JP2017223896A - 電子写真感光体 - Google Patents

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貴広 大木
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Abstract

【課題】感度特性及び耐摩耗性に優れる電子写真感光体を提供する。【解決手段】電子写真感光体は、導電性基体と、感光層とを備える。感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを含有する。バインダー樹脂は、特定構造のポリアリレート樹脂と特定構造のポリカーボネート樹脂とを含む。ポリアリレート樹脂の含有量mPARとポリカーボネート樹脂の含有量mPCとの合計に対する含有量mPARの割合(mPAR/(mPAR+mPC))は、0.10以上0.90である。正孔輸送剤は特定構造のp−ターフェニル誘導体である。【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真感光体に関する。
電子写真感光体は、像担持体として電子写真方式の画像形成装置(例えば、プリンター、又は複合機)において用いられる。電子写真感光体は、感光層を備える。電子写真感光体としては、例えば、単層型電子写真感光体、又は積層型電子写真感光体が用いられる。単層型電子写真感光体においては、感光層は単層であって、電荷発生の機能と、電荷輸送の機能とを有する。積層型電子写真感光体においては、感光層は電荷発生の機能を有する電荷発生層と、電荷輸送の機能を有する電荷輸送層とを備える。
特許文献1には、化学式(E−1)で表される繰返し単位を有するポリアリレート樹脂が記載されている。また、上記ポリアリレート樹脂を含有する電子写真感光体が記載されている。
Figure 2017223896
特許文献2には、化学式(E−2)で表される繰返し単位を有するポリアリレート樹脂が記載されている。また、上記ポリアリレート樹脂を含有する電子写真感光体が記載されている。
Figure 2017223896
特開昭56−135844号公報 特開2005−189716号公報
しかしながら、特許文献1に記載のポリアリレート樹脂は、溶剤に対する溶解性が低く、感光層形成用塗布液を調製することが困難であった。また、特許文献2に記載のポリアリレート樹脂は、非ハロゲン溶剤に対する溶解性があるものの、ポリアリレート樹脂中の分子鎖同士の絡み合いが低下し、ポリアリレート樹脂のパッキング性が低下し、耐摩耗性を十分に向上させることができない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、感度特性及び耐摩耗性に優れる感光層を備えた電子写真感光体を提供することである。
本発明の電子写真感光体は、導電性基体と、感光層とを備える。前記感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを含有する。前記バインダー樹脂は、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂とを含む。前記ポリアリレート樹脂は、一般式(1)で表される。前記ポリカーボネート樹脂は、一般式(2)で表される。前記ポリアリレート樹脂の含有量mPARと前記ポリカーボネート樹脂の含有量mPCとの合計に対する前記含有量mPARの割合(mPAR/(mPAR+mPC))は、0.10以上0.90である。前記正孔輸送剤は、一般式(3)で表されるp−ターフェニル誘導体と、一般式(4)で表されるp−ターフェニル誘導体と、一般式(5)で表されるp−ターフェニル誘導体とを含む。
Figure 2017223896
前記一般式(1)中、R1は、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。2つのR1は、互いに同一であっても異なっていてもよい。R2及びR3は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。R2とR3とは互いに結合して環を形成し、シクロアルキリデン基となってもよい。r、s、t、及びuは、何れも正の整数を表す。r+s+t+u=100である。r+t=s+uである。r/(r+t)は、0.10以上0.90以下である。X及びYは、各々独立に、化学式(1−1)、(1−2)、(1−3)、又は(1−4)で表される二価の基を表す。
Figure 2017223896
Figure 2017223896
前記一般式(2)中、R4、R5、R6、及びR7は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。2つのR4は、互いに同一であっても異なってもよい。R5とR6とは互いに結合して環を形成し、シクロアルキリデン基となってもよい。2つのR7は、互いに同一であっても異なってもよい。p及びlは、何れも正の整数を表す。p+l=100である。p/(p+l)は、0.00以上0.70以下である。
Figure 2017223896
Figure 2017223896
Figure 2017223896
一般式(3)、(4)、及び(5)中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6、Ar7、及びAr8は、各々独立に、炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。前記アリール基は、1又は複数の置換基を有してもよい。前記置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。前記置換基が複数である場合、複数の前記置換基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
本発明の電子写真感光体によれば、優れた感度特性及び耐摩耗性を発現させることができる。
(a)、(b)、及び(c)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る積層型電子写真感光体の構造を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内で、適宜変更を加えて実施できる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。なお、本明細書において、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。また、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。
以下、ハロゲン原子、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上4以下のアルキル基、炭素原子数1以上3以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、炭素原子数6以上14以下のアリール基、及び炭素原子数5以上7以下のシクロアルキリデン基は、各々、次の意味である。
ハロゲン原子(ハロゲン基)としては、例えば、フッ素原子(フルオロ基)、塩素原子(クロロ基)、臭素原子(ブロモ基)、又はヨウ素原子(ヨード基)が挙げられる。
炭素原子数1以上6以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、又はヘキシル基が挙げられる。
炭素原子数1以上4以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上4以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、又はt−ブチル基が挙げられる。
炭素原子数1以上3以下のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上3以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、又はイソプロピル基が挙げられる。
炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基は、直鎖状又は分枝鎖状で非置換である。炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、又はヘキシルオキシ基が挙げられる。
炭素原子数6以上14以下のアリール基は、非置換である。炭素原子数6以上14以下のアリール基は、例えば、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族単環炭化水素基、炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合二環炭化水素基又は炭素原子数6以上14以下の非置換の芳香族縮合三環炭化水素基である。炭素原子数6以上14以下のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、又はフェナントリル基が挙げられる。
炭素原子数5以上7以下のシクロアルキリデン基は、非置換である。炭素原子数5以上7以下のシクロアルキリデン基としては、例えば、シクロペンチリデン基、シクロヘキシリデン基、又はシクロへプチリデン基が挙げられる。
<感光体>
本発明の電子写真感光体(以下、感光体と記載することがある)は、感光層を備える。感光体は、例えば、積層型電子写真感光体(以下、積層型感光体と記載することがある)、又は単層型電子写真感光体(以下、単層型感光体と記載することがある)が挙げられる。
積層型感光体は、電荷発生層と、電荷輸送層とを備える。以下、図1を参照して、本実施形態に係る積層型感光体1の構造を説明する。図1は、積層型感光体1の構造を示す概略断面図である。図1(a)に示すように、積層型感光体1は、例えば、導電性基体2と、感光層3とを備える。感光層3は、電荷発生層3aと電荷輸送層3bとを備える。図1(a)に示すように、積層型感光体1は、導電性基体2上に電荷発生層3aを備え、電荷発生層3aの上に更に電荷輸送層3bを備えてもよい。また、図1(b)に示すように、積層型感光体1は、導電性基体2上に電荷輸送層3bを備え、電荷輸送層3bの上に更に電荷発生層3aを備えてもよい。図1(a)に示すように、電荷輸送層3bは積層型感光体1の最表面層として配置されてもよい。電荷輸送層3bは、一層(単層)であってもよい。
