JP5364066B2 - パワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法 - Google Patents
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Description
[実施例1の構成]
本実施例1のパワーステアリング装置1(以下、装置1という。)は、自動車の操舵装置に設けられ、運転者の操舵力を補助する操舵力補助装置である。図1は、装置1の軸方向断面図(操舵軸2の軸心を通る平面で切った断面)であり、システム構成を併せて示す。操舵装置は、運転者の操舵力が回転力として入力される操舵力入力手段としてのステアリングホイールと、ステアリングホイールから回転力が伝達される操舵軸(ステアリングシャフト)2と、操舵軸2の回転力を変換・増大して車輪に転舵力として伝達するギヤ機構としてのラック&ピニオン機構3と、を有している。操舵軸2は、入力軸20と出力軸21を有している。入力軸20は、ステアリングホイールに接続されており、ステアリングホイールからの回転力が伝達される。出力軸21は、トーションバー22を介して入力軸20と接続されると共に、ラック&ピニオン機構3を介して車輪(転舵輪)に接続されており、転舵輪に上記回転力を伝達する。装置1は、運転者の操舵状態を検出する操舵状態検出手段としてのセンサ4と、運転者の操舵力をアシストする操舵補助力を発生する動力源としての電動機5と、センサ4から出力される検出信号に基づき電動機5を駆動制御する操舵補助力制御手段としての電子制御ユニットECUと、を有している。
以下、操舵軸2が延びる方向にx軸を設け、ステアリングホイールの側を正方向とする。入力軸20の内部には、孔200がx軸方向に貫通形成されている。入力軸20のx軸正方向側の端部には、ピンPINが挿通する孔201が入力軸20の径方向に貫通形成されている。入力軸20の軸方向中間部位には、外径が他の部位よりも若干大きく設けられたインナリング保持部202が形成されている。入力軸20のx軸負方向端には、その外径が他の部位よりも小さく設けられた被支持部203が形成されている。トーションバー22のx軸正方向側の端部221は、その外径が入力軸20の貫通孔200の内周と略同径に設けられており、ピンPINが挿通する孔223がトーションバー22の径方向に貫通形成されている。トーションバー22の本体部220は比較的小径に設けられている。
装置1は、操舵軸2等の各構成部品を内部に収容するハウジング部材としてのステアリングハウジング7を有している。ステアリングハウジング7は、入力軸20やセンサ4を収装する第1ハウジング部としてのセンサハウジング70と、出力軸21(ピニオン軸30)やラック&ピニオン機構3を収装する第2ハウジング部としてのギヤハウジング71とに分割されており、これらのハウジング70,71が結合されることで構成されている。センサハウジング70は、樹脂材料で形成されており、x軸方向に延びる略円筒状の本体部70aと、本体部70aのx軸負方向側に本体部70aよりも大径の鍔状に設けられ、ギヤハウジング71と接合する接合部70bとを一体に有している。図2は、センサハウジング70をある径方向から見た側面図である。センサハウジング70には、コネクタ取付部708が一体に設けられている。コネクタ取付部708は、センサハウジング70と同時かつ一体に型成形される。
センサハウジング70とギヤハウジング71とは、センサハウジング70に設けられた第1開口部701とギヤハウジング71に設けられた第2開口部711とがx軸方向で対向するように配置されることにより結合される。具体的には、両ハウジング70,71の接合部70b, 71c同士が対向して接合し、センサハウジング70(接合部70b)の嵌合凸部707がギヤハウジング71(接合部71c)の嵌合凹部714に嵌合する。このとき、センサハウジング70(接合部70b)のシール面706がギヤハウジング71(接合部71c)のOリング66に当接し、これを圧縮することで、両ハウジング70,71(接合部70b,71c)間の隙間がシールされる。結合されたステアリングハウジング7の内部には、操舵軸2が、第1開口部701及び第2開口部711を貫通するように収容される。操舵軸2のx軸正方向側(入力軸20のx軸正方向側)は、センサハウジング70においてニードルベアリング(第2軸受)62により回転自在に支持される。操舵軸2のx軸方向中間部位(出力軸21のx軸正方向側)は、ギヤハウジング71に設けられた第3軸受保持部715に保持されるボールベアリング(第3軸受)63により回転自在に支持される。ボールベアリング63は、センサ基板42とラック&ピニオン機構3の間に設けられ、ステアリングハウジング7に対して出力軸21を回転自在に支持する。操舵軸2のx軸負方向端(出力軸21のx軸負方向端)は、ギヤハウジング71においてニードルベアリング(第4軸受)64により回転自在に支持される。ラック軸31は、ラックガイド310により保持されると共に、スプリング311によりピニオン軸30に押し付けられる。
