以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。まず、図1を参照して実施形態に係る遊技島台1について説明する。図1(A)は、遊技島台1の概略を示す正面図であり、図1(B)は、遊技島台1の内部構造の概略を示す正面図である。なお、本実施形態における遊技島台1に設置される遊技機としてパチンコ機8が設置された場合で説明するが、パチンコ玉を使用して遊技を行う遊技機であれば、どのような遊技機が設置されるものであってもよい。
図1(A)において、遊技島台1は、周知のようにそのほぼ中央側面に複数のパチンコ機8と玉貸機50とを交互に列設するように直方体状に枠組み形成され、パチンコ機8の列設位置の下方に外側に突出するカウンター台を挟んで腰板51が設けられている。また、各パチンコ機8の上部には、呼出ランプ装置53が取り付けられる装飾板52が設けられ、更にその上部に開閉自在な幕板54が設けられている。
また、遊技島台1の内部は、図1(B)に示すように、その下方部に各パチンコ機8から排出されるパチンコ玉を受け入れ且つ当該遊技島台1で営業中に必要とされ得る玉量を貯留する貯留タンク55が設けられ、そのほぼ中央に貯留タンク55に貯留された玉を導きいれて上部に揚送する玉揚送装置56が設けられている。本実施形態における玉揚送装置56は、モータによって回転する革ベルトの旋回運動によって玉を揚送するものであり、その揚送中に革ベルトに対面して設けられる研磨布と玉とが接触して玉を研磨しながら上部に揚送するものである。玉揚送装置56に揚送された玉は、一旦上部タンクに貯留され、その上部タンクの上方側部から遊技島台1の端部に向かって傾斜状に配置される補給樋2に供給される。
補給樋2には、分岐装置3が設けられ、その分岐装置3によって分岐された玉が分岐装置3に接続されるスプリングホース7と賞球補給装置20とを介して各パチンコ機8の背面上部に設けられる賞球タンク11に供給される。また、各パチンコ機8で使用されたパチンコ玉は、遊技島台1の裏面下部に取り付けられるアウト玉タンク57に放出された後、回収樋58によって回収され、更に前記貯留タンク55に貯留され、その後、上記したように玉揚送装置56によって上部に研磨揚送される。つまり、パチンコ玉は、遊技島台1の内部を循環して使用されている。
次に、本実施形態の要部を構成する賞球補給装置20について、図2乃至図12を参照して説明する。図2は、補給樋2と賞球補給装置20とパチンコ機8との関係を示す背面図である。図3は、パチンコ機8の背面斜視図である。図4は、賞球補給装置20の作用を示す側面図である。図5は、賞球補給装置20の作用を示す側面図である。図6は、賞球補給装置20の正面から見た斜視図である。図7は、賞球補給装置20の背面から見た斜視図である。図8は、回動補給部材30の背面から見た斜視図である。図9は、賞球補給装置20の一部を切断した正面図である。図10(A)は、スライド調整機構60を示す上面図であり、図10(B)は、スライド調整機構60を示す正面図であり、図10(C)は、スライド調整機構60を示す側面図である。図11(A)は、固定板22にスライド調整機構60のスペーサ62及びスライド板63を取り付ける状態を示す分解斜視図であり、図11(B)は、固定板22にスペーサ62及びスライド板63を取り付けた状態を示す組付斜視図であり、図11(C)は、スライド調整機構60のスライドベース61にスペーサ62及びスライド板63を取り付けた固定板22を装着する状態を示す分解斜視図であり、図11(D)は、スライドベース61にスペーサ62及びスライド板63を取り付けた固定板22を装着した状態を示す組立斜視図である。図12(A)は、スライド調整機構60を遊技島台1の横枠59に取り付けた状態を示す部分拡大図であり、図12(B)は、横枠59に取り付けられたスライド調整機構60とパチンコ機8とを示す上面図である。
