JP6454608B2 - 基板処理方法、基板処理装置および記憶媒体 - Google Patents

基板処理方法、基板処理装置および記憶媒体 Download PDF

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Description

開示の実施形態は、基板処理方法、基板処理装置および記憶媒体に関する。
半導体デバイスの製造工程では、基板上に形成されたレジストをマスクとして、エッチングやイオン注入等の処理が行われる。その後、不要となったレジストは基板上から除去される。
レジストの除去方法としては、第1処理液である硫酸と第2処理液である過酸化水素水とを混合し、混合液であるSPM(Sulfuric acid Hydrogen Peroxide Mixture)を基板に供給することによってレジストを除去するSPM処理が知られている。なお、混合液は、レジストの除去能力を高めるために高温に加熱された状態で基板に供給される。
また、SPM処理後には、基板に対して純水を供給することによって基板に残存する硫酸を洗い流す処理が行われる。
ここで、硫酸は粘度が比較的高いため、単に純水を供給しただけでは硫酸を十分に洗い流すことが困難である。そのため、純水を供給する前に、過酸化水素水を供給する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
第2処理液である過酸化水素水を供給すると、基板に残存する硫酸が過酸化水素水と反応してカロ酸に変化する。このカロ酸は、硫酸よりも粘度が低く、純水で容易に洗い流すことができるため、SPM処理後の基板に対して直接純水を供給する場合と比較して、硫酸を適切に除去することができる。
特開2007−059816号公報
しかしながら、上記した従来技術においては、混合液を供給管を介して基板へ供給した後、同じ供給管を用いて第2処理液を基板へ供給している。そのため、従来技術にあっては、供給管から吐出される処理液が混合液から第2処理液へ切り替わる際に、処理液の跳ねであるスプラッシュが生じて周囲を汚染するおそれがあった。
すなわち、第2処理液である過酸化水素水の沸点は、第1処理液である硫酸や混合液の沸点よりも低い。また、混合液は上記したように高温であるため、第2処理液の沸点よりも高温の混合液の場合、第2処理液が供給管内で接すると、混合液と第2処理液との境界付近において、過酸化水素水に含まれる水分が沸騰して気泡が発生するとともに、内圧が上昇することがあった。これにより、供給管から吐出される処理液が混合液から第2処理液へ切り替わる際に、スプラッシュが生じて周囲を汚染するおそれがあった。
実施形態の一態様は、第2処理液の沸点よりも高い温度の、第1処理液および第2処理液の混合液と第2処理液とが同じ供給管から基板へ供給される場合であっても、スプラッシュの発生を抑制することができる基板処理方法、基板処理装置および記憶媒体を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る基板処理方法は、混合液供給工程と、形成工程と、第2処理液供給工程とを含む。混合液供給工程は、第1処理液と第2処理液とを混合して混合液を生成し、前記第2処理液の沸点より高い温度の前記混合液を供給管を介して基板へ供給する。形成工程は、前記混合液供給工程の後、前記供給管内に前記混合液以外の流体で充填された非混合液部分を形成する。第2処理液供給工程は、前記形成工程の後、前記非混合液部分が形成された前記供給管を介して前記第2処理液を基板へ供給する。また、前記形成工程は、前記供給管内に不活性ガスを注入することによって、前記供給管内に前記非混合液部分を形成するとともに、前記供給管内において前記混合液が残留した部分よりも上流側に不活性ガスを注入し、前記供給管に残留した前記混合液を基板側へ押し出すことによって、前記供給管内に前記非混合液部分を形成する。
実施形態の一態様によれば、第2処理液の沸点よりも高い温度の、第1処理液および第2処理液の混合液と第2処理液とが同じ供給管から基板へ供給される場合であっても、スプラッシュの発生を抑制することができる。
図1は、第1の実施形態に係る基板処理システムの概略構成を示す図である。 図2は、処理ユニットの概略構成を示す図である。 図3は、処理ユニットの具体的な構成例を示す図である。 図4は、第1の実施形態に係る基板処理システムが実行する基板処理の処理手順を示すフローチャートである。 図5Aは、処理ユニット内で行われる基板処理の一部を示す模式図である。 図5Bは、処理ユニット内で行われる基板処理の一部を示す模式図である。 図5Cは、処理ユニット内で行われる基板処理の一部を示す模式図である。 図5Dは、処理ユニット内で行われる基板処理の一部を示す模式図である。 図5Eは、処理ユニット内で行われる基板処理の一部を示す模式図である。 図6は、混合液の粘度と第2所定回転数との関係の一例を示す図である。 図7は、混合液の粘度と不活性ガスの供給量との関係の一例を示す図である。 図8Aは、第2の実施形態における処理ユニット内で行われる基板処理の一部を示す模式図である。 図8Bは、第2の実施形態における処理ユニット内で行われる基板処理の一部を示す模式図である。 図9は、第3の実施形態に係る基板処理システムが実行する基板処理の処理手順を示すフローチャートである。 図10Aは、第3の実施形態における処理ユニット内で行われる基板処理の一部を示す模式図である。 図10Bは、第3の実施形態における処理ユニット内で行われる基板処理の一部を示す模式図である。 図11は、第4の実施形態に係る処理ユニットの構成例を示す図である。 図12Aは、第4の実施形態における処理ユニット内で行われる基板処理の一部を示す模式図である。 図12Bは、第4の実施形態における処理ユニット内で行われる基板処理の一部を示す模式図である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する基板処理方法、基板処理装置および記憶媒体の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<1.基板処理システムの構成>
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る基板処理システムの概略構成を示す図である。以下では、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図1に示すように、基板処理システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2と処理ステーション3とは隣接して設けられる。