図1(a)に示すように、感光層3は導電性基体2上に直接的に配置されてもよい。また、図1(c)に示すように、積層型感光体1は、例えば、導電性基体2と、中間層4(下引層)と、感光層3とを備える。図1(c)に示すように、感光層3は導電性基体2上に間接的に配置されてもよい。図1(c)に示すように、中間層4は、導電性基体2と電荷発生層3aとの間に設けられてもよい。中間層4は、例えば、電荷発生層3aと電荷輸送層3bとの間に設けられてもよい。電荷発生層3aは、単層であってもよく、複数層であってもよい。
単層型感光体は、単層の感光層を備える。単層型感光体も積層型感光体と同様に、例えば、導電性基体と感光層とを備える。単層型感光体は、中間層を備えてもよい。感光層は、単層型感光体の最表面層として配置されてもよい。
本実施形態に係る感光体は、感度特性及び耐摩耗性に優れる。その理由は以下のように推測される。本実施形態に係る感光体は、バインダー樹脂としてポリアリレート樹脂と、ポリカーボネート樹脂とを含む。ポリアリレート樹脂は、一般式(1)で表される(以下、このようなポリアリレート樹脂をポリアリレート樹脂(1)と記載する)。ポリアリレート樹脂(1)では、R1、R2及びR3は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。また、ポリアリレート樹脂(1)では、3つのメチル基が置換したシクロヘキシリデン基を有する。更に、2種類の芳香族ジオール由来の繰返し単位のモル比率r/(r+t)が0.10以上0.90以下である。ポリカーボネート樹脂は、一般式(2)で表される(以下、このようなポリカーボネート樹脂をポリカーボネート樹脂(2)と記載することがある)。ポリカーボネート樹脂(2)では、R4、R5、R6、及びR7は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。このような構造を有するポリアリレート樹脂(1)及びポリカーボネート樹脂(2)は、アルキル基の鎖長、分岐性、又は数量が過度に増加しにくいため、バインダー樹脂とバインダー樹脂との絡み合いが低下しにくく、バインダー樹脂のパッキング性が低下しにくい傾向となる。また、ポリアリレート樹脂(1)及びパリカーボネート樹脂(2)は、溶剤への溶解性が高いため、感光層を形成するための塗布液を調製し易い。その結果、層密度の高い感光層を得られ易い。よって、本実施形態に係る感光体は、耐摩耗性に優れると考えられる。
感光層は、正孔輸送剤を含む。正孔輸送剤は、一般式(3)、(4)、及び(5)で表されるp−ターフェニル誘導体を含む(以下、それぞれターフェニル誘導体(3)、(4)、及び(5)と記載することがある)。正孔輸送剤は、構造の異なる3種のターフェニル誘導体(3)〜(5)を含むため、これら3種のターフェニル誘導体(3)〜(5)は感光層中で均一に分散する傾向にある。また、ターフェニル誘導体(3)〜(5)は比較的大きなπ共役系を有するため、ターフェニル誘導体(3)〜(5)分子中におけるキャリア(正孔)の分子内移動距離が比較的長くなり、感光層中での複数のターフェニル誘導体(3)〜(5)間における分子間距離が比較的短くなる傾向にある。よって、本実施形態に係る感光体は、感度特性に優れると考えられる。
感光層は、バインダー樹脂としてポリアリレート樹脂(1)及びポリカーボネート樹脂(2)と、正孔輸送剤としてのターフェニル誘導体(3)〜(5)とを含む。これらのバインダー樹脂及び正孔輸送剤は上述の特徴的な構造を有するため、バインダー樹脂と正孔輸送剤との相溶性が向上する傾向にある。このため、正孔輸送剤は感光層中で均一に分散し、感光層の層密度が向上し易い。よって、本実施形態に係る感光体は、感度特性及び耐摩耗性に優れると考えられる。
以下、本実施形態に係る感光体の要素(導電性基体、感光層、及び中間層)を説明する。更に感光体の製造方法も説明する。
[1.導電性基体]
導電性基体は、感光体の導電性基体として用いることができる限り、特に限定されない。導電性基体としては、少なくとも表面部が導電性を有する材料で構成される導電性基体を用いることができる。導電性基体としては、例えば、導電性を有する材料で構成される導電性材料;及び導電性材料で被覆される導電性基体が挙げられる。導電性を有する材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、錫、白金、銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、又はインジウムが挙げられる。これらの導電性を有する材料の中でも、1種単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。2種以上の組合せとしては、例えば、合金(より具体的には、アルミニウム合金、ステンレス鋼、又は真鍮等)が挙げられる。
これらの導電性を有する材料の中でも、感光層から導電性基体への電荷の移動が良好であることから導電性、アルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。
導電性基体の形状は、使用する画像形成装置の構造に合わせて適宜選択することができる。導電性基体の形状としては、例えば、シート状又はドラム状が挙げられる。また、導電性基体の厚みは、導電性基体の形状に応じて、適宜選択することができる。
[2.感光層]
積層型感光体の感光層は、電荷発生層と、電荷輸送層とを備える。感光層は、添加剤を含有してもよい。電荷発生層は、電荷発生剤を含有する。電荷輸送層は、正孔輸送剤及びバインダー樹脂を含有する。電荷発生層の厚さは、電荷発生層として十分に作用することができれば、特に限定されない。電荷発生層の厚さは、具体的には、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.1μm以上3μm以下であることがより好ましい。電荷輸送層の厚さは、電荷輸送層として十分に作用することができれば、特に限定されない。電荷輸送層の厚さは、具体的には、2μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましい。
単層型感光体の感光層は、電荷発生剤、正孔輸送剤、及びバインダー樹脂を含有する。感光層は添加剤を含有してもよい。感光層の厚さは、感光層としての機能を十分に発現できれば、特に限定されない。具体的には、感光層の厚さは、5μm以上100μm以下であってもよく、10μm以上50μm以下であることが好ましい。
[2−1.共通の構成要素]
以下、電荷発生剤、正孔輸送剤、及びバインダー樹脂を説明する。更に添加剤を説明する。
[2−1−1.電荷発生剤]
電荷発生剤は、感光体用の電荷発生剤であれば、特に限定されない。電荷発生剤としては、例えば、フタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ビスアゾ顔料、ジチオケトピロロピロール顔料、無金属ナフタロシアニン顔料、金属ナフタロシアニン顔料、スクアライン顔料、トリスアゾ顔料、インジゴ顔料、アズレニウム顔料、シアニン顔料、セレン、セレン−テルル、セレン−ヒ素、硫化カドミウム、アモルファスシリコンのような無機光導電材料の粉末、ピリリウム塩、アンサンスロン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、スレン系顔料、トルイジン系顔料、ピラゾリン系顔料、又はキナクリドン系顔料が挙げられる。フタロシアニン系顔料としては、例えば、フタロシアニン、又はフタロシアニン誘導体が挙げられる。フタロシアニンとしては、例えば、無金属フタロシアニン顔料(より具体的には、X型無金属フタロシアニン(x−H2Pc)等)が挙げられる。フタロシアニン誘導体としては、例えば、金属フタロシアニン顔料(より具体的には、チタニルフタロシアニン又はV型ヒドロキシガリウムフタロシアニン等)が挙げられる。フタロシアニン系顔料の結晶形状については特に限定されず、種々の結晶形状を有するフタロシアニン系顔料が使用される。フタロシアニン顔料の結晶形状としては、例えば、α型、β型、又はY型が挙げられる。電荷発生剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
所望の領域に吸収波長を有する電荷発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上の電荷発生剤を組み合わせて用いてもよい。更に、例えば、デジタル光学式の画像形成装置には、700nm以上の波長領域に感度を有する感光体を用いることが好ましい。そのため、例えば、フタロシアニン系顔料が好ましく、X型無金属フタロシアニン(x−H2Pc)、又はY型チタニルフタロシアニン(Y−TiOPc)がより好ましい。なお、デジタル光学式の画像形成装置としては、例えば、半導体レーザーのような光源を使用したレーザービームプリンター又はファクシミリが挙げられる。また、Y型チタニルフタロシアニンは、Cu−Kα特性X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角2θ±0.2°=27.2°に1つのピークを有してもよい。
短波長レーザー光源を用いた画像形成装置に適用される感光体には、電荷発生剤として、アンサンスロン系顔料、又はペリレン系顔料が好適に用いられる。短波長レーザーの波長としては、例えば、350nm以上550nm以下の範囲の波長が挙げられる。
電荷発生剤は、例えば、化学式(CGM−1)〜(CGM−4)で表されるフタロシアニン系顔料である(以下、電荷発生剤(CGM−1)〜(CGM−4)と記載することがある)。
Figure 2017223896
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電荷発生剤の含有量は、電荷発生層用バインダー樹脂(以下、ベース樹脂と記載することがある)100質量部に対して、5質量部以上1000質量部以下であることが好ましく、30質量部以上500質量部以下であることがより好ましい。
[2−1−2.正孔輸送剤]
正孔輸送剤は、ターフェニル誘導体(3)と、ターフェニル誘導体(4)と、ターフェニル誘導体(5)とを含む。ターフェニル誘導体(3)は一般式(3)で表される。ターフェニル誘導体(4)は一般式(4)で表される。ターフェニル誘導体(5)は一般式(5)で表される。
Figure 2017223896
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一般式(3)、(4)、及び(5)中、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6、Ar7、及びAr8は、各々独立に、炭素原子数6以上14以下のアリール基を表す。炭素原子数6以上14以下のアリール基は、1又は複数の置換基を有してもよい。このような置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又はハロゲン原子を表す。置換基が複数である場合、複数の置換基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
