JP6301281B2 - 基板液処理方法、基板液処理装置および記憶媒体 - Google Patents

基板液処理方法、基板液処理装置および記憶媒体 Download PDF

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Description

本発明は、半導体ウエハ等の基板に液処理を施すにあたって、基板表面の凹部内にある処理液を他の処理液に置換する技術に関する。
半導体装置の製造工程には、薬液洗浄処理またはウエットエッチング処理等の液処理が含まれる。このような液処理は、薬液を半導体ウエハ等の基板に薬液を供給する薬液処理工程と、薬液処理工程の後に純水等のリンス液を用いて基板上に残留する薬液および反応生成物を洗い流すリンス工程と、リンス工程の後に基板上に残留するリンス液をIPA(イソプロピルアルコール)等の乾燥補助用有機溶剤により置換する置換工程と、置換工程の後に基板を乾燥させる乾燥工程とが含まれる。
上記液処理において、薬液処理工程からリンス工程に移行する際、並びに、リンス工程から置換工程に移行する際には、前工程で基板に供給されて基板上に残留する第1処理液が、後工程で基板に供給される第2処理液に置換される(例えば特許文献1を参照)。例えば、純水からIPAへの置換を行う際に、置換が完全に行われず、基板表面に形成されたパターンの凹部の底部に純水が残ってしまうと、乾燥工程において純水が凹部から出て行くときに純水の表面張力によりパターンの倒壊が生じるおそれがある。また例えば、薬液から純水への置換を行う際に、置換が完全に行われずに凹部内に薬液が残留すると、薬液成分により腐食が生じるおそれもある。
従って、第1処理液が凹部内に残留することがないように第2処理液への完全な液置換が行われることが望ましい。しかも、基板液処理装置のスループットを損なわないように、液置換が効率良く短時間で行われることも望まれている。さらに、近年のパターンのさらなる微細化に伴い、パターンの凹部内に入り混んだ第1処理液を第2処理液に置換することはより困難となっている。
特許5016525号公報
本発明は、基板表面に形成された凹部内に存在する第1の処理液を、第2の処理液に効率良く置換することができる技術を提供するものである。
本発明の一実施形態によれば、 表面に凹部が形成された基板を準備する工程と、前記基板の表面に第1処理液を供給して、前記凹部の内部を含む前記基板の表面を覆う前記第1処理液の液膜を形成する工程と、前記凹部の内部を含む前記基板の表面に存在する前記第1処理液を第2処理液に置換する置換工程と、を備え、前記置換工程は、
前記基板を第1回転数で回転させながら前記第1処理液の液膜により覆われた前記基板の表面に第2処理液を供給し、前記第1処理液を含む前記第2処理液の液膜を前記基板の表面に形成する液膜形成段階と、その後、前記基板の回転数を前記第1回転数よりも低い第2回転数に減じた状態で、前記液膜形成段階により形成された前記第1処理液を含む前記第2処理液の液膜に対して前記第2処理液を供給して、前記第2処理液による置換を促進する置換促進段階と、を含み、前記置換促進段階において、前記第2処理液の前記基板の表面上への着液点が前記基板の中心部と周縁部との間で移動する基板液処理方法が提供される。
本発明の他の実施形態によれば、表面に凹部が形成された基板を準備する工程と、前記基板の表面に第1処理液を供給して、前記凹部の内部を含む前記基板の表面を覆う前記第1処理液の液膜を形成する工程と、前記凹部の内部を含む前記基板の表面に存在する前記第1処理液を第2処理液に置換する置換工程と、を備え、前記置換工程は、前記第1処理液の液膜により覆われた前記基板の表面に前記第2処理液を供給し、前記第1処理液を含む前記第2処理液の液膜を前記基板の表面に形成する液膜形成段階と、その後、前記液膜形成段階により形成された前記第1処理液を含む前記第2処理液の液膜に対して、前記第2処理液の着液点を前記基板の周縁部から中心部へ向けて移動させながら前記第2処理液を供給する置換促進段階と、を含み、前記置換促進段階を実行しているときに、前記液膜を形成する前記第2処理液の流れが前記基板の表面に沿って形成されており、かつ、前記第2処理液が、前記基板の表面上への着液点において、前記液膜を形成する前記第1処理液を含む前記第2処理液の流れに逆らう方向の成分を持つ力を前記液膜に対して与えるように、前記基板の表面に対して斜めに供給される、基板液処理方法が提供される。
本発明のさらに他の実施形態によれば、基板液処理装置の動作を制御するためのコンピュータにより実行されたときに、前記コンピュータが前記基板液処理装置を制御して上記の基板液処理方法を実行させるプログラムが記録された記憶媒体が提供される。
本発明のさらに他の実施形態によれば、基板を保持して回転させる基板保持部と、前記基板保持部により保持された基板に第1処理液および第2処理液を供給する処理液供給部と、少なくとも前記処理液供給部を制御して、上記の基板液処理方法を実行させる制御部と、を備えた基板液処理装置が提供される。
