以下図面に基づき、本発明の最も好ましい実施の形態について説明する。本発明に対し変更や修正を加え、或いは、その他の実施方法を考案することは本分野の技術者にとって容易であるが、それらの変更および修正は上述の本発明における技術範囲内に含まれるものとする。また、下記に述べる説明は本発明における最良の実施形態の一例であり、特許請求の範囲を限定するものではない。
本発明の現像ユニットを備える画像形成装置は、像担持体と、帯電装置と、露光装置と、現像装置と、転写装置と、定着装置とを少なくとも有しており、更に必要に応じてその他の装置、例えば除電装置、クリーニング装置、リサイクル装置、制御装置等を有する。以下に、具体的に説明する。
図1は、本発明の現像ユニット20を備える画像形成装置1の構成を示す図である。
図1に示すように、画像形成装置1の中央には、プロセスユニット2が配置され、このプロセスユニット2の下方には、給紙カセット11を有する給紙ユニット10が配置されている。プロセスユニット2の上方には、ドラム状の像担持体としての感光体3にレーザ光を照射して潜像を形成する露光装置60が配置されている。プロセスユニット2には、感光体3が設けられ、その周囲には、感光体3の表面に帯電処理を行なう帯電装置40、その表面が露光されて形成された静電潜像を現像剤で可視化する現像ユニット20、感光体3に残留する現像剤を除去回収するクリーニング装置50が設けられている。
また、画像形成装置1には、感光体3上の現像剤像を記録紙に転写する転写装置70、現像剤像が転写された記録紙を、一対のローラ間を通過させ熱と圧力を加えることによって記録紙上の現像剤像を定着処理する定着装置80がそれぞれ配置されている。
本実施形態の画像形成装置1は、上記したようにデジタル化された画像情報に基づき画像を記録紙に記録するプリンターとしての機能を有する画像形成装置であるが、その他に、制御部を設けることにより画像情報を遠隔地と送受信するファクシミリ装置の機能や、原稿を読取る読取装置、及び原稿搬送装置を設けることにより複写機の機能を有するようにして多機能の画像形成装置とすることもできる。
以下に、画像形成装置の各プロセス工程に関して詳述する。
感光体3としては、その材質、形状、構造、大きさ等については、目的に応じて選択することができる。形状としては、ドラム状、シート状、エンドレスベルト状などが挙げられる。大きさは、画像形成装置1の大きさや仕様に応じて選択することができる。材質としては、アモルファスシリコン、セレン、CdS、ZnO等の無機感光体、または、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、などが挙げられる。このような有機感光体の層構成は、単層構造と、積層構造とに大別される。単層構造の感光体は、支持体と、その支持体上に単層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。積層構造の感光体は、支持体と、その支持体上に電荷発生層、及び電荷輸送層を少なくともこの順に有する積層型感光層を設けてなり、更に必要に応じて、保護層、中間層、その他の層を有してなる。
帯電工程は、感光体3の表面を帯電させる工程であり、帯電装置40により行われ、感光体3の表面に電圧を印加して一様に帯電させる。帯電装置40としては、感光体3と接触して帯電させる接触方式と、感光体3と非接触で帯電させる非接触方式とがある。
接触方式の帯電装置40としては、導電性または半導電性の帯電ローラ、磁気ブラシ、ファーブラシ、フィルム、ゴムブレードなどが挙げられる。これらの中でも、帯電ローラは、コロナ放電に比べてオゾンの発生量を大幅に低減することが可能であり、感光体3の繰り返し使用時における安定性に優れ、画質劣化防止に有効である。本実施形態の帯電ローラ41は、一実施形態としては、図示しないが、円柱状を呈する導電性支持体としての芯金と、芯金の外周面上に形成された抵抗調整層と、抵抗調整層の表面を被覆してリークを防止する保護層とを有する。帯電ローラ41は、電源に接続されており、所定の電圧が印加される。電圧は、直流(DC)電圧のみでもよいが、DC電圧に交流(AC)電圧を重畳させた電圧であることが好ましい。このようにAC電圧を印加することにより、感光体3の表面をより均一に帯電することができる。
非接触の帯電装置40としては、コロナ放電を利用した非接触帯電ワイヤ、針電極デバイス、感光体3に対して微小な間隙をもって配設された導電性または半導電性の帯電ローラなどが挙げられる。コロナ放電は、空気中のコロナ放電によって発生した正または負のイオンを感光体3の表面に与える非接触の帯電方法であり、感光体3に一定の電荷量を与える特性を持つコロトロン帯電器と、一定の電位を与える特性を持つスコロトロン帯電器とがある。コロトロン帯電器は、放電ワイヤの周囲に半空間を占めるケーシング電極とそのほぼ中心に置かれた放電ワイヤとから構成される。スコロトロン帯電器は、コロトロン帯電器にグリッド電極を追加したものであり、グリッド電極は感光体3の表面から1.0〜2.0mm離れた位置に設けられている。感光体3に対して微小な間隙をもって配設された帯電ローラは、感光体3に対して微小なギャップを持つように帯電ローラを改良したものである。微小なギャップとしては10〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
露光工程は、帯電された感光体3の表面を露光する工程であり、露光装置60により行われる。露光は、感光体3の表面を像様に露光することにより行なうことができる。露光における光学系は、アナログ光学系とデジタル光学系とに大別される。アナログ光学系は、原稿を光学系により直接感光体3上に投影する光学系であり、デジタル光学系は、画像情報が電気信号として与えられ、これを光信号に変換して感光体3を露光し作像する光学系である。露光装置としては、帯電された感光体3の表面に、形成すべき画像をその情報に基づいて露光することができる限り、目的に応じて選択することができる。ロッドレンズアレイ系、液晶シャッタ光学系、LED光学系などの各種露光器が挙げられるが、特に、レーザ(LD)光学系が好ましい。
現像工程は、静電潜像を、現像剤を有する現像ユニット20を用いて現像して可視像を形成する工程である。現像ユニット20は、一成分現像剤を用いて現像する。一成分現像剤としては、磁性現像剤、非磁性現像剤のいずれであってもよい。この現像ユニット20に関しては、後述する。
転写工程は、可視像を記録媒体に転写する工程であり、転写装置70を用いて行われる。転写装置70は、感光体3上の可視像を記録媒体に直接転写する転写装置と、中間転写体を用い、中間転写体上に可視像を一次転写した後、その可視像を記録媒体上に二次転写する二次転写装置とに大別されるが、ここでは、画像形成装置1の小型化のために直接転写する転写装置70が好ましい。転写装置70としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器などが挙げられる。ここでは、ローラ方式の転写装置70を用いている。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