ターフェニル誘導体(3)及び(4)は対称型の構造を有し、ターフェニル誘導体(5)は非対称型の構造を有する。一般式(3)〜(5)中、Ar1〜Ar8の表す炭素原子数6以上14以下のアリール基は、フェニル基が好ましい。フェニル基は、0以上2以下の置換基を有することが好ましい。このような置換基としては、炭素原子数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素原子数1以上3以下のアルキル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
Ar1〜Ar8の表す炭素原子数6以上14以下のアリール基がフェニル基であり、フェニル基が置換基を有する場合、置換基のフェニル基への置換位置は、フェニル基の窒素原子への結合に対してオルト位(o位)、メタ位(m位)、又はパラ位(p位)が挙げられる。これらの置換位置のうち、オルト位(o位)又はパラ位(p位)が好ましい。
一般式(3)中、Ar1及びAr2はフェニル基を表し、フェニル基は0以上2以下の置換基を有し、置換基はメチル基を表すことが好ましい。一般式(4)中、Ar3及びAr4はフェニル基を表し、フェニル基は0以上2以下の置換基を有し、置換基はメチル基を表すことが好ましい。一般式(5)中、Ar5、Ar6、Ar7、及びAr8はフェニル基を表し、フェニル基は0以上2以下の前記置換基を有し、置換基はメチル基を表すことが好ましい。
正孔輸送剤は、具体的には、化学式(HTM−1)〜(HTM−7)で表される正孔輸送剤である(以下、それぞれ正孔輸送剤(HTM−1)〜(HTM−7)と記載することがある)。なお、正孔輸送剤(HTM−1)、(HTM−3)、(HTM−5)、及び(HTM−7)は、ターフェニル誘導体(3)及び(4)の具体例である。正孔輸送剤(HTM−2)、(HTM−4)、及び(HTM−6)はターフェニル誘導体(5)の具体例である。
Figure 2017223896
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これらの正孔輸送剤の組合せとしては、例えば、正孔輸送剤(HTM−1)と正孔輸送剤(HTM−6)と正孔輸送剤(HTM−7)との組合せ、正孔輸送剤(HTM−1)と正孔輸送剤(HTM−2)と正孔輸送剤(HTM−3)との組合せ、又は正孔輸送剤(HTM−1)と正孔輸送剤(HTM−4)と正孔輸送剤(HTM−5)との組合せが挙げられる。
正孔輸送剤は、一般式(3)〜(5)で表されるp−ターフェニル誘導体以外の化合物であってもよい。このような正孔輸送剤としては、例えば、含窒素環式化合物又は縮合多環式化合物を使用することができる。含窒素環式化合物及び縮合多環式化合物としては、例えば、ジアミン誘導体(例えば、N,N,N’,N’−テトラフェニルフェニレンジアミン誘導体、N,N,N’,N’−テトラフェニルナフチレンジアミン誘導体、又はN,N,N’,N’−テトラフェニルフェナントリレンジアミン誘導体);オキサジアゾール系化合物(例えば、2,5−ジ(4−メチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール);スチリル系化合物(例えば、9−(4−ジエチルアミノスチリル)アントラセン);カルバゾール系化合物(例えば、ポリビニルカルバゾール);有機ポリシラン化合物;ピラゾリン系化合物(例えば、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン);ヒドラゾン系化合物;インドール系化合物;オキサゾール系化合物;イソオキサゾール系化合物;チアゾール系化合物;チアジアゾール系化合物;イミダゾール系化合物;ピラゾール系化合物;トリアゾール系化合物が挙げられる。
積層型感光体において、正孔輸送剤の含有量は、バインダー樹脂100質量部に対して、10質量部以上200質量部以下であることが好ましく、20質量部以上100質量部以下であることがより好ましい。
[2−1−3.バインダー樹脂]
バインダー樹脂は、積層型感光体の電荷輸送層又は単層型感光体の感光層に用いられる。バインダー樹脂は、ポリアリレート樹脂(1)とポリカーボネート樹脂(2)とを含む。ポリアリレート樹脂(1)は、一般式(1)で表される。ポリカーボネート樹脂(2)は、一般式(2)で表される。感光体がポリアリレート樹脂(1)とポリカーボネート樹脂(2)を含有することにより、感光体の感度特性及び耐摩耗性を向上させることができる。
Figure 2017223896
一般式(1)中、R1は、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。2つのR1は、互いに同一であっても異なっていてもよい。R2及びR3は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。R2とR3とは互いに結合して環を形成し、シクロアルキリデン基となってもよい。r、s、t、及びuは、何れも正の整数を表す。r+s+t+u=100である。r+t=s+uである。r/(r+t)は、0.10以上0.90以下である。X及びYは、各々独立に、化学式(1−1)、(1−2)、(1−3)、又は(1−4)で表される二価の基を表す。
Figure 2017223896
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一般式(2)中、R4、R5、R6、及びR7は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表す。2つのR4は、互いに同一であっても異なってもよい。R5とR6とは互いに結合して環を形成し、シクロアルキリデン基となってもよい。2つのR7は、互いに同一であっても異なってもよい。p及びlは、何れも正の整数を表す。p+l=100である。p/(p+l)は、0.00以上0.70以下である。
一般式(1)中、R1は水素原子又はメチル基を表すことが好ましい。R2はメチル基を表すことが好ましい。R3は、炭素原子数1以上3以下のアルキル基を表すことが好ましく、メチル基又はエチル基を表すことがより好ましい。2つのR1が互いに同じであることが好ましい。
感光体の感度特性を更に向上させる観点から、一般式(1)中、Xが化学式(1−1)又は(1−4)で表される二価の基を表し、Yが化学式(1−2)で表される二価の基を表すことが好ましい。rとsとが互いに異なりrとuとが互いに異なり、tとsとが互いに異なりtとuとが互いに異なることが好ましい。rが10以上であることが好ましい。
ポリアリレート樹脂(1)は、化学式(1−5)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1−5)と記載することがある)、一般式(1−6)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1−6)と記載することがある)、一般式(1−7)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1−7)と記載することがある)、一般式(1−8)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(1−8)と記載することがある)を有する。
Figure 2017223896
一般式(1−6)中のX、一般式(1−7)中のR1、R2及びR3、並びに一般式(1−8)中のYは、それぞれ一般式(1)中のX、R1、R2、R3、及びYと同義である。
ポリアリレート樹脂(1)は、繰返し単位(1−5)〜(1−8)以外の繰返し単位を有してもよい。ポリアリレート樹脂(1)中の繰返し単位の物質量の合計に対する繰返し単位(1−5)〜(1−8)の物質量の合計の比率(モル比率)は、0.80以上が好ましく、0.90以上がより好ましく、1.00が更に好ましい。
ポリアリレート樹脂(1)における、繰返し単位(1−5)〜(1−8)の配列は、芳香族ジオール由来の繰返し単位と芳香族ジカルボン酸由来の繰返し単位とが互いに隣接する限り、特に限定されない。例えば、繰返し単位(1−5)は、繰返し単位(1−6)又は繰返し単位(1−8)と隣接して互いに結合している。同様に、繰返し単位(1−7)は、繰返し単位(1−6)又は繰返し単位(1−8)と隣接して互いに結合している。ポリアリレート樹脂(1)は、繰返し単位(1−5)〜(1−8)以外の繰返し単位を有してもよい。
一般式(1)中のr、s、t、及びuは、何れも正の整数を表す。r+s+t+u=100である。r+t=s+uである。r/(r+t)は、0.10以上0.90以下である。r/(r+t)は、ポリアリレート樹脂(1)における繰返し単位(1−5)の物質量及び繰返し単位(1−7)の物質量の合計に対する繰返し単位(1−5)の物質量の比率(モル比率)を表す。r/(r+t)が0.10より小さい場合、感光体の耐摩耗性が低下し易い。r/(r+t)が0.90より大きい場合、ポリアリレート樹脂は、感光層を形成するための溶剤に溶解しにくい。
ポリアリレート樹脂(1)としては、例えば、化学式(PAR−1)〜(PAR−11)で表されるポリアリレート樹脂(以下、ポリアリレート樹脂(PAR−1)〜(PAR−11)と記載することがある)が挙げられる。
Figure 2017223896
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ポリアリレート樹脂(1)の粘度平均分子量は、24,000以上290,000以下であることが好ましく、25,000以上28,200以下であることがより好ましい。ポリアリレート樹脂(1)の粘度平均分子量が24,000以上である場合、感光体の耐摩耗性を高めることができ、感光層が摩耗しにくくなる。一方、ポリアリレート樹脂(1)の粘度平均分子量が29,000以下である場合、感光層の形成時に、ポリアリレート樹脂(1)が溶剤に溶解し易くなり、感光層の形成が容易になる傾向がある。
ポリカーボネート樹脂(2)は、一般式(2−1)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(2−1)と記載することがある)と、一般式(2−2)で表される繰返し単位(以下、繰返し単位(2−2)と記載することがある)とを有する。
Figure 2017223896
