JP6447522B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真感光体に関する。
電子写真感光体は、像担持体として電子写真方式の画像形成装置(例えば、プリンター、又は複合機)において用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。電子写真感光体としては、例えば、単層型電子写真感光体、又は積層型電子写真感光体が用いられる。単層型電子写真感光体においては、電荷発生の機能と、電荷輸送の機能とを有する感光層を備える。積層型電子写真感光体においては、感光層は電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを備える。
特許文献1には、化学式(E−1)で表される繰返し単位を有するポリアリレート樹脂が記載されている。また、上記ポリアリレート樹脂を含有する電子写真感光体が記載されている。
Figure 0006447522
特許文献2には、化学式(E−2)で表される繰返し単位を有するポリアリレート樹脂が記載されている。また、上記ポリアリレート樹脂を含有する電子写真感光体が記載されている。
Figure 0006447522
特開昭56−135844号公報 特開2005−189716号公報
しかしながら、特許文献1に記載のポリアリレート樹脂は、溶剤に対する溶解性が低く、感光層形成用塗布液を調製することが困難であった。また、特許文献2に記載のポリアリレート樹脂は、非ハロゲン溶剤に対する溶解性があるものの、ポリアリレート樹脂中の分子鎖同士の絡み合いが低下し、ポリアリレート樹脂のパッキング性が低下し、耐摩耗性を十分に向上させることができない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐摩耗性に優れる感光層を備えた電子写真感光体を提供することである。
本発明の電子写真感光体は、感光層を備える。前記感光層は、電荷発生剤と、電荷輸送剤と、バインダー樹脂とを含有する。前記バインダー樹脂は、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂とを含む。前記ポリアリレート樹脂は、一般式(1)で表される。前記ポリカーボネート樹脂は、一般式(2)で表される。
Figure 0006447522
前記一般式(1)中、R1は、水素原子、又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。2つのR1は、互いに同一であっても異なっていてもよい。R2及びR3は、各々独立に、水素原子、又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。R2とR3とは互いに結合して環を形成し、シクロアルキリデン基となってもよい。r、s、t、及びuは、何れも正の整数を表す。r+s+t+u=100である。r+t=s+uである。r/(r+t)は、0.10以上0.90以下である。X及びYは、各々独立に、化学式(1−1)、(1−2)、(1−3)、又は(1−4)で表される二価の基を表す。
Figure 0006447522
Figure 0006447522
前記一般式(2)中、R4、R5、R6及びR7は、各々独立に、水素原子、又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。2つのR4は、互いに同一であっても異なってもよい。R5とR6とは互いに結合して環を形成し、シクロアルキリデン基となってもよい。2つのR7は、互いに同一であっても異なってもよい。p及びlは、何れも正の整数を表す。p+l=100である。p/(p+l)は、0.00以上0.70以下である。
本発明の電子写真感光体によれば、優れた耐摩耗性を発現させることができる。
(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る積層型電子写真感光体の構造を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。なお、本明細書において、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。また、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。
以下、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、及び炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンは、各々、次の意味である。
炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上8以下のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、又はオクチル基が挙げられる。
炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、又はヘキシル基が挙げられる。
炭素原子数1以上4以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上4以下のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、又はt−ブチル基が挙げられる。
炭素原子数1以上3以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上3以下のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、又はイソプロピル基が挙げられる。
炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、又はオクチルオキシ基が挙げられる。
炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンは、例えば、炭素原子数5以上7以下の非置換のシクロアルカンである。炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンの例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、又はシクロヘプタンが挙げられる。
<感光体>
本発明の電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある)は、感光層を備える。感光体は、例えば、積層型電子写真感光体(以下、積層型感光体と記載することがある)、又は単層型電子写真感光体(以下、単層型感光体と記載することがある)が挙げられる。
積層型感光体は、電荷発生層と、電荷輸送層とを備える。以下、図1を参照して、本実施形態に係る積層型感光体10の構造を説明する。図1は、積層型感光体10の構造を示す概略断面図である。図1(a)に示すように、積層型感光体10は、例えば、導電性基体11と、感光層12とを備える。感光層12は、電荷発生層13と電荷輸送層14とを備える。図1(a)に示すように、電荷輸送層14は感光体10の最表面層として配置されてもよい。電荷輸送層14は、一層(単層)であってもよい。
図1(a)に示すように、感光層12は導電性基体11上に直接的に配置されてもよい。また、図1(b)に示すように、感光体10は、例えば、導電性基体11と、中間層15(下引層)と、感光層12とを備える。図1(b)に示すように、感光層12は導電性基体11上に間接的に配置されてもよい。図1(b)に示すように、中間層15は、導電性基体11と電荷発生層13との間に設けられてもよい。中間層15は、例えば、電荷発生層13と電荷輸送層14との間に設けられてもよい。電荷発生層13は、単層であってもよく、複数層であってもよい。
単層型感光体は、単層の感光層を備える。単層型感光体も積層型感光体と同様に、例えば、導電性基体と感光層とを備える。単層型感光体は、中間層を備えてもよい。感光層は、単層型感光体の最表面層として配置されてもよい。
本実施形態に係る感光体は、耐摩耗性に優れる。その理由は以下のように推測される。本実施形態に係る感光体は、バインダー樹脂としてポリアリレート樹脂と、ポリカーボネート樹脂とを含む。ポリアリレート樹脂は、一般式(1)で表される(以下、このようなポリアリレート樹脂をポリアリレート樹脂(1)と記載する)を含有する。ポリアリレート樹脂(1)では、R1、R2及びR3は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。また、ポリアリレート樹脂(1)では、3つのメチル基が置換したシクロヘキシリデン基を有する。更に、2種類の芳香族ジオール由来の繰返し単位のモル比率r/(r+t)が0.10以上0.90以下である。ポリカーボネート樹脂は、一般式(2)で表される(以下、このようなポリカーボネート樹脂をポリカーボネート樹脂(2)と記載することがある)。ポリカーボネート樹脂(2)では、R4、R5、R6及びR7は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。このような構造を有するポリアリレート樹脂(1)及びポリカーボネート樹脂(2)は、アルキル基の鎖長、分岐性、又は数量が過度に増加しにくいため、バインダー樹脂とバインダー樹脂との絡み合いが低下しにくく、バインダー樹脂のパッキング性が低下しにくい傾向となる。また、ポリアリレート樹脂(1)及びパリカーボネート樹脂(2)は、溶剤への溶解性が高いため、感光層を形成するための塗布液を調製し易い。その結果、層密度の高い感光層を得られ易い。よって、本実施形態に係る感光体は、耐摩耗性に優れる。
以下、本実施形態に係る感光体の要素(導電性基体、感光層、及び中間層)を説明する。更に感光体の製造方法も説明する。
[1.導電性基体]
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体としては、少なくとも表面部が導電性を有する材料で構成される導電性基体を用いることができる。導電性基体としては、例えば、導電性を有する材料で構成される導電性材料;及び導電性材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス鋼、又は真鍮が挙げられる。これらの導電性を有する材料の中でも、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて(例えば、合金として)用いてもよい。
