JP2014202931A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】現像ローラと供給ローラとの接触圧力が適正な範囲となるように軸間調整を行うことが可能な画像形成装置を提供する。【解決手段】現像剤担持体の回転中心軸と現像剤供給部材の回転中心軸との軸間を調整する軸間調整機構と、所定の印字枚数と印字率とに関連付けて設定され、前記現像剤担持体に対する前記現像剤供給部材の食い込み量の変位率を記憶する食い込み量変位テーブルと、前記食い込み量変位テーブルを参照することにより前記食い込み量を計算する制御部と、予め設定された食い込み量の閾値と前記制御部により計算された前記食い込み量とを比較する比較部と、前記比較部による比較結果に基づき、前記軸間調整機構を作動させるよう報知する報知部とを備えることを特徴とする画像形成装置。【選択図】 図1

Description

本発明は、画像形成装置に関するものである。
従来の電子写真方式の画像形成装置に用いられる画像形成方法として、帯電、露光、現像、定着、及びクリーニングの各記録プロセスによって画像を形成する方法が良く知られている。この中で、現像プロセスでは静電潜像担持体としての感光体ドラムに現像剤としてのトナーを担持するトナー担持体たる現像ローラを接触させ、当該現像ローラに電圧を印加し感光体ドラム上の静電潜像を現像する接触型の現像装置が小型化、低価格化の利点から良く利用されている。
このような現像装置においては、現像ローラに圧接させて、当該現像ローラ上にトナーの薄層を形成するトナー規制ブレードと、現像ローラにトナーを供給するとともに、当該現像ローラ上の未使用トナーを回収する発泡体製の供給ローラが設置されている。トナーは供給ローラから現像ローラに供給され、次に現像ローラから感光体ドラムに供給され、静電潜像の現像に用いられる。
一般的な供給ローラの外周面には発泡体の気泡が形成されており、トナーはこの気泡に積載され、供給ローラの回転に従って現像ローラに供給される。このとき、供給ローラの表面と現像ローラの表面とがトナーを介して擦られることにより、トナーは摩擦帯電する。摩擦帯電したトナーは、所定の電圧が印加された現像ローラの表面に引き付けられて付着する。そして、感光体ドラム表面における静電潜像の現像に用いられなかったトナーは、現像ローラ表面において擦られることにより、供給ローラに回収される。このように互いに圧接して配設されることによりトナーの授受を行う現像ローラと供給ローラとは、例えば、特許文献1に開示されているように、両ローラとも装置内で固定されており、その回転中心軸の軸間距離も一定の間隔に設定されている。
特開2002−108089号公報
上記従来の技術においては、供給ローラは現像ローラとの接触及び摩擦により磨耗していき、この磨耗量は印字率によって異なる。現段階のところ、印字率が高い程供給ローラの磨耗量が大きくなる正確な原因はわからないが、仮定として以下の理由が考えられている。
第1の理由は、トナーの研磨剤としての能力低下に起因する考えである。トナーには表面に流動性や帯電性をコントロールする目的でシリカ等の外添剤が添加されている。外添剤は硬いため、研磨剤として働き摩擦部分で供給ローラ、現像ローラ、又は現像ブレードを削る。低印字率での印刷の場合、現像装置内で同じトナーが何度も擦られることでトナーがダメージを受け、トナー表面の外添剤が剥離したり又はトナー樹脂に埋没することになる。そのため、ダメージを受けたトナーは研磨剤としての能力が小さくなり、トナー消費量が多い高印字率の条件では、現像ローラと供給ローラとの間の摩擦領域を研磨能力の高い新しいトナーが多く通過することになり、磨耗量が大きくなるという考えである。
第2の理由は、現像ローラによる供給ローラの直接的な研磨に起因する考えである。供給ローラは現像ローラとの接触位置において所定の速度差をもって摩擦している。低印字率の場合、現像ローラと供給ローラとが接触する際に、殆どのトナーは使用されないため、未使用のトナーが現像ローラ表面上に多く存在することになる。トナーは略球形の小さな粒子で、接触部において潤滑剤としても機能する。そのため、低印字率の場合には供給ローラの磨耗量は小さくなる。一方、トナー消費量が多い高印字率の条件では、現像ローラ表面上にトナーは殆ど無く、現像ローラ表面が直接供給ローラ表面と摩擦することになる。現像ローラ表面を構成するゴム材と供給ローラ表面を構成するスポンジ材との摩擦によりスポンジ材が削れられ、磨耗量が大きくなるという考えである。
第1の理由及び第2の理由でも挙げられているように、トナー消費量が多い高印字率の条件では、供給ローラの磨耗量はより大きくなり、当該供給ローラ外径は小さくなる。その結果、現像ローラに対する供給ローラの食い込み量が小さくなり、現像ローラとの接触圧力が低下する。この影響で、供給ローラによる現像ローラ表面上の未使用トナーの回収能力が低下し、トナーが過剰帯電して汚れが発生する場合がある。また、接触圧力が低下することで、新規に供給するトナーを現像ローラ−供給ローラ間で摩擦帯電させる能力が低下し、トナーの帯電量が不均一となってカブリが悪くなる可能性がある。
従来技術では、現像ローラの回転中心軸と回転ローラの回転中心軸との軸間距離は、一定の間隔に設定されている。したがって、供給ローラが磨耗しその外径が小さくなると、現像ローラとの接触圧力が変化し、摩擦力を一定に保つことができなくなる。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、現像ローラと供給ローラとの接触圧力が適正な範囲となるように軸間調整を行うことが可能な画像形成装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る画像形成装置は、現像剤担持体の回転中心軸と現像剤供給部材の回転中心軸との軸間を調整する軸間調整機構と、所定の印字枚数と印字率とに関連付けて設定され、前記現像剤担持体に対する前記現像剤供給部材の食い込み量の変位率を記憶する食い込み量変位テーブルと、前記食い込み量変位テーブルを参照することにより前記食い込み量を計算する制御部と、予め設定された食い込み量の閾値と前記制御部により計算された前記食い込み量とを比較する比較部と、前記比較部による比較結果に基づき、前記軸間調整機構を作動させるよう報知する報知部とを備えることを特徴としている。
また、本発明に係る画像形成装置は、現像剤担持体の回転中心軸と現像剤供給部材の回転中心軸との軸間を調整する軸間調整機構と、着脱可能に設けられ、前記現像剤供給部材に現像剤を供給する現像剤収容体とを有し、前記現像剤収容体は、前記現像剤の供給を制御するシャッタ部材と、前記シャッタ部材の開閉を制御するシャッタレバーと、前記シャッタレバーの開方向への移動に伴い、前記軸間距離調整手段に駆動力を伝達する駆動伝達部とを備えることを特徴としている。
本発明によれば、現像ローラと供給ローラとの接触圧力が適正な範囲となるように軸間調整を行うことが可能な画像形成装置を提供することができる。