上記本発明の実施形態によれば、基板表面の凹部の底部にある第1処理液を第2処理液に効率良く置換することができる。
本実施形態に係る基板処理システムの概略構成を示す図である。 処理ユニットの概略構成を示す図である。 第1実施形態で用いる処理ユニットの処理液供給部の概略構成を示す図である。 第1実施形態の溶剤置換工程および乾燥工程を説明するためのタイムチャートである。 第1実施形態の溶剤置換工程を説明するためのウエハの概略断面図である。 第1実施形態の乾燥工程を説明するためのウエハの概略側面図である。 第2実施形態で用いる処理ユニットの処理液供給部の概略構成を示す図である。 第2実施形態の溶剤置換工程および乾燥工程を説明するためのタイムチャートである。 第2実施形態の溶剤置換工程を説明するためのウエハの概略断面図である。 第2実施形態の溶剤置換工程を説明するためのウエハの概略拡大断面図である。 ウエハ表面上の液の流れとノズルの向きについて説明するための概略平面図である。
以下に添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る基板処理システムの概略構成を示す図である。以下では、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図1に示すように、基板処理システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2と処理ステーション3とは隣接して設けられる。
搬入出ステーション2は、キャリア載置部11と、搬送部12とを備える。キャリア載置部11には、複数枚のウエハWを水平状態で収容する複数のキャリアCが載置される。
搬送部12は、キャリア載置部11に隣接して設けられ、内部に基板搬送装置13と、受渡部14とを備える。基板搬送装置13は、ウエハWを保持する基板保持機構を備える。また、基板搬送装置13は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、基板保持機構を用いてキャリアCと受渡部14との間でウエハWの搬送を行う。
処理ステーション3は、搬送部12に隣接して設けられる。処理ステーション3は、搬送部15と、複数の処理ユニット16とを備える。複数の処理ユニット16は、搬送部15の両側に並べて設けられる。
搬送部15は、内部に基板搬送装置17を備える。基板搬送装置17は、ウエハWを保持する基板保持機構を備える。また、基板搬送装置17は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、基板保持機構を用いて受渡部14と処理ユニット16との間でウエハWの搬送を行う。
処理ユニット16は、基板搬送装置17によって搬送されるウエハWに対して所定の基板処理を行う。
また、基板処理システム1は、制御装置4を備える。制御装置4は、たとえばコンピュータであり、制御部18と記憶部19とを備える。記憶部19には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部18は、記憶部19に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理システム1の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置4の記憶部19にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
上記のように構成された基板処理システム1では、まず、搬入出ステーション2の基板搬送装置13が、キャリア載置部11に載置されたキャリアCからウエハWを取り出し、取り出したウエハWを受渡部14に載置する。受渡部14に載置されたウエハWは、処理ステーション3の基板搬送装置17によって受渡部14から取り出されて、処理ユニット16へ搬入される。
処理ユニット16へ搬入されたウエハWは、処理ユニット16によって処理された後、基板搬送装置17によって処理ユニット16から搬出されて、受渡部14に載置される。そして、受渡部14に載置された処理済のウエハWは、基板搬送装置13によってキャリア載置部11のキャリアCへ戻される。
次に、処理ユニット16の概略構成について図2を参照して説明する。図2は、処理ユニット16の概略構成を示す図である。
図2に示すように、処理ユニット16は、チャンバ20と、基板保持機構30と、処理流体供給部40と、回収カップ50とを備える。
チャンバ20は、基板保持機構30と処理流体供給部40と回収カップ50とを収容する。チャンバ20の天井部には、FFU(Fan Filter Unit)21が設けられる。FFU21は、チャンバ20内にダウンフローを形成する。
