JP2011125079A - ブラシレスモータの駆動装置、及びブラシレスモータの始動方法 - Google Patents

ブラシレスモータの駆動装置、及びブラシレスモータの始動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】負荷の大きいモータの始動を適切に行うことができるとともに、モータの始動時間を早くすることができる、ブラシレスモータの駆動装置を提供する。
【解決手段】ブラシレスモータ装置は、ブラシレスモータの始動時に前記ロータ停止位置に応じた励磁パターンにより各相巻線に初期通電する始動時励磁部と、前記始動時励磁部による初期通電を停止した後の各相巻線の誘起電圧の信号レベルを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された各相巻線の誘起電圧の信号レベルと、前記始動時励磁部によるブラシレスモータの駆動により生じた各相巻線の誘起電圧の信号レベルの変化とに基づいて、ロータの位置を推定する磁極切り替えタイミング演算部と、前記磁極切り替えタイミング演算部により推定されたロータ位置に応じてブラシレスモータの駆動を行う定常時励磁部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、センサレス制御されるブラシレスモータの駆動装置、及びブラシレスモータの始動方法に関する。
ロータが永久磁石を有するタイプのブラシレスモータは、ロータの回転位置を検出する位置センサを設けずに位置センサレスで駆動制御を行うことができる。この場合には、開放区間(非通電相)のモータ端子に現れる誘起電圧と等価中性点電位をコンパレータに入力して得られるパルス信号のエッジ間隔からロータ位置(ロータの回転位置)を検出し、このロータ位置に応じた通電パターンと通電タイミングとを選択して、モータ巻線への通電を制御して駆動する。ところが、ブラシレスモータの始動時など、回転数がゼロである場合や回転数が極めて小さい場合には、誘起電圧が発生しないか極めて小さいので、回転位置の検出に十分な信号が得られない。
ロータの停止位置を検出する従来の方法としては、3相のコイルに印加される電圧を検出し、電圧の立ち上がり時間の差からコイルのインダクタンスを検出して、永久磁石の磁極と対向しているコイルを判断することがあげられる(特許文献1参照)。
他のロータ停止位置の検出方法としては、ロータが動かない程度の短いパルス電流を1つのコイルから他の2つのコイルに同時に流して3相通電を行い、電流をオフしたときに2つのコイルに発生する方形波パルス電圧のパルス幅を検出することでロータ停止位置を判定するものがある(例えば、特許文献2参照)。
また、ブラシレスモータを始動させる従来の方法としては、ロータ位置を検出せずに、強制的に通電切り替えを行うオープンループ強制通電を実施し、ロータ位置が検出できるようになったら、前記したパルス信号に基づいて通電切り替えを制御するようにしたものがある(例えば、特許文献3参照)。
この他にも、特定位置にロータを位置決めする第一の通電パターンを通電してロータ位置を特定位置に吸い付けてロック状態とし、そこから60°進んだ第二の通電パターンを微小時間通電した後、第二の通電パターンからさらに60°進んだ第三の通電パターンを通電することでブラシレスモータを始動する方法がある(例えば、特許文献4参照)。
ここで、外部負荷によってブラシレスモータが逆回転している場合の始動方法としては、例えば、特許文献5に開示されているものがある。最初に、3相通電でロータの回転数を低下させた後、3相通電中に通電のON/OFFを繰り返し、相電流がゼロになる位置と位相差を調べる。電流の位相差から回転方向を判定し、逆回転状態にあると判定された場合には、各相のゼロ点の発生周期から逆転周波数を求める。逆転周波数の交流電流を供給して引き込みを行った後、その周波数を逆転方向から徐々に正転方向の周波数に変化させて、ロータの回転数を所望の回転数まで引き上げて起動する。
特開2004−40943号公報 特開2002−335691号公報 特開2006−34099号公報 特開2001−211684号公報 特開2001−128485号公報
上述したセンサレス制御を行うブラシレスモータの駆動装置においては、モータのロータに停止位置を検出して励磁パターンを選択して通電するなど、ブラシレスモータの始動特性を向上させるために種々の工夫がなされている。これは、モータを停止した状態から始動させる際に、ロータをスムーズに回転始動できた場合は、その後の巻線に生じる誘起電圧を検出することによりロータ位置を推定し、位置センサレスによる駆動制御を連続して行うことができるためである。
しかしながら、モータ負荷が大きい場合、例えば、負荷が摺動負荷である場合や、イナーシャ(慣性モーメント)が大きい負荷の場合には、モータ始動時の初期通電において通電トルクが不足し、巻線における有効な誘起電圧の切り替わり(等価中性点電位とのクロスポイント)が発生する前に、ロータが停止状態になってしまい、ロータ位置が検出できず、モータ始動からの連続した運転ができなくなる可能性がある。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、始動時の負荷の大きいモータ(例えば、摺動負荷やイナーシャの大きな負荷)に対しても、その始動を適切に行うことができるとともに、モータの始動時間を短くすることができる、ブラシレスモータの駆動装置、及びブラシレスモータの始動方法を提供することにある。
