JP6450333B2 - 基板処理方法、基板処理装置及び基板処理システム - Google Patents

基板処理方法、基板処理装置及び基板処理システム Download PDF

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Description

本開示は、基板処理方法、基板処理装置及び基板処理システムに関する。
半導体の製造工程においては、フォトリソグラフィによりレジスト膜にパターン(以下、「レジストパターン」という。)を形成することが広く行われている。近年、レジストパターンの微細化に伴って、レジストパターンの境界線の平滑性(以下、「レジストパターンの平滑性」という。)を高めることが望まれる。特許文献1には、現像処理後のレジストパターンにエネルギー線を照射して溶解阻害性保護基を分解した上で、レジストパターンの表面のみが溶解するようにレジストパターンの表面に溶剤気体を供給する方法が開示されている。
特開2005−19969号公報
本開示は、レジストパターンの平滑性をより簡単に高めることができる方法、装置及びシステムを提供することを目的とする。
本開示の一形態に係る基板処理方法は、基板の表面上に形成されたレジスト膜に現像処理を施すこと、現像処理の後に、基板が配置される空間に不活性ガスを供給すること、不活性ガスを通してレジスト膜にエネルギー線を照射すること、を含む。
フォトリソグラフィにより形成されるレジストパターンの表層部分においては、露光処理及び現像処理における化学反応が不十分となる傾向がある。この場合、表層部分には凹凸が生じ易く、これがレジストパターンの平滑性を低下させる要因となり得る。一方、レジストパターンにおいて化学反応が不十分である箇所は、エネルギー線の照射によって昇華させ得る。
そこで本基板処理方法では、現像処理の後にレジスト膜にエネルギー線が照射される。これにより、凹凸の生じていた表層部分が除去され、レジストパターンの平滑性が高められる。また、エネルギー線は、不活性ガスを通してレジスト膜に照射される。すなわち、エネルギー線は、レジスト膜のうち不活性ガスに覆われた部分に照射される。これにより、例えばオゾンのように、レジストパターンを浸食し得るガスの発生が抑制されるので、エネルギー線の照射により高められたレジストパターンの平滑性が保たれる。従って、溶剤による溶解処理を施すことなくレジストパターンの平滑性が高められるので、レジストパターンの境界線の平滑性をより簡単に高めることができる。
現像処理の後に、基板を加熱することを更に含んでもよい。この場合、レジストパターンの平滑性が高められるのに加えて、加熱によりレジストパターンの安定性が高められるので、より理想的なレジストパターンを得ることができる。
更に、本基板処理方法によれば、帯電した基板を除電することができる。現像処理等の液処理工程では、基板が帯電する場合がある。例えば、負に帯電し易い樹脂製チューブ(例えばフッ素樹脂製チューブ等)で処理液の管路が構成されている場合、処理液は、基板に到達するまでの間に正に帯電し得る。正に帯電した処理液が基板の表面に供給されると、基板の表面に電子が集まり易くなり、これによって基板の表面が負に帯電し得る。このように帯電した基板にエネルギー線を照射すると、基板内に偏在する電子が活性化される。活性化された電子は、基板内に生じている電位差を解消するように移動する。これにより、基板の表面が除電される。
帯電した基板を除電する他の手法として、例えば、加熱により電子を活性化させる手法、又は逆極性に帯電した物質(以下、「除電用物質」という。)をイオナイザにより基板の表面に供給して極性を中和させる手法等が挙げられる。加熱により電子を活性化する手法の場合、レジストパターンの品質に悪影響を及ぼすおそれがある。イオナイザを用いる手法の場合、基板の表面に異物が残留する可能性がある。また、除電用物質の供給量によっては基板を逆極性に帯電させてしまうおそれもある。これに対し、エネルギー線を照射する手法によれば、レジストパターンの品質への悪影響、異物の残留、及び逆極性への基板の帯電等を生じることなく、帯電した基板を除電することができる。
基板の帯電を抑制する手法として、処理液自体の帯電を抑制する手法が挙げられる。処理液自体の帯電を抑制する手法としては、処理液に二酸化炭素を溶解させる手法が挙げられる。しかしながら、処理液の帯電を完全に防止することは難しいので、基板の帯電を十分に解消できない可能性がある。これに対し、帯電した基板をエネルギー線の照射により除電する手法によれば、エネルギー線の照射量の調整によって基板の帯電を十分に解消できる。
基板の帯電は、その後の工程において不具合の要因となる可能性がある。例えば、基板上に形成される電気回路要素の破壊等の不具合が生じる可能性がある。従って、本基板処理方法は、後工程における歩留り向上に寄与し得る。
レジスト膜にエネルギー線を照射した後に基板を加熱してもよい。この場合、エネルギー線の照射により昇華した後、レジストパターンに再度付着した成分を加熱により除去できるので、レジストパターンの平滑性をより確実に高めることができる。
現像処理の後、レジスト膜にエネルギー線を照射する前に基板を加熱してもよい。この場合、不活性ガスの供給と、基板の加熱とを並行して実行できるので、スループットを向上させることができる。
レジスト膜にエネルギー線を照射しているときに、エネルギー線の照射箇所を変えるように基板を搬送することを更に含んでもよい。この場合、基板の全域に同時にエネルギー線を照射する場合に比べて、エネルギー線の光源を小型化できる。
レジスト膜の種類、現像処理によりレジスト膜に形成されるパターンのサイズ、及びレジスト膜の厚さの少なくとも一つに基づいて、エネルギー線の照射量の目標値を設定すること、レジスト膜に対するエネルギー線の照射量が目標値に近付くように、エネルギー線の照射中における基板の搬送速度を設定すること、を更に含んでもよい。この場合、基板の搬送速度の調整によりエネルギー線の照射量を調整することで、レジストパターンの平滑性をより確実に高めることができる。
