JP6457410B2 - 3相ブラシレスモータの駆動装置及びその駆動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、3相ブラシレスモータの駆動装置及びその駆動方法に関し、詳しくは、3相ブラシレスモータにおけるロータの初期位置を推定する技術に関する。
3相ブラシレスモータの駆動装置及びその駆動方法には、3相ブラシレスモータの3相のうち通電する2つの相を選択する6通りの通電モードを、ロータの角度位置に応じて非通電相(開放相)に発生したパルス誘起電圧(誘起電圧)と基準電圧との比較結果に応じて順次切り替えるセンサレス制御を行うものであって、ロータを停止状態から所定方向へ回転させる際のロータ磁極の角度位置(初期位置)を推定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
かかるブラシレスモータの駆動装置及びその駆動方法では、6通りの通電モードで通電を行って各通電モードの非通電相に誘起した誘起電圧を検出し、非通電相が共通する2つの通電モード間で誘起電圧の和及び差をそれぞれ算出することで、算出された3つの誘起電圧和の間及び算出された3つの誘起電圧差の間の各大小関係に基づいて、ロータの初期位置を推定している。
特開2013−223355号公報
しかしながら、ブラシレスモータの磁気回路特性によって、誘起電圧和の変動幅が小さくなる場合には、3つの誘起電圧和の間で大小関係を明確に判定することが困難となる。その結果、ロータの初期位置を推定する推定精度が低下するので、ロータが所定方向とは逆の方向へ回転するなど、ブラシレスモータを正常に起動できなくなるおそれがある。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、誘起電圧和の変動幅が比較的小さいブラシレスモータにおいてロータの初期位置を推定する推定精度を向上させた、3相ブラシレスモータの駆動装置及びその駆動方法を提供することを目的とする。
このため、本発明に係る3相ブラシレスモータの駆動装置は、3相ブラシレスモータの3相のうち通電する2つの相を選択する6通りの通電モードを順次切り替えてセンサレス制御を行うものであって、センサレス制御を行う前に、6通りの通電モードによる通電を行って開放相に発生する6つの第1誘起電圧を検出し、6つの第1誘起電圧のうち開放相を共通にする2つの通電モードによる通電で検出された2つの第1誘起電圧の差分である誘起電圧差を、各相を開放相として演算して3つの誘起電圧差を取得し、3つの誘起電圧差の大小関係に応じた所定の通電モードで通電してロータを回転させたときに検出された開放相の第2誘起電圧の変化に基づいてロータの初期位置を推定している。
また、本発明に係る3相ブラシレスモータの駆動方法は、3相ブラシレスモータの3相のうち通電する2つの相を選択する6通りの通電モードを順次切り替えてセンサレス制御を行うものであって、センサレス制御を行う前に、6通りの通電モードによる通電を行って開放相に発生する6つの第1誘起電圧を検出することと、6つの第1誘起電圧のうち開放相を共通にする2つの通電モードによる通電で検出された2つの第1誘起電圧の差分である誘起電圧差を、各相を開放相として演算して3つの誘起電圧差を取得することと、3つの誘起電圧差の大小関係に応じた所定の通電モードで通電してロータを回転させたときに開放相の第2誘起電圧を検出することと、第2誘起電圧の変化に基づいてロータの初期位置を推定することと、を含む。
本発明の3相ブラシレスモータの駆動装置及びその駆動方法によれば、誘起電圧和の変動幅が比較的小さいブラシレスモータにおいて、ロータの初期位置を推定する推定精度を向上させることができる。
本発明の実施形態に係るエンジン冷却システムの一例を示す構成図である。 同実施形態に係るブラシレスモータ及びその駆動装置の構成の一例を示す回路図である。 同実施形態に係る制御ユニットの機能ブロック図である。 同実施形態における各通電モードにより生じる電流・合成磁束の方向及びパルス誘起電圧の一例を説明する説明図である。 同実施形態における各通電モードの切り替え角度及び各通電モードにおける通電相、通電方向の一例を示すタイムチャートである。 同実施形態におけるブラシレスモータの駆動制御のメインルーチンの一例を示すフローチャートである。 同実施形態に係る初期位置推定・駆動開始処理を示すフローチャートである。 同実施形態に係る初期位置推定・駆動開始処理を示すフローチャートである。 同実施形態において各通電モードにより非通電相に生じたパルス誘起電圧からの誘起電圧差の演算方法を説明する説明図であり、(a)〜(f)は各通電モードにより非通電相に生じたパルス誘起電圧、(g)は誘起電圧差である。 同実施形態に係る初期位置領域の特定を説明する説明図であり、(a)は誘起電圧差、(b)は第3通電モードで非通電相に生じるパルス誘起電圧である。 同実施形態に係る特定通電モードの通電方法を説明する説明図である。 同実施形態に係る特定通電モードの通電方法を説明する説明図である。 同実施形態に係る初期位置領域の特定を説明する説明図であり、(a)は誘起電圧差、(b)は第1通電モードで非通電相に生じるパルス誘起電圧である。 同実施形態に係る初期位置領域の特定を説明する説明図であり、(a)は起電圧差、(b)は第5通電モードで非通電相に生じるパルス誘起電圧である。 同実施形態に係る開始通電モードの通電方法を説明する説明図である。 同実施形態に係る開始通電モードの通電方法を説明する説明図である。 同実施形態において初期位置の誤特定時に開始通電モードの通電により脱調が生じる場合を説明する説明図である。 同実施形態において初期位置の誤特定時に開始通電モードの通電により脱調が生じない場合を説明する説明図である。 同実施形態の変形例による初期位置推定の変更点を説明する説明図である。 同実施形態の変形例による図8の変更点を説明するフローチャートである。 同実施形態の変形例による図8の変更点を説明するフローチャートである。 同実施形態の変形例による効果を説明する説明図である。 同実施形態の変形例による効果を説明する説明図である。 同実施形態において特定通電モードを変更した場合を説明する説明図である。 同実施形態において特定通電モードを変更した場合を説明する説明図である。 ロータ磁極位置に対する誘起電圧和の変化を説明する説明図である。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
図1は、本発明に係る3相ブラシレスモータの駆動装置の一例として、エンジンの冷却システムにおいて、冷媒を圧送する電動ウォータポンプの駆動源である3相ブラシレスモータに適用した例を示す。
車両に搭載されたエンジン10のシリンダブロック、シリンダヘッドなどを冷却する冷媒である冷却水は、第1の冷却水通路12を介して、電動式のラジエータファン14が併設されたラジエータ16に導かれる。ラジエータ16に導かれた冷却水は、フィンが取り付けられたラジエータコアを通過するときに外気と熱交換をし、その温度が低下する。そして、ラジエータ16を通過することで温度が低下した冷却水は、第2の冷却水通路18を介してエンジン10へと戻される。
また、エンジン10から排出された冷却水がラジエータ16をバイパスするように、第1の冷却水通路12と第2の冷却水通路18とは、バイパス通路20を介して連通接続されている。バイパス通路20の下流端と第2の冷却水通路18との接合箇所には、バイパス通路20の通路面積を全開から全閉までの間で多段階又は連続的に開閉する電制サーモスタット22が配設されている。電制サーモスタット22は、例えば、駆動回路を介してPWM信号のデューティ(デューティ比)に応じて駆動される内蔵ヒータにより、同じく内蔵されたワックスが熱膨張することを利用して弁を開閉する開閉弁として構成することができる。従って、電制サーモスタット22をデューティにより制御することで、ラジエータ16を通過する冷却水の割合を変化させることができる。
第2の冷却水通路18の下流端と電制サーモスタット22との間には、エンジン10とラジエータ16との間で冷却水を強制的に循環させる、機械式ウォータポンプ24及び電動ウォータポンプ26が夫々配設されている。機械式ウォータポンプ24は、エンジン10の冷却水入口を塞ぐように取り付けられており、例えば、エンジン10のカムシャフトによって駆動される。電動ウォータポンプ26は、アイドルストップ機能によりエンジン10が停止した場合にも冷却性能を発揮あるいは暖房機能を維持できるようにすべく、エンジン10とは異なる駆動源である、後述のブラシレスモータ100によって駆動され、車両の電力系統は、アイドルストップ中においても、電動ウォータポンプ26を駆動できるように構成されている。
ラジエータファン14、電制サーモスタット22、及び電動ウォータポンプ26の駆動を制御する制御系として、エンジン10から排出される冷却水の温度(冷却水温度)を検出する冷却水温度検出手段としての水温センサ28、車速を検出する車速センサ30、外気温を検出する温度センサ32、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ34、エンジン負荷を検出する負荷センサ36が取り付けられている。そして、水温センサ28、車速センサ30、温度センサ32、回転速度センサ34及び負荷センサ36の出力信号は、コンピュータを内蔵したエンジンコントロールユニット(以下、「ECU」という)38に入力され、そのROM(Read Only Memory)などに記憶された制御プログラムに従って、ラジエータファン14、電制サーモスタット22及び電動ウォータポンプ26が制御される。
なお、本実施形態では、ブラシレスモータ100は、エンジン10を冷却する冷却システムに組み込まれた電動ウォータポンプ26を駆動しているが、この他、自動変速機用の油圧ポンプシステムに組み込まれた電動オイルポンプを駆動するものであってもよく、ブラシレスモータ100が駆動する対象機器を電動ウォータポンプ26に限定するものではない。
図2は、電動ウォータポンプ26を駆動するブラシレスモータ100、及びブラシレスモータ100を駆動する駆動装置であるモータ制御装置200の一例を示す回路図である。
ブラシレスモータ100は、3相DC(Direct Current)ブラシレスモータであり、スター結線したU相、V相及びW相の3相巻線110u、110v、110wを、図示省略した円筒状のステータ(固定子)に備え、該ステータの中央部に形成した空間にロータ(永久磁石回転子)120を回転可能に備えている。
モータ制御装置200は、モータ駆動回路210と、制御ユニット220と、を備えている。
モータ駆動回路210は、逆並列のダイオード212a〜212fを含んでなるスイッチング素子214a〜214fを3相ブリッジ接続した回路を有しており、電源230と接続されている。スイッチング素子214a〜214fは、例えば、FET又はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等、電力制御の用途に用いられる半導体素子で構成されている。
