以下,本発明を具体化した形態について,図面を参照しつつ詳細に説明する。
[第1の形態]
まず,第1の形態について,添付図面を参照しつつ説明する。本形態は,図1に概略構成を示すように,画像形成装置100の排気口110に接続して用いられる,画像形成装置用の排気浄化装置201に係るものである。画像形成装置100は,電子写真方式によりトナー像をシート上に定着させて画像を形成するものである。
図1に示す画像形成装置100は,その側面101に排気口110を有している。排気口110は,画像形成装置100の装置内部の空気を機外へ排出するための開口部である。排気口110の装置内部側には,機内ダクト120が設けられている。機内ダクト120の排気口110と反対側の端は,機内で開口している吸入口130である。吸入口130は,トナー像を形成するための現像装置や,形成されたトナー像のシートへの定着処理を行う定着装置の付近などに開口している。
また,機内ダクト120内には,機内ファン140および機内フィルター150が設けられている。機内ファン140は,機内ダクト120内の空気を機外へ排出するためのものである。
機内フィルター150は,その位置を通過する空気に含まれている副産物を,一定の規格に基づいて回収するためのものである。副産物は,シートへ適切に定着されなかったトナーや,定着処理時にトナーが溶融することにより生成される低分子シロキサンなど,画像形成装置100内で発生するものである。
そして,機内ファン140が駆動されると,吸入口130の付近の空気は,機内ダクト120内へと吸入される。このとき,吸入口130の付近の副産物についても,空気とともに,機内ダクト120内へと吸入される。機内ダクト120内の空気は,機内フィルター150を通ることにより副産物が除去された後,排気口110より画像形成装置100の外部に排出される。これにより,画像形成装置100では,排気口110から排出される空気が,一定の規格を満たした無害なものであるようにされている。
しかし,画像形成装置100のユーザーには,このような一定の規格を満たすことにより無害化された排気についても,さらに浄化してほしいという要望があることがある。すなわち,排気口110から排出される空気の中には,機内フィルター150によって捕集できない副産物が含まれていることがあるからである。
排気口110から排出される副産物には,例えば,機内フィルター150によって捕集することのできる副産物の最小粒径よりもさらに小さい粒径の副産物などである。そして,図1に示す排気浄化装置201は,このような機内フィルター150によって回収できない副産物を回収するためのものである。
排気浄化装置201は,浄化ダクト210を有しており,その流入部220の先端に設けられている取付フランジ211において,画像形成装置100の側面101に取り付けられている。排気浄化装置201の取付フランジ211は,画像形成装置100の側面101に固定されている。
流入部220には,排気浄化装置201の浄化ダクト210内部に繋がる開口部221が形成されている。排気浄化装置201について,流入部220の開口部221が形成されている位置は,図1に示すように,画像形成装置100の排気口110に対応する位置である。このため,排気浄化装置201が取り付けられた状態での画像形成装置100の排気口110からの排気は,流入部220より浄化ダクト210内に排出される。
排気浄化装置201は,浄化ダクト210内に,流入風検出部230,浄化フィルター240,排気ファン250を有している。流入風検出部230,浄化フィルター240,排気ファン250は,浄化ダクト210内における空気の流れの上流より,この順で配置されている。つまり,流入風検出部230は,浄化フィルター240および排気ファン250よりも,流入部220の開口部221に近い位置に設けられている。
流入風検出部230は,その位置での空気の流量を指標する値を検出して出力するセンサーである。本形態の流入風検出部230は,その位置での空気の流量を指標する値として,その位置での空気の流速を検出する風速センサーである。
また,流入風検出部230は,図1に示すように,流入部220の開口部221付近である浄化ダクト210の流入部220の内部に配置されている。このため,流入風検出部230は,排気浄化装置201が取り付けられている画像形成装置100の排気口110から排気がなされた場合には,その排気の風速を,浄化ダクト210内への流入風速として検出して出力することができる。
浄化フィルター240は,画像形成装置100の機内フィルター150よりも高性能なフィルターであり,機内フィルター150によって回収できない副産物をも回収できるものである。具体的には,機内フィルター150によって捕集することのできる副産物の最小粒径よりもさらに小さい粒径の副産物をも捕集することができるものである。
排気ファン250は,浄化ダクト210内の空気を排気浄化装置201の排出口212より排気浄化装置201の外へ排出するためのものである。本形態の排気ファン250は,画像形成装置100の排気口110から排出される風量以上の風量を,排出口212から排出することのできる仕様のものである。また,排気ファン250は,これを駆動する駆動電圧が高くされるほど回転数が高くなり,送風量を多くすることができる。つまり,排気ファン250は,回転数が高くなるほど,排出口212から排出する排出風量を多くすることのできるものである。