本開示に係る基板処理装置は、基板を加熱するための加熱部を有し、基板を収容する第一処理室と、第一処理室に隣接し、基板を収容する第二処理室と、第一処理室及び第二処理室の一方から他方に基板を搬送する搬送機構と、第二処理室内において第一処理室側に設けられ、搬送機構により搬送される基板の表面にエネルギー線を照射する照射部と、第二処理室内に不活性ガスを供給するガス供給部と、を備える。
この基板処理装置によれば、基板の表面上に形成されたレジスト膜に現像処理が施された後に、基板が配置される空間に不活性ガスを供給すること、不活性ガスを通してレジスト膜にエネルギー線を照射すること、を実行可能である。従って、レジストパターンの境界線の平滑性をより簡単に高めることができる。また、加熱によりレジストパターンの安定性を高めることもできるので、より理想的なレジストパターンを得ることができる。更に、搬送機構により基板を搬送することで、エネルギー線の照射位置を変えることができるので、照射対象の全域に同時にエネルギー線を照射する構成に比べて、エネルギー線の光源を小型化することができる。
ガス供給部は、第一処理室及び第二処理室の間を遮るように不活性ガスを吐出する吐出口を有してもよい。この場合、第一処理室及び第二処理室の一方から他方に基板を搬送する際に、第二処理室からの不活性ガスの漏出が抑制される。これにより、エネルギー線の照射に際して、レジスト膜をより確実に不活性ガスで覆うことができる。従って、レジストパターンの平滑性をより確実に高めることができる。
第一処理室内に開口し、第一処理室内のガスを排出する第一排気口と、第二処理室内に開口し、第二処理室内のガスを排出する第二排気口とを更に備えてもよい。この場合、エネルギー線の照射及び加熱により昇華した成分が第一排気口及び第二排気口から排出されるので、当該成分がレジスト膜に再付着することを抑制できる。従って、レジストパターンの平滑性をより確実に高めることができる。
第一排気口は、第一処理室内に配置される基板の表面に対向するように配置されていてもよい。この場合、加熱によりレジスト膜から昇華する成分をより確実に第一排気口から排出できる。
本開示に係る基板処理システムは、上記基板処理装置と、現像装置と、コントローラとを備え、コントローラは、基板の表面に形成されたレジスト膜に現像処理を施すように現像装置を制御すること、現像処理の後に、第二処理室内に不活性ガスを供給するようにガス供給部を制御すること、第一処理室及び第二処理室の一方から他方に基板を搬送するように搬送機構を制御すること、搬送機構が基板を搬送しているときに、不活性ガスを通してレジスト膜にエネルギー線を照射するように照射部を制御すること、を実行するように構成されている。
この基板処理システムでは、コントローラにより、レジスト膜に現像処理を施すこと、現像処理後に、基板が配置される空間に不活性ガスを供給すること、不活性ガスを通してレジスト膜にエネルギー線を照射すること、を自動的に実行可能である。従って、レジストパターンの境界線の平滑性をより簡単に高めることができる。更に、コントローラにより実行される処理は、搬送機構により基板を搬送することで、エネルギー線の照射位置を変える工程を含むので、照射対象の全域に同時にエネルギー線を照射する構成に比べて、エネルギー線の光源を小型化することができる。
本開示に係る記録媒体は、上記基板処理方法を装置に実行させるためのプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本開示によれば、レジストパターンの平滑性をより簡単に高めることができる。
基板処理システムの概略構成を示す斜視図である。 図1中のII−II線に沿う断面図である。 図2中のIII−III線に沿う断面図である。 エネルギー線照射ユニットの模式図である。 図4中のV−V線に沿う断面図である。 エネルギー線照射ユニットの変形例を示す模式図である。 基板処理手順を示すフローチャートである。 第二処理室に基板が搬入された状態を示す模式図である。 第二処理室に不活性ガスが供給されている状態を示す模式図である。 レジスト膜にエネルギー線が照射されている状態を示す模式図である。 昇降ピンにより基板を上昇させた状態を示す模式図である。 基板が加熱されている状態を示す模式図である。 基板処理手順の変形例を示すフローチャートである。 平面視にてレジストパターンを拡大した図である。 レジストパターンの平滑性が高められる原理を示す図である。 エネルギー線の照射前後における表面電位の測定結果を示すグラフである。
以下、実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
〔基板処理システム〕
まず、基板処理システムの一例として、塗布・現像装置2の概要を説明する。図1に示すように、塗布・現像装置2は、露光装置3と連携し、レジストパターン形成システム1を構成する。塗布・現像装置2は、露光装置3による露光処理の前に、ウェハW(基板)の表面にレジスト膜を形成する処理を行い、露光処理後にレジスト膜の現像処理を行う。
図1〜図3に示すように、塗布・現像装置2は、キャリアブロック4と、処理ブロック5と、インタフェースブロック6と、コントローラ100とを備える。キャリアブロック4、処理ブロック5及びインタフェースブロック6は、水平方向に並んでいる。
キャリアブロック4は、キャリアステーション12と搬入・搬出部13とを有する。搬入・搬出部13はキャリアステーション12と処理ブロック5との間に介在する。キャリアステーション12は、複数のキャリア11を支持する。キャリア11は、例えば円形の複数枚のウェハWを密封状態で収容し、ウェハWを出し入れするための開閉扉(不図示)を一側面11a側に有する。キャリア11は、側面11aが搬入・搬出部13側に面するように、キャリアステーション12上に着脱自在に設置される。