カラープリンタの要部構成を説明する概略図である。 現像ローラ、供給ローラ、及び層規制ブレードの構成及びその配設関係を説明する概略図である。 軸間調整機構の構成を説明するための概略断面図である。 図3(a)の−Y軸方向からみた、供給ローラを介して設けられた、もう片方の軸間調整機構の概略断面図である。 図3(a)のt−t線で切断した断面を図3(a)のX軸方向からみた概略断面図である。 レバーを操作した後の状態を説明する概略断面図である。 カラープリンタの制御ブロック図である。 食い込み量Nと印刷品質との関係を示したグラフである。 印刷枚数に伴う食い込み量Nの変化を示したグラフである。 カラープリンタの要部構成を説明する概略図である。 トナーカートリッジの構成を説明する分解斜視図である。 トナーカートリッジの構成を説明する分解斜視図である。 軸間調整機構の構成を説明するための概略断面図である。 図9(a)の−Y軸方向からみた、供給ローラを介して設けられた、もう片方の軸間調整機構22の概略断面図である。 図9(a)のu−u線で切断した断面を図9(a)のX軸方向からみた概略断面図である。 レバーを操作した後の状態を説明する概略断面図である。 レバーを操作した後の状態を説明する概略断面図である。 レバーを操作した後の状態を説明する概略断面図である。 カラープリンタの制御ブロック図である。 印字率が5%の場合、印字率が10%の場合、印字率が30%の場合と使用条件が異なる場合について、経時での食い込み量Nの変化を示したグラフである。 第1の実施形態に係る現像装置と第2の実施形態に係る現像装置とにおける使用可能枚数を表したグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置として、電子写真方式を用いたカラープリンタ100の要部構成を説明する概略図である。カラープリンタ100は、その内部に現像剤としてのブラック(K)のトナーを用いて画像形成を行う画像形成部ID−Kと、イエロー(Y)のトナーを用いて画像形成を行う画像形成部ID−Yと、マゼンタ(M)のトナーを用いて画像形成を行う画像形成部ID−Mと、シアン(C)のトナーを用いて画像形成を行う画像形成部IC−Yを備え、これらの画像形成部は、図中の用紙搬送方向mの上流側から下流にかけ、後述する転写ベルト13上に画像形成部ID−K、画像形成部ID−Y、画像形成部ID−M、画像形成部ID−Cの順で配設されている。図示せぬ搬送機構により搬送された記録用紙12は、用紙搬送方向mの方向に搬送されながら、画像形成部ID−K、画像形成部ID−Y、画像形成部ID−M、画像形成部ID−Cにより各トナー色に対応した画像が順次形成され、これらの画像が重なり合うことによりカラー画像が形成される。
各画像形成部ID−K、画像形成部ID−Y、画像形成部ID−M、画像形成部ID−Cの直下には、転写装置5が配設されている。転写装置5は、記録用紙12を静電吸着して図中n方向に駆動する無端のベルト材である転写ベルト13と、図示せぬ駆動源から伝達された駆動力により回転するドライブローラ15aと、当該ドライブローラ15aと対をなして従動回転し、転写ベルト13を張架するテンションローラ15bとを備える。また、転写装置5は、後述する現像装置が備える各感光体ドラムに転写ベルト13を介し圧接する転写ローラ14K、転写ローラ14Y、転写ローラ14M、転写ローラ14Cを備える。転写ローラ14K、転写ローラ14Y、転写ローラ14M、転写ローラ14Cには図示せぬ高圧電源が接続されており、感光体ドラム上で現像されたトナー像は、転写ローラ14K、転写ローラ14Y、転写ローラ14M、転写ローラ14Cに印加された転写電圧により記録用紙12に転写される。
転写ベルト13の駆動方向の最下流側には、当該転写ベルト13のに残留したトナーを回収するクリーニングブレード16が配設されてる。クリーニングブレード16は、例えば、ウレタンゴム等のゴムを保持するブラケットにホットメルト等の接着方法で強力に接着したものである。
定着装置17は、画像形成部ID−K、画像形成部ID−Y、画像形成部ID−M、画像形成部ID−C以降の用紙搬送方向m下流側に配設されており、ヒートローラ17a、バックアップローラ17b、及び図示せぬサーミスタ等を備える。ヒートローラ17aは、例えば、アルミニウム等からなる中空円筒状の芯金にシリコーンゴムの耐熱弾性層を被覆し、その上にPFA(テトラフルオロエチレンーパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)チューブを被服することによって形成されている。そして、その芯金内には、例えば、ハロゲンランプ等の加熱ヒータが設けられている。バックアップローラ17bは、例えば、アルミニウム等からなる芯金にシリコーンゴムの耐熱弾性層を被覆し、その上にPFAを被覆した構成であり、ヒートローラとの間に圧接部が形成されるように配設されている。サーミスタは、ヒートローラ17aの表面温度検出手段であり、ヒートローラ17aの近傍に非接触で配設されている。サーミスタが検出したヒートローラ17aの表面温度の検出結果に基づき、上記加熱ヒータを制御することで、ヒートローラ17aの表面温度は所定の温度に維持される。トナー像が転写された用紙Pが所定の温度に維持されたヒートローラ17aとバックアップローラ17bとから形成される圧接部を通過することにより、記録用紙12上のトナーに熱及び圧力が付与され、当該トナーは溶融し、トナー像が定着される。
次に、各画像形成部ID−K、画像形成部ID−Y、画像形成部ID−M、画像形成部ID−Cの構成について説明する。画像形成部ID−K、画像形成部ID−Y、画像形成部ID−M、画像形成部ID−Cの構成は収容するトナーのみが異なり、その他の構成は全て同一である。したがって、以下の説明においては、画像形成部ID−Cを例にとり説明する。
画像形成部ID−Cは、露光装置3と、現像装置4と、トナー9を収容するトナーカートリッジ8とを備える。なお、本実施形態に係る画像形成部ID−Cのトナーカートリッジ8は現像装置4に一体として構成されており、交換できない構造となっているものとして説明する。
露光装置3は、例えば、LED素子等の発光素子とレンズアレイとを有するLEDヘッドであり、画像データに基づき当該LED素子から出力される照射光が現像装置4が備える感光体ドラム表面に結像する位置となるように配設されている。
図1に示すように、現像装置4はドラム状に形成され有機感光体を用いた静電潜像担持体としての感光体ドラム1の周囲に、感光体ドラム1の回転方向上流側から下流側にかけて帯電ローラ2、現像剤担持体としての現像ローラ7、クリーニングブレード6が配設され、当該現像ローラ7に圧接した状態で現像剤供給部材としての供給ローラ10と、層形成ブレード11とが配設されている。
感光体ドラム1は、導電性支持体と光導電層とによって構成され、例えば、導電性支持体としてのアルミニウム等の金属シャフトに光導電層としての電荷発生層、及び電荷輸送層が順次積層されて構成された有機感光体である。
帯電ローラ2は、例えば、金属シャフトと半導電性エピクロロヒドリンゴムとによって構成されたローラ部材である。帯電ローラ2は、感光体ドラム1に対して接触又は所定の圧力をもって当接しており、図示せぬ帯電用電源からの印加電圧に基づき、感光体ドラム1の表面を一様均一に帯電させる。