また,図1に示すように,排気浄化装置201は,制御部261およびテーブル記憶部271を有している。本形態の制御部261は,排気ファン250の駆動電圧を制御することにより,排気ファン250の回転数を制御することのできるものである。具体的には,本形態の制御部261は,流入風検出部230の出力値である流入風速に基づいて,排気ファン250の回転数を制御する流入風制御を行うものである。
また,テーブル記憶部271は,流入風制御に用いるための流入風速回転数テーブルを記憶しているものである。流入風速回転数テーブルは,画像形成装置100の排気により排気浄化装置201へと流入する流入風速と排気ファン250の回転数との関係である。流入風速回転数テーブルは,予め実験などにより取得されたものである。
すなわち,流入風速回転数テーブルは,予め,画像形成装置100の排気による流入風速ごとに,その流入風速のときの流入風量と同等の送風量となる排気ファン250の回転数を求めたものである。図2に,本形態のテーブル記憶部271に記憶されている流入風速回転数テーブルを示す。
図2に示すように,流入風速回転数テーブルには,画像形成装置100の排気による流入風速Isごとに,対応する排気ファン250の回転数が示されている。例えば,図2に示す本形態の流入風速回転数テーブルにおいて,画像形成装置100の排気による流入風速IsがA以上,B未満の範囲内であるとき,その流入風速Isによる風量と同等の送風量となる排気ファン250の回転数は,1000rpmである。
そして,本形態の制御部261は,流入風制御では,流入風検出部230より出力される流入風速Isにより,テーブル記憶部271に記憶されている流入風速回転数テーブルを参照して,排気ファン250の回転数を定める。そして,その定めた回転数で回転するように,排気ファン250の駆動電圧を制御する。
このような構成の排気浄化装置201において,排気ファン250が駆動されると,浄化ダクト210内の空気は浄化フィルター240を通過し,排出口212より排出される。これにより,排気浄化装置201は,機内フィルター150によって捕集されなかった副産物を浄化フィルター240によって捕集し,画像形成装置100から排気された空気をさらに浄化した状態で排出することができる。
また,本形態の制御部261は,図2に示すように,流入風検出部230によって検出される流入風速IsがA未満の場合,排気ファン250を停止させておく。一方,流入風速IsがA以上である場合には,排気ファン250を駆動する。このため,図2に示す流入風速Isについての値Aは,排気ファン250を駆動するか否かを判定するための駆動閾値である。本形態において,駆動閾値Aの値は,画像形成装置100が画像形成のジョブを実行しているときに排気される最少の風量に相当する値とされている。
つまり,本形態の排気浄化装置201は,流入風検出部230の検出する流入風速Isが駆動閾値A以上である画像形成装置100の画像形成時にのみ,排気ファン250を駆動する。一方,流入風検出部230の検出値が駆動閾値A未満である画像形成装置100の停止中などの場合には,排気ファン250を停止させておくことができる。排気ファン250を常に駆動状態としておくことは,省電力や騒音,排気ファン250の寿命などの観点から好ましくないからである。
また,本形態の排気浄化装置201では,流入風速Isが駆動閾値A以上である場合には,流入風速Isによる流入風量と同程度の送風量となる回転数で排気ファン250が駆動される。これにより,浄化ダクト210への流入風量と,浄化ダクト210からの排出風量とを同じ風量に制御することができる。つまり,排気浄化装置201は,排出口212からの排出風量を,画像形成装置100の排気風量と同程度の風量となるように動作することができる。
排気浄化装置201からの排出風量が画像形成装置100の排気風量よりも少な過ぎる場合,画像形成装置100の本体内部の機器や,画像形成装置100により形成される画像に悪影響を及ぼすおそれがある。具体的には,画像形成装置100が排気を適切に行えないことにより,例えば,画像形成装置100から機外へ排出される熱量が減少し,機内の温度を適切に保つことができなくなるおそれがある。また例えば,画像形成装置100が排気を適切に行えない場合には,画像形成装置100内に画像形成によって発生した副産物が,機内ダクト120内に吸入されずに機内に残留してしまう。その機内に残留した副産物や過度の温度上昇により,画像形成装置100が故障してしまうおそれがある。あるいは,画像形成装置100により形成される画像の品質が低下してしまうおそれもある。
一方,排気浄化装置201からの排出風量が画像形成装置100の排気風量よりも多過ぎる場合,画像形成装置100の機内ダクト120の吸入口130における吸引力を大きくし過ぎるおそれがある。これにより,吸入口130の付近のトナーを機内に散乱させてしまうおそれがある。さらには,機内温度を下げすぎてしまうため,画像形成装置100の定着装置が過冷却されてしまい,定着装置によるトナー像の定着が適切になされず,画像品質を低下させてしまうおそれもある。
このような問題に対し,本形態の排気浄化装置201は,排出口212からの排出風量を,画像形成装置100の排気風量と同程度とすることで,画像形成装置100の排気に影響を及ぼすことなく,画像形成装置100の排気を浄化することができる。
次に,排気浄化装置201の動作の手順について図3のフローチャートにより説明する。まず,排気浄化装置201の電源が投入された場合,流入風検出部230は,画像形成装置100の排気による流入風速Isの検出を行う(S101)。なおこのとき,排気ファン250は停止状態である。