上記課題を解決する本発明の請求項1に係わるブラシレスモータの駆動装置は、モータのロータ停止位置を検出してモータ始動を行うブラシレスモータの駆動装置であって、ブラシレスモータの始動時に前記ロータ停止位置に応じた励磁パターンにより各相巻線に初期通電する始動時励磁部と、前記始動時励磁部による初期通電を停止した後の各相巻線の誘起電圧の信号レベルを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された各相巻線の誘起電圧の信号レベルと、前記始動時励磁部によるブラシレスモータの駆動により生じた各相巻線の誘起電圧の信号レベルの変化とに基づいて、ロータの位置を推定する磁極切り替えタイミング演算部と、前記磁極切り替えタイミング演算部により推定されたロータの位置に応じてブラシレスモータの駆動を行う定常時励磁部とを備えることを特徴とする。
このブラシレスモータの駆動装置では、ロータ停止位置に応じた回転方向に最大のトルクを発生可能な励磁パターンにより初期通電を行い、この初期通電をオフにした後の各相巻線の誘起電圧の信号レベルを記憶する。そして、この記憶した信号レベルと、初期通電による駆動により生じる各相巻線の誘起電圧の信号レベルの変化とに基づいたロータの位置の推定をして、推定したロータの位置に基づいて駆動を開始する。
これにより、負荷の大きいモータに対しても、誘起電圧の信号レベルの変化が1回生じる程度のトルクを与えることで、モータの始動を適切に行うことができるとともに、誘起電圧の信号レベルの変化を複数回検出しなくてもモータの始動を行うことができ、モータの始動に要する時間を短くすることができる。
また、請求項2に係わる発明は、請求項1に記載のブラシレスモータの駆動装置であって、前記始動時励磁部が、初期通電の後に前記各相巻線の誘起電圧の信号レベルが予め定めた所定時間内に変化しない場合、初期通電を再び行うことを特徴とする。
このブラシレスモータの駆動装置では、モータへの初期通電をオフにした後に、一定時間経過しても誘起電圧の信号レベルが変化しなかった場合は、再び、初期通電を行いロータにトルクを与える。 これにより、負荷の大きいモータにおいても、ロータの位置を検出するために十分なトルクをロータに対して1回の初期通電で与えることができなかった場合、始動時励磁部が、再び、初期通電を行うことで更にロータにトルクを加えることができ、ロータの位置を検出するために十分なトルクをロータに与えることができる。
また、請求項3に係わる発明は、請求項2に記載のブラシレスモータの駆動装置であって、前記始動時励磁部が、再度の初期通電を行う場合、前記記憶部に記憶された各相巻線の誘起電圧の信号レベルに基づいて前記磁極切り替えタイミング演算部により推定されたロータの位置に応じた励磁パターンにより初期通電を行うことを特徴とする。
このブラシレスモータの駆動装置では、始動時励磁部が、再度の初期通電を行う際、記憶部に記憶されている信号レベルに基づいた励磁パターンにより通電を行う。
これにより、ロータに十分なトルクを与えられなかったとき、ロータの位置の検出を行うことなしに、直近のロータの位置に関する情報に基づいて、再度の初期通電を行うことができる。
請求項4に係わるブラシレスモータの始動方法は、モータのロータ停止位置を検出してモータ始動を行うブラシレスモータの駆動装置におけるブラシレスモータの始動方法であって、ブラシレスモータの始動時に前記ロータ停止位置に応じた励磁パターンにより各相巻線に初期通電する始動時励磁手順と、前記始動時励磁手順における初期通電を停止した後の各相巻線の誘起電圧の信号レベルを記憶する記憶手順と、前記記憶手順において記憶された各相巻線の誘起電圧の信号レベルと、前記始動時励磁手順によるブラシレスモータの駆動により生じた各相巻線の誘起電圧の信号レベルの変化とに基づいて、前記ロータの位置を推定する磁極切り替えタイミング演算手順と、前記磁極切り替えタイミング演算手順において推定されたロータの位置に応じてブラシレスモータの駆動を行う定常時励磁手順とを含むことを特徴とする。
これにより、負荷の大きいモータに対しても、その始動を適切に行うことができるとともに、モータの始動時間を早くすることができる。
モータ始動時の初期通電をオフにした直後の巻線の誘起電圧の信号レベルを記憶し、この誘起電圧の信号レベルと、巻線の誘起電圧の信号レベルの変化とを基にロータの位置を推定し、このロータ位置に応じた励磁パターンを適用してモータを駆動する。
これにより、特に始動時の負荷の大きいモータに対しても、その始動を適切に行うことができるとともに、モータを駆動するまでの起動時間を短くすることができる。