定着工程は、定着装置80を用いて記録媒体に転写された可視像を定着させる工程である。
定着装置80としては、選択することができるが、定着部材と定着部材を加熱する熱源とを有する定着装置80が好適に用いられる。
定着部材としては、互いに当接してニップ部を形成可能であれば、選択することができ、無端状ベルトとローラとの組合せ、ローラとローラとの組合せなどが挙げられる。
定着部材がローラである場合、ローラの芯金は、高い圧力による変形を防止するため非弾性部材で形成されるのが好ましい。非弾性部材としては、特に制限はなく、目的に応じて選択することができるが、アルミニウム、鉄、ステンレス、真鍮等の高熱伝導率体が好適に挙げられる。また、ローラは、その表面がオフセット防止層で被覆されていることが好ましい。オフセット防止層を形成する材料としては、特に制限はなく、目的に応じて選択することができるが、例えば、RTVシリコーンゴム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが挙げられる。
定着工程においては、現像剤による画像を記録媒体に転写し、その画像が転写された記録媒体を、ニップ部に通過させることにより、画像を記録媒体に定着させてもよいし、ニップ部にて画像の記録媒体への転写及び定着を同時に行ってもよい。
クリーニング工程は、感光体3上に残留する現像剤を除去するもので、クリーニング装置50により行なう。
また、現像ユニット20が、感光体3の表面に当接される現像ローラ21で、感光体3に形成された静電潜像を現像すると共に感光体3上の残留現像剤を回収することによって、個別にクリーニング装置50を設けることなくクリーニングを行うことができる。
クリーニング装置50としては、感光体3上に残留する現像剤を除去することができればよく、選択することができ、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、クリーニングブレード、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。これらの中でも、現像剤除去能力が高く、小型で安価なクリーニングブレード51が特に好ましい。クリーニングブレードに用いられるゴムブレードの材質としては、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム等が挙げられ、これらの中でも、ウレタンゴムが特に好ましい。
次に、本実施形態の画像形成装置1に応じた画像形成操作の流れについて説明する。
図1に示したように、感光体3は、回転駆動されながら、その表面が帯電ローラ41を用いる帯電装置40によって一様に帯電された後、露光装置60から発せられるレーザ光の走査を受けて静電潜像が感光体3の表面上に形成される。この露光走査は、外部からの画像情報に基づいて行われる。感光体3は、その他に、帯電装置40、現像ユニット20、クリーニング装置50が一体的に支持されたプロセスユニット2内に配設されている。このプロセスユニット2内の現像ユニット20によって、感光体3上の静電潜像は現像され、可視像が形成される。現像ユニット20よりも感光体3の回転下流側には、転写装置70が配設されている。
一方、給紙カセットから送られてきた記録紙は、2つのローラ間に挟み込んでいるレジストローラ14から、感光体3上の可視像に重ね合わせ得るタイミングで、転写領域に向けて送り込まれる。
転写領域において、転写装置70によって、感光体3から記録紙に可視像が転写される。
転写領域を通過した感光体3の表面は、ドラムクリーニング装置50によって転写残現像剤がクリーニングされる。このドラムクリーニング装置50は、クリーニングバイアスが印加されるクリーニングローラによって転写残現像剤をクリーニングするものである。
可視像が形成された記録紙は、定着装置80に送り込まれる。送り込まれた記録紙は、定着ローラと加圧ローラとの当接によって形成された定着領域に挟み込まれながら搬送される。記録紙上の可視像は、定着ローラからの加熱や、定着領域内での加圧力の影響を受けて記録紙上に定着させられる。その後、定着装置80から排紙ローラ15を通過して画像形成装置1の排紙トレイ16に送り込まれる。
次に、プロセスユニットに関して詳述する。
図2は、プロセスユニット2の構成を示す図である。
プロセスユニットは、感光体と、少なくとも1つのプロセス装置を備えたものであって、本実施形態のプロセスユニット2では、プロセス装置として、図2に示したように、感光体3を帯電させる帯電ローラ41を有する帯電装置40と、感光体3に形成された潜像を現像する現像ユニット20と、感光体3の表面に残留する現像剤をクリーニングするためのクリーニングブレード51を有するクリーニング装置50とが一体的に構成されている。
このプロセスユニット2は、画像形成装置1に着脱可能になっていて、図1に示すように、画像形成装置1の側面から、画像形成装置1に設けられたレール等の案内手段に沿って装着される。これにより、感光体3やその他プロセス部材の交換を短時間に、且つ容易に行なうことができるようになるので、メンテナンスに要する時間が短縮でき、コストダウンにつながる。また、プロセスの各装置と感光体3とが一体となっているので、相対的な位置の精度向上などの利点もある。
図3は、本発明の一実施形態である現像ユニットの構成を示す図である。
本実施形態の現像ユニット20は、一成分現像剤を収納している収納室34と、感光体3上の潜像を現像する一成分現像剤を担持して搬送する現像剤担持体としての現像ローラ21と現像ローラ21に一成分現像剤を供給する供給部材としての供給ローラ22とを有する現像室35と備えており、収納室34と現像室35との間には仕切部36が形成されている。仕切部36は、山のような形状のものであり、これにより現像ユニット20を収納室34と現像室35との2つの部屋に分けている。
現像ユニット20は、現像ローラ21上に現像剤層を形成し、現像ローラ21上の現像剤層を感光体3と接触させるように搬送することにより、感光体3上の静電潜像を現像する接触現像を行うものである。
収納室34には攪拌・搬送部材24が備えられており、現像ユニット20内の現像剤は、撹拌・搬送部材24の回転により攪拌され、仕切部36を越えて機械的に現像室35に搬送され、供給部材としての供給ロ−ラ22に供給される。この供給ローラ22は発泡ポリウレタン等で形成され、可撓性を有し、50〜500μmの粒径の現像剤を保持し易い構造となっている。また、供給ローラ22のMIS−A硬度は10〜30゜と比較的低く、現像ローラ21とも均一に当接させることができる。
供給ローラ22は現像ローラ21と同方向、即ち両ローラの接触する領域では、互いに表面が逆方向に移動するように回転駆動されている。また、両ローラの線速比(供給ローラ/現像ローラ)は0.5〜1.5が好ましい。また、供給ローラ22を、現像ローラ21と逆方向、即ち両ローラの対向部で互いに表面が同方向に移動するように回転させてもよい。なお、本実施形態では、供給ローラ22は現像ローラ21と同方向の回転で、その線速比は0.9に設定した。供給ローラ22の現像ローラ21に対する喰い込み量は0.5〜1.5mmに設定している。本実施形態ではユニット有効幅が240mm(A4サイズ縦)の場合、必要なトルクは14.7〜24.5N・cmである。