搬入出ステーション2は、キャリア載置部11と、搬送部12とを備える。キャリア載置部11には、複数枚の基板、本実施形態では半導体ウェハ(以下ウェハW)を水平状態で収容する複数のキャリアCが載置される。
搬送部12は、キャリア載置部11に隣接して設けられ、内部に基板搬送装置13と、受渡部14とを備える。基板搬送装置13は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置13は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いてキャリアCと受渡部14との間でウェハWの搬送を行う。
処理ステーション3は、搬送部12に隣接して設けられる。処理ステーション3は、搬送部15と、複数の処理ユニット16とを備える。複数の処理ユニット16は、搬送部15の両側に並べて設けられる。
搬送部15は、内部に基板搬送装置17を備える。基板搬送装置17は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置17は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いて受渡部14と処理ユニット16との間でウェハWの搬送を行う。
処理ユニット16は、基板搬送装置17によって搬送されるウェハWに対して所定の基板処理を行う。
また、基板処理システム1は、制御装置4を備える。制御装置4は、たとえばコンピュータであり、制御部18と記憶部19とを備える。記憶部19には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部18は、記憶部19に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理システム1の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置4の記憶部19にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
上記のように構成された基板処理システム1では、まず、搬入出ステーション2の基板搬送装置13が、キャリア載置部11に載置されたキャリアCからウェハWを取り出し、取り出したウェハWを受渡部14に載置する。受渡部14に載置されたウェハWは、処理ステーション3の基板搬送装置17によって受渡部14から取り出されて、処理ユニット16へ搬入される。
処理ユニット16へ搬入されたウェハWは、処理ユニット16によって処理された後、基板搬送装置17によって処理ユニット16から搬出されて、受渡部14に載置される。そして、受渡部14に載置された処理済のウェハWは、基板搬送装置13によってキャリア載置部11のキャリアCへ戻される。
なお、上記した基板処理システム1は、基板処理装置の一例である。次に、基板処理システム1の処理ユニット16の概略構成について図2を参照して説明する。図2は、処理ユニット16の概略構成を示す図である。
図2に示すように、処理ユニット16は、チャンバ20と、基板保持機構30と、処理流体供給部40と、回収カップ50とを備える。
チャンバ20は、基板保持機構30と処理流体供給部40と回収カップ50とを収容する。チャンバ20の天井部には、FFU(Fan Filter Unit)21が設けられる。FFU21は、チャンバ20内にダウンフローを形成する。
基板保持機構30は、保持部31と、支柱部32と、駆動部33とを備える。保持部31は、ウェハWを水平に保持する。支柱部32は、鉛直方向に延在する部材であり、基端部が駆動部33によって回転可能に支持され、先端部において保持部31を水平に支持する。駆動部33は、支柱部32を鉛直軸まわりに回転させる。かかる基板保持機構30は、駆動部33を用いて支柱部32を回転させることによって支柱部32に支持された保持部31を回転させ、これにより、保持部31に保持されたウェハWを回転させる。
処理流体供給部40は、ウェハWに対して処理流体を供給する。処理流体供給部40は、処理流体供給源70に接続される。
回収カップ50は、保持部31を取り囲むように配置され、保持部31の回転によってウェハWから飛散する処理液を捕集する。回収カップ50の底部には、排液口51が形成されており、回収カップ50によって捕集された処理液は、かかる排液口51から処理ユニット16の外部へ排出される。また、回収カップ50の底部には、FFU21から供給される気体を処理ユニット16の外部へ排出する排気口52が形成される。
<2.処理ユニットの具体的構成>
次に、上記した処理ユニット16におけるチャンバ20、基板保持機構30および処理流体供給部40の具体的な構成について図3を参照して説明する。図3は、処理ユニット16におけるチャンバ20、基板保持機構30および処理流体供給部40の具体的な構成例を示す図である。
図3に示すように、本実施形態に係る処理ユニット16が備えるチャンバ20のFFU21には、バルブ22を介して不活性ガス供給源23が接続される。FFU21は、不活性ガス供給源23から供給されるN2ガス等の不活性ガスをダウンフローガスとしてチャンバ20内に吐出する。このように、ダウンフローガスとして不活性ガスを用いることにより、ウェハWが酸化することを防止することができる。
基板保持機構30の保持部31上面には、ウェハWを側面から保持する保持部材311が設けられる。ウェハWは、かかる保持部材311によって保持部31の上面からわずかに離間した状態で水平保持される。ウェハWは、レジストが形成された面を上方に向けた状態で保持部31に保持される。
処理流体供給部40は、第1液供給部40aと、第2液供給部40bとを備える。第1液供給部40aは、第1ノズル41aと、第1ノズル41aを水平に支持する第1アーム42aと、第1アーム42aを旋回および昇降させる第1旋回昇降機構43aとを備える。
第1ノズル41aは、第1供給管45aおよび第2供給管45bを介して硫酸供給源70aに接続される。なお、第1ノズル41aはノズルの一例である。また、第1供給管45aは供給管の一例であり、かかる第1供給管45aの先端、言い換えると、下流側に第1ノズル41aが設けられている。
なお、本明細書において「上流」や「下流」などの表現は、たとえば硫酸供給源70aなどの処理流体供給源70(図2参照)から供給される処理流体の流れ方向における「上流」「下流」を意味する。
図3に示すように、第1供給管45aは第2供給管45bの下流側に配設されるとともに、第1供給管45aと第2供給管45bとの間には、混合部46が介挿される。かかる混合部46は、第3供給管45cを介して過酸化水素水供給源70bに接続される。
また、第2供給管45bにはバルブ60aが介挿される一方、第3供給管45cにはバルブ60bが介挿される。