現像ローラ7は、感光体ドラム1の表面に圧接するように配設され、露光装置3により照射された照射光に基づき形成された静電潜像にトナー9を供給し、トナー像を現像する。なお、現像ローラ7の構成については後述する。
クリーニングブレード6は、例えば、ウレタンゴム等のゴムを保持するブラケットにホットメルト等の接着方法で強力に接着したものである。クリーニングブレード6は、感光体ドラム1の表面に残留しているトナーを掻きとって処理するために、感光体ドラム1の表面に接触して設けられている。
供給ローラ10は現像ローラ7に対して所定の圧接力をもって当接しており、トナーカートリッジ8から供給されたトナー9を帯電させ現像ローラ7に供給する。なお、供給ローラ10の構成については後述する。
層形成ブレード11は現像ローラ7に対して所定の圧接力をもって当接しており、現像ローラ7表面上のトナーの層厚を規制する。なお、層形成ブレード11の構成についても後述する。
トナーカートリッジ8は、トナー9を内部に収容する箱型の筐体である。前述したように、本実施形態に係るトナーカートリッジ8は、現像装置4に一体として構成されており、交換できない構造となっている。
トナー9としては、結着樹脂としてポリエステル、着色剤としてカーボンブラック、銅フタルシアニン顔料(C. I. Pigment Blue15)、キナクリドン系顔料(C. I. Pigment Red122)、C. I. Pigment Yellow185等を用いた負帯電性の粉砕トナーを用いた。本実施形態においては、体積平均を5.8μmとし、流動性及び帯電性を付与する目的で添加剤を外添したものを用いた。添加剤としては、例えば、酸化チタン、アルミナ、シリカ等を用いることができ、さらにシリカはシリコーンオイル処理やジシラン処理等を施したものを使用することができる。一次粒子径としては7nm、12nm、14nm、21nm、40nm等があり、それらを組み合わせてターブラミキサやヘンシェルミキサ等によりトナーと混合し添加剤を外添することで本実施形態に係るトナー9を製造した。
次に、図2を用いて本実施形態に係る現像装置4、特に、現像ローラ7、供給ローラ10、及び層規制ブレード11の構成及びその配設関係について説明する。
現像ローラ7は、金属製シャフト18の外周を弾性体19で被覆した構成である。本実施形態においては、直径10mmの金属製シャフト18に弾性体19として肉厚3mm、硬度60°(アスカーC)の半導電性のシリコーンゴムを被覆し、さらに表面層に摩擦係数や粗さ、帯電特性を調整する目的で、例えば、イソシアネート処理といった処理を施している。
供給ローラ10は、金属製シャフト20の外周を発泡体21で被覆した構成である。本実施形態においえは、直径6mmの金属製シャフト20に発泡体21として肉厚4.75mm、硬度50°(アスカーF)のシリコン発泡体で被覆したものである。
層形成ブレード11は、ばね性を持った金属である厚さ0.08mmのSUS304を図のようにL字型に成型し、そのエッジ部が現像ローラ7に圧接するように配設されている。
図2に示すように、現像ローラ7と供給ローラ10とは接触して配置され、その接触部において表面の移動方向がそれぞれ逆方向となる。本発明において、当該接触部での現像ローラ7に対する供給ローラ10の食い込み量Nは、現像ローラ7と供給ローラ10との半径の和と現像ローラ7の回転中心Aと供給ローラ10の回転中心Bとの距離Dとの差と定義する。なお、本実施形態においては、食い込み量Nの初期設定値は1mmと設定した。
次に、現像ローラ7と供給ローラ10との回転中心間隔Dを変更し、結果として現像ローラ7と供給ローラ10との接触部での食い込み量Nを調整する軸間調整機構について説明する。本実施形態は後述するように、供給ローラの回転中心軸を支持する供給軸受け部材に当該供給ローラの回転中心軸を受ける穴が回転可能な円盤部の中心からずらされて配置されている。そして、供給軸受け部材とギアを介して接続されたレバーの操作で、供給軸受け部材は回転し、供給ローラの回転中心軸を受ける穴が移動することにより、回転中心間隔Dを調整することができる。
図3は、本実施形態に係る軸間調整機構22Rを説明する説明図である。図3(a)は軸間調整機構22Rの構成を説明するための概略断面図であり、図3(b)は図3(a)の−Y軸方向からみた、供給ローラ10を介して設けられた、もう片方の軸間調整機構22Lの概略断面図であり、図3(c)は図3(a)のt−t線で切断した断面を図3(a)のX軸方向からみた概略断面図であり、図3(d)はレバー25を操作した後の状態を説明する概略断面図である。
図3(b)及び図3(c)に示すように、本実施形態に係る軸間調整機構22は、供給ローラ10の両端側にそれぞれ設けられているが(軸間調整機構22R及び軸間調整機構22L)、その構成は同一である。よって、以下の説明では、供給ローラ10を介した左右の軸間調整機構22を識別するためのR、Lの符号を除して説明する。
図3(a)、図3(b)、及び図3(c)に示すように、軸間調整機構22は、現像ローラ7の金属シャフト18の両端部方向に延在して形成され、当該金属シャフト18の半径長さよりも短い半径長さを有する回転中心軸18'を受ける円盤状の現像軸受け部材23と、供給ローラ10の金属シャフト20の両端部方向に延在して形成され、当該金属シャフト20の半径長さよりも短い半径長さを有する回転中心軸20'を受ける円盤状の円盤部29のを有する供給軸受け部材24と、供給軸受け部材24を回転させる回転駆動体としてのレバー25と、現像軸受け部材23、供給軸受け部材24、及びレバー25を回転可能に保持するサイドフレーム26とを備える。
現像軸受け部材23には、現像ローラ7の回転中心軸18'を受ける穴27が形成されている。同様に供給軸受け部材24には、供給ローラ10の回転中心軸20'を受ける穴28が形成されている。供給軸受け部材24に形成される穴28は、円盤部29の中心から半径方向側に所定距離ずらされて形成されている。また、供給軸受け部材24の円盤部29外周部分には当該円盤部29に回転駆動力を伝達するためのギアの歯30が設けられている。
レバー25は、腕部31と、回転中心軸32と、回転部33と、回転部33の外周部分に形成され、ギアの歯30と噛合うことで供給軸受け部材24を駆動させるギアの歯34とを備える。サイドフレーム26には、レバー25の腕部31と当接し、当該レバー25の動作限界位置を決定するためのストッパ35が形成されている。レバー25の腕部31を、図3(a)中矢印e方向に操作することで、レバー25の回転部33は回転中心軸32を回転中心とし、腕部31がストッパ35と当接するまで図中f方向に回転することができる。回転部33の外周部分に形成されたギアの歯34は供給軸受け部材24の円盤部29の外周部分に形成されたギアの歯30と噛合っており、回転部33の回転に伴い供給軸受け部材24の円盤部29を図中矢印g方向に回転させる。供給軸受け部材24のギアの歯30が円盤部29の外周部分全体にわたって形成されているのに対し、レバー25のギアの歯34は、回転部33の外周部分の一部分にのみに形成されている。これは、ギアの歯34の形成範囲をレバー25の腕部31がストッパ35に当接するまでの可動範囲に対応させているためでる。すなわち、ストッパ35位置を変更することにより、レバー25の腕部31の可動範囲を調整・変更するとともに、これに対応させてギアの歯34の形成範囲を調整・変更することで円盤部29の回転範囲を調整・変更することができる。結果として、供給軸受け部材24に形成された穴28の可動範囲を調整・変更することができ、現像軸受け部材23と供給軸受け部材24との間の回転中心間隔Dを調整・変更することができる。