一般式(2−1)中のR4、R5、及びR6は、それぞれ一般式(2)中のR4、R5、及びR6と同義である。一般式(2−2)中のR7は、一般式(2)中のR7と同義である。
ポリカーボネート樹脂(2)は、繰返し単位(2−1)〜(2−2)以外の繰返し単位を有してもよい。ポリカーボネート樹脂(2)中の繰返し単位の物質量の合計に対する繰返し単位(2−1)〜(2−2)の物質量の合計の比率(モル比率)は、0.80以上が好ましく、0.90以上がより好ましく、1.00が更に好ましい。
ポリカーボネート樹脂(2)における、繰返し単位(2−1)〜(2−2)の配列は、繰返し単位(2−1)と繰返し単位(2−2)とが隣接して互いに結合する配列である。
一般式(2)中、p/(p+l)は、0.00以上0.70以下であり、0.00以上0.65以下であることが好ましく、0.00以上0.60以下であることがより好ましい。感光体の耐摩耗性を更に向上させる観点から、p/(p+l)は、0.10以上0.40以下であることが好ましい。p/(p+l)は、ポリカーボネート樹脂(2)における繰返し単位(2−1)の物質量及び繰返し単位(2−2)の物質量の合計に対する繰返し単位(2−2)の物質量の比率(モル比率)を表す。p/(p+l)が0.00以上0.70以下である場合、感光体の感度特性及び耐摩耗性が向上する。
一般式(2)中、p/(p+l)が0.00である場合、R4が水素原子を表し、R5とR6とが互いに結合して環を形成し、シクロヘキシリデン基を表すか、又はR5がメチル基を表し、R6がエチル基を表すことが好ましい。
一般式(2)中、p/(p+l)が0.00である場合、ポリカーボネート樹脂(2)としては、例えば、化学式(PC−1)〜(PC−2)で表される繰返し単位を有するポリカーボネート樹脂が挙げられる(以下、ポリカーボネート樹脂(PC−1)〜(PC−2)と記載することがある)。
Figure 2017223896
Figure 2017223896
一般式(2)中、p/(p+l)は、0.00より大きく0.70以下である場合、R4は水素原子又はメチル基を表すことが好ましい。R5とR6とが互いに結合して環を形成し、炭素原子数5以上7以下のシクロアルキリデン基(より具体的には、シクロヘキシリデン基)を表すことが好ましい。また、R7は水素原子を表すことが好ましい。
ポリカーボネート樹脂(2)としては、例えば、化学式(PC−3)〜(PC−5)で表されるポリカーボネート樹脂(以下、ポリカーボネート樹脂(PC−3)〜(PC−5)と記載することがある)が挙げられる。
Figure 2017223896
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ポリカーボネート樹脂(2)の粘度平均分子量は、20,000以上80,000以下であることが好ましく、49,500以上50,500以下であることがより好ましい。ポリカーボネート樹脂(2)の粘度平均分子量が20,000以上である場合、感光体の耐摩耗性を高めることができ、感光層が摩耗しにくくなる。一方、ポリカーボネート樹脂(2)の粘度平均分子量が80,000以下である場合、感光層の形成時に、ポリカーボネート樹脂(2)が溶剤に溶解し易くなり、感光層の形成が容易になる傾向がある。
本実施形態に用いられるバインダー樹脂としては、ポリアリレート樹脂(1)及びポリカーボネート樹脂(2)のみを単独で用いてもよいし、ポリアリレート樹脂(1)及びポリカーボネート樹脂(2)以外の樹脂(その他の樹脂)を、本発明の効果を損なわない範囲で含んでいてもよい。その他の樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアリレート樹脂(1)以外のポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂(ポリカーボネート樹脂(2)以外のポリカーボネート樹脂)、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、又はポリエステル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、又はその他架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ−アクリル酸系樹脂又はウレタン−アクリル酸系共重合体が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアリレート樹脂(1)の製造方法は、ポリアリレート樹脂(1)を製造できれば、特に限定されない。これらの製造方法として、例えば、ポリアリレート樹脂(1)の繰返し単位を構成するための芳香族ジオールと芳香族ジカルボン酸とを縮重合させる方法挙げられる。ポリアリレート樹脂(1)の合成方法は特に限定されず、公知の合成方法(より具体的には、溶液重合、溶融重合、又は界面重合等)の方法を採用することができる。
芳香族ジカルボン酸は、2つのカルボキシル基を有し、一般式(1−9)及び(1−10)で表される。一般式(1−9)中のX及び一般式(1−10)中のYは、それぞれ一般式(1)中のX及びYと同義である。
Figure 2017223896
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、芳香環上に結合する2つのカルボキシル基を有する芳香族ジカルボン酸(より具体的には、4,4’−ジカルボキシジフェニルエーテル、又は4,4’−ジカルボキシビフェニル等)が挙げられる。なお、ポリアリレート樹脂を合成する際、芳香族ジカルボン酸は、ジ酸クロライド、ジメチルエステル、又はジエチルエステルのような誘導体として用いることができる。芳香族ジカルボン酸は、一般式(1−9)及び(1−10)で表される芳香族ジカルボン酸以外に他の芳香族ジカルボン酸(例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、又は2,6−ナフタレンジカルボン酸)を含んでもよい。
芳香族ジオールは、2つのフェノール性水酸基を有し、化学式(1−11)及び一般式(1−12)で表される芳香族ジオールを含む。一般式(1−12)中のR1、R2及びR3は、各々一般式(1)中のR1、R2及びR3と同義である。
Figure 2017223896
一般式(1−12)で表される芳香族ジオールとしては、例えば、ビスフェノール類(より具体的には、ビスフェノールB等)が挙げられる。なお、ポリアリレート樹脂を合成する際、芳香族ジオールは、ジアセテートのような誘導体として用いることができる。芳香族ジオールは、化学式(1−11)及び一般式(1−12)で表される芳香族ジオール以外に他の芳香族ジオール(例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールE、又はビスフェノールF)を含んでもよい。
ポリカーボネート樹脂(2)の製造方法は、ポリカーボネート樹脂(2)を製造できれば、特に限定されない。これらの製造方法として、例えば、ホスゲン法、エステル交換反応させる方法、又は他の公知の方法が挙げられる。ホスゲン法は、ポリカーボネート樹脂(2)の繰返し単位を形成するためのジオール化合物とジハロゲン化カルボニルとを界面縮重合させる方法である。エステル交換させる方法は、ジオール化合物とジフェニルカーボネートとをエステル交換反応させる方法である。
以下、ホスゲン法を用いて、ポリカーボネート樹脂(2)を製造する場合を例に挙げて説明する。
ポリカーボネート樹脂(2)は、一般式(2−3)で表される化合物と、一般式(2−4)で表される化合物とを界面重合させることにより製造される。界面重縮合反応は、例えば、ジハロゲン化カルボニル(より具体的には、ホスゲン等)を用いて、酸結合剤及び溶媒の存在下で行われてもよい。
Figure 2017223896
一般式(2−3)中、R4、R5、及びR6は、それぞれ一般式(2)中のR4、R5、及びR6と同義である。一般式(2−4)中のR7は、一般式(3)中のR7と同義である。
ポリアリレート樹脂(1)の含有量mPARとポリカーボネート樹脂(2)の含有量mPCとの合計に対するmPARの割合(mPAR/(mPAR+mPC))は、0.10以上0.90以下であり、感光体の耐摩耗性を更に向上させる観点から0.30以上0.50以下であることが好ましい。
ポリアリレート樹脂(1)及びポリカーボネート樹脂(2)の含有量の合計は、バインダー樹脂に対して80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが更に好ましい。
本実施形態において、バインダー樹脂の含有量の比率は、電荷輸送層に含まれるすべての構成要素(例えば、正孔輸送剤、又はバインダー樹脂)の質量の合計に対して40質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。
[2−1−4.添加剤]
電荷発生層、電荷輸送層、単層型感光体の感光層、及び中間層のうちの少なくとも一つが、電子写真特性に悪影響を与えない範囲で、各種の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、劣化防止剤(より具体的には、酸化防止剤、ラジカル捕捉剤、消光剤、又は紫外線吸収剤等)、軟化剤、表面改質剤、増量剤、増粘剤、分散安定剤、ワックス、電子アクセプター化合物、ドナー、界面活性剤、又はレベリング剤が挙げられる。可塑剤としては、例えば、メタターフェニルが挙げられる。
[2−2.共通しない構成要素]
積層型感光体では、電荷発生層は、電荷発生層用バインダー樹脂(以下、ベース樹脂と記載することある)を含有してもよい。ベース樹脂は、感光体に適用し得るベース樹脂である限り、特に限定されない。ベース樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は光硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸系共重合体、アクリル共重合体、ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アルキド樹脂、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、又はポリエステル樹脂が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、又はその他架橋性の熱硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂としては、例えば、エポキシアクリル酸系樹脂、又はウレタン−アクリル酸系樹脂が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ベース樹脂は、上述したバインダー樹脂と同様の樹脂も例示されているが、同一の積層型感光体においては、通常、バインダー樹脂とは異なる樹脂が選択される。このことは、以下のことによる。積層型感光体を製造する際、通常、電荷発生層、電荷輸送層の順に形成するため、電荷発生層に、電荷輸送層用塗布液を塗布することになる。電荷輸送層の形成時に、電荷発生層は、電荷輸送層用塗布液の溶剤に溶解しないことが求められるからである。そこで、ベース樹脂は、同一の積層型感光体においては、通常、バインダー樹脂とは異なる樹脂が選択される。
