JP6447638B2 - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

この発明に係る電動式パワーステアリング装置は、自動車の操舵装置に組み込み、電動モータを補助動力として利用する事により、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為に利用する。
操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、通常は前輪)に舵角を付与する際に、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為の装置として、パワーステアリング装置が広く使用されている。又、この様なパワーステアリング装置で、補助動力源として電動モータを使用する電動式パワーステアリング装置も、近年普及し始めている。電動式パワーステアリング装置は、油圧式のパワーステアリング装置に比べて、小型・軽量にでき、補助動力の大きさ(トルク)の制御が容易で、しかもエンジンの動力損失が少ない等の利点がある。
電動式パワーステアリング装置の構造は、各種知られているが、何れの構造の場合でも、ステアリングホイールの操作によって回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸に、電動モータの補助動力を、減速機を介して付与する。この減速機として一般的には、ウォーム減速機が使用されている。ウォーム減速機を使用した電動式パワーステアリング装置の場合、電動モータにより回転駆動されるウォームと、回転軸と共に回転するウォームホイールとを噛合させて、電動モータの補助動力をこの回転軸に伝達自在とする。
例えば特許文献1には、図15〜16に示す様な、電動式パワーステアリング装置が開示されている。ステアリングホイール1により所定方向に回転させられる、回転軸であるステアリングシャフト2の前端部は、ハウジング3の内側に回転自在に支持されており、この部分にウォーム減速機4を構成するウォームホイール5を固定している。又、ウォーム減速機4を構成するウォーム軸6の軸方向中間部(特に断らない限り、本明細書及び特許請求の範囲中の軸方向、径方向、及び周方向とは、ウォーム軸に関する各方向を言う。)に形成されたウォーム歯7を、ウォームホイール5に噛合させている。ウォーム軸6は、電動モータ8により回転駆動される。ウォーム軸6の両端部は、深溝型玉軸受等の1対の転がり軸受9a、9bにより、ハウジング3内に回転自在に支持されている。そして、この状態で、ウォームホイール5とウォーム歯7とを噛合させて、電動モータ8の補助動力を、ウォーム軸6に伝達可能としている。
電動式パワーステアリング装置のより具体的な構造について、図17を参照しつつ説明する。ウォームホイール5は、この電動式パワーステアリング装置の出力部となる回転軸10に、1対の転がり軸受11a、11bの間部分で締り嵌め等により外嵌固定し、この回転軸10と共に回転する様にしている。この回転軸10はハウジング3内に、両転がり軸受11a、11bにより、回転のみ自在に支持した状態で、トーションバー12により、ステアリングシャフト2の前端部と結合している。電動モータ8(図15〜16参照)は、トルクセンサ13が検出する、ステアリングシャフト2に加えられるトルクの方向及び大きさに応じてウォーム軸6を回転駆動し、回転軸10に補助トルクを付与する。この回転軸10の回転は、1対の自在継手14a、14b及び中間シャフト15を介して、ステアリングギヤユニット16の入力軸17(図15参照)に伝達され、操舵輪に所望の舵角を付与する。
上述した様な従来から一般的に使用されている電動式パワーステアリング装置の場合、ウォーム減速機4には、このウォーム減速機4の構成部材である、ウォームホイール5と、ウォーム軸6と、これら各部材5、6を支持する為の軸受等の寸法誤差や、組み付け誤差等に基づいて、不可避のバックラッシュが存在する。そして、この様なバックラッシュが大きくなると、ウォームホイール5とウォーム軸6との歯面同士が強く衝合して、耳障りな歯打ち音が発生する可能性がある。
そこで、上述の従来構造の場合、ウォーム軸6の先端部(図16の右端部)に設けた、弾性付与手段18により、このウォーム軸6のウォーム歯7を、ウォームホイール5に向けて押圧している。尚、弾性付与手段18の構造は、例えば特許文献2等に詳しく記載されている為、詳しい説明は省略する。
上述の従来構造によれば、弾性付与手段18により、ウォーム軸6とウォームホイール5との間のバックラッシュを抑え、歯打ち音の発生を抑える事ができる。
但し、上述の従来構造の場合、使用時の温度変化によって、ウォームホイール5が膨張又は収縮するので、ウォームホイール5とウォーム軸6のウォーム歯7との噛合部のバックラッシュ量が変化してしまう。
日本国特開2011−94763号公報 日本国特開2007−203947号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、ウォームホイールの膨張及び収縮に拘わらず、ウォーム軸を構成するウォーム歯とウォームホイールとの噛合部のバックラッシュを、適切な大きさに維持する事ができる構造を実現するものである。
本発明の電動式パワーステアリング装置は、ハウジングと、操舵用回転軸と、ウォームホイールと、ウォーム軸と、電動モータとを備えている。
前記ハウジングは、例えば車体等の固定の部分に支持されて回転する事がない。
前記操舵用回転軸は、前記ハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する。
前記ウォームホイールは、前記ハウジングの内部で前記操舵用回転軸の一部に、前記操舵用回転軸と同心に支持されて、前記操舵用回転軸と共に回転する。
前記ウォーム軸は、軸方向中間部にウォーム歯が設けられており、前記ウォーム歯を前記ウォームホイールと噛合させた状態で、前記ウォーム歯以外の部分(例えば軸方向両端部)をそれぞれ軸受により前記ハウジングに対し回転自在に支持されている。
前記電動モータは、前記ウォーム軸を回転駆動する為のものである。
特に本発明の電動式パワーステアリング装置は、熱膨張率が異なる複数枚の金属板を積層してなり、自身の温度が基準温度よりも高くなった場合に、自身の変形に基づいて前記ウォーム軸を、前記ウォームホイールから離れる方向に揺動変位させる事が可能であり、自身の温度が基準温度よりも低くなった場合に、自身の変形に基づいて前記ウォーム軸を、前記ウォームホイールに近付く方向に揺動変位させる事が可能な状態で設けられた複合金属部材(例えば、バイメタル)を備えている。尚、基準温度とは、前記ウォーム軸のウォーム歯と、ウォームホイールとの噛合部のバックラッシュの量を調節する為に、前記ウォーム軸の揺動方向を切り替える際の温度であって、運転状態での温度やウォームホイールの熱膨張係数等との関係で適宜設定する値である。又、この基準温度に於ける、前記複合金属部材の形状(変形の有無)は特に限定されるものではない。
又、本発明の電動式パワーステアリング装置は、バネ部材(以下、押圧部材とも呼称する。)をさらに備える。
前記押圧部材は、前記ウォーム軸を前記ウォームホイールに向け押圧する為のものである。
特に本発明の電動式パワーステアリング装置は、前記押圧部材の両端部のうち、前記ウォーム軸と反対側端部と、前記ハウジングの内周面との間に、熱膨張率が異なる複数枚の金属板を積層して成る複合金属部材を備えている。
この様な複合金属部材は、自身の温度が基準温度よりも高くなった場合に、前記押圧部材が、前記ウォーム軸を前記ウォームホイールに向けて押圧する押圧力が大きくなるのを抑える方向に変形する事が可能である。一方、自身の温度が基準温度よりも低くなった場合に、前記押圧部材が、前記ウォーム軸を前記ウォームホイールに向け押圧する押圧力が小さくなるのを抑える方向に変形する事が可能である。尚、基準温度は、前記押圧部材が、前記ウォーム軸を前記ウォームホイールに向け押圧した状態で、前記ウォーム軸のウォーム歯と、前記ウォームホイールとの噛合部のバックラッシュの量が適切な大きさとなる温度に設定する事ができる。この様な基準温度は、運転状態での温度やウォームホイールの熱膨張係数等との関係で適宜設定する値である。又、この基準温度に於ける、前記複合金属部材の形状(変形の有無)は特に限定されるものではない。
本発明を実施する場合には、追加的に、前記複合金属部材を、自身の温度が基準温度よりも高くなった場合に、自身の温度が基準温度である場合と比べて、前記押圧部材の前記ウォーム軸と反対側の端部の位置が、前記ウォーム軸から離れる方向に変位する事を許容する方向に変形すると共に、自身の温度が基準温度よりも低くなった場合に、自身の温度が基準温度である場合と比べて、前記押圧部材の前記ウォーム軸と反対側の端部の位置が、前記ウォーム軸に近付く方向に変位する事を許容する方向に変形する様な構成を採用できる。
本発明を実施する場合には、追加的に、前記複合金属部材及び前記押圧部材を、ホルダにより保持する構成を採用する事ができる。
この様な場合には、追加的に、前記ホルダが、固定側ホルダと、変位側ホルダとから成る構成を採用できる。
この様な構成を採用した場合には、前記固定側ホルダを、筒状とし、その外周面を前記ハウジングの内周面に内嵌された状態で支持固定する。
又、前記変位側ホルダを、筒状とし、前記ウォーム軸のうち、前記固定側ホルダの内径側部分に挿入された部分に支持する。
そして、前記複合金属部材及び前記押圧部材を、前記固定側ホルダの内周面と、前記変位側ホルダの外周面との間部分に保持する構成を採用できる。
この様な場合には、追加的に、前記固定側ホルダにより、前記変位側ホルダの揺動変位を案内する構成を採用できる。
