JP6447017B2 - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
上述の従来構造によれば、前記弾力付与手段18により、前記ウォーム軸6と前記ウォームホイール5との間のバックラッシュを抑え、前記歯打ち音の発生を抑える事ができる。
但し、上述の従来構造の場合、使用時の温度上昇により、前記ウォームホイール5が膨張すると、前記ウォーム軸6が前記ウォームホイール5を押圧する押圧力が大きくなり、前記ウォーム軸6のウォーム歯7と、このウォームホイール5との噛合部のバックラッシュが小さくなる。この結果、この噛合部の摩擦(電動モータ8から加わるトルクの損失)が大きくなり、前記ステアリングホイール1の回転開始時の操舵感が重くなってしまう可能性がある。
一方、周囲の温度の低下に伴い、前記ウォームホイール5の温度が低下して、このウォームホイール5が収縮した場合、前記噛合部のバックラッシュが大きくなり、この噛合部で前記歯打ち音が発生し易くなってしまう可能性がある。
このうちのハウジングは、例えば車体等の固定の部分に支持されて回転する事がない。
前記操舵用回転軸は、前記ハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する。
前記ウォームホイールは、前記ハウジングの内部でこの操舵用回転軸の一部に、この操舵用回転軸と同心に支持されて、この操舵用回転軸と共に回転する。
前記ウォーム軸は、軸方向中間部にウォーム歯が設けられており、このウォーム歯を前記ウォームホイールと噛合させた状態で、先端部を転がり軸受により前記ハウジングに対し回転自在に支持されている。
前記電動モータは、このウォーム軸を回転駆動する為のものである。
又、前記各複合金属部材のうち、前記ウォームホイールに近い側の複合金属部材を、自身の温度が基準温度よりも高くなった場合に、自身の変形に基づいて前記ウォーム軸を、前記ウォームホイールから離れる方向に揺動変位させる事が可能な状態で設けている。
更に、前記ウォームホイールから遠い側の複合金属部材を、自身の温度が基準温度よりも低くなった場合に、自身の変形に基づいて前記ウォーム軸を、前記ウォームホイールに近付く方向に揺動変位させる事が可能な状態で設けている。
又、このうちの固定側ホルダを、筒状に構成すると共に、その外周面を前記ハウジングの内周面に内嵌した状態で支持固定している。
又、前記変位側ホルダを、筒状に構成すると共に、内周面を、前記転がり軸受の外輪の外周面に外嵌固定している。
そして、前記各複合金属部材を、前記固定側ホルダの内周面と、前記変位側ホルダの外周面との間部分のうち、径方向に関して互いに反対側となる部分に保持している。
更に、前記固定側ホルダにより、前記変位側ホルダの揺動変位を案内する様に構成している。
或いは、請求項3に記載した発明の様に、前記各複合金属部材を、互いに同じ方向に変形する様に構成する。
又、前記変位側ホルダの外面の前記仮想平面に関する断面形状を矩形状とする。
又、前記固定側ホルダの内面のうち、径方向に関して反対側となる1対の内面を、それぞれ固定側第一内面と、固定側第二内面とし、これら固定側第一、第二各内面と径方向に対向する、前記変位側ホルダの外面を、それぞれ変位側第一外面と、変位側第二外面とする。
又、前記固定側第一内面の、幅方向両端部に、1対の固定側第一凸部を形成する。
又、前記固定側第二内面の、幅方向中央部に、固定側第二凸部を形成する。
又、前記変位側第一外面の、幅方向中央部に、変位側第一凸部を形成する。
又、前記変位側第二外面の、幅方向両端部に、1対の変位側第二凸部を形成する。
又、前記各複合金属部材のうちの、一方の複合金属部材を、前記固定側第一内面と、前記変位側第一外面との間に配置する。又、この状態で前記固定側ホルダと対向する側の側面の幅方向両端部を、前記両固定側第一凸部の先端面に当接させると共に、前記変位側ホルダと対向する側の側面の幅方向中央部を、前記変位側第一凸部の先端面に当接させる。