搬入・搬出部13は、キャリアステーション12上の複数のキャリア11にそれぞれ対応する複数の開閉扉13aを有する。側面11aの開閉扉と開閉扉13aとを同時に開放することで、キャリア11内と搬入・搬出部13内とが連通する。搬入・搬出部13は受け渡しアームA1を内蔵している。受け渡しアームA1は、キャリア11からウェハWを取り出して処理ブロック5に渡し、処理ブロック5からウェハWを受け取ってキャリア11内に戻す。
処理ブロック5は、複数の処理モジュール14,15,16,17を有する。処理モジュール14,15,16は、複数の液処理ユニットと、複数の熱処理ユニットと、これらのユニットにウェハWを搬送する搬送アームA3とを内蔵している。
処理モジュール14は、液処理ユニット及び熱処理ユニットによりウェハWの表面上に下層膜を形成する。液処理ユニットは、処理液の一例として、下層膜形成用の液体をウェハW上に塗布する。熱処理ユニットは、下層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、液体の塗布により形成された液膜を硬化させるための加熱処理が挙げられる。
処理モジュール15は、液処理ユニット及び熱処理ユニットにより下層膜上にレジスト膜を形成する。液処理ユニットは、処理液の一例として、レジスト膜形成用の液体を下層膜の上に塗布する。熱処理ユニットは、レジスト膜の形成に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、液体の塗布により形成された液膜を硬化させるための加熱処理が挙げられる。
処理モジュール16は、液処理ユニット及び熱処理ユニットによりレジスト膜上に上層膜を形成する。処理モジュール16の液処理ユニットは、処理液の一例として、上層膜形成用の液体をレジスト膜の上に塗布する。処理モジュール16の熱処理ユニットは、上層膜の形成に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、液体の塗布により形成された液膜を硬化させるための加熱処理が挙げられる。
図2及び図3に示すように、処理モジュール17は、現像ユニットU1と、熱処理ユニットU2と、エネルギー線照射ユニットU3と、これらのユニットにウェハWを搬送する搬送アームA3と、これらのユニットを経ずにウェハWを搬送する直接搬送アームA6とを内蔵している。現像ユニットU1は、露光済みのレジスト膜の現像処理を行う。具体的には、レジスト膜に現像液及びリンス液を順次供給し、レジスト膜の可溶部分を除去する。熱処理ユニットU2は、現像処理に伴う各種熱処理を行う。熱処理の具体例としては、現像処理前の加熱処理(PEB:Post Exposure Bake)が挙げられる。エネルギー線照射ユニットU3は、レジスト膜にエネルギー線を照射する処理を行う。
処理ブロック5内におけるキャリアブロック4側には棚ユニットU10が設けられている。棚ユニットU10は、床面から処理モジュール16に亘るように設けられており、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。棚ユニットU10の近傍には昇降アームA7が設けられている。昇降アームA7は、棚ユニットU10のセル同士の間でウェハWを昇降させる。
処理ブロック5内におけるインタフェースブロック6側には棚ユニットU11が設けられている。棚ユニットU11は床面から処理モジュール17の上部に亘るように設けられており、上下方向に並ぶ複数のセルに区画されている。
インタフェースブロック6は、受け渡しアームA8を内蔵しており、露光装置3に接続される。受け渡しアームA8は、棚ユニットU11に配置されたウェハWを露光装置3に渡し、露光装置3からウェハWを受け取って棚ユニットU11に戻す。
コントローラ100は、概ね以下の手順で塗布・現像装置2を制御する。まず、コントローラ100は、キャリア11内のウェハWを棚ユニットU10に搬送するように受け渡しアームA1を制御し、このウェハWを処理モジュール14用のセルに配置するように昇降アームA7を制御する。その後コントローラ100は、処理モジュール14の各ユニットにウェハWを搬送するように搬送アームA3を制御し、搬送アームA3により搬送されたウェハWの表面Wa上に下層膜を形成するように液処理ユニット及び熱処理ユニットを制御する。下層膜の形成が完了すると、コントローラ100は、ウェハWを棚ユニットU10に戻すように搬送アームA3を制御する。
次に、コントローラ100は、ウェハWを処理モジュール15用のセルに配置するように昇降アームA7を制御する。その後コントローラ100は、処理モジュール15の各ユニットにウェハWを搬送するように搬送アームA3を制御し、搬送アームA3により搬送されたウェハWの下層膜上にレジスト膜を形成するように液処理ユニット及び熱処理ユニットを制御する。レジスト膜の形成が完了すると、コントローラ100は、ウェハWを棚ユニットU10に戻すように搬送アームA3を制御する。
次に、コントローラ100は、ウェハWを処理モジュール16用のセルに配置するように昇降アームA7を制御する。その後コントローラ100は、処理モジュール16の各ユニットにウェハWを搬送するように搬送アームA3を制御し、搬送アームA3により搬送されたウェハWのレジスト膜上に上層膜を形成するように液処理ユニット及び熱処理ユニットを制御する。上層膜の形成が完了すると、コントローラ100は、ウェハWを棚ユニットU10に戻すように搬送アームA3を制御する。
次に、コントローラ100は、ウェハWを処理モジュール17用のセルに配置するように昇降アームA7を制御する。その後コントローラ100は、棚ユニットU11にウェハWを搬送するように直接搬送アームA6を制御し、このウェハWを露光装置3に送り出すように受け渡しアームA8を制御する。露光装置3における露光処理が完了すると、コントローラ100は、ウェハWを露光装置3から受け入れて棚ユニットU11に戻すように受け渡しアームA8を制御する。
