JP6454192B2 - 画像形成ユニットおよび画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式を用いて画像を形成する画像形成ユニット、およびそれを備えた画像形成装置に関する。
露光により感光体ドラム上に静電潜像を形成すると共にその静電潜像にトナーを付着させて現像する画像形成装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2007−93775号公報
このような画像形成装置は、一般に、感光体ドラム上の静電潜像にトナーを現像するための現像ローラと、その現像ローラへトナーを供給するトナー供給ローラとを有している。より高品質の画像を形成するために、このトナー供給ローラに対して、現像ローラへのトナー供給量などの性能が安定していることに加え、耐磨耗性が高いことが望まれる。
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、より高品質の画像を形成することのできる画像形成ユニットおよび画像形成装置を提供することにある。
本発明の一実施形態としての画像形成ユニットは、潜像を表面に担持する感光層を有する像担持体と、現像剤を担持し潜像に対し現像剤を用いて現像処理を行う現像剤担持体と、その現像剤担持体と当接する表面を有し現像剤担持体へ現像剤を供給する現像剤供給部材とを備えるものである。ここで現像剤供給部材は、 表面に露出した開口部を含む空隙が複数設けられた弾性層と、その弾性層を覆う被覆層とを有する。被覆層は、複数の空隙のうちの一部を埋めるように形成されており、一部の開口部を埋める第1部分と、弾性層のうちの隣り合う空隙同士を隔てる壁部分を覆うように第1部分と連続して形成された第2部分とを含む。表面の面積のうち、被覆層の第1部分により埋められた一部の開口部以外の他の開口部が占める面積の占有率は、40%以上85%以下である。
本発明の一実施形態としての画像形成装置は、印刷媒体を供給する印刷媒体供給部と、その印刷媒体供給部から供給される印刷媒体に画像を形成する上記本発明の画像形成ユニットとを備えるものである。
本開示の一実施形態としての画像形成ユニットおよび画像形成装置によれば、より高品質の画像を形成することができる。
本発明の一実施の形態に係る画像形成ユニットの構成例を表す模式図である。 図1に示した画像形成ユニットの要部を拡大して表す模式図である。 図2に示したトナー供給ローラをさらに拡大して表す断面図である。 図1に示した画像形成ユニットを備えた画像形成装置の全体構成例を表す模式図である。 図4に示した画像形成装置の内部の構成例を模式的に表すブロック図である。 実験例1において、コート層を被覆する前のトナー供給ローラの表面を拡大して表す写真である。 実験例1において、コート層を被覆した後のトナー供給ローラの表面を拡大して表す写真である。 実験例1において、トナー供給ローラの電気抵抗値を測定する方法を説明するための説明図である。 実験例1において、トナー供給ローラの電気抵抗値を測定する方法を説明するための他の説明図である。 実験例1〜61において求めた印刷濃度差について説明するための説明図である。 汚れについて説明するための説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明は本発明の一具体例であって、本発明は以下の態様に限定されるものではない。また、本発明は、各図に示す各構成要素の配置や寸法、寸法比などについても、それらに限定されるものではない。説明は以下の順序で行う。
1.一実施の形態
発泡弾性層と被覆層とを含むトナー供給ローラを有する画像形成ユニットおよび画像形成装置。
2.実施例
3.変形例
<1.一実施の形態>
[現像装置11の構成]
図1は、本発明の一実施の形態に係る現像装置11の概略構成例を表す模式図である。現像装置11は、トナーGを用いてトナー像を形成するものであり、例えば用紙などの記録媒体(印刷媒体、転写材ともいう。)に対して画像(例えばカラー画像)を形成する電子写真方式の画像形成装置に搭載される。現像装置11および後出の転写ローラ34、本発明の「画像形成ユニット」に対応する一具体例を構成する。
トナーGは、例えば、ポリエステル樹脂などの結着剤と、内部添加剤としての帯電制御剤と、離型剤と、着色剤と、例えばシリカや酸化チタンなどの外部添加剤とを含む非磁性材料により構成されるものである。このうち、着色剤の色を適宜選択することにより、現像装置11が形成するトナー像の色を変更することができるようになっている。トナーGは、本発明の「現像剤」に対応する一具体例である。
現像装置11は、現像ローラ1と、トナー供給ローラ2と、感光ドラム3と、帯電ローラ4と、ドクターブレード5と、クリーニングブレード6と、トナーGと、攪拌部材7A〜7Cと、トナー収容部8と、ケーシング9と、LED(Light Emitting Diode)ヘッド10とを有する。
トナー収容部8は、その内部にトナーGを収容する容器であり、その下部にトナー排出口8Kを有する。トナー収容部8は、ケーシング9の上部に装着される。
ケーシング9は、その内部にトナーGが通過する内部空間9Aを有する。ケーシング9は、トナー収容部8のトナー排出口8Kと対向する位置にトナー投入口9Kを有しており、トナー収容部8からトナーGが供給されるようになっている。内部空間9Aには、ケーシング9は、現像ローラ1、トナー供給ローラ2、感光ドラム3、帯電ローラ4、ドクターブレード5、クリーニングブレード6および攪拌部材7A〜7Cが収容されている。
攪拌部材7A〜7Cは、それぞれ、例えばクランク状をなす回転部材であり、トナー投入口からケーシング9の内部空間9Aへ投入されたトナーGを攪拌するものである。攪拌部材7A〜7Cは、例えば図1中において矢印で示したように、いずれも同方向に回転(図1では右回転)するようになっている。
現像ローラ1は、トナーGを担持して感光ドラム3にトナーGを供給すると共に、感光ドラム3の表面に担持された静電潜像にトナーGを現像する部材である。現像ローラ1は感光ドラム3と接触して対向配置されている。現像ローラ1は、感光ドラム3に対し例えば0.8mm食い込むように配置されている。現像ローラ1は、例えば、芯金1Aと、その外周(表面)を覆う弾性層1Bとを有している。芯金は、良好な導電性を有し、例えば鉄(Fe),アルミニウム(Al)またはステンレス鋼などを含む金属材料からなる。また、弾性層1Bの構成材料としては、例えばシリコーンゴムやウレタンなどのゴム材料が用いられる。具体的には、ポリエーテル系ポリオールおよび脂肪族系イソシアネートをベースポリマーとしたものが挙げられる。弾性層1Bは、その抵抗値を調整するために、導電剤として例えばアセチレンブラックやケッチェンブラックなどのカーボンブラックを含有していてもよい。さらに、弾性層1Bの表面1Sは、イソシアネート処理が施されていてもよい。現像ローラ1の表面1Sにおける帯電特性をより均質化し、トナーGを現像ローラ1に適切に担持するためである。イソシアネート処理は、例えばイソシアネート化合物を酢酸エチルなどの有機溶剤に溶解したものに上述のカーボンブラックを添加してなるイソシアネート処理液を使用するとよい。イソシアネート化合物としては、例えばジフェニルメタンイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネートまたはトリレンジイソシアネートなどが用いられる。このイソシアネート処理は、弾性層1Bの表面1Sに上述のイソシアネート処理液を付着させて乾燥させたのち、弾性層1Bの表面1Sを、例えばイソプロピルアルコールを浸潤させた布などにより払拭することにより行う。この例では、現像ローラ1は図1に矢印で示したように左回りで回転(感光ドラム3とは逆方向に回転)するようになっている。
なお、現像ローラ1は本発明における「現像剤担持体」の一具体例に対応する。
感光ドラム3は横方向に延びる円柱状の部材であり、その表面(表層部分)に静電潜像を担持する静電潜像坦持体として機能する。この例では、感光ドラム3は図1に矢印で示したように右回りで回転するようになっている。なお、感光ドラム3は本発明の「像担持体」の一具体例に対応し、静電潜像は本発明の「潜像」の一具体例に対応する。