これらの導電性を有する材料の中でも、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることから導電性、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて適宜選択することができる。例えば、シート状の導電性基体、又はドラム状の導電性基体を使用することができる。また、導電性基体の厚みは、導電性基体の形状に応じて、適宜選択することができる。
[2.感光層]
単層型感光体の感光層は、電荷発生剤、電荷輸送剤、及びバインダー樹脂を含有する。感光層は添加剤を含有してもよい。感光層の厚さは、感光層としての機能を十分に発現できれば、特に限定されない。具体的には、感光層の厚さは、5μm以上100μm以下であってもよく、10μm以上50μm以下であることが好ましい。
積層型感光体の感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とを備える。感光層は、添加剤を含有してもよい。電荷発生層は、電荷発生剤を含有する。電荷輸送層は、電荷輸送剤及びバインダー樹脂を含有する。電荷発生層の厚さは、電荷発生層として十分に作用することができれば、特に限定されない。電荷発生層の厚さは、具体的には、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。電荷輸送層の厚さは、電荷輸送層として十分に作用することができれば、特に限定されない。電荷輸送層の厚さは、具体的には、2μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。
[2−1.共通の構成要素]
以下、電荷発生剤、電荷輸送剤、及びバインダー樹脂を説明する。更に添加剤を説明する。
[2−1−1.電荷発生剤]
電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤であれば、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコンのような無機光導電材料の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、又はキナクリドン系顔料が挙げられる。フタロシアニン系顔料としては、例えば、フタロシアニン、又はフタロシアニン誘導体が挙げられる。フタロシアニンとしては、例えば、無金属フタロシアニン顔料(より具体的には、X型無金属フタロシアニン(x−H2Pc)等)が挙げられる。フタロシアニン誘導体としては、例えば、金属フタロシアニン顔料(より具体的には、チタニルフタロシアニン、又はV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン等)が挙げられる。フタロシアニン系顔料の結晶形状については特に限定されず、種々の結晶形状を有するフタロシアニン系顔料が使用される。フタロシアニン顔料の結晶形状としては、例えば、α型、β型、又はY型が挙げられる。電荷発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
所望の領域に吸収波長を有する電荷発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上の電荷発生剤を組み合わせて用いてもよい。更に、例えば、デジタル光学の画像形成装置(例えば、半導体レーザーのような光源を使用したレーザービームプリンター、又はファクシミリ)には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。そのため、例えば、フタロシアニン系顔料が好ましく、X型無金属フタロシアニン(x−H2Pc)、又はY型チタニルフタロシアニン(Y−TiOPc)がより好ましい。なお、Y型チタニルフタロシアニンは、Cu−Kα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に1つのピークを有してもよい。
短波長レーザー光源(例えば、350nm以上550nm以下程度の波長を有するレーザー光源)を用いた画像形成装置に適用される感光体には、電荷発生剤として、アンサンスロン系顔料、又はペリレン系顔料が好適に用いられる。
電荷発生剤は、例えば、化学式(CGM−1)〜(CGM−4)で表されるフタロシアニン系顔料である(以下、電荷発生剤(CGM−1)〜(CGM−4)と記載することがある)。
Figure 0006447522
Figure 0006447522
Figure 0006447522
Figure 0006447522
電荷発生剤の含有量は、電荷発生層用バインダー樹脂(以下、ベース樹脂と記載することがある)100質量部に対して、5質量部以上1000質量部以下であることが好ましく、30質量部以上500質量部以下であることがより好ましい。
[2−1−2.電荷輸送剤]
電荷輸送剤(特に、正孔輸送剤)は、2以上のスチリル基と、1以上のアリール基とを有する化合物を含むことが好ましい。このような正孔輸送剤としては、例えば、一般式(3)、(4)、又は(5)で表される化合物が挙げられる。電荷輸送層が一般式(3)〜(5)で表される化合物を含有することにより、感光体の耐摩耗性を向上させることができる。感光体の耐摩耗性に加えて、感光体の電気的特性を向上させるためには、正孔輸送剤は、一般式(3)、又は(4)で表される化合物を含むことがより好ましい。正孔輸送剤は、一般式(4)で表される化合物を含むことが更に好ましい。
Figure 0006447522
一般式(3)中、Q1は、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又は炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基を表す。Q2は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表す。Q3、Q4、Q5、Q6、及びQ7は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基で表す。Q3、Q4、Q5、Q6、及びQ7のうちの隣接した二つが互いに結合して環を形成してもよい。aは、0以上5以下の整数を表す。aが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ2は、互いに同一でも異なっていてもよい。
Figure 0006447522
一般式(4)中、Q8、Q10、Q11、Q12、Q13、及びQ14は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表す。Q9、及びQ15は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表す。bは、0以上5以下の整数を表す。bが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ9は、互いに同一でも異なっていてもよい。cは、0以上4以下の整数を表す。cが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ15は、互いに同一でも異なっていてもよい。kは、0又は1を表す。
Figure 0006447522
一般式(5)中、Ra、Rb及びRcは、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表す。qは、0以上4以下の整数を表す。qが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRcは、互いに同一でも異なっていてもよい。m及びnは、各々独立に、0以上5以下の整数を表す。mが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRbは、互いに同一でも異なっていてもよい。nが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRaは、互いに同一でも異なっていてもよい。
一般式(3)中、Q1の表すフェニル基は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されたフェニル基であることが好ましく、メチル基で置換されたフェニル基であることがより好ましい。
一般式(3)中、Q2の表す炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1以上4以下のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。aは、0又は1を表すことが好ましい。
一般式(3)中、Q3〜Q7の表す炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、又はn−ブチル基であることがより好ましい。一般式(3)中、Q3〜Q7の表す炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基は、メトキシ基であることが好ましい。一般式(3)中、Q3〜Q7は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表すことが好ましく、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又はメトキシ基を表すことがより好ましい。
一般式(3)中、Q3〜Q7のうちの隣接した二つが互いに結合して、環(より具体的には、ベンゼン環、又は炭素原子数5以上7以下のシクロアルカン)を形成してもよい。例えば、Q3〜Q7のうちの隣接したQ6とQ7とが互いに結合して、ベンゼン環、又は炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成してもよい。Q3〜Q7のうちの隣接した二つが互いに結合してベンゼン環を形成する場合、このベンゼン環はQ3〜Q7が結合するフェニル基と縮合して二環縮合環基(ナフチル基)を形成する。Q3〜Q7のうちの隣接した二つが互いに結合して炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成する場合、この炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンはQ3〜Q7が結合するフェニル基と縮合して二環縮合環基を形成する。この場合、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンとフェニル基との縮合部位は、二重結合を含んでもよい。Q3〜Q7のうちの隣接した二つが互いに結合して、炭素原子数5以上7以下のシクロアルカンを形成することが好ましく、シクロヘキサンを形成することがより好ましい。