図3(d)に示されるように、レバー25の腕部31を図3(a)中矢印e方向に操作することにより、供給軸受け部材24が図3(a)中矢印g方向に回転し、供給ローラ10の回転中心がBからB'に移動し、現像ローラ7と供給ローラ10との回転中心距離DがD'に変化することになる。
前述したように、軸間調整機構22は、供給ローラ10の両端側にそれぞれ設けられている。例えば、図3(c)の図中右側の軸間調整機構22Rのレバー25を操作し供給軸受け部材24を回転駆動させた後に、図中左側の軸間調整機構22Lのレバー25を操作し供給軸受け部材24を回転駆動させることで、供給ローラ10の両端部における位置ズレをなくし、回転中心間隔Dを一定に保つことができる。
次に、カラープリンタ100の制御機構について説明する。図4は、カラープリンタ100の制御ブロック図である。カラープリンタ100は、制御部50と、帯電用電源36と、現像用電源37と、転写用電源38と、供給用電源39と、印刷制御部40と、定着用電源41と、モータ用制御部42と、駆動モータ43と、印字枚数計数部44と、報知部としてのディスプレイ部45と、トナー消費量計量部46と、食い込み変位テーブル47と、比較部48と、トナー残量センサ49とを備え、コンピュータ60に接続されている。
制御部50は、カラープリンタ100全体を統括的に制御するとともに、後述する食い込み量変位テーブルを参照することにより食い込み量Nを算出する。
帯電用電源36は制御部50の指示に基づき帯電ローラ2に所定の帯電電圧を印加する。現像用電源37は制御部50の指示に基づき現像ローラ7に所定の帯電電圧を印加する。転写用電源38は制御部50の指示に基づき転写ローラ14(転写ローラ14K、転写ローラ14Y、転写ローラ14M、転写ローラ14C)に所定の転写電圧を印加する。供給用電源39は制御部50の指示に基づき供給ローラ10に所定の供給電圧を印加する。なお、本実施形態においては、帯電ローラ2には−1050(V)、現像ローラ7には−200(V)、供給ローラ10には−300(V)が印加されている。
印刷制御部40は制御部50の指示に基づき露光装置3に画像データを出力し、露光装置3の駆動を制御する。定着用電源41は制御部50の指示に基づき定着装置17のヒートローラ17aを加熱する。モータ用制御部42は制御部50の指示に基づき駆動モータ43を制御することで、感光体ドラム1、帯電ローラ2、ドライブローラ15a及びテンションローラ15b、ヒートローラ17a及びバックアップローラ17b、現像ローラ7、供給ローラ10の回転駆動を制御する。
印字枚数計数部44は印刷枚数を計数し一時的に記憶する、RAM(Random Access Memory)等の記憶装置である。ディスプレイ部45は制御部50の指示に基づきカラープリンタ100の使用者に対するアラーム等のメッセージを表示する報知部としての表示装置である。トナー消費量計量部46は印刷対象の画像データからトナー消費量を計算し一時的に記憶する、RAM等の記憶装置である。
食い込み量変位テーブル47は印刷画像の印字率と印刷枚数とから食い込み量Nがどのように変化するかを計算する上で使用されるテーブル値を記憶する、RAM、HDD(Hard Disk drive)、ROM(Read Only Memory)等の記憶装置である。比較部48は予め設定された食い込み量の閾値と制御部により計算された食い込み量とを比較する。トナー残量センサ48は、トナーカートリッジ8内のトナー9の残量を検知するセンサであり、トナー残量センサ48によりトナー9の残量が所定の値を下回ったことが検知されると、制御部50はその旨をアラームとして表示するようディスプレイ部45に指示を与える。
なお、本実施形態に係る印字率は、印字率=[Cm(i)/(Cd*C0)]として定義する。ここで、Cm(i)は感光体ドラム1がCd回転したときに実際に印刷で用いられたドット数、すなわち、露光されたドット数であり、C0は感光体ドラム1の1回転あたりのドット数、すなわち、露光の有無に関わらず、感光体ドラム1の1回転あたりで(印刷でドットが潜在的に)可能なドットであり、仮にベタ画像(ソリッド画像)の場合に用いられるドット数であり、Cd×C0は感光体ドラム1がCd回転したときの(印刷でドットが潜在的に)可能なドット数とする。
次に、上記構成を備えたカラープリンタ100の動作について図1、図2、図3、及び図4を用いて説明する。
まず、図4に示した制御部50は上位装置であるコンピュータ60から印刷命令が入力されると、モータ用制御部42を介して駆動モータ43を駆動させる。駆動モータ43の駆動に伴い、図1に示した感光体ドラム1は図中矢印方向に一定周速度で回転を開始する。そして、制御部50は、帯電用電源36を制御して感光体ドラム1の表面に接触もしくは圧接して設けられた帯電ローラ2に所定の帯電電圧を印加させ、感光体ドラム1表面を一様均一に帯電させる。
次に、図4に示した印刷制御部40は、印刷命令に基づく画像データを露光装置3に出力するとともに、露光装置3の駆動を制御して感光体ドラム1表面上に画像データに基づく静電潜像を形成させる。
トナーカートリッジ8により現像装置4内に供給されたトナー9は、さらに、図4に示した供給用電源39により供給電圧が印加された供給ローラ10の回転によって現像ローラ7に供給される。このとき、図2に示すように、供給ローラ10との摩擦、現像ローラ7との摩擦、供給ローラ10と現像ローラ7との電位差により、トナー9は帯電する。現像ローラ7は帯電したトナー9を吸着して、これを図中矢印方向に回転搬送する。回転方向下流側に現像ローラ7に圧接して配設された層形成ブレード11は、搬送されたトナー9を均一なトナー層厚に規制する。さらに、現像ローラ7は、均一な層厚に規制されたトナー9を感光体ドラム1表面に形成された静電潜像に付着させることによりトナー像を現像する。本実施形態においては、反転現像の場合を示し、感光体ドラム1の導電性支持体と現像ローラ7との間には、図4に示した現像用電源37から所定の現像電圧が印加されている。このような構成において、現像ローラ7と感光体ドラム1との間には感光体ドラム1に形成された静電潜像に伴う電気力線が発生する。このため、現像ローラ7上の帯電したトナー9は静電気力により、感光体ドラム1表面に付着し、現像されトナー像が形成される。現像に使用されなかった現像ローラ7上のトナー9は現像ローラ7の回転に伴って現像装置4内に戻り、供給ローラ10との摩擦により掻き取られ、回収される。
上記の画像形成プロセスに併せて、図1に示すドライブローラ15a及びテンションローラ15bの回転により、転写ベルト13は図中矢印n方向に駆動し、図示せぬ給紙手段から給紙された記録用紙12は図中矢印m方向に搬送される。感光体ドラム1に対向して設けられた転写ローラ14には図4に示した転写用電源38から所定の転写電圧が印加されており、記録用紙12の搬送タイミングに合わせて感光体ドラム1表面において現像されたトナー像は順次転写される。