図2において、補給樋2を流下する賞球は、分岐装置3によって分岐される。この分岐装置3は、賞球を一列に整列させながら取込むものであり、その通路の途中に玉ならし4が垂下され、更に、故障を修理するとき等に賞球の流下を停止させることが可能なストッパー5が設けられている。分岐装置3の下方には、支持台によって補給用計数器6が着脱自在に取付けられる。この補給用計数器6は、周知のように、ボックス状に形成されると共に、その先端側に賞球が通過する玉通路が形成され、その玉通路に臨んで計数歯車が回転自在に軸支されている。そして、玉通路を流下する賞球と計数歯車の爪とが係合して計数歯車を回転させ、計数歯車が一回転する毎にパルス信号を発するようになっている。つまり、計数歯車の爪数に対応する賞球が通過する毎に1パルスが発せられるので、実際に補給された賞球は、「爪数(例えば、10個)×パルス数」によって算出される。
ところで、補給用計数器6を支持する支持台には、その前端上部に分岐装置3から流下してきた賞球が誘導される出口が形成され、その前端下部に連結部材としてのスプリングホース7の上端が固定されている。また、スプリングホース7の下端は、本実施形態の要部を構成する賞球補給装置20に接続されている。これにより、賞球が分岐装置3から補給用計数器6に流入し、補給用計数器6で計数された賞球(パチンコ玉)がスプリングホース7に排出されて賞球補給装置20に供給される。なお、スプリングホース7は、パチンコ玉1個が丁度通過し得る程度の玉通路形状、言い換えれば、スプリングホース7の開口部の直径寸法がパチンコ玉の直径寸法よりも若干大きめに形成されている。
そして、上記した賞球補給装置20に対応してパチンコ機8が配置されるが、このパチンコ機8の構成について図3を参照して説明する。図において、パチンコ機8は、遊技島台1の横枠59に支持固定される方形状の機枠9を有し、その機枠9の前方一側に前面枠15が開閉自在に設けられている。そして、この前面枠15にパチンコ機1を構成する主要部品の大部分が装着されている。パチンコ機1を構成する主要部品として遊技盤(図示しない)があり、その遊技盤の裏面を機構板10が覆っている。機構板10の上部には、賞球補給装置20から供給される賞球を貯留する賞球タンク11と、該賞球タンク11に貯留された賞球を整列しながら誘導する賞球誘導通路12と、該賞球誘導通路12から供給された玉を入賞球毎に所定個数づつ区切って排出する賞球排出装置(図示しない)から排出された賞球を誘導する賞球排出樋13と、が設けられている。そして、上記のように構成される機構板10は、前面枠15の開閉動作に伴って一緒に機枠9に対して開閉動作するものであるため、機構板10に設けられる各部品も開閉動作することになる。なお、前面枠15の下部一側には、打球を発射駆動するための打球発射装置14が取り付けられている。
賞球補給装置20は、図4乃至図9に示すように、賞球を一列に整列して流下させる整列通路26が固着された支持台21と、該支持台21に第1の状態と第2の状態とに回動可能に軸支され、且つ前記整列通路26と連通すると共にその先端が前記賞球タンク11内に臨む補給筒32と作動腕33とが二又状に形成された回動補給部材30と、該回動補給部材30の回動に従動して前記整列通路26から前記補給筒32への賞球の流下を制御する球止め部材40とから構成される。
まず、支持台21は、図6、図7、及び図9に示すように、前記遊技島台1の横枠59に賞球補給装置20を固定するための固定板22と、該固定板22に対してスライド可能に取着されるスライド板23とから構成されている。固定板22は、上壁22cと側壁22dとを備えた断面「L」字状に形成される(図10参照)と共に、遊技島台1の横枠59にビス止めして取り付けられるスライドベース61等からなるスライド調整機構60(共に図2参照)を介して横枠59に固定されるようになっている。なお、スライド調整機構60は、賞球補給装置20を横枠59に対してスライド調整可能に固定するものであり、その詳細については後で詳述する。