次に、コントローラ100は、ウェハWを処理モジュール17の現像ユニットU1及び熱処理ユニットU2に搬送するように搬送アームA3を制御し、搬送アームA3により搬送されたウェハWのレジスト膜の現像処理及びこれに伴う熱処理を行うように現像ユニットU1及び熱処理ユニットU2を制御する。更にコントローラ100は、ウェハWをエネルギー線照射ユニットU3に搬送するように搬送アームA3を制御し、レジスト膜にエネルギー線を照射するようにエネルギー線照射ユニットU3を制御する。これらの処理が完了すると、コントローラ100は、ウェハWを棚ユニットU10に戻すように搬送アームA3を制御し、このウェハWをキャリア11内に戻すように昇降アームA7及び受け渡しアームA1を制御する。以上で、塗布・現像処理が完了する。
(基板処理装置)
続いて、基板処理装置の一例として、エネルギー線照射ユニットU3について詳細に説明する。図4及び図5に示すように、エネルギー線照射ユニットU3は、第一処理室20Aと、第二処理室20Bと、搬送機構40と、照射部50と、ガス供給部60とを備える。
第一処理室20Aは、ウェハWを加熱するための加熱部30を有し、ウェハWを収容する。図4に例示される加熱部30は、熱板31と、昇降機構32とを有する。熱板31は、水平な板状部材であり、内部に一つ又は複数のヒータを内蔵している。昇降機構32は、熱板31上においてウェハWを昇降させる。例えば昇降機構32は、例えば鉛直な複数(例えば三本)の昇降ピン33と、昇降ピン33を支持する支持板34と、支持板34を昇降させる駆動部35とを有し、熱板31の下方に配置されている。熱板31には、複数の昇降ピン33にそれぞれ対応する複数の貫通孔が設けられている。昇降ピン33の昇降に伴って、昇降ピン33の先端部は、熱板31の上部に出没する。これにより、熱板31上においてウェハWが昇降する。なお、加熱部30の構成は、図4に例示したものに限られない。加熱部30は、ウェハWを加熱可能であればどのようなものであってもよい。例えば加熱部30は、赤外線を照射してウェハWを加熱するものであってもよい。
第二処理室20Bは、第一処理室20Aに隣接し、ウェハWを収容する。第二処理室20B内は、第一処理室20A内に連通する。第一処理室20Aの逆側において、第二処理室20Bは外側に開口している。この開口は、ウェハWの入出口として機能する。
搬送機構40は、第一処理室20A及び第二処理室20Bの一方から他方にウェハWを搬送する。すなわち搬送機構40は、第二処理室20Bから第一処理室20AにウェハWを搬送し、第一処理室20Aから第二処理室20BにもウェハWを搬送する。図4に例示される搬送機構40は、冷却板41と、駆動部42とを有する。冷却板41は、水平な板状を呈し、搬送対象のウェハWを支持する。冷却板41には、昇降ピン33との干渉を避けるための複数の溝部41aが形成されている。
冷却板41は、加熱部30により加熱されたウェハWを冷却する役割も担う。ウェハWを素早く冷却するために、冷却板41には、冷却用の流体を通す管路が埋設されていてもよい。駆動部42は、第一処理室20A及び第二処理室20Bが並ぶ方向に沿って冷却板41を移動させる。駆動部42の具体例としては、電動式のリニアアクチュエータなどが挙げられるがこれに限られない。駆動部42は、冷却板41の移動・位置決めが可能であればどのようなものであってもよい。
照射部50は、第二処理室20B内において第一処理室20A側に設けられ、搬送機構40により搬送されるウェハWの表面にエネルギー線を照射する。図4に例示される照射部50は、第二処理室20B内の天井部に取り付けられており、下方にエネルギー線を出射する光源を内蔵している。エネルギー線としては、例えば波長172〜193nmの紫外線が挙げられる。
ガス供給部60は、第二処理室20B内に不活性ガスを供給する。不活性ガスとしては、例えば窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。図4に例示されるガス供給部60は、少なくとも一つの吐出口61と、供給源62と、バルブ63とを有する。吐出口61は第二処理室20B内に開口する。供給源62は吐出口61に不活性ガスを供給する。バルブ63は、供給源62及び吐出口61を接続する管路に設けられ、当該管路を開閉する。
吐出口61は、第二処理室20B内に不活性ガスを吐出可能であればどのように配置されていてもよい。ガス供給部60は複数の吐出口61を有してもよい。複数の吐出口61の少なくとも一部は、第一処理室20A及び第二処理室20Bの間を遮る方向に不活性ガスを吐出するように配置されていてもよい。すなわちガス供給部60は、第一処理室20A及び第二処理室20Bの間を遮るように不活性ガスを吐出する吐出口61を有してもよい。例えば複数の吐出口61の少なくとも一部は、第一処理室20Aと照射部50との間において、第一処理室20A及び第二処理室20Bの境界線に沿って並び、それぞれ下方に開口していてもよい。
エネルギー線照射ユニットU3は、排気口21A,21Bを更に備えてもよい。排気口21A(第一排気口)は、第一処理室20A内に開口し、第一処理室20A内のガスを排出する。排気口21B(第二排気口)は、第二処理室20B内に開口し、第二処理室20B内のガスを排出する。図4及び図5に例示されるエネルギー線照射ユニットU3では、第一処理室20Aの奥側の壁部に排気口21Aが設けられており、第二処理室20Bの各側壁部に複数の排気口21Bが設けられている。これらの排気口21A,21Bは排気ダクト22に接続されている。第一処理室20A及び第二処理室20B内から排気ダクト22に流出したガスは、例えばフィルタ等の浄化装置を経て放出される。
排気口21A,21Bは、第一処理室20A及び第二処理室20B内のガスを排出可能であればどのように配置されていてもよい。例えば排気口21Aは、第一処理室20A内に配置されるウェハWの表面に対向するように配置されていてもよい。具体的に、排気口21Aは、第一処理室20A内の天井部に設けられ、下方に開口していてもよい(図6参照)。