各画像形成部ID−K、画像形成部ID−Y、画像形成部ID−M、画像形成部ID−Cにおいて形成されたトナー像が転写された記録用紙12は定着装置17に搬送される。トナー像が転写された記録用紙12は、図示せぬ温度制御手段によって制御され、所定の表面温度に保たれたヒートローラ17aとバックアップローラ17bとにより形成される圧接部に搬送される。そして、ヒートローラ17aから付与される熱によりトナー9が溶融され、さらに圧接部で加圧されることにより、トナー像は記録用紙12上に定着する。トナー像が定着した記録用紙12は装置外部に排出される。
なお、トナー像が転写された後の感光体ドラム1表面には、若干のトナー9が残留することがある。この残留したトナー9は、図1に示したクリーニングブレード6によって除去される。クリーニングブレード6が感光体ドラム1の表面に当接した状態で、感光体ドラム1が回転軸中心に回転することにより転写されずに残留したトナー9は除去される。クリーニングされた感光体ドラム1は次の画像形成プロセスにおいて繰り返し使用される。
さて、上記画像形成プロセスが繰り返されることにより、供給ローラ10は現像ローラ7との摩擦により次第に磨耗していく。供給ローラ10の磨耗が進むと、現像ローラ7との接触部において供給ローラ10の食い込み量Nが小さくなり、接触部における押圧が低下する。その結果、トナー9を十分に摩擦帯電させることができなくなり、トナー9の供給不足によるカスレや、トナー9の帯電不足によるかぶり又は現像ローラ7表面上の現像に使用されなかったトナー9を回収する能力の低下による汚れ、といった印刷品質の低下が見られるようになる。
図5は食い込み量Nと印刷品質との関係を示したグラフである。印刷品質としての評価項目はHH(高温、高湿)環境下でのカスレ、HH環境下でのかぶり、LL(低温、低湿)環境下でのハーフトーン部汚れ、ジッタの4項目とした。カスレ、かぶり、汚れについては供給ローラ10の磨耗が原因で発生する。また、例えば、食い込み量Nを大きくした場合には、画像形成部を駆動させるためのトルクが上昇してしまい、その結果の印刷品質上の不具合としてジッタが発生する。本実施形態においては、それぞれの項目を10段階のレベルで評価し、レベル8以上を印刷品質上問題がないものと判断している。
図5の結果によると、印刷品質上問題がない印刷品質良好範囲の食い込み量Nは0.85mm以上1.15mm以下であった。したがって、本実施形態においては、食い込み量N0.85mmを印刷品質良好範囲の下限値の閾値として設定した。
図6は、印刷枚数に伴う食い込み量Nの変化を示したグラフである。食い込み量Nは供給ローラ10の磨耗に伴い減少していく。また、印刷する画像の印字率によっても磨耗量に差があることが分かる。5%印字率の印刷では、30k枚印刷で、食い込み量Nは初期設定の1.0mmから0.86mmまで変化する。また、10%印字率の印刷では、20k枚の印刷で、食い込み量Nは0.86mm、15%印字率の印刷では、17.5k枚印刷で、食い込み量Nは0.85mmまで変化する。これらの値は、供給ローラ10の材料、使用するトナー9の材料や外添剤量、現像ローラ7の硬度や表面硬さ、供給ローラ10と現像ローラとの周速差によっても左右される。
したがって、現像装置4を設計する段階で、印字率毎の磨耗特性を実験的に採取することで食い込み量変位テーブルを作成する必要がある。本実施形態におけるカラープリンタ100に適用する食い込み量変位テーブルのテーブル値の一例を表1に示す。ここで、食い込み量の変位率たる変化係数とは、それぞれの印字率で1k枚印刷した場合の磨耗量を意味している。
本実施形態において、トナー9は5%印字率で60k枚印刷可能な量がトナーカートリッジ8に充填されており、印刷可能枚数として60k枚を設定している。図5の結果と図6の結果とを合わせて考えると、従来の画像形成装置では、トナーを使い切る前に印刷品質の低下が始まってしまうことが分かる。
本実施形態に係るカラープリンタ100では、図4で示した制御部50は、印刷枚数計数部44に記憶されている印刷枚数の情報とトナー消費量計量部46に記憶されているトナー消費量の情報を取得するとともに、表1に示した食い込み量変位テーブルを参照することで食い込み量Nの変化量を計算する。そして、比較部48は、制御部50が計算した食い込み量Nの値と閾値として設定した印刷品質良好範囲の下限値とを比較する。そして、制御部50は、食い込み量Nが印刷品質良好範囲の下限値である0.85mmを下回らないように、制御部50はディスプレイ部45に対して、使用者に軸間調整機構22のレバー25を操作することを促す旨のメッセージを表示するよう指示を与える。
例えば、本実施形態においては、0%印字率で1k枚、5%印字率で1k枚、10%印字率で6k枚、15%印字率で7k枚、20%印字率で4k枚印刷した場合、制御部50は食い込み量Nの変化量として、
0.00412*1+0.00476*1+0.00722*6+0.00860*7+0.0094*4=0.15mm
と計算し、食い込み量Nは初期設定から0.15mmを減じた0.85mmと計算する。
そして、比較部48は、制御部50が計算した食い込み量Nの値と閾値として設定した印刷品質良好範囲の下限値とを比較する。この場合、制御部50により計算された食い込み量Nの値は、0.85mmであり、閾値として設定した印刷品質良好範囲の下限値は0.85mmである。したがって、制御部50は、ディスプレイ部45に対して、使用者に軸間調整機構22のレバー25を操作することを促す旨のメッセージを表示するよう指示を与える。指示を受けたディスプレイ部45は、使用者に対して軸間調整機構22のレバー25を操作することを促す旨のメッセージを表示する。
ディスプレイ部45における表示を受け、使用者がレバー25の腕部31を図3(a)中矢印e方向に操作することにより、供給軸受け部材24が図3(a)中矢印g方向に回転し、供給ローラ10の回転中心Bから図3(d)に示す回転中心B'に移動する。現像ローラ7と供給ローラ10との回転中心距離DがD'に変化すると、供給ローラ10の回転中心の位置が現像ローラ7の回転中心の位置に近づく。本実施形態においては、レバー25の操作により、初期設定での回転中心距離Dと操作後の回転中心距離D'との差が0.15mmとなるように設定されている。すなわち、この操作により、現像ローラ7に対する供給ローラ10の食い込み量Nは初期設定と同等の1.0mmに回復することとなり、良好な印刷品質を維持することができる。
なお、図6に示すように、5%印字率で印刷を続けた場合は、31.5k枚を過ぎたところで食い込み量Nは0.85mmとなる。そこで、使用者はレバー25を操作することで食い込み量Nを1.0mmに戻すことができる。その後、さらに5%印字率で印刷を続けると60k枚の時点でトナー9の残量が無くなり、トナー残量センサ49からの信号を受けて、制御部50は、ディスプレイ部45に対して、画像形成部ID(画像形成部ID−K、画像形成部ID−Y、画像形成部ID−M、画像形成部ID−C)又は現像装置4の交換が必要である旨を表示するよう指示を与える。指示を受けたディスプレイ部45は、使用者に対して画像形成部ID又は現像装置4の交換が必要である旨を表示する。なお、この時点では、食い込み量Nは0.86mm以上であり、印刷品質良好範囲は維持されている。