上述の様な構成を有する本発明によれば、ウォームホイールの膨張及び収縮に拘わらず、ウォーム軸を構成するウォーム歯と、ウォームホイールとの噛合部でのバックラッシュを、適切な大きさに維持する事ができる。
即ち、本発明の場合、自身の温度が基準温度よりも高くなった場合に、前記ウォーム軸を、前記ウォームホイールから離れる方向に揺動変位させる事が可能であり、自身の温度が基準温度よりも低くなった場合に、ウォーム軸を、ウォームホイールに近付く方向に揺動変位させる事が可能である複合金属部材を設けている。この為、温度変化に伴い前記ウォームホイールが熱膨張或いは熱収縮して、噛合部のバックラッシュの量が変化した場合でも、複合金属部材の変形により前記ウォーム軸を揺動変位させて、噛合部のバックラッシュを適切な大きさに保つ事ができる。
又、上述の様な構成を有する本発明によれば、ウォームホイールの膨張及び収縮に拘わらず、ウォーム軸を、このウォームホイールに向けて押圧する押圧力を、適切な大きさに維持する事ができる。
即ち、本発明の場合、自身の温度が基準温度よりも高くなった場合に、押圧部材が、ウォーム軸を前記ウォームホイールに向け押圧する押圧力の大きさが大きくなるのを抑える方向に変形し、自身の温度が基準温度よりも低くなった場合に、押圧部材が、前記ウォーム軸を前記ウォームホイールに向け押圧する押圧力の大きさが小さくなるのを抑える方向に変形する複合金属部材を設けている。この為、温度変化に伴いウォームホイールが熱膨張或いは収縮しても、押圧部材によりウォーム軸をウォームホイールに向けて押圧する押圧力、及びウォーム軸とウォームホイールとの噛合部のバックラッシュを適切な大きさに維持する事ができる。この結果、噛合部の摩擦力の増加、及び歯打ち音の発生の防止を図れる。
(a)は本発明の実施の形態の第1例を示す部分切断側面図であり、(b)は(a)のA−A断面図である。 (a)及び(b)は温度上昇に伴い、バイメタルが変形した場合の、ウォーム軸の状態を説明する為の、図1(a)及び(b)と同様の図である。 (a)及び(b)は温度低下に伴い、バイメタルが変形した場合の、ウォーム軸の状態を説明する為の、図1(a)及び(b)と同様の図である。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図1(b)と同様の図である。 本発明の実施の形態の第3例を示す、図1(b)と同様の図である。 (a)及び(b)は本発明の実施の形態の第4例を示す、図1(a)及び(b)と同様の図である。 (a)及び(b)は温度上昇に伴い、バイメタルが変形した場合の、ウォーム軸の状態を説明する為の、図6(a)及び(b)と同様の図である。 本発明の実施の形態の第5例を示す、図1(b)と同様の図である。 温度上昇に伴い、バイメタルが変形した場合の、ウォーム軸の状態を説明する為の、図2(b)と同様の図。 温度低下に伴い、バイメタルが変形した場合の、ウォーム軸の状態を説明する為の、図3(b)と同様の図。 (a)及び(b)は本発明の実施の形態の第6例を示す、図1(a)及び(b)と同様の図である。 (a)及び(b)は温度上昇に伴い、バイメタルが変形した場合の、ウォーム軸の状態を説明する為の、図11(a)及び(b)と同様の図である。 (a)及び(b)は温度低下に伴い、バイメタルが変形した場合の、ウォーム軸の状態を説明する為の、図11(a)及び(b)と同様の図である。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図11(b)と同様の図である。 従来構造の1例を示す、部分切断側面図である。 図15のB−B拡大断面図である。 具体的構造を示す、図16のC−C断面に相当する図である。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1〜3により説明する。尚、本例の電動式パワーステアリング装置の特徴は、ウォーム減速機4aを構成するウォーム軸6aの先端部を、ハウジング3に対して支持する部分の構造を工夫した点にある。その他の部分の構成については、図15〜17に示した従来構造の場合と基本的には同じである。この為、重複する部分の説明及び図示は省略又は簡略にし、以下、本例の特徴部分及び先に説明しなかった部分を中心に説明する。
本例の電動式パワーステアリング装置は、前述した従来構造と同様に、ステアリングホイール1(図15参照)により所定方向に回転させられる、ステアリングシャフト2の前端部が、ハウジング3の内側に回転自在に支持されており、この部分にウォーム減速機4aを構成するウォームホイール5が固定されている。尚、本例の場合、ステアリングシャフト2が、特許請求の範囲の操舵用回転軸に相当する部材である。又、ウォーム減速機4aを構成するウォーム軸6aの軸方向中間部に形成されたウォーム歯7aを、ウォームホイール5に噛合させている。
本例の場合、ウォームホイール5は、径方向の内端部及び中間部を金属により造ると共に、外周面に形成された歯部(図示省略)を含む径方向の外端部を合成樹脂により造っている。これにより、運転時に噛合部で発生する打音及び摺動音の低減と軽量化とを図っている。
この様なウォーム軸6aは、基端(図1の右端)寄り部分に設けられた基端側軸部19の軸方向中間部を、転がり軸受9bを介してハウジング3を構成するウォーム軸収容部20の一端(図1の右端)寄り部分の内周面に、回転及び転がり軸受9bを中心とする揺動変位を可能な状態に支持されている。尚、ウォーム軸6aを、転がり軸受9bを中心に揺動変位可能な状態で支持する為に、基端側軸部19の軸方向中間部外周面と、転がり軸受9bの内輪21bの内周面との間には、僅かな隙間が設けられている。或いは、この様な隙間を設けずに、転がり軸受9bの内部隙間を利用して、ウォーム軸6aを、この転がり軸受9bを中心に揺動変位可能な状態で支持する様に構成する事もできる。
又、転がり軸受9bの外輪22bは、軸方向他端面(図1の左端面)を、ウォーム軸収容部20の軸方向一端寄り部分の内周面に全周に亙り形成された段部23に当接させている。尚、外輪22bの軸方向に関する位置決めを図る場合には、この外輪22bの軸方向一端面を、ウォーム軸収容部20の内周面のうち、段部23よりも軸方向一方側部分に形成された係止凹溝(図示省略)に係止された止め輪の軸方向他側面に当接させる。
又、基端側軸部19の軸方向一端部は、外周面に形成された雄スプライン部24を、電動モータ8の出力軸の先端部に固定されたジョイント25の内周面に形成された雌スプライン部26にスプライン係合されている。この様にして、電動モータ8の駆動力を、ウォーム軸6aに伝達可能としている。
一方、ウォーム軸6aの先端部(図1の左端部)に設けられた先端側軸部27を、転がり軸受9a、及び、この転がり軸受9aの外径側に設けられた揺動機構28を介して、ウォーム軸収容部20の奥部(図1の左端部)に、ハウジング3に対する回転を可能な状態に支持されている。具体的には、転がり軸受9aを構成する内輪21aの内周面に、先端側軸部27の外周面を締り嵌めにより内嵌固定すると共に、転がり軸受9aを構成する外輪22aを、後述する揺動機構28を構成する変位側ホルダ29の内周面に内嵌固定している。
揺動機構28は、変位側ホルダ29と、固定側ホルダ30と、1対のバイメタル31a、31bとを備えている。
このうちの変位側ホルダ29は、高機能樹脂等の十分な強度、剛性、耐熱性、耐油性を有する合成樹脂製であり、軸方向両端が開口した筒状に形成されている。この変位側ホルダ29の外周面のウォーム軸6aの中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状は略矩形状であり、同じく内周面のこの仮想平面に関する断面形状は円形状に形成されている。
又、変位側ホルダ29の外面のうち、この変位側ホルダ29の幅方向両面{図1(b)の左右方向両面}は、平坦面に形成されており、当該部分を1対の被揺動案内面32、32としている。
又、この変位側ホルダ29の外面の高さ方向両面{図1(b)の上下方向両面}のうち、一方の面{図1(b)の上面}である、変位側第一外面33の幅方向中央部には、他の部分よりもこの変位側第一外面33から突出した状態で、軸方向に長い変位側第一凸部34が形成されている。これに対して、変位側ホルダ29の外面の高さ方向両面のうち、他方の面{図1(b)の下面}である、変位側第二外面35の幅方向中間部には、軸方向に長い変位側逃げ凹部36が形成されており、同じく幅方向両端部には、この変位側逃げ凹部36よりも突出した状態で、軸方向に長い1対の変位側第二凸部37、37が形成されている。
以上の様な構成を有する変位側ホルダ29は、その内周面を、転がり軸受9aを構成する外輪22aの外周面に締り嵌めにより外嵌固定する事により組み付けられている。
固定側ホルダ30は、変位側ホルダ29と同様に、高機能樹脂等の十分な強度、剛性、耐熱性、耐油性を有する合成樹脂製であり、軸方向両端が開口した筒状に形成されている。又、この固定側ホルダ30の外周面のウォーム軸6aの中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状は円形状であり、同じく内周面のこの仮想平面に関する断面形状は略矩形状に形成されている。尚、固定側ホルダ30の材料を、変位側ホルダ29と異ならせても良い。
又、固定側ホルダ30の内面のうち、この固定側ホルダ30の幅方向両面の高さ方向中間部は、他の部分よりも幅方向内側に突出した平坦面に形成されており、当該部分を1対の揺動案内面38、38としている。
又、固定側ホルダ30の内面の高さ方向両面のうち、一方の面である、固定側第一内面39の幅方向中間部には軸方向に長い固定側逃げ凹部40が形成されており、同じく幅方向両端部には、この固定側逃げ凹部40よりも突出した状態で軸方向に長い1対の固定側第一凸部41、41が形成されている。