センサコイル40は、2つのコイルユニット40a,40bを有しており、センサハウジング70内において、操舵軸2(入力軸20)の外周を包囲するように配置されると共に、コイル保持部703に包囲されるように保持されている。2つのコイルユニット40a,40bは、円筒状の保持部材400の内周側に一体に保持されており、これらコイルユニット40a,40bを保持した状態の保持部材400がx軸負方向側からコイル保持部703の内周に圧入固定されることで、ガタを防止しつつ軸方向の位置決めが成される。センサコイル40は通電により磁束を発生する。入力軸20は磁性材料から形成されており、センサコイル40が発生する磁束により磁界を形成する。
装置1のセンサ4の中立点調整方法は、第1〜第3の工程を有している。第1の工程は、中立点調整前の準備工程であり、センサハウジング70に操舵軸2やセンサ4(センサ基板42等の各部品)を組み付けた状態のユニットを構成する。このユニットは、入力軸20にトーションバー22を介して出力軸21が接続され、かつ、センサコイル40及び磁路抵抗可変部材41が操舵軸2に組み付けられた状態である。このユニットを、治具としての調整機器8に設置する(図6参照)。その際、調整機器8の電気配線9(端子90)を、上記ユニットの中立点調整回路44(接続点441)と接続する。第2の工程は、中立点調整工程であり、電子的調整手段としての調整機器8により、(入力軸20と出力軸21の相対回転量の変化に応じて変化する)センサコイル40のインピーダンス値を調整するように、中立点調整回路44の抵抗器の抵抗値を調整する。図6に示すように、完成品の装置1と同等の状態で、操舵中立状態(左右回転量ゼロ)でのセンサコイル40のインピーダンス値を検出し、これを調整する。なお、必ずしも操舵中立状態(左右回転量ゼロ)で中立点のインピーダンス値を検出、調整する必要はなく、左右回転させたときの平均点を中立点のインピーダンス値として検出、調整することとしてもよい。第3の工程は、中立点調整後における装置1の組み付け工程であり、上記ユニットを調整機器8から取り外し、上記ユニットの第1開口部701を閉塞するようにギヤハウジング71を結合する。
次に、装置1の作用を説明する。
(装置の簡素化)
従来、例えば上記特許文献1に開示されるパワーステアリング装置は、操舵状態を検出するセンサに接続される制御基板を有しており、この制御基板は、センサハウジングの外周面(軸方向におけるギヤハウジングとの接合部ではなく径方向側面)に開口するように形成された開口部から組み付けられるようになっている。よって、センサの調整作業はこの開口部から行うことが可能となる。しかし、この開口部を蓋部材等で閉塞する必要がある。また、パワーステアリング装置に防水性が要求される場合、蓋部材にも防水構造が必要となるため、装置の構造が複雑化するという問題があった。これに対し、本実施例1の装置1では、中立点調整回路44が搭載されたセンサ基板42が、(ギヤハウジング71の第2開口部711と対向して配置される)センサハウジング70の第1開口部701に露出するように配置されているため、中立点調整作業を第1開口部701から行うことができる。すなわち、センサハウジング70をギヤハウジング71に結合する前に、センサハウジング70の開口部701からセンサ4の中立点調整作業を行うことができる。この第1開口部701は、センサハウジング70とギヤハウジング71とを結合することにより閉塞されるため、中立点調整作業用に別途ハウジング7(センサハウジング70)に開口部を設ける必要がない。よって、装置1の構造を簡素化することができる。なお、センサ4として本実施例1のようなトルクセンサに限らず、例えば操舵角センサを用いても、上記構成により上記作用効果を得ることができる。