トナー供給ローラ2は、現像ローラ1の表面1Sと当接する表面2Sを有し、現像ローラ1へトナーGを供給する「現像剤供給部材」として機能するものである。図2は、トナー供給ローラ2を表す断面図であり、図3は、その一部を拡大して表す断面図である。図2に示したように、トナー供給ローラ2は、例えば、芯金21と、その芯金21の外周面(表面)を覆う弾性層22と、その弾性層22の外周面(表面)22Sを覆うコート層23との3層構造を有している。弾性層22は、例えば2mm〜20mm程度の厚さの単層構造により構成されている。なお、この例では、トナー供給ローラ2は図1に矢印で示したように左回りで回転(現像ローラ1と同方向に回転)するようになっている。また、現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量は、0.6mm以上1.3mm以下であることが望ましい。食い込み量Cとは、現像剤担持体の半径と現像剤供給部材の半径との和(mm)をAとし、現像剤担持体の回転中心と現像剤供給部材の回転中心との距離(mm)をBとしたとき、(A−B)で表される値である。すなわち、現像ローラ1とトナー供給ローラ2とは、以下の条件式(1)を満たすように構成されているとよい。
0.6mm≦(A−B)≦1.3mm ……(1)
芯金21は、良好な導電性を有し、例えば鉄(Fe),アルミニウム(Al)、SUM材またはステンレス鋼などを含む金属材料からなる。
弾性層22の構成材料としては、例えば内部にセル(空隙)22Aを複数含む発泡弾性材料、例えば発泡シリコーンゴムや発泡ウレタンなどのゴム材料が用いられる。弾性層22は、複数のセル22Aが互いに接したり連通したりすることなく独立した状態(独立セル状態)にあることが望ましい。但し、弾性層22は、複数のセル22Aが互いに連通した状態(連通セル状態)にあってもよいし、独立セル状態と連通セル状態とが混在した状態にあってもよい。また、弾性層22のアスカーF硬度は例えば40度以上70度以下であることが望ましく、48度以上63度以下であることがより望ましい。したがって、弾性層22におけるセル22Aの平均径は150μm〜400μm程度であるとよい。なお、このセル22Aの平均径は、例えば弾性層22の任意の切断面において2mm四方の領域(4mm2の面積を有する領域)をディジタルマイクロスコープにより観察し、その領域内における複数の開口の各々の最大長さを測定し、平均することで求めることができる。
弾性層22を構成するゴム材料は、ゴム、発泡剤および導電性付与剤のほか、必要に応じて各種添加剤を含有するものである。ここでいうゴムとは、耐熱性および帯電性に優れるシリコーンもしくはシリコーン変性ゴムが挙げられる。発泡剤は一般に発泡ゴムで使用されるものであればよいが、例えば重炭酸ソーダや炭酸アンモニウムなどの無機系発泡剤、ジアゾアミノ誘導体、アゾニトリル誘導体またはアゾジカルボン酸誘導体などの有機アゾ化合物に代表される有機系発泡剤が用いられる。なお、無機系発泡剤は、弾性層22においてセル22Aを連通セル状態とする場合に適しており、有機系発泡剤は、弾性層22においてセル22Aを独立セル状態とする場合に適している。また、弾性層22を構成するゴム材料においては、発泡剤に加えて、あるいは発泡剤に替えて中空充填剤を用いてもよい。この中空充填剤としては、ケッチェンブラックやアセチレンブラックなどの導電性ブラックのほか、導電性ポリマーを用いてもよい。また、各種添加剤としては、充填剤、着色剤または離型剤などが挙げられ、これらは所望の配合量となるように配合される。ただし、弾性層22を構成するゴム材料としては、独立セルを形成することができる発泡導電性シリコーンゴム系組成物が特に好ましい。このような独立セルを形成可能な発泡導電性シリコーンゴム系組成物は、耐熱性、耐久性および耐残留歪み特性に優れるので、トナー供給ローラ2における弾性層22として好適だからである。また、弾性層22の発泡倍率は、例えば300%以上450%以下であるとよい。このような発泡倍率を有することにより、上述の好ましいアスカーF硬度が容易に得られ、弾性層22の硬度を安定的に維持することができるからである。弾性層22の発泡倍率やセル22Aの径については、弾性層22を構成するゴム材料に含有される発泡剤の添加量やそのゴム材料の硬化条件などを変更することにより調整できる。なお、発泡倍率は、発泡前の密度ρと発泡後の密度ρfの比ρ/ρfで算出することができる。
コート層23は、例えばメチルフェニル系シリコーンレジンおよび導電性付与剤を含有しているとよい。コート層23は、メチルフェニル系シリコーンレジンを含有していることにより、トナー供給ローラ2に要求される帯電特性を効果的に発揮できるからである。そのメチルフェニル系シリコーンレジンとしては、ケイ素原子に結合する有機基としてメチル基およびフェニル基を含有するものであるとよい。例えば、メチル基およびフェニル基が同一のケイ素原子に結合したものが挙げられる。コート層23に使用されるメチルフェニル系シリコーンレジンとしては厚さ7mmの平板状試験片としたときのJIS−A硬度が50度〜80度程度のものが好ましい。コート層23における導電性付与剤は、カーボンブラックが好ましい。コート層23における導電性付与剤の含有量は、メチルフェニル系シリコーンレジン100質量部に対して2〜10質量部であるとよい。また、コート層23には、耐磨耗性、弾性層22の変形に追従できる柔軟性、トナーGに対する荷電性などが要求される。このような要求を満たすコート層23の構成材料としては、上記のメチルフェニル系シリコーンレジンを主成分とするもののほか、例えばメチル系シリコーンレジン、メチルフェニル系シリコーンレジン、ウレタン変性シリコーン、ウレタンあるいはアクリル樹脂などを主成分とするものが挙げられる。
トナー供給ローラ2の表面2Sには、複数のセル22Aのうちの一部のセル22Aにおける開口部22Kが露出している。すなわち、コート層23は、表面22Sに存在する一部のセル22Aを埋めるように設けられているが、表面22Sに存在する残りのセル22Aについては開口部22Kを覆うことなく、その内面の一部を覆うにとどまっている。したがって、トナー供給ローラ2の表面2Sには、弾性層22がコート層23に覆われた領域と、コート層23に覆われずに弾性層22のセル22Aの開口部22Kが露出した領域とが混在している。ここで、トナー供給ローラ2の表面S2の面積のうち開口部22Kが占める面積の占有率は、例えば40%以上85%以下であることが望ましい。
また、トナー供給ローラ2の電気抵抗値は、例えば−100Vの印加時に1×104〜1×107Ω程度が好ましい。
帯電ローラ4は、感光ドラム3の表面(表層部分)を帯電させる部材(帯電部材)であり、感光ドラム3の表面(周面)に接するように配置されている。帯電ローラ4は、例えば、金属シャフトと、その外周(表面)を覆う半導電性ゴム層(例えば、半導電性エピクロロヒドリンゴム層)とを有している。なお、この例では、帯電ローラ4は図1に矢印で示したように左回りで回転(感光ドラム3とは逆方向に回転)するようになっている。
ドクターブレード5は、回転する現像ローラ1の表面1SにトナーGからなる層(トナー層)を形成すると共に、そのトナー層の厚さを規制(制御,調整)するトナー規制部材である。ドクターブレード5は、例えばステンレス等からなる板状弾性部材(板ばね)であり、この板状弾性部材の先端部が現像ローラ1の表面1Sに僅かに当接するように配置されている。
クリーニングブレード6は、感光ドラム3の表面(表層部分)に残留するトナーGを掻き取って回収することで、感光ドラム3の表面をクリーニングする部材である。クリーニングブレード6は、感光ドラム3の表面に対してカウンタで当接する(感光ドラム3の回転方向に対して逆向きで突出する)ようにして配置されている。このようなクリーニングブレード6は、例えば、ポリウレタンゴム等の弾性体により構成されている。
LEDヘッド10は、感光ドラム3の表面を露光することにより、感光ドラム3の表面(表層部分)に静電潜像を形成する装置である。LEDヘッド10は、1つの感光ドラム3に対して横方向に並ぶ複数のLED発光部を有している。なお、LEDヘッド10は、本発明における「露光装置」の一具体例に対応する。