固定板22の側面には、縦スライド穴24が形成されている。この縦スライド穴24は、スライド板23から突設されたネジを貫通するもので、その貫通したネジを蝶ナット25で螺着することにより、スライド板23の固定板22に対する位置を自由に設定することができるようになっている。このように構成することにより、後述する回動補給部材30の補給筒32の先端と賞球タンク11の底面11bとの間隔を調節して賞球タンク11に貯留される賞球の量を調節できるようにしている。なお、縦スライド穴24は、一側だけに形成され、他側には、図6に示すように固定板22に形成される係止溝22aにスライド板23の端縁部に形成されるスライド片23aが係合案内されるようになっている。また、固定板22及びスライド板23には、図7に示すように、後述する回動補給部材30が回動したときに補給筒32が侵入し得る切欠部22b,23bがそれぞれ形成されている。
一方、スライド板23には、その一側に前記スプリングホース7の末端と接続するホース接続具27が形成され、そのホース接続具27に連続して整列通路26が設けられている。この整列通路26の上部には、打止めソレノイド29が配置され、この打止めソレノイド29のプランジャに整列通路26に出没するストッパー部29aが連結されている。このため、所定個数(例えば、3000個)の賞球が遊技者に払出されたときに図示しない管理コンピュータから導出される打止め信号に基づいて打止めソレノイド29が励磁されると、ストッパー部29aが整列通路26内に侵入して賞球の流下を停止させ、それ以上の賞球が賞球補給装置20から賞球タンク11に払出されないようになっている。なお、打止めソレノイド29の励磁状態に伴うノイズが発生しても、そのノイズにより誤動作する可能性のある補給用計数器6が前記したように離れた位置に設けられるので、このような誤動作を発生させないようにすることができる。更に、補給用計数器6と打止めソレノイド29とが離れて設置されていることにより、遊技島台1内部の配線の集中を緩和することができるという利点もあるし、賞球補給装置20の設置個所が遊技島台1の内部の最も配線の集中する個所に近いため、その配線から発生するノイズによる補給用計数器6の誤動作も防止することができる。
一方、整列通路26の他端には、回動補給部材30が回動自在に設けられている。回動補給部材30は、内部が空洞状に形成された「T」状の補給筒形成部材31と該補給筒形成部材31に対して直角よりも鋭角的に連結された作動腕33が二又状に形成された構成となっている。補給筒形成部材31は、「T」字状の上部横辺が回動軸となっており、前記整列通路26を形成する部材端部の軸受部28aとスライド板23に固着される軸受部28bとによって挟持されて回動自在となっており、「T」字状の上部横辺の一側から垂直辺にかけて空洞となって補給筒32を構成している。そして、この補給筒32は、その入口が前記整列通路26と連通する接続口37となっており、その出口が下部先端に形成された放出口38となっている。また、補給筒形成部材31の上部には、凸部が形成され、該凸部に取付ピン34を介して作動腕33が取り付けられている。なお、この取付ピン34には、補給筒形成部材31と作動腕33とを相互に引きつけ合うように作用するスプリング35bが軸支されているが、これは、回動補給部材30の回動直後に作動腕33と補給筒32との位置を常に一定に保持するためのものである。また、回動補給部材30は、補給筒32が垂直状態となる第1の状態と、補給筒32が水平状態となる第2の状態との二位置の間で回動可能となっているが、その二位置の状態を保持するため、補給筒形成部材31の回動軸にスプリング35aが係止されている。更に、回動補給部材30の回動動作を案内するために、図8に示すように、軸受部28aの側面には、円弧状のガイド突片36aが突設され、補給筒32の側面には、ガイド突片36aを挾持するガイド溝突起36bが形成されている。