エネルギー線照射ユニットU3は、シャッター23A,23Bを更に備えてもよい。シャッター23Aは、第一処理室20A及び第二処理室20Bの間を開閉する。シャッター23Bは、第二処理室20Bの上記入出口を開閉する。シャッター23A,23Bのそれぞれは、例えば開閉用の仕切板24と、仕切板24を昇降させる駆動部25とを有する。駆動部25の具体例としては、電動式のアクチュエータ又はエアシリンダ等が挙げられる。
(コントローラ)
続いて、コントローラ100について詳細に説明する。コントローラ100は、少なくともウェハWの表面に形成されたレジスト膜に現像処理を施すように現像ユニットU1を制御すること、現像処理の後に、第二処理室20B内に不活性ガスを供給するようにガス供給部60を制御すること、第一処理室20A及び第二処理室20Bの一方から他方にウェハWを搬送するように搬送機構40を制御すること、搬送機構40がウェハWを搬送しているときに、不活性ガスを通してレジスト膜にエネルギー線を照射するように照射部50を制御すること、を実行するように構成されている。
以下、このように構成されたコントローラ100の具体例について詳細に説明する。図3に示すように、コントローラ100は、機能モジュールとして、現像制御部111と照射制御部112とを有する。現像制御部111は、レジスト膜の現像処理を実行するように現像ユニットU1を制御する。照射制御部112は、図4に示すように、入出制御部121と、ガス供給制御部122と、搬送制御部123と、光源制御部124とを有する。入出制御部121は、第二処理室20Bの入出口を開閉させるようにシャッター23Bを制御する。ガス供給制御部122は、バルブ63を開閉するようにガス供給部60を制御する。搬送制御部123は、第一処理室20A及び第二処理室20Bの一方から他方へウェハWを搬送するように搬送機構40を制御する。光源制御部124は、エネルギー線を出射するように照射部50を制御する。
コントローラ100は、例えば一つ又は複数の制御用コンピュータにより構成されており、メモリに記録されたプログラムに従って各機能モジュールを構成する。コントローラ100は、例えばハードディスク、不揮発性の半導体メモリ、光ディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体から上記プログラムを読み出すように構成されていてもよい。上記プログラムは、後述の基板処理方法を塗布・現像装置2に実行させるためのプログラムを含む。
〔基板処理方法〕
続いて、基板処理方法の一例として、塗布・現像装置2の処理モジュール17において実行される処理手順について詳細に説明する。この処理手順は、少なくとも、ウェハWの表面上に形成されたレジスト膜に現像処理を施すこと、現像処理の後に、ウェハWが配置される空間に不活性ガスを供給すること、不活性ガスを通してレジスト膜にエネルギー線を照射すること、を含む。この処理手順は、現像処理の後に、ウェハWを加熱することを更に含んでもよいし、レジスト膜にエネルギー線を照射しているときに、エネルギー線の照射箇所を変えるようにウェハWを搬送することを更に含んでもよい。
これらの処理手順は、コントローラ100が塗布・現像装置2を制御することにより実行される。以下、これらの処理手順の具体例について説明する。
図7に示すように、コントローラ100は、まずステップS01を実行する。ステップS01では、現像制御部111が、レジスト膜に現像処理を施すように現像ユニットU1を制御し、現像処理に伴う各種熱処理を行うように熱処理ユニットU2を制御する。次に、コントローラ100はステップS02を実行する。ステップS02では、第二処理室20Bの入出口を開いてウェハWを受け入れ可能とするように、入出制御部121がシャッター23Bを制御する(図8参照)。この状態で、第二処理室20B内には、現像処理後のウェハWが搬送アームA3により搬入される。第二処理室20B内にウェハWが搬入されると、入出制御部121は、入出口を閉じるようにシャッター23Bを制御する。
次に、コントローラ100はステップS03を実行する。ステップS03では、ガス供給制御部122が、第二処理室20B内に不活性ガスGを供給するようにガス供給部60を制御する(図9参照)。不活性ガスGの供給と、排気口21Bからの排気とが同時に進行することにより、第二処理室20B内の気体が不活性ガスGに置換される。
次に、コントローラ100はステップS04を実行する。ステップS04では、搬送制御部123が、第一処理室20A及び第二処理室20Bの間を開放するようにシャッター23Aを制御する。ガス供給制御部122は、第一処理室20A及び第二処理室20Bの間が開放された後に、吐出口61からの不活性ガスの吐出を継続するようにガス供給部60を制御してもよい。複数の吐出口61の少なくとも一部が、第一処理室20A及び第二処理室20Bの間を遮るように不活性ガスGを吐出する場合には、この気流の遮蔽効果により、第二処理室20B側から第一処理室20A側への不活性ガスGの漏出が抑制される。
第一処理室20A及び第二処理室20Bの間が開放された後、搬送制御部123は、第二処理室20Bから第一処理室20AにウェハWを搬送するように搬送機構40を制御する。搬送機構40が第二処理室20Bから第一処理室20AにウェハWを搬送しているときに、光源制御部124は、エネルギー線を照射するように照射部50を制御する(図10参照)。第二処理室20B内には不活性ガスGが充満しているので、照射部50とレジスト膜との間には不活性ガスGが介在する。すなわちエネルギー線は、不活性ガスGを通してレジスト膜に照射される。ウェハWの搬送が完了すると、光源制御部124は、エネルギー線の照射を停止するように照射部50を制御する。