[画像形成装置の構成]
図4は、現像装置11を備えた画像形成装置の全体構成例を表す模式図である。図5は、図4に示した画像形成装置に対応するブロック図である。この画像形成装置は、例えば用紙などの記録媒体(印刷媒体、転写材ともいう。)PSに対して画像(例えば黒画像)を形成する、電子写真方式のプリンタである。
この画像形成装置における現像装置11は、ブラック(K:blacK)トナーを用いてモノクロのトナー像を形成するものである。
この画像形成装置は、図4に示したように、筐体30の内部に、現像装置11のほか、記録媒体PSを収容する媒体収容部としての給紙トレイ31、給紙ローラ32、搬送ローラ対33、転写ローラ34、定着ユニット35および排出ローラ対36などを備える。
給紙トレイ31は、記録媒体PSを積層した状態で収納する部材であり、例えば画像形成装置の下部に着脱自在に装着されている。
給紙ローラ32は、給紙トレイ31に収納されている記録媒体PSをその最上部から1枚ずつ取り出し、搬送ローラ対33へ向けて繰り出す部材である。
搬送ローラ対33は、給紙ローラ32から繰り出された記録媒体PSの斜行を矯正するとともに、記録媒体PSを現像装置11の感光ドラム3と転写ローラ34とが対向する転写部へ向けて搬送する部材である。
転写ローラ34は、現像装置11において形成されるトナー像を、記録媒体PSの表面上に静電的に転写するための部材である。転写ローラ34は、現像装置11の感光ドラム3と対向して配置され、転写部を構成している。なお、転写ローラ34は、例えば、発泡性の半導電性弾性ゴム材により構成されている。また、転写ローラ34には、後述の転写ローラ用電源34V(図5)により、所定の電圧(印加電圧Va0)が印加される。この印加電圧Va0は、例えば、各色のトナー(例えば負極性。以下同様。)に対して逆極性(例えば正極性)のバイアスからなる電圧である。ただし、同極性(例えば負極性)のバイアスからなる電圧であってもよい。
定着ユニット35は、記録媒体PS上に転写されたトナー像に対し熱および圧力を付与することで、そのトナー像を記録媒体PS上に定着させるための部材である。この定着ユニット35は、定着制御部35S(図5)の動作制御に基づき、動作する。
排出ローラ対36は、定着ユニット35によってトナーが定着された記録媒体PSを、図4において矢印で示した方向へ搬送し画像形成装置の外部にある排出トレイへ排出する部材である。
また、この画像形成装置は、図5に示したように、制御部40、受信メモリ42、画像データ編集メモリ43、操作部44、センサ群45、および電源回路50を備えている。制御部40は、インターフェイス(I/F)制御部41、印刷制御部46、ヘッド駆動制御部10S、定着制御部35S、搬送モータ制御部37Sおよび駆動制御部38Sを有する。電源回路50は、現像ローラ用電源1V、トナー供給ローラ用電源2V、帯電ローラ用電源4V、ドクターブレード用電源5V、および転写ローラ用電源34Vを有する。さらに、この画像形成装置は、給紙ローラ32を駆動する用紙搬送モータ37と、感光ドラム3を駆動する駆動モータ38とを備えている。
印刷制御部46は、マイクロプロセッサ、ROM,RAMおよび入出力ポート等により構成され、例えば予め定められたプログラムを実行することにより画像形成装置における処理動作の全体を制御するものである。具体的には、印刷制御部46は、I/F制御部41からの印刷データや制御コマンドを受信し、ヘッド駆動制御部10S、定着制御部35S、搬送モータ制御部37Sおよび駆動制御部38Sの制御を統括して印刷動作を行う。
I/F制御部41は、パーソナルコンピュータ(PC)などの外部装置からの印刷データや制御コマンドを受信し、あるいは画像形成装置の状態に関する信号を送信するものである。
受信メモリ42は、PCなどの外部装置からI/F制御部41を経由した印刷データを一時的に格納するものである。
画像データ編集メモリ43は、受信メモリ42に格納された印刷データを受け取り、その印刷データを編集した画像データを格納するものである。
操作部44は、例えば画像形成装置の状態などの情報を表示するためのLEDランプや、使用者が指示を画像形成装置へ与えるための入力部(ボタンやタッチパネル)を有するものである。
センサ群45は、この画像形成装置の動作状態を監視する各種センサ、例えば記録媒体の位置検出センサ、温湿度センサ、印刷濃度センサおよびトナー残量検知センサなどを含んでいる。
ヘッド駆動制御部10Sは、画像データ編集メモリ43に記録された画像データをLEDヘッド10へ送ると共に、そのLEDヘッド10の駆動制御を行う。
定着制御部35Sは、記録媒体PSに転写されたトナー像を記録媒体PSに定着させる際、定着ユニット35に印加される電圧を制御するものである。
搬送モータ制御部37Sは、給紙ローラ32が記録媒体PSを搬送する際、用紙搬送モータ37の動作制御を行うものである。
駆動制御部38Sは、駆動モータ38の動作制御を行うものである。
現像ローラ用電源1V、トナー供給ローラ用電源2V、帯電ローラ用電源4V、ドクターブレード用電源5V、および転写ローラ用電源34Vは、印刷制御部46の指示に基づく電圧を、それぞれ、現像ローラ1、トナー供給ローラ2、帯電ローラ4、ドクターブレード5、および転写ローラ34へ印加するものである。現像ローラ用電源1Vにより現像ローラ1へ電圧が印加されることにより、感光ドラム3の表面に形成された静電潜像に、現像ローラ1が担持するトナーGが現像される。また、トナー供給ローラ用電源2Vによりトナー供給ローラ2へ電圧が印加されることにより、トナー供給ローラ2から現像ローラ1へトナーGが供給される。また、帯電ローラ用電源4Vにより帯電ローラ4へ電圧が印加されることにより、感光ドラム3の表面が帯電する。また、ドクターブレード用電源5Vによりドクターブレード5へ電圧が印加されることにより、現像ローラ1の表面1Sにトナー層が形成される。また、転写ローラ用電源34Vにより転写ローラ34へ電圧が印加されることにより、感光ドラム2の表面に現像されたトナー像を記録媒体PSに転写することができる。
[作用・効果]
(A.基本動作)
この画像形成装置では、以下のようにして、記録媒体PSに対してトナー像が転写される。
起動状態の画像形成装置に対してPCなどの外部機器からI/F制御部41を介して印刷画像データおよび印刷命令が印刷制御部46に入力されると、印刷制御部46は、印刷命令に応じて、駆動制御部38Sなどと連携して印刷画像データの印刷動作を開始させる。
駆動制御部38Sは、駆動モータ38を駆動し、感光ドラム3を図1に示した矢印の方向に一定速度で回転させる。感光ドラム3が回転すると、その動力がギヤ列などの駆動伝達部を介して攪拌部材7A〜7C、トナー供給ローラ2、現像ローラ1および帯電ローラ4へそれぞれ伝達される。その結果、攪拌部材7A〜7C、トナー供給ローラ2、現像ローラ1および帯電ローラ4は、それぞれ、図1に示した矢印の方向に回転する。
一方、印刷制御部46は、帯電ローラ用電源4Vから帯電ローラ4に対し所定の電圧を印加し、感光ドラム3の表面を一様に帯電させる。
次いで、ヘッド駆動制御部10SがLEDヘッド10を起動し、画像信号に基づく印刷画像に対応する光を感光ドラム3に照射して感光ドラム3の表面に静電潜像を形成する。さらに、現像装置11において、以下のようにして感光ドラム3の表面に形成された静電潜像に対しトナーGを現像する。
具体的には、まず、図示しないトナー供給シャッタを回転させ、トナーGをトナー排出口8Kおよびトナー投入口9Kを介して内部空間9Aに投入する。ここで、駆動制御部38Sが駆動モータ38を駆動し、感光ドラム3を回転させる。感光ドラム3の回転により、攪拌部材7A〜7C、トナー供給ローラ2、現像ローラ1および帯電ローラ4も回転動作を開始する。攪拌部材7A〜7Cにより順次攪拌されたトナーGは、トナー供給ローラ2に担持され、トナー供給ローラ2の回転と共に現像ローラ1の近傍に移動する。そこで、トナーGは現像ローラ1の電位とトナー供給ローラ2の電位との電位差により例えば負に帯電し、現像ローラ1へ供給される。現像ローラ1へ供給されたトナーGはドクターブレード5により所定の厚さに規制されたトナー層を形成する。