本実施例1では、装置1の製造過程におけるユニットの開口部701から中立点調整作業を行うため、調整精度を向上させることができる。例えば、実際に装置1に用いられるセンサコイル40及び磁路抵抗可変部材41が組み付けられた状態で中立点調整作業を行い、この状態のインピーダンス値を調整するように抵抗値を調整する。これにより、実際の部品の特性に応じた調整を行うことができ、調整精度を向上させることができる。また、実際の製品に用いられるトーションバー22及び出力軸21が組み付けられた状態で中立点調整作業を行い、この状態の抵抗値を調整することで、調整精度を向上させることができる。すなわち、操舵トルクは入力軸20と出力軸21の相対回転量とトーションバー22のばね定数の積に相当する。実際の製品のトーションバー22のばね定数は、部品としての個体差や、入・出力軸20,21との組み付け状態によっても微妙に異なる。このばね定数が変化すると、入・出力軸20,21の相対回転量と操舵トルクとの関係も変化する。よって、中立点調整回路44の抵抗値は、実際の製品が有するばね定数に基づき調整されるのが好ましい。本実施例1では、実際に装置1に用いられるトーションバー22及び出力軸21が組み付けられた状態で中立点調整作業を行うことにより、実際の製品の特性をより反映した抵抗値の調整を行うことができ、調整精度を向上させることができる。
本実施例1では、センサ基板42は操舵軸2に対して略直角に配置され、かつ、中立点調整回路44の接続点441はセンサ基板42のx軸負方向側(出力軸21の側)の面422に配置される。よって、接続点441が出力軸21側(第1開口部701側)に向かって露出する。したがって、外部の調整機器8と接続点441との接続作業がより容易となる。例えば、調整機器8の端子90を、x軸方向から見て接続点441と重なる位置(装置1の軸心に対して略同じ径方向位置)に設ければ、調整機器8の嵌合凹部84にセンサハウジング70の嵌合凸部707を嵌合させつつ、x軸正方向側から調整機器8にセンサハウジング70を載置する際、端子90と接続点441をx軸方向で対向させることができるため、端子90を接続点441に接続することが容易である。なお、接続点441は、センサ基板42のx軸正方向側(入力軸20の側)の面421に配置されることとしてもよく、この場合も、第1開口部701から調整機器8と接続点441とを接続して中立点調整作業を行うことは可能である。また、接続点441が出力軸21側に向かって露出していればよく、必ずしも接続点441がセンサ基板42上に設けられている必要はない。例えば、後述する実施例4のように、センサハウジング70の基板保持部704(嵌合凸部707)のx軸負方向端面に接続点441が露出するように設けてもよい。本実施例1では、接続点441をセンサ基板42上に設けたため、基板保持部704(嵌合凸部707)の径方向寸法の増大を抑制し、装置1の径方向小型化を図ることができる。
センサハウジング70は樹脂材料で形成される。よって、センサハウジング70の製造性向上、及び装置1の軽量化・コスト削減を図ることができる。コネクタ取付部708(コネクタ43c)はセンサハウジング70と一体成形されるため、部品点数や組立て工数を削減できると共に、センサハウジング70とコネクタ取付部708(コネクタ43c)との間に防水構造を設ける必要がない。また、センサ基板42とコネクタ43cとを接続する電気配線43bもセンサハウジング70と一体成形されるため、防水構造を別途設ける必要がない。よって、装置1の簡素化及び製造性向上を図ることができる。本実施例1では、ギヤハウジング71を金属材料で形成すると共に、このギヤハウジング71にボールベアリング(第3軸受)63の軸受保持部715(小径孔716)を設けている。一方、センサハウジング70を樹脂材料で形成すると共に、このセンサハウジング70にはボールベアリング63の軸受保持部を設けない。言い換えると、樹脂製のセンサハウジング70ではなく金属製のギヤハウジング71によりボールベアリング63を支持することとした。よって、軸受保持部715(小径孔716)に必要とされる強度を容易に確保することができる。また、センサハウジング70の複雑化を抑制して成形性を向上させることができると共に、センサハウジング70の大型化を抑制できる。
以下、実施例1の装置1、及びセンサ4の中立点調整方法が奏する効果を列挙する。
(1)装置1は、ステアリングホイールからの回転力が伝達される操舵軸2と、操舵軸2の外周に設けられ、操舵軸2の回転量をインピーダンス値の変化として検出するセンサコイル40と、センサコイル40を包囲する第1ハウジング部(センサハウジング70)と、第1ハウジング部と結合される第2ハウジング部(ギヤハウジング71)と、から構成されるハウジング部材であって、第1ハウジング部と第2ハウジング部とは、第1ハウジング部に設けられた第1開口部701と第2ハウジング部に設けられた第2開口部711とが対向するように配置されることにより結合され、操舵軸2が第1開口部701及び第2開口部711を貫通するように収容されるステアリングハウジング7と、第1ハウジング部に設けられ、第1開口部701側に露出するようにセンサコイル40よりも第1開口部701側に配置されたセンサ基板42と、センサ基板42に設けられ、センサコイル40と接続される抵抗器であって、操舵軸2の左右回転方向への回転量が零である中立点におけるインピーダンス値を調整可能なように抵抗器の抵抗値を可変に調整可能に設けられた中立点調整回路44と、中立点調整回路44によって調整されたセンサコイル40の出力信号に基づき駆動制御され、転舵輪に操舵補助力を付与する電動機5と、を有する。