更に、前記各複合金属部材のうちの、他方の複合金属部材を、前記固定側第二内面と、前記変位側第二外面との間に配置する。又、前記固定側ホルダと対向する側の側面の幅方向中央部を、前記固定側第二凸部の先端面に当接させると共に、前記変位側ホルダと対向する側の側面の幅方向両端部を、前記両変位側第二凸部の先端面に当接させた状態で配置する。
即ち、本発明の場合、自身の温度が基準温度よりも高くなった場合に、前記ウォーム軸を、前記ウォームホイールから離れる方向に揺動変位させる事が可能であり、自身の温度が基準温度よりも低くなった場合に、前記ウォーム軸を、前記ウォームホイールに近付く方向に揺動変位させる事が可能である複合金属部材を設けている。この為、温度変化に伴い前記ウォームホイールが熱膨張或いは熱収縮して、前記噛合部のバックラッシュの量が変化した場合でも、前記複合金属部材の変形により前記ウォーム軸を揺動変位させて、前記噛合部のバックラッシュを適切な大きさに保つ事ができる。
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜3により説明する。尚、本例の電動式パワーステアリング装置の特徴は、ウォーム減速機4aを構成するウォーム軸6aの先端部を、ハウジング3に対して支持する部分の構造を工夫した点にある。その他の部分の構成に就いては、前記図11〜13に示した従来構造の場合と基本的には同じである。この為、重複する部分の説明及び図示は省略又は簡略にし、以下、本例の特徴部分及び先に説明しなかった部分を中心に説明する。
本例の場合、前記ウォームホイール5は、径方向の内端部及び中間部を金属により造ると共に、外周面に形成された歯部(図示省略)を含む径方向の外端部を合成樹脂により造っている。これにより、運転時に噛合部で発生する打音及び摺動音の低減と軽量化とを図っている。
このうちの変位側ホルダ29は、高機能樹脂等の十分な強度、剛性、耐熱性、耐油性を有する合成樹脂製であり、軸方向両端が開口した筒状に形成されている。この変位側ホルダ29の外周面の前記ウォーム軸6aの中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状は略矩形状であり、同じく内周面のこの仮想平面に関する断面形状は円形状に形成されている。
又、この変位側ホルダ29の外面の高さ方向両面{図1(b)の上下方向両面}のうち、一方の面{図1(b)の上面}である、変位側第一外面33の幅方向中央部には、他の部分よりもこの変位側第一外面33から突出した状態で、軸方向に長い変位側第一凸部34が形成されている。これに対して、前記変位側ホルダ29の外面の高さ方向両面のうち、他方の面{図1(b)の下面}である、変位側第二外面35の幅方向中間部には、軸方向に長い変位側逃げ凹部36が形成されており、同じく幅方向両端部には、この変位側逃げ凹部36よりも突出した状態で、軸方向に長い1対の変位側第二凸部37、37が形成されている。
以上の様な構成を有する前記変位側ホルダ29は、その内周面を、前記転がり軸受9aを構成する外輪22aの外周面に締り嵌めにより外嵌固定する事により組み付けられている。
又、前記固定側ホルダ30の内面のうち、この固定側ホルダ30の幅方向両面の高さ方向中間部は、他の部分よりも幅方向内側に突出した平坦面に形成されており、当該部分を1対の揺動案内面38、38としている。
又、前記固定側ホルダ30の内面の高さ方向両面のうち、一方の面である、固定側第一内面39の幅方向中間部には軸方向に長い固定側逃げ凹部40が形成されており、同じく幅方向両端部には、この固定側逃げ凹部40よりも突出した状態で軸方向に長い1対の固定側第一凸部41、41が形成されている。
尚、上述の様に組み付けられた状態で、前記固定側ホルダ30の軸方向一端面は、前記ウォーム軸収容部20を構成する大径筒部44と、この大径筒部44よりも軸方向一方側に存在する部分とを連続する段部45に当接させている。
又、前記固定側ホルダ30の両揺動案内面38、38を、前記変位側ホルダ29の両被揺動案内面32、32に当接させている。又、前記固定側ホルダ30の固定側第一内面39は、前記変位側ホルダ29の変位側第一外面33と対向しており、これら両面39、33同士の間には、後述する1対のバイメタル31a、31bのうちの、一方のバイメタル31aを設置する為の設置空間46aを設けている。一方、前記固定側ホルダ30の固定側第二内面42は、前記変位側ホルダ29の変位側第二外面35と対向しており、これら両面42、35同士の間には、後述する1対のバイメタル31a、31bのうちの、他方のバイメタル31bを設置する為の設置空間46bを設けている。