一方、帯電ローラ用電源4Vにより帯電ローラ4へ所定の電圧が印加されることにより、感光ドラム3の表面が一様に帯電する。そののち、感光ドラム3の表面に向けてLEDヘッド10から照射光が照射されて露光されることで、印刷パターンに応じた静電潜像が感光ドラム3の表面上に形成される。さらに、感光ドラム3上の静電潜像に応じて現像ローラ1上のトナー層が現像されて感光ドラム3上にトナー像が形成される。そのトナー像は、感光ドラム3と対向配置され、転写ローラ用電源34Vにより所定の電圧が印加された転写ローラ34との間の電界によって記録媒体PSに転写される。
その後、定着ユニット35において、記録媒体PS上に転写されたトナー像に対し熱および圧力を付与し、そのトナー像を記録媒体PS上に定着させる。そののち、トナー像が定着された記録媒体PSは排出ローラ対36により外部へ排出される。なお、感光ドラム3には、記録媒体PSへ転写されなかったトナーGが僅かに残留する場合があるが、その残留したトナーGはクリーニングブレード6により除去される。このため、感光ドラム3は連続して使用できる。
(B.画像形成装置の作用効果)
一般に、トナー供給ローラにおける発泡弾性層としてシリコーンゴムを用いた場合、現像ローラへのトナー供給量や現像ローラへ供給されるトナーの帯電特性を安定させると共に、その発泡弾性層の耐磨耗性を高く維持することは容易ではない。例えば性能安定性を優先させた場合、トナーに加わる機械的負荷を低減するため、トナー供給ローラにおける発泡弾性層の硬度を低くしたり、現像ローラに対するトナー供給ローラの食い込み量(ニップ量)を小さくしたりすることが望ましい。しかしながら、そのような手法を採用すると、画像形成装置の使用当初においては良好な印刷がなされるものの、やがて発泡弾性層の硬度を低くしたことにより発泡弾性層の磨耗が進み、ひいてはニップ量の低下が生じるので、現像ローラへのトナー供給量が不足する場合がある。現像ローラへのトナー供給量が不足すると、ベタ印刷時のカスレが生じたり、記録媒体の先端近傍部分の印刷濃度と記録媒体の後端近傍部分の印刷濃度との差(濃度差)が大きくなるなどの印刷品質の低下を招来するおそれがある。一方、発泡弾性層の耐磨耗性を優先させるべくその硬度を高くした場合、トナーに加わる機械的負荷が増大してしまう。そのため、現像ローラの表面にトナーが融着する、いわゆるフィルミングが発生したり、トナーの外添剤の離脱が促進されてトナーの帯電特性が不安定になったり(現像ローラの表面に形成されるトナー層電位やトナー付着量の上昇など)するなどの問題が懸念される。
これに対し本実施の形態では、トナー供給ローラ2が、表面2Sに露出した開口部22Kを含むセル22Aが複数設けられた弾性層22を有しており、表面2Sの面積に占める開口部22Kの面積の占有率は40%以上85%以下とした。これにより、トナー供給ローラ2の耐磨耗性を向上させ、かつ、長時間に亘る連続印刷に伴う現像ローラ1上のトナー電位の変動やトナー付着量の変動を抑制することができる。
<2.実施例>
(実験例1)
実験例1として、上記実施の形態で説明した、弾性層22を有するトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製した。ここでは弾性層22を形成するゴム材料として、付加反応型発泡導電性シリコーンゴム組成物を用いた。具体的には、シリコーン発泡ゴム組成物である信越化学工業社製「KE−904FU」70質量部と、導電性付与剤としての信越化学工業社製「KE−87C40PU」30質量部と、付加反応架橋剤としての信越化学工業社製「C−153A」2質量部と、発泡剤としてのアゾビスイソブチロニトリル5質量部と、付加反応触媒としての白金触媒0.45質量部と、反応制御剤としての信越化学工業社製「R−153A」0.5質量部と、有機過酸化物架橋剤としての信越化学工業社製「C−3」2質量部とを十分に混練することにより、付加反応型発泡導電性シリコーンゴム組成物を調製した。なお、信越化学工業社製「KE−904FU」は、ビニル基含有シリコーン生ゴムとシリカ系充填剤とを含む一方、導電性付与剤を含まないものである。
また、トナー供給ローラ2を以下のようにして作製した。まず、芯金21をトルエン洗浄したのち、プライマーを塗布した。そののち、プライマーを塗布した芯金21を150℃の温度で焼成し、室温まで冷却することで芯金21にプライマー層を形成した。次に、プライマー層が形成された芯金21の周囲に、上述の付加反応型発泡導電性シリコーンゴム組成物を押出成形機により付着させたのち、260℃の温度下で10分間に亘って加熱(一次加熱)し、発泡架橋させた。そののち、発泡架橋した付加反応型発泡導電性シリコーンゴム組成物を200℃の温度下で20分間に亘って加熱(二次加熱)したのち、常温下にて放置した。さらに、二次加熱された付加反応型発泡導電性シリコーンゴム組成物からなる弾性層22を、所定の外径となるまで研磨した。なお、このときの弾性層22の表面22Sを拡大して観察すると、図6に示したように、セル22Aの開口部22Kと、隣り合うセル22A同士を隔てる壁部分(弾性層22そのもの)とが確認できた。さらに、弾性層22の表面22Sを選択的に覆うように、所定のレジン組成物(のちに詳述)をディッピングにより塗布したのち、そのレジン組成物を150℃の温度下で3時間に亘って加熱することにより硬化させ、コート層23を形成した。上述のレジン組成物としては、メチルフェニル系シリコーンレジンである信越化学工業社製「KR−271」100質量部と、導電性付与剤としてのカーボンブラック「ECP600JD」(ライオン社製)5質量部と、硬化剤としての信越化学工業社製「CAT−AC」1質量部と、希釈剤としての信越化学工業社製「KF96」100質量部とを混合して調製したものを用いた。このように作製したトナー供給ローラ2の表面2Sを拡大して観察すると、図7に示したように、一部の開口部22Kと、コート層23とが確認できた。コート層23は、一部の開口部22Kを埋める部分23Aと、隣り合うセル22A同士を隔てる壁部分(弾性層22そのもの)を覆う部分23Bとが連続して形成されたものであることも確認できた。また、作製したトナー供給ローラ2の表面2Sにおける任意の5箇所の領域(各領域ともに2mm角の大きさを有する)についてディジタルマイクロスコープにより観察したところ、トナー供給ローラ2の表面S2の面積のうち開口部22Kが占める面積の占有率は、5箇所の平均値で72%であった。また、弾性層22のアスカーF硬度は55度であり、弾性層22の発泡倍率は350%であった。
また、本実験例では、トナー供給ローラ2の電気抵抗値を1×106とした。なお、このトナー供給ローラ2の電気抵抗値は以下のようにして測定した。具体的には、図8Aおよび図8Bに示したように、トナー供給ローラ2を、その芯金21と同方向に伸びる回転軸部28Jを有する金属ローラ28の表面と当接させ、金属ローラ28を50rpmの速度で回転させつつ芯金21と回転軸部28Jとの間に−300Vの電圧を印加し、その電気抵抗値を抵抗測定器27で測定した。なお、抵抗測定器27としては、ヒューレット・パッカード社製ハイレジスタンスメータ(型番:4339B)を用いた。また、芯金21の両端にはそれぞれ300gの負荷Wを加えた。さらに、金属ローラ28として、直径30mmのステンレス鋼材を用いた。ここではトナー供給ローラ2の1周あたり100箇所の測定を行い、その平均値をトナー供給ローラ2の電気抵抗値として求めた。
このように作製したトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を用いて印刷動作を実行し、トナー供給ローラ2の性能安定性および耐磨耗性について調査した。本実験例では、印刷動作を、A4用紙縦方向に40ppmの印刷速度で実施した。1日あたり3000枚を連続して印刷し、これを10日間連続して実施した。用紙1枚あたりのトナー消費量は、白紙を0%、ベタ印刷を100%としたときに0.3%とした。また、印刷動作は温度20℃で相対湿度50%の環境下で行った。