基板保持機構30は、保持部31と、支柱部32と、駆動部33とを備える。保持部31は、ウエハWを水平に保持する。支柱部32は、鉛直方向に延在する部材であり、基端部が駆動部33によって回転可能に支持され、先端部において保持部31を水平に支持する。駆動部33は、支柱部32を鉛直軸まわりに回転させる。かかる基板保持機構30は、駆動部33を用いて支柱部32を回転させることによって支柱部32に支持された保持部31を回転させ、これにより、保持部31に保持されたウエハWを回転させる。
回収カップ50は、保持部31を取り囲むように配置され、保持部31の回転によってウエハWから飛散する処理液を捕集する。回収カップ50の底部には、排液口51が形成されており、回収カップ50によって捕集された処理液は、かかる排液口51から処理ユニット16の外部へ排出される。また、回収カップ50の底部には、FFU21から供給される気体を処理ユニット16の外部へ排出する排気口52が形成される。
<第1実施形態>
まず、第1実施形態で用いる処理流体供給部40について説明する。処理流体供給部40は、薬液ノズル41、リンスノズル42、溶剤ノズル43、乾燥ガスノズル44を有する。
薬液ノズル41は、ウエハWに薬液として例えばDHF(希フッ酸)を供給する。リンスノズル42は、ウエハWにリンス液として例えばDIW(純水(脱イオン水))を供給する。溶剤ノズル43は、ウエハWに、リンス液であるDIWよりも揮発性が高くかつ表面張力が低い乾燥補助流体としての有機溶剤としてIPA(イソプロピルアルコール)を供給する。乾燥ガスノズル44は、空気より湿度および酸素濃度が低い乾燥ガスである窒素(N)ガスを供給する。このような乾燥ガスを供給することにより、ウエハWの乾燥時にウオーターマークが生じ難くなる。薬液は、DHFに限定されるものではなく、例えば、SC−1、SC−2、バッファードフッ酸等、半導体装置製造の分野で使用される任意のものであってよい。
上記のノズル41〜44には、各々に対応する図示しない処理流体供給源(タンク、ガスボンベ等)から、各々に対応する図示しない処理流体供給機構を介して対応する処理流体すなわち、DHF、DIW、IPA、Nが供給される。各処理流体供給機構は、配管等からなる処理流体供給ラインと、ポンプ、開閉弁、流量調整弁等の流れ制御機器とを含んでいる。
薬液ノズル41、リンスノズル42、溶剤ノズル43および乾燥ガスノズル44は、共通のノズルアーム45の先端部により支持されている。ノズルアーム45は、アーム駆動機構46により昇降可能であり、また、鉛直軸線周りに旋回可能である。従って、ノズル41〜44は、ウエハWの中心部の真上の位置と周縁部の真上との位置の間を移動することができる。また、ウエハWの真上から外れた待機位置(ホームポジション)にも移動することができる。
アーム駆動機構は、例えば、ノズルアームをガイドレールに沿って直線的に並進運動させる形式のものであってもよい。
薬液の種類によっては、薬液ノズル41に薬液供給機構及びリンス液供給機構を連結し、薬液およびリンス液のいずれかを選択的に薬液ノズル41から吐出できるようにしてもよい。この場合、リンスノズル42を廃止することができる。
次に、処理ユニット16にて行われる一連の工程について説明する。以下の各工程は前述したように、制御装置4の制御の下で自動的に実行される。
まず、未処理のウエハWが、基板搬送装置17のアーム(図1参照)により処理ユニット16内に搬入し、このウエハWは図3に示すように基板保持機構30により保持される。
<薬液処理工程>
薬液ノズル41がウエハWの中心部の真上に位置する。ウエハWが鉛直軸線周りに回転させられ、ウエハWの中心部に薬液ノズル41が薬液例えばDHFを供給する。薬液は遠心力により広がり、ウエハWの表面の全域が薬液の液膜により覆われ、これによりウエハWの表面が薬液により処理される。反応生成物を含む薬液は、ウエハWの外周縁から半径方向外側に飛散する。飛散した薬液は回収カップ50(図2参照)により回収される。
<リンス工程>
薬液処理工程の終了後、引き続きウエハWを回転させたまま、(薬液の供給は停止している)リンスノズル42からリンス液としてDIWリンスをウエハWの中心部に供給して、ウエハWの表面に残留した薬液および反応生成物を洗い流すリンス処理を行う。
<溶剤置換工程>
リンス工程の終了後(リンス液の供給は停止している)、溶剤ノズル43からIPAをウエハWに供給して、ウエハWの表面に存在するリンス液をIPAで置換する溶剤置換処理を行う。
<乾燥工程>
IPA置換工程の終了後、ウエハWを乾燥させる乾燥工程を実行する。これにより一枚のウエハWに対する一連の液処理が終了する。その後ウエハWは処理ユニット16外に搬出される。
なお、上記の溶剤置換工程および上記の乾燥工程をまとめて「乾燥工程」と呼ぶ場合もあるが、本明細書では、それまでウエハW上にあったDIWすなわち第1処理液が完全に(実質的に完全に)IPAすなわち第2処理液に置換されるまでを(溶剤)置換工程と呼び、その後ウエハW上にあるIPAをウエハ上から除去する工程を乾燥工程と呼ぶこととする。