[3.中間層]
本実施形態に係る感光体は、中間層(例えば、下引き層)を有してもよい。中間層は、例えば、無機粒子、及び樹脂(中間層用樹脂)を含有する。中間層を介在させると、リーク発生を抑制し得る程度の絶縁状態を維持しつつ、感光体を露光した時に発生する電流の流れを円滑にして、電気抵抗の上昇を抑えることができる。
無機粒子としては、例えば、金属(より具体的には、アルミニウム、鉄、又は銅等)の粒子、金属酸化物(より具体的には、酸化チタン、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、又は酸化亜鉛等)の粒子、又は非金属酸化物(より具体的には、シリカ等)の粒子が挙げられる。これらの無機粒子は、1種を単独で用いてもよいし、又は2種以上を併用してもよい。
中間層用樹脂としては、中間層を形成する樹脂として用いることができる樹脂であれば、特に限定されない。
[4.感光体の製造方法]
感光体の製造方法について説明する。感光体の製造方法は、例えば、感光層形成工程を有する。
[4−1.積層型感光体の製造方法]
積層型感光体の製造方法において、感光層形成工程は、電荷発生層形成工程と電荷輸送層形成工程とを有する。電荷発生層形成工程では、まず、電荷発生層を形成するための塗布液(以下、電荷発生層用塗布液と記載することがある)を調製する。電荷発生層用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した電荷発生層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷発生層を形成する。電荷発生層用塗布液は、例えば、電荷発生剤と、ベース樹脂と、溶剤とを含む。このような電荷発生層用塗布液は、電荷発生剤とベース樹脂とを溶剤に溶解又は分散させることにより調製する。電荷発生層用塗布液は、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
電荷輸送層形成工程では、まず、電荷輸送層を形成するための塗布液(以下、電荷輸送層用塗布液と記載することがある)を調製する。電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した電荷輸送層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して電荷輸送層を形成する。電荷輸送層用塗布液は、正孔輸送剤としてのターフェニル誘導体(3)〜(5)と、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(1)及びポリカーボネート樹脂(2)と、溶剤とを含む。電荷輸送層用塗布液は、正孔輸送剤と、ポリアリレート樹脂(1)と、ポリカーボネート樹脂(2)とを溶剤に溶解又は分散させることにより調製することができる。電荷輸送層形成用塗布液には、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
[4−2.単層型感光体の製造方法]
単層型感光体の製造方法において、感光層形成工程では、感光層を形成するための塗布液(以下、感光層用塗布液と記載することがある)を調製する。感光層用塗布液を導電性基体上に塗布する。次いで、適宜な方法で乾燥することによって、塗布した感光層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去して感光層を形成する。感光層用塗布液は、例えば、電荷発生剤と、正孔輸送剤としてのターフェニル誘導体(3)〜(5)と、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(1)及びポリカーボネート樹脂(2)と、溶剤とを含む。このような感光層用塗布液は、電荷発生剤と、正孔輸送剤としてのターフェニル誘導体(3)〜(5)と、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(1)及びポリカーボネート樹脂(2)とを溶剤に溶解又は分散させることにより調製する。感光層用塗布液は、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。
以下、感光層形成工程の詳細を説明する。電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液、及び感光層用塗布液に含有される溶剤は、それぞれ電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液、及び感光層用塗布液に含まれる各成分を溶解又は分散できれば、特に限定されない。溶剤としては、例えば、アルコール類(より具体的には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はブタノール等)、脂肪族炭化水素(より具体的には、n−ヘキサン、オクタン、又はシクロヘキサン等)、芳香族炭化水素(より具体的には、ベンゼン、トルエン、又はキシレン等)、ハロゲン化炭化水素(より具体的には、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、又はクロロベンゼン等)、エーテル類(より具体的には、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、又はジエチレングリコールジメチルエーテル等)、ケトン類(より具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、又はシクロヘキサノン等)、エステル類(より具体的には、酢酸エチル又は酢酸メチル等)、ジメチルホルムアルデヒド、ジメチルホルムアミド、又はジメチルスルホキシドが挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの溶剤のうち、非ハロゲン系溶剤を用いることが好ましい。
更に、電荷輸送層用塗布液に含有される溶剤は、電荷発生層用塗布液に含有される溶剤と、異なることが好ましい。積層型感光体を製造する際、通常、電荷発生層、電荷輸送層の順に形成するため、電荷発生層上に、電荷輸送層用塗布液を塗布することになる。電荷輸送層形成時に、電荷発生層は、電荷輸送層用塗布液の溶剤に溶解しないことが求められるからである。
電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液、及び感光層用塗布液は、それぞれ各成分を混合し、溶剤に分散することにより調製される。混合又は分散には、例えば、ビーズミル、ロールミル、ボールミル、アトライター、ペイントシェーカー、又は超音波分散器を用いることができる。
電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液、及び感光層用塗布液は、各成分の分散性、又は形成される各々の層の表面平滑性を向上させるために、例えば、界面活性剤又はレベリング剤を含有してもよい。
電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液、及び感光層用塗布液を塗布する方法としては、電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液、及び感光層用塗布液を均一に塗布できる方法であれば、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ディップコート法、スプレーコート法、スピンコート法、又はバーコート法が挙げられる。
電荷発生層用塗布液、電荷輸送層用塗布液、及び感光層用塗布液に含まれる溶剤の少なくとも一部を除去する方法としては、電荷発生層用塗布液及び電荷輸送層用塗布液中の溶剤の一部を除去させ得る方法(より具体的には、蒸発させ得る方法等)であれば、特に限定されない。除去する方法としては、例えば、加熱、加圧、又は加熱と減圧との併用が挙げられる。より具体的には、高温乾燥機、又は減圧乾燥機を用いて、熱処理(熱風乾燥)する方法が挙げられる。熱処理条件は、例えば、40℃以上150℃以下の温度、かつ3分間以上120分間以下の時間である。
なお、感光体の製造方法は、必要に応じて中間層を形成する工程を更に有してもよい。中間層を形成する工程は、公知の方法を適宜選択することができる。
以上説明した本発明の電子写真感光体は、耐摩耗性に優れるため、種々の画像形成装置で好適に使用できる。
以下、実施例を用いて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明は実施例の範囲に何ら限定されるものではない。
感光体の製造
[感光体(A−1)の製造]
以下、実施例1に係る感光体(A−1)の製造について説明する。
(中間層の形成)
はじめに、表面処理された酸化チタン(テイカ株式会社製「試作品SMT−A」、平均一次粒径10nm)を準備した。詳しくは、アルミナとシリカとを用いて酸化チタンを表面処理し、更に、表面処理された酸化チタンを湿式分散しながらメチルハイドロジェンポリシロキサンを用いて表面処理したものを準備した。次いで、表面処理された酸化チタン(2質量部)と、ポリアミド樹脂であるアミラン(登録商標)(東レ株式会社製「CM8000」)(ポリアミド6,ポリアミド12,ポリアミド66,及びポリアミド610の四元共重合ポリアミド樹脂)(1質量部)とを、メタノール(10質量部)、ブタノール(1質量部)及びトルエン(1質量部)を含む溶剤に対して添加した。これらをビーズミルを用いて5時間混合し、溶剤中に材料を分散させた。これにより、中間層用塗布液を調製した。
得られた中間層用塗布液を、目開き5μmのフィルターを用いてろ過した。その後、導電性基体としてのアルミニウム製のドラム状支持体(直径30mm、全長246mm)の表面に、中間層用塗布液をディップコート法を用いて塗布した。続いて、塗布した中間層用塗布液を130℃で30分間乾燥させて、導電性基体(ドラム状支持体)上に中間層(膜厚2μm)を形成した。
(電荷発生層の形成)