現像ローラ21は、導電性基体上にゴム材料からなる表層を有してなり、直径が10〜30mmであり、表面を適宜荒らして表面粗さRzを1〜4μmとしたものである。この表面粗さRzの値は現像剤の平均粒径に対して13〜80%であることが好ましい。これにより現像ローラ21の表面に埋没することなく現像剤が搬送される。特に、現像ローラ21の表面粗さRzは、著しく低い帯電の現像剤を保持しないように、現像剤の平均粒径の20〜30%の範囲であることが好ましい。ゴム材料としては、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、NBRゴム、ヒドリンゴム、EPDMゴムなどが挙げられる。また、現像ローラ21の表面に、特に経時品質を安定化させるためにコート層を被覆することが好ましい。コート層の材料としては、シリコーン系材料、テフロン(登録商標)系材料などが挙げられる。シリコーン系材料は現像剤帯電性に優れ、テフロン(登録商標)系材料は離型性に優れている。なお、導電性を得るために、カーボンブラック等の導電性材料を含有させることもできる。コ−ト層の厚みは5〜50μmが好ましい。この範囲を外れると、割れ易い等の不具合が発生しやすくなることがある。
供給ローラ22上、またはその内部に存在する、所定極性(本実施形態の場合は、負極性)の現像剤は、回転により接触点で互いに反対方向に回転する現像ローラ21と挟まれることにより、摩擦帯電効果で負の帯電電荷を得て静電気力により、また、現像ローラ21の表面粗さによる搬送効果により現像ローラ21上に保持される。しかし、このときの現像ローラ21上の現像剤層は均一ではなくかなり過剰に付着している(1〜3mg/cm2)。
そこで、現像剤層厚を規制する規制部材23を当接させることにより、現像ローラ21上に均一な層厚を有する現像剤薄層を形成している。規制部材23は、先端が現像ローラ21の回転方向に対して下流側を向き、規制部材23の中央部が当接する、いわゆる腹当て当接であるが、逆方向でも設定可能であるし、エッジ当接を実現することも可能である。
規制部材23の材料としては、SUS304等の金属が好ましく、厚みは0.1〜0.15mmである。金属以外にも厚み1〜2mmのポリウレタンゴム等のゴム材料やシリコーン樹脂等の比較的硬度の高い樹脂材料が使用可能である。なお、金属以外でもカ−ボンンブラック等を混ぜ込むことにより低抵抗化できるので、バイアス電源を接続して現像ローラ21との間に電界を形成することも可能である。
現像ユニット20には、図3に示すように、攪拌・搬送部材24、検知部材27および同期部材26が設けられている。
攪拌・搬送部材24は、収納室34に設けられており、回動することにより収納室34内の一成分現像剤である現像剤を攪拌して帯電させ、さらに、現像室35へその現像剤を搬送する機能を有している。
検知部材27は、現像剤残量を検知するもので、現像室35に設けられており、現像室35内の現像剤の量に対応して回動する位置が変化する。
同期部材26は、攪拌・搬送部材24と検知部材27との回転のタイミングを取るため、また、検知部材27へ駆動力を伝達するためのもので、仕切部36の近傍に設けられている。
次に攪拌・搬送部材24、検知部材27および同期部材26について具体的に説明する。
図4に攪拌・搬送部材24の構成を示し、図5に検知部材27の構成を示し、図6、図7Aおよび図7Bに同期部材26の構成を示す。
また、攪拌・搬送部材24、検知部材27および同期部材26が組み合わされた状態を図8に示す。
図3、図4および図8に示すように、攪拌・搬送部材24は、回転軸242とこの回転軸242に設けられた羽根241aおよび241bとを有している。回転軸242にはその一方の端部にカム25が取り付けられており、更に図8に示すように円盤243が取り付けられている。回転軸242は、駆動モータ(図示せず)の駆動力を受けて図3の矢印の方向に回転するように取り付けられている。
図4は、攪拌・搬送部材24の形状を示す図である。攪拌・搬送部材24は、回転するフィルム状の羽根241aおよび241bを備えている。攪拌・搬送部材24は、収納室34にある現像剤を攪拌することで、現像剤を摩擦帯電させる機能を有する。さらに、収納室34から現像室35へ現像剤を搬送する機能を併せて有している。攪拌・搬送部材24の羽根241aおよび241bは、完全に機能を分離できるわけではないが、それぞれの機能に対応させた羽根の形状にするために、回転軸242を中心線として非対称にしてある。また、羽根の中に打ち抜きを設け、打ち抜きの位置および羽根の面積を調整しながら、搬送能力、攪拌能力を制御している。
例えば攪拌機能を主体とした羽根241aは、打ち抜きの多い形状にし、一方、搬送機能を主体とした羽根241bは、面積を調整することによって搬送する現像剤量を調整している。攪拌・搬送部材24の羽根の少なくとも1つは搬送機能を主体とする羽根とする。
また、それらの羽根241aおよび241bは、可撓性を有する樹脂製のフィルムを用いる。この場合フィルムで可撓性を有することから、現像ユニット20の底部筐体を摺擦して、収納室34にあるほとんどの現像剤を現像室35に搬送することができる。樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系の樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂を用いる。なお、羽根としてはフィルム状のものに限らず、板状のものを用いることもできる。
また、図8に示すように攪拌・搬送部材24の回転軸242には、円盤243を設けている。この円盤243は、同期部材26を現像装置筐体201に押圧し、さらに、円盤243の厚さで同期部材26の位置決めをする。これによって、同期部材26の軸方向への変動を抑え、回転精度を向上させることで、同軸の攪拌・搬送部材24と同期部材26との回転・回動を確実に行うようにしている。
図3、図5および図8に示すように、検知部材27には軸271a、271bと、検知板275と係合部276とが設けられている。
検知板275は、現像剤残量を検知するために現像剤と接触する板状のものであり、現像剤の量によって回動する位置が異なってくる。
軸271aおよび271bは、回転自在に取り付けられており、かつその軸端部に設けられたバネ部材(図示せず)により検知板275が供給ローラ22に近づく下向き方向に付勢されている。
検知部材27の検知板275は検知部材27の回動により現像室35内の空間を上昇、下降する。上昇するときには供給ローラ22から遠ざかり、下降するときは供給ローラ22に近づく。検知部材27の回動角度の範囲は、現像室35にある現像剤残量の変化に応じて変化する。
係合部276は、軸271の一方に、検知板275と一体的に設けられており、その下側が同期部材26の足264aに係合する。
係合部276と検知板275とは、軸271aおよび271bに対して異なる角度で設けられており、係合部276が上側の位置にある。