制御部261は,流入風検出部230より出力された流入風速Isが,駆動閾値A以上であるか否かを判定する(S102)。つまり,ステップS102では,画像形成装置100が画像形成ジョブを実行中であるか否かを判定する。流入風速Isが,駆動閾値A未満である場合(S102:NO),排気ファン250が停止しているか否かを判断する(S103)。
排気浄化装置201の電源が入力された後,画像形成装置100の動作前においては排気ファン250が停止しているため(S103:YES),ステップS101へと戻って再度,流入風速Isの検出を行う。制御部261は,画像形成装置100の動作が開始されるまで,ステップS101〜S103を繰り返す。
そして,画像形成装置100が画像形成を開始し,流入風速Isが駆動閾値A以上となったとき(S102:YES),流入風制御を開始する(S104〜S106)。
すなわち,流入風制御では,まず,駆動閾値A以上の流入風速Isにより,テーブル記憶部271に記憶されている流入風速回転数テーブルを参照し(S104),排気ファン250の回転数を定める(S105)。例えば,流入風速IsがA以上,B未満の範囲内である場合,図2に示すように,排気ファン250の回転数を1000rpmに設定する。そして,ステップS105により設定した回転数で,排気ファン250の駆動を開始する(S106)。
排気ファン250が駆動されることにより,画像形成装置100の排気口110からの排気は,浄化ダクト210内の浄化フィルター240を通過した後,排出口212より排出される。画像形成装置100の排気に含まれている副産物は,浄化フィルター240を通過することにより除去される。これにより,本形態の排気浄化装置201は,画像形成装置100の排気を浄化することができる。
また,流入風制御により,本形態の排気浄化装置201は,排出口212からの排出風量を,画像形成装置100の排気風量と同程度とすることができる。よって,画像形成装置100の排気を,画像形成装置100の排気に影響を及ぼすことなく浄化することができる。
なお,本形態の排気浄化装置201では,設定回転数で排気ファン250の駆動を開始した後(S106),ステップS101に戻る。よって,画像形成装置100の画像形成ジョブが終了している場合には,駆動されている排気ファン250を停止することができる。
すなわち,画像形成が終了し,画像形成装置100の排気が停止された場合には,検出される流入風速Is(S101)が駆動閾値A未満となるため(S102:NO),駆動中の排気ファン250を(S103:NO)停止させる(S107)。これにより,画像形成装置100が動作中にのみ,排気ファン250の駆動を行うことができる。
また,本形態の排気浄化装置201は,設定回転数で排気ファン250の駆動を開始した後(S106),その排気ファン250の回転数を,画像形成装置100の排気風量に合わせて適切に制御することができる。すなわち,検出される流入風速Is(S101)が駆動閾値A以上(S102:YES)で変化した場合,その変化した流入風速Isにより再度,流入風制御を行う(S104〜S106)。
すなわち,変化後の流入風速Isにより流入風速回転数テーブルを参照し(S104),設定回転数を定め(S105),その回転数で排気ファン250を駆動する(S106)。これにより,画像形成装置100の排気風量が前回の流入風制御時から変化した場合においても,画像形成装置100の排気に影響を及ぼすことなく,その排気を浄化することができる。
以上詳細に説明したように,本形態の排気浄化装置201は,画像形成装置100に取り付けられ,排気口110からの排気を浄化するための浄化ダクト210を有している。浄化ダクト内には,浄化フィルター240と排気ファン250とが設けられている。また,排気浄化装置201は,画像形成装置100の排気風量と同程度の送風量となる回転数で排気ファン250を駆動する。これにより,画像形成に係る機器への悪影響や,形成される画像の品質低下を抑制しつつ,画像形成に伴い発生する副産物を適切に回収することのできる排気浄化装置が実現されている。
[第2の形態]
次に,第2の形態について説明する。本形態に係る排気浄化装置は,第1の形態と異なり,複数の流入風速回転数テーブルをテーブル記憶部に記憶している。そして,本形態の排気浄化装置は,流入風制御を,複数の流入風速回転数テーブルのうち,取り付けられている画像形成装置に対応した流入風速回転数テーブルを用いて行うものである。
図4に本形態の排気浄化装置202を示す。本形態の排気浄化装置202は,図4に示すように,3種類の画像形成装置100X,100Y,100Zにそれぞれ取り付けることのできるものである。つまり,排気浄化装置202は,3種類の画像形成装置100X,100Y,100Zのうちのいずれかに取り付けて使用されるものである。
本形態の排気浄化装置202についても,第1の形態の排気浄化装置201と同様,浄化ダクト210の流入部220の先端に設けられている取付フランジ211において取り付けられている。さらに,排気浄化装置202についても,流入部220には,第1の形態の排気浄化装置201と同様,浄化ダクト210内部に繋がる開口部221が形成されている。また,排気浄化装置202についても,浄化ダクト210内に,第1の形態の排気浄化装置201と同様の,流入風検出部230,浄化フィルター240,排気ファン250を有している。