一方、補給筒形成部材31の上端一側外周には、半楕円形状の係合カム39が突設され、この係合カム39と対応するように球止め部材40が軸受部28aに遊嵌される支軸42を中心に揺動自在に軸支されている。球止め部材40は、その後端上部を支軸42によって支持されると共に、該支軸42を軸受部28aの外側に突出させ、その突出部分に球止め部材40を反時計方向(ストッパーピン41を突入させる方向)に付勢するスプリング43が設けられている。また、球止め部材40の上辺先端に補給筒32の接続口37に侵入するストッパーピン41が下向きに装着されている。このストッパーピン41は、補給筒形成部材31に穿設された溝状の突入穴46から接続口37内に侵入するようになっている。また、球止め部材40の下面上端部には、1つの当接凸部40aが形成され、その当接凸部40aから後方が前記係合カム39の形状に対応する凹部40bとなっている。なお、前記ストッパーピン41は、その上端をバネ性の係止片44によって押されており、ストッパーピン41が侵入したときに内部を流下する賞球と当接した場合、その反力を緩衝しながら賞球の間にスムーズに侵入させるようになっているが、時としてストッパーピン41が賞球の表面に当接したままの状態となることもある。
ところで、前記補給筒形成部材31に形成される補給筒32は、前記接続口37部分での寸法がパチンコ玉の直径よりも大きく形成されていてもよいが、少なくとも「T」字状の垂直辺に対応する部分の外形巾寸法が図4に示すようにパチンコ玉の直径よりも僅かに大きい程度の寸法Wとされていると共に、その垂直辺部の下方部分は、流下するパチンコ玉が落下しない程度に前後方向に貫通しており、また、「T」字状の屈曲部には、誘導片45が突設され、賞球を下方に向けてスムーズに流下するようになっている。
上記の構成からなる回動補給部材30の作用について図4及び図5を参照して説明する。まず、図4に示すようにパチンコ機8の前面枠15を開放した状態では、回動補給部材30は、補給筒32が水平状態となった第2の状態となっていると共に、賞球タンク11が前方に移動している。この第2の状態では、スプリング43の付勢力により球止め部材40の上部先端が支軸42を中心にして下方向に回動した状態となり、これがためストッパーピン41が補給筒32内に侵入して内部を流下する賞球の流下を停止させる。これにより、補給筒32の放出口38から賞球が流出しないので、賞球タンク11が前方に移動していても賞球が遊技島台1内に落下することがない。
図4の状態からパチンコ機8の前面枠15を閉じるように移動させると、賞球タンク11の側壁11aと作動腕33とが当接して回動補給部材30を強制的に回動させる。このとき、係合カム39も回動して凹部40bに沿って移動し、遂には、当接凸部40aと係合カム39の先端頭部とが当接した状態となる。この状態になると、球止め部材40の上部上端が上昇した位置となるため、ストッパーピン41が補給筒32から退避した状態となり賞球の流下状態を許容する。この許容した時点では、既に補給筒32の放出口38が賞球タンク11の内部に位置しているので、流出した賞球が賞球タンク11の底面11bに放出され、遊技島台1内部にこぼれることがない。この場合、貯留される賞球の量は、賞球タンク11の底面11bから放出口38の高さまでである。これは、放出口38の高さまで賞球が貯留されると、放出口38から流出しようとする賞球がその貯留された賞球によって押圧されて流出できなくなるからである。また、本実施形態においては、図2に示すように補給筒32の放出口38が賞球タンク11と賞球誘導通路12との連絡口(図示しない)に向かって放出されるようになっているので、賞球補給装置20から賞球タンク11を通って賞球誘導通路12に至る賞球の流れがスムーズに行われると共に、賞球タンク11に貯留される賞球数を放出口38の下流側だけに適宜の量貯留できる。したがって、特別に圧抜き器等の部品を装着することなく、貯留される賞球の量を抑えることができるので、パチンコ機8の入れ替があった場合にも何等の手数を掛ける必要もないし、また、必要に応じて前記縦スライド穴24を調節してスライド板23を上下することにより、賞球タンク11に貯留される賞球の量を変化させることができる。
