JP6318930B2 - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

この発明に係る電動式パワーステアリング装置は、自動車の操舵装置に組み込み、電動モータを補助動力として利用する事により、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為に利用する。
操舵輪(フォークリフト等の特殊車両を除き、通常は前輪)に舵角を付与する際に、運転者がステアリングホイールを操作する為に要する力の軽減を図る為の装置として、パワーステアリング装置が広く使用されている。又、この様なパワーステアリング装置で、補助動力源として電動モータを使用する電動式パワーステアリング装置も、近年普及し始めている。電動式パワーステアリング装置は、油圧式のパワーステアリング装置に比べて、小型・軽量にでき、補助動力の大きさ(トルク)の制御が容易で、しかもエンジンの動力損失が少ない等の利点がある。
電動式パワーステアリング装置の構造は、各種知られているが、何れの構造の場合でも、ステアリングホイールの操作によって回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する回転軸に、電動モータの補助動力を、減速機を介して付与する。この減速機として一般的には、ウォーム減速機が使用されている。ウォーム減速機を使用した電動式パワーステアリング装置の場合、前記電動モータにより回転駆動されるウォームと、前記回転軸と共に回転するウォームホイールとを噛合させて、前記電動モータの補助動力をこの回転軸に伝達自在とする。
例えば特許文献1には、図5〜6に示す様な、電動式パワーステアリング装置が開示されている。ステアリングホイール1により所定方向に回転させられる、回転軸であるステアリングシャフト2の前端部は、ハウジング3の内側に回転自在に支持されており、この部分にウォーム減速機4を構成するウォームホイール5を固定している。又、このウォーム減速機4を構成するウォーム軸6の軸方向中間部に形成されたウォーム歯7を、前記ウォームホイール5に噛合させている。この様なウォーム軸6は、電動モータ8により回転駆動されるものであり、その両端部が、深溝型玉軸受等の1対の転がり軸受9a、9bにより、前記ハウジング3内に回転自在に支持されている。そして、この状態で、前記ウォームホイール5と前記ウォーム歯7とを噛合させて、前記電動モータ8の補助動力を、前記ウォーム軸6に伝達可能としている。
電動式パワーステアリング装置のより具体的な構造に就いて、図7を参照しつつ説明する。ウォームホイール5は、この電動式パワーステアリング装置の出力部となる回転軸10に、1対の転がり軸受11a、11bの間部分で締り嵌め等により外嵌固定し、この回転軸10と共に回転する様にしている。この回転軸10はハウジング3内に、前記両転がり軸受11a、11bにより、回転のみ自在に支持した状態で、トーションバー12により、ステアリングシャフト2の前端部と結合している。電動モータ8(図5〜6参照)は、トルクセンサ13が検出する、前記ステアリングシャフト2に加えられるトルクの方向及び大きさに応じてウォーム軸6を回転駆動し、前記回転軸10に補助トルクを付与する。この回転軸10の回転は、1対の自在継手14a、14b及び中間シャフト15を介して、ステアリングギヤユニット16(図5参照)の入力軸17に伝達し、操舵輪に所望の舵角を付与する。
上述した様な従来から一般的に使用されている電動式パワーステアリング装置の場合、前記ウォーム減速機4には、このウォーム減速機4の構成部材である、前記ウォームホイール5と、前記ウォーム軸6と、これら各部材5、6を支持する為の軸受等の寸法誤差や、組み付け誤差等に基づいて、不可避のバックラッシュが存在する。そして、この様なバックラッシュが大きくなると、前記ウォームホイール5と前記ウォーム軸6との歯面同士が強く衝合して、耳障りな歯打ち音が発生する可能性がある。
そこで、上述の従来構造の場合、前記ウォーム軸6の先端部(図6の右端部)に設けた、弾力付与手段18により、このウォーム軸6のウォーム歯7を、前記ウォームホイール5に向けて押圧している。尚、前記弾力付与手段18の構造は、例えば特許文献2等に詳しく記載されている為、詳しい説明は省略する。