したがって、たとえばバルブ60aおよびバルブ60bの両方が開放されると、混合部46は、硫酸供給源70aから供給される硫酸(H2SO4)と、過酸化水素水供給源70bから供給される過酸化水素水(H2O2)とを混合する。そして、混合部46は、混合された混合液であるSPM(Sulfuric acid Hydrogen Peroxide Mixture)を生成する。
混合部46で生成された混合液は、第1供給管45aを通って第1ノズル41aからウェハWの上面へ供給される。なお、混合部46としては、たとえばミキサーを用いることができるが、これに限られるものではない。
また、バルブ60bのみを開放した場合、過酸化水素水供給源70bから供給される過酸化水素水は、第3供給管45c、混合部46および第1供給管45aを通って第1ノズル41aからウェハWの上面へ供給される。
なお、硫酸供給源70aから供給される硫酸は、比較的高温であり、たとえば90℃である。また、過酸化水素水供給源70bから供給される過酸化水素水は、たとえば常温(25℃程度)である。また、混合部46で生成される混合液は、硫酸の希釈熱によって温度が上昇し、硫酸の温度よりも高い温度、たとえば160℃程度になる。このように、混合液の温度が比較的高くなることで、ウェハWの上面に形成されたレジストの除去能力を高めることができる。
なお、上記した硫酸は第1処理液の一例であり、過酸化水素水は第2処理液の一例である。また、第1処理液は、上記した硫酸に限定されるものではなく、たとえば、硝酸などその他の処理流体であってもよい。また、第2処理液は、上記した過酸化水素水に限定されるものではなく、たとえば、DHF(希フッ酸)、DIW(純水)、BHF(バッファードフッ酸)などその他の処理流体であってもよい。
また、混合部46の上流側、たとえば、第2供給管45bにおいて混合部46とバルブ60aとの間には、第4供給管45dが接続される。かかる第4供給管45dは、不活性ガス供給源70cに接続される。また、第4供給管45dには、バルブ60cが介挿される。不活性ガス供給源70cから供給される不活性ガスとしては、たとえばN2を用いることができるが、これに限られず、たとえばアルゴンなどその他の種類のガスであってもよい。なお、上記した不活性ガス供給源70cやバルブ60cの詳細については、後述する。また、第4供給管45dおよびバルブ60cは、不活性ガス供給部の一例である。
第2液供給部40bは、第2ノズル41bと、第2ノズル41bを水平に支持する第2アーム42bと、第2アーム42bを旋回および昇降させる第2旋回昇降機構43bとを備える。
第2ノズル41bは、第5供給管45eを介してDIW供給源70dに接続される。また、第5供給管45eには、バルブ60dが介挿される。
したがって、バルブ60dが開放されると、DIW供給源70dから供給されるDIWは、第5供給管45eを通って第2ノズル41bからウェハWの上面へ供給される。なお、DIW供給源70dから供給されるDIWは、たとえば常温(25℃程度)の純水である。なお、DIWはリンス液の一例である。また、第5供給管45eおよびバルブ60dは、リンス液供給部の一例である。
なお、上記では、第1ノズル41aは第1アーム42aに、第2ノズル41bは第2アーム42bに支持されるようにしたが、これに限られず、第1、第2ノズル41a,41bが同じアームに支持されるようにしてもよい。また、第1ノズル41aと第2ノズル41bとは、別々のノズルであることを要せず、たとえば同じノズルであってもよい。
本実施形態に係る基板処理システム1は、上記のように構成されており、保持部31に保持されたウェハWの上面に混合液等の処理流体を供給することによって、ウェハWの上面に形成されたレジストを除去する。
<3.基板処理システムの具体的動作>
次に、本実施形態に係る基板処理システム1が実行する基板処理の内容について図4および図5A〜5Eを参照して説明する。
図4は、本実施形態に係る基板処理システム1が実行する基板処理の処理手順を示すフローチャートである。図5A〜5Eは、処理ユニット16内で行われる基板処理の一部を示す模式図である。なお、図4に示す各処理手順は、制御装置4の制御部18の制御に従って実行される。
まず、基板搬送装置17(図1参照)によって処理ユニット16のチャンバ20(図2参照)内にウェハWが搬入されて、レジストが形成された面を上方に向けた状態で保持部31の保持部材311に保持される。その後、制御部18は、駆動部33を制御し、保持部31を予め設定された第1所定回転数R1(たとえば50rpm)で回転させる。
続いて、処理ユニット16では、図4に示すように、混合液供給処理が行われる(ステップS101)。かかる混合液供給処理では、制御部18は、第1旋回昇降機構43aを制御し、第1ノズル41aをウェハWの中央上方に位置させる。
その後、制御部18は、バルブ60aおよびバルブ60bを所定時間開放する。これにより、図5Aに示すように、硫酸と過酸化水素水とが混合部46へ供給されて混合され、混合液(SPM)が生成される。混合部46で生成された混合液は、第1供給管45aおよび第1ノズル41aを介して、回転するウェハWの上面へ供給される。
ウェハWに供給された混合液は、ウェハWの回転に伴う遠心力によってウェハWの表面に塗り広げられる。これにより、ウェハWの上面に形成されたレジストが、混合液に含まれるカロ酸(H2SO5:ペルオキソ一硫酸)の強い酸化力によって除去される。
続いて、処理ユニット16では、ウェハWの上面の混合液を洗い流す処理が行われる。ここで、上記した混合液に含まれる硫酸は粘度が比較的高いため、DIWの供給では十分に洗い流すことが困難であった。そのため、従来技術では、混合液供給処理後のウェハWに対して過酸化水素水を供給することにより、ウェハWに残存する硫酸を粘度の低いカロ酸に変化させて洗い流しやすくする処理を行っていた。
しかしながら、混合液の温度は、上記したように160℃と比較的高温である。一方、過酸化水素水の沸点(35wt%で108℃)は、混合液や硫酸の沸点よりも低く、また、混合液の温度よりも低い。
そのため、混合液を供給した第1供給管45aおよび第1ノズル41aから続けて過酸化水素水を供給する場合、過酸化水素水の沸点よりも高い温度の混合液に過酸化水素水が第1供給管45a内で接することとなる。高温の混合液に過酸化水素水が接すると、混合液と過酸化水素水との境界付近において、過酸化水素水に含まれる水分が沸騰して気泡が発生するとともに、第1供給管45aの内圧が上昇することがあった。
これにより、たとえば、第1供給管45aから第1ノズル41aを介して吐出される処理液が混合液から過酸化水素水へ切り替わる際に、スプラッシュが生じ、回収カップ50やチャンバ20の内壁など周囲の器具を汚染するおそれがあった。
