以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明の現像装置を備える画像形成装置は、像担持体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて選択したその他の手段、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。以下に、具体的に説明する。
図1は、本発明の現像装置20を備える画像形成装置の構成を示す図である。
図1に示すように、画像形成装置1の中央に、プロセスユニット2が配置され、このプロセスユニット2の下方に、給紙カセット11を有する給紙ユニット10が配置されている。プロセスユニット2の上方には、ドラム状の像担持体としての感光体3にレーザ光を照射して潜像を形成する露光装置60を配置される。プロセスユニット2には、感光体3が設けられ、その周囲には、感光体3の表面に帯電処理を行なう帯電装置40、表面に露光されて形成された静電潜像をトナーで可視化する現像装置20、感光体3に残留するトナーを除去回収するクリーニング装置50が設けられている。
また、画像形成装置1には、感光体3上のトナー像を記録紙に転写する転写装置70、トナー像を転写された記録紙を、一対のローラ間を通過させ熱と圧力を加えることによって記録紙上のトナー像を定着処理する定着装置80がそれぞれ配置されている。
本実施形態の画像形成装置1は、上記したようにデジタル化された画像情報にもとづき画像を記録紙に記録するプリンターとしての機能の画像形成装置であるが、その他に、制御部を設けることにより画像情報を遠隔地と送受信するファクシミリ装置の機能や、原稿を読取る読取装置、原稿搬送装置を設けることにより複写機の機能を有するようにして多機能の画像形成装置とすることもできる。
以下に、画像形成装置の各プロセス工程に関して詳述する。
感光体3としては、その材質、形状、構造、大きさ等については、目的に応じて選択することができる。形状としては、ドラム状、シート状、エンドレスベルト状などが挙げられる。大きさは、画像形成装置1の大きさや仕様に応じて選択することができる。材質としては、アモルファスシリコン、セレン、CdS、ZnO等の無機感光体、または、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。このような有機感光体の層構成としては、単層構造と、積層構造とに大別される。単層構造の感光体は、支持体と、支持体上に単層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。積層構造の感光体は、支持体と、該支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
帯電工程は、感光体3表面を帯電させる工程であり、帯電装置40により行われ、感光体3の表面に電圧を印加して一様に帯電させる。帯電装置40としては、感光体3と接触して帯電させる接触方式と、感光体3と非接触で帯電させる非接触方式とがある。
接触方式の帯電装置40としては、導電性又は半導電性の帯電ローラ、磁気ブラシ、ファーブラシ、フィルム、ゴムブレードなどが挙げられる。これらの中でも、帯電ローラは、コロナ放電に比べてオゾンの発生量を大幅に低減することが可能であり、感光体3の繰り返し使用時における安定性に優れ、画質劣化防止に有効である。本実施形態の帯電ローラ41は、一実施形態としては、図示しないが、円柱状を呈する導電性支持体としての芯金と、芯金の外周面上に形成された抵抗調整層と、抵抗調整層の表面を被覆してリークを防止する保護層とを有する。帯電ローラ41は、電源に接続されており、所定の電圧が印加される。電圧は、直流(DC)電圧のみでもよいが、DC電圧に交流(AC)電圧を重畳させた電圧であることが好ましい。このようにAC電圧を印加することにより、感光体3の表面をより均一に帯電することができる。
非接触の帯電装置40としては、コロナ放電を利用した非接触帯電ワイヤ、針電極デバイス、感光体3に対して微小な間隙をもって配設された導電性又は半導電性の帯電ローラなどが挙げられる。コロナ放電は、空気中のコロナ放電によって発生した正又は負のイオンを感光体3の表面に与える非接触な帯電方法であり、感光体3に一定の電荷量を与える特性を持つコロトン帯電器と、一定の電位を与える特性を持つスコロトロン帯電器とがある。コロトン帯電器は、放電ワイヤの周囲に半空間を占めるケーシング電極とそのほぼ中心に置かれた放電ワイヤとから構成される。スコロトロン帯電器は、コロトロン帯電器にグリッド電極を追加したものであり、グリッド電極は感光体3表面から1.0〜2.0mm離れた位置に設けられている。感光体3に対して微小な間隙をもって配設された帯電ローラは、感光体3に対して微小なギャップを持つように帯電ローラを改良したものである。微小なギャップとしては10〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
露光工程は、帯電された感光体3表面を露光する工程であり、露光装置60により行われる。露光は、感光体3の表面を像様に露光することにより行うことができる。露光における光学系は、アナログ光学系とディジタル光学系とに大別される。アナログ光学系は、原稿を光学系により直接感光体3上に投影する光学系であり、ディジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して感光体3を露光し作像する光学系である。露光手段としては、帯電された感光体3の表面に、形成すべき画像を情報に基づいて露光を行うことができる限り、目的に応じて選択することができる。ロッドレンズ