よって、中立点におけるセンサコイル40のインピーダンス値を調整可能としつつ、装置1の構造を簡素化することができる。
よって、入力軸20と出力軸21の間の相対回転量を検出するトルクセンサ4を用いた場合に、上記(1)の効果を得ることができる。
よって、磁歪式のトルクセンサ4を用いた場合に、調整精度を向上させることができる。
よって、トルクセンサ4の調整精度を向上させることができる。
よって、センサ4の機能低下を抑制することができる。
よって、ステアリングハウジング7の必要強度を確保しつつ、製造性を向上させることができる。
よって、出力軸21と軸受が組み付けられた状態で抵抗値を調整することで調整精度を向上させつつ、調整機器8と中立点調整回路44との接続作業を容易化できる。
よって、装置1を小型化することができる。
よって、調整機器8と中立点調整回路44との接続作業を容易化できる。
よって、調整機器8と中立点調整回路44との接続作業を容易化できる。
よって、装置1の軽量化及び第1ハウジング部の製造性向上を図ることができる。
よって、装置1の簡素化及び製造性向上を図ることができる。
よって、装置1の径方向寸法の小型化と、センサ基板42の搭載面積の確保の両立を図ることができる。
よって、装置1の構造を簡素化しつつ、センサコイル40のインピーダンス値を調整することができる。
よって、実際の部品の特性に応じた調整を行うことができ、調整精度を向上させることができる。
よって、実際の製品の特性を反映した抵抗値の調整を行うことができ、調整精度を向上させることができる。
よって、調整機器8と中立点調整回路44との接続作業を容易化できる。
実施例2の装置1は、センサ基板42が所謂熱かしめによりセンサハウジング70に固定されている点が実施例1と異なる。図7は、実施例2のセンサ基板42が組み付けられたセンサハウジング70をその軸心を通る平面で切った断面図である。図8は、図7の部分Aの拡大図である。図9は、実施例2のセンサ基板42が組み付けられたセンサハウジング70をx軸負方向側から見た図である。図7は、図9のII−II視断面に略相当する。
(17)装置1は、実施例1の上記(1)の各構成を有し、第1ハウジング部(センサハウジング70)は、熱可塑性樹脂によって形成され、センサ基板42は、貫通孔423を備え、第1ハウジング部は、第1ハウジング部と一体に熱可塑性樹脂によって形成されセンサ基板42の貫通孔423に挿入されることによりセンサ基板42を第1ハウジング部に固定するかしめ固定部709を備え、かしめ固定部709は、センサ基板42の貫通孔423の一方側から貫通した後、他方側から突出した突出部分αが溶融され、突出部分αがセンサ基板42の貫通孔423の内径よりも外径が大きくなるように変形した後、冷却固化することにより、センサ基板42を第1ハウジング部に固定する。
よって、部品点数やコストを削減しつつ、製造性を向上できる。
よって、部品点数やコストを削減しつつ、製造性を向上できる。
実施例3の装置1は、センサ基板42にコーティングが施されている点が実施例1と異なる。図10は、実施例3のセンサ基板42をx軸負方向側(接続点441が設けられた側)から見た正面図である。センサ基板42のx軸負方向側(ギヤハウジング71の内部に面する側)の面422は、接続点441を除く部分が、非導電性材料によりコーティングされている。具体的には、接続点441を除く部分が樹脂製の被膜(皮膜)424によって被覆されている。他の構成は実施例1と同様であるため、説明を省略する。
(19)装置1は、実施例1の上記(1)の各構成を有し、中立点調整回路44は、抵抗器の抵抗値を調整するための外部の調整機器8が接続される接続点441を備え、センサ基板42は、接続点441を除く部分が樹脂被膜424によって被覆される。
よって、センサ4の信頼性を向上することができる。
実施例4の装置1は、接続点441がセンサハウジング70の基板保持部704(嵌合凸部707)のx軸負方向端面に露出するように設けられている点が実施例1と異なる。図11は、実施例4のセンサ基板42が組み付けられたセンサハウジング70を調整機器8に設置した状態の軸方向部分断面を示す。センサハウジング70の嵌合凸部707は、その径方向寸法が(接続点441を設けることができる程度に)大きく設けられている。