そこで、本実施形態に係る処理ユニット16においては、混合液を供給した後の第1供給管45a内に、混合液以外の流体で充填された非混合液部分47(図5B参照)を形成する処理を行うこととした(ステップS102)。その後、過酸化水素水を、非混合液部分47が形成された第1供給管45aを介してウェハWへ供給する過酸化水素水供給処理を行うこととした(ステップS103)。
このように、第1供給管45a内に非混合液部分47を形成することで、混合液と過酸化水素水との接触を抑制することが可能となる。これにより、たとえば混合液と過酸化水素水とが同じ第1供給管45aからウェハWへ供給される場合であっても、過酸化水素水の温度は沸点に到達しにくく、よって上記したスプラッシュの発生を抑制することができる。
以下、ステップS102の非混合液部分形成処理(以下、「形成処理」という場合がある)、および、ステップS103の過酸化水素水供給処理の内容について詳しく説明する。
形成処理において、制御部18は、バルブ60aおよびバルブ60bを閉鎖し、硫酸および過酸化水素水の供給を停止した後、バルブ60cを開放する。これにより、図5Bに示すように、不活性ガス供給源70cから不活性ガスが第4供給管45d、第2供給管45b、混合部46を介して第1供給管45aへ供給される。すなわち、第1供給管45a内などにおいて混合液が残留した部分よりも上流側に、不活性ガスが注入される。
これにより、混合部46や第1供給管45a内には、不活性ガスで充填された非混合液部分47が形成されることとなる。なお、第4供給管45dおよびバルブ60cは、非混合液部分47を形成する形成部の一例である。
さらに、制御部18は、バルブ60cを所定時間継続して開放する。これにより、不活性ガスがさらに第1供給管45aへ供給され、図5Cに示すように、第1供給管45aに残留した混合液はウェハW側へ押し出される。これにより、第1供給管45aや第1ノズル41a内に残った混合液を全てウェハWへ供給することができ、よって混合部46で生成された混合液を無駄なく有効利用することができる。
また、制御部18は、上記した非混合液部分47を形成する際、混合液供給処理におけるウェハWの回転数(第1所定回転数R1)よりも低い第2所定回転数R2(たとえば20rpm以上50rpm未満)でウェハWを回転させる。これにより、たとえば、形成処理が行われる間にウェハWの表面が乾燥することを抑制することができる。
具体的に説明すると、形成処理において、第1供給管45a内の混合液が全てウェハWに供給されると、次に過酸化水素水が供給されるまでウェハWには処理液が供給されない。そのため、ウェハWの表面の混合液がウェハWの回転による遠心力によって振り切られて乾燥してしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、形成処理におけるウェハWの回転数を、混合液供給処理におけるウェハWの回転数よりも低下させ、それによってウェハWの回転による遠心力を低下させるようにした。これにより、ウェハWの表面の混合液は遠心力によって振り切られにくくなり、ウェハWの表面が乾燥することを抑制することができる。
次いで、図4に示すように、処理ユニット16では、上記した過酸化水素水供給処理が行われる。かかる過酸化水素水供給処理において、制御部18は、バルブ60cを閉鎖し、不活性ガスの供給を停止した後、バルブ60bを所定時間開放する。これにより、図5Dに示すように、過酸化水素水供給源70bから過酸化水素水が第3供給管45c、混合部46を介して第1供給管45aへ供給される。そして、第1供給管45aなどに存在する非混合液部分47(不活性ガス)は、第1ノズル41aからウェハW側へ押し出される。
その後、図5Eに示すように、過酸化水素水は、第1ノズル41aに到達し、第1ノズル41aからウェハWの上面へ供給される。なお、過酸化水素水は第2処理液であるため、上記した過酸化水素水供給処理は、第2処理液供給処理の一例である。
ウェハWに供給された過酸化水素水は、ウェハWの回転に伴う遠心力によってウェハWの表面に塗り広げられる。これにより、ウェハW上に残存する硫酸が過酸化水素水と反応して粘度の低いカロ酸に変化し、後段のDIW供給処理においてウェハW上に残存する薬液を洗い流しやすくすることができる。
また、制御部18は、ウェハWへの過酸化水素水の供給が開始されると、低下させていたウェハWの回転数を、第2所定回転数R2よりも高い第3所定回転数R3(たとえば50rpm)へ上昇させる。なお、上記では、第3所定回転数R3の具体的な数値を第1所定回転数R1と同じ値としたが、これは例示であって限定されるものではなく、たとえば互いに異なる値としてもよい。
過酸化水素水供給処理が完了すると、処理ユニット16では続いて、リンス処理が行われる(ステップS104)。かかるリンス処理では、制御部18は、第2旋回昇降機構43bを制御し、ウェハWの中央上方に第2ノズル41b(図3参照)を位置させる。そして、制御部18は、バルブ60dを所定時間開放する。これにより、DIW供給源70dからDIWが第5供給管45e、第2ノズル41bを介してウェハWの上面へ供給される。
ウェハWに供給されたDIWは、ウェハWの回転に伴う遠心力によってウェハWの表面に塗り広げられる。これにより、ウェハWに残存する薬液がDIWによって洗い流される。
次いで、処理ユニット16では、乾燥処理が行われる(ステップS105)。かかる乾燥処理では、制御部18は、ウェハWを比較的高い回転数(たとえば、1000rpm)で所定時間回転させる。これにより、ウェハWに残存するDIWが振り切られて、ウェハWが乾燥する。その後、制御部18は、ウェハWの回転を停止させて、一連の基板処理が終了する。
上述してきたように、本実施形態に係る基板処理方法は、混合液供給工程と、形成工程と、過酸化水素水供給工程(第2処理液供給工程の一例)とを含む。混合液供給工程は、硫酸(第1処理液)と過酸化水素水(第2処理液)とを混合して混合液(SPM)を生成し、過酸化水素水の沸点より高い温度の混合液を第1供給管45aを介してウェハWへ供給する。形成工程は、混合液供給工程の後、第1供給管45a内に非混合液部分47を形成する。過酸化水素水供給工程は、形成工程の後、非混合液部分47が形成された第1供給管45aを介して過酸化水素水をウェハWへ供給する。
これにより、過酸化水素水の沸点よりも高い温度の混合液と過酸化水素水とが同じ第1供給管45aからウェハWへ供給される場合であっても、スプラッシュの発生を抑制することができる。
また、本実施形態にあっては、形成工程において、第1供給管45a内に不活性ガスを注入することによって、第1供給管45a内に非混合液部分47を形成するようにした。これにより、第1供給管45a内に非混合液部分47を容易に形成することができる。
<4.変形例>