本発明の実施の形態に係わるブラシレスモータの駆動装置の構成を示す図である。 誘起電圧検出回路の回路構成を示す図である。 始動時の処理の概要を説明するフローチャートである。 始動時の励磁パターンとその励磁パターンで通電したときの磁束の流れを模式的に説明する図である。 ロータ停止位置の検出処理を説明するための図である。 ロータ位置と始動励磁パターンの関係を説明するためのグラフである。 始動時の処理を説明するためのタイミングチャートである。 始動時の処理を説明するためのタイミングチャートである。
発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(ブラシレスモータの駆動装置の回路構成)
図1に示すように、ブラシレスモータシステムは、ブラシレスモータ1と、ブラシレスモータ1の回転駆動を制御する駆動装置2とを有する。
ブラシレスモータ1は、永久磁石を有するロータとステータを有し、ステータには3相(U、V、W)の巻線(コイル)が周方向に順番に巻装されている。なお、このブラシレスモータシステムは、ロータ位置を検出するセンサを有しないセンサレスタイプのシステムである。
駆動装置2は、マイコン(マイクロコントローラ等)などから構成される制御装置11と、ブラシレスモータ1の3相の巻線(モータ端子)に印加された電圧を検出する誘起電圧検出回路12と、インバータ13とを有し、制御装置11とインバータ13の間に、Hi側プリドライバ37Aと、Lo側プリドライバ37Bと、電流検出回路38と、過電流保護部39とが設けられている。
図2に示すように、誘起電圧検出回路12は、3相のそれぞれの巻線(モータ端子)の電圧が入力され、コンパレータ17A〜17Cに入力可能な電圧に分圧する分圧回路14(抵抗R1及び抵抗R2)とパルス幅変調信号のノイズを除去する1次のCRフィルタ(抵抗R2及びキャパシタC1)からなるローパスフィルタ回路15A、15B、15Cと、等価中性点電位を検出する回路16と、等価中性点電位と無通電相(開放区間)に現れる誘起電圧の信号からパルス信号(クロスポイント信号)を作成するコンパレータ17A、17B、17Cと、コンパレータ17A〜17Cの出力からチャタリング成分をカットするローパスフィルタ(1次のCRフィルタ)18A、18B、18Cとを有する。
ここで、等価中性点電位を検出する回路16は、例えば、U相については、V相とW相のモータ端子電圧から等価中性点電位を検出するような、2相間比較方式を採用している。このようにすると、等価中性点電位として略フラットな電圧が得られる。コンパレータ17A〜17Cは、誘起電圧の信号が等価中性点電位より高いときはローレベルの信号を出力し、誘起電圧の信号が等価中性点電位より低いときはハイレベルの信号を出力するパルス信号を発生させる。各コンパレータ17A〜17Cでは、U、V、W各相の誘起電圧のレベルの切り替りを示し、電気角180°の分解能を有するパルス信号であるクロスポイント信号が作成される(図7(B)に示すクロスポイント信号を参照)。これら信号は、それぞれがローパスフィルタ回路18A〜18Cを経て分離部21に入力される。
図1に戻って、インバータ13は、6個のFET等のスイッチング素子を電源20の正負両端子間に2個ずつブリッジ接続して構成される回路であって、電源20から供給された直流電圧を制御装置11から入力されるパルス幅変調信号(駆動信号)に基づく交流電圧に変換し、ブラシレスモータ1の各相に印加する。なお、インバータ13とグランドレベルの間には、シャント抵抗13Aが設けられている。シャント抵抗13Aを用いてインバータ13に流れる電流、つまりブラシレスモータ1に入力される電流は、電流検出回路38を用いて検出することができる。
制御装置11は、誘起電圧検出回路12に接続される分離部21と、磁極切り替えタイミング演算部22と、通電制御部31と、励磁電圧出力部23と、PWMデューティ決定部25とを有する。また、制御装置11は、電流検出回路38に接続され、モータ始動時に使用される通電時間検出部24と、ロータ位置推定部30とを有する。
分離部21は、誘起電圧検出回路12から入力されるクロスポイント信号のエッジを誘起電圧のエッジと方形波パルス電圧のエッジとに分離する処理を行う。具体的には、誘起電圧波形には、各巻線への通電に伴い方形波状のスイッチングパルス(方形波パルス電圧)が重畳するので(図7(A)の符号Pで示すパルスを参照)、このようなノイズをクロスポイント信号から除去して、誘起電圧のエッジのみに対応するU、V、W各相のクロスポイント信号を磁極切り替えタイミング演算部22に出力する。
磁極切り替えタイミング演算部22は、分離部21から入力されるU、V、W各相のクロスポイント信号に基づいて、ロータ位置の推定を行うとともに、ロータ位置に対応した励磁切り替えタイミングを算出する。磁極切り替えタイミング演算部22は、メモリなどの記憶部22Aを有し、分離部21から入力されるクロスポイント信号の信号レベルを記憶部22Aに記憶し、ロータ位置の推定において、電気角180°の分解能のクロスポイント信号から電気角60°の分解能のパルス信号を生成し、生成したパル信号のレベルを用いてロータ位置を推定する。
通電制御部31は、定常時励磁部32と、停止位置検出部33と、フリーラン制御部34と、始動時励磁部35とを有する。定常時励磁部32は、磁極切り替えタイミング演算部22が演算した励磁切り替えタイミングでロータ位置に応じた励磁パターンを決定し、この励磁パターンに応じたパルス信号を励磁電圧出力部23に出力して、励磁電圧出力部23を通じて電圧をブラシレスモータ1の巻線に印加する処理を行う。