先ず、図1は、前記両バイメタル31a、31bが基準温度(本例の場合20℃)の状態を示している。この状態では、前記ウォーム軸6aのウォーム歯7aと前記ウォームホイール5との噛合部のバックラッシュが、基準バックラッシュ量に調整されている。尚、図1に示す状態で、例えば、前述した従来構造の弾力付与手段18等の構造により、前記ウォーム軸6aを、前記ウォームホイール5に向けて押圧していても良い。この様な構成を採用した場合、前記基準バックラッシュ量を、前記噛合部での摩擦(電動モータ8から加わるトルクの損失)が大きくなり、前記ステアリングホイール1の回転開始時の操舵感が重くなる事がなく、このステアリングホイール1(ステアリングシャフト2)の回転方向を変える際に、歯打ち音と呼ばれる不快な異音が発生する事を防止できる適切な量に設定する事ができる。
又、図1に示す状態で、前記ウォーム軸6aの中心軸O1は、電動モータ8の中心軸と同心である(揺動していない)。更に、図1に示す状態で、前記両バイメタル31a、31bは、変形していない矩形平板状である。
尚、この様な一方のバイメタル31aの変形は、後述する他方のバイメタル31bの変形に基づいて前記変位側ホルダ29の、図2の上方への変位を可能にする為のものである。従って、前記一方のバイメタル31aの変形に伴い、この一方のバイメタル31aから、前記変位側ホルダ29に、この変位側ホルダ29の上方への移動を妨げる様な大きな力が加わらない様に規制する。
尚、図2に示す状態では、このウォームホイール5から、前記ウォーム軸6aに噛み合い反力が加わった際、変形後の前記一方のバイメタル31aの弾性力により、このウォーム軸6aを、前記ウォームホイール5に対して、押圧する事ができる。
即ち、本例の場合、自身の温度が基準温度よりも高くなった場合に、前記ウォーム軸6bを、前記ウォームホイール5から離れる方向(図2参照)に揺動変位させる事が可能であり、自身の温度が基準温度よりも低くなった場合に、前記ウォーム軸6bを、前記ウォームホイール5に近付く方向に揺動変位させる事が可能である、前記揺動機構28(両バイメタル31a、31b)を備えている。この為、温度変化に伴い前記ウォームホイール5が熱膨張或いは熱収縮して、前記噛合部でのバックラッシュの量が変化した場合でも、前記揺動機構28(両バイメタル31a、31b)の変形により前記ウォーム軸6bを揺動変位させて、前記噛合部のバックラッシュの量を、適切な量(基準バックラッシュ量)に保つ事ができる。
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図4により説明する。本例の電動式パワーステアリング装置の場合、前述した実施の形態の第1例と同様の構成を有する揺動機構28を、この実施の形態の第1例の場合と比べて、周方向の一方{図1(b)、図2(b)、図3(b)、及び図4の反時計方向}に45°回転させた状態で、転がり軸受9aを介して、ウォーム軸6aの先端側軸部27(図1参照)と、ハウジング3の奥部に形成された大径筒部44との間に組み付けている。従って、周囲が温度上昇した場合、或いは、温度低下した場合に、変位側ホルダ29が変位する方向、及び前記ウォーム軸6aが揺動する方向も、実施の形態の第1例の場合に対して、45°回転した方向となる。