上述の従来構造によれば、前記弾力付与手段18により、前記ウォーム軸6と前記ウォームホイール5との間のバックラッシュを抑え、前記歯打ち音の発生を抑える事ができる。但し、上述の従来構造の場合、前記弾力付与手段18により、前記ウォーム軸6を、前記ウォームホイール5に常に押圧している(噛合部に常に予圧を付与している)為、この予圧の大きさによっては、この噛合部での摩擦(電動モータ8から加わるトルクの損失)が大きくなり、前記ステアリングホイール1の回転開始時の操舵感が重くなってしまう可能性がある。
又、上述の弾力付与手段18を設ける構造は、部品点数が多くなり、製造コスト、及び、組み立てコストが嵩んでしまう可能性がある。
特開2011−94763号公報 特開2007−203947号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、部品点数を増やす事なく、バックラッシュに基づく歯打ち音の発生を抑え、しかも、ステアリングホイールの回転開始時の操舵感を軽くできる構造を実現するものである。
本発明の電動式パワーステアリング装置は、ハウジングと、操舵用回転軸と、ウォームホイールと、ウォーム軸と、電動モータとを備えている。
このうちのハウジングは、例えば車体等の固定の部分に支持されて回転する事がない。
前記操舵用回転軸は、前記ハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する。
前記ウォームホイールは、前記ハウジングの内部でこの操舵用回転軸の一部に、この操舵用回転軸と同心に支持されて、この操舵用回転軸と共に回転する。
前記ウォーム軸は、軸方向中間部にウォーム歯が設けられており、このウォーム歯を前記ウォームホイールと噛合させた状態で、このウォーム歯以外の部分(例えば軸方向両端部)をそれぞれ軸受により前記ハウジングに対し回転自在に支持されている。
前記電動モータは、このウォーム軸を回転駆動する為のものである。
特に本発明の電動式パワーステアリング装置は、前記ウォーム軸が、前記ハウジングに対し、前記ウォーム歯と前記ウォームホイールとの噛合部で発生する噛み合い反力を受ける事に基づいて軸方向に変位可能な状態で支持されている。
又、軸方向に関する前記ウォーム歯の溝幅を、前記ウォームホイールに対する初期噛合位置から軸方向両側に離れるに従って連続的に又は段階的に小さくする事により、前記ウォーム歯と前記ウォームホイールとの噛合部のバックラッシュを、この噛合部の位置が前記初期噛合位置から軸方向両側にずれるに従って連続的に又は段階的に小さくなる様にしている。尚、軸方向に関するウォーム歯の溝幅とは、前記ウォーム歯のピッチ円α上に於いて、軸方向に隣り合うこのウォーム歯の歯面同士の距離を言う。又、初期噛合位置とは、前記操舵用回転軸が回転していない(操舵輪に舵角が付与されていない)状態で、前記ウォーム軸と前記ウォームホイールとが噛合する位置を言う。
本発明を実施する場合には、好ましくは請求項2に記載した発明の様に、前記ウォーム軸が前記噛み合い反力を受ける事に基づいて軸方向に変位する量を、このウォーム軸と前記ハウジングとの間に組み付けられた弾性部材の弾力に基づいて規制する。
又、請求項2に記載した発明を実施する場合に、例えば請求項3に記載した発明の様に、前記弾性部材をコイルばねとする。
又、本発明を実施する場合には、例えば請求項4に記載した発明の様に、前記ウォーム歯のリード角を、前記初期噛合位置から軸方向両側に離れるに従って連続的に又は段階的に小さくする。
或いは、請求項5に記載した発明の様に、前記ウォーム歯の歯厚を、前記初期噛合位置から軸方向両側に離れるに従って連続的に又は段階的に大きくする。