これに対して、固定側ホルダ30の内面の高さ方向両面のうち、他方の面である、固定側第二内面42の幅方向中央部には、他の部分よりもこの固定側第二内面42から突出した状態で、軸方向に長い固定側第二凸部43が形成されている。
以上の様な構成を有する固定側ホルダ30は、その外周面を、ハウジング3を構成するウォーム軸収容部20の奥部(図1の左端部)に形成された大径筒部44の内周面に、内嵌固定された状態で組み付けられている。
尚、上述の様に組み付けられた状態で、固定側ホルダ30の軸方向一端面は、ウォーム軸収容部20を構成する大径筒部44と、この大径筒部44よりも軸方向一方側に存在する部分とを連続する段部45に当接させている。
又、固定側ホルダ30の両揺動案内面38、38を、変位側ホルダ29の両被揺動案内面32、32に当接させている。又、固定側ホルダ30の固定側第一内面39は、変位側ホルダ29の変位側第一外面33と対向しており、これら両面39、33同士の間には、後述する1対のバイメタル31a、31bのうちの、一方のバイメタル31aを設置する為の設置空間46aを設けている。一方、固定側ホルダ30の固定側第二内面42は、変位側ホルダ29の変位側第二外面35と対向しており、これら両面42、35同士の間には、後述する1対のバイメタル31a、31bのうちの、他方のバイメタル31bを設置する為の設置空間46bを設けている。
両バイメタル31a、31bは、特許請求の範囲の複合金属部材に相当する部材であり、熱膨張率が異なる2枚の矩形(短冊形)板状の金属板(低熱膨張率の金属板と、高熱膨張率の金属板と)を積層して成る。この様な両バイメタル31a、31bは、基準温度(本例の場合、20℃)を設定した場合に、この基準温度では変形する事なく矩形平板状である。本例の場合、両バイメタル31a、31bを、これら両バイメタル31a、31bの長手方向(長さ方向)が変位側ホルダ29の幅方向{図1の(b)の左右方向}と一致する状態で配置している。この様な状態で配置された両バイメタル31a、31bは、これら両バイメタル31a、31bの温度(周囲の温度)が、基準温度を超えた場合には、両バイメタル31a、31bの厚さ方向片側面47a、47bの幅方向中央が凸面となり、同じく厚さ方向他側面48a、48bの幅方向中央が凹面となる状態に湾曲する。一方、両バイメタル31a、31bの温度(周囲の温度)が、基準温度よりも下がった場合には、これら両バイメタル31a、31bの厚さ方向片側面47a、47bの幅方向中央が凹面となり、同じく厚さ方向他側面48a、48bの幅方向中央が凸面となる状態に湾曲する。即ち、両バイメタル31a、31bは、これら両バイメタル31a、31bの温度が、基準温度より高い場合と、低い場合とでは、互いに反対向きに湾曲(変形)する。尚、両バイメタル31a、31bの構造及び材質は、上述の条件を満たす範囲で、従来から知られている各種構造及び材質を採用する事ができる。具体的な材質としては、例えば、低熱膨張率の金属板の材料としてNi−Fe合金が使用できる。一方、高熱膨張率の金属板の材料として、使用温度範囲等に応じNi、Zn−Cu合金、Ni−Cr−Fe合金、Ni−Mn−Fe合金、Ni−Mo−Fe合金、Cu−Ni−Mn合金等を使用できる。
以上の様な構成を有する両バイメタル31a、31bのうち、一方(図1〜3の上方で、ウォームホイール5から遠い側)のバイメタル31aは、厚さ方向片側面47aが固定側ホルダ30の固定側第一内面39と対向し、且つ、厚さ方向他側面48aが変位側ホルダ29の変位側第一外面33と対向した状態で、設置空間46aに配置されている。この状態で、バイメタル31aの厚さ方向片側面47aの幅方向両端部は、固定側ホルダ30の両固定側第一凸部41、41の先端面と当接している。これに対して、バイメタル31aの厚さ方向他側面48aの幅方向中央部は、変位側ホルダ29の変位側第一凸部34の先端面と当接している。
又、両バイメタル31a、31bのうち、他方(図1〜3の下方で、ウォームホイール5に近い側)のバイメタル31bは、厚さ方向片側面47bが固定側ホルダ30の固定側第二内面42と対向し、且つ、厚さ方向他側面48bが変位側ホルダ29の変位側第二外面35と対向した状態で、設置空間46bに配置されている。この状態で、バイメタル31bの厚さ方向片側面47bの幅方向中央部は、固定側ホルダ30の固定側第二凸部43の先端面と当接している。これに対して、バイメタル31bの厚さ方向他側面48bの幅方向両端部は、変位側ホルダ29の両変位側第二凸部37、37の先端面と当接している。
次に、上述の様な構成を有する本例の電動パワーステアリング装置の運転時の状態について、図1〜3を参照しつつ説明する。
先ず、図1は、両バイメタル31a、31bが基準温度(本例の場合20℃)の状態を示している。この状態では、ウォーム軸6aのウォーム歯7aとウォームホイール5との噛合部のバックラッシュが、基準バックラッシュ量に調整されている。尚、図1に示す状態で、例えば、前述した従来構造の弾性付与手段18等の構造により、ウォーム軸6aを、ウォームホイール5に向けて押圧していても良い。この様な構成を採用した場合、基準バックラッシュ量を、噛合部での摩擦(電動モータ8から加わるトルクの損失)が大きくなり、ステアリングホイール1の回転開始時の操舵感が重くなる事がなく、このステアリングホイール1(ステアリングシャフト2)の回転方向を変える際に、歯打ち音と呼ばれる不快な異音が発生する事を防止できる、適切な量に設定する事ができる。
又、図1に示す状態で、ウォーム軸6aの中心軸Oは、電動モータ8の中心軸と同心である(揺動していない)。更に、図1に示す状態で、両バイメタル31a、31bは、変形していない矩形平板状である。
図1に示す状態から、周囲の温度上昇に伴い、両バイメタル31a、31bの温度が上昇すると、図2に示す様に、これら両バイメタル31a、31bがそれぞれ、固定側ホルダ30と対向する側の側面である厚さ方向片側面47a、47bの幅方向中央が凸面となり、同じく厚さ方向他側面48a、48bの幅方向中央が凹面となる状態に変形(湾曲)する。
具体的には、両バイメタル31a、31bのうち、一方のバイメタル31aは、厚さ方向片側面47aの幅方向中央が、固定側ホルダ30の固定側第一内面39に向けて凸面となる状態に変形する。
尚、この様な一方のバイメタル31aの変形は、後述する他方のバイメタル31bの変形に基づいて変位側ホルダ29の、図2の上方への変位を可能にする為のものである。従って、一方のバイメタル31aの変形に伴い、この一方のバイメタル31aから、変位側ホルダ29に、この変位側ホルダ29の上方への移動を妨げる様な大きな力が加わらない様に規制する。
又、両バイメタル31a、31bのうち、他方のバイメタル31bは、厚さ方向片側面47bの幅方向中央部が、固定側ホルダ30の固定側第二内面42に向けて凸面となる状態に変形(湾曲)する。この状態で、バイメタル31bの厚さ方向片側面47bの幅方向中央部が、固定側第二内面42の固定側第二凸部43を、図2の下方に向けて押圧する。すると、固定側ホルダ30は、ハウジング3に支持されている為、この押圧に基づく反力により、バイメタル31bの厚さ方向他側面48bの幅方向両端部が、変位側ホルダ29の両変位側第二凸部37、37の先端面を、図2の上方に向けて押圧する。そして、この押圧に伴い、変位側ホルダ29が、この変位側ホルダ29の両被揺動案内面32、32を、固定側ホルダ30の両揺動案内面38、38により案内されながら、バイメタル31bの、図2の上下方向に関する変形量の分だけ、図2の上方に向けて変位する。尚、この際の押圧力(ウォームホイール5から離れる方向の押圧力)が、特許請求の範囲に記載した一方の押圧力に相当するものである。
尚、本例の場合、両バイメタル31a、31bを同一の構造としている為、これら両バイメタル31a、31bの図2の上下方向に関する変形量は同じである。この為、図2に示す状態では、変位側ホルダ29の変位側第一凸部34の先端面が、一方のバイメタル31aの厚さ方向他側面48aの幅方向中央部に当接している。又、このバイメタル31aの厚さ方向片側面47aの幅方向中央部は、固定側ホルダ30の固定側逃げ凹部40の内側に入り込んでいる。従って、他方のバイメタル31bが、変位側ホルダ29に対して上方(ウォームホイール5から離れる方向)の押圧力を付与している際、一方のバイメタル31aは、この変位側ホルダ29に対して、押圧力を打ち消す様な下方の押圧力を付与する事はない。
上述の様な変位側ホルダ29の変位に伴い、ウォーム軸6aが、転がり軸受9bを中心に、ウォームホイール5から離れる方向(図2のα方向)に揺動して、ウォーム軸6aの中心軸と、このウォームホイール5の中心軸との距離が大きくなる。
尚、図2に示す状態では、このウォームホイール5から、ウォーム軸6aに噛み合い反力が加わった際、変形後の一方のバイメタル31aの弾性力により、このウォーム軸6aを、ウォームホイール5に対して、押圧する事ができる。
これに対して、図1に示す状態から、周囲の温度低下に伴い、両バイメタル31a、31bの温度が低下すると、図3に示す様に、これら両バイメタル31a、31bがそれぞれ、厚さ方向片側面47a、47bの幅方向中央が凹面となり、同じく厚さ方向他側面48a、48bの幅方向中央が凸面となる状態に湾曲する。
具体的には、両バイメタル31a、31bのうち、他方のバイメタル31bは、厚さ方向他側面48bの幅方向中央が、変位側ホルダ29の変位側第二外面35に向けて凸面となる状態に変形する。尚、この様な他方のバイメタル31bの変形は、後述する一方のバイメタル31aの変形に基づいて変位側ホルダ29の、図2の下方への変位を可能にする為のものである。従って、他方のバイメタル31bの変形に伴い、このバイメタル31bから、変位側ホルダ29に、この変位側ホルダ29の下方への移動を妨げる様な大きな力が加わらない様に規制する。