ステップS04におけるエネルギー線の照射量は、照射部50から出射される線量と、ウェハWの搬送速度によって定まる。すなわち、ウェハWの搬送速度によって、エネルギー線の照射量を調整することが可能である。必要とされるエネルギー線の照射量は、例えばレジスト膜の種類、現像処理によりレジスト膜に形成されるパターン(レジストパターン)のサイズ、及びレジスト膜の厚さ等に応じて変わる。そこで、エネルギー線照射ユニットU3により実行される処理手順は、レジスト膜の種類、レジストパターンのサイズ、及びレジスト膜の厚さの少なくとも一つに基づいて、エネルギー線の照射量の目標値を設定すること、レジスト膜に対するエネルギー線の照射量が目標値に近付くように(例えば実質的に一致するように)、エネルギー線の照射中におけるウェハWの搬送速度を設定すること、を更に含んでもよい。すなわちコントローラ100は、レジスト膜の種類、レジストパターンのサイズ、及びレジスト膜の厚さの少なくとも一つに基づいて、エネルギー線の照射量の目標値を設定すること、レジスト膜に対するエネルギー線の照射量が目標値に近付くように(例えば実質的に一致するように)、エネルギー線の照射中におけるウェハWの搬送速度を設定すること、を更に実行するように構成されていてもよい。
なお、上記目標値は、例えば実験により予め作成されたテーブルを参照することで設定可能である。また、実験により予め求められた近似関数を用いて算出することも可能である。「目標値に実質的に一致する」とは、許容可能な微少な偏差が残った状態を含む。
次に、コントローラ100はステップS05を実行する。ステップS05では、搬送制御部123が、ウェハWを熱板31上に載置するように搬送機構40及び昇降機構32を制御する。具体的に、搬送制御部123は、ウェハWを熱板31の上方まで搬送するように搬送機構40を制御する。その後、搬送制御部123は、駆動部35により昇降ピン33を上昇させることで、冷却板41上のウェハWを上昇させるように昇降機構32を制御する(図11参照)。その後、搬送制御部123は、冷却板41を第二処理室20B内に戻すように搬送機構40を制御し、駆動部35により昇降ピン33を下降させてウェハWを熱板31上に載置するように昇降機構32を制御する(図12参照)。冷却板41が第二処理室20B内に戻ると、搬送制御部123は、第一処理室20A及び第二処理室20Bの間を閉じるようにシャッター23Aを制御する。
予め設定された加熱時間が経過し、加熱部30によるウェハWの加熱が完了すると、コントローラ100はステップS06を実行する。ステップS06では、ステップS05と逆の手順でウェハWを冷却板41上に戻すように、搬送制御部123がシャッター23A、昇降機構32及び搬送機構40を制御する。その後、搬送制御部123は、第一処理室20Aから第二処理室20BにウェハWを搬送するように搬送機構40を制御する。ウェハWの搬送が完了すると、搬送制御部123は、第一処理室20A及び第二処理室20Bの間を閉じるようにシャッター23Aを制御する。
次に、コントローラ100はステップS07を実行する。ステップS07では、入出制御部121が、第二処理室20Bの入出口を開くようにシャッター23Bを制御する。その後、冷却板41上のウェハWが搬送アームA3により搬出され、処理が完了する。
なお、現像ユニットU1及びエネルギー線照射ユニットU3の処理手順は適宜変更可能である。例えば、現像処理の後、レジスト膜にエネルギー線を照射する前にウェハWを加熱してもよい。この場合の処理手順についても具体例を説明する。図13に示すように、コントローラ100は、まずステップS01,S02と同様のステップS11,S12を実行する。
次に、コントローラ100は、ステップS13を実行する。ステップS13では、搬送制御部123が、第一処理室20A内にウェハWを配置するように搬送機構40を制御する。例えば搬送制御部123は、第一処理室20A及び第二処理室20Bの間を開くようにシャッター23Aを制御した後、第二処理室20Bから第一処理室20AにウェハWを搬送するように搬送機構40を制御する。更に搬送制御部123は、ウェハWを熱板31上に載置して冷却板41を第二処理室20B内に戻すように搬送機構40及び昇降機構32を制御した後、第一処理室20A及び第二処理室20Bの間を閉じるようにシャッター23Aを制御する。
次に、コントローラ100は、ステップS14を実行する。ステップS14では、加熱部30がウェハWを加熱しているときに、ガス供給制御部122が、第二処理室20B内に不活性ガスを供給するようにガス供給部60を制御する。
次に、コントローラ100は、ステップS15を実行する。ステップS15では、搬送制御部123が、ステップS13と逆の手順によりウェハWを冷却板41上に戻すように昇降機構32、シャッター23A及び搬送機構40を制御する。更に搬送制御部123は、第一処理室20Aから第二処理室20BにウェハWを搬送するように搬送機構40を制御する。搬送機構40が第一処理室20Aから第二処理室20BにウェハWを搬送しているときに、光源制御部124は、レジスト膜にエネルギー線を照射するように照射部50を制御する。
ステップS14において、第二処理室20B内の気体は不活性ガスにより置換されているので、照射部50とレジスト膜との間には不活性ガスが介在する。すなわちエネルギー線は、不活性ガスGを通してレジスト膜に照射される。ウェハWの搬送が完了すると、光源制御部124は、エネルギー線の照射を停止するように照射部50を制御する。搬送制御部123は、第一処理室20A及び第二処理室20Bの間を閉じるようにシャッター23Aを制御する。
次に、コントローラ100は、ステップS07と同様のステップS16を実行する。以上で処理が完了する。
〔本実施形態の効果〕
以上に説明したように、塗布・現像装置2により実行される基板処理方法は、ウェハWの表面上に形成されたレジスト膜に現像処理を施すこと、現像処理の後に、ウェハWが配置される空間に不活性ガスを供給すること、不活性ガスを通してレジスト膜にエネルギー線を照射すること、を含む。
図14に示すように、フォトリソグラフィにより形成されるレジストパターン90の表層部分91においては、露光処理及び現像処理における化学反応が不十分となる傾向がある。この場合、表層部分91には凹凸が生じ易く、これがレジストパターンの平滑性を低下させる要因となり得る。一方、レジストパターン90において化学反応が不十分である箇所は、エネルギー線の照射によって昇華させ得る。