アレイ系、液晶シャッタ光学系、LED光学系などの各種露光器が挙げられるが、特に、レーザ(LD)光学系が好ましい。
現像工程は、静電潜像を、トナーを有する現像装置20を用いて現像して可視像を形成する工程である。現像装置20は、一成分現像剤を用いて現像する。一成分現像剤としては、磁性トナー、非磁性トナーのいずれであっても良い。この現像装置20に関しては、後述する。
転写工程は、可視像を記録媒体に転写する工程であり、転写装置70を用いて行われる。転写装置70としては、感光体3上の可視像を記録媒体に直接転写する転写手段と、又は中間転写体を用い、中間転写体上に可視像を一次転写した後、可視像を記録媒体上に二次転写する二次転写手段とに大別されるが、ここでは、画像形成装置1の小型化のために直接転写する転写装置70が好ましい。転写装置70としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器などが挙げられる。ここでは、ローラ方式の転写装置70を用いている。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置80を用いて定着させる。
定着装置80としては、選択することができるが、定着部材と定着部材を加熱する熱源とを有する定着装置80が好適に用いられる。
定着部材としては、互いに当接してニップ部を形成可能であれば、選択することができ、無端状ベルトとローラとの組合せ、ローラとローラとの組合せなどが挙げられる。
定着部材がローラである場合、ローラの芯金は、高い圧力による変形を防止するため非弾性部材で形成されるのが好ましい。非弾性部材としては、特に制限はなく、目的に応じて選択することができるが、アルミニウム、鉄、ステンレス、真鍮等の高熱伝導率体が好適に挙げられる。また、ローラは、その表面がオフセット防止層で被覆されていることが好ましい。オフセット防止層を形成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて選択することができるが、例えば、RTVシリコーンゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが挙げられる。
定着工程においては、トナーによる画像を記録媒体に転写し、画像が転写された記録媒体を、ニップ部に通過させることにより、画像を記録媒体に定着させてもよいし、ニップ部にて画像の記録媒体への転写及び定着を同時に行ってもよい。
クリーニング工程は、感光体3上に残留するトナーを除去するもので、クリーニング装置50により行う。
また、現像装置20が、感光体3表面に当接される現像ローラ21で、感光体3に形成された静電潜像を現像すると共に感光体3上の残留トナーを回収することによって、個別にクリーニング装置50を設けることなくクリーニングを行うことができる。
クリーニング装置50としては、感光体3上に残留するトナーを除去することができればよく、選択することができる。磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、クリーニングブレード、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
これらの中でも、トナー除去能力が高く、小型で安価であるクリーニングブレード51が特に好ましい。クリーニングブレードに用いられるゴムブレードの材質としては、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、等が挙げられ、これらの中でも、ウレタンゴムが特に好ましい。
次に、本実施形態の画像形成装置1に応じた画像形成動作の流れについて説明する。
図1に示したように、感光体3は、回転駆動されながら、その表面が帯電ローラ41を用いる帯電装置40によって一様帯電せしめられた後、露光装置60から発せられるレーザ光の走査を受けて静電潜像が、感光体3の表面上に形成される。この露光走査は、外部からの画像情報に基づいてなされる。感光体3は、その他に、帯電装置40、現像装置20、クリーニング装置50が一体に支持されたプロセスユニット2内に配設されている。このロセスユニット2内の現像装置20によって、感光体3上の静電潜像は現像され可視像が形成される。現像位置20よりも感光体3の回転下流側には、転写装置70が配設されている。
一方、給紙カセットから送られてきた記録紙は、2つのローラ間に挟み込んでいるレジストローラ14から、感光体3上の可視像に重ね合わせ得るタイミングで、転写領域に向けて送り込まれる。転写領域において、転写装置70によって、感光体3から記録紙に可視像が転写される。転写領域を通過した感光体3表面は、ドラムクリーニング装置50によって転写残トナーがクリーニングされる。このドラムクリーニング装置50は、クリーニングバイアスが印加されるクリーニングローラによって転写残トナーをクリーニングするものである。
可視像が形成された記録紙は、定着装置80に送り込まれる。送り込まれた記録紙は、定着ローラと加圧ローラとの当接によって形成された定着領域に挟み込まれながら搬送される。記録紙上の可視像は、定着ローラからの加熱や、定着領域内での加圧力の影響を受けて記録紙上に定着せしめられる。その後、定着装置80から排紙ローラ14を通過して画像形成装置1の排紙トレイ16に送り込まれる。
次に、プロセスユニットに関して詳述する。