上述の様な構成を有する本発明の場合には、ウォーム軸をハウジングに対し、ウォーム歯とウォームホイールとの噛合部で発生する噛み合い反力を受ける事に基づいて軸方向に変位可能な状態で支持すると共に、前記ウォーム歯の溝幅を、前記ウォーム歯と前記ウォームホイールとの初期噛合位置から、軸方向両側に離れるに従って連続的に又は段階的に小さくする事により、前記噛合部のバックラッシュの大きさを、前記初期噛合位置から軸方向両側にずれるに従って連続的に又は段階的に小さくしている。この為、ステアリングホイールの回転開始時(初期噛合位置)に於ける前記噛合部のバックラッシュを適度に確保する事により、この噛合部での摩擦を小さくして(電動モータから加わるトルクの損失を小さくして)、操舵感を軽くする事ができる。又、ステアリングホイールが回転している際には、前記噛合部で発生する噛み合い反力に基づいて、前記ウォーム軸が軸方向に変位する事により、この噛合部のバックラッシュが小さくなる。この為、この噛合部のバックラッシュを抑えて、歯打ち音の発生を防止できる。更に、ステアリングホイールの回転方向を(一方から他方、又は他方から一方に)反転させる際には、前記ウォーム歯と前記ウォームホイールとが、前記初期噛合位置から軸方向にずれた位置で噛合した状態になっている。この為、バックラッシュを十分に抑えて、歯打ち音の発生を効果的に抑える事ができる。
又、本発明の場合、前記ウォーム軸を構成するウォーム歯の構造を工夫するのみで、上述の効果を得る事ができる。この為、製造コスト、及び、組み立てコストの低減を図れる。
又、請求項2に記載した発明によれば、弾性部材により、前記ウォーム軸の、前記噛み合い反力に基づく軸方向変位量を適切な範囲内に規制する事ができる。
又、請求項3に記載した発明の様に、弾性部材としてコイルばねを採用すれば、弾力の調整が容易であり、長期間に亙る使用によってもへたる事がない。更に、ウォーム軸の軸方向に関する変位量を大きく確保し易くなる為、バックラッシュをより効果的に抑える事ができる。
本発明の実施の形態の第1例を示す、図6と同様の図。 同じく、図1のA部に相当する部分の構造の詳細を示した拡大図。 同じく、ウォーム歯の構造を説明する為の図であって、ウォーム軸の中心軸を含む平面に関する断面模式図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、図3と同様の図。 従来構造の1例を示す、部分切断側面図。 同じく図5のB−B拡大断面図。 より具体的構造を示す、図6のC−C断面に相当する図。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例に就いて、図1〜3により説明する。尚、本例の電動式パワーステアリング装置の特徴は、ウォーム減速機4aを構成するウォーム軸6aの構造を工夫した点にある。又、本例の場合、前記図5〜7に示した従来構造が備える弾力付与手段18を設けていない。その他の部分の構成に就いては、前記図5〜7に示した従来構造の場合と基本的には同じである。この為、重複する部分の説明及び図示は省略又は簡略にし、以下、本例の特徴部分及び先に説明しなかった部分を中心に説明する。
本例の電動式パワーステアリング装置は、前述した従来構造と同様に、ステアリングホイール1(図5参照)により所定方向に回転させられる、ステアリングシャフト2の前端部が、ハウジング3の内側に回転自在に支持されており、この部分にウォーム減速機4を構成するウォームホイール5が固定されている。尚、本例の場合、前記ステアリングシャフト2が、特許請求の範囲の操舵用回転軸に相当する部材である。又、前記ウォーム減速機4を構成するウォーム軸6aの軸方向中間部に形成されたウォーム歯7aを、前記ウォームホイール5に噛合させている。尚、本例の場合、前記ウォーム軸6aのウォーム歯7aのピッチ円直径を10〜25mmとしている。一方、前記ウォームホイール5のウォームホイール歯のピッチ円直径を50〜150mmとしている。
この様なウォーム軸6aは、先端(図1の左端部)に設けられた先端側軸部19を、転がり軸受9aを介して、ハウジング3を構成するウォーム軸収容部20の奥部(図1の左端部)に、前記ハウジング3に対する回転及び軸方向に関する変位を可能な状態に支持されている。具体的には、前記転がり軸受9aを構成する内輪21の内周面に、前記先端側軸部19の外周面を締り嵌めにより内嵌固定すると共に、前記転がり軸受9aを構成する外輪22を、前記ウォーム軸収容部20の奥部の内周面に、円筒状のブッシュ23を介して、このウォーム軸収容部20に対する軸方向の変位を可能な状態に支持している。尚、前記ブッシュ23は、前記外輪22(ウォーム軸6a)の前記ウォーム軸収容部20に対する摺動抵抗を低減する為のものであり、例えば、耐油性を有する合成樹脂、自己潤滑性を有する金属、含油メタル等の低摩擦材により造られている。