制御ユニット220は、ECU38との間でCAN(Controller Area Network)等を介して通信を行うように構成され、A/D変換器や、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing Unit)又はマイクロプロセッサ等を備えたマイクロコンピュータ(マイコン)を有している。
制御ユニット220は、U相巻線110uの端子112uにおける端子電圧Vu、V相巻線110vの端子112vにおける端子電圧Vv、及びW相巻線110wの端子112wにおける端子電圧Vwを検出できるように構成されている。
なお、端子電圧Vu,Vv,Vwは、厳密には、各端子112u,112v,112wとグランドGNDとの間の電圧であるが、本実施形態では、中性点の電圧を検出し、各端子112u,112v,112wとグランドGNDとの間の電圧から中性点の電圧を減算した値を端子電圧Vu,Vv,Vwとしている。
また、制御ユニット220には、スイッチング素子214a〜214fの制御端子(例えば、ゲート端子)が接続され、制御ユニット220は、スイッチング素子214a〜214fのオン・オフをパルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)によって制御する制御信号(ゲート信号)を出力することで、ブラシレスモータ100に印加する電圧を制御している。
PWM制御においては、三角波で設定されるキャリア信号の値(電圧レベル)と、印加電圧の指令値に基づいて設定される指示信号の値(電圧レベル)と、を比較してPWM信号を生成することで、各スイッチング素子214a〜214fをオン・オフさせるタイミングを検出している。
制御ユニット220によるブラシレスモータ100の駆動制御は、ロータ120の位置情報を検出するセンサを用いないセンサレスで行われ、更に、制御ユニット220は、センサレス駆動方式をモータ回転速度に応じて正弦波駆動方式と矩形波駆動方式とに切り替える。
正弦波駆動方式は、各相に正弦波電圧を加えてブラシレスモータ100を駆動する方式である。この正弦波駆動方式では、ロータ120が回転することによって発生する誘起電圧(速度起電圧)からロータ120の位置を検出する一方、速度起電圧によるロータ120の位置の検出周期の間で、モータ回転速度に基づきロータ120の位置を推定し、推定したロータ120の位置とPWMデューティとから3相出力設定値を算出し、相間電圧の差で電流の向きと強さとを制御して3相交流電流を各相に流す。
また、矩形波駆動方式は、3相のうちでパルス電圧を印加する2相の選択パターン(通電モード)をロータ120の所定回転位置毎に順次切り替えることでブラシレスモータ100を駆動する方式である。この矩形波駆動方式では、通電相に対するパルス電圧(パルス状の電圧)の印加により非通電相に発生するパルス誘起電圧からロータ120の角度位置情報を得て、通電モードの切り替えタイミングである角度位置を検出する。
ここで、正弦波駆動方式において位置検出のために検出する速度起電圧は、モータ回転速度の低下に伴って出力レベルが減少して感度が低下するため、低回転速度域では位置検出の精度が低下する。一方、矩形波駆動方式において位置検出のために検出するパルス誘起電圧は、モータ停止状態を含む低回転速度域においても検出可能であり、低回転速度域でも位置検出の精度を維持できる。
そこで、制御ユニット220は、正弦波駆動方式で位置情報を十分な精度で検出できる高回転速度域、つまり、設定回転速度よりもモータ回転速度が高い領域では、正弦波駆動方式でブラシレスモータ100を制御する、いわゆる高速センサレス制御を行う。
また、制御ユニット220は、正弦波駆動方式では十分な精度で位置情報を検出できない低回転速度域では、矩形波駆動方式でブラシレスモータ100を制御する、いわゆる低速センサレス制御を行う。なお、正弦波駆動方式では十分な精度で位置情報を検出できない低回転速度域には、設定回転速度よりも低いモータ回転速度域、及び、モータ起動時が含まれる。
さらに、制御ユニット220は、ブラシレスモータ100のPWM制御において、例えば、モータ回転速度の検出値と目標モータ回転速度との偏差に応じてPWM制御のデューティ比を決定して、実際のモータ回転速度を目標モータ回転速度に近づける、フィードバック制御を行っている。
図3は、制御ユニット220のうち、矩形波駆動方式による低速センサレス制御に関する部分を例示する機能ブロック図である。
制御ユニット220は、印加電圧演算部232、PWM信号生成部234、ゲート信号切替部236、通電モード決定部238、比較部240、電圧閾値切替部242、電圧閾値学習部244、非通電相電圧選択部246を備えている。
印加電圧演算部232は、ECU38から冷却水温度データを受信し、受信した冷却水温度データに基づいて、ブラシレスモータ100の目標回転速度を演算する。そして、演算された目標回転速度と実際の回転速度である実回転速度との偏差に基づいて、ブラシレスモータ100に対する印加電圧の指令値を演算する。PWM信号生成部234は、印加電圧の指令値に基づいてデューティ比を演算し、かかるデューティ比でパルス幅変調されたPWM信号を生成する。なお、制御ユニット220は、内部で印加電圧の指令値を演算せずに、ECU38で演算された印加電圧の指令値を受信するように構成されていてもよい。
通電モード決定部238は、モータ駆動回路210の通電モードを決定するモード指令信号を出力するデバイスであり、後述の比較部240が出力するモード切替トリガ信号をトリガとして、通電モードを6通りに切り替える。
通電モードとは、ブラシレスモータ100のU相、V相、W相の3相のうちでパルス電圧を印加する2相の選択パターンを示し、図4(a)に示すようにU相からV相に向けて電流を流す第1通電モードM1、図4(b)に示すようにU相からW相に向けて電流を流す第2通電モードM2、図4(c)に示すようにV相からW相に向けて電流を流す第3通電モードM3、図4(d)に示すようにV相からU相に向けて電流を流す第4通電モードM4、図4(e)に示すようにW相からU相に向けて電流を流す第5通電モードM5、図4(f)に示すようにW相からV相に向けて電流を流す第6通電モードM6の6種類の通電モードからなる。なお、各相において、中性点Nに向かって流れる電流を正の電流といい、その逆の方向に流れる電流を負の電流というものとする。
図4に示すように、U相、V相及びW相の3相巻線110u、110v、110wにより励磁された磁束を合成してなる合成磁束φの推定方向を軸周りの電気角で示した推定角度に関して、第1通電モードM1で通電した場合の合成磁束φの推定角度を0degとすると、第2通電モードM2で通電した場合の合成磁束φの推定角度は60degとなり、第3通電モードM3で通電した場合の合成磁束φの推定角度は120degとなり、第4通電モードM4で通電した場合の合成磁束φの推定角度は180degとなり、第5通電モードM5で通電した場合の合成磁束φの推定角度は240degとなり、第6通電モードM6で通電した場合の合成磁束φの推定角度は300degとなる。
このように、通電モード決定部238が、6通りの通電モードを順次切り替えると、合成磁束φの推定角度が60degずつ回転する。ロータ120の磁極(例えばN極)は回転する合成磁束φによる磁気吸引力を受けるので、ロータ120は合成磁束φが回転する方向に回転し、これによりブラシレスモータ100が駆動する。以下、通電モード決定部238が通電モードを第1通電モードM1〜第6通電モードM6へ順次切り替えたときに、ロータ120が回転する方向を正回転方向とし、これと反対方向を逆回転方向とする。
また、図4に示すように、第1通電モードM1及び第4通電モードM4で通電した場合、非通電相であるW相の端子112wからは、端子電圧Vwとして、それぞれパルス誘起電圧VM1及びパルス誘起電圧VM4が検出され、第2通電モードM2及び第5通電モードM5で通電した場合、非通電相であるV相の端子112vからは、端子電圧Vvとして、それぞれパルス誘起電圧VM2及びパルス誘起電圧VM5が検出され、第3通電モードM3及び第6通電モードM6で通電した場合、非通電相であるU相の端子112uからは、端子電圧Vuとして、それぞれパルス誘起電圧VM3及びパルス誘起電圧VM6が検出される。
通電モード決定部238は、比較部240が出力するモード切替トリガ信号に応じて、ブラシレスモータ100のU相、V相、W相の3相のうちでパルス電圧を印加する2相の選択パターンが第1通電モードM1〜第6通電モードM6のいずれか1つとなるように指令するモード指令信号を出力する。
ゲート信号切替部236は、モータ駆動回路210の各スイッチング素子214a〜214fがどのような動作でスイッチングするかを、通電モード決定部238の出力であるモード指令信号と、PWM信号生成部234で生成されたPWM信号と、に基づいて決定し、該決定に従ってパルス状の6つのゲート信号をモータ駆動回路210に出力する。
電圧閾値切替部242は、通電モードの切り替えタイミングを検出するために、各通電モードで非通電相に生じるパルス誘起電圧VM1、VM2、VM3、VM4、VM5又はVM6のそれぞれについて設定された電圧閾値を、通電モードに応じて順次切り替える。電圧閾値を切り替えるタイミングは、通電モード決定部238で決定されたモード指令信号の変化による。
矩形波駆動方式では、図5に示すように、3相のうち通電される2相において、一方の相電流が正となるように正のパルス電圧(V)を印加し、他方の相電流が負となるように負のパルス電圧(−V)を印加する6通りの通電モードM1〜M6を、電気角60deg間隔で設定される切り替え角度位置で順次切り替えることで、ブラシレスモータ100を駆動している。
したがって、前述のように、第1通電モードM1で通電した場合に合成磁束φが生じると推定される推定角度を0degとした場合、電圧閾値は、第3通電モードM3から第4通電モードM4への切り替えでは、ロータ120の磁極の角度位置(磁極位置)が60degであるときに検出されるパルス誘起電圧VM3で設定され、第4通電モードM4から第5通電モードM5への切り替えでは、ロータ120の磁極位置が120degであるときに検出されるパルス誘起電圧VM4で設定され、第5通電モードM5から第6通電モードM6への切り替えでは、ロータ120の磁極位置が180degであるときに検出されるパルス誘起電圧VM5で設定され、第6通電モードM6から第1通電モードM1への切り替えでは、ロータ120の磁極位置が240degであるときに検出されるパルス誘起電圧VM6で設定され、第1通電モードM1から第2通電モードM2への切り替えでは、ロータ120の磁極位置が300degであるときに検出されるパルス誘起電圧VM1で設定されている。
非通電相電圧選択部246は、モード指令信号に従い、端子112u,112v,112wから検出された端子電圧Vu,Vv,Vwのうち非通電相の端子電圧を選択して入力し、比較部240及び電圧閾値学習部244に出力する。
非通電相電圧選択部246は、通電モード決定部238の出力であるモード指令信号と、PWM信号生成部234の出力であるPWM信号と、に基づいて、スイッチング素子214a〜214fのうち上アーム側及び下アーム側のそれぞれがオンとなっている期間を検出したうえで、この期間中に非通電相の端子電圧を検出する。