また、現像ローラ1の外径を16mm、トナー供給ローラ2の外径を15.5mm、弾性層22の厚さを4.25mm、現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.0mmとした。食い込み量とは、現像ローラ1の半径とトナー供給ローラ2の半径との和から、現像ローラ1の回転中心とトナー供給ローラ2の回転中心との距離を差し引いた長さである。また、現像ローラ1の周速度は0.3m/sとし、トナー供給ローラ2の周速度は0.2m/sとした。現像ローラ1には−200Vの直流電圧を印加し、トナー供給ローラ2には−330Vの直流電圧を印加した。
また、現像ローラ1の回転方向における表面粗さはRz値(JIS B0601−1994)で2μm〜10μmとした。なお、表面粗さRz値の測定は、小坂研究所製サーフレコーダSEF3500で行い、その測定条件として触針半径2μm、触針圧0.7mN、触針の送り速さ0.1mm/秒、測定長さ2.5mmとした。
また、ドクターブレード5には、−300Vの直流電圧を印加した。ドクターブレード5としては、厚さ0.08mmのステンレス鋼からなり、現像ローラ1と当接する部分に曲率半径0.18mmの曲面となるように曲げ加工が施されたものを用いた。ドクターブレード5による現像ローラ1に対する線圧は40gf/cmとした。
(実験例2)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.6mmとしたことを除き、他は実験例1と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例3)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.3mmとしたことを除き、他は実験例1と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例4)
付加反応触媒としての白金触媒の添加量を変更し、弾性層22のアスカーF硬度を63度、発泡倍率を310%としたことを除き、他は実験例1と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例5)
付加反応触媒としての白金触媒の添加量を変更し、弾性層22のアスカーF硬度を48度、発泡倍率を410%としたことを除き、他は実験例1と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例6)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.6mmとしたことを除き、他は実施例4と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例7)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.3mmとしたことを除き、他は実験例4と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例8)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.6mmとしたことを除き、他は実験例5と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例9)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.3mmとしたことを除き、他は実験例5と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例10)
希釈剤としての信越化学工業社製「KF96」を200質量部に増量してコート層23を形成し、トナー供給ローラ2の表面S2の面積のうち開口部22Kが占める面積の占有率を5箇所の平均値で85%とすると共に弾性層22のアスカーF硬度を54度、発泡倍率を355%としたことを除き、他は実験例1と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例11)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.6mmとしたことを除き、他は実験例10と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例12)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.3mmとしたことを除き、他は実験例10と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例13)
付加反応触媒としての白金触媒の添加量を変更し、弾性層22のアスカーF硬度を63度、発泡倍率を310%としたことを除き、他は実験例10と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例14)
付加反応触媒としての白金触媒の添加量を変更し、弾性層22のアスカーF硬度を48度、発泡倍率を410%としたことを除き、他は実験例10と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例15)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.6mmとしたことを除き、他は実験例13と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例16)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.3mmとしたことを除き、他は実験例13と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例17)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.6mmとしたことを除き、他は実験例14と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例18)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.3mmとしたことを除き、他は実験例14と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例19)
希釈剤としての信越化学工業社製「KF96」を75質量部に減量してコート層23を形成し、トナー供給ローラ2の表面S2の面積のうち開口部22Kが占める面積の占有率を5箇所の平均値で54%とすると共に弾性層22のアスカーF硬度を56度、発泡倍率を355%としたことを除き、他は実験例1と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例20)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.6mmとしたことを除き、他は実験例19と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例21)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.3mmとしたことを除き、他は実験例19と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例22)
付加反応触媒としての白金触媒の添加量を変更し、弾性層22のアスカーF硬度を63度、発泡倍率を310%としたことを除き、他は実験例19と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例23)