又、前記ウォーム軸6aは、基端(図1の右端部)寄り部分に設けられた基端側軸部24の軸方向中間部を、転がり軸受9bを介して前記ウォーム軸収容部20の一端(図1の右端)寄り部分内周面に、前記ハウジング3に対する、回転及び軸方向に関する変位を可能な状態に支持されている。具体的には、前記基端側軸部24の軸方向中間部外周面を、前記転がり軸受9bの内輪21aの内径側に僅かな隙間を介した状態で挿通している。
又、前記基端側軸部24の外周面のうち、軸方向に関して、前記内輪21aの軸方向中間部と整合する位置に、全周に亙り凹溝25が形成されている。そして、この凹溝25に、合成樹脂或いはゴム製で円環状のOリング26を係止している。尚、このOリング26は、前記基端側軸部24のこの内輪21aに対する摺動抵抗を減らす為に設けている。この様なOリング26の組み付け状態(図1、2に示す状態)に於ける外径寸法は、前記基端側軸部24の外径寸法よりも僅かに大きく、前記転がり軸受9bの内輪21aの内径寸法よりも僅かに小さいか、同じである。
又、前記転がり軸受9bの外輪22aは、軸方向他端面(図1の左端面)を、前記ウォーム軸収容部20の軸方向一端寄り部分内周面に全周に亙り形成された段部27に当接させている。又、このウォーム軸収容部20の内周面のうち、前記段部27よりも軸方向一方側部分に全周に亙り、係止凹溝28が形成されている。そして、前記外輪22aの軸方向一端面を、この係止凹溝28に係止された環状の止め輪29の軸方向他側面に当接させている。この様にして、前記外輪22aの軸方向に関する位置決めを図っている。
又、前記ウォーム軸6aは、前記基端側軸部24の軸方向一端部外周面に形成された雄スプライン部30を、電動モータ8の出力軸の先端部に固定されたジョイント31の内周面に形成された雌スプライン部32にスプライン係合されている。この様にして、前記電動モータ8により、前記ウォーム軸6aを回転駆動可能としている。
以上の様に、本例の場合、前記ウォーム軸6aを、前記ハウジング3のウォーム軸収容部20に対して、このウォーム軸6aと前記ウォームホイール5との初期噛合位置から軸方向両側に変位可能な状態で支持している。尚、前記ウォーム軸6aと前記ウォームホイール5との初期噛合位置とは、図1に示す状態であって、前記ステアリングシャフト2が回転していない状態(操舵輪に操舵角が付与されていない状態)で、前記ウォーム軸6aと前記ウォームホイール5とが噛合する位置を言う。又、前記ウォーム軸6aが軸方向両側に変位可能な状態とは、前記電動モータ8から前記ウォーム軸6aにトルクが伝達された際、このウォーム軸6aに前記ウォームホイール5から加わる噛み合い反力に基づいて、このウォーム軸6aが軸方向(噛み合い反力の方向)に変位可能な状態を言う。
又、前記ウォーム軸6aの基端側軸部24の外周面のうち、前記転がり軸受9bの内輪21aよりも軸方向一方側に、係止凹溝33が形成されている。
そして、前記係止凹溝33に止め輪34を係止している。
又、本例の場合、前記ウォーム歯7aの軸方向一端部と前記基端側軸部24の軸方向他端部との連続部に存在する段部35と、前記転がり軸受9bの内輪21aの軸方向他端面との間、及び、この内輪21aの軸方向一端面と前記止め輪34の軸方向他側面との間に、それぞれが特許請求の範囲の弾性部材に相当する1対のダンパ36a、36bが設けられている。即ち、これら両ダンパ36a、36bは、前記ウォーム軸6aと前記ハウジング3との間に、前記転がり軸受9b等を介して組み付けられている。これら両ダンパ36a、36bは、それぞれが円輪状の第一ダンパプレート37a、37bと、第二ダンパプレート38a、38bとの間に、ゴム製のダンパ本体39a、39bを接着して成る。
上述の様な両ダンパ36a、36bのうち、一方(図1の右側)のダンパ36aは、前記第一ダンパプレート37aの軸方向他側面を、前記内輪21aの軸方向一端面に当接させると共に、前記第二ダンパプレート38aの軸方向一端面を、前記止め輪34の軸方向他側面に当接させた状態で配置されている。