図2は、プロセスユニット2の構成を示す図である。
プロセスユニットは、感光体と、少なくとも1つのプロセス手段を備えたものであって、本実施形態のプロセスユニット2では、プロセス手段として、図2に示したように、感光体3を帯電させる帯電ローラ41を有する帯電装置40と、感光体3に形成された潜像を現像する現像装置20と、感光体3の表面に残留するトナーをクリーニングするためのクリーニングブレード51を有するクリーニング装置50とが一体に構成されている。
このプロセスユニット2は、画像形成装置1に着脱可能になっていて、図1に示すように、画像形成装置1の側面から、画像形成装置1に設けられたレール等の案内手段に沿って装着される。これにより、感光体3やその他プロセス部材の交換を短時間に、容易に行なうことができるようになるので、メンテナンスに要する時間が短縮でき、コストダウンにつながる。また、プロセスの各装置と感光体3が一体となっているので、相対的な位置の精度向上などの利点もある。
図3は、本発明の一実施形態である現像装置の構成を示す図である。
本実施形態の現像装置20は、一成分現像剤を収納している収納室34と、感光体3上の潜像を現像する一成分現像剤を担持して搬送する現像剤担持体としての現像ローラ21と現像ローラ21に一成分現像剤を供給する供給部材としての供給ローラ22とを有する現像室35と備えており、収納室34と現像室35の間には仕切部36が形成されている。仕切部36は、山のような形状のものであり、これにより現像装置20を収納室34と現像室35の2つの部屋を分けている。
現像装置20は、現像ローラ21上にトナー層を形成し、現像ローラ21上のトナー層を感光体3と接触させるように搬送することにより、感光体3上の静電潜像を現像する接触一成分現像を行うものである。
収納室34には攪拌・搬送部材24が備えられており、現像装置20内のトナーは、撹拌・搬送部材24の回転により攪拌され、仕切部36を越えて機械的に現像室35に搬送され、供給部材としての供給ロ−ラ22に供給される。この供給ローラ22は発泡ポリウレタン等で形成され、可撓性を有し、50〜500μmの径のセルでトナーを保持し易い構造となっている。また、供給ローラ22のJIS−A硬度は10〜30゜と比較的低く、現像ローラ21とも均一に当接させることができる。
供給ローラ22は現像ローラ21と同方向、即ち両ローラの接触する領域では、互いに表面が逆方向に移動するように回転駆動されている。また、両ローラの線速比(供給ローラ/現像ローラ)は0.5〜1.5が好ましい。また、供給ローラ22を、現像ローラ21と逆方向、即ち両ローラの対向部で互いに表面が同方向に移動するように回転させてもよい。なお、本実施形態では、供給ローラ22は現像ローラ21と同方向の回転で、その線速比は0.9に設定した。供給ローラ22の現像ローラ21に対する喰い込み量は0.5〜1.5mmに設定している。本実施形態ではユニット有効幅が240mm(A4サイズ縦)の場合、必要なトルクは14.7〜24.5N・cmである。
現像ローラ21は、導電性基体上にゴム材料からなる表層を有してなり、直径が10〜30mmであり、表面を適宜荒らして表面粗さRzを1〜4μmとしたものである。この表面粗さRzの値はトナーの平均粒径に対して13〜80%が好ましい。これにより現像ローラ21表面に埋没することなくトナーが搬送される。特に、現像ローラ21の表面粗さRzは、著しく低帯電のトナーを保持しないように、トナーの平均粒径の20〜30%の範囲が好ましい。ゴム材料としては、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、NBRゴム、ヒドリンゴム、EPDMゴムなどが挙げられる。また、現像ローラ21の表面に、特に経時品質を安定化させるためにコート層を被覆することが好ましい。コート層の材料としては、シリコーン系材料、テフロン(登録商標)系材料などが挙げられる。シリコーン系材料はトナー帯電性に優れ、テフロン(登録商標)系材料は離型性に優れている。なお、導電性を得るために、カーボンブラック等の導電性材料を含有させることもできる。コ−ト層の厚みは5〜50μmが好ましい。この範囲を外れると、割れ易い等の不具合が発生しやすくなることがある。
供給ローラ22上、又は内部に存在する、所定極性(本実施形態の場合は、負極性)のトナーは、回転により接触点で互いに反対方向に回転する現像ローラ21と挟まれることにより、摩擦帯電効果で負の帯電電荷を得て静電気力により、また、現像ローラ21の表面粗さによる搬送効果により現像ローラ21上に保持される。しかし、この時の現像ローラ21上のトナー層は均一ではなくかなり過剰に付着している(1〜3mg/cm2)。
そこで、トナー層厚を規制する規制部材23を、当接させることにより、現像ローラ21上に均一な層厚を有するトナー薄層を形成している。規制部材23は、先端が現像ローラ21の回転方向に対して下流側を向き、規制部材23の中央部が当接する、いわゆる腹当て当接であるが、逆方向でも設定可能であるし、エッジ当接を実現することも可能である。
規制部材23の材料としては、SUS304等の金属が好ましく、厚みは0.1〜0.15mmである。金属以外にも厚み1〜2mmのポリウレタンゴム等のゴム材料やシリコーン樹脂等の比較的硬度の高い樹脂材料が使用可能である。なお、金属以外でもカ−ボンンブラック等を混ぜ込むことにより低抵抗化できるので、バイアス電源を接続して現像ローラ21との間に電界を形成することも可能である。