又、両バイメタル31a、31bのうち、一方のバイメタル31aは、厚さ方向他側面48aの幅方向中央部が、変位側ホルダ29の変位側第一外面33に向けて凸面となる状態に変形(湾曲)する。この状態で、バイメタル31aの厚さ方向片側面47aの幅方向両端部が、固定側ホルダ30の両固定側第一凸部41、41を、図3の上方に向けて押圧する。すると、固定側ホルダ30は、ハウジング3に支持されている為、この押圧に基づく反力により、バイメタル31aの厚さ方向他側面48aの幅方向中央部が、変位側ホルダ29の変位側第一凸部34の先端面を、図2の下方に向けて押圧する。そして、この押圧に伴い、変位側ホルダ29が、この変位側ホルダ29の両被揺動案内面32、32を、固定側ホルダ30の両揺動案内面38、38により案内されながら、バイメタル31aの、図3の上下方向に関する変形量の分だけ、図2の下方に向けて変位する。尚、この際の押圧力(ウォームホイール5に近付く方向の押圧力)が、特許請求の範囲に記載した他方の押圧力に相当するものである。
又、図3に示す状態では、変位側ホルダ29の両変位側第二凸部37、37の先端面が、他方のバイメタル31bの厚さ方向他側面48bの幅方向両端部に当接している。又、このバイメタル31bの厚さ方向他側面48bの幅方向中央は、変位側ホルダ29の変位側逃げ凹部36の内側に入り込んでいる。従って、一方のバイメタル31aが、変位側ホルダ29に対して下方(ウォームホイール5に近付く方向)の押圧力を付与している際、他方のバイメタル31bは、この変位側ホルダ29に対して、押圧力を打ち消す様な方の押圧力を付与する事はない。
上述の様な変位側ホルダ29の変位に伴い、ウォーム軸6aが、転がり軸受9bを中心に、ウォームホイール5に近付く方向(図2のβ方向)に角度θだけ揺動して、ウォーム軸6aの中心軸と、このウォームホイール5の中心軸との距離が小さくなる。
上述の様な構成を有する本例の電動式パワーステアリング装置によれば、ウォームホイール5の膨張及び収縮に拘わらず、ウォーム軸6bを構成するウォーム歯7bと、このウォームホイール5との噛合部でのバックラッシュを、適切な大きさ(基準バックラッシュ量)に維持する事ができる。
即ち、本例の場合、自身の温度が基準温度よりも高くなった場合に、ウォーム軸6bを、ウォームホイール5から離れる方向(図2参照)に揺動変位させる事が可能であり、自身の温度が基準温度よりも低くなった場合に、ウォーム軸6bを、ウォームホイール5に近付く方向に揺動変位させる事が可能である、揺動機構28(両バイメタル31a、31b)を備えている。この為、温度変化に伴いウォームホイール5が熱膨張或いは熱収縮して、噛合部でのバックラッシュの量が変化した場合でも、揺動機構28(両バイメタル31a、31b)の変形によりウォーム軸6bを揺動変位させて、噛合部のバックラッシュの量を、適切な量(基準バックラッシュ量)に保つ事ができる。
具体的には、周囲の温度上昇に伴い、ウォームホイール5の温度が上昇すると、このウォームホイール5に、熱膨張が生じて、ウォーム歯7aと、このウォームホイール5の噛合部のバックラッシュの量が、基準バックラッシュ量から減少する。この結果、噛合部での摩擦(電動モータ8から加わるトルクの損失)が大きくなり、ステアリングホイール5の回転開始時の操舵感が重くなってしまう場合がある。そこで、本例の電動パワーステアリング装置の場合、周囲の温度上昇に伴い、揺動機構28を構成する両バイメタル31a、31bが、図2に示す様に、ウォーム軸6aをウォームホイール5から離れる方向(噛合部のバックラッシュの量を増やせる方向)に揺動変位させて、噛合部のバックラッシュの量を基準バックラッシュ量に近付ける(一致させる)。
一方、周囲の温度低下に伴い、ウォームホイール5の温度が低下すると、このウォームホイール5に、熱収縮が生じて、ウォーム歯7aと、このウォームホイール5の噛合部のバックラッシュの量が、基準バックラッシュ量から増加する。この結果、ステアリングホイール1(ステアリングシャフト2)の回転方向を変える際に、歯打ち音と呼ばれる不快な異音が発生し易くなる。そこで、本例の電動パワーステアリング装置の場合、周囲の温度低下に伴い、揺動機構28を構成する両バイメタル31a、31bが、図3に示す様に、ウォーム軸6aをウォームホイール5に近付く方向(噛合部のバックラッシュを減らせる方向)に揺動変位させて、噛合部のバックラッシュの量を基準バックラッシュ量に近付ける(一致させる)。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図4により説明する。本例の電動式パワーステアリング装置の場合、前述した実施の形態の第1例と同様の構成を有する揺動機構28を、実施の形態の第1例の場合と比べて、周方向の一方{図1(b)、図2(b)、図3(b)、及び図4の反時計方向}に45°回転させた状態で、転がり軸受9aを介して、ウォーム軸6aの先端側軸部27(図1参照)と、ハウジング3の奥部に形成された大径筒部44との間に組み付けている。従って、周囲が温度上昇した場合、或いは、温度低下した場合に、変位側ホルダ29が変位する方向、及びウォーム軸6aが搖動する方向も、実施の形態の第1例の場合に対して、45°回転した方向となる。
上述の様に、揺動機構28を回転する角度を任意に設定する事により、変位側ホルダ29の変位方向、及びウォーム軸6aの揺動方向を、任意に設定する事ができる。その他の構成及び作用効果については、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例について、図5により説明する。本例の電動式パワーステアリング装置を構成する揺動機構28aを構成する変位側ホルダ29a及び固定側ホルダ30aは、前述した実施の形態の第1例の揺動機構28を構成する変位側ホルダ29及び固定側ホルダ30を、ウォーム軸6bの中心軸に関して180°回転させた如き構造を有している。又、両バイメタル31c、31dに関しては、前述した実施の形態の第1例のバイメタル31a、31bを、それぞれ図1〜3の上下方向に関して反対にした(裏表を反対にした)状態で配置している。従って、本例の両バイメタル31c、31dは、周囲の温度が変化した場合に、前述した実施の形態の第1例の場合とは逆に変形する。以下、実施の形態の第1例の揺動機構28を構成する変位側ホルダ29及び固定側ホルダ30に対応する部分には、同じ符号を付して、本例の運転時の状態について説明する。
本例の場合、図5に示す状態から、周囲の温度上昇に伴い、両バイメタル31c、31dの温度が上昇すると、これら両バイメタル31c、31dがそれぞれ、固定側ホルダ30a側の側面である厚さ方向片側面47c、47dの幅方向中央が凹面となり、変位側ホルダ29a側の側面である厚さ方向他側面48c、48dの幅方向中央が凸面となる状態に湾曲する様に構成している。
具体的には、両バイメタル31c、31dのうち、一方(図5の上方で、ウォームホイール5から遠い側)のバイメタル31cは、厚さ方向他側面48cの幅方向中央が、変位側ホルダ29の変位側第二外面35に向けて凸面となる状態に変形する。尚、この様な一方のバイメタル31cの変形は、後述する他方のバイメタル31dの変形に基づく変位側ホルダ29の、図5の上方への変位を可能にする為のものである。従って、一方のバイメタル31cの変形に伴い、このバイメタル31cから、変位側ホルダ29に、この変位側ホルダ29の上方への移動を妨げる様な大きな力が加わらない様に規制する。
又、両バイメタル31c、31dのうち、他方(図5の下方で、ウォームホイール5に近い側)のバイメタル31dは、厚さ方向他側面48dの幅方向中央部が、変位側ホルダ29の変位側第一外面33に向けて凸面となる状態に変形(湾曲)する。この状態で、バイメタル31dの厚さ方向片側面47dの幅方向両端部が、固定側ホルダ30の両固定側第一凸部41、41を、図5の下方に向けて押圧する。すると、固定側ホルダ30は、ハウジング3に支持されている為、この押圧に基づく反力により、バイメタル31dの厚さ方向他側面48dの幅方向中央部が、変位側ホルダ29の変位側第一凸部34の先端面を、図5の上方に向けて押圧する。そして、この押圧に伴い、変位側ホルダ29が、この変位側ホルダ29の両被揺動案内面32、32を、固定側ホルダ30の両揺動案内面38、38により案内されながら、バイメタル31dの、図5の上下方向に関する変形量の分だけ、図5の上方に向けて移動する。
これに対して、図5に示す状態から、周囲の温度低下に伴い、両バイメタル31c、31dの温度が低下すると、これら両バイメタル31c、31dがそれぞれ、固定側ホルダ30側の側面である厚さ方向片側面47a、47bの幅方向中央が凸面となり、同じく厚さ方向他側面48a、48bの幅方向中央が凹面となる状態に変形(湾曲)する。
具体的には、両バイメタル31c、31dのうち、他方のバイメタル31dは、厚さ方向片側面47aの幅方向中央が、固定側ホルダ30の固定側第一内面39に向けて凸面となる状態に変形する。
尚、この様な他方のバイメタル31dの変形は、後述する一方のバイメタル31cの変形に基づく変位側ホルダ29の、図5の下方への変位を可能にする為のものである。従って、他方のバイメタル31dの変形に伴い、バイメタル31dから、変位側ホルダ29に、この変位側ホルダ29の下方への移動を妨げる様な大きな力が加わらない様に規制する。