画像形成装置100X,100Y,100Zはいずれも,第1の形態の画像形成装置100と同様,電子写真方式によりトナー像をシート上に定着させて画像を形成するものである。また,画像形成装置100X,100Y,100Zのいずれについても,機内ファン140および機内フィルター150が設けられている機内ダクト120を有するものである。このため,第1の形態の画像形成装置100と同様に,機内に開口する吸入口130より機内の空気を機内ダクト120に吸入し,側面101に設けられている排気口110より排気を行うものである。
ただし,画像形成装置100X,100Y,100Zはそれぞれ,排気口110からの排気の風速に対する風量の比が異なる機種のものである。つまり,画像形成装置100X,100Y,100Zは,同じ風速で排気口110の排気がなされているときであっても,その排気の風量が異なるものである。
そして,本形態の排気浄化装置202は,画像形成装置100X,100Y,100Zのいずれにも,取り付けて使用できるものである。そのため,排気浄化装置202は,第1の形態の排気浄化装置201とは異なる制御部262,テーブル記憶部272を有している。さらに,排気浄化装置202は,第1の形態の排気浄化装置201が有していない,機種出力部282を有している。
本形態の排気浄化装置202においても,制御部262は,第1の形態で説明したものとほとんど同様の流入風制御を実行するものである。また,テーブル記憶部272は,流入風制御に用いるための流入風速回転数テーブルを記憶しているものである。ただし,本形態のテーブル記憶部272は,第1の形態とは異なる流入風速回転数テーブルを記憶している。
そして,制御部262についても,流入風制御では,第1の形態と同様に,流入風検出部230より出力される流入風速Isにより,テーブル記憶部272に記憶されている流入風速回転数テーブルを参照して,排気ファン250の回転数を定める。そして,その定めた回転数で回転するように,排気ファン250の駆動電圧を制御する。
また,機種出力部282は,制御部262により流入風制御が開始される前に,機種値を出力するためのものである。機種出力部282が出力する機種値は,排気浄化装置202の流入部220が接続されている排気口110が,画像形成装置100X,100Y,100Zのうちのいずれのものであるかを指標するものである。
なお,取付フランジ211の接続対象が画像形成装置100X,100Y,100Zのうちのいずれであるかを判別するため,例えば,取付フランジ211の取付面に,凹凸の組み合わせにより機種判別を行うことのできるスイッチを設けておくことができる。そして,画像形成装置100X,100Y,100Zの取付フランジ211の取付箇所に,それぞれの機種に応じた凹凸を設けておけばよい。取付フランジ211のスイッチにより,接続された画像形成装置の凹凸を検出することで,機種判別を行うことができるからである。あるいは,排気浄化装置202に,ユーザーが,取付フランジ211の接続対象が画像形成装置100X,100Y,100Zのうちのいずれであるかを入力するための機種入力部を設けておいてもよい。
また,上記のように,本形態のテーブル記憶部272は,第1の形態のテーブル記憶部271の記憶している流入風速回転数テーブルとは異なる流入風速回転数テーブルを記憶している。具体的には,本形態のテーブル記憶部272が記憶している流入風速回転数テーブルは,画像形成装置100X,100Y,100Zのそれぞれについての,排気により排気浄化装置202へと流入する流入風速と排気ファン250の回転数との関係である。
すなわち,本形態の流入風速回転数テーブルは,排気による流入風速ごとに,その流入風速のときの流入風量と同等の送風量となる排気ファン250の回転数を,画像形成装置100X,100Y,100Zのそれぞれについて求めたものである。つまり,本形態のテーブル記憶部272は,画像形成装置100X,100Y,100Zごとに異なる流入風速回転数テーブルを記憶している。本形態の流入風速回転数テーブルについても,予め実験などにより取得しておくことができる。
図5に,本形態のテーブル記憶部272に記憶されている流入風速回転数テーブルを示す。図5に示すように,テーブル記憶部272の流入風速回転数テーブルにも,排気による流入風速Isごとに,対応する排気ファン250の回転数が示されている。また,テーブル記憶部272の流入風速回転数テーブルにおいては,流入風速Isと排気ファン250の回転数との関係が,画像形成装置100X,100Y,100Zごとに示されている。
例えば,図5に示す本形態の流入風速回転数テーブルでは,画像形成装置100Xについて,排気による流入風速IsがA以上,B未満の範囲内であるとき,その流入風速Isによる風量と同等の送風量となる排気ファン250の回転数は,1000rpmである。一方,画像形成装置100Yについては,排気による流入風速Isが同じA以上,B未満の範囲内であるときであっても,その流入風速Isによる風量と同等の送風量となる排気ファン250の回転数は,1100rpmである。また,画像形成装置100Zについては,排気による流入風速Isが同じA以上,B未満の範囲内であるときであっても,その流入風速Isによる風量と同等の送風量となる排気ファン250の回転数は,1200rpmである。
そして,本形態の排気浄化装置202についても,図4で説明した第1の形態とほとんど同じ手順で動作を行う。ただし,本形態の制御部262は,流入風制御(S104〜S106)を開始する前に,機種出力部282が出力した機種値により,複数の流入風速回転数テーブルのうち,どの流入風速回転数テーブルを用いるかを定めるテーブル設定を行う。具体的に,テーブル設定では,画像形成装置100X,100Y,100Zについての流入風速回転数テーブルのうち,どの流入風速回転数テーブルを用いるかを定める。また,流入風制御(S104〜S106)を,テーブル設定で定めた流入風速回転数テーブルを用いて行う。