付加反応触媒としての白金触媒の添加量を変更し、弾性層22のアスカーF硬度を48度、発泡倍率を410%としたことを除き、他は実験例19と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例24)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.6mmとしたことを除き、他は実験例22と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例25)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.3mmとしたことを除き、他は実験例22と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例26)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.6mmとしたことを除き、他は実験例23と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例27)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.3mmとしたことを除き、他は実験例23と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例28)
希釈剤としての信越化学工業社製「KF96」を60質量部に減量してコート層23を形成し、トナー供給ローラ2の表面S2の面積のうち開口部22Kが占める面積の占有率を5箇所の平均値で40%とすると共に弾性層22のアスカーF硬度を57度、発泡倍率を340%としたことを除き、他は実験例1と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例29)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.6mmとしたことを除き、他は実験例28と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例30)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.3mmとしたことを除き、他は実験例28と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例31)
付加反応触媒としての白金触媒の添加量を変更し、弾性層22のアスカーF硬度を63度、発泡倍率を310%としたことを除き、他は実験例28と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例32)
付加反応触媒としての白金触媒の添加量を変更し、弾性層22のアスカーF硬度を48度、発泡倍率を410%としたことを除き、他は実験例28と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例33)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.6mmとしたことを除き、他は実験例31と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例34)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.3mmとしたことを除き、他は実験例31と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例35)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.6mmとしたことを除き、他は実験例32と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例36)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.3mmとしたことを除き、他は実験例32と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例37)
コート層23を形成しなかったことを除き、他は実験例1と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。ただし、トナー供給ローラ2の表面S2の面積のうち開口部22Kが占める面積の占有率は5箇所の平均値で94%であり、弾性層22のアスカーF硬度は55度であり、弾性層22の発泡倍率は330%であった。
(実験例38)
希釈剤としての信越化学工業社製「KF96」を250質量部に増量してコート層23を形成し、トナー供給ローラ2の表面S2の面積のうち開口部22Kが占める面積の占有率を5箇所の平均値で88%とすると共に弾性層22のアスカーF硬度を54度、発泡倍率を330%としたことを除き、他は実験例1と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例39)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.6mmとしたことを除き、他は実験例38と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例40)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.3mmとしたことを除き、他は実験例38と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例41)
付加反応触媒としての白金触媒の添加量を変更し、弾性層22のアスカーF硬度を63度、発泡倍率を310%としたことを除き、他は実験例38と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例42)
付加反応触媒としての白金触媒の添加量を変更し、弾性層22のアスカーF硬度を48度、発泡倍率を410%としたことを除き、他は実験例38と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例43)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.6mmとしたことを除き、他は実験例41と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例44)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.3mmとしたことを除き、他は実験例41と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例45)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.6mmとしたことを除き、他は実験例42と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例46)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.3mmとしたことを除き、他は実験例42と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例47)
希釈剤としての信越化学工業社製「KF96」を45質量部に減量してコート層23を形成し、トナー供給ローラ2の表面S2の面積のうち開口部22Kが占める面積の占有率を5箇所の平均値で35%とすると共に弾性層22のアスカーF硬度を57度、発泡倍率を330%としたことを除き、他は実験例1と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例48)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.6mmとしたことを除き、他は実験例47と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例49)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.3mmとしたことを除き、他は実験例47と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例50)
付加反応触媒としての白金触媒の添加量を変更し、弾性層22のアスカーF硬度を63度、発泡倍率を310%としたことを除き、他は実験例47と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例51)