一般式(3)中、Q1は、水素原子、又は炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されたフェニル基を表すことが好ましい。Q2は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基を表すことが好ましい。Q3〜Q7は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表すことが好ましい。Q3〜Q7のうちの隣接した二つが互いに結合して環を形成することが好ましい。aは、0又は1を表すことが好ましい。
一般式(4)中、Q8及びQ10〜Q14の表す炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることがより好ましい。一般式(4)中、Q8及びQ10〜Q14は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又はフェニル基を表すことが好ましい。一般式(4)中、b及びcは、0を表すことが好ましい。
一般式(5)中、Ra及びRbの表す炭素原子数1以上8以下のアルキル基は、炭素原子数1以上4以下のアルキル基であることが好ましく、メチル基又はエチル基を表すことがより好ましい。m及びnは、各々独立に、0以上2以下の整数を表すことが好ましい。qは0を表すことが好ましい。
正孔輸送剤は、具体的には、化学式(CTM−1)〜(CTM−9)で表される電荷輸送剤である(以下、電荷輸送剤(CTM−1)〜(CTM−9)と記載することがある)。なお、電荷輸送剤(CTM−1)〜(CTM−4)は、一般式(3)で表される化合物の具体例である。電荷輸送剤(CTM−5)〜(CTM−7)は、一般式(4)で表される化合物の具体例である。電荷輸送剤(CTM−8)〜(CTM−9)は一般式(5)で表される化合物の具体例である。
Figure 0006447522
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正孔輸送剤は、一般式(3)〜(5)で表される化合物以外の化合物であってもよい。このような正孔輸送剤としては、例えば、含窒素環式化合物又は縮合多環式化合物を使用することができる。含窒素環式化合物及び縮合多環式化合物としては、例えば、ジアミン誘導体(例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、又はN,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体);オキサジアゾール系化合物(例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール);スチリル系化合物(例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン);カルバゾール系化合物(例えば、ポリビニルカルバゾール);有機ポリシラン化合物;ピラゾリン系化合物(例えば、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン);ヒドラゾン系化合物;インドール系化合物;オキサゾール系化合物;イソオキサゾール系化合物;チアゾール系化合物;チアジアゾール系化合物;イミダゾール系化合物;ピラゾール系化合物;トリアゾール系化合物が挙げられる。
積層型感光体において、正孔輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、20質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。
[2−1−3.バインダー樹脂]
バインダー樹脂は、積層型感光体の電荷輸送層又は単層型感光体の感光層に用いられる。バインダー樹脂は、ポリアリレート樹脂(1)とポリカーボネート樹脂(2)とを含む。ポリアリレート樹脂(1)は、一般式(1)で表される。ポリカーボネート樹脂(2)は、一般式(2)で表される。感光体がポリアリレート樹脂(1)とポリカーボネート樹脂(2)を含有することにより、感光体の耐摩耗性を向上させることができる。
Figure 0006447522
一般式(1)中、R1は、水素原子、又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。2つのR1は、互いに同一であっても異なっていてもよい。R2及びR3は、各々独立に、水素原子、又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。R2とR3とは互いに結合して環を形成し、シクロアルキリデン基となってもよい。r、s、t、及びuは、何れも正の整数を表す。r+s+t+u=100である。r+t=s+uである。r/(r+t)は、0.10以上0.90以下である。X及びYは、各々独立に、化学式(1−1)、(1−2)、(1−3)、又は(1−4)で表される二価の基を表す。
Figure 0006447522
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一般式(2)中、R4、R5、R6及びR7は、各々独立に、水素原子、又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。2つのR4は、互いに同一であっても異なってもよい。R5とR6とは互いに結合して環を形成し、シクロアルキリデン基となってもよい。2つのR7は、互いに同一であっても異なってもよい。p及びlは、何れも正の整数を表す。p+l=100である。p/(p+l)は、0.00以上0.70以下である。
一般式(1)中、R1は、水素原子又はメチル基を表すことが好ましい。R2は、メチル基を表すことが好ましい。R3は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表すことが好ましく、メチル基、又はエチル基を表すことがより好ましい。XとYとが同じであることが好ましい。
ポリアリレート樹脂(1)は、化学式(1−5)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1−5)と記載することがある)、一般式(1−6)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1−6)と記載することがある)、一般式(1−7)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1−7)と記載することがある)、一般式(1−8)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1−8)と記載することがある)を有する。
Figure 0006447522
一般式(1−6)中のX、一般式(1−7)中のR1、R2及びR3、並びに一般式(1−8)中のYは、それぞれ一般式(1)中のX、R1、R2、R3、及びYと同義である。
ポリアリレート樹脂(1)は、繰返し単位(1−5)〜(1−8)以外の繰返し単位を有してもよい。ポリアリレート樹脂(1)中の繰返し単位の物質量の合計に対する繰返し単位(1−5)〜(1−8)の物質量の合計の比率(モル比率)は、0.80以上が好ましく、0.90以上がより好ましく、1.00が更に好ましい。
ポリアリレート樹脂(1)における、繰返し単位(1−5)〜(1−8)の配列は、芳香族ジオール由来の繰返し単位と芳香族ジカルボン酸由来の繰返し単位とが互いに隣接する限り、特に限定されない。例えば、繰返し単位(1−5)は、繰返し単位(1−6)又は繰返し単位(1−8)と隣接して互いに結合している。同様に、繰返し単位(1−7)は、繰返し単位(1−6)又は繰返し単位(1−8)と隣接して互いに結合している。ポリアリレート樹脂(1)は、繰返し単位(1−5)〜(1−8)以外の繰返し単位を有してもよい。
一般式(1)中のr、s、t、及びuは、何れも正の整数を表す。r+s+t+u=100である。r+t=s+uである。r/(r+t)は、0.10以上0.90以下である。r/(r+t)は、ポリアリレート樹脂(1)における繰返し単位(1−5)の物質量及び繰返し単位(1−7)の物質量の合計に対する繰返し単位(1−5)の物質量の比率(モル比率)を表す。r/(r+t)が0.10より小さい場合、感光体の耐摩耗性が低下し易い。r/(r+t)が0.90より大きい場合、ポリアリレート樹脂は、感光層を形成するための溶剤に溶解しにくい。
ポリアリレート樹脂(1)としては、例えば、化学式(PAR−1)〜(PAR−10)で表されるポリアリレート樹脂(以下、ポリアリレート樹脂(PAR−1)〜(PAR−10)と記載することがある)が挙げられる。
Figure 0006447522
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ポリアリレート樹脂(1)の粘度平均分子量は、47,000以上52,000以下であることが好ましい。ポリアリレート樹脂(1)の粘度平均分子量が47,000以上である場合、感光体の耐摩耗性を高めることができ、感光層が摩耗しにくくなる。一方、ポリアリレート樹脂(1)の粘度平均分子量が52,000以下である場合、感光層の形成時に、ポリアリレート樹脂(1)が溶剤に溶解し易くなり、感光層の形成が容易になる傾向がある。
ポリカーボネート樹脂(2)は、一般式(2−1)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(2−1)と記載することがある)と、一般式(2−2)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(2−2)と記載することがある)とを有する。
Figure 0006447522
一般式(2−1)中のR4、R5、及びR6は、それぞれ一般式(2)中のR4、R5、及びR6と同義である。一般式(2−2)中のR7は、一般式(2)中のR7と同義である。
ポリカーボネート樹脂(2)は、繰返し単位(2−1)〜(2−2)以外の繰返し単位を有してもよい。ポリカーボネート樹脂(2)中の繰返し単位の物質量の合計に対する繰返し単位(2−1)〜(2−2)の物質量の合計の比率(モル比率)は、0.80以上が好ましく、0.90以上がより好ましく、1.00が更に好ましい。