比較部240は、電圧閾値切替部242が出力する電圧閾値と、非通電相電圧選択部246で取得された非通電相の端子電圧と、を比較することで、通電モードの切り替えタイミング、換言すれば、ロータ120の磁極が通電モードを切り替える角度位置に達したか否かを検出し、切り替えタイミングを検出したときに通電モード決定部238に向けてモード切替トリガを出力する。
電圧閾値学習部244は、通電モードの切り替えタイミングの判定に用いる閾値を更新して記憶するデバイスである。
非通電相のパルス誘起電圧は、ブラシレスモータ100の製造ばらつき、電圧検出回路の検出ばらつきなどによって変動するため、電圧閾値を固定してしまうと通電モードの切り替えタイミングを誤って判定する可能性がある。
そこで、電圧閾値学習部244は、ロータ120の磁極が通電モードの切り替えを行う所定の角度位置にあるときにパルス誘起電圧を検出し、当該検出結果に基づいて電圧閾値切替部242が記憶する電圧閾値を修正する電圧閾値の学習処理を実施する。
図6は、制御ユニット220により、ブラシレスモータ100(電動ウォータポンプ26)の駆動制御処理を実行するメインルーチンのフローチャートを示す。
ステップS1001(図中、「S1001」と略記する。以下同様)で、制御ユニット220は、ブラシレスモータ100(電動ウォータポンプ26)の駆動条件が成立しているか否かを判断する。
例えば、ブラシレスモータ100の電源電圧が所定電圧を超えている、各種の診断処理でブラシレスモータ100やモータ駆動回路210について異常が検出されていない、ブラシレスモータ100の電源リレーがオンになっている、電動ウォータポンプ26の駆動要求がある、エンジン10の水温又は油温が所定温度以上である等を、ブラシレスモータ100の駆動条件に含めることができる。
制御ユニット220は、ステップS1001でブラシレスモータ100の駆動条件が成立していると判断すると、ステップS1002へ進み(Yes)、一方、ブラシレスモータ100の駆動条件が成立していないと判断された場合には、本メインルーチンにおける制御処理を終了する(No)。
ステップS1002では、ブラシレスモータ100の初期位置を推定する初期位置推定処理を実施する条件が成立しているか否かを判断する。
ここで、ロータ120の初期位置は、ブラシレスモータ100を起動する際に、ロータ120の停止状態における磁極位置、あるいは、初期位置推定処理を開始したときのロータ120の磁極位置(例えば、N極の位置)をいう。
初期位置推定処理を実施する条件としては、駆動指令が生じたときに、初期位置推定処理の開始から完了までの間に初期位置の推定に影響を与えるほどにロータ120が慣性回転していないことである。例えば、ブラシレスモータ100の回転速度が所定速度以下であること、あるいは、ロータ120が回転することによって発生する誘起電圧(速度起電圧)が所定電圧以下であることを条件としてもよい。
上記の所定速度は、初期位置の推定誤差を許容範囲内とすることができるモータ回転速度の上限値であり、前記所定電圧は、モータ回転速度が上限値であるときに発生する誘起電圧(速度起電圧)である。ここで、所定速度は、ロータ120が停止状態である0rpmであるか、あるいは、初期位置推定処理に要する時間中においてロータ120の磁極位置変化が十分に小さい極低回転速度である。
制御ユニット220は、ステップS1002において初期位置推定処理を実施する条件が成立していないと判断した場合にはステップS1002の処理を繰り返し、初期位置推定処理を実施する条件が成立していると判断するとステップS1003へ進む。
なお、制御ユニット220は、ステップS1002において初期位置推定処理を実施する条件が成立していないと判断した場合、初期位置の推定が不能であると判断し、所定の通電モードで強制的な通電を連続的に行ってロータ120の回転速度を所定速度以下に低下させる回転速度低下処理を実施してもよい。かかる回転速度低下処理を実施した場合には、再度ステップS1002を実施して、初期位置推定処理を実施する条件が成立しているか否かを判断する。
ステップS1003では、制御ユニット220が、ロータ120の初期位置を推定する初期位置推定処理を実施し、この初期位置推定処理で推定した初期位置に応じて、センサレス制御によるブラシレスモータ100の駆動を円滑に開始するための駆動開始処理を実施する。ステップS1003における処理内容の詳細については後述する。
駆動開始処理の実施によりロータ120の回転が開始することでブラシレスモータ100が起動し、ステップS1004において、前述したセンサレス制御、つまり、低回転速度域では矩形波駆動方式、高回転速度域では正弦波駆動方式でブラシレスモータ100を駆動する。
図7及び図8のフローチャートに示したルーチンは、図6のフローチャートのステップS1003における初期位置推定処理及び駆動開始処理の詳細を示す。
初期位置推定処理の概略から説明する。まず、各通電モードによる通電を順次行ったときに、非通電相(開放相)に生じるパルス誘起電圧VM1、VM2、VM3、VM4、VM5又はVM6を検出し、非通電相が共通する2つの通電モード間でパルス誘起電圧の差分をそれぞれ算出する。換言すれば、ブラシレスモータ100の任意の2相のうち一方の電流が正となる通電が行われるときに検出される非通電相のパルス誘起電圧と上記一方の電流が負となる通電が行われるときに検出される非通電相のパルス誘起電圧との差分である誘起電圧差について、各相を非通電相にして3つのパルス誘起電圧差を演算する。演算された3つのパルス誘起電圧の差分の大小関係に基づいて、電気角1周期分を6等分した6つの角度領域のうち、ロータ120の初期位置を含むと推定される2つの角度領域を選択する。2つの角度領域を選択した後、後述する所定の制御処理を行うことで、2つの角度領域のうち、ロータ120の初期位置を含む1つの角度領域を特定する。
ステップS2001では、PWM信号生成部234が、初期位置推定処理において非通電相のパルス誘起電圧を検出するための誘起電圧検出用のデューティ比を強制的に設定し、このデューティ比のPWM信号をゲート信号切替部236へ送るとともに、通電モード決定部238が、比較部240からのモード切替トリガ信号にかかわらず、強制的に第1通電モードM1を指令するモード指令信号をゲート信号切替部236へ送って、第1通電モードM1での通電を開始する。
誘起電圧検出用のデューティ比は、初期位置指定処理に影響を与えない程度(例えば、ロータ120の初期位置を含む角度領域の特定に影響を与えない程度)にロータ120の回転を抑えつつ、パルス誘起電圧を検出可能なデューティ比である。パルス誘起電圧が検出可能なデューティ比は、例えば、通電相に印加されるパルス電圧の立ち上がりにおけるパルス誘起電圧の振れ(リンギング)時間及びA/D変換時間等を考慮して、パルス誘起電圧VM1〜VM6の検出が可能なタイミングを確保できるように設定される。
そして、次のステップS2002では、通電開始からの時間が所定時間に達したか否かを判定する。かかる所定時間は、通電モード切り替え後の還流の影響を考慮した還流考慮時間であり、還流の影響が十分に小さくなってから次のステップS2003においてパルス誘起電圧を検出するようにしている。
制御ユニット220がステップS2002で通電開始からの時間が所定時間に達したと判定した場合には、ステップS2003へ進み(Yes)、非通電相電圧選択部246により、第1通電モードM1における非通電相であるW相に生じているパルス誘起電圧VM1を検出してRAM(Random Access Memory)等に記憶する。一方、ステップS2002で通電開始からの時間が所定時間に達していないと判定した場合には、ステップS2001へ戻る(No)。
制御ユニット220は、上記のステップS2001〜ステップS2003と同様の処理を、他の通電モードM2〜M6についても実施して非通電相に生じているパルス誘起電圧VM2、VM3、VM4、VM5及びVM6を検出してRAM等に記憶する。つまり、制御ユニット220は、非通電相に生じているパルス誘起電圧のデータを記憶する度に通電モードを順次切り替えて、各通電モードにおける非通電相のパルス誘起電圧VM1、VM2、VM3、VM4、VM5又はVM6を検出してRAM等に記憶する。
制御ユニット220は、ステップS2004〜ステップS2006において第2通電モードM2で通電を行って非通電相であるV相に生じているパルス誘起電圧VM2を検出・記憶し、ステップS2007〜ステップS2009において第3通電モードM3で通電を行って非通電相であるU相に生じているパルス誘起電圧VM3を検出・記憶し、ステップS2010〜ステップS2012において第4通電モードM4で通電を行って非通電相であるW相に生じているパルス誘起電圧VM4を検出・記憶し、ステップS2013〜ステップS2015において第5通電モードM5で通電を行って非通電相であるV相に生じているパルス誘起電圧VM5を検出・記憶し、ステップS2016〜ステップS2018において第6通電モードM6で通電を行って非通電相であるU相に生じているパルス誘起電圧VM6を検出・記憶する。
なお、図7のステップS2001〜ステップS2018に示したように、各通電モードにおける非通電相に生じたパルス誘起電圧の検出・記憶では、ブラシレスモータ100の起動後のセンサレス制御における通電モードの切り替え順と同様に、第1通電モードM1〜第6通電モードM6の6通りの通電モードを順次切り替えている。しかし、初期位置推定処理において非通電相のパルス誘起電圧を検出・記憶する際には、ロータ120を極力回転させないようにすることが要求されるため、ロータ120の回転抑制をより確実にすべく、初期位置推定処理における誘起電圧検出専用の切り替え順順で通電モードを切り替えることができる。
図4に示すように、第3通電モードM3ではV相からW相に向けて電流を流し、第6通電モードM6ではW相からV相に向けて電流を流すため、合成磁束φの推定角度はそれぞれ120degと300degとなって、極対数が1であれば相互に逆向きの関係となる。同様に、第4通電モードM4と第1通電モードM1とでは、合成磁束φの推定角度が相互に逆向きとなり、第5通電モードM5と第2通電モードM2とでは、合成磁束φの推定角度が相互に逆向きとなる。
また、第6通電モードM6での合成磁束φの推定角度と第4通電モードM4での合成磁束φの推定角度とは120deg異なり、第1通電モードM1での合成磁束φの推定角度と第5通電モードM5での合成磁束φの推定角度とは120deg異なる。
2つの通電モード間で合成磁束φの推定角度が離れるにつれて、通電モードの切り替え時にロータ120に対する磁気吸引力も小さくなるので、初期位置推定処理におけるパルス誘起電圧の検出・記憶では、例えば、第3通電モードM3→第6通電モードM6→第4通電モードM4→第1通電モードM1→第5通電モードM5→第2通電モードM2の順で通電モードの切り替えを行ってもよい。
制御ユニット220は、ステップS2001〜ステップS2018のように、各通電モードにおいて非通電相に生じるパルス誘起電圧VM1、VM2、VM3、VM4、VM5及びVM6を検出・記憶すると、次にステップS2019へ進み、非通電相が共通する2つの通電モード間でパルス誘起電圧の差分(以下、「誘起電圧差」という)D1-4,D5-2,D3-6を、それぞれ以下のようにして演算する。
1-4=VM1−VM4