付加反応触媒としての白金触媒の添加量を変更し、弾性層22のアスカーF硬度を48度、発泡倍率を410%としたことを除き、他は実験例47と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例52)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.6mmとしたことを除き、他は実験例50と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例53)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.3mmとしたことを除き、他は実験例50と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例54)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.6mmとしたことを除き、他は実験例51と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例55)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.3mmとしたことを除き、他は実験例51と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例56)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を0.5mmとしたことを除き、他は実験例1と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。ただし、弾性層22の発泡倍率は330%とした。
(実験例57)
現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量を1.4mmとしたことを除き、他は実験例1と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。ただし、弾性層22の発泡倍率は330%とした。
(実験例58)
付加反応触媒としての白金触媒の添加量を変更し、弾性層22のアスカーF硬度を65度、発泡倍率を310%としたことを除き、他は実験例1と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例59)
付加反応触媒としての白金触媒の添加量を変更し、弾性層22のアスカーF硬度を45度、発泡倍率を440%としたことを除き、他は実験例1と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。
(実験例60)
コート層23を形成しなかったことを除き、他は実験例1と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。ただし、トナー供給ローラ2の表面S2の面積のうち開口部22Kが占める面積の占有率は5箇所の平均値で45%であり、弾性層22のアスカーF硬度は63度であり、弾性層22の発泡倍率は290%であった。
(実験例61)
コート層23を形成しなかったことを除き、他は実験例1と同様にしてトナー供給ローラ2を有する画像形成装置を作製し、印刷動作を実行した。ただし、トナー供給ローラ2の表面S2の面積のうち開口部22Kが占める面積の占有率は5箇所の平均値で83%であり、弾性層22のアスカーF硬度は49度であり、弾性層22の発泡倍率は455%であった。
上述の条件下での印刷動作に伴う各実験例におけるトナー供給ローラ2の性能安定性および耐磨耗性について、下記の<1>〜<5>の観点で評価をおこなった。
<1>30000枚印刷後のトナー供給ローラ2の摩耗量。
ここでは、外径の減少量が0.2mm以下であることが望ましい。摩耗によりトナー供給ローラ2の外径が減少するほど、現像ローラ1へのトナー供給量が低下するからである。
<2>3000枚印刷前の現像ローラ1の表面1Sにおけるトナー電位に対する、3000枚印刷後の現像ローラ1の表面1Sにおけるトナー電位の上昇量。
ここでは、各日のトナー電位の上昇量の平均値が10V以下であることが望ましい。10Vを超えると汚れが発生しやすい状態となるからである。図1に示した点Aでのトナーについて測定した。
<3>3000枚印刷開始前の現像ローラ1の表面1Sにおけるトナー付着量に対する、3000枚印刷後の現像ローラ1の表面1Sにおけるトナー付着量の上昇量。
ここでは、各日のトナー付着量の上昇量の平均値が0.05mg/cm2以下であることが望ましい。0.05mg/cm2を超えると汚れが発生しやすい状態となるからである。図1に示した点Aでのトナーについて測定した。
<4>各日において、3000枚印刷前後における印刷濃度差。
ここでは、図9に示したように、矢印の方向(上方)に搬送される用紙にベタ印刷を行い、その3箇所の先端領域51について印刷濃度を測定して平均値を求めると共に、同じ用紙の3箇所の後端領域52についても印刷濃度を測定して平均値を求め、それらの差(先端領域51の印刷濃度平均値−後端領域52の印刷濃度平均値)を印刷濃度差とした。なお、測定にはエックスライト社製X−Rite528を用いた。印刷濃度差は0.10以下であることが望ましい。印刷濃度差が0.10以下であればトナー供給性に起因する残像が目立たず、現像ローラ1に対しトナー供給ローラ2が適切にトナーの供給を行っていると判断できるからである。
<5>各日につき、3000枚印刷前後においてハーフトーンのパターン印刷を行ったときの汚れの発生の有無。
ここでは、ハーフトーンのパターン印刷において汚れが一度も発生しないことが望ましい。その汚れとは、例えば図10に示したような汚れ53をいい、現像ローラ1上のトナー電位の上昇およびトナー付着量の上昇により、感光ドラム3の非露光部にトナーGが現像されてしまう現象に起因するものである。ハーフトーンのパターン印刷を行った場合、感光ドラム3上の静電潜像において露光部と非露光部とが規則的に配列するので、露光部と非露光部との境界部において高電位のトナーGが感光ドラム3に現像されやすくなる。よって、ハーフトーンのパターン印刷において発生する汚れは、白地に発生する地汚れよりも高感度の検出が可能である。
上記<1>〜<5>の観点での評価において全て可となったものが、長期に亘って性能安定性および耐磨耗性に優れるトナー供給ローラ2であると判断した。以下、その結果を表1〜7に示す。
以上の結果から、実験例1〜36では、実験例37〜61と比較して、トナー供給ローラ2の耐磨耗性に優れ、極めて高い品質の画像を形成することができることがわかった。これは、弾性層22がコート層23により覆われており、表面1Sの面積に占める開口部22Kの面積の占有率が40%以上85%以下であり、弾性層22のアスカーF硬度は48度以上63度以下であり、弾性層22の発泡倍率は300%以上450%以下であり、現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量は0.6mm以上1.3mm以下であるからと考えられる。このような条件を満足することにより、トナー供給ローラ2の耐磨耗性を向上させつつ、長期にわたる高い画像品質の安定性確保が可能となることが確認できた。
ここでいう画像品質の安定性確保とは、例えば印刷濃度および現像ローラ1上のトナー付着量を安定的に維持する制御が容易にできることをいう。例えば実験例37などのように、ベタ印刷時の先端領域の印刷濃度と後端領域との印刷濃度の差(印刷濃度差)が大きくなったとしても、一時的に修正する(印刷濃度差を低減する)ことが可能である。一時的な修正方法としては、例えば、現像ローラ1へのトナー供給量を増やしつつ、現像ローラ1への印加電圧を下げて現像効率を低下させればよい。ところが、このように現像ローラ1の表面1Sでのトナー付着量が多い状態で現像効率を低下させると、現像ローラ1上の未現像トナーが増えてしまう。このような状態で印刷動作を繰り返すと、用紙上の汚れや、現像ローラ1の表面1Sでのトナーフィルミングなどが発生しやすくなるので好ましくない。これに対し、実験例1〜36では、現像ローラ1の表面1Sでのトナー付着量が安定化し、印刷濃度差も小さい。このため、現像ローラ1およびトナー供給ローラ2に対する各々の印加電圧の調整幅を狭めることができ、また、それらの印加電圧の調整を行う頻度も少なくて済む。