ポリカーボネート樹脂(2)における、繰返し単位(2−1)〜(2−2)の配列は、繰返し単位(2−1)と繰返し単位(2−2)とが隣接して互いに結合する配列である。
一般式(2)中、p/(p+l)は、0.05以上0.70以下であり、0.10以上0.60以下であることが好ましく、0.40以上0.60以下がより好ましい。p/(p+l)は、ポリカーボネート樹脂(2)における繰返し単位(2−1)の物質量及び繰返し単位(2−2)の物質量の合計に対する繰返し単位(2−2)の物質量の比率(モル比率)を表す。p/(p+l)が0.05以上0.70以下である場合、感光体の耐摩耗性が向上し易い。
一般式(2)中、p/(p+l)が0である場合、R4が水素原子を表し、R5とR6とが互いに結合して環を形成し、シクロヘキシリデン基を表すか、又はR5がメチル基を表し、R6がエチル基を表すことが好ましい。
一般式(2)中、p/(p+l)が0である場合、ポリカーボネート樹脂(2)としては、例えば、化学式(PC−1)〜(PC−2)で表される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂が挙げられる(以下、ポリカーボネート樹脂(PC−1)〜(PC−2)と記載することがある)。
Figure 0006447522
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一般式(2)中、p/(p+l)は、0.00より大きく0.70以下である場合、R4は水素原子又はメチル基を表すことが好ましい。R5とR6とが互いに結合して環を形成し、シクロヘキシリデン基を表すことが好ましい。また、R7は水素原子を表すことが好ましい。
一般式(2)中、p/(p+l)は、0.05以上0.70以下であることが好ましい。
ポリカーボネート樹脂(2)としては、例えば、化学式(PC−3)〜(PC−4)で表されるポリカーボネート樹脂(以下、ポリカーボネート樹脂(PC−3)〜(PC−4)と記載することがある)が挙げられる。
Figure 0006447522
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ポリカーボネート樹脂(2)の粘度平均分子量は、46,000以上51,000以下であることが好ましい。ポリカーボネート樹脂(2)の粘度平均分子量が46,000以上である場合、感光体の耐摩耗性を高めることができ、感光層が摩耗しにくくなる。一方、ポリカーボネート樹脂(2)の粘度平均分子量が51,000以下である場合、感光層の形成時に、ポリカーボネート樹脂(2)が溶剤に溶解し易くなり、感光層の形成が容易になる傾向がある。
本実施形態に用いられるバインダー樹脂としては、ポリアリレート樹脂(1)及びポリカーボネート樹脂(2)のみを単独で用いてもよいし、ポリアリレート樹脂(1)及びポリカーボネート樹脂(2)以外の樹脂(その他の樹脂)を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。その他の樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂(ポリアリレート樹脂(1)以外のポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂(ポリカーボネート樹脂(2)以外のポリカーボネート樹脂)、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、又はポリエステル樹脂)、熱硬化性樹脂(シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、又はその他架橋性の熱硬化性樹脂)、又は、光硬化性樹脂(エポキシ−アクリル酸系樹脂、又はウレタン−アクリル酸系共重合体)が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアリレート樹脂(1)の製造方法は、ポリアリレート樹脂(1)を製造できれば、特に限定されない。これらの製造方法として、例えば、ポリアリレート樹脂(1)の繰返し単位を構成するための芳香族ジオールと芳香族ジカルボン酸とを縮重合させる方法挙げられる。ポリアリレート樹脂(1)の合成方法は特に限定されず、公知の合成方法(より具体的には、溶液重合、溶融重合、又は界面重合等)の方法を採用することができる。
芳香族ジカルボン酸は、2つのカルボキシル基を有し、一般式(1−9)及び(1−10)で表される。一般式(1−9)中のX及び一般式(1−10)中のYは、それぞれ一般式(1)中のX及びYと同義である。
Figure 0006447522
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、芳香環上に結合する2つのカルボキシル基を有する芳香族ジカルボン酸(より具体的には、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、又は4,4’−ジカルボキシビフェニル等)が挙げられる。なお、ポリアリレート樹脂を合成する際、芳香族ジカルボン酸は、ジ酸クロライド、ジメチルエステル、又はジエチルエステルのような誘導体として用いることができる。芳香族ジカルボン酸は、一般式(1−9)及び(1−10)で表される芳香族ジカルボン酸以外に他の芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、又は2,6−ナフタレンジカルボン酸)を含んでもよい。
芳香族ジオールは、2つのフェノール性水酸基を有し、化学式(1−11)及び一般式(1−12)で表される芳香族ジオールを含む。一般式(1−12)中のR1、R2及びR3は、各々一般式(1)中のR1、R2及びR3と同義である。
Figure 0006447522
一般式(1−12)で表される芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノール類(より具体的には、ビスフェノールB等)が挙げられる。なお、ポリアリレート樹脂を合成する際、芳香族ジオールは、ジアセテートのような誘導体として用いることができる。芳香族ジオールは、化学式(1−11)及び一般式(1−12)で表される芳香族ジオール以外に他の芳香族ジオール(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールE、又はビスフェノールF)を含んでもよい。
ポリカーボネート樹脂(2)の製造方法は、ポリカーボネート樹脂(2)を製造できれば、特に限定されない。これらの製造方法として、例えば、ホスゲン法、エステル交換反応させる方法、又は他の公知の方法が挙げられる。ホスゲン法は、ポリカーボネート樹脂(2)の繰返し単位を形成するためのジオール化合物とジハロゲン化カルボニルとを界面縮重合させる方法である。エステル交換させる方法は、ジオール化合物とジフェニルカーボネートとをエステル交換反応させる方法である。
以下、ホスゲン法を用いて、ポリカーボネート樹脂(2)を製造する場合を例に挙げて説明する。
ポリカーボネート樹脂(2)は、一般式(2−3)で表される化合物と、一般式(2−4)で表される化合物とを界面重合させることにより製造される。界面重縮合反応は、例えば、ジハロゲン化カルボニル(より具体的には、ホスゲン等)を用いて、酸結合剤及び溶媒の存在下で行われてもよい。
Figure 0006447522
一般式(2−3)中、R4、R5、及びR6は、それぞれ一般式(2)中のR4、R5、及びR6と同義である。一般式(2−4)中のR7は、一般式(3)中のR7と同義である。
ポリアリレート樹脂(1)の含有量mPARとポリカーボネート樹脂(2)の含有量mPCとの合計に対するmPARの割合(mPAR/(mPAR+mPC))は、0.10以上0.70以下であることが好ましく、0.10以上0.50以下であることがより好ましく、0.10以上0.40以下であることが更に好ましい。
ポリアリレート樹脂(1)及びポリカーボネート樹脂(2)の含有量の合計は、バインダー樹脂に対して80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが更に好ましい。
本実施形態において、バインダー樹脂の含有量の比率は、電荷輸送層に含まれるすべての構成要素(例えば、電荷輸送剤、又はバインダー樹脂)の質量の合計に対して40質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
[2−1−4.添加剤]
電荷発生層、電荷輸送層、単層型感光体の感光層及び中間層のうちの少なくとも一つが、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、消光剤、又は紫外線吸収剤)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、電子アクセプター化合物、ドナー、界面活性剤、又はレベリング剤が挙げられる。これらの添加剤のうち、酸化防止剤を説明する。
酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール化合物、ヒンダードアミン化合物、チオエーテル化合物、又はホスファイト化合物が挙げられる。これらの酸化防止剤の中でも、ヒンダードフェノール化合物及びヒンダードアミン化合物が好ましい。
電荷輸送層中の酸化防止剤の添加量は、バインダー樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましい。酸化防止剤の添加量がこのような範囲内であると、感光体が酸化されることによる電気特性の低下を抑制し易い。
[2−2.共通しない構成要素]