次に、本実施形態に係る基板処理システム1の第1、第2変形例について説明する。第1変形例における基板処理システム1では、形成処理時のウェハWの回転数である第2所定回転数R2を、混合液の粘度に応じて変更するようにした。図6は、混合液の粘度と第2所定回転数R2との関係の一例を示す図である。
詳説すると、たとえば混合液において、硫酸に対する過酸化水素水の割合が多く、粘度が比較的低い場合、ウェハWの回転数が高くなると、ウェハWの表面において乾燥が生じやすくなる。そのため、第1変形例における基板処理システム1では、図6に示すように、混合液の粘度が比較的低い場合、第2所定回転数R2が低回転となるように設定される。
一方、混合液において、硫酸に対する過酸化水素水の割合が少なく、混合液の粘度が比較的高い場合、ウェハWの回転数が高くても、ウェハWの表面に乾燥は生じにくい。そこで、第1変形例においては、混合液の粘度が比較的高い場合、第2所定回転数R2が高回転となるように設定される。
すなわち、第1変形例では、第2所定回転数R2は、混合液の粘度が低くなるにつれて、低回転となるように設定される。具体的に制御部18は、たとえば、硫酸と過酸化水素水との混合比に基づいて混合液の粘度を推定し、推定された混合液の粘度に応じて第2所定回転数R2を設定する。これにより、第1変形例においては、第2所定回転数R2を混合液の粘度に応じて変更することができ、よってウェハWの乾燥を効果的に抑制することができる。
次に、第2変形例について説明する。第2変形例における基板処理システム1では、形成処理時における不活性ガスの供給量を、混合液の粘度に応じて変更するようにした。図7は、混合液の粘度と不活性ガスの供給量との関係の一例を示す図である。
詳説すると、上記したように、粘度が比較的低い場合、ウェハWの表面において乾燥が生じやすくなる。そのため、第2変形例における基板処理システム1では、図7に示すように、混合液の粘度が比較的低い場合、不活性ガスの供給量が少なくなるように設定される、すなわち、形成処理に要する時間が短くなるように設定される。
一方、混合液の粘度が比較的高い場合、ウェハWの表面に乾燥は生じにくい。そこで、第2変形例においては、混合液の粘度が比較的高い場合、不活性ガスの供給量が多くなるように設定される。これにより、第1供給管45a内に非混合液部分47が確実に形成される。
すなわち、第2変形例では、不活性ガスの供給量は、混合液の粘度が低くなるにつれて、少なくなるように設定される。具体的に制御部18は、たとえば、硫酸と過酸化水素水との混合比に基づいて混合液の粘度を推定し、推定された混合液の粘度に応じて不活性ガスの供給量を設定する。これにより、第2変形例においては、不活性ガスの供給量を混合液の粘度に応じて変更することができ、よってウェハWの乾燥を効果的に抑制することができる。
なお、上記した第1変形例と第2変形例とを組み合わせるように構成してもよい。すなわち、制御部18は、硫酸と過酸化水素水との混合比に基づいて混合液の粘度を推定し、推定された混合液の粘度に応じて第2所定回転数R2および不活性ガスの供給量を設定するようにしてもよい。
(第2の実施形態)
次いで、第2の実施形態に係る基板処理システム1について説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同様の部分については、既に説明した部分と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
第2の実施形態に係る基板処理システム1では、第1供給管45a内において混合液が残留した部分よりも上流側に不活性ガスを注入して不活性ガス層を形成し、不活性ガス層を非混合液部分47として形成するようにした。
以下、第2の実施形態について図8Aおよび図8Bを参照して説明する。図8Aおよび図8Bは、第2の実施形態における処理ユニット16内で行われる基板処理の一部を示す模式図である。
上記したように、処理ユニット16では、混合液供給処理の後、形成処理が行われる(図4参照)。かかる形成処理において、制御部18は、バルブ60cを開放する。これにより、図8Aに示すように、不活性ガス供給源70cから不活性ガスが第4供給管45d、第2供給管45b、混合部46を介して第1供給管45aへ供給される。すなわち、第1供給管45a内などにおいて混合液が残留した部分よりも上流側に、不活性ガスが注入される。
続いて、制御部18は、不活性ガスが第1供給管45aに残留した混合液をウェハW側へ全てを押し出す前に、バルブ60cを閉鎖する一方、バルブ60bを開放する。これにより、過酸化水素水が第3供給管45cおよび混合部46を介して第1供給管45aへ供給される。
したがって、第1供給管45aにおいては、図8Bに示すように、不活性ガスは、混合液と過酸化水素水との間に層状に充填されることとなる。層状の不活性ガスが「不活性ガス層」であり、第2の実施形態では、かかる不活性ガス層が非混合液部分47とされる。
これにより、第2の実施形態にあっては、混合液と過酸化水素水とが同じ第1供給管45aからウェハWへ供給される場合であっても、不活性ガス層である非混合液部分47を形成することで、スプラッシュの発生を抑制することができる。
また、第2の実施形態においては、不活性ガスが第1供給管45aに残留した混合液をウェハW側へ全てを押し出す前に、バルブ60cを閉鎖することから、比較的少ない不活性ガスで非混合液部分47(不活性ガス層)を形成することができる。なお、残余の効果は第1の実施形態と同一であるので、説明を省略する。
(第3の実施形態)
次いで、第3の実施形態に係る基板処理システム1について説明する。第3の実施形態に係る処理ユニット16は、図1に想像線で示すように、チャンバ20内に収容部80と、排水路81とをさらに備える。収容部80は、たとえば、回収カップ50の外方に配置されるが、配置位置はこれに限定されない。
また、収容部80は、図1に破線で示すように、ウェハWに処理液を吐出していない状態の第1ノズル41a、換言すると、待機中の第1ノズル41aを収容する。なお、収容部80としては、たとえば、第1ノズル41aを洗浄するノズルバスなどを用いることができるが、これに限定されるものではない。
排水路81は、収容部80に接続され、たとえば収容部80内で第1ノズル41aから吐出された混合液などの処理液を外部へ排水する。なお、第3の実施形態に係る処理ユニット16においては、第1の実施形態における不活性ガス供給源70c、第4供給管45dおよびバルブ60cが除去される。
上記のように構成された第3の実施形態に係る処理ユニット16においては、第1ノズル41aを収容部80に待機させた状態で、形成処理が実行されるようにした。これにより、混合液と過酸化水素水とを同じ第1供給管45aからウェハWへ供給する場合であっても、スプラッシュが生じて周囲が汚染されることを抑制することができる。