また、10%印字率で印刷を続けた場合は、20.8k枚を過ぎたところで食い込み量Nは0.85mmとなる。そこで、使用者はレバー25を操作することで食い込み量Nを1.0mmに戻すことができる。その後、さらに10%印字率で印刷を続けると30k枚の時点でトナー9の残量が無くなる。なお、この時点では、食い込み量Nは0.93mm以上であり、印刷品質良好範囲は維持されている。
同様に、15%印字率、20%印字率で連続印刷を続けた場合においても、食い込み量Nは印刷良好範囲内に維持されていることが確認できる。さらに、0%印字率で50k枚、15%印字率で10k枚印刷を行った場合等は、トナー9はまだ残っているが、制御部50が印刷枚数計数部44の情報を基に印刷可能枚数として予め設定されている60k枚を超えたと判断し、ディスプレイ部45に対して、画像形成部ID又は現像装置4が寿命である旨を表示するよう指示を与える。指示を受けたディスプレイ部45は、使用者に対して画像形成部ID又は現像装置4が寿命である旨を表示する。なお、この時点では、食い込み量Nは0.86mm程度であり、印刷品質良好範囲は維持されている。このように、殆どの印刷状況下において、食い込み量Nは印刷良好範囲に維持されていることを確認することができ、長期間にわたって印刷品質を維持することができる。
以上のように、第1の実施形態によれば、印字率、印刷枚数、及び画像形成装置が保持している食い込み量変位テーブルから計算した現像ローラに対する供給ローラの食い込み量Nの値が、予め設定された印刷良好範囲の下限値を閾値とした値を下回らず、印刷良好範囲内となるように、現像ローラと供給ローラとの回転中心間距離を小さくすることにより、供給ローラと現像ローラとの摩擦帯電能及びトナー回収能力を回復させ、印刷品質の劣化を抑制することが可能となり、長期間にわたり良好な画像を得ることができる。
[第2の実施形態]
図7は、第2の実施形態に係るカラープリンタ200の要部構成を説明する概略図である。本実施形態に係るカラープリンタ200の基本的な構成は第1の実施形態に係るカラープリンタ100と略同じであるため、同じ箇所については同じ符号を付してその説明は省略する。第1の実施形態との相違点は、本実施形態に係る現像装置104はトナーカートリッジ108と分離可能であり、トナーカートリッジ108内のトナー9がなくなった場合には、交換可能な点が相違点である。
図8及び図9を用いて、本実施形態に係るトナーカートリッジ108及び軸間調整機構122の構成について説明する。
図8(a)及び図8(b)は、トナーカートリッジ108の構成を説明する分解斜視図である。図8(a)に示すように、トナーカートリッジ108は、トナー9を収容する本体筐体部149aと、側面部149bとを有するアウター149と、現像装置104にトナー9を補給するための補給口181の開閉を制御するレバー150を有するカートリッジシャッタ180とを備える。また、図8(b)に示すように、カートリッジシャッタ180には、後述するアイドルギアを一方向にのみ駆動させるための駆動伝達部としての駆動機構155R及び駆動機構155Lが両端部に配置されている。なお、駆動機構155Rと駆動機構155Lとの構成は、レバー150に接続されているか否かが違うのみであり(駆動機構155Lにおける、駆動機構155Rのレバー150の接続箇所に対応する受け部材を受け部150'と称する)、その他の構成は全て同一である。以下の説明では、レバー150が接続された駆動機構155Rの構成について扱うものとし、駆動機構155Rを含めたレバー150の構成については、後述する軸間調整機構の122と併せて説明する。なお、以下の説明では、左右の駆動機構155を識別するためのRの符号を除して説明する。
次に、現像ローラ7と供給ローラ10との回転中心間隔Lを変更し、結果として現像ローラ7と供給ローラ10との接触部での食い込み量Nを調整する軸間調整機構について説明する。本実施形態は後述するように、サイドプレート内(軸間調整機構内)に供給軸受け部材と回転駆動体としてのアイドルギアとを備え、当該アイドルギアの回転に伴って供給軸受け部材が回転するようにギア接続されている。トナーカートリッジを現像装置に接続するときにトナーカートリッジの駆動機構が回転し、それに伴いアイドルギア、供給軸受け部材が回転し、供給ローラの回転中心軸を受ける穴が移動することにより、回転中心間隔Lを調整することができる。
図9は、本実施形態に係る軸間調整機構122Rを説明する説明図である。図9(a)は軸間調整機構122Rの構成を説明するための概略断面図であり、図9(b)は図9(a)の−Y軸方向からみた、供給ローラ10を介して設けられた、もう片方の軸間調整機構122Lの概略断面図であり、図9(c)は図9(a)のu−u線で切断した断面を図9(a)のX軸方向からみた概略断面図であり、図9(d)、図9(e)、図9(f)はレバー150を操作した後の状態を説明する概略断面図である。
図9(b)及び図9(c)に示すように、本実施形態に係る軸間調整機構122は、供給ローラ10の両端側にそれぞれ設けられているが(軸間調整機構122R及び軸間調整機構122L)、その構成は同一である。よって、以下の説明では、供給ローラ10を介した左右の軸間調整機構122を識別するためのR、Lの符号を除して説明する。
図9(a)、図9(b)、及び図9(c)に示すように、軸間調整機構122は、現像ローラ7の金属シャフト18の両端部方向に延在して形成され、当該金属シャフト18の半径長さよりも短い半径長さを有する回転中心軸18'を受ける円盤状の現像軸受け部材23と、供給ローラ10の金属シャフト20の両端部方向に延在して形成され、当該金属シャフト20の半径長さよりも短い半径長さを有する回転中心軸20'を受ける円盤状の円盤部129のを有する供給軸受け部材124と、供給軸受け部材124に対して回転させる駆動力を伝達する回転駆動体としてのアイドルギア158と、現像軸受け部材23、供給軸受け部材124、及びアイドルギア158を回転可能に保持するサイドフレーム126とを備える。
現像軸受け部材23には、現像ローラ7の回転中心軸18'を受ける穴27が形成されている。同様に供給軸受け部材124には、供給ローラ10の回転中心軸20'を受ける穴128が形成されている。供給軸受け部材124に形成される穴128は、円盤部129の中心から半径方向側に所定距離ずらされて形成されている。また、供給軸受け部材124の円盤部129周外周部分には当該円盤部129に回転駆動力を伝達するためのギアの歯130が設けられている。ギアの歯130は、円盤部129の外周部分の一部分のみに形成されており、供給軸受け部材124はある一定角度以上は回転しない構造となっている。
アイドルギア158は、回転中心軸159を回転中心とし図中矢印j方向に回転可能なように支持されている。アイドルギア158の円盤部160にはその外周部分全体にわたって供給軸受け部材124のギアの歯130及び駆動機構155が備える突起157と噛合うギアの歯161が形成されている。