5-2=VM5−VM2
3-6=VM3−VM6
ここで、各通電モードでパルス電圧を印加したときに非通電相に生じるパルス誘起電圧VM1、VM2、VM3、VM4、VM5及びVM6は、ロータ120の磁極位置に対して、例えば、図9(a)〜(f)に示されるように変化する。このパルス誘起電圧VM1、VM2、VM3、VM4、VM5及びVM6から、前述のように、誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6を求めると、図9(g)において、誘起電圧差D1-4(図中の実線)、誘起電圧差D5-2(図中の破線)、誘起電圧差D3-6(図中の一点鎖線)は、1周期中においてSIN波のように顕著に2回振れる位相差120degの3つの波形となる。
図9(g)において、例えば、ロータ120の磁極位置が約15〜約75degの角度領域(以下、便宜上、「角度領域R30」という。以下同様)では、第1通電モードM1でのパルス誘起電圧VM1から第4通電モードM4でのパルス誘起電圧VM4を減算した誘起電圧差D1-4が、誘起電圧差D5-2及び誘起電圧差D3-6よりも大きく最大値となっていることがわかる。
同様に、ロータ120の磁極位置が約75〜約135degの角度領域(角度領域R90)では、第5通電モードM5でのパルス誘起電圧VM5から第2通電モードM2でのパルス誘起電圧VM2を減算した誘起電圧差D5-2が、誘起電圧差D1-4及び誘起電圧差D3-6よりも大きく最大値となり、ロータ120の磁極位置が約135deg〜約195degの角度領域(角度領域R150)では、第3通電モードM3でのパルス誘起電圧VM3から第6通電モードM6でのパルス誘起電圧VM6を減算した誘起電圧差D3-6が、誘起電圧差D1-4及び誘起電圧差D5-2よりも大きく最大値となっている。
また、ロータ120の磁極位置が約195deg〜約255degの角度領域(角度領域R210)では、再び、誘起電圧差D1-4が最大値となり、ロータ120の磁極位置が約255deg〜約315degの角度領域(角度領域R270)では、再び、誘起電圧差D5-2が最大値となり、ロータ120の磁極位置が約315deg〜約15degの角度領域(角度領域R330)では、再び、誘起電圧差D3-6が最大値となる。
したがって、誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6のうちの1つが最大値となる角度領域は略60deg毎に順次入れ替わるので、誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6のうちのいずれが最大値であるかによって、ロータ120の初期位置を含む角度領域(以下、「初期位置領域」という)Rが、6つの角度領域R30,R90,R150,R210,R270及びR330のうち、位相差180degの2つの角度領域であると判断できる。
制御ユニット220は、ステップS2019で誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6を演算すると、ステップS2020へ進み、誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6のうち最大値Dmaxを求める。
そして、制御ユニット220は、ステップS2021で、誘起電圧差D1-4が最大値Dmaxであるか否かを判定し、誘起電圧差D1-4が最大値Dmaxであると判定した場合にはステップS2022へ進んで(Yes)、初期位置領域Rとして、6つの角度領域R30,R90,R150,R210,R270及びR330のうち2つの角度領域R30及びR210を選択する。
一方、制御ユニット220は、ステップS2021で、誘起電圧差D1-4が最大値Dmaxでないと判断した場合にはステップS2030へ進み(No)、誘起電圧差D5-2が最大値Dmaxであるか否かを判定する。
制御ユニット220は、ステップS2030で、誘起電圧差D5-2が最大値Dmaxであると判定した場合には、ステップS2031へ進んで(Yes)、初期位置領域Rとして、6つの角度領域R30,R90,R150,R210,R270及びR330のうち2つの角度領域R90及びR270を選択する。
一方、制御ユニット220は、ステップS2030で、誘起電圧差D5-2が最大値Dmaxでないと判定した場合にはステップS2039へ進み(No)、誘起電圧差D3-6が最大値Dmaxであるか否かを判定する。
制御ユニット220は、ステップS2039で、誘起電圧差D3-6が最大値Dmaxであると判定した場合には、ステップS2040へ進んで(Yes)、初期位置領域Rとして、6つの角度領域R30,R90,R150,R210,R270及びR330のうち2つの角度領域R150又はR330を選択する。
一方、制御ユニット220は、ステップS2039で、誘起電圧差D3-6が最大値Dmaxでないと判定した場合には、誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6のうちのいずれが最大値Dmaxであるかを判定できないことを意味するため、非通電相に生じるパルス誘起電圧VM1、VM2、VM3、VM4、VM5及びVM6のデータを再度取得すべく、ステップS2001へ戻る(No)。
なお、制御ユニット220は、ステップS2039で誘起電圧差D3-6が最大値Dmaxでないと判定した場合には、ステップS2001へ戻る代わりに、初期位置推定処理が不能であると判断して、所定の通電モード(例えば、第3通電モードM3)で強制的な通電を連続的に行ってロータ120の磁極位置を所定の角度範囲(例えば、120deg及びその近傍値)に収束させる位置決め処理を実施した後、次の所定の通電モード(例えば、第4通電モードM4又は第5通電モードM5)で通電を行って、ステップS1004のセンサレス制御に移行してもよい。
ところで、誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6の演算と併せて、非通電相が共通する2つの通電モード間でパルス誘起電圧VM1〜VM6を加算して得られる3つの誘起電圧和S1+4(=VM1+VM4),S5+2(=VM5+VM2),S3+6(=VM3+VM6)を演算することで、3つの誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6の間の大小関係、及び3つの誘起電圧和S1+4,S5+2,S3+6の間の大小関係に基づいて、ロータ120の初期位置領域Rを一意的に特定することも考えられる。
しかし、ブラシレスモータ100の磁気回路特性によっては、図26に例示されるように、ロータ120の磁極位置に対して、特に誘起電圧和の変動幅が小さくなるため、3つの誘起電圧和S1+4,S5+2,S3+6の間で大小関係を明確に判定しにくくなることがある。その結果、ロータ120の初期位置を推定する推定精度が低下するので、ロータ120が逆回転方向へ回転するなど、ブラシレスモータ100を正常に起動できなくなるおそれがある。
このため、本実施形態では、前述のように、3つの誘起電圧和S1+4,S5+2,S3+6を演算せずに、非通電相が共通する2つの通電モード間で3つの誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6を演算し、3つの誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6のうちのいずれが最大値となるかによって、初期位置領域Rが、6つの角度領域R30,R90,R150,R210,R270及びR330のうち2つの角度領域であると判断し、そして、後述するように、所定通電モードで通電を行ったときに非通電相に生じるパルス誘起電圧の変化に基づいて、初期位置領域Rを、2つの角度領域から1つの角度領域に特定するようにしている。
図10は、初期位置領域Rを1つに特定する特定方法を示している。
図10(a)に示すように、誘起電圧差D1-4が最大値Dmaxである場合、初期位置領域Rとして2つの角度領域R30及びR210が選択される。
これに対し、初期位置領域Rを1つの角度領域に特定するための通電モードである特定通電モード(所定通電モード)として第3通電モードM3で通電を行うと、角度領域R30と角度領域R210との間に推定角度120degの合成磁束φが生じ(図4(c)参照)、ロータ120の磁極は、初期位置から推定角度120degの合成磁束φへ引き寄せられて回転を始める。
ここで、図10(b)に示すように、特定通電モードとして第3通電モードM3で通電したとき、角度領域R30では非通電相に生じたパルス誘起電圧VM3はロータ120が正回転方向に回転したときに単調に減少し、角度領域R210では非通電相に生じたパルス誘起電圧VM3はロータ120が逆回転方向に回転したときに単調に増加することが既知である。
したがって、特定通電モード(M3)の通電で、パルス誘起電圧VM3の検出値が減少すれば、ロータ120の初期位置は2つの角度領域R30又はR210のうち角度領域R30に含まれると推定することができ、一方、パルス誘起電圧VM3の検出値が増加すれば、ロータ120の初期位置は2つの角度領域R30又はR210のうち角度領域R210に含まれると推定することができ、これにより、初期位置領域Rを1つに特定することが可能となる。
制御ユニット220が、ステップS2022で、初期位置領域Rとして2つの角度領域R30及び角度領域R210が選択されると、次のステップS2023では、選択された2つの角度領域R30及び角度領域R210の間に推定角度120degの合成磁束φを生じさせて、初期位置領域Rを2つの角度領域R30及び角度領域R210から1つに特定すべく、第3通電モードM3による通電を所定時間tに達するまで行う。
特定通電モードとしての第3通電モードM3による通電は、例えば、図3において、PWM信号生成部234が、PWM信号のディーティ比を、特定通電モードによる通電におけるデューティ比(以下、「特定通電デューティ比」という)に強制的に設定してPWM信号を生成し、このPWM信号を所定時間tに達するまでゲート信号切替部236へ送るとともに、通電モード決定部238が、比較部240からのモード切替トリガ信号にかかわらず、強制的に第3通電モードM3を指令するモード指令信号を所定時間tに達するまでゲート信号切替部236へ送ることで行われる。
特定通電デューティ比は、初期位置推定処理及び駆動開始処理が終了した後のセンサレス制御において脱調が発生しないように、ロータ120の磁極が特定通電モードの通電で生じた合成磁束φの推定角度120degに向けて緩やかに回転し、かつ、通電相に印加されるパルス電圧の立ち上がりにおけるパルス誘起電圧VM3の振れ(リンギング)時間及びA/D変換時間等を考慮して、パルス誘起電圧VM3を検出可能なデューティ比(固定値)である。
また、所定時間tは、設定された特定通電デューティ比に応じて、初期位置推定処理及び駆動開始処理が終了した後のセンサレス制御において脱調が発生しないように、ロータ120の磁極が合成磁束φの推定角度120degに向けて僅かに回転するような値に設定される。