以下、第3の実施形態に係る処理ユニット16内で行われる基板処理の内容について図9および図10A,10Bを参照して具体的に説明する。図9は、第3の実施形態に係る基板処理システム1が実行する基板処理の処理手順を示すフローチャートである。また、図10A,10Bは、処理ユニット16内で行われる基板処理の一部を示す模式図である。
図9に示すように、第3の実施形態に係る処理ユニット16では、ステップS101の混合液供給処理後、待機位置移動処理が行われる(ステップS101a)。かかる待機位置移動処理において、制御部18は、第1旋回昇降機構43aを制御し、第1ノズル41aを収容部80に収容して第1ノズル41aを待機させる。
続いて、処理ユニット16では、形成処理が行われる(ステップS102)。形成処理において、制御部18は、バルブ60bを開放する。これにより、図10Aに示すように、過酸化水素水が第3供給管45c、混合部46を介して第1供給管45aへ供給される。すなわち、第1供給管45a内などにおいて混合液が残留した部分よりも上流側に、過酸化水素水が注入される。
さらに、制御部18は、バルブ60bを所定時間継続して開放する。これにより、過酸化水素水がさらに第1供給管45aへ供給され、図10Bに示すように、第1供給管45aに残留した混合液は収容部80へ押し出される。なお、収容部80に押し出された混合液は、排水路81を通って外部へ排水される。
このように、第3の実施形態では、第1ノズル41aを収容部80に待機させた状態で過酸化水素水を供給して、第1供給管45a内の混合液を押し出し、かかる過酸化水素水を非混合液部分47として形成するようにした。
形成処理においては、第1ノズル41aが収容部80に収容された状態であるため、仮にスプラッシュが生じた場合であっても、混合液などは収容部80内に飛散することとなり、よってスプラッシュによって周囲が汚染されることを抑制することができる。なお、第3供給管45cおよびバルブ60bは、形成部の一例である。
次いで、処理ユニット16では、液供給位置移動処理が行われる(ステップS102a)。かかる液供給位置移動処理において、制御部18は、たとえば、第1旋回昇降機構43aの動作を制御し、収容部80に収容されていた第1ノズル41aを、収容部80からウェハWの中央上方の吐出位置、詳しくは過酸化水素水等をウェハWに供給する位置へ移動させる。
続いて、制御部18は、上記した過酸化水素水供給処理、DIW供給処理および乾燥処理を実行し、一連の基板処理が終了する。
このように、第3の実施形態に係る基板処理システム1においては、第1ノズル41aを収容部80に待機させた状態で、形成処理が実行されることから、スプラッシュが生じて周囲が汚染されることを抑制することができる。なお、残余の効果は従前の実施形態と同一であるので、説明を省略する。
また、上記では、第1供給管45a内などにおいて混合液が残留した部分よりも上流側に、過酸化水素水が注入されるようにしたが、これに限られず、たとえば、不活性ガスが注入されるようにしてもよい。これにより、スプラッシュの発生を効果的に抑えることができるとともに、周囲が汚染されることをより一層抑制することができる。
(第4の実施形態)
次いで、第4の実施形態に係る基板処理システム1について説明する。第4の実施形態では、第1供給管45aなどに残留した混合液を処理ユニット16aの外部へ排出することで、第1供給管45a内に非混合液部分47を形成するようにした。
以下、第4の実施形態について図11および図12A,12Bを参照して説明する。図11は、第4の実施形態に係る処理ユニット16aの構成例を示す図である。図12Aおよび図12Bは、処理ユニット16a内で行われる基板処理の一部を示す模式図である。
図11に示すように、第4の実施形態に係る処理ユニット16aにおいては、第1の実施形態における不活性ガス供給源70c、第4供給管45dおよびバルブ60cが除去される。
また、処理ユニット16aは、排出管90を備える。排出管90は、第2供給管45bの途中、詳しくは、第2供給管45bにおいて混合部46とバルブ60aとの間に接続される。したがって、排出管90は、第2供給管45bを介して、混合部46および第1供給管45aに接続されているともいえる。また、排出管90には、バルブ91が介挿される。
上記のように構成された処理ユニット16aにおいて、形成処理が行われる。かかる形成処理において、制御部18は、バルブ60aおよびバルブ60bを閉鎖し、硫酸および過酸化水素水の供給を停止した後、バルブ91を所定時間開放する。これにより、図12Aに示すように、第1供給管45aや混合部46、第2供給管45bなどに残留した混合液は、排出管90を介して外部へ排出される。このとき、第1供給管45aにおいては、第1ノズル41a側からエアが吸い込まれることとなるため、第4の実施形態では、かかるエアを非混合液部分47として形成するようにした。なお、排出管90およびバルブ91は、形成部の一例である。
続いて、非混合液部分47(エア)が形成された状態で、制御部18は、バルブ91を閉鎖する一方、バルブ60bを開放する。これにより、図12Bに示すように、過酸化水素水は、第3供給管45cおよび混合部46を介して第1供給管45aへ供給され、第1供給管45a内に残留した非混合液部分47(エア)をウェハW側へ押し出す。その後、第1供給管45aに供給された過酸化水素水は、第1ノズル41aを介してウェハWへ供給される。
このように、第4の実施形態にあっては、第1供給管45aに残留した混合液を、第1供給管45aに接続された排出管90を介して排出することによって、第1供給管45a内に非混合液部分47を形成するようにした。
これにより、第1供給管45a内において、混合液と過酸化水素水との接触を抑制することが可能となり、たとえば混合液と過酸化水素水とが同じ第1供給管45aからウェハWへ供給される場合であっても、スプラッシュの発生を抑制することができる。なお、残余の効果は従前の実施形態と同一であるので、説明を省略する。
また、上記した第4の実施形態においては、図11に想像線で示すように、排出管90に吸引部92を設けるようにしてもよい。具体的に説明すると、吸引部92は、第1供給管45aに残留した混合液を吸引し、吸引した混合液を排出管90を介して外部へ排出させる。なお、吸引部92としては、たとえば、第1供給管45a等に負圧を発生させるポンプなどの装置を用いることができるが、これに限られない。
そして、制御部18は、形成処理が開始されると、バルブ91を開放するとともに、吸引部92を駆動させる。これにより、第1供給管45aに残留した混合液は、排出管90を介して早期に排出することができ、結果としてウェハWの処理に要する時間の短縮を図ることが可能となる。