検知板275は、剛性を有し、変形しにくい材質にする。可撓性を有し、変形しやすい材質では、非磁性一成分現像剤のトナーであっても、トナー残量を検知できない。したがって、ABS樹脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合体、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。カーボンブラック、シリカ、アルミナなどの顔料を充填剤として、含有させても良い。
また、検知板275の検知面の面積を1000〜1500mm2の範囲にする。面積が小さい方が、少ないトナーを検知できるので、トナー残量を検知するには好ましい。このために、面積が1500mm2を越えるとトナーを押しのける力が強くなりトナー残量の検知精度が低下する。また、面積が1000mm2より小さくなると検知板275が壊れることがある。
また、検知板275は、付け根から先端までの幅が10mm以上あることが好ましい。
この幅が長いほど、少ないトナー残量を検知することができ、トナー残量の検知精度を上げることができる。長すぎると検知板275の先端に負荷がかかり、壊れるおそれがあり、また、装置の小型化が困難になる。
同期部材26は、図3、図6、図7A、図7Bおよび図8に示すように、軸となる円柱部分261に第1のレバー263と、第2のレバー264とが設けられたもので、第1のレバー263は、搬送・攪拌部材24と同軸にあるカム25に当接している。第2のレバー264には足264aが設けられており、検知部材27の係合部276の下側に係合している。
円柱部分261には一端が閉塞した軸孔262が形成され、筐体201に設けられた軸の突起部202がこの軸孔262に挿入されており、これにより同期部材26は回動自在に取り付けられている。
そして同期部材26の円柱部分261には、図8に示すように、その軸端部にバネ部材266が取り付けられ、これにより同期部材26は第1のレバー263がカム25に当接する方向に付勢されている。
図7A、図7Bは、同期部材26の円柱部分261に軸孔262に通じる開口部265を設けたものを示している。
開口部265を設ける理由を説明すると、現像装置20内にはトナーが収納されており、回動している同期部材26の軸孔262と突起部202との間にトナーが浸入するときがある。同期部材26の軸孔262と突起部202との間にトナーが浸入すると、同期部材26の回動による摺擦によって発生する摩擦熱でトナーが溶融して、その後、冷却して固体化するときに、同期部材26と突起部262とを固着させてしまい、トナーの搬送、トナー残量の検知等ができなくなる懸念があった。このように、同期部材26は、長時間の使用によって、トナーで固着されて動作不良になることが課題でありこれに対処することが必要であった。
図7A、図7Bはこのような課題に対処するために開口部265を有する同期部材を示す図である。
図7A、図7Bに示すように、この同期部材26の円柱部分261に開口部265を設けている。この開口部265を設けたことで、軸孔262の中に浸入したトナーを、吐き出させることができる。これによって、内部に留まることを防ぐことができるから、トナーが内部で溶融して突起部202と同期部材26とが固着するのを防止することができる。
図7Aには開口部265の形状として矩形を採用したものを示しており、図7Bには、スパイラル状のものを示している。特に図7Bに示すように、回動方向にスパイラル形状の開口部265にすることで、浸入したトナーの吐き出しがすばやく行われ、固着する事故の発生を防止することができる。
このような構成において、図3に示すように、攪拌・搬送部材24は、駆動モータ(図示せず)の駆動力を受けて矢印の方向に回動し、収納室34にある一成分現像剤を攪拌するとともに、羽根241bにより収納室34の筐体底部を摺擦しながら現像剤を現像室35に供給する。
このときに、同期部材26の第1レバー263は、搬送・攪拌部材24と同軸にあるカム25に圧接しているので、同期部材26はカム25を介して攪拌・搬送部材24により駆動されてカム25の形状に沿って揺動する。
検知部材27の係合部276の下側は、同期部材26の第2レバー264の足264aに圧接した状態で係合しており、検知部材27は同期部材26の揺動に連れて回動する。
具体的には、検知部材27の上方への動きは同期部材26の第2レバー264により押し上げられることにより行われ、下方への動きは検知部材27の下方向への付勢力(例えば自身の重力)により、第2レバー264により動きを妨げられる位置(動きの最大範囲)まで行われる。
このように、検知部材27は、同期部材26によって、上昇する駆動力を伝達されるとともに最下降位置を規制される。
揺動時の第2レバー264の最下端位置は、仕切部36に接触しない位置までとしている。
検知部材27の係合部276と検知板275との間に角度を持たせて、係合部276が検知板275より上方の位置にあるようにしているが、このようにすることにより、第2レバー264の最下端位置が、仕切部36に接触しない位置のときでも、検知板275の下方への動きの最下端の位置を、現像剤残量検出ができるように供給ローラ22近傍とすることができる。
このように検知板275と係合部276との位置関係を変えることにより、現像室35内に残っている現像剤の量がどの程度のときを現像剤エンド直前又は現像剤エンドとするかを変えることができる。即ち、検知板275と係合部276との位置関係を設定することにより、現像剤エンド直前又は現像剤エンドで、現像室35内に残っている現像剤の量がどの程度かを設定できる。
以下、現像剤残量検出の状態を説明すると、現像剤残量を検知する検知部材27の検知板275は、図3に示すように、現像剤の量によって回動する角度すなわち回動の下端位置が異なってくる。上記したように動作状態において検知板275は供給ローラ22に向かって回動するが、このときに、現像装置20の現像室35に現像剤が多量に有ると、検知板275と供給ローラ22との間に現像剤が存在するために検知板275の回動が止められて、回動する角度が小さくなり、検知板275は供給ローラ22から離れた位置で回動がとまる(図3の破線の位置)。
現像室35に存在する現像剤の残量がほとんどない場合には、検知板275の回動角度は大きくなり、供給ローラ22の位置近くまたは当接すれすれの位置まで回動することができる(図3の実線の位置)。
従って、この検知板275の回動角度の大きさ、すなわち回動の下端位置の状況を検知することで、現像装置20の現像剤残量を検知することができる。
次に図9A、図9B、図9C、図9Dを参照して、現像装置20内の攪拌・搬送動作および現像剤検出のタイミングを説明する。
なお、図9A、図9B、図9C、図9Dにおいては、攪拌・搬送部材24の羽根として、攪拌機能を主体とした羽根241aの長さを搬送機能を主体とした羽根241bの長さよりも短くした実施形態のものを示している。
図9Aにおいて、攪拌・搬送部材24は、現像剤の補給信号が送信された場合または画像形成動作の信号が送信された場合に矢印方向に回転を始める。攪拌・搬送部材24が回転すると回転軸242に装着されているカム25も同時に回転する。
このカム25に、同期部材26の第1レバー263がバネ部材266(図8参照)により付勢されて当接している。