これに対し、他方のダンパ36bは、前記第一ダンパプレート37bの軸方向他側面を、前記段部35に当接させると共に、前記第二ダンパプレート38bの軸方向他側面を、前記内輪21aの軸方向他端面に当接させた状態で、組み付けられている。
以上の様な構成を有する両ダンパ36a、36bは、それぞれ、それ自身が軸方向に弾性変形可能な範囲内で、前記ウォーム軸6aの軸方向に関する変位量を規制する為に設けられている。
具体的には、前記ウォーム軸6aが、軸方向一方に変位した場合には、前記段部35が、前記他方のダンパ36bの第一ダンパプレート37bを軸方向一方に押圧する。すると、この押圧力に基づいて、前記ダンパ36bのダンパ本体39bが、軸方向に弾性変形(収縮)する。この様に、前記ウォーム軸6aは、このダンパ36bの軸方向に関する弾性変形可能な量だけ、軸方向一方に変位する事ができる。
一方、前記ウォーム軸6aが、軸方向他方に変位した場合には、このウォーム軸6aと共に、前記止め輪34も軸方向他方に変位する。すると、この止め輪34の軸方向他側面が、前記一方のダンパ36aの第二ダンパプレート38aを軸方向他方に押圧する。すると、この押圧力に基づいて、前記ダンパ36aのダンパ本体39aが、軸方向に弾性変形(収縮)する。この様に、前記ウォーム軸6aは、このダンパ36aの軸方向に関する弾性変形可能な量だけ、軸方向一方に変位する事ができる。尚、本例の場合、前記ウォーム軸6aの、軸方向に関する変位量を、前記ウォーム軸6aと前記ウォームホイール5との初期噛合位置(図1にYで示す位置)を中心として、軸方向両側にそれぞれ5〜10mmの範囲に規制している。
尚、図示は省略するが、上述の様なダンパ36a、36bの代わりに、1対のコイルばねを採用する事もできる。この構成を採用した場合には、前記両ダンパ36a、36bの場合よりも、前記ウォーム軸6aの軸方向に関する変位量を大きく確保する事ができる為、バックラッシュをより効果的に抑える事ができる。尚、前記両コイルばねを採用した場合には、これら両コイルばねが、前記ウォーム軸6aの軸方向に関する変位量を規制する際の動作が、上述のダンパ36a、36bと同様となる様に組み付ける。
特に本例の場合、前記ウォーム歯7aの溝幅(ピッチ円α上での、軸方向に隣り合うこのウォーム歯7aの歯面同士の距離)Hが、前記ウォーム軸6aと前記ウォームホイール5との初期噛合位置を中心に、この初期噛合位置から軸方向両側にずれるほど徐々に(連続的に)小さくなる様に形成されている。従って、前記初期噛合位置に於ける、前記ウォーム歯7aの溝幅Hは、この初期噛合位置から軸方向両側にずれた位置に於ける、このウォーム歯7aの溝幅H、Hよりも大きい(H>H、H>H)。
本例の場合、前記ウォーム歯7aの溝幅Hを、上述の様に規制する為に、このウォーム歯7aの歯厚Wを、全長に亙り一定にすると共に、前記ウォーム歯7aのリード角を、前記初期噛合位置に於けるリード角θよりも、この初期噛合位置から軸方向両側にずれた位置のリード角θ、θの方が小さくなる様に形成している。
この様にして、前記ウォーム歯7aと前記ウォームホイール5との噛合部のバックラッシュが、このウォーム歯7aとこのウォームホイール5との噛合位置が、前記初期噛合位置よりも軸方向両側にずれるほど小さくなる様に構成している。
尚、本例の場合、前記ウォーム歯7aのリード角θ(距離H)を、前記初期噛合位置から軸方向両側にずれるほど徐々に(連続的に)小さくなる様に形成している。但し、前記ウォーム歯7aのリード角θを、前記初期噛合位置から軸方向両側にずれるほど、段階的に小さくなる様に形成する事により、前記ウォーム歯7aの溝幅Hを、前記初期噛合位置から軸方向両側にずれるほど、段階的に小さくする事もできる。