停止位置検出部33は、外部からの始動指令を受けて励磁電圧出力部23にロータ停止位置を検出するためのパルス信号を発生させる。始動時励磁部35は、ロータ位置推定部30で最小と決定された通電時間に相当するロータ停止位置に応じた励磁パターンを決定し、この励磁パターンに応じた電圧を予め定められた時間間隔の印加をブラシレスモータ1の巻線に対して行う処理を行う。
フリーラン制御部34は、始動時励磁部35が始動励磁パターンにより巻線に対して所定の通電時間の通電を行った後、各相巻線への通電を停止しブラシレスモータ1をフリーランさせる処理を実施する。
励磁電圧出力部23は、ブラシレスモータ1の巻線に励磁電圧を印加する信号をHi側プリドライバ37Aと、Lo側プリドライバ37Bに出力する。Hi側プリドライバ37Aは、PWMデューティ決定部25が決定したデューティ比で高電位側のスイッチング素子のON/OFFを切り替えるドライバである。Lo側プリドライバ37Bは、低電位側のスイッチング素子のON/OFFを切り替えるドライバである。Hi側プリドライバ37Aには、インバータ13に過電流が流れたときに、過電流保護部39から信号が入力されると、各スイッチング素子をOFFにする機能を有する。
通電時間検出部24は、電流検出回路38から入力される信号に基づいて、U、V、W各相の電流値が通電を開始してから予め定めた磁気飽和リミットに達するまでの時間(通電時間Tc)を検出する。また、通電時間検出部24は、メモリなどの記憶部24Aを有し、検出した通電時間を記憶する。ロータ位置推定部30は、通電時間検出部24が有する記憶部24Aから通電時間Tcを読み出し、読み出した通電時間に基づいてロータ停止位置を推定する処理を行う。このロータ位置推定部30における処理の詳細については後述する。
(回路動作の説明)
次に、この駆動装置2の動作を説明する。
ここでは、ロータの回転が停止状態(または、これに近い微速で回転する状態)にあるとする。ロータの回転速度がゼロ又は微速であれば、インダクタンス検出により電気角60°の分解能でロータ位置を検出し、正転方向に最大トルクを発生させることが可能な位相で通電を実施することができる。なお、ロータが停止中又は回転中であるかが不明な場合は、ロータ停止位置の推定処理を行う前に、2相に電圧を印加するブレーキ動作を行いロータを停止させるようにしてもよい。
図3は、本実施形態の駆動装置2によるブラシレスモータ1の始動方法を示すフローチャートである。
同図に示すように、まず、停止位置検出部33は、外部からの始動指令を受けると、励磁電圧出力部23等を通じてブラシレスモータ1の各相に対して順に通電を行い、ロータ位置推定部30が通電時間検出部24により検出された通電時間に基づいてロータ停止位置の検出を行う(ステップS101)。
そして、始動時励磁部35が、停止位置と推定される相に応じた通電を所定の通電時間Thの間だけ行いロータの停止位置を確定し、(ステップS102)、ロータ位置に対して最大のトルクを発生可能な位相の始動励磁パターンを決定し、励磁電圧出力部23を通して、この始動励磁パターン(位相)により各相巻線に初期通電(初期通電時間Ts1)を行う(ステップS103)。
この初期通電においては、始動時励磁部35は、予め設定した一定の初期通電時間Ts1が経過するまで、前記した位相に通電し続け(ステップS103、S104でNo)、初期通電時間Ts1が経過したら(ステップS104でYes)、フリーラン制御部34は、全相の通電をOFFにしてロータをフリーランさせる(ステップS105)。
そして、磁極切り替えタイミング演算部22は、フリーラン制御部34から全相の通電をOFFにするタイミングを通知された直後に、U、V、W各相に対応するクロスポイント信号のレベルを記憶部22Aに記憶させる(ステップS106)。
なお、磁極切り替えタイミング演算部22が記憶部22Aにクロスポイント信号の信号レベルを記憶させるタイミングは、フリーラン制御部34が全相の通電をOFFにした直後ではなく、全相の通電をOFFにした際に生じるスパイクパルスの影響を受けないように、全相の通電をOFFにしてから一定時間の後のクロスポイント信号の信号レベルを記憶部22Aに記憶させるようにしてもよい。
その後、磁極切り替えタイミング演算部22は、ステップS103の駆動により慣性でブラシレスモータ1のロータがフリーランしている間のクロスポイント信号の信号レベルが変化してエッジが生じえると、変化したクロスポイント信号と、記憶部24Aに記憶されているクロスポイント信号とに基づいてロータの位置の推定を行う(ステップS107)。予め定めた一定時間内にクロスポイント信号にエッジが生じて、ロータ位置の推定が行えた場合(ステップS108でYes)、磁極切り替えタイミング演算部22は、推定したロータ位置に基づいて励磁パターンの切り替えタイミングを算出して通電制御部31に出力する。通電制御部31は、磁極切り替えタイミング演算部22から切り替えタイミングが入力されると、定常時励磁部32を用いた誘起電圧によるセンサレス駆動(定常駆動モード)に移行する(ステップS109)。