以上説明した動作と逆にパチンコ機8の前面枠15を開放する場合には、図5から図4に移行することになるが、これを簡単に説明すると、パチンコ機8の前面枠15を開放すべく移動させると、賞球タンク11の内側の側壁11aと補給筒32とが係合して、そのまま補給筒32を時計方向に回動させる。このとき、係合カム39も回動して球止め部材40の凹部40bに沿って移動するだけで球止め部材40からの影響を受けることなく回動される。そして、仮にストッパーピン41が賞球と当接したままの状態で球止め部材40が図5に示す状態のままであっても、回動補給部材30は、図4に示す補給筒32を水平とする状態となるので、賞球タンク11が外れても回動補給部材30が図5に示す状態に戻ることはない。したがって、前面枠15を開放したときに賞球がパチンコ機1の外部に落ちることはない。なお、ストッパーピン41が賞球と当接したままの状態のときには、その当接している賞球が後続の賞球の玉圧によって押され、それによって前方に移動するので、その移動直後にストッパーピン41がスプリング43の付勢力に押されて整列通路26内に侵入しその流下を停止するようになっている。
次に、上記した賞球補給装置20を横枠59に対してスライド調整可能に固定するスライド調整機構60について図10乃至図12を参照して説明する。
スライド調整機構60は、図10(A)〜(C)に示すように、遊技島台1の横枠59にビス66で固定されるスライドベース61と、賞球補給装置20を構成する前記固定板22にビス67a止めして取り付けられるスペーサ62及びスライド板63と、該スライド板63に取り付けられる固定手段としての蝶ボルト64及びワッシャー65と、から構成されている。
スペーサ62は、図11(A)〜(D)に示すように、横長方形状の平板からなり、その平板面には長手方向に沿った3個所にビス67a止め用の取付穴62aが穿設されている。一方、スライド板63は、スペーサ62に比べて若干大きめとなる横長方形状の平板からなり、その平板面には長手方向に沿った3個所にビス67a止め用の取付穴63aが穿設されている。また、スペーサ62の横長寸法は、固定板22の横幅寸法(スペーサ62を取り付ける側壁22dの横幅寸法)とほぼ同一に設定されている。これにより、スペーサ62は、固定板22の左右両側端から突出することなく固定板22の側壁22dにビス67止めされる。これに対して、スライド板63の横長寸法は、固定板22の横幅寸法に比べて長めに設定されている。そして、スライド板63は、固定板22との間にスペーサ62を挟持した状態で固定板22の側壁22dにワッシャー67bを介してビス67a止めされるものであるが、その一端部が固定板22(側壁22d)の一側端とほぼ同じ位置に配されることで、他端部が固定板22(側壁22d)の他側端から突出した状態で固定板22にビス67a止めされ、当該固定板22からの突出部分が蝶ボルト64及びワッシャー65の取付部68を構成するようになっている。なお、取付部68には、蝶ボルト64を螺着するための螺着穴68aが穿設されている。
スライドベース61は、断面が「L」字状に形成されると共に、その全長が固定板22の横幅寸法よりも大きく設定されている。横枠59の上端面と面接触して固定されるスライドベース61の上壁片70aには、ビス66止め用の取付穴71が2個所に穿設され、スライドベース61の側壁片70bには、固定板22にビス67a止めされたスペーサ62及びスライド板63と係合するスライド溝72がスライドベース61の全長に亘って条設されている。スライド溝72の下側部分となる側壁片70bの下端には、蝶ボルト64の締め付けを解除した状態で固定板22の側壁22dと当接してスライドベース61に対する固定板22の傾動を規制する規制突起73がスライドベース61の全長に亘って突設されている。また、スライド溝72と規制突起73との間に位置する側壁片70bの部分には、スライドベース61の側壁片70bを横枠59の側端面と面接触して固定するビス66止め用の取付穴77が2個所に穿設されている(図10(B)参照)。