又、両バイメタル31c、31dのうち、一方のバイメタル31cは、厚さ方向片側面47bの幅方向中央部が、固定側ホルダ30の固定側第二内面42に向けて凸面となる状態に変形(湾曲)する。この状態で、バイメタル31cの厚さ方向片側面47bの幅方向中央部が、固定側第二内面42の固定側第二凸部43を、図5の上方に向けて押圧する。すると、固定側ホルダ30は、ハウジング3に支持されている為、この押圧に基づく反力により、バイメタル31cの厚さ方向他側面48bの幅方向両端部が、変位側ホルダ29の両変位側第二凸部37、37の先端面を、図5の下方に向けて押圧する。そして、この押圧に伴い、変位側ホルダ29が、この変位側ホルダ29の両被揺動案内面32、32を、固定側ホルダ30の両揺動案内面38、38により案内されながら、バイメタル31cの、図5の上下方向に関する変形量の分だけ、図5の下方に向けて移動する。その他の構成及び作用効果については、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第4例]
本発明の実施の形態の第4例について、図6〜7により説明する。本例の電動式パワーステアリング装置の場合も、揺動機構28bを、変位側ホルダ29bと、固定側ホルダ30bと、1対のバイメタル31e、31fとにより構成している。
このうちの変位側ホルダ29bは、その外面の高さ方向両面{図6の(a)(b)の上下方向両面}のうち、一方の面{図6の(a)(b)の上面}である、変位側第一外面33aの軸方向中央部に、幅方向{図6の(a)の表裏方向、(b)の左右方向}に長い変位側第一凸部34aが形成されている。一方、変位側ホルダ29bの外面の高さ方向両面のうち、他方の面{図6の(a)(b)の下面}である変位側第二外面35aの軸方向中間部には、幅方向に長い変位側逃げ凹部36aが形成されており、同じく軸方向両端部には、この変位側逃げ凹部36aよりも突出した状態で、幅方向に長い1対の変位側第二凸部37a、37aが形成されている。この様な構成を有する変位側ホルダ29bは、前述した実施の形態の各例と同様に、その内周面を、転がり軸受9aを構成する外輪22aの外周面に締り嵌めにより外嵌固定する事により組み付けられている。この他の変位側ホルダ29bの構造は、前述した実施の形態の第1例の変位側ホルダ29と同様である。
固定側ホルダ30bは、その内面の高さ方向両面のうちの一方の面である固定側第一内面39aの軸方向中間部に、幅方向に長い固定側逃げ凹部40aが形成されている。又、固定側第一内面39aの軸方向両端部には、この固定側逃げ凹部40aよりも突出した状態で幅方向に長い1対の固定側第一凸部41a、41aが形成されている。一方、固定側ホルダ30bの内面の高さ方向両面のうちの他方の面である固定側第二内面42aの軸方向中央部に、他の部分よりもこの固定側第二内面42aから突出した状態で、幅方向に長い固定側第二凸部43aが形成されている。この様な構成を有する固定側ホルダ30bは、前述した実施の形態の各例と同様に、その外周面を、ハウジング3を構成するウォーム軸収容部20の奥部(図6の左端部)に形成された大径筒部44の内周面に、内嵌固定された状態で組み付けられている。
両バイメタル31e、31fは、前述した実施の形態の各例と同様に、基準温度(本例の場合、20℃)を設定した場合に、この基準温度では変形する事のない矩形平板状である。この様な両バイメタル31e、31fは、これら両バイメタル31e、31fの温度(周囲の温度)が、基準温度を超えた場合に、これら両バイメタル31e、31fの厚さ方向片側面47e、47fの軸方向(両バイメタル31e、31fの長手方向)に関する中央が凸面となり、同じく厚さ方向他側面48e、48fの軸方向に関する中央が凹面となる状態に湾曲する。一方、両バイメタル31e、31fの温度(周囲の温度)が、基準温度よりも下がった場合には、両バイメタル31e、31fの厚さ方向片側面47e、47fの軸方向に関する中央が凹面となり、同じく厚さ方向他側面48e、48fの軸方向に関する中央が凸面となる状態に湾曲する。即ち、両バイメタル31e、31fは、これら両バイメタル31e、31fの温度が、基準温度より高い場合と、低い場合とでは、互いに反対向きに湾曲(変形)する。
以上の様な構成を有する両バイメタル31e、31fは、これら両バイメタル31e、31fの長手方向が変位側ホルダ29bの軸方向と一致する状態で配置されている。又、両バイメタル31e、31fのうち、一方(図6、7の上方で、ウォームホイール5から遠い側)のバイメタル31eは、厚さ方向片側面47eが固定側ホルダ30bの固定側第一内面39aと対向し、且つ、厚さ方向他側面48fが変位側ホルダ29bの変位側第一外面33aと対向した状態で、設置空間46aに配置されている。この状態で、バイメタル31eの厚さ方向片側面47eの軸方向両端部が、固定側ホルダ30bの両固定側第一凸部41a、41aの先端面と当接している。これに対して、バイメタル31eの厚さ方向他側面48eの軸方向中央部が、変位側ホルダ29bの変位側第一凸部34aの先端面と当接している。
又、両バイメタル31e、31fのうち、他方(図6〜7の下方で、ウォームホイール5に近い側)のバイメタル31fは、厚さ方向片側面47fが固定側ホルダ30bの固定側第二内面42aと対向し、且つ、厚さ方向他側面48fが変位側ホルダ29bの変位側第二外面35aと対向した状態で、設置空間46bに配置されている。この状態で、バイメタル31fの厚さ方向片側面47fの軸方向中央部は、固定側ホルダ30bの固定側第二凸部43aの先端面と当接している。これに対して、バイメタル31fの厚さ方向他側面48bの軸方向両端部は、変位側ホルダ29bの両変位側第二凸部37a、37aの先端面と当接している。
以上の様な構成を有する本例の電動パワーステアリング装置の運転時の状態については、図6に示す状態(基準温度の状態)から、周囲の温度上昇に伴い、両バイメタル31e、31fの温度が上昇すると、図7に示す様に、これら両バイメタル31e、31fがそれぞれ、固定側ホルダ30bと対向する側の側面である厚さ方向片側面47e、47fの軸方向中央が凸面となり、同じく厚さ方向他側面48e、48fの軸方向中央が凹面となる状態に変形(湾曲)する。
この状態で、バイメタル31fの厚さ方向片側面47fの軸方向中央が、固定側第二内面42aの固定側第二凸部43aを、図7の下方に向けて押圧する。すると、固定側ホルダ30bは、ハウジング3に支持されている為、この押圧に基づく反力により、バイメタル31fの厚さ方向他側面48fの軸方向両端部が、変位側ホルダ29bの両変位側第二凸部37a、37aの先端面を、図7の上方に向けて押圧する。そして、この押圧に伴い、変位側ホルダ29bが、この変位側ホルダ29bの両被揺動案内面32、32を、固定側ホルダ30bの両揺動案内面38、38により案内されながら、バイメタル31bの、図7の上下方向に関する変形量の分だけ、図7の上方に向けて変位する。
尚、本例の場合、両バイメタル31e、31fを同一の構造としている為、これら両バイメタル31e、31fの図7の上下方向に関する変形量は同じである。この為、図7に示す状態では、変位側ホルダ29bの変位側第一凸部34aの先端面が、一方のバイメタル31eの厚さ方向他側面48eの軸方向中央部に当接している。又、バイメタル31eの厚さ方向片側面47eの軸方向中央部は、固定側ホルダ30bの固定側逃げ凹部40aの内側に入り込んでいる。
又、図6に示す状態から、周囲の温度低下に伴い、両バイメタル31e、31fの温度が低下した場合の動作状態は、上述の周囲の温度が上昇した場合の動作状態と反対となる。具体的な動作に関しては、前述した実施の形態の第1例で説明している為、詳しい説明は省略する。その他の構成及び作用効果については、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第5例]
本発明の実施の形態の第5例について、図8〜10により説明する。本例の電動式パワーステアリング装置の場合も、揺動機構28cを、変位側ホルダ29cと、固定側ホルダ30cと、1対のバイメタル31g、31hとにより構成している。
このうちの変位側ホルダ29cは、その外面の高さ方向両面{図8〜10の上下方向両面}のうちの一方の面{図8〜10の上面}である変位側第一外面33bの幅方向中央部に、他の部分よりもこの変位側第一外面33bから突出した状態で、軸方向に長い変位側第一凸部34bが形成されている。尚、この変位側第一凸部34bは、前述した実施の形態の第1例の変位側凸部34とほぼ同様の形状である。
又、変位側ホルダ29cの外面の高さ方向両面のうちの他方の面{図8〜10の下面}である変位側第二外面35bの幅方向中央部には、他の部分よりもこの変位側第二外面35bから突出した状態で、軸方向に長い変位側第二凸部37bが形成されている。この他の変位側ホルダ29cの構造は、前述した実施の形態の第1例の変位側ホルダ29と同様である。
以上の様な構成を有する変位側ホルダ29cは、その内周面を、転がり軸受9aを構成する外輪22aの外周面に締り嵌めにより外嵌固定する事により組み付けられている。
固定側ホルダ30cは、その内面の高さ方向両面のうちの一方の面である固定側第一内面39bの幅方向中間部に、軸方向に長い固定側逃げ凹部40bが形成されている。又、固定側第一内面39bの幅方向両端部には、この固定側逃げ凹部40bよりも突出した状態で軸方向に長い1対の固定側第一凸部41b、41bが形成されている。尚、固定側逃げ凹部40b及びこれら両固定側第一凸部41b、41bは、前述した実施の形態の第1例の固定側逃げ凹部40及び両固定側第一凸部41、41とほぼ同様の形状である。
又、固定側ホルダ30cは、その内面の高さ方向両面のうちの他方の面である固定側第二内面42bの幅方向中間部に、軸方向に長い固定側第二逃げ凹部49が形成されている。又、固定側第二内面42bの幅方向両端部には、この固定側第二逃げ凹部49よりも突出した状態で軸方向に長い1対の固定側第二凸部43b、43bが形成されている。この他の固定側ホルダ30cの構造は、前述した実施の形態の第1例の変位側ホルダ29と同様である。