上述の様に、前記揺動機構28を回転する角度を任意に設定する事により、前記変位側ホルダ29の変位方向、及び前記ウォーム軸6aの揺動方向を、任意に設定する事ができる。その他の構成及び作用効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第3例に就いて、図5により説明する。本例の電動式パワーステアリング装置を構成する揺動機構28aを構成する変位側ホルダ29a及び固定側ホルダ30aは、前述した実施の形態の第1例の揺動機構28を構成する変位側ホルダ29及び固定側ホルダ30を、ウォーム軸6bの中心軸に関して180°回転させた如き構造を有している。又、両バイメタル31c、31dに関しては、前述した実施の形態の第1例のバイメタル31a、31bを、それぞれ図1〜3の上下方向に関して反対にした(裏表を反対にした)状態で配置している。従って、本例の両バイメタル31c、31dは、周囲の温度が変化した場合に、前述した実施の形態の第1例の場合とは逆に変形する。以下、実施の形態の第1例の揺動機構28を構成する変位側ホルダ29及び固定側ホルダ30に対応する部分には、同じ符号を付して、本例の運転時の状態に就いて説明する。
尚、この様な他方のバイメタル31dの変形は、後述する一方のバイメタル31cの変形に基づく前記変位側ホルダ29の、図5の下方への変位を可能にする為のものである。従って、前記他方のバイメタル31dの変形に伴い、前記バイメタル31dから、前記変位側ホルダ29に、この変位側ホルダ29の下方への移動を妨げる様な大きな力が加わらない様に規制する。
本発明の実施の形態の第4例に就いて、図6〜7により説明する。本例の電動式パワーステアリング装置の場合も、揺動機構28bを、変位側ホルダ29bと、固定側ホルダ30bと、1対のバイメタル31e、31fとにより構成している。
このうちの変位側ホルダ29bは、その外面の高さ方向両面{図6の(a)(b)の上下方向両面}のうち、一方の面{図6の(a)(b)の上面}である、変位側第一外面33aの軸方向中央部に、幅方向{図6の(a)の表裏方向、(b)の左右方向}に長い変位側第一凸部34aが形成されている。一方、前記変位側ホルダ29bの外面の高さ方向両面のうち、他方の面{図6の(a)(b)の下面}である変位側第二外面35aの軸方向中間部には、幅方向に長い変位側逃げ凹部36aが形成されており、同じく軸方向両端部には、この変位側逃げ凹部36aよりも突出した状態で、幅方向に長い1対の変位側第二凸部37a、37aが形成されている。この様な構成を有する前記変位側ホルダ29bは、前述した実施の形態の各例と同様に、その内周面を、転がり軸受9aを構成する外輪22aの外周面に締り嵌めにより外嵌固定する事により組み付けられている。この他の前記変位側ホルダ29bの構造は、前述した実施の形態の第1例の変位側ホルダ29と同様である。
又、図6に示す状態から、周囲の温度低下に伴い、前記両バイメタル31e、31fの温度が低下した場合の動作状態は、上述の周囲の温度が上昇した場合の動作状態と反対となる。具体的な動作に関しては、前述した実施の形態の第1例で説明している為、詳しい説明は省略する。その他の構成及び作用効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明の実施の形態の第5例に就いて、図8〜10により説明する。本例の電動式パワーステアリング装置の場合も、揺動機構28cを、変位側ホルダ29cと、固定側ホルダ30cと、1対のバイメタル31g、31hとにより構成している。
このうちの変位側ホルダ29cは、その外面の高さ方向両面{図8〜10の上下方向両面}のうちの一方の面{図8〜10の上面}である変位側第一外面33bの幅方向中央部に、他の部分よりもこの変位側第一外面33bから突出した状態で、軸方向に長い変位側第一凸部34bが形成されている。尚、この変位側第一凸部34bは、前述した実施の形態の第1例の変位側凸部34とほぼ同様の形状である。
又、前記変位側ホルダ29cの外面の高さ方向両面のうちの他方の面{図8〜10の下面}である変位側第二外面35bの幅方向中央部には、他の部分よりもこの変位側第二外面35bから突出した状態で、軸方向に長い変位側第二凸部37bが形成されている。この他の前記変位側ホルダ29cの構造は、前述した実施の形態の第1例の変位側ホルダ29と同様である。
以上の様な構成を有する前記変位側ホルダ29cは、その内周面を、転がり軸受9aを構成する外輪22aの外周面に締り嵌めにより外嵌固定する事により組み付けられている。