一定時間内にクロスポイント信号にエッジが生じず、ロータ位置の推定が行えない場合(ステップS108でNo)、磁極切り替えタイミング演算部22は、カウンタ等を用いて所定時間が経過するまで待つ(ステップS110)。所定時間が経過してカウンタがオーバーフローしたら(ステップS110でYes)、ロータ回転の始動が正常に行われなかったと判定する。
ロータ回転の始動が正常に行われなかった場合は、磁極切り替えタイミング演算部22は、記憶部22Aに記憶した初期通電OFF直後のU、V、W各相のクロスポイント信号のレベルに基づいてロータの位置を推定する(ステップS111)。そして、磁極切り替えタイミング演算部22は、再び、ブラシレスモータ1の駆動を通電制御部31に指示し、始動時励磁部35が、回転方向に最大トルクを発生させることが可能な励磁パターンで通電を再度実行し、ロータを駆動する(ステップS112)。
始動時励磁部35によるロータの再度の駆動の後、慣性でロータがフリーランしている間に発生するクロスポイント信号の信号レベル変化してエッジが生じると、ステップS107と同様に、ロータ位置の推定を行う(ステップS113)。予め定めた一定時間内にクロスポイント信号にエッジが生じて、ロータ位置の推定が行えた場合(ステップS114でYes)、ステップS109と同様に、定常時励磁部32を用いた誘起電圧によるセンサレス駆動(定常駆動モード)に移行する(ステップS115)。
ロータ位置を検出できないときは(ステップS114でNo)、磁極切り替えタイミング演算部22は、カウンタ等を用いて所定時間が経過するまで待つ(ステップS116)。所定時間が経過してカウンタがオーバーフローしたら(ステップS116でYes)、2度の初期通電においてもロータ回転の始動が正常に行われなかったと判定し、ロータ起動の失敗として処理を終了する(ステップS117)。
上述の処理により、本実施形態のブラシレスモータ1の駆動装置2は、ロータ停止位置の検出を行い、検出したロータ停止位置に応じた回転方向に最大のトルクを発生可能な励磁パターンを用いて初期通電を行う。そして、この初期通電をオフにした後の各相巻線の誘起電圧の信号レベルを記憶し、記憶した信号レベルと、初期通電による駆動により生じる各相巻線の誘起電圧の信号レベルの変化とに基づいたロータ位置の推定をして、推定したロータ位置に基づいて駆動を開始するようにした。これにより、負荷の大きいモータに対しても、誘起電圧の信号レベルの変化が1回生じる程度のトルクを与えることができれば、モータの始動を適切に行うことができるとともに、誘起電圧の信号レベルの変化を複数回検出しなくてもモータの始動を行うことができ、モータの始動に要する時間を短くすることができる。
また、モータへの初期通電をオフにした後に、一定時間経過しても誘起電圧の信号レベルが変化しなかった場合は、再び、初期通電を行いロータにトルクを与えるようにしたので、負荷の大きいモータにおいても、1回の初期通電でロータ位置を検出するために十分なトルクを与えることができなかった場合においても、再び、初期通電を行うことで更にロータにトルクを加えることができ、ロータ位置を検出するために十分なトルクをロータに与えることができる。
また、始動時励磁部35が、再度の初期通電を行う際、記憶部22Aに記憶されている信号レベルに基づいた励磁パターンにより通電を行うようにしたので、ロータに十分なトルクを与えられなかったとき、ロータ位置の検出を行うことなしに、直近のロータ位置に関する情報に基づいて、再度の初期通電を行うことができ、ブラシレスモータ1を駆動するまでの時間を短縮することができる。
なお、上述した例では、始動時励磁部35による再度の初期通電を、1回のみ行う例を示したが、これに限定されず、例えば、ステップS112において初期通電の終了直後の各相巻線の誘起電圧のレベルを記憶部22Aに記憶しておき、この記憶した各相巻線の誘起電圧のレベルを基に新たなロータ位置を推定し、ステップS117において始動時励磁部35により繰り返して通電を行うこともできる。また、1回目の初期通電時間よりも、2回目以降の初期通電時間を長くするなどして、ロータに長い時間トルクを与えることにより確実にロータを駆動させるようにしてもよい(但し、ロータが回転し過ぎて逆トルクが生じないように注意する)。
(ロータ停止位置の検出処理の説明)
次に、ステップS101におけるロータ停止位置の検出処理の詳細について説明する。ここでは、巻線(コイル)が作る磁束の方向と、マグネットの磁束の方向が同方向のときにマグネットのコアの透磁率が大きくなってインダクタンスが小さくなることに着目して停止位置を決定している。
停止状態にあるブラシレスモータ1のロータ停止位置の検出を開始するときは、外部から制御装置11の停止位置検出部33に始動指令を入力する。停止位置検出部33は、予め定められた6つの停止位置判定用の励磁パターンを用いて、ロータが回転しない程度の時間だけ継続して電圧をブラシレスモータ1に印加するように励磁電圧出力部23に指令を出す。なお、ロータが回転しない程度の時間は、ブラシレスモータ1のイナーシャなどによって異なるが、例えば、数m秒程度であり、制御装置11が有するカウンタでカウントされる。励磁電圧出力部23は、励磁パターンに応じたゲート駆動信号をインバータ13に出力し、ゲート駆動信号に対応してスイッチング素子がON、OFFされて3相のいずれか2相に通電される。