なお、上記した第1、第2の実施形態では、第2供給管45bにおいて混合部46とバルブ60aとの間に、第4供給管45dを接続して不活性ガスを供給するようにしたが、不活性ガスが供給される位置は例示であって、限定されるものではない。すなわち、不活性ガスが供給される位置は、たとえば、第2供給管45bにおいてバルブ60aと硫酸供給源70aとの間、第3供給管45cにおいて混合部46とバルブ60bとの間、あるいは、第3供給管45cにおいてバルブ60bと過酸化水素水供給源70bとの間であってもよい。
また、上記では、不活性ガスが供給される位置が、混合部46の上流側となるように構成したが、混合部46の下流側であってもよい。
また、第4の実施形態では、排出管90が、第2供給管45bにおいて混合部46とバルブ60aとの間に接続されるようにしたが、これに限定されるものではない。すなわち、排出管90が接続される位置は、たとえば、第3供給管45cにおいて混合部46とバルブ60bとの間など、第1供給管45aに残留した混合液を排出可能であれば、どのような位置であってもよい。
また、上記では、非混合液部分47を形成する際、ウェハWの回転数を低下させるように構成したが、これに限定されるものではなく、たとえば、回転数を低下させずに、混合液供給処理時の回転数を維持するように構成してもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 基板処理システム
4 制御装置
16,16a 処理ユニット
18 制御部
41a 第1ノズル
45a 第1供給管
46 混合部
47 非混合液部分
70a 硫酸供給源
70b 過酸化水素水供給源
70c 不活性ガス供給源
70d DIW供給源
W ウェハ

Claims (14)

  1. 第1処理液と第2処理液とを混合して混合液を生成し、前記第2処理液の沸点より高い温度の前記混合液を供給管を介して基板へ供給する混合液供給工程と、
    前記混合液供給工程の後、前記供給管内に前記混合液以外の流体で充填された非混合液部分を形成する形成工程と、
    前記形成工程の後、前記非混合液部分が形成された前記供給管を介して前記第2処理液を基板へ供給する第2処理液供給工程と
    を含み、
    前記形成工程は、
    前記供給管内に不活性ガスを注入することによって、前記供給管内に前記非混合液部分を形成するとともに、前記供給管内において前記混合液が残留した部分よりも上流側に不活性ガスを注入し、前記供給管に残留した前記混合液を基板側へ押し出すことによって、前記供給管内に前記非混合液部分を形成すること
    を特徴とする基板処理方法。
  2. 第1処理液と第2処理液とを混合して混合液を生成し、前記第2処理液の沸点より高い温度の前記混合液を供給管を介して基板へ供給する混合液供給工程と、
    前記混合液供給工程の後、前記供給管内に前記混合液以外の流体で充填された非混合液部分を形成する形成工程と、
    前記形成工程の後、前記非混合液部分が形成された前記供給管を介して前記第2処理液を基板へ供給する第2処理液供給工程と
    を含み、
    前記形成工程は、
    前記供給管内に不活性ガスを注入することによって、前記供給管内に前記非混合液部分を形成するとともに、前記供給管内において前記混合液が残留した部分よりも上流側に不活性ガスを注入して不活性ガス層を形成し、前記不活性ガス層を前記非混合液部分として形成すること
    を特徴とする基板処理方法。
  3. 第1処理液と第2処理液とを混合して混合液を生成し、前記第2処理液の沸点より高い温度の前記混合液を供給管を介して基板へ供給する混合液供給工程と、
    前記混合液供給工程の後、前記供給管内に前記混合液以外の流体で充填された非混合液部分を形成する形成工程と、
    前記形成工程の後、前記非混合液部分が形成された前記供給管を介して前記第2処理液を基板へ供給する第2処理液供給工程と
    前記混合液供給工程の後、前記供給管の先端に設けられたノズルを収容部に収容して前記ノズルを待機させる待機工程と
    を含み、
    前記形成工程は、
    前記待機工程の後、前記ノズルを待機させた状態で前記供給管内に前記非混合液部分を形成すること
    を特徴とする基板処理方法。
  4. 前記形成工程は、
    前記供給管内において前記混合液が残留した部分よりも上流側に前記第2処理液を注入し、前記供給管に残留した前記混合液を前記収容部側へ押し出すことによって、前記供給管内に前記非混合液部分を形成すること
    を特徴とする請求項に記載の基板処理方法。
  5. 第1処理液と第2処理液とを混合して混合液を生成し、前記第2処理液の沸点より高い温度の前記混合液を供給管を介して基板へ供給する混合液供給工程と、
    前記混合液供給工程の後、前記供給管内に前記混合液以外の流体で充填された非混合液部分を形成する形成工程と、
    前記形成工程の後、前記非混合液部分が形成された前記供給管を介して前記第2処理液を基板へ供給する第2処理液供給工程と
    を含み、
    前記形成工程は、
    前記供給管に残留した前記混合液を、前記供給管に接続された排出管を介して排出することによって、前記供給管内に前記非混合液部分を形成すること
    を特徴とする基板処理方法。
  6. 第1処理液と第2処理液とを混合して混合液を生成し、前記第2処理液の沸点より高い温度の前記混合液を供給管を介して基板へ供給する混合液供給工程と、
    前記混合液供給工程の後、前記供給管内に前記混合液以外の流体で充填された非混合液部分を形成する形成工程と、
    前記形成工程の後、前記非混合液部分が形成された前記供給管を介して前記第2処理液を基板へ供給する第2処理液供給工程と
    を含み、
    前記混合液供給工程は、
    回転する基板に対して前記混合液を供給し、
    前記形成工程は、
    前記混合液供給工程における基板の回転数よりも低い回転数で前記混合液供給工程後の基板を回転させつつ、前記非混合液部分を形成すること
    を特徴とする基板処理方法。
  7. 第1処理液と第2処理液とを混合して混合液を生成する混合部と、
    前記混合部において生成された前記混合液を基板へ供給する供給管と、
    前記供給管内に前記混合液以外の流体で充填された非混合液部分を形成する形成部と、
    前記第1処理液と前記第2処理液とを前記混合部で混合して前記混合液を生成し、前記第2処理液の沸点より高い温度の前記混合液を前記供給管を介して基板へ供給する混合液供給処理と、前記混合液供給処理の後に前記形成部によって前記供給管内に前記非混合液部分を形成する形成処理と、前記形成処理の後に前記非混合液部分が形成された前記供給管を介して前記第2処理液を基板へ供給する第2処理液供給処理とを行う制御部と