そこで本基板処理方法では、現像処理の後にレジスト膜にエネルギー線が照射される。これにより、図15に示すように、凹凸の生じていた表層部分91が除去され、レジストパターン90の平滑性が高められる。また、エネルギー線は、不活性ガスを通してレジスト膜に照射される。すなわち、エネルギー線は、レジスト膜のうち不活性ガスに覆われた部分に照射される。これにより、例えばオゾンのように、レジストパターンを浸食し得るガスの発生が抑制されるので、エネルギー線の照射により高められたレジストパターンの平滑性が保たれる。従って、溶剤による溶解処理を施すことなくレジストパターンの平滑性が高められるので、レジストパターンの境界線の平滑性をより簡単に高めることができる。
更に、本基板処理方法によれば、帯電したウェハWを除電することができる。現像処理等の液処理工程では、ウェハWが帯電する場合がある。例えば、負に帯電し易い樹脂製チューブ(例えばフッ素樹脂製チューブ等)で処理液の管路が構成されている場合、処理液は、ウェハWに到達するまでの間に正に帯電し得る。正に帯電した処理液がウェハWの表面Waに供給されると、表面Waに電子が集まり易くなり、これによって表面Waが負に帯電し得る。このように帯電したウェハWにエネルギー線を照射すると、ウェハW内に偏在する電子が活性化される。活性化された電子は、ウェハW内に生じている電位差を解消するように移動する。これにより、ウェハWの表面が除電される。
帯電したウェハWを除電する他の手法として、例えば、加熱により電子を活性化させる手法、又は逆極性に帯電した物質(以下、「除電用物質」という。)をイオナイザにより表面Waに供給して極性を中和させる手法等が挙げられる。加熱により電子を活性化する手法の場合、レジストパターンの品質に悪影響を及ぼすおそれがある。イオナイザを用いる手法の場合、表面Waに異物が残留する可能性がある。また、除電用物質の供給量によってはウェハWを逆極性に帯電させてしまうおそれもある。これに対し、エネルギー線を照射する手法によれば、レジストパターンの品質への悪影響、異物の残留、及び逆極性へのウェハWの帯電等を生じることなく、帯電したウェハWを除電することができる。
ウェハWの帯電を抑制する手法として、処理液自体の帯電を抑制する手法が挙げられる。処理液自体の帯電を抑制する手法としては、処理液に二酸化炭素を溶解させる手法が挙げられる。しかしながら、処理液の帯電を完全に防止することは難しいので、ウェハWの帯電を十分に解消できない可能性がある。これに対し、帯電したウェハWをエネルギー線の照射により除電する手法によれば、エネルギー線の照射量の調整によってウェハWの帯電を十分に解消できる。
ウェハWの帯電は、その後の工程において不具合の要因となる可能性がある。例えば、ウェハW上に形成される電気回路要素の破壊等の不具合が生じる可能性がある。従って、本基板処理方法は、後工程における歩留り向上に寄与し得る。
現像処理の後に、ウェハWを加熱することを更に含んでもよい。この場合、レジストパターンの平滑性が高められるのに加えて、加熱によりレジストパターンの安定性が高められるので、より理想的なレジストパターンを得ることができる。
レジスト膜にエネルギー線を照射した後にウェハWを加熱してもよい。この場合、エネルギー線の照射により昇華した後、レジストパターンに再度付着した成分を加熱により除去できるので、レジストパターンの平滑性をより確実に高めることができる。
現像処理の後、レジスト膜にエネルギー線を照射する前にウェハWを加熱してもよい。この場合、不活性ガスの供給と、ウェハWの加熱とを並行して実行できるので、スループットを向上させることができる。
レジスト膜にエネルギー線を照射しているときに、エネルギー線の照射箇所を変えるようにウェハWを搬送することを更に含んでもよい。この場合、ウェハWの全域に同時にエネルギー線を照射する場合に比べて、エネルギー線の光源を小型化できる。
レジスト膜の種類、レジストパターンのサイズ、及びレジスト膜の厚さの少なくとも一つに基づいて、前記エネルギー線の照射量の目標値を設定すること、レジスト膜に対するエネルギー線の照射量が目標値に近付くように、エネルギー線の照射中におけるウェハWの搬送速度を設定すること、を更に含んでもよい。この場合、ウェハWの搬送速度の調整によりエネルギー線の照射量を調整することで、レジストパターンの平滑性をより確実に高めることができる。
塗布・現像装置2によれば、以上の基板処理方法をコントローラ100によって自動的に実行可能である。従って、レジストパターンの境界線の平滑性をより簡単に高めることができる。
エネルギー線照射ユニットU3のガス供給部60は、第一処理室20A及び第二処理室20Bの間を遮るように不活性ガスを吐出する吐出口61を有してもよい。この場合、第一処理室20A及び第二処理室20Bの一方から他方にウェハWを搬送する際に、第二処理室20Bからの不活性ガスの漏出が抑制される。これにより、エネルギー線の照射に際して、レジスト膜をより確実に不活性ガスで覆うことができる。従って、レジストパターンの平滑性をより確実に高めることができる。
エネルギー線照射ユニットU3は、第一処理室20A内に開口し、第一処理室20A内のガスを排出する排気口21Aと、第二処理室20B内に開口し、第二処理室20B内のガスを排出する排気口21Bとを更に備えてもよい。この場合、エネルギー線の照射及び加熱により昇華した成分が排気口21A,21Bから排出されるので、当該成分がレジスト膜に再付着することを抑制できる。従って、レジストパターンの平滑性をより確実に高めることができる。
排気口21Aは、第一処理室20A内に配置されるウェハWの表面に対向するように配置されていてもよい。この場合、加熱によりレジスト膜から昇華する成分をより確実に排気口21Aから排出できる。