すなわち,流入風制御では,流入風速Isにより,テーブル設定で定めた流入風速回転数テーブルを参照し(S104),排気ファン250の回転数を定め(S105),その定めた回転数で排気ファン250を駆動する(S106)。
よって,本形態の排気浄化装置202は,画像形成装置100X,100Y,100Zのうちのいずれに取り付けられていたとしても,排気ファン250の送風量を最適なものとすることができる。取り付けられている画像形成装置100X,100Y,100Zごとに,それに適した流入風速回転数テーブルを用いるからである。これにより,本形態の排気浄化装置202は,画像形成装置100X,100Y,100Zのうちのいずれに取り付けられていたとしても,その排気に影響を及ぼすことなく浄化することができる。
なお,図5の流入風速回転数テーブルに示すように,本形態では,駆動閾値が,画像形成装置100X,100Y,100Zのいずれにおいても同じ値Aである。しかし,駆動閾値が画像形成装置100X,100Y,100Zごとに異なる場合には,ステップS102の判定を行う前までに,テーブル設定を行うことが好ましい。取り付けられている画像形成装置にとって最適な駆動閾値により,流入風制御を開始することができるからである。
以上詳細に説明したように,本形態の排気浄化装置202は,画像形成装置100X,100Y,100Zに取り付けられ,その排気を浄化するための浄化ダクト210を有している。また,本形態の排気浄化装置202は,流入風制御を開始する前に,取り付けられている画像形成装置に適した流入風速回転数テーブルを定めるテーブル設定を行う。これにより,複数の画像形成装置のうち,いずれの画像形成装置に取り付けられたとしても,画像形成に係る機器への悪影響や,形成される画像の品質低下を抑制しつつ,画像形成に伴い発生する副産物を適切に回収することができる。
[第3の形態]
次に,第3の形態について説明する。本形態に係る排気浄化装置は,上記の形態と異なり,流入風制御を行った後,流入排出風制御を開始する。流入排出風制御では,排気浄化装置に流入する流入風量と排気浄化装置から排出される排出風量とが同じ風量となるように排気ファンを制御する。
図6に本形態の排気浄化装置203を示す。本形態の排気浄化装置203は,図6に示すように,第1の形態と同様の画像形成装置100に取り付けることのできるものである。本形態の排気浄化装置203についても,上記の形態と同様,浄化ダクト210の流入部220の先端に設けられている取付フランジ211において取り付けられている。
さらに,排気浄化装置203についても,流入部220には,上記の形態と同様,排気浄化装置203の浄化ダクト210内部に繋がる開口部221が形成されている。また,排気浄化装置203についても,浄化ダクト210内に,上記の形態と同様の,流入風検出部230,浄化フィルター240,排気ファン250を有している。
そして,本形態の排気浄化装置203は,上記の形態の構成に加え,図6に示すように,排出風検出部231を有している。排出風検出部231は,その位置での空気の流量を指標する値を検出して出力するセンサーである。本形態の排出風検出部231は,その位置での空気の流量を指標する値として,その位置での空気の流速を検出する風速センサーである。
また,排出風検出部231は,図6に示すように,浄化ダクト210のうち,排気ファン250から排出口212までの間に配置されている。このため,排出風検出部231は,排気ファン250が駆動されることにより排出口212から浄化ダクト210の外部に排出される空気の流速を,排出風速として検出して出力することができる。
なお,排出風検出部231は,図6に示す位置に限らず,排出口212から浄化ダクト210の外部に排出される空気の排出風速を検出できる位置に設けられていればよい。つまり,排出風検出部231は,例えば,排気ファン250のやや上流の位置に設けられていても良い。あるいは,排出口212よりやや外側に配置されていてもよい。ただし,排出風検出部231は,排気ファン250および浄化フィルター240よりも,排気ファン250の駆動により移動する空気の移動方向の下流側に設けられていることが好ましい。排出風速を正確に検出することができるからである。
また,本形態の排気浄化装置203は,上記の形態とは異なる制御部263を有している。なお,テーブル記憶部271については,第1の形態のものと同様である。つまり,本形態のテーブル記憶部271についても,図2で説明した流入風速回転数テーブルを記憶している。
本形態の制御部263についても,第1の形態のものとほとんど同じ流入風制御を行う。また,本形態の制御部263は,流入風制御に加え,流入排出風制御を行う。よって,流入排出風制御について説明する。
流入排出風制御は,流入風制御を実行後に,制御部263によって開始されるものである。なお,本形態の制御部263は,流入排出風制御の開始後においては,流入排出風制御を流入風制御よりも優先して行う。制御部263は,流入排出風制御においても,排気ファン250の駆動電圧を制御することにより,排気ファン250の回転数を制御する。
流入排出風制御では,まず,画像形成装置100の排気により浄化ダクト210内に流入する流入風量と,排気ファン250の駆動により浄化ダクト210内から排出される排出風量との比較を行う。そして,その比較において,排出風量が流入風量よりも多い場合には,排気ファン250の回転数を低くする。一方,排出風量が流入風量よりも少ない場合には,排気ファン250の回転数を高くする。なお,排出風量と流入風量とが同じである場合,あるいは,同じであるとみなされる場合には,排気ファン250の回転数をそのままで維持する。
