため、各プランジャ62,62が同時期に引き込まれたときには、これに連動して変換部材40が上方に移動し、各プランジャ62,62が同時期に突出位置に戻るときにはこれに連動して変換部材40が下方に移動するようになっている。
また、変換部材40の左右両側には、変換部材40の直線動作(上下動作)をカム部材37,38の回転動作に変換するための係合孔40c,40cがそれぞれ形成されている。これら係合孔40c,40cは、「変換部材側作用部」の一例に相当し、前後に貫通する貫通孔として構成されており、前後方向を軸方向(突出方向)とする操作ピン37a,38aがそれぞれ挿入(遊挿)されるように配されている。そして、これら係合孔40c,40cは、図14(A)等に示すように、それぞれに挿入される操作ピン37a,38aが各係合孔40c,40c内である程度左右方向に相対移動しうるサイズ(具体的には、回転するときの左右方向の変位を許容するだけの孔幅であり、例えば、それぞれに挿入される操作ピン37a,38aよりも2倍程度に大きい孔幅)で形成されており、それぞれに挿入される操作ピン37a,38aが各係合孔40c,40c内である程度上下方向に相対移動しうるサイズ(それぞれに挿入される操作ピン37a,38aよりも2倍程度に大きい孔高さ)で形成されている。
そして、更に、係合孔40c,40cのそれぞれの内部には、ソレノイド60の非駆動時において操作ピン37a,38aの回動を阻止するように規制する規制部(変換部材側ロック部40d,40d)が段状に形成されている。本実施形態では、回動体30,31と連動する構成で変換部材40から作用を受ける操作ピン37a,38a(回動片側被作用部)が形成されており、これら操作ピン37a,38aは、各回動体30,31が第1回動位置と第2回動位置とで変位する際に所定の回動軌跡に沿って回動変位するようになっている。一方、変換部材側ロック部に相当する係合孔40c,40cは、操作ピン37a,38a(回動片側被作用部)の回動軌跡と交差する変位軌跡(上下方向の変位軌跡)に沿って変位するようになっている。
この構成では、外側の内壁部40e,40eが上下に平坦に形成されており、各係合孔40c,40cの上端側では外側の内壁部40e,40eと各変換部材側ロック部40d,40dとが狭い幅で対向している。また、各係合孔40c,40cの下端側では外側の内壁部40e,40eと、各変換部材側ロック部40d,40dよりも下側に配される内側の内壁部40f,40fとが上端側よりも広い幅で対向している。なお、ここでは、変換部材側作用部として係合孔40c,40cを例示したが、必ずしも環状孔に限定されるものではなく、側方が開放する正面視コ字状又は反コ字状に形成し、このような変換部材側作用部内に変換部材側ロック部40d,40dと同様の構成を段状に設けるようにしてもよい。また、変換部材40には、左右方向中央に左右に延びる棒状の作用部40aが形成されており、図4(B)等に示すように、第2伝達部材52の被作用部52e(後述)に作用するようになっている。
このように、回動体30,31を軸受により略水平に支持しつつ、カム部材37,38の操作ピン37a,38aを変換部材40の係合孔40c,40cに遊挿してソレノイド60と回動体30,31とを連係させている。また、図14(A)のように、回動体30,31が閉鎖位置(第1回動位置)にあるときには、各操作ピン37a,38aのすぐ横に変換部材側ロック部40d,40dが隣接し、変換部材側ロック部40d,40dが各操作ピン37a,38aの回動を規制するようになっており、これにより、各操作ピン37a,38aが無用に回動しないようになる。
次に、変更例に係る入賞装置10の通常動作について説明する。
開閉部材20の開閉動作は代表例と同様であり、開閉部材20が閉鎖位置にある状態でソレノイド60の駆動力により第1伝達部材51が回動する際には、図10(A)、図10(B)と同様、第1伝達部材51の動作開始に伴うロック部51hの後方移動により当該ロック部51hの移動方向(回動軌跡におけるロック部51hの移動先)からロック受け部20eが外れ、この状態で第1伝達部材51が回動する。具体的には、開閉部材20が閉鎖位置にある状態でソレノイド60の駆動力により第1伝達部材51が回動すると、その回動に応じた第1押圧部51eの後方移動に伴い、まず図10(A)のように第1押圧部51eは被作用部20dに当接する位置まで変位し、この状態で被作用部20dを後方側に押すことになる。そして、第1伝達部材51の更なる回動動作に伴い、第1押圧部51eの先端に位置するロック部51hが被作用部20dとロック受け部20eとの間に入り込むように上方側に移動しつつ後方側に移動することになり、このような第1押圧部51eの動作と連係して開閉部材20が開放位置に切り替わる(図10(B))。つまり、ロック受け部20eよりも先にロック部51hが回動軌跡Dを移動するため、ロック受け部20eがロック部51hによって阻害されず、開閉部材20は問題なく後方位置(開放位置)に移動することになる。