現像装置20には、図3に示すように、攪拌・搬送部材24、検知部材27および同期部材26が設けられている。
攪拌・搬送部材24は、収納室34に設けられており、回動することにより収納室34内の一成分現像剤のトナーを攪拌して帯電させ、さらに、現像室35へトナーを搬送する機能を有している。
検知部材27は、トナー残量を検知するもので、現像室35に設けられており、現像室35内のトナーの量に対応して回動する位置が変化する。
同期部材27は、攪拌・搬送部材24と検知部材27との回転のタイミングを取るためおよび検知部材27へ駆動力を伝達するためのもので、仕切部36の近傍に設けられている。
次に攪拌・搬送部材24、検知部材27および同期部材26について具体的に説明する。
図4に攪拌・搬送部材24の構成を示し、図5に検知部材27の構成を示し、図6および図7に同期部材26の構成を示す。
また、攪拌・搬送部材24、検知部材27および同期部材26が組み合わされた状態を図8に示す。
図3、図4および図8に示すように、攪拌・搬送部材24は、回転軸242とこの回転軸242に設けられた羽根241aおよび241bを有している。回転軸242にはその一方の端部にカム25が取り付けられており、更に図8に示すように円盤243が取り付けられている。回転軸242は、駆動モータ(図示せず)の駆動力を受けて図3の矢印の方向に回転するように取り付けられている。
図4は、攪拌・搬送部材の形状を示す図である。攪拌・搬送部材24は、回転するフィルム状の羽根241aおよび241bを備えている。攪拌・搬送部材24は、収納室34にあるトナーを攪拌させることで、トナーを摩擦帯電させる機能を有する。さらに、収納室34から現像室35へトナーを搬送する機能を併せて有している。
攪拌・搬送部材24の羽根241aおよび241bは、完全に機能を分離できるわけではないが、それぞれの機能に対応させた羽根の形状にするために、回転軸242を中心線として非対称にしている。また、羽根の中に打ち抜きを設け、打ち抜きの位置および羽根の面積を調整しながら、搬送能力、攪拌能力を制御している。
例えば攪拌機能を主体とした羽根241aは、打ち抜きの多い形状にし、一方、搬送機能を主体とした羽根241bは、打ち抜きを羽根241aよりも少なくして面積を確保し搬送するトナー量を調整している。
搬送するトナー量は、現像のためにトナーが消費される量に対応して決定され、消費量を順次補給する量となる。
搬送能力、攪拌能力を制御するための方法として、羽根の長さ(回転軸242から羽根の周端部までの長さ)を変えることもできる。例えば、攪拌機能を主体とした羽根241aの長さを、搬送機能を主体とした羽根241bの長さよりも短くして攪拌能力を制御することもできる。なお、図2および図3においては羽根241aの長さを羽根241bの長さよりも短くしたものを示している。
また、攪拌・搬送部材24の羽根は2つに限らず3つ以上にすることもできる。この場合も含めて羽根の数を複数にした場合には少なくとも1つは搬送機能を主体とする羽根とする。
図4の実施形態においては、羽根241aおよび241bは、可撓性を有する樹脂製のフィルムを用いる。この場合フィルムで可撓性を有することから、羽根241bは現像装置20の底部筐体を摺擦して、収納室34にあるほとんどのトナーを現像室35に搬送することができる。樹脂としては、パリプロピレン、ポリエチレ等のオレフィン系の樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂を用いる。なお、羽根としてはフィルム状のものに限らず、板状のものを用いることもできる。
また、図8に示すように攪拌・搬送部材24の回転軸242には、円盤243を設けている。この円盤243は、同期部材26を現像装置筐体201に押圧し、さらに、円盤243の厚さで同期部材26の位置決めをする。これによって、同期部材27の軸方向への変動を抑え、回転精度を向上させることで、同軸の攪拌・搬送部材24と同期部材26との回転・回動を確実に行なうようにしている。
図3、図5および図8に示すように、検知部材27には軸271a、271bと、検知板275および係合部276が設けられている。
検知板275は、トナー残量を検知するためにトナーと接触する板状のものであり、トナーの量によって回動する位置が異なってくる。
軸271aおよび271bは、回転自在に取り付けられており、かつその軸端部に設けられたバネ部材(図示せず)により検知板275が供給ローラ22に近づく下向き方向に付勢されている。
検知部材27の検知板275は検知部材27の回動により現像室35内の空間を上昇、下降する。上昇するときには供給ローラ22から遠ざかり、下降するときは供給ローラ22に近づく。
係合部276は、軸271の一方に、検知板275と一体的に設けられており、その下側が同期部材26の足264aに係合する。
係合部276と検知板275は、軸271aおよび271bに対して異なる角度で設けられており、係合部278が上側の位置となっている。
検知板275は、剛性を有し、変形しにくい材質にする。可撓性を有し、変形しやすい材質では、非磁性一成分現像剤のトナーであっても、トナー残量を検知できない。したがって、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。カーボンブラック、シリカ、アルミナなどの顔料を充填剤として、含有させても良い。
また、検知板275の検知面の面積を1000〜1500mm2の範囲にする。面積が小さい方が、少ないトナーを検知できるので、トナー残量を検知するには好ましい。このために、面積が1500mm2を越えるとトナーを押しのける力が強くなりトナー残量の検知精度が低下する。また、面積が1000mm2より小さくなると検知板275が壊れることがある。