本形態では,制御部263は,流入排出風制御において,流入風量として,これの指標値である流入風検出部230の出力する流入風速を用いる。また,制御部263は,流入排出風制御において,排出風量として,これの指標値である排出風検出部231の出力する排出風速を用いる。また,本形態の排気浄化装置203は,流入風量と排出風量とが同じ風量である場合に,流入風速と排出風速とについても同じ風速となるものである。
よって,本形態の制御部263は,流入排出風制御では,流入風検出部230の出力する流入風速と排出風検出部231の出力する排出風速を比較する。そして,制御部263は,排出風速と流入風速とが同程度である場合には,排気ファン250の回転数をそのままで維持する。排出風速が流入風速よりも速い場合には,排気ファン250の回転数を低くする。一方,排出風速が流入風速よりも遅い場合には,排気ファン250の回転数を高くする。
具体的に,本形態の制御部263は,流入排出風制御では,排出風速と流入風速との差の絶対値である流入排出差を求め,求めた流入排出差が予め定めた許容差以下である場合には,排気ファン250の回転数をそのままで維持する。求めた流入排出差が許容差より大きく,さらに排出風速が流入風速よりも速い場合には,排気ファン250の回転数を低くする。一方,求めた流入排出差が許容差より大きく,さらに排出風速が流入風速よりも遅い場合には,排気ファン250の回転数を高くする。
そして,本形態の排気浄化装置203は,この流入排出風制御を行うことで,より確実に,流入風量と排出風量とを同程度に制御することができる。これにより,画像形成装置100の排気に影響を及ぼすことなく,画像形成装置100の排気を浄化することができる。
次に,排気浄化装置203の動作の手順について,図7のフローチャートにより説明する。まず,本形態においても,排気ファン250の駆動を開始するまでの手順については,第1の形態と同様である。すなわち,検出される流入風速Is(S201)が駆動閾値A未満であるときには(S202:NO),排気ファン250を停止状態としておく。一方,検出される流入風速Is(S201)が駆動閾値A以上となったとき(S202:YES),流入風制御を開始する(S204〜S206)。
そして,本形態では,流入風制御の実行により設定回転数で排気ファン250の駆動が開始されたとき,流入排出風制御を開始する(S207〜S214)。具体的に,流入排出風制御では,まず,排出風速Osの検出を行い(S207),流入風速Isおよび排出風速Osにより流入排出差DIOを算出する(S208)。なお,ここでは,流入風制御の開始時に検出された流入風速Isを用いればよい。あるいは,排出風速Osの検出と同時に,流入風速Isを検出してもよい。また,排出風速Osの検出は,排気ファン250の回転数が安定するまで待って行うことが好ましい。
次に,算出した流入排出差DIOが許容差TIOよりも大きいか否かを判定する(S209)。流入排出差DIOが許容差TIOよりも大きい場合(S209:YES),流入風速Isと排出風速Osとを比較する(S210)。排出風速Osが流入風速Isよりも速い場合(S210:YES),排気ファン250の回転数を低くする(S211)。一方,排出風速Osが流入風速Isよりも遅い場合には(S210:NO),排気ファン250の回転数を高くする(S212)。
つまり,流入排出差DIOが許容差TIOよりも大きい場合(S209:YES)には,排気ファン250の回転数を変更した後(S211,S212),次のステップS213およびステップ214の手順を行う。これに対し,流入排出差DIOが許容差TIO以下である場合(S209:NO),排気ファン250の回転数の変更を行わずに,次のステップS213およびステップ214の手順を行う。
そして,次のステップS213では,流入風速Isを検出し,続くステップ214では,検出した流入風速Isが駆動閾値A以上であるか否かの判定を行う。流入風速Isが駆動閾値A以上である場合(S214:YES),再度,流入排出風制御を行う(S207〜S214)。この再度の流入排出風制御では,流入風速Isとして,ステップS213で検出した流入風速Isを用いればよい。一方,流入風速Isが駆動閾値A未満となったとき(S214:NO)排気ファン250を停止させ(S215),ステップ201へと戻る。
これにより,本形態の排気浄化装置203は,画像形成装置100の動作が継続している間,流入排出風制御により,画像形成装置100の排気風量と排気浄化装置203の排出風量とが同程度となるように排気ファン250の回転数を制御することができる。
なお,本形態の排気浄化装置203は,前述したように,流入風量と排出風量とが同じ風量である場合に,流入風速と排出風速とについても同じ風速となるものである。しかし,これらの関係が異なる場合には,検出した流入風速Isおよび排出風速Osの少なくとも一方を補正して用いることとすればよい。そのため,例えば,流入風速Isまたは排出風速Osに補正係数を乗じてステップS208などを行えばよい。補正係数についても,実験などによって予め定めておけばよい。
ここで,例えば,排気浄化装置203が長期に渡って使用された際には,その使用とともに浄化フィルター240が目詰まりし,徐々に空気が流れにくくなる。また,長期の使用に伴い,排気ファン250は徐々に劣化し,駆動電圧に対する送風量が低下することがある。