また、図11、図13(A)、図14(A)のように回動体30,31が第1回動位置にある状態でソレノイド60の駆動力により変換部材40が上方側に変位する際には、図14(A)から図14(B)のように、まず始めに変換部材40が上昇するように動作し、変換部材側ロック部40d,40dが各操作ピン37a,38a(回動片側被作用部)の回動軌跡上から外れるように変換部材40が上方に移動した上で図14(C)のように係合孔40c,40c(変換部材側被作用部)の下側の内壁が各操作ピン37a,38a(回動片側被作用部)に作用し、その作用に応じて回動体30,31が第2回動位置に変位することになる。
次に、変更例に係る入賞装置10のロック機構(ロック時の動作)について説明する。
開閉部材20のロック機構は上記代表例と同様であり、図10(A)のように開閉部材20が閉鎖位置にある状態で開閉部材20を開放位置に変位させようとする外力が加えられた場合には、その外力に伴って開閉部材20が伝達機構50を動かそうとする際に、図10(C)のようにロック受け部20eがロック部51hよりも先に回動軌跡D上に入り込み、ロック部51の移動を阻害することになる。具体的には、図10(C)のように開閉部材20に設けられたロック受け部20eが、第1押圧部51eの先端に設けられたロック部51hの前方側且つ上方側で当該ロック部51hに当接する。このとき、ロック部51は、構造上、上方側に移動しなければ後方側に回動できないが、ロック部51の上方への移動は、ロック部51の上方且つ前側に当接するロック受け部20e(前後方向のみに移動し得る部分)によって規制されるため、ロック部51の行き場がなくなることになる。このため、ロック部51は、ロック受け部20eからの押圧力を受けても図10(C)のような当接位置に位置し続けることになり、第1伝達部材51はそれ以上後方側へ回動できなくなる。従って、不正操作によって開閉部材20を後方側に強制的に移動させようとしても図10(C)のような当接位置よりも後方に変位することが阻止される。
また、図14(A)のように回動体30,31が第1回動位置にある状態で回動体30,31を第2回動位置に変位させようとする外力が加えられた場合には、その外力に応じて回動体30,31と連動しようとする操作ピン37a,38a(回動片側被作用部)が変換部材40を持ち上げようとしながら係合孔40c,40cの上側の内壁に沿うように変換部材側ロック部40d,40dに向けて動くため、それら操作ピン37a,38aの回動軌跡上に変換部材側ロック部40d,40dが位置し続けることになる。つまり、図14(A)のような状態で、回動体30,31を強制的に回動させようとしても、各操作ピン37a,38a(回動片側被作用部)が内側に移動しようとしたときに変換部材側ロック部40d,40dに当接することになるため、それ以上各操作ピン37a,38aを回動させることはできない。従って、各操作ピン37a,38a及び回動体30,31の回動が規制され、回動体30,31が第2回動位置に変位することが阻止される。また、この変更例に係る入賞装置10では、開閉部材20及び回動体30,31に対して共通の駆動源(ソレノイド60)を用いて開閉動作を行う一方で、開閉部材、回動体のそれぞれに独立してロック機構が形成されているため、正常時には開閉部材20及び回動体30,31を同時期に共通駆動源によって駆動でき、他方、開閉部材20及び回動体30,31のそれぞれに不正操作による外力が働いたとしても、或いはこれらに同時に不正操作による外力が働いたとしても、確実に開放を阻止することができ、不正防止効果を一層高めることができる。
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、開閉部材、伝達機構、駆動源の構成を図15のように変更してもよい。なお、これら部品の保持構成は第1実施形態と同様の構成或いはこれを変更した様々な構成を採用できる。図15の例では、第1実施形態の開閉部材20、伝達機構50、ソレノイド60等に代えて、開閉部材220、伝達機構250、ソレノイド260などを用いている。なお、本実施形態でも開閉部材220は、上下方向及び左右方向の移動が規制されつつ前後にスライド動作し得るように図示しない筐体に保持されている。