以上の様な構成を有する固定側ホルダ30cは、その外周面を、ハウジング3を構成するウォーム軸収容部20(図1参照)の奥部に形成された大径筒部44の内周面に、内嵌固定された状態で組み付けられている。
両バイメタル31g、31hは、前述した実施の形態の第1例の場合と同様の構造を有している。即ち、両バイメタル31g、31hは、熱膨張率が異なる2枚の矩形板状の金属板(低熱膨張率の金属板と、高熱膨張率の金属板と)を積層して成る。この様な両バイメタル31g、31hは、基準温度(本例の場合、20℃)を設定した場合に、この基準温度では変形する事なく矩形平板状である。本例の場合、両バイメタル31g、31hを、これら両バイメタル31g、31hの長手方向が変位側ホルダ29cの幅方向と一致する状態で配置している。この様な状態で配置された両バイメタル31g、31hは、これら両バイメタル31g、31hの温度(周囲の温度)が、基準温度を超えた場合には、これら両バイメタル31g、31bの厚さ方向片側面47g、47hの幅方向中央が凸面となり、同じく厚さ方向他側面48g、48hの幅方向中央が凹面となる状態に湾曲する。一方、両バイメタル31g、31hの温度(周囲の温度)が、基準温度よりも下がった場合には、両バイメタル31g、31hの厚さ方向片側面47g、47hの幅方向中央が凹面となり、同じく厚さ方向他側面48g、48hの幅方向中央が凸面となる状態に湾曲する。
本例の場合、両バイメタル31g、31hの配置態様を前述した実施の形態の第1例の場合と異ならせている。具体的には、両バイメタル31g、31hのうち、一方(図8〜10の上方で、ウォームホイール5から遠い側)のバイメタル31gは、厚さ方向片側面47gが固定側ホルダ30cの固定側第一内面39bと対向し、且つ、厚さ方向他側面48gが変位側ホルダ29cの変位側第一外面33bと対向した状態で、設置空間46aに配置されている。この状態で、バイメタル31gの厚さ方向片側面47gの幅方向両端部は、固定側ホルダ30cの両固定側第一凸部41b、41bの先端面と当接している。これに対して、バイメタル31gの厚さ方向他側面48gの幅方向中央部は、変位側ホルダ29cの変位側第一凸部34bの先端面と当接している。
又、両バイメタル31g、31hのうち、他方(図8〜10の下方で、ウォームホイール5に近い側)のバイメタル31hは、厚さ方向片側面47hが変位側ホルダ29cの変位側第二外面35bと対向し、且つ、厚さ方向他側面48hが、固定側ホルダ30cの固定側第二内面42bと対向した状態で、設置空間46bに配置されている。この状態で、バイメタル31hの厚さ方向片側面47hの幅方向中央部は、変位側ホルダ29cの変位側第二凸部37bの先端面と当接している。これに対して、バイメタル31hの厚さ方向他側面48hの幅方向両端部は、固定側ホルダ30cの両固定側第二凸部43b、43bの先端面と当接している。
以上の様な構成を有する本例の電動パワーステアリング装置の運転時の状態については、図8に示す状態(基準温度の状態)から、周囲の温度上昇に伴い、両バイメタル31g、31hの温度が上昇すると、図9に示す様に、これら両バイメタル31g、31hが、それぞれの厚さ方向片側面47g、47hの幅方向中央が凸面となり、同じく厚さ方向他側面48g、48hの幅方向中央が凹面となる状態に変形(湾曲)する。本例の場合、両バイメタル31g、31hは、互いに同じ方向に湾曲する様に配置されている。
この状態で、他方のバイメタル31hの厚さ方向他側面48hの幅方向両端部が、固定側第二内面42bの両固定側第二凸部43b、43bを、図9の下方に向けて押圧する。すると、固定側ホルダ30cは、ハウジング3に支持されている為、この押圧に基づく反力により、他方のバイメタル31hの厚さ方向片側面47hの幅方向中央部が、変位側ホルダ29cの変位側第二凸部37bの先端面を、図9の上方に向けて押圧する。そして、この押圧に伴い、変位側ホルダ29cが、この変位側ホルダ29cの両被揺動案内面32、32を、固定側ホルダ30cの両揺動案内面38、38により案内されながら、他方のバイメタル31hの、図9の上下方向に関する変形量の分だけ、図9の上方に向けて変位する。
尚、図9に示す状態では、一方のバイメタル31gの厚さ方向片側面47gの幅方向中央部は、固定側ホルダ30cの固定側逃げ凹部40bの内側に入り込んでいる。
一方、図8に示す状態(基準温度の状態)から、周囲の温度低下に伴い、両バイメタル31g、31hの温度が低下すると、図10に示す様に、これら両バイメタル31g、31hがそれぞれ、厚さ方向片側面47g、47hの幅方向中央が凹面となり、同じく厚さ方向他側面48g、48hの幅方向中央が凸面となる状態に湾曲する。
この状態で、一方のバイメタル31gの厚さ方向片側面47gの幅方向両端部が、固定側ホルダ30cの両固定側第一凸部41b、41bを、図10の上方に向けて押圧する。すると、固定側ホルダ30cは、ハウジング3に支持されている為、この押圧に基づく反力により、一方のバイメタル31gの厚さ方向他側面48gの幅方向中央部が、変位側ホルダ29cの変位側第一凸部34bの先端面を、図10の下方に向けて押圧する。そして、この押圧に伴い、変位側ホルダ29cが、この変位側ホルダ29cの両被揺動案内面32、32を、固定側ホルダ30cの両揺動案内面38、38により案内されながら、一方のバイメタル31gの、図10の上下方向に関する変形量の分だけ、図10の下方に向けて変位する。
尚、図10に示す状態では、他方のバイメタル31hの厚さ方向他側面48hの幅方向中央部は、固定側ホルダ30cの固定側第二逃げ凹部49の内側に入り込んでいる。
その他の構成及び作用効果については、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
[実施の形態の第6例]
本発明の実施の形態の第6例について、図11〜13により説明する。本例では、ウォーム軸6aの先端部(図11の左端部)に設けられた先端側軸部27を、転がり軸受9a、及びこの転がり軸受9aの外径側に設けられた揺動押圧機構50を介して、ウォーム軸収容部20の奥部(図11の左端部)に、ハウジング3に対する回転を可能な状態に支持されている。具体的には、転がり軸受9aを構成する内輪21aの内周面に、先端側軸部27の外周面を締り嵌めにより内嵌固定すると共に、転がり軸受9aを構成する外輪22aを、後述する揺動押圧機構50を構成する変位側ホルダ29の内周面に内嵌固定している。
揺動押圧機構50は、変位側ホルダ29と、固定側ホルダ30と、押圧部材51と、バイメタル31とを備えている。
このうちの変位側ホルダ29は、高機能樹脂等の十分な強度、剛性、耐熱性、耐油性を有する合成樹脂製であり、軸方向両端が開口した筒状に形成されている。この変位側ホルダ29の外周面のウォーム軸6aの中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状は略矩形状であり、この変位側ホルダ29の内周面のこの仮想平面に関する断面形状は円形状に形成されている。
又、変位側ホルダ29の外面のうち、この変位側ホルダ29の幅方向両面{図11(b)の左右方向両面}は、平坦面に形成されており、当該部分を1対の被揺動案内面32、32としている。
又、変位側ホルダ29の外面の高さ方向両面{図11(b)の上下方向両面}は、何れも平坦面状に形成されており、これら両面のうちの一方の面{図11(b)の上面}を変位側第一外面33とし、他方の面を変位側第二外面35としている。
以上の様な構成を有する変位側ホルダ29は、その内周面を、転がり軸受9aを構成する外輪22aの外周面に締り嵌めにより外嵌固定する事により組み付けられている。
固定側ホルダ30は、変位側ホルダ29と同様に、高機能樹脂等の十分な強度、剛性、耐熱性、耐油性を有する合成樹脂製であり、軸方向両端が開口した筒状に形成されている。又、この固定側ホルダ30の外周面のウォーム軸6aの中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状は円形状であり、この固定側ホルダ30の内周面のこの仮想平面に関する断面形状は略矩形状に形成されている。尚、固定側ホルダ30の材料を、変位側ホルダ29と異ならせても良い。
又、固定側ホルダ30の内面のうち、この固定側ホルダ30の幅方向両面の高さ方向中間部は、他の部分よりも幅方向内側に突出した平坦面に形成されており、当該部分を1対の揺動案内面38、38としている。
又、固定側ホルダ30の内面の高さ方向両面のうち、一方の面{図11(b)の上面}である、固定側第一内面39の幅方向中間部には軸方向に長い固定側逃げ凹部40が形成されており、この固定側第一内面39の幅方向両端部には、この固定側逃げ凹部40の底面よりも突出した状態で軸方向に長い1対の固定側第一凸部41a、41bが形成されている。
これに対して、固定側ホルダ30の内面の高さ方向両面のうち、他方の面{図11(b)の下面}である、固定側第二内面42は、平坦面状に形成されている。
以上の様な構成を有する固定側ホルダ30は、その外周面を、ハウジング3を構成するウォーム軸収容部20の奥部(図11の左端部)に形成された大径筒部44の内周面に、内嵌固定された状態で組み付けられている。
尚、上述の様に組み付けられた状態で、固定側ホルダ30の軸方向一端面は、ウォーム軸収容部20を構成する大径筒部44と、この大径筒部44よりも軸方向一方側に存在する部分とを連続する段部45に当接させている。