このような場合,流入風制御のみでは,画像形成装置100の排気風量と排気浄化装置203の排出風量とを同程度に維持することが困難である。流入風制御では,流入風速回転数テーブルに基づいて排気ファン250を駆動する。しかし,例えば,排気ファン250の回転数が同じであっても,浄化フィルター240の目詰まりにより,排気浄化装置203からの排出風量は低下してしまう。つまり,流入風量と排出風量とが同程度となる流入風速Isと排気ファン250の回転数との関係が,予め定められた流入風速回転数テーブルの関係から外れてしまうことがあるからである。
そして,本形態の排気浄化装置203は,そのような場合であっても,流入排出風制御により,画像形成装置100の排気風量と排気浄化装置203の排出風量とを同程度に維持することができる。流入排出風制御では,現在の画像形成装置100の排気風量と排気浄化装置203の排出風量との検出結果に基づいて,排気ファン250の駆動を制御することができるからである。これにより,本形態の排気浄化装置203は,より確実に,画像形成装置100の排気に影響を及ぼすことなく,その排気を浄化することができる。
また,本形態の排気浄化装置203においては,流入排出風制御を一定時間,継続して行ったとしても,流入排出差DIOが許容差TIO以下まで小さくならない場合には,排気ファン250の駆動を停止させることが好ましい。具体的には,流入排出風制御(S207〜S214)を一定時間,継続して行った場合において,その一定時間のステップS209の判定がいずれもNOであるときに,排気ファン250の駆動を停止する。
流入排出風制御をある程度,継続して行ったとしても流入排出差DIOが小さくならない場合,排気浄化装置203が故障しているおそれがある。よって,このような場合には,動作を停止させることが好ましいからである。なお,排気浄化装置203を停止させるとともに,ユーザーに警告することとしてもよい。警告は,例えば,排気浄化装置203に表示パネルやランプを設けることにより行うことができる。
以上詳細に説明したように,本形態の排気浄化装置203は,画像形成装置100に取り付けられ,その排気を浄化するための浄化ダクト210を有している。また,本形態の排気浄化装置203は,流入風制御を実行後,流入排出風制御を行う。これにより,画像形成に係る機器への悪影響や,形成される画像の品質低下をより確実に抑制しつつ,画像形成に伴い発生する副産物を適切に回収することができる。
[第4の形態]
第4の形態について説明する。本形態に係る排気浄化装置は,上記の形態と異なり,流入風制御を開始する前に,初期回転制御を実行する。初期回転制御では,排気浄化装置に流入する風量に因らず,一定の回転数で一定時間だけ排気ファンを駆動する。
図8に本形態の排気浄化装置204を示す。本形態の排気浄化装置204は,図8に示すように,第1の形態と同様の画像形成装置100に取り付けることのできるものである。本形態の排気浄化装置204についても,上記の形態と同様,浄化ダクト210の流入部220の先端に設けられている取付フランジ211において取り付けられている。
さらに,排気浄化装置204についても,流入部220には,上記の形態と同様,排気浄化装置204の浄化ダクト210内部に繋がる開口部221が形成されている。また,排気浄化装置204についても,浄化ダクト210内に,上記の形態と同様の,流入風検出部230,浄化フィルター240,排気ファン250を有している。
そして,本形態の排気浄化装置204は,上記の形態とは異なる制御部264を有している。なお,テーブル記憶部271については,第1の形態のものと同様である。つまり,本形態のテーブル記憶部271についても,図2で説明した流入風速回転数テーブルを記憶している。また,本形態の排気浄化装置204は,初期流入風記憶部284を有している。本形態の初期流入風記憶部284は,流入風検出部230の検出する流入風速が,駆動閾値未満から以上になったときの流入風速を,初期流入風速として記憶するものである。
本形態の制御部264についても,第1の形態のものとほとんど同じ流入風制御を行う。また,本形態の制御部264は,流入風制御に加え,初期回転制御を行う。よって,初期回転制御について説明する。
初期回転制御は,流入風制御の開始前に,制御部264によって実行されるものである。なお,本形態の制御部264は,流入風制御の開始前に,初期回転制御を行う。そして,流入風制御の開始後には,流入風制御を初期回転制御よりも優先して行う。制御部264は,初期回転制御においても,排気ファン250の駆動電圧を制御することにより,排気ファン250の回転数を制御する。
初期回転制御では,予め定めた一定の初期回転数で,予め定めた一定の初期回転時間だけ,排気ファン250を駆動する。また,初期回転制御は,制御部264により,流入風検出部230が検出する流入風速が,駆動閾値未満から以上になったときに開始される。すなわち,初期回転制御は,画像形成装置100の動作が開始されたときに開始される。
ここで,画像形成装置100では,画像形成が開始された初期に,その画像形成の開始された初期以降よりも,多くの副産物が発生するイニシャルバーストが生じる。そして,本形態の浄化フィルター240は,通過する空気の流速が遅いほど,その空気に含まれる副産物の捕集率が高くなるものである。
そして,初期回転制御における初期回転数は,副産物の捕集率を高く保ちつつ,排気ファン250の送風量が,画像形成装置100の排気に影響の少ない送風量となる回転数に定められている。なお,本形態では,初期回転数は,図2の流入風速回転数テーブルに示す流入風速IsがA以上であるときの排気ファン250の回転数のいずれよりも低い回転数に設定されている。これにより,初期回転制御における副産物の捕集率が,流入風制御における副産物の捕集率よりも高くなるようにされている。