Y型チタニルフタロシアニン(電荷発生剤(CGM−2) 1.5質量部)と、ベース樹脂としてのポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックKS−6Z」)(1質量部)とを、プロピレングリコールモノメチルエーテル(40質量部)及びテトラヒドロフラン(40質量部)を含む溶剤に対して添加した。これらをビーズミルを用いて2時間混合し、溶剤中に材料を分散させて、電荷発生層用塗布液を作製した。得られた電荷発生層用塗布液を、目開き3μmのフィルターを用いてろ過した。次いで、得られたろ過液を、上述のようにして形成された中間層上にディップコート法を用いて塗布し、50℃で5分間乾燥させた。これにより、中間層上に電荷発生層(膜厚0.3μm)を形成した。
(電荷輸送層の形成)
正孔輸送剤としての正孔輸送剤(HTM−1)60質量部、正孔輸送剤(HTM−6)30質量部、及び正孔輸送剤(HTM−7)10質量部と、添加剤としてのメタターフェニル13質量部と、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(PAR−1)(粘度平均分子量26,000)30質量部及びポリカーボネート樹脂(PC−1)(粘度平均分子量50,000)70質量部とを、テトラヒドロフラン420質量部及びトルエン210質量部を含む溶剤に対して添加した。これらを循環型超音波分散装置を用いて12時間混合し、溶剤中に材料を分散させて、電荷輸送層用塗布液を調製した。電荷輸送層用塗布液における正孔輸送剤の含有量比(=正孔輸送剤(HTM−1):正孔輸送剤(HTM−7):正孔輸送剤(HTM−6)、質量比)は、60:10:30であった。電荷輸送層用塗布液におけるバインダー樹脂の含有量比(ポリアリレート樹脂(PAR−1):ポリカーボネート樹脂(PC−1)、質量比)は、30:70であった。割合(mPAR/(mPAR+mPC))は、0.30であった。
電荷発生層用塗布液と同様の操作により、電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に塗布した。その後、110℃で60分間乾燥させて、電荷発生層上に電荷輸送層(膜厚20μm)を形成した。その結果、感光体(A−1)が得られた。感光体(A−1)は、導電性基体上に、中間層、電荷発生層、及び電荷輸送層が、この順で積層された構成を有していた。
[感光体(A−2)]
正孔輸送剤として、正孔輸送剤(HTM−6)の代わりに正孔輸送剤(HTM−2)を用い、正孔輸送剤(HTM−7)の代わりに正孔輸送剤(HTM−3)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−2)を作製した。
[感光体(A−3)]
正孔輸送剤として、正孔輸送剤(HTM−6)の代わりに正孔輸送剤(HTM−4)を用い、正孔輸送剤(HTM−7)の代わりに正孔輸送剤(HTM−5)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−2)を作製した。
[感光体(A−4)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−2)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−4)を作製した。
[感光体(A−5)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−3)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−5)を作製した。
[感光体(A−6)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−4)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−6)を作製した。
[感光体(A−7)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−5)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−7)を作製した。
[感光体(A−8)]
ポリカーボネート樹脂(PC−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(PC−2)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−8)を作製した。
[感光体(A−9)]
ポリカーボネート樹脂(PC−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(PC−3)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−9)を作製した。
[感光体(A−10)]
ポリカーボネート樹脂(PC−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(PC−4)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−10)を作製した。
[感光体(A−11)]
ポリカーボネート樹脂(PC−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(PC−5)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−11)を作製した。
[感光体(A−12)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の含有量を30質量部から90質量部に変更し、ポリカーボネート樹脂(PC−1)の含有量を70質量部から10質量部に変更した以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−12)を作製した。
[感光体(A−13)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の含有量を30質量部から10質量部に変更し、ポリカーボネート樹脂(PC−1)の含有量を70質量部から90質量部に変更した以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−13)を作製した。
[感光体(A−14)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の含有量を30質量部から50質量部に変更し、ポリカーボネート樹脂(PC−1)の含有量を70質量部から50質量部に変更した以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−14)を作製した。
[感光体(A−15)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の含有量を30質量部から70質量部に変更し、ポリカーボネート樹脂(PC−1)の含有量を70質量部から30質量部に変更した以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−15)を作製した。
[感光体(A−16)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−6)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−16)を作製した。
[感光体(A−17)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−7)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−17)を作製した。
[感光体(A−18)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−8)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−18)を作製した。
[感光体(A−19)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−9)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−19)を作製した。
[感光体(A−20)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−10)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−20)を作製した。
[感光体(A−21)]
ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−11)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(A−21)を作製した。
[感光体(B−1)]
正孔輸送剤として、正孔輸送剤(HTM−1)60質量部、正孔輸送剤(HTM−6)30質量部、及び正孔輸送剤(HTM−7)10質量部の代わりに正孔輸送剤(HTM−8)100質量部を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−1)を作製した。
[感光体(B−2)]
正孔輸送剤として、正孔輸送剤(HTM−1)60質量部、正孔輸送剤(HTM−6)30質量部、及び正孔輸送剤(HTM−7)10質量部の代わりに正孔輸送剤(HTM−1)86質量部及び正孔輸送剤(HTM−7)14質量部を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−2)を作製した。
[感光体(B−3)]
正孔輸送剤として、正孔輸送剤(HTM−1)60質量部、正孔輸送剤(HTM−6)30質量部、及び正孔輸送剤(HTM−7)10質量部の代わりに正孔輸送剤(HTM−6)75質量部及び正孔輸送剤(HTM−7)25質量部を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−3)を作製した。
[感光体(B−4)]
正孔輸送剤として、正孔輸送剤(HTM−1)60質量部、正孔輸送剤(HTM−6)30質量部、及び正孔輸送剤(HTM−7)10質量部の代わりに正孔輸送剤(HTM−1)67質量部、正孔輸送剤(HTM−6)33質量部を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−4)を作製した。