積層型感光体では、電荷発生層は、電荷発生層用バインダー樹脂(以下、ベース樹脂と記載することある)を含有してもよい。ベース樹脂は、感光体に適用し得るベース樹脂である限り、特に限定されない。ベース樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、又はポリエステル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、又はその他架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリル酸系樹脂、又はウレタン−アクリル酸系樹脂が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ベース樹脂は、上述したバインダー樹脂と同様の樹脂も例示されているが、同一の積層型感光体においては、通常、バインダー樹脂とは異なる樹脂が選択される。このことは、以下のことによる。積層型感光体を製造する際、通常、電荷発生層、電荷輸送層の順に形成するため、電荷発生層に、電荷輸送層用塗布液を塗布することになる。電荷輸送層の形成時に、電荷発生層は、電荷輸送層用塗布液の溶剤に溶解しないことが求められるからである。そこで、ベース樹脂は、同一の積層型感光体においては、通常、バインダー樹脂とは異なる樹脂が選択される。
[3.中間層]
本実施形態に係る感光体は、中間層(例えば、下引き層)を有してもよい。中間層は、例えば、無機粒子、及び中間層に用いられる樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層を介在させると、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、電気抵抗の上昇を抑えることができる。
無機粒子としては、例えば、金属(例えば、アルミニウム、鉄、又は銅)、金属酸化物(例えば、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、又は酸化亜鉛)の粒子、又は非金属酸化物(例えば、シリカ)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
中間層用樹脂としては、中間層を形成する樹脂として用いることができる樹脂であれば、特に限定されない。
[4.感光体の製造方法]
感光体の製造方法について説明する。感光体の製造方法は、例えば、感光層形成工程を有する。
[4−1.積層型感光体の製造方法]
積層型感光体の製造方法において、感光層形成工程は、電荷発生層形成工程と電荷輸送層形成工程とを有する。電荷発生層形成工程では、まず、電荷発生層を形成するための塗布液(以下、電荷発生層用塗布液と記載することがある)を調製する。電荷発生層用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した電荷発生層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷発生層を形成する。電荷発生層用塗布液は、例えば、電荷発生剤と、ベース樹脂と、溶剤とを含む。このような電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤を溶剤に溶解又は分散させることにより調製する。電荷発生層用塗布液は、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
電荷輸送層形成工程では、まず、電荷輸送層を形成するための塗布液(以下、電荷輸送層用塗布液と記載することがある)を調製する。電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した電荷輸送層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷輸送層を形成する。電荷輸送層用塗布液は、電荷輸送剤と、ポリアリレート樹脂(1)と、溶剤とを含む。電荷輸送層用塗布液は、電荷輸送剤、及びポリアリレート樹脂(1)を溶剤に溶解又は分散させることにより調製することができる。電荷輸送層形成用塗布液には、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
[4−2.単層型感光体の製造方法]
単層型感光体の製造方法において、感光層形成工程では、感光層を形成するための塗布液(以下、感光層用塗布液と記載することがある)を調製する。感光層用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した感光層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して感光層を形成する。感光層用塗布液は、例えば、電荷発生剤と、電荷輸送剤と、バインダー樹脂と、溶剤とを含む。このような感光層用塗布液は、電荷発生剤、電荷輸送剤、及びバインダー樹脂を溶剤に溶解又は分散させることにより調製する。感光層用塗布液は、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
以下、感光層形成工程の詳細を説明する。電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液、及び感光層用塗布液に含有される溶剤は、それぞれ電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液、及び感光層用塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散できれば、特に限定されない。具体的には、溶剤としては、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はブタノール)、脂肪族系炭化水素(n−ヘキサン、オクタン、又はシクロヘキサン)、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、又はキシレン)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、又はクロロベンゼン)、エーテル類(ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、又はジエチレングリコールジメチルエーテル)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、又はシクロヘキサノン)、エステル類(酢酸エチル、又は酢酸メチル)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの溶剤のうち、非ハロゲン系溶剤を用いることが好ましい。
更に、電荷輸送層用塗布液に含有される溶剤は、電荷発生層用塗布液に含有される溶剤と、異なることが好ましい。積層型感光体を製造する際、通常、電荷発生層、電荷輸送層の順に形成するため、電荷発生層上に、電荷輸送層用塗布液を塗布することになる。電荷輸送層形成時に、電荷発生層は、電荷輸送層用塗布液の溶剤に溶解しないことが求められるからである。
電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液、及び感光層用塗布液は、それぞれ各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー、又は超音波分散器を用いることができる。
電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液、及び感光層用塗布液は、各成分の分散性、又は形成される各々の層の表面平滑性を向上させるために、例えば、界面活性剤又はレベリング剤を含有してもよい。
電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液、及び感光層用塗布液を塗布する方法としては、電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液、及び感光層用塗布液を均一に塗布できる方法であれば、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、又はバーコート法が挙げられる。
電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液、及び感光層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去する方法としては、電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液中の溶剤を蒸発させ得る方法であれば、特に限定されない。除去する方法としては、例えば、加熱、加圧、又は加熱と減圧との併用が挙げられる。より具体的には、高温乾燥機、又は減圧乾燥機を用いて、熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間である。
なお、感光体の製造方法は、必要に応じて中間層を形成する工程を更に有してもよい。中間層を形成する工程は、公知の方法を適宜選択することができる。
以上説明した本発明の電子写真感光体は、耐摩耗性に優れるため、種々の画像形成装置で好適に使用できる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されるものではない。
感光体の製造
[感光体(A−1)の製造]
以下、実施例1に係る感光体(A−1)の製造について説明する。
(中間層の形成)
はじめに、表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製「試作品SMT−A」、平均一次粒径10nm)を準備した。詳しくは、アルミナとシリカとを用いて酸化チタンを表面処理し、更に、表面処理された酸化チタンを湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて表面処理したものを準備した。次いで、表面処理された酸化チタン(2質量部)と、ポリアミド樹脂であるアミラン(登録商標)(東レ株式会社製「CM8000」)(ポリアミド6,ポリアミド12,ポリアミド66,及びポリアミド610の四元共重合ポリアミド樹脂)(1質量部)とを、メタノール(10質量部)、ブタノール(1質量部)及びトルエン(1質量部)を含む溶剤に対して添加した。これらをビーズミルを用いて5時間混合し、溶剤中に材料を分散させた。これにより、中間層用塗布液を調製した。
得られた中間層用塗布液を、目開き5μmのフィルターを用いてろ過した。その後、導電性基体としてのアルミニウム製のドラム状支持体(直径30mm、全長246mm)の表面に、中間層用塗布液をディップコート法を用いて塗布した。続いて、塗布した中間層用塗布液を130℃で30分間乾燥させて、導電性基体(ドラム状支持体)上に中間層(膜厚2μm)を形成した。
(電荷発生層の形成)