なお、上記したスライドベース61の上壁片70aに穿設されたビス66止め用の取付穴71は、図10(A)に示すように、賞球補給装置20をスライドベース61に取り付けた状態で、賞球補給装置20を構成する固定板22の上壁22cが当該取付穴71を覆い隠さない位置に穿設されている。また、スライドベース61の側壁片70bに穿設されたビス66止め用の取付穴77は、図10(B)に示すように、2つの取付穴77の間隔が固定板22の横幅寸法よりも長く設定されている。このため、スライドベース61を横枠59にビス66止めする場合あるいは横枠59から取り外す場合には、スライドベース61に賞球補給装置20を取り付けた状態で各々の作業を行うことができるので、スライドベース61の取り付け及び取り外しの作業効率を高めることができる。また、スライド溝72の下側部分となる側壁片70bの下端に規制突起73を延設することで、スライドベース61自体の強度を高める効果も奏している。
しかして、上記したスライド調整機構60を構成するスライドベース61は、図12(A),(B)に示すように、遊技島台1に設置される各パチンコ機8毎に各取付穴71,74を介して横枠59にビス66で固定して取り付けられる。次いで、このように横枠59に固定されたスライドベース61のスライド溝72に、固定板22にビス67a止めされたスライド調整機構60を構成するスペーサ62及びスライド板63をスライド挿入することで(図11(C)参照)、固定板22、言い換えれば賞球補給装置20が横枠59に固定されたスライドベース61に対してスライド可能に取り付けられる(図11(D)参照)。そして、パチンコ機8の賞球タンク11と対応する位置に賞球補給装置20をスライド移動させ、この状態でスライド板63の取付部68に取り付けられた蝶ボルト64を締め付ける。これにより、スライド板63とワッシャー65との間で、スライド溝72を形成するスライドベース61の溝形成壁74を挟持することになり、結果として、賞球補給装置20がパチンコ機8の賞球タンク11と対応する所望の位置に固定される。
ところで、以上説明した賞球補給装置20に対するスプリングホース7の接続構造、即ち、賞球補給装置20を構成する整列通路26の先端部分にホース接続具27を介して連結部材としてのスプリングホース7が接続される構造は、従来の技術(例えば、特許文献1に開示される技術)であって、図13に示すように、賞球補給装置20の移動調整に伴って整列通路26の先端部分(賞球補給装置20とスプリングホース7との接続部分)が分岐装置3の玉排出部3’(分岐装置3とスプリングホース7との接続部分)のほぼ真下位置に配された状態、言い換えれば、スプリングホース7が鉛直方向に沿った状態(図13の中央に示す状態)では、スプリングホース7に殆ど伸張が生じないため、遊技島台1内に配設された配線(図示しない)がスプリングホース7内に入り込む不具合が生じることはない。これに対して、賞球補給装置20の移動調整に伴って整列通路26の先端部分が分岐装置3の玉排出部3’から遠ざかり、スプリングホース7が傾斜した状態(図13の右側又は左側に示す状態)では、スプリングホース7における整列通路26との接続部分の近辺で伸張が生じ、遊技島台1内に配設された配線がスプリングホース7内に入り込む不具合が生じる。
そこで、上記したような不具合を解決するための本発明の実施形態に係る賞球補給装置20に対する連結部材の接続構造を、図14乃至図17を参照して説明する。なお、本発明の実施形態に係る連結部材は、スプリングホース7とホース接続部材80とから構成されるものであり、その構成は、賞球補給装置20の整列通路26とスプリングホース7とを接続するホース接続部材80を除いて前述した図1〜図13に示す構成と同一であるため、同一の構成について図1〜図13と同一の符号を付記すると共にその詳細な説明を省略する。図14は、本発明の実施形態の賞球補給装置20がスライド移動したときのスプリングホース7の状態を示す説明図である。図15(A),(B)は、それぞれ本発明の実施形態におけるホース接続部材80を示す分解斜視図である。図16(A),(B)は、それぞれ本発明の実施形態におけるホース接続部材80を介して賞球補給装置20の整列通路26とスプリングホース7とが接続された状態を示す部分拡大正面図である。図17(A),(B)は、それぞれ本発明の実施形態におけるホース接続部材80を介して賞球補給装置20の整列通路26とスプリングホース7とが接続された状態を示す部分拡大断面図である。