また,初期回転時間は,イニシャルバーストにより発生する副産物の量が多くなっている時間に定められている。これら初期回転数や初期回転時間については,予め画像形成装置100を用いた実験などにより取得することができる。
よって,本形態の排気浄化装置204は,イニシャルバーストにより副産物が大量に発生した場合にも,その副産物の多くを捕集することができる。これにより,画像形成装置100の排気に影響を及ぼすことなく,画像形成装置100の排気をより浄化することができる。
次に,排気浄化装置204の動作の手順について,図9のフローチャートにより説明する。まず,本形態においても,第1の形態と同様,制御部264は,検出される流入風速Is(S301)が駆動閾値A未満であるときには(S302:NO),排気ファン250を停止状態としておく。一方,制御部264は,検出される流入風速Is(S301)が駆動閾値A以上となったとき(S302:YES),そのときの流入風速Isを初期流入風速として初期流入風記憶部284に記憶させる(S304)。
また,検出される流入風速Is(S301)が駆動閾値A以上となったとき(S302:YES),制御部264は,初期回転制御を実行する(S305,S306)。すなわち,初期回転数で排気ファン250を駆動させ(S305),初期回転時間が経過したか否かを判定する(S306)。つまり,初期回転時間が経過するまでの間(S306:NO),初期回転数で排気ファン250の駆動を行う。
初期回転時間が経過したとき(S306:YES),流入風制御を開始する(S307〜S311)。本形態では,初期回転制御の実行後の最初の流入風制御に用いる流入風速Isとして,ステップS304で初期流入風記憶部284に記憶させた初期流入風速を用いる。つまり,初期流入風速により流入風速回転数テーブルを参照し(S307),排気ファン250の回転数を定め(S308),その定めた回転数で排気ファン250を駆動する(S309)。
また,本形態においても,設定回転数で排気ファン250の駆動を開始した後(S309),再度,流入風速Isを検出し(S310),流入風速Isが駆動閾値A以上であるか否かの判定を行う(S311)。
これにより,画像形成が終了し,画像形成装置100の排気が停止された場合には,検出される流入風速Is(S310)が駆動閾値A未満となるため(S311:NO),駆動中の排気ファン250を停止させることができる(S312)。これにより,画像形成装置100が動作中にのみ,排気ファン250の駆動を行うことができる。
また,本形態の排気浄化装置204においても,設定回転数で排気ファン250の駆動を開始した後(S309),その排気ファン250の回転数を,画像形成装置100の排気風量に合わせて適切に制御することができる。すなわち,検出される流入風速Is(S310)が駆動閾値A以上(S311:YES)で変化した場合,その変化した流入風速Isにより再度,流入風制御を行うことができる(S307〜S311)。
なお,本形態の排気浄化装置204では,上記のように,初期回転数が,図2の流入風速回転数テーブルに示す流入風速IsがA以上であるときの排気ファン250の回転数のいずれよりも低い回転数に設定されている。しかし,初期回転数は,流入風速回転数テーブルにおける排気ファン250の回転数のうち,最も高い回転数よりも低い値であればよい。また,初期回転数が流入風速回転数テーブルにおける排気ファン250の回転数の最小値よりも高い値である場合には,初期回転制御を行わない場合があってもよい。例えば,駆動閾値A以上となったときの流入風速Isにより流入風速回転数テーブルを参照して回転数を定め,その設定回転数が初期回転数未満である場合には,初期回転制御を行わずに,流入風制御を行うこととしてもよい。この場合,流入風制御において,浄化フィルター240は,高い捕集率で副産物を捕集することができるからである。
以上詳細に説明したように,本形態の排気浄化装置204は,画像形成装置100に取り付けられ,その排気を浄化するための浄化ダクト210を有している。また,本形態の排気浄化装置204は,流入風制御を開始前に,初期回転制御を行う。これにより,画像形成に係る機器への悪影響や,形成される画像の品質低下を確実に抑制しつつ,画像形成に伴い発生する副産物をより良好に回収することができる。
なお,上記の実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。従って本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,画像形成装置の排気口や排気浄化装置の流入口の数は,複数あってもよい。また例えば,図2や図5に示す流入風速回転数テーブルは単なる一例であり,その他のものを用いても良い。
また,上記の形態ではいずれも,浄化ダクト内へ流入する空気の流量の指標値,および浄化ダクトから排出される空気の流量の指標値としてともに,風速を検出している。しかし,空気の流量を検出することにより,本発明を実施することも当然可能である。
また例えば,上記の第1から第4の形態を,複数,組み合わせることもできる。例えば,第4の形態の初期回転制御を実行し,その後に,流入風制御を第2の形態の複数の流入風速回転数テーブルを用いて実行し,さらに,第3の形態の流入排出風制御を実行する排気浄化装置としてもよい。