以上の様な構成を有する前記固定側ホルダ30cは、その外周面を、ハウジング3を構成するウォーム軸収容部20(図1参照)の奥部に形成された大径筒部44の内周面に、内嵌固定された状態で組み付けられている。
尚、図9に示す状態では、前記一方のバイメタル31gの厚さ方向片側面47gの幅方向中央部は、前記固定側ホルダ30cの固定側逃げ凹部40bの内側に入り込んでいる。
この状態で、前記一方のバイメタル31gの厚さ方向片側面47gの幅方向両端部が、前記固定側ホルダ30cの両固定側第一凸部41b、41bを、図10の上方に向けて押圧する。すると、前記固定側ホルダ30cは、前記ハウジング3に支持されている為、この押圧に基づく反力により、前記一方のバイメタル31gの厚さ方向他側面48gの幅方向中央部が、前記変位側ホルダ29cの変位側第一凸部34bの先端面を、図10の下方に向けて押圧する。そして、この押圧に伴い、前記変位側ホルダ29cが、この変位側ホルダ29cの両被揺動案内面32、32を、前記固定側ホルダ30cの両揺動案内面38、38により案内されながら、前記一方のバイメタル31gの、図10の上下方向に関する変形量の分だけ、図10の下方に向けて変位する。
尚、図10に示す状態では、前記他方のバイメタル31hの厚さ方向他側面48hの幅方向中央部は、前記固定側ホルダ30cの固定側第二逃げ凹部49の内側に入り込んでいる。
その他の構成及び作用効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
又、本発明を実施する場合には、両バイメタルを、これら両バイメタルの長手方向が変位側ホルダの幅方向と一致する状態で配置する構成を採用する事ができる。この場合には、前記両バイメタルは、温度変化した際、ウォーム軸の中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状が、変位側ホルダの幅方向中央部が凸面又は凹面となる状態に湾曲する様に配置する事ができる。
又、本発明を実施する場合には、両バイメタルを、これら両バイメタルの長手方向がウォーム軸の軸方向と一致する状態で配置する構成を採用する事もできる。この場合には、前記両バイメタルは、ウォームホイールの中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状が、前記ウォーム軸の軸方向中央部が凸面又は凹面となる状態に湾曲させる事もできる。尚、バイメタルの形状は前述した実施の形態の各例の場合に限定されるものではない。
又、変位側ホルダの外面に設けた凸部、及び固定側ホルダの内面に設けた凸部の、位置及び個数は、前述した実施の形態の各例の場合に限定されるものではない。
又、本発明を実施する場合に、前述した実施の形態の第1例の弾力付与手段18(図12参照)の様に、ウォーム軸をウォームホイールに予め押圧する(ウォーム歯とウォームホイールの噛合部に予め予圧を付与する)為の押圧機構を、併せて採用する事もできる。
又、本発明を実施する場合に、基準温度とは、前記ウォーム軸の揺動方向を切り替える際の温度であって、ウォームホイールの熱膨張係数との関係で適宜決定されるものである。従って、この基準温度での複合金属部材の変形態様は特に問わない。例えば、基準温度に於いて、ウォームホイールに向かう方向の押圧力をウォーム軸に付与できる様に、複合金属部材を変形(湾曲)させておくこともできる。
又、前述の実施の形態の各例では、コラムアシスト型の電動式パワーステアリング装置に本発明を適用した例について説明したが、本発明は、ピニオンアシスト型の電動式パワーステアリング装置等の各種電動式パワーステアリング装置に適用する事ができる。
2 ステアリングシャフト
3 ハウジング
4、4a ウォーム減速機
5 ウォームホイール
6、6a、6b ウォーム軸
7、7a、7b ウォーム歯
8 電動モータ
9a、9b 転がり軸受
10 回転軸
11a、11b 転がり軸受
12 トーションバー
13 トルクセンサ
14a、14b 自在継手
15 中間シャフト
16 ステアリングギヤユニット
17 入力軸
18 弾力付与手段
19 基端側軸部
20 ウォーム軸収容部
21a、21b 内輪
22a、22b 外輪
23 段部
24 雄スプライン部