例えば、所定時間tは、ロータ120の初期位置が2つの角度領域R30又はR210のうちいずれの角度領域に含まれるかを明確に判定するために、ロータ120が正回転方向に回転したときに第3通電モードM3で通電したときの非通電相に生じたパルス誘起電圧VM3が単調に増加し、又は、ロータ120が逆回転方向に回転したときにパルス誘起電圧VM3が減少する角度範囲内で、ロータ120の回転が収まるように設定することができる。
特定通電デューティ比は、前述のように固定値として設定されてもよいが、電動ウォータポンプ26や冷却システムの冷却水等の状態によっては、固定値として設定された特定通電デューティ比では回転トルクが不足してロータ120が回転しないことも考えられる。この場合には、パルス誘起電圧VM3が変化しないため、2つの角度領域R30及び角度領域R210から初期位置領域Rを1つに特定することができないおそれがある。
そこで、図11に示すように、印加電圧演算部232は、特定通電モードにおける印加電圧の指令値を、強制的かつ段階的に、下限電圧から上昇させることで、PWM信号生成部234において特定通電デューティ比の値が段階的に増大するようにしてもよい。
下限電圧は、冷却システムにおける冷却水の温度が高い等、ブラシレスモータ100の負荷が最も軽くなると想定される状況で、ロータ120を回転させることができる下限の電圧である。かかる下限電圧を特定通電モードにおける印加電圧として算出される特定通電デューティ比は、前述のパルス誘起電圧VM3を検出可能な最小のデューティ比として設定されてもよい。
印加電圧演算部232が、特定通電モードにおける印加電圧を、強制的かつ段階的に、下限電圧から上昇させることで、PWM信号生成部234が特定通電デューティ比を段階的に増大させた場合、パルス誘起電圧VM3に変化が生じたときには、ロータ120が回転していると判断できるので、そのときの印加電圧(あるいは特定通電デューティ比)を保持する。
一方、図12に示すように、印加電圧演算部232が、特定通電モードにおける印加電圧を、強制的かつ段階的に、下限電圧から上昇させても、パルス誘起電圧VM3に変化が生じず、印加電圧が上限電圧に達してしまった場合には、印加電圧を下限電圧未満(例えば、0[V])に低下させる。
上限電圧は、電動ウォータポンプ26の異物噛み込み、あるいは、冷却システムにおける冷却水の凍結等、ブラシレスモータ100の耐熱保護等の観点から通電が制限される電圧である。
印加電圧演算部232が特定通電モードにおける印加電圧を下限電圧から段階的に上昇させたときに、印加電圧が上限電圧にまで達してしまう現象が、1回又は複数回連続して起こった場合には、ロータ120の初期位置が推定不能であると判断して、ブラシレスモータ100の起動を中止してもよい。
なお、印加電圧演算部232は、パルス誘起電圧VM3の変化が生じるまで印加電圧を段階的に上昇させる代わりに、印加電圧を徐々に(連続的に)上昇させるようにしてもよい。
制御ユニット220は、ステップS2023において、特定通電モードとして第3通電モードM3の通電を行うと、次のステップS2024では、通電モード切り替え後の還流の影響を考慮した還流考慮時間(ステップS2002参照)の経過後、非通電相であるU相に生じたパルス誘起電圧VM3を複数回検出する。
そして、制御ユニット220は、ステップS2025において、複数回検出したパルス誘起電圧VM3を比較して、パルス誘起電圧VM3が減少しているか否かを判定し、パルス誘起電圧VM3が減少していると判定した場合には、ステップS2026に進み(Yes)、初期位置領域Rを角度領域R30に特定する(R=R30)。一方、ステップS2025で、パルス誘起電圧VM3が増加していると判定した場合には、ステップS2027へ進み(No)、初期位置領域Rを角度領域R210に特定する(R=R210)。これにより、ロータ120の初期位置は、1つの角度領域に特定された初期位置領域Rに含まれると推定され、初期位置推定処理が終了する。
図13を参照して、制御ユニット220は、ステップS2030で誘起電圧差D5-2が最大値Dmaxであると判定された場合、前述のステップS2022〜ステップS2027と同様に、ステップS2031で初期位置領域Rとして2つの角度領域R90及びR270を選択する。次に、ステップS2032で、特定通電モードとして第1通電モードM1で通電を行って角度領域R90と角度領域R270との間に推定角度360deg(又は0deg)の合成磁束φを発生させ、これによりロータ120を回転させる。そして、ステップS2033で検出されたパルス誘起電圧VM1が減少したか否かをステップS2034において判定し、減少していると判定した場合にはステップS2035で初期位置領域Rを角度領域R270に特定する。一方、パルス誘起電圧VM1が増加していると判定した場合にはステップS2036で初期位置領域Rを角度領域R90に特定する。これにより、ロータ120の初期位置は、1つの角度領域に特定された初期位置領域Rに含まれると推定され、初期位置推定処理が終了する。
また、図14を参照して、制御ユニット220は、ステップS2039で誘起電圧差D3-6が最大値Dmaxであると判定された場合、前述のステップS2022〜ステップS2027と同様に、ステップS2040で初期位置領域Rとして2つの角度領域R150及びR330を選択する。次に、ステップS2041で、特定通電モードとして第5通電モードM5で通電を行って角度領域R150と角度領域R330との間に推定角度240degの合成磁束φを発生させ、これによりロータ120を回転させる。そして、ステップS2042で検出されたパルス誘起電圧VM5が減少したか否かをステップS2043で判定し、減少していると判定した場合にはステップS2044で初期位置領域Rを角度領域R150に特定する。一方、パルス誘起電圧VM5が増加していると判定した場合にはステップS2045で初期位置領域Rを角度領域R330に特定する。これにより、ロータ120の初期位置は、1つの角度領域に特定された初期位置領域Rに含まれると推定され、初期位置推定処理が終了する。
制御ユニット220は、初期位置推定処理を終了すると、センサレス制御によるブラシレスモータ100の駆動を円滑に開始するための駆動開始処理を実施する。
駆動開始処理では、初期位置推定処理によりロータ120の初期位置が含まれると推定される初期位置領域Rに応じて通電モードを決定し、この通電モードで強制的に所定時間Tの通電を行う。
このように駆動開始処理を実施するのは、初期位置推定処理を終了した段階で、直ちに矩形波駆動方式によるセンサレス制御に移行すると、ロータ120の磁極位置が通電モードを切り替える角度位置を既に超えてしまっている場合には、通電モード決定部238が、比較部240から通電モードの切り替えタイミングを知らせるモード切替トリガ信号を受け取ることができず、通電モードの切り替えをロータ120の磁極位置に応じて行えなくなるため、ロータ120が逆回転方向へ回転する等の脱調が発生するおそれがあるからである。
図15を参照して説明すると、ステップS2026で初期位置領域Rが角度領域R30に特定された場合、特定通電モードとして第3通電モードM3による通電を行っているので、合成磁束φを推定角度120degから推定角度180degへ変化させてロータ120を正回転方向に回転させるために、次に第4通電モードM4で通電を行うことになる。ところで、矩形波駆動方式によるセンサレス制御を行う場合には、図5に示すように、第3通電モードM3から第4通電モードM4へ切り替える切り替えタイミングは、ロータ120の磁極位置が60degとなったときである。しかし、初期位置推定処理が終了した段階では、ロータ120の磁極位置は、特定通電モード(第3通電モードM3)による通電前から、あるいは、通電後の回転により、60degを超えている可能性があるため、第3通電モードM3から第4通電モードM4への切り替えが不能となることがある。また、第5通電モードM5の通電によりセンサレス制御によるブラシレスモータ100の駆動を開始したとしても、初期位置領域Rにおけるロータ120の実際の初期位置によっては逆回転方向に回転してしまうおそれがある。
このため、制御ユニット220は、初期位置推定処理終了後のステップS2028において、最初の通電モード(以下、「第1開始通電モード」という)として、角度領域R30に特定された初期位置領域Rに応じて、特定通電モードである第3通電モードM3の次の第4通電モードM4を決定し、矩形波駆動方式による通電モードの切り替えによらずに、第1開始通電モードである第4通電モードM4により強制的に所定時間Tの通電を行う。
また、制御ユニット220は、ステップS2028において、第1開始通電モードとしての第4通電モードM4による所定時間Tの通電を行った後、第1開始通電モードの次の通電モード(以下、「第2開始通電モード」という)として第5通電モードM5に切り替えて、第5通電モードM5による所定時間Tの通電を行う。
要するに、制御ユニット220は、初期位置推定処理の終了後に、第1開始通電モードから第N開始通電モード(Nは1以上の整数)まで通電モードを所定時間T毎に順次切り替えて(切り替える場合はN≧2)、第N開始通電モードによる通電が終了したときに、センサレス制御によるブラシレスモータ100の駆動を円滑に開始できればよい。
第1開始通電モードとしての第4通電モードM4及び第2開始通電モードとしての第5通電モードM5による通電は、特定通電モードによる通電を行うときと同様に、PWM信号生成部234が、PWM信号のデューティ比を、第1開始通電モード及び第2開始通電モードによる通電におけるデューティ比(以下、「開始通電デューティ比」という)に強制的に設定してPWM信号を生成し、このPWM信号をそれぞれ所定時間Tに達するまでゲート信号切替部236へ送るとともに、通電モード決定部238が、比較部240からのモード切替トリガにかかわらず、強制的に第4通電モードM4又は第5通電モードM5を指令するモード指令信号をそれぞれ所定時間Tに達するまでゲート信号切替部236へ送ることで行われる。
開始通電デューティ比は、駆動開始処理が終了した後のセンサレス制御において脱調が発生しないように、ロータ120の磁極が、第1開始通電モードの通電による推定角度180degの合成磁束φに向けて、緩やかに回転するような値に設定され、例えば、特定通電デューティ比と同様の値であってもよい。
所定時間Tは、開始通電デューティ比の設定値に応じて設定され、ロータ120の磁極位置が、第1開始通電モード(M4)の通電終了時に、第4通電モードM4から第5通電モードM5への切り替え角度である120degを超えず、かつ、第2開始通電モード(M5)の通電終了時に、第5通電モードM5から第6通電モードM6への切り替え角度である180degを超えないような時間である。
図15に対し、図16に示すように、ステップS2027で初期位置領域Rが角度領域R210に特定された場合、直ちに矩形波駆動方式によるセンサレス制御に移行しても、ロータ120の磁極位置は、第3通電モードM3から第4通電モードM4への切り替え角度である60degを既に超えてしまっているので、特定通電モードである第3通電モードM3を第4通電モードM4へ切り替えることは不能である。