ここで、停止位置検出部33が指令する停止位置判定用の励磁パターンを図4に示す。これら励磁パターン#1〜#6は、ブラシレスモータ1を駆動可能なパターンになっている。
励磁パターン#1は、U相の巻線(以下、U相という)からV相の巻線(以下、U相という)に電流を流す。U相がN極磁化され、V相がS極磁化される。U、V、W相の配置及びロータ41の停止位置が図示する配置であった場合には、矢印に示すようにU相からロータ41の永久磁石42のS極、N極を順番に通り、V相に向かう磁束が形成される。
励磁パターン#2は、U相からW相に電流を流す。U相がN極磁化され、W相がS極磁化される。矢印に示すようにU相からロータ41の永久磁石42のS極、N極を順番に通り、W相に向かう磁束が形成される。
励磁パターン#3は、V相からW相に電流を流す。V相がN極磁化され、W相がS極磁化される。矢印に示すようにV相からロータ41の永久磁石42のS極、N極を順番に通り、W相に向かう磁束が形成される。
励磁パターン#4は、V相からU相に電流を流す。V相がN極磁化され、U相がS極磁化される。矢印に示すようにV相からロータ41の永久磁石42のS極、N極を順番に通り、U相に向かう磁束が形成される。
励磁パターン#5は、W相からU相に電流を流す。W相がN極磁化され、U相がS極磁化される。矢印に示すようにW相からロータ41の永久磁石42のS極、N極を順番に通り、U相に向かう磁束が形成される。
励磁パターン#6は、W相からV相に電流を流す。W相がN極磁化され、V相がS極磁化される。矢印に示すようにW相からロータ41の永久磁石42のS極、N極を順番に通り、V相に向かう磁束が形成される。
図5は、図4に示した励磁パターン#1〜#6に応じた各相の巻線の電流値の波形図の一例を示す図である。
図5に示すように、この実施形態でのロータの停止位置の検出は、ステップ1〜6を1セットとする通電制御を行う。このロータ停止位置の検出順番において、N極磁化からS極磁化に変化させる場合には、その間に無通電となるような励磁パターンを実行するような切り替え順番にし、コイルを巻装する鉄心の残留磁化の影響を受け難くしインダクタンスの検出精度を向上させる。
なお、ロータの巻線は、抵抗成分とインダクタンス成分とを有し、このインダクタンス成分はロータの位置により変化する。ロータ位置推定部30は、ロータの位置に応じてインダクタンス成分が変化することを利用して、ブラシレスモータ1の各相の巻線に流れる電流が規定電流(閾値となる磁気飽和リミットに対応する電流値)に到達するまでの通電時間Tc(パルス幅)の長短によりインダクタンスの大小を検出する。これにより、ロータ停止位置を検出する。
ステップ1は、励磁パターン#1(U→V通電)を選択して通電し、通電相の巻線に流れる電流が規定電流(閾値となる電流値)に到達するまでの通電時間Tcを計測する。同様にして、ステップ2では励磁パターン#2(U→W通電)が用いられ、規定電流(閾値となる電流値)に到達するまでの通電時間Tcを計測する。ステップ3では励磁パターン#3(V→W通電)で通電し、規定電流(閾値となる電流値)に到達するまでの通電時間Tcを計測する。ステップ4では励磁パターン#4(V→U通電)で通電して、規定電流(閾値となる電流値)に到達するまでの通電時間Tcを計測する。ステップ5では励磁パターン#5(W→U通電)で通電し、規定電流(閾値となる電流値)に到達するまでの通電時間Tcを計測する。ステップ6では励磁パターン#6(W→V通電)で通電し、規定電流(閾値となる電流値)に到達するまでの通電時間Tcを計測する。そして、規定電流に最も早く到達する通電相(パルス幅が最も短い通電相)を検出することで、ロータ位置を推定する。図に示す例では、ステップ4におけるパターン#4(V→U通電)が相当する。
(初期通電における励磁パターンについての説明)
ステップS103における、始動時励磁部35による初期通電時の励磁パターンについて説明する。始動時励磁部35は、図5に示すパルス幅が最小になる励磁パターン、すなわち、通電時間が最短となる励磁パターンから回転方向に120°遅角させた励磁パターンを始動時の励磁パターンとして選択する。
図6は、始動時におけるロータ位置と励磁パターンとの関係を示すグラフである。同図において、横軸は位相(電気角)を示し、縦軸はトルクを示している。ラインL1は、コギングトルクを示し、ラインL2〜L4はそれぞれ通電パターン#6、#1、#2における位相とトルクの関係を示す。例えば、ロータ停止位置の検出処理において(図5を参照)、W相からV相に通電する励磁パターン#6でパルス幅が最小であった場合、励磁パターン#6を始動励磁パターンにすると、ラインL2に示すように、電気角0°でのトルクがゼロなのでブラシレスモータ1を回転させることができない。電気角0°において正のトルクが大きいのは、1つ進んだ励磁パターン#1(60°位相遅れ通電)と、2つ進んだ励磁パターン#2(120°位相遅れ通電)である。しかしながら、ラインL3に示す励磁パターン#1で始動させると、その後トルクが減少するのでロータを回転させる力は小さい。これに対して、ラインL4に示す励磁パターン#2で始動すると、その後トルクが増大するので大きい力でロータを回転させることができる。