Y型チタニルフタロシアニン(1.5質量部)と、ベース樹脂としてのポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBX−5」)(1質量部)とを、プロピレングリコールモノメチルエーテル(40質量部)及びテトラヒドロフラン(40質量部)を含む溶剤に対して添加した。これらをビーズミルを用いて2時間混合し、溶剤中に材料を分散させて、電荷発生層用塗布液を作製した。得られた電荷発生層用塗布液を、目開き3μmのフィルターを用いてろ過した。次いで、得られたろ過液を、上述のようにして形成された中間層上にディップコート法を用いて塗布し、50℃で5分間乾燥させた。これにより、中間層上に電荷発生層(膜厚0.3μm)を形成した。
(電荷輸送層の形成)
正孔輸送剤としての電荷輸送剤(CTM−1)50質量部と、添加剤としてのヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASF株式会社製「イルガノックス(登録商標)1010」)2質量部と、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(PAR−1)(粘度平均分子量50,500)30質量部及びポリカーボネート樹脂(PC−1)(粘度平均分子量49,000)70質量部とを、テトラヒドロフラン350質量部及びトルエン350質量部を含む溶剤に対して添加した。これらを循環型超音波分散装置を用いて12時間混合し、溶剤中に材料を分散させて、電荷輸送層用塗布液を調製した。
電荷発生層用塗布液と同様の操作により、電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布した。その後、120℃で40分間乾燥させて、電荷発生層上に電荷輸送層(膜厚20μm)を形成した。その結果、感光体(A−1)が得られた。感光体(A−1)は、導電性基体上に、中間層、電荷発生層、及び電荷輸送層が、この順で積層された構成を有していた。
[感光体(A−2)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−2)(粘度平均分子量50,200)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−2)を作製した。
[感光体(A−3)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−3)(粘度平均分子量48,700)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−3)を作製した。
[感光体(A−4)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−4)(粘度平均分子量50,500)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−4)を作製した。
[感光体(A−5)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−5)(粘度平均分子量51,200)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−5)を作製した。
[感光体(A−6)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−6)(粘度平均分子量50,300)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−6)を作製した。
[感光体(A−7)]
ポリカーボネート樹脂(PC−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(PC−2)(粘度平均分子量49,500)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−7)を作製した。
[感光体(A−8)]
ポリカーボネート樹脂(PC−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(PC−3)(粘度平均分子量50,000)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−8)を作製した。
[感光体(A−9)]
ポリカーボネート樹脂(PC−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(PC−4)(粘度平均分子量49,500)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−9)を作製した。
[感光体(A−10)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−2)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−10)を作製した。
[感光体(A−11)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−3)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−11)を作製した。
[感光体(A−12)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−4)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−12)を作製した。
[感光体(A−13)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−5)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−13)を作製した。
[感光体(A−14)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−6)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−14)を作製した。
[感光体(A−15)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−7)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−15)を作製した。
[感光体(A−16)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−8)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−16)を作製した。
[感光体(A−17)]
正孔輸送剤として、電荷輸送剤(CTM−1)の代わりに電荷輸送剤(CTM−9)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−17)を作製した。
[感光体(A−18)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の含有量を30質量部から10質量部に変更し、ポリカーボネート樹脂(PC−1)の含有量を70質量部から90質量部に変更した以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−18)を作製した。
[感光体(A−19)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の含有量を30質量部から50質量部に変更し、ポリカーボネート樹脂(PC−1)の含有量を70質量部から50質量部に変更した以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−19)を作製した。
[感光体(A−20)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の含有量を30質量部から70質量部に変更し、ポリカーボネート樹脂(PC−1)の含有量を70質量部から30質量部に変更した以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−20)を作製した。
[感光体(A−21)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−7)(粘度平均分子量50,100)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−21)を作製した。
[感光体(A−22)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−8)(粘度平均分子量47,800)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−22)を作製した。
[感光体(A−23)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−9)(粘度平均分子量49,000)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−23)を作製した。
[感光体(A−24)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−10)(粘度平均分子量49,500)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−24)を作製した。
[感光体(A−25)]
ポリカーボネート樹脂(PC−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(PC−5)(粘度平均分子量50,000)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−25)を作製した。
[感光体(A−26)]
ポリカーボネート樹脂(PC−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(PC−6)(粘度平均分子量46,200)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−26)を作製した。
[感光体(B−1)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)30質量部及びポリカーボネート樹脂(PC−1)70質量部の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−1)100質量部を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−1)を作製した。