また、検知板275は、付け根から先端までの幅が10mm以上あることが好ましい。この幅が長いほど、少ないトナー残量を検知することができ、トナー残量の検知精度を上げることができる。長すぎると検知板275の先端に負荷がかかり、壊れるおそれがあり、また、装置の小型化が困難になる。
同期部材26は、図3、図6、図7および図8に示すように、軸となる円柱部分261に第1のレバー263と、第2のレバー264が設けられたもので、第1のレバー263は、搬送・攪拌部材と同軸にあるカム25に当接している。第2のレバー264には足264aが設けられており、検知部材27の係合部276の下側に係合している。
円柱部分261には一端が閉塞した軸孔262が形成され、筐体201に設けられた軸の突起部202がこの軸孔262に挿入されており、これにより同期部材26は回動自在に取り付けられている。
そして同期部材26の円柱部分261には、図8に示すように、その軸端部にバネ部材266が取り付けられ、これにより同期部材26は第1のレバー263がカム25に当接する方向に付勢されている。
図7は、同期部材26の円柱部分261に軸孔262に通じる開口部265を設けたものを示している。
開口部265を設ける理由を説明すると、現像装置20内にはトナーが収納されており、回動している同期部材26の軸孔262と突起部202との間にトナーが浸入するときがある。同期部材26の軸孔262と突起部202との間にトナーが浸入すると、同期部材の26の回動による摺擦によって発生する摩擦熱でトナーが溶融して、その後、冷却して固体化するときに、同期部材26と突起部262と固着させてしまい、トナーの搬送、トナー残量の検知等ができなくなる懸念があった。このように、同期部材26は、長時間の使用によって、トナーで固着されて動作不良になることが課題でありこれに対処することが必要であった。
図7はこのように課題に対処するために開口部265を有する同期部材を示す図である。図7に示すように、この同期部材26の円柱部分261に開口部265を設けている。この開口部265を設けたことで、軸孔262の中に浸入したトナーを、吐き出させることができる。これによって、内部に留まることを防ぐことができるから、トナーが内部で溶融して突起部202と同期部材26とが固着するのを防止することができる。(a)には開口部265の形状として矩形にしたものを示しており、(b)には、スパイラル状のものを示している。特に(b)に示すように、回動方向にスパイラル形状の開口部265にすることで、浸入したトナーの吐き出しがすばやく行われ、固着する事故の発生を防止することができる。
このような構成において、図3に示すように、攪拌・搬送部材24は、駆動モータ(図示せず)の駆動力を受けて矢印の方向に回動し、収納室34にある一成分現像剤であるトナーを攪拌させるとともに、羽根241bにより収納室34の筐体底部を摺擦しながら収納室34内のトナーを現像室35に供給する。
このときに、同期部材26の第1レバー263は、搬送・攪拌部材と同軸にあるカム25に圧接しているので、同期部材26はカム25を介して攪拌・搬送部材24により駆動されてカム25の形状に沿って揺動する。
検知部材27の係合部276の下側は、同期部材26の第2レバー264の足264aに圧接した状態で係合しており、検知部材27は同期部材26の揺動に連れて回動する。具体的には、検知部材は27の上方への動きは同期部材の26の第2レバー264により押し上げられることにより行なわれ、下方への動きは検知部材27の下方向への付勢力により第2レバー264により動きを妨げられる位置まで行なわれる。
このように、検知部材27は、同期部材26によって上昇する駆動力を伝達されるとともに最下降位置を規制される。
揺動時の第2レバー264の最下端位置は、仕切り部36に接触しない位置までとしている。
検知部材27の係合部276と検知板275との間に角度を持たせて、係合部276が検知板275より上方の位置にあるようにしているが、このようにすることにより、第2レバー264の最下端位置が、仕切り部26に接触しない位置のときでも、検知板275の下方への動きの最下端の位置を、トナーエンド検出ができるように供給ローラ22近傍とすることができる。
このように検知板275と係合部276の位置関係を変えることにより、現像室35内に残っているトナーの量がどの程度のときをトナーエンドとするかを変えることができる。
トナーエンド検知の状態を説明すると、トナー残量を検知する検知部材27の検知板275は、図3に示すように、トナーの量によって回動する角度すなわち回動の下端位置が異なってくる。上記したように動作状態において検知板275は供給ローラ22に向かって回動するが、このときに、現像装置20の現像室35にトナーが多量に有ると、検知板275と供給ローラ22との間にトナーが存在するために検知板275の回動が止められて、回動する角度が小さくなり、検知板275は供給ローラ22から離れた位置で回動がとまる(図3の破線の位置)。
現像室35に存在するトナー量が、ほとんどない場合には、検知板275の回動角度は大きくなり、供給ローラ22の位置近く又は当接すれすれの位置まで回動することができる(図3の実線の位置)。
したがって、この検知板275回動する角度の大きさ、すなわち回動の下端位置の状況を検知することで、現像装置20の、トナー残量を検知することができる。