次に、リンス工程の終期から乾燥工程までに実行される手順について図3〜図7を参照して詳細に説明する。図4のタイムチャートにおいて、横軸は時間であり、縦軸は、上から順に、ウエハ回転数(rpm)、リンスノズル42からのDIWからの吐出(ON)/吐出停止(OFF)、溶剤ノズル43からのIPAの吐出(ON)/吐出停止(OFF)、乾燥ガスノズル44からのNガスの吐出(ON)/吐出停止(OFF)、ノズル41〜44の位置(NPos:Cがウエハ中心;Eがウエハ周縁;Hがホームポジション)を示している。
<リンス工程終期>
リンス工程の終期、すなわち時点t1より前の(第1期間)では、第1回転速度(例えば約1000rpm)でウエハWを回転させながらリンスノズル42からDIWをウエハWの中心部に供給している。このとき、図5(a)に示すように、ウエハWの表面の全体はDIWの液膜に覆われ、ウエハW表面に形成された凹部Rの内部もDIWで満たされている。
時点t1から時点t2までの間(第2期間)に、ウエハWの回転速度を第1回転速度から第2回転速度(例えば300〜800rpm)に減速する。第2回転速度は、ウエハW周縁部におけるカバレッジ性(つまり、周縁部において液膜が切れることが無いこと)を考慮して決定されている。
次いで、溶剤置換工程が実施される。この溶剤置換工程は以下に説明する複数の段階からなる。
<表面部置換段階(溶剤液膜形成段階)>
時点t2から時点t3までの間(第3期間)は、ウエハWの回転速度を第2回転速度に維持する。時点t2において溶剤ノズル43からのIPAの吐出が開始される。溶剤ノズル43からのIPAの吐出は、時点t9まで継続される。IPAの吐出開始後直ちにDIWの吐出を停止すると、DIWとIPAとの界面付近でマランゴニ効果によりウエハW表面が露出してしまうおそれがある。このため、リンスノズル42からのDIWの吐出は、時点t2よりやや後に停止する。
時点t3までに、ウエハW表面にあるDIWはIPAに置換される。すなわち、凹部Rの外側におけるウエハW表面の全面は、IPAの液膜により覆われる。しかしながら、ウエハ表面の凹部Rの底部には、DIWが残留している。詳細には、ウエハW表面は、DIWとIPAとを含む液膜により覆われ、この液膜は、DIW濃度が高い下層と、IPA濃度が高い上層とを有している。この状態が、図5(b)に示されている。この凹部の底部にあるDIWを完全かつ速やかに置換するための手順が引き続き実行される。
<撹拌段階>
時点t3から時点t4までの間(第4期間)に、ウエハWの回転速度を第2回転速度から第3回転速度(例えば0〜50rpm)に減速する。この減速時の減速度(負の加速度)により、凹部R内にある液体(DIWとIPA)の撹拌が促進される。この第4期間には、ウエハWの回転の加速を行ってもよく、加速と減速を組み合わせてもよい。撹拌促進の観点から、加減速の加(減)速度の絶対値は大きい方がよい(急加速、急減速)。どのように加減速を行ったかに関わらず、時点t4にウエハWの回転速度が第3回転速度となるようにする。
<置換促進段階>
時点t4から時点t5までの間(第5期間)は、ウエハWの回転速度を第3回転速度、例えば100rpm以下、好ましくは30〜50rpm程度に維持する。このようにウエハWを極低速で回転させると、ウエハWの表面にウエハ中心部から周縁部に向かう緩やかなIPAの流れが生じる。しかしながら、ウエハWの表面上にあるIPAに作用する力は、重力が支配的であり、遠心力等のウエハWの回転に起因する力は非常に小さい。つまり、IPAには作用する水平方向の力は非常に小さく、ほぼ鉛直方向下向きの力が作用することになる。この鉛直方向下向きの力により、凹部R内にあるDIWとIPAの混合(相互拡散)が促進される。
しかしながら、IPAの比重はDIWよりも小さいため、DIWとIPAの混合をさらに促進するには、IPAに鉛直方向下向きの力をさらに積極的に負荷することが好ましい。そこで、この第5期間では、鉛直方向下方に向けてIPAを吐出している溶剤ノズル43により凹部Rの中に向けてIPAを押し込む操作を行う。ウエハWの表面にある凹部Rの全てに対してIPAの押し込みを行うため、前述したようにウエハWを極低速で回転させた状態で、図5(c)に示すように、IPAを吐出している溶剤ノズル43をウエハW中心部とウエハ周縁部との間で移動させる(溶剤ノズル43のスキャン動作)。これにより、図5(d)に示すように、全ての凹部内において、DIWがIPAに置換される。以上により、溶剤置換工程が終了する。
より確実な置換を達成するため、鉛直方向下方に向けてIPAを吐出している溶剤ノズル43を、ウエハW中心部とウエハ周縁部との間で、一回または複数回往復移動させてもよい。図4には、溶剤ノズル43を一往復させた例を示した。しかしながら、凹部内にある全てのDIWがIPAに置換されるのであるなら(凹部Rの幅および深さ、ウエハ表面の状態等に依存する)、IPAを吐出している溶剤ノズル43を、ウエハW中心部からウエハ周縁部に至るまで(あるいはウエハW周縁部からウエハ中心部に至るまで)一回だけ移動させてもよい(片道の移動)。