この構成でも、図15のように開閉部材220が閉鎖位置にある状態でソレノイド260の駆動力により第1伝達部材251が回動する際に、第1伝達部材251の動作開始に伴うロック部251fの後方移動により当該ロック部251fの回動軌跡上からロック受け部220eが外れた状態で第1伝達部材251が回動するようになっている。具体的には、ソレノイド260は、プランジャ262が左右方向に往復動するように横向きに配置されており、図15のようにソレノイド260が非励磁状態にある場合から励磁状態に切り替わると、プランジャ262がコイル部261側に引き込まれるのに応じてプランジャ262に組み付けられた変位部材253もコイル部261側に移動する。このとき、第2伝達部材252は、回動軸線G3を中心として所定方向(「図15(C)で示す矢印F1方向」に回動し、これに連動して第1伝達部材251が所定方向(図15(c)に示す矢印F2方向)に回動する。このような第1伝達部材251の回動動作に応じて第1押圧部251eが後方に移動し、開閉部材220の被作用部220dを後方側に変位させる。そして、このような第1押圧部251eの後方移動に伴い当該第1押圧部251eの先端に位置するロック部251fは被作用部220dとロック受け部220eとの間に入り込むように移動しつつ後方側に移動することになる。そして、このような回動動作と連係して開閉部材220が開放位置に変位する。
一方、図15のように開閉部材220が閉鎖位置にある状態で開閉部材220を開放位置に変位させようとする外力が加えられた場合には、その外力に伴って開閉部材220が伝達機構250を動かそうとする際にロック受け部220eがロック部251fの回動軌跡上に入り込んでロック部252fの移動を阻害することになる。図でも分かるように、この例でも、ロック受け部220eの変位軌跡(前後の移動経路)と交差する回動軌跡(回動軸線G1を中心とする回転経路)に沿って回動変位するようにロック部251fが形成されており、図15(C)のような状態から開閉部材220が強制的に後方へ移動させられたときには、開閉部材220に設けられたロック受け部220eが第1押圧部251eの先端に設けられたロック部251fの前方側且つ上方側で当該ロック部251fに当接することになる。この場合も、ロック部251fが移動しようとする方向にロック受け部220eが位置し続けることになるため、ロック受け部220eとロック部251fとが当接した後にはそれ以上第1押圧部251eが後方へ移動できなくなる。従って、開閉部材220がその当接位置よりも後方に変位することが阻止される。
なお、図1等に示す例では、入賞口12が大入賞口として機能するアタッカーとして構成された例を示すが、遊技球が入賞し得る構成であれば役物等の様々な入賞装置に適用できることは勿論である。
1…遊技機
2…遊技盤
2a…前面
10…遊技機用可変入賞装置(入賞装置)
12…入賞口
20…開閉部材
20d…被作用部
20e…ロック受け部
32,33…回動片
37a,38a …操作ピン(回動片側被作用部)
40…変換部材
40c,40c…係合孔(変換部材側作用部)
40d…変換部材側ロック部
50…伝達機構
51…第1伝達部材(伝達部材)
51d…作用部
51e…第1押圧部
51f…第2押圧部
51h…ロック部
60…ソレノイド(駆動源)
G1,G2…回動軸線

Claims (5)

  1. 遊技機の遊技盤に直接又は他部材を介して間接的に固定され、前記遊技盤の前面と直交する前後方向において少なくとも前記遊技盤の前方側で、前記遊技盤の前面に沿って流下する遊技球を下方側に進入させつつ取り込む入賞口が形成されてなる筐体と、
    前記前後方向に沿ってスライドするように前記筐体に直接又は他部材を介して間接的に支持され、少なくとも自身の一部を前記遊技盤の盤面の前方側に配置して前記入賞口を閉鎖する閉鎖位置と、その閉鎖位置のときよりも後方側に退避して前記入賞口を開放する開放位置との間でスライド動作するように配置された開閉部材と、
    駆動力を生じさせる駆動源と、
    前記前後方向と交差する回動軸線回りに回動可能に保持された伝達部材を備え、前記駆動源の駆動力を受けて前記伝達部材が回動するように構成されると共に、当該伝達部材の回動動作に連係させて前記開閉部材をスライド動作させる伝達機構と、
    を備え、
    前記開閉部材には、当該開閉部材が前記閉鎖位置と前記開放位置とで変位する際に前後方向に変位するロック受け部が形成される一方、
    前記伝達部材には、当該伝達部材が回動変位する際に前記ロック受け部の変位軌跡と交差する回動軌跡に沿って回動変位するロック部が形成され、
    前記開閉部材が前記閉鎖位置にある状態で前記駆動源の駆動力により前記伝達部材が回動する場合には、前記伝達部材の動作開始に伴う前記ロック部の後方移動により当該ロック部の回動軌跡上から前記ロック受け部が外れた状態で前記伝達部材が回動し、その回動動作と連係して前記開閉部材が前記開放位置に変位するようになっており、