レバー150は、腕部151と、回転中心軸152と、回転部153と、回転部153上に形成され、腕部151の図中矢印i方向への操作に伴い駆動機構155の被係合部156と係合することで駆動機構155を駆動させる係合部154とを備える。駆動機構155は、レバー150の回転中心軸152を回転中心として支持されており、レバー150の係合部154と係合可能な被係合部156と、アイドルギア158のギアの歯161と噛合い、当該アイドルギア158を図中矢印j方向に駆動させる突起157とを備える。レバー150の腕部151を、図9(a)中矢印i方向に操作することで、レバー150の回転部153は回転中心軸152を回転中心とし回転する。そして、係合部154が駆動機構155の被係合部156と係合することにより、駆動機構155もレバー150と同方向に駆動する。駆動機構155の駆動に伴い、突起157がアイドルギア158のギアの歯161と噛合うことで当該アイドルギア158は図中矢印j方向に回転する。アイドルギア158の外周部分に形成されたギアの歯161は供給軸受け部材124の円盤部129の外周部分に形成されたギアの歯130とも噛合っており、アイドルギア158の回転に伴い供給軸受け部材124の円盤部129を図中矢印k方向に回転させる。
図9(d)に示されるように、レバー150の腕部151を図9(a)中矢印i方向に操作することにより、供給軸受け部材124が図9(a)中矢印k方向に回転し、供給ローラ10の回転中心がHからH'に移動し、現像ローラ7と供給ローラ10との回転中心距離LがL'に変化することになる。また、この動作により、トナーカートリッジ108のカートリッジシャッタ180の補給口181が開き、トナー9を現像装置104内に補給することができる。
次に、トナーカートリッジ108を取り外す際には、図9(d)に示す状態から、図中矢印o方向にレバー150の腕部151を操作する。すると、図9(e)に示すように、レバー150の係合部154と駆動機構155の被係合部156との係合が解除され、レバー150のみが駆動することになる。この場合、駆動機構155は駆動しないため、軸間調整機構122の状態は変化しない。そして、この動作により、トナーカートリッジ108のカートリッジシャッタ180の補給口181が閉じ、トナーカートリッジ108は図9(f)に示すような現像装置104から取り外し可能な状態となる。
図10は、カラープリンタ200の制御ブロック図である。カラープリンタ200は、第1の実施形態に係るカラープリンタ100の機能に加え、カートリッジ交換回数計数部170を備える。カートリッジ交換回数計数部170は、トナーカートリッジ108の交換回数を計数し一時的に記憶する、RAM等の記憶装置である。
次に、上記構成を備えたカラープリンタ200の動作について図9及び図10を用いて説明する。なお、画像形成プロセスについては第1の実施形態において説明した動作と同様であるためここでの説明は省略する。なお、本実施形態においては、トナーカートリッジ108には、5%印字率で20k枚印刷可能な量が充填されているものとして説明する。
本実施形態に係るカラープリンタ200では、現像装置104のトナー9の残量がなくなると、図10に示したトナー残量センサ49からの信号を受けて、制御部50がディスプレイ部45に対してトナーカートリッジ108の交換が必要である旨のメッセージを表示するよう指示を与える。
ディスプレイ部45における表示を受け、使用者がトナー9が充填された新しいトナーカートリッジ108を現像装置104に装着する際には、図9(a)に示すように、トナーカートリッジ108を現像装置104に取り付けて、レバー150の腕部151を、図中矢印(i)方向に操作する。この動作により、トナーカートリッジ108のカートリッジシャッタ180の補給口181が開き、トナー9が現像装置104内に補給される。
そして、レバー150の係合部154が駆動機構155の被係合部156と係合することにより、駆動機構155もレバー150と同方向に駆動する。駆動機構155の駆動に伴い、突起157がアイドルギア158のギアの歯161と噛合うことで当該アイドルギア158は図中矢印j方向に回転する。アイドルギア158の外周部分に形成されたギアの歯161は供給軸受け部材124の円盤部129の外周部分に形成されたギアの歯130とも噛合っており、アイドルギア158の回転に伴い供給軸受け部材124の円盤部129を図中矢印k方向に回転させる。供給軸受け部材124が図9(a)中矢印k方向に回転することで、供給ローラ10の回転中心がHからH'に移動し、現像ローラ7と供給ローラ10との回転中心距離LがL'に変化することになる。
なお、本実施形態においては、一回の動作によっての回転中心距離Lから回転中心距離L'までの移動量は、0.075mmに設定している。前述したように、軸間調整機構122の供給軸受け部材124に回転駆動力を伝達するギアの歯130は円盤部129の外周部分の一部分のみに形成されており、供給軸受け部材124は一定角度以上は回転しない構造となっている。本実施形態において、軸間調整が行われるのは2回まで可能として設定しおり、3回目以降はアイドルギア158のギアの歯161と供給軸受け部材124のギアの歯130とが噛合わなくなるため、軸間調整は行われなくなる。
トナーカートリッジ108を取り外す際には、図9(d)に示す状態から、図中矢印o方向にレバー150の腕部151を操作する。すると、図9(e)に示すように、レバー150の係合部154と駆動機構155の被係合部156との係合が解除され、レバー150のみが駆動することになる。この場合、駆動機構155は駆動しないため、軸間調整機構122の状態は変化しない。そして、この動作により、トナーカートリッジ108のカートリッジシャッタ180の補給口181が閉じ、トナーカートリッジ108は図9(f)に示すような現像装置104から取り外し可能な状態となる。
そして、図10に示した制御部50は、印刷枚数計数部44に記憶されている印刷枚数の情報とトナー消費量計量部46に記憶されているトナー消費量の情報を取得するとともに、表1に示した食い込み量変位テーブルを参照することで食い込み量Nの変化量を計算する。さらに、制御部50は、トナーカートリッジ交換回数計数部170に記憶されている情報を取得し、トナーカートリッジ108交換によって回復された食い込み量の値を加味して食い込み量Nの値を算出する。その結果、第1の実施形態において説明したように、食い込み量Nが0.85mmとなった時点で、制御部50は、ディスプレイ部45に対して、現像装置104が寿命である旨を表示するよう指示を与える。指示を受けたディスプレイ部45は、使用者に対して現像装置104が寿命である旨を表示する。
図11は、印字率が5%の場合、印字率が10%の場合、印字率が30%の場合と使用条件が異なる場合について、経時での食い込み量Nの変化を示したグラフである。本実施形態に係るカラープリンタ200は、5%印字率の場合、印刷枚数60k枚まで画像品質良好範囲である0.85mm以上を維持する。10%印字率の場合、印刷枚数40k枚まで、30%印字率の場合、印刷枚数30k枚まで画像品質良好範囲の下限値である0.85mmを維持し、また、トナー交換のタイミングも上限値である1.15mmを超えることはない。