図9Aに示す状態では、第1レバー263のカム25への当接位置は回転軸242に最も近い位置であるので、第2レバー264の位置は最も低い位置となる。検知部材27の検知板275はバネ部材により下向き方向に付勢されており下向き方向に回動するが、第2レバー264の位置が最も低いので、第2レバー264によっては最も低い位置に移動するまではその動きを妨げられることがない。
したがって、検知板275は現像剤の量が少ない状態では現像剤によって回動を妨げられる位置まで回動するか、または第2レバー264によりその動きを妨げられる最も低い位置まで回動する。
図9Aに示す検知板275の位置は、現像剤の量が少ない場合の位置を示しており、この状態では検知部材27の検知板275は、現像室35内の下部に位置するため現像室35を塞いだ状態になっている。
次に攪拌・搬送部材24およびカム25が回転して図9Bの状態になった場合には、第1レバー263の当接位置は回転軸242に最も近い位置のままであるので、第2レバー264および検知板275の位置は変化せず、検知部材27の検知板275が現像室35を塞いだ状態は継続されている。
図9Aの状態から図9Bの状態へ攪拌・搬送部材24が回転するときに、攪拌・搬送部材24の羽根241aが仕切部36近傍を通過しトナーを現像室35方向へ押しやる動きをするが、羽根241aの機能は攪拌機能が主であるので、検知板275が現像室35をやや塞いだ状態が継続されていても影響は少ない。
なお、図9Aに示す状態において、現像剤の量が多い場合には、検知部材27の検知板275の先端は、収納室34と現像室35との間の仕切部36より上側の位置になり現像室35は開口された状態になる。
図9Bの状態から図9Cの状態へ攪拌・搬送部材24が回転するときには、第1レバー263の当接位置は回転軸242に近い位置から徐々に遠い位置に変化し、回転軸242から最も遠い位置まで押し下げられるので、第2レバー264の位置は最も低い位置から最も高い位置まで上昇される。検知部材27の検知板275はバネ部材により下向き方向に付勢されているが、第2レバー264が上昇されるので、その力を受けて検知板275も最も高い位置まで押し上げられる。
この状態では、検知部材27の検知板275の先端は、収納室34と現像室35との間の仕切部36より上側にあるために、現像室35は開口された状態になっている。
攪拌・搬送部材24およびカム25が回転して図9Dの状態になった場合には、第1レバー263の当接位置は回転軸242から最も遠い位置のままであるので、第2レバー264および検知板275の位置は変化せず、現像室35が開口された状態は継続されている。
図9Cの状態から図9Dの状態へ攪拌・搬送部材24が回転するときに、攪拌・搬送部材24の羽根241bが仕切部36の近傍を通過し現像剤を現像室35の方向へ押しやる動きをする。
羽根241bの機能は搬送機能が主であるので、開口されている現像室35へ現像剤が搬送される。
図9Dの状態から図9Aの状態へ攪拌・搬送部材24が回転するときには、図9Bの状態から図9Cの状態へ攪拌・搬送部材24が回転するときとは逆のことが行なわれ、図9Aの状態に戻る。
現像剤残量の検出は、第2レバー264の位置が最も低い位置となって、第2レバー264によっては、検知板275の下向き方向の回動が最も低い位置に移動するまでは妨げられることがない図9Aから図9B付近のタイミングで行なわれる。
この実施形態においては、このタイミングでは現像剤の搬送の影響も受けにくいので検出への悪影響も少ない。
このように、現像ユニット20では、バネ部材266で付勢された同期部材26を攪拌・搬送部材24の回転軸242に設けられたカム25に当接させることで、同期部材26を他から別の駆動力を得ることなく回動させ、この同期部材26の回動により検知部材27の動きをコントロールして現像剤残量を検知すると共に、現像剤の搬送・補給を行うことができる。
図10は、検知部材27と他の構成部材との位置関係を示す図である。検知部材27の位置は、その回転軸271の中心が、供給ローラ22と現像ローラ21との接触領域より高い位置にある。この接触領域では、供給ローラ22から現像ローラ21に現像剤が供給される。
検知部材27の回転軸の中心が、その接触領域より高い位置に置かれることで、現像剤残量検知の精度を向上させることができる。
また、検知部材27の位置は、その回転軸271aおよび271bの中心が、供給ローラ22の回転軸の中心より高い位置にある。供給ローラ22は、現像室35にある一成分現像剤をできるだけ残さないように現像ローラ21に供給する。このために、現像室35の筐体底面を摺擦または摺擦に近い間隙で回転させることになるが、検知部材27の回転軸271aおよび271bの中心が供給部材22より低い位置にあると、検知部材27の幅を長くすることが困難になる。
次に画像形成装置1において現像剤残量を検知する構成について説明する。
次に図11〜図18を参照して本発明の第1実施例を説明する。
図5に示す検知部材27の軸271aには、図11に示すようにアーム28が取り付けられている。
図11は、プロセスユニット2の外観の一部を示す図である。
プロセスユニット2には、プロセスユニット筐体205が設けられている。この筐体205の側面の一方には、アーム28が回動可能な範囲にわたって、収納部207が形成されており、アーム28はこの収納部207から露出した状態で配置されている。検知部材27の回動軸271aの端面およびアーム28の外側の面は、筐体205の外側面と同じ面になるように配置されている。
このようにすることによりアーム28および回動軸271aが筐体205から外側へ突出することがないため、プロセスユニット2を着脱するときに円滑に動かすことができる。また、プロセスユニット2を装着する際に遮光部材29(後述する図14〜図16に示す。)との接触を円滑に行なうことができる。
筐体205の両側面のそれぞれには円形のガイド206が一対形成されている。このガイド206は、プロセスユニット2の着脱移動時および装着時には本体側壁101のガイドレール102(後述する図15A、図15Bに示す。)の上面に接触しプロセスユニット2を支持する。
図12Aおよび図12Bは、検知部材27の軸271aとアーム28との接合部を示す図である。
検知部材27の軸271aの端部には、円形の軸の一部を研削して平坦にした平坦部272と、円の中心を通過して周面から周面にわたる溝273が形成され、さらに、軸271aの周面に半球状の突起274が一対設けられている。
アーム28は略長方形の板状もので、一方の端部に、軸271aが挿入される軸孔281が形成されている。
軸孔281の一部には、軸271aの平坦部272に対応した平坦面282が形成されており、軸孔281内面には軸271aの突起274と嵌合する半球状の凹部283が一対設けられている。
軸271aの平坦部272はアーム28の厚みと略同じ長さに形成され、溝273はアーム28の厚みよりも長く形成されている。
このような構成により、検知部材27の軸271aの先端をアーム28の軸孔281に押し込むだけで、嵌め込むことができる。また、平坦部272と平坦面282の平面とで合わさっていること、および、突起274が凹部283に嵌合していることにより、軸271aの回転方向のすべりや軸方向の移動がない。更に溝273が形成させていることにより検知部材27の軸271aがアーム28の軸孔281に弾性的に嵌め込まれる。