(20)装置1は、実施例1の上記(1)の各構成を有し、中立点調整回路44は、抵抗器の抵抗値を調整するための外部の調整機器8が接続される接続点441を備え、接続点441は、第2ハウジング部(ギヤハウジング71)の第2開口部711と対向する第1ハウジング部(センサハウジング70)の面(基板保持部704のx軸負方向端面)に配置される。
よって、調整機器8と中立点調整回路44との接続作業を容易化できる。
よって、出力軸21と軸受が組み付けられた状態で抵抗値を調整することで調整精度を向上させつつ、調整機器8と中立点調整回路44との接続作業を容易化できる。
以上、本発明を実現するための形態を、実施例1〜4に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は実施例1〜4に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。例えば、実施例1〜4の構成を適宜組み合わせることとしてもよい。
[A1]ステアリングホイールからの回転力が伝達される入力軸と、トーションバーを介して前記入力軸と接続されると共に転舵輪に回転力を伝達する出力軸と、から構成される操舵軸と、
前記操舵軸の外周に設けられ、前記入力軸と前記出力軸の間の相対回転量をインピーダンス値の変化として検出するセンサコイルと、
前記センサコイルを包囲する第1ハウジング部と、第1ハウジング部と結合される第2ハウジング部と、から構成されるハウジング部材であって、前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部とは、前記第1ハウジング部に設けられた第1開口部と前記第2ハウジング部に設けられた第2開口部とが対向するように配置されることにより結合され、前記操舵軸が前記第1開口部及び前記第2開口部を貫通するように内部に収容されるステアリングハウジングと、
前記第1ハウジング部に設けられ、前記第1開口部側に露出するように前記センサコイルよりも前記第1開口部側に配置されたセンサ基板と、
前記センサ基板に設けられ、前記センサコイルと接続される抵抗器であって、前記入力軸と前記出力軸の相対回転量が零である中立点における前記インピーダンス値を調整可能なように前記抵抗器の抵抗値を可変に調整可能に設けられた中立点調整回路と、
前記中立点調整回路によって調整された前記センサコイルの出力信号に基づき駆動制御され、前記転舵輪に操舵補助力を付与する電動機と、
を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
[A1]に記載のパワーステアリング装置において、
前記操舵軸に設けられ、前記入力軸と前記出力軸の間の相対回転量の変化に伴い前記センサコイルの発生する磁界の磁路抵抗を変化させるように形成された磁路抵抗可変部材を備え、
前記センサコイルは、前記磁路抵抗の変化に応じて変化する前記インピーダンス値の変化を前記入力軸と前記出力軸の相対回転量として検出し、
前記中立点調整回路の前記抵抗値は、前記第1ハウジング部に前記センサコイル及び前記磁路抵抗可変部材が組み付けられた状態で調整される
ことを特徴とするパワーステアリング装置。
[A2]に記載のパワーステアリング装置において、
前記中立点調整回路の抵抗値は、前記入力軸に前記トーションバーを介して前記出力軸が接続された状態において、前記入力軸と前記出力軸の相対回転量の変化に応じて変化するインピーダンス値を調整するように調整される
ことを特徴とするパワーステアリング装置。
[A1]に記載のパワーステアリング装置において、
前記出力軸と前記電動機の間に設けられ、前記電動機の回転力を前記出力軸に伝達する減速歯車と、
前記センサ基板と前記減速歯車の間に設けられ、前記ステアリングハウジングに対して前記出力軸を回転自在に支持する軸受を備える
ことを特徴とするパワーステアリング装置。
[A4]に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1ハウジング部は樹脂材料で形成され、
前記第2ハウジング部は金属材料で形成され、
前記軸受は、前記第2ハウジング部に設けられた軸受保持部に保持された状態で前記出力軸を回転自在に保持するように設けられる
ことを特徴とするパワーステアリング装置。
[A5]に記載のパワーステアリング装置において、
前記中立点調整回路は、前記抵抗器の抵抗値を調整するための外部の調整機器が接続される接続点を備え、
前記接続点は、前記軸受よりも径方向外側に設けられる
ことを特徴とするパワーステアリング装置。
[A1]に記載のパワーステアリング装置において、