なお、コート層23の膜厚は、断面の観察により、例えば実験例28では印刷動作開始前において約15μmであった。印刷動作終了後には摩耗によりトナー供給ローラ2の外径が0.13mm減少していることから、トナー供給ローラ2の最表面2Sのコート層23は消失し、弾性層22の厚さも65μm減少したことになる。ところが実験例28ではトナー供給量の安定性を維持されていることから、弾性層22の磨耗により、セル22Aの内部に浸入していたコート層23がトナー供給ローラ2の最表面2Sに露出し、弾性層22の磨耗を抑制していたものと考えられる。
また、実験例47〜55に示したように、表面1Sの面積に占める開口部22Kの面積の占有率が40%を下回ると、対磨耗性は向上するものの、トナー供給ローラ2が担持できるトナーGの量が減り、印刷濃度差が比較的大きくなってしまう傾向が見られた。一方、実験例37〜46に示したように、表面1Sの面積に占める開口部22Kの面積の占有率が85%を上回ると、コート層23が不足し、対磨耗性が低下する傾向にあることがわかった。
また、弾性層のアスカーF硬度および現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量は、いずれも現像ローラ1に対するニップ圧に寄与するので、画像品質に対する影響が及ぶことも確認できた。例えばニップ圧が低いとトナーGの摩擦帯電性が低下し、トナー供給効率が低下してしまう。一方、ニップ圧が高いとトナーGに対する機械的負荷が増大し、トナーGの外添剤の離脱やトナーG同士の静電凝集が生じやすくなり、トナーGの帯電特性が不安定になるおそれがある。今回の実験例の結果から、弾性層22のアスカーF硬度は48度以上63度以下であり、現像ローラ1に対するトナー供給ローラ2の食い込み量は0.6mm以上1.3mm以下であることが望ましいことが確認できた。
<3.変形例>
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態では黒色のトナー像のみを転写してモノクロ画像を形成する画像形成装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばカラー画像を形成する画像形成装置であってもよい。また、上記実施の形態では、1次転写方式の画像形成装置1について説明したが、本発明は2次転写方式にも適用されうる。
また、上記実施の形態等で説明した一連の処理は、ハードウェア(回路)で行われるようにしてもよいし、ソフトウェア(プログラム)で行われるようにしてもよい。ソフトウェアで行われるようにした場合、そのソフトウェアは、各機能をコンピュータにより実行させるためのプログラム群で構成される。各プログラムは、例えば、上記コンピュータに予め組み込まれて用いられてもよいし、ネットワークや記録媒体から上記コンピュータにインストールして用いられてもよい。
また、上記実施の形態等では、露光装置として発光ダイオードを光源とするLEDヘッドを用いるようにしたが、例えばレーザ素子等を光源とした露光装置を用いてもよい。
さらに、上記実施の形態等では、本発明における「画像形成装置」の一具体例として、印刷機能を有する画像形成装置について説明したが、これには限られない。すなわち、そのような印刷機能に加え、例えば、スキャン機能やファックス機能を有する複合機として機能する画像形成装置においても、本発明を適用することが可能である。
1…現像ローラ、1A…芯金、1B…弾性層、1S…表面、2…トナー供給ローラ、21…芯金、22…弾性層、22A…セル、22K…開口部、22S…表面、23…コート層、2S…表面、3…感光ドラム、4…帯電ローラ、5…ドクターブレード、6…クリーニングブレード、7A〜7C…攪拌部材、8…トナー収容部、8K…トナー排出口、9…ケーシング、9A…内部空間、9K…トナー投入口、10…LEDヘッド、11…現像装置、30…筐体、31…給紙トレイ、32…給紙ローラ、33…搬送ローラ対、34…転写ローラ、35…定着ユニット、36…排出ローラ対、37…用紙搬送モータ、38…駆動モータ、40…制御部、41…インターフェイス(I/F)制御部、42…受信メモリ、43…画像データ編集メモリ、44…操作部、45…センサ群、46…印刷制御部、10S…ヘッド駆動制御部、35S…定着制御部、37S…搬送モータ制御部、38S…駆動制御部、50…電源回路、1V…現像ローラ用電源、2V…トナー供給ローラ用電源、4V…帯電ローラ用電源、5V…ドクターブレード用電源、34V…転写ローラ用電源、G…トナー、PS…記録媒体。

Claims (6)

  1. 潜像を担持する感光層を有する像担持体と、
    現像剤を担持し、前記潜像に対し前記現像剤を用いて現像処理を行う現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体と当接する表面を有し、前記現像剤担持体へ前記現像剤を供給する現像剤供給部材と
    を備え、
    前記現像剤供給部材は、前記表面に露出した開口部を含む空隙が複数設けられた弾性層と、前記弾性層を覆う被覆層とを有し、
    前記被覆層は、複数の前記空隙のうちの一部を埋めるように形成されており、一部の前記開口部を埋める第1部分と、前記弾性層のうちの隣り合う前記空隙同士を隔てる壁部分を覆うように前記第1部分と連続して形成された第2部分とを含み、
    前記表面の面積のうち、前記被覆層の前記第1部分により埋められた前記一部の開口部以外の他の前記開口部が占める面積の占有率は、40%以上85%以下である
    画像形成ユニット。
  2. 前記弾性層のアスカーF硬度は、48度以上63度以下である
    請求項1記載の画像形成ユニット。
  3. 前記弾性層の発泡倍率は300%以上450%以下である
    請求項1または請求項2に記載の画像形成ユニット。
  4. 以下の条件式(1)を満たす
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
    0.6mm≦(A−B)≦1.3mm ……(1)
    ただし、
    A:現像剤担持体の半径と現像剤供給部材の半径との和(mm)
    B:現像剤担持体の回転中心と現像剤供給部材の回転中心との距離(mm)
    とする。
  5. 前記弾性層は、シリコーンゴムまたはシリコーン変性ゴムを含む材料からなり、
    前記被覆層は、シリコーンレジンおよびカーボンブラックを含む材料からなる
    請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成ユニット。
  6. 印刷媒体を供給する印刷媒体供給部と、
    前記印刷媒体供給部から供給される前記印刷媒体に画像を形成する画像形成ユニットと
    を備え、
    前記画像形成ユニットは、
    潜像を表面に担持する感光層を有する像担持体と、
    現像剤を担持し、前記潜像に対し前記現像剤を用いて現像処理を行う現像剤担持体と、
    前記現像剤担持体と当接する表面を有し、前記現像剤担持体へ前記現像剤を供給する現像剤供給部材と
    を備え、
    前記現像剤供給部材は、前記表面に露出した開口部を含む空隙が複数設けられた弾性層と、前記弾性層を覆う被覆層とを有し、
    前記被覆層は、複数の前記空隙のうちの一部を埋めるように形成されており、一部の前記開口部を埋める第1部分と、前記弾性層のうちの隣り合う前記空隙同士を隔てる壁部分を覆うように前記第1部分と連続して形成された第2部分とを含み、
    前記表面の面積のうち、前記被覆層の前記第1部分により埋められた前記一部の開口部以外の他の前記開口部が占める面積の占有率は、40%以上85%以下である
    画像形成装置。
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