    前記開閉部材が前記閉鎖位置にある状態で前記開閉部材を前記開放位置に変位させようとする外力が加えられた場合には、その外力に伴って前記開閉部材が前記伝達機構を動かそうとする際に前記ロック受け部が前記ロック部の回動軌跡上に入り込んで当該ロック部の移動を受け止めることで前記伝達部材の回動が規制され、前記開閉部材が前記開放位置に変位することが阻止されることを特徴とする遊技機用可変入賞装置。
  2. 前記開閉部材には、前記伝達機構から作用を受ける被作用部が形成され、
    前記被作用部は、前記開閉部材が前記閉鎖位置と前記開放位置とで変位する際に前後方向に変位するように構成されており、
    前記伝達部材における前記開閉部材と連係する先端部分には、少なくとも一部が前記開閉部材の前記被作用部よりも前方側に位置すると共に、当該先端部分が後方側へ移動することに伴い前記被作用部を後方側に押圧する第1押圧部と、少なくとも一部が前記被作用部よりも後方側に位置すると共に、当該先端部分が前方側へ移動することに伴い前記被作用部を前方側に押圧する第2押圧部とが形成され、
    前記開閉部材において前記ロック受け部が前記被作用部よりも前方側に配置され、
    前記ロック部は、前記第1押圧部の先端部によって形成されており、
    前記開閉部材が前記閉鎖位置にある状態で前記駆動源の駆動力により前記伝達部材が回動する場合には、その回動に応じた前記第1押圧部の後方移動に伴い当該第1押圧部の先端に位置する前記ロック部が前記被作用部と前記ロック受け部の間に入り込むように移動しつつ後方側に移動するようになっており、
    前記開閉部材が前記閉鎖位置にある状態で前記開閉部材を前記開放位置に変位させようとする外力が加えられた場合には、その外力に伴って前記開閉部材が前記第2押圧部を押圧して前記伝達機構を動かそうとする際に、当該開閉部材に設けられた前記ロック受け部が前記第1押圧部の先端に設けられた前記ロック部の前方側で当該ロック部に当接することで、前記第1押圧部の後方への移動が規制され、前記開閉部材がその当接位置よりも後方に変位することが阻止されることを特徴とする請求項1に記載の遊技機用可変入賞装置。
  3. 少なくとも自身の一部を前記遊技盤の盤面の前方側に配置した状態で前記遊技盤の盤面と交差する回動軸線を中心として回動可能に支持され、前記入賞口に遊技球が進入し難い状態となる第1回動位置と、前記第1回動位置のときよりも遊技球が進入し易い状態となる第2回動位置とに変位可能な回動片を備え、
    前記伝達機構には、前記駆動源の駆動力を前記回動片の回動動作に変換すると共に前記駆動源の駆動に応じて前記伝達部材を直接又は他部材を介して連係動作させる変換部材が設けられ、
    前記回動片と連動する構成で前記変換部材から作用を受ける回動片側被作用部が形成されており、
    前記回動片側被作用部は、前記回動片が前記第1回動位置と前記第2回動位置とで変位する際に所定の回動軌跡に沿って回動変位するように構成され、
    前記変換部材には、前記回動片側被作用部に作用する変換部材側作用部と、前記回動片側被作用部の回動軌跡と交差する変位軌跡に沿って変位する変換部材側ロック部とが形成され、
    前記回動片が前記第1回動位置にある状態で前記駆動源の駆動力により前記変換部材が変位する際には、前記回動片側被作用部の回動軌跡上から前記変換部材側ロック部が外れるように移動した上で前記変換部材側作用部が前記回動片側被作用部に作用し、その作用に応じて前記回動片が前記第2回動位置に変位するようになっており、
    前記回動片が前記第1回動位置にある状態で前記回動片を前記第2回動位置に変位させようとする外力が加えられた場合には、その外力に応じて前記回動片と連動しようとする前記回動片側被作用部の回動軌跡上に前記変換部材側ロック部が位置し続けることで当該回動片側被作用部及び前記回動片の回動が規制され、前記回動片が前記第2回動位置に変位することが阻止されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技機用可変入賞装置。
  4. 前記遊技球の流下方向を上下方向とし、当該上下方向及び前記前後方向と直交する方向を左右方向としたとき、少なくとも一対の前記回動片が左右に離れて配置されており、且つそれら一対の前記回動片は、前記閉鎖位置にある前記開閉部材の左右両端部の下方にそれぞれ位置していることを特徴とする請求項3に記載の遊技機用可変入賞装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の遊技機用可変入賞装置を備えたことを特徴とする遊技機。
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