又、固定側ホルダ30の両揺動案内面38、38を、変位側ホルダ29の両被揺動案内面32、32に当接させている。又、固定側ホルダ30の固定側第一内面39は、変位側ホルダ29の変位側第一外面33と対向しており、これら両面38、34同士の間には、後述する押圧部材51及びバイメタル31を設置する為の設置空間46を設けている。一方、固定側ホルダ30の固定側第二内面42は、変位側ホルダ29の変位側第二外面35と、径方向に関する隙間を介した状態で対向している。尚、この変位側第二外面35と固定側第二内面42との間の隙間の、径方向に関する寸法は、使用状況に応じて適宜決定する様にする。
押圧部材51は、圧縮コイルバネであり、その一端部(ウォーム軸6aと反対側の端部)が、後述するバイメタル31の両側面のうちの、ウォーム軸6a側の側面の中央部に支持されている。一方、押圧部材51の他端部(ウォーム軸6aの端部)は、変位側ホルダ29を構成する変位側第一外面33の中央部に支持されている。この様な構成を有する押圧部材51は、図11に示す組み付け状態に於いて、変位側第一外面33とバイメタル31との間に、軸方向寸法を弾性的に縮められた(弾性力を保持した)状態で設置されている。この状態で、押圧部材51は、ウォーム軸6aの先端部を、ウォームホイール5側に向けて所定の押圧力で付勢している。尚、押圧部材51の一端部を、バイメタル31のウォーム軸6a側の側面に支持する手段、及びこの押圧部材51の他端部を、変位側第一外面33に支持する手段は、特に限定されるものではない。
バイメタル31は、特許請求の範囲の複合金属部材に相当する部材であり、熱膨張率が異なる2枚の矩形(短冊形)板状の金属板(低熱膨張率の金属板と、高熱膨張率の金属板と)を積層して成る。この様なバイメタル31は、基準温度(本例の場合、20℃)を設定した場合に、この基準温度では変形する事なく平板状である。本例の場合、バイメタル31を、このバイメタル31の長手方向(長さ方向)が変位側ホルダ29の幅方向{図11(b)の左右方向}と一致する状態で配置している。この様な状態で配置されたバイメタル31は、このバイメタル31の温度(周囲の温度)が、基準温度を超えた場合には、このバイメタル31の厚さ方向片側面47の幅方向中央が凸面となり、同じく厚さ方向他側面48の幅方向中央が凹面となる状態に湾曲する。一方、バイメタル31の温度(周囲の温度)が、基準温度よりも下がった場合には、このバイメタル31の厚さ方向片側面47の幅方向中央が凹面となり、同じく厚さ方向他側面48の幅方向中央が凸面となる状態に湾曲する。即ち、バイメタル31は、このバイメタル31の温度が、基準温度より高い場合と、低い場合とでは、互いに反対向きに湾曲(変形)する。尚、バイメタル31の構造及び材質は、上述の条件を満たす範囲で、従来から知られている各種構造及び材質を採用する事ができる。具体的な材質としては、例えば、低熱膨張率の金属板の材料としてNi−Fe合金が使用できる。一方、高熱膨張率の金属板の材料として、使用温度範囲等に応じNi、Zn−Cu合金、Ni−Cr−Fe合金、Ni−Mn−Fe合金、Ni−Mo−Fe合金、Cu−Ni−Mn合金等を使用できる。
以上の様な構成を有するバイメタル31は、厚さ方向片側面47が固定側ホルダ30の固定側第一内面39と対向し、且つ厚さ方向他側面48が変位側ホルダ29の変位側第一外面33と対向した状態で、設置空間46に配置されている。この状態で、バイメタル31の厚さ方向片側面47の幅方向両端部は、固定側ホルダ30の両固定側第一凸部41a、41bの先端面と当接している。これに対して、バイメタル31の厚さ方向他側面48の幅方向中央部には、押圧部材51の他端部が支持されている。
次に、上述の様な構成を有する本例の電動パワーステアリング装置の運転時の状態について、図11〜13を参照しつつ説明する。
先ず、図11は、バイメタル31が基準温度(本例の場合20℃)の状態を示している。この状態では、押圧部材51が、ウォーム軸6aの先端部を、ウォームホイール5側に向けて所定の押圧力(基準押圧力)で付勢している為、ウォーム軸6aのウォーム歯7aとウォームホイール5との噛合部のバックラッシュが、基準バックラッシュ量に調整されている。
尚、図11に示す状態での、ウォーム軸6aの中心軸を基準中心軸Oとした場合に、この基準中心軸は、電動モータ8の中心軸Oに対して、ウォームホイール5に近付く方向に所定角度だけ揺動変位している。又、図11に示す状態で、バイメタル31は、変形していない平板状である。
図11に示す状態から周囲の温度が上昇すると、この温度上昇に伴い、ウォームホイール5が熱膨張して、図12に示す様に、このウォームホイール5がウォーム軸6aを、このウォームホイール5から離れる方向(図11、12の上方)に押圧する。すると、ウォーム軸6aが、ウォームホイール5から離れる方向(図12に矢印αで示す方向)に揺動変位する。又、この揺動変位に伴い、ウォーム軸6aに外嵌固定された変位側ホルダ29も、この変位側ホルダ29の両被揺動案内面32、32を、固定側ホルダ30の両揺動案内面38、38により案内されながら、ウォームホイール5から離れる方向に向けて変位する。
上述の様にウォーム軸6a及び変位側ホルダ29が変位した際、仮に、押圧部材51の一端部(図11の上端部)の位置が、図11に示す位置から変わらない場合、変位側ホルダ29の変位に伴い、押圧部材51の他端部の位置が、ウォームホイール5から離れる方向に変位して、この押圧部材51の軸方向に関する長さ寸法が小さくなる(収縮する)。すると、この押圧部材51の弾性力(ばね力)が、図11に示す状態よりも大きくなる。この結果、押圧部材51が、ウォーム軸6aの先端部を、ウォームホイール5側に向けて押圧する際の押圧力が、図11に示す状態での基準押圧力よりも大きくなる。
一方、本例の場合、周囲の温度上昇に伴い、ウォームホイール5が熱膨張すると、これに伴い、バイメタル31の温度も上昇して、図12に示す様に、このバイメタル31の側面のうち、固定側ホルダ30と対向する側の側面である厚さ方向片側面47の幅方向中央が凸面となり、変位側ホルダ29と対向する側の側面である厚さ方向他側面48の幅方向中央が凹面となる状態に変形(湾曲)する。
上述の様に変形した状態で、バイメタル31の厚さ方向片側面47の幅方向中央部は、ウォームホイール5から離れる方向に変位して、固定側ホルダ30の固定側逃げ凹部40の内側に入り込む。これに伴い、バイメタル31の厚さ方向他側面48の幅方向中央部も、ウォームホイール5から離れる方向に変位する。すると、バイメタル31の厚さ方向他側面48に支持された押圧部材51の一端部も、ウォームホイール5から離れる方向に変位する。尚、この押圧部材51の一端部が、当該方向に変位する量は、バイメタル31の変形量により決定するものである。このバイメタル31の温度変化による変形量は、ウォームホイール5が、温度変化により熱膨張した際に、押圧部材51の他端部が、このウォームホイール5から離れる方向に変位する量と、同じか、ほぼ同じ(所定範囲に収まる程度に近い量)となる様に適宜決定するものである。
以上の様に、本例の場合、図11に示す状態から周囲の温度が上昇して、図12に示す状態に変化した場合でも、図11に示す状態と比べて、押圧部材51が収縮していない。具体的には、ウォームホイール5が、温度変化により熱膨張した際に、押圧部材51の他端部が、このウォームホイール5から離れる方向に変位したとしても、バイメタル31が上述の状態に変形する為、押圧部材51の他端部もウォームホイール5から離れる方向に変位する。本例の場合、この押圧部材51の他端部の変位量と、この押圧部材51の一端部の変位量とを、同じか、ほぼ同じ量に規制している。この為、この押圧部材51の軸方向に関する長さ寸法が、変化しないか、変化した場合でも所定範囲に収まる程度の僅かな変化に留める事ができる。
これに対して、図11に示す状態から周囲の温度が低下すると、この温度低下に伴い、ウォームホイール5が収縮する。すると、図13に示す様に、押圧部材51の押圧力により、ウォーム軸6aが、ウォームホイール5に近付く方向(図13にβで示す方向)に所定角度θだけ揺動変位する。又、この揺動変位に伴い、ウォーム軸6aに外嵌固定された変位側ホルダ29も、この変位側ホルダ29の両被揺動案内面32、32を、固定側ホルダ30の両揺動案内面38、38により案内されながら、ウォームホイール5に近付く方向に変位する。尚、本例の場合、図13に示す状態で、変位側ホルダ29の変位側第二外面35と、固定側ホルダ30の固定側第二内面42とは当接している。この様に、変位側第二外面35とこの固定側第二内面42とが当接した状態では、変位側ホルダ29は、それ以上、ウォームホイール5に近付く方向に変位する事はない。
上述の様に変位側ホルダ29が変位した際、仮に、押圧部材51の一端部の位置が、図11に示す位置から変わらない場合、変位側ホルダ29の変位に伴い、押圧部材51の他端部の位置が、ウォームホイール5に近付く方向に変位して、押圧部材51の軸方向に関する長さ寸法が大きくなる(伸張する)。すると、この押圧部材51の弾性力(ばね力)が、図11に示す状態よりも小さくなる。この結果、この押圧部材51が、ウォーム軸6aの先端部を、ウォームホイール5側に向けて押圧する際の押圧力が、図11に示す状態での基準押圧力よりも小さくなる。
一方、本例の場合、周囲の温度低下に伴い、ウォームホイール5が収縮すると、これに伴い、バイメタル31の温度も低下して、図13に示す様に、このバイメタル31の側面のうち、変位側ホルダ29と対向する側の側面である厚さ方向他側面48の幅方向中央が凸面となり、固定側ホルダ30と対向する側の側面である厚さ方向片側面47の幅方向中央が凹面となる状態に変形(湾曲)する。
上述の様に変形した状態で、バイメタル31の厚さ方向片側面47の幅方向両端部が、固定側ホルダ30の両固定側第一凸部41a、41bを、図13の上方に向けて押圧(当接)する。すると、固定側ホルダ30は、ハウジング3に支持されている為、この押圧に基づく反力により、バイメタル31の厚さ方向他側面48の幅方向中央部が、押圧部材51の一端部を、図13の下方に向けて押圧する(変位させる)。そして、バイメタル31の厚さ方向他側面48に支持された押圧部材51の一端部も、ウォームホイール5から離れる方向に変位する。