以上、実施形態について説明したが本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えばエネルギー線照射ユニットU3として例示した構成は、半導体ウェハ以外の基板を処理対象とする構成にも適用可能である。処理対象の基板としては、例えばガラス基板、マスク基板、FPD(Flat Panel Display)等が挙げられる。
以下、実施例について説明するが、本発明は実施例に限定されない。
〔実施例1〕
(1)サンプルの作製
(サンプル1)
ArFレーザ用のレジスト剤を用い、ウェハ上に厚さ80nmのレジスト膜を形成した。このレジスト膜に現像処理を施し、レジストパターンを得た。その後、空気中にて、波長172nmの紫外線をレジスト膜に照射してサンプルを作製した。照射量を80mJとした。
(サンプル2)
サンプル1と同様のレジストパターンを得た後、窒素ガス中にて、波長172nmの紫外線をレジスト膜に照射してサンプルを作製した。照射量を80mJとした。
(サンプル3)
サンプル1と同様のレジストパターンを得た後、エネルギー線照射を行わずにサンプルを作製した。
(2)比較評価
各サンプルについて、電子顕微鏡を用いてレジストパターンの拡大画像データを取得し、当該画像データに基づいて線幅平均値、LER(Line Edge Roughness)及びLWR(Line Width Roughness)を算出した。LERは、レジストパターンの基準線(例えば中心線)からレジストパターンの側縁部までのばらつきを示す値であり、LWRは、レジストパターンの線幅のばらつきを示す値である。本評価においては、LER及びLWRのいずれも標準偏差の3倍として算出した。算出した数値の比較評価を行い、以下の結果を得た。
結果1)サンプル1,2の線幅平均値と、サンプル3の線幅平均値との差は僅かであった(1%未満の差異)。
結果2)サンプル1のLER及びLWRは、サンプル3に比べて約9%小さかった。
結果3)サンプル2のLER及びLWRは、サンプル1に比べて更に約9%小さかった。
上記結果1から、エネルギー線の照射を行っても線幅への影響は僅かであることが確認された。上記結果2から、エネルギー線の照射によってレジストパターンの平滑性が高められることが確認された。上記結果3から、不活性ガスを供給することでレジストパターンの平滑性が更に高められることが確認された。
〔実施例2〕
(1)サンプルの作製
(サンプル4)
表面が負に帯電したウェハを準備し、波長172nmの紫外線を照射量100mJにてウェハの表面に照射した。
(サンプル5)
サンプル4と同様のレジストパターンを得た後、波長172nmの紫外線を照射量200mJにてウェハの表面に照射した。
(サンプル6)
サンプル4と同様のレジストパターンを得た後、波長172nmの紫外線を照射量500mJにてウェハの表面に照射した。
(サンプル7)
サンプル4と同様のレジストパターンを得た後、波長172nmの紫外線を照射量1000mJにてウェハの表面に照射した。
(サンプル8)
サンプル4と同様のレジストパターンを得た後、波長172nmの紫外線を照射量2000mJにてウェハの表面に照射した。
(2)除電効果の評価
各サンプルについて、紫外線照射前後におけるウェハの表面電位を測定した。測定結果を図16に示す。図16は、測定した表面電位をサンプルごとに棒グラフで示したものである。大きいピッチのハッチングが付された棒グラフは、紫外線照射前の表面電位であり、小さいピッチのハッチングが付された棒グラフは、紫外線照射後の表面電位である。図16に示されるように、いずれのサンプルにおいても、エネルギー線の照射により表面電位が低下していることが確認された。
また、照射量が500mJまでのサンプル(サンプル4〜6)の測定結果から、照射量が大きくなるにつれて大きな除電効果が得られ、表面電位がゼロに近付くことが確認された。
更に、照射量が500mJ以上のサンプル(サンプル6〜8)の測定結果から、表面電位をゼロにし得る最小の照射量を超えたとしても、表面電位は略ゼロに保たれており、ウェハが逆極性に帯電してしまう現象は実質的に確認されなかった。
以上より、エネルギー線を照射することは、帯電したウェハの除電に有効であることが確認された。
2…塗布・現像装置(基板処理システム)、20A…第一処理室、20B…第二処理室、21A…排気口(第一排気口)、21B…排気口(第二排気口)、30…加熱部、40…搬送機構、50…照射部、60…ガス供給部、61…吐出口、100…コントローラ、U3…エネルギー線照射ユニット(基板処理装置)、W…ウェハ。

Claims (5)

  1. 基板の表面上に形成されたレジスト膜に現像処理を施すこと、
    前記現像処理の後に、前記基板が配置される空間に不活性ガスを供給すること、
    前記不活性ガスを通して前記レジスト膜にエネルギー線を照射すること、
    前記レジスト膜に前記エネルギー線を照射しているときに、前記エネルギー線の照射箇所を変えるように前記基板を搬送すること、
    前記レジスト膜の種類、前記現像処理により前記レジスト膜に形成されるパターンのサイズ、及び前記レジスト膜の厚さの少なくとも一つに基づいて、前記エネルギー線の照射量の目標値を設定すること、
    前記レジスト膜に対する前記エネルギー線の照射量が前記目標値に近付くように、前記エネルギー線の照射中における前記基板の搬送速度を設定すること、を含む基板処理方法。
  2. 前記現像処理の後に、前記基板を加熱することを更に含む、請求項1記載の基板処理方法。
  3. 前記レジスト膜に前記エネルギー線を照射した後に前記基板を加熱する、請求項2記載の基板処理方法。
  4. 前記現像処理の後、前記レジスト膜に前記エネルギー線を照射する前に前記基板を加熱する、請求項2記載の基板処理方法
  5. 請求項1〜のいずれか一項記載の基板処理方法を装置に実行させるためのプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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