[感光体(B−2)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)30質量部及びポリカーボネート樹脂(PC−1)70質量部の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−2)100質量部を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−2)を作製した。
[感光体(B−3)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)30質量部及びポリカーボネート樹脂(PC−1)70質量部の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−3)100質量部を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−3)を作製した。
[感光体(B−4)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)30質量部及びポリカーボネート樹脂(PC−1)70質量部の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−4)100質量部を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−4)を作製した。
[感光体(B−5)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)30質量部及びポリカーボネート樹脂(PC−1)70質量部の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−5)100質量部を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−5)を作製した。
[感光体(B−6)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)30質量部及びポリカーボネート樹脂(PC−1)70質量部の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−6)100質量部を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−6)を作製した。
[感光体(B−7)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)30質量部及びポリカーボネート樹脂(PC−1)70質量部の代わりにポリカーボネート樹脂(PC−1)100質量部を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−7)を作製した。
[感光体(B−8)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)30質量部及びポリカーボネート樹脂(PC−1)70質量部の代わりにポリカーボネート樹脂(PC−2)100質量部を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−8)を作製した。
[感光体(B−9)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)30質量部及びポリカーボネート樹脂(PC−1)70質量部の代わりにポリカーボネート樹脂(PC−3)100質量部を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−9)を作製した。
[感光体(B−10)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)30質量部及びポリカーボネート樹脂(PC−1)70質量部の代わりにポリカーボネート樹脂(PC−4)100質量部を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−10)を作製した。
[感光体(B−11)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりに化学式(PAR−11)で表されるポリアリレート樹脂(以下、ポリアリレート樹脂(PAR−11)と記載することがある)(粘度平均分子量47,500)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−11)を作製した。
Figure 0006447522
[感光体(B−12)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりに化学式(PAR−12)で表されるポリアリレート樹脂(以下、ポリアリレート樹脂(PAR−12)と記載することがある)(粘度平均分子量49,000)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−12)を作製した。
Figure 0006447522
[感光体の性能評価]
(電気的特性評価)
(帯電電位V0の測定)
感光体(A−1)〜(A−20)及び感光体(B−1)〜(B−10)の何れかを、ドラム感度試験機(ジュンテック株式会社製)を用いて、回転数31rpmとし、ドラム流れ込み電流が−10μmA時の表面電位を測定した。測定した表面電位を帯電電位(V0)とした。測定環境は、温度23℃、かつ湿度50%RHとした。
(感度電位VLの測定)
感光体(A−1)〜(A−20)及び感光体(B−1)〜(B−10)の何れかを、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、回転数を31rpmとし、−600Vになるように帯電させた。次いで、単色光(波長:780nm、露光量:0.8μJ/cm2)をハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて取り出し、感光体の表面に照射した。単色光の照射後、80ミリ秒が経過した後の表面電位を測定した。測定した表面電位を感度電位(VL)とした。測定環境は、温度23℃、かつ湿度50%RHとした。
(感光体の耐摩耗性評価)
感光体(A−1)〜(A−20)及び感光体(B−1)〜(B−10)の何れかの製造において調製した電荷輸送層用塗布液を、アルミパイプ(直径:78mm)に巻きつけたポリプロピレンシート(厚さ0.3mm)に塗布した。これを、120℃で40分乾燥し、膜厚30μmの電荷輸送層が形成された摩耗評価試験用のシートを作製した。
このポリプロピレンシートから電荷輸送層を剥離し、ウィールS−36(テーバー社製)に貼り付け、サンプルを作製した。作製したサンプルをロータリーアブレージョンテスター(株式会社東洋精機製作所製)にセットし、摩耗輪CS−10(テーバー社製)を用い、荷重500gfかつ回転速度60rpmの条件で1,000回転させ、摩耗評価試験を実施した。摩耗評価試験前後のサンプルの質量変化である摩耗減量(mg/1000回転)を測定した。得られた摩耗減量に基づいて、感光体の耐摩耗性を評価した。
表1は感光体(A−1)〜(A−26)の構成を示し、表2は感光体(B−1)〜(B−12)の構成を示す。表1及び表2中、ポリアリレート樹脂の分子量及びポリカーボネート樹脂の分子量は、ともに粘度平均分子量を表す。また、表1及び表2中、バインダー樹脂の比は、ポリアリレート樹脂(1)の含有量mPARとポリカーボネート樹脂(2)の含有量mPCとの比(mPAR:mPC)を表す。表1及び表2中、バインダー樹脂の比に付したカッコ内の数値は、割合(mPAR/(mPAR+mPC))を表す。表3は感光体(A−1)〜(A−26)の性能評価を示し、表4は感光体(B−1)〜(B−12)の性能評価結果を示す。
Figure 0006447522
Figure 0006447522
Figure 0006447522
Figure 0006447522
表1に示すように、感光体(A−1)〜(A−26)では、電荷輸送層は、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂及びポリカーボネート樹脂を含有していた。詳しくは、感光体(A−1)〜(A−26)では、電荷輸送層は、ポリアリレート樹脂(PAR−1)〜(PAR−10)の何れか1種と、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(PC−1)〜(PC−6)の何れか1種とを含有していた。ポリアリレート樹脂(PAR−1)〜(PAR−10)は、一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂であった。ポリカーボネート樹脂(PC−1)〜(PC−6)は、一般式(2)で表されるポリカーボネート樹脂であった。表3に示すように、感光体(A−1)〜(A−26)では、摩耗減量が2.2mg以上3.8mg以下であった。
表2に示すように、感光体(B−1)〜(B−10)では、電荷輸送層は、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂、又はポリカーボネート樹脂を含有していた。詳しくは、感光体(B−1)〜(B−10)では、電荷輸送層は、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(PAR−1)〜(PAR−6)の何れか1種、又はバインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(PC−1)〜(PC−4)の何れか1種を含有していた。表4に示すように、感光体(B−1)〜(B−10)では、摩耗減量が3.9mg以上5.6mg以下であった。
表2に示すように、感光体(B−11)〜(B−12)では、電荷輸送層は、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂、及びポリカーボネート樹脂を含有していた。詳しくは、感光体(B−1)〜(B−10)では、電荷輸送層は、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(PAR−9)又は(PAR−10)と、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(PC−1)とを含有していた。ポリアリレート樹脂(PAR−11)〜(PAR−12)は、r/(r+t)が0.10以上0.90以下ではなく、一般式(2)で表されるポリアリレート樹脂に含まれなかった。表4に示すように、感光体(B−11)では、塗工液(電荷輸送層用塗布液)がゲル化し電荷輸送層を十分に製膜できなかった。感光体(B−12)では、摩耗減量が4.2mgであった。