前記センサ基板は、前記操舵軸に対して直角に配置される
ことを特徴とするパワーステアリング装置。
[A7]に記載のパワーステアリング装置において、
前記中立点調整回路は、前記抵抗器の抵抗値を調整するための外部の調整機器が接続される接続点を備え、
前記接続点は、前記センサ基板の前記出力軸側の面に配置される
ことを特徴とするパワーステアリング装置。
[A8]に記載のパワーステアリング装置において、
前記外部の調整機器は、前記外部の調整機器の前記接続点と接続される部分が、前記接続点側に向かって軸方向付勢されるように設けられる
ことを特徴とするパワーステアリング装置。
[A1]に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1ハウジング部は樹脂材料によって形成される
ことを特徴とするパワーステアリング装置。
[A10]に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1ハウジング部と同時かつ一体に型成形されたコネクタ取付部と、
前記コネクタ取付部に設けられ、車両に搭載される外部の電子機器と接続される接続端子であるコネクタと、
前記コネクタと前記センサ基板とを接続する電気配線と、
を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
[A10]に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1ハウジング部は、熱可塑性樹脂によって形成され、
前記センサ基板は、貫通孔を備え、
前記第1ハウジング部は、前記第1ハウジング部と一体に熱可塑性樹脂によって形成され前記センサ基板の前記貫通孔に挿入されることにより前記センサ基板を前記第1ハウジング部に固定するかしめ固定部を備え、
前記かしめ固定部は、前記センサ基板の貫通孔の一方側から貫通した後、他方側から突出した突出部分が溶融され、前記突出部分が前記センサ基板の貫通孔の内径よりも外径が大きくなるように変形した後、冷却固化することにより、前記センサ基板を前記第1ハウジング部に固定する
ことを特徴とするパワーステアリング装置。
[A10]に記載のパワーステアリング装置において、
前記センサ基板は、前記操舵軸が貫通される貫通孔を有する環状に形成される
ことを特徴とするパワーステアリング装置。
[A1]に記載のパワーステアリング装置において、
前記中立点調整回路は、前記抵抗器の抵抗値を調整するための外部の調整機器が接続される接続点を備え、
前記センサ基板は、前記接続点を除く部分が樹脂被膜によって被覆される
ことを特徴とするパワーステアリング装置。
前記操舵軸の外周に設けられ、前記操舵軸の回転量をインピーダンス値の変化として検出するセンサコイルと、
前記センサコイルを包囲する第1ハウジング部と、前記第1ハウジング部と結合される第2ハウジング部と、から構成されるハウジング部材であって、前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部とは、前記第1ハウジング部に設けられた第1開口部と前記第2ハウジング部に設けられた第2開口部とが対向するように配置されることにより結合され、前記操舵軸が前記第1開口部及び前記第2開口部を貫通するように収容されるステアリングハウジングと、
前記第1ハウジング部に設けられ、前記第1開口部側に露出するように前記センサコイルよりも前記第1開口部側に配置されたセンサ基板と、
前記センサ基板に設けられ、前記センサコイルと接続される抵抗器であって、前記操舵軸の左右回転方向への回転量が零である中立点における前記インピーダンス値を調整可能なように前記抵抗器の抵抗値を可変に調整可能に設けられた中立点調整回路と、
前記中立点調整回路によって調整された前記センサコイルの出力信号に基づき駆動制御され、前記転舵輪に操舵補助力を付与する電動機と、
を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
前記パワーステアリング装置は、
ステアリングホイールからの回転力が伝達される入力軸と、トーションバーを介して前記入力軸と接続されると共に転舵輪に前記回転力を伝達する出力軸と、から構成される操舵軸と、
前記操舵軸の外周に設けられ、前記入力軸と前記出力軸の間の相対回転量をインピーダンス値の変化として検出するセンサコイルと、