図14に示すように、本発明の実施形態における賞球補給装置20の整列通路26は、その先端部分にホース接続部材80を介してスプリングホース7が接続される。ホース接続部材80は、図15(A),(B)に示すように、一端部がスプリングホース7に接続される一方、他端部が整列通路26に接続される蛇腹部材81と、該蛇腹部材81内に配置されるスプリング部材82と、から構成されている。蛇腹部材81は、図16及び図17に示すように、その軸心方向に沿って伸び縮み可能な蛇腹形状に形成され、一端部分には、スプリングホース7との係合によって該スプリングホース7を蛇腹部材81の一端に接続して取り付けるためのホース取付爪部83と、スプリング部材82の一端部との係合によって該スプリング部材82の一端部を蛇腹部材81内の一端側に固定して取り付けるためのスプリング取付爪部84と、が設けられている。一方、蛇腹部材81の他端部分には、スプリング部材82の他端部との係合によって該スプリング部材82の他端部を蛇腹部材81内の他端側に固定して取り付けるためのスプリング取付爪部85が設けられている。
なお、スプリング部材82の開口部の直径寸法は、スプリングホース7と同様に、パチンコ玉の直径寸法よりも若干大きめに形成されて、パチンコ玉1個が丁度通過し得る程度の玉通路形状となっている。但し、スプリング部材82の弾性復元力は、スプリングホース7に比べて弱く設定されている。言い換えれば、スプリング部材82は、スプリングホース7に比べて弱い力で伸張するようになっている。
しかして、ホース接続部材80は、スプリング部材82の両端部がそれぞれ蛇腹部材81の両端に固定された状態で蛇腹部材81内に配置されて構成される。そして、蛇腹部材81の一端がスプリングホース7に接続される一方、蛇腹部材81の他端が整列通路26に接続される(この場合には、ホース接続具27は必要なく、蛇腹部材81の他端が整列通路26を構成する部材にビス等で直接止着される。)ことで、スプリング部材82が、スプリングホース7から送り込まれたパチンコ玉を整列通路26に誘導する玉通路となるようにスプリングホース7と整列通路26とを連通するようになっている。
ところで、上記したようにスプリングホース7と整列通路26とを連通するスプリング部材82は、スプリングホース7に比べて弱い力で軸心方向に伸びるようになっている。このため、ホース接続部材80(スプリング部材82)を軸心方向に伸ばす力が加わらない状態では、図17(A)に示すように、スプリング部材82の外周部分を覆うようにして配置される蛇腹部材81もスプリング部材82と同様に伸びることなく折り畳まれた状態となるが、図17(B)に示すように、ホース接続部材80(スプリング部材82)を軸心方向に伸ばす力が加わったときには、スプリング部材82の伸びに合わせて蛇腹部材81も引き伸ばされた状態となる。また、図17(B)に示す状態から、外力(ホース接続部材80を軸心方向に伸ばす力)の付加がなくなると、スプリング部材82は、その弾力によって元の状態に縮み、これに追従して蛇腹部材81も縮むことで、図17(A)に示す状態に戻る。
従って、第二実施形態におけるホース接続部材80を介して賞球補給装置20の整列通路26とスプリングホース7とを接続した構成では、図14に示すように、賞球補給装置20の移動調整に伴って整列通路26の先端部分(賞球補給装置20とスプリングホース7との接続部分)が分岐装置3の玉排出部3’(分岐装置3とスプリングホース7との接続部分)のほぼ真下位置に配された状態、言い換えれば、スプリングホース7が鉛直方向に沿った状態(図14の中央に示す状態)では、スプリングホース7に殆ど伸張が生じないため、遊技島台1内に配設された配線がスプリングホース7内に入り込む不具合が生じることはない。また、このとき、ホース接続部材80は、スプリング部材82に殆ど伸張が生じないため蛇腹部材81を縮めた状態となる。