全ての凹部Rに対してもれなくIPAの押し込みが行われることを保証するため、溶剤ノズル43の移動速度を比較的小さくすることが好ましい。IPAの押し込みを行うために、溶剤ノズル43とは別のウエハW半径方向に延びる吐出口を有するスリットノズル、あるいは、複数の吐出口を有する溶剤ノズルを設けてもよい。
第5期間の間(例えば第5期間の初期)、IPAを吐出している溶剤ノズル43がスキャン動作をしていないときに、一時的にウエハWの回転速度をゼロにしてもよい。そうすることにより、ウエハWの表面上にあるIPAには鉛直方向下向きの力だけが働くようになり、凹部R内にあるDIWとIPAの混合が促進される。
第5期間の間、ウエハWの回転速度(第3回転速度)をずっとゼロ(0rpm)に維持してもよい。この場合、ウエハWの表面にはIPAのパドルが形成される。そうすることにより、ウエハWの表面上にあるIPAには鉛直方向下向きの力だけが働くようになり、凹部内にあるDIWとIPAの混合が促進される。この場合、スキャン動作を行う溶剤ノズルとして、溶剤ノズル43とは別に、ウエハの直径に相当する長さの吐出口を有するスリットノズルを設ける等の対策を行うことによりさらに混合が促進される。
溶剤置換工程を構成する表面部置換段階、撹拌段階及び置換促進段階を繰り返し複数回実行してもよい。
溶剤置換工程が終了したら、ウエハW表面上にあるIPAを除去してウエハW表面を乾燥させる乾燥工程に移行する。この乾燥工程は以下に説明する複数の段階からなる。
<溶剤排出段階>
時点t5では、凹部R内にある全てのDIWがIPAに置換されている。その後、時点t5から時点t6までの間(第6期間)に、ウエハWの回転速度を第3回転速度から第4回転速度(例えば300〜800rpm)に増速し、その後、時点t6から時点t7までの間(第7期間)に、ウエハWの回転速度を第4回転速度に維持する。これにより、ウエハWの表面上で液膜(これは比較的厚い)を形成していたIPAが遠心力によりウエハWの周縁部に向けて流れ、ウエハW上にあるIPAのかなりの部分がウエハW上から除去される。つまり、ウエハWのウエハWの表面上にあるIPAの液膜が薄くなる。この溶剤排出段階では、ウエハW表面の大気雰囲気への露出が生じないのであれば、溶剤ノズル43からのIPAの吐出を停止してもよい。
<露出段階>
その後、次に、時点t7から時点t8までの間(第8期間)に、ウエハWの回転速度を第4回転速度から第5回転速度(例えば500〜1000rpm)に増速し、その後、時点t8から時点t9までの間(第9期間)に、ウエハWの回転速度を第5回転速度に維持する。時点t8から、ウエハW中心部の真上に位置する溶剤ノズル43および乾燥ガスノズル44からそれぞれIPAおよびNガスを吐出しながら、溶剤ノズル43および乾燥ガスノズル44をウエハWの周縁部に向けて移動させてゆく。溶剤ノズル43及び乾燥ガスノズル44は、時点t8においてウエハW周縁部に向けて移動を開始し、時点t9において乾燥ガスノズル44が概ねウエハW周縁部の真上に位置するように移動する。このとき、図6に示すように、乾燥ガスノズル44から吐出されたNガスがウエハW表面に衝突する位置が、溶剤ノズル43から吐出されたIPAがウエハW表面に衝突する位置よりも、半径方向に関してやや内側に位置するように維持する。乾燥ガスノズル44は、ガスの噴射方向を示すベクトルが半径方向外向きの成分を持つように、斜め下方に向けてNガスを噴射するように、ノズルアーム45に取り付けられていることが好ましい。上記操作により、ウエハWの表面にあるIPAがNガスにより吹き飛ばされて半径方向外側に追いやられてゆき、最終的にウエハWの表面の全体からIPAが除去される。
乾燥工程を上述したようにIPAおよびNガスの同時供給により行わなくてもよい。例えば、時点t5でウエハWへのIPAの供給を停止して、ウエハWの回転速度を第5回転速度まで一気に上昇させて振り切り乾燥を行うこともできる。
時点t9で乾燥工程が終了したらウエハの回転を停止する(時点t10)。以上により乾燥工程が終了する。
<第2実施形態>
次に第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る処理流体供給部40は、薬液ノズル41、リンスノズル42、2つの溶剤ノズル43及び乾燥ガスノズル44を有する。つまり、第2実施形態は、IPAを供給する溶剤ノズル43が2つ設けられている点において第1実施形態と異なる。以下、2つの溶剤ノズルを区別するために、第1溶剤ノズル43、第2溶剤ノズル43Aと呼ぶこととする。ここで溶剤ノズルに付けられた「第1」、「第2」の序数は特許請求の範囲の記述と必ずしも一致していない点に注意されたい。