(初期通電後にクロスポイントが発生する場合の例についての説明)
ここまでの各処理について、図7を参照してさらに詳細に説明する。
図7は、本実施形態の駆動装置2によるブラシレスモータ1の始動の一例を示す波形図である。図7(A)において、横軸は時間経過を示し、縦軸はU、V、W相の巻線電圧(モータ端子電圧)を示す。
同図において、時間t1において停止位置検出部33に始動信号が入力されたら、時間t2までの間にロータ停止位置検出処理(ステップS101)が行われる。この間の回転速度はゼロである。
時刻t1から時刻t2におけるロータ停止位置の検出処理では、U、V、Wの各相に予め定められた励磁パターンによる通電を順次行い、規定電流に一番早く到達する通電相を検出することで、ロータの停止位置を推定する。時刻t1から時刻t2の通電によりロータ停止位置の推定を行い、時刻t3において、ロータの停止位置と推定される相に応じた通電を通電時間Thの間だけ行いロータの停止位置を確定する(ステップS102に相当)。
時刻t4において、ロータ停止位置において最大トルクを発生可能な初期通電を行う。この初期通電では、始動時励磁部35が初期通電時間Ts1の間だけ始動励磁パターンを継続して通電させる。この間、通常の場合はロータの回転速度が徐々に増大する。ここで、初期通電時間Ts1は、通電をOFFにした後で誘起電圧のエッジが少なくとも1回以上、例えば、2回以上発生するまでの間、ロータを所定の回転速度以上でフリーランさせることができるだけロータを加速できる時間である。この観点からは、初期通電時間Ts1が長いことが望ましい。しかしながら、初期通電時間Ts1が長すぎて通常運転時における励磁パターンの切り替え位置を越えて同じ励磁パターンを継続すると、逆トルクが発生してしまってロータを減速させてしまう。したがって、初期通電時間Ts1は、逆トルクが発生しない範囲内で、できるだけ長い時間とすることが好ましい。
初期通電時間Ts1の経過の後、時刻t5において、フリーラン制御部34が全相巻線への通電をOFFにし、初期通電を停止する(ステップS105に相当)。また、磁極切り替えタイミング演算部22は、初期通電の停止直後のU、V、W各相の巻線の誘起電圧の信号レベルa、b、cに対応するクロスポイント信号を記憶部22Aに記憶する。
上記初期通電の停止後、通常の場合、ロータはフリーラン状態となる。ロータがフリーランすることで、ロータの回転位置に応じてモータ端子に誘起電圧が発生する。誘起電圧検出回路12において、この誘起電圧と等価中性点電位とのクロスポイントをとることにより、図7(B)に示すクロスポイント信号(位置信号)が得られる。この例では、U相、V相、W相のクロスポイント信号の順番に立ち下がり、又は立ち上がりエッジが発生している。なお、全相巻線への通電をOFFにすることで、インバータ13からブラシレスモータ1の巻線に印加される駆動パルス信号などの不要な信号成分がない状態で誘起電圧と等価中性点電位の交点を計測できるようになるので、ロータ位置を正確に検出できる。また、モータ回転中はクロスポイント信号の変化には規則性があるので、この規則性を検出することにより、不要なノイズ(エッジ信号)の影響を除去しノイズタフネス(ノイズ耐性)を向上させることができる。
この時刻t5から時刻t6までのフリーランの間、磁極切り替えタイミング演算部22は、クロスポイント信号を基に、励磁切り替えタイミングを算出する。そして、時刻t6以降は、通電OFF相の誘起電圧を順次に検出し、モータ巻線の誘起電圧と等価中性点電位の比較結果から生成される3相のクロスポイント信号に基づいてロータ位置を推定する。
このように、クロスポイント信号の切り替わりエッジを基に、励磁切り替えタイミングを決定し、通電パターンの切り替え制御を行うことで、ブラシレスモータ1の同期運転が行われ、ホールセンサを有する場合の電気角120°矩形波駆動と同等性能の駆動が可能になって、回転速度が制御される。すなわち、時刻t6以降においては誘起電圧によるセンサレス駆動(通常運転モード)に移行する。なお、時刻t6以降における誘起電圧によるセンサレス駆動の制御方法については、本発明には直接関係せず、また広く知られ公知の事項であり(例えば、本願出願人が先に出願した「特開2008−92784号公報」を参照)、その説明については省略する。
(初期通電後にクロスポイントが発生しない場合の例についての説明)
一方、図7に示した例において、色通電の停止後、クロスポイント信号に変化がなく、すなわち、ロータ位置の切り替わりが検出されなかった場合の処理の詳細について説明する。
図8は、本実施形態の駆動装置2によるブラシレスモータ1の始動の一例を示す波形図である。