図13は、従来のアームと軸との連結状態を示す図である。
従来においては、検知部材27の軸はアーム28の端部より外側に出ており、また、これまでは、突き出た軸にCリングまたはEリング37を装着することで、軸を留めていた。しかし、これでは、突き出た軸の分の空間を設けなければならず、プロセスユニットを小型化することに問題がある。また、Cリング等を装着することで時間の短縮も難しい。
本発明の実施形態では、ネジ、溶接等の接合の必要が無く、アーム28を検知部材27の軸271aに簡単に取り付けることができ、突き出た軸の分がないので、小型化もできる。上記のように、検知部材27の回動状態は、検知部材の軸271aに取り付けられたアーム28を介して、画像形成装置1本体へ伝達され、装置1本体において、回動の下端位置の状況を検知することで、現像装置20のトナー残量を検知することができる。
図14は、本発明の第1実施例による、現像剤残量状態を検出できる画像形成装置1本体側の構成を示す図である。
第1実施例において、装置1本体には、プロセスユニット2を装置1本体に装着したときに、現像装置20の検知部材27の軸271に取り付けられたアーム28と接合し、アーム28の回動に対応して回動する遮光部材29と、遮光部材29の回動を検出する光学センサ30とが設けられている。また、遮光部材29の回動範囲は、アーム28の回動範囲により、即ち、遮光部材29の回動範囲は、検知部材27の回動角度による。
遮光部材29は板状のもので、装置1本体に取り付けられた回動軸291に回動自在に取り付けられ、バネ部材32によりアーム28側に付勢されている。
遮光部材29の、アーム28と接合する面の形状は、アーム28の回動位置に対応して遮光部材29の回動角度が変わるような形状となっており、アーム28の回動は、遮光部材29の水平方向の回動に方向転換される。
本実施例において、遮光部材29は、水平方向に回動できるように画像形成装置1本体に取り付けられたが、本発明はこれに限られるものではない。本分野の技術者は、遮光部材として、実際の構造及び要求に基づき他の形状又は構造部材を利用できる。例えば、その遮光部材は、アーム28の回動に伴い移動でき、かつその移動方向がアーム28の回動方向から変更されさえすれば、水平平行移動方式で装置1本体に取り付けられた部材でもよい。さらに、本発明において、遮光部材29は、水平方向に沿って移動するものに限られない。本分野の技術者は、実際の構造及び要求に基づき遮光部材29の移動方式を選択できる。
本発明の第1実施例において、図14に示すように、光学センサ30は、上部側の発光素子301と下側にある受光素子302とを有する光透過型の光センサ30であり、ブラケット31により装置1本体の筐体(図示せず)に取り付けられている。しかし、本発明はこれに限られるものではない。本分野の技術者は、実際の構造及び要求に基づき他の種類の光学センサ、例えば反射型光学センサを用い遮光部材29を検知することができる。
本実施例において、図14〜図16に示すように、遮光部材29が回動するとその一部が発光素子301と受光素子302の間を横切ることにより検知部材27の回動が検知される。
現像剤残量の検知は、検知部材27の回動軸271aと同軸で現像装置20の外に露出して取り付けられたアーム28が回動し、この回動が遮光部材29に伝達されることにより行われる。
現像剤十分有りの状態では、検知部材27の回動角度が小さくアーム28の回動角度も小さいことから、遮光部材29の回動角度は小さいが、現像剤エンド直前又は現像剤無しの状態では、遮光部材29が大きく回動する。遮光部材29が大きく回動すると、遮光部材29の一部又は全部が光学センサ30を横切る。センサ30の上部側の発光素子301が発光する光が下側にある受光素子302に届かないことから、現像室35に存在する現像剤の残量を検知することができ、現像室35に存在する現像剤残量が、十分有りの状態、現像剤エンド直前の状態、又は現像剤無しの状態のうちのいずれであるかを確定することができる。
図15A、図15Bは、第1実施例において、プロセスユニット2を画像形成装置1本体に装着する状態を説明するための図である。
図15Aは、プロセスユニット2が装着されていないときの遮光部材29等の状態を示しており、図15Bは、プロセスユニット2を画像形成装置1本体に装着した状態を示している。
図15A、図15Bにおいて、画像形成装置1本体に形成された、プロセスユニット2の装着のための空間300の両側には画像形成装置1本体の側壁101が形成されている。
この側壁101の外側に画像形成装置1の外カバー(図示せず)が配置される。側壁101にはプロセスユニット2の着脱の際にプロセスユニット2をガイドし、装着時に支持するガイドレール102が形成されている。側壁101の一方には遮光部材29の移動範囲にわたって開口部103が形成されており、遮光部材29がこの開口部103に取り付けられている。
遮光部材29は水平方向に回動可能となっており、回動軸291は矢印で示すプロセスユニット2の挿入方向の手前側に配置されている。
側壁101の開口部103の外側には現像剤残量検知のためのセンサ30が配置され、ブラケット31により側壁101に取り付けられている。
遮光部材29は、図15Aに示したようにバネ部材32により空間300の方向に付勢されており、プロセスユニット2が装着されていない状態では図15Aに示すようにその端部が空間300の内側に少し入り込むとともに、側壁101の外側にあるセンサ30の光を遮らないような状態になっている。
このような構成において、プロセスユニット2は、ガイドレール102に沿って、矢印で示す方向に挿入されて装着される。このときに遮光部材29はアーム28の外側面に当接し、回動軸291を中心として側壁101の外側にあるセンサ30の方向へ少し回動し初期状態になる。初期状態では、アーム28は遮光部材29に接触しない。このとき、遮光部材29は、バネ部材32の弾力によって初期位置にあり、遮光部材29はその初期位置において現像剤十分有りの状態では、センサ30の光を遮らない位置になるように設定されている。ただし、遮光部材29の形状、位置関係を変えて光を少し遮るようにすることもでき、この場合には現像剤エンド直前の状態又は現像剤無しの状態を検出する閾値を調整することで、プロセスユニット2の装着か現像剤エンド直前の状態か現像剤無しの状態かの区別をすることができる。
画像形成装置1にプロセスユニット2を装着したばかりの際、遮光部材29は、図16Aに実線で示すように初期位置にある。
図16Aに破線で示す位置は、画像形成装置1本体にプロセスユニット2を装着した状態で、遮光部材29が、アーム28に押圧されて現像剤十分有りの状態を示す位置である。この状態において、遮光部材29は、プロセスユニット2を装着するときの初期状態から回動しはじめるがその回動角度範囲が小さい。従って、遮光部材29は、このとき、現像剤が十分有りの状態を検知・確定するように、光学センサ30の光を遮らない位置になる。