次に図9を参照して、現像装置20内の攪拌・搬送動作およびトナー検出のタイミングを説明する。
なお、図9においては、攪拌・搬送部材24の羽根として、攪拌機能を主体とした羽根241aの長さを、搬送機能を主体とした羽根241bの長さよりも短くした実施形態のものを示している。
図9の(1)において、攪拌・搬送部材24は、トナーの補給信号が送信された場合又は画像形成動作の信号が送信された場合に矢印方向に回転を始める。攪拌・搬送部材24が回転すると回転軸242に装着されているカム25も同時に回転する。
このカム25に、同期部材26の第1レバー263がバネ266(図8参照)により付勢されて当接されている。
(1)に示す状態では、第1レバー263のカム25への当接位置は回転軸242に最も近い位置であるので、第2レバー264の位置は最も低い位置となる。検知部材27の検知板275はバネ部材により下向き方向に付勢されており下向き方向に回動するが、第2レバー264の位置が最も低いので、第2レバー264によっては最も低い位置に移動するまではその動きを妨げられることがない。したがって、検知板275はトナーの量が少ない状態では検知板275もトナーによって回動を妨げられる位置まで回動するか、または第2レバー264によりその動きを妨げられる最も低い位置まで回動する。
(1)に示す検知板275の位置は、トナーの量が少ない場合の位置を示しており、この状態では検知部材27の検知板275は、現像室35内の下部に位置するため現像室35を塞いだ状態になっている。
次に攪拌・搬送部材24およびカム25が回転して(2)の状態になった場合には、第1レバー263の当接位置は回転軸242に最も近い位置のままであるので、第2レバー264および検知板275の位置は変化せず、検知部材27の検知面275が現像室35を塞いだ状態は継続されている。
(1)の状態から(2)の状態へ攪拌・搬送部材24が回転するときに、攪拌・搬送部材24の羽根241aが仕切部36近傍を通過しトナーを現像室35方向へ押しやる動きをするが、羽根241aの機能は攪拌機能が主であるので、検知面275が現像室35をやや塞いだ状態は継続されていても影響は少ない。
なお、(1)に示す状態において、トナーの量が多い場合には、検知部材27の検知面275の先端は、収納室34と現像室35との間の仕切部36より上側の位置になり現像室35は開口された状態になる。
(2)の状態から(3)の状態へ攪拌・搬送部材24が回転するときには、第1レバー263の当接位置は回転軸242に近い位置から徐々に遠い位置に変化し、回転軸242から最も遠い位置まで押し下げられるので、第2レバーの位置は最も低い位置から最も高い位置まで上昇される。検知部材27の検知板275はバネ部材により下向き方向に付勢されているが、第2レバーが上昇されるので、その力を受けて検知板275も最も高い位置まで押し上げられる。
この状態では、検知部材27の検知面275の先端は、収納室34と現像室35との間の仕切部36より上側にあるために、現像室35は開口された状態になっている。
攪拌・搬送部材24およびカム25が回転して(4)の状態になった場合には、第1レバー263の当接位置は回転軸242から最も遠い位置のままであるので、第2レバー264および検知板275の位置は変化せず、現像室35が開口された状態は継続されている。
(3)の状態から(4)の状態へ攪拌・搬送部材24が回転するときに、攪拌・搬送部材24の羽根241bが仕切部36近傍を通過しトナーを現像室35方向へ押しやる動きをする。羽根241bの機能は搬送機能が主であるので、開口されている現像室35へトナーが搬送される。
(4)の状態から(1)の状態へ攪拌・搬送部材24が回転するときには、(2)の状態から(3)の状態へ攪拌・搬送部材24が回転するときとは逆のことが行なわれ、(1)の状態に戻る。
トナーエンドの検出は、第2レバーの位置が最も低い位置となって、第2レバー264によっては、検知板275の下向き方向の回動が最も低い位置に移動するまでは妨げられることがない(1)から(2)付近のタイミングで行なわれる。
また、この実施形態においては、このタイミングではトナーの搬送の影響も受けにくいので検出への悪影響も少ない。
このように、現像装置20では、バネ266で付勢された同期部材26を攪拌・搬送部材24の回転軸242に設けられたカム25に当接させることで、同期部材26を他から別の駆動力を得ることなく回動させ、この同期部材26の回動により検知部材27の動きをコントロールしてトナー残量を検知すると共に、トナーの搬送・補給を行うことができる。
図10は、検知部材と他の構成部材との位置関係を示す図である。検知部材27の位置は、その回転軸271の中心が、供給部材22と現像ローラ21との接触領域より高い位置にある。この接触領域では、供給部材22から現像ローラ21にトナーが供給される。検知部材27の回転軸の中心が、接触領域より高い位置に置くことで、トナー残量検知の精度を向上させることができる。
また、検知部材27の位置は、その回転軸271aおよび271bの中心が、供給部材22の回転軸の中心より高い位置にある。供給部材22は、現像室35にある一成分現像剤をできるだけ残さないように現像ローラ21に供給する。このために、現像室35の筐体底面を摺擦又は摺擦に近い間隙で回転させることになるが、検知部材27の回転軸271aおよび271bの中心が供給部材22より低い位置にあると、検知部材27の幅を長くすることが困難になる。
次に画像形成装置1においてトナーエンドを検知する構成について説明する。