これに対して、賞球補給装置20の移動調整に伴って整列通路26の先端部分が分岐装置3の玉排出部3’から遠ざかり、スプリングホース7が傾斜した状態(図14の右側又は左側に示す状態)では、整列通路26の接続近辺で引き伸ばしの力がかかることになるため、ホース接続部材80のスプリング部材82に伸張が生じ、これに合わせて蛇腹部材81が引き伸ばされた状態となる。一方、スプリングホース7は、引き伸ばしの力を殆ど受けることがないため伸張が生じない。従って、ホース接続部材80を介して賞球補給装置20の整列通路26とスプリングホース7とを接続した構成では、賞球補給装置20の移動調整に伴って整列通路26の先端部分が分岐装置3の玉排出部3’から遠ざかるような場合でも、遊技島台1内に配設された配線がスプリングホース7内に入り込むような不具合を生じさせることがない。また、スプリング部材82の伸張によって引き伸ばされたホース接続部材80においては、スプリング部材82の外周部分が蛇腹部材81で覆われることにより、その蛇腹部材81がスプリング部材82内への配線の入り込みを阻止するようになっている。
以上のように、本実施形態の構成によれば、可撓性を有して伸縮自在に形成された蛇腹部材81からなるホース接続部材80を賞球補給装置20とスプリングホース7との間に設けて、ホース接続部材80によってスプリングホース7内を流下したパチンコ玉を賞球補給装置20に誘導する。これにより、賞球補給装置20のスライド位置を移動調整する際に、賞球補給装置20と分岐装置3とを連結する連結部材となるスプリングホース7及びホース接続部材80が傾斜状態となって連結部材(スプリングホース7及びホース接続部材80)に引き伸ばしの力が加わるような場合でも、スプリングホース7は引き伸ばされることなく、蛇腹状に形成されたホース接続部材80(蛇腹部材81)が引き伸ばされることになる。このため、賞球補給装置20と分岐装置3とを連結する連結部材は、その一部分となるホース接続部材80が伸張することで賞球補給装置20のスライド移動を規制することがないので、賞球補給装置20の的確なスライド移動調整を可能にする。また、この場合、スプリングホース7は引き伸ばされることがなく、然も、ホース接続部材80(蛇腹部材81)はその内部空間が外部と遮断された蛇腹状に形成されているため、連結部材(スプリングホース7及びホース接続部材80)内への配線の入り込みを防止することができ、結果として、連結部材内への配線の入り込みに起因したパチンコ玉の玉詰まりを回避することができる。
また、スプリングホース7に比べて弱い弾性復元力によって蛇腹部材81を縮める方向に常時付勢するスプリング部材82をホース接続部材80に設ける。これにより、賞球補給装置20を移動調整する際に連結部材(スプリングホース7及びホース接続部材80)に引き伸ばしの力が加わる場合、弾性復元力の強いスプリングホース7は引き伸ばされることなく、ホース接続部材80を構成する弾性復元力の弱いスプリング部材82が蛇腹部材81と共に引き伸ばされることになるので、賞球補給装置20の的確なスライド移動調整を可能にした上で、連結部材内への配線の入り込みに起因したパチンコ玉の玉詰まりを回避できる。また、この構成によれば、連結部材に対して引き伸ばしの力が加わらない位置に賞球補給装置20が戻った場合、スプリング部材82はその弾性復元力によって縮んだ状態になり、これに追従して蛇腹部材81も縮むことになるので、ホース接続部材80を自動的に元の縮んだ状態に戻すことができる。
また、蛇腹部材81に対して常時縮む方向に付勢するスプリング部材82を、蛇腹部材81内に配置してスプリングホース7から送り込まれたパチンコ玉を賞球補給装置20に誘導する玉通路として構成する。この場合、スプリング部材を蛇腹部材の外周に配置した構成と違って、スプリング部材82内に配線が入り込むような不具合を確実に回避することができる。なお、必ずしも、スプリング部材を蛇腹部材内の玉通路として構成する必要はなく、スプリング部材を蛇腹部材の外周に配置した構成としてもよい。但し、スプリング部材内に配線が入り込むような不具合を確実に回避することを考慮すると、スプリング部材を蛇腹部材内の玉通路として構成することが望ましい。