前記センサコイルを包囲する第1ハウジング部と、前記第1ハウジング部と結合される第2ハウジング部と、から構成されるハウジング部材であって、前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部とは、前記第1ハウジング部に設けられた第1開口部と前記第2ハウジング部に設けられた第2開口部とが対向するように配置されることにより結合され、前記操舵軸が前記第1開口部及び前記第2開口部を貫通するように内部に収容されるステアリングハウジングと、
前記第1ハウジング部に設けられ、前記第1開口部側に露出するように前記センサコイルよりも前記第1開口部側に配置されたセンサ基板と、
前記センサ基板に設けられ、前記センサコイルと接続される抵抗器である中立点調整回路と、
前記中立点調整回路によって調整された前記センサコイルの出力信号に基づき駆動制御され、前記転舵輪に操舵補助力を付与する電動機と、を備え、
前記第1開口部が前記第2ハウジング部によって閉塞されない状態において前記抵抗器の抵抗値を調整する調整機器を前記中立点調整回路と接続する第1の工程と、
前記調整機器によって前記抵抗器の抵抗値を調整する第2の工程と、
前記第1開口部を閉塞するように前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部とを結合する第3の工程と、
を有することを特徴とするパワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法。
[C1]に記載のパワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法において、
前記パワーステアリング装置は、前記操舵軸に設けられ、前記入力軸と前記出力軸の間の相対回転量の変化に伴い前記センサコイルの発生する磁界の磁路抵抗を変化させるように形成された磁路抵抗可変部材を備え、
前記センサコイルは、前記磁路抵抗の変化に応じて変化するインピーダンス値の変化を前記入力軸と前記出力軸の相対回転量として検出し、
前記第1の工程及び前記第2の工程は、前記磁路抵抗可変部材が前記操舵軸に組み付けられた状態で行われる
ことを特徴とするパワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法。
[C2]に記載のパワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法において、
前記第1の工程及び前記第2の工程は、前記入力軸に前記トーションバーを介して前記出力軸が接続された状態において、前記入力軸と前記出力軸の相対回転量の変化に応じて変化するインピーダンス値を調整するように行われる
ことを特徴とするパワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法。
[C1]に記載のパワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法において、
前記中立点調整回路は、前記調整機器が接続される接続点を備え、
前記調整機器は、前記調整機器の前記接続点と接続される部分が、前記接続点側に向かって軸方向付勢されるように設けられる
ことを特徴とするパワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法。
[C1]に記載のパワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法において、
前記第1ハウジング部は、熱可塑性樹脂によって形成され、
前記センサ基板は、貫通孔を備え、
前記第1ハウジング部は、前記第1ハウジング部と一体に熱可塑性樹脂によって形成されたかしめ固定部を備え、
前記センサ基板を前記第1ハウジング部に固定する工程は、
前記かしめ固定部を前記センサ基板の貫通孔の一方側から貫通させる工程と、
前記センサ基板の貫通孔の他方側から突出した前記かしめ固定部の突出部分が前記貫通孔の内径よりも大きくなるように溶融する工程と、
前記溶融された前記かしめ固定部の突出部分を冷却固化する工程と、
を有する
ことを特徴とするパワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法。
2 操舵軸
20 入力軸
21 出力軸
22 トーションバー
4 センサ
40 センサコイル
42 センサ基板
44 中立点調整回路
5 電動機
7 ステアリングハウジング
70 センサハウジング(第1ハウジング部)
71 ギヤハウジング(第2ハウジング部)
701 第1開口部
711 第2開口部
Claims (5)
- パワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法であって、
前記パワーステアリング装置は、