以上の様に、本例の場合、図11に示す状態から周囲の温度が低下して、図13に示す状態に変化した場合でも、図11に示す状態と比べて、押圧部材51が伸長していない。具体的には、ウォームホイール5が、温度変化により収縮した際に、押圧部材51の他端部が、このウォームホイール5に近付く方向に変位したとしても、バイメタル31が上述の状態に変形する為、押圧部材51の他端部もウォームホイール5に近付く方向に変位する。本例の場合、この押圧部材51の他端部の変位量と、この押圧部材51の一端部の変位量とを、同じか、ほぼ同じ量に規制している。この為、この押圧部材51の軸方向に関する長さ寸法が、変化しないか、変化した場合でも所定範囲に収まる程度の僅かな変化に留める事ができる。
上述の様な構成を有する本例の電動式パワーステアリング装置によれば、ウォームホイール5の膨張及び収縮に拘わらず、ウォーム軸6aをこのウォームホイール5に向けて押圧する押圧力を、適切な大きさ(基準押圧力)に維持する事ができる。
即ち、本例の場合、ウォームホイール5及びバイメタル31の温度が基準温度よりも高くなった場合及び低くなった場合の何れの場合でも、押圧部材51の軸方向寸法を一定、又はほぼ一定に維持する事ができる。この為、この押圧部材51が、ウォーム軸6aをウォームホイール5の方向に押圧する際の押圧力(ばね力)、及びこのウォーム軸6aとこのウォームホイール5との噛合部のバックラッシュを適切な大きさに維持する事ができる。この結果、この噛合部の摩擦力の増加、及び歯打ち音の発生の防止を図れる。
[実施の形態の第7例]
本発明の実施の形態の第7例について、図14により説明する。本例の電動式パワーステアリング装置の場合、前述した実施の形態の第6例と同様の構成を有する揺動押圧機構50を、この実施の形態の第6例の場合と比べて、周方向の一方{図11(b)、図12(b)、図13(b)、及び図14の反時計方向}に45°回転させた状態で、転がり軸受9aを介して、ウォーム軸6aの先端側軸部27と、ハウジング3の奥部に形成された大径筒部44との間に組み付けている。従って、周囲が温度上昇した場合、或いは、温度低下した場合に、変位側ホルダ29が変位する方向、及びウォーム軸6aが揺動する方向も、実施の形態の第6例の場合に対して、45°回転した方向となる。
上述の様に、揺動押圧機構50を回転する角度を任意に設定する事により、変位側ホルダ29の変位方向、及びウォーム軸6aの揺動方向を、任意に設定する事ができる。その他の構成及び作用効果については、前述した実施の形態の第6例の場合と同様である。
本出願は、2014年12月15日出願の日本特許出願2014−252881に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
前述した様に、本発明を実施する場合には、1対のバイメタルが、ウォーム軸の中心軸に関して対称に変形する構成、或いは、1対のバイメタルが、互いに同じ方向に変形する構成の何れの構成を採用する事もできる。
又、本発明を実施する場合には、両バイメタルを、これら両バイメタルの長手方向が変位側ホルダの幅方向と一致する状態で配置する構成を採用する事ができる。この場合には、両バイメタルは、温度変化した際、ウォーム軸の中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状が、変位側ホルダの幅方向中央部が凸面又は凹面となる状態に湾曲する様に配置する事ができる。
又、本発明を実施する場合には、両バイメタルを、これら両バイメタルの長手方向がウォーム軸の軸方向と一致する状態で配置する構成を採用する事もできる。この場合には、両バイメタルは、ウォームホイールの中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状が、ウォーム軸の軸方向中央部が凸面又は凹面となる状態に湾曲させる事もできる。尚、バイメタルの形状は前述した実施の形態の各例の場合に限定されるものではない。
又、変位側ホルダの外面に設けた凸部、及び固定側ホルダの内面に設けた凸部の、位置及び個数は、前述した実施の形態の各例の場合に限定されるものではない。
又、本発明を実施する場合に、前述した実施の形態の第1例の弾性付与手段18(図16参照)の様に、ウォーム軸をウォームホイールに予め押圧する(ウォーム歯とウォームホイールの噛合部に予め予圧を付与する)為の押圧機構を、併せて採用する事もできる。
又、本発明を実施する場合に、基準温度とは、ウォーム軸の揺動方向を切り替える際の温度であって、ウォームホイールの熱膨張係数との関係で適宜決定されるものである。従って、この基準温度での複合金属部材の変形態様は特に問わない。例えば、基準温度に於いて、ウォームホイールに向かう方向の押圧力をウォーム軸に付与できる様に、複合金属部材を変形(湾曲)させておくこともできる。
又、前述の実施の形態の各例では、コラムアシスト型の電動式パワーステアリング装置に本発明を適用した例について説明したが、本発明は、ピニオンアシスト型の電動式パワーステアリング装置等の各種電動式パワーステアリング装置に適用する事ができる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ハウジング
4、4a ウォーム減速機
5 ウォームホイール
6、6a、6b ウォーム軸
7、7a、7b ウォーム歯
8 電動モータ
9a、9b 転がり軸受
10 回転軸
11a、11b 転がり軸受
12 トーションバー
13 トルクセンサ
14a、14b 自在継手
15 中間シャフト
16 ステアリングギヤユニット
17 入力軸
18 弾性付与手段
19 基端側軸部
20 ウォーム軸収容部
21a、21b 内輪
22a、22b 外輪
23 段部
24 雄スプライン部
25 ジョイント
26 雌スプライン部
27 先端側軸部
28、28a、28b、28c 揺動機構
29、29a、29b、29c 変位側ホルダ
30、30a、30b、30c 固定側ホルダ
31、31a、31b、31c、31d、31e、31f、31g、31h バイメタル
32 被揺動案内面
33、33a、33b 変位側第一外面
34、34a、34b 変位側第一凸部
35、35a、35b 変位側第二外面
36、36a 変位側逃げ凹部
37、37a、37b 変位側第二凸部
38 揺動案内面
39、39a、39b 固定側第一内面
40、40a、40b 固定側逃げ凹部
41、41a、41b 固定側第一凸部
42、42a、42b 固定側第二内面
43、43a、43b 固定側第二凸部
44 大径筒部
45 段部
46、46a、46b 設置空間
47、47a、47b、47c、47d、47e、47f、47g、47h 片側面
48、48a、48b、48c、48d、48e、48f、48g、48h 他側面
49 固定側第二逃げ凹部
50 揺動押圧機構
51 押圧部材

Claims (3)

  1. 固定の部分に支持されて回転する事のないハウジングと、
    前記ハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する操舵用回転軸と、
    前記ハウジングの内部で前記操舵用回転軸の一部に、前記操舵用回転軸と同心に支持されて、前記操舵用回転軸と共に回転するウォームホイールと、
    軸方向中間部にウォーム歯が設けられており、前記ウォーム歯を前記ウォームホイールと噛合させた状態で、前記ウォーム歯以外の部分を軸受により前記ハウジングに対し回転自在に支持されたウォーム軸と、
    前記ウォーム軸を回転駆動する為の電動モータと、
    を備えた電動式パワーステアリング装置であって、
    熱膨張率が異なる複数枚の金属板を積層してなり、自身の温度が基準温度よりも高くなった場合に、自身の変形に基づいて前記ウォーム軸を、前記ウォームホイールから離れる方向に揺動変位させる事が可能であり、自身の温度が基準温度よりも低くなった場合に、自身の変形に基づいて前記ウォーム軸を、前記ウォームホイールに近付く方向に揺動変位させる事が可能な状態で設けられた複合金属部材と、
    前記ウォーム軸を前記ウォームホイールに向けて押圧するバネ部材と、
    を備え、
    前記バネ部材の両端部のうち、前記ウォーム軸と反対側端部と、前記ハウジングの内周面との間に、前記複合金属部材が配置され、
    前記複合金属部材は、自身の温度が基準温度よりも高くなった場合に、前記バネ部材が、前記ウォーム軸を前記ウォームホイールに向けて押圧する押圧力が大きくなるのを抑える方向に変形する事が可能であると共に、自身の温度が基準温度よりも低くなった場合に、前記バネ部材が、前記ウォーム軸を前記ウォームホイールに向け押圧する押圧力が小さくなるのを抑える方向に変形する事が可能である、
    電動式パワーステアリング装置。
  2. 前記複合金属部材が、自身の温度が基準温度よりも高くなった場合に、自身の温度が基準温度である場合と比べて、前記バネ部材の前記ウォーム軸と反対側の端部が、このウォーム軸から離れる方向に変位する事を許容する方向に変形すると共に、自身の温度が基準温度よりも低くなった場合に、自身の温度が基準温度である場合と比べて、前記バネ部材の前記ウォーム軸と反対側の端部が、前記ウォーム軸に近付く方向に変位する事を許容する方向に変形する、請求項1に記載した電動式パワーステアリング装置。
  3. 前記複合金属部材及び前記バネ部材が、ホルダにより保持されている、請求項1又は2に記載した電動式パワーステアリング装置。
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