図12は、第1の実施形態に係る現像装置4と第2の実施形態に係る現像装置104とにおける使用可能枚数を表したグラフである。これによると、5%以上の印字率において、第1の実施形態と比べて第2の実施形態は印刷可能枚数が増加していることが分かる。
このように、第2の実施形態によれば、トナーカートリッジの交換作業に連動して現像ローラと供給ローラとの間の軸間調整を行っても、現像ローラに対する供給ローラの食い込み量Nを画像品質良好範囲内に維持することができ、良好な印字を保つことができる。また、第1の実施形態に比べ、トナーカートリッジの交換が可能であることから、印字率が高くなったとしても現像装置を長期間にわたって使用することができる。
本発明の説明においては、現像装置を複数有するカラープリンタの形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、現像装置が1台のモノクロプリンタ、MFP、ファックス又は複写機等にも適用可能である。
1 感光体ドラム
2 帯電ローラ
3 露光装置
4 現像装置
5 転写装置
6 クリーニングブレード
7 現像ローラ
8 トナーカートリッジ
9 トナー
10 供給ローラ
11 層形成ブレード
12 記録用紙
13 転写ベルト
14K,14Y,14M,14C 転写ローラ
15a ドライブローラ
15b テンションローラ
16 クリーニングブレード
17 定着装置
17a ヒートローラ
17b バックアップローラ
18 金属シャフト
18' 回転中心軸
19 弾性体
20 金属シャフト
20' 回転中心軸
21 発泡体
22,22R,22L 軸間調整機構
23 現像軸受け部材
24 供給軸受け部材
25 レバー
26 サイドフレーム
27 穴
28 穴
29 円盤部
30 ギアの歯
31 腕部
32 回転中心軸
33 回転部
34 ギアの歯
35 ストッパ
36 帯電用電源
37 現像用電源
38 転写用電源
39 供給用電源
40 印刷制御部
41 定着用電源
42 モータ用制御部
43 駆動モータ
44 印字枚数計数部
45 ディスプレイ部
46 トナー消費量計量部
47 食い込み量変位テーブル
48 比較部
49 トナー残量センサ
50 制御部
60 コンピュータ
100 カラープリンタ
104 現像装置
108 トナーカートリッジ
122,122R,122L 軸間調整機構
124 供給軸受け部材
126 サイドフレーム
128 穴
129 円盤部
130 ギアの歯
149 アウター
149a 本体筐体部
149b 側面部
150 レバー
151 腕部
152 回転中心軸
153 回転部
154 係合部
155,155R,155L 駆動機構
156 被係合部
157 突起
158 アイドルギア
159 回転中心軸
160 円盤部
161 ギアの歯
170 カートリッジ交換回数計数部
180 カートリッジシャッタ
181 補給口
200 カラープリンタ

Claims (9)

  1. 現像剤担持体の回転中心軸と現像剤供給部材の回転中心軸との軸間を調整する軸間調整機構と、
    所定の印字枚数と印字率とに関連付けて設定され、前記現像剤担持体に対する前記現像剤供給部材の食い込み量の変位率を記憶する食い込み量変位テーブルと、
    前記食い込み量変位テーブルを参照することにより前記食い込み量を計算する制御部と、
    予め設定された食い込み量の閾値と前記制御部により計算された前記食い込み量とを比較する比較部と、
    前記比較部による比較結果に基づき、前記軸間調整機構を作動させるよう報知する報知部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記食い込み量の変位率は、所定の印刷枚数と印字率とに関連付けて設定された前記現像剤供給部材の磨耗量であることを特徴とする請求項1項記載の画像形成装置。
  3. 前記制御部は、所定の印字率において所定の印刷枚数に前記食い込み量の変位率を乗じることにより前記食い込み量の変化量を算出することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像形成装置。
  4. 現像剤担持体の回転中心軸と現像剤供給部材の回転中心軸との軸間を調整する軸間調整機構と、
    着脱可能に設けられ、前記現像剤供給部材に現像剤を供給する現像剤収容体とを有し、
    前記現像剤収容体は、前記現像剤の供給を制御するシャッタ部材と、
    前記シャッタ部材の開閉を制御するシャッタレバーと、
    前記シャッタレバーの開方向への移動に伴い、前記軸間距離調整手段に駆動力を伝達する駆動伝達部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記シャッタレバーは、前記駆動伝達部と係合可能な係合部を有し、自身の駆動方向と同方向に前記駆動伝達部材を駆動させることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 所定の印刷枚数と印字率とに関連付けて設定された前記食い込み量の変位率を記憶する食い込み量変位テーブルと、
    前記現像剤収容体の交換回数を計算し記憶する現像剤収容体交換回数計数部と、
    前記現像剤収容体の交換回数に基づき、前記食い込み量変位テーブルを参照することで前記食い込み量を計算する制御部と、
    予め設定された食い込み量の閾値と前記制御部により計算された前記食い込み量とを比較する比較部と、
    前記比較部による比較結果に基づき、前記軸間調整機構を作動させるよう報知する報知部とを備えることを特徴とする請求項4又は請求項5記載の画像形成装置。
  7. 前記軸間調整機構は、
    前記現像剤担持体の回転中心軸を支持する現像軸受け部材と、
    前記現像剤供給部材の回転中心軸を支持する供給軸受け部材と、
    前記現像剤供給部材をギアにより回転させる回転駆動体とを備え、
    前記回転駆動体の駆動を制御し、前記現像剤担持体の回転中心軸と前記現像剤供給部材の回転中心軸との軸間距離を変化させることで前記現像剤担持体に対する前記現像剤供給部材の食い込み量を調整することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項記載の画像形成装置。
  8. 前記回転駆動体はレバー形状であって、
    前記ギアは前記供給軸受け部材に面する側の外周部分の一部分に形成されることを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  9. 前記供給軸受け部材は円盤状の円盤部を有し、
    前記供給ローラの回転中心軸は、前記円盤部の中心から所定距離ずらされて形成されていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016177156A (ja) * 2015-03-20 2016-10-06 株式会社沖データ 画像形成ユニットおよび画像形成装置

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