図5に示す検知部材27の軸271aには、図11示すようにアーム28が取り付けられている。
図11は、プロセスユニット2の外観の一部を示す図である。
プロセスユニット2には、プロセスユニット筐体205が設けられている。この筐体205の側面の一方には、アーム28が回動可能な範囲にわたって、開口部207が形成されており、アーム28はこの開口部207から露出した状態で配置されている。検知部材27の回動軸271aの端面およびアーム28の外側の面は、筐体205の側外面と同じ面になるように配置されている。
このようにすることにより、アーム28および回動軸271aが筐体205から外側へ突出することがないため、プロセスユニット2を着脱するときに円滑に動かすことができる。また、プロセスユニット2を装着する際に回動部材29(後述する図14乃至図16に示す)との接触を円滑に行なうことができる。
筐体205の両側面のそれぞれには円形のガイド206が一対形成されている。このガイド206は、プロセスユニット2の着脱移動時および装着時には本体側壁101のガイドレール102(後述する図15に示す)上面に接触しプロセスユニット2を支持する。
図12の(a)および(b)は、検知部材27の軸271aとアーム28の接合部を示す図である。
検知部材27の軸271aの端部には、円形の軸の一部を研削して平坦にした平坦部272と、円の中心を通過して周面から周面にわたる溝273が形成され、さらに、軸271aの周面に半球状の突起274が一対設けられている。
アーム28は略長方形の板状もので、一方の端部に、軸271aが挿入される軸孔281が形成されている。
軸孔281の一部には、軸271aの平坦部272に対応した平坦面282が形成されており、軸孔281内面には軸271aの突起274と嵌合する半球状の凹部283が一対設けられている。
軸271aの平坦部272はアーム28の厚みと略同じ長さに形成され、溝273はアーム28の厚みよりも長く形成されている。
このような構成により、検知部材27の軸271aの先端をアーム28の軸孔281に押し込むだけで、嵌め込むことができる。また、平坦部272と282の平面で合わさっていることおよび、突起274が凹部283に嵌合していることにより、軸271aの回転方向のすべりや軸方向の移動がない。更に溝273が形成させていることにより検知部材27の軸271aがアーム28の軸孔281に弾性的に嵌め込まれる。
図13は、従来のアームと軸との連結状態を示す図である。
従来においては、検知部材の軸27はアーム28の端部より外側に出ており、また、これまでは、突き出た軸にCリングまたはEリング37を装着することで、軸をとめていた。しかし、これでは、突き出た軸の分の空間を設けなければならず、プロセスユニットを小型化することに問題がある。また、Cリング等を装着することで時間の短縮も難しい。
本発明の実施形態では、ネジ、溶接等の接合の必要が無く、アーム28を検知部材27の軸271aに簡略に取り付けることができ、突き出た軸の分がないので、小型化もできる。
上記のように、検知部材27の回動状態は、検知部材の軸271aに取り付けられたアーム28を介して、画像形成装置1本体へ伝達され、装置1本体において、回動の下端位置の状況を検知することで、現像装置20の、トナー残量を検知することができる。
図14は、トナーエンドを検知する画像形成装置1本体側の構成を示す図であり、画像形成装置1本体には、プロセスユニット2を装置1本体に装着したときに、現像装置20の検知部材の軸271に取り付けられたアーム28と接合し、アーム28の回動に対応して回動する回動部材29と、回動部材29の回動を検出するセンサ30が設けられている。
回動部材29は板状のもので、装置1本体に取り付けられた回動軸291に水平方向に回動自在に取り付けられ、バネ32によりアーム28側に付勢されている。回転部材29のアーム28と接合する面の形状はアーム28の回動位置に対応して、回転部材29の回動角度が変わるような形状となっており、アーム28の回動は、回動部材29の水平方向の回動に方向転換される。
センサ30は、上部側の発光素子301と下側にある受光素子302とを有する光透過型の光センサであり、ブランケット31により装置1本体の筐体(図示せず)に取り付けられている。
回動部材29が回動するとその一部が発光素子301と受光素子302の間を横切ることにより検知部材27の回動が検知される。
トナー残量の検知は、検知部材27の回動軸271aと同軸で現像装置20の外に露出して取り付けられたアーム28が回動し、この回動が回動部材29に伝達されることにより行なわれる。
トナー有りの状態では、アーム28の回動する角度が小さいことから、回動部材29の回動する角度は小さいが、トナー無しの状態では、回動部材29が大きく回動する。回動部材29が大きく回動すると、回動部材29の一部がセンサ30を横切る。センサ30の上部側の発光素子301が発光する光を下側にある受光素子302に光が届かないことから、現像室35に存在するトナー残量を検知することができ、トナーエンドを検知することができる。
また、回動部材29を設けず、アーム28の回動する角度を光学センサにより直接検知する構成にしてもよい。
図15は、プロセスユニット2を画像形成装置1本体に装着する状態を説明するための図である。
図16は、図15の一部拡大図である。
図15(a)は、プロセスユニット2が装着されていないときの回動部材29等の状態を示しており、図15(b)は、プロセスユニット2を画像形成装置1本体に装着した状態を示している。