同図に示すように、時刻t5において、初期通電後の通電OFF(全相OFF)の直後に、磁極切り替えタイミング演算部22は、U、V、W各相の巻線の誘起電圧の信号レベルa、b、cを記憶部22Aに記憶する。そして、フリーラン制御部34では、カウンタ等により一定の時間Tkを計測し、この時間Tk内において誘起電圧のレベル切り換わり(クロスポイント信号の変化)が発生するか否かを検出する。この時間Tkを経過しても誘起電圧のレベル切り換わりが発生しない場合は、時刻t6において、磁極切り替えタイミング演算部22は、記憶部22Aに記憶されている信号レベルa、b、cに基づいてロータ位置を推定し、始動時励磁部35が、推定したロータ位置に応じてモータへの初期通電を再度行う。
図8に示す例では、時刻t4から時刻t5(1回目の初期通電時間Ts1)の間において励磁パターン#6(120°位相遅れ通電)により初期通電を行ったにも係わらずロータがほとんど回転していない(誘起電圧の信号レベルが小さく、かつ信号レベルの切り換わりが発生していない)。このため、時刻t6から時刻t7(2回目の初期通電時間Ts2)において、再度、同じ励磁パターン#6により、初期通電を行いロータを再び駆動する。なお、この初期通電を行う通電時間Ts2を、初期通電の通電時間Ts1よりも大きく設定することにより、起動トルクをより増大させロータを確実に起動するようにしてもよい(但し、ロータを回転させ過ぎて回転方向と逆トルクが発生しないようにする)。また、初期通電の後、一定時間Tkを計測することなく、直ちに再度、初期通電を行うようにしてもよい。
このように、初期通電に引き続き、2回目の初期通電を行うことにより、大きなトルクでロータを回転させることができ、次のクロスポイント信号の変化を生じさせる(誘起電圧のレベル切り換わりの発生)ことができる。なお、2回目の初期通電を行っても、フリーラン状態に移行できない場合には、再度、3回目の初期通電を行うようにしてもよく、さらには、予め設定した任意の回数だけ初期通電を繰り返すようにしてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明のブラシレスモータの駆動装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1…ブラシレスモータ、2…駆動装置、11…制御装置、12…誘起電圧検出回路、13…インバータ、13A…シャント抵抗、20…電源、21…分離部、22…磁極切り替えタイミング演算部、22A…記憶部、23…励磁電圧出力部、24…通電時間検出部、24A…記憶部、30…ロータ位置推定部、31…通電制御部、32…定常時励磁部、33…停止位置検出部、34…フリーラン制御部、35…始動時励磁部、37A…Hi側プリドライバ、37B…Lo側プリドライバ、38…電流検出回路、39…過電流保護部、41…ロータ、42…永久磁石

Claims (4)

  1. モータのロータ停止位置を検出してモータ始動を行うブラシレスモータの駆動装置であって、
    ブラシレスモータの始動時に前記ロータ停止位置に応じた励磁パターンにより各相巻線に初期通電する始動時励磁部と、
    前記始動時励磁部による初期通電を停止した後の各相巻線の誘起電圧の信号レベルを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶された各相巻線の誘起電圧の信号レベルと、前記始動時励磁部によるブラシレスモータの駆動により生じた各相巻線の誘起電圧の信号レベルの変化とに基づいて、ロータの位置を推定する磁極切り替えタイミング演算部と、
    前記磁極切り替えタイミング演算部により推定されたロータの位置に応じてブラシレスモータの駆動を行う定常時励磁部と
    を備えることを特徴とするブラシレスモータの駆動装置。
  2. 前記始動時励磁部が、初期通電の後に前記各相巻線の誘起電圧の信号レベルが予め定めた所定時間内に変化しない場合、初期通電を再び行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータの駆動装置。
  3. 前記始動時励磁部が、再度の初期通電を行う場合、前記記憶部に記憶された各相巻線の誘起電圧の信号レベルに基づいて前記磁極切り替えタイミング演算部により推定されたロータの位置に応じた励磁パターンにより初期通電を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載のブラシレスモータの駆動装置。
  4. モータのロータ停止位置を検出してモータ始動を行うブラシレスモータの駆動装置におけるブラシレスモータの始動方法であって、
    ブラシレスモータの始動時に前記ロータ停止位置に応じた励磁パターンにより各相巻線に初期通電する始動時励磁手順と、
    前記始動時励磁手順における初期通電を停止した後の各相巻線の誘起電圧の信号レベルを記憶する記憶手順と、
    前記記憶手順において記憶された各相巻線の誘起電圧の信号レベルと、前記始動時励磁手順によるブラシレスモータの駆動により生じた各相巻線の誘起電圧の信号レベルの変化とに基づいて、前記ロータの位置を推定する磁極切り替えタイミング演算手順と、
    前記磁極切り替えタイミング演算手順において推定されたロータの位置に応じてブラシレスモータの駆動を行う定常時励磁手順と
    を含むことを特徴とするブラシレスモータの始動方法。
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