[感光体(B−5)]
正孔輸送剤として、正孔輸送剤(HTM−1)60質量部、正孔輸送剤(HTM−6)30質量部、及び正孔輸送剤(HTM−7)10質量部の代わりに正孔輸送剤(HTM−1)65質量部、正孔輸送剤(HTM−6)30質量部、及び正孔輸送剤(HTM−7)5質量部を用いた。また、バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(RAR−1)30質量部及びポリカーボネート樹脂(PC−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−1)100質量部を用いた。これら以外は感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−4)を作製した。
[感光体(B−6)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−2)を用いた以外は、感光体(B−5)と同様の手法により、感光体(B−6)を作製した。
[感光体(B−7)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−3)を用いた以外は、感光体(B−5)と同様の手法により、感光体(B−7)を作製した。
[感光体(B−8)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−4)を用いた以外は、感光体(B−5)と同様の手法により、感光体(B−8)を作製した。
[感光体(B−9)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−5)を用いた以外は、感光体(B−5)と同様の手法により、感光体(B−9)を作製した。
[感光体(B−10)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(PC−1)を用いた以外は、感光体(B−5)と同様の手法により、感光体(B−10)を作製した。
[感光体(B−11)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(PC−2)を用いた以外は、感光体(B−5)と同様の手法により、感光体(B−11)を作製した。
[感光体(B−12)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(PC−3)を用いた以外は、感光体(B−5)と同様の手法により、感光体(B−12)を作製した。
[感光体(B−13)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリカーボネート樹脂(PC−4)を用いた以外は、感光体(B−5)と同様の手法により、感光体(B−13)を作製した。
[感光体(B−14)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−12)(以下、ポリアリレート樹脂(PAR−12)と記載することがある)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−14)を作製した。
Figure 2017223896
[感光体(B−15)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−13)(以下、ポリアリレート樹脂(PAR−13)と記載することがある)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−15)を作製した。
Figure 2017223896
[感光体(B−16)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−14)(以下、ポリアリレート樹脂(PAR−14)と記載することがある)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−16)を作製した。
Figure 2017223896
[感光体(B−17)]
バインダー樹脂として、ポリアリレート樹脂(PAR−1)の代わりにポリアリレート樹脂(PAR−15)(以下、ポリアリレート樹脂(PAR−15)と記載することがある)を用いた以外は、感光体(A−1)と同様の手法により、感光体(B−17)を作製した。
Figure 2017223896
[感光体の性能評価]
(感光体の感度特性の評価:感度電位VLの測定)
感光体(A−1)〜(A−21)及び感光体(B−1)〜(B−17)の何れかを、ドラム感度試験機(ジェンテック株式会社製)を用いて、回転数を31rpmとし、−450Vになるように帯電させた。次いで、単色光(波長:780nm、露光量:0.20μJ/cm2)をハロゲンランプの光からバンドパスフィルターを用いて取り出し、感光体の表面に照射した。単色光の照射終了後、40ミリ秒が経過した後の表面電位を測定した。測定した表面電位を感度電位(VL)とした。測定環境は、温度10℃、かつ相対湿度15%RHとした。
(感光体の耐摩耗性評価)
感光体(A−1)〜(A−21)及び感光体(B−1)〜(B−17)の何れかの製造において調製した電荷輸送層用塗布液を、アルミパイプ(直径:78mm)に巻きつけたポリプロピレンシート(厚さ0.3mm)に塗布した。これを、110℃で60分乾燥し、膜厚30μmの電荷輸送層が形成された摩耗評価試験用のシートを作製した。
このポリプロピレンシートから電荷輸送層を剥離し、ウィールS−36(テーバー社製)に貼り付け、サンプルを作製した。作製したサンプルをロータリーアブレージョンテスター(株式会社東洋精機製作所製)にセットし、摩耗輪CS−10(テーバー社製)を用い、荷重500gfかつ回転速度60rpmの条件で1,000回転させ、摩耗評価試験を実施した。摩耗評価試験前後のサンプルの質量変化である摩耗減量(mg/1000回転)を測定した。得られた摩耗減量に基づいて、感光体の耐摩耗性を評価した。
表1は感光体(A−1)〜(A−21)の構成を示し、表2は感光体(B−1)〜(B−17)の構成を示す。表1及び表2中、ポリアリレート樹脂の分子量及びポリカーボネート樹脂の分子量は、ともに粘度平均分子量を表す。また、表1及び表2中、バインダー樹脂の比は、ポリアリレート樹脂(1)の含有量mPARとポリカーボネート樹脂(2)の含有量mPCとの比(mPAR:mPC)を表す。表1及び表2中、バインダー樹脂の比に付したカッコ内の数値は、割合(mPAR/(mPAR+mPC))を表す。表3は感光体(A−1)〜(A−21)の性能評価を示し、表4は感光体(B−1)〜(B−17)の性能評価結果を示す。
Figure 2017223896
Figure 2017223896
Figure 2017223896
Figure 2017223896
表1に示すように、感光体(A−1)〜(A−21)では、電荷輸送層は、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂及びポリカーボネート樹脂を含有し、正孔輸送剤としてのp−ターフェニル誘導体を含有する。詳しくは、感光体(A−1)〜(A−21)では、電荷輸送層は、ポリアリレート樹脂(PAR−1)〜(PAR−11)の何れか1種と、バインダー樹脂としてのポリカーボネート樹脂(PC−1)〜(PC−5)の何れか1種とを含有する。ポリアリレート樹脂(PAR−1)〜(PAR−11)は、一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂であった。ポリカーボネート樹脂(PC−1)〜(PC−5)は、一般式(2)で表されるポリカーボネート樹脂であった。また、電荷輸送層は、正孔輸送剤(HTM−1)と、正孔輸送剤(HTM−3)、(HTM−5)、及び(HTM−7)のうちの1種と、正孔輸送剤(HTM−2)、(HTM−4)、及び(HTM−6)のうちの1種とを含む。正孔輸送剤(HTM−1)、(HTM−3)、(HTM−5)、及び(HTM−7)は、一般式(3)又は(4)で表されるp−ターフェニル誘導体である。正孔輸送剤(HTM−2)、(HTM−4)、及び(HTM−6)は、一般式(5)で表されるp−ターフェニル誘導体である。
表3に示すように、感光体(A−1)〜(A−21)では、感度電位が−95V以上−75Vであり、摩耗減量が2.5mg以上4.0mg以下である。
表2に示すように、感光体(B−1)〜(B−17)では、電荷輸送層は、バインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、又はポリアリレート樹脂及びポリカーボネート樹脂を含有する。また、電荷輸送層は、正孔輸送剤としてのp−ターフェニル誘導体を含む。詳しくは、感光体(B−1)では、電荷輸送層は正孔輸送剤(HTM−8)のみを含む。感光体(B−2)〜(B−4)では、電荷輸送層は正孔輸送剤(HTM−1)、(HTM−6)、及び(HTM−7)のうちの2種を含む。感光体(B−5)〜(B−9)では、電荷輸送層はポリアリレート樹脂(PAR−1)〜(PAR−5)のうちの1種を含み、ポリカーボネート樹脂を含まない。感光体(B−10)〜(B−13)では、電荷輸送層はポリカーボネート樹脂(PC−1)〜(PC−4)のうちの1種を含み、ポリアリレート樹脂を含まない。感光体(B−14)〜(B−17)では、電荷輸送層はポリアリレート樹脂(PAR−12)〜(PAR−15)のうちの1種を含む。ポリアリレート樹脂(PAR−12)〜(PAR−15)は、一般式(1)で表されるポリアリレート樹脂ではない。
表4に示すように、感光体(B−1)及び(B−4)では、感光体の感度電位は、それぞれ−148V及び−110Vである。感光体(B−2)〜(B−3)では、何れも感光層が結晶化する。感光体(B−14)では、塗工液(電荷輸送層用塗布液)がゲル化し電荷輸送層を十分に製膜できない。感光体(B−5)〜(B−13)及び(B−15)〜(B−17)では、感光体の摩耗減量は4.2mg以上6.9mgである。
表1〜表4から明らかなように、本実施形態に係る感光体(感光体(A−1)〜(A−21))は、感光体(B−1)〜(B−17)に比べ、感度電位が大きく耐摩耗試験において摩耗減量が少ない。従って、本発明に係る感光体によれば、感度特性及び耐摩耗性に優れることが明らかである。
表1に示すように、感光体(A−17)、(A−19)、及び(A−21)では、感光層はバインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(PAR−7)、(PAR−9)、及び(PAR−11)をそれぞれ含む。ポリアリレート樹脂(PAR−7)、(PAR−9)、及び(PAR−11)は、以下の構成を有するポリアリレート樹脂(1)である;Xが化学式(1−1)又は(1−4)で表される二価の基を表し、Yが化学式(1−2)で表される二価の基を表し、rとsとが互いに異なりrとuとが互いに異なり、tとsとが互いに異なりtとuとが互いに異なる。rが10以上である。