ステアリングホイールからの回転力が伝達される入力軸と、トーションバーを介して前記入力軸と接続されると共に転舵輪に前記回転力を伝達する出力軸と、から構成される操舵軸と、
前記操舵軸の外周に設けられ、前記入力軸と前記出力軸の間の相対回転量をインピーダンス値の変化として検出するセンサコイルと、
前記センサコイルを包囲する第1ハウジング部と、前記第1ハウジング部と結合される第2ハウジング部と、から構成されるハウジング部材であって、前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部とは、前記第1ハウジング部に設けられた第1開口部と前記第2ハウジング部に設けられた第2開口部とが対向するように配置されることにより結合され、前記操舵軸が前記第1開口部及び前記第2開口部を貫通するように内部に収容されるステアリングハウジングと、
前記第1ハウジング部に設けられ、前記第1開口部側に露出するように前記センサコイルよりも前記第1開口部側に配置されたセンサ基板と、
前記センサ基板に設けられ、前記センサコイルと接続される抵抗器である中立点調整回路と、
前記中立点調整回路によって調整された前記センサコイルの出力信号に基づき駆動制御され、前記転舵輪に操舵補助力を付与する電動機と、を備え、
前記第1開口部が前記第2ハウジング部によって閉塞されない状態において前記抵抗器の抵抗値を調整する調整機器を前記中立点調整回路と接続する第1の工程と、
前記調整機器によって前記抵抗器の抵抗値を調整する第2の工程と、
前記第1開口部を閉塞するように前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部とを結合する第3の工程と、
を有することを特徴とするパワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法。 - 請求項1に記載のパワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法において、
前記パワーステアリング装置は、前記操舵軸に設けられ、前記入力軸と前記出力軸の間の相対回転量の変化に伴い前記センサコイルの発生する磁界の磁路抵抗を変化させるように形成された磁路抵抗可変部材を備え、
前記センサコイルは、前記磁路抵抗の変化に応じて変化するインピーダンス値の変化を前記入力軸と前記出力軸の相対回転量として検出し、
前記第1の工程及び前記第2の工程は、前記磁路抵抗可変部材が前記操舵軸に組み付けられた状態で行われる
ことを特徴とするパワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法。 - 請求項2に記載のパワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法において、
前記第1の工程及び前記第2の工程は、前記入力軸に前記トーションバーを介して前記出力軸が接続された状態において、前記入力軸と前記出力軸の相対回転量の変化に応じて変化するインピーダンス値を調整するように行われる
ことを特徴とするパワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法。 - 請求項1に記載のパワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法において、
前記中立点調整回路は、前記調整機器が接続される接続点を備え、
前記調整機器は、前記調整機器の前記接続点と接続される部分が、前記接続点側に向かって軸方向付勢されるように設けられる
ことを特徴とするパワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法。 - 請求項1に記載のパワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法において、
前記第1ハウジング部は、熱可塑性樹脂によって形成され、
前記センサ基板は、貫通孔を備え、
前記第1ハウジング部は、前記第1ハウジング部と一体に熱可塑性樹脂によって形成されたかしめ固定部を備え、
前記センサ基板を前記第1ハウジング部に固定する工程は、
前記かしめ固定部を前記センサ基板の貫通孔の一方側から貫通させる工程と、
前記センサ基板の貫通孔の他方側から突出した前記かしめ固定部の突出部分が前記貫通孔の内径よりも大きくなるように溶融する工程と、
前記溶融された前記かしめ固定部の突出部分を冷却固化する工程と、を有する
ことを特徴とするパワーステアリング装置のトルクセンサの中立点調整方法。
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