尚、前記ウォーム歯7aのリード角θを、前記初期噛合位置から軸方向両側にずれるほど、徐々に(連続的に)小さくした1例として、例えば、図1に前記初期噛合位置を含むXで示す部分ではリード角θを15〜25°の範囲で変化させると共に、図1にX、Xで示す範囲ではリード角θを5〜15°の範囲で変化させる。この場合に、前記Xで示す範囲の軸方向他端部(図1の左端部)は、前記ウォーム軸6aが軸方向一方(図1の右方)に、前述した変位可能な量(5〜10mm)の上限だけ変位した際の噛合位置を、前記Xで示す範囲の軸方向一端部(図1の右端部)は、前記ウォーム軸6aが軸方向他方(図1の左方)に、前述した変位可能な量(5〜10mm)の上限だけ変位した際の噛合位置を、それぞれ誇張的に示したものである。即ち、XとXとは、X/2+X=5〜10mmの関係を満たし、XとXとは、X/2+X=5〜10mmの関係を満たす。更に、XとXとの軸方向寸法比率は、X/2:X=5:1〜1:5の範囲に、XとXとの軸方向寸法比率も、X/2:X=5:1〜1:5の範囲に、それぞれ規制されている。
上述の様な構成を有する本例の電動式パワーステアリング装置の場合、前記ウォーム軸6aを、このウォーム軸6aに前記ウォームホイール5から加わる噛み合い反力に基づいて、前記ウォーム歯7aとこのウォームホイール5との初期噛合位置から、軸方向両側に変位可能な状態で支持すると共に、前記ウォーム歯7aの溝幅の距離を、前記初期噛合位置よりも、軸方向両側に進むほど小さくする事により、前記ウォーム歯7aと前記ウォームホイール5との噛合部のバックラッシュの大きさを、この噛合部の位置が前記初期噛合位置よりも軸方向両側にずれるほど小さくしている。この為、前記ステアリングホイール1の回転開始時(初期噛合位置の)の前記ウォーム歯7aと前記ウォームホイール5との噛合部のバックラッシュを適度に確保する事により、操舵感を軽くする事ができる。又、前記ステアリングホイール1が回転している際には、前記噛み合い反力に基づいて、前記ウォーム軸6aが軸方向に変位して、噛合部のバックラッシュが小さくなる。この為、噛合部のバックラッシュを抑えて、歯打ち音の発生を防止できる。更に、前記ステアリングホイール1の回転方向が一方から他方に変わる際(反転する際)にも、前記ウォーム軸6aと前記ウォームホイール5とが、前記初期噛合位置から軸方向にずれた位置で噛合している。この為、バックラッシュを十分に抑えて、歯打ち音の発生を効果的に抑える事ができる。
又、本例の場合、前記ウォーム軸6aを構成するウォーム歯7aの構造を工夫するのみで、上述の効果を得る事ができる。この為、製造コスト、及び、組み立てコストの低減を図れる。
又、本例の場合、前記両ダンパ36a、36bにより、前記ウォーム軸6aの、前記噛み合い反力に基づく軸方向変位の量を適切な範囲内の規制する事ができる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例に就いて、図4により説明する。本例の電動式パワーステアリング装置の場合も、前述した実施の形態の第1例と同様に、ウォーム軸6bを構成するウォーム歯7bの溝幅Hを、前記ウォーム軸6bと前記ウォームホイール5との初期噛合位置から軸方向両側にずれるほど徐々に(連続的に)小さくなる様に形成されている。従って、前記初期噛合位置に於ける、前記ウォーム歯7bの溝幅Hは、この初期噛合位置から軸方向両側にずれた位置に於ける、前記ウォーム歯7aの溝幅H、Hよりも大きい(H>H、H>H)。
特に、本例の場合、前記ウォーム歯7bの溝幅Hを、上述の様に規制する為に、このウォーム歯7bのリード角を全長に亙り一定にすると共に、このウォーム歯7bの歯厚Wを、前記ウォーム軸6bと前記ウォームホイール5との初期噛合位置から軸方向両側にずれるほど徐々に(連続的に)大きくなる様に形成している。
この様にして、前記ウォーム歯7bと前記ウォームホイール5との噛合部のバックラッシュが、このウォーム歯7bとこのウォームホイール5との噛合位置が、前記初期噛合位置よりも軸方向両側にずれるほど小さくなる様に構成している。
尚、前記ウォーム歯7aの歯厚Wを、前記初期噛合位置を中心に、この初期噛合位置から軸方向両側にずれるほど、段階的に大きくなる様に形成する事もできる。その他の構成及び作用効果に就いては、前述した実施の形態の第1例の場合と同様である。
本発明は、ウォーム歯とウォームホイールとの噛合部のバックラッシュを、このウォーム歯とこのウォームホイールとの噛合位置が、前記初期噛合位置よりも軸方向両側にずれるほど小さくする為に、前記ウォーム歯の溝幅を、前記初期噛合位置よりも、軸方向両側に進むほど小さくしている。この様に、前記ウォーム歯の溝幅を、前記初期噛合位置よりも、軸方向両側に進むほど小さくする為の構成は、前述した実施の形態の各例の構成に限定されるものではない。