図16Bに破線で示す位置は、画像形成装置1本体にプロセスユニット2を装着した状態で、遮光部材29が、現像剤エンド直前の状態を示す位置である。この状態において、アーム28の回動は、遮光部材29を、プロセスユニット2を装着するときの初期状態から回動させはじめるがその回動角度範囲が大きくなる。従って、遮光部材29は、このとき、現像剤エンド直前の状態を検知・確定するように、ちょうど光学センサ30の光を遮る位置になる。
図16Cに破線で示す位置は、画像形成装置1本体にプロセスユニット2を装着した状態で、遮光部材29が、現像剤エンドの状態を示す位置である。この状態において、アーム28の回動は、遮光部材29を、プロセスユニット2を装着するときの初期状態から回動させはじめるがその回動角度範囲がさらに大きくなる。従って、遮光部材29は、このとき、現像剤エンドの状態を検知・確定するように、光学センサ30の光を遮る位置を通り、光学センサ30の光に対して上記の初期位置の反対側にあり、光学センサ30の光を遮らない位置になる。
また、図17は、プロセスユニット2を画像形成装置1本体に装着した状態を示す平面図である。画像形成装置1が備えるバネ部材33で、プロセスユニット2を画像形成装置1の奥側に押しつけている。これによって、遮光部材29とアーム28と間の距離が短くなり、また、一定した力で押されることから、安定した検知動作をさせることができる。
図18A、図18B、図18Cは、図16A、図16B、図16Cに対応した、光学センサ30からの出力信号を示している。
光学センサ30は、図16A、図16B、図16Cの三つの状態に対応した電気信号を出力している。現像ユニット20の現像室35に現像剤が十分ある状態では、信号出力として、図18Aに示すように、レベルLが出力される。
現像室35が現像剤エンド直前の状態では、遮光部材29により攪拌・搬送部材24の回動のサイクルで、センサ30の光が長時間にわたって遮られるので、図18Bに示すように、それに対応した信号出力としてパルス継続時間の長いレベルHの一つのパルスが現れる。
現像室35が現像剤エンドの状態では、遮光部材29により攪拌・搬送部材24の回動のサイクルで、センサ30の光が短く遮られるので、図18Cに示すように、それに対応した信号出力としてパルス継続時間の短いレベルHの二つのパルスが現れる。
上記実施例において、図16に示すように、遮光部材29は光学センサ30の光を遮る一つの突出部しかないが、本発明はこれに限られるものではない。本分野の技術者は、現像室35における現像剤の残量を示すように、上記の遮光及び非遮光の状態を組み合わせることができる。残量をより細かいパルスで示すように、残量のランクに基づき、相応的な各パルスの組み合わせを形成する。例えば、遮光部材29が光学センサ30の光を遮る二つ以上の突出部を有することによって、より細かいパルス数になる。さらに具体的に言えば、遮光部材29が光学センサ30の光を遮る二つの突出部を有する場合、レベルHのパルス数は、最大で四つとなる。現像室35における現像剤の各残量状態をそれぞれ示す五つのパルス数状態を示すことができる。五つのパルス数状態から三つの状態を選択して現像室35における上記の現像剤の三つの残量状態をそれぞれ示してもよい。
このようにして、簡単な構造により現像室35における現像剤の残量状態を簡単且つ有効に判断できる。
次に図19〜図22を参照して本発明の第2実施例を説明する。第2実施例では、上記の第1実施例と同じ部材については同じ符号を用い、同じ説明を省略するものとする。
図19に示すように、第2実施例における光学センサは、発光素子及び受光素子を有する反射型の光学センサである。光学センサ38は、プロセスユニット2に固定的に取り付けられ、例えば、ブラケット39を介して装置1本体のアーム28に対応する位置に取り付けられる。第1実施例と同様に、アーム28は、現像ユニット20より露出し、光学センサ38の発光面/受光面と対向する表面が優れた反射性能を有する反射面なので、光学センサ38からの光をよく反射させる。
本実施例では、反射型の光学センサ38を用い、回動部材としてのアーム28の回動を検知することによって、現像室35における現像剤の残量を検知するが、本発明はこれに限られるものではない。本分野の技術者は、実際の構造及び使用要求に基づき他の種類の光学センサを使い、アーム28の回動を検知することができる。例えば、上記実施例で使用された透過型光学センサを用いるが、その際、反射面に特別な要求がない。
上記の実施例に記載したように、本実施例では、現像装置20の外に露出して取り付けられたアーム28が検知部材27とともに同一の回動軸271aに設置され、両者は同軸で回動する。アーム28の回動角度範囲は検知部材27の回動角度範囲によるものである。アーム28の回動過程において、光学センサ38によりアーム28の回動を検知することによって、検知部材27の回動が検知され、現像室35における現像剤の残量を確定する。
上記のように、アーム28の回動角度範囲は検知部材27の回動角度範囲によって変化する。アーム28は、検知部材27に伴う最大回動範囲内において、順番に、非反射位置、反射位置、そして再度の非反射位置になる。
光学センサ38によりアーム28の回動過程における回動位置を検知することによって、現像室35における現像剤の残量を検知することができるので、現像室35における現像剤の残量が、十分有りの状態、現像剤エンド直前の状態、現像剤無しの状態のうちのいずれであるかを確定することができる。
図19A及び図19Bは、本発明の第2実施例に係るプロセスユニット2を画像形成装置1本体に取り付けた状態を示す。光学センサ38がアーム28と互いに対向し、プロセスユニット2の外部に設置される。
図19Bにプロセスユニット筐体205の側面の一方を示す。その側面には、アーム28が回動可能な範囲にわたって、収納部207が形成されており、アーム28はこの収納部207から露出した状態で配置されている。検知部材27の回動軸271aの端面およびアーム28の外側の面は、筐体205の外側面と同じ面になるように配置されている。
このようにすることによりアーム28および回動軸271aが筐体205から外側へ突出することがないため、プロセスユニット2を着脱するときに円滑に動かすことができる。
図19Bに示すように、光学センサ38の発光素子から射出された光は、図19Bの収納部207の右側下方位置に入射されており、アーム28は回動軸271aの回りをこの収納部207の実線で示された初期位置から上記光のある位置に回動することができる。上記の初期位置は、プロセスユニット2を画像形成装置1本体に取り付けた状態で、現像ユニット20における現像剤がまだ利用されていない時の位置である。
プロセスユニット2を画像形成装置1本体に取り付けたとき、アーム28は図20Aに実線で示す初期位置にある。
図20Aに破線で示す位置は、画像形成装置1本体にプロセスユニット2を装着した状態で、アーム28が、現像剤十分有りの状態を示す位置である。この状態において、アーム28は、プロセスユニット2を装着するときの初期状態から回動しはじめるがその回動角度範囲が小さい。従って、アーム28は、光学センサ38の光を反射しない位置にある。このとき受光素子は、アーム28から反射された光を受光することがない。その結果、このとき、現像剤が十分有りの状態を検知・確定する。