表3に示すように、感光体(A−17)、(A−19)、及び(A−21)では、感度電位が−82V以上−75V以下である。
表1に示すように、感光体(A−1)、(A−4)〜(A−7)、(A−16)、(A−18)、及び(A−20)では、感光層はバインダー樹脂としてのポリアリレート樹脂(PAR−1)〜(PAR−6)、(PAR−8)、及び(PAR−10)をそれぞれ含む。ポリアリレート樹脂(PAR−1)〜(PAR−6)、(PAR−8)、及び(PAR−10)は、以下の構成を有するポリアリレート樹脂(1)ではない;Xが化学式(1−1)又は(1−4)で表される二価の基を表し、Yが化学式(1−2)で表される二価の基を表し、rとsとが互いに異なりrとuとが互いに異なり、tとsとが互いに異なりtとuとが互いに異なる。rが10以上である。
表3に示すように、感光体(A−1)、(A−4)〜(A−7)、(A−16)、(A−18)、及び(A−20)では、感度電位が−95V以上−84V以下である。
表1及び表3から明らかなように、感光体(A−17)、(A−19)、及び(A−21)は、感光体(A−1)、(A−4)〜(A−7)、(A−16)、(A−18)、及び(A−20)に比べ、感度電位が増加する。従って、本発明に係る感光体によれば、ポリアリレート樹脂(1)が以下の構成を有すると、感光体の感度特性が向上することが明らかである;Xが化学式(1−1)又は(1−4)で表される二価の基を表し、Yが化学式(1−2)で表される二価の基を表し、rとsとが互いに異なりrとuとが互いに異なり、tとsとが互いに異なりtとuとが互いに異なる。rが10以上である。
表1に示すように、感光体(A−9)〜(A−11)では、感光層はバインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂(PC−3)〜(PC−5)をそれぞれ含む。ポリカーボネート樹脂(PC−3)〜(PC−5)は、以下の構成を有するポリカーボネート樹脂(2)である;R5とR6とが互いに結合して環を形成し、シクロヘキシリデン基を表し、p/(p+l)は、0.10以上0.40以下である。
表3に示すように、感光体(A−9)〜(A−11)では、摩耗減量が2.5mg以上2.9mg以下である。
表1に示すように、感光体(A−1)及び(A−8)では、感光層はバインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂(PC−1)及び(PC−2)をそれぞれ含む。ポリカーボネート樹脂(PC−1)及び(PC−2)は、以下の構成を有するポリカーボネート樹脂(2)ではない;R5とR6とが互いに結合して環を形成し、シクロヘキシリデン基を表し、p/(p+l)は、0.10以上0.40以下である。
表3に示すように、感光体(A−1)及び(A−8)では、摩耗減量が3.2mg以上3.4mg以下である。
表1及び表3から明らかなように、感光体(A−9)〜(A−11)は、感光体(A−1)及び(A−8)に比べ、摩耗減量が少ない。従って、本発明に係る感光体によれば、ポリカーボネート樹脂(2)が以下の構成を有すると、感光体の耐摩耗性が向上することが明らかである;R5とR6とが互いに結合して環を形成し、シクロヘキシリデン基を表し、p/(p+l)は、0.10以上0.40以下である。
感光体(A−1)及び(A−14)では、表1に示すように割合(mPAR/(mPAR+mPC))がそれぞれ0.30及び0.50である。表3に示すように摩耗減量はそれぞれ3.2mg及び3.5mgである。
感光体(A−12)〜(A−13)及び(A−15)では、表1に示すように割合(mPAR/(mPAR+mPC))がそれぞれ0.90、0.10、及び0.70である。表3に示すように摩耗減量はそれぞれ4.0mg、3.8mg、及び3.8mgである。
表1及び表3から明らかなように、感光体(A−1)及び(A−14)は、感光体(A−12)〜(A−13)及び(A−15)に比べ、摩耗減量が少ない。従って、本発明に係る感光体によれば、割合(mPAR/(mPAR+mPC))が0.30以上0.50以下であると、感光体の耐摩耗性が向上することが明らかである
本発明に係る電子写真感光体は、複合機のような画像形成装置に利用できる。
1 積層型電子写真感光体
2 導電性基体
3 感光層
3a 電荷発生層
3b 電荷輸送層
4 中間層

Claims (8)

  1. 導電性基体と、感光層とを備える電子写真感光体であって、
    前記感光層は、電荷発生剤と、正孔輸送剤と、バインダー樹脂とを含有し、
    前記バインダー樹脂は、ポリアリレート樹脂とポリカーボネート樹脂とを含み、
    前記ポリアリレート樹脂は、一般式(1)で表され、
    前記ポリカーボネート樹脂は、一般式(2)で表され、
    前記ポリアリレート樹脂の含有量mPARと前記ポリカーボネート樹脂の含有量mPCとの合計に対する前記含有量mPARの割合(mPAR/(mPAR+mPC))は、0.10以上0.90であり、
    前記正孔輸送剤は、一般式(3)で表されるp−ターフェニル誘導体と、一般式(4)で表されるp−ターフェニル誘導体と、一般式(5)で表されるp−ターフェニル誘導体とを含む、電子写真感光体。
    Figure 2017223896
    前記一般式(1)中、
    1は、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、2つのR1は、互いに同一であっても異なっていてもよく、
    2及びR3は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、R2とR3とは互いに結合して環を形成し、シクロアルキリデン基となってもよく、
    r、s、t、及びuは、何れも正の整数を表し、
    r+s+t+u=100であり、
    r+t=s+uであり、
    r/(r+t)は、0.10以上0.90以下であり、
    X及びYは、各々独立に、化学式(1−1)、化学式(1−2)、化学式(1−3)、又は化学式(1−4)で表される二価の基を表す。
    Figure 2017223896
    Figure 2017223896
    前記一般式(2)中、
    4、R5、R6及びR7は、各々独立に、水素原子又は炭素原子数1以上4以下のアルキル基を表し、
    2つのR4は、互いに同一であっても異なってもよく、
    5とR6とは互いに結合して環を形成し、シクロアルキリデン基となってもよく、
    2つのR7は、互いに同一であっても異なってもよく、
    p及びlは、何れも正の整数を表し、
    p+l=100であり、
    p/(p+l)は、0.00以上0.70以下である。
    Figure 2017223896
    Figure 2017223896
    Figure 2017223896
    一般式(3)、(4)、及び(5)中、
    Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、Ar6、Ar7、及びAr8は、各々独立に、炭素原子数6以上14以下のアリール基を表し、
    前記アリール基は、1又は複数の置換基を有してもよく、
    前記置換基は、炭素原子数1以上6以下のアルキル基、炭素原子数1以上6以下のアルコキシ基、又はハロゲン原子を表し、
    前記置換基が複数である場合、複数の前記置換基は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
  2. 前記一般式(1)中、
    1が水素原子又はメチル基を表し、
    2がメチル基を表し、
    3がメチル基又はエチル基を表し、
    2つのR1が互いに同一である、請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記一般式(1)中、
    Xが前記化学式(1−1)又は前記化学式(1−4)で表される二価の基を表し、
    Yが前記化学式(1−2)で表される二価の基を表し、
    rとsとが互いに異なり、rとuとが互いに異なり、
    tとsとが互いに異なり、tとuとが互いに異なり、
    rが10以上である、請求項1又は2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記一般式(2)中、
    4が水素原子又はメチル基を表し、
    5とR6とが互いに結合して環を形成し、炭素原子数5以上7以下のシクロアルキリデン基を表すか、又はR5がメチル基を表しR6がエチル基を表し、
    7が水素原子を表し、
    2つのR4が互いに同一である、請求項1〜3の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  5. 前記一般式(2)中、
    5とR6とが互いに結合して環を形成し、シクロヘキシリデン基を表し、
    p/(p+l)は、0.10以上0.40以下である、請求項4に記載の電子写真感光体。
  6. 前記割合(mPAR/(mPAR+mPC))は、0.30以上0.50以下である、請求項1〜5の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  7. 前記一般式(3)中、
    Ar1及びAr2は、フェニル基を表し、
    前記フェニル基は、前記置換基を0以上2以下有し、
    前記置換基は、メチル基を表し、
    前記一般式(4)中、
    Ar3及びAr4は、フェニル基を表し、
    前記フェニル基は、前記置換基を0以上2以下有し、
    前記置換基は、メチル基を表し、
    前記一般式(5)中、
    Ar5、Ar6、Ar7、及びAr8は、フェニル基を表し、
    前記フェニル基は、0以上2以下の前記置換基を有し、
    前記置換基は、メチル基を表す、請求項1〜6の何れか一項に記載の電子写真感光体。
  8. 前記感光層は、前記電荷発生剤を含有する電荷発生層と、前記正孔輸送剤、及び前記バインダー樹脂を含有する電荷輸送層とを含み、
    前記電荷輸送層は一層であり、前記電荷輸送層は最表面層として配置される、請求項1〜7の何れか一項に記載の電子写真感光体。
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