薬液ノズル41、リンスノズル42、第1溶剤ノズル43および乾燥ガスノズル44は、第1実施形態と同様に共通のノズルアーム45により支持されている。第2溶剤ノズル43Aは、別のノズルアーム45Aにより支持されている。ノズルアーム45Aは、アーム駆動機構46Aにより昇降可能であり、また、鉛直軸線周りに旋回可能である。第2溶剤ノズル43Aは、この第2溶剤ノズル43Aから吐出されるIPAの吐出方向を示すベクトルが、平面視で、ウエハWの半径方向内向きの成分を有するように(例えばウエハの中心部を向くように)、吐出口の軸線が斜め下方を向いた状態でノズルアーム45Aに取り付けられる。
次に、第2実施形態において、リンス工程の終期から乾燥工程までに実行される手順について図7〜図11を参照して説明する。なお、図8のタイムチャートは図4と同様に記載されているが、溶剤ノズルが2つに増えたため、項目が増えている。IPA−1は第1溶剤ノズル43の動作、IPA−2は第2溶剤ノズル43Aの動作を示している。また、N1Posは第1溶剤ノズル43(ノズル41〜44)の位置、N2Posは第2溶剤ノズル43Aの位置を示している。
第2実施形態においても、時点t1から時点t3までの間に、第1実施形態と同様の表面部置換段階が実行される。つまり、時点t3の時点でウエハWの表面は、図9(a)に示した状態(これは図5(b)に示した状態と同じである)となっている。第1実施形態と同様に、表面部置換段階の後に、ウエハWの回転速度の増減による撹拌段階を設けてもよい。
<置換促進段階>
表面部置換段階の後に、置換促進段階が実行される。第2実施形態の置換促進段階は、第1実施形態とは異なる。第2実施形態では時点t3以降も、ウエハの回転速度が第2回転速度(例えば300〜800rpm)に維持される。そして、ウエハWの中心部に第1溶剤ノズル43からIPAを供給し続けた状態で、ウエハWの周縁近傍に位置させた第2溶剤ノズル43AからウエハWの周縁部に向けてIPAの供給を開始する。その後、ウエハWの中心部に第1溶剤ノズル43からIPAを供給し続けながら、ノズルアーム45Aを駆動することにより第2溶剤ノズル43Aから吐出されるIPAのウエハW上への着液点がウエハWの中心部に徐々に近づいてゆくようにする(図9(b)を参照)。
第2溶剤ノズル43Aから吐出されるIPAの着液点がウエハWの中心部に到達したら(図9(c)を参照)、第2溶剤ノズル43AからのIPAの吐出を停止し、第2溶剤ノズル43Aを平面視でウエハWの外方にあるホームポジションH(待機位置)に戻す。第2溶剤ノズル43AからIPAを吐出させたまま、IPAの着液点がウエハWの周縁部と中心部との間を1回または複数回往復するように、第2溶剤ノズル43Aを移動させてもよい。
第2溶剤ノズル43AをウエハWの周縁部側に向けて移動させているときは、IPAの節約を優先して、第2溶剤ノズル43AからのIPAの吐出を停止させていてもよい。後の説明より理解できるように、第2溶剤ノズル43AをウエハWの中心部側に向けて移動させているときは、第2溶剤ノズル43Aの運動エネルギが、後述の第2溶剤ノズル43Aから吐出されるIPAの吐出エネルギの水平方向成分に加算されることになるが、ウエハWの周縁部側に向けて移動させているときは減算されることになるからである。
図9(b)の状態について、図10を参照してさらに詳細に説明する。ウエハWの表
面は、第1溶剤ノズル43から回転するウエハWの中心部に供給されて遠心力により外方に広がりながら流れるIPAの液膜で覆われている。第2溶剤ノズル43Aから吐出されたIPAの着液点P(Pは図10のみに示す)に存在するIPAの液膜の液膜に作用する主な力は(第2溶剤ノズル43Aから吐出されたIPAによるものを除く)遠心力Fcと重力Fgである。遠心力FcはFc=mrω(但し、「m」は着液点Pに存在するIPAの重量、「r」は着液点PのウエハW中心からの距離、「ω」はウエハWの回転角速度)で表される。重力FgはFg=mg(但しgは重力加速度)である。ウエハW回転速度が比較的高い場合(例えば上記の第2回転速度の場合)、遠心力Fcが重力Fgより大幅に大きくなるので(Fc≫Fg)、FcとFgの合成力の向きは概ね水平である。このため、IPAが凹部R内に入り難くなる。この傾向は、遠心力Fcがより大きくなるウエハWの周縁に近づくほど強くなる。
第2溶剤ノズル43Aから吐出されたIPAは、着液点PにあるIPAに斜め下向きの力Fjを与える。力Fjは、水平方向成分Fjrと鉛直方向成分Fjvとに分解することができる。力Fjの水平方向成分Fjrが概ねウエハWの中心部を向くように第2溶剤ノズル43Aが配置されているので、力Fjの水平方向成分Fjrにより遠心力Fcの少なくとも一部が相殺される。相殺の度合いは、力Fjの大きさ(第2溶剤ノズル43AからのIPAの吐出流量に依存)および向きに(吐出角度に依存)依存するが、遠心力Fcのほぼ全てが相殺されることが好ましい。このようにして遠心力が打ち消されることにより、着液点Pに存在するIPAに働く力は鉛直方向下方の力が支配的になり、IPAが凹部R内に入り易くなる。このため、凹部Rの底部に存在しているDIWがIPAと混合されやすくなり、凹部R内におけるDIWからIPAへの置換が促進される。