又、本発明を実施する場合に、前述した従来構造が備える弾力付与手段18の様に、ウォーム軸を、ウォームホイールに向けて押圧する事により、このウォーム軸とこのウォームホイールとの間のバックラッシュを抑える構造を併せて採用する事もできる。
又、前述の実施の形態の各例では、コラムアシスト型の電動式パワーステアリング装置に本発明を適用した例について説明したが、本発明は、ピニオンアシスト型の電動式パワーステアリング装置等の各種電動式パワーステアリング装置に適用する事ができる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ハウジング
4、4a ウォーム減速機
5 ウォームホイール
6、6a、6b ウォーム軸
7、7a、7b ウォーム歯
8 電動モータ
9a、9b 転がり軸受
10 回転軸
11a、11b 転がり軸受
12 トーションバー
13 トルクセンサ
14a、14b 自在継手
15 中間シャフト
16 ステアリングギヤユニット
17 入力軸
18 弾力付与手段
19 先端側軸部
20 ウォーム軸収容部
21、21a 内輪
22、22a 外輪
23 ブッシュ
24 基端側軸部
25 凹溝
26 Oリング
27 段部
28 係止凹溝
29 止め輪
30 雄スプライン部
31 ジョイント
32 雌スプライン部
33 係止凹溝
34 止め輪
35 段部
36a、36b ダンパ
37a、37b 第一ダンパプレート
38a、38b 第二ダンパプレート
39a、39b ダンパ本体

Claims (5)

  1. 固定の部分に支持されて回転する事のないハウジングと、
    このハウジングに対し回転自在に設けられて、ステアリングホイールの操作により回転させられ、回転に伴って操舵輪に舵角を付与する操舵用回転軸と、
    前記ハウジングの内部でこの操舵用回転軸の一部に、この操舵用回転軸と同心に支持されて、この操舵用回転軸と共に回転するウォームホイールと、
    軸方向中間部にウォーム歯が設けられており、このウォーム歯を前記ウォームホイールと噛合させた状態で、このウォーム歯以外の部分を軸受により前記ハウジングに対し回転自在に支持されたウォーム軸と、
    このウォーム軸を回転駆動する為の電動モータとを備えた電動式パワーステアリング装置であって、
    前記ウォーム軸は、前記ハウジングに対し、前記ウォーム歯と前記ウォームホイールとの噛合部で発生する噛み合い反力を受ける事に基づいて軸方向に変位可能な状態で支持されており、
    軸方向に関する前記ウォーム歯の溝幅が、前記ウォームホイールに対する初期噛合位置から軸方向両側に離れるに従って連続的に又は段階的に小さくなる事により、前記ウォーム歯と前記ウォームホイールとの噛合部のバックラッシュが、この噛合部の位置が前記初期噛合位置から軸方向両側にずれるほど連続的に又は段階的に小さくなる事を特徴とする電動式パワーステアリング装置。
  2. 前記ウォーム軸が前記噛み合い反力を受ける事に基づいて軸方向に変位する量が、このウォーム軸と前記ハウジングとの間に組み付けられた弾性部材の弾力に基づいて規制されている、請求項1に記載した電動式パワーステアリング装置。
  3. 前記弾性部材がコイルばねである、請求項2に記載した電動式パワーステアリング装置。
  4. 前記ウォーム歯のリード角が、前記初期噛合位置から軸方向両側に離れるに従って連続的に又は段階的に小さくなっている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した電動式パワーステアリング装置。
  5. 前記ウォーム歯の歯厚が、前記初期噛合位置から軸方向両側に離れるに従って連続的に又は段階的に大きくなっている、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した電動式パワーステアリング装置。
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