このため、制御ユニット220は、初期位置推定処理終了後のステップS2029において、角度領域R210に特定された初期位置領域Rに応じて、第1開始通電モードとして第5通電モードM5を決定し、矩形波駆動方式による通電モードの切り替えによらずに、第1開始通電モードである第5通電モードM5により強制的に所定時間Tの通電を行う。
また、制御ユニット220は、ステップS2029において、第1開始通電モードとしての第5通電モードM5による所定時間Tの通電を行った後、第1開始通電モードの次の通電モード(以下、「第2開始通電モード」という)として第6通電モードM6に切り替えて、第6通電モードM6による所定時間Tの通電を行う。なお、制御ユニット220が、第1開始通電モードから第N開始通電モード(Nは1以上の整数)までの通電を行うことができるのは、ステップS2028と同様である。
ここで、図16に示すように、第1開始通電モードとして第4通電モードM4で強制的に通電することも考えられるが、特定通電モードとして第3通電モードM3で通電したときのロータ120の回転後の磁極位置は、第4通電モードM4の通電により生じる合成磁束φの推定角度180degを超えていることもあるため、第4通電モードM4で通電すると、ロータ120が逆回転方向へ回転するおそれがある。したがって、第1開始通電モードとして第4通電モードM4を決定することは好ましくない。
また、図16に示すように、ロータ120を正回転方向に回転させるべく、第1開始通電モードとして、初期位置領域Rを超えた推定角度300degの合成磁束φを発生させる第6通電モードM6を決定することも考えられるが、本実施形態では、敢えて、初期位置領域R中に推定角度240degの合成磁束φを発生させる第5通電モードM5を決定している。その理由は、以下の通りである。
すなわち、図17(a)に示すように、初期位置領域Rとして2つの角度領域R30及びR210が選択され(R=R30及びR=R210)、特定通電モードとして第3通電モードM3による通電を行った場合、ロータ120の実際の初期位置が、角度領域R30のうち、第3通電モードM3の通電による合成磁束φの推定角度に近い角度位置であると、ロータ120が回転した回転後の角度位置によっては、パルス誘起電圧VM3が増加していると判定されることが想定される。そうすると、図17(b)に示すように、初期位置領域Rが誤って角度領域R210に特定されてしまう初期位置の誤特定が起こる。
そして、初期位置推定処理の終了後、ロータ120を正回転方向に回転させるべく、角度領域R210に誤特定された初期位置領域Rを超えた角度位置に合成磁束φを発生させる第6通電モードM6を第1開始通電モードとして決定して通電を行うと、特定通電モードによる通電でロータ120が回転した回転後の磁極位置が、第3通電モードM3による通電で生じた合成磁束φの推定角度120degを超えている可能性は比較的低いため、ロータ120が逆回転方向に回転してしまうおそれがある。
図17とは対照的に、図18(a)に示すように、特定通電モードとして第3通電モードM3による通電を行った場合、ロータ120の初期位置が、実際には、角度領域R210のうち、第3通電モードM3の通電により生じる合成磁束φの推定角度に近い角度位置であると、ロータ120の回転により、パルス誘起電圧が減少していると判定されることが想定される。そうすると、図18(b)に示すように、実際にはロータ120の初期位置が含まれない角度領域R30を、誤って初期位置領域Rとして特定してしまう初期位置の誤特定が起こる。
そして、初期位置推定処理後、ロータ120を正回転方向に回転させるべく、角度領域R30に誤特定された初期位置領域Rを超え、かつ、特定通電モードである第3通電モードの通電で生じた合成磁束φの推定角度を超えた角度位置に合成磁束φを発生させる第4通電モードM4を第1開始通電モードとして決定して通電を行っても、特定通電モードによる通電でロータ129が回転した回転後の磁極位置は、第4通電モードM4の通電により生じた合成磁束φの推定角度180degを超えている可能性は比較的低いため、ロータ120が正回転方向に回転する可能性は高い。
したがって、制御ユニット220は、角度領域R30に特定された初期位置領域Rが、特定通電モード(M3)により生じる合成磁束φの推定角度(120deg)に対して、逆回転方向にある場合には、駆動開始処理において、特定通電モード(M3)の次の通電モード(M4)から通電を行う一方、角度領域R210に特定された初期位置領域Rが、特定通電モード(M3)により生じる合成磁束φの推定角度(120deg)に対して、正回転方向にある場合には、駆動開始処理において、特定通電モード(M3)の次の通電モード(M4)を1つ飛ばした2番目の通電モード(M5)から通電を行うようにしている。
第1開始通電モード及び第2開始通電モードによる各通電時間を規定する所定時間Tは、初期位置領域Rを角度領域R30に特定した場合と初期位置領域Rを角度領域R210に特定した場合とで、同じ時間に設定することもできるが、特定通電モード(第3通電モードM3)の通電によりロータ120が回転した回転後の磁極位置と第1開始通電モードの通電により生じる合成磁束φの推定角度との角度偏差に差異があることを考慮して、この角度偏差に応じて異なる時間に設定してもよい。
前述のステップS2028と同様に、ステップS2037の駆動開始処理では、ステップS2035で角度領域R270に特定された初期位置領域Rに応じて、第1開始通電モードとしての第2通電モードM2で所定時間Tの通電を行い、さらに、第2開始通電モードとしての第3通電モードM3で所定時間Tの通電を行う。
また、前述のステップS2028と同様に、ステップS2046の駆動開始処理では、ステップS2044で角度領域R150に特定された初期位置領域Rに応じて、第1開始通電モードとしての第6通電モードM6で所定時間Tの通電を行い、さらに、第2開始通電モードとしての第1通電モードM1で所定時間Tの通電を行う。
前述のステップS2029と同様に、ステップS2038の駆動開始処理では、ステップS2036で角度領域R90に特定された初期位置領域Rに応じて、第1開始通電モードとしての第3通電モードM3で所定時間Tの通電を行い、さらに、第2開始通電モードとしての第4通電モードM4で所定時間Tの通電を行う。
また、前述のステップS2029と同様に、ステップS2047の駆動開始処理では、ステップS2045で角度領域R330に特定された初期位置領域Rに応じて、第1開始通電モードとしての第1通電モードM1で所定時間Tの通電を行い、さらに、第2開始通電モードとしての第2通電モードM2で所定時間Tの通電を行う。
以上のように構成されたモータ制御装置200では、制御ユニット220が、ロータ120を回転させないようにして各通電モードによる通電を順次行って、各通電モードで非通電相に生じるパルス誘起電圧VM1、VM2、VM3、VM4、VM5及びVM6を検出することで、非通電相が共通する2つの通電モード間でパルス誘起電圧の差分(誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6)をそれぞれ算出している。そして、制御ユニット220は、算出された3つの誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6の大小関係に基づいて、ロータ120の初期位置を含むと推定される初期位置領域Rとして2つの角度領域を選択し、選択された2つの角度領域に応じて決定された特定通電モードにより通電を行ってロータ120を回転させ、回転に伴って非通電相に生じるパルス誘起電圧の変化に基づいて、初期位置領域Rを1つの角度領域に特定している。
これに対し、3つの誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6の演算と併せて、前述のように3つの誘起電圧和S1+4,S5+2,S3+6を演算することで、3つの誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6の間の大小関係、及び3つの誘起電圧和S1+4,S5+2,S3+6の間の大小関係に基づいて、ロータ120の初期位置領域Rを一意的に特定することも考えられるが、ブラシレスモータ100の磁気回路特性によっては、3つの誘起電圧和S1+4,S5+2,S3+6が小さくなって大小関係を明確に判定しにくくなる。
しかし、モータ制御装置200では、誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6が誘起電圧和S1+4,S5+2,S3+6に比べブラシレスモータ100の磁気回路特性による影響を受けにくいことに着目して、3つの誘起電圧和S1+4,S5+2,S3+6を利用せず、3つの誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6の大小関係からロータ120の初期位置を推定している。
したがって、本実施形態のモータ制御装置200によれば、磁気回路特性により誘起電圧和が比較的小さくなるブラシレスモータ100において、ロータ120の初期位置を推定する推定精度を、誘起電圧和S1+4,S5+2,S3+6の大小関係を利用する場合に比べて、向上させることができる。
次に、前述の実施形態に係るモータ制御装置200の変形例について説明する。なお、前述の実施形態と同一構成については、同一符号を付すことでその説明を省略又は簡潔にする。
前述の実施形態では、誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6のうちいずれが最大値Dmaxとなるかによって、ロータ120の初期位置を含むと推定される初期位置領域Rとして、角度領域R30及びR210、角度領域R90及びR270、角度領域R150及びR330の組み合せのいずれか1つを選択していた。
ところで、図19(a)に示すように、誘起電圧差D1-4が最大値Dmaxで、初期位置領域Rとして角度領域R30(例えば、15deg〜75deg)及び角度領域R210(例えば、195deg〜255deg)が選択された場合、角度領域R30のうち前半の角度領域R30L(例えば、15deg〜45deg)、及び、角度領域R210のうち前半の角度領域R210L(例えば、195deg〜225deg)では、誘起電圧差D5-2が最小値Dminとなり、角度領域R30のうち後半の角度領域R30H(例えば、45deg〜75deg)、及び、角度領域R210のうち後半の角度領域R210H(例えば、225deg〜255deg)では、誘起電圧差D3-6が最小値Dminとなっていることがわかる。
同様に、図19(b)に示すように、誘起電圧差D5-2が最大値Dmaxで、初期位置領域Rとして角度領域R90(例えば、75deg〜135deg)及び角度領域R270(例えば、255deg〜315deg)が選択された場合、角度領域R90のうち前半の角度領域R90L(例えば、75deg〜105deg)、及び、角度領域R270のうち前半の角度領域R270L(例えば、255deg〜285deg)では、誘起電圧差D3-6が最小値Dminとなり、角度領域R90のうち後半の角度領域R90H(例えば、105deg〜135deg)、角度領域R270のうち後半の角度領域R270H(例えば、285deg〜315deg)では、誘起電圧差D1-4が最小値Dminとなっていることがわかる。