別の言い方をすれば、第2溶剤ノズル43Aから吐出されたIPAは、着液点PにあるIPAに対して、着液点PにおけるウエハW表面に沿ったIPAの流れに逆らう方向の成分の力を与えていればよい。そうすれば、着液点PにおけるウエハW表面に沿う方向のIPAの流速は小さくなり、IPAが凹部R内に入り易くなる。例えば、上記のようにウエハWを鉛直方向軸線周りに回転させている場合に限らず、水平面に対して傾斜したウエハWに置換液(例えばIPA)を供給したときにも、ウエハWの表面に沿って低い側に向かう置換液の流れが生じる。また、ウエハWの表面に対して斜めに置換液を吹き付けたときにも、ウエハWの表面に沿った置換液の流れが生じる。この場合も、既にある置換液の流れに逆らう方向の成分を持つ力を与えるように別の置換液供給手段(ノズルなど)から、ウエハWの表面に置換液を供給することにより、ウエハWの表面に形成された凹部内にある被置換液(例えばDIW)の置換液による置換が促進される。
なお、ウエハWの周縁に近づくほど遠心力Fcが大きくなるので、遠心力Fcを適当に打ち消すために、第2溶剤ノズル43AからのIPAの着液点Pが半径方向外側に移動するに従い第2溶剤ノズル43Aからの吐出流量を増大させること、あるいは、第2溶剤ノズル43AのIPAの吐出方向を水平方向に近づけること(この場合、第2溶剤ノズル43Aの向きを変更する機構をノズルアーム45Aに設ける必要がある)を行ってもよい。上記に代えて、第2溶剤ノズル43AからのIPAの着液点PとウエハWの周縁との距離が小さくなるほど、ウエハWの回転数を減少させてもよい。
なお、第2溶剤ノズル43Aは、鉛直軸線周りに旋回するノズルアーム45Aにより移動させられるので、図11に示すように、溶剤ノズル43AとウエハWの中心との相対的位置関係に依存して、第2溶剤ノズル43Aから吐出されるIPAの水平方向成分のベクトルの向きが変化する。一方、回転するウエハW上に存在するIPAは、前述した遠心力Fcに加えて、ウエハW表面により引きずられる力を受けることにより、矢印Fsに示すように、ウエハWの表面上を螺旋状に流れる。
上記のことを考慮して、図11に示すように、平面視で、第2溶剤ノズル43AからのIPAの吐出方向を示すベクトルの水平方向成分が、第2溶剤ノズル43AのウエハW上における半径方向位置に関わらず、IPAの螺旋状流れの方向と概ね逆方向を向いているように、ウエハWの回転方向及びノズルアームの旋回方向が設定されていることが好ましい。こうすることにより、第2溶剤ノズル43Aから吐出されるIPAにより、凹部Rの内部にIPAが押し込まれる力を大きく維持することができる。
時点t7’で置換促進段階が終了すると、その後は、第1実施形態と同様に、乾燥工程の露出段階が行われる。第2実施形態における時点t7’、t8’、t9’、t10’は第1実施形態におけるt7、t8、t9、t10に対応し、各時点におけるウエハW表面の状態は第1実施形態と概ね同じである。なお、第2実施形態では、置換促進段階中のウエハの回転速度が比較的高く、ウエハW上のIPAの液膜が比較的薄いので、溶剤排出段階を行う必要はない。
上記第1及び第2実施形態によれば、IPAの液膜に対して、ノズルから噴射されるIPAにより、液膜を構成するIPAをウエハW表面の凹部R内に押し込む力を与えている。このため、残留するDIWをIPAとの混合が促進され、凹部Rの底部に残留するDIWをIPAで効率良く置換することができる。しかも、一旦ウエハWの表面にIPAの液膜を形成した後に(つまり、少なくとも凹部Rの外側のウエハW表面上にあるDIWのIPAへの置換が完了した後に)、IPAの液膜に対してノズルから噴射されるIPAにより、液膜を形成しているIPAをウエハW表面の凹部R内に押し込む力を与えている。このため、凹部Rの底部に(DIWにより希釈されてしまったIPAではなく)濃度の高いIPAが押し込まれるようになるので、置換効率が大幅に向上する。このため、凹部Rの底部に残留した状態でウエハWを乾燥させた場合にDIWの高表面張力に起因して生じうる、パターンの倒壊を防止することができる。
第1実施形態では、ウエハWの回転を停止するか或いはウエハWを極低速で回転させた状態で置換促進段階が実行されるため、IPAの液膜に鉛直方向の力をより確実に与えることができるという利点がある。また、溶剤ノズルを追加する必要が無いため、装置コストの増大が抑制される。一方、第2実施形態では、ウエハWの回転停止若しくは減速及び加速に必要な時間が必要無いため、より短時間で一連の処理を完了することができるという利点がある。
上記実施形態では、表面に凹部を有するウエハW上のDIWをIPAに置換した。しかしながら、置換対象となる処理液はIPA及びDIWの組み合わせに限定されるものではなく、他の種類の処理液の組み合わせであってもよい。例えば、薬液からリンス液への置換を促進するために上記実施形態に係る方法を用いてもよい。