図15および図16において、画像形成装置1本体に形成されたプロセスユニット2の装着のための空間300の両側には画像形成装置1本体の側壁101が形成されている。この側壁101の外側に画像形成装置1の外カバー(図示せず)が配置される。側壁101にはプロセスユニット2の着脱の際にプロセスユニット2をガイドし、装着時に支持するガイドレール102が形成されている。側壁101の一方には回動部材29の移動範囲にわたって開口部103が形成されており、回動部材29がこの開口部103に取り付けられている。
回動部材29は水平方向に回動可能となっており、回動軸291は矢印で示すプロセスユニット2の挿入方向の手前側に配置されている。
側壁101の開口部103の外側にはトナーエンド検知のためのセンサ30が配置され、ブラケット31により側壁101に取り付けられている。
回動部材29は、図16に示したようにバネ32により空間300の方向に付勢されており、プロセスユニット2が装着されていない状態では(a)に示すようにその端部が空間300の内側に少し入り込むともに、側壁101の外側にあるセンサ30の光を遮らないような状態になっている。
このような構成において、プロセスユニット2は、ガイドレール102に沿って、矢印で示す方向に挿入されて装着される。このときに回動部材29はアーム28の外側面に当接し、回動軸291を中心として側壁101の外側にあるセンサ30の方向へ少し回動する。回動部材29は、トナーエンドでない状態ではセンサ30の光を遮らない位置になるように設定されている。ただし、回動部材29の形状、位置関係を変えて光を少し遮るようにすることもでき、この場合にはトナーエンド検出の閾値を調整することで、プロセスユニット2の装着かトナーエンド検出かの区別をすることができる。
(b)は、プロセスユニット2を画像形成装置1本体に装着した状態を示しており、回動部材29の位置はトナーエンドの状態を示している。
この状態では、回動部材29はプロセスユニット2が装着されたときの最初の位置よりも更に回動してセンサ30の光を完全に遮ることになり、トナーエンドが検出される。
回動部材29の向きが、プロセスユニット2の挿入方向と同じ方向に回動しにくいような向きである場合、例えば回動部材29がプロセスユニット2に対抗する向きであるような場合には、プロセスユニット2の挿入に対して回動部材29が抵抗することになり、プロセスユニット2の挿入が円滑に行なわれなくなる。ここでは、回動部材29の回動軸291がプロセスユニット2の挿入方向の手前側に配置されている。これにより回動部材29は、プロセスユニット2の挿入に逆らわずに同じ方向に回動されることになり、プロセスユニット2の装着が円滑に行なわれるようにしている。
また、図17は、プロセスユニット2を画像形成装置1本体に装着した状態を示す平面図である。画像形成装置が備えるバネ33で、プロセスユニット2を画像形成装置1の奥側に押しつけている。これによって、回動部材29とアームの距離が短くなり、又、一定した力で押されることから、安定した検知動作をさせることができる。
図18は、センサ30からの出力信号を示す図である。
センサ30からは、検出出力(図示せず)にもとづき信号処理をした信号が出力される。現像装置20の現像室35にトナーがある状態では、信号出力として、(1)に示すように、レベルLが出力される。
現像室35にトナーがない状態では、回動部材29により攪拌・搬送部材24の回動のサイクルで、センサ30の光が遮られるので、(2)に示すようにそれに対応して信号出力としてレベルHのパルスが現れる。信号Hの強さ、デューティーを予め設定することで、現像室35内のトナー残量に応じた信号を検出するようにすることができる。
図19は、トナーエンド検知装置の動作の流れを示すフローチャートである。画像形成装置1で、コピーボタン又はプリント開始をONすることで、画像形成動作を開始する(ステップS2)。これと同時に、トナーエンド検知装置のセンサ30がONされる(ステップS3)。
トナーエンドの場合には、トナーエンド検知装置における検知部材27の回動により、図18の(2)に示す信号Hを検知する(ステップS4)。この信号Hを検知したときに、トナーエンドの判定をするための検知処理を開始する(ステップS5)。信号Hが、1回表れただけでは、トナーの搬送ムラ、現像室の偏在することもあるので、すぐにトナーエンドの判定はできない。したがって、例えば、信号Hが連続してN回以上表れた場合にトナーエンドと判定する(ステップS6)。逆に、信号HがN回未満しか表れない場合は、信号Hを検知するステップS4に戻る。
トナーエンドと判定した場合は、画像形成動作を中止し(ステップS7)、トナーエンドの表示をモニター画面に表示する(ステップS8)。
以上説明したように、本実施形態の現像装置20においては、検知部材27が、感光体3上の潜像を現像する現像ローラ21にトナーを供給する供給ローラ22の近傍に設けられ、この検知部材27により、現像室35の特に供給ローラ22近傍のトナー残量を検出することができる。検知部材27の回動は画像形成装置1に伝達され、トナー残量の検出は画像形成装置1のセンサ30により行なわれる。
攪拌・搬送部材24によってトナーは仕切部36を越えて現像室35へ搬送される。検知部材27は同期部材26によって攪拌・搬送部材24からの駆動力を伝達されて駆動され、これによりトナー残量の検出は、攪拌・搬送部材24の搬送動作とタイミングをとりながら行なわれる。
また、回動する同期部材26の軸孔262に浸入するトナーを吐き出させることで、長期にわたって安定したトナーエンド検知を行なうことができる。