同様に、図19(c)に示すように、誘起電圧差D3-6が最大値Dmaxで、初期位置領域Rとして角度領域R150(例えば、135deg〜195deg)及び角度領域R330(例えば、315deg〜15deg)が選択された場合、角度領域R150のうち前半の角度領域R150L(例えば、135deg〜165deg)、及び、角度領域R330のうち前半の角度領域R330L(例えば、315deg〜345deg)では、誘起電圧差D1-4が最小値Dminとなり、角度領域R150のうち後半の角度領域R150H(例えば、165deg〜195deg)、角度領域R330のうち後半の角度領域R330H(例えば、345deg〜15deg)では、誘起電圧差D5-2が最小値Dminとなっていることがわかる。
したがって、誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6の最大値Dmaxに加えて、誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6の最小値Dminを求めることができれば、角度領域R30に特定された初期位置領域Rはさらに角度領域R30Lと角度領域R30Hとに細分化して特定でき、角度領域R90に特定された初期位置領域Rはさらに角度領域R90Lと角度領域R90Hとに細分化して特定でき、角度領域R150に特定された初期位置領域Rはさらに角度領域R150Lと角度領域R150Hとに細分化して特定でき、角度領域R210に特定された初期位置領域Rはさらに角度領域R210Lと角度領域R210Hとに細分して特定でき、角度領域R270に特定された初期位置領域Rはさらに角度領域R270Lと角度領域R270Hとに細分化して特定でき、角度領域R330に特定された初期位置領域Rはさらに角度領域R330Lと角度領域R330Hとに細分化して特定できる。すなわち、誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6の最小値Dminを演算することで、1つの角度領域に特定された初期位置領域Rに対して、さらに、ロータ120の初期位置が初期位置領域Rの前半又は後半のいずれにあるかを示す最小初期位置領域(最小角度領域)Rminまで判別可能である。
図20及び図21は、それぞれ、図8のフローチャートに対する変更点を示している。
制御ユニット220は、前述の実施形態と同様に、初期位置推定処理において、特定通電モードの通電により非通電相に生じたパルス誘起電圧に基づいて、初期位置領域Rを1つの角度領域に特定している。しかし、本変形例では、誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6の最小値Dminに基づいて、ロータ120の初期位置が1つの角度領域に特定された初期位置領域Rの前半又は後半のいずれにあるかを示す最小初期位置領域Rminをさらに判別し、駆動開始処理において、第1開始通電モード及び第2開始通電モードの各開始通電モードの通電時間を規定する所定時間Tを、判別された最小初期位置領域Rminに応じて設定している点で前述の実施形態と異なる。
まず、制御ユニット220は、図20に示すように、ステップS2019で誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6を演算した後、ステップS2020aにおいて、誘起電圧差D1-4,D5-2,D3-6の最大値Dmaxに加え、最小値Dminを演算し、ステップS2021へ進み、その後、前述の実施形態と同様に、ステップS2026,ステップS2027,ステップS2035,ステップS2036,ステップS2044,ステップS2045において初期位置領域Rを1つの角度領域に特定する。
制御ユニット220は、図21(a)に示すように、ステップS2026で初期位置領域Rを角度領域R30に特定すると、ステップS2026aで、誘起電圧差D5-2が最小値Dminであるか否かを判定し、誘起電圧差D5-2が最小値Dminであると判定した場合にはステップS2026Lへ進んで(Yes)、最小初期位置領域Rminが初期位置領域R(角度領域R30)の前半の角度領域R30Lであると判別して、さらに、ステップS2028aへ進む。一方、ステップS2026aで、誘起電圧差D5-2が最小値Dminではないと判定した場合にはステップS2026bへ進む(No)。
制御ユニット220は、ステップS2026bで、誘起電圧差D3-6が最小値Dminであるか否かを判定し、誘起電圧差D3-6が最小値Dminであると判定した場合にはステップS2026Hへ進んで(Yes)、最小初期位置領域Rminが初期位置領域R(角度領域R30)の後半の角度領域R30Hであると判別して、さらに、ステップS2028bへ進む。一方、ステップS2026bで、誘起電圧差D3-6が最小値Dminではないと判定した場合には、誘起電圧差D5-2と誘起電圧差D3-6とが同じ値であり、ロータ120の初期位置が角度領域R30の前半と後半との間にあると判別して、ステップS2028cへ進む(No)。
制御ユニット220は、ステップS2028a〜ステップS2028cで駆動開始処理を実施し、前述のステップS2028と同様に、角度領域R30に特定された初期位置領域Rに応じて、第1開始通電モードを第4通電モードM4に決定し、第4通電モードM4による通電を所定時間Tに達するまで行う。
また、制御ユニット220は、ステップS2028a〜ステップS2028cにおいて、前述のステップS2028と同様に、第2開始通電モードとして第5通電モードM5による所定時間Tの通電を行う。なお、制御ユニット220が、第1開始通電モードから第N開始通電モード(Nは1以上の整数)までの通電を行うことができるのは、ステップS2028と同様である。
ここで、ステップS2028a、ステップS2028b、及びステップS2028cの間では、第4通電モードM4及び第5通電モードM5による各通電時間を規定する所定時間Tが異なり、ステップS2028aでは所定時間TaL、ステップS2028bでは所定時間TaH、ステップS2028cでは所定時間TaMであり、所定時間TaL,TaH,TaMは、所定時間TaH<所定時間TaM<所定時間TaLとなるように設定される。
このように所定時間TaL,TaH,TaMを設定するのは、以下の理由による。
すなわち、図22及び図23に示すように、初期位置領域Rが角度領域R30(例えば、15deg〜75deg)に特定された場合に、特定通電モード(第3通電モードM3)の通電により初期位置から回転したロータ120の磁極位置は、さらに、第1開始通電モードの通電(第4通電モードM4)による回転、及び、第2開始通電モード(第5通電モードM5)の通電による回転で移動する。
しかし、第2開始通電モード(第5通電モードM5)による通電後、矩形波駆動方式によるセンサレス制御で通電を開始するためには、ロータ120の磁極位置が、第5通電モードM5から第6通電モードM6へ通電モードを切り替える角度位置である180degを超えていない必要がある(図5参照)。
したがって、特定通電モード(第3通電モードM3)の通電によりロータ120が回転する回転角度が略一定であるとすると、図22に示すように、最小初期位置領域Rminが角度領域R30の前半の角度領域R30Lである(例えば、30degにある)場合に、特定通電モードの通電で回転した回転後のロータ120の磁極位置(例えば、60deg)から、矩形波駆動方式により第2開始通電モード(M5)を第6通電モードM6へ切り替える角度位置(180deg)までの許容回転角度θL(=180deg−60deg)と、図23に示すように、最小初期位置領域Rminが角度領域R30の後半の角度領域R30Hである(例えば、60degにある)場合に、特定通電モードの通電で回転した回転後のロータ120の磁極位置(例えば、90deg)から、矩形波駆動方式により第2開始通電モード(M5)を第6通電モードM6へ切り替える角度位置(180deg)までの許容回転角度θH(=180deg−90deg)と、を比較すると、許容回転角度θL>許容回転角度θHとなる。
要するに、開始通電デューティ比が同じであれば、最小初期位置領域Rminが角度領域R30の前半の角度領域R30Lである場合の第1開始通電モード及び第2開始通電モードにおける所定時間TaLと、最小初期位置領域Rminが角度領域R30の後半の角度領域R30Hである場合の第1開始通電モード及び第2開始通電モードにおける所定時間TaHと、を比較すると、少なくとも所定時間TaLが所定時間TaHよりも長く(所定時間TaH<所定時間TaL)なるように所定時間TaL及び所定時間TaHを設定することが、センサレス制御における脱調を抑制するという観点から好ましい。
一方、所定時間TaMは、最小初期位置領域Rminが角度領域R30の前半又は後半にあるのではなく、ロータ120の初期位置が前半と後半との間にあると判別された場合に設定される所定時間であるので、所定時間TaLと所定時間TaHとの間の値(所定時間TaH<所定時間TaM<所定時間TaL)であればよい。
なお、所定時間TaMは、所定時間TaH又は所定時間TaLのいずれか一方と等しくなるように設定してもよい(所定時間TaH≦所定時間TaM<所定時間TaLあるいは所定時間TaH<所定時間TaM≦所定時間TaL)。
図21(b)〜図21(f)における最小初期値領域Rminの判別及び駆動開始処理は、それぞれ、図21(a)と同様に実行される。
図21(b)において、ステップS2027で初期位置領域Rを角度領域R210に特定した場合には、ステップS2029a〜ステップS2029cの駆動開始処理における第1開始通電モード(M5)及び第2開始通電モード(M6)の通電時間をそれぞれ規定する所定時間TbL,TbH,TbMは、ステップS2027Hで最小初期位置領域Rminが角度領域R210の後半の角度領域R210Hであると判別されたときの所定時間TbHよりも、ステップS2027Lで最小初期位置領域Rminが角度領域R210の前半の角度領域R210Lであると判別されたときの所定時間TbLの方が長くなるように設定され、所定時間TbH<所定時間TbM<所定時間TbLとなる。
図21(c)において、ステップS2035で初期位置領域Rを角度領域R270に特定した場合には、ステップS2037a〜ステップS2037cの駆動開始処理における第1開始通電モード(M2)及び第2開始通電モード(M3)の通電時間をそれぞれ規定する所定時間TcL,TcH,TcMは、ステップS2035Hで最小初期位置領域Rminが角度領域R270の後半の角度領域R270Hであると判別されたときの所定時間TcHよりも、ステップS2035Lで最小初期位置領域Rminが角度領域R270の前半の角度領域R270Lであると判別されたときの所定時間TcLの方が長くなるように設定され、所定時間TcH<所定時間TcM<所定時間TcLとなる。
図21(d)において、ステップS2036で初期位置領域Rを角度領域R90に特定した場合には、ステップS2038a〜ステップS2038cの駆動開始処理における第1開始通電モード(M3)及び第2開始通電モード(M4)の通電時間を規定する所定時間TdL,TdH,TdMは、ステップS2036Hで最小初期位置領域Rminが角度領域R90の後半の角度領域R90Hであると判別されたときの所定時間TdHよりも、ステップS2036Lで最小初期位置領域Rminが角度領域R90の前半の角度領域R90Lであると判別されたときの所定時間TdLの方が長くなるように設定され、所定時間TdH<所定時間TdM<所定時間TdLとなる。