被処理基板は半導体ウエハに限定されるものではなく、ガラス基板、セラミック基板等の他の種類の基板であってもよい。
W 基板(ウエハ)
R 凹部
43 第1ノズル
43 第2ノズル
43A 第1ノズル
4 制御装置
19 記憶媒体(記憶部)

Claims (8)

  1. 表面に凹部が形成された基板を準備する工程と、
    前記基板の表面に第1処理液を供給して、前記凹部の内部を含む前記基板の表面を覆う前記第1処理液の液膜を形成する工程と、
    前記凹部の内部を含む前記基板の表面に存在する前記第1処理液を第2処理液に置換する置換工程と、を備え、
    前記置換工程は、
    前記基板を鉛直軸線周りに回転させながら第1回転数で回転させながら前記第1処理液の液膜により覆われた前記基板の表面に第2処理液を供給し、前記第1処理液を含む前記第2処理液の液膜を前記基板の表面に形成する液膜形成段階と、
    その後、前記基板の回転数を前記第1回転数よりも低い第2回転数に減じた状態で、前記液膜形成段階により形成された前記第1処理液を含む前記第2処理液の液膜に対して前記第2処理液を供給して、前記第2処理液による置換を促進する置換促進段階と、
    を含み、
    前記置換促進段階において、前記液膜を形成する前記第1処理液を含む前記第2処理液の流れが前記基板の回転に伴って生じ、かつ、前記第2処理液の前記基板の表面上への着液点が前記基板の中心部と周縁部との間で移動し、かつ、ノズルが前記基板の表面に対して斜め下方に向けて前記第2処理液を供給し、前記ノズルからの前記第2処理液の吐出方向が、前記基板の回転中心を向いた方向の成分を有している、基板液処理方法。
  2. 前記第2回転数は0rpmより大きくかつ100rpm以下である、請求項1記載の基板液処理方法。
  3. 表面に凹部が形成された基板を準備する工程と、
    前記基板の表面に第1処理液を供給して、前記凹部の内部を含む前記基板の表面を覆う前記第1処理液の液膜を形成する工程と、
    前記凹部の内部を含む前記基板の表面に存在する前記第1処理液を第2処理液に置換する置換工程と、を備え、
    前記置換工程は、
    前記第1処理液の液膜により覆われた前記基板の表面に前記第2処理液を供給し、前記第1処理液を含む前記第2処理液の液膜を前記基板の表面に形成する液膜形成段階と、
    その後、前記液膜形成段階により形成された前記第1処理液を含む前記第2処理液の液膜に対して、前記第2処理液の着液点を前記基板の周縁部から中心部へ向けて移動させながら前記第2処理液を供給する置換促進段階と、を含み、
    前記置換促進段階を実行しているときに、前記液膜を形成する前記第2処理液の流れが前記基板の表面に沿って形成されており、かつ、前記第2処理液が、前記基板の表面上への着液点において、前記液膜を形成する前記第1処理液を含む前記第2処理液の流れに逆らう方向の成分を持つ力を前記液膜に対して与えるように供給され、
    前記置換促進段階は、前記基板を鉛直軸線周りに回転させながら実行され、前記液膜を形成する前記第1処理液を含む前記第2処理液の前記流れが前記基板の回転に伴って生じ、
    前記置換促進段階において、第1ノズルが前記基板の表面に対して斜め下方に向けて前記第2処理液を供給し、前記第1ノズルからの前記第2処理液の吐出方向が、前記基板の回転中心を向いた方向の成分を有している、基板液処理方法。
  4. 前記置換促進段階は、回転する前記基板の中心部に第2ノズルから前記第2処理液を供給しながら実行される、請求項記載の基板液処理方法。
  5. 前記液膜形成段階は、前記基板を回転させながら、前記基板の表面に前記第2処理液を供給することにより行われる、請求項3または4記載の基板液処理方法。
  6. 前記液膜形成段階の後に、前記基板の回転速度を変化させることにより、前記凹部の内部の少なくとも上部に侵入した前記第2処理液と、前記凹部の底部に残留する前記第1処理液との混合を促進する撹拌段階を含む、請求項1からのうちのいずれか一項に記載の基板液処理方法。
  7. 基板液処理装置の動作を制御するためのコンピュータにより実行されたときに、前記コンピュータが前記基板液処理装置を制御して請求項1からのうちのいずれか一項に記載の基板液処理方法を実行させるプログラムが記録された記憶媒体。
  8. 基板を保持して回転させる基板保持部と、
    前記基板保持部により保持された基板に第1処理液および第2処理液を供給する処理液供給部と、
    少なくとも前記処理液供給部を制御して、請求項1からのうちのいずれか一項に記載の基板液処理方法を実行させる制御部と、
    を備えた基板液処理装置。
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