    を備え
    前記形成部は、
    前記供給管内に不活性ガスを注入する不活性ガス供給部
    を備え、
    前記制御部は、
    前記形成処理において、前記混合液供給処理の後に前記不活性ガス供給部によって前記供給管内に不活性ガスを注入することで、前記供給管内に前記非混合液部分を形成するとともに、前記供給管内において前記混合液が残留した部分よりも上流側に不活性ガスを注入し、前記供給管に残留した前記混合液を基板側へ押し出すことによって、前記供給管内に前記非混合液部分を形成すること
    を特徴とする基板処理装置。
  8. 第1処理液と第2処理液とを混合して混合液を生成する混合部と、
    前記混合部において生成された前記混合液を基板へ供給する供給管と、
    前記供給管内に前記混合液以外の流体で充填された非混合液部分を形成する形成部と、
    前記第1処理液と前記第2処理液とを前記混合部で混合して前記混合液を生成し、前記第2処理液の沸点より高い温度の前記混合液を前記供給管を介して基板へ供給する混合液供給処理と、前記混合液供給処理の後に前記形成部によって前記供給管内に前記非混合液部分を形成する形成処理と、前記形成処理の後に前記非混合液部分が形成された前記供給管を介して前記第2処理液を基板へ供給する第2処理液供給処理とを行う制御部と
    を備え
    前記形成部は、
    前記供給管内に不活性ガスを注入する不活性ガス供給部
    を備え、
    前記制御部は、
    前記形成処理において、前記混合液供給処理の後に前記不活性ガス供給部によって前記供給管内に不活性ガスを注入することで、前記供給管内に前記非混合液部分を形成するとともに、前記供給管内において前記混合液が残留した部分よりも上流側に不活性ガスを注入して不活性ガス層を形成し、前記不活性ガス層を前記非混合液部分として形成すること
    を特徴とする基板処理装置。
  9. 第1処理液と第2処理液とを混合して混合液を生成する混合部と、
    前記混合部において生成された前記混合液を基板へ供給する供給管と、
    前記供給管内に前記混合液以外の流体で充填された非混合液部分を形成する形成部と、
    前記第1処理液と前記第2処理液とを前記混合部で混合して前記混合液を生成し、前記第2処理液の沸点より高い温度の前記混合液を前記供給管を介して基板へ供給する混合液供給処理と、前記混合液供給処理の後に前記形成部によって前記供給管内に前記非混合液部分を形成する形成処理と、前記形成処理の後に前記非混合液部分が形成された前記供給管を介して前記第2処理液を基板へ供給する第2処理液供給処理とを行う制御部と
    前記供給管の先端に設けられたノズルを収容して前記ノズルを待機させる収容部と
    を備え
    前記制御部は、
    前記混合液供給処理の後、前記ノズルを前記収容部へ移動させて待機させる待機位置移動処理を行い、前記待機位置移動処理の後の前記形成処理において、前記ノズルを待機させた状態で前記供給管内に前記非混合液部分を形成するとともに、前記形成処理後で前記第2処理液供給処理前に、前記ノズルを前記収容部から前記第2処理液を基板に供給する位置へ移動させる液供給位置移動処理を行うこと
    を特徴とする基板処理装置。
  10. 前記制御部は、
    前記形成処理において、前記供給管内において前記混合液が残留した部分よりも上流側に前記第2処理液を注入し、前記供給管に残留した前記混合液を前記収容部側へ押し出すことによって、前記供給管内に前記非混合液部分を形成すること
    を特徴とする請求項に記載の基板処理装置。
  11. 第1処理液と第2処理液とを混合して混合液を生成する混合部と、
    前記混合部において生成された前記混合液を基板へ供給する供給管と、
    前記供給管内に前記混合液以外の流体で充填された非混合液部分を形成する形成部と、
    前記第1処理液と前記第2処理液とを前記混合部で混合して前記混合液を生成し、前記第2処理液の沸点より高い温度の前記混合液を前記供給管を介して基板へ供給する混合液供給処理と、前記混合液供給処理の後に前記形成部によって前記供給管内に前記非混合液部分を形成する形成処理と、前記形成処理の後に前記非混合液部分が形成された前記供給管を介して前記第2処理液を基板へ供給する第2処理液供給処理とを行う制御部と
    前記供給管に接続され、前記供給管に残留した前記混合液を排出する排出管と
    を備え
    前記制御部は、
    前記形成処理において、前記供給管に残留した前記混合液を前記排出管を介して排出することによって、前記供給管内に前記非混合液部分を形成すること
    を特徴とする基板処理装置。
  12. 第1処理液と第2処理液とを混合して混合液を生成する混合部と、
    前記混合部において生成された前記混合液を基板へ供給する供給管と、
    前記供給管内に前記混合液以外の流体で充填された非混合液部分を形成する形成部と、
    前記第1処理液と前記第2処理液とを前記混合部で混合して前記混合液を生成し、前記第2処理液の沸点より高い温度の前記混合液を前記供給管を介して基板へ供給する混合液供給処理と、前記混合液供給処理の後に前記形成部によって前記供給管内に前記非混合液部分を形成する形成処理と、前記形成処理の後に前記非混合液部分が形成された前記供給管を介して前記第2処理液を基板へ供給する第2処理液供給処理とを行う制御部と
    保持部によって保持された基板を回転させる駆動部と
    を備え
    前記制御部は、
    前記混合液供給処理において、前記駆動部によって基板を回転させ、回転する基板に対して前記混合液を供給し、前記形成処理において、前記駆動部によって前記混合液供給処理における基板の回転数よりも低い回転数で前記混合液供給処理後の基板を回転させつつ、前記非混合液部分を形成すること
    を特徴とする基板処理装置。
  13. リンス液を基板へ供給するリンス液供給部
    をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記第2処理液供給処理の後、前記リンス液供給部から基板へリンス液を供給するリンス処理を行うこと
    を特徴とする請求項12のいずれか一つに記載の基板処理装置。
  14. コンピュータ上で動作し、基板処理装置を制御するプログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
    前記プログラムは、実行時に、請求項1〜のいずれか一つに記載の基板処理方法が行われるように、コンピュータに前記基板処理装置を制御させること
    を特徴とする記憶媒体。
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