図21(e)において、ステップS2044で初期位置領域Rを角度領域R150に特定した場合には、ステップS2046a〜ステップS2046cの駆動開始処理における第1開始通電モード(M6)及び第2開始通電モード(M1)の通電時間を規定する所定時間TeL,TeH,TeMは、ステップS2044Hで最小初期位置領域Rminが角度領域R150の後半の角度領域R150Hにあると判別されたときの所定時間TeHよりも、ステップS2044Lで最小初期位置領域Rminが角度領域R150の前半の角度領域R150Lにあると判別されたときの所定時間TeLの方が長くなるように設定され、所定時間TeH<所定時間TeM<所定時間TeLとなる。
図21(f)において、ステップS2045で初期位置領域Rを角度領域R330に特定した場合には、ステップS2047a〜ステップS2047cの駆動開始処理における第1開始通電モード(M1)及び第2開始通電モード(M2)の通電時間を規定する所定時間TfL,TfH,TfMは、ステップS2045Hで最小初期位置領域Rminが角度領域R330の後半の角度領域R330Hであると判別されたときの所定時間TfHよりも、ステップS2045Lで最小初期位置領域Rminが角度領域R330の前半の角度領域R330Lであると判別されたときの所定時間TfLの方が長くなるように設定され、所定時間TfH<所定時間TfM<所定時間TfLとなる。
前述の所定時間TaL,TbL,TcL,TdL,TeL,TfLを互いに同じ時間に設定し、また、前述の所定時間TaH,TbH,TcH,TdH,TeH,TfHは互いに同じ時間に設定することも可能である。
しかし、図15に示すように、特定通電モードの通電による合成磁束φの推定角度が初期位置領域Rに対して正回転方向に位置する場合と、図16に示すように、特定通電モードの通電による合成磁束φの推定角度が初期位置領域Rに対して逆回転方向に発生する場合とで、特定通電モードの通電によりロータ120が回転した回転後の磁極位置と第1開始通電モードの通電により生じる合成磁束φの推定角度との角度偏差に差異があることも考えられる。
そこで、特定通電モードの通電による合成磁束φの推定角度が、初期位置領域Rに対して正回転方向に位置する場合の所定時間TaL,TcL,TeLと、特定通電モードの通電による合成磁束φの推定角度が、初期位置領域Rに対して逆回転方向に位置する場合の所定時間TbL,TdL,TfLと、を異なる値に設定してもよい。所定時間TaH,TcH,TeHと所定時間TbH,TdH,TfHとの間についても同様である。
なお、前述の実施形態及びその変形例において、例えば、ステップS2022で初期位置領域Rとして角度領域R30及びR210を選択した場合、ステップ2023で初期位置領域Rを2つの角度領域R30及び角度領域R210から1つに特定するために通電する特定通電モードを第3通電モードM3として説明していたが、これに限られず、他の通電モード(M1、M2、M4、M5又はM6)で通電することができる。
例えば、ステップS2023において通電する特定通電モードを第3通電モードM3に代えて第6通電モードM6としてもよい。
ここで、図24に示すように、特定通電モードとして第6通電モードM6で通電したとき、角度領域R210では非通電相に生じたパルス誘起電圧VM6はロータ120が正回転方向に回転したときに単調に増加し、角度領域R30では非通電相に生じたパルス誘起電圧VM6はロータ120が逆回転方向に回転したときに単調に減少することが既知である。
したがって、ステップS2024で非通電相であるU相に生じたパルス誘起電圧VM6を複数回取得して、ステップS2025でパルス誘起電圧VM6が減少していると判定された場合には初期位置領域Rを角度領域R30に特定する一方、ステップS2025でパルス誘起電圧VM6が増加していると判定された場合には初期位置領域Rを角度領域R210に特定することができる。
また、例えば、ステップS2023において通電する特定通電モードを第3通電モードM3に代えて第5通電モードM5としてもよい。
ここで、図25に示すように、特定通電モードとして第5通電モードM5で通電したとき、角度領域R30及び角度領域R210において、非通電相に生じるパルス誘起電圧VM5はロータ120が正回転方向あるいは逆回転方向に回転したとき同様に変化することが既知である。
また、第5通電モードM5により合成磁束φの推定角度(240deg)は角度領域R210に含まれ、ロータ120の初期位置が角度領域R210に含まれる場合には、ロータ120は240degで殆ど位置決めされた状態となり、ロータ120の初期位置が角度領域R30に含まれる場合と比較すると、パルス誘起電圧VM5の変化も小さくなる可能性が高い。
したがって、ステップS2024で非通電相であるV相に生じたパルス誘起電圧VM5を複数回取得して、ステップS2025でパルス誘起電圧VM5の変化が所定値以上であると判定された場合には初期位置領域Rを角度領域R30に特定する一方、ステップS2025でパルス誘起電圧VM5の変化が所定値未満であると判定された場合には初期位置領域Rを角度領域R210に特定することができる。
前述の実施形態及びその変形例において、特定通電モードの通電による非通電相のパルス誘起電圧の変化量に応じて、開始通電デューティ比を変化させることもできる。
例えば、図10において、特定通電モードとして第3通電モードM3の通電を行った場合、角度領域R30の下限(例えば、15deg)から上限(例えば、75deg)までロータ120が回転した場合に対し、角度領域R30の下限(例えば、15deg)から中央(例えば、45deg)までロータ120が回転した場合では、非通電相に生じたパルス誘起電圧VM3の変化量はおよそ半分となる。このように非通電相に生じたパルス誘起電圧VM3の変化量が大きくなるに従って、特定通電モードの通電によるロータ120の回転後の角度位置が、センサレス制御で第5通電モードM5から第6通電モードM6へ切り替える切り替え角度(180deg)により近づく可能性が高い。
そこで、非通電相に生じたパルス誘起電圧VM3の変化量が増大するに従って、第1開始通電モード及び第2開始通電モードの通電によるロータ120の回転量を抑えるべく、所定時間Tと併せて開始通電デューティ比を減少させ、これによりセンサレス制御に移行したときの脱調を抑制すべく、
100…ブラシレスモータ
110u,110v,110w…3相巻線
120…ロータ
200…モータ制御装置
210…モータ駆動回路
220…制御ユニット
φ…合成磁束
M1〜M6…各通電モード
M1〜VM6…各通電モードにおける非通電相に生じたパルス誘起電圧
1-4,D5-2,D3-6…誘起電圧差
T,TaL,TbL,TcL,TdL,TeL,TfL,TaH,TbH,TcH,TdH,TeH,TfH…所定時間

Claims (10)

  1. 3相ブラシレスモータの3相のうち通電する2つの相を選択する6通りの通電モードを順次切り替えてセンサレス制御を行う、3相ブラシレスモータの駆動装置であって、
    前記センサレス制御を行う前に、前記6通りの通電モードによる通電を行って開放相に発生する6つの第1誘起電圧を検出し、前記6つの第1誘起電圧のうち開放相を共通にする2つの通電モードによる通電で検出された2つの第1誘起電圧の差分である誘起電圧差を、各相を開放相として演算して3つの誘起電圧差を取得し、前記3つの誘起電圧差の大小関係に応じた所定の通電モードで通電してロータを回転させたときに検出された開放相の第2誘起電圧の変化に基づいて前記ロータの初期位置を推定する、3相ブラシレスモータの制御装置。
  2. 前記3つの誘起電圧差に基づいて前記ロータの初期位置を含むと推定される2つの角度領域を選択し、前記第2誘起電圧の変化に基づいて前記2つの角度領域を1つの角度領域に特定することで、前記ロータの初期位置を推定する、請求項1に記載の3相ブラシレスモータの駆動装置。
  3. 前記第2誘起電圧が増加した場合、前記ロータの初期位置を前記2つの角度領域の一方に特定し、前記第2誘起電圧が減少した場合、前記ロータの初期位置を前記2つの角度領域の他方に特定する、請求項2に記載の3相ブラシレスモータの駆動装置。
  4. 前記2つの角度領域は、前記3つの誘起電圧差のうち最大値となるものに基づいて選択される、請求項2又は請求項3に記載の3相ブラシレスモータの駆動装置。
  5. 前記所定の通電モードは、前記3つの誘起電圧差のうち最大値となるものに基づいて決定される、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の3相ブラシレスモータ。
  6. 前記所定の通電モードで通電して前記ロータを回転させるとき、検出される前記第2誘起電圧に変化が生じるまで前記3相ブラシレスモータに対する印加電圧を増加させる、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の3相ブラシレスモータの駆動装置。
  7. 前記1つの角度領域が、前記所定の通電モードで通電することで励磁される合成磁束の推定角度に対して逆回転方向にある場合には、前記所定通電モードを、前記6通りの通電モードにおける前記所定通電モードの次の通電モードに切り替える一方、前記1つの角度領域が、前記推定角度に対して正回転方向にある場合には、前記所定通電モードを、前記次の通電モードを1つ飛ばした2番目の通電モードに切り替える、請求項2〜請求項4のいずれか1つに記載の3相ブラシレスモータの駆動装置。
  8. 前記所定通電モードを前記次の通電モード又は前記2番目の通電モードに切り替えてから少なくとも1回目の通電モードまでは所定時間の通電を行う、請求項7に記載の3相ブラシレスモータの駆動装置。
  9. 前記3つの誘起電圧差のうち最小値となるものに基づいて、前記1つの角度領域のうち前記ロータの初期位置を含むと推定される最小角度領域をさらに判別し、前記最小角度領域に応じて前記所定時間を変更する、請求項8に記載の3相ブラシレスモータの駆動装置。
  10. 3相ブラシレスモータの3相のうち通電する2つの相を選択する6通りの通電モードを順次切り替えてセンサレス制御を行う、3相ブラシレスモータの駆動方法であって、
    前記センサレス制御を行う前に、前記6通りの通電モードによる通電を行って開放相に発生する6つの第1誘起電圧を検出することと、
    前記6つの第1誘起電圧のうち開放相を共通にする2つの通電モードによる通電で検出された2つの第1誘起電圧の差分である誘起電圧差を、各相を開放相として演算して3つの誘起電圧差を取得することと、
    前記3つの誘起電圧差の大小関係に応じた所定の通電モードで通電してロータを回転させたときに開放相の第2誘起電圧を検出することと、
    前記第2誘起電圧の変化に基づいて前記ロータの初期位置を推定することと、
    を含む、3相ブラシレスモータの駆動方法。
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