25 ジョイント
26 雌スプライン部
27 先端側軸部
28、28a、28b、28c 揺動機構
29、29a、29b、29c 変位側ホルダ
30、30a、30b、30c 固定側ホルダ
31a、31b、31c、31d、31e、31f、31g、31h バイメタル
32 被揺動案内面
33、33a、33b 変位側第一外面
34、34a、34b 変位側第一凸部
35、35a、35b 変位側第二外面
36、36a 変位側逃げ凹部
37、37a、37b 変位側第二凸部
38 揺動案内面
39、39a、39b 固定側第一内面
40、40a、40b 固定側逃げ凹部
41、41a、41b 固定側第一凸部
42、42a、42b 固定側第二内面
43、43a、43b 固定側第二凸部
44 大径筒部
45 段部
46a、46b 設置空間
47a、47b、47c、47d、47e、47f、47g、47h 片側面
48a、48b、48c、48d、48e、48f、48g、48h 他側面
49 固定側第二逃げ凹部
Claims (6)
- 固定の部分に支持されて回転する事のないハウジングと、
このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する操舵用回転軸と、
前記ハウジングの内部でこの操舵用回転軸の一部に、この操舵用回転軸と同心に支持されて、この操舵用回転軸と共に回転するウォームホイールと、
軸方向中間部にウォーム歯が設けられており、このウォーム歯を前記ウォームホイールと噛合させた状態で、先端部を転がり軸受により前記ハウジングに対し回転自在に支持されたウォーム軸と、
このウォーム軸を回転駆動する為の電動モータとを備えた電動式パワーステアリング装置であって、
熱膨張率が異なる複数枚の金属板を積層してなる複合金属部材を2個備え、
これら各複合金属部材が、固定側ホルダと変位側ホルダとからなるホルダにより保持されており、
このうちの固定側ホルダは、筒状であり、その外周面を前記ハウジングの内周面に内嵌された状態で支持固定されており、
前記変位側ホルダは、筒状であり、内周面を、前記転がり軸受の外輪の外周面に外嵌固定しており、
前記固定側ホルダが、前記変位側ホルダの揺動変位を案内しており、
前記各複合金属部材が、前記固定側ホルダの内周面と、前記変位側ホルダの外周面との間部分のうち、径方向に関して互いに反対側となる部分に保持されており、
前記各複合金属部材のうち、前記ウォームホイールに近い側の複合金属部材が、自身の温度が基準温度よりも高くなった場合に、自身の変形に基づいて前記ウォーム軸を、前記ウォームホイールから離れる方向に揺動変位させる事が可能であり、前記各複合金属部材のうち、前記ウォームホイールから遠い側の複合金属部材が、自身の温度が基準温度よりも低くなった場合に、自身の変形に基づいて前記ウォーム軸を、前記ウォームホイールに近付く方向に揺動変位させる事が可能である事を特徴とする電動式パワーステアリング装置。 - 前記各複合金属部材が、互いに前記ウォーム軸の中心軸に関して対称な状態に変形する、請求項1に記載した電動式パワーステアリング装置。
- 前記各複合金属部材が、互いに同じ方向に変形する、請求項1に記載した電動式パワーステアリング装置。
- 前記固定側ホルダの内面の、前記ウォーム軸の中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状が矩形状であり、
前記変位側ホルダの外面の前記仮想平面に関する断面形状が矩形状であり、
前記固定側ホルダの内面のうち、径方向に関して反対となる1対の内面を、それぞれ固定側第一内面と、固定側第二内面とし、
これら固定側第一、第二各内面に対向する、前記変位側ホルダの外面を、それぞれ変位側第一外面と、変位側第二外面とした場合に、
前記固定側第一内面の、幅方向両端部に、1対の固定側第一凸部が形成されており、
前記固定側第二内面の、幅方向中央部に、固定側第二凸部が形成されており、
前記変位側第一外面の、幅方向中央部に、変位側第一凸部が形成されており、
前記変位側第二外面の、幅方向両端部に、1対の変位側第二凸部が形成されており、