表1〜表4から明らかなように、本実施形態に係る感光体(感光体(A−1)〜(A−26))は、感光体(B−1)〜(B−12)に比べ、耐摩耗試験において摩耗減量が少なかった。従って、本発明に係る感光体によれば、耐摩耗性に優れることが明らかである。
表1に示すように、感光体(A−8)〜(A−9)及び(A−26)では、電荷輸送層は、それぞれポリカーボネート樹脂(PC−3)(PC−4)、及び(PC−6)を含有していた。ポリカーボネート樹脂(PC−3)〜(PC−4)、及び(PC−6)は、p/(p+l)が0.40以上0.60以下であった。表3に示すように、感光体(A−8)〜(A−9)及び(A−25)〜(A−26)では、それぞれ摩耗減量が2.5mg、2.5mg、3.3mg及び2.2mgであった。
表1に示すように、感光体(A−1)及び(A−7)では、電荷輸送層は、ポリカーボネート樹脂(PC−1)又は(PC−2)を含有していた。ポリカーボネート樹脂(PC−1)〜(PC−2)は、p/(p+l)が0.00であった。表3に示すように、感光体(A−1)及び(A−7)では、それぞれ摩耗減量が3.2mg及び3.4mgであった。
表1及び表3から明らかなように、p/(p+l)が0.05以上0.70以下であるポリカーボネート樹脂を含有する感光体(A−8)〜(A−9)及び(A−25)〜(A−26)は、p/(p+l)が0.05以上0.70以下ではないポリカーボネート樹脂を含有しない感光体(A−1)及び(A−7)に比べ、耐摩耗性に優れることが明らかである。
本発明に係る電子写真感光体は、複合機のような画像形成装置に利用できる。
10 積層型電子写真感光体
11 導電性基体
12 感光層
13 電荷発生層
14 電荷輸送層
15 中間層

Claims (8)

  1. 感光層を備える電子写真感光体であって、
    前記感光層は、電荷発生剤と、電荷輸送剤と、バインダー樹脂とを含有し、
    前記感光層は、前記電荷発生剤を含有する電荷発生層と、前記電荷輸送剤、及び前記バインダー樹脂を含有する電荷輸送層とを含み、
    前記電荷輸送層は一層であり、前記電荷輸送層は最表面層として配置され、
    前記バインダー樹脂は、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂とを含み、
    前記ポリアリレート樹脂は、一般式(1)で表され、
    前記ポリカーボネート樹脂は、一般式(2)で表される、電子写真感光体。
    Figure 0006447522
    前記一般式(1)中、
    1は、水素原子、又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、2つのR1は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
    2及びR3は、各々独立に、水素原子、又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、R2とR3とは互いに結合して環を形成し、シクロアルキリデン基となってもよく、
    r、s、t、及びuは、何れも正の整数を表し、
    r+s+t+u=100であり、
    r+t=s+uであり、
    r/(r+t)は、0.10以上0.90以下であり、
    X及びYは、各々独立に、化学式(1−1)、(1−2)、(1−3)、又は(1−4)で表される二価の基を表す。
    Figure 0006447522
    Figure 0006447522
    前記一般式(2)中、
    4、R5、R6及びR7は、各々独立に、水素原子、又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、
    2つのR4は、互いに同一であっても異なってもよく、
    5とR6とは互いに結合して環を形成し、シクロアルキリデン基となってもよく、
    2つのR7は、互いに同一であっても異なってもよく、
    p及びlは、何れも正の整数を表し、
    p+l=100であり、
    p/(p+l)は、0.05以上0.70以下である。
  2. 前記一般式(1)中、
    1が水素原子、又はメチル基を表し、
    2がメチル基を表し、
    3がメチル基、又はエチル基を表し、
    XとYとが同じである、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記一般式(1)中、
    XとYとが互いに異なり、
    rとsとが互いに異なり、rとuとが互いに異なり
    tとsとが互いに異なり、tとuとが互いに異なる、請求項1に記載の電子写真感光体。
  4. 前記一般式(2)中、
    4が水素原子を表し、
    5とR6とが互いに結合して環を形成し、シクロヘキシリデン基を表すか、又はR5がメチル基を表し、R6がエチル基を表す、請求項1〜3の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記一般式(2)中、
    4は水素原子又はメチル基を表し、
    5とR6とが互いに結合して環を形成し、シクロヘキシリデン基を表し、
    7は水素原子を表す、請求項1〜3の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  6. 前記ポリアリレート樹脂の含有量mPARと前記ポリカーボネート樹脂の含有量mPCとの合計に対する前記含有量mPARの割合(mPAR/(mPAR+mPC))は、0.10以上0.40である、請求項1〜の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記電荷輸送剤が、一般式(3)、(4)、又は(5)で表される化合物を含む、請求項1〜の何れか一項に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006447522
    前記一般式(3)中、
    1は、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又は炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されてもよいフェニル基を表し、
    2は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表し、
    3、Q4、Q5、Q6、及びQ7は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基で表し、Q3、Q4、Q5、Q6、及びQ7のうちの隣接した二つが互いに結合して環を形成してもよく、
    aは、0以上5以下の整数を表し、aが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ2は、互いに同一でも異なっていてもよい。
    Figure 0006447522
    前記一般式(4)中、
    8、Q10、Q11、Q12、Q13、及びQ14は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表し、
    9、及びQ15は、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基、又はフェニル基を表し、
    bは、0以上5以下の整数を表し、bが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ9は、互いに同一でも異なっていてもよく、
    cは、0以上4以下の整数を表し、cが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のQ15は、互いに同一でも異なっていてもよく、
    kは、0又は1を表す。
    Figure 0006447522
    前記一般式(5)中、
    a、Rb及びRcは、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、フェニル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表し、
    qは、0以上4以下の整数を表し、qが2以上4以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRcは、互いに同一でも異なっていてもよく、
    m及びnは、各々独立に、0以上5以下の整数を表し、mが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、nが2以上5以下の整数を表す場合、同一のフェニル基に結合する複数のRaは、互いに同一でも異なっていてもよい。
  8. 前記一般式(3)中、
    1は、水素原子、又は炭素原子数1以上8以下のアルキル基で置換されたフェニル基を表し、
    2は、炭素原子数1以上8以下のアルキル基を表し、
    3、Q4、Q5、Q6及びQ7は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上8以下のアルキル基、又は炭素原子数1以上8以下のアルコキシ基を表し、Q3、Q4、Q5、Q6及びQ7のうちの隣接した二つが互いに結合して環を形成してもよく、
    aは、0又は1を表し、
    前記一般式(4)中、
    8、Q10、Q11、Q12、Q13及びQ14は、各々独立に、水素原子、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、又はフェニル基を表し、
    b及びcは、0を表し、
    前記一般式(5)中、
    a及びRbは、各々独立に、炭素原子数1以上8以下のアルキル基を表し、
    m及びnは、各々独立に、0以上2以下の整数を表し、
    qは0を表す、請求項に記載の電子写真感光体。
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