図20Bに破線で示す位置は、画像形成装置1本体にプロセスユニット2を装着した状態で、アーム28が、現像剤エンド直前の状態を示す位置である。この状態において、アーム28は、プロセスユニット2を装着するときの初期状態から回動しはじめるがその回動角度範囲が大きくなる。従って、アーム28は、ちょうど光学センサ38の光を反射する位置となる。このとき受光素子は、アーム28から反射された光を受光する。その結果、このとき、現像剤エンド直前の状態を検知・確定する。
図20Cに破線で示す位置は、画像形成装置1本体にプロセスユニット2を装着した状態で、アーム28が、現像剤エンドの状態を示す位置である。この状態において、アーム28は、プロセスユニット2を装着するときの初期状態から回動しはじめるがその回動角度範囲がさらに大きくなる。従って、アーム28は、光学センサ38の光を反射する位置を通り、光学センサ38の光に対して上記の初期位置の反対側にあり、光学センサ38の光を反射しない位置にある。アーム28は、光学センサ38の光を反射する位置を通るときに光学センサ38の光を反射し、光学センサ38の受光素子にこの反射された光を受光させ、そして再び光を反射しない位置に入る。その結果、このとき、現像剤エンドの状態を検知・確定する。
図21A、図21B、図21Cは、図20A、図20B、図20Cに対応した、光学センサ38からの出力信号を示している。
光学センサ38は、図20A、図20B、図20Cの三つの状態に対応した電気信号を出力している。現像ユニット20の現像室35に現像剤が十分ある状態では、信号出力として、図21Aに示すように、レベルLでパルスなしが出力される。
現像室35が現像剤エンド直前の状態では、アーム28により攪拌・搬送部材24の回動のサイクルで、センサ38の光がアーム28によって長時間にわたって反射され、受光素子によって受光されるので、図21Bに示すように、それに対応した信号出力としてパルス継続時間の長いレベルHの一つのパルスが現れる。
現像室35が現像剤エンドの状態では、アーム28により攪拌・搬送部材24の回動のサイクルで、光学センサ38の光がアーム28によって短く反射され、受光素子によって受光されるので、図21Cに示すように、それに対応した信号出力としてパルス継続時間が図21Bのものよりも短いレベルHの二つのパルスが現れる。
図22に示すように、画像形成装置1には、画像形成装置1の構造をできるだけコンパクトにし且つ小型化させるため、光学センサ38の発光素子の射出光の光路内の、アーム28の後ろ側に、他の部材、例えば回転ギア、側壁などが設置されるかもしれない。図22に、ギアが設置されたケースを示す。光学センサ38の光は、それら他の部材の表面でも反射され、受光素子は、このような反射光も受光する。このような反射光とアーム28の反射光とが混合され、現像室35における現像剤の残量の検知精度を低下させ、或いは、検知できなくするなどの問題が生じる。
そこで、現像室35における現像剤の残量をより正しく検知するため、光学センサ38の発光素子の射出光の光路内には、アーム28以外の他の部材を設置しないことが望ましい。或いは、それら他の部材は、光学センサ38の射出光を反射しないことが望ましい。或いは、それら他の部材が反射した光は受光素子によって受光されないことが望ましい。即ち、光学センサ38の発光素子の射出光の光路内にある、アーム28の反射面以外の他の部材の表面は、光学センサ38の射出光を有効に反射せず、或いは、それら他の部材の表面の反射率は、アーム28の反射面の反射率よりも顕著に低いものであり、或いは、それら他の部材の表面で反射された光は、受光素子382によって受光されないことが望ましい。
本発明は、反射型光学センサ38の発光素子の射出光の光路内に、光学センサ38の受光素子にアーム28の反射面以外の他の表面で有効に反射された光が入射するのを避けるため、それら他の表面の反射率がアーム28の反射面の反射率よりも顕著に低くなるように、それら他の部材の表面に表面処理を施すことを提案する。或いは、現像室35における現像剤の残量の検知精度が低下するのを避けるため、光学センサ38の受光素子によって受光される、それら他の表面で反射された光の強度が、アーム28の反射面で反射された光の強度よりも顕著に低くなるようにしてもよい。
光学センサ38の発光素子の射出光の光路内において、光学センサ38の発光素子の射出光は、その反射面以外の他の表面で反射される反射角を、その反射面で反射される反射角と異なるようにする。例えば、それら他の表面で反射される光が受光素子によって受光されないように、それら他の表面をその反射面に対して傾斜させるようにする。
さらに、図22に示すように、反射型光学センサ38を使い、現像室35における現像剤の残量をより正しく検知するため、以下の関係を満たすように反射型光学センサ38とアーム28の反射面との距離を限定することができる。
X<A−1
Y>A+1
そのうち、符号の意味は以下の通りである。
A―反射型光学センサ38が、反射面を検知可能な、光学センサ38の光射出面からアーム28までの最大検知距離。単位:mm
X―反射型光学センサ38の光射出面からアーム28の反射面までの距離。単位:mm
Y―反射型光学センサ38の光射出面から、光学センサ38の射出光の光路内における、アーム28の反射面の後ろ側にある他の表面までの最小距離。単位:mm
上記のような距離限定により、同一の反射型光学センサに対して、光学センサ38とアーム28の反射面との間の距離と、光学センサ38とそれら他の表面との間の距離との差をさらに利用し、その反射面からの反射光を受光させながらも、それら他の表面からの反射光を受光させないようにする。これにより、必要な検知を実現しながら、必要のない妨害による誤検知を避けるようにする。
上記の説明のように、本実施例の現像ユニット20において、検知部材27は、感光体3に形成された静電潜像を現像させる現像ローラに現像剤を供給する供給ローラ22の付近に設置され、この検知部材27により現像室35、特に供給ローラ22の付近にある現像剤の残量を検知できる。検知部材27の回動は、画像形成装置1に伝送され、画像形成装置1の光学センサが現像剤の残量を検知する。
攪拌・搬送部材24により、現像剤は、仕切部36を乗り越え現像室35に搬送される。攪拌・搬送部材24から同期部材26を介して駆動力を検知部材27に伝達する。それにより、攪拌・搬送部材24の搬送操作とタイミングを取りながら、現像剤の残量を検知する。
また、回動する同期部材26の軸孔262に入った現像剤を排出することによって、長期間にわたって現像剤エンドを安定的に検知できる。
上記の説明のように、本発明の第1実施例では透過型光学センサ、第2実施例では反射型光学センサを用いるが、本発明はこれに限られるものではない。本分野の技術者は、具体的要求及び構造に基づき様々な異なる変更を加え得る。例えば、本発明の第1実施例に反射型光学センサを用い、遮光部材29の回動を検知し、第2実施例に透過型光学センサを用い、アーム28の回動を検知する。
以上は本発明の実施例と図面であるが、より良い実施例及び図面を挙げて説明をするだけで、本発明の技術的範囲を制限するものではない。同等の技術手段、又は請求項の内容が包含する範囲の実施は、全て本発明の技術的範囲を逸脱することなく出願人の権利範囲に含まれるものとする。