前記各複合金属部材のうちの、一方の複合金属部材は、前記固定側第一内面と、前記変位側第一外面との間に配置された状態で、前記固定側ホルダと対向する側の側面の幅方向両端部を、前記両固定側第一凸部の先端面に当接させると共に、前記変位側ホルダと対向する側の側面の幅方向中央部を、前記変位側第一凸部の先端面に当接させており、
前記各複合金属部材のうちの、他方の複合金属部材は、前記固定側第二内面と、前記変位側第二外面との間に配置された状態で、前記固定側ホルダと対向する側の側面の幅方向中央部を、前記固定側第二凸部の先端面に当接させると共に、前記変位側ホルダと対向する側の側面の幅方向両端部を、前記両変位側第二凸部の先端面に当接させている、請求項2に記載した電動式パワーステアリング装置。 - 前記固定側ホルダの内面の、前記ウォーム軸の中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状が矩形状であり、
前記変位側ホルダの外面の前記仮想平面に関する断面形状が矩形状であり、
前記固定側ホルダの内面のうち、径方向に関して反対となる1対の内面を、それぞれ固定側第一内面と、固定側第二内面とし、
これら固定側第一、第二各内面に対向する、前記変位側ホルダの外面を、それぞれ変位側第一外面と、変位側第二外面とした場合に、
前記固定側第一内面の、幅方向両端部に、1対の固定側第一凸部が形成されており、
前記固定側第二内面の、幅方向両端部に、1対の固定側第二凸部が形成されており、
前記変位側第一外面の、幅方向中央部に、変位側第一凸部が形成されており、
前記変位側第二外面の、幅方向中央部に、変位側第二凸部が形成されており、
前記各複合金属部材のうちの、一方の複合金属部材は、前記固定側第一内面と、前記変位側第一外面との間に配置された状態で、前記固定側ホルダと対向する側の側面の幅方向両端部を、前記両固定側第一凸部の先端面に当接させると共に、前記変位側ホルダと対向する側の側面の幅方向中央部を、前記変位側第一凸部の先端面に当接させており、
前記各複合金属部材のうちの、他方の複合金属部材は、前記固定側第二内面と、前記変位側第二外面との間に配置された状態で、前記固定側ホルダと対向する側の側面の幅方向両端部を、前記両固定側第二凸部の先端面に当接させると共に、前記変位側ホルダと対向する側の側面の幅方向中央部を、前記変位側第二凸部の先端面に当接させている、請求項3に記載した電動式パワーステアリング装置。 - 前記固定側ホルダの内面の、前記ウォーム軸の中心軸に直交する仮想平面に関する断面形状が矩形状であり、
前記変位側ホルダの外面の前記仮想平面に関する断面形状が矩形状であり、
前記固定側ホルダの内面のうち、径方向に関して反対となる1対の内面を、それぞれ固定側第一内面と、固定側第二内面とし、
これら固定側第一、第二各内面に対向する、前記変位側ホルダの外面を、それぞれ変位側第一外面と、変位側第二外面とした場合に、
前記固定側第一内面の、軸方向両端部に、1対の固定側第一凸部が形成されており、
前記固定側第二内面の、軸方向中央部に、固定側第二凸部が形成されており、
前記変位側第一外面の、軸方向中央部に、変位側第一凸部が形成されており、
前記変位側第二外面の、軸方向両端部に、1対の変位側第二凸部が形成されており、
前記各複合金属部材のうちの、一方の複合金属部材は、前記固定側第一内面と、前記変位側第一外面との間に配置された状態で、前記固定側ホルダと対向する側の側面の軸方向両端部を、前記両固定側第一凸部の先端面に当接させると共に、前記変位側ホルダと対向する側の側面の軸方向中央部を、前記変位側第一凸部の先端面に当接させており、
前記各複合金属部材のうちの、他方の複合金属部材は、前記固定側第二内面と、前記変位側第二外面との間に配置された状態で、前記固定側ホルダと対向する側の側面の軸方向中央部を、前記固定側第二凸部の先端面に当接させると共に、前記変位側ホルダと対向する側の側面の軸方向両端部を、前記両変位側第二凸部の先端面に当接させている、請求項2に記載した電動式パワーステアリング装置。
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